JP5939044B2 - 銀硫化防止材、銀硫化防止膜の形成方法、発光装置の製造方法及び発光装置 - Google Patents

銀硫化防止材、銀硫化防止膜の形成方法、発光装置の製造方法及び発光装置 Download PDF

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Description

本発明は、銀硫化防止材に関し、より詳細には発光装置等に使用される銀めっきの硫化による変色を防止するための銀硫化防止材に関する。また本発明は、銀硫化防止材を用いた銀硫化防止膜の形成方法及び発光装置の製造方法に関する。
近年、蛍光灯又は白熱電球に替わる光源として発光ダイオード(LED)の需要が急速に増加している。発光ダイオード等の発光素子を備える発光装置は、照明機器、自動車用ライト等の用途に用いられている。このような発光装置では、銀めっきからなる光反射膜を設けることにより光の取り出し効率の向上が図られている。例えば、銅めっき基板等のリードフレームを備えるLEDパッケージでは、銅めっき層上に銀めっき層を設けることにより反射率を向上させている(例えば、下記特許文献1を参照)。
特開2009−239116号公報
LEDパッケージでは、通常、透明樹脂による封止によって発光素子及び光反射膜等が保護されている。しかし、発光装置が屋外で使用される場合、環境中の硫化水素、亜硫酸ガス等が樹脂を透過して銀めっきを硫化し、変色により銀めっきの光反射率が低下するという問題が生じる。最近ではLEDの高出力化に伴ってLEDの発熱量が増加し、銀めっきの硫化が温度の上昇によって更に早まる傾向にある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止材、それを用いた銀硫化防止膜の形成方法、耐硫化性に優れた発光装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、粘土と有機チタン化合物とを含有する銀硫化防止材を提供する。
本発明の銀硫化防止材によれば、銀を含有する金属層の表面に塗布し乾燥することにより、銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止膜を形成することができる。
ところで、LEDパッケージの銀めっき層に銀硫化防止材を適用する場合、銀めっき層に銀硫化防止膜を形成する工程は、基板に発光素子及びリフレクタ等の部品を搭載する前又は後に設けることが考えられる。前の場合、形成した銀硫化防止膜が後工程で衝撃等を受ける可能性がある。一方、後の場合、種々の部品が搭載され複雑な表面形状を有する基板上に銀硫化防止膜を形成することになる。いずれの場合も銀硫化防止膜は下地との密着性が良好であることが望ましい。なお、密着性を高める方法として樹脂を配合することが考えられる。しかし、このような方法では耐熱性、銀硫化防止性等の特性が損なわれてしまう。本発明の銀硫化防止材によれば、十分な耐熱性及び銀硫化防止性を有し、なおかつ金属層及び金属以外の材質に対する密着性に優れた銀硫化防止膜を形成することができる。
他方、更に高水準の硫化防止性が求められる場合がある。この場合、硫化防止膜の膜厚を大きくすることが考えられる。しかし、粘土から構成される膜は膜厚が500nm以上になるとクラックが発生しやすくなる。本発明の銀硫化防止材によれば、膜厚を大きくした場合であってもクラックが発生しにくい粘土膜を形成することができる。これにより、銀硫化防止膜を厚膜化して高い硫化防止性を得ることができる。
形成する銀硫化防止膜の密着性を更に高める観点から、粘土と有機チタン化合物との質量比が75/25〜10/90であることが好ましい。
粘土を分散させる溶媒に溶解させる観点から、上記有機チタン化合物は水溶性有機チタン化合物を含むことが好ましい。この場合、粘土の層間及び粘土膜の表面と銀との間の接着性を更に高めることができ、さらには粘土膜の表面と、リフレクタを構成する樹脂及び封止材を構成するシリコーン樹脂との間の接着性を更に高めることができる。
本発明はまた、銀が含まれる金属層の表面に、上記本発明に係る銀硫化防止材を塗布して銀硫化防止材の塗膜を形成する塗布工程と、塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備える銀硫化防止膜の形成方法を提供する。
本発明の銀硫化防止膜の形成方法によれば、本発明に係る銀硫化防止材を用いることにより、銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止膜を形成することができる。
また、本発明に係る銀硫化防止材を用いることにより、金属層との密着性に優れた銀硫化防止膜を形成することができる。更に、本発明に係る銀硫化防止材を用いることにより、厚膜化によって高い銀硫化防止性を有する銀硫化防止膜を形成する場合であっても、クラックの発生を抑制することができる。
上記金属層が銀めっき層であることが好ましい。この場合、硫化によって銀めっき層の光反射率が低下することを防止することができる。
本発明はまた、銀めっき層を有する基板と、基板上に搭載された発光素子と、を備える発光装置の製造方法であって、銀めっき層の表面に、上記本発明に係る銀硫化防止材を塗布して銀硫化防止材の塗膜を形成する塗布工程と、塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備える発光装置の製造方法を提供する。
本発明の発光装置の製造方法によれば、銀めっき層の表面に銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止膜の形成することができ、これにより銀めっき層が変色しにくい耐硫化性に優れた発光装置を製造することができる。
また、本発明の発光装置の製造方法によれば、本発明に係る銀硫化防止材を用いることにより密着性に優れた銀硫化防止膜を形成できることから、膜剥がれ等に起因する製造上の問題、及び、照明点灯・消灯時の加熱収縮により発生した膜剥がれに起因する反射率の低下を十分抑制することができる。
更に、本発明の発光装置の製造方法によれば、本発明に係る銀硫化防止材を用いることにより厚膜であってもクラックの発生しにくい銀硫化防止膜を形成できることから、膜のクラックに起因する製造上の問題を十分抑制しつつ高水準の耐硫化性を有する発光装置を製造することができる。
本発明はまた、銀めっき層を有する基板と、基板上に搭載された発光素子と、銀めっき層の表面に設けられた銀硫化防止膜と、を備え、銀硫化防止膜が粘土と有機チタン化合物とを含有する発光装置を提供する。
本発明の発光装置は、上記銀硫化防止膜を備えることにより優れた耐硫化性を有し、銀めっき層が変色しにくい。
上記粘土と上記有機チタン化合物との質量比が75/25〜10/90であることが好ましい。
上記有機チタン化合物が水溶性有機チタン化合物を含むことが好ましい。この場合、粘土の層間及び粘土膜の表面と銀との間の接着性を更に高めることができ、さらには粘土膜の表面と、リフレクタを構成する樹脂及び封止材を構成するシリコーン樹脂との間の接着性を更に高めることができる。
本発明によれば、銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止材、それを用いた銀硫化防止膜の形成方法、耐硫化性に優れた発光装置及びその製造方法を提供することができる。
発光装置の断面図である。 図1に示す発光装置の平面図である。 第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を示したフローチャートである。 実施形態に係る銀硫化防止材の塗布工程後における発光装置の断面図である。 乾燥工程後における発光装置の断面図である。 透明封止樹脂充填工程後における発光装置の断面図である。 実施形態に係る銀硫化防止材から形成される銀硫化防止膜の構成を説明するための概念図である。 第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を示したフローチャートである。 図8の製造方法により製造した発光装置の断面図である。 第3の実施形態に係る発光装置の製造方法を示したフローチャートである。 図10の製造方法により製造した発光装置の断面図である。
本実施形態に係る銀硫化防止材は粘土及び有機チタン化合物を含む。この銀硫化防止材には、粘土及び有機チタン化合物を分散させるための溶媒を含有させることができる。本実施形態の銀硫化防止材によれば、銀を含有する金属層の表面に塗布し乾燥することにより、銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止膜を形成することができる。上記金属層としては、例えば、銀めっき層、ダイボンドのための銀ペーストが挙げられる。
粘土としては、天然粘土及び合成粘土並びにこれらの変性物のうちの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
天然粘土としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイトが挙げられる。市販品としては、クニピア(クニミネ工業(株)製、商品名、クニピアF)が挙げられる。
合成粘土としては、例えば、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトが挙げられる。市販品としては、ルーセンタイト(コープケミカル(株)製、商品名、SWN)が挙げられる。
天然粘土の変性物としては、例えば、市販品としてクニピアLSS35(クニミネ工業(株)製、商品名)、ルーセンタイト(コープケミカル(株)製、商品名、SPN)が挙げられる。
本実施形態においては、形成する銀硫化防止膜の硫化防止性を向上させる観点から、粘土としてモンモリロナイトを含有することが好ましい。モンモリロナイトは、厚さが1nm以下、直径方向の長さが10nm以上400nm以下の形状を有するものが好ましく、更にアスペクト比が10以上であるものが好ましい。ここでのアスペクト比は、結晶の平均長辺長さ/平均厚みを意味する。
有機チタン化合物としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。
チタンテトライソプロポキシド(Ti(O−i−C)、
チタンテトラノルマルブトキシド(Ti(O−n−C)、
チタンブトキシドダイマー((n−CO)Ti−O−Ti(O−n−C)、
チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド(Ti(OC17
チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセテート)(Ti(O−i−C(C)、
チタンテトラアセチルアセテート(Ti(C)、
チタニウムジ−2−エチルヘキソキシビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)(Ti(OC17(C17)、
チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)(Ti(O−i−C(C)、
チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミノエート)(Ti(O−i−C(C14N))、
チタンラクテートアンモニウム塩(Ti(OH)[OCH(CH)COO)](NH )、
チタンラクテート((Ti(OH)[OCH(CH)COO)])、
ポリヒドロキシチタンステアレート(i−CO[Ti(OH)(OCOC1735)O]n−i−C)、
チタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート、
ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン(Ti[OCH(CH[OC(CH)CHCOCH)、
プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、
i−CO[Ti(O−i−CO]−i−Cで示される重合体、
i−CO[Ti(O−i−CO]−i−Cで示される重合体、
トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、
ジ−i−プロポキシチタンジステアレート、
チタニウムステアレート、
ジ−i−プロポキシチタンジイソステアレート、
(2−n−ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタン、
ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン(Ti(O−n−C[OCN(COH)
チタンラクテートモノアンモニウム塩。
上述した有機チタン化合物は市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、オルガチックスTA−10、TA−22、TA−25、TA−30、TC−100、TC−401、TC−200、TC−750、TC−400、TC−300、TC−310、TC−315、TPHS(以上、マツモトファインケミカル株式会社製、製品名)、及び、A−1、B−1、TOT、TOG、T−50、T−60、A−10、B−2、B−4、B−7、B−10、TBSTA、DPSTA−25、S−151、S−152、S−181、TAT、TLA−A−50(以上、日本曹達株式会社製、製品名)が挙げられる。
水溶性液体に溶解した粘土溶液に添加が可能である観点から、有機チタン化合物は水溶性有機チタン化合物が好ましい。このような有機チタン化合物としては、例えば、チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミノエート)、チタンラクテート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテートモノアンモニウム塩、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタンが挙げられる。
更に、水溶液中での安定性の観点から、チタンラクテートモノアンモニウム塩がより好ましい。
本実施形態の銀硫化防止材は、形成する銀硫化防止膜の密着性を更に高める観点から、粘土と有機チタン化合物との質量比が75/50〜10/90であることが好ましい。また、密着性と銀硫化防止性とを両立させる観点から、粘土と有機チタン化合物との質量比が50/50〜10/90であることが好ましく、20/80〜10/90であることがより好ましい。
本実施形態の銀硫化防止材は、銀硫化防止膜の硫化防止性能を向上させる観点から、粘土及び有機チタン化合物の合計含有量が銀硫化防止材の固形分全量を基準として5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることがさらにより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
銀硫化防止材の固形分の質量は以下のようにして測定される値を意味する。銀硫化防止材をアルミ皿に取り、150℃で2時間乾燥した後の質量を測定する。また、銀硫化防止材の固形分濃度は、銀硫化防止材をアルミ皿に取り、その質量を測定し、その後、150℃で2時間乾燥した後の質量を測定した値から下記式に従って求められる。
固形分濃度=(乾燥後の質量)/(乾燥前の質量)×100
また本実施形態の銀硫化防止材における粘土の濃度は、銀硫化防止膜の硫化防止性能を向上させる観点から、銀硫化防止材全量基準で0.01質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがさらにより好ましい。
溶媒としては、例えば、水、水溶性液体が挙げられる。
水としては、例えば、超純水が使用される。超純水は、イオン性不純物が極微量含まれる水であって、電気抵抗率(比抵抗、MΩ・cm)(JIS K0552)を指標として、25℃における理論値が15MΩ・cm以上の水、好ましくは18MΩ・cm以上の水を用いることができる。
水溶性液体としては、例えば、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、ジエチルアミン、(t)ブチルアルコール、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アリルアルコール、アクリル酸、酢酸、エチレングリコール、グリセリン、メタクリル酸、酪酸等の液体を採用することができる。水溶性液体とは、1気圧において、温度20℃で同容量の純水と穏やかにかき混ぜた場合、流動が収まった後も当該混合液が均一な外観を維持するものをいう。
本実施形態においては、溶媒として水と水溶性液体とを含有させることが好ましい。均一な銀硫化防止膜を形成して硫化防止性を向上させる観点から、水と水溶性液体との質量比は、99/1〜50/50であることが好ましく、95/5〜60/40であることがより好ましく、90/10〜70/30であることがさらにより好ましい。
本実施形態の銀硫化防止材には本発明の効果が損なわれない範囲で各種添加剤を加えることができる。添加剤としては、例えば、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウムが挙げられる。
本実施形態の銀硫化防止材の調製方法としては、例えば、水を含む溶媒に、粘土、有機チタン化合物、及び必要に応じて上記添加剤を加えて分散し、撹拌する方法が挙げられる。撹拌は、例えば、自転・公転ミキサー、攪拌子、超音波、振震器等を用いて行うことができる。
本実施形態の銀硫化防止材によれば、銀を含有する金属層の表面上に塗布し乾燥することにより、金属層の表面に銀の硫化を十分抑制することができる銀硫化防止膜を形成することができる。
また、本実施形態の銀硫化防止材によれば、厚みが0.3nm以上であってもクラックが発生しにくい粘土膜を形成することができる。特に、銀硫化防止膜の厚みを0.01〜1000nm、好ましくは0.05〜100nmとすることで、耐クラック性と優れた銀硫化防止性と両立することができる。
本実施形態の銀硫化防止材によって、密着性、耐クラック性及び銀硫化防止性に優れた銀硫化防止膜を形成することができる理由について本発明者らは以下のとおり考えている。粘土の表面上に吸着した有機チタン化合物は乾燥処理することで隣接する分子間で縮合して強固な化学結合をとることができる。これにより、粘土の層間及び粘土膜の表面と銀との間の接着性を更に高めることができ、さらには粘土膜の表面とリフレクタを構成する樹脂及び封止材を構成するシリコーン樹脂との間の接着性を更に高めることができることが上記効果の得られる理由として考えられる。
次に、本実施形態の銀硫化防止材を用いた銀硫化防止膜の形成方法及び発光素子の製造方法の好適な実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を説明する前に、図1及び図2を参照して、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法により製造される発光装置の構成について説明する。
図1は、発光装置の断面図である。図2は、図1に示す発光装置の平面図である。図1及び図2に示すように、実施形態に係る発光装置1は、一般に「表面実装型」に分類されるものである。この発光装置1は、基板10と、発光素子として基板10の表面にボンディングされた青色LED30と、青色LED30を取り囲むように基板10の表面に設けられたリフレクタ20と、リフレクタ20に充填されて青色LED30を封止する透明封止樹脂40と、を備えている。なお、図2では、透明封止樹脂40の図示を省略している。
基板10は、絶縁性の基体12の表面に銅めっき板14が配線されており、銅めっき板14の表面に銀めっき層16が形成されている。銀めっき層16は、基板10の表面に配置されて青色LED30と導通される電極となっている。なお、銀めっき層16は、銀を含むめっき層であれば如何なる組成であってもよい。例えば、銀のみをめっきすることにより銀めっき層16を形成してもよく、ニッケル及び銀をこの順でめっきすることにより銀めっき層16を形成してもよい。銅めっき板14及び銀めっき層16は、アノード側とカソード側とに絶縁されている。アノード側の銅めっき板14及び銀めっき層16とカソード側の銅めっき板14及び銀めっき層16との間の絶縁は、例えば、アノード側の銅めっき板14及び銀めっき層16とカソード側の銅めっき板14及び銀めっき層16とを離間させ、適宜、その間に樹脂及びセラミックなどの絶縁層を挿入することにより行うことができる。
青色LED30は、アノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16にダイボンドされており、ダイボンド材32を介して当該銀めっき層16と導通されている。また、青色LED30は、アノード側及びカソード側の何れか他方の銀めっき層16にワイヤボンドされており、ボンディングワイヤ34を介して当該銀めっき層16と導通されている。
リフレクタ20は、青色LED30を封止するための透明封止樹脂40を充填させるとともに、青色LED30から発せられた光を発光装置1の表面側に反射させるものである。リフレクタ20は、青色LED30を取り囲むように基板10の表面から立設されている。すなわち、リフレクタ20には、青色LED30を取り囲むように基板10の表面10aから立ち上がって内側に青色LED30を収容する内側空間22を形成し、平面視(図2参照)において円形に形成された内周面20aと、内周面20aに隣接して内側空間22の外側に位置し、内周面20aの表側端縁から内側空間22の反対側に向けて広がる頂面20bと、頂面20bの外側端縁から基板10の表面10aに立ち下がり、平面視(図2参照)において矩形に形成された外周面20cと、を備えている。内周面20a及び外周面20cの形状は特に限定されるものではないが、発光装置1の照度向上の観点から、内周面20aは、基板10から離れるに従い拡径する円錐台形状(漏斗状)に形成することが好ましく、発光装置1の集積度向上の観点から、外周面20cは、基板10に対して垂直な四角形状に形成することが好ましい。なお、図面では、内周面20aの形成例として、基板10側に位置する下部分が基板10に対して垂直となっており、基板10の反対側に位置する上部分が基板10から離れるに従い拡径しているものを図示している。
リフレクタ20は、白色顔料が含有された熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなっている。熱硬化性樹脂組成物は、リフレクタ20の形成容易性の観点から、熱硬化前においては室温(25℃)で加圧成型可能なものが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、シアネート樹脂等種々のものを用いることができる。特に、エポキシ樹脂は、種々の材料に対する接着性が優れるため好ましい。
白色顔料としては、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン又は酸化ジルコニウムを使用することができる。これらの中でも光反射性の点から酸化チタンが好ましい。白色顔料として無機中空粒子を使用してもよい。無機中空粒子の具体例として、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、シラス等が挙げられる。
透明封止樹脂40は、リフレクタ20の内周面20aにより形成される内側空間22に充填されて、青色LED30を封止するものである。この透明封止樹脂40は、透光性を有する透明封止樹脂からなる。透明封止樹脂には、完全に透明な樹脂の他、半透明な樹脂も含まれる。透明封止樹脂としては、弾性率が室温(25℃)において1MPa以下のものが好ましい。特に、透明性の点からシリコーン樹脂又はアクリル樹脂を採用することが好ましい。透明封止樹脂は、光を拡散する無機充填材や青色LED30から発せられる青色光を励起源として白色光とする蛍光体42を更に含有してもよい。
そして、本実施形態に係る発光装置1は、銀めっき層16が銀硫化防止膜50により被覆されており、透明封止樹脂40とリフレクタ20とが接合されている。
銀硫化防止膜50は、銀めっき層16を被覆することにより銀めっき層16の硫化を抑制するものであり、上述した本実施形態の銀硫化防止材から形成されている。銀硫化防止材が粘土としてモンモリロナイトを含む場合には、図7に示すようなガスのパスルートが長くガスバリア性に優れる膜が形成され、更にこの膜は、粘土の表面に有する水酸基(−OH)が有機チタン化合物のチタンアルコキシド(−Ti−OR)と反応して脱アルコールにより形成される共有結合(−Ti−O−)を有するため、粘土間の結合距離が短くなり、優れたガスバリア性を得ることができる。
銀硫化防止膜50の膜厚は、0.01μm以上1000μm以下であることが好ましく、0.03μm以上500μm以下であることがより好ましく、0.05μm以上100μm以下であることが更に好ましく、0.05μm以上10μm以下であることがさらにより好ましく、0.05μm以上1μm以下であることが特に好ましい。銀硫化防止膜50の膜厚を0.01μm以上1000μm以下とすることで、銀めっき層16に対するガスバリア性と銀硫化防止膜50の透明性とを両立させることができる。この場合、銀硫化防止膜50の膜厚を0.03μm以上500μm以下、0.05μm以上100μm以下、0.05μm以上10μm以下、0.05μm以上1μm以下とすることで、この効果を更に向上させることができる。また、銀硫化防止膜50は、本実施形態の銀硫化防止材から形成されていることにより、上記の膜厚においてもクラックが発生しにくい。
膜厚の調整は、例えば、銀硫化防止材における溶媒の含有量を変更して粘土及び有機チタン化合物の濃度を適宜調整することにより行うことができる。また、銀硫化防止材の滴下量及び滴下回数によっても膜厚を調整することができる。
密着性の観点から、銀硫化防止膜50における粘土と有機チタン化合物との質量比は75/25〜10/90であることが好ましい。また、密着性と銀硫化防止性とを両立させる観点から、銀硫化防止膜50における粘土と有機チタン化合物との質量比が50/50〜10/90であることが好ましく、20/80〜10/90であることがより好ましい。
銀硫化防止膜の硫化防止性能を向上させる観点から、銀硫化防止膜50における粘土及び有機チタン化合物の合計含有量は、銀硫化防止膜全量を基準として、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることがさらにより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
次に、第1の実施形態に係る発光装置1の製造方法について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を示したフローチャートである。図3に示すように、発光装置の製造方法では、まず、基板準備工程(ステップS101)として、表面に銅めっき板14が配線された絶縁性の基体12を準備し、銀めっき層形成工程(ステップS102)として、銅めっき板14の表面に銀めっき層16を形成する。
次に、リフレクタ形成工程(ステップS103)として、基板10の表面にリフレクタ20を形成し、チップ搭載工程(ステップS104)として、基板10に青色LED30を搭載する。青色LED30の基板10への搭載は、リフレクタ20で囲まれた内側空間22において、アノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16に青色LED30をダイボンディングすることにより行う。これにより、青色LED30がダイボンド材32を介してアノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16と導通されるとともに、青色LED30がリフレクタ20に取り囲まれて内側空間22に収容された状態となる。
次に、銀硫化防止材の塗布工程(ステップS105)として、銀めっき層16に本実施形態の銀硫化防止材を塗布して銀めっき層16を銀硫化防止材で覆う。
銀硫化防止材の塗布工程(ステップS105)における銀硫化防止材の塗布は、例えば、基板10の表面側から、銀硫化防止材を内側空間22に滴下又は散布することにより行う。このとき、少なくとも銀めっき層16の全てが銀硫化防止材Lで覆われるように、銀硫化防止材の滴下量又は散布量を調節する。この場合、例えば、図4の(a)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てが銀硫化防止材Lで覆われるように、銀硫化防止材Lを内側空間22に滴下又は散布してもよく、図4の(b)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てとリフレクタ20の内周面20aの一部とが銀硫化防止材Lで覆われるように、銀硫化防止材Lを内側空間22に滴下又は散布してもよい。
次に、乾燥工程(ステップS106)として、銀めっき層16に塗布した銀硫化防止材の塗膜を乾燥させて銀硫化防止膜50を形成する。
乾燥工程は、溶媒が揮発する温度で行うことができ、例えば、溶媒して水を用いる場合、30℃以上80℃以下の温度範囲とすることが好ましく、30℃以上70℃以下の温度範囲とすることがより好ましく、30℃以上60℃以下の温度範囲とすることがさらにより好ましい。この温度域を保つ時間は、例えば、5分以上とすることができ、十分に乾燥させるという点で、5分以上1日以下とすることが好ましく、5分以上30分以下とすることがより好ましい。
また、溶媒が水とイソプロパノールとを含む場合の乾燥工程は、例えば、30℃以上80℃以下の温度範囲とすることが好ましく、35℃以上80℃以下の温度範囲とすることがより好ましく、40℃以上80℃以下の温度範囲とすることがさらにより好ましい。この温度域を保つ時間は、例えば、5分以上とすることができ、乾燥時間短縮の点で、5分以上30分以下とすることが好ましく、5分以上15分以下とすることがより好ましい。
このようにして乾燥工程を行うことで、図4の(a)に示した粘土希釈液Lは、図5の(a)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てを被覆する銀硫化防止膜50となり、図4の(b)に示した粘土希釈液Lは、図5の(b)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てとリフレクタ20の内周面20aの一部とを被覆する銀硫化防止膜50となる。
本実施形態においては上記の乾燥工程の後に150℃、30分の条件で銀硫化防止膜50を十分に乾燥することが好ましい。これにより、粘土膜の層間を狭めることによる硫化防止性の更なる向上の効果を得ることができる。
図3に示すように、乾燥工程(ステップS106)が終了すると、次に、ワイヤボンディング工程(ステップS107)として、青色LED30とアノード側及びカソード側の何れか他方の銀めっき層16とをワイヤボンディングする。このとき、青色LED30及び銀めっき層16に被覆されている銀硫化防止膜50を突き破るようにワイヤの両端を青色LED30と銀めっき層16とにボンディングすることで、青色LED30と銀めっき層16とを導通させる。なお、銀硫化防止膜50の突き破りは、例えば、銀硫化防止膜50の層厚を調節することや、ワイヤボンディングを行うボンディングヘッドの荷重を調節することや、このボンディングヘッドを振動させることなどにより行うことができる。
次に、透明封止樹脂充填工程(ステップS108)として、リフレクタ20の内周面20aにより形成される内側空間22に、蛍光体42が含有された透明封止樹脂40を充填する。これにより、青色LED30及び銀めっき層16が透明封止樹脂40(透明封止部)により封止される。
このようにして透明封止樹脂充填工程を行うことで、図5の(a)に示した発光装置1は、図6の(a)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てが銀硫化防止膜50で被覆された状態で、銀めっき層16及び青色LED30が透明封止樹脂40により封止された発光装置1となり、図5の(b)に示した発光装置1は、図6の(b)に示すように、銀めっき層16及び青色LED30の全てとリフレクタ20の内周面20aの一部とが銀硫化防止膜50で被覆された状態で、銀めっき層16及び青色LED30が透明封止樹脂40により封止された発光装置1となる。
このように、第1の実施形態に係る発光装置1の製造方法によれば、本実施形態の銀硫化防止材で銀めっき層16を覆ったのち、銀硫化防止材の塗膜を乾燥させることで、銀硫化防止材に含まれる粘土が積層した銀硫化防止膜50が形成され、銀めっき層16が銀硫化防止膜50で被覆される。これにより、銀めっき層16を適切に被覆できる銀硫化防止膜50を形成することができる。
発光装置1に設けられたリフレクタ20の内側空間22に本実施形態の銀硫化防止材を滴下又は散布することで、容易に銀めっき層を覆う銀硫化防止膜を形成することができる。
[第2の実施形態]
次に第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る発光装置の製造方法は、基本的に第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と同様であるが、工程の順序のみ第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と相違する。このため、以下の説明では、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と相違する部分のみを説明し、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と同様の部分の説明を省略する。
図8は、第2の実施形態における発光装置の製造方法を示したフローチャートである。図9は、図8の製造方法により製造した発光装置の断面図である。
図8に示すように、第2の実施形態に係る発光装置1の製造方法は、まず、第1の実施形態と同様に、基板準備工程(ステップS201)、銀めっき層形成工程(ステップS202)及びリフレクタ形成工程(ステップS203)をこの順序で行う。なお、基板準備工程(ステップS201)、銀めっき層形成工程(ステップS202)及びリフレクタ形成工程(ステップS203)は、第1の実施形態の基板準備工程(ステップS101)、銀めっき層形成工程(ステップS102)及びリフレクタ形成工程(ステップS103)と同様である。
次に、銀硫化防止材の塗布工程(ステップS204)として、銀めっき層16に本実施形態の銀硫化防止材を塗布して銀めっき層16を銀硫化防止材で覆う。
次に、乾燥工程(ステップS205)として、銀めっき層16に塗布した銀硫化防止材の塗膜を乾燥させて銀硫化防止膜50を形成する。なお、乾燥工程(ステップS205)は、第1の実施形態の乾燥工程(ステップS106)と同様に行うことができる。
次に、チップ搭載工程(ステップS206)として、アノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16に青色LED30をダイボンディングする。このとき、第1の実施形態のワイヤボンディング工程(ステップS107)と同様に、銀めっき層16に被覆されている銀硫化防止膜50を突き破るように青色LED30を銀めっき層16にボンディングすることで、青色LED30と銀めっき層16とを導通させる。
次に、ワイヤボンディング工程(ステップS207)として、青色LED30とアノード側及びカソード側の何れか他方の銀めっき層16とをワイヤボンディングする。このとき、銀めっき層16は銀硫化防止膜50で被覆されているため、第1の実施形態のワイヤボンディング工程(ステップS107)と同様に、銀めっき層16に被覆されている銀硫化防止膜50を突き破るようにワイヤの一端を銀めっき層16にボンディングする。一方、青色LED30は銀硫化防止膜50で被覆されていないため、ボンディングワイヤ34の他端は、通常通り青色LED30にボンディングすることができる。これにより、青色LED30と銀めっき層16とが導通される。
次に、ステップS208として透明封止樹脂充填工程を行う。
このように、第2の実施形態に係る発光装置の製造方法によれば、銀硫化防止材の塗布工程及び乾燥工程を経てからチップ搭載工程を行うことで、図9に示すように、青色LED30が銀硫化防止膜50で被覆されない発光装置1を製造することができる。これにより、ワイヤボンディング工程において、ボンディングワイヤ34の一端を青色LED30にボンディングする際に、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法のように、銀硫化防止膜50を突き破る必要がなくなる。
[第3の実施形態]
次に第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る発光装置の製造方法は、基本的に第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と同様であるが、工程の順序のみ第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と相違する。このため、以下の説明では、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と相違する部分のみを説明し、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法と同様の部分の説明を省略する。
図10は、第3の実施形態における発光装置の製造方法を示したフローチャートである。図11は、図10の製造方法により製造した発光装置の断面図である。
図10に示すように、第3の実施形態に係る発光装置1の製造方法は、まず、第1の実施形態と同様に、基板準備工程(ステップS301)及び銀めっき層形成工程(ステップS302)をこの順序で行う。なお、基板準備工程(ステップS301)及び銀めっき層形成工程(ステップS302)は、第1の実施形態の基板準備工程(ステップS101)及び銀めっき層形成工程(ステップS102)と同様である。
次に、銀硫化防止材の塗布工程(ステップS303)として、銀めっき層16に本実施形態の銀硫化防止材を塗布して銀めっき層16を銀硫化防止材で覆う。このとき、作業性の観点から、銀硫化防止材を銀めっき層16が形成されている基板10の表面全体に塗布することが好ましいが、銀めっき層16のみを覆うように銀硫化防止材を塗布してもよい。
次に、乾燥工程(ステップS304)として、銀めっき層16に塗布した銀硫化防止材の塗膜を乾燥させて銀硫化防止膜50を形成する。なお、乾燥工程(ステップS304)は、第1の実施形態の乾燥工程(ステップS106)と同様に行うことができる。
次に、リフレクタ形成工程(ステップS305)として、基板10の表面にリフレクタ20を形成する。このとき、銀硫化防止材の塗布工程(ステップS303)で基板10の表面全体に銀硫化防止材を塗布した場合は、基板10の表面を被覆している銀硫化防止膜50の表面にリフレクタ20を形成する。
次に、チップ搭載工程(ステップS306)として、アノード側及びカソード側の何れか一方の銀めっき層16に青色LED30をダイボンディングする。このとき、第1の実施形態のワイヤボンディング工程(ステップS107)と同様に、銀めっき層16に被覆されている銀硫化防止膜50を突き破るように青色LED30を銀めっき層16にボンディングすることで、青色LED30と銀めっき層16とを導通させる。
次に、ワイヤボンディング工程(ステップS307)として、青色LED30とアノード側及びカソード側の何れか他方の銀めっき層16とをワイヤボンディングする。このとき、銀めっき層16は銀硫化防止膜50で被覆されているため、第1の実施形態のワイヤボンディング工程(ステップS107)と同様に、銀めっき層16に被覆されている銀硫化防止膜50を突き破るようにワイヤの一端を銀めっき層16にボンディングする。一方、青色LED30は銀硫化防止膜50で被覆されていないため、ボンディングワイヤ34の他端は、通常通り青色LED30にボンディングすることができる。これにより、青色LED30と銀めっき層16とが導通される。
次に、ステップS308として透明封止樹脂充填工程を行う。
このように、第3の実施形態に係る発光装置の製造方法によれば、銀硫化防止材の塗布工程及び乾燥工程を経てからリフレクタ形成工程及びチップ搭載工程を行うことで、図11に示すように、青色LED30が銀硫化防止膜50で被覆されない発光装置1を製造することができる。これにより、ワイヤボンディング工程において、ボンディングワイヤ34の一端を青色LED30にボンディングする際に、第1の実施形態に係る発光装置の製造方法のように、銀硫化防止膜50を突き破る必要がなくなる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、発光装置1にボンディングする発光ダイオードとして、青色の光を発生する青色LED30を採用するものとして説明したが、青色以外の光を発生する発光ダイオードを採用するものとしてもよい。
また、上記実施形態の発光装置1は、青色LED30を取り囲むリフレクタ20を備えるものとして説明したが、このようなリフレクタ20を備えないものとしてもよい。
本実施形態の銀硫化防止材によれば、銀の硫化防止性に優れた銀硫化防止膜を形成できることから、蛍光体として従来から使用されている、YS:Eu(赤)、ZnS:Cu(緑)、ZnS:Ag(青)、特開平8−085787号公報に示される化合物等の硫黄含有化合物が用いられた発光装置であっても十分な耐硫化性を得ることができる。
本実施形態の銀硫化防止材は、上述した発光装置以外に、例えば、銀を含有する反射防止膜を備えるプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ等にも適用することができる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(クニピアFの2質量%水/イソプロパノール希釈液Aの調製)
容器内に、超純水88g及びクニピアF(クニミネ工業(株)製、製品名)の粉末2gを入れ、容器を手で振って撹拌した。この容器内にイソプロパノール10gを更に加えた後、自転・公転ミキサー(シンキー社製、ARE−310)を用いて2000rpmで20分混合し、次いで2200rpmで10分脱泡を行い、クニピアFの2質量%水/イソプロパノール希釈液Aを得た。
(TLA−A−50の5質量%水/イソプロパノール希釈液Bの調製)
容器内に、超純水80g及びTLA−A−50(日本曹達(株)製、製品名、チタンラクテートモノアンモニウム塩の50%水溶液)10g、イソプロパノール10gを入れ、自転・公転ミキサー(シンキー社製、ARE−310)を用いて2000rpmで20分混合し、次いで2200rpmで10分脱泡を行い、TLA−A−50の5質量%水/イソプロパノール希釈液Bを得た。
<銀硫化防止材の調製>
(調製例1)
容器内に、超純水及びイソプロパノールを質量比9/1で混合した希釈溶媒92.6gと、希釈液A7g及び希釈液B0.4gとを入れ、自転・公転ミキサー(シンキー社製、ARE−310)を用いて2000rpmで20分混合し、次いで2200rpmで10分脱泡を行った。こうして、水/イソプロパノールの質量比90/10、粘土の濃度0.14%質量%及び有機チタン化合物の濃度0.02質量%の銀硫化防止剤を得た。
(調製例2〜10)
希釈液Bの配合量を変更して有機チタン化合物の濃度を0.04質量%、0.06質量%、0.08質量%、0.10質量%、0.15質量%、0.20質量%、0.30質量%、0.50質量%、1.00質量%とした以外は調製例1と同様にして、銀硫化防止材をそれぞれ調製した。
<密着性の評価>
上記で作製した銀硫化防止材について、以下の「密着性試験」に従って銀めっき及びポリフタル酸アミドに対する密着性をそれぞれ評価した。
[密着性試験]
銀めっき層が設けられた基板とポリフタル酸アミドからなる基板をそれぞれ用意し、これらの基板上に、マイクロピペッターを用いて銀硫化防止材を1μl滴下し、面積が約3mmの塗膜を形成した。次に、恒温槽内に塗膜を形成した基板を入れ、50℃で10分乾燥した。乾燥後、恒温槽の温度を150℃に上げて30分間加熱し、2種類の試験サンプルを得た。
基板上に形成された膜に、31Bテープ(日東電工社製、製品名)を23℃±5℃、10Nの条件で貼り付け、5分後にテープを引き剥がした。このとき、膜が基板上に残った場合をA、テープ側に剥がれた場合をBとした。
<硫化防止性の評価>
上記で作製した銀硫化防止材について、以下の「硫黄試験1」に従って硫化防止性を評価した。
[硫黄試験1]
1.銅板上に銀めっき層が設けられたLED用リードフレームである「TOP LED OP4」(エノモト(株)製)に、マイクロピペッターで銀硫化防止材を3μl滴下した。
2.恒温槽内に銀硫化防止材を滴下したリードフレームを入れ、50℃で10分乾燥した。
3.乾燥後、恒温槽の温度を150℃に上げて30分間加熱し、試験サンプルを得た。 4.密閉可能なガラス瓶内に、硫黄粉末(0.5g)を入れたアルミ製カップを置き、このカップの上にステンレス製の金網を載せた。次に、上記3で得られた試験サンプルを、金網の上に銀硫化防止材を滴下した側を上にしてサンプル同士が重ならないようにして置いた。
5.ガラス瓶を密閉した後、80℃で4時間保存した。
6.ガラス瓶から試験サンプルを取り出し、銀めっき層全面と端部の硫化の有無を光学顕微鏡で確認した。
試験サンプルはそれぞれ8個作製し、このうちの硫化が見られなかった個数を表1に示す。
Figure 0005939044

(調製例11)
クニピアF及びTLA−A−50の配合量を変更して、粘土の濃度を0.5質量%及び有機チタン化合物の濃度を1.1質量%とした以外は調製例1と同様にして、銀硫化防止材を調製した。
(比較調製例2)
TLA−A−50を配合せず、クニピアFの配合量を変更して、粘土の濃度を1.2質量%とした以外は調製例1と同様にして、銀硫化防止材をそれぞれ調製した。
<耐クラック性の評価>
上記で作製した銀硫化防止材について、以下の「クラック試験」に従って耐クラック性を評価した。
[クラック試験]
銅板上に銀めっき層が設けられたLED用リードフレームである「TOP LED OP4」(エノモト(株)製)に、マイクロピペッターで銀硫化防止材を3μl、表2に示される回数滴下した。恒温槽内に銀硫化防止材を滴下したリードフレームを入れ、50℃で10分乾燥した。乾燥後、恒温槽の温度を150℃に上げて30分間加熱し、試験サンプルを得た。乾燥後の膜厚は表2に示す。
試験サンプルを電子顕微鏡で観察し、膜上の割れの有無を評価した。
Figure 0005939044

1…発光装置、10…基板、10a…基板の表面、12…基体、14…銅めっき板、16…銀めっき層、20…リフレクタ(光反射部)、20a…内周面、20b…頂面、20c…外周面、22…内側空間、30…青色LED(青色発光ダイオード)、32…ダイボンド材、34…ボンディングワイヤ、40…透明封止樹脂(透明封止部)、42…蛍光体、50…銀硫化防止膜、L…銀硫化防止材。

Claims (7)

  1. 粘土と、チタンアルコキシド構造を有する有機チタン化合物と、を含有する、銀硫化防止材。
  2. 前記粘土と前記有機チタン化合物との質量比が75/25〜10/90である、請求項1に記載の銀硫化防止材。
  3. 前記有機チタン化合物が、水溶性有機チタン化合物を含む、請求項1又は2に記載の銀硫化防止材。
  4. 前記有機チタン化合物が、チタンラクテートモノアンモニウム塩である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の銀硫化防止材。
  5. 銀が含まれる金属層の表面に、請求項1〜のいずれか一項に記載の銀硫化防止材を塗布して前記銀硫化防止材の塗膜を形成する塗布工程と、
    前記塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備える、銀硫化防止膜の形成方法。
  6. 前記金属層が銀めっき層である、請求項に記載の銀硫化防止膜の形成方法。
  7. 銀めっき層を有する基板と、前記基板上に搭載された発光素子と、を備える、発光装置の製造方法であって、
    前記銀めっき層の表面に、請求項1〜のいずれか一項に記載の銀硫化防止材を塗布して前記銀硫化防止材の塗膜を形成する塗布工程と、
    前記塗膜を乾燥する乾燥工程と、を備える、発光装置の製造方法。
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