以下、本発明を具体化した実施例1~3について図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の画像読取装置1は、本発明の画像読取装置の具体的態様の一例である。図1では、操作パネル8Pが配置される側を装置の前方と規定し、操作パネル8Pに向かった場合に左に来る側を左方と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2以降の各図に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、図1等に基づいて、画像読取装置1が備える各構成要素について説明する。
<全体構成>
図1~図3に示すように、画像読取装置1は、本体部8、開閉部9、画像形成ユニット5、読取ユニット3、自動搬送機構4及び制御部7を備えている。本体部8は、扁平な略箱状体である。図1に示すように、本体部8の前面には、タッチパネル等である操作パネル8Pが設けられている。
図2に示すように、画像形成ユニット5は、本体部8内の下部分に収容されている。画像形成ユニット5は、インクジェット方式又はレーザ方式等によりシートに画像を形成する。図2及び図4に示すように、読取ユニット3は、本体部8内の上部分に位置している。読取ユニット3は、原稿の画像を読み取る際に使用される。自動搬送機構4は、開閉部9に設けられている。自動搬送機構4は、供給トレイ91に支持されたシートSHを搬送ガイド30に沿って順次搬送しながらシートSHの画像を読取ユニット3に読み取らせる際に使用される。
図2及び図3に示すように、制御部7は、本体部8内の左側面に沿う位置に収容されている。制御部7は、CPU、ROM、RAMを主とするマイクロコンピュータとして構成されている。ROMには、CPUが画像読取装置1の各種動作を制御するためのプログラムや、識別処理を実行するためのプログラムなどが格納されている。RAMは、CPUが上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号を一時的に記録する記憶領域、又はデータ処理の作業領域として使用される。制御部7は、画像形成ユニット5、読取ユニット3、自動搬送機構4及び操作パネル8Pを制御する。
図4に示すように、本体部8の上面にはプラテンガラスが配設され、そのプラテンガラスの上面によって大面積の原稿支持面8Aが形成されている。また、本体部8の上面における原稿支持面8Aよりも左方には別のプラテンガラスが配設され、その別のプラテンガラスの上面によって、前後方向に細長い読取面8Bが形成されている。
原稿支持面8Aは、静止した状態の原稿の画像を読取ユニット3が読み取る際に、その原稿を下から支持する。読取対象の原稿には、用紙、OHPシート等であるシートの他、書籍等が含まれる。
読取面8Bは、自動搬送機構4によって1枚ずつ搬送されるシートSHの画像を読取ユニット3が読み取る際に、その搬送されるシートSHに下から接触する。本体部8の上面における原稿支持面8Aと読取面8Bとの間には、ガイド凸部8Hが設けられている。ガイド凸部8Hは、読取面8Bに接触しながら搬送されるシートSHをすくい上げて右向きに上り傾斜するように案内する。
なお、本実施例においては、原稿支持面8Aを使用して画像が読み取られる対象を原稿と記載し、自動搬送機構4により搬送しながら画像が読み取られる対象をシートと記載する。原稿とシートとは、実質的に同じものであってもよい。
図1に示すように、開閉部9は、本体部8の後端部に配設された図示しないヒンジによって、左右方向に延びる開閉軸心X9周りに揺動可能に支持されている。開閉部9は、図1及び図4等に示す閉じた状態では、原稿支持面8A及び読取面8Bを上方から覆っている。図示は省略するが、開閉部9は、その前端部が上方かつ後方に変位するように開閉軸心X9周りに揺動することにより、原稿支持面8A及び読取面8Bを露出させる開放位置に変位する。これにより、ユーザは、読取対象の原稿を原稿支持面8Aに支持させることができる。
なお、開閉部9の構成や内部構造等について説明する際には、上下方向及び前後方向について、閉じた状態の開閉部9の姿勢を基準とする。
読取ユニット3は、図2~図5に示すように本体部8内の上部分に収容された読取センサ3Sと、図3に示す走査機構駆動源3Mと、走査機構駆動源3Mに駆動される図示しない走査機構とを有している。読取センサ3Sとしては、CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等の周知の画像読取センサが使用される。
図4に示すように、読取センサ3Sは、原稿支持面8A及び読取面8Bの下方に位置している。図示しない走査機構は、原稿支持面8Aに支持される原稿の画像を読み取る際に走査機構駆動源3Mによって駆動され、読取センサ3Sを本体部8内における原稿支持面8Aの下方で左右方向に往復動させる。また、図示しない走査機構は、自動搬送機構4によって搬送されるシートSHの画像を読取センサ3Sが読み取る際に走査機構駆動源3Mによって駆動され、読取センサ3Sを本体部8内における読取面8Bの下で停止させる。読取センサ3Sが読取面8Bの下で停止する位置は、予め定められた静止読取位置である。
図4及び図5に示すように、開閉部9は、ベース部材39、第1シュート部材35、第2シュート部材36及びカバー部材38を備えている。
ベース部材39は、開閉部9の底壁を形成している。ベース部材39には、読取面8B及びガイド凸部8Hに対向する領域が略矩形状に切り欠かれてなる矩形穴39Hが形成されている。ベース部材39における矩形穴39Hよりも左方に位置する部分には、搬送面39Gが形成されている。搬送面39Gの左端部は、下向きから向きを変えて右向きに下り傾斜するように湾曲している。そして、搬送面39Gは、矩形穴39Hの左端縁まで下り傾斜している。
第2シュート部材36は、ベース部材39の左部分の上方に配設されている。第2シュート部材36には、押圧部材保持部36F及び案内面36G、36Hが形成されている。押圧部材保持部36Fは、読取面8Bに対向する位置で上向きに凹む凹部である。押圧部材保持部36Fには、押圧部材36Pが上下方向に変位可能に保持されている。押圧部材36Pは、読取面8Bに接触しながら搬送されるシートSHを上から押圧して、そのシートSHが読取面8Bから浮き上がることを抑制する。案内面36Gは、押圧部材保持部36Fよりも左方に位置している。案内面36Gの左端部は、ベース部材39の搬送面39Gの左端部に沿って湾曲している。そして、案内面36Gは、ベース部材39の搬送面39Gの下り傾斜する部分に沿って、右向きに下り傾斜している。案内面36Hは、押圧部材保持部36Fよりも右方に位置している。案内面36Hは、本体部8のガイド凸部8Hに沿って右向きに上り傾斜している。
第1シュート部材35は、第2シュート部材36の上方に配設されている。第1シュート部材35には、規制面35K及び搬送面35Gが形成されている。規制面35Kは、第1シュート部材35の右端部から左向きに上り傾斜している。搬送面35Gは、規制面35Kの上端に接続し、左向きに略水平に延びている。搬送面35Gの左端部は、左向きから下向きに向きを変えるように湾曲している。
カバー部材38は、第1シュート部材35の上方に配設されている。カバー部材38には、下向きに突出する複数のリブ38Rの下端縁からなる案内面38Gが形成されている。案内面38Gの右端部は、第1シュート部材35における規制面35Kと搬送面35Gとの接続部よりも左方にずれた位置で搬送面35Gに上から対向している。案内面38Gは、第1シュート部材35の搬送面35Gに沿って左向きに略水平に延びている。案内面38Gの左端部は、第1シュート部材35の搬送面35Gの左端部に沿って湾曲している。
図6に示すように、開閉部9は、第1サイドフレーム9A及び第2サイドフレーム9Bを備えている。第1サイドフレーム9Aは、開閉部9の前面側で左右方向に延びるように配置されて、開閉部9の内部フレームの一部を構成している。第2サイドフレーム9Bは、開閉部9の後面側で左右方向に延びるように配置されて、開閉部9の内部フレームの一部を構成している。第1サイドフレーム9Aと第2サイドフレーム9Bとは、図4等に示すカバー部材38の案内面38G、第1シュート部材35の規制面35K及び搬送面35G、第2シュート部材36の案内面36G、36H、並びにベース部材39の搬送面39Gを挟むように前後方向において対向している。なお、図6では、説明し易くするために、供給トレイ91の供給トレイ本体92及び可動板50の図示を省略している。また、図6では、説明し易くするために、第1駆動源M1及び第2駆動源M2の位置を分離ローラ42の回転軸42Sよりも下方の位置から右方にずらして図示している。
図2、図4及び図5に示すように、開閉部9は、自動搬送機構4の一部を構成する搬送ガイド30と、搬送ガイド30に供給されるシートSHを支持するための供給トレイ91と、搬送ガイド30から排出方向D1に排出されるシートSHを支持するための排出トレイ96とを備えている。排出方向D1は右向きの方向である。
図4に示すように、供給トレイ91は、第1シュート部材35よりも右方に位置し、かつベース部材39の右部分の上方に配設されている。供給トレイ91は、供給トレイ本体92及び可動板50を有している。供給トレイ本体92は、開閉部9の右端部側から左向きに緩やかに下り傾斜している。可動板50は、供給トレイ本体92の左端部に隣接するように配置されている。可動板50は、第1シュート部材35の規制面35Kに向かって略平板状に延びている。可動板50は、カバー部材38の右部分に上から覆われている。供給トレイ91は、供給トレイ本体92及び可動板50によって、自動搬送機構4に供給されるシートSHを支持する。
可動板50は、その右端部が前後方向に延びる第3軸心X3周りに回動可能に支持されている。図示は省略するが、可動板50は、図6に示す第1サイドフレーム9A及び第2サイドフレーム9Bに回動可能に支持されている。
後で詳しく説明するが、可動板50は、図6及び図7等に示す第1駆動源M1及び第1駆動列110が作動することにより、供給トレイ91に支持されるシートSHの減少に応じて、図2、図4及び図7に示す第1位置から図5及び図8に示す第2位置に回動するように構成されている。図5等に示す第2位置は、図4等に示す第1位置よりも上方の位置である。
図1及び図4に示すように、供給トレイ本体92上には、2つの幅規制ガイド94A、94Bがそれぞれ前後方向にスライド可能に設けられている。前方の幅規制ガイド94Aと後方の幅規制ガイド94Bとが互いに接近又は離間することにより、供給トレイ91に支持されるサイズの異なる複数種類のシートSHを前後から挟む。これにより、様々なサイズのシートSHを供給トレイ91における幅方向の中央部を基準として位置決めできる。
図4及び図5に示すように、排出トレイ96は、ベース部材39の右部分に形成されている。つまり、排出トレイ96は、供給トレイ91よりも下方の位置で、供給トレイ91に重なるように設けられている。排出トレイ96には、読取センサ3Sによって画像が読み取られ、自動搬送機構4によって搬送されたシートSHが排出される。排出トレイ96の上面は、排出されるシートSHを支持するシート支持面96Aとされている。
後で詳しく説明するが、ベース部材39には、シート支持面96Aよりも排出方向D1の上流側で上向きに突出する第1壁70及び第1突き当て面71が設けられている。
搬送ガイド30は、供給トレイ91から排出トレイ96に向けてシートSHを搬送するための搬送経路を構成している。具体的には、搬送ガイド30は、第1ガイド31、第2ガイド32及び第3ガイド33を有している。
第1ガイド31は、第1シュート部材35の搬送面35Gの略水平に延びる部分と、カバー部材38の案内面38Gの略水平に延びる部分とを含んで構成されている。第1ガイド31は、供給トレイ91から送り出されるシートSHを左向きに案内する。
第2ガイド32は、第1シュート部材35の搬送面35Gの湾曲する左端部と、カバー部材38の案内面38Gの湾曲する左端部と、ベース部材39の搬送面39Gの湾曲する左端部と、第2シュート部材36の案内面36Gの湾曲する左端部とを含んで構成されている。第2ガイド32は、第1ガイド31に接続し、シートSHの搬送方向を左向きから右向きに変化させる。
第3ガイド33は、ベース部材39の搬送面39Gの下り傾斜する部分と、第2シュート部材36の案内面36Gの下り傾斜する部分と、第2シュート部材36の案内面36Hとを含んで構成されている。第3ガイド33は、第2ガイド32に接続し、排出トレイ96に向けてシートSHを案内する。
自動搬送機構4は、第3ガイド33に案内されたシートSHを排出ガイド61によって排出トレイ96に排出するための排出ユニット60を有している。排出ガイド61には、搬送面61G及び案内面61Hが形成されている。搬送面61Gは、本体部8のガイド凸部8Hよりも右方に位置し、右向きに上り傾斜している。案内面61Hは、第2シュート部材36の案内面36Hよりも右方に位置している。案内面61Hは、搬送面61Gに沿って右向きに上り傾斜している。排出ガイド61は、排出トレイ96にシートSHを排出するための排出口69を有している。排出口69は、搬送面61Gの右端部と、案内面61Hの右端部との間で開口している。
図6に示すように、排出ユニット60において、排出ガイド61は、搬送面61Gが形成された平板と、案内面61Hが形成された平板とが上下方向において対向し、双方の平板の前端縁と後端縁とが前後一対の側板によって接続されてなる略角筒形状部材である。排出ガイド61は、前後方向に延びる第1軸心X1を軸心とする軸部61S、61Tを有している。第1軸心X1は、第3軸心X3と平行である。第1軸心X1は、本発明の「回動軸心」の一例である。
前方の軸部61Sは、搬送面61G及び案内面61Hの前方かつ左方の角部から前向きに突出する円柱軸である。前方の軸部61Sは、第1サイドフレーム9Aに回動可能に支持されているとともに、第1サイドフレーム9Aよりも前方に突出している。
後方の軸部61Tは、搬送面61G及び案内面61Hの後方かつ左方の角部から後向きに突出する円柱軸である。後方の軸部61Tは、第2サイドフレーム9Bに回動可能に支持されているとともに、第2サイドフレーム9Bよりも後方に突出している。
こうして、排出ガイド61は、第1軸心X1周りに回動可能となっている。図4に示すように、第1軸心X1の位置は、搬送ガイド30の第3ガイド33と、排出ガイド61とによって形成される搬送経路と重なるように設定されている。
排出ユニット60は、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48を有している。排出ローラ47は、排出口69に対して上方に配置されている。排出ピンチローラ48は、排出口69に対して下方に配置されている。図9及び図10に示すように、2組の排出ローラ47及び排出ピンチローラ48が互いに前後方向の間隔を有して配設されている。
図6に示すように、排出ローラ47は、第1軸心X1と平行な第2軸心X2を軸心とする回転軸47Sに固定されている。回転軸47Sの前端部は、排出ガイド61の前方かつ右方の角部に回転可能に支持されている。回転軸47Sの後端部側は、排出ガイド61の後方かつ右方の角部に回転可能に支持されている。回転軸47Sの後端部は、排出ガイド61よりも後方に突出している。こうして、排出ローラ47は、前後方向に延びる第2軸心X2周りに回転可能に排出ガイド61に支持されている。前後方向は、本発明の「排出ローラの軸方向」の一例である。
図4及び図7に示すように、排出ピンチローラ48は、排出ガイド61の右端部に回転可能に支持され、排出ローラ47に下から対向している。排出ガイド61の搬送面61G及び案内面61Hは、排出ローラ47と排出ピンチローラ48とのニップ位置N1に向けてシートSHを案内する。
後で詳しく説明するが、排出ユニット60は、図6及び図7等に示す第1駆動源M1及び第2駆動列120が作動することにより、供給トレイ91に支持されるシートSHの減少に応じて、図2、図4及び図7に示す第3位置から、図5及び図8に示す第4位置に回動するように構成されている。図5等に示す第4位置は、図4等に示す第3位置よりも上方の位置である。
また、後で詳しく説明するが、排出ユニット60には、図5及び図8等に示すように、排出ガイド61の右端部に連結されて下向きに突出する第2壁80及び第2突き当て面82が設けられている。
図4に示すように、自動搬送機構4は、シートSHを搬送ガイド30に沿って搬送するための供給ローラ41、分離ローラ42、リタードローラ42A、第1搬送ローラ43、第1ピンチローラ43P、第2搬送ローラ44、第2ピンチローラ44P、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48を有している。排出ローラ47及び排出ピンチローラ48は、上述した排出ユニット60の一部である。
図6に示すように、分離ローラ42の回転軸42S、第1搬送ローラ43の回転軸43S及び第2搬送ローラ44の回転軸44Sは、第1サイドフレーム9A及び第2サイドフレーム9Bに回転可能に支持されている。回転軸42S、43S、44Sのそれぞれの後端部は、第2サイドフレーム9Bよりも後方に突出している。
図6に示すように、自動搬送機構4は、供給ローラ41、分離ローラ42、第1搬送ローラ43、第2搬送ローラ44及び排出ローラ47を駆動するための第2駆動源M2及び搬送駆動列130を有している。なお、本実施例では、図6において、第2駆動源M2及び搬送駆動列130を構成する各ギヤについて、外周面に形成されたギヤ歯の図示を省略している。
第2駆動源M2は、ステッピングモータである。また、搬送駆動列130は、各種ギヤ、プーリ及びタイミングベルト等の駆動力伝達部材を含んでいる。図6に示すように、第2駆動源M2及び搬送駆動列130は、第2サイドフレーム9Bに設けられている。
搬送駆動列130は、第2駆動源M2からの駆動力を分離ローラ42の回転軸42S、第1搬送ローラ43の回転軸43S及び第2搬送ローラ44の回転軸44Sに伝達し、分離ローラ42、第1搬送ローラ43及び第2搬送ローラ44を回転させる。また、搬送駆動列130は、第2駆動源M2からの駆動力を排出ローラ47の回転軸47Sに伝達し、排出ローラ47を回転させる。なお、図6では、分離ローラ42等の搬送系部品の図示を省略している。
図4に示すように、分離ローラ42は、第1シュート部材35における規制面35Kと搬送面35Gとの接続部よりも左方にずれた位置に配置されている。
分離ローラ42の回転軸42Sには、ホルダ42Fが回動可能に支持されている。ホルダ42Fは、回転軸42Sから離間して規制面35Kを越えるように右方に突出している。
供給ローラ41は、ホルダ42Fの右端部に回転可能に保持されている。供給ローラ41は、可動板50に上から対向する位置に設けられている。回転軸42Sと、ホルダ42F内に設けられた図示しない伝達ギヤ群とは、第2駆動源M2からの駆動力を供給ローラ41に伝達して、供給トレイ91に支持されたシートSHを搬送ガイド30に送り出す方向に供給ローラ41を回転させる。供給ローラ41は、ホルダ42Fの回動に伴って上下方向に変位可能である。
開閉部9内には、ホルダ姿勢検知センサ42Jが設けられている。ホルダ姿勢検知センサ42Jは、ホルダ42Fの姿勢が図4及び図5に示す適正な姿勢となっているか否かを検知し、制御部7に伝達する。ホルダ42Fが図4及び図5に示す適正な姿勢となっている状態では、供給ローラ41の下端が第1シュート部材35の搬送面35Gと略同じ高さにある。この状態において、供給ローラ41は、供給トレイ91に支持されたシートSHのうちの最上位のシートSHを搬送面35Gに向けて、すなわち、分離ローラ42とリタードローラ42Aとの間に向けて、好適に送り出すことができる。
リタードローラ42Aは、分離ローラ42の真下の位置で第1シュート部材35に支持され、分離ローラ42に向けて押圧されている。分離ローラ42とリタードローラ42AとにニップされるシートSHが1枚であれば、図示しないトルクリミッタによりリタードローラ42Aの回転が許容される。その一方、分離ローラ42とリタードローラ42AとにニップされるシートSHが複数枚であれば、図示しないトルクリミッタによりリタードローラ42Aの回転が停止される。その結果、リタードローラ42Aは、分離ローラ42に接触するシートSH以外のシートSHに対し、そのシートSHの搬送を止める力を付与する。
第1搬送ローラ43は、第1シュート部材35の搬送面35Gに上から対向するように、第1ガイド31と第2ガイド32との接続部に配置されている。第1ピンチローラ43Pは、第1シュート部材35に支持され、第1搬送ローラ43に向けて押圧されている。第1搬送ローラ43及び第1ピンチローラ43Pは、分離ローラ42及びリタードローラ42Aによって1枚ずつに分離されたシートSHをニップし、第2ガイド32に向けて搬送する。
第2搬送ローラ44は、第2シュート部材36の案内面36Gに下から対向するように、第2ガイド32と第3ガイド33との接続部に配置されている。第2ピンチローラ44Pは、第2シュート部材36に支持され、第2搬送ローラ44に向けて押圧されている。第2搬送ローラ44及び第2ピンチローラ44Pは、第1搬送ローラ43及び第1ピンチローラ43Pによって搬送されるシートSHをニップし、読取面8Bに向けて、すなわち、静止読取位置に停止する読取センサ3Sに向けて、そのシートSHを搬送する。
排出ローラ47及び排出ピンチローラ48は、読取面8B上を通過して排出ガイド61によって案内されるシートSHをニップ位置N1でニップし、排出口69から排出トレイ96に向けて排出する。
<第1駆動源、第1駆動列及び第2駆動列の構成>
図6及び図7等に示すように、自動搬送機構4は、可動板50及び排出ユニット60の回動動作を行うための第1駆動源M1、第1駆動列110及び第2駆動列120を有している。なお、本実施例では、図6及び図7等において、第1駆動源M1、第1駆動列110及び第2駆動列120を構成する各ギヤについて、外周面に形成されたギヤ歯の図示を省略している。
図4に示すように、第1駆動源M1は、第1ガイド31と第3ガイド33との間に配置されている。図6に示すように、第1駆動源M1は、第1サイドフレーム9Aの後方を向く面に取り付けられている。第1駆動源M1の駆動軸は、第1サイドフレーム9Aよりも前方に突出しており、その駆動軸に駆動ギヤM1Gが固定されている。本実施例では、第1駆動源M1は、ステッピングモータである。第1駆動源M1は、制御部7に制御されて駆動力を発生させ、駆動ギヤM1Gを図7及び図8の時計方向及び反時計方向に回転させる。
図7及び図8に示す複数の矢印は、駆動ギヤM1Gが図7及び図8の反時計方向に回転する場合の回転方向を示している。なお、駆動ギヤM1Gが図7及び図8の時計方向に回転する場合には、図7及び図8に示す各矢印とは逆向きの回転方向となる。
図6及び図7に示すように、第1駆動列110及び第2駆動列120は、第1サイドフレーム9Aよりも前方に配置され、第1サイドフレーム9Aから前向きに突出する複数の軸部に支持されている。
第1駆動列110は、第1ギヤ111、ギヤ112及びアーム113を有している。第1ギヤ111は、駆動ギヤM1Gに対して右方かつ上方に位置して駆動ギヤM1Gと噛み合っている。ギヤ112は、第1ギヤ111に対して右方かつ下方に位置して第1ギヤ111と噛み合っている。アーム113は、ギヤ112の前方を向く面に固定され、右向きに突出している。
可動板50は、受動部53を有している。受動部53は、可動板50の裏面の前方かつ左方の角部から前向きに突出した後に屈曲して左向きに突出し、アーム113の右端部に上から当接している。
第2駆動列120は、第2ギヤ121及びギヤ122を有している。第2ギヤ121は、駆動ギヤM1Gに対して右方かつ下方に位置して駆動ギヤM1Gと噛み合っている。ギヤ122は、排出ガイド61の前方の軸部61Sに一体回転可能に固定されている。ギヤ122は、第2ギヤ121に対して右方かつ下方に位置して第2ギヤ121と噛み合っている。ギヤ122が回転すると、排出ガイド61と、排出ガイド61に支持された排出ローラ47及び排出ピンチローラ48とがギヤ122と一体で回動する。
第1駆動列110と第2駆動列120とは、第1駆動源M1と第1ギヤ111及び第2ギヤ121との間で分岐して、つまり駆動ギヤM1Gを分岐点として、並列になっている。本実施例では、第1駆動列110及び第2駆動列120を構成する第1ギヤ111及び第2ギヤ121等の各ギヤは、平歯車や斜歯歯車等の一般的な歯車である。
次に、第1駆動列110の動作について説明する。第1駆動源M1が駆動ギヤM1Gを図7の反時計方向に回転させると、第1ギヤ111を含む第1駆動列110は、第1駆動源M1からの駆動力を可動板50に伝達して、図2、図4及び図7に示す第1位置から図5及び図8に示す第2位置に可動板50を回動させる。
より詳しくは、第1駆動列110において、駆動ギヤM1Gと噛み合う第1ギヤ111が図7の時計方向に回転し、第1ギヤ111と噛み合うギヤ112が図7の反時計方向に回転し、ギヤ112に固定されたアーム113の右端部が上昇する。その結果、図8に示すように、可動板50の受動部53が押し上げられるので、可動板50は、その左端部を上向きに変位させるように第3軸心X3周りに回動し、図5等に示す第2位置に移動する。
また、第1駆動源M1が駆動ギヤM1Gを図8の時計方向に回転させると、第1ギヤ111を含む第1駆動列110は、上記の動作とは逆に動作し、アーム113の右端部が下降する。その結果、図7に示すように、可動板50の受動部53も下降するので、可動板50は、その左端部を下向きに変位させるように第3軸心X3周りに回動し、図4等に示す第1位置に移動する。
次に、第2駆動列120の動作について説明する。第1駆動源M1が駆動ギヤM1Gを図7の反時計方向に回転させると、第2ギヤ121を含む第2駆動列120は、第1駆動源M1からの駆動力を排出ユニット60に伝達して、図4等に示す第3位置から図5等に示す第4位置に排出ユニット60を回動させる。
より詳しくは、第2駆動列120において、駆動ギヤM1Gと噛み合う第2ギヤ121が図7の時計方向に回転し、第2ギヤ121と噛み合うギヤ122が図7の反時計方向に回転する。その結果、図8に示すように、排出ガイド61がギヤ122と一体で上向きに回動するので、排出ユニット60は、排出口69を上向きに変位させるように第1軸心X1周りに回動し、図5等に示す第4位置に移動する。
また、第1駆動源M1が駆動ギヤM1Gを図8の時計方向に回転させると、第2ギヤ121を含む第2駆動列120は、上記の動作とは逆に動作し、ギヤ122が図8の時計方向に回転する。その結果、図7に示すように、排出ガイド61がギヤ122と一体で下向きに回動するので、排出ユニット60は、排出口69を下向きに変位させるように第1軸心X1周りに回動し、図4等に示す第3位置に移動する。
図4に示すように、可動板50が第1位置にある状態では、可動板50の左端部が第1シュート部材35の規制面35Kの下端部に対向する位置にあり、可動板50の上面の傾斜角度が供給トレイ本体92の上面の傾斜角度と略同一となっている。この状態では、供給トレイ91は、シートSHを最大の積層枚数で支持することができる。可動板50が第1位置にあり、その最大の積層枚数のシートSHの最上位のシートSHに供給ローラ41が当接する場合、ホルダ42Fの姿勢は、図4に示す適正な姿勢となる。
図5に示すように、可動板50が第2位置にある状態では、可動板50の左端部が第1シュート部材35の規制面35Kの上端部に対向する位置にあり、可動板50の上面が第1シュート部材35の搬送面35Gと同程度の高さで略水平に延びた状態となる。この状態では、供給トレイ91は、1枚~数枚程度のシートSHを支持する。可動板50が第2位置にあり、その1枚~数枚程度のシートSHの最上位のシートSHに供給ローラ41が当接する場合、ホルダ42Fの姿勢は、図5に示す適正な姿勢となる。
制御部7は、ホルダ姿勢検知センサ42Jの検知信号に基づいてホルダ42Fの姿勢が図4及び図5に示す適正な姿勢から許容範囲を超えて下降した状態にあると判断した場合、第1駆動源M1を作動させて、図4等に示す第1位置から図5等に示す第2位置に向けて可動板50を小刻みに回動させ、ホルダ42Fが図4及び図5に示す適正な姿勢を維持するように制御する。この際、ステッピングモータである第1駆動源M1の回転角度制御によってアーム113の回動姿勢を細かく変化させることで、可動板50を所望の回動姿勢に精度良く位置決めすることができる。
制御部7が第1駆動源M1を作動させて可動板50を小刻みに回動させる際、第1駆動源M1からの駆動力が第2駆動列120によって排出ユニット60にも伝達される。これにより、排出ユニット60は、可動板50の小刻みな回動に同期して、図4等に示す第3位置から図5等に示す第4位置に向けて小刻みに回動する。画像読取装置1は、給紙トレイ91の可動板50の回動に応じて排出ユニット60が回動する構成により、上下方向の小型化を実現している。
図4に示すように、排出ユニット60が第3位置にある状態では、排出口69、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48が排出トレイ96のシート支持面96Aに近い位置にある。この排出ユニット60の状態は、排出トレイ96のシート支持面96Aに支持されるシートSHの枚数が少ない場合に対応している。
図5に示すように、排出ユニット60が第4位置にある状態では、排出口69、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48が排出トレイ96のシート支持面96Aから上方に離間する位置にある。この排出ユニット60の状態は、排出トレイ96のシート支持面96AにシートSHが最大の積層枚数で支持される場合に対応している。つまり、この状態では、排出ユニット60の排出口69がシート支持面96Aに最大の積層枚数で支持されるシートSHの最上位のシートSHから上方に充分に離間している。
<第1壁、第2壁、第1突き当て面及び第2突き当て面の構成>
図4及び図5に示すように、第1壁70は、ベース部材39におけるシート支持面96Aよりも排出方向D1の上流側の位置から上向きに突出し、かつ前後方向に略平板状に延びるリブである。本実施例では、第1壁70がベース部材39に一体成形されているが、別部品である第1壁70をベース部材39に取り付けることもできる。
第1突き当て面71は、第1壁70における排出方向D1を向く面に形成されている。第1突き当て面71の下端は、シート支持面96Aにおける排出方向D1の上流側の端縁に接続している。第1突き当て面71は、略鉛直方向の上向きに突出し、かつ前後方向に延びる平坦面である。
排出ユニット60が図4等に示す第3位置にある状態、すなわち、上方に移動していない初期状態において、図7及び図9に示すように、第1突き当て面71の上端71Uは、排出ピンチローラ48の下端48Dよりも上方、かつニップ位置N1よりも下方に位置している。
第1突き当て面71には、逃げ部78が形成されている。逃げ部78は、排出ピンチローラ48の下端48Dに対向する位置で第1突き当て面71の上端71Uから下向きに凹む略矩形状の凹部である。排出ピンチローラ48の下端48D側は、排出ユニット60が図4等に示す第3位置にある状態で逃げ部78に進入する。
図7~図10に示すように、第2壁80は、前後方向及び上下方向に延びる略平板形状の部材である。第2壁80の前後方向の長さ及び上下方向の長さは、第1壁70と同じ程度の大きさに設定されている。
第2壁80は、連結軸部85A、85Bを有している。連結軸部85A、85Bは、本発明の「第2壁と排出ガイドとの連結部」の一例である。前方の連結軸部85Aは、第2壁80の前方かつ上方の角部から前向きに突出する円柱軸である。後方の連結軸部85Bは、第2壁80の後方かつ上方の角部から後向きに突出する円柱軸である。
排出ガイド61における排出口69側の端部、すなわち右端部には、長穴65A、65Bが設けられている。長穴65A、65Bは、排出ガイド61の右端部の前後の角部に前後方向に貫通するように形成され、かつ左右方向に延びている。
第2壁80の前方の連結軸部85Aは、排出ガイド61の前方の長穴65Aに挿入され、排出ガイド61の右端部に左右方向に移動可能に連結されている。第2壁80の後方の連結軸部85Bは、排出ガイド61の後方の長穴65Bに挿入され、排出ガイド61の右端部に左右方向に移動可能に連結されている。つまり、連結軸部85A、85Bは、長穴65A、65Bに沿って排出方向D1に移動可能である。排出ユニット60が図4等に示す第3位置と図5等に示す第4位置との間で回動すると、連結軸部85A、85Bによってその動作が第2壁80に伝達され、第2壁80が上下方向に移動する。
第2突き当て面82は、連結軸部85A、85Bから下向きに延びる第2壁80における排出方向D1を向く面に形成されている。ベース部材39には、ガイドリブ39Rが設けられている。ガイドリブ39Rは、第2壁80における第2突き当て面82とは反対の面に当接している。ガイドリブ39Rは、第2壁80の上下方向の移動を許容しつつ、第2壁80を左右方向において位置決めする。第2壁80の第2突き当て面82は、第1突き当て面71よりも排出方向D1の上流側に位置し、その少なくとも一部が第1壁70における第1突き当て面71との反対の面に当接している。
第2突き当て面82には、逃げ部88が形成されている。逃げ部88は、排出ピンチローラ48の下端48Dに対向する位置で第2突き当て面82の上端から下向きに凹む略矩形状の凹部である。排出ピンチローラ48の下端48D側は、逃げ部88に進入している。
図9に示すように、排出ユニット60が第3位置にある状態では、排出方向D1とは逆向きの方向に沿って見て、第2突き当て面82の大部分が第1突き当て面71と重なっている。
第2突き当て面82は、排出ユニット60が図5等に示す第4位置に回動するに伴って第2壁80が上方に移動することにより、図10に示すように、第1突き当て面71に対して上方に移動可能である。
排出ユニット60が第4位置にある状態、すなわち、第2突き当て面82が第1突き当て面71に対して最も上方に移動した状態においても、排出方向D1とは逆向きの方向に沿って見て、第2突き当て面82の下端側の一部が第1突き当て面71と重なっている。
<画像読取動作>
この画像読取装置1では、原稿支持面8Aに支持された原稿の画像を読み取る場合、制御部7が読取ユニット3の走査機構駆動源3Mを制御して図示しない走査機構を作動させ、読取センサ3Sを原稿支持面8Aの左端縁の下方である読取開始位置から右端縁の下方である読取終了位置までの間で左右方向に移動させる。これにより、読取センサ3Sは、原稿支持面8Aに支持された原稿の画像を読み取る。その後、制御部7は、読取ユニット3の走査機構駆動源3Mを制御して図示しない走査機構を逆向きに作動させ、読み取りを終えた読取センサ3Sを読取ユニット3内における右端から左端に移動させて待機位置に復帰させる。
また、この画像読取装置1では、供給トレイ91に支持されたシートSHを自動搬送機構4によって搬送し、そのシートSHの画像を読み取る場合、制御部7が読取ユニット3の走査機構駆動源3Mを制御して図示しない走査機構を作動させ、読取センサ3Sを読取面8Bの下方である静止読取位置に停止させる。ここでは、可動板50が図4等に示す第1位置にあり、排出ユニット60が図4等に示す第3位置があり、排出トレイ96にシートSHが支持されていない状態を前提とする。
次に、制御部7は、ホルダ姿勢検知センサ42Jの検知信号に基づいて、ホルダ姿勢検知センサ42Jが図4及び図5に示す適正な姿勢となっているか否かを判断する。制御部7は、ホルダ姿勢検知センサ42Jが図4及び図5に示す適正な姿勢となっていない場合、第1駆動源M1、第1駆動列110及び第2駆動列120を作動させる。そして、制御部7は、図4等に示す第1位置から図5等に示す第2位置に向けて可動板50を小刻みに回動させ、ホルダ42Fが図4及び図5に示す適正な姿勢を維持するように制御する。この際、排出ユニット60も、可動板50の小刻みな回動に同期して、図4等に示す第3位置から図5等に示す第4位置に向けて小刻みに回動する。
次に、制御部7は、第2駆動源M2及び搬送駆動列130を作動させる。これにより、制御部7は、供給ローラ41、分離ローラ42、第1搬送ローラ43、第2搬送ローラ44及び排出ローラ47を駆動し、供給トレイ91に支持されたシートSHを搬送ガイド30に供給し、搬送ガイド30に沿って順次搬送する。制御部7は、搬送されるシートSHが読取面8B上を通過する際、静止読取位置に停止した読取センサ3Sによって、そのシートSHの画像を読み取る。そして、制御部7は、画像が読み取られたシートSHを排出ユニット60の排出ガイド61、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48によって排出口69から排出トレイ96に向けて排出する。
この間も、制御部7は、ホルダ姿勢検知センサ42Jの検知信号に基づき、供給トレイ91に支持されたシートSHの減少に応じて、図5等に示す第2位置に向けて可動板50を小刻みに回動させ、排出ユニット60を図5等に示す第4位置に向けて小刻みに回動させる。
排出ユニット60が図5等に示す第4位置に向けて回動するのに伴って、図7~図10に示すように、第2突き当て面82が第1突き当て面71に対して上方に移動する。
排出トレイ96のシート支持面96Aに支持されるシートSHの積層枚数が少ない状態では、図7及び図9に示すように、排出口69が低い位置にあって、第2突き当て面82の上方への移動量が小さい。この場合、主に第1突き当て面71がシート支持面96A上のシートSHにおける排出方向D1の上流側の端縁に突き当たって、それらのシートSHの位置ずれを規制する。
排出トレイ96のシート支持面96Aに支持されるシートSHの積層枚数が多くなると、図8及び図10に示すように、排出口69が高い位置に移動し、第2突き当て面82の上方への移動量が大きくなる。この場合、第1突き当て面71と第2突き当て面82とが協働して、シート支持面96A上のシートSHにおける排出方向D1の上流側の端縁に突き当たって、それらのシートSHの位置ずれを規制する。
図5に示すように、供給トレイ91に支持されたシートSHが少なくなり、さらにシートSHが無くなると、制御部7は、第2駆動源M2を停止して画像読取動作を終了する。
その後、制御部7は、読取ユニット3の走査機構駆動源3Mを制御して図示しない走査機構を作動させ、読取センサ3Sを待機位置に復帰させる。また、制御部7は、排出トレイ96にシートSHが支持されていないことを図示しない検知手段によって確認した後、第1駆動源M1、第1駆動列110及び第2駆動列120を作動させて、可動板50を図4等に示す第1位置に復帰させ、排出ユニット60を図4等に示す第3位置に復帰させる。
それに伴って、第2突き当て面82が下方に移動して、図7及び図9に示すように、第2突き当て面82の大部分が第1突き当て面71と重なる状態に復帰する。
<作用効果>
実施例1の画像読取装置1では、図4及び図5等に示すように、排出トレイ96よりも下方に、第1突き当て面71及び第2突き当て面82が進入する収容スペースを設ける必要がないので、排出トレイ96よりの下方に位置する部分を薄くできる。具体的には、図5に示すように、シート支持面96Aにおける排出方向D1の上流側の端縁よりも下方に位置する部分の厚みT1を薄くできる。
したがって、実施例1の画像読取装置1では、上下方向の小型化を実現できる。
また、この画像読取装置1では、図10に示すように、排出ユニット60が第4位置にある状態、すなわち、第2突き当て面82が第1突き当て面71に対して最も上方に移動した状態においても、第2突き当て面82の下端側の一部は、排出方向D1とは逆向きの方向に沿って見て、第1突き当て面71と重なっている。これにより、第1突き当て面71の上端71Uと第2突き当て面82の下端との隙間にシートSHが入り込むことを抑制できる。
さらに、この画像読取装置1では、図9に示すように、第1突き当て面71の上端71Uから下向きに凹む逃げ部78により、排出ユニット60が第3位置にある状態、すなわち、上方に移動していない初期状態において、排出口69が排出トレイ96のシート支持面96Aから離間する距離をできる限り小さくすることができる。その結果、上下方向の小型化を一層実現できる。
また、この画像読取装置1では、図7及び図8に示すように、第2壁80と排出ガイド61との連結部である連結軸部85A、85Bが長穴65A、65Bに沿って排出方向D1に移動可能である。この構成により、第2突き当て面82が移動する際に描く軌跡を排出ガイド61が移動する際の軌跡と異なるように容易に設定でき、本実施例では直線状の軌跡としている。その結果、この画像読取装置1では、移動する第2突き当て面82が第1突き当て面71に対して排出方向D1にずれることを抑制できる。
(実施例2)
図11~図14に示すように、実施例2の画像読取装置では、実施例1の画像読取装置1に係る第2壁80について、略櫛歯形状をなして下向きに突出する複数の凸部289を形成し、実施例1に係る第2突き当て面82についてもそれに対応する略櫛歯形状に変更している。また、この画像読取装置では、実施例1に係る第1壁70について、各凸部289の進入を許容するように下向きに凹む複数の凹部279を形成し、実施例1に係る第1突き当て面71についてもそれに対応する略櫛歯形状に変更している。この変更により、実施例2に係る第1突き当て面71の上端は、実施例1に係る第1突き当て面71の上端71Uよりも低くなっており、実施例1に係る逃げ部78も無くなっている。
さらに、この画像読取装置では、実施例1に係る第2壁80及びガイドリブ39Rの位置を排出方向D1に、すなわち右向きに移動させて、第1突き当て面71と第2突き当て面82とが同一平面上となるように変更している。
実施例2のその他の構成は、実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
図11及び図13に示すように、排出ユニット60が第3位置にある状態では、第2壁80の各凸部289が第1壁70の各凹部279に深く進入し、同一平面上にある第1突き当て面71と第2突き当て面82との隙間が小さくなっている。
図12及び図14に示すように、第2突き当て面82は、排出ユニット60が第4位置に回動するに伴って第2壁80が上方に移動することにより、第1突き当て面71に対して上方に移動可能である。この際、第1突き当て面71と第2突き当て面82とが同一平面上にある状態が維持される。
排出ユニット60が第4位置にある状態、すなわち、第2突き当て面82が第1突き当て面71に対して最も上方に移動した状態においても、第2壁80の各凸部289が第1壁70の各凹部279に進入する状態が維持される。このため、同一平面上にある第1突き当て面71と第2突き当て面82との隙間が大きくなっても、第1突き当て面71の上端71Uと第2突き当て面82の下端との隙間にシートSHが入り込むことを抑制できる。
このような構成である実施例2の画像読取装置では、実施例1の画像読取装置1と同様に、上下方向の小型化を実現できる。
また、この画像読取装置では、第2突き当て面82が第1突き当て面71に対して同一平面上で上下に移動する構成により、排出トレイ96のシート支持面96Aに支持されるシートSHの積層枚数が多い場合でも、第1突き当て面71に突き当たるシートSHと、第2突き当て面82に突き当たるシートSHとの排出方向D1のずれを無くすことができる。
(実施例3)
図15~図18に示すように、実施例3の画像読取装置では、実施例1の画像読取装置1に係る第1壁70、第2壁80、第1突き当て面71及び第2突き当て面82の代わりに、第1壁370、第2壁380、第1突き当て面371及び第2突き当て面382を採用している。
実施例3のその他の構成は、実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
第1壁370は、ベース部材39から上方に突出しながら左方に向かって緩やかに湾曲する曲板形状部材に複数の凸部379が形成されてなる。複数の凸部379は、略櫛歯形状をなして上向きに突出した後に右向きに屈曲している。
第1突き当て面371は、第1壁370における排出方向D1を向く面に形成されている。第1突き当て面371は、第1軸心X1を中心とする円筒形状の湾曲面が各凸部379に対応して切り欠かれてなる略櫛歯形状とされている。
第2壁380は、排出ガイド61の右端部に固定されている。なお、第2壁380は、排出ガイド61の右端部に一体成形されていてもよい。第2壁380は、排出ガイド61の右端部から下向きに突出しながら左方に向かって緩やかに湾曲する曲板形状部材に複数の凹部389が形成されてなる。複数の凹部389は、各凸部379の右向きに屈曲する先端379Aの進入を許容するように貫通する略矩形穴である。
第2突き当て面382は、第2壁380における排出方向D1を向く面に形成されている。第2突き当て面382は、第1軸心X1を中心とする円筒形状の湾曲面が各凹部389に対応して切り欠かれてなる穴あき形状とされている。
図16に示すように、第2突き当て面382の半径R2は、第1突き当て面371の半径R1よりも第2壁380の板厚分だけ大きく設定されている。これにより、第2壁380及び第2突き当て面382は、第1壁370及び第1突き当て面371よりも排出方向D1の下流側に位置している。
図16及び図18に示すように、第2突き当て面382は、排出ユニット60が第4位置に回動するに伴って第2壁380が上方に移動することにより、第1突き当て面371に対して上方に移動可能である。
排出ユニット60が第4位置にある状態、すなわち、第2突き当て面382が第1突き当て面371に対して最も上方に移動した状態においても、第2突き当て面382の下端が第1突き当て面371の上端により下方に位置している。これにより、第1突き当て面371の上端と第2突き当て面382の下端との隙間にシートSHが入り込むことを抑制できる。また、この状態で、各凸部379の右向きに屈曲する先端379Aが各凹部389に進入した状態を維持することにより、第1壁370に対する第2壁380の前後方向のずれを抑制できる。
このような構成である実施例3の画像読取装置では、実施例1、2の画像読取装置1と同様に、上下方向の小型化を実現できる。
また、この画像読取装置では、第2突き当て面382が第1突き当て面371よりも排出方向D1の下流側に位置しているので、排出トレイ96のシート支持面96Aに支持されるシートSHにおける排出方向D1の上流側の端縁が第1突き当て面371の上端に乗り上げることを抑制できる。
さらに、この画像読取装置では、第2壁380が排出ガイド61の右端部に固定された構成により、簡素化及び部品点数の削減を実現できる。
なお、実施例3に係る第1壁370から複数の凸部379を無くし、実施例3に係る第2壁380から複数の凹部389を無くした構成も本発明に含まれる。この場合、第1壁370は、ベース部材39から上方に突出しながら左方に向かって緩やかに湾曲する曲板形状となる。第1突き当て面371は、第1軸心X1を中心とする円筒形状の湾曲面となる。第2壁380は、排出ガイド61の右端部から下向きに突出しながら、左方に向かって緩やかに湾曲する曲板形状部材となる。第2突き当て面382は、第1軸心X1を中心とする円筒形状の湾曲面となる。このような構成によっても、実施例1~3と同様の作用効果を奏することができる。
以上において、本発明を実施例1~3に即して説明したが、本発明は上記実施例1~3に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施例1では、可動板50が回動するがこの構成には限定されず、例えば直動してもよい。排出ユニットについても同様である。
本発明の画像読取装置は、排出ユニットとともに第1突き当て面及び第2突き当て面に対して上方に移動可能な第3突き当て面をさらに備えていてもよい。