以下、本発明を具体化した実施例1、2について図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の画像読取装置1は、本発明の画像読取装置の具体的態様の一例である。図1では、操作パネル8Pが配置される側を装置の前方と規定し、操作パネル8Pに向かった場合に左に来る側を左方と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2以降の各図に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、図1等に基づいて、画像読取装置1が備える各構成要素について説明する。
<全体構成>
図1〜図4に示すように、画像読取装置1は、本体部8、開閉部9、画像形成ユニット5、読取ユニット3、自動搬送機構4及び制御部7を備えている。本体部8は、扁平な略箱状体である。図1に示すように、本体部8の前面には、タッチパネル等である操作パネル8Pが設けられている。
図2に示すように、画像形成ユニット5は、本体部8内の下部分に収容されている。画像形成ユニット5は、インクジェット方式又はレーザ方式等によりシートに画像を形成する。図2及び図5に示すように、読取ユニット3は、本体部8内の上部分に位置している。読取ユニット3は、原稿の画像を読み取る際に使用される。自動搬送機構4は、開閉部9に設けられている。自動搬送機構4は、供給トレイ91に支持されたシートSHを搬送ガイド30に沿って順次搬送しながらシートSHの画像を読取ユニット3に読み取らせる際に使用される。
図2及び図4に示すように、制御部7は、本体部8内の左側面に沿う位置に収容されている。制御部7は、CPU、ROM、RAMを主とするマイクロコンピュータとして構成されている。ROMには、CPUが画像読取装置1の各種動作を制御するためのプログラムや、識別処理を実行するためのプログラムなどが格納されている。RAMは、CPUが上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号を一時的に記録する記憶領域、又はデータ処理の作業領域として使用される。制御部7は、画像形成ユニット5、読取ユニット3、自動搬送機構4及び操作パネル8Pを制御する。
図5に示すように、本体部8の上面にはプラテンガラスが配設され、そのプラテンガラスの上面によって大面積の原稿支持面8Aが形成されている。また、本体部8の上面における原稿支持面8Aよりも左方には別のプラテンガラスが配設され、その別のプラテンガラスの上面によって、前後方向に細長い読取面8Bが形成されている。
原稿支持面8Aは、静止した状態の原稿の画像を読取ユニット3が読み取る際に、その原稿を下から支持する。読取対象の原稿には、用紙、OHPシート等であるシートの他、書籍等が含まれる。
読取面8Bは、自動搬送機構4によって1枚ずつ搬送されるシートSHの画像を読取ユニット3が読み取る際に、その搬送されるシートSHに下から接触する。本体部8の上面における原稿支持面8Aと読取面8Bとの間には、ガイド凸部8Hが設けられている。ガイド凸部8Hは、読取面8Bに接触しながら搬送されるシートSHをすくい上げて右向きに上り傾斜するように案内する。
なお、本実施例においては、原稿支持面8Aを使用して画像が読み取られる対象を原稿と記載し、自動搬送機構4により搬送しながら画像が読み取られる対象をシートと記載する。原稿とシートとは、実質的に同じものであってもよい。
図1に示すように、開閉部9は、本体部8の後端部に配設された図示しないヒンジによって、左右方向に延びる開閉軸心X9周りに揺動可能に支持されている。開閉部9は、図1及び図5等に示す閉じた状態では、原稿支持面8A及び読取面8Bを上方から覆っている。図示は省略するが、開閉部9は、その前端部が上方かつ後方に変位するように開閉軸心X9周りに揺動することにより、原稿支持面8A及び読取面8Bを露出させる開放位置に変位する。これにより、ユーザは、読取対象の原稿を原稿支持面8Aに支持させることができる。
なお、開閉部9の構成や内部構造等について説明する際には、上下方向及び前後方向について、閉じた状態の開閉部9の姿勢を基準とする。
読取ユニット3は、図2〜図6に示すように本体部8内の上部分に収容された読取センサ3Sと、図4に示す走査機構駆動源3Mと、走査機構駆動源3Mに駆動される図示しない走査機構とを有している。読取センサ3Sとしては、CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等の周知の画像読取センサが使用される。
図5に示すように、読取センサ3Sは、原稿支持面8A及び読取面8Bの下方に位置している。図示しない走査機構は、原稿支持面8Aに支持される原稿の画像を読み取る際に走査機構駆動源3Mによって駆動され、読取センサ3Sを本体部8内における原稿支持面8Aの下方で左右方向に往復動させる。また、図示しない走査機構は、自動搬送機構4によって搬送されるシートSHの画像を読取センサ3Sが読み取る際に走査機構駆動源3Mによって駆動され、読取センサ3Sを本体部8内における読取面8Bの下で停止させる。読取センサ3Sが読取面8Bの下で停止する位置は、予め定められた静止読取位置である。
図5及び図6に示すように、開閉部9は、ベース部材39、第1シュート部材35、第2シュート部材36及びカバー部材38を備えている。
ベース部材39は、開閉部9の底壁を形成している。ベース部材39には、読取面8B及びガイド凸部8Hに対向する領域が略矩形状に切り欠かれてなる矩形穴39Hが形成されている。ベース部材39における矩形穴39Hよりも左方に位置する部分には、搬送面39Gが形成されている。搬送面39Gの左端部は、下向きから向きを変えて右向きに下り傾斜するように湾曲している。そして、搬送面39Gは、矩形穴39Hの左端縁まで下り傾斜している。
第2シュート部材36は、ベース部材39の左部分の上方に配設されている。第2シュート部材36には、押圧部材保持部36F及び案内面36G、36Hが形成されている。押圧部材保持部36Fは、読取面8Bに対向する位置で上向きに凹む凹部である。押圧部材保持部36Fには、押圧部材36Pが上下方向に変位可能に保持されている。押圧部材36Pは、読取面8Bに接触しながら搬送されるシートSHを上から押圧して、そのシートSHが読取面8Bから浮き上がることを抑制する。案内面36Gは、押圧部材保持部36Fよりも左方に位置している。案内面36Gの左端部は、ベース部材39の搬送面39Gの左端部に沿って湾曲している。そして、案内面36Gは、ベース部材39の搬送面39Gの下り傾斜する部分に沿って、右向きに下り傾斜している。案内面36Hは、押圧部材保持部36Fよりも右方に位置している。案内面36Hは、本体部8のガイド凸部8Hに沿って右向きに上り傾斜している。
第1シュート部材35は、第2シュート部材36の上方に配設されている。第1シュート部材35には、規制面35K及び搬送面35Gが形成されている。規制面35Kは、第1シュート部材35の右端部から左向きに上り傾斜している。搬送面35Gは、規制面35Kの上端に接続し、左向きに略水平に延びている。搬送面35Gの左端部は、左向きから下向きに向きを変えるように湾曲している。
カバー部材38は、第1シュート部材35の上方に配設されている。カバー部材38には、下向きに突出する複数のリブ38Rの下端縁からなる案内面38Gが形成されている。案内面38Gの右端部は、第1シュート部材35における規制面35Kと搬送面35Gとの接続部よりも左方にずれた位置で搬送面35Gに上から対向している。案内面38Gは、第1シュート部材35の搬送面35Gに沿って左向きに略水平に延びている。案内面38Gの左端部は、第1シュート部材35の搬送面35Gの左端部に沿って湾曲している。
図7に示すように、開閉部9は、第1サイドフレーム9A及び第2サイドフレーム9Bを備えている。第1サイドフレーム9Aは、開閉部9の前面側で左右方向に延びるように配置されて、開閉部9の内部フレームの一部を構成している。第2サイドフレーム9Bは、開閉部9の後面側で左右方向に延びるように配置されて、開閉部9の内部フレームの一部を構成している。
第1サイドフレーム9Aと第2サイドフレーム9Bとは、図5等に示すカバー部材38の案内面38G、第1シュート部材35の規制面35K及び搬送面35G、第2シュート部材36の案内面36G、36H、並びにベース部材39の搬送面39Gを挟むように前後方向において対向している。なお、図7では、説明し易くするために、供給トレイ91の供給トレイ本体92及び可動板50の図示を省略している。また、図7では、説明し易くするために、第1駆動源M1及び第2駆動源M2の位置を分離ローラ42の回転軸42Sよりも下方の位置から右方にずらして図示している。図8でも、第2駆動源M2の位置を分離ローラ42の回転軸42Sよりも下方の位置から右方にずらして図示している。
図2、図3、図5及び図6に示すように、開閉部9は、自動搬送機構4の一部を構成する搬送ガイド30と、搬送ガイド30に供給されるシートSHを支持するための供給トレイ91と、搬送ガイド30から排出されるシートSHを支持するための排出トレイ96とを備えている。
図5に示すように、供給トレイ91は、第1シュート部材35よりも右方に位置し、かつベース部材39の右部分の上方に配設されている。供給トレイ91は、供給トレイ本体92及び可動板50を有している。供給トレイ本体92は、開閉部9の右端部側から左向きに緩やかに下り傾斜している。可動板50は、供給トレイ本体92の左端部に隣接するように配置されている。可動板50は、第1シュート部材35の規制面35Kに向かって略平板状に延びている。可動板50は、カバー部材38の右部分に上から覆われている。供給トレイ91は、供給トレイ本体92及び可動板50によって、自動搬送機構4に供給されるシートSHを支持する。
可動板50は、その右端部が前後方向に延びる第3軸心X3周りに回動可能に支持されている。図示は省略するが、可動板50は、図7に示す第1サイドフレーム9A及び第2サイドフレーム9Bに回動可能に支持されている。
後で詳しく説明するが、可動板50は、図7及び図9等に示す第1駆動源M1からの駆動力が第1駆動列110及び排出ユニット60を経由して伝達されることにより、供給トレイ91に支持されるシートSHの減少に応じて、図2、図5及び図9に示す第1位置から図3、図6及び図10に示す第2位置に回動するように構成されている。図6等に示す第2位置は、図5等に示す第1位置よりも上方の位置である。
図5に示すように、供給トレイ本体92には、第2シートセンサ82が設けられている。図4に示すように、第2シートセンサ82は、制御部7に接続されている。第2シートセンサ82は、供給トレイ91に支持されるシートSHの有無に対応する検知信号を制御部7に伝達する。制御部7は、第2シートセンサ82の検知信号に基づいて、供給トレイ91にシートSHが支持されているか否かを判断する。第2シートセンサ82としては、例えば、アクチュエータを用いた接触式のセンサや、超音波等を利用した非接触式のセンサ等を採用できる。
図1及び図5に示すように、供給トレイ本体92上には、2つの幅規制ガイド94A、94Bがそれぞれ前後方向にスライド可能に設けられている。前方の幅規制ガイド94Aと後方の幅規制ガイド94Bとが互いに接近又は離間することにより、供給トレイ91に支持されるサイズの異なる複数種類のシートSHを前後から挟む。これにより、様々なサイズのシートSHを供給トレイ91における幅方向の中央部を基準として位置決めできる。
図5に示すように、排出トレイ96は、ベース部材39の右部分に形成されている。つまり、排出トレイ96は、供給トレイ91よりも下方の位置で、供給トレイ91に重なるように設けられている。排出トレイ96には、読取センサ3Sによって画像が読み取られ、自動搬送機構4によって搬送されたシートSHが排出される。排出トレイ96の上面は、排出されるシートSHを支持するシート支持面96Aとされている。
後で詳しく説明するが、排出トレイ96には、図5〜図7に示すように、シート支持面96A上のシートSHに当接することによって移動可能な第1アクチュエータ71が設けられている。また、開閉部9内には、第1アクチュエータ71の移動を検知する第1シートセンサ81が設けられている。第1アクチュエータ71及び第1シートセンサ81はそれぞれ、後述するシート検知部70の一部を構成している。
搬送ガイド30は、供給トレイ91から排出トレイ96に向けてシートSHを搬送するための搬送経路を構成している。具体的には、搬送ガイド30は、第1ガイド31、第2ガイド32及び第3ガイド33を有している。
第1ガイド31は、第1シュート部材35の搬送面35Gの略水平に延びる部分と、カバー部材38の案内面38Gの略水平に延びる部分とを含んで構成されている。第1ガイド31は、供給トレイ91から送り出されるシートSHを左向きに案内する。
第2ガイド32は、第1シュート部材35の搬送面35Gの湾曲する左端部と、カバー部材38の案内面38Gの湾曲する左端部と、ベース部材39の搬送面39Gの湾曲する左端部と、第2シュート部材36の案内面36Gの湾曲する左端部とを含んで構成されている。第2ガイド32は、第1ガイド31に接続し、シートSHの搬送方向を左向きから右向きに変化させる。
第3ガイド33は、ベース部材39の搬送面39Gの下り傾斜する部分と、第2シュート部材36の案内面36Gの下り傾斜する部分と、第2シュート部材36の案内面36Hとを含んで構成されている。第3ガイド33は、第2ガイド32に接続し、排出トレイ96に向けてシートSHを案内する。
自動搬送機構4は、第3ガイド33に案内されたシートSHを排出ガイド61によって排出トレイ96に排出するための排出ユニット60を有している。排出ガイド61には、搬送面61G及び案内面61Hが形成されている。搬送面61Gは、本体部8のガイド凸部8Hよりも右方に位置し、右向きに上り傾斜している。案内面61Hは、第2シュート部材36の案内面36Hよりも右方に位置している。案内面61Hは、搬送面61Gに沿って右向きに上り傾斜している。排出ガイド61は、排出トレイ96にシートSHを排出するための排出口69を有している。排出口69は、搬送面61Gの右端部と、案内面61Hの右端部との間で開口している。
図7に示すように、排出ユニット60において、排出ガイド61は、搬送面61Gが形成された平板と、案内面61Hが形成された平板とが上下方向において対向し、双方の平板の前端縁と後端縁とが前後一対の側板によって接続されてなる略角筒形状部材である。排出ガイド61は、前後方向に延びる第1軸心X1を軸心とする軸部61S、61Tを有している。第1軸心X1は、第3軸心X3と平行である。
前方の軸部61Sは、搬送面61G及び案内面61Hの前方かつ左方の角部から前向きに突出する円柱軸である。前方の軸部61Sは、第1サイドフレーム9Aに回動可能に支持されているとともに、第1サイドフレーム9Aよりも前方に突出している。
後方の軸部61Tは、搬送面61G及び案内面61Hの後方かつ左方の角部から後向きに突出する円柱軸である。後方の軸部61Tは、第2サイドフレーム9Bに回動可能に支持されているとともに、第2サイドフレーム9Bよりも後方に突出している。
こうして、排出ガイド61は、第1軸心X1周りに回動可能となっている。図5に示すように、第1軸心X1の位置は、搬送ガイド30の第3ガイド33と、排出ガイド61とによって形成される搬送経路と重なるように設定されている。
排出ユニット60は、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48を有している。排出ローラ47は、排出口69に対して上方に配置されている。排出ピンチローラ48は、排出口69に対して下方に配置されている。図示は省略するが、複数組の排出ローラ47及び排出ピンチローラ48が互いに前後方向の間隔を有して配設されている。
排出ローラ47は、第1軸心X1と平行な第2軸心X2を軸心とする回転軸47Sに固定されている。図7に示すように、回転軸47Sの前端部は、排出ガイド61の前方かつ右方の角部に回転可能に支持されている。回転軸47Sの後端部側は、排出ガイド61の後方かつ右方の角部に回転可能に支持されている。回転軸47Sの後端部は、排出ガイド61よりも後方に突出している。こうして、排出ローラ47は、第2軸心X2周りに回転可能に排出ガイド61に支持されている。排出ローラ47の回転軸47Sが延びる方向である前後方向は、「排出ローラの軸方向」の一例である。
図5及び図9に示すように、排出ピンチローラ48は、排出ガイド61の右端部に回転可能に支持され、排出ローラ47に下から対向している。排出ガイド61の搬送面61G及び案内面61Hは、排出ローラ47と排出ピンチローラ48とのニップ位置に向けてシートSHを案内する。
後で詳しく説明するが、排出ユニット60は、図7及び図9等に示す第1駆動源M1及び第1駆動列110が作動することにより、供給トレイ91に支持されるシートSHの減少に応じて、図2、図5及び図9に示す第3位置から、図3、図6及び図10に示す第4位置に回動するように構成されている。図6等に示す第4位置は、図5等に示す第3位置よりも上方の位置である。
また、後で詳しく説明するが、排出ガイド61には、図5〜図7に示すように、第2アクチュエータ72が設けられている。第2アクチュエータ72は、排出ユニット60が図5等に示す第3位置と図6等に示す第4位置との間を移動するのに伴って第1シートセンサ81に対して移動可能である。第2アクチュエータ72も、後述するシート検知部70の一部を構成している。
図5に示すように、自動搬送機構4は、シートSHを搬送ガイド30に沿って搬送するための供給ローラ41、分離ローラ42、リタードローラ42A、第1搬送ローラ43、第1ピンチローラ43P、第2搬送ローラ44、第2ピンチローラ44P、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48を有している。排出ローラ47及び排出ピンチローラ48は、上述した排出ユニット60の一部である。
図7に示すように、分離ローラ42の回転軸42S、第1搬送ローラ43の回転軸43S及び第2搬送ローラ44の回転軸44Sは、第1サイドフレーム9A及び第2サイドフレーム9Bに回転可能に支持されている。回転軸42S、43S、44Sのそれぞれの後端部は、第2サイドフレーム9Bよりも後方に突出している。
<第2駆動源及び搬送駆動列の構成>
図7及び図8に示すように、自動搬送機構4は、供給ローラ41、分離ローラ42、第1搬送ローラ43、第2搬送ローラ44及び排出ローラ47を駆動するための第2駆動源M2及び搬送駆動列130を有している。なお、本実施例では、図7及び図8等において、第2駆動源M2及び搬送駆動列130を構成する各ギヤについて、外周面に形成されたギヤ歯の図示を省略している。
図5に示すように、第2駆動源M2は、第1ガイド31と第3ガイド33との間に配置されている。図7に示すように、第2駆動源M2は、第2サイドフレーム9Bの前方を向く面に取り付けられている。第2駆動源M2の駆動軸は、第2サイドフレーム9Bよりも後方に突出しており、その駆動軸に駆動ギヤM2Gが固定されている。本実施例では、第2駆動源M2は、ステッピングモータである。第2駆動源M2は、制御部7に制御されて駆動力を発生させ、駆動ギヤM2Gを図8の時計方向に回転させる。
図7及び図8に示すように、搬送駆動列130は、第2サイドフレーム9Bよりも後方に配置され、第2サイドフレーム9Bから後向きに突出する複数の軸部に支持されている。搬送駆動列130は、駆動ギヤM2Gに対して左方かつ上方に位置して駆動ギヤM2Gと噛み合うギヤ131と、ギヤ131を経由して第2駆動源M2からの駆動力を伝達する複数のギヤ群132Gとを有している。
複数のギヤ群132Gは、ギヤ131と一体回転する太陽ギヤ132G1と、アーム132G2によって太陽ギヤ132G1と連結された遊星ギヤ132G3とを含んでいる。また、複数のギヤ群132Gは、ギヤ132G4、132G5、132G6、132G7を含んでいる。ギヤ132G4は、遊星ギヤ132G3と噛み合うことにより、分離ローラ42の回転軸42Sと一体回転する。ギヤ132G5は、ギヤ132G4からギヤ132G7を経由して駆動力が伝達されることにより、第1搬送ローラ43の回転軸43Sと一体回転する。ギヤ132G6は、ギヤ132G4からギヤ132G7を経由して駆動力が伝達されることにより、第2搬送ローラ44の回転軸44Sと一体回転する。
なお、搬送ガイド30において詰まったシートSHを除去する場合、遊星ギヤ132G3をギヤ132G4から離間させることで、ギヤ132G4、132G5、132G6が回転自由となる。その結果、詰まったシートSHを容易に除去できる。
複数のギヤ群132Gは、第2駆動源M2からの駆動力を分離ローラ42の回転軸42S、第1搬送ローラ43の回転軸43S及び第2搬送ローラ44の回転軸44Sに伝達し、シートSHを静止読取位置に停止した読取センサ3Sに向けて送る方向に、すなわち、図8の反時計方向に、分離ローラ42、第1搬送ローラ43及び第2搬送ローラ44を回転させる。
また、搬送駆動列130は、駆動ギヤM2Gに対して右方に位置して駆動ギヤM2Gと噛み合うギヤ139と、ギヤ139を経由して第2駆動源M2からの駆動力を排出ローラ47に伝達するギヤ140、プーリ141、タイミングベルト143及びプーリ142とを有している。
ギヤ140及びプーリ141は一部材である。ギヤ140及びプーリ141は、排出ガイド61の後方の軸部61Tに独立して回転可能に挿通されている。これにより、プーリ141は、ギヤ139と噛み合うギヤ140と一体で第1軸心X1周りに回転可能となっている。プーリ142は、排出ローラ47の回転軸47Sの後端部に固定されている。タイミングベルト143は、プーリ141とプーリ142とに巻き掛けられている。
ギヤ139、140、プーリ141、タイミングベルト143及びプーリ142は、第2駆動源M2からの駆動力を排出ローラ47の回転軸47Sに伝達し、シートSHを排出トレイ96に排出する方向に、すなわち、図8の時計方向に、排出ローラ47を回転させる。
プーリ141の第1軸心X1と、プーリ142の第2軸心X2との間隔は、排出ガイド61が回動しても変化しない。このため、タイミングベルト143は、排出ガイド61が回動しても張力が変動し難くなっており、プーリ141からプーリ142に駆動力を好適に伝達できる。
<供給ローラ、分離ローラ及び第1、2搬送ローラ等の概略構成>
図5に示すように、分離ローラ42は、第1シュート部材35における規制面35Kと搬送面35Gとの接続部よりも左方にずれた位置に配置されている。
分離ローラ42の回転軸42Sには、ホルダ42Fが回動可能に支持されている。ホルダ42Fは、回転軸42Sから離間して規制面35Kを越えるように右方に突出している。
供給ローラ41は、ホルダ42Fの右端部に回転可能に保持されている。供給ローラ41は、可動板50に上から対向する位置に設けられている。回転軸42Sと、ホルダ42F内に設けられた図示しない伝達ギヤ群とは、第2駆動源M2からの駆動力を供給ローラ41に伝達して、供給トレイ91に支持されたシートSHを搬送ガイド30に送り出す方向に供給ローラ41を回転させる。供給ローラ41は、ホルダ42Fの回動に伴って上下方向に変位可能である。
開閉部9内には、ホルダ姿勢検知センサ42Jが設けられている。ホルダ姿勢検知センサ42Jは、ホルダ42Fの姿勢が図5及び図6に示す適正な姿勢となっているか否かを検知し、制御部7に伝達する。ホルダ42Fが図5及び図6に示す適正な姿勢となっている状態では、供給ローラ41の下端が第1シュート部材35の搬送面35Gと略同じ高さにある。この状態において、供給ローラ41は、供給トレイ91に支持されたシートSHのうちの最上位のシートSHを搬送面35Gに向けて、すなわち、分離ローラ42とリタードローラ42Aとの間に向けて、好適に送り出すことができる。
リタードローラ42Aは、分離ローラ42の真下の位置で第1シュート部材35に支持され、分離ローラ42に向けて押圧されている。分離ローラ42とリタードローラ42AとにニップされるシートSHが1枚であれば、図示しないトルクリミッタによりリタードローラ42Aの回転が許容される。その一方、分離ローラ42とリタードローラ42AとにニップされるシートSHが複数枚であれば、図示しないトルクリミッタによりリタードローラ42Aの回転が停止される。その結果、リタードローラ42Aは、分離ローラ42に接触するシートSH以外のシートSHに対し、そのシートSHの搬送を止める力を付与する。
第1搬送ローラ43は、第1シュート部材35の搬送面35Gに上から対向するように、第1ガイド31と第2ガイド32との接続部に配置されている。第1ピンチローラ43Pは、第1シュート部材35に支持され、第1搬送ローラ43に向けて押圧されている。第1搬送ローラ43及び第1ピンチローラ43Pは、分離ローラ42及びリタードローラ42Aによって1枚ずつに分離されたシートSHをニップし、第2ガイド32に向けて搬送する。
第2搬送ローラ44は、第2シュート部材36の案内面36Gに下から対向するように、第2ガイド32と第3ガイド33との接続部に配置されている。第2ピンチローラ44Pは、第2シュート部材36に支持され、第2搬送ローラ44に向けて押圧されている。第2搬送ローラ44及び第2ピンチローラ44Pは、第1搬送ローラ43及び第1ピンチローラ43Pによって搬送されるシートSHをニップし、読取面8Bに向けて、すなわち、静止読取位置に停止する読取センサ3Sに向けて、そのシートSHを搬送する。
排出ローラ47及び排出ピンチローラ48は、読取面8B上を通過して排出ガイド61によって案内されるシートSHをニップし、排出口69から排出トレイ96に向けて排出する。
<第1駆動源、第1駆動列及び排出ユニットの押圧凸部の構成>
図7及び図9等に示すように、自動搬送機構4は、可動板50及び排出ユニット60の回動動作を行うための第1駆動源M1及び第1駆動列110を有しているとともに、可動板50を排出ユニット60に従動させるための押圧凸部67A、67Bを排出ユニット60に設けている。
第1駆動源M1は、本発明の「駆動源」の一例である。なお、本実施例では、図7及び図9等において、第1駆動源M1及び第1駆動列110を構成する各ギヤについて、外周面に形成されたギヤ歯の図示を省略している。
図5に示すように、第1駆動源M1は、第1ガイド31と第3ガイド33との間に配置されている。図7に示すように、第1駆動源M1は、第1サイドフレーム9Aの後方を向く面に取り付けられている。第1駆動源M1の駆動軸は、第1サイドフレーム9Aよりも前方に突出しており、その駆動軸に駆動ギヤM1Gが固定されている。本実施例では、第1駆動源M1は、ステッピングモータである。第1駆動源M1は、制御部7に制御されて駆動力を発生させ、駆動ギヤM1Gを図9及び図10の時計方向及び反時計方向に回転させる。
図9及び図10に示す複数の矢印は、駆動ギヤM1Gが図9及び図10の反時計方向に回転する場合の回転方向を示している。なお、駆動ギヤM1Gが図9及び図10の時計方向に回転する場合には、図9及び図10に示す各矢印とは逆向きの回転方向となる。
図7及び図9に示すように、第1駆動列110は、第1サイドフレーム9Aよりも前方に配置されている。第1駆動列110は、第1駆動源M1からの駆動力を排出ユニット60に伝達するための第1ギヤ111及び第2ギヤ112を含んでいる。本実施例では、第1駆動列110を構成する各ギヤは、平歯車や斜歯歯車等の一般的な歯車である。
第1ギヤ111は、第1サイドフレーム9Aから前向きに突出する軸部に支持されている。第1ギヤ111は、駆動ギヤM1Gに対して右方かつ下方に位置して駆動ギヤM1Gと噛み合っている。第2ギヤ112は、排出ガイド61の前方の軸部61Sに一体回転可能に固定されている。第2ギヤ112は、第1ギヤ111に対して右方かつ下方に位置して第1ギヤ111と噛み合っている。第2ギヤ112が回転すると、排出ガイド61と、排出ガイド61に支持された排出ローラ47及び排出ピンチローラ48とが第2ギヤ112と一体で回動する。
図7及び図9等に示すように、押圧凸部67A、67Bは、排出ガイド61の上面側に設けられ、前後方向において互いに離間している。押圧凸部67A、67Bは、排出ローラ47の回転軸47Sより左方にずれた位置から上向きに突出している。押圧凸部67A、67Bの上端部は半円弧形状となっている。そして、排出ユニット60の押圧凸部67A、67Bが可動板50に下から当接することにより、可動板50の位置が定まるようになっている。
次に、第1駆動列110及び押圧凸部67A、67Bの動作について説明する。第1駆動源M1が駆動ギヤM1Gを図9の反時計方向に回転させると、第1駆動列110において、駆動ギヤM1Gと噛み合う第1ギヤ111が図9の時計方向に回転し、第1ギヤ111と噛み合う第2ギヤ112が図9の反時計方向に回転する。その結果、図10に示すように、排出ガイド61が第2ギヤ112と一体で上向きに回動するので、排出ユニット60は、排出口69を上向きに変位させるように第1軸心X1周りに回動し、図5等に示す第3位置から図6等に示す第4位置に移動する。
この際、押圧凸部67A、67Bが可動板50に下から当接した状態で排出ユニット60が上向きに回動することにより、可動板50が押し上げられる。その結果、可動板50は、その左端部を上向きに変位させるように第3軸心X3周りに回動し、図5等に示す第1位置から図6等に示す第2位置に移動する。
第1駆動源M1が駆動ギヤM1Gを図10の時計方向に回転させると、第1駆動列110において、第1ギヤ111及び第2ギヤ112が上記の動作とは逆に動作し、第2ギヤ112が図10の時計方向に回転する。その結果、図9に示すように、排出ガイド61が第2ギヤ112と一体で下向きに回動するので、排出ユニット60は、排出口69を下向きに変位させるように第1軸心X1周りに回動し、図5等に示す第3位置に移動する。
この際、押圧凸部67A、67Bに上から当接する可動板50は、排出ユニット60の下向きの回動に追従する。その結果、可動板50は、その左端部を下向きに変位させるように第3軸心X3周りに回動し、図5等に示す第1位置に移動する。
図5に示すように、可動板50が第1位置にある状態では、可動板50の左端部が第1シュート部材35の規制面35Kの下端部に対向する位置にあり、可動板50の上面の傾斜角度が供給トレイ本体92の上面の傾斜角度と略同一となっている。この状態では、供給トレイ91は、シートSHを最大の積層枚数で支持することができる。可動板50が第1位置にあり、その最大の積層枚数のシートSHの最上位のシートSHに供給ローラ41が当接する場合、ホルダ42Fの姿勢は、図5に示す適正な姿勢となる。
図6に示すように、可動板50が第2位置にある状態では、可動板50の左端部が第1シュート部材35の規制面35Kの上端部に対向する位置にあり、可動板50の上面が第1シュート部材35の搬送面35Gと同程度の高さで略水平に延びた状態となる。この状態では、供給トレイ91は、1枚〜数枚程度のシートSHを支持する。可動板50が第2位置にあり、その1枚〜数枚程度のシートSHの最上位のシートSHに供給ローラ41が当接する場合、ホルダ42Fの姿勢は、図6に示す適正な姿勢となる。
制御部7は、ホルダ姿勢検知センサ42Jの検知信号に基づいてホルダ42Fの姿勢が図5及び図6に示す適正な姿勢から許容範囲を超えて下降した状態にあると判断した場合、第1駆動源M1を作動させて、排出ユニット60を図5等に示す第3位置から図6等に示す第4位置に向けて小刻みに回動させるとともに、可動板50を排出ユニット60に従動させて図5等に示す第1位置から図6等に示す第2位置に向けて小刻みに回動させ、ホルダ42Fが図5及び図6に示す適正な姿勢を維持するように制御する。この際、ステッピングモータである第1駆動源M1の回転角度制御によって第2ギヤ112の回動姿勢を細かく変化させることで、排出口69や排出ユニット60の構成部品の位置を精度良く決めることができるとともに、可動板50を所望の回動姿勢に精度良く位置決めすることができる。
図5に示すように、排出ユニット60が第3位置にある状態では、排出口69、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48が排出トレイ96のシート支持面96Aに近い位置にある。この排出ユニット60の状態は、排出トレイ96のシート支持面96Aに支持されるシートSHの枚数が少ない場合に対応している。
図6に示すように、排出ユニット60が第4位置にある状態では、排出口69、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48が排出トレイ96のシート支持面96Aから上方に離間する位置にある。この排出ユニット60の状態は、排出トレイ96のシート支持面96AにシートSHが最大の積層枚数で支持される場合に対応している。つまり、この状態では、排出ユニット60の排出口69がシート支持面96Aに最大の積層枚数で支持されるシートSHの最上位のシートSHから上方に充分に離間している。
<シート検知部の構成>
図5〜図7、図9及び図10に示すように、自動搬送機構4は、シート検知部70を備えている。シート検知部70は、第1シートセンサ81、第1アクチュエータ71及び第2アクチュエータ72を有している。第1シートセンサ81は、本発明の「センサ」の一例である。
図7に示すように、第1シートセンサ81は、ベース部材39における排出トレイ96から左方かつ前方に離間した位置に固定されている。また、第1シートセンサ81は、排出ガイド61の前方の側端縁よりも前方に位置している。つまり、図5、図6、図9及び図10に二点鎖線で示す第1シートセンサ81は、排出ガイド61よりも紙面手前側に位置している。
図4に示すように、第1シートセンサ81は、制御部7に接続されている。本実施例では、第1シートセンサ81は、フォトインタラプタである。図9及び図10に示すように、第1シートセンサ81は、発光部から受光部に至る光路81Pが開放又は遮断されることにより、図11及び図12に一例として示すON/OFF信号を検知信号として制御部7に出力する。
図5〜図7に示すように、第1アクチュエータ71は、伝達軸71S、当接部71C、棒状部71B及び被検知部71Aを有している。
伝達軸71Sは、排出トレイ96におけるシート支持面96Aとは反対側に設けられた図示しない支持部によって、前後方向に延びる回動軸心X71周りに回動可能に支持されている。伝達軸71Sの前端部は、排出トレイ96よりも前方に突出している。伝達軸71Sの後端部は、シート支持面96Aにおける前後方向の中間部に位置している。
当接部71Cは、伝達軸71Sの後端部に接続され、回動軸心X71周りに回動可能となっている。当接部71Cは、回動軸心X71から遠ざかるように右方に延びた後、上向きに突出している。排出トレイ96における当接部71Cの突出部分に対応する位置には、矩形穴96Hが設けられている。当接部71Cの突出部分は、矩形穴96Hを通過してシート支持面96Aよりも上方に突出可能となっている。
棒状部71Bは、伝達軸71Sの前端部に接続され、回動軸心X71周りに回動可能となっている。棒状部71Bは、回動軸心X71から遠ざかるように左方に略棒状に延びている。棒状部71Bの左端部には、略矩形板状の被検知部71Aが形成されている。
図5に示すように、第1アクチュエータ71は、付勢バネ71Jによって回動軸心X71周りに図5の反時計方向に回動するように付勢されている。これにより、図9に示すように、第1アクチュエータ71は、当接部71Cの突出部分が矩形穴96Hを通過してシート支持面96Aよりも上方に突出する位置に保持されている。この際、被検知部71Aは、第1シートセンサ81の光路81Pに対して下方に離間して光路81Pを開放する位置に保持されている。
そして、シートSHが排出トレイ96に支持されることにより、図6に示すように、そのシートSHが当接部71Cの突出部分を押し下げる。これにより、第1アクチュエータ71は、付勢バネ71Jに抗して回動軸心X71周りに図6の時計方向に回動する。その結果、図10に示すように、当接部71Cの突出部分が矩形穴96H内に退避する。それと同時に、被検知部71Aが上向きに移動して第1シートセンサ81の光路81Pを遮断する位置に保持される。
この際、図11に第1シートセンサ81の検知信号の一例を示すように、第1シートセンサ81は、ONからOFFに切り替わる信号SG1を検知信号として制御部7に出力する。
その後、排出トレイ96に支持されるシートSHが無くなることにより、図9に示すように、第1アクチュエータ71が付勢バネ71Jに付勢されて図9の反時計方向に回動する。その結果、当接部71Cの突出部分が矩形穴96Hを通過してシート支持面96Aよりも上方に突出する位置に復帰する。それと同時に、被検知部71Aが下向きに移動して第1シートセンサ81の光路81Pを開放する位置に復帰する。
この際、図11に第1シートセンサ81の検知信号の一例を示すように、第1シートセンサ81は、OFFからONに切り替わる信号SG2を検知信号として制御部7に出力する。
こうして、シート検知部70は、第1シートセンサ81及び第1アクチュエータ71によって、排出トレイ96に支持されるシートSHの有無を検知可能となっている。
図7、図9及び図10に示すように、第2アクチュエータ72は、排出ガイド61の前方の側端縁に固定されている。第2アクチュエータ72は、排出ガイド61から離間するように前向きに延びた後に屈曲し、第1シートセンサ81に接近するように下向きに延びている。図7に示すように、第2アクチュエータ72及び第1シートセンサ81は、前後方向において排出ユニット60と重ならない位置に配置されている。
図9及び図10に示すように、第2アクチュエータ72の下端部には、被検知部72Aが形成されている。被検知部72Aには、スリット72Cが形成されている。スリット72Cは、被検知部72Aの左辺から右向きに凹んでいる。
第2アクチュエータ72は、排出ユニット60が図5等に示す第3位置と図6等に示す第4位置との間を移動するのに伴って、第1シートセンサ81に対して被検知部72Aを接近及び離間させるように移動可能である。
図10に二点鎖線で示す第1アクチュエータ71の位置は、図5及び図9に示す第1アクチュエータ71の位置と同じであり、排出トレイ96に支持されるシートSHが無い状態に対応している。つまり、第1アクチュエータ71の被検知部71Aは、第1シートセンサ81の光路81Pを開放する位置にある。この状態で、第4位置に回動した排出ユニット60とともに上方に移動した第2アクチュエータ72の被検知部72Aは、第1シートセンサ81の光路81Pを開放する位置にある。
排出ユニット60が第4位置から下向きに回動し始めると、第2アクチュエータ72の被検知部72Aが第1シートセンサ81の光路81Pに徐々に接近する。そして、図示は省略するが、排出ユニット60が第3位置に近づくと、被検知部72Aにおけるスリット72Cよりも下方の部分が光路81Pを遮断し、次に、スリット72Cが光路81Pを開放する。そして、図9に示すように、排出ユニット60が第3位置に到達すると、被検知部72Aにおけるスリット72Cよりも上方の部分が光路81Pを遮断する。
この際、図12に第1シートセンサ81の検知信号の一例を示すように、第1シートセンサ81は、所定の間隔でONからOFF、OFFからON、ONからOFFに切り替わる信号SG3を検知信号として制御部7に出力する。
こうして、シート検知部70は、第1シートセンサ81及び第2アクチュエータ72によって、下向きに回動する排出ユニット60が図5等に示す第3位置に到達したか否かを、すなわち排出ユニット60が原点位置に到達した否かを検知可能となっている。
制御部7は、第1シートセンサ81の検知信号の波形が図11に示す信号SG1又は信号SG2であることに基づいて、排出トレイ96に支持されるシートSHの有無の判断を行う。
また、制御部7は、第1シートセンサ81の検知信号の波形が第2アクチュエータ72のスリット72Cに対応する波形、すなわち、図12に示す信号SG3であることに基づいて、下向きに回動する排出ユニット60が図5等に示す第3位置に到達したか否かの判断を行う。可動板50が排出ユニット60に従動する構成であることから、制御部7は、下向きに回動する排出ユニット60が図5等に示す第3位置に到達したと判断したときに、可動板50が図5等に示す第1位置に到達したと判断することができる。
<画像読取動作>
この画像読取装置1では、原稿支持面8Aに支持された原稿の画像を読み取る場合、制御部7が読取ユニット3の走査機構駆動源3Mを制御して図示しない走査機構を作動させ、読取センサ3Sを原稿支持面8Aの左端縁の下方である読取開始位置から右端縁の下方である読取終了位置までの間で左右方向に移動させる。これにより、読取センサ3Sは、原稿支持面8Aに支持された原稿の画像を読み取る。その後、制御部7は、読取ユニット3の走査機構駆動源3Mを制御して図示しない走査機構を逆向きに作動させ、読み取りを終えた読取センサ3Sを読取ユニット3内における右端から左端に移動させて待機位置に復帰させる。
また、この画像読取装置1では、供給トレイ91に支持されたシートSHを自動搬送機構4によって搬送し、そのシートSHの画像を読み取る場合、制御部7が読取ユニット3の走査機構駆動源3Mを制御して図示しない走査機構を作動させ、読取センサ3Sを読取面8Bの下方である静止読取位置に停止させる。ここでは、可動板50が図5等に示す第1位置にあり、排出ユニット60が図5等に示す第3位置があり、排出トレイ96にシートSHが支持されていない状態を前提とする。
次に、制御部7は、第2シートセンサ82の検知信号に基づいて、供給トレイ91にシートSHが支持されているか否かを判断する。供給トレイ91にシートSHが支持されていない場合、制御部7は、その旨を報知する。
供給トレイ91にシートSHが支持されている場合、制御部7は、ホルダ姿勢検知センサ42Jの検知信号に基づいて、ホルダ姿勢検知センサ42Jが図5及び図6に示す適正な姿勢となっているか否かを判断する。制御部7は、ホルダ姿勢検知センサ42Jが図5及び図6に示す適正な姿勢となっていない場合、第1駆動源M1及び第1駆動列110を作動させる。そして、制御部7は、排出ユニット60を図6等に示す第4位置に向けて小刻みに回動させるとともに、可動板50を排出ユニット60に従動させて図6等に示す第2位置に向けて小刻みに回動させ、ホルダ42Fが図5及び図6に示す適正な姿勢を維持するように制御する。
次に、制御部7は、第2駆動源M2及び搬送駆動列130を作動させる。これにより、制御部7は、供給ローラ41、分離ローラ42、第1搬送ローラ43、第2搬送ローラ44及び排出ローラ47を駆動し、供給トレイ91に支持されたシートSHを搬送ガイド30に供給し、搬送ガイド30に沿って順次搬送する。制御部7は、搬送されるシートSHが読取面8B上を通過する際、静止読取位置に停止した読取センサ3Sによって、そのシートSHの画像を読み取る。そして、制御部7は、画像が読み取られたシートSHを排出ユニット60の排出ガイド61、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48によって排出口69から排出トレイ96に向けて排出する。
排出トレイ96にシートSHが排出され、そのシートSHがシート支持面96Aに支持されると、第1アクチュエータ71が図10に二点鎖線で示す位置から図10に実線で示す位置に回動する。そして、第1シートセンサ81が図11に示す信号SG1を検知信号として制御部7に出力し、制御部7が信号SG1に基づいて、排出トレイ96にシートSHが支持されていると判断する。
供給トレイ91に支持されたシートSHを順次搬送する間も、制御部7は、ホルダ姿勢検知センサ42Jの検知信号に基づき、供給トレイ91に支持されたシートSHの減少に応じて、排出ユニット60を図6等に示す第4位置に向けて小刻みに回動させるとともに、可動板50を排出ユニット60に従動させて図6等に示す第2位置に向けて可動板50を小刻みに回動させる。
図6に示すように、供給トレイ91に支持されたシートSHが少なくなり、さらにシートSHが無くなると、制御部7は、第2シートセンサ82の検知信号に基づいて、シートSHが無くなったことを検知する。そして、制御部7は、第2駆動源M2を停止して画像読取動作を終了する。
その後、制御部7は、読取ユニット3の走査機構駆動源3Mを制御して図示しない走査機構を作動させ、読取センサ3Sを待機位置に復帰させる。
また、制御部7は、排出トレイ96に支持されるシートSHがユーザによって取り除かれるまで待機する。その理由は、排出トレイ96にシートSHが残ったままで可動板50及び排出ユニット60を下降させてしまうと、その残ったシートSHが次の画像読取動作時に排出ユニット60の排出口69から排出されるシートSHの邪魔になって、シート詰まりが発生し易くなるからである。
排出トレイ96に支持されるシートSHがユーザによって取り除かれるまで待機する状態では、図10に示すように、第2アクチュエータ72の被検知部72Aは、第1シートセンサ81に対して上方に離間して、第1シートセンサ81の光路81Pを開放する位置にある。その一方、第1アクチュエータ71は、図10に実線で示すように、第1シートセンサ81の光路81Pを遮断する位置にある。
排出トレイ96に支持されるシートSHがユーザによって取り除かれると、第1アクチュエータ71が図10に実線で示す位置から図10に二点鎖線で示す位置に回動して、第1シートセンサ81の光路81Pを開放する。これにより、第1シートセンサ81が図11に示す信号SG2を検知信号として制御部7に出力し、制御部7が信号SG2に基づいて、排出トレイ96に支持されるシートSHが無くなったと判断する。
そして、制御部7は、第1駆動源M1及び第1駆動列110を作動させ、排出ユニット60を図6等に示す第4位置から図5等に示す第3位置に向けて下向きに回動させるとともに、可動板50を排出ユニット60に従動させて図6等に示す第2位置から図5等に示す第1位置に向けて下向きに回動させる。
排出ユニット60が第3位置に近づいて、被検知部72Aにおけるスリット72Cよりも下方の部分が光路81Pを遮断し、スリット72Cが光路81Pを開放し、被検知部72Aにおけるスリット72Cよりも上方の部分が光路81Pを遮断すると、第1シートセンサ81が図12に示す信号SG3を検知信号として制御部7に出力する。このため、制御部7は、信号SG3に基づいて、下向きに回動する排出ユニット60が図5等に示す第3位置に到達したと判断する。また、制御部7は、排出ユニット60に従動する可動板50が図5等に示す第1位置に到達したと判断する。そして、制御部7は、第1駆動源M1及び第1駆動列110を停止させて、排出ユニット60を図5等に示す第3位置に位置決めし、可動板50を図5等に示す第1位置に位置決めする。
<作用効果>
実施例1の画像読取装置1では、制御部7は、画像読取動作終了後、次の画像読取動作を開始する前に、シート検知部70の検知結果に基づいて、排出トレイ96に支持されるシートSHが無いことを確認する。そして、制御部7は、排出トレイ96に支持されるシートSHが無くなったというシート検知部70の検知結果、すなわち図11に示す第1シートセンサ81の信号SG2を前提条件として、排出ユニット60を図5等に示す第3位置に向けて回動させ、可動板50も排出ユニット60に従動させて図5等に示す第1位置に向けて回動させる。これにより、この画像読取装置1では、排出トレイ96に支持されるシートSHが無い状態で次の画像読取動作を開始できる。
したがって、実施例1の画像読取装置1では、排出口69から排出されるシートSHの詰まりを抑制できる。
また、この画像読取装置1では、図9及び図10等に示すように、シート検知部70が簡素な第1アクチュエータ71及び第1シートセンサ81を有している。そして、第1アクチュエータ71が排出トレイ96に支持されるシートSHに当接することによって移動すると、第1シートセンサ81が第1アクチュエータ71の移動を検知して検知信号、具体的には図11に示す信号SG1、SG2を制御部7に出力する。その結果、制御部7は、排出トレイ96に支持されるシートSHの有無を確実に判断できる。
さらに、この画像読取装置1では、図9及び図10等に示すように、第1シートセンサ81が排出ユニット60に設けられた第2アクチュエータ72の移動も検知する。そして、排出ユニット60が第4位置から下向きに回動し、第2アクチュエータ72の被検知部72Aが第1シートセンサ81に接近すると、第1シートセンサ81が図12に示す信号SG3を制御部7に出力する。その結果、制御部7は、下向きに回動する排出ユニット60が図5等に示す第3位置に到達したか否かを確実に判断できる。こうして、この画像読取装置1では、1つの第1シートセンサ81で2つの判断を行うことができるので、製造コストを低廉化できる。
また、この画像読取装置1では、図9及び図10等に示すように、第2アクチュエータ72の被検知部72Aにスリット72Cが形成されていることから、被検知部72Aが第1シートセンサ81に接近するときに、図12に示すように、第1シートセンサ81が所定の間隔でONからOFF、OFFからON、ONからOFFに切り替わる信号SG3を検知信号として制御部7に出力する。そして、制御部7は、第1シートセンサ81の検知信号の波形が第2アクチュエータ72のスリット72Cに対応する波形、すなわち信号SG3であることに基づいて、排出ユニット60が第3位置に到達したか否かの判断を行う。こうして、この画像読取装置1では、制御部7が1つの第1シートセンサ81の検知結果に基づいて、排出トレイ96に支持されるシートSHの有無の判断と、排出ユニット60が第3位置に到達したか否かの判断とを確実に区別することができる。
さらに、この画像読取装置1では、図7に示すように、第2アクチュエータ72及び第1シートセンサ81は、前後方向において排出ユニット60と重ならない位置に配置されている。より詳しくは、第1シートセンサ81は、排出ガイド61の前方の側端縁よりも前方の位置に配置されている。第2アクチュエータ72は、排出ガイド61の前方の側端縁に固定され、排出ガイド61から離間するように前向きに延びた後に屈曲し、第1シートセンサ81に接近するように下向きに延びている。このような構成により、この画像読取装置1では、排出ユニット60の真下に第2アクチュエータ72及び第1シートセンサ81の配置スペースを確保しなくてもよいので、上下方向において小型化し易い。
また、この画像読取装置1では、図9及び図10等に示すように、排出ユニット60は、第1駆動源M1からの駆動力が第1駆動列110によって伝達されて回動するとともに、第1駆動源M1からの駆動力を押圧凸部67A、67Bによって可動板50に伝達するように構成されている。可動板50が排出ユニット60に従動することにより、第1駆動源M1からの駆動力が伝達される上流側の排出ユニット60のほうが下流側の可動板50よりも位置ズレ等の不具合が生じ難い。このため、この画像読取装置1では、排出口69や排出ユニット60の構成部品の位置を精度良く決めることができ、可動板50及び排出ユニット60の回動に伴って搬送ガイド30の経路長が変動することを抑制できる。その結果、搬送ガイド30上を搬送されるシートSHの搬送速度が不安定になり難いので、読取センサ3Sの読取精度の低下を抑制できる。また、この画像読取装置1では、排出ユニット60が図6等に示す第4位置から図5等に示す第3位置に向けて回動するときだけ、可動板50が図6等に示す第2位置から図5等に示す第1位置に向けて回動できる。その結果、第1位置に向けて回動する可動板50と、第3位置よりも上方で停止した排出ユニット60とが干渉する不具合を抑制できる。
(実施例2)
図13に示すように、実施例2の画像読取装置では、実施例1の画像読取装置1に係る第1シートセンサ81について、第1アクチュエータ71の移動のみを検知するように変更しさらに、第2アクチュエータ72の移動のみを検知するセンサ83を設けている。センサ83は、第1シートセンサ81よりも後方の位置で、第1シートセンサ81に隣接するように配置されている。センサ83は、第1シートセンサ81と同様のフォトインタラプタである。また、この画像読取装置では、第2アクチュエータ72の被検知部72Aの位置を後方にずらして、被検知部72Aがセンサ83の光路を開放又は遮断するように変更している。実施例2のその他の構成は、実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
図示は省略するが、排出ユニット60が第3位置に近づいて、被検知部72Aにおけるスリット72Cよりも下方の部分がセンサ83の光路を遮断し、スリット72Cがセンサ83の光路を開放し、被検知部72Aにおけるスリット72Cよりも上方の部分がセンサ83の光路を遮断すると、センサ83が図12に示す信号SG3を検知信号として制御部7に出力する。このため、制御部7が信号SG3に基づいて、下向きに回動する排出ユニット60が図5等に示す第3位置に到達したと判断する。また、制御部7は、排出ユニット60に従動する可動板50が図5等に示す第1位置に到達したと判断する。
このような構成である実施例2の画像読取装置では、実施例1の画像読取装置1と同様に、排出口69から排出されるシートSHの詰まりを抑制できる。
また、この画像読取装置では、第1シートセンサ81が第1アクチュエータ71の移動のみを検知し、センサ83が第2アクチュエータ72の移動のみを検知する構成により、制御部7は、排出トレイ96に支持されるシートSHの有無の判断と、排出ユニット60が第3位置に到達したか否かの判断とを完全に区別することができる。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施例1、2では、可動板50が回動するがこの構成には限定されず、例えば直動してもよい。排出ユニットについても同様である。