JP2019178209A - 樹脂組成物及びその硬化体 - Google Patents

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Abstract

【課題】その硬化体が高い酸素バリア性と高い透光性を有する樹脂組成物を提供すること。【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含む、樹脂組成物。(A)窒素原子を含有するエポキシ樹脂(B)合成フッ素金雲母及び/又は板状ガラスフィラー(C)エポキシ樹脂硬化剤【選択図】なし

Description

本発明は樹脂組成物及びその硬化体に関し、詳しくは、高い酸素バリア性と高い透光性を有する硬化体を形成し得る樹脂組成物およびその硬化体に関する。
有機EL、高輝度LED、太陽電池等の光半導体デバイスにおける光透過部位には空気中の酸素による内部素子等の劣化を抑制するため、透明性と酸素バリア性の両方の特性が求められる場合がある。しかしながら、従来の樹脂組成物においては、これらの性能が必ずしも満足のいくものではなく、これらの性能を同時に満たす樹脂組成物が求められていた。
特許文献1には、電子デバイスを保護するための酸素バリア性組成物について、メタ置換レゾルシノールエポキシ樹脂とジシアンジアミド(硬化剤)を使用する提案がなされている。しかしながら、ジシアンジアミドを使用した硬化体は、一般に硬化体が着色し、また透明性に劣る傾向にあることが知られている。また特許文献2には、板状フィラーの添加によって樹脂組成物の酸素バリア性を改良することが提案されているが、酸素バリア性を発揮し得る量の板状フィラーを含む樹脂組成物の硬化体も、一般に透明性に劣る傾向にある。従って、これら材料を光半導体デバイスにおける光透過性を必要とする部位に適用することは困難であった。
特許第5763065号公報 特許第5440892号公報
従って、本発明の目的は、透明性と高い酸素バリア性を兼ね備えた硬化体を得ることができ、有機EL、高輝度LED等の光半導体デバイスの光透過部位に適用可能な樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、窒素原子を含有するエポキシ樹脂と合成フッ素金雲母及び/又は板状ガラスフィラーとを含む樹脂組成物の硬化体は、高い透明性と高い酸素バリア性を有することを見出し、該知見に基づいてさらに研究を進めることにより、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、以下の内容を含むものである。
[1] 下記の(A)〜(C)成分を含む、樹脂組成物。
(A)窒素原子を含有するエポキシ樹脂
(B)合成フッ素金雲母及び/又は板状ガラスフィラー
(C)エポキシ樹脂硬化剤
[2] (A)窒素原子を含有するエポキシ樹脂が、グリシジルアミン型エポキシ樹脂及び/又はトリアジン誘導体エポキシ樹脂を含む、上記[1]記載の樹脂組成物。
[3] さらに(E)熱可塑性樹脂を含有する、上記[1]又は[2]記載の樹脂組成物。
[4] 光半導体素子の封止用である、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[5] 支持体と、該支持体上に形成された、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の樹脂組成物の層とを含む、樹脂組成物シート。
[6] 上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の樹脂組成物の硬化体。
[7] 光半導体デバイスの光透過部位用である、上記[6]記載の硬化体。
[8] 光透過部位に上記[6]記載の硬化体を含む、光半導体デバイス。
[9] 光半導体素子の封止材として上記[6]記載の硬化体を含む、光半導体デバイス。
本発明の樹脂組成物によれば、高い透明性と高い酸素バリア性を有する硬化体を得ることができる。かかる硬化体は高い透明性を有するため、有機EL、高輝度LED、太陽電池等の光半導体デバイスの光透過部位に用いる透明部材として好適に使用することができる。また高い酸素バリア性を有するため、特に有機EL素子、高輝度LED素子、太陽電池セル等の封止部位等の酸素による劣化を防ぐ必要がある光透過部位の透明材料として好適に使用することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して説明する。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、必須成分として、(A)窒素原子を含有するエポキシ樹脂、(B)合成フッ素金雲母及び/又は板状ガラスフィラー、並びに、(C)エポキシ樹脂硬化剤を含有する。
<(A)窒素原子を含有するエポキシ樹脂>
本発明において使用する窒素原子を含有するエポキシ樹脂(以下、(A)成分ともいう)は、その骨格中に窒素原子を含むエポキシ樹脂であれば特に制限なく使用することができる。本発明の目的をより高いレベルで達成するという観点から、(A)成分は、グリシジルアミン型エポキシ樹脂及び/又はトリアジン誘導体エポキシ樹脂であることが好ましい。
(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)
グリシジルアミン型エポキシ樹脂とは、アミンのアミノ基がグリシジル化された構造を有するエポキシ樹脂であり、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、キシレンジアミンのグリシジル化合物、トリグリシジルアミノフェノール(トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール等)、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン、テトラグリシジルジアミノジフェニルエーテル、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサノン、ジグリシジルトルイジン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルメトキシアニリン、ジグリシジルジメチルアニリン、ジグリシジルトリフルオロメチルアニリン等が挙げられる。
市販品としては、例えば、「630」(トリグリシジル−p−アミノフェノール;三菱ケミカル社製)、「604」(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン;三菱ケミカル社製、「TETRAD−X」(キシレンジアミンのグリシジル化合物;三菱瓦斯化学社製)、「TGDDS」(テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン;小西化学社製)、「EP−3980S」(ジグリシジルアニリン、ADEKA社製)、「GAN」「GOT」(ジグリシジルアニリン、日本化薬社製)等が挙げられる。
(トリアジン誘導体エポキシ樹脂)
トリアジン誘導体エポキシ樹脂としては、例えば、1,3,5−トリアジン誘導体エポキシ樹脂が挙げられ、1,3,5−トリアジン誘導体エポキシ樹脂は、イソシアヌレート環骨格を有するエポキシ樹脂が好ましい。また、イソシアヌレート環骨格を有するエポキシ樹脂は、1つのイソシアヌレート環に対して、2個以上のエポキシ基を有するものが好ましく、3個のエポキシ基を有するものがより好ましい。イソシアヌレート環骨格を有するエポキシ樹脂の具体例として、例えば、1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレート、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート、トリス(1−メチル−2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(3,4−エポキシブチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(5,6−エポキシブチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリス{2,2−ビス[(オキシラン−2−イルメトキシ)メチル]ブチル}−3,3’,3’’−[1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン−1,3,5−トリイル]トリプロパノエート等が挙げられる。
トリアジン誘導体エポキシ樹脂(イソシアヌレート環骨格を有するエポキシ樹脂)の市販品としては、例えば、1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンの市販品である日産化学工業社製TEPIC−G、TEPIC−S、TEPIC−SS、TEPIC−HP、TEPIC−L、TEPIC−PAS、1,3,5−トリス(3,4−エポキシブチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンの市販品である日産化学工業製TEPIC−VL、1,3,5−トリス(5,6−エポキシブチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンの市販品である日産化学工業製TEPIC−FL、トリス{2,2−ビス[(オキシラン−2−イルメトキシ)メチル]ブチル}−3,3’,3’’−[1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン−1,3,5−トリイル]トリプロパノエートの市販品である日産化学工業社製TEPIC−UC等が挙げられる。
なお、本発明において、トリアジン誘導体エポキシ樹脂がアミノ基がグリシジル化された構造を有するものである場合、そのようなトリアジン誘導体エポキシ樹脂は、上記のグリシジルアミン型エポキシ樹脂に属さないものとする。すなわち、本発明において「グリシジルアミン型エポキシ樹脂」にはトリアジン誘導体であるものは含まれない。
本発明の樹脂組成物において、(A)成分は、窒素原子含有率が0.05〜50%であることが好ましく、1〜45%であることがより好ましい。窒素原子含有率がこの範囲内にあることで、十分に高い透明性及び酸素バリア性を有する硬化体を容易に得ることができ、また樹脂の硬化における反応性も良好な樹脂組成物が得られるようになる。なお、「窒素原子含有率」は下記式により算出される。
窒素原子含有率(%)=[(1分子中の平均の窒素原子個数×窒素原子量)/(エポキシ樹脂の分子量)]×100
本発明の樹脂組成物において、(A)成分は、分子中のエポキシ基の平均個数が2個、3個又は4個であるものが好ましい。
(A)成分は1種又は2種以上を使用することができる。また、樹脂組成物中の(A)成分の含有量は特に限定されないが、硬化体の酸素バリア性の観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましい。また、透明性の観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。
[(B)合成フッ素金雲母及び/又は板状ガラスフィラー]
本発明の樹脂組成物は、合成フッ素金雲母及び/又は板状ガラスフィラー(以下、「(B)成分」ともいう)を含有する。合成フッ素金雲母及び板状ガラスフィラーはいずれも扁平状微粒子である。
合成フッ素金雲母は合成マイカの一種であり、大型かつ透明性の高い結晶である点で、天然マイカや他の合成マイカ(K四珪素雲母、Na四珪素雲母、Naテニオライト、Liテニオライト)とは異なる。一方、板状ガラスフィラーは、Aガラス、Cガラス、およびEガラス等に代表される各種のガラス組成のものを使用することができる。
合成フッ素金雲母及び板状ガラスフィラーの少なくとも一方のフィラーを、窒素原子を含有するエポキシ樹脂と組み合わせることにより、高い透明性と高い酸素バリア性を有する硬化体を形成し得る樹脂組成物が得られる。
(B)成分は、平均アスペクト比(平均粒子径/平均厚さ)が1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2以上がさらに好ましい。平均アスペクト比が1以上であると、十分な酸素バリア性を得やすくなる傾向となる。また、平均アスペクト比が1000以下が好ましく、800以下がより好ましく、500以下がさらに好ましい。平均アスペクト比が1000以下であると、十分な分散性を得やすくなる傾向になる。
(B)成分の平均厚さは、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmである。平均厚さは以下の方法で測定される。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、100個の粒子につき、それぞれの厚さを測定し、それら測定値を平均することにより求める。この場合、個々の粒子を走査型電子顕微鏡で観察して測定しても良いし、フィラー(粒子群)を樹脂に充填して成形し、その成形体を破断し、その破断面を観察して測定しても良い。いずれの測定方法においても、粒子の断面(厚さ面)が走査型電子顕微鏡の照射電子線軸に垂直になるように、走査型電子顕微鏡の試料台を試料台微動装置により調整する。
(B)成分の平均粒子径は、酸素バリア性を向上させる観点から0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、2μm以上がさらに好ましい。また、透明性の観点から2000μm以下が好ましく、15000μm以下がより好ましく、1000μm以下がさらに好ましい。
平均粒子径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、レーザー回折式粒度分布測定装置により、フィラーの粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。測定サンプルは、フィラーを超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、堀場製作所社製LA−500等を使用することができる。
本発明の樹脂組成物中の(B)成分の含有量は特に制限はないが、酸素バリア性を向上させる観点から、樹脂組成物の不揮発分を100質量%とした場合、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、20質量%以上が特に好ましい。また、透明性の観点から、該含有量は、樹脂組成物の不揮発分を100質量%とした場合、90質量%以下が好ましく、80質量%がより好ましく、70質量%以下がより一層好ましく、60質量%以下が特に好ましい。
[(C)エポキシ樹脂硬化剤]
本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂の硬化剤(以下、(C)成分ともいう)を含有する。
硬化剤はエポキシ樹脂を硬化する機能を有するものであれば特に限定されないが、透明性の観点から液状のエポキシ樹脂硬化剤か、固体状であってもエポキシ樹脂に溶解可能なエポキシ樹脂硬化剤が好ましい。また本発明の樹脂組成物を熱に弱い光半導体素子等に接する状態で硬化処理する場合、光半導体素子の熱劣化を抑制する観点から、比較的低温(例えば150℃以下)の温度でエポキシ樹脂を硬化させ得るものが好ましい。硬化剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化剤は、好ましくはイオン液体、酸無水物化合物、イミダゾール化合物、3級アミン系化合物、ジメチルウレア化合物およびアミンアダクト化合物から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはイオン液体、酸無水物化合物、イミダゾール化合物、3級アミン系化合物、およびジメチルウレア化合物から選ばれる1種又は2種以上である。
イオン液体を構成するカチオンとしては、イミダゾリウムイオン、ピペリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピラゾニウムイオン、グアニジニウムイオン、ピリジニウムイオン等のアンモニウム系カチオン;テトラアルキルホスホニウムカチオン(例えば、テトラブチルホスホニウムイオン、トリブチルヘキシルホスホニウムイオン等)等のホスホニウム系カチオン;トリエチルスルホニウムイオン等のスルホニウム系カチオン等が挙げられる。
イオン液体を構成するアニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物系アニオン;メタンスルホン酸イオン等のアルキル硫酸系アニオン;トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ヘキサフルオロホスホン酸イオン、トリフルオロトリス(ペンタフルオロエチル)ホスホン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、トリフルオロ酢酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン等の含フッ素化合物系アニオン;フェノールイオン、2−メトキシフェノールイオン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールイオン等のフェノール系アニオン;アスパラギン酸イオン、グルタミン酸イオン等の酸性アミノ酸イオン;グリシンイオン、アラニンイオン、フェニルアラニンイオン等の中性アミノ酸イオン;N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、N−アセチルグリシンイオン等の下記一般式(1)で示されるN−アシルアミノ酸イオン;ギ酸イオン、酢酸イオン、デカン酸イオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、α−リポ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、安息香酸イオン等のカルボン酸系アニオンが挙げられる。
(但し、Rは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキル基、或いは置換または無置換のフェニル基であり、Xはアミノ酸の側鎖を表す。)
該式(1)におけるアミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、フェニルアラニン等が挙げられ、中でも、グリシンが好ましい。
上述の中でも、カチオンはアンモニウム系カチオン、ホスホニウム系カチオンが好ましく、イミダゾリウムイオン、ホスホニウムイオンがより好ましい。イミダゾリウムイオンは、より詳細には、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムイオン等である。
また、アニオンはフェノール系アニオン、一般式(1)で示されるN−アシルアミノ酸イオンまたはカルボン酸系アニオンが好ましく、N−アシルアミノ酸イオンまたはカルボン酸系アニオンがより好ましい。
フェノール系アニオンの具体例としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールイオンが挙げられる。また、カルボン酸系アニオンの具体例としては、酢酸イオン、デカン酸イオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、ギ酸イオン、α−リポ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン等が挙げられ、中でも、酢酸イオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、ギ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオンが好ましく、酢酸イオン、デカン酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、ギ酸イオンが殊更好ましい。また、一般式(1)で示されるN−アシルアミノ酸イオンの具体例としては、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、アスパラギン酸イオン、グリシンイオン、N−アセチルグリシンイオン等が挙げられ、中でも、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、N−アセチルグリシンイオンが好ましく、N−アセチルグリシンイオンが殊更好ましい。
具体的なイオン液体としては、例えば、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、テトラブチルホスホニウム−2−ピロリドン−5−カルボキシレート、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムトリフルオロアセテート、テトラブチルホスホニウムα−リポエート、ギ酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムラクテート、酒石酸ビス(テトラブチルホスホニウム)塩、馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、N−メチル馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゾイル−DL−アラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルフェニルアラニンテトラブチルホスホニウム塩、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールテトラブチルホスホニウム塩、L−アスパラギン酸モノテトラブチルホスホニウム塩、グリシンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、N−メチル馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、酒石酸ビス(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩、N−アセチルグリシン1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩が好ましく、テトラブチルホスホニウムデカノエート、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、N−メチル馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩が殊更好ましい。
上記イオン液体の合成法としては、アルキルイミダゾリウム、アルキルピリジニウム、アルキルアンモニウムおよびアルキルスルホニウムイオン等のカチオン部位と、ハロゲンを含むアニオン部位から構成される前駆体に、NaBF、NaPF、CFSONaやLiN(SOCF等を反応させるアニオン交換法、アミン系物質と酸エステルとを反応させてアルキル基を導入しつつ、有機酸残基が対アニオンになるような酸エステル法、およびアミン類を有機酸で中和して塩を得る中和法等があるが、これらに限定されない。アニオンとカチオンと溶媒による中和法では、アニオンとカチオンとを等量使用し、得られた反応液中の溶媒を留去して、そのまま用いることも可能であるし、さらに有機溶媒(メタノール、トルエン、酢酸エチル、アセトン等)を差し液濃縮しても構わない。
酸無水物化合物としては、例えば、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物等が挙げられる。酸無水物化合物の具体例としては、リカシッドTH、TH−1A、HH、MH、MH−700、MH−700G(いずれも新日本理化社製)等が挙げられる。
イミダゾール化合物としては、例えば、1H−イミダゾール、2−メチル−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチル−イミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)−イミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−イミダゾール、2−ドデシル−イミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチル−イミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。イミダゾール化合物の具体例としては、キュアゾール2MZ、2P4MZ、2E4MZ、2E4MZ−CN、C11Z、C11Z−CN、C11Z−CNS、C11Z−A、2PHZ、1B2MZ、1B2PZ、2PZ、C17Z、1.2DMZ、2P4MHZ−PW、2MZ−A、2MA−OK(いずれも四国化成工業社製)等が挙げられる。
3級アミン系化合物の具体例としては、DBN(1,5-diazabicyclo[4.3.0]non-5-ene)、DBU(1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)、DBUの2−エチルヘキサン酸塩、DBUのフェノール塩、DBUのp−トルエンスルホン酸塩、U−CAT SA 102(サンアプロ社製:DBUのオクチル酸塩)、DBUのギ酸塩等のDBU−有機酸塩、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(TAP)などが挙げられる。
ジメチルウレア化合物の具体例としては、DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア)、U−CAT3512T(サンアプロ社製)等の芳香族ジメチルウレア、U−CAT3503N(サンアプロ社製)等の脂肪族ジメチルウレア等が挙げられる。中でも硬化性の点から、芳香族ジメチルウレアが好ましく用いられる。
アミンアダクト化合物としては、例えば、エポキシ樹脂への3級アミンの付加反応を途中で止めることによって得られるエポキシアダクト化合物等が挙げられる。アミンアダクト系化合物の具体例としては、アミキュアPN−23、アミキュアMY−24、アミキュアPN−D、アミキュアMY−D、アミキュアPN−H、アミキュアMY−H、アミキュアPN−31、アミキュアPN−40、アミキュアPN−40J(いずれも味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
有機酸ジヒドラジド化合物の具体例としては、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH、アミキュアLDH(いずれも味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
有機ホスフィン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−トリルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン等が挙げられる。有機ホスフィン化合物の具体例としては、TPP、TPP−MK、TPP−K、TTBuP−K、TPP−SCN、TPP−S(北興化学工業社製)等が挙げられる。
ジシアンジアミド化合物としては、例えば、ジシアンジアミドが挙げられる。ジシアンジアミド化合物の具体例としては、ジシアンジアミド微粉砕品であるDICY7、DICY15(いずれも三菱ケミカル社製)等が挙げられる。
1級・2級アミン系化合物としては、例えば、脂肪族アミンであるジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジプロプレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン等、脂環式アミンであるN−アミノエチルピベラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン等、芳香族アミンである、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミン等が挙げられる。1級・2級アミン系化合物の具体例としては、カヤハードA−A(日本化薬社製:4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物において、(C)硬化剤の含有量は、樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂の総量(不揮発分)に対し、0.1〜50質量%の範囲で使用されるのが好ましく、0.1〜40質量%がより好ましく、1〜35質量%がさらに好ましい。なお、イオン液体を使用する場合、樹脂組成物の硬化体の耐透湿性等の点からは、エポキシ樹脂の総量(不揮発分)に対し0.1〜10質量%が好ましい。
[(D)硬化促進剤]
本発明の樹脂組成物は、硬化時間を調整する等の目的で硬化促進剤(以下、(D)成分とも称す)を含有してもよい。(D)成分としては、例えば、有機ホスフィン化合物、イミダゾール化合物、アミンアダクト化合物(例えば、エポキシ樹脂に3級アミンを付加させて反応を途中で止めているエポキシアダクト化合物等)、3級アミン化合物などが挙げられる。これらの硬化促進剤は樹脂組成物の配合成分によってはエポキシ硬化剤として機能する場合がある。有機ホスフィン化合物の具体例としては、TPP、TPP−K、TPP−S、TPTP−S(北興化学工業社製)などが挙げられる。イミダゾール化合物の具体例としては、キュアゾール2MZ、2E4MZ、C11Z、C11Z−CN、C11Z−CNS、C11Z−A、2MZOK、2MA−OK、2PHZ(四国化成工業社製)などが挙げられる。アミンアダクト化合物の具体例としては、フジキュア(富士化成工業社製)などが挙げられる。3級アミン化合物の具体例としては、DBU(1,8-diazabicyelo[5.4.0]undec-7-ene)、DBUの2−エチルヘキサン酸塩、オクチル酸塩などのDBU−有機酸塩、U−CAT3512T(サンアプロ社製)等の芳香族ジメチルウレア、U−3503N(サンアプロ社製)等の脂肪族ジメチルウレアなどが挙げられる。中でも耐湿性の点からウレア化合物が好ましく、芳香族ジメチルウレアが特に好ましく用いられる。本発明の樹脂組成物において、硬化促進剤を用いる場合の硬化促進剤の含有量は、樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂の総量(不揮発分)に対し、通常0.05〜5質量%の範囲で使用される。0.05質量%以上とすることで、硬化時間の短縮が容易に達成しやすくなる傾向にあり、5質量%以下とすることで、樹脂組成物の十分な保存安定性を容易に達成しやすくなる傾向となる。
<(E)熱可塑性樹脂>
本発明の樹脂組成物は、硬化体への可撓性の付与、樹脂組成物シートを調製する際の熱硬化性樹脂組成物ワニスの塗工性(はじき防止)等の観点から、熱可塑性樹脂(以下、(E)成分とも称する)を含有することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル系ポリマー等を挙げることができる。これらは1種または2種以上を使用することができる。
熱可塑性樹脂はフェノキシ樹脂が好ましく、熱可塑性樹脂がフェノキシ樹脂を含むことで、樹脂組成物の成膜性が向上し、例えば、樹脂組成物をシートやフィルムに成膜することが容易になる。
好適なフェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、シクロヘキサン骨格およびノルボルネン骨格から選択される1種または2種以上の骨格を有するものが挙げられる。特に好ましくはビフェニル骨格及び/又はシクロヘキサン骨格を有するフェノキシ樹脂である。フェノキシ樹脂は1種または2種以上を使用できる。
フェノキシ樹脂の市販品としては、例えば、YX7200B35(三菱ケミカル社製:ビフェニル骨格及びシクロヘキサン骨格含有フェノキシ樹脂、不揮発分35質量%、エポキシ当量:9,000g/eq)、1256(三菱ケミカル社製:ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂、エポキシ当量:7,800g/eq)、YX6954BH35(三菱ケミカル社製:ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂、不揮発分35質量%、エポキシ当量:13,000g/eq)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物において、樹脂組成物に(E)成分を配合する場合の樹脂組成物中の含有量は特に限定されるものではないが、塗工性や成膜性等を良好なものにする観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、0.1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。また60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
(E)成分の重量平均分子量は、フィルム化する際の成膜性等の観点から10,000以上であるのが好ましく、20,000以上がより好ましい。また重量平均分子量は、100,000以下であるのが好ましく、80,000以下がより好ましく、50,000以下が特に好ましい。重量平均分子量を100,000以上とすることで、(A)成分との相溶性が良好となり高い透明性の硬化体を得やすくなる傾向になる。
本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレンン換算)で測定される。GPC法による重量平均分子量は、測定装置として島津製作所社製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
なお、本発明において「エポキシ樹脂」とは、1分子中に二つ以上のエポキシ基を有し、エポキシ当量が7,000以下である熱硬化性樹脂を意味し、「フェノキシ樹脂」とは、エポキシ当量が7,000を超える熱可塑性樹脂を意味する。フェノキシ樹脂は、エポキシ樹脂と同様にエポキシ基を有し得るが、本発明では、これらをエポキシ当量で区別する。(A)成分及び後述の(F)成分等のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、反応性等の観点から、好ましくは50〜5,000、より好ましくは50〜3,000、より一層好ましくは80〜2,000、さらに好ましくは100〜1,000、さらに一層好ましくは120〜1,000、特に好ましくは140〜500である。なお、「エポキシ当量」とは1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数(g/eq)であり、JIS K 7236に規定された方法に従って測定される。
また、本発明において、エポキシ樹脂の分子量(ポリマーの場合、重量平均分子量をいう)は、好ましくは100〜5,000、より好ましくは250〜3,000である。
<(F)エポキシ樹脂((A)成分を除く)>
本発明の樹脂組成物には、酸素バリア性と透明性のバランスを保つ観点から、(A)成分以外のエポキシ樹脂(以下、(F)成分ともいう)を含有させることができる。
(A)成分以外のエポキシ樹脂としては、例えば、平均して1分子当り2個以上のエポキシ基を有し、かつ、透過率の高いものが使用できる。例えば、水素添加エポキシ樹脂(水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂等)、フッ素含有エポキシ樹脂、鎖状脂肪族型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のジグリシジルエーテル化物、およびアルコール類のジグリシジルエーテル化物、並びにこれらのエポキシ樹脂のアルキル置換体等が挙げられる。
(F)成分は、液状であっても、固形状であってもよく、液状エポキシ樹脂および固形状エポキシ樹脂の両方を用いてもよい。ここで、「液状」および「固形状」とは、常温(25℃)でのエポキシ樹脂の状態である。
本発明の樹脂組成物において、(F)成分の量は、硬化体の十分な酸素バリア性を達成し易くする観点から、不揮発分100質量%に対し、0〜60質量%が好ましく、0〜50質量%がより好ましい。
<(G)添加剤>
本発明の効果を損なわない範囲内で、本発明の樹脂組成物には、ゴム粒子、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素樹脂パウダー等の有機充填剤;シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤またはレベリング剤;オルベン、ベントン等の増粘剤;酸化防止剤;熱安定剤;光安定剤等の添加剤を配合することができる。
<用途>
本発明の樹脂組成物は、例えば、EL素子(有機、無機)、高輝度LED素子、太陽電池セル等の発光素子や受光素子を有する光半導体デバイスの光透過部位や光取出し部位の透明部材として使用される。例えば、本発明の樹脂組成物から得られるフィルム状の硬化体をそのまま光透過部位や光取出し部位を形成する透明パネル等として使用することができる。一般に「パネル」との用語は比較的硬度(剛性)が高い製品に対して使用され、「フィルム」や「シート」との用語は比較的硬度(剛性)の低い製品に使用される傾向があり、ここでいう「パネル」も比較的硬度(剛性)が高い製品という意味である。本発明の樹脂組成物の硬化体は高い酸素バリア性を有するため、本発明の樹脂組成物の硬化体を光半導体デバイスの光透過部位や光取出し部位の透明部材に使用することで、デバイス内部の酸化劣化の抑制に寄与する
本発明の樹脂組成物は、その硬化体が高い透明性と高い酸素バリア性を有しているため、例えば、高輝度LED、有機EL素子等の光半導体素子の封止材(素子を被覆して素子を空気雰囲気から隔絶する封止材)として使用することができる。
本発明の樹脂組成物をフィルム状に成形する場合、例えば、樹脂組成物の成分と有機溶剤を、混練ローラーや回転ミキサーなどを用いて混合することで調製したワニス(樹脂組成物ワニス)を、離型処理した支持体上に塗布し、公知の機器を用いた加熱(熱風吹きつけ等)及び/または減圧処理によって、支持体上に塗布したワニスから有機溶剤を除去することで、フィルム状に成形された樹脂組成物が得られる(以下、「フィルム状樹脂組成物」ともいう)。
離型処理した支持体の支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン;シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリイミドなどのプラスチックフィルム(好ましくは、PETフィルム)や、アルミ箔、ステンレス箔、銅箔等の金属箔が使用される。離型処理した支持体の離型処理としては、例えば、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等の離型剤による離型処理が挙げられる。
樹脂組成物ワニスの固形分は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%である。
樹脂組成物ワニスから有機溶剤を除去するための加熱の条件に特に制限はないが、通常50〜130℃程度で2〜10分程度が好適である。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ等のセロソルブ類、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。かかる有機溶剤はいずれか1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
フィルム状の樹脂組成物の厚さは、フィルム状の樹脂組成物を適用する装置や適用箇所によっても異なるが、好ましく1〜1000μm、より好ましくは2〜800μmの範囲である。
支持体上に形成されたフィルム状の樹脂組成物は、樹脂組成物を硬化する迄、保護のために、保護フィルムで保護しておくのが好ましく、例えば、支持体上に形成されたフィルム状の樹脂組成物に、公知の機器を使用して、離型処理した保護フィルムを積層しておくことができる。保護フィルムの積層に使用する機器としては、例えば、ロールラミネーター、プレス機、真空加圧式ラミネーター等が挙げられる。
離型処理した保護フィルムは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン;シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリイミドなどのプラスチックフィルム(好ましくは、PETフィルム)、或いは、アルミ箔、ステンレス箔、銅箔等の金属箔からなる支持体に、離型処理を施したものが使用される。離型処理には、例えば、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等の離型剤による離型処理が挙げられる。
<硬化体>
本発明の硬化体は、本発明の樹脂組成物を熱硬化させたものであり、透明部材となる。フィルム状の樹脂組成物を硬化すれば、フィルム状の硬化体が得られ、フィルム状の透明部材になる。透明部材は高い透明性と高い酸素バリア性を有する。
熱硬化の硬化温度は、硬化反応を十分に進行させるという観点から、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。また、硬化体の着色防止の観点から、180℃以下が好ましく、165℃以下がより好ましい。また、加熱時間は、10分以上が好ましく、20分以上がより好ましい。また、120分以下が好ましく、90分以下がより好ましい。
加熱手段としては、例えば、熱風循環式オーブン、赤外線ヒーター、ヒートガン、高周波誘導加熱装置、ヒートツールの圧着による加熱等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物はワニス等の液状の樹脂組成物を所望の箇所に塗布し、硬化反応を行って、所望の形状の透明部材を形成することもできる。
以下、実施例を示して本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例に用いた材料は以下の通りである。
(A)成分
「EP3890S」(アデカ社製):グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン、エポキシ当量115g/eq、窒素原子含有率6%
「TEPIC−L」(日産化学工業社製):イソシアヌレート環骨格含有エポキシ樹脂、1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレート、エポキシ当量105g/eq、窒素原子含有率13%
「630」(三菱ケミカル社製):p−アミノフェノール型エポキシ樹脂、トリグリシジル−p−アミノフェノール、エポキシ当量95g/eq、窒素原子含有率5%
(B)成分
「PDM−9LX」(トピー工業社製):合成フッ素金雲母、平均粒子径100μm、アスペクト比70
「PDM−20L」(トピー工業社製):合成フッ素金雲母、平均粒子径20μm、アスペクト比70
「PDM−5B」(トピー工業社製):合成フッ素金雲母、平均粒子径5μm、アスペクト比40
「MEG160FY」(日本板硝子社製):板状ガラスフィラー、平均粒子径160μm、アスペクト比30
「FTD025FY−F01」日本板硝子社製):板状ガラスフィラー、平均粒子径25μm、アスペクト比60
(C)成分
「TBP−DA」(北興化学社製):テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、イオン液体
(D)成分
「U−CAT3512T」(サンアプロ社製):芳香族ジメチルウレア
(E)成分
「YX7200B35」(三菱ケミカル社製):ビフェニル骨格及びシクロヘキサン骨格含有フェノキシ樹脂、不揮発分35質量%、重量平均分子量30,000、エポキシ当量9,000g/eq
(F)成分
「YX8040」(三菱ケミカル社製):水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量1000g/eq
「HP−820」(DIC社製):アルキルフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量230g/eq
「YX8000」(三菱ケミカル社製):水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量205g/eq
以下に示す手順にて実施例および比較例の各組成物を調製した。
なお、以下の記載において、各成分(材料)の量に関する「部」「%」は、特に断りがない限り、「質量部」、「質量%」を意味する。また、後記の表1には、溶剤を含有する材料については溶剤を含む総量と不揮発分のみの量(カッコ内の数値)も記載した。
<実施例1>
窒素原子を含有するエポキシ樹脂として、p−アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「630」)50部、アルキルフェノール型エポキシ樹脂(DIC社製「HP−820」)50部、合成フッ素金雲母として、平均粒子径100μm(トピー工業社製「PDM−9LX」)28部、平均粒子径5μm(トピー工業社製「PDM−5B」)7部、エポキシ樹脂硬化剤として、イオン液体(北興化学社製「TBP−DA」)4部、エポキシ樹脂硬化促進剤として、芳香族ウレア化合物(サンアプロ社製「U−CAT3512T」)2.5部、を配合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、組成物を得た。
<実施例2>
窒素原子を含有するエポキシ樹脂として、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(アデカ社製「EP−3890S」)65部、合成フッ素金雲母として、平均粒子径100μm(トピー工業社製「PDM−9LX」)62部、平均粒子径5μm(トピー工業社製「PDM−5B」)12部、エポキシ樹脂硬化剤として、イオン液体(北興化学社製「TBP−DA」)4部、熱可塑性樹脂として、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7200B35」)100部(固形分として35部)、MEK10部を配合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、熱硬化性樹脂組成物ワニスを得た。次いで、熱硬化性樹脂組成物ワニスを、支持体(シリコーン系離型剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ38μm、以下、「離型PETフィルム」と略す。)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが100μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80℃で5分間乾燥し、離型PETフィルム上に樹脂組成物層が形成されたシート(樹脂組成物シート)を作製した。この樹脂組成物シート2枚の樹脂組成物層側を合わせて、バッチ式真空ラミネーター(ニチゴー・モートン社製、V−160)を用いてラミネートし、樹脂組成物層の厚さが200μmの樹脂組成物シートを得た。ラミネート条件は、温度80℃、減圧時間30秒の後、圧力0.3MPaにて30秒加圧であった。
<実施例3>
窒素原子を含有するエポキシ樹脂として、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(アデカ社製「EP−3890S」)65部、板状ガラスフィラーとして、平均粒子径160μm(日本板硝子社製「MEG160FY」)12部と平均粒子径25μm(日本板硝子社製「FTD025FY−F01」)50部、エポキシ樹脂硬化剤として、イオン液体(北興化学社製「TBP−DA」)4部、熱可塑性樹脂として、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7200B35」)100部(固形分として35部)、MEK10部を配合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、熱硬化性樹脂組成物ワニスを得た。次いで、該熱硬化性樹脂組成物ワニスを使用し、実施例2に記載の方法で樹脂組成物シートを得た。
<実施例4>
窒素原子を含有するエポキシ樹脂として、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(アデカ社製「EP−3890S」)65部とイソシアヌル骨格エポキシ樹脂(日産化学工業社製「TEPIC−L」)4.5部、合成フッ素金雲母として、平均粒子径100μm(トピー工業社製「PDM−9LX」)62部と平均粒子径5μm(トピー工業社製「PDM−5B」)12部、エポキシ樹脂硬化剤として、イオン液体(北興化学社製「TBP−DA」)4部、熱可塑性樹脂としてフェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7200B35」)87.1部(固形分として30.5部)、MEK10部を配合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、熱硬化性樹脂組成物ワニスを得た。次いで、該熱硬化性樹脂組成物ワニスを使用し、実施例2に記載の方法で樹脂組成物シートを得た。
<実施例5>
窒素原子を含有するエポキシ樹脂として、p−アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「630」)85部、合成フッ素金雲母として、平均粒子径100μm(トピー工業社製「PDM−9LX」)65部と平均粒子径5μm(トピー工業社製「PDM−5B」)16部、エポキシ樹脂硬化剤として、イオン液体(北興化学社製「TBP−DA」)4部、熱可塑性樹脂として、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7200B35」)42.9部(固形分として15部)、MEK10部を配合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、熱硬化性樹脂組成物ワニスを得た。次いで、実施例2に記載の方法で樹脂組成物シートを得た。
<実施例6>
窒素原子を含有するエポキシ樹脂として、p−アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「630」)85部、合成フッ素金雲母として、平均粒子径20μm(トピー工業社製「PDM−20L」)82部、エポキシ樹脂硬化剤として、イオン液体(北興化学社製「TBP−DA」)4部、熱可塑性樹脂として、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7200B35」)42.9部(固形分として15部)、MEK10部を配合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、熱硬化性樹脂組成物ワニスを得た。次いで、実施例2に記載の方法で樹脂組成物シートを得た。
<実施例7>
窒素原子を含有するエポキシ樹脂として、p−アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「630」)85部、板状ガラスフィラーとして、平均粒子径25μm(日本板硝子社製「FTD025FY−F01」)82部、エポキシ樹脂硬化剤として、イオン液体(北興化学社製「TBP−DA」)4部、熱可塑性樹脂として、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7200B35」)42.9部(固形分として15部)、MEK10部を配合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂組成物ワニスを得た。次いで、実施例2に記載の方法で樹脂組成物シートを得た。
<比較例1>
エポキシ樹脂として、アルキルフェノール型エポキシ樹脂(DIC社製「HP−820」)100部、合成フッ素金雲母として、平均粒子径100μm(トピー工業社製「PDM−9LX」)28部と平均粒子径5μm(トピー工業社製「PDM−5B」)7部、エポキシ樹脂硬化剤として、イオン液体(北興化学社製「TBP−DA」)4部、エポキシ樹脂硬化促進剤として芳香族ウレア化合物(サンアプロ社製「U−CAT3512T」)2.5部を配合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂組成物を得た。
<比較例2>
エポキシ樹脂として、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX8040」)MEK50%溶液52部(固形分として26部)と水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX8000」)39部、合成フッ素金雲母として、平均粒子径100μm(トピー工業社製「PDM−9LX」)30部と平均粒子径5μm(トピー工業社製「PDM−5B」)7部、エポキシ樹脂硬化剤として、イオン液体(北興化学社製「TBP−DA」)4部、熱可塑性樹脂として、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7200B35」)100部(固形分として35部)、MEK10部を配合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、熱硬化性樹脂組成物ワニスを得た。次いで、実施例2に記載の方法で樹脂組成物シートを得た。
<比較例3>
エポキシ樹脂として、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX8040」)MEK50%溶液 52部(固形分として26部)と水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX8000」)39部、エポキシ樹脂硬化剤として、イオン液体(北興化学社製「TBP−DA」)4部、熱可塑性樹脂として、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7200B35」)100部(固形分として35部)、MEK10部を配合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂組成物ワニスを得た。次いで、実施例2に記載の方法で樹脂組成物シートを得た。
<比較例4>
窒素原子を含有するエポキシ樹脂として、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(アデカ社製「EP−3890S」)39部、エポキシ樹脂として水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX8040」)MEK50%溶液52部(固形分として26部)、無機フィラーとして、タルク平均粒子径1.5μm(日本タルク「FG−15」)30部、エポキシ樹脂硬化剤として、イオン液体(北興化学社製「TBP−DA」)4部、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7200B35」)100部(固形分として35部)、MEK10部を配合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂組成物ワニスを得た。次いで、実施例2に記載の方法で樹脂組成物シートを得た。
<透過率測定>
(1)実施例1および比較例1の組成物については、以下の作業により評価用サンプルを作成した。ガラス板(長さ76mm、幅26mmおよび厚さ1.2mmのマイクロスライドガラス、松浪ガラス工業社製白スライドグラスS1112 縁磨No.2)上に、テープで200μm厚さの枠(枠の平面形状:5cm×1.5cm、面面積:7.5cm)を作成し、該枠内に組成物を流し込んだ後、枠の上に上記と同じガラス板を乗せてクリップで止め、熱循環式オーブンで150℃、1時間加熱して組成物を硬化させ、ガラス板の間に樹脂組成物の硬化体を有する積層体(評価用サンプル、硬化体の厚さ:200μm)を得た。
(2)実施例2〜7および比較例2〜4の樹脂組成物シートについては、以下の作業により評価用サンプルを作成した。樹脂組成物シートを長さ70mm×幅25mmにカットし、カットした樹脂組成物シートから保護フィルム(離型PETフィルム)を剥離し、該樹脂組成物シートを上記と同じガラス板にバッチ式真空ラミネーター(ニチゴー・モートン社製、V−160)を用いてラミネートした。ラミネート条件は、温度80℃、減圧時間30秒の後、圧力0.3MPaにて30秒加圧であった。その後、樹脂組成物シートの支持体(PETフィルム)を剥離し、露出した樹脂組成物層上にさらに上記と同じガラス板をラミネートして、積層体を作製した。得られた積層体を熱循環式オーブンで110℃、60分間加熱し、ガラス板の間に樹脂組成物の硬化体を有する積層体(評価用サンプル、硬化体の厚さ:200μm)を得た。
(3)φ80mm積分球(型名SRS−99−010、反射率99%)を装着したファイバ式分光光度計(MCPD−7700、形式311C、大塚電子社製、外部光源ユニット:ハロゲンランプMC−2564(24V、150W仕様))を用いてサンプルの光透過率スペクトルを測定した。光透過率は積分球とサンプルの距離を0mmとし、リファレンスは上記と同じガラス板とし、550nmにおける全光線内部透過率値を以下の基準で評価した。
良好(○): 70% 以上
不良(×): 70% 未満
<酸素透過率測定>
(1)実施例1および比較例1の組成物については、ポリイミドフィルム(ユーピレックス(宇部興産社製、厚さ75μm)上に200μm厚さのテープで枠(枠の平面形状:10cm×20cm、平面面積:200cm)を形成し、該枠内に組成物を流し込み、ガラスバーでバーコートし、熱循環式オーブンにて150℃で1時間加熱して組成物を硬化することで厚さが200μm前後の硬化体(試験片)を得た。得られた硬化体の厚みをマイクロメーター(ミツトヨ社製)にて1μmの単位まで測長した。
(2)実施例2〜7および比較例2〜4の樹脂組成物シートについては、片側の離型PETフィルムのみ剥がして、110℃で1時間硬化し、その後もう片側の保護フィルムを剥がし、150℃で15分加熱することで、厚さ200μm前後の硬化体(試験片)を得た。得られた硬化体の厚みをマイクロメーター(ミツトヨ社製)にて1μmの単位まで測長した。
(3)酸素透過率測定装置(モコン社製、商品名「OX−TRAN 2/21」)を用いて、試験片の23℃、50%RH(相対湿度)での環境下における、酸素透過係数(単位:ml・mm/m・day・atm)を測定し、特許第5763065号の基準を用いて評価した。
良好(○):0.4ml・mm/m・day・atm未満
不良(×):0.4ml・mm/m・day・atm以上
下記表1に実施例及び比較例の樹脂組成物の構成と試験結果を示す。
表1から、本発明の樹脂組成物は、高い透明性と高い酸素バリア性を兼ね備えた硬化体を形成し得るものであることが分かる。

Claims (9)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を含む、樹脂組成物。
    (A)窒素原子を含有するエポキシ樹脂
    (B)合成フッ素金雲母及び/又は板状ガラスフィラー
    (C)エポキシ樹脂硬化剤
  2. (A)窒素原子を含有するエポキシ樹脂が、グリシジルアミン型エポキシ樹脂及び/又はトリアジン誘導体エポキシ樹脂を含む、請求項1記載の樹脂組成物。
  3. さらに(E)熱可塑性樹脂を含有する、請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 光半導体素子の封止用である、請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  5. 支持体と、該支持体上に形成された、請求項1〜4のいずれか1項記載の樹脂組成物の層とを含む、樹脂組成物シート。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂組成物の硬化体。
  7. 光半導体デバイスの光透過部位用である、請求項6記載の硬化体。
  8. 光透過部位に請求項6記載の硬化体を含む、光半導体デバイス。
  9. 光半導体素子の封止材として請求項6記載の硬化体を含む、光半導体デバイス。
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