JP2019177480A - 印字装置、印字装置の制御方法、および、筆記装置 - Google Patents

印字装置、印字装置の制御方法、および、筆記装置 Download PDF

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Abstract

【課題】温度上昇を検知可能なインクおよび温度下降を検知可能なインクを印字可能な印字装置、印字装置の制御方法、および、筆記装置を提供する。【解決手段】上記課題を解決するために、本発明に係る印字装置は、インクを収容するインク容器と、インクを噴射するノズルと、インク容器からノズルにインクを供給するインク供給路と、インクの色濃度を検知する色濃度検知部と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、印字装置、印字装置の制御方法および筆記装置に関する。
生鮮食品、冷凍食品やワクチン、バイオ医薬品等の低温保存医薬品は、生産、輸送、消費の流通過程の中で、途切れることなく低温に保つコールドチェーンが必要である。実際には、流通時の温度を絶えず測定・記録するため、通常、運送コンテナには時間と温度を連続的に記録可能なデータロガーを搭載した場合が多く、製品にダメージがあればその責任の所在を明らかにすることが可能である。さらに、製品個別の品質を保証する場合は、温度インジケータを利用する方法がある。温度インジケータはデータロガーほどの記録精度はないものの、製品個別に貼付け可能であり、あらかじめ設定された温度を上回るか、下回るかした場合に表面が染色されるため、温度環境の変化を知ることが可能である。
しかしながら、ワクチン、バイオ医薬品の管理温度域は、2〜8℃であり、温度上昇(8℃以上)および温度下降(2℃以下)の両方の検知が求められる。このようにある温度域で温度管理が求められる場合にはデータロガーが最も有用である。一方で、前述したように製品個別を管理するには、データロガーはその価格およびサイズから個別管理には不向きである。また、生鮮食品や冷凍食品などの製品の品質管理には、一般的に温度上昇(10℃以上や−18℃以上)のみの検知が求められる。そのため、温度インジケータが有用である。しかしながら、安価な食品の品質管理に利用するには、温度インジケータは価格から個別管理には不向きである。また、1日に大量に製造する製品が多いため、高速で温度検知手段を取り付けることが求められる。
特許文献1(特開2016−7729号公報)には、基材上に規定した温度以上になると発色するマーキングを形成する方法において、前記基材に顕色剤または発色剤を含む第1の部材を形成する第1の工程と、前記第1の部材を被覆するバリア層を形成する第2の工程と、前記バリア層に顕色剤または発色剤のうち前記第1の部材と異なる方を含む第2の部材を形成する第3の工程とを備え、前記第1の工程または第3の工程の少なくとも片方は、前記顕色剤または発色剤を含む液体を液滴化する工程と、前記液体の液滴を前記基材またはバリア層に被着させる工程と、を有することを特徴とするマーキング方法が開示されている(請求項1参照)。また、インクを格納するインク容器と、前記インクの液滴を吐出するインクジェットヘッドと、前記インク容器から前記インクジェットヘッドに前記インクを供給するインク供給路を有し、前記インクの液滴により被印字物上に任意のパターンを形成するインクジェットプリンタであって、前記インクの少なくとも一部を、摂氏15℃未満の温度に保持するよう冷却可能な冷却装置を有することを特徴とする、インクジェットプリンタが開示されている(請求項6参照)。
特開2016−7729号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているマーキング方法やインクジェットプリンタで形成されるマーキングでは、規定した温度以上になったことを検知することはできても、規定した温度以下になったことを検知することができなかった。さらに、マーキングを形成するには第1工程から第3工程までの工程が必要であるため、安価で大量に製造される食品の個別管理するためには作業工程が複雑であり、価格も高い。
そこで、本発明は、温度上昇を検知可能なインクおよび温度下降を検知可能なインクを印字可能な印字装置、印字装置の制御方法、および、筆記装置を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明に係る印字装置は、インクを収容するインク容器と、前記インク容器に収容された前記インクの色濃度を検知する色濃度検知部と、インクを噴射するノズルと、インク容器からノズルにインクを供給するインク供給路と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、温度上昇を検知可能なインクおよび温度下降を検知可能なインクを印字可能な印字装置、印字装置の制御方法、および、筆記装置を提供することができる。
第1実施形態に係る印字装置の構成模式図である。 温度変化による示温体の色変化の遷移を示す遷移図である。 温度変化による示温体の色変化の遷移を示す遷移図である。 第1実施形態に係る印字装置におけるインクの前処理を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る印字装置におけるインクの前処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の変形例に係る印字装置の構成模式図である。 第3実施形態に係る印字装置の構成模式図である。 第4実施形態に係る印字装置の構成模式図である。 第5実施形態に係る筆記装置の構成模式図である。 第1変形例に係る印字装置の構成模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
≪第1実施形態≫
<印字装置>
第1実施形態に係る印字装置Sの構成について図1を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る印字装置Sの構成模式図である。
第1実施形態に係る印字装置Sは、帯電制御式インクジェットプリンタであり、インクジェットヘッド10と、印字装置本体20と、を備えており、インクジェットヘッド10(ノズル11)からインク滴15を噴射して、被印字物100に印字パターン(示温体110)を印字することができるようになっている。なお、第1実施形態に係る印字装置Sによって被印字物100に印字される印字パターンは、文字に限られるものではなく、マーク、図形等であってもよい。また、被印字物100は温度管理されるものであり、印字装置Sおよび被印字物100は、室内温度調整装置(図示せず)により温度・湿度等が調整された温度調整空間R内に配置されている。なお、以下の説明において、温度調整空間R内は温度T0 に調整されているものとする。
インクジェットヘッド10は、ノズル11と、帯電電極12と、偏向電極13と、ガター14と、を備えている。
印字装置本体20は、メイン容器21と、インク供給路22と、インク回収路26と、インク容器31と、温度調整機構32と、断熱壁33と、インク補給路34と、溶剤容器36と、溶剤補給路37と、色濃度検知部40と、制御部41と、を備えている。
また、インク供給路22には、供給ポンプ23と、調整弁24と、開閉弁25と、が設けられている。インク回収路26には、回収ポンプ27と、開閉弁28と、が設けられている。インク補給路34には、開閉弁35が設けられている。溶剤補給路37には、開閉弁38が設けられている。
なお、供給ポンプ23および回収ポンプ27は、液体(インク)を送液する送液部(図示せず)と、送液部を駆動する電動機部(図示せず)と、を備えている。供給ポンプ23および回収ポンプ27は、断熱壁29,30で覆われており、電動機部で発生した熱が印字装置本体20内部(メイン容器21等)や温度調整空間Rに伝達しないようになっている。また、電動機部の熱が送液部に伝熱しにくい構造となっていることが好ましい。換言すれば、送液部で送液されるインクが電動機部の発熱で温度変化しにくい構造となっていることが好ましい。断熱壁29,30内は、図示しない冷却手段により温度調整空間Rの外部に放熱することができるようになっていることが好ましい。なお、断熱壁29,30はポンプ全体を覆うものとして説明したが、これに限られるものではなく、電動機部(図示せず)を断熱壁29,30で覆い、送液部を断熱壁29,30の外に配置してもよい。
メイン容器21に収容されたインクは、供給ポンプ23によりインク供給路22を介してノズル11に供給され、ノズル11からインク滴15として吐出される。この際、インク供給路22に設けられた供給ポンプ23および調整弁24により、ノズル11から吐出されるインク滴15の圧力が調整される。
ノズル11から吐出されたインク滴15は、帯電電極12で電荷を付与され、その後、偏向電極13で飛翔方向を制御され、被印字物100に着弾して印字パターン(示温体110)を形成する。また、印字に使用されないインク滴15は、ガター14に補足される。ガター14に補足されたインクは、回収ポンプ27によりインク回収路26を介してメイン容器21に回収される。
インク容器31には、後述するインクが収容されている。温度調整機構32は、インク容器31と共に断熱壁33の内部に配置されており、断熱壁33の内の温度を調整(昇温/降温)する、即ち、インク容器31に収容されたインクの温度を調整することができるようになっている。なお、温度調整機構32は、制御部41により制御される。また、温度調整機構32で温度を調整する際、断熱壁33で断熱されており、印字装置本体20内部(メイン容器21等)や温度調整空間Rの温度に与える影響は十分に小さい。インク補給路34は、インク容器31に収容されたインクをメイン容器21に供給することができるようになっている。
第1実施形態に係る印字装置Sは、メイン容器21の温度と独立してインク容器31に収容されたインクの温度調整をすることができる。なお、メイン容器21に収容されるインクおよびインク供給路22、ノズル11、ガター14、インク回収路26を循環するインクは、室内温度調整装置(図示せず)により温度調整空間Rが温度調整されることにより、所定の温度に調整されている。
溶剤容器36には、溶剤が収容されている。溶剤補給路37は、溶剤容器36に収容された溶剤をメイン容器21に供給することができるようになっている。なお、メイン容器21には、収容されたインクの粘度を検出する粘度検出装置(図示せず)が設けられており、溶剤が揮発することによりインクの粘度が規定値よりも高くなった場合、メイン容器21に溶剤を補給する。また、メイン容器21には、収容されたインクを撹拌する粘度検出装置(図示せず)が設けられており、インクと溶剤を撹拌して混合することができる。
印字装置本体20には、インク容器31内部のインクの色濃度を検知することが可能になる色濃度検知部40が設けられている。後述するインクは、温度の調整(昇温/降温)により、色濃度が変化する。即ち、温度調整機構32でインク容器31に収容されたインクの温度を調整することで、色濃度検知部40により、インクの色濃度変化を確認することが可能である。検知したインクの色濃度が一定値に達するまで、温度調整機構32を制御部41により制御する。その後、一定の色濃度および温度に制御した後に、インク容器31に収容されたインクをメイン容器21に供給することができるようになっている。この際、色濃度検知部40は、断熱壁33の内部のインクの色濃度を検知する機構であるが、インク容器31に収容されたインクの温度に与える影響は十分に小さい構造が好ましい。
色濃度検知方法は手段、配置を限られるものではなく、印字パターン(示温体110)を印字する前に、インクの顕色・消色状態を確認できればよい。色濃度検知方法としては、たとえば、光の吸収率や反射率や屈折率から評価する手法や、カメラで観察し取得した画像のコントラストから評価する手法などが挙げられる。光源としては、自然光、LED、レーザー、ハロゲンランプなどが挙げられ、検知機としては、CCDカメラ以外にもフォトダイオードや光電子増倍管などが挙げられる。もっとも単純な構造として、目視観察用の観察窓を設け、目視で色濃度を判断する機構にしてもよい。
色濃度検知部としては、例えば、反射してくる光をレッド,グリーン,ブルーのフィルタを通して測定する色彩計、波長ごとの反射光の強度であるスペクトルを測定する分光測色計等を用いることができる。
制御部41は、帯電電極12と、偏向電極13と、温度調整機構32と、色濃度検知部40と、供給ポンプ23と、調整弁24と、回収ポンプ27と、開閉弁25,28,35A,35B,38と、を制御することにより、第1実施形態に係る印字装置S全体を制御することができるようになっている。
<インク、示温体>
次に、第1実施形態に係る印字装置Sに用いられるインクについて説明する。インク容器31のインクは、温度変化により可逆的に色変化(顕色/消色)するインクであり、昇温時に消色開始する温度Ta1と、降温時に顕色開始する温度Td1と、が異なるヒステリシス変色現象を示すインクである。
このインクからなる示温体110は、顕色開始温度Td1以下への逸脱、もしくは、消色開始温度Ta1以上への逸脱を検知する。即ち、示温体110は、顕色開始温度Td1、もしくは、消色開始温度Ta1までの温度域を逸脱したか否かを判定することができる。このため、温度管理対象(例えば、生鮮食品、冷凍食品が封入された容器)の管理温度域(例えば、10℃以上、−18℃以上)に合わせて、インクを選択することにより、示温体110の管理温度域を設定することができる。
示温体110により温度下降時の管理温度域の逸脱を検知する方法について図2を用いて説明する。図2は、温度変化による示温体110の色変化の遷移を示す遷移図である。ここで、S0からS22は、示温体110の色の状態を示し、インクの顕色をドットの網掛けのハッチングで示す。また、昇温による遷移を実線矢印で示し、降温による遷移を破線矢印で示す。また、一点鎖線は、各温度(Td1,Ta1)の境界を示し、図2の右側ほど高温となっている。
示温体110は、少なくとも2種のインクから構成される。示温体は、第1のインクが顕色し、第2のインクが消色した状態を初期状態とする。示温体110の初期温度T0 は、「Td1<T0 <Ta1」であり、第1インクが顕色し、第2インクが消色した状態となっている(初期状態S0,S21)。
ここで、初期状態S0から、温度が顕色開始温度Td1以下へ逸脱すると、インクが顕色する(S11)。この状態から再びインクを消色するためには、消色開始温度Ta1以上まで昇温する必要がある。(S12,S22)。
このとき顕色開始温度Td1と消色開始温度Ta1の差が大きく、消色開始温度Ta1が管理温度領域よりも十分に高い場合、示温体110は、顕色開始温度Td1を逸脱すると、初期状態S0には戻ることができないようになっている。これにより、示温体110は、温度上昇時の管理温度域からの逸脱を検知することができる。
次に、示温体110により温度上昇時の管理温度域の逸脱を検知する方法について図3を用いて説明する。図3は、温度変化による示温体110の色変化の遷移を示す遷移図である。ここで、S1からS42は、示温体110の色の状態を示し、インクの顕色を左下がりのハッチングで示す。また、昇温による遷移を実線矢印で示し、降温による遷移を破線矢印で示す。また、一点鎖線は、各温度(Td2,Ta2)の境界を示し、図3の右側ほど高温となっている。
示温体110の初期温度T0 は、「Td1<T0 <Ta1」であり、インクが顕色した状態となっている(初期状態S1,S32)。
ここで、初期状態S0から、温度が消色開始温度Ta2以上へ逸脱すると、インクが消色する(S42)。この状態から再びインクを消色するためには、消色開始温度Td2以下まで降温する必要がある。(S41,S31)。
このとき顕色開始温度Td2と消色開始温度Ta2の差が大きく、顕色開始温度Ta2が管理温度領域よりも十分に低い場合、示温体110は、消色開始温度Ta2を逸脱すると、初期状態S1には戻ることができないようになっている。これにより、示温体110は、温度下降時の管理温度域からの逸脱を検知することができる。
第1インク、第2インクとしては、色変化の可逆性を有し、顕色開始温度と消色開始温度とが異なるヒステリシス変色現象を示すインクを用いることができる。このようなインクとしては、電子供与性化合物であるロイコ染料、電子受容性化合物である顕色剤、およびヒステリシスの温度範囲を制御するための消色剤からなる組成物が望ましい。
ロイコ染料は通常無色または淡色を呈しているが、顕色剤と接触することで呈色する。消色剤はロイコ染料および顕色剤との共存下で、加熱すると呈色したロイコ染料を消色させることが可能である。なお、ヒステリシスの温度範囲は該消色剤の融点および凝固点に大きく依存する。
また、管理温度によって、用いるインクのヒステリシス幅を調整する必要がある。例えば、冷凍食品のように、管理温度が−20℃〜−30℃であり、−18℃以上を検知する場合、顕色温度Ta2が−30℃以下、消色温度Td2が18℃のインクを用いるとよい。医薬品のように、管理温度が2℃〜8℃であり、8℃以上を検知する場合は、顕色温度Ta2が2℃以下、消色温度Td2が8℃のインクを用いるとよい。2℃以下を検知する場合は、顕色温度Ta2が2℃、消色温度Td2が8℃以上のインクを用いるとよい。
(ロイコ染料)
ロイコ染料は、電子供与性化合物からなるものであって、従来、感圧複写紙用の染料や、感熱記録紙用染料として公知のものを利用できる。例えば、トリフェニルメタンフタリド系、フルオラン系、フェノチアジン系、インドリルフタリド系、ロイコオーラミン系、スピロピラン系、ローダミンラクタム系、トリフェニルメタン系、トリアゼン系、スピロフタランキサンテン系、ナフトラクタム系、アゾメチン系等が挙げられる。この様なロイコ染料の具体例としては、9−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)スピロ[ベンゾ[a]キサンテン−12,3’−フタリド]、2−メチル−6−(Np−トリル−N−エチルアミノ)−フルオラン6−(ジエチルアミノ)−2−[(3−トリフルオロメチル)アニリノ]キサンテン−9−スピロ−3’−フタリド、3,3−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、2’−アニリノ−6’−(ジブチルアミノ)−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−キサンテン]、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、1−エチル−8−[N−エチル−N−(4−メチルフェニル)アミノ]−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロスピロ[11H−クロメノ[2,3−g]キノリン−11,3’−フタリドが挙げられる。また、第1インクおよび第2インクが重なって印字された示温体には、視認性の観点から、特に黒以外に呈色する染料を用いた方が好ましく、さらに、第1インクおよび第2インクは異なる色を呈する方が好ましい。具体的には第1インクのロイコ染料として9−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)スピロ[ベンゾ[a]キサンテン−12,3’−フタリド]、第2インクのロイコ染料として3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリドが好ましい。第1インクと第2インクの組み合わせは、これらに限定されるものではなく、異なる色を呈するものであれば良い。
また、本実施形態においては、インクに対して、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
(顕色剤)
本実施形態のインクに用いる電子受容体の顕色剤は、電子供与性のロイコ染料と接触することで、ロイコ染料の構造を変化させて呈色させることが可能である。顕色剤としては、感熱記録紙や感圧複写紙等に用いられる顕色剤として公知のものを利用できる。このような顕色剤の具体例としては、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、2,2′−ビフェノール、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、パラオキシ安息香酸エステル、没食子酸エステル等のフェノール類等を挙げることができる。顕色剤は、これらに限定されるものではなく、電子受容体でありロイコ染料を変色させることができる化合物であればよい。また、カルボン酸誘導体の金属塩、サリチル酸及びサリチル酸金属塩、スルホン酸類、スルホン酸塩類、リン酸類、リン酸金属塩類、酸性リン酸エステル類、酸性リン酸エステル金属塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類等を用いてもよい。特に、ロイコ染料や後述する消色剤に対する相溶性が高いものが好ましく、2,2′−ビスフェノール、ビスフェノールA、没食子酸エステル類等の有機系顕色剤が好ましい。
本実施形態にかかるインクは、これらの顕色剤を1種、または、2種類以上組み合わせてもよく、さらに、組合せることによりロイコ染料の呈色時の色濃度を調整可能である。本顕色剤の使用量は所望される色濃度に応じて選択する。例えば、通常前記したロイコ色素1重量部に対して、0.1〜100重量部程度の範囲内で選択すればよい。
(消色剤)
本実施形態における消色剤とは、ロイコ染料と顕色剤との結合を解離させることが可能な化合物であり、ロイコ染料と顕色剤との呈色温度を制御できる化合物である。一般的に、ロイコ染料が呈色した状態の温度範囲では、消色剤が相分離した状態で固化している。また、ロイコ染料が消色状態となる温度範囲では、消色剤は溶融しており、ロイコ染料と顕色剤との結合を解離させる機能が発揮された状態である。本実施形態のインクに用いるロイコ染料の呈色および消色温度は、消色剤の凝固点と融点に依存する。そのため、消色剤の凝固点と融点は温度差があることが望ましい。また、融点または凝固点の温度は、対象とする温度管理範囲に依存する。具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、トリカプリリン、トリカプリン、トリラウリン、トリミリスチン等の脂肪酸エステル化合物があり、ロイコ染料および顕色剤との相溶性の観点から、これらの化合物を含むことが好ましい。また、これらの消色剤を1種、または2種類以上組み合わせてもよく、この場合、凝固点および融点の調整が可能である。勿論、これらの化合物に限定されるものではなく、例えば、他のエステル類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、アマイド類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類等を挙げることができる。
(マイクロカプセル化)
本実施形態のインクに用いる、ロイコ染料、顕色剤および消色剤の組合せは、通常の染料や顔料と同様に、インク、塗料、合成樹脂等に均一に分散させて用いることが可能であるが、好ましくは保存安定性の観点から樹脂被膜から成るマイクロカプセルにより独立して内包されていることが望ましい。マイクロカプセル化することにより、組成の湿度等に対する耐環境性が向上し、保存安定性、変色特性の安定化等が可能となる。また、マイクロカプセル化により、インク、塗料などに調製した際に、ロイコ染料、顕色剤、消色剤が他の樹脂剤、添加剤等の化合物から受ける影響を抑制することが可能である。
マイクロカプセル化には、公知の各種手法を適用することが可能である。例えば、乳化重合法、懸濁重合法、コアセルベーション法、界面重合法、スプレードライング法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、2種以上異なる方法を組み合わせてもよい。
マイクロカプセルに用いる樹脂被膜としては、多価アミンとカルボニル化合物から成る尿素樹脂被膜、メラミン・ホルマリンプレポリマ、メチロールメラミンプレポリマ、メチル化メラミンプレポリマーから成るメラミン樹脂被膜、多価イソシアネートとポリオール化合物から成るウレタン樹脂被膜、多塩基酸クロライドと多価アミンから成るアミド樹脂被膜、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、塩化ビニル等の各種モノマー類から成るビニル系の樹脂被膜が挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、形成した樹脂被膜の表面処理を行い、インクや塗料化する際の表面エネルギーを調整することで、マイクロカプセルの分散安定性を向上させる等、追加の処理をすることもできる。
また、示温体の作製方法にもよるが、インクや塗料として用いる場合、マイクロカプセルの直径は、装置適合性、保存安定性等が課題となるため、0.1〜100μm程度の範囲が好ましく、さらに好ましくは、0.1〜1μmの範囲が良い。
(インク溶液)
本実施形態の示温体を形成するために、帯電制御式インクジェットプリンタを使用する場合、インクを溶媒中に分散させたインク溶液が必要となる。インク溶液は、樹脂、着色剤、ポリジメチルシロキサン鎖を有する添加剤、アルコキシシラン基を有する添加剤、溶剤等を含み、これら材料をオーバーヘッドスターラ等により攪拌しお互いを相溶または分散させることによりインクが形成される。インクの抵抗が高い場合は後述する導電剤も添加する。
(導電剤)
本実施形態の示温体を形成するために、帯電制御式インクジェットプリンタを使用する場合、インクを溶媒中に分散させたインク溶液が必要となる。該インク溶液は、抵抗が高い場合、帯電制御式インクジェットプリンタにおけるインクの吐出部において、インク粒子がまっすぐ飛ばず、曲がる傾向がある。そのため、抵抗は概ね2000Ωcm以下にする必要がある。インクの組成は主に2−ブタノン、エタノールを主成分とする有機溶媒、樹脂、顔料である。これらは導電性が低いので、これだけでインクが構成されると抵抗は5000〜数万Ωcm程度と大きく、帯電制御式インクジェットプリンタでは所望の印字が困難となる。そこで、導電剤を添加する必要がある。導電剤としては、錯体を用いることが好ましい。導電剤は用いる溶剤に溶解することが必要で、色調に影響を与えないことも重要である。また導電剤は一般には塩構造のものが用いられる。これは分子内に電荷の偏りを有するので、高い導電性が発揮できるものと推定される。塩構造でない物質はかなりの割合加えないと抵抗が2000Ωcm以下にならないので本実施形態のインクに加えるのは適当ではない。
以上のような観点で検討した結果、導電剤は塩構造で、陽イオンはテトラアルキルアンモニウムイオン構造が好適であることを見出した。アルキル鎖は直鎖、分岐どちらでもよく、炭素数が大きいほど溶媒に対する溶解性は向上する。しかし炭素数が小さいほど、僅かの添加率で抵抗を下げることが可能となる。インクに使う際の現実的な炭素数は2〜8程度である。
陰イオンはヘキサフルオロフォスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン等が溶剤に対する溶解性が高い点で好ましい。
なお、過塩素酸イオンも溶解性は高いが、爆発性があるので、インクに用いるのは現実的ではない。それ以外に、塩素、臭素、ヨウ素イオンも挙げられるが、これらは鉄やステンレス等の金属に接触するとそれらを腐食させる傾向があるので好ましくない。
以上より、好ましい導電剤は、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラプロピルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラペンチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラヘキシルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラオクチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラプロピルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラペンチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラヘキシルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラオクチルアンモニウムテトラフルオロボレート等が挙げられる。
<印字装置の制御>
第1実施形態に係る印字装置Sの制御について図4を用いて説明する。図4は、第1実施形態に係る印字装置Sにおける、温度下降時の管理温度域の逸脱を検知するインクをメイン容器に供給する際のフローチャートである。
ステップS101において、色濃度検知部40によってインクの色濃度を検知する。ステップS102において、制御部41は、色濃度検知部40の検知結果をもとづきインクの消色が終了したか否かを判定する。インクの消色が終了したと判定した場合(S102・Yes)、制御部41の処理はステップS106に進む。
インクの消色が終了していないと判定した場合(S102・No)、制御部41は、温度調整機構32を制御して、断熱壁33の内部を昇温(加熱)する(S103)。具体的には、インク容器31に収容されたインクの温度を消色開始温度Ta1以上にする。これにより、インクは、消色を開始する。その後に、ステップS104に進む。
ステップS104において、色濃度検知部40によって、インクの色濃度を検知する。検知結果により、ステップS105において、制御部41は、インクの消色が終了したか否かを判定する。インクの消色が終了したと判定した場合(S105・Yes)、制御部41の処理はステップS106に進む。インクの消色が終了していないと判定した場合(S105・No)、ステップS103に戻り、再度昇温処理を行う。
ステップS106において、制御部41は、温度調整機構32を制御して、断熱壁33の内部を初期温度T0 とする。即ち、インク容器31に収容されたインクの温度を初期温度T0 とする。ここで、インクを冷却して初期温度T0 とする際、顕色開始温度Td1を超えないようにする。
ステップS107において、制御部41は、インク容器31に収容されたインクの温度が初期温度T0 であるか否かを判定する。インクの温度が初期温度T0 でないと判定した場合(S107・No)、ステップ制御部41の処理はステップS107を繰り返す。インクの温度が初期温度T0 であると判定した場合(S107・Yes)、制御部41の処理はステップS108に進む。
なお、ステップS101からステップS102の色検知処理は、インク状態によっては(インクが明らかに消色していない場合など)、省略しても構わない。
ステップS108において、制御部41は、開閉弁35を制御して、インク補給路34を開き、インク容器31のインクをメイン容器21に供給する。なお、インク容器31からメイン容器21へのインクの供給は、図示しないポンプで行ってもよく、圧力差や高低差によって行ってもよい。
図5は、第1実施形態に係る印字装置Sにおける、温度上昇時の管理温度域の逸脱を検知するインクをメイン容器に供給する際のフローチャートである。
ステップS111において、色濃度検知部40によってインクの色濃度を検知する。ステップS112において、制御部41は、色濃度検知部の検知結果に基づきインクの顕色が終了したか否かを判定する。インクの顕色が終了したと判定した場合(S112・Yes)、制御部41の処理はステップS116に進む。
インクの顕色が終了していないと判定した場合(S112・No)、制御部41は、温度調整機構32を制御して、断熱壁33の内部を降温(冷却)する(S113)。具体的には、インク容器31に収容されたインクの温度を顕色開始温度Td2以上にする。これにより、インクは、顕色を開始する。その後に、ステップS114に進む。
ステップS114において、色濃度検知部40によって、インクの色濃度を検知する。検知結果により、ステップS115において、制御部41は、インクの顕色が終了したか否かを判定する。インクの顕色が終了したと判定した場合(S115・Yes)、制御部41の処理はステップS116に進む。インクの顕色が終了していないと判定した場合(S115・No)、ステップS113に戻り、再度降温処理を行う。
ステップS116において、制御部41は、温度調整機構32を制御して、断熱壁33の内部を初期温度T0 とする。即ち、インク容器31に収容されたインクの温度を初期温度T0 とする。ここで、インクを加熱して初期温度T0 とする際、消色開始温度Ta2を超えないようにする。
ステップS117において、制御部41は、インク容器31に収容されたインクの温度が初期温度T0 であるか否かを判定する。インクの温度が初期温度T0 でないと判定した場合(S117・No)、ステップ制御部41の処理はステップS117を繰り返す。インクの温度が初期温度T0 であると判定した場合(S117・Yes)、制御部41の処理はステップS118に進む。
なお、ステップS111からステップS112の色検知処理は、インク状態によっては(インクが明らかに顕色していない場合など)、省略しても構わない。
ステップS118において、制御部41は、開閉弁35を制御して、インク補給路34を開き、インク容器31のインクをメイン容器21に供給する。なお、インク容器31からメイン容器21へのインクの供給は、図示しないポンプで行ってもよく、圧力差や高低差によって行ってもよい。
以上のように、第1実施形態に係る印字装置Sは、初期温度T0 かつ初期状態S0、もしくは、初期温度T0 かつ初期状態S1のインクをメイン容器21に供給することができる。そして、第1実施形態に係る印字装置Sは、この状態のインクをインクジェットヘッド10(ノズル11)からインク滴15として噴射することにより、被印字物100に印字パターン(示温体110)を印字することができる。また、第1実施形態に係る印字装置Sで印字された印字パターンは、初期状態がS0の場合は顕色開始温度Td1からの温度逸脱を、初期状態がS1の場合は、消色開始温度Td2からの温度逸脱を検知することができる。
≪第2実施形態≫
第2実施形態では、複数のインク容器を備える印字装置について図6を用いて説明する。なお、第2実施形態から第5実施形態では第1実施形態と異なる構成のみ説明する。図6は第2実施形態に係る印字装置の構成模式図である。第2実施形態に係る印字装置は、第1インク容器31Aと第2インク容器31Bを備え、インク容器ごとに、温度調整機構32、インク補給路34、開閉弁35、色濃度検知部40を備える。
本実施形態によれば、第1インク容器に温度下降時の管理温度域の逸脱を検知するインクを、第2インク容器に温度上昇時の管理温度域の逸脱を検知するインクを収容することができる。
≪第3実施形態≫
第3実施形態に係る印字装置SAについて図7を用いて説明する。図7は、第3実施形態に係る印字装置SAの構成模式図である。
第1実施形態に係る印字装置Sは、室内温度調整装置(図示せず)が温度調整空間Rを温度調整することにより、メイン容器21に収容されるインクおよび印字装置Sの内部(インク供給路22、ノズル11、ガター14、インク回収路26)を循環する混合インクの温度を所定の温度(初期温度T0 )に調整するようになっている。これに対し、第3実施形態に係る印字装置SAは、内部温度調整機構39を備えている。内部温度調整機構39が温度調整する範囲を破線39aで示す。即ち、内部温度調整機構39は、メイン容器21に収容されるインクおよび印字装置SAの内部(インク供給路22、ノズル11、ガター14、インク回収路26)を循環するインクの温度を所定の温度(初期温度T0 )に調整することができる。これにより、第3実施形態に係る印字装置SAは、印字前のインクの温度を好適に管理することができる。
≪第4実施形態≫
第4実施形態に係る印字装置SBについて図8を用いて説明する。図8は、第4実施形態に係る印字装置SBの構成模式図である。
第1実施形態に係る印字装置SBは循環式(帯電制御式)のインクジェットプリンタである。これに対し、第4実施形態に係る印字装置SBは、印字する際にノズル11からインク滴15を噴射するDOD(Drop On Demand)式のインクジェットプリンタであり、インクジェットヘッド10Bと、印字装置本体20Bと、を備えている。
インクジェットヘッド10Bは、ノズル11を備えている。印字装置本体20Bは、メイン容器21と、インク供給路22と、インク容器31と、温度調整機構32と、断熱壁33と、インク補給路34と、溶剤容器36と、溶剤補給路37と、色濃度検知部40と、制御部41と、を備えている。また、インク供給路22には、供給ポンプ23と、調整弁24と、開閉弁25と、が設けられている。インク補給路34には、開閉弁35が設けられている。溶剤補給路37には、開閉弁38が設けられている。
第4実施形態に係る印字装置SBは、例えば、ノズル11に設けられたピエゾ素子(圧電素子)が通電により体積変化することにより、または、ノズル11に設けられたソレノイドバルブが通電により開閉することにより、インク滴15の噴射・停止を制御する。
その他の構成は第1実施形態に係る印字装置Sと同様であり、重複する説明を省略する。
以上のように、DOD式の第4実施形態に係る印字装置SBは、循環式(帯電制御式)の第1実施形態に係る印字装置Sと同様に、初期温度T0 かつ初期状態S0、もしくは、初期温度T0 かつ初期状態S1のインクをメイン容器21に供給することができる。そして、第4実施形態に係る印字装置SBは、この状態のインクをインクジェットヘッド10(ノズル11)からインク滴15として噴射することにより、被印字物100に印字パターン(示温体110)を印字することができる。また、第4実施形態に係る印字装置SBで印字された印字パターンは、初期状態がS0の場合は顕色開始温度Td1からの温度逸脱を、初期状態がS1の場合は、消色開始温度Td2からの温度逸脱を検知することができる。
なお、第3実施形態と同様に、第4実施形態に係る印字装置SBが内部温度調整機構(図示せず)を備えていてもよい。内部温度調整機構は、メイン容器21に収容されるインクおよびインク供給路22からノズル11へ供給される混合インクの温度を所定の温度(初期温度T0 )に調整することができる。これにより、印字前の混合インクの温度を好適に管理することができる。
≪第5実施形態≫
第5実施形態に係る筆記装置SCについて図9を用いて説明する。図9は、第4実施形態に係る筆記装置SCの構成模式図である。
第5実施形態に係る筆記装置SCは、インクを収容するインク容器31と、筺体60と、観察窓61と、熱伝導部材62と、ペン先部63と、を備えている。
第4実施形態に係る筆記装置SCは、インク容器31に収容されたインクで筆記することができるようになっている。
観察窓61は、筺体60の側面に設けられ、インク容器31に収容されたインクの顕色・消色状態を外部から観察することができるようになっている。
熱伝導部材62は、筺体60の側面に設けられ、インク容器31と熱伝導可能に設けられている。
第5実施形態に係る筆記装置SCに用いられるインクは、第1実施形態に係る印字装置Sに用いられているものと同様であり、重複する説明を省略する。
第5実施形態に係る筆記装置SCの使用例について説明する。
まず、筆記装置SC全体を顕色開始温度Td1以下に冷却する。例えば、筆記装置SCを冷凍庫に入れて冷却する。これにより、インクは顕色状態となる。
インクは顕色状態については、観察窓61より確認する。顕色が完了した後に、筆記装置SC全体を初期温度T0 と(「Td1<T0 <Ta1」)する。例えば、筆記装置SCを冷凍庫から取り出して、筆記装置SCで筆記作業を行う部屋内で放置する。この状態で筆記することにより、インクが顕色した状態の色で筆記することができる。
他の使用例として、熱伝導部材63から熱を供給してインクを消色開始温度Ta2以上に加熱する。例えば、熱伝導部材63を擦ることにより発生する摩擦熱によってインクを加熱する。これにより、インクは消色状態となる。
次に、筆記装置SC全体を初期温度T0 と(「Td2<T0 <Ta2」)する。この状態で筆記することにより、インクが消色した状態の色で筆記することができる。
以上のように、第5実施形態に係る筆記装置SCによれば、異なる色で筆記する筆記具とすることができる。これにより、この筆記パターンは、第1実施形態の示温体110と同様に、管理温度域からの逸脱を検知することができる。
≪変形例≫
なお、本実施形態に係る印字装置S〜SBおよび筆記装置SCは、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
第1〜第5実施形態に係る印字装置S〜SBは、メイン容器21に供給するインクを複数種にしてもよい。即ち、インク容器31と、温度調整機構32と、断熱壁33と、インク補給路34と、開閉弁35と、色濃度検知部40と、を複数備えてもよい。
第1〜第4実施形態に係る印字装置S〜SBは、帯電制御式(循環式)インクジェットプリンタまたはDOD式インクジェットプリンタであるものとして説明したがこれに限られるものではない。例えば、捺印式(スタンプ、コーダー)の印字装置に適用してもよい。
第1〜第4実施形態に係る印字装置は、インクの色濃度を検知する色濃度検知部40がインク容器31の側に配置されるものとして説明したが、これに限られるものではない。色濃度検知部40がメイン容器21の側に配置され、印字直前の色濃度を観察する機構であってもよい。図10は、第1変形例に係る印字装置Sの構成模式図である。図9に示すように、色濃度検知部40がインク補給路34(好ましくは、開閉弁35よりも上流側)に設けられていてもよい。
第1〜第4実施形態に係る印字装置は、インク容器31のインクの温度を調整する温度調整機構32を備えるものとして説明したが、これに限られるものではない。温度調整は、色濃度検知部40により色検知する前に実施されればよく、たとえば、温度調整機構32をメイン容器21の側に備え、メイン容器21内の温度を適正温度に調整した後に、メイン容器21内の色濃度を検知する構成でもよい。
S,SA,SB 印字装置
10,10B インクジェットヘッド
11 ノズル
12 帯電電極
13 偏向電極
14 ガター
20,20B 印字装置本体
21 メイン容器(混合インク容器)
22 インク供給路
23 供給ポンプ
26 インク回収路
27 回収ポンプ
29 断熱壁
31 インク容器
32 温度調整機構(温度調整部)
33 断熱壁(断熱部)
34 インク補給路
36 溶剤容器
37 溶剤補給路
39 内部温度調整機構(内部温度調整部)
40 色濃度検知部
41 制御部
15 インク滴
100 被印字物
110 示温体
R 温度調整空間
SC 筆記装置
60 筺体
61 観察窓
62 熱伝導部材
63 ペン先部(筆記部)

Claims (10)

  1. インクを収容するインク容器と、
    インクを噴射するノズルと、
    前記インク容器から前記ノズルにインクを供給するインク供給路と、
    前記インクの色濃度を検知する色濃度検知部と、を備えることを特徴とする印字装置。
  2. 請求項1に記載の印字装置であって、
    前記色濃度検知部は、前記インク供給路又は前記インク容器に設けられていることを特徴とする印字装置。
  3. 請求項2に記載の印字装置であって、
    前記インク供給路に設けられた開閉弁と、
    前記色濃度検知部の検知結果に基づき前記開閉弁を制御する制御部と、
    をさらに備えることを特徴とする印字装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印字装置であって、
    前記インクの温度を調整する温度調整部を備えることを特徴とする印字装置。
  5. 請求項4に記載の印字装置であって、
    前記温度調整部は、前記インク供給路又は前記インク容器に設けられていることを特徴とする印字装置。
  6. 請求項1又は2に記載の印字装置であって、
    前記インクの温度を調整する温度調整部と、温度調整部と制御する制御部と、を備え、
    前記インクは、温度変化により可逆的に色変化し、顕色開始温度Tと消色開始温度Tが異なるインクであって、
    前記制御部は、前記温度調整部を制御して、前記インクの温度を温度Td以下とした後、色濃度検知部により色濃度を検知した後、温度Taよりも低い温度である温度T0とすることを特徴とする印字装置。
  7. 請求項1又は2に記載の印字装置であって、
    前記インクの温度を調整する温度調整部と、温度調整部と制御する制御部と、を備え、
    前記インクは、温度変化により可逆的に色変化し、顕色開始温度Tと消色開始温度Tが異なるインクであって、
    前記制御部は、前記温度調整部を制御して、前記インクの温度を温度Ta以上とした後、色濃度検知部により色濃度を検知した後、温度Tdよりも高い温度である温度T0とすることを特徴とする印字装置。
  8. 請求項1に記載の印字装置の制御方法であって、
    前記印字装置は、前記インクの温度を調整する温度調整部と、温度調整部と制御する制御部と、を備え、
    前記インクは、温度変化により可逆的に色変化し、顕色開始温度Tと消色開始温度Tが異なるインクであって、
    前記制御部は、前記温度調整部を制御して、前記インクの温度を温度Td以下とした後、色濃度検知部により色濃度を検知し、インクの消色を確認した後、温度Taよりも低い温度である温度T0とすることを特徴とする印字装置の制御方法。
  9. 請求項1に記載の印字装置の制御方法であって、
    前記印字装置は、前記インクの温度を調整する温度調整部と、温度調整部と制御する制御部と、を備え、
    前記インクは、温度変化により可逆的に色変化し、顕色開始温度Tと消色開始温度Tが異なるインクであって、
    前記制御部は、前記温度調整部を制御して、前記インクの温度を温度Ta以上とした後、色濃度検知部により色濃度を検知し、顕色を確認した後、温度Tdよりも高い温度である温度T0とすることを特徴とする印字装置の制御方法。
  10. インクを収容するインク容器と、
    インクを噴射する筆記部と、
    前記インク容器から前記筆記部にインクを供給するインク供給路と、
    前記インクの色濃度を検知する色濃度検知部と、
    を備えることを特徴とする筆記装置。
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