以下、本発明を具体化した実施例1~3について図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の画像読取装置1は、本発明の画像読取装置の具体的態様の一例である。図1では、操作パネル8Pが配置される側を装置の前方と規定し、操作パネル8Pに向かった場合に左に来る側を左方と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2以降の各図に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、図1等に基づいて、画像読取装置1が備える各構成要素について説明する。
<全体構成>
図1~図3に示すように、画像読取装置1は、本体部8、開閉部9、画像形成ユニット5、読取ユニット3、自動搬送機構4及び制御部7を備えている。本体部8は、扁平な略箱状体である。図1に示すように、本体部8の前面には、タッチパネル等である操作パネル8Pが設けられている。
図2に示すように、画像形成ユニット5は、本体部8内の下部分に収容されている。画像形成ユニット5は、インクジェット方式又はレーザ方式等によりシートに画像を形成する。図2及び図4に示すように、読取ユニット3は、本体部8内の上部分に位置している。読取ユニット3は、原稿の画像を読み取る際に使用される。自動搬送機構4は、開閉部9に設けられている。自動搬送機構4は、供給トレイ91に支持されたシートSHを搬送ガイド30に沿って順次搬送しながらシートSHの画像を読取ユニット3に読み取らせる際に使用される。
図2及び図3に示すように、制御部7は、本体部8内の左側面に沿う位置に収容されている。制御部7は、CPU、ROM、RAMを主とするマイクロコンピュータとして構成されている。ROMには、CPUが画像読取装置1の各種動作を制御するためのプログラムや、識別処理を実行するためのプログラムなどが格納されている。RAMは、CPUが上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号を一時的に記録する記憶領域、又はデータ処理の作業領域として使用される。制御部7は、画像形成ユニット5、読取ユニット3、自動搬送機構4及び操作パネル8Pを制御する。
図4に示すように、本体部8の上面にはプラテンガラスが配設され、そのプラテンガラスの上面によって大面積の原稿支持面8Aが形成されている。また、本体部8の上面における原稿支持面8Aよりも左方には別のプラテンガラスが配設され、その別のプラテンガラスの上面によって、前後方向に細長い読取面8Bが形成されている。
原稿支持面8Aは、静止した状態の原稿の画像を読取ユニット3が読み取る際に、その原稿を下から支持する。読取対象の原稿には、用紙、OHPシート等であるシートの他、書籍等が含まれる。
読取面8Bは、自動搬送機構4によって1枚ずつ搬送されるシートSHの画像を読取ユニット3が読み取る際に、その搬送されるシートSHに下から接触する。本体部8の上面における原稿支持面8Aと読取面8Bとの間には、ガイド凸部8Hが設けられている。ガイド凸部8Hは、読取面8Bに接触しながら搬送されるシートSHをすくい上げて右向きに上り傾斜するように案内する。
なお、本実施例においては、原稿支持面8Aを使用して画像が読み取られる対象を原稿と記載し、自動搬送機構4により搬送しながら画像が読み取られる対象をシートと記載する。原稿とシートとは、実質的に同じものであってもよい。
図1に示すように、開閉部9は、本体部8の後端部に配設された図示しないヒンジによって、左右方向に延びる開閉軸心X9周りに揺動可能に支持されている。開閉部9は、図1及び図4等に示す閉じた状態では、原稿支持面8A及び読取面8Bを上方から覆っている。図示は省略するが、開閉部9は、その前端部が上方かつ後方に変位するように開閉軸心X9周りに揺動することにより、原稿支持面8A及び読取面8Bを露出させる開放位置に変位する。これにより、ユーザは、読取対象の原稿を原稿支持面8Aに支持させることができる。
なお、開閉部9の構成や内部構造等について説明する際には、上下方向及び前後方向について、閉じた状態の開閉部9の姿勢を基準とする。
読取ユニット3は、図2~図5に示すように本体部8内の上部分に収容された読取センサ3Sと、図3に示す走査機構駆動源3Mと、走査機構駆動源3Mに駆動される図示しない走査機構とを有している。読取センサ3Sとしては、CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等の周知の画像読取センサが使用される。
図4に示すように、読取センサ3Sは、原稿支持面8A及び読取面8Bの下方に位置している。図示しない走査機構は、原稿支持面8Aに支持される原稿の画像を読み取る際に走査機構駆動源3Mによって駆動され、読取センサ3Sを本体部8内における原稿支持面8Aの下方で左右方向に往復動させる。また、図示しない走査機構は、自動搬送機構4によって搬送されるシートSHの画像を読取センサ3Sが読み取る際に走査機構駆動源3Mによって駆動され、読取センサ3Sを本体部8内における読取面8Bの下で停止させる。読取センサ3Sが読取面8Bの下で停止する位置は、予め定められた静止読取位置である。
図4及び図5に示すように、開閉部9は、ベース部材39、第1シュート部材35、第2シュート部材36及びカバー部材38を備えている。
ベース部材39は、開閉部9の底壁を形成している。ベース部材39には、読取面8B及びガイド凸部8Hに対向する領域が略矩形状に切り欠かれてなる矩形穴39Hが形成されている。ベース部材39における矩形穴39Hよりも左方に位置する部分には、搬送面39Gが形成されている。搬送面39Gの左端部は、下向きから向きを変えて右向きに下り傾斜するように湾曲している。そして、搬送面39Gは、矩形穴39Hの左端縁まで下り傾斜している。
第2シュート部材36は、ベース部材39の左部分の上方に配設されている。第2シュート部材36には、押圧部材保持部36F及び案内面36G、36Hが形成されている。押圧部材保持部36Fは、読取面8Bに対向する位置で上向きに凹む凹部である。押圧部材保持部36Fには、押圧部材36Pが上下方向に変位可能に保持されている。押圧部材36Pは、読取面8Bに接触しながら搬送されるシートSHを上から押圧して、そのシートSHが読取面8Bから浮き上がることを抑制する。案内面36Gは、押圧部材保持部36Fよりも左方に位置している。案内面36Gの左端部は、ベース部材39の搬送面39Gの左端部に沿って湾曲している。そして、案内面36Gは、ベース部材39の搬送面39Gの下り傾斜する部分に沿って、右向きに下り傾斜している。案内面36Hは、押圧部材保持部36Fよりも右方に位置している。案内面36Hは、本体部8のガイド凸部8Hに沿って右向きに上り傾斜している。
第1シュート部材35は、第2シュート部材36の上方に配設されている。第1シュート部材35よりも右方の位置には、後で詳しく説明するように、規制面180を形成するための第1壁160及び第2壁170が設けられている。第1シュート部材35の右端部には、第1壁160の上端部が接続している。第1シュート部材35の上面側には、搬送面35Gが形成されている。搬送面35Gは、第1シュート部材35の右端部から左向きに略水平に延びている。搬送面35Gの左端部は、左向きから下向きに向きを変えるように湾曲している。
カバー部材38は、第1シュート部材35の上方に配設されている。カバー部材38には、下向きに突出する複数のリブ38Rの下端縁からなる案内面38Gが形成されている。案内面38Gの右端部は、第1シュート部材35の右端部よりも左方にずれた位置で搬送面35Gに上から対向している。案内面38Gは、第1シュート部材35の搬送面35Gに沿って左向きに略水平に延びている。案内面38Gの左端部は、第1シュート部材35の搬送面35Gの左端部に沿って湾曲している。
図6に示すように、開閉部9は、第1サイドフレーム9A及び第2サイドフレーム9Bを備えている。第1サイドフレーム9Aは、開閉部9の前面側で左右方向に延びるように配置されて、開閉部9の内部フレームの一部を構成している。第2サイドフレーム9Bは、開閉部9の後面側で左右方向に延びるように配置されて、開閉部9の内部フレームの一部を構成している。第1サイドフレーム9Aと第2サイドフレーム9Bとは、図4等に示すカバー部材38の案内面38G、第1シュート部材35の搬送面35G、第2シュート部材36の案内面36G、36H、並びにベース部材39の搬送面39Gを挟むように前後方向において対向している。なお、図6では、説明し易くするために、供給トレイ91の供給トレイ本体92及び可動板50の図示を省略している。また、図6では、説明し易くするために、第1駆動源M1及び第2駆動源M2の位置を分離ローラ42の回転軸42Sよりも下方の位置から右方にずらして図示している。
<第1壁、第2壁及び規制面の構成>
図4、図5及び図7~図10に示すように、開閉部9は、自動搬送機構4の一部を構成する第1壁160及び第2壁170と、第1壁160及び第2壁170とによって形成される規制面180とを備えている。なお、図6では、図面を見易くするために、第1壁160、第2壁170及び規制面180の図示を省略している。また、図7及び図8では、図面を見易くするために、第2壁170の下端部のみを図示している。
図4等に示すように、第1壁160は、略平板形状をなして左向きに上り傾斜するように延び、その上端部が第1シュート部材35の右端部に接続している。本実施例では、第1壁160が第1シュート部材35に一体に形成されているが、別部品である第1壁160を第1シュート部材35に取り付けることもできる。
第2壁170は、第1壁160よりも下方に位置する略平板形状の部材である。第2壁170は、第1壁160の傾斜角度と略等しい傾斜角度で、左向きに上り傾斜するように延びている。
図9及び図10に示すように、第1壁160及び第2壁170は、第1サイドフレーム9Aと第2サイドフレーム9Bとの間に設けられている。第1壁160の前端部は、第1サイドフレーム9Aに対向している。第1壁160の後端部は、第2サイドフレーム9Bに対向している。
第2壁170の前端部は、第1壁160の前端部よりも下方の位置で、第1サイドフレーム9Aに対向している。第2壁170の後端部は、第1壁160の後端部よりも下方の位置で、第2サイドフレーム9Bに対向している。
第1サイドフレーム9A及び第2サイドフレーム9Bと第2壁170との間には、第1ガイド190が設けられている。第1ガイド190は、ガイド溝191A、191B及び摺動部192A、192Bを含んで構成されている。
前方のガイド溝191Aは、第1サイドフレーム9Aの後方を向く面側に形成されている。前方のガイド溝191Aは、第2壁170の前端部と対向する位置で前向きに凹み、かつ第1壁160及び第2壁170が傾斜する方向に沿って延びている。後方のガイド溝191Bは、第2サイドフレーム9Bの前方を向く面側に形成されている。後方のガイド溝191Bは、第2壁170の後端部と対向する位置で後向きに凹み、かつ第1壁160及び第2壁170が傾斜する方向に沿って延びている。
前方の摺動部192Aは、第2壁170の前端部から前方のガイド溝191A内に突出する略矩形状の凸部である。後方の摺動部192Bは、第2壁170の後端部から後方のガイド溝191B内に突出する略矩形状の凸部である。摺動部192A、192Bの厚みは、ガイド溝191A、191Bの溝幅よりも僅かに小さく設定されている。摺動部192A、192Bにおけるガイド溝191A、191Bの長手方向に沿う方向の長さは、摺動部192A、192Bの厚みよりもある程度大きく設定されている。
第1ガイド190は、摺動部192Aがガイド溝191A内で摺動し、かつ摺動部192Bがガイド溝191B内で摺動することにより、第2壁170の移動を案内する。これにより、第2壁170は、第1壁160の傾斜角度と略等しい傾斜角度を維持したままで、第1壁160に対して接近及び離間可能となっている。
第2壁170の上端部側には、複数の第1凸部179が形成されている。各第1凸部179は、略櫛歯形状をなして上向きに突出している。
第1壁160の下端部側には、複数の第1凹部169が形成されている。各第1凹部169は、第1壁160における各第1凸部179に対向する部分が切り欠かれてなる略櫛歯形状とされている。図10に示すように、各第1凹部169は、第2壁170が第1壁160に接近することにより各第1凸部179の進入を許容するように凹んでいる。
図9及び図10に示すように、第1壁160の下方かつ前方の角部と、第2壁170の上方かつ前方の角部との間には、圧縮コイルバネ189Aが配設されている。第1壁160の下方かつ後方の角部と、第2壁170の上方かつ後方の角部との間には、圧縮コイルバネ189Bが配設されている。圧縮コイルバネ189A、189Bは、第2壁170を第1壁160から離間させる付勢力を発揮する。
図4、図5、図9及び図10に示すように、規制面180は、第1面181及び第2面182によって形成されている。第1面181は、第1壁160における供給トレイ91側を向く面である。第2面182は、第2壁170における供給トレイ91側を向く面である。つまり、規制面180は、第1シュート部材35の右端部と、可動板50との間に設けられて、供給トレイ91に支持されるシートSHの先端縁に当接可能となっている。
第2面182は、第2壁170が第1壁160に対して接近及び離間することにより、第1面181に対して接近及び離間する。図4及び図5に示すように、第1面181と第2面182とは、第2壁170の移動にかかわらず略面一となっている。規制面180は、左向きに上り傾斜しており、第1面181の上端部が第1シュート部材35における搬送面35Gの右端部に接続している。
図4及び図5に示すように、第1凸部179における供給トレイ91側の上端縁179Eは、第1凹部169の奥側の端縁に向かって突出している。これにより、第1凸部179と第1凹部169との段差は、供給トレイ91から搬送ガイド30に送り出されるシートSHに対して逆段差にならない。
後述するように、規制面180は、第2壁170が上向きに回動する排出ガイド61に押圧されることによって上方に移動可能である。
<搬送ガイド、供給トレイ及び排出トレイの構成>
図2、図4及び図5に示すように、開閉部9は、自動搬送機構4の一部を構成する搬送ガイド30と、搬送ガイド30に供給されるシートSHを支持するための供給トレイ91と、搬送ガイド30から排出されるシートSHを支持するための排出トレイ96とを備えている。
図4に示すように、供給トレイ91は、第1シュート部材35、第1壁160及び第2壁170よりも右方に位置し、かつベース部材39の右部分の上方に配設されている。供給トレイ91は、供給トレイ本体92及び可動板50を有している。供給トレイ本体92は、開閉部9の右端部側から左向きに緩やかに下り傾斜している。可動板50は、供給トレイ本体92の左端部に隣接するように配置されている。可動板50は、規制面180に向かって略平板状に延びている。可動板50は、カバー部材38の右部分に上から覆われている。供給トレイ91は、供給トレイ本体92及び可動板50によって、自動搬送機構4に供給されるシートSHを支持する。
可動板50は、その右端部が前後方向に延びる第3軸心X3周りに回動可能に支持されている。図示は省略するが、可動板50は、図6に示す第1サイドフレーム9A及び第2サイドフレーム9Bに回動可能に支持されている。
後で詳しく説明するが、可動板50は、図6及び図7等に示す第1駆動源M1及び第1駆動列110が作動することにより、供給トレイ91に支持されるシートSHの減少に応じて、図2、図4及び図7に示す第1位置から図5及び図8に示す第2位置に回動するように構成されている。図5等に示す第2位置は、図4等に示す第1位置よりも上方の位置である。
図1及び図4に示すように、供給トレイ本体92上には、2つの幅規制ガイド94A、94Bがそれぞれ前後方向にスライド可能に設けられている。前方の幅規制ガイド94Aと後方の幅規制ガイド94Bとが互いに接近又は離間することにより、供給トレイ91に支持されるサイズの異なる複数種類のシートSHを前後から挟む。これにより、様々なサイズのシートSHを供給トレイ91における幅方向の中央部を基準として位置決めできる。
図4及び図5に示すように、排出トレイ96は、ベース部材39の右部分に形成されている。つまり、排出トレイ96は、供給トレイ91よりも下方の位置で、供給トレイ91に重なるように設けられている。排出トレイ96には、読取センサ3Sによって画像が読み取られ、自動搬送機構4によって搬送されたシートSHが排出される。排出トレイ96の上面は、排出されるシートSHを支持するシート支持面96Aとされている。
搬送ガイド30は、供給トレイ91から排出トレイ96に向けてシートSHを搬送するための搬送経路を構成している。具体的には、搬送ガイド30は、第1ガイド31、第2ガイド32及び第3ガイド33を有している。
第1ガイド31は、第1シュート部材35の搬送面35Gの略水平に延びる部分と、カバー部材38の案内面38Gの略水平に延びる部分とを含んで構成されている。第1ガイド31は、供給トレイ91から送り出されるシートSHを左向きに案内する。
第2ガイド32は、第1シュート部材35の搬送面35Gの湾曲する左端部と、カバー部材38の案内面38Gの湾曲する左端部と、ベース部材39の搬送面39Gの湾曲する左端部と、第2シュート部材36の案内面36Gの湾曲する左端部とを含んで構成されている。第2ガイド32は、第1ガイド31に接続し、シートSHの搬送方向を左向きから右向きに変化させる。
第3ガイド33は、ベース部材39の搬送面39Gの下り傾斜する部分と、第2シュート部材36の案内面36Gの下り傾斜する部分と、第2シュート部材36の案内面36Hとを含んで構成されている。第3ガイド33は、第2ガイド32に接続し、排出トレイ96に向けてシートSHを案内する。
<排出ユニットの構成>
自動搬送機構4は、第3ガイド33に案内されたシートSHを排出ガイド61によって排出トレイ96に排出するための排出ユニット60を有している。排出ガイド61には、搬送面61G及び案内面61Hが形成されている。搬送面61Gは、本体部8のガイド凸部8Hよりも右方に位置し、右向きに上り傾斜している。案内面61Hは、第2シュート部材36の案内面36Hよりも右方に位置している。案内面61Hは、搬送面61Gに沿って右向きに上り傾斜している。排出ガイド61は、排出トレイ96にシートSHを排出するための排出口69を有している。排出口69は、搬送面61Gの右端部と、案内面61Hの右端部との間で開口している。
図6に示すように、排出ユニット60において、排出ガイド61は、搬送面61Gが形成された平板と、案内面61Hが形成された平板とが上下方向において対向し、双方の平板の前端縁と後端縁とが前後一対の側板によって接続されてなる略角筒形状部材である。排出ガイド61は、前後方向に延びる第1軸心X1を軸心とする軸部61S、61Tを有している。第1軸心X1は、第3軸心X3と平行である。
前方の軸部61Sは、搬送面61G及び案内面61Hの前方かつ左方の角部から前向きに突出する円柱軸である。前方の軸部61Sは、第1サイドフレーム9Aに回動可能に支持されているとともに、第1サイドフレーム9Aよりも前方に突出している。
後方の軸部61Tは、搬送面61G及び案内面61Hの後方かつ左方の角部から後向きに突出する円柱軸である。後方の軸部61Tは、第2サイドフレーム9Bに回動可能に支持されているとともに、第2サイドフレーム9Bよりも後方に突出している。
こうして、排出ガイド61は、第1軸心X1周りに回動可能となっている。図4に示すように、第1軸心X1の位置は、搬送ガイド30の第3ガイド33と、排出ガイド61とによって形成される搬送経路と重なるように設定されている。
排出ユニット60は、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48を有している。排出ローラ47は、排出口69に対して上方に配置されている。排出ピンチローラ48は、排出口69に対して下方に配置されている。図示は省略するが、2組の排出ローラ47及び排出ピンチローラ48が互いに前後方向の間隔を有して配設されている。
図6に示すように、排出ローラ47は、第1軸心X1と平行な第2軸心X2を軸心とする回転軸47Sに固定されている。回転軸47Sの前端部は、排出ガイド61の前方かつ右方の角部に回転可能に支持されている。回転軸47Sの後端部側は、排出ガイド61の後方かつ右方の角部に回転可能に支持されている。回転軸47Sの後端部は、排出ガイド61よりも後方に突出している。こうして、排出ローラ47は、前後方向に延びる第2軸心X2周りに回転可能に排出ガイド61に支持されている。
図4及び図7に示すように、排出ピンチローラ48は、排出ガイド61の右端部に回転可能に支持され、排出ローラ47に下から対向している。排出ガイド61の搬送面61G及び案内面61Hは、排出ローラ47と排出ピンチローラ48とのニップ位置に向けてシートSHを案内する。
後で詳しく説明するが、排出ユニット60は、図6及び図7等に示す第1駆動源M1及び第2駆動列120が作動することにより、供給トレイ91に支持されるシートSHの減少に応じて、図2、図4及び図7に示す第3位置から、図5及び図8に示す第4位置に回動するように構成されている。図5等に示す第4位置は、図4等に示す第3位置よりも上方の位置である。
<排出ガイドの回動により第2壁を移動させる構成>
図4~図10に示すように、排出ガイド61の上面には、押圧凸部68A、68Bが前後方向において互いに離間する位置で上向きに突出するように設けられている。押圧凸部68A、68Bは、第2壁170の下端部に下から対向している。
排出ユニット60が図4等に示す第3位置にある状態では、押圧凸部68A、68Bと第2壁170の下端部との間に隙間がある。その理由は、図9に示すように、圧縮コイルバネ189A、189Bの付勢力によって、第1ガイド190の摺動部192Aがガイド溝191Aの下端に当て止り、かつ摺動部192Bがガイド溝191Bの下端に当て止まって、第2壁170が下限位置に位置決めされるからである。
排出ユニット60が図4等に示す第3位置から図5等に示す第4位置に向けて移動することにより、図10に示すように、排出ガイド61は、押圧凸部68A、68Bを第2壁170の下端部に下から当接させ、圧縮コイルバネ189A、189Bの付勢力に抗して第2壁170を上向きに押圧する。これにより、第2壁170は、第1ガイド190に案内されて移動し、第1壁160に接近する。その結果、規制面180が上方に移動する。
その一方、排出ユニット60が図5等に示す第4位置から図4等に示す第3位置に向けて移動することにより、排出ガイド61の押圧凸部68A、68Bが下降し、第2壁170も圧縮コイルバネ189A、189Bの付勢力によって、その下端部を押圧凸部68A、68Bに当接させながら排出ガイド61に追従するように下降する。その結果、規制面180が下方に移動する。そして、排出ユニット60が図4等に示す第3位置に復帰すると、押圧凸部68A、68Bが第2壁170の下端部から離間する状態に戻る。
本実施例では、規制面180の上方及び下方への移動は、規制面180の上端部の位置が一定のままで、規制面180の下端部が上方及び下方に移動することを意味する。
なお、図9に示すように、前方の圧縮コイルバネ189Aは、排出ガイド61の搬送面61G及び案内面61Hよりも前方に配置されている。後方の圧縮コイルバネ189Bは、排出ガイド61の搬送面61G及び案内面61Hよりも後方に配置されている。つまり、圧縮コイルバネ189A、189Bは、搬送ガイド30及び排出ユニット60によって搬送可能な最大幅のシートSHに干渉し難い位置に配置されている。
<供給ローラ、分離ローラ、第1搬送ローラ、第2搬送ローラ及び排出ローラ等の構成>
図4に示すように、自動搬送機構4は、シートSHを搬送ガイド30に沿って搬送するための供給ローラ41、分離ローラ42、リタードローラ42A、第1搬送ローラ43、第1ピンチローラ43P、第2搬送ローラ44、第2ピンチローラ44P、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48を有している。排出ローラ47及び排出ピンチローラ48は、上述した排出ユニット60の一部である。
供給ローラ41、分離ローラ42、第1搬送ローラ43、第2搬送ローラ44及び排出ローラ47は、本発明の「搬送ローラ」の一例である。前後方向は、本発明の「搬送ローラの軸方向」の一例である。
図6に示すように、分離ローラ42の回転軸42S、第1搬送ローラ43の回転軸43S及び第2搬送ローラ44の回転軸44Sは、第1サイドフレーム9A及び第2サイドフレーム9Bに回転可能に支持されている。回転軸42S、43S、44Sのそれぞれの後端部は、第2サイドフレーム9Bよりも後方に突出している。
図6に示すように、自動搬送機構4は、供給ローラ41、分離ローラ42、第1搬送ローラ43、第2搬送ローラ44及び排出ローラ47を駆動するための第2駆動源M2及び搬送駆動列130を有している。なお、本実施例では、図6において、第2駆動源M2及び搬送駆動列130を構成する各ギヤについて、外周面に形成されたギヤ歯の図示を省略している。
第2駆動源M2は、ステッピングモータである。また、搬送駆動列130は、各種ギヤ、プーリ及びタイミングベルト等の駆動力伝達部材を含んでいる。図6に示すように、第2駆動源M2及び搬送駆動列130は、第2サイドフレーム9Bに設けられている。
搬送駆動列130は、第2駆動源M2からの駆動力を分離ローラ42の回転軸42S、第1搬送ローラ43の回転軸43S及び第2搬送ローラ44の回転軸44Sに伝達し、分離ローラ42、第1搬送ローラ43及び第2搬送ローラ44を回転させる。また、搬送駆動列130は、第2駆動源M2からの駆動力を排出ローラ47の回転軸47Sに伝達し、排出ローラ47を回転させる。なお、図6では、分離ローラ42等の搬送系部品の図示を省略している。
図4に示すように、分離ローラ42は、第1シュート部材35と第1壁160との接続部よりも左方にずれた位置に配置されている。
分離ローラ42の回転軸42Sには、ホルダ42Fが回動可能に支持されている。ホルダ42Fは、回転軸42Sから離間して規制面180を越えるように右方に突出している。
供給ローラ41は、ホルダ42Fの右端部に回転可能に保持されている。供給ローラ41は、可動板50に上から対向する位置に設けられている。回転軸42Sと、ホルダ42F内に設けられた図示しない伝達ギヤ群とは、第2駆動源M2からの駆動力を供給ローラ41に伝達して、供給トレイ91に支持されたシートSHを搬送ガイド30に送り出す方向に供給ローラ41を回転させる。供給ローラ41は、ホルダ42Fの回動に伴って上下方向に変位可能である。
開閉部9内には、ホルダ姿勢検知センサ42Jが設けられている。ホルダ姿勢検知センサ42Jは、ホルダ42Fの姿勢が図4及び図5に示す適正な姿勢となっているか否かを検知し、制御部7に伝達する。ホルダ42Fが図4及び図5に示す適正な姿勢となっている状態では、供給ローラ41の下端が第1シュート部材35の搬送面35Gと略同じ高さにある。この状態において、供給ローラ41は、供給トレイ91に支持されたシートSHのうちの最上位のシートSHを搬送面35Gに向けて、すなわち、分離ローラ42とリタードローラ42Aとの間に向けて、好適に送り出すことができる。
リタードローラ42Aは、分離ローラ42の真下の位置で第1シュート部材35に支持され、分離ローラ42に向けて押圧されている。分離ローラ42とリタードローラ42AとにニップされるシートSHが1枚であれば、図示しないトルクリミッタによりリタードローラ42Aの回転が許容される。その一方、分離ローラ42とリタードローラ42AとにニップされるシートSHが複数枚であれば、図示しないトルクリミッタによりリタードローラ42Aの回転が停止される。その結果、リタードローラ42Aは、分離ローラ42に接触するシートSH以外のシートSHに対し、そのシートSHの搬送を止める力を付与する。
第1搬送ローラ43は、第1シュート部材35の搬送面35Gに上から対向するように、第1ガイド31と第2ガイド32との接続部に配置されている。第1ピンチローラ43Pは、第1シュート部材35に支持され、第1搬送ローラ43に向けて押圧されている。第1搬送ローラ43及び第1ピンチローラ43Pは、分離ローラ42及びリタードローラ42Aによって1枚ずつに分離されたシートSHをニップし、第2ガイド32に向けて搬送する。
第2搬送ローラ44は、第2シュート部材36の案内面36Gに下から対向するように、第2ガイド32と第3ガイド33との接続部に配置されている。第2ピンチローラ44Pは、第2シュート部材36に支持され、第2搬送ローラ44に向けて押圧されている。第2搬送ローラ44及び第2ピンチローラ44Pは、第1搬送ローラ43及び第1ピンチローラ43Pによって搬送されるシートSHをニップし、読取面8Bに向けて、すなわち、静止読取位置に停止する読取センサ3Sに向けて、そのシートSHを搬送する。
排出ローラ47及び排出ピンチローラ48は、読取面8B上を通過して排出ガイド61によって案内されるシートSHをニップし、排出口69から排出トレイ96に向けて排出する。
<第1駆動源、第1駆動列及び第2駆動列の構成>
図6及び図7等に示すように、自動搬送機構4は、可動板50及び排出ユニット60の回動動作を行うための第1駆動源M1、第1駆動列110及び第2駆動列120を有している。なお、本実施例では、図6及び図7等において、第1駆動源M1、第1駆動列110及び第2駆動列120を構成する各ギヤについて、外周面に形成されたギヤ歯の図示を省略している。
図4に示すように、第1駆動源M1は、第1ガイド31と第3ガイド33との間に配置されている。図6に示すように、第1駆動源M1は、第1サイドフレーム9Aの後方を向く面に取り付けられている。第1駆動源M1の駆動軸は、第1サイドフレーム9Aよりも前方に突出しており、その駆動軸に駆動ギヤM1Gが固定されている。本実施例では、第1駆動源M1は、ステッピングモータである。第1駆動源M1は、制御部7に制御されて駆動力を発生させ、駆動ギヤM1Gを図7及び図8の時計方向及び反時計方向に回転させる。
図7及び図8に示す複数の矢印は、駆動ギヤM1Gが図7及び図8の反時計方向に回転する場合の回転方向を示している。なお、駆動ギヤM1Gが図7及び図8の時計方向に回転する場合には、図7及び図8に示す各矢印とは逆向きの回転方向となる。
図6及び図7に示すように、第1駆動列110及び第2駆動列120は、第1サイドフレーム9Aよりも前方に配置され、第1サイドフレーム9Aから前向きに突出する複数の軸部に支持されている。
第1駆動列110は、第1ギヤ111、ギヤ112及びアーム113を有している。第1ギヤ111は、駆動ギヤM1Gに対して右方かつ上方に位置して駆動ギヤM1Gと噛み合っている。ギヤ112は、第1ギヤ111に対して右方かつ下方に位置して第1ギヤ111と噛み合っている。アーム113は、ギヤ112の前方を向く面に固定され、右向きに突出している。
可動板50は、受動部53を有している。受動部53は、可動板50の裏面の前方かつ左方の角部から前向きに突出した後に屈曲して左向きに突出し、アーム113の右端部に上から当接している。
第2駆動列120は、第2ギヤ121及びギヤ122を有している。第2ギヤ121は、駆動ギヤM1Gに対して右方かつ下方に位置して駆動ギヤM1Gと噛み合っている。ギヤ122は、排出ガイド61の前方の軸部61Sに一体回転可能に固定されている。ギヤ122は、第2ギヤ121に対して右方かつ下方に位置して第2ギヤ121と噛み合っている。ギヤ122が回転すると、排出ガイド61と、排出ガイド61に支持された排出ローラ47及び排出ピンチローラ48とがギヤ122と一体で回動する。
第1駆動列110と第2駆動列120とは、第1駆動源M1と第1ギヤ111及び第2ギヤ121との間で分岐して、つまり駆動ギヤM1Gを分岐点として、並列になっている。本実施例では、第1駆動列110及び第2駆動列120を構成する第1ギヤ111及び第2ギヤ121等の各ギヤは、平歯車や斜歯歯車等の一般的な歯車である。
次に、第1駆動列110の動作について説明する。第1駆動源M1が駆動ギヤM1Gを図7の反時計方向に回転させると、第1ギヤ111を含む第1駆動列110は、第1駆動源M1からの駆動力を可動板50に伝達して、図4等に示す第1位置から図5等に示す第2位置に可動板50を回動させる。
より詳しくは、第1駆動列110において、駆動ギヤM1Gと噛み合う第1ギヤ111が図7の時計方向に回転し、第1ギヤ111と噛み合うギヤ112が図7の反時計方向に回転し、ギヤ112に固定されたアーム113の右端部が上昇する。その結果、図8に示すように、可動板50の受動部53が押し上げられるので、可動板50は、その左端部を上向きに変位させるように第3軸心X3周りに回動し、図5等に示す第2位置に移動する。
また、第1駆動源M1が駆動ギヤM1Gを図8の時計方向に回転させると、第1ギヤ111を含む第1駆動列110は、上記の動作とは逆に動作し、アーム113の右端部が下降する。その結果、図7に示すように、可動板50の受動部53も下降するので、可動板50は、その左端部を下向きに変位させるように第3軸心X3周りに回動し、図4等に示す第1位置に移動する。
次に、第2駆動列120の動作について説明する。第1駆動源M1が駆動ギヤM1Gを図7の反時計方向に回転させると、第2ギヤ121を含む第2駆動列120は、第1駆動源M1からの駆動力を排出ユニット60に伝達して、図4等に示す第3位置から図5等に示す第4位置に排出ユニット60を回動させる。
より詳しくは、第2駆動列120において、駆動ギヤM1Gと噛み合う第2ギヤ121が図7の時計方向に回転し、第2ギヤ121と噛み合うギヤ122が図7の反時計方向に回転する。その結果、図8に示すように、排出ガイド61がギヤ122と一体で上向きに回動するので、排出ユニット60は、排出口69を上向きに変位させるように第1軸心X1周りに回動し、図5等に示す第4位置に移動する。この際、排出ガイド61が第2壁170を押し上げる。
また、第1駆動源M1が駆動ギヤM1Gを図8の時計方向に回転させると、第2ギヤ121を含む第2駆動列120は、上記の動作とは逆に動作し、ギヤ122が図8の時計方向に回転する。その結果、図7に示すように、排出ガイド61がギヤ122と一体で下向きに回動するので、排出ユニット60は、排出口69を下向きに変位させるように第1軸心X1周りに回動し、図4等に示す第3位置に移動する。この際、排出ガイド61が下降するのに追従して、第2壁170が下降する。
図4に示すように、可動板50が第1位置にある状態では、可動板50の左端部が規制面180の第2面182に対向する位置にあり、可動板50の上面の傾斜角度が供給トレイ本体92の上面の傾斜角度と略同一となっている。この状態では、供給トレイ91は、シートSHを最大の積層枚数で支持することができる。可動板50が第1位置にあり、その最大の積層枚数のシートSHの最上位のシートSHに供給ローラ41が当接する場合、ホルダ42Fの姿勢は、図4に示す適正な姿勢となる。
図5に示すように、可動板50が第2位置にある状態では、可動板50の左端部が規制面180の第1面181の上端部に対向する位置にあり、可動板50の上面が第1シュート部材35の搬送面35Gと同程度の高さで略水平に延びた状態となる。この状態では、供給トレイ91は、1枚~数枚程度のシートSHを支持する。可動板50が第2位置にあり、その1枚~数枚程度のシートSHの最上位のシートSHに供給ローラ41が当接する場合、ホルダ42Fの姿勢は、図5に示す適正な姿勢となる。
制御部7は、ホルダ姿勢検知センサ42Jの検知信号に基づいてホルダ42Fの姿勢が図4及び図5に示す適正な姿勢から許容範囲を超えて下降した状態にあると判断した場合、第1駆動源M1を作動させて、図4等に示す第1位置から図5等に示す第2位置に向けて可動板50を小刻みに回動させ、ホルダ42Fが図4及び図5に示す適正な姿勢を維持するように制御する。この際、ステッピングモータである第1駆動源M1の回転角度制御によってアーム113の回動姿勢を細かく変化させることで、可動板50を所望の回動姿勢に精度良く位置決めすることができる。
制御部7が第1駆動源M1を作動させて可動板50を小刻みに回動させる際、第1駆動源M1からの駆動力が第2駆動列120によって排出ユニット60にも伝達される。これにより、排出ユニット60は、可動板50の小刻みな回動に同期して、図4等に示す第3位置から図5等に示す第4位置に向けて小刻みに回動する。この際、排出ガイド61は、第2壁170を押し上げる。
図4に示すように、排出ユニット60が第3位置にある状態では、排出口69、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48が排出トレイ96のシート支持面96Aに近い位置にある。この排出ユニット60の状態は、排出トレイ96のシート支持面96Aに支持されるシートSHの枚数が少ない場合に対応している。
図5に示すように、排出ユニット60が第4位置にある状態では、排出口69、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48が排出トレイ96のシート支持面96Aから上方に離間する位置にある。この排出ユニット60の状態は、排出トレイ96のシート支持面96AにシートSHが最大の積層枚数で支持される場合に対応している。つまり、この状態では、排出ユニット60の排出口69がシート支持面96Aに最大の積層枚数で支持されるシートSHの最上位のシートSHから上方に充分に離間している。
<画像読取動作>
この画像読取装置1では、原稿支持面8Aに支持された原稿の画像を読み取る場合、制御部7が読取ユニット3の走査機構駆動源3Mを制御して図示しない走査機構を作動させ、読取センサ3Sを原稿支持面8Aの左端縁の下方である読取開始位置から右端縁の下方である読取終了位置までの間で左右方向に移動させる。これにより、読取センサ3Sは、原稿支持面8Aに支持された原稿の画像を読み取る。その後、制御部7は、読取ユニット3の走査機構駆動源3Mを制御して図示しない走査機構を逆向きに作動させ、読み取りを終えた読取センサ3Sを読取ユニット3内における右端から左端に移動させて待機位置に復帰させる。
また、この画像読取装置1では、供給トレイ91に支持されたシートSHを自動搬送機構4によって搬送し、そのシートSHの画像を読み取る場合、制御部7が読取ユニット3の走査機構駆動源3Mを制御して図示しない走査機構を作動させ、読取センサ3Sを読取面8Bの下方である静止読取位置に停止させる。ここでは、可動板50が図4等に示す第1位置にあり、排出ユニット60が図4等に示す第3位置があり、排出トレイ96にシートSHが支持されていない状態を前提とする。
ユーザが供給トレイ91にシートSHに支持させると、そのシートSHの先端縁は、規制面180に当接することによって揃えられる。
次に、制御部7は、ホルダ姿勢検知センサ42Jの検知信号に基づいて、ホルダ姿勢検知センサ42Jが図4及び図5に示す適正な姿勢となっているか否かを判断する。制御部7は、ホルダ姿勢検知センサ42Jが図4及び図5に示す適正な姿勢となっていない場合、第1駆動源M1、第1駆動列110及び第2駆動列120を作動させる。そして、制御部7は、図4等に示す第1位置から図5等に示す第2位置に向けて可動板50を小刻みに回動させ、ホルダ42Fが図4及び図5に示す適正な姿勢を維持するように制御する。この際、排出ユニット60も、可動板50の小刻みな回動に同期して、図4等に示す第3位置から図5等に示す第4位置に向けて小刻みに回動する。排出ユニット60の上向きの回動に伴って、規制面180の一部を形成する第2壁170が上昇するので、排出ユニット60が上向きに回動するための空きスペースが確保される。
次に、制御部7は、第2駆動源M2及び搬送駆動列130を作動させる。これにより、制御部7は、供給ローラ41、分離ローラ42、第1搬送ローラ43、第2搬送ローラ44及び排出ローラ47を駆動し、供給トレイ91に支持されたシートSHを搬送ガイド30に供給し、搬送ガイド30に沿って順次搬送する。制御部7は、搬送されるシートSHが読取面8B上を通過する際、静止読取位置に停止した読取センサ3Sによって、そのシートSHの画像を読み取る。そして、制御部7は、画像が読み取られたシートSHを排出ユニット60の排出ガイド61、排出ローラ47及び排出ピンチローラ48によって排出口69から排出トレイ96に向けて排出する。
この間も、制御部7は、ホルダ姿勢検知センサ42Jの検知信号に基づき、供給トレイ91に支持されたシートSHの減少に応じて、図5等に示す第2位置に向けて可動板50を小刻みに回動させ、排出ユニット60を図5等に示す第4位置に向けて小刻みに回動させる。この際にも、排出ユニット60の上向きの回動に伴って第2壁170が上昇するので、排出ユニット60が上向きに回動するための空きスペースがさらに確保される。
図5に示すように、供給トレイ91に支持されたシートSHが少なくなり、さらにシートSHが無くなると、制御部7は、第2駆動源M2を停止して画像読取動作を終了する。
その後、制御部7は、読取ユニット3の走査機構駆動源3Mを制御して図示しない走査機構を作動させ、読取センサ3Sを待機位置に復帰させる。また、制御部7は、排出トレイ96にシートSHが支持されていないことを図示しない検知手段によって確認した後、第1駆動源M1、第1駆動列110及び第2駆動列120を作動させて、可動板50を図4等に示す第1位置に復帰させ、排出ユニット60を図4等に示す第3位置に復帰させる。排出ユニット60の下向きの回動に伴って第2壁170が下降し、下限位置に復帰する。
<作用効果>
実施例1の画像読取装置1では、図4、図8及び図10に示すように、排出ユニット60が第4位置に向けて上向きに回動するのに伴って、規制面180が上方に移動することにより、より詳しくは、規制面180の上端部の位置が一定のままで、規制面180の下端部が上方に移動することにより、排出ユニット60が上向きに回動するための空きスペースを確保できる。その結果、この画像読取装置1では、上向きに回動する排出ユニット60が規制面180と干渉することを抑制できるので、供給トレイ91の可動板50と排出ユニット60とが上下方向において接近するレイアウトを実現できる。
したがって、実施例1の画像読取装置1では、上下方向の小型化を実現できる。
また、この画像読取装置1では、規制面180が第1壁160の第1面181と、第2壁170の第2面182とによって形成され、第2面182が上方に移動する構成により、排出ユニット60が移動するための空きスペースを容易に確保できるとともに、簡素化を実現できる。
さらに、この画像読取装置1では、図5等に示す第4位置に向けて回動する排出ガイド61の押圧凸部68A、68Bに押圧されることによって第2壁170が上方に移動する構成により、排出ユニット60を回動させるための駆動列とは別に第2壁170を移動させるための駆動列を設ける必要がないので、簡素化を実現できる。
また、この画像読取装置1では、図9及び図10に示すように、第2壁170の各第1凸部179が第1壁160の各第1凹部169に進入可能な構成により、規制面180を形成する第1面181と第2面182とが第2壁170の移動にかかわらず略面一となっている。その結果、供給トレイ91に支持される複数枚のシートSHのうち、第1面181に当接するシートSHの先端縁と、第2面182に当接するシートSHの先端縁とのずれを小さくし、又は無くすことができる。
さらに、この画像読取装置1では、図9及び図10に示すように、第1ガイド190の案内によって第2壁170を好適に移動させることができ、第1面181と第2面182との相対位置関係を精度良く規制することができる。また、第1ガイド190が第1サイドフレーム9A及び第2サイドフレーム9Bと第2壁170との間に設けられることによって、上向きに回動する排出ユニット60が第1ガイド190と干渉することを抑制できる。
また、この画像読取装置1では、図4及び図5に示すように、第1凸部179における供給トレイ91側の上端縁179Eは、第1凹部169の奥側の端縁に向かって突出している。これにより、第1凸部179と第1凹部169との段差が供給トレイ91から搬送ガイド30に送り出されるシートSHに対して逆段差にならない。その結果、供給トレイ91から搬送ガイド30に送り出されるシートSHが規制面180に引っ掛かることを抑制できる。
(実施例2)
図11~図14に示すように、実施例2の画像読取装置では、実施例1の画像読取装置1に係る第1壁160、第2壁170、規制面180及び第1ガイド190の代わりに、第1壁260、第2壁270、規制面280及び第2ガイド290を採用している。実施例2のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
図11及び図12に示すように、第1壁260は、略平板形状をなして左向きに上り傾斜するように延び、その上端部が第1シュート部材35の右端部に接続している。第1壁260には、実施例1に係る第1凹部169のようなものは形成されていない。
第2壁270は、第1壁260よりも下方に位置する略平板形状の部材である。第2壁270は、第1壁260の傾斜角度と略等しい傾斜角度で、左向きに上り傾斜するように延びている。第2壁270は、第1壁260よりも供給トレイ91に近い位置にあって、第2壁270の上部分が第1壁260の下部分に重なっている。第2壁270には、実施例1に係る第1凸部179のようなものは形成されていない。
図13及び図14に示すように、第1壁260と第2壁270との間には、第2ガイド290が設けられている。第2ガイド290は、ガイド溝291A、291B及び摺動部292A、292Bを含んで構成されている。
前方のガイド溝291Aは、第1壁260の前端部を貫通するように設けられ、かつ第1壁260及び第2壁270が傾斜する方向に沿って延びている。後方のガイド溝291Bは、第1壁260の後端部を貫通するように設けられ、かつ第1壁260及び第2壁270が傾斜する方向に沿って延びている。
前方の摺動部292Aは、第2壁270の前端部から前方のガイド溝291A内に進入する略矩形状の凸部である。後方の摺動部292Bは、第2壁270の後端部から後方のガイド溝291B内に進入する略矩形状の凸部である。図11~図14に示すように、摺動部292A、292Bにおける第1壁260を挟んで第2壁270とは反対側に突出する先端部には、抜け止め部材292Cが固定されている。
第2ガイド290は、摺動部292Aがガイド溝291A内で摺動し、かつ摺動部292Bがガイド溝291B内で摺動することにより、第2壁270の移動を案内する。これにより、第2壁270は、第1壁260の傾斜角度と略等しい傾斜角度に維持したままで、第1壁260に対して接近及び離間可能となっている。
第1壁260におけるガイド溝291Aの上端と、第2壁270における摺動部292Aとの間には、圧縮コイルバネ289Aが配設されている。第1壁260におけるガイド溝291Bの上端と、第2壁270における摺動部292Bとの間には、圧縮コイルバネ289Bが配設されている。圧縮コイルバネ289A、289Bは、第2壁270を第1壁260から離間させる付勢力を発揮する。
規制面280は、第1面281及び第2面282によって形成されている。第1面281は、第1壁260における供給トレイ91側を向く面である。第2面282は、第2壁270における供給トレイ91側を向く面である。つまり、規制面280は、第1シュート部材35の右端部と、可動板50との間に設けられて、供給トレイ91に支持されるシートSHの先端縁に当接可能となっている。
第2面282は、第2壁270が第1壁260に対して接近及び離間することにより、第1面281に対して接近及び離間する。図11及び図12に示すように、規制面280は、左向きに上り傾斜しており、第1面281の上端部が第1シュート部材35における搬送面35Gの右端部に接続している。第2面282は、第1面281よりも供給トレイ91に近い。これにより、第1面281と第2面282との段差は、供給トレイ91から搬送ガイド30に送り出されるシートSHに対して逆段差にならない。
図11~図14に示すように、排出ガイド61の押圧凸部68A、68Bは、第2壁270の下端部に下から対向している。
図11及び図13に示すように、排出ユニット60が第3位置にある状態では、押圧凸部68A、68Bと第2壁270の下端部との間に隙間がある。その理由は、図13に示すように、圧縮コイルバネ289A、289Bの付勢力によって、第2ガイド290の摺動部292Aがガイド溝291Aの下端に当て止り、かつ摺動部292Bがガイド溝291Bの下端に当て止まって、第2壁270が下限位置に位置決めされるからである。
図12及び図14に示すように、排出ユニット60が第3位置から第4位置に向けて移動することにより、排出ガイド61は、押圧凸部68A、68Bを第2壁270の下端部に下から当接させ、圧縮コイルバネ289A、289Bの付勢力に抗して第2壁270を上向きに押圧する。これにより、第2壁270は、第2ガイド290に案内されて移動し、第1壁260に接近する。その結果、規制面280が上方に移動する。
その一方、図11及び図13に示すように、排出ユニット60が第4位置から第3位置に向けて移動することにより、排出ガイド61の押圧凸部68A、68Bが下降し、第2壁270も圧縮コイルバネ289A、289Bの付勢力によって、その下端部を押圧凸部68A、68Bに当接させながら排出ガイド61に追従するように下降する。その結果、規制面280が下方に移動する。そして、排出ユニット60が第3位置に復帰すると、押圧凸部68A、68Bが第2壁270の下端部から離間する状態に戻る。
なお、図13に示すように、前方のガイド溝291A、摺動部292A及び圧縮コイルバネ289Aは、排出ガイド61の搬送面61G及び案内面61Hよりも前方に配置されている。後方のガイド溝291B、摺動部292B及び圧縮コイルバネ289Bは、排出ガイド61の搬送面61G及び案内面61Hよりも後方に配置されている。つまり、ガイド溝291A、291B、摺動部292A、292B及び圧縮コイルバネ289A、289Bは、搬送ガイド30及び排出ユニット60によって搬送可能な最大幅のシートSHに干渉し難い位置に配置されている。
このような構成である実施例2の画像読取装置では、図12及び図14に示すように、排出ユニット60が第4位置に向けて上向きに回動するのに伴って、規制面280が上方に移動することにより、より詳しくは、規制面280の上端部の位置が一定のままで、規制面280の下端部が上方に移動することにより、排出ユニット60が上向きに回動するための空きスペースを確保できる。
したがって、実施例2の画像読取装置では、実施例1の画像読取装置1と同様に、上下方向の小型化を実現できる。
また、この画像読取装置では、第2ガイド290の案内によって第2壁270を好適に移動させることができ、第1面281と第2面282との相対位置関係を精度良く規制することができる。
さらに、この画像読取装置では、第2面282が第1面281よりも供給トレイ91に近い構成により、第1面281と第2面282との段差が供給トレイ91から搬送ガイド30に送り出されるシートSHに対して逆段差にならない。その結果、供給トレイ91から搬送ガイド30に送り出されるシートSHが規制面280に引っ掛かることを抑制できる。
(実施例3)
図15~図18に示すように、実施例3の画像読取装置では、実施例1の画像読取装置1に係る第1壁160、第2壁170、規制面180及び第1ガイド190の代わりに、第3壁360、規制面380及び第3ガイド390を採用している。また、この画像読取装置では、実施例1に係る押圧凸部68A、68Bを排出ガイド61から無くしている。実施例3のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
第3壁360は、略平板形状の部材である。第3壁360の右端部である第1端部361は、回動軸心X360周りに回動可能に可動板50に連結されている。回動軸心X360は、可動板50の第3軸心X3と平行である。第3軸心X3は、本発明の「第1回動軸心」の一例である。回動軸心X360は、本発明の「第2回動軸心」の一例である。このような連結構成により、図16に示すように、第3壁360の第1端部361は、可動板50が第2位置に向けて移動するのに伴って上方に移動可能となっている。
図17及び図18に示すように、第3壁360の左端部である第2端部362は、第1端部361よりも第1シュート部材35に近い。第3壁360の第2端部362には、複数の第2凸部369が形成されている。各第2凸部369は、略櫛歯形状をなして第1シュート部材35の右端部に接近するように突出している。
第1シュート部材35の右端部には、複数の第2凹部359が形成されている。各第2凹部359は、第1シュート部材35の右端部における各第2凸部369に対向する部分が切り欠かれてなる略櫛歯形状とされている。各第2凹部359は、第3壁360が第1シュート部材35の右端部に接近することにより、各第2凸部369の進入を許容するように凹んでいる。
第1サイドフレーム9A及び第2サイドフレーム9Bと、第3壁360の第2端部362との間には、第3ガイド390が設けられている。第3ガイド390は、ガイド溝391A、391B及び摺動部392A、392Bを含んで構成されている。
前方のガイド溝391Aは、第1サイドフレーム9Aの後方を向く面側に形成されている。前方のガイド溝391Aは、第1シュート部材35の右端部と対向する位置で前向きに凹み、略水平に延びている。後方のガイド溝391Bは、第2サイドフレーム9Bの前方を向く面側に形成されている。後方のガイド溝391Bは、第1シュート部材35の右端部と対向する位置で後向きに凹み、略水平に延びている。
前方の摺動部392Aは、第3壁360の第2端部362の前方の角部から前方のガイド溝391A内に突出する円柱軸である。後方の摺動部392Bは、第3壁360の第2端部362の後方の角部から後方のガイド溝391B内に突出する円柱軸である。
第3ガイド390は、摺動部392Aがガイド溝391A内で摺動し、かつ摺動部392Bがガイド溝391B内で摺動することにより、第3壁360の第2端部362の移動を案内する。これにより、第3壁360の第2端部362は、第1端部361の移動にかかわらず、第1シュート部材35の右端部に対向する状態を維持するように支持されている。
図15に示すように、規制面380は、第3壁360の複数の面のうち、可動板50が第1位置にある状態で左向きに上り傾斜して供給トレイ91側を向く面によって形成されている。つまり、規制面380は、第1シュート部材35の右端部と、可動板50との間に設けられて、供給トレイ91に支持されるシートSHの先端縁に当接可能となっている。
図16に示すように、規制面380は、可動板50が第2位置にある状態で、略水平に延在して搬送面35Gと略面一となる。つまり、規制面380は、傾斜角度を小さくするように上方に移動する。
このような構成である実施例3の画像読取装置では、図15及び図16に示すように、排出ユニット60が第4位置に向けて上向きに回動するのに伴って、可動板50も第2位置に向けて上向きに回動し、その可動板50の回動に伴って規制面380が傾斜角度を小さくするように上方に移動することにより、排出ユニット60が上向きに回動するための空きスペースを確保できる。
したがって、実施例3の画像読取装置では、実施例1、2の画像読取装置1と同様に、上下方向の小型化を実現できる。
また、この画像読取装置では、規制面380が傾斜角度を小さくするように上方に移動する構成により、排出ユニット60が移動するための空きスペースを容易に確保できるとともに、簡素化を実現できる。
さらに、この画像読取装置では、第3壁360の第1端部361が回動軸心X360周りに回動可能に可動板50に連結されている。このような簡素な構成によって、可動板50が第2位置に向けて移動するのに伴って第3壁360の第1端部361を上方に移動させることを容易に実現できる。
また、この画像読取装置では、図17及び図18に示すように、第3壁360の各第2凸部369が第1シュート部材35の各第2凹部359に進入可能な構成により、規制面380の移動にかかわらず、規制面380と、搬送面35Gとの段差を小さくすることができる。その結果、供給トレイ91に支持されるシートSHを搬送ガイド30にスムーズに供給することができる。
さらに、この画像読取装置では、第3ガイド390の案内によって第3壁360の第2端部362を好適に移動させることができ、第3壁360の第2端部362が第1シュート部材35の右端部に対向する状態を精度良く維持することができる。
以上において、本発明を実施例1~3に即して説明したが、本発明は上記実施例1~3に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施例1~3では、可動板50が回動するがこの構成には限定されず、例えば直動してもよい。排出ユニットについても同様である。