JP2019167408A - 硬化性樹脂組成物、およびそれを用いた発光ダイオード用パッケージ基板 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、およびそれを用いた発光ダイオード用パッケージ基板 Download PDF

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Abstract

【課題】高耐熱性を有しながらも基板の反りを低く抑えることが可能な硬化性樹脂組成物用を提供することであり、該組成物を用いたリードフレーム基板を用いることによって、生産効率が優れた発光ダイオードを提供すること。【解決手段】(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)SiH基を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)酸化チタン、(E)シリカ、(F)アスペクト比が2以上1,000未満である無機フィラーを含有し、(D)成分の含有量が全硬化性組成物中5〜40重量%であり、(E)成分の含有量が全硬化性組成物中30〜90重量%であり、(F)成分の含有量が全硬化性組成物中1〜30重量%であり、(F)の(E)に対する重量比(F)/(E)が0.03〜0.33である硬化性樹脂組成物により上記課題を解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物に関する。
従来、半導体には種々のパッケージを有するタイプのものが提案されている。特にこれらの内でパッケージに耐光性が要求されるものとして、半導体が発光ダイオードであるものが挙げられる。
従来、発光ダイオードとしてはパッケージを用いた表面実装タイプのものが製造されているが、そのパッケージ用材料としては、セラミック、ポリアミド樹脂あるいはポリエステル樹脂等が主として用いられている(例えば、特許文献1)。
ところが、セラミックは成型加工性に優れないことから、一般に工業的な適用性が狭くなる。また、発光ダイオードの製造にはパッケージ内にエポキシ樹脂等の封止剤(モールド材)を充填することが一般的であるが、その場合、セラミックとエポキシ樹脂等の封止剤との熱膨張係数の差が大きいため、熱応力等により封止剤にクラックが発生して発光ダイオードの信頼性を低下させるという問題もある。
ポリアミド樹脂をパッケージ用材料として用いた場合には、ポリアミド樹脂は耐光劣化により着色するという問題があるため長期使用するとパッケージ表面での反射率が低下して発光ダイオードの輝度が低下するといった問題がある。また、ポリアミド樹脂の耐光劣化のため封止剤との接着性が低下して、発光ダイオードの信頼性を低下させるという問題もある。
ポリエステル樹脂をパッケージ用材料として用いた場合には、耐熱性が十分でないために耐はんだリフロー性に乏しく、工業的な適用性に制限があるという問題がある。
これらの課題に対して、近年、耐熱性が高い、ヒドロシリル化反応によって硬化する樹脂の半導体パッケージ用への適用が開示されている(例えば、特許文献2)。
このような高耐熱性の樹脂組成物は、例えば高出力パッケージとして用いられるフリップチップ実装において、Au−Snはんだ実装に必要な高温のリフロー環境にも耐えることが出来るため、好適に用いることが出来る。ただ、そのような高温下の工程では、発光ダイオードの基板上に成形された樹脂組成物と基板材料との熱膨張差が大きくなる関係で、トランスファー成形によって製造されるパッケージ基板に反りが発生し、発光ダイオードの実装プロセスにおいて生産性が悪化したり歩留まりが低下したりする点で更なる改善の余地があった。
特開2007−227925 特許5021151号
高耐熱性を有する樹脂組成物であり、かつその樹脂を用いて成形される発光ダイオード用パッケージ基板の反りを抑制することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)SiH基を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)酸化チタン、(E)シリカ、(F)アスペクト比が2以上1,000未満である無機フィラーを含有し、
(D)成分の含有量が全硬化性組成物中5〜40重量%であり、(E)成分の含有量が全硬化性組成物中30〜90重量%であり、(F)成分の含有量が全硬化性組成物中1〜30重量%であり、(F)の(E)に対する重量比(F)/(E)が0.03〜0.33であることを特徴とする硬化性樹脂組成物を用いることで上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下の構成を有するものである。
(1).(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)SiH基を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)酸化チタン、(E)シリカ、(F)アスペクト比が2以上1,000未満である無機フィラーを含有し、
(D)成分の含有量が全硬化性組成物中5〜40重量%であり、(E)成分の含有量が全硬化性組成物中30〜90重量%であり、(F)成分の含有量が全硬化性組成物中1〜30重量%であり、(F)の(E)に対する重量比(F)/(E)が0.03〜0.33であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
(2).(F)成分がガラス繊維、チタン酸カリウムまたはウォラストナイトを主成分とすることを特徴とする(1)に記載の硬化性樹脂組成物。
(3).(F)成分がウォラストナイトを主成分とすることを特徴とする(1)または(2)に記載の硬化性樹脂組成物。
(4).(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなり、波長480nmにおける分光反射率が90%以上であることを特徴とする成形体。
(5).(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を用いて成形体からなることを特徴とするリードフレーム基板。
本発明の硬化性樹脂組成物を用いることにより、高耐熱性を有し、反りが低減された半導体パッケージ基板を得ることができる。
発明に係るモールドアレイパッケージ(MAP)タイプ半導体パッケージ基板の構成を模式的に示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)SiH基を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)酸化チタン、(E)シリカ、(F)アスペクト比が2以上1,000未満である無機フィラーを含有し、(D)成分の含有量が全硬化性組成物中5〜40重量%であり、(E)成分の含有量が全硬化性組成物中30〜90重量%であり、(F)成分の含有量が全硬化性組成物中1〜30重量%であり、(F)の(E)に対する重量比(F)/(E)が0.03〜0.33であることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
以下、各成分について説明する。
((A)成分)
(A)成分はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物であって、室温下において固体状態であり、後述する(B)成分と相溶しないのであれば特に限定されない。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物としては、特開2000−265067に代表されるような(メタ)アクリル酸エステル系化合物、特開2006−36973に代表されるイソシアヌレート化合物系及びそのプレポリマー、分子末端にアルケニル基を有するポリシロキサン等を用いることが出来るが、強度の観点から、下記一般式(1)
Figure 2019167408
(式中R1は炭素数1〜50の一価の有機基または水素原子を表し、それぞれのR1は異なっていても同一であってもよい。)で表される有機化合物が好ましい。これらSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物は単独で使用しても2種類以上を併用しても構わない。
上記、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物としては、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートを用いることがより好ましく、基材に対する接着性の観点からジアリルモノグリシジルイソシアヌレートがさらに好ましい。
本発明における(A)成分は、得られる硬化物の強度や、耐熱性、耐光性等の観点から、1分子中にアルケニル基を平均して2個以上含有していることが好ましく、より好ましくは2個含有することが好ましい。他の成分との相溶性の観点から、数平均分子量900未満であることが好ましい。
(A)成分の量としては、(A)成分および後述する(B)成分、(G)成分の合計の重量に対して(A)成分の重量が10重量%以上であることが好ましく、12.5重量%以上であることがより好ましく、15重量%以上であることがさらに好ましい。
本発明においては、(A)成分以外に炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する有機化合物を用いてもよい。このような有機化合物を用いることによって、組成物の架橋反応を抑制できるため、組成物の硬化物の強度やこの組成物を用いて作製される発光ダイオードパッケージ基板の反りを抑制することが可能となる。このような有機化合物としては特に限定はないが、具体的な例としては、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−ウンデセン、出光石油化学社製リニアレン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン等のような鎖状脂肪族炭化水素系化合物類、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、メチレンシクロヘキサン、ノルボルニレン、エチリデンシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、カンフェン、カレン、αピネン、βピネン等のような環状脂肪族炭化水素系化合物類、スチレン、αメチルスチレン、インデン、フェニルアセチレン、4−エチニルトルエン、アリルベンゼン、4−フェニル−1−ブテン等のような芳香族炭化水素系化合物、アルキルアリルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、グリセリンモノアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン等の脂肪族系化合物類、1,2−ジメトキシ−4−アリルベンゼン、o−アリルフェノール等の芳香族系化合物類、モノアリルジベンジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等の置換イソシアヌレート類、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェニルシラン等のシリコン化合物等が挙げられる。さらに、片末端アリル化ポリエチレンオキサイド、片末端アリル化ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル系樹脂、片末端アリル化ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、片末端アリル化ポリブチルアクリレート、片末端アリル化ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、等の片末端にビニル基を有するポリマーあるいはオリゴマー類等も挙げることができる。
((B)成分)
(B)成分は1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物であれば特に制限は無く、例えば国際公開WO96/15194に記載される化合物で、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するもの等が使用できる。
これらのうち、入手性の面からは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状オルガノポリシロキサンが好ましく、(A)成分との相溶性が良いという観点からは、さらに、下記一般式(2)
Figure 2019167408
(式中、R1は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
一般式(2)で表される化合物中の置換基R1は、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
一般式(2)で表される化合物としては、入手容易性の観点からは、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
(B)成分は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
(B)成分の含有量としては、(A)成分および(B)成分、後述の(G)成分の合計重量に対して(A)成分の重量が10重量%以上であることが好ましく、12.5重量%以上であることがより好ましく、15重量%以上であることがさらに好ましい。
((B)成分の好ましい構造)
(B)成分の揮発性が低くなり得られる硬化性樹脂組成物からのアウトガスの問題が生じ難いという観点及び該組成物から得られる硬化物に実用的な強度・靭性を与えるという観点から、揮発性が実質上なく、シロキサン骨格に加えて有機化合物由来の骨格が導入された成分を有することが、シロキサン骨格だけから構成される化合物よりも好ましい。該化合物の製造法は限定されないが(B)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個以上含有する有機化合物(α)と、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物(β)を、ヒドロシリル化反応して得ることができる化合物であることが好ましい。
((α)成分)
ここで(α)成分は上記した(A)成分の説明の中で示したSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する化合物と同じもの(α1)も用いることができる。(α1)成分を用いると得られる硬化物の架橋密度が高くなり力学強度が高い硬化物となりやすい。
その他、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物(α2)も用いることができる。(α2)成分としては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物であれば特に限定されない。
(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。(α2)成分の具体的な例としては、前述した(A)成分以外に炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する有機化合物などが挙げられる。
(α2)成分の構造は線状でも枝分かれ状でもよく、分子量は特に制約はなく種々のものを用いることができる。分子量分布も特に制限ないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
(α2)成分のガラス転位温度が存在する場合はこれについても特に限定はなく種々のものが用いられるが、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、ガラス点移転温度は100℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることがさらに好ましい。好ましい樹脂の例としてはポリブチルアクリレート樹脂等が挙げられる。逆に得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、ガラス転位温度は100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることがさらに好ましく、170℃以上であることが最も好ましい。ガラス転位温度は動的粘弾性測定においてtanδが極大を示す温度として求めることができる。
(α2)成分としては、得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、炭化水素化合物であることが好ましい。この場合好ましい炭素数の下限は7であり、好ましい炭素数の上限は10である。
(α2)成分としてはその他の反応性基を有していてもよい。この場合の反応性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。これらの官能基を有している場合には得られる硬化性樹脂組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、これらの官能基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。具体的にはモノアリルジグリシジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、アリロキシエチルメタクリレート、アリロキシエチルアクリレート、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記のような(α1)成分あるいは/および(α2)成分としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
((β)成分)
(β)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物であり、鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンもその例である。
具体的には、例えば
Figure 2019167408
Figure 2019167408
が挙げられる。
ここで、(α)成分との相溶性が良くなりやすいという観点から、下記一般式(3)
Figure 2019167408
(式中、R1は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンが好ましい。
上記一般式(3)で表される化合物中の置換基R1は、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
入手容易性等から、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
(β)成分のその他の例として、ビスジメチルシリルベンゼンなどのSiH基を有する化合物をあげることができる。
上記したような各種(β)成分は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
((α)成分と(β)成分の反応)
次に、本発明の(B)成分として、(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物を用いる場合の、(α)成分と(β)成分とのヒドロシリル化反応に関して説明する。
尚、(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応すると、本発明の(B)成分を含む複数の化合物の混合物が得られることがあるが、そこから(B)成分を分離することなく混合物のままで用いて本発明の硬化性樹脂組成物を作製することもできる。
(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合の(α)成分と(β)成分の混合比率は、特に限定されないが、得られる(B)成分と(A)成分とのヒドロシリル化による硬化物の強度を考えた場合、(B)成分のSiH基が多い方が好ましいため、一般に混合する(α)成分中のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の総数(X)と、混合する(β)成分中のSiH基の総数(Y)との比が、Y/X≧2であることが好ましく、Y/X≧3であることがより好ましい。また(B)成分の(A)成分との相溶性がよくなりやすいという点からは、10≧Y/Xであることが好ましく、5≧Y/Xであることがより好ましい。
(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合には適当な触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば次のようなものを用いることができる。白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH22(PPh32、Pt(CH2=CH22Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)34、Pt[P(OBu)34)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。更に、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性樹脂組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましい添加量の下限は、(β)成分のSiH基1モルに対して10-8モル、より好ましくは10-6モルであり、好ましい添加量の上限は(β)成分のSiH基1モルに対して10-1モル、より好ましくは10-2モルである。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレート等の1,2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10-2モル、より好ましくは10-1モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは10モルである。
反応させる場合の(α)成分、(β)成分、触媒の混合の方法としては、各種方法をとることができるが、(α)成分に触媒を混合したものを、(β)成分に混合する方法が好ましい。(α)成分、(β)成分の混合物に触媒を混合する方法だと反応の制御が困難である。(β)成分と触媒を混合したものに(α)成分を混合する方法をとる場合は、触媒の存在下(β)成分が混入している水分と反応性を有するため、変質することがある。
反応温度としては種々設定できるが、この場合好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと実用的でない。反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。
ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用してもよい。使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量も適宜設定できる。
その他、反応性を制御する目的等のために種々の添加剤を用いてもよい。
(α)成分と(β)成分を反応させた後に、溶媒あるいは/および未反応の(α)成分あるいは/および(β)成分を除去することもできる。これらの揮発分を除去することにより、得られる(B)成分が揮発分を有さないため(A−1)成分との硬化の場合に揮発分の揮発によるボイド、クラックの問題が生じにくい。除去する方法としては例えば、減圧脱揮の他、活性炭、ケイ酸アルミニウム、シリカゲル等による処理等が挙げられる。減圧脱揮する場合には低温で処理することが好ましい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であり、より好ましくは60℃である。高温で処理すると増粘等の変質を伴いやすい。
以上のような、(α)成分と(β)成分の反応物である(B)成分の例としては、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビニルシクロヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、アリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、αメチルスチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビニルノルボルネンとビスジメチルシリルベンゼンとの反応物等を挙げることができる。
((C)成分)
ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH22(PPh32、Pt(CH2=CH22Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)34、Pt[P(OBu)34)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号および3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性樹脂組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましい添加量の下限は、(A−2)成分のSiH基1モルに対して10-8モル、より好ましくは10-6モルであり、好ましい添加量の上限は(A−2)成分のSiH基1モルに対して10-1モル、より好ましくは10-2モルである。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレート等の1,2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10-2モル、より好ましくは10-1モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは10モルである。
((D)成分)
(D)成分は酸化チタンであり、組成物の反射率を向上させる効果を有する。酸化チタンの種類としては特に限定はなく、ルチル型、アナターゼ型、ブルカイト型などを用いることが出来るが安定性の観点でルチル型を用いることが好ましい。平均粒径としても種々のものが用いられるが、得られる硬化物の光線反射率が高くなりやすく、また硬化性樹脂組成物タブレットがより硬くなるという観点から、1.0μm以下のものが好ましく、0.30μm以下のものがより好ましく、0.25μm以下のものが最も好ましい。
一方、硬化性樹脂組成物の流動性が高いという点では、0.05μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布計を用いて測定することができる。
酸化チタンの製造方法としては、硫酸法、塩素法などいずれの方法により製造されたものも使用できる。
酸化チタンは表面処理が施されていても良く、表面に無機化合物、有機化合物から選ばれる少なくとも1種を被覆する。無機化合物としては、例えば、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、スズ化合物、チタニウム化合物、アンチモン化合物等が挙げられ、また、有機化合物としては、多価アルコール、アルカノールアミン又はその誘導体、有機シロキサン等の有機ケイ素化合物、高級脂肪酸又はその金属塩、有機金属化合物等が挙げられる。
酸化チタンの表面に無機化合物や有機化合物を被覆する場合は、湿式法や乾式法の公知の方法を用いて、例えば酸化チタンの乾式粉砕の際、スラリー化した際あるいは湿式粉砕した際に行うことができる。他にも、液相法、気相法等、種々の方法が挙げられる。
これらのなかでは、得られる硬化物の光線反射率が高く、耐熱耐光性が良好になることから有機シロキサン処理で処理されていることが好ましい。また、有機シロキサン処理された酸化チタンを含有させることは、光取り出し効率が高く、長期間使用しても光取り出し効率が低下しない優良な発光ダイオードを作製する観点で好ましい。
また、無機化合物により表面処理されていてもよく、例えばアルミニウム化合物、ケイ素化合物、ジルコニウム化合物、等種々の表面処理を用いることが可能である。酸化チタンは、耐久性向上、媒体との親和性向上のため、あるいは、粒子形状の崩れを防止するなどの目的で無機化合物、有機化合物で表面処理する場合があるが、酸化チタンを無機化合物で表面処理することで、硬化性樹脂組成物に含まれる成分との親和性が向上し、硬化性樹脂組成物に対する分散性が良くなり硬化物の強度が向上すると考えられる。
表面処理の方法としても各種方法を適用することができ、湿式法、乾式法、液相法、気相法等、種々の方法が例示できる。
(D)成分の含有量は、全硬化性樹脂組成物中5〜40重量%である。反射率を高め、さらに組成物の生産性の点から7〜38重量%であることが好ましく、10〜35重量%であることがより好ましい。5重量%未満の場合は、本発明における発光ダイオードパッケージ基板の反射率が低くなるため、発光特性が低下する可能性がある。また40重量%を超えると樹脂を著しく吸収して混合が困難となり、樹脂組成物の生産性が低下するため好ましくない。
((E)成分)
(E)成分は、シリカであり、0〜1000℃の温度範囲において、熱膨張係数が0.45〜0.60×10-6/℃の無機フィラーである。
シリカの形状や大きさについては特に限定はなく、例えば、石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系無機充填材を例示することができる。
シリカの形状としては、破砕状、片状、球状、棒状等、各種のものが用いられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(E)成分の含有量は全硬化性組成物中30〜90重量%である。30重量%より少ないと、組成物における(A)成分や(B)成分の比率が相対的に増加して熱膨張係数が高くなり、パッケージ基板の反りが大きくなるため好ましくない。また90重量%を超えると、組成物を混合する際に、(A)成分および(B)成分の分散性が悪化することや、組成物の成形性が悪くなるため好ましくない。(E)成分の含有量は全硬化性組成物中35〜85重量%であることが好ましく、40〜80重量%であることがより好ましい。
シリカは適宜表面処理してもよい。表面処理としては、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理、カップリング剤による処理等が挙げられる。 この場合のカップリング剤の例としては、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
シリカの中では、成形性、電気特性等の物性バランスがよいという点において溶融シリカが好ましく、パッケージの熱伝導性が高くなり易く放熱性の高いパッケージ設計が可能になるという点においては結晶性シリカが好ましい。シリカの平均粒径や粒径分布としては、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、特に限定なく各種のものが用いられるが、通常用いられる平均粒径の下限は0.1μm、流動性が良好になりやすいという点から好ましくは0.5μmであり、通常用いられる平均粒径の上限は120μm、流動性が良好になりやすいという点から好ましくは60μm、より好ましくは15μmである。
シリカの比表面積についても、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、各種設定できる。
本発明の樹脂組成物においては、(E)成分以外にもさらに無機充填材を用いることが可能である。無機充填材としては各種のものが用いられるが、アルミナ、ジルコン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミ、炭化ケイ素、無機バルーン、銀粉等の無機充填材をはじめとして、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として一般に使用あるいは/および提案されている無機充填材等を挙げることができる。これらの無機充填材としては、半導体素子へダメージを与え難いという観点からは、低放射線性であることが好ましい。
((F)成分)
(F)成分は、アスペクト比が2以上1,000未満の(D)成分や(E)成分とは異なる無機フィラーであり、パッケージ基板の反りを低減する効果を有する。ここで言うアスペクト比とは、(長軸部の長さ)/(短軸断面長さ)から計算される。アスペクト比は2未満の場合、反りの低減効果が小さいため好ましくなく、1,000以上である場合は、樹脂の流動性が悪化するため好ましくない。さらに好ましくは、アスペクト比が3以上500未満である。
(F)成分の量は、全硬化性樹脂組成物中1〜30重量%である。パッケージ基板反りの効果をより発揮する観点から(F)成分の量は、全硬化性樹脂組成物中2〜20重量%であることが好ましくは、3〜15重量%であることがより好ましい。
(F)成分が1重量%未満である場合は、本発明におけるパッケージ基板の反り低減の効果を好適に発現できない場合があり、30重量%を超える場合は、成形時の樹脂の流動性が悪化する恐れがある。
(F)成分の形状としては、楕円状、鱗片状、棒状、ロッド状、ウィスカ状、繊維状など多くの形態を用いることが可能であるが、反りを低減し、流動性や反射率などの品質を維持する上では棒状、ウィスカ状、繊維状が好ましい。
(F)成分の構成成分としては特に限定はなく、例えばガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、黒鉛、カーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ベントナイト、カオリナイト、ゾノトライトなどを用いることが出来る。これらの中では高反射性を得る観点から、ガラス繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、ウォラストナイトが好ましく用いることができ、ガラス繊維、チタン酸カリウム、ウォラストナイトがより好ましく用いることができ、特にウォラストナイトが好ましく用いることができる。これらの構成成分は単独で用いてもよく、複数で用いてもよい。
(E)成分のシリカは、硬化性樹脂組成物の熱膨張係数を下げるために組成物に添加するものである。通常、シリカなどの低熱膨張性フィラーの含有量が増加するに従い、硬化性樹脂組成物全体の熱膨張係数が低下し、パッケージ基板成形体を作製した場合その基板の反りが低減するが、(F)成分の(E)成分に対する重量の比である(F)/(E)は0.03〜0.33である。この範囲においては、硬化性樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数は変化しない、または増加するが、基板の反りは低減し、一般的な傾向とは異なることを見出した。基板の反りの低減効果が高いという観点では、(F)/(E)が、0.05〜0.28であることが好ましく、0.1〜0.25であることが更に好ましい。
さらにこの範囲では成形性についても問題がない。なお、ガラス繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウム、ウォラストナイト等の熱膨張係数は2〜8×10-6/℃程度である。
(D)成分、(E)成分、(F)成分の合計重量は、全硬化性樹脂組成物中36〜95重量%であり、好ましくは40〜90重量%、さらに好ましくは50〜85重量%である。
((G)成分:SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも1個含有する分子量が1000以上のシリコーン化合物)
本発明の樹脂組成物として、さらに(G)成分として、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも1個含有する分子量が1000以上のシリコーン化合物を添加してもよい。(G)成分は、実質的にSi−O−Si結合からなるシロキサン骨格で構成されるシリコーン化合物であり、一般の有機系高分子を用いる場合と比較して、耐熱性、耐光性に優れた硬化物を得ることができる。さらに、(G)成分を用いることにより無機充填材と混合した場合に、より小さな熱膨張係数を有しながら、靭性に優れた硬化物を与える硬化性樹脂組成物とすることができ、よりパッケージ基板の反りの低下を抑制することができる。
(G)成分のシリコーン化合物は、実質的にその骨格がSi−O−Si結合で形成されている化合物であり、直鎖状、環状、分枝状、部分ネットワークを有するもの等種々のものを用いることができる。
この場合、骨格に結合した置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基、水酸基等の基を挙げることができる。これらのうち、耐熱性が高くなりやすいという点においては、メチル基、フェニル基、水酸基、メトキシ基が好ましく、メチル基、フェニル基がより好ましい。また、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を有する置換基としては、ビニル基、アリル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシプロピル基、メタクリロキシプロピル基等を挙げることができるが、これらのうち反応性がよいという点においては、ビニル基が好ましい。
(G)成分の例としては次の式で表すことができるものであってもよい。
n(CH2=CH)mSiO(4-n-m)/2
(式中、Rは水酸基、メチル基あるいはフェニル基から選ばれる基であり、n、mは0≦n<4、0<m≦4、0<n+m≦4を満たす数)であらわされる分子量1000以上のシリコーン化合物である。
(G)成分の例としては、末端基あるいは側鎖基としてビニル基を有するポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンやこれら2種あるいは3種のランダムあるいはブロック共重合体、などを挙げることができる。(G)成分としては複数のものを混合して用いてもよい。
これらの内、反り抑制効果がより得られやすいという点においては、ビニル基を末端に有する直鎖状ポリシロキサンが好ましく、ビニル基を両末端に有する直鎖状ポリシロキサンがより好ましく、両末端にビニル基を有する直鎖状ポリジメチル−ポリジフェニルシロキサンあるいは直鎖状ポリメチルフェニルシロキサンがさらに好ましく、両末端にビニル基を有する直鎖状ポリジメチル−ポリジフェニルシロキサンあるいは直鎖状ポリメチルフェニルシロキサンであって、全置換基に対するフェニル基の量が10モル%以上であるシロキサンであることが特に好ましい。
(G)成分の分子量としては、重量平均分子量(Mw)が2,000以上であることが好ましく、5,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることがさらに好ましい。分子量が高い場合にはさらに得られる硬化物が低応力となりやすい。また、(G)成分の分子量としては1,000,000以下であることが好ましく、100,000以下であることがより好ましい。分子量が大きい場合には(A)成分、(B)成分との相溶性が得られにくくなる。
(G)成分の量としては、(A)成分および(B)成分の合計の重量に対する(G)成分の重量が30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることがさらに好ましい。
(A)成分、(B)成分、(G)成分の混合比率は、必要な強度を失わない限りは特に限定されないが、(B)成分中のSiH基の数(Y)の(A)成分および(G)成分中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数(X)に対する比において、好ましい範囲の下限はY/X≧0.3、より好ましくはY/X≧0.5、さらに好ましくはY/X≧0.7であり、好ましい範囲の上限は3≧Y/X、より好ましくは2≧Y/X、さらに好ましくは1.5≧Y/Xである。好ましい範囲からはずれた場合には十分な強度が得られなかったり、熱劣化しやすくなる場合がある。
(その他添加剤)
本発明においては、必要に応じて以下に示す各種添加剤を使用することができる。
(硬化遅延剤)
本発明の硬化性樹脂組成物の保存安定性を改良する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらを併用してもかまわない。
脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、3−ヒドロキシ−3−フェニル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のプロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、ジメチルマレート等のマレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
これらのヒドロシリル化硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノールが好ましい。
ヒドロシリル化硬化遅延剤の添加量は種々設定できるが、使用するヒドロシリル化触媒1molに対する好ましい添加量の下限は10-1モル、より好ましくは1モルであり、好ましい添加量の上限は103モル、より好ましくは50モルである。
また、これらのヒドロシリル化硬化遅延剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(老化防止剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、ヒンダートフェノール系等一般に用いられている老化防止剤の他、クエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。
ヒンダートフェノール系老化防止剤としては、BASF社から入手できるIrganox1010をはじめとして、各種のものが用いられる。
硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。また、これらの老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本発明における樹脂組成物の各成分を混合する手段としては、従来エポキシ樹脂等に用いられおよび/または提案されている種々の手段を用いることができる。例えば、2本ロールまたは3本ロール、遊星式撹拌脱泡装置、ホモジナイザー、ディゾルバー、プラネタリーミキサー等の撹拌機、プラストミル等の溶融混練機等が挙げられる。これらのうち、高充填であっても無機充填材の十分な分散性が得られやすいという点においては、3本ロール、溶融混練機が好ましい。無機充填材の混合は、常温で行ってもよいし加熱して行ってもよい。また、常圧下に行ってもよいし減圧状態で行ってもよい。高充填であっても無機充填材の十分な分散性が得られやすいという点においては、加熱状態で混合することが好ましく、無機充填材表面の塗れ性を向上し十分な分散性が得られやすいという点においては減圧状態で混合することが好ましい。
(硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とするタブレット)
本発明における硬化性樹脂組成物は、各種成形のためにタブレットとして使用することもできる。タブレットの形状は、特に限定されず、円柱状、角柱状、円盤状、球状などの形状を含むが、トランスファー成形に一般的な円柱状が好ましい。
(硬化性樹脂組成物を硬化してなる成形体)
本発明における硬化性樹脂組成物を用いて、成形体を作成することができる。成形方法としては、特に限定されず、硬化性樹脂組成物の成形方法として一般的なトランスファー成形や圧縮成形などの方法を用いることができる。本発明における硬化性樹脂組成物を硬化してなる成形体は、その480nmにおける分光反射率が90%以上であり、180℃24時間の耐熱試験後の分光反射率の保持率(耐熱試験後の分光反射率/初期の分光反射率×100)が90%以上であることが望ましい。
硬化物の分光反射率の測定方法については、例えば分光光度計を用いて測定することができる。
(発光ダイオード用パッケージ)
本発明における硬化性樹脂組成物を基板と共に成形して、発光ダイオード用パッケージを作製することができる。
形状については特定されないが、基板構造が実質的に金属の片面に樹脂が成形されている形状を有する場合(例えばMAPタイプ)において特に本発明の効果が得られやすい。
尚、上記のように本発明の発光ダイオード用パッケージが発光素子を直接被覆しないような場合などにおいては、さらに封止剤を用いて封止することもでき、例えば従来用いられるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等の封止樹脂を用いることができる。また、特開2002−80733、特開2002−88244で提案されているような、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する脂肪族系有機化合物、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物、およびヒドロシリル化触媒を含有する硬化性樹脂組成物からなる封止剤を用いてもよく、この封止剤を用いる方が、パッケージ樹脂との接着性が高いという点、および透明性が高く本発明のパッケージの耐光性が高いという効果が顕著であるという点において、好ましい。一方、樹脂封止を用いず、ガラス等でカバーしてハーメチック封止により封止することも可能である。
また発光ダイオードや受光素子の場合などにおいてはさらにレンズを適用することも可能であり、封止剤をレンズ形状に成形してレンズ機能を持たせることも可能である。
(成形方法)
本発明で言う半導体パッケージの成形方法としては各種の方法が用いられる。例えば、射出成形、トランスファー成形、RIM成形、キャスティング成形、プレス成形、コンプレッション成形等、熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂に一般に用いられる各種成形方法が用いられる。これらの内、成形サイクルが短く成形性が良好であるという点においてはトランスファー成形が好ましい。成形条件も任意に設定可能であり、例えば成形温度についても任意であるが、硬化が速く成形サイクルが短く成形性が良好になりやすいという点においては100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上の温度が好ましい。上記のような各種方法によって成形した後、必要に応じて後硬化(アフターキュア)することも任意である。後硬化した方が耐熱性が高くなり易い。
成形は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温度を上昇させながら反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において好ましい。また、一定温度で行う方が成形サイクルを短くできるという点において好ましい。
硬化時間も種々設定できるが、高温短時間で反応させるより、比較的低温長時間で反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において好ましい。逆に、高温短時間で反応させる方が成形サイクルを短くできるという点において好ましい。
成形時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で成形することもできる。ボイドの発生を抑制したり、充填性をよくしたり、場合によって発生する揮発分を除きやすいという点においては、減圧状態で硬化させることが好ましい。成形体へのクラックを防止できるという点においては、加圧状態で硬化させることが好ましい。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
(製造例1)
5Lの四つ口フラスコに、攪拌装置、滴下漏斗、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン1800g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1440gを入れ、120℃のオイルバス中で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート200g、トルエン200g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44mlの混合液を50分かけて滴下した。得られた溶液をそのまま6時間加温、攪拌した後、未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及びトルエンを減圧留去した。1H−NMRの測定によりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応した以下の構造を有することがわかった。
Figure 2019167408
(硬化性樹脂組成物の作製)
表1に示す通り、実施例及び比較例の硬化性樹脂組成物を混合して作製した。(A)成分としては、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(四国化成製)を使用した。(B)成分としては、製造例1で得られた反応物を使用した。(C)成分としては、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)(D)成分としては、酸化チタンPFC−107(石原産業製)を使用した。(E)成分としてはシリカFB−9454FC(デンカ製)、(F)成分としては、ウォラストナイトとしてKAP−150(関西マテック製)、チタン酸カリウムとしてティスモD(大塚化学製)、ガラス繊維としてPFE−001(日東紡績製)を使用した。さらに(G)成分として、両末端ビニルポリメチルフェニルシロキサン共重合体(フェニル基:メチル基=3:7、数平均分子量15,000)を使用した。その他の成分としては、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート(四国化成製)、1−エチニルシクロヘキサン−1−オール(アルドリッチ製)、Irganox1010(BASF製)、ステアリン酸カルシウム(堺化学工業製)を使用した。
各例で得られた組成物をタブレット状に賦形し、トランスファー成形装置(G−LINEマニュアルプレス、アピックヤマダ製)によって縦50mm、横50mm、厚さ1mmの成形体を得た。成形条件は、成形温度165℃、成形時間120sec、型締力40ton、注入圧力15MPa、注入速度10mm/secとした。成形後、熱風オーブンにて180℃、1時間後硬化(アフターキュア)した。アフターキュア後の成形体を用いて、480nmにおける分光反射率および、180℃24時間の耐熱試験後の分光反射率を測定した。分光反射率の測定は、スガ試験機製SC−Pを使用した。その結果を表1に記載する。
Figure 2019167408
(樹脂付きリードフレーム基板の成形方法)
基板としてAgめっきした縦68mm、横225m、厚み0.2mmの銅合金(KLF194、神戸製鋼製)からなるエッチングリードフレームを使用した。金型は、リフレクタとなる凹面を縦16列、横14列で合計224個有するキャビティ構造体4つからなるものを使用し、1枚のリードフレーム基板上にそれら構造体が1列に一体成形される。各リフレクタの凹面は上面φ2.7mm、底面φ2.55mm(テーパー角度:約8度)、高さ0.47mmで、底面には図1に示すような電極分離線が、ゲート方向に対して垂直になるよう設けられている。各リフレクタのピッチ間隔は縦横ともに3.2mmである。リードフレームおよび金型の材質および寸法は、上記の要件を満足する樹脂付きリードフレーム基板が作製できれば、特に制約はない。成形品の概略図を図1に示す。
樹脂付きリードフレーム基板のトランスファー成形は、TOWA株式会社製Y1R1060を用いて実施した。本発明の樹脂組成物9.0gを計量して賦形したタブレットを4個、上記成形装置のシリンダー内へ装填し成形した。成形条件は、成形温度165℃、成形時間120sec、型締力30ton、注入圧力14MPa、注入速度4mm/sとした。成形後、熱風オーブンにて180℃、1時間後硬化(アフターキュア)した。アフターキュア後室温雰囲気で静置し、充分時間が経過してから樹脂付きリードフレーム基板の反りを測定した。反りの大きさは樹脂付きリードフレーム基板を定盤の上に置き、市販の隙間ゲージを用いて定盤から最も浮き上がっている基板箇所を測定して評価した。その結果、表1に示すとおり各実施例において、反りの低減が見られることが明らかになった。

Claims (5)

  1. (A)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(B)SiH基を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)酸化チタン、(E)シリカ、(F)アスペクト比が2以上1,000未満である無機フィラーを含有し、
    (D)成分の含有量が全硬化性組成物中5〜40重量%であり、(E)成分の含有量が全硬化性組成物中30〜90重量%であり、(F)成分の含有量が全硬化性組成物中1〜30重量%であり、(F)の(E)に対する重量比(F)/(E)が0.03〜0.33であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. (F)成分がガラス繊維、チタン酸カリウムまたはウォラストナイトを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. (F)成分がウォラストナイトを主成分とすることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなり、波長480nmにおける分光反射率が90%以上であることを特徴とする成形体。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を用いて成形体からなることを特徴とするリードフレーム基板。
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