JP2017039472A - 車両用バックドア - Google Patents

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Junichiro Yamashita
純一郎 山下
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Abstract

【課題】リヤスポイラのデザイン形状に対する製造上の制約を緩和して、バックドアのデザイン自由度を高め、且つ窓パネルの取り替え作業に伴ってアウタパネルの上側部分が剥離しないようにする。【解決手段】アウタパネル(5)を構成するアッパパネル(29)が、車両後方へ突出し、窓パネル(11)の上縁部に被さる中空構造のリヤスポイラ(37)を構成する車両用バックドア(1)において、窓パネル(11)の上縁部は、インナパネル(3)における窓用開口(1)の周縁部を形成する内側フランジ(17)に接着され、リヤスポイラ(37)は、当該リヤスポイラ(37)の上面を構成する、窓パネル(11)側を開放した形状のスポイラ本体(47)と、スポイラ本体(47)の開放側を覆うロアカバー部材(35)とに分割されている。【選択図】図3

Description

本発明は、リヤスポイラが設けられた車両用バックドアに関する。
この種のバックドアとして、特許文献1には、樹脂製のインナパネルと樹脂製のアウタパネルとが接合され、これら両パネルの接合体からなるドア本体に設けられた窓用開口が窓パネルによって閉塞された構造を有するバックドアが開示されている。このバックドアでは、アウタパネルが、窓用開口よりも上側でインナパネルに接合されたアッパパネルと、窓用開口よりも下側でインナパネルに接合されたロアパネルとで構成され、窓パネルの上下両縁部がアッパパネルの下縁部とロアパネルの上縁部とにそれぞれ車両後方から接着されている。
そして、特許文献1に開示されたバックドアでは、アッパパネルのうち窓パネルの上縁部が接着される部分よりも上側の後端部分が、車両後方へ突出する中空構造のリヤスポイラを構成している。リヤスポイラは、その全体が一枚物のアッパパネルに一体に形成されており、アッパパネルのうち窓パネルの上縁部との接着面と直角又はこれに近い角度で延びている。それによって、リヤスポイラと窓パネルとは、両者の間を車両後方に向かって大きく開いた形態となっている。
特開2011−136606号公報
ところで、車種によっては、窓パネルを水平に寝かせ気味の姿勢とするようなデザインのバックドアが必要とされている。このようなデザインのバックドアにおいては、見栄えを良くするために、リヤスポイラを窓パネルの上縁部に被さるように車両後方へ突出させ、リヤスポイラと窓パネルとを接近させた構造にしたいという要求がある。
しかし、特許文献1に開示されたバックドアでは、そのような要求に応えようとした場合、リヤスポイラの全体が一枚物のパネルで構成されていることから、窓パネルの取付け前において、インナパネルとアウタパネルとを接合してなるドア本体は、リヤスポイラがアッパパネルのうち窓パネルを接着する部分に対し、比較的近接した位置で被さった状態となる。
そうなると、アッパパネルのうち窓パネルを接着する部分とリヤスポイラとの間に窓パネルの接着作業を行うための空間を確保できず、リヤスポイラが邪魔になってドア本体に窓パネルを取り付け難くなる。このことは、バックドアの生産時においてドア本体に窓パネルを取り付ける場合は勿論、車両事故などによって破損した窓パネルを取り替える場合においても同じである。上記のことから、リヤスポイラのデザイン形状は窓パネルの接着作業を行う空間を確保できる形態に限られてしまい、バックドアのデザイン自由度が制約される。
また、特許文献1に開示されたバックドアでは、窓パネルの上縁部がアッパパネルの下縁部に接着されているため、窓パネルを取り替える必要が生じた場合に、窓パネルの上縁部をアッパパネルから剥離する際や、窓パネルを剥離した後にアッパパネルのうち窓パネルを剥離した部分に残存する接着剤を剥がす際に、アッパパネルのインナパネルとの接着部分、特に補強材との接着部分に剥離方向への負荷がかかり、窓パネルの取り替え作業に伴ってアッパパネルがインナパネルから剥離するおそれがある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リヤスポイラのデザイン形状に対する製造上の制約を緩和してバックドアのデザイン自由度を高め、且つ窓パネルの取り替え作業に伴ってアウタパネルの上側部分がインナパネルから剥離しないようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、リヤスポイラのデザイン形状が窓パネルの接着作業を行う空間を確保するための制約を受けないようにアッパパネルのうちリヤスポイラを構成する部分の構造を工夫した。
具体的には、本発明は、樹脂製のインナパネルと、このインナパネルに接合された樹脂製のアウタパネルと、これらインナパネルとアウタパネルとの接合体に設けられた窓用開口を車両後側で閉塞する窓パネルとを備え、アウタパネルのうち窓用開口よりも上側の部分が、車両後方へ突出し、窓パネルの上縁部に被さる中空構造のリヤスポイラを構成する車両用バックドアを対象としており、以下の解決手段を講じたものである。
すなわち、第1の発明は、窓パネルの上縁部が、インナパネルにおける窓用開口の周縁部に接着されていることを1つの構成要件とする。そして、第1の発明は、リヤスポイラが、当該リヤスポイラの上面を構成する、窓パネル側を開放した形状のスポイラ本体と、このスポイラ本体の開放側を覆うロアカバー部材とに分割されていることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明の車両用バックドアにおいて、インナパネルの剛性がアウタパネルの剛性よりも高いことを1つの構成要件とする。また、ロアカバー部材は、スポイラ本体の開放側で車外に臨む外観面部と、この外観面部からリヤスポイラの前側でインナパネルとアウタパネルとの間に形成された内部空間に向けて延びる内延部とを備える。そして、第2の発明は、ロアカバー部材の内延部がインナパネルに固定されていることを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明の車両用バックドアにおいて、インナパネルに、車内側が凹みロアカバー部材の内延部に向けて突出し、先端部分に内延部と対向する座面部を有する取付座が設けられていることを1つの構成要件とする。そして、第3の発明は、ロアカバー部材の内延部が取付座の座面部に固定されていることを特徴とする。
第4の発明は、第2又は第3の発明の車両用バックドアにおいて、ロアカバー部材の外観面部と内延部とは屈曲した形状を構成していることを1つの構成要件とする。そして、第4の発明は、ロアカバー部材は、外観面部及び内延部におけるリヤスポイラの内部に臨む面同士を連結する連結部をさらに備えることを特徴とする。
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれか1つの車両用バックドアにおいて、ロアカバー部材が、窓パネルと対向する対向面を有することを1つの構成要件とする。そして、第5の発明は、ロアカバー部材の対向面と窓パネルとの間に、両者に密着するシール部材が挟み込まれていることを特徴とする。
第6の発明は、第1〜第4の発明のいずれか1つの車両用バックドアにおいて、ロアカバー部材が、窓パネルと対向する対向面を有することを1つの構成要件とする。そして、第6の発明は、ロアカバー部材の対向面と窓パネルとのうち少なくとも一方に、リヤスポイラが窓パネル側に撓んだときに他方に当接する凸部が設けられていることを特徴とする。
第1の発明によれば、リヤスポイラの構成をスポイラ本体とロアカバー部材とに分割するようにしたので、ロアカバー部材をスポイラ本体に取り付ける前に、インナパネルにおける窓用開口の周縁部に対し、スポイラ本体の開放側の空間、つまりリヤスポイラの内部空間となる空間を利用して窓パネルの上縁部をインナパネルにおける窓用開口の周縁部に接着することができる。これにより、リヤスポイラが窓パネルの上縁部に被さるように車両後方に突出したデザイン形状であっても、窓パネルの接着作業を行う空間を確保することができ、リヤスポイラが窓パネルの取付け時に邪魔にならない。したがって、リヤスポイラのデザイン形状が窓パネルの接着作業を確保するために受ける製造上の制約を緩和して、バックドアのデザイン自由度を高めることができる。
また、第1の発明によれば、窓パネルの上縁部をインナパネルにおける窓用開口の周縁部に接着するようにしたので、車両事故などによって破損した窓パネルを取り替える場合において、窓パネルの上縁部をインナパネルから剥離し、その後にインナパネルのうち窓パネルを剥離した部分に残存する接着剤を剥がしても、それら各動作によってアウタパネルの上側部分に剥離方向への負荷がかかることがなく、窓パネルの取り替え作業に伴ってアウタパネルの上側部分がインナパネルから剥離するおそれを無くすことができる。
第2の発明によれば、ロアカバー部材を車外に臨む外観面部からインナパネルとアウタパネルとの接合体の内部空間に向けて延びる内延部によってアウタパネルよりも剛性の高いインナパネルに接着するようにしたので、ロアカバー部材を強固に固定することができ、車両走行に伴う振動などによってロアカバー部材がガタつくことを抑制できる。
第3の発明によれば、ロアカバー部材の内延部を固定する取付座をインナパネルにロアカバー部材側に突出させて設けるようにしたので、簡単な構造でロアカバー部材をインナパネルに固定することができる上に、インナパネルのうちロアカバー部材が固定される部分の剛性を高めることができ、それによって車両走行に伴う振動などによってロアカバー部材がガタつくことを抑制できる。
第4の発明によれば、ロアカバー部材に、外観面部及び内延部が屈曲した形状を構成し、それら外観面部及び内延部におけるリヤスポイラの内部に臨む面同士が連結部によって連結された構成を採用するようにしたので、ロアカバー部材の剛性を高めることができ、それによってロアカバー部材が変形したりガタついたりすることを抑制できる。
第5の発明によれば、ロアカバー部材と窓パネルとの間にシール部材を挟み込み、そのシール部材を両者に密着させるようにしたので、ロアカバー部材と窓パネルとの間からインナパネルとアウタパネルとの接合体の内部空間に水が浸入することを防止できる。
第6の発明によれば、ロアカバー部材及び窓パネルのうち少なくとも一方に凸部を設け、その凸部が、リヤスポイラが窓パネル側に撓んだときに他方に当接するようにしたので、リヤスポイラが上側から押される等して窓パネル側に撓んだときに、ロアカバー部材が凸部で窓パネルに支持される恰好となり、ロアカバー部材が変形することを抑制できる。
本発明の実施形態に係る車両用バックドアの斜視図である。 本発明の実施形態に係る車両用バックドアの分解斜視図である。 図1のIII−III線におけるバックドアの断面図である。 本発明の実施形態に係る車両用バックドアのリヤスポイラの分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る車両用バックドアの窓パネル及びロアカバー部材を取り付ける前の状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態の変形例1に係るバックドアの図3相当図である。 本発明の実施形態の変形例2に係るバックドアの図3相当図である。 本発明の実施形態の変形例3に係るバックドアの図3相当図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、或いはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下の実施形態では、説明の便宜上、車両前後方向における前側を「前」、後側を「後」と称し、車両前方に向いて車幅方向における左側を「左」、右側を「右」と称し、車高方向における上側を「上」、下側を「下」と称する。
図1に、この実施形態に係る車両用バックドア1を後側から見た全体斜視図を示す。図2に、このバックドア1の分解斜視図を示す。図3に、図1のIII−III線におけるバックドア1の断面図を示す。また、図4に、バックドア1に設けられたリヤスポイラ37の分解斜視図を示す。なお、図4では、リヤスポイラ37を構成するスポイラ本体47を右側半分だけ示している。
図1に示すバックドア1は、ハッチバック車の車体後部に設けられたバックドア開口を開閉する上下開閉式のバックドアである。このバックドア1は、図1及び図2に示すように、車内側(前側)に位置する樹脂製のインナパネル3と、このインナパネル3に接合された、車外側(後側)に位置する樹脂製のアウタパネル5と、これらインナパネル3とアウタパネル5との接合体からなるドア本体7の上半部分に設けられた窓用開口9を後側で閉塞する樹脂製又はガラス製の窓パネル11とを備える。
インナパネル3は、射出成形などによって成形される一枚物のパネルであって、例えば、ガラス繊維入りポリプロピレン(PP−GF:Polypropylene Glass Fiber)や炭素繊維入りポリプロピレン(PP−CF:Polypropylene Carbon Fiber)などの繊維補強材を含有する熱可塑性樹脂からなる。これにより、インナパネル3の剛性は、アウタパネル5の剛性、具体的にはアウタパネルを構成する後述の3つの部材(メインパネル部材33、ロアカバー部材35及びロアパネル31)の剛性よりも高くなっている。
このインナパネル3の上半部分には、窓用開口9が、例えば左右に延びる長方形の下辺が下方に張り出すように湾曲した形状に形成されている。インナパネル3においてこの窓用開口9の下縁部寄りの部分には、車幅方向に延びる屈曲部13が形成されている。インナパネル3のうちこの屈曲部13よりも下側の部分は略鉛直方向に延びるように立ち、他方、インナパネル3のうちこの屈曲部13よりも上側の部分は上方に向かって斜め前方に延びるように傾斜している。
インナパネル3のうち窓用開口9の周縁部分には、アウタパネル5側に立ち上がる内側立ち壁15と、この内側立ち壁15の後端から窓用開口9の内方へ張り出した接合用の内側フランジ17とが全周に亘って設けられている。また、インナパネル3の外周縁部には、アウタパネル5側に立ち上がる外側立ち壁19と、この外側立ち壁19の後端から外側方へ張り出した接合用の外側フランジ21とが全周に亘って設けられている。
そして、インナパネル3のうち内側立ち壁15の上側の部分には、車内側が凹み後方に向かって斜め上側に突出した、後述するロアカバー部材35を固定するための取付座23が設けられている。この取付座23は、車幅方向に間隔をあけて内側立ち壁沿いに複数(図2に示す例では3つ)設けられている。これら各取付座23は、中空ボックス形状に形成されており、先端部分に座面部25を有する。この座面部25には、ボルト挿通用の孔27が形成されている。
アウタパネル5は、上下に分割されており、上側に位置するアッパパネル29と、下側に位置するロアパネル31とを備える。アッパパネル29は、各々左右に細長いメインパネル部材33とロアカバー部材35とを組み合わせてなる。これらメインパネル部材33、ロアカバー部材35及びロアパネル31は、射出成形などによって成形される樹脂成形品であって、例えば、タルク入りポリプロピレン(PP−T:Polypropylene Talc)やこれにエチレンプロピレンジエンメチレンゴム(EPDM:Ethylene Propylene Diene Monomer)を混合した合成樹脂からなる。
メインパネル部材33は、インナパネル3のうち窓用開口よりも上側の部分を覆って同部分に接着剤36によって接合されている。具体的には、メインパネル部材33の上縁部分はインナパネル3の外側フランジ21の上辺部に接着剤27で接着され、メインパネル部材33の左右両側の側縁部は外側フランジ21の対応する側辺部に接着剤27でそれぞれ接着されている。このメインパネル部材33の後側部分は、その下側に取り付けられたロアカバー部材35と共に、後方へ突出する中空構造のリヤスポイラ37を構成している。
他方、ロアパネル31は、インナパネル3の下半部分に対応する形状を有し、屈曲部13に倣って屈曲していて、インナパネル3のうち開口よりも下側の部分を覆って同部分に接着剤で接合されている。具体的には、ロアパネル31の上縁部はインナパネル3の内側フランジ17の下辺部に接着され、ロアパネル25の下縁部はインナパネル3の外側フランジ21の下辺部に接着され、ロアパネル31の左右両側の側縁部は外側フランジ21の対応する側辺部に接着剤で接着されている。このロアパネル25の上縁部には、前方に凹んで上方に突出した段差片39が全体に亘って設けられている。
窓パネル11は、これらアッパパネル29とロアパネル31との間に配置されており、バックドア1の左右両端に亘って車幅方向に延びる横長パネルであって、インナパネル3のうちアウタパネル5の対応箇所を除く部分と略同一な形状に形成されている。この窓パネル11は、透明な本体パネル41の外周部分の車内側の面に黒色のセラミックス等からなる隠蔽層43が設けられてなる。窓パネル11のうち窓用開口9に対応する領域は隠蔽層の43設けられていない透明な窓領域11aを構成し、この窓領域11aの外側に位置する領域は隠蔽層43によって隠蔽された隠蔽領域11bを構成している。
窓パネル11の上縁部、つまり隠蔽領域11bの上辺部は、インナパネル3の窓用開口9周縁部を構成する内側フランジ17の上辺部に接着剤45で接着されている。さらに、窓パネル11の隠蔽領域11bのうち下辺部は、ロアパネル31の段差片39に接着剤で接着されている。また、窓パネル11の隠蔽領域11bのうち左右両側の側辺部は、内側フランジ17の対応する側辺部と外側フランジ21の対応する側辺部とに接着剤で接着され、インナパネル3のうち窓用開口9の左右両側を構成するピラー部3aを覆っている。こうして、窓パネル11は、ドア本体7に対し、後方から接着されて、水平に寝かせ気味の姿勢で取り付けられている。
リヤスポイラ37は、図3に示すように上記窓パネル11の上縁部に被さっている。このリヤスポイラ37は、メインパネル部材33の後側部分で構成された、窓パネル11側を開放した形状のスポイラ本体47と、このスポイラ本体47の開放側を覆うロアカバー部材35とに分割されている。スポイラ本体47は、図3及び図4に示すように、リヤスポイラ37の上面を構成するスポイラ上面部49と、このスポイラ上面部49の後端から下側前方に折り返すように突出した折返し片51とを備える。
スポイラ上面部49は、メインパネル部材33のうちインナパネル3における窓用開口9よりも上側の部分と対向する前側部分と一体に形成されており、その前側部分から車両後方に向かってなだらかに下傾している。折返し片51は、前方に向かって斜め下方に延びている。この折返し片51の先端縁部には、下面が上方に凹み且つ前方に開放された切欠き状の嵌込み部53が全体に亘って設けられている。この嵌込み部53には、ロアカバー部材35を留めるための係止孔55が車幅方向に間隔をあけて複数(例えば3つ)形成されている。スポイラ本体47は、この折返し片51とインナパネル3の内側フランジ17の上辺部との間を車両後方に開放している。
ロアカバー部材35は、スポイラ本体47の開放側で車外に臨む横長平板状の外観面部57と、この外観面部57の下端からリヤスポイラ37の前側でインナパネル3とメインパネル部材33との間に形成された内部空間Sに向けて延びる横長平板状の内延部59と、これら外観面部57と内延部59とをリヤスポイラ37の内部で連結する連結部61とを備える。
外観面部57は、折返し片51と同じく前方に向かって斜め下方に延びている。外観面部57の後端部には、係止孔55に挿入することで折返し片51の係止孔55周縁部に引っ掛かって留められる係止爪63が設けられている。この外観面部57の後端部は、その係止爪63を係止孔55に挿入した状態で嵌込み部53に嵌め込まれて、当該外観面部57の下面が折返し突片57の外面と面一となるようにメインパネル部材33に留められている。
内延部59は、前方に向かって上方に延びており、外観面部57とV字状に屈曲した形状を構成している。内延部59は、インナパネル3に設けられた各取付座23の座面部25と対向している。内延部59のうち各座面部25との対向部分には、貫通孔65が形成され、この貫通孔65に挿通させてブラインドナット67が取り付けられている。そして、内延部59は、各座面部25に対し、車内側から孔27を通したボルト69を対応するブラインドナット67に締結することによって固定されている。
連結部61は、車幅方向に間隔をあけて係止爪63毎に当該係止爪63の前側に設けられている。これら各連結部61は、外観面部57及び内延部59におけるリヤスポイラ37の内部に臨む面同士をこれら両部分が構成する屈曲部を跨いで架橋するように連結する横板部71と、これら横板部71、外観面部57及び内延部59で囲まれた空間を車幅方向における片側で塞ぐ縦板部73とで構成されている。
図5に、窓パネル11及びロアカバー部材35を取り付ける前のドア本体7の斜視図を示す。上記のバックドア1を組み立てるには、まず、図5に示すように、インナパネル3に対し、メインパネル部材33及びロアパネル31を接着剤36によって接着することにより取り付ける。この段階では、ロアカバー部材35を取り付けていないので、スポイラ本体47はインナパネル3の内側フランジ17の上辺部側を開放した状態となっている。
次いで、インナパネル3の内側フランジ17のうち上辺部及び左右両辺部と、外側フランジ21の左右両辺部のうちメインパネル部材33及びロアパネル31から露出した部分と、ロアパネル31の段差片39とに接着剤を塗布し、ドア本体7に対し、その接着剤で窓パネル11を後方から接着することにより取り付ける。このとき、スポイラ本体47の開放側の空間、つまりリヤスポイラ37の内部空間を利用して窓パネル11の上縁部を内側フランジ17の上辺部に接着することができる。以上の作業を経て図1に示すバックドアが組み立てられる。
この実施形態に係るバックドア1によれば、リヤスポイラ37をスポイラ本体47とロアカバー部材35とに分割するようにしたので、リヤスポイラ37が窓パネル11の上縁部に被さるように車両後方に突出したデザイン形状であるが、窓パネル11の接着作業を行う空間を確保することができ、リヤスポイラ37が窓パネル11の取付け時に邪魔にならない。これにより、リヤスポイラ37のデザイン形状が窓パネル11の接着作業を確保するために受ける製造上の制約を緩和して、バックドア1のデザイン自由度を高めることができる。
また、この実施形態に係るバックドア1によれば、ロアカバー部材35の内延部59をアウタパネル5よりも剛性の高いインナパネル3に接着するようにしたので、ドア本体7に対しロアカバー部材35を強固に固定することができる。さらに、ロアカバー部材35の内延部59を固定する取付座23をロアカバー部材35側にボックス状に突出させて設けるようにしたので、簡単な構造でロアカバー部材をインナパネルに固定することができる上に、車両走行に伴う振動などによってロアカバー部材35がガタつくことを抑制できる。
また、この実施形態に係るバックドア1によれば、ロアカバー部材35に、外観面部57及び内延部59が屈曲した形状を構成し、それら外観面部57及び内延部59におけるリヤスポイラ37の内部に臨む面同士が連結部61によって連結された構成を採用するようにしたので、ロアカバー部材35の剛性を高めることができ、それによってロアカバー部材が変形したりガタついたりすることを抑制できる。
さらに、この実施形態に係るバックドア1によれば、窓パネル11の上縁部をインナパネル3における内側フランジ17の上辺部に接着するようにしたので、車両事故などによって破損した窓パネル11を取り替える場合において、窓パネル11の上縁部を内側フランジ17から剥離し、その後に窓パネル11を剥離した内側フランジ17部分に残存する接着剤45を剥がしても、それら各動作によってアッパパネル29に剥離方向への負荷がかかることがなく、窓パネル11の取り替え作業に伴ってアッパパネル29がインナパネル3から剥離するおそれを無くすことができる。
<実施形態の変形例1>
図6に、この変形例1に係るバックドア1の図3相当図を示す。本変形例のバックドア1において、ロアカバー部材35の内延部59のうち窓パネル11の上縁部、つまり隠蔽領域11bの上辺部と対向する対向面59aには、図6に示すように、防水性を有する軟質の樹脂からなるシール部材81が接着剤や両面テープ等で取り付けられている。このシール部材81は、ロアカバー部材35の内延部59の対向面59aと窓パネル11の隠蔽領域11bの車外側の面とで挟み込まれて、これら両方の面に密着している。
この変形例1に係るバックドア1によれば、ロアカバー部材35の内延部59と窓パネル11との間からドア本体7の内部空間に水が浸入することを防止できる。
<実施形態の変形例2>
図7に、この変形例2に係るバックドア1の図3相当図を示す。本変形例のバックドア1において、ロアカバー部材35の内延部59のうち窓パネル11の上縁部、つまり隠蔽領域11bの上辺部と対向する対向面59aには、図7に示すように、窓パネル11側に突出した凸部83が設けられている。この凸部83は、リヤスポイラ37が窓パネル11側に撓んだときに窓パネル11の車外側の面に当接するものであり、車幅方向に筋状に延びるものであってもよいし、車幅方向に間隔をあけて複数設けられていてもよい。
この変形例2に係るバックドア1によれば、ロアカバー部材35の内延部59に凸部83を設け、その凸部83が、リヤスポイラ37が窓パネル11側に撓んだときに窓パネル11に当接するようにしたので、リヤスポイラ37が上側から押される等して窓パネル11側に撓んだときに、ロアカバー部材35が凸部83で窓パネル11に支持される恰好となり、ロアカバー部材35が変形することを抑制できる。
<実施形態の変形例3>
図8に、この変形例3に係るバックドア1の図3相当図を示す。本変形例のバックドア1において、図8に示すように、各取付座23の先端部には、座面部25の前側に真上に臨む受け面部90が設けられている。そして、メインパネル部材33の前後方向における中程で各受け面部90に対応する部分には、下方に延びる支持壁91が設けられている。この支持壁91の下端には、後方に突出した接合片92が設けられている。支持壁91は、この接合片92が接着剤93によって対応する取付座23の受け面部90に接着されており、メインパネル部材33を取付座23に支持している。
この変形例3に係るバックドア1によれば、メインパネル部材33の前後方向における中程をインナパネル3に支持するようにしたので、メインパネル部材33を下方に撓み難くすることができ、メインパネル部材33の上面部が上側から押されるなどしたときにも当該上面部が変形することを抑制できる。このことは、メインパネル部材33の上面部が前後方向において比較的長いデザイン形状を採用した場合に、特に有利な効果として奏される。
なお、上記実施形態では、アウタパネル5がアッパパネル29とロアパネル31との2つの分割体で構成されている形態を例示したが、これに限らず、アウタパネル5は、一枚物のパネルで構成されていてもよい。この場合、例えばアッパパネル29とロアパネル31との間に窓用開口9が形成されたミドルパネルを設けた構成を有し、これら3者を一体に成形することで製造される。
また、上記実施形態では、バックドア1を組み立てるのに、インナパネル3にメインパネル部材33とロアパネル31とを取り付けた後であって、ロアカバー部材35を取り付ける前のドア本体7に窓パネル11を取り付けるとしたが、これに限らず、インナパネル3にロアパネル31を取り付けた後に、メインパネル部材33及びロアカバー部材35を取り付ける前のドア本体7に窓パネル11を取り付けるようにしてもよい。
このような組立て手順によると、アッパパネル29自体がインナパネル3に取り付けられていない状態、つまりリヤスポイラ37の構成要素がドア本体7に存在しない段階で窓パネル11をドア本体7に取り付けるので、リヤスポイラ37が窓パネル11の上縁部に被さるように車両後方に突出したデザイン形状であっても、窓パネル11の取付け時には、窓パネル11の接着作業を妨げる構造がなく、窓パネル11をドア本体7に容易に取り付けることができる。
また、上記変形例1では、ロアカバー部材35の内延部59にシール部材81が取り付けられているとしたが、これに限らず、当該シール部材81は、窓パネル11の隠蔽領域11bのうちロアカバー部材35の内延部59に対向する面に接着剤や両面テープ等で取り付けられていてもよい。
また、上記変形例2では、凸部83がロアカバー部材35の内延部59のうち窓パネル11と対向する対向面59aに設けられているとしたが、これに限らず、当該凸部83は、窓パネル11のうちロアカバー部材35の内延部59と対向する車外側の面に設けられていてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に記載の範囲に限定されない。上記実施形態が例示であり、それらの各構成要素や組立て手順の組合せに、さらに色々な変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲に属することは当業者に理解されるところである。
以上説明したように、本発明は、リヤスポイラを備えた車両用バックドアについて有用であり、特に、リヤスポイラのデザイン形状に対する製造上の制約を緩和して、バックドアのデザイン自由度を高めることが要望される車両用バックドアに適している。
S…内部空間、1…バックドア、3…インナパネル、3a…ピラー部、
5…アウタパネル、7…ドア本体(接合体)、9…窓用開口、11…窓パネル、
11a…窓領域、11b…隠蔽領域、13…屈曲部、15…内側立ち壁、
17…内側フランジ、19…外側立ち壁、21…外側フランジ、23…取付座、
25…座面部、27…ボルト挿通用の孔、29…アッパパネル、31…ロアパネル、
33…メインパネル部材、35…ロアカバー部材、36…接着剤、37…リヤスポイラ、
39…段差片、41…本体パネル、43…隠蔽層、45…接着剤、47…スポイラ本体、
49…スポイラ上面部、51…折返し突片、53…嵌込み部、55…係止孔、
57…外観面部、59…内延部、59a…対向面、61…連結部、63…係止爪、
65…貫通孔、67…ブライドナット、69…ボルト、71…横板部、73…縦板部、
81…シール部材、83…凸部、90…受け面部、91…支持壁、92…接合片、
93…接着剤

Claims (6)

  1. 樹脂製のインナパネル(3)と、
    前記インナパネル(3)に接合された樹脂製のアウタパネル(5)と、
    前記インナパネル(3)と前記アウタパネル(5)との接合体(7)に設けられた窓用開口(9)を車両後側で閉塞する窓パネル(11)とを備え、
    前記アウタパネル(5)のうち前記窓用開口(9)よりも上側の部分が、車両後方へ突出し、前記窓パネル(11)の上縁部に被さる中空構造のリヤスポイラ(37)を構成する車両用バックドアであって、
    前記窓パネル(11)の上縁部は、前記インナパネル(3)における窓用開口(9)の周縁部に接着され、
    前記リヤスポイラ(37)は、当該リヤスポイラ(37)の上面を構成する、前記窓パネル(11)側を開放した形状のスポイラ本体(47)と、該スポイラ本体(47)の開放側を覆うロアカバー部材(35)とに分割されている
    ことを特徴とする車両用バックドア。
  2. 請求項1に記載された車両用バックドアにおいて、
    前記インナパネル(3)は、前記アウタパネル(5)よりも剛性が高く、
    前記ロアカバー部材(35)は、前記スポイラ本体(47)の開放側で車外に臨む外観面部(57)と、該外観面部(57)から前記リヤスポイラ(37)の前側で前記インナパネル(3)と前記アウタパネル(5)との間に形成された内部空間(S)に向けて延びる内延部(59)とを備え、
    前記ロアカバー部材(35)の内延部(59)は、前記インナパネル(3)に固定されている
    ことを特徴とする車両用バックドア。
  3. 請求項2に記載された車両用バックドアにおいて、
    前記インナパネル(3)には、車内側が凹み前記ロアカバー部材(35)の内延部(59)に向けて突出し、先端部分に前記内延部(59)と対向する座面部(25)を有する取付座(23)が設けられ、
    前記ロアカバー部材(35)の内延部(59)は、前記取付座(23)の座面部(25)に固定されている
    ことを特徴とする車両用バックドア。
  4. 請求項2又は3に記載された車両用バックドアにおいて、
    前記ロアカバー部材(35)の前記外観面部(57)と前記内延部(59)とは、屈曲した形状を構成しており、
    前記ロアカバー部材(35)は、前記外観面部(57)及び前記内延部(59)における前記リヤスポイラ(37)の内部に臨む面同士を連結する連結部(61)をさらに備える
    ことを特徴とする車両用バックドア。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載された車両用バックドアにおいて、
    前記ロアカバー部材(35)は、前記窓パネル(11)と対向する対向面(35a)を有し、
    前記ロアカバー部材(35)の対向面(35a)と前記窓パネル(11)との間には、それら両者(35a,11)に密着するシール部材(81)が挟み込まれている
    ことを特徴とする車両用バックドア。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載された車両用バックドアにおいて、
    前記ロアカバー部材(35)は、前記窓パネル(11)と対向する対向面(35a)を有し、
    前記ロアカバー部材(35)の対向面(35a)と前記窓パネル(11)とのうち少なくとも一方には、前記リヤスポイラ(35)が前記窓パネル(11)側に撓んだときに他方に当接する凸部(83)が設けられている
    ことを特徴とする車両用バックドア。
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