JP2017057339A - 透光性ガスバリア組成物及び硫化防止層、並びに前記硫化防止層を備える光半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

透光性ガスバリア組成物及び硫化防止層、並びに前記硫化防止層を備える光半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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格 山浦
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Tomoko Tonai
智子 東内
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Shigeru Koibuchi
滋 鯉渕
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Abstract

【課題】硫化抑制のために使用する透光性ガスバリア組成物及び硫化防止層、並びに前記硫化防止層の形成により硫化に起因する輝度低下を抑制できる高出力の光半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の透光性ガスバリア組成物は、無機粒子、硬化性透明樹脂、及び有機溶剤を含有し、前記有機溶剤を含む溶媒において分散性に優れる塗布型であり、金属の硫化を抑制する目的で、光半導体装置に反射板として使用される金属の上層に備える硫化防止層を形成するために使用される。透光性ガスバリア組成物に含まれる無機粒子は、板状形状を有し、アスペクト比が100を超え20000以下であることが好ましい。この硫化防止層を備える光半導体装置は、硫化による輝度低下だけでなく、硫化防止層が耐熱性と接着性に優れるため、LEDの発熱によるめっき層の変色を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、透光性ガスバリア組成物及び硫化防止層、並びに前記硫化防止層を備え、発光ダイオードがボンディングされた光半導体装置及びその製造方法に関する。
LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)が搭載された
光半導体装置として、特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1に記載の
光半導体装置は、成型体に青色LEDをボンディングし、青色LEDを取り囲むように成
型体を立ち上げて青色LEDから発せられた光を反射する反射板とし、その中に蛍光体を
含有する透明封止部を充填して青色LEDを封止したものである。
国際公開第2007/015426号パンフレット
近年、このような光半導体装置が、照明又は街灯等のLED照明として採用されるようになってきた。しかしながら、しかしながら、実際に使用してみると、LEDの保証時間よりも短時間でLED照明の照度が低下してしまう。これは、光半導体装置の電極に銀めっき層を形成しており、この銀めっき層が変色することに起因するものである。すなわち、透明封止部には、一般的にガス又は水分の透過性が高い樹脂が使用されているため、透明封止部を透過したガス又は水分により銀めっき層が腐食される。腐食の主な原因は、硫黄系のガスによる硫化銀の生成であり、銀めっきを変色させるため、照度の低下が顕著に表現れる。
またLED照明の普及に伴いLEDパッケージ(LED−PKG)の高出力化が加速度的に進んでおり、PKGの周辺材料の耐熱性要求値も非常に高いものとなってきている。
更には、このような銀めっき層の硫化や耐熱劣化に伴う照度低下問題に鑑み、LED照明に採用する光半導体装置の長期点灯信頼性を規格化する動きもある。
本発明者らが鋭意検討を行ったところ、銀めっき層の硫化防止には、透明封止部のガス透過性を改良するのではなく、ガスバリア性を有する硫化防止層を設けることが、銀めっき層の硫化を効果的に抑制することができることを見出している。しかしながら、LEDの高出力化に伴う発熱量の増大のため、熱による銀めっき層の変色抑制と接着性の両立が課題であった。
そこで、本発明は硫化抑制のために使用する透光性ガスバリア組成物及び硫化防止層、並びに前記硫化防止層の形成により硫化に起因する輝度低下を抑制できる高出力の光半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、板状無機粒子、硬化性透明樹脂、及び有機溶剤を含有し、前記有機溶剤を含む溶媒において分散性に優れる塗布型の透光性ガスバリア組成物を提供する。
本発明の塗布型透光性ガスバリア組成物によれば、LEDの輝度保持しつつ、LEDの変色(腐食)防止に優れた膜を形成することができ、特に硫化防止性に優れた耐熱性の高い膜を硫化防止層として形成できる。
上記無機粒子は板状の形状を持ち、硫化抑制するためバリア性確保の観点からアスペクト比が10以上20000未満であることが好ましく、100を超え20000以下であることがさらに好ましい。アスペクト比を100を超え20000以下とすることで良好な耐硫化性を保持することができる。
上記無機粒子は、耐熱性に優れた透明樹脂と有機溶剤混合物中で分散状態を安定化するため表面処理もしくは有機化処理されていることが好ましい。
上記硬化性透明樹脂は、透明性と耐熱性の観点で、光又は熱で硬化可能なシリコーン樹脂やフッ素樹脂又はシリコーン変性やフッ素変性してなるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂のいずれかもしくはそれら2種以上の混合物からなることが好ましい。
上記有機溶剤は、無機粒子を分散可能かつ硬化性透明樹脂を溶解可能であれば特に限定されるものではない。
本発明はまた、銀めっき層を有する基盤板と該基板上に搭載された発光ダイオードと、銀めっき表面に設けられた、板状無機粒子及び硬化性透明樹脂を含有する膜を硫化防止層として備える発光装置を提供する。
本発明の発光装置は、上記硫化防止層の形成により耐熱変色及び接着性に優れた銀めっき層を有することができる。
本発明の一側面に係る光半導体装置は、表面に銀めっき層が形成された基板と、銀めっき層にボンディングされた発光ダイオードと、発光ダイオードを取り囲む光反射面により発光ダイオードを収容する内側空間を形成する光反射部と、上記銀めっき層を被覆した硫化防止層と、内側空間に充填されて発光ダイオードを封止する透明封止部と、を備える。
一実施形態として、上記硫化防止層は発光ダイオードを取り囲む光反射面により発光ダイオードを収容する内側空間を形成する光反射部全体、もしくは内側空間の底面のみのいずれの形態でも使用することができる。
一実施形態として、上記硫化防止層と基板との間に、透明封止部が配置されていてもよい。このようにガスバリア層として機能する硫化防止層と基板との間に透明封止部が配置されることで、素子やワイヤなどの凹凸の影響を軽減し、硫化防止層の層厚を均一化することができる。
また、一実施形態として、上記硫化防止層は、透明封止部に埋設されていてもよい。このように、硫化防止層が透明封止部に埋設されているため、硫化防止層が剥離するのを防止することができる。
また、一実施形態として、上記硫化防止層は、透明封止部の表面に形成されていてもよい。このように、硫化防止層が透明封止部の表面に形成されているため、透明封止部及び硫化防止層を容易に形成することができる。
また、一実施形態として、上記硫化防止層を複数有していてもよい。このように銀めっき層の表面及びその上層に硫化防止層が形成されていることで、ガスバリア性を更に高めることができる。
また、一実施形態として、基板と発光ダイオードとにボンディングされたボンディングワイヤを更に備え、上記硫化防止層は、ボンディングワイヤを覆っていてもよい。このようにボンディングワイヤがガスバリア層に覆われていることで、ボンディングワイヤの材料を銀とした場合に、ボンディングワイヤが硫化するのを抑制することができる。
本発明に係る光半導体装置の製造方法は、表面に銀めっき層が形成され、銀めっき層に発光ダイオードがボンディングされた基板と、銀めっき層にボンディングされた発光ダイオードと、発光ダイオードを取り囲む光反射面により発光ダイオードを収容する内側空間を形成する光反射部と、を備える中間部品を準備する準備工程と、透明封止部を内側空間に充填し、透明封止部で発光ダイオードを封止する透明封止部封止工程と、上記透光性ガスバリア組成物を用いて、その揮発成分を除去することにより、発光ダイオードを取り囲む内部空間全体もしくは底面を覆う硫化防止層を形成する工程と、を備える。
本発明によれば、金属の硫化抑制効果が高い透光性ガスバリア組成物を用いて硫化防止層を形成することにより、銀めっき層の硫化による輝度の低下を抑制することができる高出力の光半導体装置を提供することができる。
第1の実施形態に係る光半導体装置の断面図である。 図1に示す光半導体装置の平面図である。 板状ナノ粒子を用いた硫化防止層を形成する膜の構成を説明するための概念図である。 第1の実施形態による硫化防止層の形成方法を説明するための図である。 第1の実施形態に係る光半導体装置の断面図である。 第2の実施形態による硫化防止層の形成方法を説明するための図である。 第2の実施形態に係る光半導体装置の断面図である。 第3の実施形態による硫化防止層の形成方法を説明するための図である。 第3の実施形態に係る光半導体装置の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の一側面に係る光半導体装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
[実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る光半導体装置の断面図である。図2は、図1に示す光半導体装置の平面図である。図1及び図2に示すように、実施形態に係る光半導体装置1は、一般に「表面実装型」に分類されるものである。この光半導体装置1は、基板10と、基板10の表面にボンディングされた青色発光ダイオード30と、青色発光ダイオード30を取り囲むように基板10の表面に設けられたリフレクタ20と、リフレクタ20に充填されて青色発光ダイオード30を封止する透明封止部40と、銀めっき層16を被覆する硫化防止膜50と、を備えている。なお、図2では、透明封止部40の図示を省略している。
基板10は、絶縁性の基体12の表面に銅めっき板14が配線されており、銅めっき板14の表面に銀めっき層16が形成されている。銀めっき層16は、基板10の表面に配置されて青色発光ダイオード30と導通される電極となっている。なお、銀めっき層16は、銀を含むめっき層であれば如何なる組成であってもよい。例えば、銀のみをめっきすることにより銀めっき層16を形成してもよく、ニッケル及び銀をこの順でめっきすることにより銀めっき層16を形成してもよい。銅めっき板14及び銀めっき層16は、アノード側とカソード側とに絶縁されている。アノード側の銅めっき板14及び銀めっき層16とカソード側の銅めっき板14及び銀めっき層16との間の絶縁は、例えば、アノード側の銅めっき板14及び銀めっき層16とカソード側の銅めっき板14及び銀めっき層16とを離間させ、適宜、その間に樹脂及びセラミック等の絶縁層を挿入することにより行うことができる。
青色発光ダイオード30は、アノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16にダイボンドされており、ダイオードの裏面側の電極を導電性ダイボンド材、表面側の電極をワイヤボンド接合する方式(裏面接続)やダイオードの表面側に両電極を形成しボンディングワイヤ34を介して導通する方式、又はボンディングワイヤ使用せず、ダイオードの裏面側に両電極を形成し、導電性ダイボンド材又はバンプ材を介して導通するフリップチップ方式がある。
リフレクタ20は、青色発光ダイオード30を封止するための透明封止部40を充填させるとともに、青色発光ダイオード30から発せられた光を光半導体装置1の表面側に反射させる光反射部である。リフレクタ20は、青色発光ダイオード30を取り囲むように基板10の表面から立設されており、内側に青色発光ダイオード30を収容する内側空間22を形成している。そして、リフレクタ20は、光反射面20aと、頂面20bと、外周面20cと、を備えている。光反射面20aは、平面視(図2参照)において、円形に形成されており、青色発光ダイオード30を取り囲んで青色発光ダイオード30を収容する内側空間22を形成している。つまり、青色発光ダイオード30を取り囲む光反射面20aにより、青色発光ダイオード30を収容する内側空間22が形成されている。頂面20bは、光反射面20aに隣接して内側空間22の外側に位置し、光反射面20aの表側端縁から内側空間22の反対側に向けて広がっている。外周面20cは、平面視(図2参照)において矩形に形成されており、基板10の表面10aから頂面20bの外側端縁に立ち上がっている。光反射面20a及び外周面20cの形状は特に限定されるものではないが、光半導体装置1の照度向上の観点から、光反射面20aは、基板10から離れるに従い拡径する円錐台形状(漏斗状)に形成することが好ましく、光半導体装置1の集積度向上の観点から、外周面20cは、基板10に対して垂直な四角形状に形成することが好ましい。なお、図面では、光反射面20aの形成例として、基板10側に位置する下部分が基板10に対して垂直となっており、基板10の反対側に位置する上部分が基板10から離れるに従い拡径しているものを図示している。
リフレクタ20は、白色顔料が含有された熱硬化性樹脂組成物の硬化物もしくは、熱可塑性の樹脂組成部物からなっている。熱硬化性樹脂組成物は、リフレクタ20の形成容易性の観点から、熱硬化前においては室温(25℃)で加圧成型可能なものが好ましい。
上記熱硬化性樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、シアネート樹脂等種々のものを用いることができる。特に、エポキシ樹脂は、種々の材料に対する接着性が優れるため好ましい。
上記熱可塑性の樹脂組成物としては、ポリフタルアミド樹脂、ポリエステル樹脂等種々のものを用いることができる。
上記白色顔料としては、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン又は酸化ジルコニウム等を使用することができる。これらの中でも光反射性の点から酸化チタンが好ましい。白色顔料として無機中空粒子を使用してもよい。無機中空粒子の具体例として、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラス等が挙げられる。
透明封止部40は、リフレクタ20の光反射面20aにより形成される内側空間22に充填されて、青色発光ダイオード30を封止するものである。この透明封止部40は、透光性を有する透明封止樹脂からなる。透明封止樹脂には、完全に透明な樹脂の他、半透明な樹脂も含まれる。透明封止樹脂としては、弾性率が室温(25℃)において1MPa以下のものが好ましい。特に、透明性の点からシリコーン樹脂又はアクリル樹脂、フッ素樹脂を採用することが好ましい。透明封止樹脂は、光を拡散する無機充填材又は青色発光ダイオード30から発せられる青色光を励起源として白色光とする蛍光体42を更に含有してもよい。
硫化防止膜50は、ガスバリア性を有する無機粒子と接着性を付与するため耐熱性透明樹脂を含有するものであり、本発明の透光性ガスバリア組成物を用いて形成される。前記透光性ガスバリア組成物は、無機粒子、硬化性透明樹脂、及び有機溶剤を含有し、前記有機溶剤を含む溶媒において分散性に優れるものを使用する。ここで使用する有機溶剤は、特に制限はないが、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、メトキシエチルアセテート、エトキシエチルアセテート、ブトキシエチルアセテート、酢酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素類などが挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、200℃以下、好ましくは150℃以下の沸点を有する有機溶剤が、塗布後の除去を迅速にできるという観点から好ましい。また、無機粒子及び硬化性透明樹脂の分散溶媒としては、これらの有機溶剤の1種又は2種以上を使用するだけでなく、有機溶剤と水との混合溶媒を使用してもよい。
硫化防止層50は、銀めっき層16の直上に配置されることで、ガスバリア性を付与し硫化を抑制するものであるが、無機粒子及び耐熱性透明樹脂の他にも、接着性を改善及び樹脂や銀めっき酸化を抑制するための添加剤を含んでいても良よい。例えば、電気化学的マイグレーションを抑制するための添加剤として、酸化防止剤を使用することができる。酸化防止剤としては、従来公知のものを用いることができる。例えばフェノール化合物系酸化防止剤でフェノール核のオルト位に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2´−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、4,4´−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4´−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N´−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、2,4−1ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2,2´−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ジエチル[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル]ホスホネート、2,5,7,8−テトラメチル−2(4´,8´,12´−トリメチルトリデシル)クロマン−6−オール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。ジシクロヘキシルアミンとしては新日本理化株式会社製商品名D−CHA−T等が市販品として入手可能であり、その誘導体としては亜硝酸ジシクロヘキシルアミンアンモニウム、N,N−ジ(3−メチル−シクロヘキシルアミン)、N,N−ジ(2−メトキシ−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(4−ブロモ−シクロヘキシル)アミンなどが挙げられる。有機硫黄化合物系酸化防止剤としてはジラウリル−3,3´−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3´−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3´−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3´−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール、4,4´−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、2,4−1ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジンなど、アミン化合物系酸化防止剤としてはN,N´−ジアリル−p−フェニレンジアミン、N,N´−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジンなど、リン化合物系酸化防止剤としてはトリスノニルフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−[〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエ−テル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル〕オキシ]−N,N−ビス[2−{〔2,4,8,10−テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル〕オキシ}−エチル]エタナミン、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、ジエチル[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル]ホスホネートなどが挙げられる。これらの1種を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なお、前記フェノール化合物系酸化防止剤の中には、フェノール水酸基に加え、リン原子、硫黄原子、アミンのいずれかを少なくとも一つ以上同一分子中に含む化合物は重複して挙げた。
前記酸化防止剤の中でも、透明封止材40の硬化阻害や銀めっき層16の腐食の可能性の低いフェノール化合物系酸化防止剤で複数のアルキル基を有する化合物が好ましい
本実施形態で用いるフェノール化合物系酸化防止剤は、電気化学的マイグレーション抑制に効果を奏する配合量として、前記透明樹脂の全配合量の0.1〜20質量%の比率で添加することが好ましく、フェノール性の水酸基の吸湿の影響を抑制し接着信頼性を高め、着色の影響を低減する観点から0.1〜5質量%の比率で添加することがさらに好ましい。
本実施形態で用いる硬化性透明樹脂は、有機溶剤に可溶なシリコーン樹脂やフッ素樹脂又はシリコーン変性やフッ素を変性してなるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂のいずれかもしくはそれら2種以上の混合物からなるものが選ばれるが、その柔軟性により接着性を得る観点から、線膨張係数が180ppm〜450ppmであるものが好ましい。線膨張係数が180ppm以上であることにより、柔軟性による接着性を確保することが容易となり、一方、線膨張係数が450ppm以下であることにより、例えば、被覆又は封止に用いられる透明封止樹脂によりバリア層に変形が生じることを抑制することができる。柔軟性による接着性を高める観点から、シリコーン樹脂を使用する場合は、線膨張係数が200ppm〜450ppmであるものがより好ましく、被覆又は封止に用いられる透明封止樹脂との接着信頼性を高める観点から、200ppm〜350ppmであるものが更に好ましい。
本実施形態で用いる硬化性透明樹脂は、絶縁性を確保する観点から、体積抵抗率が1010〜1016Ω・cmであるものが好ましく、絶縁性を高める観点から、1012〜1016Ω・cmであるものがより好ましく、1013〜1016Ω・cmであるものが更に好ましい。なお、硬化性透明樹脂の体積抵抗率は、硬化性透明樹脂3gを銅電極付き基板に塗布し、150℃で3時間乾燥させて得られる体積抵抗率測定試験片について、JIS C2139に従って測定される値を意味する。
ガスバリア層として機能する硫化防止層50は、銀めっき層16を被覆することにより銀めっき層16の硫化を抑制するものである。硫化防止層50は、無機化合物からなる無機粒子を含む層である。硫化防止層50を構成する無機化合物として粘土を用いることができる。天然粘土及び合成粘土の何れも使用することができ、例えば、マイカ、スチーブンサイト、ヘクトサイト、サポナイト、モンモリロナイト及びバイデライトのうち何れか1種以上を使用することができる。特に、合成マイカや天然粘土のモンモリロナイトは、図3に示すように、厚さHが1nm以下、長さLが10nm以上5μm以下とアスペクト比が高く、ガスのパスルートが長くなるため、ガスバリア性に優れる。
これら粘土材料は、脂溶性の硬化性透明樹脂との混合性を向上するために、表面処理もしくは有機化処理をしてもよい。粘土の表面処理もしくは有機化処理に使用される方法は、カップリング剤による表面官能基の修飾や層間陽イオンを有機陽イオン、たとえばアルキルアンモニウム、に置換することである。
また、硫化防止層50を構成する粒子として粘土以外でもそのアスペクト比が10〜20000であれば用いることができるが、好ましくは100を超え20000以下である。さらに、透光性ガスバリア組成物の分散性及び硫化防止層の密着性等を考慮すると、100を超え6000以下がより好ましい。このような板状粒子としては、ジルコニアやアルミナ、ガラス粒子などがあり、水ガラスやシリケート、ポリシラザンなど硬化後にガラス構造を形成する材料の粒子を使用しても良い。
硫化防止層50の膜厚は、0.1μm以上1000μm以下であることが好ましく、0.5μm以上500μm以下であることが更に好ましく、1μm以上100μm以下であることが更に好ましく、5μm以上100μm以下であることが更に好ましい。硫化防止層50の膜厚を0.1μm以上1000μm以下とすることで、銀めっき層16に対するガスバリア性と硫化防止層50の透明性とを両立させることができる。この場合、硫化防止層50の膜厚を0.5μm以上500μm以下、1μm以上100μm以下、5μm以上100μm以下とすることで、この効果を更に向上させることができる。
硫化防止層50は、上述した粘土を溶媒で希釈した粘土希釈液をリフレクタ20の内側空間22に滴下又は散布した後、溶媒を除去及び/又は硬化することによって、形成できる。
硫化防止層50の具体的な配置は以下の通りである。硫化防止層50は、銀めっき層16及び光反射面20a前面もしくは一部を被覆している。なお、硫化防止層50は、銀めっき層16を被覆していればよく、青色発光ダイオード30を被覆しても被覆していなくてもよい。
ところで、上述した無機粒子を含有する硫化防止層50は、上記で説明したように無機粒子の厚さが薄いため、0.1μm以上1000μm以下の膜厚であれば、十分な透光性を有する。このため、硫化防止層50で光反射面20aを被覆しても、リフレクタ20の反射特性に大きく影響しない。
次に、図4〜9及び図1を参照して、光半導体装置1の製造方法における、硫化防止層50の形成方法及び透明封止部40の充填方法について説明する。図4〜9は、硫化防止層の形成被覆方法及びその方法によって得られる光半導体装置を第1、第2及び第3の実施形態として説明するための図である。
まず、第1の実施形態を説明する。図4の(a)に示すように、本発明の透光性ガスバリア組成物Lをリフレクタ20の内側空間22に滴下又は散布する。このとき、図4の(a)に示すように、透光性ガスバリア組成物Tの滴下量又は濃度を調節して、光反射面20aの全面透光性ガスバリア組成物Tで覆う。その後、透光性ガスバリア組成物Tの溶媒を乾燥させる。すると、図4の(b)に示すように、透光性ガスバリア組成物Tで覆われた範囲、つまり、銀めっき層16、青色発光ダイオード30及び光反射面20aの全面に、銀硫化防止層50が形成される。その後、図5の断面図に示すように、光半導体装置の内部空間22を透明封止樹脂44によって封止し、本発明の光半導体装置を得る。
図6の(a)及び(b)は、第2の実施形態として、光反射面20aの一部を硫化防止層50で被覆する方法を示す断面図である。図6に示す方法において、透光性ガスバリア組成物Tの滴下量又は濃度は、光反射面20aの被覆高さに応じて調整する。透光性ガスバリア組成物Lを塗布後(図6の(a)参照)、溶媒を乾燥させることにより、図6の(b)に示すように、透光性ガスバリア組成物Lで覆われた範囲、つまり、銀めっき層16、青色発光ダイオード30及び光反射面20aの一部に、硫化防止層50が形成される。その後、図7の断面図に示すように、光半導体装置の内部空間22を透明封止樹脂44によって封止し、本発明の光半導体装置を得る。
図8の(a)及び(b)は、第3の実施形態として、基板10の最上層に形成される銀めっき層16の部分を硫化防止層50で被覆する方法を示す断面図である。図8の(a)及び(b)に示すように、透光性ガスバリア組成物Lを塗布後、溶媒を乾燥させることにより、透光性ガスバリア組成物Tで覆われた範囲、つまり、銀めっき層16及び青色発光ダイオード30に、硫化防止層50が形成される。その後、図9の断面図に示すように、光半導体装置の内部空間22を透明封止樹脂44によって封止し、本発明の光半導体装置を得る。
以上、本発明の一側面の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、基体12とリフレクタ20とは別部材であるものとして説明したが、一体的に形成してもよい。
また、上記実施形態では、光半導体装置1にボンディングする発光ダイオードとして、青色の光を発生する青色発光ダイオード30を採用するものとして説明したが、青色以外の光を発生する発光ダイオードを採用するものとしてもよい。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<透光性ガスバリア組成物の調製>
(実施例1)
容器内にアセトン1.4g及びシリコーン樹脂OE−6631(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名)A液及びB液をそれぞれ0.38g及び0.76gを入れ、ミックスローター(アズワン株式会社製)を用いて撹拌し、混合した。この容器内に有機化粘土エスベンNE(株式会社ホージュン製、製品名)の5%アセトン分散溶液を7.5gを更に加えた後、さらにミックスローターで攪拌し硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Aを得た。
(実施例2)
有機化粘土エスベンNE(株式会社ホージュン製、製品名)に代えてエスベンNEZの5%アセトン分散液7.5g配合したこと以外は透光性ガスバリア組成物Aの調製と同様にして、硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Bを調製した。
(実施例3)
有機化粘土エスベンNE(株式会社ホージュン製、製品名)に代えてエスベンNTOの5%アセトン分散液7.5g配合したこと以外は透光性ガスバリア組成物Aの調製と同様にして、硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Cを調製した。
(実施例4)
OE−6631に代えてOE−6635(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名)のA液を0.38g、B液を0.76g配合したこと以外は透光性ガスバリア組成物Aの調製と同様にして、硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Dを調製した。
(実施例5)
OE−6631に代えてFER−7061(信越化学工業株式会社製、製品名)のA液を0.23g、B液を0.9g配合したこと以外は透光性ガスバリア組成物Aの調製と同様にして、硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Eを調製した。
(実施例6)
容器内にアセトン8.5gびシリコーン樹脂OE−6631(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名)のA液0.07g及びB液0.14gを入れ、ミックスローター(アズワン株式会社製)を用いて撹拌し、混合した。この容器内に有機化粘土エスベンNE(株式会社ホージュン製、製品名)の5%アセトン分散溶液を1.3gを加えたこと以外は透光性ガスバリア組成物Aの調製と同様にして、硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Fを調製した。
(実施例7)
容器内にアセトン0.25g及びシリコーン樹脂OE−6631(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名)のA液0.75g及びB液1.5gを入れ、ミックスローター(アズワン株式会社製)を用いて撹拌し、混合した。この容器内に有機化粘土エスベンNE(株式会社ホージュン製、製品名)の10%アセトン分散溶液を7.5g加えたこと以外は透光性ガスバリア組成物Aの調製と同様にして、硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Gを調製した。
(実施例8)
容器内にアセトン0.83g及びシリコーン樹脂OE−6631(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名)のA液0.61g及びB液1.22gを入れ、ミックスローター(アズワン株式会社製)を用いて撹拌し、混合した。この容器内に有機化粘土エスベンNE(株式会社ホージュン製、製品名)の10%アセトン分散溶液を7.5g加えたこと以外は透光性ガスバリア組成物Aの調製と同様にして、硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Hを調製した。
(実施例9)
容器内にアセトン2.13g及びシリコーン樹脂OE−6631(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名)のA液0.12g及びB液0.24gを入れ、ミックスローター(アズワン株式会社製)を用いて撹拌し、混合した。この容器内に有機化粘土エスベンNE(株式会社ホージュン製、製品名)の10%アセトン分散溶液を7.5g加えたこと以外は透光性ガスバリア組成物Aの調製と同様にして、硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Iを調製した。
(実施例10)
容器内にアセトン1.1g及びシリコーン樹脂OE−6631(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名)のA液及びB液をそれぞれ0.38g及び0.76gを入れ、ミックスローター(アズワン株式会社製)を用いて撹拌し、混合した。この容器内に有機化粘土エスベンNE(株式会社ホージュン製、製品名)の5%アセトン分散溶液を7.5gとAO−60(アデカ株式会社製、製品名)の5%アセトン溶液を0.3g更に加えた後、さらにミックスローターで攪拌し硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Jを得た。
(比較例1)
容器内にアセトン3.0g有機化粘土エスベンNE(株式会社ホージュン製、製品名)の5%アセトン分散溶液を7.0g加え、ミックスローター(アズワン株式会社製)を用いて混合し、比較硫化防止液として透光性ガスバリア組成物Kを調製した。
(比較例2)
容器内にアセトン7.0g及びシリコーン樹脂OE−6631(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名)のA液1.0g及びB液2.0gを入れ、ミックスローター(アズワン株式会社製)を用いて混合し、比較硫化防止液として透光性ガスバリア組成物Tを調製した。
(比較例3)
容器内に、水3.0gと膨潤性マイカを含む水系粘土MEB−3(株式会社コープケミカル製、製品名)の5%水分散液を7.0g加え、ミックスローター(アズワン株式会社製)を用いて混合し、比較硫化防止液として透光性ガスバリア組成物Mを調製した。
(比較例4)
容器内にアセトン3.50g及びシリコーン樹脂OE−6631(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名)のA液及びB液をそれぞれ0.25g及び0.50gを入れ、ミックスローター(アズワン株式会社製)を用いて撹拌し、混合した。この容器内に水系粘土MEB−3(株式会社コープケミカル製、製品名)の5%水分散液7.5gを加えたこと以外は液透光性ガスバリア組成物Aの調製と同様にして、比較硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Nを調製した。
(比較例5)
容器内に水3.50g及びシリコーン樹脂OE−6631(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名)のA液及びB液をそれぞれ0.25g及び0.50gを入れ、ミックスローター(アズワン株式会社製)を用いて撹拌し、混合した。この容器内に水系粘土MEB−3(株式会社コープケミカル製、製品名)の5%水分散液7.5gを加えたこと以外は透光性ガスバリア組成物Aの調製と同様にして、比較硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Oを調製した。
(比較例6)
容器内にアクリル樹脂WSA−1070(DIC株式会社製、製品名)の40%水分散液3.75g及び水系粘土MEB−3(株式会社コープケミカル製、製品名)の8%水分散液6.25gを加えたこと以外は透光性ガスバリア組成物Aの調製と同様にして、比較硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Pを調製した。
(比較例7)
容器内に水系シリコーンエマルションPolon MF−56(信越化学工業株式会社製、製品名)の40%水分散液3.75g及び水系粘土MEB−3(株式会社コープケミカル製、製品名)の8%水分散液6.25gを加えたこと以外は液透光性ガスバリア組成物Aの調製と同様にして、比較硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Qを調製した。
(比較例8)
容器内にアセトン1.4g及びシリコーン樹脂OE−6631(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名)のA液及びB液をそれぞれ0.38g及び0.76gを入れ、ミックスローター(アズワン株式会社製)を用いて撹拌し、混合した。この容器内に合成マイカPDM−40L(トピー工業株式会社製、製品名)の5%アセトン分散溶液を7.5g更に加えた後、さらにミックスローターで攪拌し、比較硫化防止材液として透光性ガスバリア組成物Rを得た。
<分散性の評価>
各板状粒子を溶媒に60mlのスクリュー管に2.5g量り取りアセトンを50g加え、蓋を閉め容器をよく振り攪拌し、一晩静置し、溶剤で膨潤させた。得られた混合物をチップ式超音波装置(株式会社ソニックテクノロジー製)で10分間処理した。超音波端子はφ7mm、出力は25Wとした。得られた分散液を目視で観察し、1分以内に上澄みが透明になったものの分散性を×とした。
<粒子アスペクト比の測定>
板状粒子のように、形状に異方性を有する粒子には形状を球と仮定する一般的な粒度分布測定法が適用できない。そこで、形状観察よりアスペクト比を算出した。前項で作製した分散液1gをアセトン9gで希釈し、0.5%のアセトン分散液とした。これを、スピンコーターを用いて2cm×2cmのシリコンウエハ上に塗布し観察用サンプルを作製した。得られたサンプルの粒子の平面形状を走査型顕微鏡で撮影した。画像から粒子の長辺方向の長さを算出し、厚さを1nmとしてアスペクト比を算出した。
<膜厚の評価>
各調整液を塗布したパッケージ(PKG)をPKG底面が垂直になるように円柱状のプラスチック基材に固定し、埋込み用樹脂としてエポマウントAセット(リファインテック株式会社製、エポキシ樹脂)を注ぎ、室温で10h以上静置し、注型した。これを、ポリッシャーを用いて研磨し、PKG中央部の底面の断面を露出させた。この断面を走査型顕微鏡で観察し、画像から厚みを算出した。
<銀変色防止性の評価>
上記で作製した銀変色防止材について、以下の「硫黄試験」に従って銀変色防止性を評価した。
[硫黄試験]
1.銅板上に銀めっき層が設けられたLED用リードフレームである「TOP LEDOP4」(エノモト株式会社製)に、透光性ガスバリア組成物A〜Rの液をマイクロピペッターで3μl滴下し、室温で30分静置後、70℃で30分加熱し、アセトンを十分に揮発させた。
2.乾燥後、150℃の恒温槽で1時間加熱し、デシケータにて放冷後、透明封止樹脂としてOE−6631(東レ・ダウコーニング株式会社製、フェニルシリコーン)をディスペンサーでリレフレクターキャビティに充填した。これを30℃で30分、100℃で30分さらに150℃で2時間加熱し、パッケージ試験サンプルを得た。
3.密閉可能なガラス瓶内に、硫黄粉末(0.5g)を入れたアルミ製カップを置き、このカップの上にステンレス製の金網を載せた。次に、上記2で得られた試験サンプルを、金網の上に透光性ガスバリア組成物A〜Rの液を滴下した側を上にしてサンプル同士が重ならないようにして置いた。
4.ガラス瓶を密閉した後、100℃で1時間保存した。
5.ガラス瓶から試験サンプルを取り出し、銀めっき層全面と端部の硫化の有無を光学顕微鏡で確認した。
6.試験サンプルはそれぞれ3個作製し、このうちの硫化が見られなかった個数を表1に示す。
<密着性の評価>
上記で作製した銀変色防止材について、以下の「密着性試験」に従って密着性を評価した。
[密着性試験]
1.銅板上に銀めっき層が設けられたLED用リードフレームである「TOP LED OP4」(エノモト株式会社製)に、透光性ガスバリア組成物A〜Rの液をマイクロピペッターで3μl滴下し、室温で30分静置後、70℃で30分加熱し、アセトンを十分に揮発させた。
2.乾燥後、150℃の恒温槽で1時間加熱し、デシケータにて放冷後、透明封止樹脂としてOE−6631(東レ・ダウコーニング株式会社製、フェニルシリコーン)をディスペンサーでリレフレクターキャビティに充填した。これを30℃で30分、100℃で30分さらに150℃で2時間加熱し、パッケージ試験サンプルを得た。
3.得られたパッケージを60℃/60%RHの環境下に銀変色防止材を滴下した側を上にしてサンプル同士が重ならないようにして40時間吸水させた。
4.吸水後、150℃のホットプレート上で30秒加熱し、続いて260℃のホットプレート上で10秒加熱した。これを3回繰り返し、十分に放冷した。
5.得られたサンプルについて水性赤インク(株式会社パイロットコーポレーション製)に室温で2時間浸漬し、インクから引き上げた後、表面のインクを水で洗い流し、外観を目視で観察した。
6.試験サンプルはそれぞれ9個作製し、9個ともパッケージ内部へインクの染み込みがなかったものを○、1個でも染み込みが観測されたものを×として表1に示す。
<耐熱性の評価>
上記で作製した銀変色防止材について、以下の「耐熱性試験」に従って耐熱性を評価した。
[耐熱性試験]
1.スライドグラス上に、透光性ガスバリア組成物A〜Rの液をマイクロピペッターで3μl滴下し、室温で30分静置後、70℃で30分加熱し、アセトンを十分に揮発させた。
2.乾燥後、150℃の恒温槽で1時間加熱し、デシケータにて放冷した。
3.得られた試験片を200℃に加熱したホットプレート上で1h処理した。
4.放冷後、目視で加熱前後の変色の有無を観察した。観察の結果、変色がほとんど無いものを○、顕著な変色が観測されたものを×として表1に示す。
以下、本発明実施例について説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
Figure 2017057339
実施例1〜10はいずれも無機粒子、硬化性透明樹脂、有機溶剤からなる上記透光性ガスバリア組成物A〜Jの液をそれぞれ塗布して作製したPKGである。また、比較例1〜8は、上記透光性ガスバリア組成物K〜Rの液をそれぞれを塗布して作製したPKGである。
表1に示すように、実施例1〜10は、透光性ガスバリア組成物の分散性、並びに硫化防止層の密着性及び耐熱性が比較例1〜8に比べて高いため、銀めっき層の耐硫化性に優れる。それらの特性の中で、透光性ガスバリア組成物の分散性は、耐硫化性を付与するために必要な硫化防止層の形成能を左右する因子であり、分散性の向上が本発明において第1に求められる特性である(比較例4及び5を参照)。また、表1に示す比較例2との対比から、本発明の透光性ガスバリア組成物及び硫化防止層は板状の無機粒子が必須の成分であることが分かる。さらに、実施例1〜10は、バインダ樹脂を配合しない比較例1及び3と比較すると密着性に優れ、水系のバインダ樹脂を配合した比較例6及び7と比較すると、耐熱性に優れる。
透光性ガスバリア組成物及び硫化防止層に含まれる板状無機粒子のアスペクト比については、比較例8に示すように、100以下になると耐硫化性の低下がみられる。表1には、無機粒子のアスペクト比として6000までが記載されているが、本発明においてはアスペクト比が20000でも耐硫化性を十分に確保できることを確認している。一方、硫化防止層の形成が可能な透光性ガスバリア組成物を得ることができるのはアスペクト比が20000までである。したがって、本発明で使用する無機粒子のアスペクト比としては、100を超え20000以下であることが好ましいが、比較例4又は5のように無機粒子と溶媒、バインダ樹脂と溶媒のいずれか、もしくは双方の親和性が低いと無機粒子の分散性が低下し、図3に示す積層構造の形成を阻害するため、組成物の親和性を考慮することが好ましい。
以上のように、金属の硫化抑制効果が高い本発明の透光性ガスバリア組成物を用いて硫化防止層を形成することにより、銀めっき層の硫化による輝度の低下を抑制することができる高出力の光半導体装置を得ることができる。本発明の透光性ガスバリア組成物は、光半導体装置の分野だけでなく、硫化抑制が求められている産業機器や自動車等の分野にも適用が可能であるため、その有用性は極めて高い。
1〜4…光半導体装置、10…基板、10a…表面、12…基体、14…銅めっき板、16…銀めっき層、20…リフレクタ(光反射部)、20a…光反射面、20b…頂面、20c…外周面、20d…上端部、22…内側空間、30…青色発光ダイオード、32…ダイボンド材、34…ボンディングワイヤ、40…透明封止部、42…蛍光体、44…透明封止樹脂、50…硫化防止層、T…透光性ガスバリア組成物、U…露出部。

Claims (8)

  1. 無機粒子、硬化性透明樹脂、及び有機溶剤を含有し、前記有機溶剤を含む溶媒において分散性に優れる塗布型の透光性ガスバリア組成物。
  2. 前記無機粒子が、板状形状を有し、そのアスペクト比が100を超え20000以下である請求項1に記載の透光性ガスバリア組成物。
  3. 前記無機粒子は、表面処理若しくは有機化処理された無機粒子である請求項1又は2に記載の透光性ガスバリア組成物。
  4. 前記硬化性透明樹脂が、有機溶剤に可溶なシリコーン樹脂やフッ素樹脂又はシリコーン変性やフッ素を変性してなるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂のいずれかもしくはそれら2種以上の混合物からなる1〜3のいずれかに記載の透光性ガスバリア組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の透光性ガスバリア組成物を用いて、光半導体装置に反射板として使用される金属の上層に、前記金属の硫化を防止するために形成する硫化防止層。
  6. 表面に銀めっき層が形成された基板と、前記銀めっき層にボンディングされた発光ダイオードと、前記発光ダイオードを取り囲む光反射面により前記発光ダイオードを収容する内側空間を形成する光反射部と、請求項5に記載の銀めっき層を被覆する硫化防止層と、前記内側空間に充填されて前記発光ダイオードを封止する透明封止部と、を備える光半導体装置。
  7. 前記発光ダイオードが、青色光を発生する青色発光ダイオードである、請求項6に記載の光半導体装置。
  8. 前記透光性ガスバリア組成物の揮発成分を除去することにより、前記光半導体装置に備えるめっき層を被覆する硫化防止層を形成する請求項6又は7に記載の光半導体装置の製造方法。
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