JP7368202B2 - 封止シート - Google Patents
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Description
しかし、有機EL素子には、時間の経過とともに、発光輝度、発光効率、発光均一性等の発光特性が低下し易いという問題があった。
この発光特性の低下の問題の原因として、酸素や水分等が有機EL素子の内部に浸入し、電極や有機層を劣化させることが考えられたため、封止材を用いて有機EL素子を封止し、酸素や水分の浸入を防止することが行われてきた。
特許文献1には、その画像表示装置封止材は、ビフェニル骨格含有樹脂及びスチレン系オリゴマーを含有するため誘電率が比較的低いことや、その画像表示装置封止材をタッチパネル中の封止材として用いることで、封止材に起因する、タッチパネルの誤作動が生じ難くなることも記載されている。
特に、低誘電特性を有する硬化物を与える封止剤層は、タッチパネル等に用いられる封止材の形成材料として有用である。
要件(I):前記封止剤層が、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上のフェノキシ樹脂を含有する。
要件(II):前記封止剤層が、脂環式骨格及び環状エーテル基を有する化合物を1種又は2種以上含有する。
要件(III):前記封止剤層の硬化物の、23℃、周波数100kHzにおける比誘電率が3.5以下である。
〔2〕前記封止剤層の硬化物の、23℃、周波数100kHzにおける誘電正接が0.05以下である、〔1〕に記載の封止シート。
〔3〕前記脂環式骨格及び環状エーテル基を有する化合物の少なくとも1種が、25℃で液体の化合物である、〔1〕又は〔2〕に記載の封止シート。
〔4〕前記脂環式骨格及び環状エーテル基を有する化合物の少なくとも1種が、環状エーテル基としてグリシジルエーテル基を有する化合物である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の封止シート。
〔5〕前記封止剤層の硬化物の全光線透過率が90%以上である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の封止シート。
〔6〕前記封止剤層の硬化物のヘイズ値が1%以下である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の封止シート。
〔7〕前記封止剤層の硬化物のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるb*が-1以上+1以下である、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の封止シート。
要件(I):前記封止剤層が、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上のフェノキシ樹脂を含有する。
要件(II):前記封止剤層が、脂環式骨格及び環状エーテル基を有する化合物を1種又は2種以上含有する。
要件(III):前記封止剤層の硬化物の、23℃、周波数100kHzにおける比誘電率が3.5以下である。
封止剤層は、常温では非流動性を示す層である。封止剤層は、短冊状のものであっても、長尺状(帯状)のものであってもよい。
封止剤層は、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上のフェノキシ樹脂(以下、「フェノキシ樹脂(A)」と記載することがある。)を含有する。
すなわち、後述するように、封止剤層の硬化物の誘電率を下げ、さらに封止剤層の硬化物の透明性を向上させるためには、環状エーテル基含有化合物(B)は封止剤層中に多く含まれることが好ましい。
しかしながら、環状エーテル基含有化合物(B)を多く含む封止剤層は硬化前の形状保持性が低下するおそれがあった。
この点、本発明の封止シートの封止剤層は、フェノキシ樹脂(A)を含有するものであるため、環状エーテル基含有化合物(B)を多く含有する場合であっても、硬化前の形状を一定の形状を長期間にわたり保つことができる。
フェノキシ樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が90℃以上であることで、その封止剤層の硬化物は、高温条件下における形状保持性に優れたものとなる。
フェノキシ樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析計を用いて測定することができる。
フェノキシ樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)が小さ過ぎると、封止剤層は一定の形状を保つことが困難になる傾向がある。フェノキシ樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)が大き過ぎると、封止剤層は取り扱い性に劣る傾向がある。
フェノキシ樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用いてゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を行い、標準ポリスチレン換算値として求めることができる。
フェノキシ樹脂(A)は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
例えば、二官能フェノール類とエピハロヒドリンとをアルカリ金属水酸化物の存在下で、不活性溶媒中、40~120℃の温度で反応させることにより得ることができる。また、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類とを、アルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系化合物等の触媒の存在下で、沸点が120℃以上の、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、ラクトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶剤中で、反応固形分濃度が50重量%以下で50~200℃に加熱して重付加反応させて得ることもできる。
フェノキシ樹脂(A)の含有量が上記範囲内であることで、封止剤層の形状保持性が向上するとともに、低誘電特性を有し、かつ、透明性に優れる硬化物になる封止剤層が得られやすくなる。
本発明において「低誘電特性を有する」とは、要件(III)を満たすことをいう。
封止剤層は、脂環式骨格及び環状エーテル基を有する化合物〔環状エーテル基含有化合物(B)〕を1種又は2種以上含有する。
脂環式骨格及び環状エーテル基を有する化合物とは、分子内に脂環式骨格を有し、さらに、分子内に少なくとも1個、好ましくは2個以上の環状エーテル基を有する化合物をいう。なお、本発明においては、フェノキシ樹脂(A)は、脂環式骨格及び環状エーテル基を有する化合物には含まれないものとする。
封止剤層が環状エーテル基含有化合物(B)を含有することで、その封止剤層の硬化物は低誘電特性を有し、さらに透明性に優れたものとなる。
環状エーテル基含有化合物(B)の環状エーテル当量は、好ましくは50g/eq以上1000g/eq以下、より好ましくは100g/eq以上800g/eq以下である。
環状エーテル基含有化合物(B)の環状エーテル当量が上記範囲にある封止剤層を硬化させることで、接着強度が高い封止材をより効率よく形成することができる。
本発明における環状エーテル当量とは、分子量を環状エーテル基数で除した値を意味する。
これらの中でも、環状エーテル基としては、オキシラン基が好ましい。
なお、本明細書において、オキシラン基には、グリシジル基、グリシジルエーテル基、エポキシシクロヘキシル基等のオキシラン構造を有する基が含まれる。
環状エーテル基含有化合物(B)の含有量が、封止剤層全体に対して50質量%以上であることで、誘電率がより低く、かつ、透明性により優れる封止剤層の硬化物が得られやすくなる。
「25℃で液体」とは、25℃において流動性を有することを意味する。環状エーテル基含有化合物(B)は、E型粘度計を用いて、25℃、1.0rpmにて測定した粘度が、2~10000mPa・sであることが好ましい。
25℃で液体の環状エーテル基含有化合物(B)を用いることで、室温(25℃をいう。以下同じ)における貼付性により優れる封止剤層を形成し易くなる。
25℃で液体のエポキシ化合物の含有量を、封止剤層全体に対して55質量%以上にすることで、室温における貼付性により優れる封止剤層を形成し易くなる。
グリシジルエーテル基は、エポキシシクロヘキシル基等に比べて反応性がそれほど高くないため、グリシジルエーテル基を有する環状エーテル基含有化合物(B)を用いることで、保存安定性により優れる封止シートが得られ易くなる。
グリシジルエーテル基を有する環状エーテル基含有化合物(B)の含有量を、封止剤層全体に対して55質量%以上にすることで、保存安定性により優れる封止シートが得られ易くなる。
封止剤層の硬化物の、23℃、周波数100kHzにおける比誘電率(以下、この比誘電率を「比誘電率(α)」と記載することがある。)が3.5以下である。
比誘電率(α)が3.5以下の硬化物を、タッチパネル等のタッチセンサーを備える電子デバイス中の封止材として用いることで、封止材に起因する電子デバイスの誤作動を抑制することができる。
比誘電率(α)は、好ましくは3.48以下、より好ましくは3.47以下である。
比誘電率(α)の下限値は特にないが、通常は2.00以上である。
例えば、封止剤層が熱硬化性を有するものである場合、110℃で1時間の硬化条件で得られた硬化物を比誘電率(α)の測定試料として用いることができる。
比誘電率(α)は、実施例に記載の方法に従って測定することができる。
したがって、要件(III)を満たす封止剤層は、環状エーテル基含有化合物(B)の含有量を調節することにより効率よく形成することができる。
封止剤層は硬化剤を含有してもよい。硬化剤を用いることで、より効率よく硬化反応が進行する封止剤層を得ることができる。
硬化剤としては、少なくとも環状エーテル基含有化合物(B)の硬化反応を開始させるものであれば特に限定されない。硬化反応を比較的短時間で終えることができることから、硬化剤としては、加熱により硬化反応を開始させるものが好ましく用いられる。
加熱により硬化反応を開始させる硬化剤としては、熱カチオン重合開始剤や、それ以外の熱反応性硬化剤が挙げられる。
熱カチオン重合開始剤としては、スルニホウム塩、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。
硬化剤の含有量は、特に制限されないが、環状エーテル基含有化合物(B)100質量部に対して、好ましくは0.1~15質量部、より好ましくは1~10質量部、さらに好ましくは1~5質量部である。
封止剤層は、シランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤を用いることで、湿熱耐久性により優れる封止剤層が得られ易くなる。
シランカップリング剤としては、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン等のビニル基を有するシランカップリング剤;
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤;
p-スチリルトリメトキシシラン、p-スチリルトリエトキシシラン等のスチリル基を有するシランカップリング剤;
3-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基を有するシランカップリング剤;
3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のハロゲン原子を有するシランカップリング剤;
3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシランカップリング剤;
ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド基を有するシランカップリング剤;
3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するシランカップリング剤;
アリルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン等のアリル基を有するシランカップリング剤;
3-ヒドキシプロピルトリメトキシシラン、3-ヒドキシプロピルトリエトキシシラン等の水酸基を有するシランカップリング剤;等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
封止剤層は、本発明の効果を妨げない範囲で、その他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、酸化防止剤、樹脂安定剤、充填剤、顔料、増量剤、軟化剤等の添加剤が挙げられる。
これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
封止剤層が、これらの添加剤を含有する場合、その含有量は、目的に合わせて適宜決定することができる。
封止剤層の厚みは、通常1~50μmであり、好ましくは1~25μm、より好ましくは5~25μmである。厚みが上記範囲内にある封止剤層は、封止材の形成材料として好適に用いられる。
封止剤層の厚みは、公知の厚み計を用いて、JIS K 7130(1999)に準じて測定することができる。
封止剤層をキャスト法により製造する場合、封止剤層を構成する成分を含有する封止剤組成物を調製し、得られた封止剤組成物を、公知の方法を用いて、基材又は剥離フィルムの剥離処理された剥離層面に塗工し、得られた塗膜を乾燥することで、封止剤層を形成することができる。
溶媒としては、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
これらの溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒の含有量は、塗工性等を考慮して適宜決定することができる。
塗膜を乾燥するときの条件としては、例えば、80~150℃で30秒から5分間である。
加熱温度は、通常、80~200℃、好ましくは90~150℃である。
加熱時間は、通常、30分から12時間、好ましくは1~6時間である。
誘電正接(β)の下限は特にないが、通常0.0001以上である。
誘電正接(β)が0.05以下であることで、発熱や信号の減衰を抑制することが可能となるである。
誘電正接(β)は、実施例に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の封止シートの封止剤層は、環状エーテル基含有化合物(B)を含有するため、その硬化物は誘電正接が低くなる傾向がある。
全光線透過率の上限は特にないが、通常100%以下である。
全光線透過率が90%以上の硬化物を、タッチパネル等の表示用デバイス中の封止材として用いることで、視認性により優れる電子デバイスを得ることができる。
全光線透過率は、実施例に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の封止シートの封止剤層は、環状エーテル基含有化合物(B)を含有するため、その硬化物は全光線透過率が高くなる傾向がある。
ヘイズ値の下限は特にないが、通常0%以上である。
ヘイズ値が1%以下の硬化物を、タッチパネル等の表示用デバイス中の封止材として用いることで、視認性により優れる電子デバイスを得ることができる。
ヘイズ値は、実施例に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の封止シートの封止剤層は、環状エーテル基含有化合物(B)を含有するため、その硬化物はヘイズ値が低くなる傾向がある。
硬化物のb*値が上記範囲内の硬化物を、タッチパネル等の表示用デバイス中の封止材として用いることで、視認性により優れる電子デバイスを得ることができる。
b*値は、実施例に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の封止シートの封止剤層は、環状エーテル基含有化合物(B)を含有するため、b*値は0に近い値になる傾向がある。
本発明の封止シートは、上記の封止剤層を有するものである。
本発明の封止シートは、封止剤層の他に、基材、剥離フィルム、機能性フィルム等を有していてもよい。
樹脂フィルムの樹脂成分としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系ポリマー、芳香族系重合体、ポリウレタン系ポリマー、液晶ポリマーフィルム等が挙げられる。
基材の厚みは、特に制限はないが、好ましくは10~500μm、より好ましくは10~300μm、さらに好ましくは15~200μmである。
なお、本発明の封止シートを使用する際は、通常、剥離フィルムは剥離除去される。
剥離フィルム用の基材としては、グラシン紙、コート紙、上質紙等の紙基材;これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のプラスチックフィルム;等が挙げられる。
剥離フィルムの厚みは、特に制限はないが、通常20~250μm程度である。
機能性フィルムの厚みは、特に限定されないが、通常、5~200μm、好ましくは10~100μmである。
本発明の封止シートの封止剤層は、低誘電特性を有する硬化物を与えるものである。この特性が生かされることから、電子デバイスとしては、タッチパネル等のタッチセンサーを備えるものが好ましい。
また、本発明の封止シートの封止剤層は、透明性に優れる硬化物を与えるものである。この特性が生かされることから、電子デバイスとしては、光透過性が求められる電子デバイスが好ましい。
光透過性が求められる電子デバイスとしては、有機ELディスプレイ、有機EL照明等の有機EL素子;液晶ディスプレイ等の液晶素子;電子ペーパー素子;太陽電池素子;発光ダイオード;等が挙げられる。
・フェノキシ樹脂(A1):(三菱ケミカル社製、商品名:YX6954BH30、ガラス転移温度(Tg):130℃、エポキシ当量:10,000~16,000g/eq)
・フェノキシ樹脂(A2):(三菱ケミカル社製、商品名:1256B40、ガラス転移温度(Tg):98℃、エポキシ当量:6,700~8,000g/eq)
・フェノキシ樹脂(A3):(三菱ケミカル社製、商品名:YX8100BH30、ガラス転移温度(Tg):150℃)
・環状エーテル基を有する化合物(B1):水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔三菱ケミカル社製、商品名:YX8034、環状エーテル当量:270g/eq、脂環式骨格、グリシジルエーテル基、25℃で液体〕
・環状エーテル基を有する化合物(B2):水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔三菱ケミカル社製、商品名:YX8000、環状エーテル当量:205g/eq、脂環式骨格、グリシジルエーテル基、25℃で液体〕
・環状エーテル基を有する化合物(BX1):ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔三菱ケミカル社製、商品名:jER828、環状エーテル当量:189g/eq、芳香族骨格、グリシジルエーテル基、25℃で液体〕
・熱カチオン重合開始剤(C1):(三新化学社製、商品名:サンエイドSI-B3)
・シランカップリング剤(D1):8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM4803)
フェノキシ樹脂(A1)100質量部、環状エーテル基を有する化合物(B1)150質量部、熱カチオン重合開始剤(C1)3.3質量部、シランカップリング剤(D1)0.2質量部をメチルエチルケトンに溶解し、塗工液を調製した。
この塗工液を剥離フィルム(第1剥離フィルム、リンテック社製、商品名:SP-PET752150)の剥離処理面上に塗工し、得られた塗膜を100℃で2分間乾燥し、厚みが15μmの封止剤層を形成した。この封止剤層上に、もう1枚の剥離フィルム(第2剥離フィルム、リンテック社製、商品名:SP-PET381130)の剥離処理面を貼り合わせて封止シートを得た。
封止剤層を構成する各成分の種類及び量を第1表に記載のものに変更したこと以外は、実施例1と同様にして封止シートを得た。
実施例又は比較例で得た封止シートを110℃で1時間加熱して、封止剤層を硬化させた。硬化処理後の封止シートから剥離フィルムを剥離除去して測定用試料を得た。
得られた測定用試料について、LFインピーダンス・アナライザ(アジレント・テクノロジー社製、HP4192A)を用いて自動平衡ブリッジ法により、23℃、100kHzにおける比誘電率及び誘電正接を測定した。
実施例又は比較例で得た封止シートの剥離フィルムを1枚剥離除去し、封止剤層を露出させた。ラミネーターを用いて、23℃で、露出した封止剤層を無アルカリガラスに貼合し、積層体を得た。得られた積層体を110℃で1時間加熱して、封止剤層を硬化させた後、もう1枚の剥離フィルムを剥離除去して測定用試料を得た。
得られた測定用試料について、JIS K7361:1997に準拠し、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH-2000)を用いて、全光線透過率(%)を測定した。
全光線透過率で用いたものと同様の測定用試料を調製した。
得られた測定用試料について、JIS K7136:2000に準拠し、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH-2000)を用いて、ヘイズ値(%)を測定した。
全光線透過率で用いたものと同様の測定用試料を調製した。
得られた測定用試料について、CIE1976L*a*b*表色系により規定される色彩値b*を、JIS Z 8729-1994に準拠し、分光光度計(島津製作所社製、UV-3200)を用いて測定した。
実施例1~3で得られた封止シートの封止剤層は、脂環式骨格及び環状エーテル基を有する化合物〔環状エーテル基含有化合物(B)〕を多く含有するため、その硬化物は、低誘電特性を有し、かつ、透明性に優れている。
一方、環状エーテル基含有化合物(B)に代えて、芳香族骨格と環状エーテル基を有する化合物を用いた比較例1、2で得られた封止シートの封止剤層の硬化物は、誘電率が高くなっている。
Claims (6)
- 硬化性の封止剤層を有する封止シートであって、以下の要件(I)、要件(II)、要件(III)、要件(IV)、及び要件(V)を満たすことを特徴とする封止シート。
要件(I):前記封止剤層が、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上のフェノキシ樹脂を含有する。
要件(II):前記封止剤層が、脂環式骨格及び環状エーテル基を有する化合物を1種又は2種以上含有する。
要件(III):前記封止剤層の硬化物の、23℃、周波数100kHzにおける比誘電率が3.5以下である。
要件(IV):前記脂環式骨格及び環状エーテル基を有する化合物の含有量が、封止剤層全体に対して55~70質量%である。
要件(V):前記封止剤層の硬化物のヘイズ値が1%以下である。 - 前記封止剤層の硬化物の、23℃、周波数100kHzにおける誘電正接が0.05以下である、請求項1に記載の封止シート。
- 前記脂環式骨格及び環状エーテル基を有する化合物の少なくとも1種が、25℃で液体の化合物である、請求項1又は2に記載の封止シート。
- 前記脂環式骨格及び環状エーテル基を有する化合物の少なくとも1種が、環状エーテル基としてグリシジルエーテル基を有する化合物である、請求項1~3のいずれかに記載の封止シート。
- 前記封止剤層の硬化物の全光線透過率が90%以上である、請求項1~4のいずれかに記載の封止シート。
- 前記封止剤層の硬化物のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるb*が-1以上+1以下である、請求項1~5のいずれかに記載の封止シート。
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