JP2019167428A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】透光性が高く、熱等の環境負荷に対する透光性の維持性に優れた硬化体を形成し得る硬化性樹脂組成物およびその硬化体を提供すること。【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含む、樹脂組成物。(A)ビスフェノールAF型エポキシ樹脂(B)フェノキシ樹脂を含む熱可塑性樹脂(C)ホスホニウム塩を含む硬化促進剤【選択図】なし

Description

本発明は樹脂組成物に関し、特に透光性の高い硬化体を形成し得る樹脂組成物及び該樹脂組成物から得られる硬化体に関する。
LED等の発光素子を有する発光装置を構成する材料の一部として、発光素子を外部環境から保護する等の目的で、しばしば透光性の樹脂材料が使用される(特許文献1)。このような透光性の樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂等の種々の樹脂が挙げられる。一方で、LED等を使用した発光装置は、自動車、船舶、列車、航空機、電光板、交通信号灯、各種照明灯等の様々な用途に使用されており、発光装置を構成する透光性材料には、熱等の環境負荷を受けてもその透光性が保たれることが求められている。
特開2017−157723号公報
従って、本発明の目的は、透光性が高く、熱等の環境負荷に対する透光性の維持性に優れた硬化体を形成し得る硬化性樹脂組成物およびその硬化体を提供することにある。
また、特に透光性が高く、熱等の環境負荷に対する透光性の維持性に優れたフィルム形態の硬化体を容易に得ることができる樹脂組成物およびそれから得られたフィルム形態の硬化体を提供することにある。
本発明者らは、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂及びホスホニウム塩を含有する樹脂組成物の硬化体は透光性が高く(特に透明度が高く)、しかも、高温環境下に置かれたときの透光性の低下が極めて小さいことを見出し、該知見に基づいてさらに研究を進めることにより、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、以下の内容を含むものである。
[1] 下記の(A)〜(C)成分を含む、樹脂組成物。
(A)ビスフェノールAF型エポキシ樹脂
(B)フェノキシ樹脂を含む熱可塑性樹脂
(C)ホスホニウム塩を含む硬化促進剤
[2] ホスホニウム塩がイオン液体である、上記[1]記載の樹脂組成物。
[3] ホスホニウム塩のホスホニウムカチオンがテトラアルキルホスホニウムカチオンである、上記[1]または[2]記載の樹脂組成物。
[4] さらに(D)エポキシ樹脂((A)成分を除く)を含有する、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[5] フィルム状である、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[6] 上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の樹脂組成物の硬化体。
[7] 110℃で100時間保存したときの保存前と保存後において、L*a*b*表色系のb*値がいずれも1.0未満である、上記[6]記載の硬化体。
[8] 厚さ120μmのフィルム状の硬化体において、110℃で100時間保存したときの保存前と保存後のD65光での平行光線透過率がいずれも80%以上である、上記[6]または[7]記載の硬化体。
本発明によれば、透光性が高く、熱等の環境負荷に対する透光性の維持性に優れた硬化体を形成し得る硬化性樹脂組成物を得ることができる。特に、本発明の樹脂組成物はフィルム化が容易であるため、本発明の樹脂組成物を使用すれば、透光性が高く、熱等の環境負荷に対する透光性の維持性に優れた、フィルム状の硬化体を容易に得ることができる。
なお、本発明でいう「透光性が高い」とは、特に高い平行光線透過率が得られること(すなわち、透明性が高いこと)を意味する。また、例えば、JIS(日本工業規格)の[包装用語]の規格や日本標準産業分類(総務省)[プラスチックフィルム・シート・床材・合成皮革製造業]の定義では、厚さ200μm(250μm)を基準に、厚さが200μm(250μm)未満のものを「フィルム」とし、厚さが200μm(250μm)以上のものを「シート」として区分しているが、本発明でいう「フィルム」とは、上記の「フィルム」に区分されるような厚さが200μm(250μm)未満の薄い厚さのものだけでなく、上記の「シート」に区分されるような200μm(250μm)以上の厚さを有するものも包含する「薄手の成形物」を意味する。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して説明する。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、必須成分として、(A)ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、(B)フェノキシ樹脂を含む熱可塑性樹脂、及び(C)ホスホニウム塩を含む硬化促進剤を含有する。
<(A)ビスフェノールAF型エポキシ樹脂>
本発明において使用されるビスフェノールAF型エポキシ樹脂(以下、(A)成分ともいう)は特に限定されるものではなく、例えば、以下の式(I)で表されるエポキシ樹脂を用いることができる。
(式中、R1〜R8は、それぞれ、独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基を示し、nは0又は1以上の整数を示す。)
式(I)において、R1〜R8は、互いに異なっていても、同一であってもよい。
R1〜R8がアルキル基の場合、炭素数が1〜4のアルキル基が好ましい。
式(I)で表されるエポキシ樹脂の中でも、式(I)中のR1〜R8が全て水素原子である、4,4’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ビスフェノール型エポキシ樹脂が特に好ましい。
(A)ビスフェノールAF型エポキシ樹脂は市販品を用いることができる。市販されているビスフェノールAF型エポキシ樹脂としては、例えば、式(I)中のR1〜R8が全て水素原子であるビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品として、「YX7760」(三菱ケミカル社製、エポキシ当量:245g/eq)、「YX7763」(三菱ケミカル社製、エポキシ当量:420g/eq)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物において、(A)成分は1種又は2種以上を使用することができる。また、樹脂組成物中の(A)成分の含有量は特に限定されるものではないが、硬化体の透光性維持の観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。また、樹脂組成物をフィルム化する際の取り扱い性の観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、95質量%以下が好ましく、90量%以下がより好ましく、63質量%以下がさらに一層好ましい。
後述するように、本発明の樹脂組成物には、(A)成分以外のエポキシ樹脂を含有させることができるが、(A)成分を含有せず、(A)成分以外のエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物の場合、高い透明性の硬化体を得ることができても、高温環境下に置かれたときの透光性の維持性に優れる硬化体を得ることができない。
<(B)フェノキシ樹脂を含む熱可塑性樹脂>
本発明の樹脂組成物は、(A)成分とともに熱可塑性樹脂を含有し、該熱可塑性樹脂がフェノキシ樹脂を含むことが特徴の一つである。すなわち、熱可塑性樹脂(以下、(B)成分ともいう)は、フェノキシ樹脂が主体であり、好ましくは全体の90〜100質量%がフェノキシ樹脂であり、より好ましくは全体の95〜100質量%がフェノキシ樹脂である。
熱可塑性樹脂の主体がフェノキシ樹脂であることで、本発明の樹脂組成物はフィルム化が容易になり、透光性が高く、高温環境下に置かれてもその高い透光性が維持されるフィルム状の硬化体を容易に得ることができる。フェノキシ樹脂の熱可塑性樹脂全体に対する割合が90質量%未満では、透光性の高い硬化体を得ることができない虞がある。
好適なフェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、シクロヘキサン骨格およびノルボルネン骨格から選択される1種または2種以上の骨格を有するものが挙げられる。特に好ましくはビフェニル骨格及び/又はシクロヘキサン骨格を有するフェノキシ樹脂である。フェノキシ樹脂は1種または2種以上を使用できる。
フェノキシ樹脂の市販品としては、例えば、YX7200B35(三菱ケミカル社製:ビフェニル骨格及びシクロヘキサン骨格含有フェノキシ樹脂、不揮発分35質量%、エポキシ当量:9,000g/eq)、1256(三菱ケミカル社製:ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂、エポキシ当量:7,800g/eq)、YX6954BH35(三菱ケミカル社製:ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂、不揮発分35質量%、エポキシ当量:13,000g/eq)等が挙げられる。
(B)成分におけるフェノキシ樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル系ポリマー等を挙げることができる。これらは、1種または2種以上を使用することができる。
樹脂組成物をフィルム化する際(すなわち、フィルム状の樹脂組成物を得る際)の取り扱い性(例えば、樹脂組成物ワニスの塗工性(はじき防止))、硬化体への可撓性付与等の点から、(B)成分の重量平均分子量は、10,000以上であるのが好ましく、20,000以上がより好ましい。しかし、この重量平均分子量が大きすぎると、(A)成分との相溶性が低下して高い透光性を有する硬化体が得られにくい傾向になる。そのため、この重量平均分子量は、100,000以下であるのが好ましく、80,000以下がより好ましく、50,000以下が特に好ましい。
本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレンン換算)で測定される。GPC法による重量平均分子量は、測定装置として島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
本発明の樹脂組成物において、樹脂組成物中の(B)成分の含有量は特に限定されるものではないが、樹脂組成物をフィルム化する際の取り扱い性(例えば、樹脂組成物ワニスの塗工性(はじき防止))、硬化体への可撓性付与等の観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。一方、(B)成分が多くなり過ぎると、樹脂組成物の溶融粘度が高くなりフィルム状の樹脂組成物の接着性が低下する傾向となること、硬化体の高温環境下で透光性が低下する傾向となることから、(B)成分の含有量は樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。
<(C)ホスホニウム塩を含む硬化促進剤>
本発明の樹脂組成物は、(A)成分及び(B)成分とともに硬化促進剤を含有し、該硬化促進剤がホスホニウム塩を含むことが特徴の一つである。すなわち、硬化促進剤(以下、(C)成分ともいう)として、少なくともホスホニウム塩を使用することで、透光性が高い硬化体が得られやすくなる。従って、(C)成分は、ホスホニウム塩が主体であり、好ましくは硬化促進剤全体の90〜100質量%がホスホニウム塩であり、より好ましくは硬化促進剤全体の95〜100質量%がホスホニウム塩であり、特に好ましくは硬化促進剤全体がホスホニウム塩である。
硬化促進剤の主体がホスホニウム塩であることで、透光性(特に透明性)が高い硬化体が得られやすく、ホスホニウム塩の硬化促進剤全体に対する割合が90質量%未満では、透光性(特に透明性)の高い硬化体を得ることができない虞がある。
ホスホニウム塩としては、例えば、カチオンが、式(II):
[式中、R11、R12、R13、およびR14は、同一または異なって、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基はその一部がヘテロ原子またはヒドロキシ基で置換されていてもよい。]
で表されるホスホニウムカチオンであり、
アニオンが、例えば、Cl;Br;I;AlCl ;AlCl ;BF ;PF ;ClO ;NO ;フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物系アニオン;メタンスルホン酸イオン等のアルキル硫酸系アニオン;トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ヘキサフルオロホスホン酸イオン、トリフルオロトリス(ペンタフルオロエチル)ホスホン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、トリフルオロ酢酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン等の含フッ素化合物系アニオン;フェノールイオン、2−メトキシフェノールイオン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールイオン等のフェノール系アニオン;アスパラギン酸イオン、グルタミン酸イオン等の酸性アミノ酸イオン;グリシンイオン、アラニンイオン、フェニルアラニンイオン等の中性アミノ酸イオン;式(III):

(式中、Rは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖の炭化水素基、或いは、置換または無置換のフェニル基であり、Xはアミノ酸の側鎖を表す。)
で示されるN−アシルアミノ酸イオン;ギ酸イオン、酢酸イオン、デカン酸イオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、α−リポ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、安息香酸イオン等のカルボン酸系アニオン等からなる群から選択されるアニオンである塩が挙げられる。
式(II)で表されるホスホニウムカチオンの具体例としては、例えば、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオン等のテトラアルキルホスホニウムカチオン;テトラフェニルホスホニウムカチオン等のテトラアリールホスホニウムカチオン;アリルトリブチルホスホニウムカチオン等のアリルトリアルキルホスホニウムカチオン;テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムカチオン等のテトラキス(ヒドロキシアルキル)ホスホニウムカチオン等が挙げられる。
また、アニオンである式(III)で示されるN−アシルアミノ酸イオンの具体例としては、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、アスパラギン酸イオン、グリシンイオン、N−アセチルグリシンイオン等が挙げられる
ホスホニウム塩の具体例としては、例えば、テトラエチルホスホニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリエチルベンジルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムヨーダイド、トリブチルメチルホスホニウムヨーダイド、トリブチルオクチルホスホニウムブロマイド、トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロマイド、アリルトリブチルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリブチルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート、トリオクチルエチルホスホニウムブロマイド、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェート、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムデカネート、テトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムジシアナミド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムジシアナミド、テトラブチルホスホニウム−2−ピロリドン−5−カルボキシレート、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムトリフルオロアセテート、テトラブチルホスホニウムα−リポエート、テトラブチルホスホニウムホルメート、テトラブチルホスホニウムラクテート、酒石酸ビス(テトラブチルホスホニウム)塩、馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、N−メチル馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゾイル−DL−アラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルフェニルアラニンテトラブチルホスホニウム塩、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールテトラブチルホスホニウム塩、L−アスパラギン酸モノテトラブチルホスホニウム塩、グリシンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩等が挙げられる。
なお、ホスホニウム塩は、硬化体の着色防止(硬化体のより高い透明性)の観点から、140℃以下(好ましくは120℃以下)の温度下でエポキシ樹脂を硬化し得るイオン液体、すなわち、140℃以下(好ましくは120℃以下)の温度領域で融解し得る塩であることが好ましい。また、ホスホニウム塩は、ホスホニウムカチオンがテトラアルキルホスホニウムカチオンであるホスホニウム塩が好ましい。すなわち、ホスホニウム塩は、特に好ましくは、ホスホニウムカチオンがテトラアルキルホスホニウムカチオンであるホスホニウム塩のイオン液体である。
ホスホニウムカチオンがテトラアルキルホスホニウムカチオンであるホスホニウム塩のイオン液体としては、テトラブチルホスホニウムデカネート、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウム−2−ピロリドン−5−カルボキシレート、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムトリフルオロアセテート、テトラブチルホスホニウムα−リポエート、ギ酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムラクテート、酒石酸ビス(テトラブチルホスホニウム)塩、馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、N−メチル馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゾイル−DL−アラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルフェニルアラニンテトラブチルホスホニウム塩、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールテトラブチルホスホニウム塩、L−アスパラギン酸モノテトラブチルホスホニウム塩、グリシンテトラブチルホスホニウム塩等が挙げられる。
本発明において、ホスホニウム塩は1種または2種以上を使用することができる。
本発明における硬化促進剤(すなわち、(C)成分)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、ホスホニウム塩とともに、ホスホニウム塩以外の硬化促進剤を使用してもよい。このようなホスホニウム塩以外の硬化促進剤としては、例えば、ホスホニウム塩のイオン液体以外のイオン液体を挙げることができ、例えば、カチオンが、イミダゾリウムイオン、ピペリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピラゾニウムイオン、グアニジニウムイオン、ピリジニウムイオン等のアンモニウム系カチオンからなるイオン液体、及び/又は、カチオンが、トリエチルスルホニウムイオン等のスルホニウム系カチオンからなるイオン液体等が挙げられる。
これら、カチオンがアンモニウム系カチオンからなるイオン液体、カチオンがスルホニウム系カチオンからなるイオン液体等におけるアニオンとしては、前述のホスホニウム塩のイオン液体において例示したアニオンと同じものを挙げることができる。
また、ホスホニウム塩以外の硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、3級アミン系化合物、アミンアダクト化合物、有機酸ジヒドラジド化合物等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物において、(C)成分の量は、樹脂組成物の不揮発分100質量%に対し、0.1〜3質量%が好ましく、0.2〜2質量%がより好ましく、0.4〜1.5質量%がさらに好ましい。この量が0.1質量%よりも少ないと、十分な硬化性が得られないおそれがあり、この量が3質量%より多いと、樹脂組成物の保存安定性が損なわれることがある。
<(D)エポキシ樹脂((A)成分を除く)>
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物の接着性や樹脂組成物の硬化体の機械強度等の向上の観点から、(A)成分以外のエポキシ樹脂(以下、(D)成分ともいう)を含有させることができる。
このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルトルイジン、ジグリシジルアニリン等)、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物、およびアルコール類のジグリシジルエーテル化物、並びにこれらのエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物および水素添加物等が挙げられる。中でも、自体の透光性が高いものが好ましく、かかる好適なエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
(D)成分は1種又は2種以上を使用することができる。
エポキシ樹脂は、液状であっても、固形状であってもよく、液状エポキシ樹脂および固形状エポキシ樹脂の両方を用いてもよい。ここで、「液状」および「固形状」とは、常温(25℃)でのエポキシ樹脂の状態である。
本発明の樹脂組成物において、(D)成分の量は、樹脂組成物の接着性や樹脂組成物の硬化体の機械強度の観点から、不揮発分100質量%に対し、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。また、硬化体の透光性の維持性の観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。
なお、本発明において「エポキシ樹脂」とは、1分子中に二つ以上のエポキシ基を有し、エポキシ当量が7,000以下である熱硬化性樹脂を意味し、「フェノキシ樹脂」とは、エポキシ当量が7,000を超える熱可塑性樹脂を意味する。フェノキシ樹脂は、エポキシ樹脂と同様にエポキシ基を有し得るが、本発明では、これらをエポキシ当量で区別する。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、反応性等の観点から、好ましくは50〜5,000、より好ましくは50〜3,000、より一層好ましくは80〜2,000、さらに好ましくは100〜1,000、さらに一層好ましくは120〜1,000、特に好ましくは140〜500である。なお、「エポキシ当量」とは1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数(g/eq)であり、JIS K 7236に規定された方法に従って測定される。
また、本発明において、エポキシ樹脂の分子量(ポリマーの場合、重量平均分子量をいう)は、好ましくは100〜5,000、より好ましくは250〜3,000である。
本発明の樹脂組成物におけるエポキシ樹脂の含有量((i)(D)成分を含有しない場合は(A)成分の含有量、(ii)(D)成分を含有する場合は(A)成分と(D)成分の合計含有量)は、樹脂組成物の不揮発分100質量%対して、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。また、樹脂組成物の不揮発分100質量%対して、95質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに一層好ましく、66質量%以下が特に好ましい。30質量%未満では、樹脂組成物の接着性、硬化体の機械強度等が低下する傾向となり、95質量%を超えると樹脂組成物をフィルム化する際の取り扱い性が低下する傾向となる。
本発明の樹脂組成物は、上述の成分を、必要により有機溶剤を加えて、混練ローラーや回転ミキサーなどを用いて混合することで調製される。
<用途>
本発明の樹脂組成物は、LED、EL素子等の発光素子を有する発光装置における発光素子を外部環境から保護する透光性部材に使用される。樹脂組成物の形態は、特に限定されず、液状(ワニス)、固形(例えば、フィルム状)、半固形のいずれであってもよく、発光装置内の透光性部材の形状、大きさに応じて、選択される。フィルム状の樹脂組成物は、それを硬化して得られるフィルム状の硬化体が、そのまま、透光性の高いパネル部材になり、大面積の透明パネルを容易に得ることができるので、好ましい。なお、一般に「パネル」との用語は比較的硬度(剛性)が高い製品に対して使用され、「フィルム」や「シート」との用語は比較的硬度(剛性)の低い製品に使用される傾向があり、ここでいう「パネル部材」や「透明パネル」における「パネル」も比較的硬度(剛性)が高い製品という意味である。
フィルム状の樹脂組成物(以下、「樹脂組成物フィルム」ともいう。)は、例えば、樹脂組成物の成分と有機溶剤を、混練ローラーや回転ミキサーなどを用いて混合することで調製したワニス(樹脂組成物ワニス)を、離型処理した支持体上に塗布し、公知の機器を用いた加熱(熱風吹きつけ等)及び/または減圧処理によって、支持体上に塗布したワニスから有機溶剤を除去することで、フィルム状の樹脂組成物が形成される。
離型処理した支持体の支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン;シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリイミドなどのプラスチックフィルム(好ましくは、PETフィルム)や、アルミ箔、ステンレス箔、銅箔等の金属箔が使用される。離型処理した支持体の離型処理としては、例えば、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等の離型剤による離型処理が挙げられる。
樹脂組成物ワニスの固形分は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%である。
樹脂組成物ワニスから有機溶剤を除去するための加熱の条件に特に制限はないが、通常50〜150℃程度で3〜10分程度が好適である。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ等のセロソルブ類、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。かかる有機溶剤はいずれか1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
フィルム状の樹脂組成物の厚さは、保護対象の種類や適用箇所によっても異なるが、一般的には、1〜300μm、好ましくは5〜200μmの範囲である。
支持体上に形成されたフィルム状の樹脂組成物は、樹脂組成物を硬化する迄、保護のために、保護フィルムで保護しておくのが好ましく、例えば、支持体上に形成されたフィルム状の樹脂組成物に、公知の機器を使用して、離型処理した保護フィルムを積層しておくことができる。保護フィルムの積層に使用する機器としては、例えば、ロールラミネーター、プレス機、真空加圧式ラミネーター等が挙げられる。
離型処理した保護フィルムは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン;シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリイミドなどのプラスチックフィルム(好ましくは、PETフィルム)、或いは、アルミ箔、ステンレス箔、銅箔等の金属箔からなる支持体に、離型処理を施したものが使用される。離型処理には、例えば、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等の離型剤による離型処理が挙げられる。
<硬化体>
本発明の硬化体は、本発明の樹脂組成物を熱硬化させたものであり、透光性部材となる。フィルム状の樹脂組成物を硬化すれば、フィルム状の硬化体が得られ、フィルム状の透光性部材になる。
熱硬化の硬化温度は、硬化反応を十分に進行させるという観点から、100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましい。また、硬化体の着色防止の観点から、180℃以下が好ましく、165℃以下がより好ましい。また、加熱時間は、10分以上が好ましく、20分以上がより好ましい。また、120分以下が好ましく、90分以下がより好ましい。
加熱手段としては、例えば、熱風循環式オーブン、赤外線ヒーター、ヒートガン、高周波誘導加熱装置、ヒートツールの圧着による加熱等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物から調製した樹脂組成物ワニスを、成形用型に流し込み、加熱により有機溶剤の除去と硬化反応を行うことで、所望の形状の透明部材を形成することもできる。
本発明の硬化体は、高い透光性を有し、しかも、熱負荷に対する透光性の維持性に優れる。例えば、厚さ120μmのフィルム状の硬化体は、110℃で100時間保存したときの保存前と保存後のD65光での平行光線透過率はいずれも80%以上(好ましくは84%以上)を示す。
上記の厚さ120μmのフィルム状の硬化体のD65光での平行光線透過率は、後述の実施例に記載するようにして、PETフィルムの間にフィルム状の硬化体が挟まれた積層体を形成し、空気をリファレンスとすることによって算出される。
また、本発明の硬化体は、110℃で100時間保存したときの保存前と保存後において、L*a*b*表色系のb*値がいずれも1.0未満を示し、黄色味が極めて小さく、しかも、熱負荷に対しても黄変しない、透明性の高い硬化体になる。b*値は0.98以下が好ましく、0.95以下が更に好ましい。
従って、本発明の硬化体によれば、耐熱性に優れた透光性部材を実現することができる。特に、110℃で100時間保存したときの保存前のb*値に対する保存後のb*値の変化率(保存後のb*値/保存前のb*値)が、2.5未満(好ましくは2.3以下、より好ましくは2.1以下)、0.5以上(好ましくは0.55以上、より好ましくは0.6以上)の範囲内にある硬化体を得ることができる。本発明の硬化体を、例えば、発光装置を構成する透光性部材に使用すると、発光素子の発光動作による発熱に伴って透光性部材が加熱されても、透光性部材はその高い透光性が安定に維持されるため、発光素子から発せられる光の外部への放射量の経時安定性に優れた発光装置を実現することができる。
なお、こでいう「L*a*b*表色系のb*値」は、厚さ120μmのフィルム状の樹脂組成物を、100℃で60分、150℃で30分熱硬化した硬化体(試料)に対する測定値であり、後述の初期透明性評価試験及び耐熱性評価試験に記載の方法で測定される。
以下に、実施例を示して本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例に用いた材料は以下の通りである。
<エポキシ樹脂>
「YX7760」(三菱ケミカル社製):ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、エポキシ当量245g/eq
「YX7763」(三菱ケミカル社製):ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、エポキシ当量420g/eq
「828EL」(三菱ケミカル社製):ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量185g/eq
「N−695」(DIC社製):クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量215g/eq「YL7924」(三菱ケミカル社製):ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、エポキシ当量390g/eq
「EHPE3150」(ダイセル社製):脂環式エポキシ樹脂、エポキシ当量180g/eq
「ZX−1059」(新日鉄住金化学社製):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(50質量%)とビスフェノールF型エポキシ樹脂(50質量%)の混合品、エポキシ当量165g/eq
<熱可塑性樹脂>
「YX7200B35」(三菱ケミカル社製):ビフェニル骨格及びシクロヘキサン骨格含有フェノキシ樹脂、不揮発分35質量%、重量平均分子量30,000、エポキシ当量:9,000g/eq
「1256B40」(三菱ケミカル社製):ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂、不揮発分40質量%、重量平均分子量45,000、エポキシ当量:7,800g/eq
「BX−5」(積水化学工業社製):ポリビニルアセタール樹脂、重量平均分子量130,000
「SG−P3」(ナガセケムテックス社製):エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂、不揮発分15質量%、重量平均分子量850,000
<硬化促進剤>
「TBP−DA」(北興化学工業社製):ホスホニウム塩1(テトラブチルホスホニウムデカン酸塩)
ホスホニウム塩2:N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩
「EMI24」(三菱ケミカル社製):イミダゾール系硬化促進剤
以下に示す手順にて実施例および比較例の各組成物を調製した。なお、以下の記載において、各材料についての使用量の「部」は、特に断りがない限り、「質量部」を意味する。また、溶剤を含有する材料についての使用量は溶剤を含む総量であり、後記の表1には不揮発分のみの量を記載した。
<実施例1:樹脂組成物1の調製>
「YX7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)8部、「YX7200B35」(フェノキシ樹脂)30部、「YL7924」(ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物)8.35部を、メチルエチルケトン5部、シクロヘキサノン5部に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、「TBP−DA」(ホスホニウム塩)0.18部を混合して樹脂組成物1を調製した。
<実施例2:樹脂組成物2の調製>
実施例1において、「YX7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)の量を8部から6.6部に変え、「YX7200B35」(フェノキシ樹脂)の量を30部から34部に変え、「ZX−1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)2部を加えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物2を調製した。
<実施例3:樹脂組成物3の調製>
実施例2において、「YX7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)の量を6.6部から10.3部に変え、「YX7200B35」(フェノキシ樹脂)の量を34部から23.4部に変えた。以上の事項以外は実施例2と同様にして樹脂組成物3を調製した。
<実施例4:樹脂組成物4の調製>
実施例1において、「ZX−1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品2部を加え、「TBP−DA」(ホスホニウム塩)の量を0.18部から0.135部に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物4を調製した。
<実施例5:樹脂組成物5の調製>
実施例4において、「TBP−DA」(ホスホニウム塩)の量を0.135部から0.36部に変えた。以上の事項以外は実施例4と同様にして樹脂組成物5を調製した。
<実施例6:樹脂組成物6の調製>
実施例1において、「YX7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)を「YX7763」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)に変え、「ZX−1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)2部を加えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物6を調製した。
<実施例7:樹脂組成物7の調製>
実施例1において、「YX7200B35」(フェノキシ樹脂)30部を「1256B40」(ビスフェノールA型フェノキシ樹脂)26.25部に変え、「ZX−1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)2部を加えた。また、「TBP−DA」(ホスホニウム塩)の量を0.18部から0.36部に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物7を調製した。
<実施例8:樹脂組成物8の調製>
実施例1において、「ZX−1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)2部を加え、「TBP−DA」(ホスホニウム塩)0.18部をN−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩(特開2016−186843に記載の方法で製造したもの)0.18部に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物7を調製した。
<実施例9:樹脂組成物9の調製>
実施例1において、「YX7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)の量を8部から16.35部に変え、「YL7924」8.35部を0部に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物9を調製した。
<実施例10:樹脂組成物10の調製>
実施例1において、「YL7924」(ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、三菱ケミカル社製)8.35部を「EHPE3150」(脂環式エポキシ樹脂)10.35部に変え、「TBP−DA」(ホスホニウム塩)の量を0.18部から0.36部に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物10を調製した。
<比較例1:樹脂組成物11の調製>
実施例1において、「YX7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)を「828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)に変え、「ZX−1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)2部を加えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物11を調製した。
<比較例2:樹脂組成物12の調製>
実施例1において、「YX7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、)を「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)に変え、「ZX−1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)2部を加えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物12を調製した。
<比較例3:樹脂組成物13の調製>
実施例1において、「YX7200B35」(フェノキシ樹脂)30部を「BX−5」(ポリビニルアセタール樹脂)10.5部、メチルエチルケトン29.75部、シクロヘキサノン29.75部に変え、「ZX−1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)2部を加えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物13を調製した。
<比較例4:樹脂組成物14の調製>
実施例1において、「YX7200B35」(フェノキシ樹脂)30部を「SG−P3」(エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂)70部に変え、「ZX−1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)2部を加えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物14を調製した。
<比較例5:樹脂組成物15の調製>
実施例1において、「ZX−1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)2部を加え、「TBP−DA」(ホスホニウム塩)0.18部を「EMI24」(イミダゾール系硬化促進剤)0.78部に変えた。以上の事項以外は実施例1と同様にして樹脂組成物15を調製した。
<透明性評価用サンプルの作製>
実施例及び比較例で作製した樹脂組成物1〜15について、アルキド樹脂系離型剤(リンテック社製「AL−5」)で離型処理したPETフィルム(東レ社製「ルミラーR80」、厚み38μm、軟化点130℃)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが60μmとなるようにダイコーターにて塗布し、65℃から120℃で7分間乾燥して、樹脂組成物シート(樹脂組成物層(厚さ60μm)/離型処理したPETフィルムの積層体)を得た。この樹脂組成物シートを30mm角になる様に切り取り、真空ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製、V−160)を用いて2枚を貼り合せて、厚さ120μmの樹脂組成物層を有する樹脂組成物シート(離型処理したPETフィルム/樹脂組成物層(厚さ120μm、30mm角)/離型処理したPETフィルムの積層体)とした。この樹脂組成物シートの両面の離型処理したPETフィルムを剥離し、露出した樹脂組成物層の両面にシリコーン系離型剤で処理したPETフィルム(東洋紡社製「E7004」、厚み38μm、50mm角)をラミネートした。このラミネートは、20秒間減圧して気圧を5hPa以下とした後、80℃、圧力0.1MPaにて20秒間圧着させることにより実施した。このようにして厚さ120μmの樹脂組成物層の両面に離型処理PETフィルムを有する樹脂組成物シートを得た。
上記の両面に離型処理PETフィルムを有する樹脂組成物シートを100℃で60分間、さらに150℃で30分間加熱することにより樹脂組成物層を熱硬化し、支持体を剥離することにより厚さ120μmのフィルム状の硬化体を得た。
<初期透明性評価試験>
フィルム状の硬化体に対して、φ60mm積分球を装着したファイバ式分光光度計(大塚電子社製、MCPD−7700)を用いて、積分球とサンプルの距離を30mmとし平行光線透過率を測定した。リファレンスは空気とし、400nmにおける値を透過率として採用した。また、視野角2度、光源D65にて色演算を実施し、L*a*b*表色系のb*の値を求めた。
<耐熱性評価試験>
初期透明性の評価を行った後、110℃のオーブンにて100時間静置させたフィルム状の硬化体について上記と同様に透明性の評価を行った。
平行光線透過率は、400nmの透過率が80%以上を良好(○)、80%未満を不良(×)とした。b*は1.0未満を良好(○)、1.0以上を不良(×)とした。また、b*の変化率として、110℃100時間後のb*/初期のb*(保存前後のb*値の変化率)の値が2.5未満を良好(○)、2.5以上を不良(×)とした。
下記表1に試験結果を示す。表1中の「(A)成分の含有割合(%)」、「エポキシ樹脂((A)成分+(D)成分)の含有割合(%)」、「硬化促進剤((C)成分)の含有割合」は、樹脂組成物の不揮発分全体に対する割合(質量%)である。

Claims (8)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を含む、樹脂組成物。
    (A)ビスフェノールAF型エポキシ樹脂
    (B)フェノキシ樹脂を含む熱可塑性樹脂
    (C)ホスホニウム塩を含む硬化促進剤
  2. ホスホニウム塩がイオン液体である、請求項1記載の樹脂組成物。
  3. ホスホニウム塩のホスホニウムカチオンがテトラアルキルホスホニウムカチオンである、請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. さらに(D)エポキシ樹脂((A)成分を除く)を含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  5. フィルム状である、請求項1〜4のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の樹脂組成物の硬化体。
  7. 110℃で100時間保存したときの保存前と保存後において、L*a*b*表色系のb*値がいずれも1.0未満である、請求項6記載の硬化体。
  8. 厚さ120μmのフィルム状の硬化体において、110℃で100時間保存したときの保存前と保存後のD65光での平行光線透過率がいずれも80%以上である、請求項6または7記載の硬化体。
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