JP2019168631A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー粒子の耐久性向上と外添剤の固着ムラ抑制により帯電ローラの汚染を防止しながら優れた耐久性を有し、環境によらない帯電安定性を発現するトナーを提供する。【解決手段】結着樹脂、着色剤及び帯電制御樹脂を含有するトナー粒子と、トナー粒子の表面に存在するチタン酸金属微粒子とを有するトナーであって、帯電制御樹脂はイオン性官能基として式(1)に示す構造を有し、(R1は、アルキル基またはアルコキシル基、*は重合体における結合部位)。チタン酸金属微粒子は、一次粒子の個数平均粒径が10nm以上140nm以下であり、チタン酸金属微粒子の表面に、式(2)で表される部分構造aを有し、R2−Si−O3/2式(2)(R2は末端にハメットの置換基定数σm(メタ)が0.25以上である置換基を持つ官能基)。チタン酸金属微粒子の表面における部分構造aの存在割合が、0.110以上0.220以下。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法の如き画像形成方法に使用されるトナーに関する。
電子写真画像形成装置には、より長寿命化、高速化、省エネルギー化、小型化が求められており、これらに対応する為に、トナーに対しても種々の性能のより一層の向上が求められている。特にトナーに対しては、長寿命化、高速化の観点から、より一層の品質安定性の向上が要求されている。
耐久性向上においては、トナー粒子外部からの負荷を軽減させることが考えられる。具体的には、トナー粒子の表面強度を向上し、現像器の部材である現像ローラや規制ブレードとの摺擦による劣化を抑制することが考えられる。
帯電安定性においては、トナー劣化、過度な部材との摺擦によるチャージアップや帯電不良を抑制する手段が考えられる。具体的には、適度な帯電リーク性と帯電立ち上がり性を有する外添剤や帯電制御剤を用いることが考えられる。
特許文献1では、イオン性官能基に特徴を有する樹脂がトナー粒子中に存在することで、帯電性を安定化させ、かつトナー粒子の表面強度が向上し外添剤の埋め込みも抑制されることが述べられている。
特許文献2では、外添剤としてチタン酸金属微粒子の一つであるチタン酸ストロンチウム粒子を用いることで、シリカと比較して帯電性の変化が少なく安定であることが述べられている。
特開2016−66049号公報 特開2015−137208号公報 特開2017−44982号公報
土田英俊、ほか3名「重合体の化学構造と静帯電」工業化学雑誌、1966年、第69巻、第10号、p.1978−1983 "A survey of hammett substituent constants and resonance and field parameters"Chemical Reviews 1991年、第91巻、p.165−195 "Linear free energy relations.V.Triboelectric charging of organic solids"Journal of the American Chemical Society 1975年、第97巻、p.3832−3833
特許文献1で示された樹脂は、高帯電性の付与のほか、トナー粒子の表面強度を向上させることができるが、外添工程による外添剤の固着効率が低下することがあった。これにより、外添工程中の外添剤同士の衝突頻度の増加に伴う凝集体ができやすくなり、凝集物と分散体による固着ムラが起きやすい。そのため耐久中に凝集物として遊離する外添剤が増加し、感光体の表面と当接して感光体を帯電させる帯電ローラにおいてクリーニングをすり抜けた遊離外添剤による汚染が悪化する傾向にあった。そのためさらなる耐久性向上には、外添剤として帯電安定化など特許文献2に述べられているような本来の効果を維持させつつ、固着ムラを抑制することが求められる。なお、特許文献3、非特許文献1〜3については後述する。
本発明の目的は、長期耐久使用した場合においても、トナー粒子の耐久性向上と外添剤の固着ムラ抑制により帯電ローラの汚染を防止しながら優れた耐久性を有し、さらに環境によらない帯電安定性を発現するトナーを提供することである。
本発明によれば、結着樹脂、着色剤及び帯電制御樹脂を含有するトナー粒子と、該トナー粒子の表面に存在するチタン酸金属微粒子とを有するトナーであって、
該帯電制御樹脂はイオン性官能基として式(1)に示す構造を有し、
Figure 2019168631
(式(1)中、R1は、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を示し、nは0以上3以下の整数を示し、nが2または3の場合、R1はそれぞれ独立して選択でき、*は重合体における結合部位である。)
該チタン酸金属微粒子は、
(i)一次粒子の個数平均粒径が10nm以上140nm以下であり、
(ii)チタン酸金属微粒子の表面に、下記式(2)で表される部分構造aを有する粒子であり、
2−Si−O3/2 式(2)
(式(2)中、R2は末端にハメットの置換基定数σm(メタ)が0.25以上である置換基を持つ官能基である。)
X線光電子分光法(ESCA)を用いて測定される該チタン酸金属微粒子の表面における該部分構造aの存在割合が、0.110以上0.220以下であることを特徴とするトナーに関する。
本発明によれば、長期耐久使用した場合においても、トナー粒子の耐久性向上と外添剤の固着ムラ抑制により帯電ローラの汚染を防止することができ、さらに環境によらない帯電安定性を発現するトナーを提供することである。
本発明の詳細を以下に説明する。
結着樹脂、着色剤及び帯電制御樹脂を含有するトナー粒子と、該トナー粒子の表面に存在するチタン酸金属微粒子とを有するトナーであって、
該帯電制御樹脂はイオン性官能基として式(1)に示す構造を有し、
Figure 2019168631
(式(1)中、R1は、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を示し、nは0以上3以下の整数を示し、nが2または3の場合、R1はそれぞれ独立して選択でき、*は重合体における結合部位である。)
該チタン酸金属微粒子は、
(i)一次粒子の個数平均粒径が10nm以上140nm以下であり、
(ii)チタン酸金属微粒子の表面に、下記式(2)で表される部分構造aを有する粒子であり、
2−Si−O3/2 式(2)
(式(2)中、R2は末端にハメットの置換基定数σm(メタ)が0.25以上である置換基を持つ官能基である。)
X線光電子分光法(ESCA)を用いて測定される該チタン酸金属微粒子の表面における該部分構造aの存在割合が、0.110以上0.220以下である
ことを特徴とすることで、長期耐久使用した場合においても、トナー粒子の耐久性向上と外添剤の固着ムラ抑制により帯電ローラの汚染を防止しながら優れた耐久性を有し、さらに環境によらない帯電安定性を発現するトナーを提供することができる。
詳細に後述するが、式(1)に示すイオン性官能基を有する帯電制御樹脂をトナー粒子に用いることで、表面強度を向上させて劣化を抑制し、劣化トナーが規制ブレードに融着することで発生する印刷画像上のスジ(現像スジ)を抑制することができる。また、高温高湿下における過剰な含水を抑制できるため、耐久途中に高温高湿下で数日放置した時の帯電立ち上がり不良によるカブリ(放置カブリ)抑制がさらに良化する。一方でトナー粒子の表面強度が向上するため、前述のように外添剤の固着ムラによる遊離外添剤が原因で、感光体の表面と当接して感光体を帯電させる帯電ローラが汚染され、印刷画像上のスジ状の画像弊害(帯電ローラ汚染スジ)が発生する懸念がある。
本発明者らは、式(1)に示すイオン性官能基を有する帯電制御樹脂を用いたトナー粒子に、外添剤の凝集や不均一な被覆を抑制し高被覆かつ固着する手段を鋭意検討した。その結果、一次粒子の個数平均粒径が10nm以上140nm以下であり、式(2)で示すような表面における部分構造を有し、かつその部分構造の存在割合と末端の置換基を制御したチタン酸金属微粒子を用いることが有効であることがわかった。この明確な理由は定かではないが、後述するように上記で表される部分構造は電子吸引性の高い置換基を有するため、そうした置換基のないものと比較して高い負の帯電性(以下、高負帯電性)を示す。そのためチタン酸金属微粒子に上記の部分構造を有する高負帯電性表面処理を施すと、チタン酸金属微粒子同士の静電反発力が高まり、凝集が抑制されることで均一な被覆が促され、固着ムラを抑制できたと考えられる。また、従来から流動性向上の目的で他の外添剤と併用して用いられることの多い小粒径のシリカ微粒子は一般的に高負帯電性である。本発明のトナーに小粒径のシリカを添加した場合においても、高い静電反発力よりチタン酸金属微粒子と小粒径シリカの凝集を抑えられ、固着ムラを抑制できる。結果として、遊離外添剤を低減し帯電ローラの汚染を抑制できる。
特許文献3で、例えば従来からチタン酸金属微粒子と同じく中抵抗材料として知られる酸化チタンに単純に高負帯電性の表面処理を行うと、帯電の立ち上がり性が向上するが、低温低湿下における規制不良が悪化する傾向にあると述べている。規制不良とは過剰な負帯電(チャージアップ)が原因で現像ローラ上を現像残として連れまわったトナーが規制部材で規制できなくなる現象である。
本件では基体として中抵抗であり従来のシリカや酸化チタンと比較して正に帯電しやすい(以下、正帯電性)チタン酸金属微粒子を用いることと、式(2)で示される部分構造aの存在割合を適正な範囲でチタン酸金属微粒子の表面処理状態を制御することで、チャージアップを抑制しながら、固着ムラ抑制の効果を得ることができた。さらには、トナー同士間での帯電授受が良好になり、帯電立ち上がり性を向上することができた。
以下、チタン酸金属微粒子について、さらに詳細に説明する。
外添剤などに表面処理を行う場合、帯電性は表層の構造、特に主鎖よりも側鎖の効果が大きく特に末端の効果が大きいこと、側鎖の官能基が電子吸引性であるときは負帯電、電子供与性である時は正帯電となることが分かっている(非特許文献1参照)。よって、シランカップリング処理でチタン酸金属微粒子表層に構造体を形成する場合、側鎖の官能基でチタン酸金属粒子の帯電性を制御できると考えた。官能基の置換基の電子吸引性、電子供与性の指標としてハメット則がある。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応や平衡に及ぼす置換基の影響を示す経験則であり、ハメットの置換基定数σmは、置換基の電子供与および吸引性の程度を定量化した値といえる(非特許文献2参照)。ハメットの置換基定数σmと帯電量の対数に直線関係があることもわかっている(非特許文献3参照)。上記内容を踏まえ、電子吸引性となるσmの値が大きい官能基を持つ部分構造をチタン酸金属粒子表層に形成することで、適切な高負帯電性を有すると考えた。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、式(2)で示される部分構造において、末端官能基のハメットの置換基定数σmが0.25以上の官能基の場合、適切な高負帯電性を有することを見出した。ハメットの置換基定数が0.25以上の官能基としてはCF3、C65、NCO、CCl3、NO2、COOHなどがあげられる。ハメットの置換基定数が0.40以上の官能基の場合、負帯電性がより向上した。さらには末端官能基がCF3である場合、後述する吸着水の侵入により負帯電性が強くなる効果が大きく得られる。
次にこの高負帯電性を保ちつつトナーのチャージアップを抑制することを目的とし、トナーの帯電性の制御機能の保持の検討を行った。その結果、チタン酸金属微粒子の表層中において式(2)で示される部分構造aの存在割合を0.110以上0.220以下となるように部分的に配置することで、高負帯電性を保ちつつトナーのチャージアップを抑制できることを見出した。
その理由は完全には明確でないが、式(2)に示される部分構造aは電子吸引性の官能基を持つため、チャージアップした電荷を拡散する機能を抑制し、さらにチタン酸金属微粒子基体の表面が正帯電性であり適度な電荷消去ができるため、その二つの相乗効果で高い帯電制御機能を有したと考えられる。
式(2)で示される部分構造aの表層存在割合を0.110以上0.220以下に制御すると、以上の効果が適正に発揮されると考えている。0.110未満では負帯電性が不足して十分な凝集抑制効果が得られず、固着ムラが起きる。0.220より大きいと負帯電性が高すぎてチャージアップを抑制することが困難になる。
式(2)で示される部分構造aの表層存在割合は、表面処理方法や処理剤の組み合わせ、チタン酸金属粒子の原材料のモル比や製造条件を調整することで制御することができる。
なお、R2−Si−O3/2との表記は、下記の式(a)、(b)中の破線で示す四角形で囲まれた領域の中の部分構造を表しており、−O3/2は、下記(a)に示すように、前記領域の外のSi原子と共有する酸素を3つ、又は下記(b)に示すように、前記領域の外のSi原子と共有する酸素を2つ、チタン酸ストロンチウム母粒子と共有する酸素を1つ有していることを表している。
Figure 2019168631
(*は、チタン酸金属母粒子との結合部を表す。)
本発明に用いられるチタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、10nm以上140nm以下、好ましくは10nm以上80nm以下である。個数平均粒径が上記範囲であることで、トナー粒子への固着性が適正になり、外添剤としての効果を十分に発揮できた。10nm未満では被覆が密になりすぎて凝集抑制効果が薄れる。140nmより大きいとトナー粒子への付着性が弱まり、固着性が低下しやすい。チタン酸金属微粒子の一次粒子は、チタン酸金属微粒子の原材料のモル比や製造条件を調整することで制御することができる。
本発明に用いられるチタン酸金属粒子はメタノール/水混合溶媒に対する濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度が、好ましくは30.0%以上60.0%以下である。以降、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性試験における、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度を疎水化度と記載する。疎水化度が30.0%以上であれば、水分吸着量の環境変動が抑えられ、環境により現像性が変化することを抑えることができる。疎水化度が30.0%より低い場合は、特に高温高湿環境下における負帯電性が低下する傾向がある。また、疎水性が高くなりすぎると、低温低湿環境下でも帯電の立ち上がり性が下がる傾向がある。これは吸着水が表層に侵入することができず、負帯電性が高くなる効果が得られず、帯電性が低くなることが要因であるが分かった。この吸着水が表層から侵入することに負帯電性をより効果的に上げることができる濡れ性は、疎水化度で60.0%以下の場合であった。チタン酸金属粒子の疎水化度は、チタン酸金属粒子の表面処理条件を調整することで制御することができる。
本発明に用いられるチタン酸金属微粒子のチタン以外の金属をMと表記したとき、チタン酸金属微粒子のM/Tiモル比は、0.70以上0.90以下であることが好ましい。M/Tiモル比が、0.70以上0.90以下であることで、表面処理剤との反応性が高いTiの割合が増え、式(2)に示される部分構造aの存在割合を制御しやすくなる。M/Tiモル比は、チタン酸金属微粒子の原材料のモル比や製造条件を調整することで制御することができる。
チタン酸金属粒子は、例えば、常圧加熱反応法により製造することができる。このとき、酸化チタン源としてチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用い、チタン以外の金属源としては水溶性酸性金属化合物を用いるとよい。そして、該原料の混合液に60℃以上でアルカリ水溶液を添加しながら反応させ、次いで酸処理する方法で製造することができる。また、チタン酸金属粒子の形状を制御する方法として、乾式で機械的処理を施す方法もある。
以下、該常圧加熱反応法について説明する。
酸化チタン源としてはチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用いる。好ましくは、塩酸を用いてpH2.5以上7.0以下、より好ましくはpH4.5以上6.0以下に調整することが好ましい。酸としては、塩酸の他に硝酸、酢酸等を酸処理に用いることができる。しかし、硫酸を用いると、水の溶解度が低い硫酸ストロンチウムが発生するので好ましくない。
アルカリ水溶液としては、苛性アルカリを使用することができるが、中でも水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
該製造方法において、得られるチタン酸金属粒子の粒子径に影響を及ぼす因子としては、メタチタン酸を塩酸で解膠する際のpH、酸化チタン源とチタン以外の金属源の混合割合、反応初期の酸化チタン源濃度、アルカリ水溶液を添加するときの温度、添加速度、反応時間及び撹拌条件などが挙げられる。特に、アルカリ水溶液の添加後に、氷水中に投入するなどして急激に系の温度を低下させて反応を停止させると、結晶成長が飽和する中途で強制的に反応を停止でき、広い粒度分布を得やすい。また、撹拌速度を低下する、撹拌方法を変更する、などして反応系の状態を不均一な状態にすることでも、広い粒度分布を得ることができる。
これらの因子は、目的の粒子径及び粒度分布のチタン酸金属粒子を得るため適宜調整することができる。なお、反応過程に於ける炭酸塩の生成を防ぐために窒素ガス雰囲気下で反応させるなど、炭酸ガスの混入を防ぐことが好ましい。
反応時の酸化チタン源とチタン以外の金属源Mの混合割合は、M/Tiのモル比で、0.90以上1.40以下であることが好ましく、1.05以上1.20以下であることがより好ましい。M/Ti(モル比)が0.90未満の場合、反応生成物はチタン酸金属だけでなく未反応の酸化チタンが残存し易くなる。相対的にチタン以外の金属源は水への溶解度が高いのに対し酸化チタン源は水への溶解度が低いため、MX/Ti(モル比)が0.90未満の場合、反応生成物はチタン酸金属だけでなく未反応の酸化チタンが残存し易くなる傾向にある。
続いて形状制御について説明する。本発明で用いるチタン酸金属微粒子の形状を得るための方法として、乾式で機械的処理を施すことが挙げられる。例えば、ハイブリダイザー(奈良機械製作所社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)、ハイフレックスグラル(アーステクニカ社製)等を用いることができる。チタン酸金属微粒子をこれらの装置で処理することで、チタン酸金属の表面処理性を上げることができる。
機械的処理でチタン酸金属微粒子の形状を制御する場合、チタン酸金属微粒子の微粉が発生する場合がある。微粉を取り除くためには、酸処理を行うことが好ましい。酸処理では、塩酸を用いてpH0.1以上5.0以下に調整することが好ましい。酸としては、塩酸の他に硝酸、酢酸等を酸処理に用いることができる。チタン酸金属微粒子の形状を制御するための機械的処理は、チタン酸金属微粒子の表面処理を施す前に実施することが好ましい。
本発明のチタン酸金属微粒子の表面処理について説明する。本発明で用いるチタン酸金属微粒子表面の式(2)で示される部分構造aを得るため、シランカップリング剤による表面被覆を用いることができる。シランカップリング剤として、フルオロアルキルシランカップリング剤、イソシアネートシランカップリング剤などを用いることがきる。処理の方法は、処理する表面処理剤などを溶媒中に溶解、分散させ、その中にチタン酸金属微粒子を添加し、撹拌しながら溶媒を除去して処理する湿式方法が挙げられる。また、カップリング剤、脂肪酸金属塩とチタン酸金属微粒子を直接混合して撹拌しながら処理を行う乾式方法などが挙げられる。
式(2)で示される部分構造aの存在割合を得るための方法として、他のシランカップリング剤を組み合わせて処理を施す手法、シリコーンオイル等の疎水化剤で表面被覆を行った後、処理する手法があげられる。複数種のシランカップリング剤を混合し撹拌することで、カップリング剤間の結合が進行し、チタン酸金属微粒子表層をより島状に処理しやすくなるため、式(2)の部分構造aの存在割合を適正な範囲で制御する処理の方法としてより望ましい。組み合わせるシランカップリング剤として、チタン酸金属微粒子表面に式(3)に示される部分構造bを得るため、アルキルシランカップリング剤などが利用することがより好ましい。チタン酸金属表面に式(3)に示される部分構造bを得ることで、過剰な負帯電抑制効果をさらに向上できる。
3−Si−O3/2 式(3)
(式(3)中、R3はアルキル基である。)
金属源Mとしては、粒径制御時の適度な反応性およびチタン酸金属微粒子基体としての帯電性からストロンチウムがより好ましい。
本発明で用いるチタン酸金属粒子の添加量は、トナー粒子への適正な固着性と外添剤として期待する効果を弊害なく発揮できる範囲として、トナー粒子100.0質量部に対して0.05質量部以上2.00質量部以下が好ましい。0.05質量部以上であると被覆が十分で凝集抑制効果が得やすく、2.00質量部以下であれば被覆過多で粒子同士が密になることがなく凝集を抑制する効果の低減が生じない。
次に、本発明のトナー粒子について詳細に説明する。
本発明のトナー粒子は、式(1)で示すようなイオン性官能基を有する帯電制御樹脂を含有している。
Figure 2019168631
(式(1)中、R1は、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を示し、nは0以上3以下の整数を示し、nが2または3の場合、R1はそれぞれ独立して選択でき、*は重合体における結合部位である。)
上記の帯電制御樹脂を用いることで、トナー粒子の表面強度を向上させることができる。この理由は明確ではないが、帯電制御樹脂を形成する高分子ユニットにおいて、式(1)のイオン性官能基による分子同士および分子間の水素結合性の相互作用により結合強度が高まり、こうした帯電制御樹脂がトナー粒子中の表面近傍に存在することで表面強度が向上すると考えている。また、式(1)のイオン性官能基を有する帯電制御樹脂は、特に高温高湿下における吸着水分を抑制することができる。この理由は、式(1)のイオン性官能基では酸の解離が抑制され、水分を吸着することが抑制されると考えている。これにより、先に述べたように高温高湿下における過剰な含水による帯電低下を抑制し、本件のチタン酸金属微粒子を併用しても高帯電性を維持できる。
イオン性官能基を有する樹脂としては、式(1)のイオン性官能基を有するものであればどのようなものでも構わない。例えば、ビニルサリチル酸、フタル酸−1−ビニルを重合させたものが好ましい。
1におけるアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられ、アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。重合体の主鎖構造としては、特に制限はない。例えば、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリエーテル系重合体などが挙げられる。また、これらが2種以上組み合わさったハイブリッド型の重合体も挙げられる。ここに挙げた中でも、トナー母粒子との密着性を考慮すると、ビニル系重合体であることが好ましい。
好ましくは、帯電制御樹脂が下記式(4)で示される部位を有する(1価の基を有する)重合体であることである。
Figure 2019168631
(R7は、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を表し示し、R8は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を示し、gは1以上3以下の整数を示し、hは0以上3以下の整数を示し、hが2または3の場合、R7はそれぞれ独立して選択でき、*は重合体における結合部位である。)
また、帯電制御樹脂を構成しイオン性官能基(1)が含まれる重合体を重合体Cとすると、重合体Cに含まれるイオン性官能基(1)で示される1価の基cの含有量は50μmol/g以上1000μmol/g以下であることが好ましい。50μmol/g以上とすることで、良好な帯電性と耐久性が発揮できる。また、1000μmol/g以下にすることで、チャージアップを抑制することができる。
重合体C中のイオン性官能基(1)で示される1価の基cの含有量は、後述の方法により求めることができる。まず、重合体Cを後述の方法により滴定することにより、重合体Cの酸価を定量し、重合体Cが有するイオン性官能基(1)で示される1価の基cに由来するカルボキシ基の量を算出する。そして、これを基に重合体C中の構造式(1)で示される1価の基cの含有量(μmol/g)を算出することができる。なお、重合体Cが構造式(1)で示される1価の基c以外の部位にカルボキシ基を有している場合は、重合体Cを作製する際に構造式(1)で示される1価の基cを付加反応させる直前の化合物(例えばポリエステル樹脂)の酸価をあらかじめ測定しておく。構造式(1)で示される1価の基cの付加量は、付加反応後の重合体Cの酸価との差で算出することができる。
また、NMRを測定し、各単量体成分の特徴的な化学シフト値から導出した積分値より各成分のmol比を算出し、それを基に含有量(μmol/g)を算出することができる。
トナー粒子の製造過程において用いる帯電制御樹脂の添加量は、表面強度向上の効果発現と十分な外添剤固着性を得られる範囲として結着樹脂100.0質量部に対して0.05質量部以上5.00質量部以下であることが好ましい。0.05質量部以上で表面強度の向上効果が十分に発揮され吸着水分抑制効果も大きくなり、5.00質量部以下では効果が強くなりすぎず、外添剤の固着効率が低下し難い。
本発明のトナー粒子は結着樹脂を有し、結着樹脂として使用できる重合性単量体として好ましいものに、ビニル系重合性単量体を挙げることができる。例えばスチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、蟻酸ビニルのようなビニルエステルが挙げられる。
トナー粒子の平均円形度は、0.960以上であることが好ましい。0.960以上であると、細線再現性も向上する。より好ましくは0.970以上である。
トナー粒子の製造方法は、特に限定されない。例えば、懸濁重合法・界面重合法・分散重合法のような、親水性媒体中で直接トナーを製造する方法(以下、重合法とも称する)が挙げられる。また、粉砕法を用いてもよく、粉砕法により得られたトナーを熱球形化してもよい。その中でも、個々の粒子がほぼ球形に揃っていて、帯電量の分布も比較的均一となるため高い転写性を有している、懸濁重合法で製造するトナーが好ましい。
懸濁重合法は、結着樹脂を生成する重合性単量体、着色剤、必要に応じてワックス等の添加剤を有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して、重合性単量体組成物の液滴を製造する造粒工程、液滴中の該重合性単量体を重合する重合工程を経ることによりトナー粒子を製造する方法である。
本発明のトナーは、コア部のほかにシェル部を有するトナー粒子を有するトナーであることが好ましい。シェル部を形成させる樹脂として、ポリエステル、スチレン−アクリル共重合体、又はスチレン−メタクリル共重合体などの樹脂により形成されることが好ましいが、さらに好ましくはポリエステル樹脂である。
トナー粒子はワックスを含有することが好ましい。
ワックス成分としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムのような石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスのような天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックスも使用できる。
トナー粒子は着色剤を含有する。黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、128、129、138、147、150、151、154、155、168、180、185、214が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレッド19が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。着色剤の添加量は、結着樹脂を生成する重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
さらに本発明のトナーは、着色剤として磁性体を含有させ磁性トナーとすることも可能である。磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトのような酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属又はこれらの金属とアルミニウム、銅、マグネシウム、スズ、亜鉛、ベリリウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。
上記磁性体は、より好ましくは、表面改質された磁性体が好ましい。重合法により磁性トナーを調製する場合には、重合阻害のない物質である表面改質剤により、疎水化処理を施したものが好ましい。このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。これらの磁性体は個数平均粒径が2.0μm以下が好ましく、0.1μm以上0.5μm以下のものがさらに好ましい。トナー粒子中に含有させる量としては、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し、好ましくは20質量部以上200質量部以下、より好ましくは40質量部以上150質量部以下である。
また粉砕法でトナー粒子を製造するための製造方法としては、以下の例が挙げられる。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、結着樹脂、着色剤、必要に応じてその他の添加剤等を、所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、FMミキサー、ナウターミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に着色剤等を分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーのようなバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。さらに、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルのような粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(フロイント・ターボ株式会社製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)のような分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、トナー粒子を球形化してもよい。例えば、粉砕後にハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック工業社製)を用いて球形化を行う。
トナー粒子に、チタン酸金属微粒子や、必要に応じてほかの外添剤と混合することでトナーを得ることができる。トナー粒子に外添する混合機としては、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイザー(奈良機械社製)が挙げられる。
また、外添後に粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(フロイント・ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製)。
本発明のトナーは、チタン酸金属微粒子以外の他の外添剤を含んでいても構わない。特にトナーの流動性や帯電性を向上させるために、流動性向上剤を添加してもよい。
流動性向上剤としては、以下のものを用いることができる。例えば、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、それらをシラン化合物、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ等が挙げられる。
流動性向上剤は、一次粒子の個数平均粒径が5nm以上30nm以下であると、高い帯電性と流動性を持たせることができるので好ましい。
さらには、流動性向上剤としては、シリカ微粉体にシリコーンオイルまたは/かつシランカップリング剤で疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上300m2/g以下のものが好ましい。
トナー粒子100質量部に対して、流動性向上剤を総量で、0.01質量部以上3質量部以下使用することが好ましい。
本発明のトナーの各種物性の測定方法について以下に説明する。
チタン酸金属微粒子が外添されたトナーから、チタン酸金属微粒子やトナー粒子の物性を測定する場合は、トナーからチタン酸金属微粒子や他の外添剤を分離して測定することができる。トナーをメタノールに超音波分散させてチタン酸金属微粒子や他の外添剤を外して、24時間静置する。沈降したトナー粒子と上澄み液に分散したチタン酸金属微粒子や他の外添剤とを分離、回収し、十分に乾燥させることで、トナー粒子を単離することができる。また、上澄み液を遠心分離で処理することで、チタン酸金属微粒子を単離することができる。
<チタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径>
チタン酸金属微粒子の一次粒子の個数平均粒径の測定は、透過型電子顕微鏡「JEM−2800」(日本電子株式会社)を用いて行う。チタン酸金属微粒子が外添されたトナーを観察して、最大20万倍に拡大した視野において、ランダムに100個のチタン酸金属微粒子の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径を求める。観察倍率は、チタン酸金属微粒子の大きさによって適宜調整する。
外添剤がチタン酸金属微粒子であることの確認は、STEM‐EDS測定より実施する。
測定条件は以下の通りである。
JEM2800型透過電子顕微鏡:加速電圧200kV
EDS検出器:JED−2300T(日本電子、素子面積100mm2)を使用
EDSアナライザー:Noran System7(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を使用。
X線保存レート:10000〜15000cps
デッドタイム:20〜30%になるよう電子線量を調整し、EDS分析(積算回数100回or測定時間5分)を実施。
<チタン酸金属微粒子の表面における部分構造の同定>
チタン酸金属微粒子の表面における部分構造の同定は、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)によって行う。下記装置を下記条件にて使用し、チタン酸金属微粒子表層のフラグメントピークから部分構造を同定する。
・測定装置:TRIFT−IV(商品名、アルバックファイ株式会社製)
・一次イオン:Au3+
・ラスターサイズ:100μm×100μm
・中和電子銃:使用
<チタン酸金属微粒子の表面における部分構造aの存在割合>
下記装置を下記条件にて使用し、チタン酸金属微粒子の表面の元素分析を行う。
・測定装置:Quantum2000(商品名、アルバックファイ株式会社製)
・X線源:モノクロAl Kα
・Xray Setting:100μmφ(25W(15KV))
・光電子取りだし角:45度
・中和条件:中和銃とイオン銃の併用
・分析領域:300×200μm
・Pass Energy:58.70eV
・ステップサイズ:0.125eV
・解析ソフト:Maltipak(PHI社)
測定された各元素のピーク強度から、表面原子濃度(原子%)を算出した。同定したすべての部分構造について、部分構造を特定できる表面原子濃度(原子%)を特定した原子の部分構造に含まれる原子数で割った値を、その部分構造の表面における存在量とした。また、チタン酸金属微粒子原体の存在量はTiの原子濃度とした。上記より、部分構造aの存在割合は、下記式(5)で示される。
部分構造aの存在割合=部分構造aの存在量/(部分構造aの存在量+部分構造bの存在量+その他の構造1の存在量+・・・+Ti原子濃度) 式(5)
<チタン酸金属微粒子のM/Tiのモル比>
本発明に用いられるチタン酸金属微粒子のMおよびTiの含有量の測定は、蛍光X線分析装置で求めることができる。例えば、波長分散型蛍光X線分析装置Axios advanced(PANalytical社製)を用いて、PANalytical社で推奨する粉末測定専用のカップに専用フィルムを貼ったものにサンプル1gを秤量し、大気圧He雰囲気下においてFP法にてチタン酸金属微粒子におけるNaからUまでの元素を測定する。その際、検出された元素全てが酸化物であると仮定し、それらの総質量を100%として、ソフトウエアSpectraEvaluation(version 5.0L)にて総質量に対するMXOおよびTiO2の含有量(質量%)を酸化物換算値として求める。その後に、定量結果から酸素を除いた、M/Ti(質量比)を求めたのちに、各元素の原子量から、M/Ti(モル比)に換算する。
<チタン酸金属微粒子の疎水化度>
チタン酸金属微粒子の疎水化度は、粉体濡れ性試験機「WET−100P」(レスカ社製)によって測定した。
直径5cmおよび厚さ1.75mmの円筒型ガラス容器中に、フッ素樹脂コーティングされた長さ25mmおよび最大胴径8mmの紡錘型回転子を入れた。上記円筒型ガラス容器中にメタノール50体積%と水50体積%とからなる含水メタノール液70mlを入れた後、チタン酸金属微粒子0.5gを添加し、粉体濡れ性試験機にセットした。マグネティックスターラーを用いて、回転数3.3回/秒で撹拌しながら、上記粉体濡れ性試験機を通して、メタノールを0.8mL/分の速度で液中に添加した。波長780nmの光で透過率を測定し、透過率が50%に達した時のメタノールの体積百分率(=(メタノールの体積/混合物の体積)×100)により表される値を疎水化度とした。試料の疎水化度に応じて、最初のメタノールと水の体積比率は適宜調整する。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<トナーの円形度の測定方法>
本発明におけるトナーの円形度はフロー式粒子像測定装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)を用い、校正作業時の測定・解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、対物レンズとして「UPlanApro」(倍率10倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.99μm以上、39.6μm未満に限定し、平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.99μm以上、39.6μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<帯電制御樹脂のガラス転移温度(Tg)>
トナー母粒子及び樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)M−DSC(商品名:Q2000、TA−インストルメンツ社製)を用いて、下記手順にて測定する。測定する試料3mgを精秤する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲20乃至200℃の間で、昇温速度1℃/分、常温常湿下で測定を行う。このときのモジュレーション振幅±0.5℃、周波数1/minで測定する。得られるリバーシングヒートフロー曲線からガラス転移温度(Tg:℃)を計算する。Tgは、吸熱前後のベースラインと吸熱による曲線の接線との交点の中心値をTg(℃)として求めたものである。
<帯電制御樹脂の酸価>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。0.100モル/l塩酸100mlを250mlトールビーカーに取り、上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。上記0.100モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
下記に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20ml
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1ml
本試験;
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mlを加え、1時間かけて溶解する。上記電位差滴定装置を用い、上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.611]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
<帯電制御樹脂のNMR>
重合体Cに含まれる構造cの含有量は核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]を用いて行う。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
得られたスペクトルの積分値から各単量体成分のmol比を求め、これを基に重合体Cに含まれる構造cのmol%を算出する。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は何らこれに制約されるものではない。
後述する外添剤1として用いるチタン酸金属微粒子(チタン酸ストロンチウム1〜13、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カリウム)を以下のように作製し、各物性を表1に示す。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1>
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiO2として1.85モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.0とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiO2として1.88モルを採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、SrO/TiO2モル比で1.15となるよう2.16モル添加した後、TiO2濃度1.039モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、10N モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを45分間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え20分撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過・分離後、120℃の大気中で8時間乾燥した。
続いて乾燥品300gを、乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン製 ノビルタNOB−130)に投入した。処理温度30℃、回転式処理ブレード90m/secで10分間処理を行った。
さらに乾燥品にpH0.1となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した。
当該沈殿を含むスラリーを40℃に調整し、塩酸を加えpH2.5に調整した。次に、固形分に対して4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランを1時間撹拌混合した後添加し、10時間撹拌保持を続けた。5N水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し1時間撹拌を続けた後、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥しチタン酸ストロンチウム粒子1を得た。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例2>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、SrO/TiO2モル比で1.15となるよう2.16モル添加した後に調整するTiO2濃度を1.083モル/Lにした以外は同様の操作を行い、チタン酸ストロンチウム粒子2を得た。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例3>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加してSrO/TiO2モル比で0.921となるようにしたこと、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを「45分間」かけて添加するところを「80分間」かけて添加する以外は同様の操作を行い、チタン酸ストロンチウム粒子3を得た。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例4>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加してSrO/TiO2モル比で0.933となるようにしたこと、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを「45分間」かけて添加するところを「60分間」かけて添加する以外は同様の操作を行い、チタン酸ストロンチウム粒子4を得た。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例5>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、乾燥品300gを、乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン製 ノビルタNOB−130)に投入し、処理温度30℃、回転式処理ブレード90m/secで処理する時間を「10分間」から「15分間」へ変更したこと、固形分に対して加えるトリフロロプロピルトリメトキシシランの量を4.6質量%から4.0質量%に変更した以外は同様の操作を行い、チタン酸ストロンチウム粒子5を得た。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例6>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加してSrO/TiO2モル比で1.35となるようにしたこと、固形分に対して加えるトリフロロプロピルトリメトキシシランの量を4.6質量%から7.5質量%に変更した以外は同様の操作を行い、チタン酸ストロンチウム粒子6を得た。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例7>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加してSrO/TiO2モル比で1.35となるようにしたこと、固形分に対して加える「トリフロロプロピルトリメトキシシラン」を「3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン」に変更した以外は同様の操作を行い、チタン酸ストロンチウム粒子7を得た。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例8>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加してSrO/TiO2モル比で1.35となるようにしたこと、固形分に対して加える「トリフロロプロピルトリメトキシシラン」を「トリメトキシペンタフルオロフェニルシラン」に変更した以外は同様の操作を行い、チタン酸ストロンチウム粒子8を得た。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例9>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.01モル添加してSrO/TiO2モル比で1.07となるようにしたこと、固形分に対して加える4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランから、1.0質量%のイソブチルトリメトキシシランと3.0質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランにする以外は同様の操作を行い、チタン酸ストロンチウム粒子9を得た。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例10>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.01モル添加してSrO/TiO2モル比で1.07となるようにしたこと、固形分に対して加える時に4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランから、2.0質量%のイソブチルトリメトキシシランと2.0質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランにする以外は同様の操作を行い、チタン酸ストロンチウム粒子10を得た。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例11>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加してSrO/TiO2モル比で1.35となるようにしたこと、固形分に対して加える時に4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランから、7.2質量%のイソブチルトリメトキシシランと6.9質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランにする以外は同様の操作を行い、チタン酸ストロンチウム粒子11を得た。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例12>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加してSrO/TiO2モル比で1.35となるようにしたこと、固形分に対して加える時に4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランから、7.5質量%のイソブチルトリメトキシシランと6.9質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランにする以外は同様の操作を行い、チタン酸ストロンチウム粒子12を得た。
<チタン酸ストロンチウム粒子の製造例13>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を2.54モル添加してSrO/TiO2モル比で0.918となるようにしたこと、10モル/L水酸化ナトリウム水溶液440mLを「45分間」かけて添加するところを「90分間」かけて添加すること、トリフロロプロピルトリメトキシシランの量を4.6質量%から3.2質量%にする以外は同様の操作を行い、チタン酸ストロンチウム粒子13を得た。
<チタン酸カルシウム粒子の製造例1>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、塩化ストロンチウム水溶液を解膠メタチタン酸スラリーに加えるところを塩化カルシウムに変更する以外は同様の操作を行い、チタン酸カルシウム粒子を得た。
<チタン酸マグネシウム粒子の製造例1>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、塩化ストロンチウム水溶液を解膠メタチタン酸スラリーに加えるところを塩化マグネシウムに変更する以外は同様の操作を行い、チタン酸マグネシウム粒子を得た。
<チタン酸カリウム粒子の製造例1>
チタン酸ストロンチウム粒子の製造例1に対して、塩化ストロンチウム水溶液を解膠メタチタン酸スラリーに加えるところを塩化カリウムに変更する以外は同様の操作を行い、チタン酸カリウム粒子を得た。
次に外添剤1として用いるチタン酸金属微粒子以外のものとして酸化チタンの製造例について以下に述べ、物性をチタン酸金属微粒子と同じく表1に示す。
<酸化チタン粒子の製造例1>
出発原料としてTiO2相当分を50質量%含有しているイルメナイト鉱石を使用した。この原料を150℃で2時間乾燥させた後、硫酸を添加して溶解させることによって、TiOSO4の水溶液を得た。これを濃縮し、ルチル結晶を持つチタニアゾルをシードとして4.5質量部を添加した後、110℃で加水分解を行ない、不純物を含有しているTiO(OH)2のスラリーを得た。このスラリーをpH5〜6で繰り返し水洗浄を行ない、硫酸、FeSO4、不純物を十分に除去した。そして、高純度のメタチタン酸〔TiO(OH)2〕のスラリーを得た。
このスラリーを濾過し、180℃で2時間焼成した後、微粒子の凝集体がなくなるまで、繰り返しジェットミルにより解砕処理を行なった。この酸化チタンをエタノール中に分散させ、酸化チタン固形分100質量部に対して、4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランを、粒子の合一が生じないように十分に撹拌しながら滴下混合し、反応させた。さらに、十分に撹拌しながら、スラリーのpHを6.5に調整した。
これを、ろ過、乾燥した後、170℃で2時間加熱処理し、その後、酸化チタンの凝集体がなくなるまで、繰り返しジェットミルにより解砕処理を行ない、酸化チタン粒子1を得た。
<酸化チタン粒子の製造例2>
酸化チタン粒子の製造例1に対して、加水分解を行う温度を110℃から125℃に変更した以外は同様の操作を行い、酸化チタン粒子2を得た。
<酸化チタン粒子の製造例3>
酸化チタン粒子の製造例1に対して、4.6質量%のイソブチルトリメトキシシランと4.6質量%のトリフロロプロピルトリメトキシシランを添加するところを9.2質量%のイソブチルトリメトキシシランのみにした以外は同様の操作を行い、酸化チタン粒子3を得た。
Figure 2019168631
次に、トナー粒子の製造に用いる帯電制御樹脂において、重合性単量体の合成例および重合体の合成例を以下に述べ、各物性を表2に示す。
<重合性単量体N−1の合成例>
2,4−ジヒドロキシ安息香酸18gをメタノール150mLに溶解させ、炭酸カリウム36.9gを加えて65℃に加熱した。この反応液に4−(クロロメチル)スチレン18.7gとメタノール100mLの混合液を滴下し、65℃にて3時間反応させた。反応液を冷却後、濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をpH=2の水1.5Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。析出物をヘキサン洗浄後、トルエンと酢酸エチルにて再結晶することで精製し、下記構造式(6)に示す重合性単量体N−1を20.1g得た。
Figure 2019168631
<重合性単量体N−2の合成例>
(工程1)
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100gと80%硫酸1441gとを50℃に加熱混合した。この分散液にtert−ブチルアルコール144gを加えて50℃で30分間撹拌した。その後、この分散液にtert−ブチルアルコール144gを加え30分間撹拌する操作を3回行った。反応液を室温まで冷却し、氷水1kgにゆっくり注いだ。析出物を濾過、水洗し、その後、ヘキサン洗浄した。この析出物をメタノール200mLに溶解させ、水3.6Lに再沈殿させた。濾過後、80℃にて乾燥することで下記構造式(7)に示すサリチル酸中間体74.9gを得た。
Figure 2019168631
(工程2)
重合体N−1の合成例に対して、メタノール150mLに2,4−ジヒドロキシ安息香酸18gを溶解させるところを、式(7)の中間体25gに変更する以外は同様の操作を行い、下記構造式(8)に示す重合性単量体N−2を2.01g得た。
Figure 2019168631
<重合性単量体N−3の合成例>
重合性単量体N−1の合成例に対して、2,4−ジヒドロキシ安息香酸18gの代わりに2,3−ジヒドロキシ安息香酸18gに変更する以外は同様の操作を行い、下記式(9)に示す重合性単量体N−3を2.01g得た。
Figure 2019168631
<重合性単量体N−4の合成例>
重合性単量体N−1の合成例に対して、2,4−ジヒドロキシ安息香酸18gの代わりに2,6−ジヒドロキシ安息香酸18gに変更する以外は同様の操作を行い、下記式(10)に示す重合性単量体N−4を2.01g得た。
Figure 2019168631
<重合体1の合成例>
構造式(6)に示す重合性単量体N−1 9.2g、スチレン 60.1gをDMF42.0mlに溶解させ、窒素バブリングをしながら1時間撹拌した後、110℃まで加熱した。この反応液に、開始剤としてtert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート(日本油脂株式会社製、商品名パーブチルI)2.1gとトルエン42mlの混合液を滴下した。更に110℃にて4時間反応した。その後、冷却しメタノール1Lに滴下し、析出物を得た。得られた析出物をTHF120mlに溶解後、メタノール1.80Lに滴下し、白色析出物を析出させ、濾過し、減圧下90℃にて乾燥させることで、重合体1を57.6g得た。得られた重合体1のNMRと酸価を測定し、重合体単量体N−1に由来する成分の含有量を確認した。
<重合体2〜4の合成例>
原材料の仕込み量を表2のように変更した以外は重合体の製造例1と同様の操作を行い、重合体2〜4を得た。
<重合体5の合成例>
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器にキシレン200質量部を仕込み、窒素気流下で還流した。単量体として、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 6.0質量部
スチレン 72.0質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 18.0質量部
を混合し、上記反応容器に撹拌しながら滴下し10時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去し、減圧下40℃で乾燥し重合体5を得た。
<重合体6の合成例>
重合体5に対して、材料を下記のように変更する以外は同様の操作を行い、重合体6を得た。
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 6.0質量部
スチレン 78.0質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 16.0質量部
ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)5.0質量部
Figure 2019168631
<トナー粒子の製造例1>
スチレン単量体100質量部に対して、C.I.Pigment Blue15:3を19.5質量部用意した。これらを、アトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズ(140質量部)を用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、マスターバッチ分散液1を調製した。
一方、イオン交換水710質量部に0.1M−Na3PO4水溶液450質量部を投入し60℃に加温した後、1.0M−CaCl2水溶液67.7質量部を徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
・マスターバッチ分散液1 40質量部
・スチレン単量体 49.5質量部
・n−ブチルアクリレート単量体 16.5質量部
・炭化水素系ワックス 9質量部
(フィッシャートロプシュワックス、最大吸熱ピークのピーク温度=78℃、Mw=750)
・帯電制御樹脂1 0.5質量部
上記材料を65℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて均一に溶解し分散した。これに、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液7.1質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度65℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて12,000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度67℃に昇温し、重合性ビニル系単量体の重合転化率が90%に達したところで、0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して水系分散媒体のpHを9に調整した。更に昇温速度40℃/hで80℃に昇温し4時間反応させた。重合反応終了後、減圧下でトナー粒子中の残存モノマーを留去した。水系媒体を冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、6時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解した。トナー粒子を濾別し水洗を行った後、温度40℃にて48時間乾燥した。得られた乾燥品を多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で、超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して、重量平均粒径(D4)6.3μm、平均円形度0.98のシアン色のトナー粒子1を得た。
<トナー粒子の製造例2〜7>
帯電制御樹脂の種類および添加量を表3のように変更した以外は、トナー粒子の製造例1と同様の操作を行い、トナー粒子2〜7を得た。
Figure 2019168631
以下に実施例を示す。
〔実施例1〕
得られたトナー粒子1 100.0質量部に対して、外添剤1としてチタン酸金属微粒子1 0.5質量部と、流動性向上のため外添剤2として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粉体(個数平均1次粒子径:10nm、BET比表面積:170m2/g)1.5質量部をFMミキサー(FM10C;日本コークス社(株)製)で、3300r/minで12分間混合してトナー1を得た。その後目開き200μmのメッシュで篩い、表4に示すような負摩擦帯電性トナー1を得た。
得られたトナーを以下に記載の評価機で各評価を行い、その結果を表5に示した。
<評価機>
HP製レーザービームプリンタHP LaserJet Enterprise M653xを、1色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改造して評価を行った。評価紙としては、キヤノンマーケティングジャパンが販売するCS−680を用いた。トナーは所定のプロセスカートリッジに充填(充填量:320g)した。
<耐久性(1):現像スジ>
現像スジの評価は、常温常湿環境(温度25℃、相対湿度50%)で評価を行った。長期耐久試験を想定して、印字率1%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定した。このモードで、計30000枚の画出し試験を実施し、30000枚目での全黒画像において縦スジの本数を目視で以下のように確認した。
A:スジ0本。
B:スジ1本。
C:スジ2本。
D:スジ3本以上。
<耐久性(2):帯電ローラの汚染起因スジ>
帯電ローラ汚染スジの評価は、常温常湿環境(温度25℃、相対湿度50%)で評価を行った。長期耐久試験を想定して、印字率1%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定した。このモードで、計30000枚の画出し試験を実施し、電子写真用ローラ上のクリーニングをすり抜けたトナー起因のスジの本数を測定した。
A:スジ0本。
B:スジ1〜2本。
C:スジ3〜4本。
D:スジ5本以上。
<帯電安定性(1):規制不良>
規制不良の評価は、チャージアップに厳しい低温低湿環境(温度15℃、相対湿度10%)で評価を行った。長期耐久試験を想定して、印字率1%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定した。上記のモードで、計32000枚の画出し試験を実施し、500枚ごとに32000枚目までに目視によって画像を確認した。トナー規制部材とトナー担持体の規制が不良で、トナー担持体上に規制しきれなかったトナーによって画像にムラが出るまでの枚数によって以下のように評価した。
A:発生なし。
B:31001枚から32000枚目で発生。
C:30001枚から31000枚目で発生。
D:30000枚目までで発生。
<帯電安定性(2):放置カブリ>
放置カブリの評価は、帯電の立ち上がり性が不利な高温高湿環境(温度30℃、相対湿度80%)で評価を行った。まず初期に、中央下あたりにポストイットを張った評価紙に対して全白画像を印刷し、ポストイットで隠れていた部分とそうでない部分の濃度差を初期のカブリの値とした。長期耐久試験を想定して、印字率1%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定した。このモードで、計20000枚の画出し試験を実施し、20000枚の画出しが終わった直後から72時間、マシンの電源を切り、現像器をマシンの中に放置した。放置後、再びマシンの電源を入れ、初期のカブリと同様の画像を印刷し、濃度差を放置カブリの値とした。反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電色社製)を用い、フィルターにはアンバーライトフィルターを用いた。評価基準は以下のように設定した。
A:2.0未満
B:2.0以上3.0未満
C:3.0以上4.0未満
D:4.0以上
〔実施例2〜20、比較例1〜4〕
トナー1の製造例から、トナー粒子の種類と外添剤の種類および添加量を表4のように変更した以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー2〜25を得た。
実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表5に示す。
Figure 2019168631
Figure 2019168631

Claims (9)

  1. 結着樹脂、着色剤及び帯電制御樹脂を含有するトナー粒子と、該トナー粒子の表面に存在するチタン酸金属微粒子とを有するトナーであって、
    該帯電制御樹脂はイオン性官能基として式(1)に示す構造を有し、
    Figure 2019168631
    (式(1)中、R1は、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシル基を示し、nは0以上3以下の整数を示し、nが2または3の場合、R1はそれぞれ独立して選択でき、*は重合体における結合部位である。)
    該チタン酸金属微粒子は、
    (i)一次粒子の個数平均粒径が10nm以上140nm以下であり、
    (ii)チタン酸金属微粒子の表面に、下記式(2)で表される部分構造aを有する粒子であり、
    2−Si−O3/2 式(2)
    (式(2)中、R2は末端にハメットの置換基定数σm(メタ)が0.25以上である置換基を持つ官能基である。)
    X線光電子分光法(ESCA)を用いて測定される該チタン酸金属微粒子の表面における該部分構造aの存在割合が、0.110以上0.220以下であることを特徴とするトナー。
  2. 該R2が末端に持つ置換基が、CF3である請求項1に記載のトナー。
  3. 該チタン酸金属微粒子は、さらに下記式(3)で表される部分構造bを有する粒子である請求項1又は2に記載のトナー。
    3−Si−O3/2 式(3)
    (式(3)中、R3はアルキル基である。)
  4. 該チタン酸金属微粒子は、メタノール濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度が30.0%以上60.0%以下である請求項1から3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 該チタン酸金属微粒子は、一次粒子の個数平均粒径が10nm以上80nm以下である請求項1から4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 該チタン酸金属微粒子は、チタン以外の金属をMと表記したとき、チタン酸金属微粒子のM/Tiモル比が、0.70以上0.90以下である請求項1から5のいずれか1項に記載のトナー。
  7. 該チタン酸金属粒子は、チタン酸ストロンチウムである請求項1から6のいずれか1項に記載のトナー。
  8. 該トナー粒子100.0質量部に対して、該チタン酸金属微粒子を0.05質量部以上2.00質量部以下含有する請求項1から7のいずれか1項に記載のトナー。
  9. 該結着樹脂100.0質量部に対して、該帯電制御樹脂を0.05質量部以上5.00質量部以下含有する請求項1から8のいずれか1項に記載のトナー。
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