JP2019166831A - 積層フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
置での温度をZ℃としたときに、Y℃とZ℃との差が、1℃以上、100℃以下である。
置での温度をY℃とする。本発明に係る積層フィルムでは、Y℃が、X−50℃を超え、X+50℃未満である。すなわち、本発明に係る積層フィルムは、式:(X−50)<Y<(X+50)を満たす。
上記基材フィルムとしては、金属箔、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルム等のオレフィン樹脂フィルム、並びにポリイミドフィルム等が挙げられる。上記基材フィルムの表面は、必要に応じて、離型処理されていてもよい。上記基材フィルムは、金属箔であってもよく、樹脂フィルムであってもよい。上記基材フィルムは、樹脂フィルムであることが好ましい。上記基材フィルムとして、金属箔を用いる場合、上記金属箔は銅箔であることが好ましい。
上記絶縁樹脂層は、基材フィルムの表面上に積層される。上記絶縁樹脂層は、後述するエポキシ化合物と、後述する無機充填材と、後述する硬化剤とを含むことが好ましい。エポキシ化合物と硬化剤とを含む絶縁樹脂層を硬化させることにより、多層プリント配線板等において、硬化物である絶縁層を形成することができる。
上記絶縁樹脂層は、エポキシ化合物を含むことが好ましい。上記エポキシ化合物として、従来公知のエポキシ化合物を使用可能である。上記エポキシ化合物は、少なくとも1個のエポキシ基を有する有機化合物をいう。上記エポキシ化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、フェノールアラルキル型エポキシ化合物、ナフトールアラルキル型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、アントラセン型エポキシ化合物、アダマンタン骨格を有するエポキシ化合物、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ化合物、ナフチレンエーテル型エポキシ化合物、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ化合物等が挙げられる。
上記絶縁樹脂層は、無機充填材を含むことが好ましい。無機充填材の使用により、硬化物の熱による寸法変化が小さくなる。さらに、硬化物の表面の表面粗さがより一層小さくなり、硬化物と金属層との接着強度が高くなる。
更に好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.5μm以下である。上記無機充填材の平均粒径が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物と金属層との接着強度がより一層高くなる。
上記絶縁樹脂層は、硬化剤を含むことが好ましい。上記硬化剤は特に限定されない。上記硬化剤として、従来公知の硬化剤を使用可能である。上記硬化剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
フェノール型シアネートエステル樹脂、並びにこれらが一部三量化されたプレポリマー等が挙げられる。上記ノボラック型シアネートエステル樹脂としては、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂及びアルキルフェノール型シアネートエステル樹脂等が挙げられる。上記ビスフェノール型シアネートエステル樹脂としては、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールE型シアネートエステル樹脂及びテトラメチルビスフェノールF型シアネートエステル樹脂等が挙げられる。
上記絶縁樹脂層は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。上記熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂及びフェノキシ樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記絶縁樹脂層は、硬化促進剤を含むことが好ましい。上記硬化促進剤の使用により、硬化速度がより一層速くなる。絶縁樹脂層を速やかに硬化させることで、硬化物における架橋構造が均一になると共に、未反応の官能基数が減り、結果的に架橋密度が高くなる。上記硬化促進剤は特に限定されず、従来公知の硬化促進剤を使用可能である。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記絶縁樹脂層は、溶剤を含まないか又は含む。また、上記溶剤は、上記無機充填材を含むスラリーを得るために用いられてもよい。上記溶剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
耐衝撃性、耐熱性、樹脂の相溶性及び作業性等の改善を目的として、上記絶縁樹脂層には、レベリング剤、難燃剤、カップリング剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤、消泡剤、増粘剤、揺変性付与剤及びエポキシ化合物以外の他の熱硬化性樹脂等を添加してもよい。
縁樹脂層を形成するための材料を溶融混練し、押出した後、Tダイ又はサーキュラーダイ等により、フィルム状に成形する押出成形法。溶剤を含む絶縁樹脂層を形成するための材料をキャスティングしてフィルム状に成形するキャスティング成形法。従来公知のその他のフィルム成形法。また、基材フィルム上に絶縁樹脂層を形成するための材料を積層し、加熱乾燥させ、絶縁樹脂層を得ることもできる。薄型化に対応可能であることから、押出成形法又はキャスティング成形法が好ましい。フィルムにはシートが含まれる。
上記積層フィルムは、上記絶縁樹脂層の上記基材フィルム側とは反対の表面上に保護フィルムが積層されていることが好ましい。
本発明に係る積層フィルムは、多層プリント配線板において、絶縁層を形成するために好適に用いられる。上記絶縁樹脂層は、多層プリント配線板において、絶縁層を形成するために好適に用いられる。上記絶縁樹脂層は、多層プリント配線板において、ビアホールを有する絶縁層を形成するために好適に用いられる。本発明に係る積層フィルムの絶縁樹脂層によって、絶縁層を形成することができる。
上面12aの一部の領域には、金属層17が形成されている。複数層の絶縁層13〜16のうち、回路基板12側とは反対の外側の表面に位置する絶縁層16以外の絶縁層13〜15には、上面の一部の領域に金属層17が形成されている。金属層17は回路である。回路基板12と絶縁層13の間、及び積層された絶縁層13〜16の各層間に、金属層17がそれぞれ配置されている。下方の金属層17と上方の金属層17とは、図示しないビアホール接続及びスルーホール接続の内の少なくとも一方により互いに接続されている。
上記絶縁樹脂層は、粗化処理又はデスミア処理される硬化物を得るために用いられることが好ましい。上記硬化物には、更に硬化が可能な予備硬化物も含まれる。
る。
上記絶縁樹脂層を予備硬化させることにより得られた硬化物に、貫通孔が形成されることがある。上記多層基板などでは、貫通孔として、ビア又はスルーホール等が形成される。例えば、ビアは、CO2レーザー等のレーザーの照射により形成できる。ビアの直径は特に限定されないが、60〜80μm程度である。上記貫通孔の形成により、ビア内の底部には、硬化物に含まれている樹脂成分に由来する樹脂の残渣であるスミアが形成されることが多い。
基材フィルムA(ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製「XG284」)、厚み25μm)
基材フィルムB(ポリプロピレン(PP)フィルム(東レ社製「トレファン」)、厚み30μm)
以下のようにして、絶縁樹脂層を形成するための材料を用意した。
アミノフェニルシラン処理シリカ(アドマテックス社製「SOC2」)のシクロヘキサノンスラリー(固形分70重量%)107重量部を用意した。このスラリーに、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬社製「NC3000H」)11重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製「850S」)5重量部と、シクロヘキサノン7.9重量部と、メチルエチルケトン7.7重量部とを加えた。攪拌機を用いて、1200rpmで60分間撹拌し、未溶解物がなくなったことを確認した。その後、アミノトリアジン変性フェノールノボラック硬化剤(DIC社製「LA−1356」)のメチルエチルケトン混合溶液(固形分50重量%)11重量部と、フェノールノボラック硬化剤(明和化成社製「H4」)3重量部とを加えて、1200rpmで60分間撹拌し、未溶解物がなくなったことを確認し、溶液を得た。また、ビスフェノールアセトフェノン骨格フェノキシ樹脂(三菱化学社製「YX6954」)のメチルエチルケトン及びシクロヘキサノン混合溶液(固形分30重量%)を用意した。上記溶液に、上記混合溶液(固形分30重量%)2.5重量部と、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製「2E4MZ」)0.1重量部と、レベリング剤(楠本化成社製「LS−480」)0.01重量部とをさらに加えた。1200rpmで30分間撹拌し、絶縁樹脂層Aを形成するための材料(ワニ
ス)を得た。
2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製「2E4MZ」)をN−ベンジル−2−メチルイミダゾール(四国化成工業社製「1B2MZ」)に変更したこと以外は、絶縁樹脂層Aを形成するための材料と同様にして、絶縁樹脂層Bを形成するための材料(ワニス)を得た。
2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製「2E4MZ」)の配合量を0.1重量部から、0.07重量部に変更したこと以外は、絶縁樹脂層Aを形成するための材料と同様にして、絶縁樹脂層Cを形成するための材料(ワニス)を得た。
N−ベンジル−2−メチルイミダゾール(四国化成工業社製「1B2MZ」)の配合量を0.1重量部から0.05重量部に変更したこと以外は、絶縁樹脂層Bを形成するための材料と同様にして、絶縁樹脂層Dを形成するための材料(ワニス)を得た。
積層フィルムの作製:
アプリケーターを用いて、離型処理された基材フィルムAの離型処理面上に得られた絶縁樹脂層Aを形成するための材料を塗工した後、100℃のギヤオーブン内で150秒間乾燥し、溶剤を揮発させた。このようにして、基材フィルムA上に、絶縁樹脂層(Bステージフィルム、厚さ40μm)が積層された積層フィルム(平面積624cm2)を得た。
基材フィルムの種類、絶縁樹脂層の種類及び積層フィルムの平面積を表1,2のように設定したこと以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
(1)基材フィルムのガラス転移温度(X)
基材フィルムを3mm×25mmの大きさに裁断した。熱機械分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「EXSTAR TMA/SS6100」)を用いて、引っ張り荷重33mN、昇温速度5℃/分の条件で、裁断された基材フィルムのガラス転移温度(X)を測定した。
得られた積層フィルムから絶縁樹脂層を剥離した。剥離した絶縁樹脂層について、示差走査熱量計(TA インスツルメント社製「Q2000」)を用いて、窒素雰囲気下で、3℃/分の昇温速度で30℃から250℃まで温度を上昇させ、絶縁樹脂層の硬化反応で発生する熱量を測定することにより、発熱ピークを測定した。得られた発熱ピークについて、低温側における接線の傾きの絶対値が最大となるピーク位置での温度(Y)、高温側における接線の傾きの絶対値が最大となるピーク位置での温度(Z)、及び半値幅を求めた。
積層工程:
ガラスエポキシ基板(日立化成社製「MCL−E−679FG」)を用意した。このガ
ラスエポキシ基板の両面を銅表面粗化剤(メック社製「メックエッチボンド CZ−8100」)に浸漬して、銅表面を粗化処理した。上記ガラスエポキシ基板の粗化処理した銅表面に、得られた積層フィルムの基材フィルムと絶縁樹脂層とが積層された状態で、絶縁樹脂層の基材フィルムとは反対側の表面を重ねて、ダイアフラム式真空ラミネーター(名機製作所社製「MVLP−500」)を用いて温度100℃及び圧力0.5MPaの条件でラミネートした。次いで、ラミネートから連続的に温度100℃及び圧力1.0MPaの条件でSUS鏡板による熱プレスを行った。このようにして、ガラスエポキシ基板の両面に基材フィルムと絶縁樹脂層とが積層された積層サンプルを作製した。
得られた積層サンプルを、加熱温度130℃で30分間加熱した後に、さらに180℃で30分間加熱することにより絶縁樹脂層を硬化させた。なお、硬化後、基材フィルムの絶縁樹脂層からの自然剥離が発生していないことを目視にて確認した。
硬化させた絶縁樹脂層(絶縁層)にCO2レーザー(ビアメカニクス社製「LC−1K21」、エネルギー2mJ、パルス幅18μs、ショット数3回の条件)を照射し、硬化させた絶縁樹脂層(絶縁層)を貫通するビアを形成した。
80℃の過マンガン酸ナトリウム(アトテックジャパン社製「コンセントレートコンパクトCP」、和光純薬工業社製「水酸化ナトリウム」)粗化水溶液に、ビア形成した積層サンプルを入れて、30分間揺動させ、粗化処理された絶縁層を得た。すなわち、80℃で30分間粗化処理を行った。
上記基材フィルムを上記絶縁樹脂層(絶縁層)から剥離して、評価サンプルを得た。
◎:ひび又は割れの発生がない(ひび又は割れの発生割合が0%)
〇:ひび又は割れの発生割合が0%を超え7%未満
×:ひび又は割れの発生割合が7%以上
2…絶縁樹脂層
2a…第1の表面
2b…第2の表面
3…基材フィルム
11…多層プリント配線板
12…回路基板
12a…上面
13〜16…絶縁層
17…金属層
Claims (6)
- 基材フィルムと、前記基材フィルムの表面上に積層された絶縁樹脂層とを備え、
前記基材フィルムのガラス転移温度をX℃とし、かつ前記絶縁樹脂層の示差走査熱量計での測定において、発熱ピークの低温側における接線の傾きの絶対値が最大となるピーク位置での温度をY℃としたときに、Y℃が、X−50℃を超え、X+50℃未満である、積層フィルム。 - 前記絶縁樹脂層の示差走査熱量計での測定において、発熱ピークの高温側における接線の傾きの絶対値が最大となるピーク位置での温度をZ℃としたときに、Y℃とZ℃との差が、1℃以上、100℃以下である、請求項1に記載の積層フィルム。
- 前記絶縁樹脂層の示差走査熱量計での測定において、発熱ピークの半値幅が5℃以上である、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
- 積層フィルムの平面積が225cm2以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 前記絶縁樹脂層は、多層プリント配線板において、絶縁層を形成するために用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 前記絶縁樹脂層は、多層プリント配線板において、ビアホールを有する絶縁層を形成するために用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層フィルム。
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