JP2019172236A - 乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】狭い収納スペースにも対応できて、円滑に乗員を保護可能な乗員保護装置を提供すること。【解決手段】車両の前席PSに着座した乗員MPを保護可能な乗員保護装置M。前席の前方に搭載されて、車両の前方からの衝撃力作用時に、前方に向かって移動する乗員の上半身を保護可能に膨張する前方エアバッグ20を備えた前方エアバッグ装置10と、前方エアバッグ装置と乗員との間におけるルーフ6に搭載されて、車両の前方からの衝撃力作用時に、下方に向かって突出するように展開膨張して、乗員の頭部Hを保護可能に膨張するルーフエアバッグ35を備えたルーフエアバッグ装置25と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の前席に着座した乗員を保護可能な乗員保護装置に関する。
従来、乗員保護装置としては、例えば、助手席に着座した乗員を保護可能に、助手席の前方に膨張するエアバッグを備える助手席用エアバッグ装置があった。助手席用エアバッグ装置としては、乗員の前方における上方のルーフの部位に、エアバッグを折り畳んで収納させ、エアバッグを、内部に膨張用ガスを流入させて、乗員の前方を広く覆うように、下方に向かって突出させるように膨張させる構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−335694公報
しかし、従来の助手席用エアバッグ装置では、ルーフに搭載されて、エアバッグは、膨張初期に、ルーフから下方に向かって突出するように展開膨張する構成であることから、車両の前方からの衝撃力作用時に、前方に向かって移動する乗員の頭部を迅速に保護できるものの、膨張完了時に、乗員の上半身を保護するように、乗員の前方を広く覆う構成であることから、エアバッグの容積が大きく、収納スペースを確保する点に、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、狭い収納スペースにも対応できて、円滑に乗員を保護可能な乗員保護装置を提供することを目的とする。
本発明に係る乗員保護装置は、車両の前席に着座した乗員を保護可能な乗員保護装置であって、
前席の前方に搭載されて、車両の前方からの衝撃力作用時に作動して、前方に向かって移動する乗員の上半身を保護可能に膨張する前方エアバッグを備えた前方エアバッグ装置と、
前方エアバッグ装置と乗員との間におけるルーフに搭載されて、車両の前方からの衝撃力作用時に作動して、下方に向かって突出するように展開膨張して、乗員の頭部を保護可能に膨張するルーフエアバッグを備えたルーフエアバッグ装置と、
を備えていることを特徴とする。
本発明の乗員保護装置は、ルーフに搭載されるルーフエアバッグ装置と、前席の前方に搭載される前方エアバッグ装置と、を備える構成であり、前方エアバッグが、膨張完了時に乗員の上半身を保護する構成とされて、ルーフエアバッグは、膨張完了時に乗員の頭部を保護する構成とされている。すなわち、本発明の乗員保護装置では、比較的搭載スペースの確保しやすい前席の前方の領域に、上半身の前方を広く覆う容積の大きな前方エアバッグを収納させる構成であることから、大きな搭載スペースを確保しがたいルーフの領域には、乗員の頭部を保護可能な比較的容積の小さなルーフエアバッグを収納させるだけでよく、狭い収納スペースにも対処して搭載させることができる。また、本発明の乗員保護装置では、前方エアバッグと乗員との間に、ルーフエアバッグを膨張させる構成であることから、この膨張したルーフエアバッグによって、乗員の頭部を迅速に受け止めることができ、また、膨張した前方エアバッグによって、乗員の上半身を保護できて、乗員を円滑に保護することができる。
したがって、本発明の乗員保護装置では、狭い収納スペースにも対応できて、円滑に乗員を保護することができる。
また、本発明の乗員保護装置において、ルーフエアバッグを、車両の前方からの衝撃力作用検知と略同時に、内部に膨張用ガスを流入させて膨張させ、前方エアバッグの膨張完了前に、膨張を完了させる構成とすれば、まず、前方移動する乗員の頭部を、ルーフエアバッグによって、受け止めて、乗員の上半身の前方へ向かう加速度を低減させることができ、加速度を低減された状態の乗員の上半身を、膨張を完了させた前方エアバッグによって受け止めることができることから、乗員を、前方への大きな移動を抑制して、前方エアバッグによって、的確に受け止めることが可能となって、好ましい。
さらに、上記構成の乗員保護装置において、ルーフエアバッグの膨張完了時の形状を、上端側を前後に幅広とし、下端側にかけて前後に狭幅とするように、構成すれば、ルーフエアバッグと前方エアバッグとの膨張完了時に、ルーフエアバッグの下端が、前方エアバッグによって後方に押し出されることを抑制できて、好ましい。
さらにまた、上記構成の乗員保護装置において、ルーフエアバッグを、膨張完了時における後上端側をルーフ側に取り付ける構成とすれば、膨張を完了させたルーフエアバッグが、膨張完了時の後面側において乗員の頭部を受け止めた際に、ルーフ側への取付部位より前側の領域となる前上端側を、ルーフによって支持させることができることから、下端側の部位を大きく前方に移動させることを抑制でき、ルーフエアバッグによって、乗員の頭部を的確に拘束することができて、好ましい。
また、本発明の乗員保護装置において、ルーフエアバッグを、前面を前方エアバッグにおける膨張完了時の後面と接触させるようにして、膨張を完了させる構成とし、
ルーフエアバッグにおける膨張完了時の前面と前方エアバッグにおける膨張完了時の後面とに、膨張完了時のルーフエアバッグの前方エアバッグに対する上下方向側あるいは左右方向側への移動を規制可能とするように、相互に嵌合可能な凹凸を、形成することが、好ましい。
乗員保護装置を上記構成とすれば、前方エアバッグとルーフエアバッグとの膨張完了時において、ルーフエアバッグが乗員の頭部を受け止めた際に、前方エアバッグに対して、ルーフエアバッグが、上下若しくは左右にずれ移動し難く、ルーフエアバッグによって、乗員の頭部を安定して受け止めることができる。
さらに、本発明の乗員保護装置において、ルーフエアバッグにおける膨張完了時の下端側に、膨張完了時の前方エアバッグの後下端の下方に配置されるように、前方に突出して形成される突出膨張部を、配設させる構成としてもよく、このような構成とすれば、前方エアバッグとルーフエアバッグとの膨張完了時において、ルーフエアバッグの膨張完了直後における上方へ戻るようなリバウンドを、突出膨張部を前方エアバッグの後下端に係止させることにより、的確に抑制することができる。そのため、ルーフエアバッグによって乗員の頭部を迅速かつ的確に保護することが可能となって、好ましい。
さらにまた、本発明の乗員保護装置において、前方エアバッグ装置と側方エアバッグ装置とを、車両の斜め前方からの衝撃力作用時にも、作動可能に構成し、
前方エアバッグの膨張完了時における後面側の左右両端側に、後方に向かって突出するように配置される突出膨張部を、配設させる構成とし、
突出膨張部を、車両の斜め前方からの衝撃力の作用時に、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を保護可能に構成してもよい。
乗員保護装置をこのような構成とすれば、車両の斜突時やオフセット衝突時に、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を、突出膨張部によって受け止めて、保護することができる。なお、このような突出膨張部は、前方エアバッグではなく、ルーフエアバッグに設ける構成としてもよい。
さらにまた、本発明の乗員保護装置において、前席の側方の窓の上縁側に搭載されて、車両の側方若しくは斜め前方からの衝撃力作用時に作動して、窓の車内側を覆うように膨張する窓用エアバッグを備えた窓用エアバッグ装置を、備える構成として、
ルーフエアバッグを、車両の斜め前方からの衝撃力の作用時における膨張完了時に、車外側の縁部を窓用エアバッグと接触させるように、構成することが、好ましい。
乗員保護装置を上記構成とすれば、車両の斜突時やオフセット衝突時において、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を、車外側の縁部を窓用エアバッグに支持させて車外側方向へのずれを抑制されたルーフエアバッグによって、円滑に保護することができる。
本発明の第1実施形態である乗員保護装置を車両に搭載させた状態を示す概略断面図である。 第1実施形態の乗員保護装置の各エアバッグを説明する概略正面図である。 第1実施形態の乗員保護装置におけるルーフエアバッグを単体で膨張させた状態を示す概略斜視図である。 第1実施形態の乗員保護装置の作動状態を示す概略側面図である。 第1実施形態の乗員保護装置の作動状態を示す概略側面図であり、図4の後の状態を示す。 第1実施形態の乗員保護装置において、各エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略縦断面図である。 本発明の第2実施形態である乗員保護装置において、各エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略縦断面図である。 第2実施形態の乗員保護装置において、各エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略横断面図である。 本発明の第3実施形態である乗員保護装置において、各エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略縦断面図である。 本発明の第4実施形態である乗員保護装置において、各エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略縦断面図である。 第4実施形態の乗員保護装置において、各エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略横断面図である。 本発明の第5実施形態である乗員保護装置において、各エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略横断面図である。 本発明の第6実施形態である乗員保護装置において、窓用エアバッグが膨張を完了させた状態を示す側面図である。 第6実施形態の乗員保護装置において、各エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略横断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態の乗員保護装置M1は、図1に示すように、車両Vの前席としての助手席PSに着座した乗員MPを保護するためのもので、助手席PSの前方に配置される前方エアバッグ装置10と、前方エアバッグ装置10と乗員MPとの間におけるルーフ6側に配置されるルーフエアバッグ装置25と、を備えている。
なお、実施形態において、前後・上下・左右の方向は、特に断らない限り、車両Vの前後・上下・左右の方向と一致するものである。
前方エアバッグ装置10は、助手席前方のインストルメントパネル(以下「インパネ」と省略する)1の上面2の内部に配置されるもので、図1に示すように、折り畳まれた前方エアバッグ20と、前方エアバッグ20に膨張用ガスを供給するインフレーター13と、前方エアバッグ20及びインフレーター13を収納保持するケース17と、前方エアバッグ20及びインフレーター13をケース17に取り付けるためのリテーナ14と、折り畳まれた前方エアバッグ20を覆うエアバッグカバー11と、を備えている。
エアバッグカバー11は、合成樹脂製のインパネ1と一体的に形成されて、前方エアバッグ20の展開膨張時に、前後二枚の扉部11a,11bを、前方エアバッグ20に押されて開くように、構成されている。また、エアバッグカバー11における扉部11a,11bの周囲には、ケース17に連結される連結壁部11cが、形成されている。
インフレーター13は、図1に示すように、円柱状の本体部13aを有したディスクタイプとされている。このインフレーター13は、車両Vの前面衝突時(前方からの衝撃力作用時)に、図示しない制御装置からの作動信号を受けて作動を開始させるように、図示しないリード線により、制御装置と電気的に接続されるもので、実施形態では、車両Vの前面衝突検知から10ms程度経過後に、作動を開始するように、設定されている。
ケース17は、上端側に長方形状の開口を有した板金製の略直方体形状に形成され、図1に示すように、インフレーター13を下方から挿入させて取り付ける略長方形状の底壁部17aと、底壁部17aの外周縁から上方に延びてエアバッグカバー11の連結壁部11cを係止する周壁部17bと、を備えて構成されている。実施形態の場合、前方エアバッグ20とインフレーター13とは、前方エアバッグ20内に配置させたリテーナ14の各ボルト14aを取付手段として、ケース12の底壁部12aに連結される構成である。
前方エアバッグ20は、インフレーター13からの膨張用ガスを内部に流入させて膨張可能に、可撓性を有したシート体からなる袋状とされるもので、図1の二点鎖線及び図6に示すように、膨張完了時に、インパネ1の上面2とインパネ1上方のウィンドシールド4との間を塞ぐように配置されて、前進移動する乗員MPの上半身UBを受止可能に、構成されている。実施形態の場合、前方エアバッグ20は、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から形成されている。この前方エアバッグ20は、膨張完了時の後面20aを、前進移動する乗員MPの上半身UBを受け止める乗員受止壁部21として、構成されており、この乗員受止壁部21は、実施形態の場合、前方エアバッグ20の膨張完了時に、後方に向かって突出するように湾曲しつつ、下端を上端よりも後側に位置させるように、後下がりに傾斜して、配置される構成である。前方エアバッグ20において、乗員受止壁部21を除いた所定の位置には、内部に流入した余剰の膨張用ガスを排気可能なベントホール(図示省略)が、形成されている。この前方エアバッグ20は、容積を、90〜110L程度に設定されている。また、この前方エアバッグ20は、膨張完了時における乗員MP受止時に、ウィンドシールド4やインパネ1からの反力を受けて、乗員MPを的確に保護可能に構成されている。
ルーフエアバッグ装置25は、図1に示すように、ルーフ6に搭載されるもので、詳細には、実施形態の場合、助手席PSに着座している乗員MP1(MP)よりも前側となる位置に、配置されている。このルーフエアバッグ装置25は、ルーフエアバッグ35と、ルーフエアバッグ35に膨張用ガスを供給するインフレーター30と、折り畳まれたルーフエアバッグ35とインフレーター30とを収納させるケース26と、ケース26の開口を覆うエアバッグカバー28と、を備えている。
ケース26は、図1に示すように、ルーフ6において、助手席PSに着座している乗員MP1の頭部Hの前側上方で近接した位置に、配置されるもので、左右方向側で幅広とされるとともに、下方を開口させた板金製の略箱形状とされている。このケース26は、所定のブラケット等を利用して、ルーフ6を構成する強度の高い部位に取り付けられている。エアバッグカバー28は、実施形態の場合、ルーフ6の内装材と一体的に構成されるもので、内部に膨張用ガスを流入させて膨張するルーフエアバッグ35によって押し開かれる扉部28aを、備えている。
インフレーター30としては、実施形態の場合、外形形状を略円柱状としたシリンダタイプのものが使用されている。具体的には、インフレーター30は、一端側に、膨張用ガスを吐出可能なガス吐出口(図符号省略)を備える構成とされ、ガス吐出口から吐出される膨張用ガスをルーフエアバッグ35内に流出可能に、ルーフエアバッグ35と連結されている。実施形態の場合、インフレーター30は、図3に示すように、取付手段としてのボルト30aを外部に突出させるようにして、ルーフエアバッグ35内に収納され、このボルト30aを利用して、ルーフエアバッグ35とともに、ケース26に取り付けられている。このインフレーター30は、車両Vの前面衝突時(前方からの衝撃力作用時)に、図示しない制御装置からの作動信号を受けて作動を開始させるように、図示しないリード線により、制御装置と電気的に接続されるもので、実施形態では、車両Vの前面衝突検知と略同時に、瞬時に作動を開始するように、設定されている。
ルーフエアバッグ35は、インフレーター30からの膨張用ガスを内部に流入させて膨張可能に、可撓性を有したシート体からなる袋状とされるもので、実施形態の場合、図3に示すように、膨張完了時の外形形状を、前後方向側から見て略長方形状とするとともに、左右方向側から見て、上端35a側を幅広とし下端35b側にかけて狭幅とした略三角形状として、構成されている。実施形態の場合、ルーフエアバッグ35は、前方エアバッグ20と同様に、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から形成されている。このルーフエアバッグ35は、膨張完了時の後面35cを、乗員MPの頭部Hを受け止める頭部受止壁部38として、構成されており、この頭部受止壁部38は、実施形態の場合、ルーフエアバッグ35の膨張完了時に、略上下方向に沿って配置される構成である。このルーフエアバッグ35は、膨張完了時に、頭部受止壁部38を、助手席PSに着座している乗員MP1の頭部Hの前側に近接して配置させるように、構成されている(図6参照)。また、ルーフエアバッグ35は、膨張完了時の前面35dを、前方エアバッグ20の膨張完了時の後面20aに略沿わせるように、後下がりに傾斜させる構成とされている。さらに、ルーフエアバッグ35は、頭部受止壁部38の上端近傍となる後上端側の部位を、ケース26側への取付部36として、この取付部36で、インフレーター30を利用して、ケース26側に取り付けられている。このルーフエアバッグ35は、膨張完了時の左右方向側の幅寸法を、図2の二点鎖線に示すように、助手席PSのヘッドレストHRと略同等に設定され、すなわち、乗員MPの頭部Hよりも大きく設定されている。また、ルーフエアバッグ35における膨張完了時の上下方向側の幅寸法は、膨張完了時に、下端35bを、助手席PSのヘッドレストHRの下端付近となる位置に配置させるような寸法に、設定されている(図1及び2の二点鎖線参照)。また、実施形態の場合、ルーフエアバッグ35において、頭部受止壁部38を除いた所定の位置には、膨張完了時に余剰の膨張用ガスを排気可能なベントホール(図示省略)が、形成されている。実施形態の場合、ルーフエアバッグ35は、容積を、15L程度に設定されている。
第1実施形態の乗員保護装置M1では、車両Vの前面衝突検知時、瞬時に、ルーフエアバッグ装置25のインフレーター30が作動して、ルーフエアバッグ35が、内部に膨張用ガスを流入させつつ、エアバッグカバー28の扉部28aを押し開いて形成されるケース26の開口から下方に突出して、膨張を完了させることとなる。そして、インフレーター30の作動から所定時間経過後に、前方エアバッグ装置10のインフレーター13が作動して、前方エアバッグ20が、内部に膨張用ガスを流入させつつ、エアバッグカバー11の扉部11a,11bを押し開いて形成されるケース17の開口から後上方に突出して、膨張を完了させることとなる。図1の二点鎖線及び図6に示すように、前方エアバッグ20は、インパネ1の上面2とインパネ1上方のウィンドシールド4との間を塞ぐように、膨張を完了させ、ルーフエアバッグ35は、助手席PSに着座している乗員MPの頭部Hの前面を覆うように膨張を完了させることとなる。
そして、第1実施形態の乗員保護装置M1は、ルーフ6に搭載されるルーフエアバッグ装置25と、前席としての助手席PSの前方に搭載される前方エアバッグ装置10と、を備える構成であり、前方エアバッグ20が、膨張完了時に乗員MPの上半身UBを保護する構成とされて、ルーフエアバッグ35は、膨張完了時に乗員MPの頭部Hを保護する構成とされている。すなわち、第1実施形態の乗員保護装置Mでは、比較的搭載スペースの確保しやすい助手席PSの前方の領域に、上半身UBの前方を広く覆う容積の大きな前方エアバッグ20を収納させる構成であることから、大きな搭載スペースを確保しがたいルーフ6の領域には、乗員MPの頭部Hを保護可能な比較的容積の小さなルーフエアバッグ35を収納させるだけでよく、狭い収納スペースにも対処して搭載させることができる。また、第1実施形態の乗員保護装置M1では、前方エアバッグ20と乗員MPとの間に、ルーフエアバッグ35を膨張させる構成であることから、この膨張したルーフエアバッグ35によって、乗員MPの頭部Hを迅速に受け止めることができ、また、膨張した前方エアバッグ20によって、乗員MPの上半身UBを保護できて、乗員MPを円滑に保護することができる。
したがって、第1実施形態の乗員保護装置M1では、狭い収納スペースにも対応できて、円滑に乗員MPを保護することができる。
また、第1実施形態の乗員保護装置M1では、ルーフエアバッグ35が、車両Vの前方からの衝撃力作用検知と略同時に、内部に膨張用ガスを流入させて膨張させて、前方エアバッグ20の膨張完了前に、膨張を完了させる構成である。そのため、実施形態の乗員保護装置Mでは、まず、前方移動する乗員MPの頭部Hを、ルーフエアバッグ35によって、受け止めて、乗員MPの上半身UBの前方へ向かう加速度を低減させることができ、加速度を低減された状態の乗員MPの上半身UBを、膨張を完了させた前方エアバッグ20によって受け止めることができることから、乗員MPを、前方への大きな移動を抑制して、前方エアバッグ20によって、的確に受け止めることができる。実施形態の場合、具体的には、ルーフエアバッグ35は、図4のAに示すように、車両Vの前面衝突直後に、乗員MPの頭部Hの前方を覆うように展開し、内部に膨張用ガスを流入させて膨張することとなる。そして、前方エアバッグ20に膨張用ガスを供給するインフレーター13は、車両の前面衝突から10ms程度経過後に、作動することから、ルーフエアバッグ35の膨張完了時には、前方エアバッグ20は、図4のBに示すように、内部に膨張用ガスを流入させて展開膨張途中である。このとき、乗員MPが、上半身UBを前方に向けるように前進移動することとなっても、乗員MPの頭部Hが、ルーフエアバッグ35に受け止められることとなる。その後、前方エアバッグ20が膨張を完了させた際には、乗員MPは、ルーフエアバッグ35をすり抜けるようにして上半身UBを前進移動させることとなるが、この乗員MPの上半身UB全体を、膨張を完了させたエアバッグ20によって、円滑に受け止めることができる(図5参照)。実施形態の場合、ルーフエアバッグ35は、頭部Hをすり抜けさせる際に生じる摩擦抵抗によっても、乗員MPの前進移動する運動エネルギーを吸収することとなる。また、実施形態の乗員保護装置Mでは、前方エアバッグ20は、容積を90〜110L程度として、ルーフエアバッグを設けない場合のエアバッグ装置(助手席用エアバッグ装置)のエアバッグと、略同等の大きさに設定されていることから、仮に、車両Vの前面衝突時に、インフレーター30の作動が遅れて、ルーフエアバッグ35を迅速に膨張させることができなかったとしても、乗員MPの上半身UBは、前方エアバッグ20のみでも、的確に保護することができる。
さらに、第1実施形態の乗員保護装置M1では、ルーフエアバッグ35が、膨張完了時の形状を、上端35a側を前後に幅広とし、下端35b側にかけて前後に狭幅とするように、構成されていることから、ルーフエアバッグ35と前方エアバッグ20との膨張完了時に、ルーフエアバッグ35の下端35bが、前方エアバッグ20によって後方に押し出されることを抑制できる。特に、実施形態の乗員保護装置Mでは、ルーフエアバッグ35は、膨張完了時の後面35cを上下方向に略沿わせて、膨張完了時の前面35dを、膨張完了時の前方エアバッグ20の後面20aに略沿わせるように、後下がりに傾斜させる構成であることから、ルーフエアバッグ35が、前方エアバッグ20に押されて変形することを抑制できる。なお、このような点を考慮しなければ、ルーフエアバッグを、上端側から下端側にかけての厚さを略一定とした単なる板状に膨張する構成としてもよく、また、下端側にかけて前後に狭幅とする構成としても、後面側を、下端を前方に位置させるように傾斜させる構成としてもよい。
さらにまた、第1実施形態の乗員保護装置M1では、ルーフエアバッグ35が、膨張完了時における後上端側を取付部36として、この取付部36をルーフ6側に取り付ける構成であることから、膨張を完了させたルーフエアバッグ35が、膨張完了時の後面35c側(頭部受止壁部38)において乗員MPの頭部Hを受け止めた際に、ルーフ6側への取付部36より前側の領域となる前上端側を、支持部37として、ルーフ6によって支持させることができることから(図4のB参照)、下端35b側の部位を大きく前方に移動させることを抑制でき、ルーフエアバッグ35によって、乗員MPの頭部Hを的確に拘束することができる。なお、このような点を考慮しなければ、ルーフエアバッグを、膨張完了時における前上端側をルーフ側に取り付ける構成としてもよい。
また、第1実施形態の乗員保護装置M1では、ルーフエアバッグ35に、膨張完了時に余剰の膨張用ガスを排気可能な図示しないベントホールが、形成されている構成であることから、ルーフエアバッグ35による乗員MPの頭部Hの受止後に、乗員MPがさらに上半身UBを前進移動させて、膨張を完了させた前方エアバッグ20に受け止められる際に、前方エアバッグ20の後面20a(乗員受止壁部21)とルーフエアバッグ35の下端35bとの間に大きな段差を生じさせがたく、乗員受止壁部21によって、乗員MPの上半身UBをスムーズに受け止めることができる。
次に、本発明の第2実施形態である乗員保護装置M2について、説明をする。乗員保護装置M2は、図7に示すように、前方エアバッグ装置10Aにおける前方エアバッグ40と、ルーフエアバッグ装置25Aにおけるルーフエアバッグ45と、以外は、上述の乗員保護装置M1と同一の構成であり、詳細な説明を省略する。
前方エアバッグ40は、膨張完了時の後面側に凹凸を有する以外は、前述の乗員保護装置M1における前方エアバッグ20と同様の構成である。第2実施形態の乗員保護装置M2では、前方エアバッグ40は、図7,8に示すように、膨張完了時の後面40aに、左右方向の中央付近を前方側に向かって凹ませるような凹部41を、配設させ、凹部41の左右両側を、相対的に車両後方側に向かって突出させるように、構成されている。実施形態の場合、この凹部41と、凹部41の左右両側の突出部42,42と、は、図7に示すように、膨張完了時にルーフエアバッグ45側となる後上端側の部位の凹凸を最も大きくして、膨張完了時の前端側と後下端側にかけて、それぞれ、凹凸を収束させるように、構成されている。
ルーフエアバッグ45は、前面を、前方エアバッグ40における膨張完了時の後面40aと接触させるようにして、膨張を完了させる構成であり、膨張完了時の前面45aに、前方エアバッグ40の凹部に嵌合可能な凸部46を、配設させている。この凸部46は、ルーフエアバッグ45の膨張完了時に、前方エアバッグ40の凹部41に嵌合されて、膨張完了時のルーフエアバッグ45の前方エアバッグ40に対する左右方向側への移動を規制することとなる。具体的には、凸部46は、図8に示すように、膨張完了時の左右の略中央において、前方にかけて先細りとして、膨張完了時の前方エアバッグ40の凹部41に嵌合される構成とされている。このルーフエアバッグ45は、前面45a側に凸部46を有する以外は、前述の乗員保護装置M1におけるルーフエアバッグ35と同様の構成であり、膨張完了時の後面45bを、乗員MPの頭部Hを受け止める頭部受止壁部47とされている。
このような構成の第2実施形態の乗員保護装置M2においても、比較的搭載スペースの確保しやすい助手席PSの前方の領域に、上半身UBの前方を広く覆う容積の大きな前方エアバッグ40を収納させる構成であることから、大きな搭載スペースを確保しがたいルーフ6の領域には、乗員MPの頭部Hを保護可能な比較的容積の小さなルーフエアバッグ45を収納させるだけでよく、狭い収納スペースにも対処して搭載させることができる。また、第2実施形態の乗員保護装置M2においても、前方エアバッグ40と乗員MPとの間に、ルーフエアバッグ45を膨張させる構成であることから、この膨張したルーフエアバッグ45によって、乗員MPの頭部Hを迅速に受け止めることができ、また、膨張した前方エアバッグ40によって、乗員MPの上半身UBを保護できて、乗員MPを円滑に保護することができる。
さらに、第2実施形態の乗員保護装置M2では、ルーフエアバッグ45の膨張完了時の前面45aに、前方エアバッグ40の凹部41に嵌合可能な凸部46を、上下方向に略沿わせるように配設させていることから、前方エアバッグ40とルーフエアバッグ45との膨張完了時において、ルーフエアバッグ45が乗員MPの頭部Hを受け止めた際に、前方エアバッグ40に対して、ルーフエアバッグ45が、左右にずれ移動し難く、ルーフエアバッグ45によって、乗員MPの頭部Hを安定して受け止めることができる。
なお、第2実施形態の乗員保護装置M2では、前方エアバッグ40に形成される凹部41とルーフエアバッグ45に形成される凸部46とは、膨張完了時に、上下方向に略沿うように配置されて、ルーフエアバッグ45の前方エアバッグ40に対する左右方向側への移動を規制する構成とされているが、前方エアバッグとルーフエアバッグとに形成される凹凸の形状は、これに限られるものではない。例えば、ルーフエアバッグ側に凹部を形成し、前方エアバッグ側に、この凹部に嵌合可能な凸部を形成する構成としてもよい。また、前方エアバッグ及びルーフエアバッグに形成される凹凸を、左右方向に略沿わせるように配置させて、ルーフエアバッグの前方エアバッグに対する上下方向側への移動を規制する構成としてもよく、さらには、凹凸を、前方エアバッグの後面側及びルーフエアバッグの前面側に部分的に形成して、ルーフエアバッグの前方エアバッグに対する上下方向側及び左右方向側への移動を規制する構成としてもよい。
さらに、第3実施形態の乗員保護装置M3として、図9に示す構成のものを使用してもよい。第3実施形態の乗員保護装置M3では、前方エアバッグ装置10Bにおける前方エアバッグ20Bは、第1実施形態の乗員保護装置M1における前方エアバッグ20と同様の構成であり、同一の図符号の末尾に「B」を付して、詳細な説明を省略する。この第3実施形態の乗員保護装置M3では、ルーフエアバッグ装置25Bにおけるルーフエアバッグ50が、膨張完了時の下端50a側に、前方に突出して形成される突出膨張部51を、備える構成とされている。詳細には、第3実施形態の乗員保護装置M3では、ルーフエアバッグ50は、図9に示すように、膨張完了時の下端50aを、膨張完了時の前方エアバッグ20Bの後下端20bよりも下方に位置させる構成とされて、下端50a側に形成される突出膨張部51を、膨張完了時の前方エアバッグ20Bの後下端20bの下方に配置させる構成とされている。この突出膨張部51は、前方エアバッグ20Bとルーフエアバッグ50との膨張完了時において、前方エアバッグ20Bの後下端20bに係止可能な位置に、配置される。
このような構成の第3実施形態の乗員保護装置M3においても、比較的搭載スペースの確保しやすい助手席PSの前方の領域に、上半身UBの前方を広く覆う容積の大きな前方エアバッグ20Bを収納させる構成であることから、大きな搭載スペースを確保しがたいルーフの領域には、乗員MPの頭部Hを保護可能な比較的容積の小さなルーフエアバッグ50を収納させるだけでよく、狭い収納スペースにも対処して搭載させることができる。また、第3実施形態の乗員保護装置M3においても、前方エアバッグ20Bと乗員MPとの間に、ルーフエアバッグ50を膨張させる構成であることから、この膨張したルーフエアバッグ50によって、乗員MPの頭部Hを迅速に受け止めることができ、また、膨張した前方エアバッグ20Bによって、乗員MPの上半身UBを保護できて、乗員MPを円滑に保護することができる。
さらに、第3実施形態の乗員保護装置M3では、ルーフエアバッグ50が、膨張完了時の下端50a側に、前方エアバッグ20Bの後下端20bの下方に配置される突出膨張部51を有する構成であることから、前方エアバッグ20Bとルーフエアバッグ50との膨張完了時において、ルーフエアバッグ50の膨張完了直後における上方へ戻るようなリバウンドを、突出膨張部51を前方エアバッグ20Bの後下端20bに係止させることにより、的確に抑制することができる。そのため、ルーフエアバッグ50によって乗員MPの頭部Hを迅速かつ的確に保護することができる。
さらにまた、第4実施形態の乗員保護装置M4として、図10,11に示す構成のものを使用してもよい。第4実施形態の乗員保護装置M4では、前方エアバッグ装置10Cのインフレーター13Cと、ルーフエアバッグ装置25Cのインフレーター30Cと、は、車両Vの前面衝突時に加えて、車両Vのオフセット衝突時もしくは斜突時(斜め前方からの衝撃力作用時)にも、作動する構成されている。この乗員保護装置M4では、前方エアバッグ55は、膨張完了時の後面55aを、前進移動する乗員の上半身を受け止める乗員受止壁部56として構成されるとともに、乗員受止壁部56の左右両側(後面55aにおける左右両端側)に、膨張完了時に後方に向かって突出する突出膨張部57,57を、備える構成とされており、ルーフエアバッグ35Cは、突出膨張部57,57の間の領域に、膨張する構成である(図11参照)。このルーフエアバッグ35Cは、膨張完了時における左右方向側の幅寸法を、突出膨張部57,57間に配置可能な寸法に設定される以外は、第1実施形態の乗員保護装置M1におけるルーフエアバッグ35と同様の構成であり、膨張完了時の前面35dを、前方エアバッグ55における乗員受止壁部56に略沿わせ、膨張完了時の後面35cを、頭部受止壁部38Cとして略上下方向に沿わせるように配置させている(図10参照)。そして、各突出膨張部57は、膨張完了時において、ルーフエアバッグ35Cの頭部受止壁部38Cよりも後方に突出して、車両Vのオフセット衝突時もしくは斜突時に、斜め前方に向かって移動する乗員MPの頭部Hを保護可能に、構成されている。
このような構成の第4実施形態の乗員保護装置M4においても、比較的搭載スペースの確保しやすい助手席PSの前方の領域に、上半身UBの前方を広く覆う容積の大きな前方エアバッグ55を収納させる構成であることから、大きな搭載スペースを確保しがたいルーフの領域には、乗員MPの頭部Hを保護可能な比較的容積の小さなルーフエアバッグ35Cを収納させるだけでよく、狭い収納スペースにも対処して搭載させることができる。また、第4実施形態の乗員保護装置M4においても、前方エアバッグ55と乗員MPとの間に、ルーフエアバッグ35Cを膨張させる構成であることから、この膨張したルーフエアバッグ35Cによって、乗員MPの頭部Hを迅速に受け止めることができ、また、膨張した前方エアバッグ55によって、乗員MPの上半身UBを保護できて、乗員MPを円滑に保護することができる。
さらに、第4実施形態の乗員保護装置M4では、車両の斜突時やオフセット衝突時に、斜め前方に向かって移動する乗員MPの頭部Hを、前方エアバッグ55に設けられた突出膨張部57,57によって受け止めて、保護することができる。なお、図12に示す第5実施形態の乗員保護装置M5のごとく、前方エアバッグ20Dではなく、左右に幅広としたルーフエアバッグ60に、左右両端側から後方に向かって突出するように配置される突出膨張部61,61を、配設させ、この突出膨張部61,61によって、斜め前方に向かって移動する乗員MPの頭部Hを保護可能な構成としてもよい。
さらにまた、第6実施形態の乗員保護装置M6として、図13,14に示す構成のものを使用してもよい。この乗員保護装置M6は、前方エアバッグ装置10Eとルーフエアバッグ装置25Eとに加えて、助手席PSの側方の窓Wの車内側を覆うように膨張する窓用エアバッグを有した窓用エアバッグ装置65を、備えている。また、この第6実施形態の乗員保護装置M6においても、前方エアバッグ装置10Eのインフレーター13Eと、ルーフエアバッグ装置25Eのインフレーター30Eと、は、車両Vの前面衝突時に加えて、車両Vのオフセット衝突時もしくは斜突時(斜め前方からの衝撃力作用時)にも、作動する構成されている。
この第6実施形態の乗員保護装置M6では、前方エアバッグ20Eは、第1実施形態の乗員保護装置M1における前方エアバッグ20と同様の構成である。ルーフエアバッグ35Eは、膨張完了時の左右方向側の幅寸法を大きく設定されて、前方エアバッグ20Eの左右方向側の幅寸法と略同一とされている以外は、第1実施形態の乗員保護装置M1におけるルーフエアバッグ35と同様の構成である。
窓用エアバッグ装置65は、図13に示すように、窓Wの上縁側に折り畳まれて収納される窓用エアバッグ66と、窓用エアバッグ66に膨張用ガスを供給するインフレーター68と、を備えている。窓用エアバッグ66は、可撓性を有したシート体から形成される袋状として、詳細な図示を省略するが、下縁側から車外側に向かって巻くようなロール折りによって折り畳まれて窓Wの上縁側に収納される構成であり、インフレーター68の作動時には、インフレーター68からの膨張用ガスを内部に流入させて、図13に示すように、窓Wの車内側を覆うように膨張する構成である。この窓用エアバッグ66は、内部に膨張用ガスを流入させて膨張する膨張部67の前端67aを、膨張完了時に、車内外方向側(左右方向側)から見た状態で、前方エアバッグ20Eの膨張領域と重ならせるように(膨張完了時の後面20aよりも前側となる位置に配置させるように)、構成されている(図13,14参照)。すなわち、膨張部67は、膨張完了時に、ルーフエアバッグ35Eの車外側を覆うこととなる。そして、実施形態では、膨張部67は、膨張完了時に、前方エアバッグ20E及びルーフエアバッグ35Eと窓Wとの間において、前方エアバッグ20E及びルーフエアバッグ35Eの車外側を覆いつつ、窓Wの車内側を覆うように、前方エアバッグ20E及びルーフエアバッグ35Eに当接して配置されることとなる。すなわち、実施形態では、図14に示すように、ルーフエアバッグ35Eが、膨張完了時に、車外側の縁部(右縁35e)を、窓用エアバッグ66と接触させる構成とされている。この窓用エアバッグ装置65のインフレーター68も、前方エアバッグ装置10Eのインフレーター13E及びルーフエアバッグ装置25Eのインフレーター30Eと同様に、車両Vの前面衝突時と、斜め衝突時と、オフセット衝突時と、の際に、作動するように構成されている。
第6実施形態の乗員保護装置M6においても、比較的搭載スペースの確保しやすい助手席PSの前方の領域に、上半身UBの前方を広く覆う容積の大きな前方エアバッグ20Eを収納させる構成であることから、大きな搭載スペースを確保しがたいルーフの領域には、乗員MPの頭部Hを保護可能な比較的容積の小さなルーフエアバッグ35Eを収納させるだけでよく、狭い収納スペースにも対処して搭載させることができる。また、第6実施形態の乗員保護装置M6においても、前方エアバッグ20Eと乗員MPとの間に、ルーフエアバッグ35Eを膨張させる構成であることから、この膨張したルーフエアバッグ35Eによって、乗員MPの頭部Hを迅速に受け止めることができ、また、膨張した前方エアバッグ20Eによって、乗員MPの上半身UBを保護できて、乗員MPを円滑に保護することができる。
さらに、第6実施形態の乗員保護装置M6では、ルーフエアバッグ35Eが、膨張完了時に、車外側の縁部(右縁35e)を、窓用エアバッグ66と接触させることから、車両Vの斜突時やオフセット衝突時において、車外側斜め前方(右斜め前方)に向かって移動する乗員MPの頭部Hを、右縁35eを窓用エアバッグ66に支持させて車外側方向へのずれを抑制されたルーフエアバッグ35Eによって、円滑に保護することができる。
なお、実施形態では、助手席PSに着座した乗員MPを保護する乗員保護装置を、例に採り、説明しているが、本発明を適用可能な乗員保護装置は、これに限られるものではなく、運転席に着座した乗員を保護するものに、本発明を適用してもよい。
1…インストルメントパネル(インパネ)、4…ウィンドシールド、6…ルーフ、10,10A,10B,10C,10D,10E…前方エアバッグ装置、11…エアバッグカバー、13,13C,13E…インフレーター、17…ケース、20,20B,20D,20E…前方エアバッグ、20a…後面、21…乗員受止壁部、25,25A,25B,25C,25D,25E…ルーフエアバッグ装置、26…ケース、28…エアバッグカバー、30,30C,30E…インフレーター、35,35C,35E…ルーフエアバッグ、35a…上端、35b…下端、35c…後面、36…取付部、37…支持部、38,38C…頭部受止壁部、40…前方エアバッグ、40a…後面、41…凹部、42…突出部、45…ルーフエアバッグ、45a…前面、46…凸部、50…ルーフエアバッグ、50a…下端、51…突出部、55…前方エアバッグ、55a…後面、57…突出膨張部、60…ルーフエアバッグ、61…突出膨張部、65…窓用エアバッグ装置、66…窓用エアバッグ、MP,MP1…乗員、UB…上半身、H…頭部、PS…助手席、M1,M2,M3,M4,M5,M6…乗員保護装置。

Claims (9)

  1. 車両の前席に着座した乗員を保護可能な乗員保護装置であって、
    前記前席の前方に搭載されて、前記車両の前方からの衝撃力作用時に作動して、前方に向かって移動する前記乗員の上半身を保護可能に膨張する前方エアバッグを備えた前方エアバッグ装置と、
    該前方エアバッグ装置と前記乗員との間におけるルーフに搭載されて、前記車両の前方からの衝撃力作用時に作動して、下方に向かって突出するように展開膨張して、前記乗員の頭部を保護可能に膨張するルーフエアバッグを備えたルーフエアバッグ装置と、
    を備えていることを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記ルーフエアバッグが、前記車両の前方からの衝撃力作用検知と略同時に、内部に膨張用ガスを流入させて膨張させ、前記前席用エアバッグの膨張完了前に、膨張を完了させる構成とされていることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記ルーフエアバッグが、膨張完了時の形状を、上端側を前後に幅広とし、下端側にかけて前後に狭幅とするように、構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の乗員保護装置。
  4. 前記ルーフエアバッグが、膨張完了時における後上端側を、前記ルーフ側に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の乗員保護装置。
  5. 前記ルーフエアバッグが、前面を、前記前方エアバッグにおける膨張完了時の後面と、接触させるようにして、膨張を完了させる構成とされ、
    前記ルーフエアバッグにおける膨張完了時の前面と前記前方エアバッグにおける膨張完了時の後面とに、膨張完了時の前記ルーフエアバッグの前記前方エアバッグに対する上下方向側あるいは左右方向側への移動を規制可能とするように、相互に嵌合可能な凹凸が、形成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  6. 前記ルーフエアバッグが、膨張完了時の下端側に、膨張完了時の前記前方エアバッグの後下端の下方に配置されるように、前方に突出して形成される突出膨張部を、備えていることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  7. 前記前方エアバッグ装置と前記側方エアバッグ装置とが、前記車両の斜め前方からの衝撃力作用時にも、作動可能に構成され、
    前記前方エアバッグが、膨張完了時における後面側の左右両端側に、後方に向かって突出するように配置される突出膨張部を、備える構成とされ、
    該突出膨張部が、前記車両の斜め前方からの衝撃力の作用時に、斜め前方に向かって移動する前記乗員の前記頭部を保護可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  8. 前記前方エアバッグ装置と前記側方エアバッグ装置とが、前記車両の斜め前方からの衝撃力作用時にも、作動可能に構成され、
    前記ルーフエアバッグが、膨張完了時における後面側の左右両端側に、後方に向かって突出するように配置される突出膨張部を、備える構成とされ、
    該突出膨張部が、前記車両の斜め前方からの衝撃力の作用時に、斜め前方に向かって移動する前記乗員の前記頭部を保護可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  9. 前記前席の側方の窓の上縁側に搭載されて、前記車両の側方若しくは斜め前方からの衝撃力作用時に作動して、前記窓の車内側を覆うように膨張する窓用エアバッグを備えた窓用エアバッグ装置を、備える構成とされ、
    前記ルーフエアバッグが、前記車両の斜め前方からの衝撃力の作用時における膨張完了時に、車外側の縁部を、膨張を完了させている前記窓用エアバッグと接触させるように、構成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
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