JP2019178054A - コア材及び放熱基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】等方的な高放熱性と高強度が両立したコア材の提供。【解決手段】フィラーを含有するセラミック材料を含んでなるコア材10Aであって、前記フィラーは、無機粒子(微細アルミナ粒子等)を還元剤(カーボンブラック分散液)と混合し、次いで分散液を乾燥して顆粒を作製し、この顆粒を1500から1600℃の温度でアルゴン雰囲気下10時間熱処理して無機粒子表面から外側へ延びる複数のウイスカーを成長させ、製造する。このフィラーをガラス成分に添加・混合し、シート成形、積層して80MPaでプレス後、大気中900℃で1時間焼成することにより高熱伝導率のコア材を得る。【選択図】図7
Description
本発明は、コア材及び放熱基板に関する。
プリント配線基板に用いられる代表的な放熱基板として、ガラスクロスにエポキシ樹脂等の樹脂成分を含浸させたプリプレグを積層し、熱プレスして得られたコア材を用い、その上下にさらにプリプレグを積層し熱プレスして得られる、樹脂シート(プリプレグを硬化したもの)と回路パターン層とが積層されてなるガラスエポキシ基板が広く用いられている。このガラスエポキシ基板では、熱伝導率の高いフィラーを混ぜた樹脂シート中にガラスクロスを含む構成とすることで、高放熱性と高強度との両立を図っている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来のガラスエポキシ基板では、フィラー量が多いほど熱伝導率を高くできるが、ガラスクロスを樹脂シート中に含むことが難しくなるし、また、無機材料フィラーの量が多くなるほど基板の硬度が増し加工しにくいという問題や、多層基板の場合は樹脂量が不足し積層が出来ないことなどの問題がある。
また、そもそも、熱伝導率の高いフィラーを混ぜた樹脂シート中にガラスクロスを含む樹脂シートと回路パターン層とが積層されてなる放熱基板の場合、放熱基板の強度はガラスクロスが担っているが、強度をさらに向上させることが難しい。
また、そもそも、熱伝導率の高いフィラーを混ぜた樹脂シート中にガラスクロスを含む樹脂シートと回路パターン層とが積層されてなる放熱基板の場合、放熱基板の強度はガラスクロスが担っているが、強度をさらに向上させることが難しい。
球状粉と鱗片状の無機材料フィラーを混合する手法がある(例えば、特許文献1、2参照)。鱗片状の無機材料フィラーが球状フィラー同士をつなぐ(パスを作る)役割をし、低い充填量でも高い熱伝導性が得られるという提案である。しかしながら、鱗片フィラーを均一に分布させることが難しく、必ずしも球状フィラーに接触するとは限らないため、想定しているような十分な効果が得られにくい。また塗布の際に板状フィラーが水平に配向するため熱伝導率に異方性が生じる。
一方、電界をかけることで鱗片フィラーを基板にたいして垂直方向へ配向させる手法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、手法が特殊であり量産向きではないこと、部品を実装した際の強度が低下するという課題がある。また、部品の実装方法や基板構造によっては必ずしも垂直方向へ熱が流れることが良いわけではなく、熱の拡散は異方性が少なく均一であることが必要である。
また、熱伝導率の高いセラミックスを基板とする放熱基板も知られているが、セラミックス基板と配線材料である銅とは熱膨張率差が大きいため、製造した銅張基板は大きな応力を有することになるという問題があった(例えば、特許文献2参照)。
本発明者は、等方的な熱伝導率の部材を作製可能な新規形状のフィラー、及び、セラミックス基板と配線材料である銅の大きな熱膨張率差による大きな応力発生の問題を解消する製造プロセスを開発した。これによって、等方的な熱伝導率を有し、大きな応力発生の問題が解消された本発明に想到した。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、等方的な高放熱性と高強度が両立したコア材及び放熱基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の一態様に係るコア材は、フィラーを含有するセラミック材料を含んでなるコア材であって、前記フィラーが無機粒子と前記無機粒子の表面から外側に向けて延びている複数のウィスカーとからなる。
(2)上記態様において、コア材前記無機粒子の平均粒径をa、前記ウィスカーの平均長さをbとしたとき、0.5≦b/a≦2であってもよい。
(3)上記態様において、前記無機粒子と前記ウィスカーとが同じ材料からなってもよい。
(4)本発明の他の態様に係る放熱基板は、複数の導体パターン層を有し、電子部品が実装される放熱基板であって、上記態様に係るコア材を複数備え、前記複数のコア材のうちの少なくとも一部のコア材は、少なくとも一方の面に導体パターン層が形成されており、前記複数のコア材が樹脂層を介して積層されてなる。
(5)上記態様において、前記セラミック材料はガラス成分を含有し、前記ガラス成分は、SiO2、B2O3、Al2O3及びアルカリ土類金属酸化物を含有するガラス成分、SiO2、CaO、MgO、及びAl2O3を含有し、ディオプサイド結晶を析出する結晶性ガラス成分、Bi2O3、SiO2、Al2O3、B2O3、ZrO2、TiO2を含有するガラス成分のうち、少なくともいずれかのガラス成分を含んでもよい。
本発明のコア材によれば、等方的な高放熱性と高強度が両立したコア材を提供できる。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
「コア材」
本発明の一実施形態に係るコア材は、フィラーを含有するセラミック材料を含んでなるコア材であって、フィラーが、無機粒子と、無機粒子の表面から外側に向けて延びている複数のウィスカーとからなる。
本発明の一実施形態に係るコア材は、フィラーを含有するセラミック材料を含んでなるコア材であって、フィラーが、無機粒子と、無機粒子の表面から外側に向けて延びている複数のウィスカーとからなる。
<フィラー>
フィラーは、無機粒子と、無機粒子の表面から外側に向けて延びている複数のウィスカーとからなる。
フィラーが無機粒子とウィスカーとが一体化した形状を有するため、コア材にフィラーを充填した際にフィラーが全方向に等方的に接触することが可能となり、等方的な熱伝導性を有するものとなる。
ウィスカー同士が各方向で接触することになるので、充填量を下げても従来法と同等の熱伝導率が得られる。
フィラーは、無機粒子と、無機粒子の表面から外側に向けて延びている複数のウィスカーとからなる。
フィラーが無機粒子とウィスカーとが一体化した形状を有するため、コア材にフィラーを充填した際にフィラーが全方向に等方的に接触することが可能となり、等方的な熱伝導性を有するものとなる。
ウィスカー同士が各方向で接触することになるので、充填量を下げても従来法と同等の熱伝導率が得られる。
無機粒子の材料としては、熱伝導性を向上させる材料として公知のものを用いることができ、例えば、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、シリカ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素からなる群から選択された一種又は複数種を選択することができる。
無機粒子の形状は例えば、球形、楕円体のものを用いることができるが、アスペクト比(球径または楕円形の長径/短径)が1〜1.18であると、所望の平均粒径を達成しやすく、好ましい。
無機粒子の平均粒径は、例えば、25μm以下のものを選択できる。
ここで、無機粒子の平均粒径とは、無機粒子の最も長い方向の粒径の平均値を意味する。この平均粒径は後述するように、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてフィラーのSEM像を1000倍の視野で10枚撮影し、得られた画像に基づき、算出されたものとする。
無機粒子の平均粒径は、例えば、25μm以下のものを選択できる。
ここで、無機粒子の平均粒径とは、無機粒子の最も長い方向の粒径の平均値を意味する。この平均粒径は後述するように、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてフィラーのSEM像を1000倍の視野で10枚撮影し、得られた画像に基づき、算出されたものとする。
ウィスカーとしては、公知の方法によって無機粒子の表面から結晶成長させたものを例示できるが、それに限定されない。
ウィスカーの形状は例えば、ひげ状、針状、円柱状などであるが、特にこれらに限定するものではない。
ウィスカーの長さは限定されるものではないが、例えば、50μm以下のものを選択できる。
ウィスカーの形状は例えば、ひげ状、針状、円柱状などであるが、特にこれらに限定するものではない。
ウィスカーの長さは限定されるものではないが、例えば、50μm以下のものを選択できる。
フィラーにおいて、無機粒子の平均粒径をa、ウィスカーの平均長さをbとしたとき、0.5≦b/a≦2であることが好ましい。
ここで、無機粒子の平均粒径a及びウィスカーの平均長さbとは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてフィラーのSEM像を1000倍の視野で10枚撮影し、得られた画像に基づき、各画像に映る測定可能なすべてのフィラーについてその粒子状部分の粒径(最も長い方向の粒径)の平均値、ウィスカー部分の長さ(長手方向の長さ)の平均値を意味する。b/aは、得られた平均粒径a及び平均長さbから算出するものとする。
ウィスカーの長さの規定方法について、図1を参照して説明する。
以下では、粒子状部分(無機粒子)が略球形体あるいは略楕円体の場合(SEM像上は略円形あるいは略楕円形)について説明するが、粒子状部分(無機粒子)がSEM像上、略円形あるいは略楕円形で近似できないほど円形あるいは楕円形とは異なる形状の場合には、ウィスカーが生えている各箇所を円弧で近似して、各円弧について以下と同様の方法を適用して、ウィスカーの長さを規定するものとする。
まず、図1(a)を参照して説明する。図1(a)は、ウィスカーが略円錐形状である場合の断面模式図である。
まず、粒子状部分(無機粒子)がSEM像上、略円形あるいは略楕円形であるかを決める。図1(a)は、略円形の場合である。そこで、粒子状部分(無機粒子)を円で近似する。次いで、図1(a)に図示している通り、長さを決めようとしているウィスカーについて、その円によって切り取られた円弧を確定し、円周上において円弧を2等分する点をウィスカー径の中心点とする。この中心点とウィスカーの頂点(先端)との距離を、ウィスカーの長さとする。
図1(b)は、ウィスカーが略柱状で曲線状に延びている場合の断面模式図である。この場合も、ウィスカー径の中心点は図1(a)と同様にして決める。一方、ウィスカーの頂点(先端)は、頂面(先端面)を2等分する点を頂点とする。この場合も同様に、ウィスカー径の中心点と頂点(先端)との距離をウィスカーの長さとする。
ここで、無機粒子の平均粒径a及びウィスカーの平均長さbとは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてフィラーのSEM像を1000倍の視野で10枚撮影し、得られた画像に基づき、各画像に映る測定可能なすべてのフィラーについてその粒子状部分の粒径(最も長い方向の粒径)の平均値、ウィスカー部分の長さ(長手方向の長さ)の平均値を意味する。b/aは、得られた平均粒径a及び平均長さbから算出するものとする。
ウィスカーの長さの規定方法について、図1を参照して説明する。
以下では、粒子状部分(無機粒子)が略球形体あるいは略楕円体の場合(SEM像上は略円形あるいは略楕円形)について説明するが、粒子状部分(無機粒子)がSEM像上、略円形あるいは略楕円形で近似できないほど円形あるいは楕円形とは異なる形状の場合には、ウィスカーが生えている各箇所を円弧で近似して、各円弧について以下と同様の方法を適用して、ウィスカーの長さを規定するものとする。
まず、図1(a)を参照して説明する。図1(a)は、ウィスカーが略円錐形状である場合の断面模式図である。
まず、粒子状部分(無機粒子)がSEM像上、略円形あるいは略楕円形であるかを決める。図1(a)は、略円形の場合である。そこで、粒子状部分(無機粒子)を円で近似する。次いで、図1(a)に図示している通り、長さを決めようとしているウィスカーについて、その円によって切り取られた円弧を確定し、円周上において円弧を2等分する点をウィスカー径の中心点とする。この中心点とウィスカーの頂点(先端)との距離を、ウィスカーの長さとする。
図1(b)は、ウィスカーが略柱状で曲線状に延びている場合の断面模式図である。この場合も、ウィスカー径の中心点は図1(a)と同様にして決める。一方、ウィスカーの頂点(先端)は、頂面(先端面)を2等分する点を頂点とする。この場合も同様に、ウィスカー径の中心点と頂点(先端)との距離をウィスカーの長さとする。
各フィラーにおいて、ウィスカーの本数は6本以上であることが好ましい。
ここで、各フィラーにおけるウィスカーの本数は、SEM像では垂直方向のウィスカーは観察できないため、無機粒子から成長して観察可能なフィラーについてウィスカーの本数をカウントする。
ここで、ウィスカーの本数とはウィスカーの平均本数を意味し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてフィラーのSEM像を1000倍の視野で10枚撮影し、得られた画像に基づき、各画像に映る測定可能なすべてのアルミナフィラーのウィスカーの本数の平均(小数点は四捨五入)を意味する。
ここで、各フィラーにおけるウィスカーの本数は、SEM像では垂直方向のウィスカーは観察できないため、無機粒子から成長して観察可能なフィラーについてウィスカーの本数をカウントする。
ここで、ウィスカーの本数とはウィスカーの平均本数を意味し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてフィラーのSEM像を1000倍の視野で10枚撮影し、得られた画像に基づき、各画像に映る測定可能なすべてのアルミナフィラーのウィスカーの本数の平均(小数点は四捨五入)を意味する。
無機粒子とウィスカーは、同じ材料でも異なる材料でもよい。
ウィスカーの形状や本数は、結晶成長によってウィスカーを作る場合には、その成長条件によって変えることができる。
無機粒子のみのフィラーでは接触部分が少ないが(球状フィラーのみでは点接触)、本発明のフィラーでは、ウィスカー同士が面で接触できるため、球より低い充填量でも効率のよい熱伝導パスの形成ができる。
また、本発明のフィラーは、無機粒子とウィスカーとが一体化しているので、熱伝導率の異方性がない。
また、本発明のフィラーは、無機粒子とウィスカーとが一体化しているので、熱伝導率の異方性がない。
「フィラーの作製方法」
無機粒子と還元剤(例えば、カーボン)とを混ぜて所定の雰囲気中で熱処理を行うことにより、無機粒子の表面から外側に向けて複数のウィスカーを成長させることができる。
無機粒子と還元剤(例えば、カーボン)とを混ぜて所定の雰囲気中で熱処理を行うことにより、無機粒子の表面から外側に向けて複数のウィスカーを成長させることができる。
アルミナフィラーの場合について、その製造方法を具体的に説明する。
微細なアルミナ粒子(例えば、D50=0.2μm程度)を、カーボンブラック分散液に分散する。このときアルミナ粒子に対して例えば、10wt%のカーボンブラック量となるように調整する。
次に、分散液を乾燥し、20〜30μmのアルミナ原料の顆粒を作製する。
微細なアルミナ粒子(例えば、D50=0.2μm程度)を、カーボンブラック分散液に分散する。このときアルミナ粒子に対して例えば、10wt%のカーボンブラック量となるように調整する。
次に、分散液を乾燥し、20〜30μmのアルミナ原料の顆粒を作製する。
次に、得られたアルミナ原料の顆粒を1500〜1600℃の温度で10時間、アルゴン雰囲気下で熱処理を行う。
この条件で行うと、アルミナ表面の一部がカーボンにより還元されアルミとなり蒸発し、アルミナに含まれる不純物と液相を生成する。この液相へのアルミ固溶限界を超えると、液相下より固溶しきれなくなったアルミナが針状や繊維状に成長する。それと同時に、アルミナ粒子の焼結が促進するため、粒子とウィスカーが一体化したフィラーが作製できる。
1500℃より低いと、ウィスカーはできず、アルミナの焼結も進まず顆粒のままになってしまう。また1600℃より高いと原料の微細なアルミナ粒子が急激に粒成長をし、比表面積が低下するため、ウィスカーの成長が十分起こらない。
この条件で行うと、アルミナ表面の一部がカーボンにより還元されアルミとなり蒸発し、アルミナに含まれる不純物と液相を生成する。この液相へのアルミ固溶限界を超えると、液相下より固溶しきれなくなったアルミナが針状や繊維状に成長する。それと同時に、アルミナ粒子の焼結が促進するため、粒子とウィスカーが一体化したフィラーが作製できる。
1500℃より低いと、ウィスカーはできず、アルミナの焼結も進まず顆粒のままになってしまう。また1600℃より高いと原料の微細なアルミナ粒子が急激に粒成長をし、比表面積が低下するため、ウィスカーの成長が十分起こらない。
次いで、600〜700℃、大気中で熱処理を行い、還元に未反応であったカーボン成分を分解することで所望のアルミナフィラーを得た。
図2は、推測されるアルミナフィラーの成長過程を概念的に説明するためのモデル図である。
カーボンブラックは、ウィスカーの成長促進と、アルミナフィラーの焼結を促進する助剤として機能しているものと考えられる。
また、原料にBETの高い微細粉(微細なアルミナ粒子)を使用することで、ウィスカーの成長を容易にしているものと考えられる。
カーボンブラックは、ウィスカーの成長促進と、アルミナフィラーの焼結を促進する助剤として機能しているものと考えられる。
また、原料にBETの高い微細粉(微細なアルミナ粒子)を使用することで、ウィスカーの成長を容易にしているものと考えられる。
図3に、上述の方法で得られたアルミナフィラーのSEM像に示す。目盛りは50μmである。
5μm〜25μm程度の粒子とその表面から複数延びるウィスカーとからなるフィラーが観察できる。
5μm〜25μm程度の粒子とその表面から複数延びるウィスカーとからなるフィラーが観察できる。
図4に、熱処理温度とフィラーの形状の関係を示す。
図4に示す表は、上述のアルミナフィラーの製造方法において、熱処理時間を10時間に固定して、熱処理温度が1400℃、1500℃、1550℃、1600℃、1650℃としてときに得られたフィラーのアルミナ粒子の粒径a、アルミナウィスカーの長さb、及び、b/aを示すものである。
ここで、アルミナ粒子の平均粒径a及びアルミナウィスカーの平均長さbとは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてフィラーのSEM像を1000倍の視野で10枚撮影し、得られた画像に基づき、各画像に映る測定可能なすべてのアルミナフィラーの粒子状部分の粒径(最も長い方向の粒径)の平均値、ウィスカー部分の長さ(長手方向の長さ)の平均値を意味する。b/aは、得られた平均粒径a及び平均長さbから算出した。
図4に示す表は、上述のアルミナフィラーの製造方法において、熱処理時間を10時間に固定して、熱処理温度が1400℃、1500℃、1550℃、1600℃、1650℃としてときに得られたフィラーのアルミナ粒子の粒径a、アルミナウィスカーの長さb、及び、b/aを示すものである。
ここで、アルミナ粒子の平均粒径a及びアルミナウィスカーの平均長さbとは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてフィラーのSEM像を1000倍の視野で10枚撮影し、得られた画像に基づき、各画像に映る測定可能なすべてのアルミナフィラーの粒子状部分の粒径(最も長い方向の粒径)の平均値、ウィスカー部分の長さ(長手方向の長さ)の平均値を意味する。b/aは、得られた平均粒径a及び平均長さbから算出した。
図5に、熱処理時間と各フィラーにおけるウィスカーの本数の関係を示す。
図5に示す表は、上述のアルミナフィラーの製造方法において、熱処理温度を1550℃に固定して、熱処理時間が5時間、10時間、20時間としてときに得られたフィラーにおけるウィスカーの平均本数を示すものである。
ここで、ウィスカーの平均本数とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてフィラーのSEM像を1000倍の視野で10枚撮影し、得られた画像に基づき、各画像に映る測定可能なすべてのアルミナフィラーのウィスカーの本数の平均値を意味する。
図5に示す表は、上述のアルミナフィラーの製造方法において、熱処理温度を1550℃に固定して、熱処理時間が5時間、10時間、20時間としてときに得られたフィラーにおけるウィスカーの平均本数を示すものである。
ここで、ウィスカーの平均本数とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてフィラーのSEM像を1000倍の視野で10枚撮影し、得られた画像に基づき、各画像に映る測定可能なすべてのアルミナフィラーのウィスカーの本数の平均値を意味する。
図4の表及び図5の表に基づき、後述する表1におけるb/aについて、各実施例の0.5、1.0、2.0とはそれぞれ、熱処理温度を1500℃、1550℃、1600℃の条件でフィラーを作製したことを意味する。また、表1にウィスカーの本数について、各実施例の6本、50本とはそれぞれ、熱処理時間を5時間、14時間の条件でフィラーを作製したことを意味する。
なお、実施例のb/a、及び、ウィスカーの本数は記載した条件で作成したフィラーについて測定した値である。
なお、実施例のb/a、及び、ウィスカーの本数は記載した条件で作成したフィラーについて測定した値である。
一方、窒化アルミフィラーの場合、アルミナ粒子と還元剤のカーボンを混ぜて、窒素/水素雰囲気中、又は、アンモニア雰囲気中で熱処理すると、アルミナ粒子が還元されつつ、窒化して窒化アルミ粒子ができ、窒化アルミ粒子の表面からなる窒化アルミのウィスカーが成長して、窒化アルミフィラーが得られる。
この窒化アルミフィラーは、窒化アルミ粒子と、その表面から外側に向けて延びている複数の窒化アルミウィスカーとからなる。
この窒化アルミフィラーは、窒化アルミ粒子と、その表面から外側に向けて延びている複数の窒化アルミウィスカーとからなる。
より強還元の下で還元した場合には、ウィスカーは窒化がよく進み、アルミナ粒子は表面だけ窒化され、内部は窒化が進まない状態のフィラーが作製される。
このフィラーは、アルミナ粒子と、その表面から外側に向けて延びている複数の窒化アルミウィスカーとからなる。すなわち、無機粒子が酸化物で、ウィスカーが窒化物という、無機粒子とウィスカーとが異なる材料のフィラーである。
このフィラーは、アルミナ粒子と、その表面から外側に向けて延びている複数の窒化アルミウィスカーとからなる。すなわち、無機粒子が酸化物で、ウィスカーが窒化物という、無機粒子とウィスカーとが異なる材料のフィラーである。
「放熱基板」
図6は、本発明の一実施形態にかかる放熱基板の一例の断面模式図である。
図6に示す放熱基板100は、複数の導体パターン層4(4A〜4D)を有し、電子部品が実装される放熱基板であって、セラミック材料を含有する3個のコア材10(10A〜10C)を備え、3個のコア材10A〜10Cのうちの一部のコア材であるコア材10Aは、その両面すなわち、第1面10Aa及び第2面10Abに導体パターン層4A、4Bが形成されており、複数のコア材10A〜10Dが樹脂層2(2A、2B)を介して積層されてなる。ここで、各コア材は、複数のコア材が積層する方向(積層方向)に対して直交する面を2つ有するが、本明細書では、その2つの面のうちの一方をコア材の「第1面」といい、もう一方をコア材の「第2面」という。さらに、各コア材の「第1面」、「第2面」は、各コア材の積層方向の同じ側に位置する面を指すものとする。
図6に示す放熱基板100においては、3個のコア材のうち、中心に配置するコア材10Aの、一方の積層方向側に配置するコア材10Bの第1面10Baに樹脂層2Cを備え、さらにその樹脂層2C上に導体パターン層4Cが形成されており、また、コア材10Aの、もう一方の積層方向側に配置するコア材10Cの第2面10Cbに樹脂層2Dを備え、さらにその樹脂層2D上に導体パターン層4Dが形成されている。なお、図6に示す放熱基板100においては、樹脂層2C及び樹脂層2Dを備えた例を示したが、これらの樹脂層の両方あるいは一方を備えない構成としてもよい。例えば、樹脂層2C及び樹脂層2Dを備えない場合には、コア材10Bの第1面10Ba上に導体パターン4Cが形成され、また、コア材10Cの第2面10Cb上に導体パターン4Dが形成されたものとなる。
本発明の放熱基板は、「複数のコア材のうちの少なくとも一部のコア材は、少なくとも一方の面に導体パターン層が形成され」た構成を有するものであるから、複数のコア材のうちの一部のコア材は第1面及び第2面のいずれの面にも導体パターン層が形成されていなくて構わない(図6のコア材10B、10C参照)。
また、本発明の放熱基板において、導体パターン層が他の層を介してコア材上に形成されていてもよい。すなわち、例えば、コア材と導体パターン層との間に接着層などの樹脂層を備えてもよい。
図6は、本発明の一実施形態にかかる放熱基板の一例の断面模式図である。
図6に示す放熱基板100は、複数の導体パターン層4(4A〜4D)を有し、電子部品が実装される放熱基板であって、セラミック材料を含有する3個のコア材10(10A〜10C)を備え、3個のコア材10A〜10Cのうちの一部のコア材であるコア材10Aは、その両面すなわち、第1面10Aa及び第2面10Abに導体パターン層4A、4Bが形成されており、複数のコア材10A〜10Dが樹脂層2(2A、2B)を介して積層されてなる。ここで、各コア材は、複数のコア材が積層する方向(積層方向)に対して直交する面を2つ有するが、本明細書では、その2つの面のうちの一方をコア材の「第1面」といい、もう一方をコア材の「第2面」という。さらに、各コア材の「第1面」、「第2面」は、各コア材の積層方向の同じ側に位置する面を指すものとする。
図6に示す放熱基板100においては、3個のコア材のうち、中心に配置するコア材10Aの、一方の積層方向側に配置するコア材10Bの第1面10Baに樹脂層2Cを備え、さらにその樹脂層2C上に導体パターン層4Cが形成されており、また、コア材10Aの、もう一方の積層方向側に配置するコア材10Cの第2面10Cbに樹脂層2Dを備え、さらにその樹脂層2D上に導体パターン層4Dが形成されている。なお、図6に示す放熱基板100においては、樹脂層2C及び樹脂層2Dを備えた例を示したが、これらの樹脂層の両方あるいは一方を備えない構成としてもよい。例えば、樹脂層2C及び樹脂層2Dを備えない場合には、コア材10Bの第1面10Ba上に導体パターン4Cが形成され、また、コア材10Cの第2面10Cb上に導体パターン4Dが形成されたものとなる。
本発明の放熱基板は、「複数のコア材のうちの少なくとも一部のコア材は、少なくとも一方の面に導体パターン層が形成され」た構成を有するものであるから、複数のコア材のうちの一部のコア材は第1面及び第2面のいずれの面にも導体パターン層が形成されていなくて構わない(図6のコア材10B、10C参照)。
また、本発明の放熱基板において、導体パターン層が他の層を介してコア材上に形成されていてもよい。すなわち、例えば、コア材と導体パターン層との間に接着層などの樹脂層を備えてもよい。
本発明の放熱基板は、本発明のフィラーを含有するセラミック材料を含んでなる複数のコア材を備えることにより、等方的な高熱伝導率でかつ高強度とさせたものである。
また、本発明の放熱基板は、コア材間に樹脂層を備えることにより、構造体を一体とすることができる。
また、本発明の放熱基板は、コア材間に樹脂層を備えることにより、構造体を一体とすることができる。
(コア材)
コア材10は、本発明のフィラーを含有するセラミック材料を含んでなるものであり、その熱伝導率が3.2W/mK以上であることが好ましい。
熱伝導率が3.2W/mK以上であることにより、樹脂層を備えても十分な放熱性を確保できるからである。
コア材10は、本発明のフィラーを含有するセラミック材料を含んでなるものであり、その熱伝導率が3.2W/mK以上であることが好ましい。
熱伝導率が3.2W/mK以上であることにより、樹脂層を備えても十分な放熱性を確保できるからである。
コア材10は、セラミック材料を含有する。コア材10は、セラミック材料を主成分として含有することが好ましい。この場合、「セラミック材料を主成分とする」とは、限定するものではないが例示すると、コア材を構成する材料全体の60体積%以上であることを意味する。
従来の、樹脂内にガラスクロスを含有する絶縁シートを複数積層した放熱基板では、放熱基板の強度の役目を主にガラスクロスが担っていたが、ガラスクロスは布状の部材であるから高強度を担えなかった。これに対して、本発明の放熱基板は、セラミック材料を含有するコア材を複数積層した放熱基板であり、コア材自体が放熱基板の強度を担っているから、上記の従来の放熱基板に比べて、高強度となっている。
従来の、樹脂内にガラスクロスを含有する絶縁シートを複数積層した放熱基板では、放熱基板の強度の役目を主にガラスクロスが担っていたが、ガラスクロスは布状の部材であるから高強度を担えなかった。これに対して、本発明の放熱基板は、セラミック材料を含有するコア材を複数積層した放熱基板であり、コア材自体が放熱基板の強度を担っているから、上記の従来の放熱基板に比べて、高強度となっている。
なお、本明細書において、「セラミック材料」とは、人為的な処理によって製造された、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物などの無機固体材料を意味する。
このセラミック材料は、ガラス成分とフィラー成分とを含有することが好ましい。この場合において、フィラーの含有量は、ガラス成分及びフィラーの合計量に対して38体積%以上であることが好ましく、40体積%以上であることが好ましい。フィラー成分を38体積%以上含有することにより、高熱伝導率とすることができるからであり、40体積%以上含有することにより、より高熱伝導率とすることができるからである。
コア材10を構成する材料であるセラミック材料が含有するガラス成分は、(i)SiO2、B2O3、Al2O3及びアルカリ土類金属酸化物を含有するガラス成分(実施例におけるガラス粉末A,Cに相当)、(ii)SiO2、CaO、MgO、及びAl2O3を含有し、ディオプサイド結晶を析出する結晶性ガラス成分(実施例におけるガラス粉末Bに相当)、(iii)Bi2O3、SiO2、Al2O3、B2O3、ZrO2、TiO2を含有するガラス成分(実施例におけるガラス粉末Dに相当)のうち、少なくともいずれかのガラス成分を含むことが好ましい。
(i)「SiO2、B2O3、Al2O3及びアルカリ土類金属酸化物を含有するガラス成分」において、SiO2の含有量は、ガラス成分全量を基準として38〜60質量%であることが好ましく、40〜55質量%であることがより好ましい。この含有量が38質量%未満であるとガラス化が困難になる傾向にあり、60質量%を超えると融点が高くなり焼結が困難になる傾向にある。また、B2O3の含有量は、ガラス成分全量を基準として0.5〜13質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。この含有量が13質量%を超えると耐湿性が低下する傾向にあり、0.5質量%未満であるとガラス化温度が高くなるとともに密度が低くなる傾向にある。また、Al2O3の含有量は、ガラス成分全量を基準として2〜17.5質量%であることが好ましく、4〜16.5質量%であることがより好ましい。この含有量が2質量%未満であると強度が若干低下する傾向にあり、17.5質量%を超えるとガラス化が困難になる傾向にある。また、アルカリ土類金属酸化物の含有量は、ガラス成分全量を基準として25〜45質量%であることが好ましく、30〜40質量%であることがより好ましい。この含有量が45質量%を超えるとガラス化が困難になる傾向があり、25質量%未満であると焼結が困難になる傾向がある。
上記アルカリ土類金属酸化物としては、例えば、MgO、CaO、BaO及びSrOが挙げられる。これらのアルカリ土類金属酸化物は一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、SrOとその他のアルカリ土類金属酸化物とを組み合わせて用いることが好ましい。CaO、MgO及びBaOからなる群より選ばれる少なくとも一種と、SrOとを組み合わせて用いることにより溶解ガラスの粘性を低下させ、焼結温度幅を拡大することができることから、製造を容易にすることができる。さらに上記成分以外に、TiO2、ZrO2等を含んでいても良い。
(ii)SiO2、CaO、MgO、及びAl2O3を含有し、ディオプサイド結晶を析出する結晶性ガラス成分において、SiO2はガラスのネットワークフォーマーであるとともに、ディオプサイト結晶を構成する成分でもある。SiO2の含有量は40〜65質量%であることが好ましく、45〜65質量%であることがより好ましい。SiO2が40質量%より少ないと、ガラス化が困難になる傾向がある。一方、SiO2が65質量%より多いと、焼結が困難になる傾向がある。また、CaOはディオプサイト結晶を構成する成分である。CaOの含有量は20〜35質量%、特に25〜30質量%であることが好ましい。CaOが質量20%未満であると、ディオプサイド結晶が析出しにくくなる傾向がある。一方、CaOが35質量%より多いと、ガラス化が困難になる傾向にある。また、MgOもディオプサイト結晶の構成成分である。MgOの含有量は11〜30質量%、特に12〜25質量%であることが好ましい。MgOが11質量%より少ないと、ディオプサイト結晶が析出しにくくなる。一方、MgOが30質量%より多いと、ガラス化しにくくなる。また、Al2O3はガラスを安定化させる成分である。Al2O3の含有量は1〜10質量%、特に1〜5質量%であることが好ましい。Al2O3が1質量%未満であると、ガラス化が困難となる。一方、Al2O3が10質量%より多いと、ディオプサイド結晶が析出し難くなる傾向にある。さらに上記成分以外に、SrO、BaO、ZnO、CuO、TiO2、ZrO2等を含んでいても良い。
(iii)Bi2O3、SiO2、Al2O3、B2O3、ZrO2、TiO2を含有するガラス成分において、Bi2O3の含有量は、ガラス成分全量を基準として47〜65質量%であることが好ましく、51〜62質量%であることがより好ましい。この含有量が47質量%未満であるとガラス化が困難になる傾向にあり、65質量%を超えると融点が高くなり焼結が困難になる傾向にある。また、SiO2の含有量は8〜24質量%、特に10〜17質量%であることが好ましい。SiO2が8質量%より少ないと、ガラス化が困難になる傾向がある。一方、SiO2が24質量%より多いと、焼結が困難になる傾向がある。
また、Al2O3の含有量は、ガラス成分全量を基準として5〜15質量%であることが好ましく、7〜13質量%であることがより好ましい。この含有量が5質量%未満であると強度が若干低下する傾向にあり、15質量%を超えるとガラス化が困難になる。
また、B2O3の含有量は、ガラス成分全量を基準として5〜13質量%であることが好ましく、7〜11質量%であることがより好ましい。この含有量が13質量%を超えると耐湿性が低下する傾向にあり、5質量%未満であるとガラス化温度が高くなるとともに密度が低くなる傾向にある。また、ZrO2の含有量は、ガラス成分全量を基準として2〜10質量%であることが好ましく、4〜8質量%であることがより好ましい。この含有量が10質量%を超えるとガラス化が困難になる傾向にあり、2質量%未満であるとガラス化温度が高くなるとともに密度が低くなる傾向にある。また、TiO2の含有量は、ガラス成分全量を基準として1〜7質量%であることが好ましく、2〜6質量%であることがより好ましい。この含有量が7質量%を超えるとガラス化が困難になる傾向にあり、1質量%未満であるとガラス化温度が高くなるとともに密度が低くなる傾向にある。
(i)「SiO2、B2O3、Al2O3及びアルカリ土類金属酸化物を含有するガラス成分」において、SiO2の含有量は、ガラス成分全量を基準として38〜60質量%であることが好ましく、40〜55質量%であることがより好ましい。この含有量が38質量%未満であるとガラス化が困難になる傾向にあり、60質量%を超えると融点が高くなり焼結が困難になる傾向にある。また、B2O3の含有量は、ガラス成分全量を基準として0.5〜13質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。この含有量が13質量%を超えると耐湿性が低下する傾向にあり、0.5質量%未満であるとガラス化温度が高くなるとともに密度が低くなる傾向にある。また、Al2O3の含有量は、ガラス成分全量を基準として2〜17.5質量%であることが好ましく、4〜16.5質量%であることがより好ましい。この含有量が2質量%未満であると強度が若干低下する傾向にあり、17.5質量%を超えるとガラス化が困難になる傾向にある。また、アルカリ土類金属酸化物の含有量は、ガラス成分全量を基準として25〜45質量%であることが好ましく、30〜40質量%であることがより好ましい。この含有量が45質量%を超えるとガラス化が困難になる傾向があり、25質量%未満であると焼結が困難になる傾向がある。
上記アルカリ土類金属酸化物としては、例えば、MgO、CaO、BaO及びSrOが挙げられる。これらのアルカリ土類金属酸化物は一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、SrOとその他のアルカリ土類金属酸化物とを組み合わせて用いることが好ましい。CaO、MgO及びBaOからなる群より選ばれる少なくとも一種と、SrOとを組み合わせて用いることにより溶解ガラスの粘性を低下させ、焼結温度幅を拡大することができることから、製造を容易にすることができる。さらに上記成分以外に、TiO2、ZrO2等を含んでいても良い。
(ii)SiO2、CaO、MgO、及びAl2O3を含有し、ディオプサイド結晶を析出する結晶性ガラス成分において、SiO2はガラスのネットワークフォーマーであるとともに、ディオプサイト結晶を構成する成分でもある。SiO2の含有量は40〜65質量%であることが好ましく、45〜65質量%であることがより好ましい。SiO2が40質量%より少ないと、ガラス化が困難になる傾向がある。一方、SiO2が65質量%より多いと、焼結が困難になる傾向がある。また、CaOはディオプサイト結晶を構成する成分である。CaOの含有量は20〜35質量%、特に25〜30質量%であることが好ましい。CaOが質量20%未満であると、ディオプサイド結晶が析出しにくくなる傾向がある。一方、CaOが35質量%より多いと、ガラス化が困難になる傾向にある。また、MgOもディオプサイト結晶の構成成分である。MgOの含有量は11〜30質量%、特に12〜25質量%であることが好ましい。MgOが11質量%より少ないと、ディオプサイト結晶が析出しにくくなる。一方、MgOが30質量%より多いと、ガラス化しにくくなる。また、Al2O3はガラスを安定化させる成分である。Al2O3の含有量は1〜10質量%、特に1〜5質量%であることが好ましい。Al2O3が1質量%未満であると、ガラス化が困難となる。一方、Al2O3が10質量%より多いと、ディオプサイド結晶が析出し難くなる傾向にある。さらに上記成分以外に、SrO、BaO、ZnO、CuO、TiO2、ZrO2等を含んでいても良い。
(iii)Bi2O3、SiO2、Al2O3、B2O3、ZrO2、TiO2を含有するガラス成分において、Bi2O3の含有量は、ガラス成分全量を基準として47〜65質量%であることが好ましく、51〜62質量%であることがより好ましい。この含有量が47質量%未満であるとガラス化が困難になる傾向にあり、65質量%を超えると融点が高くなり焼結が困難になる傾向にある。また、SiO2の含有量は8〜24質量%、特に10〜17質量%であることが好ましい。SiO2が8質量%より少ないと、ガラス化が困難になる傾向がある。一方、SiO2が24質量%より多いと、焼結が困難になる傾向がある。
また、Al2O3の含有量は、ガラス成分全量を基準として5〜15質量%であることが好ましく、7〜13質量%であることがより好ましい。この含有量が5質量%未満であると強度が若干低下する傾向にあり、15質量%を超えるとガラス化が困難になる。
また、B2O3の含有量は、ガラス成分全量を基準として5〜13質量%であることが好ましく、7〜11質量%であることがより好ましい。この含有量が13質量%を超えると耐湿性が低下する傾向にあり、5質量%未満であるとガラス化温度が高くなるとともに密度が低くなる傾向にある。また、ZrO2の含有量は、ガラス成分全量を基準として2〜10質量%であることが好ましく、4〜8質量%であることがより好ましい。この含有量が10質量%を超えるとガラス化が困難になる傾向にあり、2質量%未満であるとガラス化温度が高くなるとともに密度が低くなる傾向にある。また、TiO2の含有量は、ガラス成分全量を基準として1〜7質量%であることが好ましく、2〜6質量%であることがより好ましい。この含有量が7質量%を超えるとガラス化が困難になる傾向にあり、1質量%未満であるとガラス化温度が高くなるとともに密度が低くなる傾向にある。
コア材10を構成する材料であるセラミック材料が含有するフィラーとして、無機粒子と無機粒子の表面から外側に向けて延びている複数のウィスカーとからなる本発明のフィラーの他に、公知のフィラーを含んでもよい。このような公知のフィラーとしては、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、及び、窒化ケイ素からなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
コア材10の平均曲げ強度は、310MPa以上であることが好ましい。
平均曲げ強度が310MPa以上であれば、基板として十分な強度だからである。
平均曲げ強度が310MPa以上であれば、基板として十分な強度だからである。
コア材10が含有するセラミック材料の割合(%)は、放熱基板を高熱伝導率でかつ高強度とするという効果を奏する限り、特に制限はないが、例示すれば、コア材10を構成する材料全体の60体積%以上である。
複数のコア材は全て、同じ材料及び同じ厚さであってもよいし、その一部が材料及び厚さのうちの一方あるいは両方が異なっていてもよい。
(樹脂層)
放熱基板100を構成する樹脂層は、樹脂を含む層である。樹脂層に含まれる樹脂の割合としては、当該樹脂の性質を発揮できる程度の割合であればよいが、樹脂を主成分とする層であることが好ましい。この場合、「樹脂を主成分とする」とは、限定するものではないが例示すると、35体積%以上であることを意味する。
コア材間の配置する樹脂層は、隣接するコア材を樹脂層を介して結合する機能を有するものであり、また、コア材の第1面及び/又は第2面に形成される導体パターン層の短絡を防止する機能を有するものである。
放熱基板100を構成する樹脂層は、樹脂を含む層である。樹脂層に含まれる樹脂の割合としては、当該樹脂の性質を発揮できる程度の割合であればよいが、樹脂を主成分とする層であることが好ましい。この場合、「樹脂を主成分とする」とは、限定するものではないが例示すると、35体積%以上であることを意味する。
コア材間の配置する樹脂層は、隣接するコア材を樹脂層を介して結合する機能を有するものであり、また、コア材の第1面及び/又は第2面に形成される導体パターン層の短絡を防止する機能を有するものである。
樹脂層において、樹脂以外に例えば、絶縁性を有する公知のセラミックス材料(アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、など)や、ガラスクロス、ガラス不織布などが含まれてもよい。
樹脂層が含む樹脂の種類としては、絶縁性を有する公知の樹脂を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂などを用いることができる。
樹脂層が含む樹脂の種類としては、絶縁性を有する公知の樹脂を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂などを用いることができる。
複数の樹脂層は全て、同じ材料及び同じ厚さであってもよいし、その一部が材料及び厚さのうちの一方あるいは両方が異なっていてもよい。
導体パターン層を構成する導体材料としては、配線材料として用いられる公知の材料を用いることができる。例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、銀パラジウム(AgPd)、金(Au)などを用いることができる。
図6に示す放熱基板100では、コア材は3個であるが、コア材の個数に制限はない。また、樹脂層の層数にも制限はないが、コア材間に必ず配置するのでコア材間の数だけ樹脂層を備えることになる。さらに、複数のコア材とコア材間の樹脂層とからなる構造体は、コア材及び樹脂層の積層方向に対して直交する面を2つ有するが、そのうちの一方の面及び他方の面にも、樹脂層(図6の2C及び2D)を備える。
「放熱基板の製造方法」
本発明の放熱基板の製造方法は、塗料作成工程と、セラミック材料を含有する複数のコア材を作製するコア材作製工程と、コア材間に樹脂層を挟んで前記複数のコア材を一体化して積層体を作製する積層体作製工程と、を有し、コア材作製工程において、各コア材は、セラミック材料を含有するコア材用グリーンシートを1枚又は複数枚を用いて作製する。
本発明の放熱基板の製造方法は、塗料作成工程と、セラミック材料を含有する複数のコア材を作製するコア材作製工程と、コア材間に樹脂層を挟んで前記複数のコア材を一体化して積層体を作製する積層体作製工程と、を有し、コア材作製工程において、各コア材は、セラミック材料を含有するコア材用グリーンシートを1枚又は複数枚を用いて作製する。
(塗料作製方法)
(1)コア材用塗料
ガラス、フィラー、樹脂バインダー等を分散して作製する。
(2)配線用導体ペースト
導体粉末(Ag、Ag−Pd、Cuなど)、焼結助剤(ガラス)、樹脂バインダー等を分散して作製する。
(1)コア材用塗料
ガラス、フィラー、樹脂バインダー等を分散して作製する。
(2)配線用導体ペースト
導体粉末(Ag、Ag−Pd、Cuなど)、焼結助剤(ガラス)、樹脂バインダー等を分散して作製する。
(コア材作製方法)
次に、図7を参照しながら、コア材作製工程について説明する。特に、図6に示した放熱基板を構成するコア材のうち、コア材10Aを例に挙げて説明する。図7は、コア材作製工程を説明するための工程断面図である。
次に、図7を参照しながら、コア材作製工程について説明する。特に、図6に示した放熱基板を構成するコア材のうち、コア材10Aを例に挙げて説明する。図7は、コア材作製工程を説明するための工程断面図である。
まず、図7(a)に示すように、片面1aaに焼成前導体パターン14が形成されたコア材用グリーンシート1a及び片面1dbに焼成前導体パターン14が形成されたコア材用グリーンシート1d、並びに、いずれの面にも焼成前導体パターン14を有さないコア材用グリーンシート1b及び1cを用意する。ここでは、4枚のコア材用グリーンシート1a〜1dを準備しているが、積層するコア材用グリーンシートの枚数はこれに限らず、積層数に応じて用意するコア材用グリーンシートの数を決めればよく、1枚でも構わない。
コア材用グリーンシート1a〜1dは、以下のとおりにして形成することができる。
ガラス粉末に必要に応じてセラミック粉末を混合し、所定量の結合剤、可塑剤および溶剤を添加してスラリー状のセラミックペーストを調製する。なお、結合剤としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、メタアクリル酸樹脂等が挙げられ、可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル等が挙げられる。また、溶剤としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
調製したセラミックペーストを、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)シート等の支持体上にドクターブレード法などによってグリーンシートに成形することにより、コア材用グリーンシート1a〜1dを形成することができる。
ガラス粉末に必要に応じてセラミック粉末を混合し、所定量の結合剤、可塑剤および溶剤を添加してスラリー状のセラミックペーストを調製する。なお、結合剤としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、メタアクリル酸樹脂等が挙げられ、可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル等が挙げられる。また、溶剤としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
調製したセラミックペーストを、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)シート等の支持体上にドクターブレード法などによってグリーンシートに成形することにより、コア材用グリーンシート1a〜1dを形成することができる。
次に、コア材用グリーンシート1a〜1dのうち、最も外側に配置されるコア材用グリーンシート1a及び1d上に、焼成前導体パターン14を形成する。
焼成前導体パターンの形成に用いる導電ペーストは、例えば、Ag、Ag−Pd合金、Cu、Ni等の各種導電性金属や合金からなる導電材料と有機ビヒクルとを混練することにより調製される。導電ペーストに用いられる有機ビヒクルは、バインダと溶剤とを主たる成分とするものである。バインダ及び溶剤と導電材料との配合比等は任意であるが、通常は、導電材料に対して、バインダが1〜15質量%、溶剤が10〜50質量%となるように配合する。導電ペーストには、必要に応じて各種分散剤や可塑剤および酸化物等から選択される添加物を添加してもよい。
以上の方法により焼成前導体パターン14が形成されたコア材用グリーンシート1a〜1dを形成することができる。
以上の方法により焼成前導体パターン14が形成されたコア材用グリーンシート1a〜1dを形成することができる。
次に、図7(b)に示すように、焼成前導体パターン14が形成されたコア材用グリーンシート1a,1b,1c及び1dをこの順で積層して積層体を得る。この積層体を積層方向に挟むようにして拘束層となる一対の収縮抑制用グリーンシート5を配置する。コア材用グリーンシート1a〜1dからなる積層体を、収縮抑制用グリーンシート5により挟み込むことで、後述の焼成時における積層体の面内方向(積層方向に垂直な方向)の収縮を抑制することができる。
拘束層となる収縮抑制用グリーンシート5に用いられる材料(以下、「収縮抑制材」という)としては、例えば、トリジマイト、クリストバライト、石英、溶融石英、アルミナ、ムライト、ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、炭化ケイ素及び炭酸カルシウムが挙げられる。
収縮抑制材としては、コア材用グリーンシート1a〜1dの焼成温度で収縮しない材料を用いることが好ましい。これらの材料のうち、拘束層としての機能を有し、剥離も容易である点でトリジマイトが好ましい。さらに、薄いコア材にてより剥離性を高める観点で炭酸カルシウムをトリジマイトの上にさらに積層してもよい。
次に、図7(c)に示すように、収縮抑制用グリーンシート5が両側に配置された積層体(仮スタック)をプレスする。その後に、焼成を行うことにより、図7(d)に示すように、コア材用グリーンシート1a〜1dは一体化してコア材10Aとなり、焼成前導体パターン14は導体パターン4となる。その後、収縮抑制用グリーンシート5を剥離することによって、導体パターン付きのコア材10Aを得ることができる。図7(d)では、収縮抑制用グリーンシート5剥離後の構成を示している。ここで、必要に応じて、焼成後に残渣を除去する残渣除去工程(例えばブラスト処理や超音波洗浄処理等)を追加してもよい。
なお、収縮抑制材としてトリジマイトを使用した場合、焼成後に、熱膨張の差により収縮抑制用グリーンシート5は自然剥離される。
以上、コア材10Aの作製方法の一例を説明したが、コア材10Aの製造方法は上述の方法に限られるものではない。
例えば、上述の製造方法では、収縮抑制用グリーンシート5を配置して、積層体の焼成を行ったが、収縮抑制用グリーンシート5を配置せずに積層体を焼成して、コア材10を作製してもよい。また、導体パターン4は、焼成前導体パターンを有さないコア材用グリーンシートを積層して、プレス、焼成後に形成するという手順でもよい。
例えば、上述の製造方法では、収縮抑制用グリーンシート5を配置して、積層体の焼成を行ったが、収縮抑制用グリーンシート5を配置せずに積層体を焼成して、コア材10を作製してもよい。また、導体パターン4は、焼成前導体パターンを有さないコア材用グリーンシートを積層して、プレス、焼成後に形成するという手順でもよい。
図7では、放熱基板100を構成する3個のコア材のうち、中心に配置するコア材10Aを例に挙げて説明したが、コア材10Aの外側に配置するコア材10B(図6又は図8参照)及び10C(図6又は図8参照)の作製の際には、焼成前導体パターンを形成していないコア材用グリーンシートを用いることが主な相違点である。
(積層体作製工程)
次に、図8を参照しながら、積層体作製工程について説明する。 積層体作製工程では、コア材間に樹脂層(樹脂シート)を挟んで複数のコア材を一体化して積層体を作製する。
まず、樹脂層(樹脂シート)2A〜2Dの作製方法の一例を説明する。
樹脂シート2A〜2Dは、樹脂―フィラー溶液を100〜200℃の乾燥機中で、1〜60分加熱させる等して溶剤を除去し半硬化して、得ることができる。
また、樹脂−フィラー溶液は、樹脂、硬化剤、溶剤、フィラーを攪拌・混合することで調製することができ、その調製方法は、特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂に、例えば溶剤としてメチルエチルケトン、例えばフィラーとしてアルミナ粉末などを配合し、ホモミキサー等で分散させ、そこへ硬化剤を配合する方法などが挙げられる。
なお、この樹脂−フィラー溶液の調製時には、各成分を均一に混合させるための公知の処理(攪拌、混合、混練処理など)を行うことができる。上記の攪拌、混合、混練処理は、例えば、ボールミル、ビーズミルなどの混合を目的とした装置、または、公転・自転型の混合装置などの公知の装置を用いて適宜行うことができる。
このとき、上記のアルミナ粉末は、樹脂−フィラー溶液から溶剤を除いた固形分体積を100体積%としたときに50〜55体積%となるように調整する。
次に、図8(a)に示すように、樹脂シート2A〜2Dのうち、積層体において最も外側に配置する樹脂シート2C及び2Dについては、その片面に導体パターン用の導体箔14C、14Dを張る。
次に、図8を参照しながら、積層体作製工程について説明する。 積層体作製工程では、コア材間に樹脂層(樹脂シート)を挟んで複数のコア材を一体化して積層体を作製する。
まず、樹脂層(樹脂シート)2A〜2Dの作製方法の一例を説明する。
樹脂シート2A〜2Dは、樹脂―フィラー溶液を100〜200℃の乾燥機中で、1〜60分加熱させる等して溶剤を除去し半硬化して、得ることができる。
また、樹脂−フィラー溶液は、樹脂、硬化剤、溶剤、フィラーを攪拌・混合することで調製することができ、その調製方法は、特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂に、例えば溶剤としてメチルエチルケトン、例えばフィラーとしてアルミナ粉末などを配合し、ホモミキサー等で分散させ、そこへ硬化剤を配合する方法などが挙げられる。
なお、この樹脂−フィラー溶液の調製時には、各成分を均一に混合させるための公知の処理(攪拌、混合、混練処理など)を行うことができる。上記の攪拌、混合、混練処理は、例えば、ボールミル、ビーズミルなどの混合を目的とした装置、または、公転・自転型の混合装置などの公知の装置を用いて適宜行うことができる。
このとき、上記のアルミナ粉末は、樹脂−フィラー溶液から溶剤を除いた固形分体積を100体積%としたときに50〜55体積%となるように調整する。
次に、図8(a)に示すように、樹脂シート2A〜2Dのうち、積層体において最も外側に配置する樹脂シート2C及び2Dについては、その片面に導体パターン用の導体箔14C、14Dを張る。
次に、この樹脂シート2A〜2Dをコア材10A、10B、10Cに重ね(図8(a)に重ねる前の状態を示す)、加熱加圧することにより、放熱基板を構成する積層体を作製することができる。その後、導体箔14を加工することにより、導体パターン4C、4Dを得て、放熱基板100を得ることができる。
加熱加圧は、複数回行うことができる。例えば、1回目の加熱加圧(例えば、温度150℃、圧力1MPa、5分間)を行い、加えてさらに2回目の加熱加圧(例えば、温度200℃、圧力5MPa、60分間)を行うことができる。
加熱加圧は、複数回行うことができる。例えば、1回目の加熱加圧(例えば、温度150℃、圧力1MPa、5分間)を行い、加えてさらに2回目の加熱加圧(例えば、温度200℃、圧力5MPa、60分間)を行うことができる。
本発明の放熱基板の製造から、その放熱基板に対して加工を行うまでの各工程の一例を挙げると、(a)コア材作製工程、(b)内層回路加工(エッチング)工程、(c)多層化(プリプレグ積層)、銅箔張り工程、(d)積層熱プレス工程、(e)加工スルーホール加工、外層回路加工、銅めっき、レジスト、表面処理工程、(f)後加工(ルーター加工、打ち抜き)、を挙げることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
「実施例1」
<フィラーの作製>
微細なアルミナ粒子(大明化学工業株式会社製、TM−5D(D50=0.2μm程度)を、市販のカーボンブラック分散液(東海カーボン製 Aqua−Black 162)に分散した。このときアルミナ粒子に対し10wt%のカーボンブラック量となるように調整した。
次に、分散液を噴霧熱乾燥機で乾燥し、20〜30μmのアルミナ原料の顆粒を作製した。
次に、得られたアルミナ原料の顆粒について、1500℃の温度で5時間、アルゴン雰囲気下で熱処理を行った。
次いで、650℃の大気中で熱処理を行い、アルミナフィラーを得た。このアルミナフィラーのb/aは0.5、ウィスカーの本数(平均)は6本であった。
<塗料(ペースト)の作製>
ガラス粉末A1(SiO2 51質量%、B2O3 2質量%、Al2O3 11質量%、SrO 27質量%、CaO 5質量%、BaO 4質量%)と、得られたアルミナフィラーとを準備した。溶剤以外の成分におけるフィラーの充填量が32体積%となるように、準備したガラス粉末A1 56.0g、準備したアルミナフィラー 44.0g及び有機ビヒクル 70.9gを混合してセラミックペーストを調整した。なお、有機ビヒクルの組成は、アクリル系樹脂 10.0g、メチルエチルケトン 58.0g、可塑剤(BPBG)2.9gとした。
<コア材の作製>
作製したペーストをポリエチレンテレフタレートフィルム上にドクターブレード法により成膜してコア材用グリーンシートを複数形成した。次に、3枚のコア材用グリーンシートを積層して、80MPaでプレスした後、大気中、900℃で1時間焼成し、コア材(0.2mm厚)を得た。
<フィラーの作製>
微細なアルミナ粒子(大明化学工業株式会社製、TM−5D(D50=0.2μm程度)を、市販のカーボンブラック分散液(東海カーボン製 Aqua−Black 162)に分散した。このときアルミナ粒子に対し10wt%のカーボンブラック量となるように調整した。
次に、分散液を噴霧熱乾燥機で乾燥し、20〜30μmのアルミナ原料の顆粒を作製した。
次に、得られたアルミナ原料の顆粒について、1500℃の温度で5時間、アルゴン雰囲気下で熱処理を行った。
次いで、650℃の大気中で熱処理を行い、アルミナフィラーを得た。このアルミナフィラーのb/aは0.5、ウィスカーの本数(平均)は6本であった。
<塗料(ペースト)の作製>
ガラス粉末A1(SiO2 51質量%、B2O3 2質量%、Al2O3 11質量%、SrO 27質量%、CaO 5質量%、BaO 4質量%)と、得られたアルミナフィラーとを準備した。溶剤以外の成分におけるフィラーの充填量が32体積%となるように、準備したガラス粉末A1 56.0g、準備したアルミナフィラー 44.0g及び有機ビヒクル 70.9gを混合してセラミックペーストを調整した。なお、有機ビヒクルの組成は、アクリル系樹脂 10.0g、メチルエチルケトン 58.0g、可塑剤(BPBG)2.9gとした。
<コア材の作製>
作製したペーストをポリエチレンテレフタレートフィルム上にドクターブレード法により成膜してコア材用グリーンシートを複数形成した。次に、3枚のコア材用グリーンシートを積層して、80MPaでプレスした後、大気中、900℃で1時間焼成し、コア材(0.2mm厚)を得た。
(熱伝導率の測定方法)
作製したコア材について、熱伝導率測定を以下のように実施した。
コア材を直径10mm、1mm厚の円盤状に加工し、測定用サンプルをそれぞれ作製した。得られた測定用サンプルについて、アルキメデス法により密度(kg/m3)を測定し、また、比熱(kJ/kg・K)を示差熱分析(DSC)により測定し、さらにキセノンフラッシュアナライザ(Netzsch:LFA447 Nanoflash)により熱拡散率[m2/S]を測定した。そして、熱伝導率を以下の式から算出した。
熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m3)×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m2/S)
作製したコア材について、熱伝導率測定を以下のように実施した。
コア材を直径10mm、1mm厚の円盤状に加工し、測定用サンプルをそれぞれ作製した。得られた測定用サンプルについて、アルキメデス法により密度(kg/m3)を測定し、また、比熱(kJ/kg・K)を示差熱分析(DSC)により測定し、さらにキセノンフラッシュアナライザ(Netzsch:LFA447 Nanoflash)により熱拡散率[m2/S]を測定した。そして、熱伝導率を以下の式から算出した。
熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m3)×比熱(kJ/kg・K)×熱拡散率(m2/S)
(平均曲げ強度の測定方法)
作製したコア材について、JIS C2141に準拠する3点曲げ強さ試験を行った。すなわち、コア材の一辺を2点で支持し、これと対向する辺における上記2点の中間位置に徐々に加重を加えて、コア材に切断が生じたときの荷重を測定し、3点曲げ強度(MPa)を算出した。当該曲げ強度を30点測定して平均値(平均曲げ強度)を求めた。
作製したコア材について、JIS C2141に準拠する3点曲げ強さ試験を行った。すなわち、コア材の一辺を2点で支持し、これと対向する辺における上記2点の中間位置に徐々に加重を加えて、コア材に切断が生じたときの荷重を測定し、3点曲げ強度(MPa)を算出した。当該曲げ強度を30点測定して平均値(平均曲げ強度)を求めた。
「実施例2」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のフィラーを得た。それ以外は、実施例1と同様にして、実施例2のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のフィラーを得た。それ以外は、実施例1と同様にして、実施例2のコア材を得た。
「実施例3」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1550℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を35体積%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の塗料を得た。それ以外は、実施例1と同様にして、実施例3のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1550℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を35体積%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の塗料を得た。それ以外は、実施例1と同様にして、実施例3のコア材を得た。
「実施例4」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例4のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の塗料を得た。それ以外は、実施例1と同様にして、実施例4のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例4のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の塗料を得た。それ以外は、実施例1と同様にして、実施例4のコア材を得た。
「実施例5」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の塗料を得た。それ以外は、実施例1と同様にして、実施例5のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の塗料を得た。それ以外は、実施例1と同様にして、実施例5のコア材を得た。
「実施例6」
ガラス粉末B(SiO2 51質量%、CaO 26質量%、MgO 17質量%、Al2O3 3質量%、CuO 0.05質量%、SrO 2質量%、TiO2 1質量%)と、アルミナフィラーとを準備した。溶剤以外の成分におけるフィラーの充填量が32体積%となるように、準備したガラス粉末B 56.0g、実施例1と同様のアルミナフィラー 44.0g及び有機ビヒクル 70.9gを混合してセラミックペーストを調整した。なお、有機ビヒクルの組成は、アクリル系樹脂 10.0g、メチルエチルケトン 58.0g、可塑剤(BPBG)2.9gとした。
それ以外は、実施例1と同様にして、実施例6のコア材を得た。
ガラス粉末B(SiO2 51質量%、CaO 26質量%、MgO 17質量%、Al2O3 3質量%、CuO 0.05質量%、SrO 2質量%、TiO2 1質量%)と、アルミナフィラーとを準備した。溶剤以外の成分におけるフィラーの充填量が32体積%となるように、準備したガラス粉末B 56.0g、実施例1と同様のアルミナフィラー 44.0g及び有機ビヒクル 70.9gを混合してセラミックペーストを調整した。なお、有機ビヒクルの組成は、アクリル系樹脂 10.0g、メチルエチルケトン 58.0g、可塑剤(BPBG)2.9gとした。
それ以外は、実施例1と同様にして、実施例6のコア材を得た。
「実施例7」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例7のフィラーを得た。それ以外は、実施例6と同様にして、実施例7のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例7のフィラーを得た。それ以外は、実施例6と同様にして、実施例7のコア材を得た。
「実施例8」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1550℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例8のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を35体積%となるように調整した以外は、実施例6と同様にして、実施例8の塗料を得た。それ以外は、実施例6と同様にして、実施例8のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1550℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例8のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を35体積%となるように調整した以外は、実施例6と同様にして、実施例8の塗料を得た。それ以外は、実施例6と同様にして、実施例8のコア材を得た。
「実施例9」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例9のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例6と同様にして、実施例9の塗料を得た。それ以外は、実施例6と同様にして、実施例9のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例9のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例6と同様にして、実施例9の塗料を得た。それ以外は、実施例6と同様にして、実施例9のコア材を得た。
「実施例10」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例10のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例6と同様にして、実施例10の塗料を得た。それ以外は、実施例6と同様にして、実施例10のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例10のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例6と同様にして、実施例10の塗料を得た。それ以外は、実施例6と同様にして、実施例10のコア材を得た。
「実施例11」
ガラス粉末C(SiO2 44質量%、B2O3 10質量%、Al2O3 8質量%、BaO 37質量%、SrO 0.5質量%、ZrO2 0.5質量%)と、アルミナフィラーとを準備した。溶剤以外の成分におけるフィラーの充填量が32体積%となるように、準備したガラス粉末C 56.0g、実施例1と同様のアルミナフィラー 44.0g及び有機ビヒクル 70.9gを混合してセラミックペーストを調整した。なお、有機ビヒクルの組成は、アクリル系樹脂 10.0g、メチルエチルケトン 58.0g、可塑剤(BPBG)2.9gとした。
それ以外は、実施例1と同様にして、実施例11のコア材を得た。
ガラス粉末C(SiO2 44質量%、B2O3 10質量%、Al2O3 8質量%、BaO 37質量%、SrO 0.5質量%、ZrO2 0.5質量%)と、アルミナフィラーとを準備した。溶剤以外の成分におけるフィラーの充填量が32体積%となるように、準備したガラス粉末C 56.0g、実施例1と同様のアルミナフィラー 44.0g及び有機ビヒクル 70.9gを混合してセラミックペーストを調整した。なお、有機ビヒクルの組成は、アクリル系樹脂 10.0g、メチルエチルケトン 58.0g、可塑剤(BPBG)2.9gとした。
それ以外は、実施例1と同様にして、実施例11のコア材を得た。
「実施例12」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例12のフィラーを得た。それ以外は、実施例11と同様にして、実施例12のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例12のフィラーを得た。それ以外は、実施例11と同様にして、実施例12のコア材を得た。
「実施例13」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1550℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例13のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を35体積%となるように調整した以外は、実施例11と同様にして、実施例13の塗料を得た。それ以外は、実施例11と同様にして、実施例13のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1550℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例13のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を35体積%となるように調整した以外は、実施例11と同様にして、実施例13の塗料を得た。それ以外は、実施例11と同様にして、実施例13のコア材を得た。
「実施例14」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例14のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例11と同様にして、実施例14の塗料を得た。それ以外は、実施例11と同様にして、実施例14のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例14のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例11と同様にして、実施例14の塗料を得た。それ以外は、実施例11と同様にして、実施例14のコア材を得た。
「実施例15」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例15のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例11と同様にして、実施例15の塗料を得た。それ以外は、実施例11と同様にして、実施例15のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例15のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例11と同様にして、実施例15の塗料を得た。それ以外は、実施例11と同様にして、実施例15のコア材を得た。
「実施例16」
ガラス粉末D(Bi2O3 57質量%、SiO2 13質量%、Al2O3 11質量%、B2O3 9質量%、ZrO2 6質量%、TiO2 4質量%)と、アルミナフィラーとを準備した。溶剤以外の成分におけるフィラーの充填量が32体積%となるように、準備したガラス粉末D 56.0g、実施例1と同様のアルミナフィラー 44.0g及び有機ビヒクル 70.9gを混合してセラミックペーストを調整した。なお、有機ビヒクルの組成は、アクリル系樹脂 10.0g、メチルエチルケトン 58.0g、可塑剤(BPBG)2.9gとした。
それ以外は、実施例1と同様にして、実施例16のコア材を得た。
ガラス粉末D(Bi2O3 57質量%、SiO2 13質量%、Al2O3 11質量%、B2O3 9質量%、ZrO2 6質量%、TiO2 4質量%)と、アルミナフィラーとを準備した。溶剤以外の成分におけるフィラーの充填量が32体積%となるように、準備したガラス粉末D 56.0g、実施例1と同様のアルミナフィラー 44.0g及び有機ビヒクル 70.9gを混合してセラミックペーストを調整した。なお、有機ビヒクルの組成は、アクリル系樹脂 10.0g、メチルエチルケトン 58.0g、可塑剤(BPBG)2.9gとした。
それ以外は、実施例1と同様にして、実施例16のコア材を得た。
「実施例17」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例17のフィラーを得た。それ以外は、実施例16と同様にして、実施例17のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例17のフィラーを得た。それ以外は、実施例16と同様にして、実施例17のコア材を得た。
「実施例18」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1550℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例18のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を35体積%となるように調整した以外は、実施例16と同様にして、実施例18の塗料を得た。それ以外は、実施例16と同様にして、実施例18のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1550℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例18のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を35体積%となるように調整した以外は、実施例16と同様にして、実施例18の塗料を得た。それ以外は、実施例16と同様にして、実施例18のコア材を得た。
「実施例19」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例19のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例16と同様にして、実施例19の塗料を得た。それ以外は、実施例16と同様にして、実施例19のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とした以外は、実施例1と同様にして、実施例19のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例16と同様にして、実施例19の塗料を得た。それ以外は、実施例16と同様にして、実施例19のコア材を得た。
「実施例20」
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例20のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例16と同様にして、実施例20の塗料を得た。それ以外は、実施例16と同様にして、実施例20のコア材を得た。
フィラーの作製におけるアルミナ原料の顆粒のアルゴン雰囲気下での熱処理について、熱処理温度を1600℃とし、熱処理時間を15時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例20のフィラーを得た。また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例16と同様にして、実施例20の塗料を得た。それ以外は、実施例16と同様にして、実施例20のコア材を得た。
「比較例1」
エポキシエポキシ樹脂(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)と、硬化剤(3 or 4-メチル1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸)と、メチルエチルケトン、とを混合し、さらにアルミナ粉末を投入し、よく撹拌分散させ、樹脂−フィラー溶液を作製した。このとき、アルミナ粉末は、樹脂−フィラー溶液からメチルエチルケトンを除いた固形分体積を100体積%としたときに60体積%となるように調整した。上記の樹脂−フィラー溶液を厚さ0.1mmのガラスクロスに含浸塗工し、100℃で乾燥することにより0.1mm厚の樹脂シートを作製した。さらにこの樹脂シート6枚を重ねて、圧力5MPa、温度200℃、60分間)を行い、厚さ0.6mmの積層板を作製した。
エポキシエポキシ樹脂(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)と、硬化剤(3 or 4-メチル1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸)と、メチルエチルケトン、とを混合し、さらにアルミナ粉末を投入し、よく撹拌分散させ、樹脂−フィラー溶液を作製した。このとき、アルミナ粉末は、樹脂−フィラー溶液からメチルエチルケトンを除いた固形分体積を100体積%としたときに60体積%となるように調整した。上記の樹脂−フィラー溶液を厚さ0.1mmのガラスクロスに含浸塗工し、100℃で乾燥することにより0.1mm厚の樹脂シートを作製した。さらにこの樹脂シート6枚を重ねて、圧力5MPa、温度200℃、60分間)を行い、厚さ0.6mmの積層板を作製した。
「比較例2」
フィラーとして、ウィスカーを有さないアルミナフィラーを用い、また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の塗料を得た。それ以外は、実施例1と同様にして、比較例2のコア材を得た。
フィラーとして、ウィスカーを有さないアルミナフィラーを用い、また、フィラーの充填量を40体積%となるように調整した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の塗料を得た。それ以外は、実施例1と同様にして、比較例2のコア材を得た。
実施例1〜21および比較例1,2で作製されたコア材の熱伝導率および平均曲げ強度の測定を行った結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜20全てにおいて、比較例に比べて高伝導率が得られている。さらに、実施例1、実施例2、実施例6、実施例11及び実施例16以外の実施例においては、比較例に比べて高い平均曲げ強度が得られている。また、比較例と同じ充填量(40体積%)である実施例4、5、9、10、14、15、19、20においては、比較例に比べ高い平均曲げ強度が得られている。この理由として、本件のフィラーを使用することで、ウィスカ―部分がガラス成分のセラミック材料に対し、アンカー効果(ガラス中にくい込み、杭のような働きをする)を発現するため、強度が向上するからである。
同じガラス成分のセラミック材料でも、ウィスカーの形状及び本数を適宜選択することによって、比較例に比べてより高い熱伝導率及び平均曲げ強度が得られている。
2、2A、2B、2C、2D 樹脂層
4、4A、4B、4C、4D 導体パターン層
10、10A、10B、10C コア材
100 放熱基板
4、4A、4B、4C、4D 導体パターン層
10、10A、10B、10C コア材
100 放熱基板
Claims (5)
- フィラーを含有するセラミック材料を含んでなるコア材であって、
前記フィラーが無機粒子と前記無機粒子の表面から外側に向けて延びている複数のウィスカーとからなる、コア材。 - 前記無機粒子の平均粒径をa、前記ウィスカーの平均長さをbとしたとき、0.5≦b/a≦2である、請求項1に記載のコア材。
- 前記無機粒子と前記ウィスカーとが同じ材料からなる、請求項1又は2のいずれかに記載のコア材。
- 複数の導体パターン層を有し、電子部品が実装される放熱基板であって、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のコア材を複数備え、
前記複数のコア材のうちの少なくとも一部のコア材は、少なくとも一方の面に導体パターン層が形成されており、
前記複数のコア材が樹脂層を介して積層されてなる、放熱基板。 - 前記セラミック材料はガラス成分を含有し、
前記ガラス成分は、SiO2、B2O3、Al2O3及びアルカリ土類金属酸化物を含有するガラス成分、SiO2、CaO、MgO、及びAl2O3を含有し、ディオプサイド結晶を析出する結晶性ガラス成分、Bi2O3、SiO2、Al2O3、B2O3、ZrO2、TiO2を含有するガラス成分のうち、少なくともいずれかのガラス成分を含むことを特徴とする、請求項4に記載の放熱基板。
Priority Applications (1)
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