JP2015207634A - 発光装置 - Google Patents

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麻希 稲田
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格 山浦
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智子 東内
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Abstract

【課題】 発光装置の発光特性を妨げることなく、銀めっき層の耐変色性と、絶縁信頼性との双方に優れる、変色防止膜を有する発光装置を提供すること。【解決手段】 発光装置1は、銀めっき層16を有する基板10と、基板10上に搭載された発光ダイオード30と、少なくとも銀めっき層の表面を被覆する複層膜60と、を備え、複層膜60が、酸素透過率0.0001〜10cc/m2・24h・atmである化合物を含有する第1層52と、体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有する第2層50とを有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、発光装置に関し、より詳細には、銀又は銀合金を有する基板と発光ダイオードとを具備する発光装置に関する。
銀及び銀合金は、貴金属として、その優れた光学的性質、電気化学的性質を利用して古くから装飾品、貨幣、食器、電子用材料、照明機器、歯科用材料として利用されてきた。近年では、発光ダイオード(LED)用反射材料としての需要が急速に増加している。発光ダイオードは、蛍光灯又は白熱電球に替わる光源として、照明機器、自動車用ライト等の用途に用いられており、このような発光装置では、基板に銀めっき層などの光反射膜を設けることにより光の取り出し効率の向上が図られている。
しかし、銀及び銀合金は化学的に非常に不安定であるため、空気中の酸素、水分、硫化水素、亜硫酸ガス等と容易に反応して、酸化銀や硫化銀を生成し、それにより銀表面が黒色に変色(腐食)するという欠点を有する。
このような銀の変色(腐食)を防止する方法として、例えば有機系の防錆剤が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。また、下記特許文献3には、層状珪酸化合物を含有する銀の表面処理剤が提案されている。
特開平10−158572号公報 特開2004−238658号公報 国際公開第2013/108773号明細書
しかし、上記の有機系の防錆剤は、紫外線に対する耐性が低く、長期間の紫外線暴露によって変色するという欠点を有する。照明機器及び自動車用途で使用される発光ダイオードにおいては、近紫外光が用いられるため、これら有機系の防錆剤の適用は困難である。
他方、本発明者らは、発光装置の基板において層状珪酸化合物を含む層を設けると電気化学的マイグレーションが発生して電極間が変色する場合があることを見出した。発光装置が長期にわたって十分な発光強度を維持するためには、マイグレーションが発生しにくい絶縁信頼性が要求される。
本発明の目的は、銀めっき層の耐変色性と絶縁信頼性との双方に優れる変色防止膜を有する発光装置を提供することにある。
本発明は、銀めっき層を有する基板と、基板上に搭載された発光ダイオードと、少なくとも銀めっき層の表面を被覆する複層膜と、を備え、複層膜が、酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含有する第1層と、体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有する第2層と、を有する、発光装置を提供する。
本発明の発光装置によれば、上記複層膜が銀めっき層の耐変色性と絶縁信頼性との双方に優れる変色防止膜として機能することができ、長期にわたって十分な発光強度を維持することができる。
本発明の発光装置は、上記銀めっき層の表面に、上記第2層と、上記第1層とがこの順に設けられていることが好ましい。
上記の発光装置は、透明封止樹脂によって被覆又は封止されていてもよい。この場合、上記複層膜が透明封止樹脂との密着性に優れたものになり得ることから、封止樹脂の剥離に起因する問題が発生しにくくなる。
本発明によれば、銀めっき層の耐変色性と絶縁信頼性との双方に優れる変色防止膜を有する発光装置を提供することできる。
発光装置の断面図である。 図1に示す発光装置の平面図である。 層状珪酸化合物の一例を示す模式図である。 第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を示したフローチャートである。 実施形態に係る銀用表面処理剤の塗布工程後における発光装置の断面図である。 乾燥工程後における発光装置の断面図である。 透明封止樹脂充填工程後における発光装置の断面図である。 実施形態に係る銀用表面処理剤から形成される変色防止膜の構成を説明するための概念図である。 第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を示したフローチャートである。 図8の製造方法により製造した発光装置の断面図である。 第3の実施形態に係る発光装置の製造方法を示したフローチャートである。 図10の製造方法により製造した発光装置の断面図である。 実施例において銀用表面処理剤を用いて形成した変色防止膜の一例について撮影した断面TEM写真である。
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る発光装置は、銀めっき層を有する基板と、基板上に搭載された発光ダイオードと、少なくとも銀めっき層の表面を被覆する複層膜とを備え、複層膜が、酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含有する第1層と、体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有する第2層と、を有する。
本実施形態の発光装置の製造方法の好適な実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
[第1の実施形態]
まず、図1及び図2を参照して、第1の実施形態に係る発光装置の構成について説明する。
図1は、発光装置の断面図である。図2は、図1に示す発光装置の平面図である。図1及び図2に示すように、実施形態に係る発光装置1は、一般に「表面実装型」に分類されるものである。この発光装置1は、基板10と、発光素子として基板10の表面にボンディングされた青色LED30と、青色LED30を取り囲むように基板10の表面に設けられたリフレクタ20と、リフレクタ20に充填されて青色LED30を封止する透明封止樹脂40と、を備えている。なお、図2では、透明封止樹脂40の図示を省略している。
基板10は、絶縁性の基体12の表面に銅めっき板14が配線されており、銅めっき板14の表面に銀めっき層16が形成されている。銀めっき層16は、基板10の表面に配置されて青色LED30と導通される電極となっている。なお、銀めっき層16は、銀を含むめっき層であれば如何なる組成であってもよい。例えば、銀のみをめっきすることにより銀めっき層16を形成してもよく、ニッケル及び銀をこの順でめっきすることにより銀めっき層16を形成してもよい。銅めっき板14及び銀めっき層16は、アノード側とカソード側とに絶縁されている。アノード側の銅めっき板14及び銀めっき層16とカソード側の銅めっき板14及び銀めっき層16との間の絶縁は、例えば、アノード側の銅めっき板14及び銀めっき層16とカソード側の銅めっき板14及び銀めっき層16とを離間させ、適宜、その間に樹脂及びセラミックなどの絶縁層を挿入することにより行うことができる。
青色LED30は、アノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16にダイボンドされており、ダイボンド材32を介して当該銀めっき層16と導通されている。また、青色LED30は、アノード側及びカソード側の何れか他方の銀めっき層16にワイヤボンドされており、ボンディングワイヤ34を介して当該銀めっき層16と導通されている。
リフレクタ20は、青色LED30を封止するための透明封止樹脂40を充填させるとともに、青色LED30から発せられた光を発光装置1の表面側に反射させるものである。リフレクタ20は、青色LED30を取り囲むように基板10の表面から立設されている。すなわち、リフレクタ20には、青色LED30を取り囲むように基板10の表面10aから立ち上がって内側に青色LED30を収容する内側空間22を形成し、平面視(図2参照)において円形に形成された内周面20aと、内周面20aに隣接して内側空間22の外側に位置し、内周面20aの表側端縁から内側空間22の反対側に向けて広がる頂面20bと、頂面20bの外側端縁から基板10の表面10aに立ち下がり、平面視(図2参照)において矩形に形成された外周面20cと、を備えている。内周面20a及び外周面20cの形状は特に限定されるものではないが、発光装置1の照度向上の観点から、内周面20aは、基板10から離れるに従い拡径する円錐台形状(漏斗状)に形成することが好ましく、発光装置1の集積度向上の観点から、外周面20cは、基板10に対して垂直な四角形状に形成することが好ましい。なお、図面では、内周面20aの形成例として、基板10側に位置する下部分が基板10に対して垂直となっており、基板10の反対側に位置する上部分が基板10から離れるに従い拡径しているものを図示している。
リフレクタ20は、白色顔料が含有された熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなっている。熱硬化性樹脂組成物は、リフレクタ20の形成容易性の観点から、熱硬化前においては室温(25℃)で加圧成型可能なものが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、シアネート樹脂、フッ素系樹脂等種々のものを用いることができる。特に、エポキシ樹脂は、種々の材料に対する接着性が優れるため好ましい。
白色顔料としては、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン又は酸化ジルコニウムを使用することができる。これらの中でも光反射性の点から酸化チタンが好ましい。白色顔料として無機中空粒子を使用してもよい。無機中空粒子の具体例として、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラス等が挙げられる。
透明封止樹脂40は、リフレクタ20の内周面20aにより形成される内側空間22に充填されて、青色LED30を封止するものである。この透明封止樹脂40は、透光性を有する透明封止樹脂からなる。透明封止樹脂には、完全に透明な樹脂の他、半透明な樹脂も含まれる。透明封止樹脂としては、弾性率が室温(25℃)において1MPa以下のものが好ましい。特に、透明性の点からシリコーン樹脂又はアクリル樹脂を採用することが好ましい。透明封止樹脂は、光を拡散する無機充填材や青色LED30から発せられる青色光を励起源として白色光とする蛍光体42を更に含有してもよい。
そして、本実施形態に係る発光装置1は、銀めっき層16が、第1層(ガスバリア層)52と、第2層(プライマ層)50との2層からなる複層膜である変色防止膜60により被覆されており、透明封止樹脂40とリフレクタ20とが接合されている。
ガスバリア層52は、酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含有する。ガスバリア層52に含まれる化合物は、実用的なガスバリア性(ガス遮蔽性)を得る観点から、酸素透過率が0.0001〜5cc/m・24h・atmであることが好ましく、ガスバリア層を成膜する時の脱ガスプロセスを考慮しつつ、優れたガスバリア性を得る観点から、酸素透過率が0.001〜1cc/m・24h・atmであることがより好ましい。
化合物の酸素透過率は、JIS K7126−1(GC法)に則って求めることができる。具体的には、以下のようにして作製される評価用サンプルについて酸素透過率を測定する。まず、層状珪酸化合物を5質量%、水を95質量%になるよう秤量・混合し、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製、ARE−310)を用いて2000rpm、10分混合、2200rpm10分脱泡を行う。次に、易接着層付きPETフィルム(東洋紡製、A4300−125)上に、wet厚100μmのバーコーターを用いて、測定対象である化合物5質量%の溶液を塗布後、22℃で12時間静置して溶媒を除去し、形成される膜を表面に具備するPETフィルムを作製し、これを評価用サンプルとする。
2層からなる変色防止膜60のうち、ガスバリア層52は、銀めっき層16の変色(例えば、硫化による変色)を抑制するものであり、後述する銀用表面処理剤のA液から形成することができる。
ガスバリア層52の膜厚は、0.01μm以上1000μm以下であることが好ましく、0.03μm以上500μm以下であることがより好ましく、0.05μm以上100μm以下であることが更に好ましく、0.05μm以上10μm以下であることがさらにより好ましく、0.05μm以上1μm以下であることが特に好ましい。ガスバリア層52の膜厚を0.01μm以上1000μm以下とすることで、銀めっき層16に対する耐変色性と変色防止膜の透明性とを両立させることができる。この場合、ガスバリア層52の膜厚を0.03μm以上500μm以下、0.05μm以上100μm以下、0.05μm以上10μm以下、0.05μm以上1μm以下とすることで、この効果を更に向上させることができる。また、本実施形態に係る変色防止膜は、後述する本実施形態の銀用表面処理剤のA液及びB液から形成されていることにより、上記の膜厚においてもクラックが発生しにくい。
膜厚の調整は、例えば、銀用表面処理剤における溶媒の含有量を変更して上記所定の酸素透過率を有する化合物の濃度を適宜調整することにより行うことができる。また、銀用表面処理剤の滴下量及び滴下回数によっても膜厚を調整することができる。
変色防止膜の耐変色性能を向上させる観点から、ガスバリア層52における上記所定の酸素透過率を有する化合物の含有量は、ガスバリア層全量を基準として、10質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
ガスバリア層52に含有される上記所定の酸素透過率を有する化合物としては、例えば、層状珪酸化合物等が挙げられる。ガスバリア層52が、層状珪酸化合物を含む場合、図8に示すようなガスのパスルートが長くガスバリア性により優れる膜が形成され、優れたガスバリア性を得ることができる。上記のような観点から、層状珪酸化合物の厚さDは1nm〜30nm、長さLが30〜50000とアスペクト比が高いことが好ましい。また、層状珪酸化合物を含有させることにより、発光装置の発光特性を妨げることなく、優れたガスバリア性を得ることができる。
プライマ層50は、体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有する。プライマ層50に含まれる化合物は、絶縁性を確保する観点から、体積抵抗率が1010〜1016Ω・cmであり、体積抵抗率の測定における技術的限界及び実用性から体積抵抗率の上限は1016Ω・cmとすることができる。絶縁性を高める観点から、上記化合物は、体積抵抗率が1012〜1016Ω・cmであることが好ましく、1013〜1016Ω・cmであることがより好ましい。化合物の体積抵抗率とは、測定対象である化合物を銅電極付き基板に塗布し、150℃で3時間乾燥させて得られる体積抵抗率測定試験片について、JIS C2139に従って測定される値を意味する。
プライマ層50に含有される上記化合物は、その柔軟性により接着性を得る観点から、線膨張係数が180ppm〜450ppmであるものが好ましい。柔軟性による接着性を確保することが容易となると共に、被覆又は封止に用いられる透明封止樹脂により、上記化合物に変形が生じることを抑制することができる。柔軟性による接着性を高める観点から、上記化合物の線膨張係数は、200ppm〜450ppmがより好ましく、被覆又は封止に用いられる透明封止樹脂との接着信頼性を高める観点から、200ppm〜350ppmが更に好ましい。化合物の線膨張係数とは、JIS K7197「プラスチックの熱機械分析による線膨張係数試験方法」によるものでTMA(Thermal Mechanical Analysis)に従って測定される値を意味する。
プライマ層50に含有される化合物は、光の取出し効率の観点から、主に照明用に用いられる青色発光ダイオードの中心波長である450nmに対する光透過率が、プライマ層50の1mm厚みに換算した値として、80〜100%であることが好ましい。より高輝度の発光ダイオードへの適用性の観点から、上記化合物の光透過率は、85〜100%がより好ましく、90〜100%が更に好ましい。上記化合物の光透過率は、PETフィルム上に塗布した珪酸化合物を分光光度計(UV−Vis)により測定して得られる値を意味する。
2層からなる変色防止膜のうち、プライマ層50としては、接着性及び絶縁性を有する層が好ましい。プライマ層50は、後述する本実施形態の銀用表面処理剤のB液から形成することができる。
プライマ層50の膜厚は、接着性の観点から10nm〜1000nmが好ましく、耐水性の観点から30nm〜1000nmがより好ましい。ガスバリア層のガスバリア性を効果的に発現させる観点から30〜500nmが更に好ましい。
膜厚の調整は、例えば、銀用表面処理剤における溶媒の含有量を変更して上記所定の体積抵抗率を有する化合物の濃度を適宜調整することにより行うことができる。また、銀用表面処理剤の滴下量及び滴下回数によっても膜厚を調整することができる。
本実施形態においては、プライマ層50上にガスバリア層52を積層することにより、透明性を確保しつつ、変色防止膜60の耐水性及び銀めっき層16への接着力を向上させることができるとともに、被覆又は封止に用いられる透明封止部40とリフレクタ20の内周面20aとの間の剥がれを抑制することができる。
次に、本実施形態に係る銀用表面処理剤について説明する。
銀用表面処理剤は、酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含有するA液(以下、「A液」ともいう)と、体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有するB液(以下、「B液」ともいう)との2種類の液を含む。
上記表面処理剤の対象である銀には、銀合金及びめっき銀も包含される。
本実施形態において使用される銀用表面処理剤によれば、B液によって銀の表面上にプライマ層50を形成し、A液によってプライマ層50上にガスバリア層52を形成することで、これらの2層から構成される変色防止膜60を形成することができる。ガスバリア層52は酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含むことによって、例えば、硫化水素などのガスに対するガス遮蔽性を発現させることができ、銀の表面、特には銀蒸着面に優れた耐変色性を与えることができる。また、体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有するプライマ層50をガスバリア層52の下地として、銀めっき層の表面上に形成することにより、変色防止膜60の絶縁信頼性、耐水性及び銀への接着力を向上させることができ、また、発光装置の被覆、封止等に用いられる透明封止樹脂との密着性を向上させることができる。
ガスバリア層が、酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物として、層状珪酸化合物を含む場合には、扁平な板状形状を有する層状珪酸化合物が積層されることによって、ガス遮蔽性をより高度に発現させることができ、銀の表面、特には銀蒸着面に優れた耐変色性を与えることができる。
上記の効果が得られる理由を本発明者らは以下のとおり考えている。層状珪酸化合物は、板状形状を有し、水又は水とアルコール等の溶媒との混合溶媒によって膨潤して溶媒に分散する性質を有する。本実施形態において使用される銀用表面処理剤によれば、銀の表面上にB液を塗布した後、乾燥することによりプライマ層を形成し、その上に層状珪酸化合物を含むA液を塗布した後、溶媒を除去することによって、層状珪酸化合物の粒子をプライマ層上に積層することができる。これにより、銀の変色要因である大気中のガス(例えば、硫黄ガスや硫化水素ガス)の遮蔽性に優れた膜を形成でき、なおかつその膜はプライマ層によって、絶縁信頼性、耐水性、耐クラック性が向上したものになり得たと本発明者らは考える。
A液に含まれる酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物としては、層状珪酸化合物を例示することができる。層状珪酸化合物としては、例えば、スチーブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、モンモリロナイト、バイデライト等のスメクタイト、及び膨潤性マイカが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
膨潤性マイカとしては、例えば、フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、Naテニオライト、Liテニオライト等が挙げられる。
上記の化合物は、厚さ1nm〜30nm、平均長辺長さ30〜50000nmの扁平な板状形状を有し、銀の表面上に積層させることによって硫化水素等のガスに対するガス遮蔽性をより有効に発現させることができる。
層状珪酸化合物は、硫化水素等に対するガス遮蔽性の観点から、平均長辺長さが30nm以上50000nm以下であることが好ましく、100nm以上50000nm以下であることがより好ましく、100nm以上20000nm以下であることがさらに好ましく、100nm以上10000nm以下であることが特に好ましい。また、ガス遮蔽性及び銀本来の光沢を維持する観点からは、平均長辺長さが100nm以上5000nm以下であることが好ましい。
なお、層状珪酸化合物の長辺長さは、扁平な板状形状の粒子を垂線の上方からみたときに、図3に示すように粒子100の外接長方形110の長辺の長さが最大となるときの当該長辺の長さLmaxを意味し、例えば透過型電子顕微鏡などを用いることによって測定することができる。また、平均長辺長さとは、透過型電子顕微鏡の縦100μm×横100μmの範囲で画像内における粒子全ての上記長辺長さの値を平均化した数値をいう。なお、平均長辺長さを自動的に求める方法として、二次元画像の画像解析ソフト(住友金属テクノロジー製、粒子解析Ver3.5)を用いることもできる。
層状珪酸化合物の厚みは、ガスバリア機能を得る観点から、1nm〜30nmが好ましく、1nm〜20nmがより好ましく、1nm〜10nmがさらに好ましい。上記厚みは、原子間力顕微鏡(AFM)、又はX線小角散乱法により測定される値をいう。
本実施形態に係る酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含有するA液は、溶媒を含有することができる。溶媒としては、水を好適に用いることができ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ホルムアミド等の極性溶媒を用いることも可能である。溶媒は単独で、又は2種以上を混合で用いることが可能である。
本実施形態で使用される酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含有するA液における固体成分濃度は、膜形成性と、銀の変色要因であるガス(例えば、硫化水素ガス)の遮蔽性の観点から、0.005質量%〜2質量%であることが好ましく、0.01質量%〜1.5質量%であることがより好ましく、0.05質量%〜1質量%であることがさらに好ましい。
銀用表面処理剤を構成するB液は、体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有する。上述したとおり、B液によって体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有する層を銀めっき面に形成し、その上に、酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含有する層を形成することにより、表面処理剤から形成される複層膜は、絶縁性、耐水性及び銀への接着力が向上すると同時に、被覆又は封止に用いられる透明封止樹脂との接着力も向上したものになり得る。
B液に含まれる体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物としては、上記層状珪酸化合物以外の第2の珪酸化合物を例示することができる。この場合、発光装置の発光特性を妨げることなく、優れた絶縁信頼性を得ることができる。第2の珪酸化合物としては、絶縁性、耐水性、耐候性、耐熱性等の特性や、硬度、伸び等のゴム的性質に優れた硬化物を形成するものが好ましい。また、第2の珪酸化合物は、上述した線膨張係数を有する化合物であることが好ましい。更に、第2の珪酸化合物は、上述した光透過率を満たすことができる化合物であることが好ましい。第2の珪酸化合物としては、シリコーン系樹脂又は無機ガラスを用いることができる。シリコーン系樹脂としては、下記の式(1)、式(2)、式(3)又は式(4)で表される構成単位を含有する樹脂を用いることができる。
また、上記のシリコーン系樹脂は、接着性を付与できる公知の官能基を有していてもよく、また接着性を付与できる添加物を含有していてもよい。
無機ガラスとしては、Si0、LiO、及び下記の式(5)を有する材料を用いることができる。これらは単独又は2種以上を混合で用いることができる。
第2の珪酸化合物としては、耐水性、耐候性、耐熱性等の特性や、硬度、伸び等のゴム的性質に優れた硬化物を形成する観点から、例えば、珪素−酸素結合を主骨格としたシロキサン結合からなるシリコーンゴムが好ましい。また、耐熱性の観点から、ジメチルシリコーンゴムがより好ましい。
シリコーンゴムとしては、熱硬化性を有するシリコーンエラストマ、シルセスキオキサン等の珪酸化合物を含有していてもよく、例えば、20℃〜200℃、1分間〜10時間の加熱処理により硬化して用いることができる。
シリコーンゴムとしては、側鎖や官能基として、メチル基、フェニル基、メチルフェニル基、グリシジル基、イソシアネート基、ビニル基等を有していてもよい。
第2の珪酸化合物の硬化温度は、発光ダイオード素子の耐熱性を考慮して20℃〜200℃が好ましく、珪酸化合物の保存安定性の観点から40℃〜200℃がより好ましく、生産性の観点から40℃〜160℃が更に好ましい。B液からプライマ層を形成する際、成膜性の観点から、上記温度の範囲内で多段加熱してもよい。
また、硬化時間は、1分間〜10時間の範囲内で設定することができる。生産性の観点から1分間〜8時間の範囲内がより好ましく、プライマ層のレベリング性の観点から3分間〜8時間の範囲が更に好ましい。硬化は、プライマ層の上にガスバリア層を設ける前後に分けて実施してもよい。
本実施形態において使用される体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有するB液は、溶媒を含有することができる。溶媒は、上記珪酸化合物の溶解性の観点から、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル、エステル系溶媒を選択することができる。このような溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の飽和炭化水素、シクロヘキサン、アルキルシクロヘキサン等の環状炭化水素などを挙げることができる。なお、炭化水素としては、直鎖状、分岐状、環状等、いずれも用いることができる。これらを単独で又は2種以上を混合で用いることができる。
体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有するB液の溶媒は、硬化のための加熱工程で蒸発により除去されることが好ましく、沸点が50℃〜200℃である溶媒が好ましい。沸点が200℃を超えると乾燥性が低下し、溶媒が残留して接着力を低下させる可能性がある。また、溶媒の沸点が低いと引火の危険性が高まるため、安全性の観点から沸点が50℃以上の溶媒が好ましい。生産性の観点から溶媒の沸点は50℃〜160℃が好ましく、硬化のための加熱工程の温度及び時間を自由に選択できる観点から50℃〜120℃が更に好ましい。
具体的には、本実施形態において使用される銀用表面処理剤のうち、体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有するB液を銀又は銀合金上に塗布した後、溶媒を除去及び/又は硬化することによって、銀又は銀合金上に体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含んでなる層(プライマ層)を形成できる。さらに、酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含有するA液を塗布した後、溶媒を除去することによって酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含んでなる層(ガスバリア層)を形成できる。
銀用表面処理剤の塗布方法としては、例えば、バーコート、ディップコート、スピンコート、スプレーコート、ポッティング等の方法を好適に用いることができる。
また、銀用表面処理剤の塗膜から溶媒を除去する方法としては、乾燥を好適に用いることができ、乾燥温度は室温以上であれば特に限定されない。なお、室温とは20〜25℃である。
銀用表面処理剤を用いることによって、銀又は銀合金の表面上に、体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有する層と、酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含有する層と、を有する変色防止膜を形成することができる。かかる膜は、例えば、硫化水素ガスの遮蔽性に優れ、銀硫化防止膜として機能することができる。
本発明は、上述した銀用表面処理剤に含有される固体成分からなる膜を具備する銀又は銀合金を提供することができる。また、かかる銀又は銀合金を有する基板と、発光ダイオードとを具備する発光装置を提供することができる。かかる発光装置は、透明樹脂で封止されていてもよい。透明樹脂としては、シリコーン樹脂等が挙げられる。また、銀又は銀合金を有する基板は、表面に凹凸形状を有することができ、銀又は銀合金が凹凸形状を有していてもよい。
次に、第1の実施形態に係る発光装置1の製造方法について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を示したフローチャートである。図4に示すように、発光装置の製造方法では、まず、基板準備工程(ステップS101)として、表面に銅めっき板14が配線された絶縁性の基体12を準備し、銀めっき層形成工程(ステップS102)として、銅めっき板14の表面に銀めっき層16を形成する。
次に、リフレクタ形成工程(ステップS103)として、基板10の表面にリフレクタ20を形成し、チップ搭載工程(ステップS104)として、基板10に青色LED30を搭載する。青色LED30の基板10への搭載は、リフレクタ20で囲まれた内側空間22において、アノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16に青色LED30をダイボンディングすることにより行う。これにより、青色LED30がダイボンド材32を介してアノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16と導通されるとともに、青色LED30がリフレクタ20に取り囲まれて内側空間22に収容された状態となる。
次に、B液の塗布工程(ステップS105)として、銀めっき層16に銀用表面処理剤のうち、体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有するB液を塗布して銀めっき層16をB液で覆う。
B液の塗布工程(ステップS105)におけるB液の塗布は、例えば、基板10の表面側から、銀用表面処理剤を内側空間22に滴下又は散布することにより行う。このとき、少なくとも銀めっき層16の全てがB液Mで覆われるように、B液の滴下量又は散布量を調節する。この場合、例えば、図5の(a)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てがB液Mで覆われるように、B液Mを内側空間22に滴下又は散布してもよく、図5の(b)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てとリフレクタ20の内周面20aの一部とがB液Mで覆われるように、B液Mを内側空間22に滴下又は散布してもよく、図5の(c)に示すように、銀めっき層16、青色LED30及びリフレクタ20の内周面20aの全てがB液Mで覆われるように、B液Mを内側空間22に滴下又は散布してもよい。
次に、乾燥工程(ステップS106)として、銀めっき層16に塗布した銀用表面処理剤のうち、B液の塗膜を乾燥させて銀硫化防止膜のうち、第2の珪酸化合物を含有する層(プライマ層50)を形成する。
次に、A液の塗布工程(ステップS107)として、プライマ層50上に、銀用表面処理剤のうち、酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含有するA液を塗布して、プライマ層50のうちの少なくとも銀めっき層16を被覆している部分をA液で覆う。
次に、A液の塗布工程(ステップS107)におけるA液の塗布は、例えば、基板10の表面側から、銀用表面処理剤を内側空間22に滴下又は散布することにより行う。滴下又は散布の方法は、ステップS105のB液の塗布工程と同様にして行うことができる。
次に、乾燥工程(ステップS108)として、銀めっき層16に塗布したA液の塗膜を乾燥させて変色防止膜60のうち、酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含有する層(ガスバリア層52)を形成する。
乾燥工程(ステップS106及びS108)は、溶媒が揮発する温度で行うことができ、例えば、30℃以上80℃以下の温度範囲とすることが好ましく、30℃以上70℃以下の温度範囲とすることがより好ましく、30℃以上60℃以下の温度範囲とすることがさらにより好ましい。この温度域を保つ時間は、例えば、5分以上とすることができ、十分に乾燥させるという点で、5分以上1日以下とすることが好ましく、生産性を向上させる観点から、5分以上30分以下とすることがより好ましい。
このようにして乾燥工程を行うことで、図5の(a)に示したB液Mは、図6の(a)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てを被覆するプライマ層50となり、図5の(b)に示したB液Mは、図6の(b)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てとリフレクタ20の内周面20aの一部とを被覆するプライマ層50となり、図5の(c)に示したB液Mは、図6の(c)に示すように、銀めっき層16、青色LED30及びリフレクタ20の内周面20aの全てを被覆するプライマ層50となる。A液の乾燥により形成されるガスバリア層52についても、同様である。ガスバリア層52が被覆する面積は、プライマ層50の被覆する面積よりも小さいことが好ましい。
本実施形態においては上記の乾燥工程の後に150℃、30分間の条件で2層からなる変色防止膜60を十分に乾燥することが好ましい。これにより、プライマ層50とガスバリア層52の層間を狭めることによる変色防止性の更なる向上の効果を得ることができる。
次に、ワイヤボンディング工程(ステップS109)として、青色LED30とアノード側及びカソード側の何れか他方の銀めっき層16とをワイヤボンディングする。このとき、銀めっき層16は変色防止膜60で被覆されているため、青色LED30及び銀めっき層16に被覆されている変色防止膜60を突き破るようにワイヤの両端を青色LED30と銀めっき層16とにボンディングすることで、青色LED30と銀めっき層16とを導通させる。なお、変色防止膜60の突き破りは、例えば、変色防止膜60の層厚を調節することや、ワイヤボンディングを行うボンディングヘッドの荷重を調節することや、このボンディングヘッドを振動させることなどにより行うことができる。
次に、透明封止樹脂充填工程(ステップS110)として、リフレクタ20の内周面20aにより形成される内側空間22に、蛍光体42が含有された透明封止樹脂40を充填する。これにより、青色LED30及び銀めっき層16が透明封止樹脂40(透明封止部)により封止される。
このようにして透明封止樹脂充填工程を行うことで、図7の(a)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てが2層からなる変色防止膜60(プライマ層50及びガスバリア層52)で被覆された状態で、銀めっき層16及び青色LED30が透明封止樹脂40により封止された発光装置1、図7の(b)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てとリフレクタ20の内周面20aの一部とが変色防止膜60で被覆された状態で、銀めっき層16及び青色LED30が透明封止樹脂40により封止された発光装置1、又は、図7の(c)に示すように、銀めっき層16、青色LED30及びリフレクタ20の内周面20aの全てが変色防止膜60で被覆された状態で、銀めっき層16及び青色LED30が透明封止樹脂40により封止された発光装置1を得ることができる。
このように、第1の実施形態に係る発光装置1の製造方法によれば、銀用表面処理剤(A液及びB液)で銀めっき層16を覆ったのち、銀用表面処理剤の塗膜を乾燥させることで、銀用表面処理剤に含まれる酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物が積層したガスバリア層を備える変色防止膜60が形成され、銀めっき層16が変色防止膜60で被覆される。これにより、銀めっき層16を適切に被覆できる2層からなる変色防止膜60を形成することができる。
発光装置1に設けられたリフレクタ20の内側空間22に銀用表面処理剤を滴下又は散布することで、容易に銀めっき層を覆う変色防止膜60を形成することができる。
[第2の実施形態]
次に発光装置の製造方法の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る発光装置の製造方法は、基本的に第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と同様であるが、工程の順序のみ第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と相違する。このため、以下の説明では、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と相違する部分のみを説明し、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と同様の部分の説明を省略する。なお、銀用表面処理剤は、上述したものを用いることができる。
図9は、第2の実施形態における発光装置の製造方法を示したフローチャートである。図10は、図9の製造方法により製造した発光装置の断面図である。
図9に示すように、第2の実施形態に係る発光装置1の製造方法は、まず、第1の実施形態と同様に、基板準備工程(ステップS201)、銀めっき層形成工程(ステップS202)及びリフレクタ形成工程(ステップS203)をこの順序で行う。なお、基板準備工程(ステップS201)、銀めっき層形成工程(ステップS202)及びリフレクタ形成工程(ステップS203)は、第1の実施形態の基板準備工程(ステップS101)、銀めっき層形成工程(ステップS102)及びリフレクタ形成工程(ステップS103)と同様である。
次に、B液の塗布工程(ステップS204)として、銀めっき層16にB液を塗布して銀めっき層16をB液で覆う。なお、塗布工程(ステップS204)は、第1の実施形態の塗布工程(ステップS105)と同様に行うことができる。
次に、乾燥工程(ステップS205)として、銀めっき層16に塗布したB液の塗膜を乾燥させてプライマ層50を形成する。なお、乾燥工程(ステップS205)は、第1の実施形態の乾燥工程(ステップS106)と同様に行うことができる。
次に、A液の塗布工程(ステップS206)として、プライマ層50上にA液を塗布してプライマ層50の少なくとも銀めっき層16を被覆する部分をA液で覆う。なお、塗布工程(ステップS206)は、第1の実施形態の塗布工程(ステップS105)と同様に行うことができる。
次に、乾燥工程(ステップS207)として、銀めっき層16に塗布したA液の塗膜を乾燥させてガスバリア層52を形成する。なお、乾燥工程(ステップS207)は、第1の実施形態の乾燥工程(ステップS106)と同様に行うことができる。
次に、チップ搭載工程(ステップS208)として、アノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16に青色LED30をダイボンディングする。このとき、第1の実施形態のワイヤボンディング工程(ステップS109)と同様に、銀めっき層16に被覆されている変色防止膜を突き破るように青色LED30を銀めっき層16にボンディングすることで、青色LED30と銀めっき層16とを導通させる。
次に、ワイヤボンディング工程(ステップS209)として、青色LED30とアノード側及びカソード側の何れか他方の銀めっき層16とをワイヤボンディングする。このとき、銀めっき層16は変色防止膜60で被覆されているため、第1の実施形態のワイヤボンディング工程(ステップS109)と同様に、銀めっき層16に被覆されている2層からなる変色防止膜60を突き破るようにワイヤの一端を銀めっき層16にボンディングする。一方、青色LED30は変色防止膜60で被覆されていないため、ボンディングワイヤ34の他端は、通常通り、青色LED30にボンディングすることができる。これにより、青色LED30と銀めっき層16とが導通される。
次に、ステップS210として透明封止樹脂充填工程を行う。
このように、第2の実施形態に係る発光装置の製造方法によれば、銀用表面処理剤の塗布工程及び乾燥工程を経てからチップ搭載工程を行うことで、図10に示すように、青色LED30が2層からなる変色防止膜60で被覆されない発光装置1を製造することができる。これにより、ワイヤボンディング工程において、ボンディングワイヤ34の一端を青色LED30にボンディングする際に、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法のように、2層からなる変色防止膜60を突き破る必要がなくなる。
[第3の実施形態]
次に発光装置の製造方法の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る発光装置の製造方法は、基本的に第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と同様であるが、工程の順序のみ第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と相違する。このため、以下の説明では、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と相違する部分のみを説明し、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と同様の部分の説明を省略する。なお、銀用表面処理剤は、上述したものを用いることができる。
図11は、第3の実施形態における発光装置の製造方法を示したフローチャートである。図12は、図11の製造方法により製造した発光装置の断面図である。
図11に示すように、第3の実施形態に係る発光装置1の製造方法は、まず、第1の実施形態と同様に、基板準備工程(ステップS301)及び銀めっき層形成工程(ステップS302)をこの順序で行う。なお、基板準備工程(ステップS301)及び銀めっき層形成工程(ステップS302)は、第1の実施形態の基板準備工程(ステップS101)及び銀めっき層形成工程(ステップS102)と同様である。
次に、B液の塗布工程(ステップS303)として、銀めっき層16にB液を塗布して銀めっき層16をB液で覆う。このとき、作業性の観点から、B液を銀めっき層16が形成されている基板10の表面全体に塗布することが好ましいが、銀めっき層16のみを覆うようにB液を塗布してもよい。
次に、乾燥工程(ステップS304)として、銀めっき層16に塗布したB液の塗膜を乾燥させてプライマ層50を形成する。なお、乾燥工程(ステップS304)は、第1の実施形態の乾燥工程(ステップS106)と同様に行うことができる。
次に、A液の塗布工程(ステップS305)として、プライマ層50上にA液を塗布してプライマ層50の少なくとも銀めっき層16を被覆する部分をA液で覆う。このとき、作業性の観点から、A液をプライマ層50全体に塗布することが好ましいが、プライマ層50の銀めっき層16を被覆する部分のみを覆うようにA液を塗布してもよい。
次に、乾燥工程(ステップS306)として、プライマ層50上に塗布したA液の塗膜を乾燥させてガスバリア層52を形成する。なお、乾燥工程(ステップS306)は、第1の実施形態の乾燥工程(ステップS106)と同様に行うことができる。
次に、リフレクタ形成工程(ステップS307)として、基板10の表面にリフレクタ20を形成する。このとき、銀用表面処理剤(B液及びA液)の塗布工程(ステップS303及びS305)で基板10の表面全体に銀用表面処理剤を塗布した場合は、基板10の表面を被覆している2層からなる変色防止膜60の表面にリフレクタ20を形成する。
次に、チップ搭載工程(ステップS308)として、アノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16に青色LED30をダイボンディングする。このとき、第1の実施形態のワイヤボンディング工程(ステップS109)と同様に、銀めっき層16に被覆されている2層からなる変色防止膜60を突き破るように青色LED30を銀めっき層16にボンディングすることで、青色LED30と銀めっき層16とを導通させる。
次に、ワイヤボンディング工程(ステップS309)として、青色LED30とアノード側及びカソード側の何れか他方の銀めっき層16とをワイヤボンディングする。このとき、銀めっき層16は変色防止膜60で被覆されているため、第1の実施形態のワイヤボンディング工程(ステップS109)と同様に、銀めっき層16に被覆されている2層からなる変色防止膜60を突き破るようにワイヤの一端を銀めっき層16にボンディングする。一方、青色LED30は変色防止膜60で被覆されていないため、ボンディングワイヤ34の他端は、通常通り青色LED30にボンディングすることができる。これにより、青色LED30と銀めっき層16とが導通される。
次に、ステップS310として透明封止樹脂充填工程を行う。
このように、第3の実施形態に係る発光装置の製造方法によれば、銀用表面処理剤の塗布工程及び乾燥工程を経てからリフレクタ形成工程及びチップ搭載工程を行うことで、図12に示すように、青色LED30が2層からなる変色防止膜60で被覆されない発光装置1を製造することができる。これにより、ワイヤボンディング工程において、ボンディングワイヤ34の一端を青色LED30にボンディングする際に、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法のように、2層からなる変色防止膜60を突き破る必要がなくなる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、発光装置1にボンディングする発光ダイオードとして、青色の光を発生する青色LED30を採用するものとして説明したが、青色以外の光を発生する発光ダイオードを採用するものとしてもよい。
また、上記実施形態の発光装置1は、青色LED30を取り囲むリフレクタ20を備えるものとして説明したが、このようなリフレクタ20を備えないものとしてもよい。
本実施形態の銀用表面処理剤によれば、銀の変色防止性に優れた変色防止膜、特には銀の硫化防止性に優れた銀硫化防止膜を形成できることから、蛍光体として従来から使用されている、YS:Eu(赤)、ZnS:Cu(緑)、ZnS:Ag(青)、特開平8−085787号公報に示される化合物等の硫黄含有化合物が用いられた発光装置であっても十分な耐硫化性を得ることができる。
本実施形態の銀用表面処理剤は、上述した発光装置以外に、例えば、銀を含有する反射防止膜を備えるプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ等にも適用することができる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
層状珪酸化合物として、平均長辺長さ10000nmのマイカ水分散液(コープケミカル株式会社製、MEB−3)を用意した。このマイカ水分散液12.5gに蒸留水を添加して全質量100gとした後、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製、ARE−310)を用いて2000rpmで10分間、混合を行い、2200rpmで10分間、脱泡を行い、平均長辺長さ10000nmのマイカを1質量%含む表面処理剤Aを得た。
層状珪酸化合物の平均長辺長さは、透過型電子顕微鏡(日本電子製、JEM−2100F)を用い、縦100μm×横100μmの範囲の画像内における全ての粒子の長辺長さの値を平均化して求めた。なお、各粒子の長辺長さは、粒子の外接長方形の長辺の長さが最大となるときの当該長辺の長さとした。
第2の珪酸化合物として、ダウコーニング製シリコーン樹脂(OE−6370M)3gにノルマルヘプタン97gを添加し、全重量を100gとして、第2の珪酸化合物を1質量%含む表面処理剤Bを調製した。
<評価用銀基板の作製>
ソーダガラス製のスライドガラスに厚さ100nmの銀を蒸着した銀基板上に、wet厚12μmのバーコーターを用いて、上記で得られた第2の珪酸化合物3質量%含む表面処理剤Bを塗布後、22℃で30分間整地して溶媒を除去し、150℃1時間の加熱処理を行った。そして、上記で得られた層状珪酸化合物を1質量%含む表面処理剤Aを塗布し、22℃で12時間静置して溶媒を除去し、プライマ層、及びガスバリア層を表面に具備する銀基板(評価用銀基板)を得た。なお、wet厚とは、溶媒を除去する前の表面処理剤の塗布直後の厚みである。
<評価用発光装置の作製>
エノモト株式会社製の3528サイズのLED用リードフレーム(OP4)に、発光波長467.5nm〜470nm、容量3.7μLの発光ダイオードチップを金ワイヤで接続し、発光装置を作製した。その後、発光ダイオード上に上記で得られた第2の珪酸化合物を3質量%含む表面処理剤B(第2の珪酸化合物層形成材料)をスポイトで0.03mL滴下し、22℃で30分静置して溶媒を除去し、150℃1時間の加熱処理をした。その後、表面処理剤Aをスポイトで0.03mL滴下し、22℃で12時間静置して溶媒を除去し、銀メッキ基板上にプライマ層及びガスバリア層を具備する発光装置を得た。その後、150℃1時間の加熱処理をした後、ダウコーニング製透明シリコーン封止材(OE−6631)を用いて封止し、150℃で5時間、熱処理を行い、硬化することで評価用発光装置を得た。図13は、実施例において銀用表面処理剤を用いて形成した銀硫化変色防止膜の一例について撮影した材の断面TEM写真である。
<表面処理剤を塗布した銀基板の硫化水素ガス耐性評価>
まず、上記で得られた評価用銀基板の波長550nmの可視光反射率を、分光光度計(日本分光、V−570)を用いて測定し、[硫化水素暴露前反射率]とした。次に、評価用銀基板を、10ppm硫化水素ガス気流、40℃、90%RH(相対湿度)中に96時間静置した後、波長550nmの可視光反射率を測定し、[硫化水素暴露後反射率]とした。
[硫化水素暴露前反射率]−[硫化水素暴露後反射率]=[反射低下率]とし、反射低下率を求めた。結果を表1に示す。
<表面処理剤を塗布した発光装置の硫化水素ガス耐性評価>
評価用発光装置を順電流20mA、順電圧3.3Vで発光させ、マルチ測光計(大塚電子株式会社、MCPD−3700)を用いて露光時間30ミリ秒で発光強度を測定し、[硫化水素暴露前発光強度]とした。次に、評価用発光装置を、10ppm硫化水素ガス気流、40℃、90%RH(相対湿度)中に96時間静置した後、順電流20mA、順電圧3.3Vで発光させ、マルチ測光計を用いて露光時間30ミリ秒で発光強度を測定し、[硫化水素暴露後発光強度]とした。
([硫化水素暴露後発光強度]/[硫化水素暴露前発光強度])×100=[発光強度維持率]とし、発光強度維持率を求めた。結果を表1に示す。
<表面処理剤を塗布した発光装置の絶縁信頼性評価>
評価用発光装置を順電流20mA、順電圧3.3Vで発光させ、マルチ測光計(大塚電子株式会社、MCPD−3700)を用いて露光時間30ミリ秒で発光強度を測定し、[試験前発光強度]とした。評価用発光装置を順電流20mA、順電圧3.3Vで発光させながら、85℃、85%RH(相対湿度)中に50時間静置した後、目視観察した。また、順電流20mA、順電圧3.3Vで発光させ、マルチ測光計(大塚電子株式会社、MCPD−3700)を用いて露光時間30ミリ秒で発光強度を測定し、[試験後発光強度]とした。目視観察により、電気化学的マイグレーションの発生による電極間の変色があり、([試験後発光強度]/[試験前発光強度])×100=[発光強度維持率]として求めた。電極間の変色が確認され、発光強度維持率が97%以下の場合を不良として×と評価し、電極間の変色が全く無く、発光強度維持率が100%の場合を良好として○と評価した。目視観察により、電極間に多少の変色が認められるものの発光強度維持率が97%を超える場合を許容として△と評価した。結果を表1に示す。
<表面処理剤を塗布した発光装置の接着性評価:レッドインク試験>
評価用発光装置を、万年筆用ボトルインク赤(PILOT社製、INK30R)に25℃で24時間浸漬した後、取り出して水洗し、実体顕微鏡を用いて、インクによる着色の有無を観察した。インクの染込みによる赤色の着色が無い場合を接着性良好として○、着色がある場合を接着性不良として×と判定した。結果を表1に示す。
<剥離試験用発光装置の作製>
エノモト株式会社製の3528サイズのLED用リードフレーム(OP4)に、発光波長467.5nm〜470nm、容量3.7μLの発光ダイオードチップを金ワイヤで接続し、発光装置を作製した。その後、発光ダイオード上に上記で得られた第2の珪酸化合物を3質量%含む表面処理剤B(第2の珪酸化合物層形成材料)をスポイトで0.03mL滴下し、22℃で30分静置して溶媒を除去し、150℃1時間の加熱処理をした。その後、表面処理剤Aをスポイトで0.03mL滴下し、22℃で12時間静置して溶媒を除去し、銀メッキ基板上に第2の珪酸化合物層及びマイカ膜を具備する発光装置を得た。その後、150℃1時間の加熱処理をした後、ダウコーニング製透明シリコーン封止材(OE−6631)を用いて封止し、Quad Group社製φ1.8mm銅製スタッドピン(901070U)のスタッド側を封止材の中に垂直に立て、150℃5時間の熱処理により、硬化することで剥離試験用発光装置を得た。結果を表1に示す。
<表面処理剤を塗布した発光装置の剥離試験>
剥離試験用発光装置を、ロミュラス製スタッドピンプル試験機にセットし、1.5N/秒の速度で剥離し、剥離力を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
平均長辺長さ1000nmのマイカ(トピー工業株式会社製、NTS−5)を使用し、このマイカ1gに蒸留水を添加して全重量100gとした以外は実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
平均長辺長さ500nmのマイカ(トピー工業株式会社製、NHT−B2)を使用し、このマイカ1gに蒸留水を添加して全重量100gとした以外は実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
平均長辺長さ5000nmのモンモリロナイト(クニミネ工業株式会社製、クニピアFを使用し、このモンモリロナイト1gに蒸留水を添加して全重量100gとした以外は実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
平均長辺長さ2000nmのモンモリロナイト(クニミネ工業株式会社製、クニピアF)を使用し、このモンモリロナイト1gに蒸留水を添加して全重量100gとした以外は実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
平均長辺長さ1000nmのモンモリロナイト(クニミネ工業株式会社製、クニピアF)を使用し、このモンモリロナイト1gに蒸留水を添加して全重量100gとした以外は実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
第2の珪酸化合物として、ダウコーニング製シリコーン樹脂(OE−6370M)0.05gにノルマルヘプタン99.5gを添加し、全重量を100gとして調製した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
第2の珪酸化合物として、ダウコーニング製シリコーン樹脂(OE−6370M)6gにノルマルヘプタン94gを添加し、全重量を100gとして調製した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
第2の珪酸化合物として、ダウコーニング製シリコーン樹脂(OE−6370HF)3gにノルマルヘプタン97gを添加し、全重量を100gとして調製した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例10)
第2の珪酸化合物として、ダウコーニング製シリコーン樹脂(OE−6351)3gにノルマルヘプタン97gを添加し、全重量を100gとして調製した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例11)
第2の珪酸化合物として、ダウコーニング製シリコーン樹脂(OE−6336)3gにノルマルヘプタン97gを添加し、全重量を100gとして調製した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例12)
第2の珪酸化合物として、ダウコーニング製シリコーン樹脂(EG−6301)3gにノルマルヘプタン97gを添加し、全重量を100gとして調製した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例13)
第2の珪酸化合物として、信越化学製シリコーン樹脂(KER−2600)3gにノルマルヘプタン97gを添加し、全重量を100gとして調製した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例14)
第2の珪酸化合物として、ダウコーニング製シリコーン樹脂(OE−6630)3gにノルマルヘプタン97gを添加し、全重量を100gとして調製した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例15)
第2の珪酸化合物として、WACKER製シリコーン樹脂(LUMISIL868)3gにノルマルヘプタン97gを添加し、全重量を100gとして調製した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例16)
第2の珪酸化合物として、WACKER製シリコーン樹脂(LUMISIL815)3gにノルマルヘプタン97gを添加し、全重量を100gとして調製した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例17)
第2の珪酸化合物として、信越化学製シリコーン樹脂(KER−6000)3gにノルマルヘプタン97gを添加し、全重量を100gとして調製した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例1)
表面処理剤を用いずに銀基板及び発光装置を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
層状珪酸化合物を含む表面処理剤Aを用いずに銀基板及び発光装置を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
第2の珪酸化合物の膜厚を8nmとした以外は、実施例5と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
第2の珪酸化合物を含む表面処理剤Bを用いずに銀基板及び発光装置を作製し、平均長辺長さ1000nmのモンモリロナイト(クニミネ工業株式会社製、クニピアF)を使用し、このモンモリロナイト1gに蒸留水を添加して全重量100gとした以外は実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例5)
第2の珪酸化合物として、信越化学製プライマ(R−3)3gに酢酸エチル97gを添加し、全重量を100gとして調製した以外は、実施例1と同様にして表面処理剤を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
層状珪酸化合物は、超音波分散機で破砕し、平均長辺長さを所定の大きさに調整して用いた。
<酸素透過率の測定>
表3に記載の層状珪酸化合物を5質量%、水を95質量%になるよう秤量・混合し、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製、ARE−310)を用いて2000rpmで10分混合、2200rpmで10分脱泡を行った。
易接着層付きPETフィルム(東洋紡製、A4300−125)上に、wet厚100μmのバーコーターを用いて、上記で得られた層状珪酸化合物5質量%の表面処理剤を塗布後、22℃で12時間静置して溶媒を除去し、層状珪酸化合物膜を表面に具備するPETフィルムを得た。JIS K7126−1(GC法)に則って層状珪酸化合物膜を表面に具備するPETフィルムの酸素透過率を測定した。結果を表3に示す。
<体積抵抗率の測定>
表4に記載の第2の珪酸化合物3gを銅電極付き基板に塗布し、150℃で3時間乾燥させ、体積抵抗率測定試験片とした。JIS C2139に則って体積抵抗率を測定した。結果を表4に示す。
表1に示されるように、実施例1〜17では、銀基板の硫化水素ガス耐性、発光ダイオードの硫化水素ガス耐性が得られることがわかる。また、発光ダイオードを用いた発光装置に好適な接着性が得られることがわかる。さらに、良好な絶縁信頼性を得られることがわかる。
1…発光装置、10…基板、10a…基板の表面、12…基体、14…銅めっき板、16…銀めっき層、20…リフレクタ(光反射部)、20a…内周面、20b…頂面、20c…外周面、22…内側空間、30…青色LED(青色発光ダイオード)、32…ダイボンド材、34…ボンディングワイヤ、40…透明封止樹脂(透明封止部)、42…蛍光体、50…第2層(プライマ層)、52…第1層(ガスバリア層)、60…複層膜(変色防止膜)、M…B液。

Claims (3)

  1. 銀めっき層を有する基板と、前記基板上に搭載された発光ダイオードと、少なくとも前記銀めっき層の表面を被覆する複層膜と、を備え、
    前記複層膜が、酸素透過率0.0001〜10cc/m・24h・atmである化合物を含有する第1層と、体積抵抗率1010〜1016Ω・cmである化合物を含有する第2層と、を有する、発光装置。
  2. 前記銀めっき層の表面に、前記第2層と、前記第1層とがこの順に設けられている、請求項1に記載の発光装置。
  3. 透明封止樹脂によって被覆又は封止された、請求項1又は2に記載の発光装置。
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