JP2019166757A - 電磁波照射機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】省スペース化を図ることが可能な電磁波照射機構を提供する。【解決手段】照射部60は、熱膨張性シート10に向けて電磁波を照射する。搬送モータ55は、熱膨張性シート10と照射部60とを相対的に移動させる。バーコードリーダ65は、熱膨張性シート10の第1の側の縁部に設けられたバーコードを読み取る。制御部70は、バーコードリーダ65によりバーコードが読み取られた場合に、搬送モータ55により照射部60を、熱膨張性シート10の第1の側の縁部から第1の側とは反対の第2の側の縁部に向けて、熱膨張性シート10に対して相対的に移動させながら、照射部60に熱膨張性シート10に向けて電磁波を照射させる。バーコードリーダ65は、照射部60における、第1の側から第2の側への向きとは反対側に設けられている。【選択図】図6

Description

本発明は、電磁波照射機構に関する。
造形物(立体物等とも言う。)を造形する技術が知られている。例えば、特許文献1,2は、造形物として、3次元状の広がりを有する画像である立体画像の形成方法を開示している。具体的に説明すると、特許文献1,2に開示された方法では、熱膨張性シートの裏面に光吸収特性に優れた材料でパターンを形成し、熱膨張性シートを搬送部によって搬送しながら、形成されたパターンに光(電磁波)を照射することで加熱する。これにより、熱膨張性シートにおけるパターンが形成された部分が膨張して盛り上がり、立体画像が形成される。また、特許文献3は、熱膨張性シートをステージ上に載置し、照射手段である光源ランプを移動させることにより熱膨張性シートを膨張させる装置を開示している。
特開昭64−28660号公報 特開2001−150812号公報 特開2013−129144号公報
上記のような熱膨張性シートに適切に電磁波を照射して造形物を得るため、対象となる熱膨張性シートを正しく識別してから電磁波を照射することが求められている。そのための熱膨張性シートを識別するための手段を、大きなスペースをとらずに設けたい、との要望がある。更には、上記のような熱膨張性シートに限らず、一般的なシートに対する電磁波の照射によって当該シートを加工する際において、対象となるシートを識別するための手段を、省スペース化を図りつつ設けたい、との要望がある。
本発明は、以上のような課題を解決するためのものであり、省スペース化を図ることが可能な電磁波照射機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る電磁波照射機構の一態様は、
シートに向けて電磁波を照射する照射部と、
前記シートと前記照射部とを相対的に移動させる相対移動部と、
前記シートの第1の側の縁部に設けられた識別子を読み取る読取部と、
前記読取部により前記識別子が読み取られた場合に、前記相対移動部により前記照射部を、前記シートの前記第1の側の縁部から前記シートの前記第1の側とは反対の第2の側の縁部に向けて、前記シートに対して相対的に移動させながら、前記照射部に前記シートに向けて電磁波を照射させる制御部と、
を備え、
前記読取部は、前記照射部における、前記第1の側から前記第2の側への向きとは反対側に設けられている、
ことを特徴とする。
本発明によれば、省スペース化を図ることができる。
本発明の実施形態に係る熱膨張性シートの断面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る第1のサイズの熱膨張性シートの裏面を示す図である。(b)は、本発明の実施形態に係る第2のサイズの熱膨張性シートの裏面を示す図である。 本発明の実施形態に係る造形システムの概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る印刷装置の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る膨張装置の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る膨張装置において熱膨張性シートが載置されたトレイを上から見た図である。 本発明の実施形態に係る膨張装置において、トレイに載置された熱膨張性シートの下側からバーコードが読み取られる様子を示す図である。 本発明の実施形態に係る膨張装置において、トレイに載置された熱膨張性シートの上側からバーコードが読み取られる様子を示す図である。 バーコードリーダが照射部の進行方向と同じ側に設けられた例を示す図である。 本発明の実施形態に係る膨張装置において実行されるバーコード読取処理の流れを示すフローチャートである。 図6に示した膨張装置において実行される膨張処理の様子を示す図である。 本発明の実施形態に係る造形システムによって実行される造形物の製造処理の流れを示すフローチャートである。 (a)〜(e)は、図13に示した熱膨張性シートに造形物が製造される様子を段階的に示す図である。 本発明の変形例において、搬送される熱膨張性シートの下側からバーコードが読み取られる様子を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
図1に、本実施形態に係る造形物を造形するための熱膨張性シート10の断面構成を示す。熱膨張性シート10は、予め選択された部分が加熱により膨張することによって造形物が造形される媒体である。造形物とは、立体的な形状を有する物体であって、2次元状のシートにおいて、シートのうちの一部分がシートに垂直な方向に膨張することによって造形される。造形物は、立体物又は立体画像とも言う。造形物の形状は、単純な形状、幾何学形状、文字等の形状一般を含む。
図1に示すように、熱膨張性シート10は、基材11と、熱膨張層12と、インク受容層13とを、この順に備えている。なお、図1は、造形物が造形される前、すなわちどの部分も膨張していない状態における熱膨張性シート10の断面を示している。
基材11は、熱膨張性シート10の元となるシート状の媒体である。基材11は、熱膨張層12とインク受容層13とを支持する支持体であって、熱膨張性シート10の強度を保持する役割を担う。基材11として、例えば、一般的な印刷用紙を用いることができる。或いは、基材11の材質は、合成紙、キャンバス地等の布、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のプラスチックフィルムであっても良く、特に限定されるものではない。
熱膨張層12は、基材11の上側に積層されており、規定の温度以上に加熱されることによって膨張する層である。熱膨張層12は、バインダと、バインダ内に分散配置された熱膨張剤と、を含む。バインダは、酢酸ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー等の熱可塑性樹脂である。熱膨張剤は、具体的には、プロパン、ブタン等の低沸点で気化する物質を、熱可塑性樹脂の外殻に内包した、粒径が約5〜50μmの熱膨張性のマイクロカプセル(マイクロパウダー)である。熱膨張剤は、例えば80℃から120℃程度の温度に加熱されると、内包している物質が気化し、その圧力によって発泡及び膨張する。このようにして、熱膨張層12は、吸収した熱量に応じて膨張する。熱膨張剤は、発泡剤とも呼ぶ。
インク受容層13は、熱膨張層12の上側に積層された、インクを吸収して受容する層である。インク受容層13は、インクジェット方式のプリンタに用いられる印刷用のインク、レーザー方式のプリンタに用いられる印刷用のトナー、ボールペン又は万年筆のインク、鉛筆の黒鉛等を受容する。インク受容層13は、これらを表面に定着させるための好適な材料によって形成される。インク受容層13の材料として、例えば、インクジェット用紙に用いられている汎用的な材料を用いることができる。
図2(a),(b)に、熱膨張性シート10の裏面を示す。熱膨張性シート10の裏面は、熱膨張性シート10の基材11側の面であって、基材11の裏面に相当する。図2(a)は、シートのサイズが第1のサイズである熱膨張性シート10の裏面を示しており、図2(b)は、シートのサイズが第2のサイズである熱膨張性シート10の裏面を示している。一例として、第1のサイズはA3サイズであり、第2のサイズはA4サイズ、すなわち第1のサイズの半分のサイズである。
図2(a),(b)に示すように、熱膨張性シート10の裏面における第1の側の縁部には、複数のバーコードBが設けられている。ここで、第1の側の縁部とは、熱膨張性シート10の4辺の周縁部のうちの1辺に相当する。より詳細には、第1の側の縁部は、図2(a)に示す第1のサイズの熱膨張性シート10では、長手方向における一方側の縁部に相当し、図2(b)に示す第2のサイズの熱膨張性シート10では、短手方向における一方側の縁部に相当する。バーコードBは、熱膨張性シート10を識別するための識別子であって、熱膨張性シート10が造形物を造形するための専用のシートであることを示す識別子である。バーコードBは、膨張装置50によって読み取られ、膨張装置50において熱膨張性シート10の使用の可否を判定するために用いられる。
造形システム1は、このようなサイズが異なる複数種類の熱膨張性シート10に造形物を造形することができる。熱膨張性シート10の表面又は裏面のうちの膨張させたい部分には、カーボン分子が印刷される。カーボン分子は、黒色(カーボンブラック)又は他の色のインクに含まれ、電磁波を吸収して熱に変換する電磁波熱変換材料(発熱剤)の一種である。カーボン分子は、電磁波を吸収して熱振動することで熱を発生する。熱膨張性シート10において、カーボン分子が印刷された部分が加熱されると、その部分の熱膨張層12が膨張して隆起(バンプ)が形成される。このような熱膨張層12の隆起(バンプ)によって凸若しくは凹凸形状を造ることにより、熱膨張性シート10に造形物が造形される。
熱膨張性シート10における膨張させる箇所及び高さを組み合わせることにより、多彩な造形物を得ることができる。また、造形(造型)によって視覚又は触覚を通じて美感又は質感を表現することを「加飾(造飾)」と呼ぶ。
<造形システム1>
次に、図3を参照して、熱膨張性シート10に造形物を造形する造形システム1について説明する。図3に示すように、造形システム1は、端末装置30と、印刷装置40と、膨張装置50と、を備える。
端末装置30は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の情報処理装置であって、印刷装置40及び膨張装置50を制御する制御ユニットである。図4に示すように、端末装置30は、制御部31と、記憶部32と、操作部33と、表示部34と、記録媒体駆動部35と、通信部36と、を備える。これら各部は、信号を伝達するためのバスによって接続されている。
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。制御部31において、CPUが、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して、RAMをワークメモリとして用いながら、端末装置30全体の動作を制御する。
記憶部32は、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリである。記憶部32は、制御部31によって実行されるプログラム又はデータ、及び、印刷装置40によって印刷されるカラー画像データ、表発泡データ及び裏発泡データを記憶する。
操作部33は、キーボード、マウス、ボタン、タッチパッド、タッチパネル等の入力装置を備えており、ユーザから操作を受け付ける。ユーザは、操作部33を操作することによって、カラー画像データ、表発泡データ及び裏発泡データ編集する操作、印刷装置40又は膨張装置50に対する操作等を入力することができる。
表示部34は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置と、表示装置に画像を表示させる表示駆動回路と、を備える。例えば、表示部34は、カラー画像データ、表発泡データ及び裏発泡データを表示する。また、表示部34は、必要に応じて、印刷装置40又は膨張装置50の現在の状態を示す情報を表示する。
記録媒体駆動部35は、可搬型の記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出す。可搬型の記録媒体とは、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、USB(Universal Serial Bus)規格のコネクタが備えられているフラッシュメモリ等である。例えば、記録媒体駆動部35は、カラー画像データ、表発泡データ及び裏発泡データを、可搬型の記録媒体から読み出して取得する。
通信部36は、印刷装置40及び膨張装置50を含む外部の装置と通信するためのインタフェースを備える。端末装置30は、フレキシブルケーブル、有線LAN(Local Area Network)等の有線、又は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)等の無線を介して印刷装置40及び膨張装置50と接続されている。通信部36は、制御部31の制御の下、これらのうちの少なくとも1つの通信規格に従って、印刷装置40及び膨張装置50と通信する。
<印刷装置40>
印刷装置40は、熱膨張性シート10の表面又は裏面に画像を印刷する印刷ユニットである。印刷装置40は、インクを微滴化し、被印刷媒体に対して直接に吹き付ける方式で画像を印刷するインクジェットプリンタである。
図5に、印刷装置40の詳細な構成を示す。図5に示すように、印刷装置40は、熱膨張性シート10が搬送される方向である副走査方向D1(Y方向)に直交する主走査方向D2(X方向)に往復移動可能なキャリッジ41を備える。
キャリッジ41には、印刷を実行する印刷ヘッド42と、インクを収容したインクカートリッジ43(43k,43c,43m,43y)が取り付けられている。インクカートリッジ43k,43c,43m,43yには、それぞれ、ブラックK、シアンC、マゼンタM、及びイエローYの色インクが収容されている。各色のインクは、印刷ヘッド42の対応するノズルから吐出される。
キャリッジ41は、ガイドレール44に滑動自在に支持されており、駆動ベルト45に狭持されている。キャリッジ41は、モータ45mの回転により駆動ベルト45が駆動することで、印刷ヘッド42及びインクカートリッジ43と共に、主走査方向D2に移動する。
フレーム47の下部には、印刷ヘッド42と対向する位置に、プラテン48が設けられている。プラテン48は、主走査方向D2に延在しており、熱膨張性シート10の搬送路の一部を構成している。熱膨張性シート10の搬送路には、給紙ローラ対49a(下のローラは不図示)と排紙ローラ対49b(下のローラは不図示)とが設けられている。給紙ローラ対49aと排紙ローラ対49bとは、プラテン48に支持された熱膨張性シート10を副走査方向D1に搬送する。
印刷装置40は、フレキシブル通信ケーブル46を介して端末装置30と接続されている。端末装置30は、フレキシブル通信ケーブル46を介して、印刷ヘッド42、モータ45m、給紙ローラ対49a及び排紙ローラ対49bを制御する。具体的に説明すると、端末装置30は、給紙ローラ対49a及び排紙ローラ対49bを制御して、熱膨張性シート10を搬送させる。また、端末装置30は、モータ45mを回転させてキャリッジ41を移動させ、印刷ヘッド42を主走査方向D2の適切な位置に搬送させる。
印刷装置40は、端末装置30から画像データを取得し、取得した画像データに基づいて印刷を実行する。具体的に説明すると、印刷装置40は、画像データとして、カラー画像データと表発泡データと裏発泡データとを取得する。カラー画像データは、熱膨張性シート10の表面に印刷するカラー画像を示すデータである。印刷装置40は、印刷ヘッド42に、シアンC、マゼンタM及びイエローYの各インクを熱膨張性シート10に向けて噴射させて、カラー画像を印刷する。
表発泡データは、熱膨張性シート10の表面において発泡及び膨張させる部分を示すデータである。また、裏発泡データは、熱膨張性シート10の裏面において発泡及び膨張させる部分を示すデータである。印刷装置40は、印刷ヘッド42に、カーボンブラックを含むブラックKの黒色インクを熱膨張性シート10に向けて噴射させて、黒色による濃淡画像(濃淡パターン)を印刷する。これにより、熱膨張性シート10の表面又は裏面に、電磁波を熱に変換する変換層が形成される。カーボンブラックを含む黒色インクは、電磁波を熱に変換する材料の一例である。
<膨張装置50>
膨張装置50は、熱膨張性シート10に対して電磁波を照射し、熱膨張性シート10の表面又は裏面に印刷された濃淡画像を発熱させることにより、熱膨張性シート10のうちの濃淡画像が印刷された部分を膨張させる膨張ユニットである。膨張装置50は、熱膨張性シート10に電磁波を照射する電磁波照射機構として機能する。
図6に、膨張装置50の構成を模式的に示す。図6において、X方向は、膨張装置50の幅方向に相当し、Y方向は、膨張装置50の長手方向に相当し、Z方向は、鉛直方向に相当する。X方向とY方向とZ方向とは、互いに直交する。
膨張装置50は、箱型の筐体51を備える。筐体51の内部は、上側筐体51aと下側筐体51bとの2室に仕切られている。これは、照射部60からの電磁波の照射により上側筐体51a内の温度が上昇した際に、下側筐体51b内の基板等に与える影響を抑制するものである。膨張装置50は、上側筐体51aの内部に、トレイ53と、換気部54と、搬送モータ55と、搬送レール56と、照射部60と、バーコードリーダ65と、を備える。また、膨張装置50は、下側筐体51bの内部に、電源部69と、制御部70と、を備える。
トレイ53は、熱膨張性シート10が載置される載置部である。トレイ53は、熱膨張性シート10を筐体51内の適正な位置に載置するための平面上の部材であって、熱膨張性シート10を安定して保持するためのシート保持機構として機能する。
図7に、A3サイズの熱膨張性シート10が載置された場合におけるトレイ53を上から見た状態を示す。図7において、太い破線は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10の範囲を示している。また、細い点線は、熱膨張性シート10におけるバーコードBが設けられている場所を示している。図7に示すように、トレイ53は、載置された熱膨張性シート10を固定するための押圧部材57を備える。押圧部材57は、熱膨張性シート10がトレイ53に着脱される際にユーザによって開閉され、トレイ53に載置された熱膨張性シート10の4辺の周縁部を上から押圧することで固定する。
押圧部材57のうちの、熱膨張性シート10におけるバーコードBが設けられた第1の側の縁部を押圧する部分には、2つの開口58a,58bが設けられている。2つの開口58a,58bは、バーコードBが押圧部材57によって隠されて読めなくなることを回避するため、すなわちバーコードリーダ65がバーコードBを押圧部材57越しに光学的に読み取り可能とするために設けられている。また、トレイ53は、熱膨張性シート10を検出するセンサを備えており、熱膨張性シート10が設置されたか否か、及び、熱膨張性シート10が設置された場合にその熱膨張性シート10のサイズを検出する。
図6に戻って、換気部54は、膨張装置50における一方の端部に設けられており、膨張装置50の内部を換気する。換気部54は、少なくとも1つのファンを備えており、筐体51の内部の空気を外部に排出することで筐体51の内部を換気する。
搬送モータ55は、例えばパルス電力に同期して動作するステッピングモータであって、照射部60をトレイ53に載置された熱膨張性シート10に沿って移動させる。筐体51の内部には、Y方向に、すなわちトレイ53に載置された熱膨張性シート10の表面に平行な方向に搬送レール56が設けられている。照射部60は、搬送レール56に沿って移動することができるように搬送レール56に取り付けられている。照射部60は、搬送モータ55の回転に伴う駆動力を動力源として、熱膨張性シート10との距離を一定に保ちながら、搬送レール56に沿って往復移動する。搬送モータ55は、熱膨張性シート10と照射部60とを相対的に移動させる相対移動部(相対移動手段)として機能する。
照射部60は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10に沿って照射部60を移動させながら、熱膨張性シート10に向けて電磁波を照射する機構である。図6に示すように、照射部60は、箱型のカバーの内部に、ランプヒータ61と、反射板62と、温度センサ63と、冷却部64と、を備える。
ランプヒータ61は、例えば照射源としてハロゲンランプを備えており、電磁波として、熱膨張性シート10に対して、近赤外領域(波長750〜1400nm)、可視光領域(波長380〜750nm)、又は、中赤外領域(波長1400〜4000nm)の光を照射する。照射部60及びランプヒータ61は、このような波長域の光を照射することにより、熱膨張性シート10にエネルギーを照射する照射手段として機能する。なお、ランプヒータ61は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10に対して、X方向(トレイ53の幅方向)に亘って略均一の電磁波を照射できるように、X方向に長い形状をしている。
カーボンブラックを含む黒色インクによる濃淡画像が印刷された熱膨張性シート10に光(エネルギー)を照射すると、濃淡画像が印刷された部分では、それ以外の部分に比べて、より効率良く光が熱に変換される。そのため、熱膨張性シート10のうちの濃淡画像が印刷された部分が主に加熱され、熱膨張剤が膨張を開始する温度に達すると膨張する。照射部60は、搬送モータ55によって搬送されながら光(エネルギー)を照射することにより、熱膨張性シート10を熱膨張させる。なお、ランプヒータ61によって照射される光は、電磁波であれば良く、上記波長域の光であることに限らない。
反射板62は、ランプヒータ61の上側を覆うように配置されており、ランプヒータ61から照射された光を熱膨張性シート10に向けて反射する機構である。温度センサ63は、熱電対、サーミスタ等であって、反射板62の温度を測定する。冷却部64は、照射部60に給気するための少なくとも1つのファンを備え、外気を吸入し、吸入した外気を反射板62に送って冷却する。反射板62に送られた外気は、更に下方に流れることで、照射部60及び筐体51の内部が冷却される。
照射部60は、搬送レール56に沿って、待機位置(第1の位置)P1と、反転位置(第2の位置)P2と、の間で往復移動する。待機位置P1は、照射部60の初期位置(ホームポジション)であって、膨張装置50が動作していない時に照射部60が待機する位置である。待機位置P1は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10に対して、バーコードBが設けられた第1の側の位置、すなわち換気部54が設けられた側の位置に予め設定されている。これに対して、反転位置P2は、照射部60が待機位置P1から移動した場合に到達する位置であって、トレイ53に載置された熱膨張性シート10の第1の側とは反対側の第2の側の位置として予め設定されている。照射部60は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10に沿って待機位置P1から反転位置P2まで移動し、反転位置P2で反転して待機位置P1まで戻る。このように、照射部60は、待機位置P1から反転位置P2への経路を往路とし、反転位置P2から待機位置P1への経路を復路として往復移動する。
電源部69は、電源IC(Integrated Circuit)等を備え、膨張装置50内の各部に必要な電源を作り出して供給する。例えば、換気部54、搬送モータ55、ランプヒータ61及び冷却部64は、電源部69から電力を得て動作する。
制御部70は、筐体51の下部に配置された基板上に設けられている。制御部70は、CPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、を備えており、命令やデータを転送するための伝送経路であるシステムバスを介して膨張装置50の各部と接続されている。また、制御部70は、いずれも図示しないが、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリと、RTC(Real Time Clock)等の計時デバイスと、端末装置30と通信するための通信インタフェースと、を備える。
制御部70において、CPUが、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して、RAMをワークメモリとして用いながら、膨張装置50全体の動作を制御する制御手段として機能する。具体的に説明すると、制御部70は、搬送モータ55を制御して、照射部60を指定された向きに指定された移動速度で移動させる。また、制御部70は、照射部60による電磁波を照射のオンとオフとを切り替え、バーコードリーダ65にバーコードBを読み取らせる。
バーコードリーダ65は、熱膨張性シート10の第1の側の縁部に設けられたバーコードBを読み取る読取部(読取手段)として機能する。バーコードリーダ65は、光を発する光源と光を検知する光学センサとを備え、レーザー方式等の周知の方式でバーコードBを光学的に読み取る。これにより、バーコードリーダ65は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10が造形物を製造する対象として適正なシートであるか否かの情報を取得する。
バーコードリーダ65は、照射部60のカバーの外側であって、照射部60の側部に設けられている。バーコードリーダ65は、搬送モータ55による照射部60の移動に伴って、トレイ53に載置された熱膨張性シート10に沿って移動しながら、熱膨張性シート10に設けられたバーコードBを光学的に読み取る。
図8及び図9を参照して、バーコードリーダ65がバーコードBを読み取る様子を説明する。図8及び図9は、図7に示したC−C線によるトレイ53の断面を示している。
図8及び図9に示すように、熱膨張性シート10は、バーコードBが設けられた第1の側の縁部を待機位置P1の側に向けて、トレイ53に載置される。バーコードBは熱膨張性シート10の裏面に設けられているため、熱膨張性シート10がその表面を上側に向けてトレイ53に載置された場合、バーコードBは、図8に示すように、下側、すなわち照射部60により電磁波が照射される側とは反対側を向けられる。これに対して、熱膨張性シート10がその裏面を上側に向けてトレイ53に載置された場合、バーコードBは、図9に示すように、上側、すなわち照射部60により電磁波が照射される側に向けられる。
膨張装置50は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10の第1の側の縁部の下側の位置に、鏡59を備える。鏡59は、バーコードリーダ65がバーコードBを熱膨張性シート10の下側から読み取ることができるようにするためのものである。鏡59は、その反射面が上側を向くように配置されており、バーコードBが下側を向くように熱膨張性シート10がトレイ53に載置された場合に、バーコードBの像を、第1の開口58aを通してバーコードリーダ65に向けて映す。
図8に示すように、バーコードBが下側を向くように熱膨張性シート10がトレイ53に載置された場合、バーコードリーダ65は、第1の読み取り位置R1においてバーコードBを読み取る。第1の読み取り位置R1は、バーコードリーダ65から照射されたレーザーが、第1の開口58a及び鏡59を介して熱膨張性シート10の下側の面に通る位置である。
具体的に説明すると、制御部70は、照射部60が第1の読み取り位置R1にある時に、バーコードリーダ65にレーザーを照射させる。バーコードリーダ65から照射されたレーザーは、第1の開口58aを通り、鏡59で反射して、熱膨張性シート10の下側の面におけるバーコードBが設けられた部分に照射される。そして、レーザーは、熱膨張性シート10で反射され、往路と同じ経路を逆順に辿ってバーコードリーダ65に受光される。このようにして、バーコードリーダ65は、熱膨張性シート10の下側の面に設けられたバーコードBを読み取る。
これに対して、図9に示すように、バーコードBが上側を向くように熱膨張性シート10がトレイ53に載置された場合、バーコードリーダ65は、第2の読み取り位置R2においてバーコードBを読み取る。第2の読み取り位置R2は、バーコードリーダ65から照射されたレーザーが第2の開口58bを介して熱膨張性シート10の上側の面に通る位置である。
具体的に説明すると、制御部70は、照射部60が第2の読み取り位置R2にある時に、バーコードリーダ65にレーザーを照射させる。バーコードリーダ65から照射されたレーザーは、第2の開口58bを通って熱膨張性シート10の上側の面におけるバーコードBが設けられた部分に照射される。そして、レーザーは、熱膨張性シート10によって反射され、再び第2の開口58bを通ってバーコードリーダ65に受光される。このようにして、バーコードリーダ65は、熱膨張性シート10の上側の面に設けられたバーコードBを読み取る。
バーコードリーダ65の視線方向、すなわちバーコードリーダ65によるレーザーの照射方向は、熱膨張性シート10の表面に垂直な方向よりも、第1の側から第2の側への向きに傾斜している。これは、バーコードリーダ65が鏡59を介して熱膨張性シート10の下側からバーコードBを的確に読み取ることができるようにするためである。言い換えると、バーコードリーダ65は、レーザーを、鉛直下向きよりも待機位置P1から反転位置P2への向きに傾斜した方向に照射する。この傾斜の角度は、具体的には10度等である。また、バーコードリーダ65の視線の傾きに合わせて、2つの開口58a,58bも、トレイ53の側面(X方向)から見ると傾斜している。
ここで、バーコードリーダ65は、照射部60における、換気部54が設置された側である第1の側の側部に設けられている。言い換えると、バーコードリーダ65は、照射部60が待機位置P1と反転位置P2との間で往復移動する際における往路での進行方向(+Y方向、すなわち第1の側から第2の側への向き)とは反対側であって、且つ、往復移動の復路での進行方向(−Y方向、すなわち第2の側から第1の側への向き)と同じ側に設けられている。このようにバーコードリーダ65が照射部60の待機位置P1からの進行方向とは反対側に設けられているのは、バーコードリーダ65が照射部60の進行方向と同じ側に設けられる構成に比べて、膨張装置50のスペースを大きくとらないようにするためである。
具体的に図10に、図8に示した構成との対比として、バーコードリーダ65が照射部60の進行方向と同じ側に設けられている例を示す。図10に示す構成において、バーコードリーダ65は、第1の読み取り位置R1’においてバーコードBを読み取る。ここで、図10における第1の読み取り位置R1’は、図8に示したバーコードリーダ65が照射部60の往路での進行方向と同じ側に設けられている構成における第1の読み取り位置R1と比較して、照射部60のY方向における幅に対応する距離L分、照射部60の往路での進行方向とは反対側(−Y方向)に寄った位置になる。
より詳細に説明すると、上述したように、バーコードBは、熱膨張性シート10の待機位置P1側の縁部に設けられており、且つ、バーコードリーダ65の視線方向は、照射部60の往路での進行方向側に傾斜している。そのため、バーコードBを読み取るためのバーコードリーダ65の位置は、熱膨張性シート10の待機位置P1側の縁部よりも−Y方向に寄った位置である必要がある。このようなバーコードリーダ65の位置に加えて、図10に示すようにバーコードリーダ65が照射部60の往路での進行方向と同じ側に設けられている構成では、照射部60をバーコードリーダ65よりも更に−Y方向に配置する必要がある。そのため、トレイ53に載置された熱膨張性シート10の待機位置P1側の縁部よりも外側、すなわちトレイ53と換気部54との間に、照射部60を配置するためのスペースが必要になる。
これに対して、図8及び図9に示したように、バーコードリーダ65が照射部60の往路での進行方向とは反対側に設けられている構成にすることにより、照射部60の待機位置P1をより+Y方向の位置に設定することができる。これにより、トレイ53と換気部54との間のスペースをより小さくすることができ、照射部60の移動方向における膨張装置50の長手方向の長さをより小さくすることができる。そのため、省スペース化を図ることができ、膨張装置50の小型化につながる。
制御部70は、バーコードリーダ65を制御して、トレイ53に載置された熱膨張性シート10の上側又は下側の面に設けられたバーコードBの読み取り処理を実行する。以下、図11を参照して、制御部70によって実行されるバーコードBの読み取り処理の流れについて説明する。
制御部70は、搬送モータ55を駆動させて照射部60を待機位置P1から移動させる。照射部60が図8に示した第1の読み取り位置R1に到達すると、制御部70は、バーコードリーダ65にレーザーを照射させて、トレイ53に載置された熱膨張性シート10の下側からのバーコードBの読み取りを実行する。その結果、制御部70は、熱膨張性シート10の下側からバーコードBを読み取ったか否かを判定する(ステップS101)。熱膨張性シート10の下側からバーコードBが読み取られた場合(ステップS101;YES)、制御部70は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10の上側が表面であると判定する(ステップS102)。
これに対して、熱膨張性シート10の下側からバーコードBが読み取られなかった場合(ステップS101;NO)、制御部70は、搬送モータ55により照射部60を更に移動させる。そして、照射部60が図9に示した第2の読み取り位置R2に到達すると、制御部70は、バーコードリーダ65にレーザーを照射させて、トレイ53に載置された熱膨張性シート10の上側からのバーコードBの読み取りを実行する。その結果、制御部70は、熱膨張性シート10の上側からバーコードBを読み取ったか否かを判定する(ステップS103)。熱膨張性シート10の上側からバーコードBが読み取られた場合(ステップS103;YES)、制御部70は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10の上側が裏面であると判定する(ステップS104)。
熱膨張性シート10の下側からバーコードBが読み取られなかった場合(ステップS103;NO)、すなわち、熱膨張性シート10の上側からも下側からもバーコードBが読み取られなかった場合には、制御部70は、熱膨張性シート10がトレイ53に正常に載置されていないと判定し、異常終了する。この場合、制御部70は、搬送モータ55による照射部60の搬送を止める。そして、制御部70は、例えば警告を発することで、熱膨張性シート10をトレイ53に正しく載置するようにユーザに要求する。
一方で、バーコードリーダ65によりバーコードBが読み取られた場合、すなわちステップS102においてトレイ53に載置された熱膨張性シート10の上側が表面であると判定した場合、又は、ステップS104においてトレイ53に載置された熱膨張性シート10の上側が裏面であると判定した場合には、制御部70は、バーコードBの読み取り処理を正常終了する。この場合、搬送モータ55は、制御部70による制御のもと、照射部60に電磁波を照射させた状態で、トレイ53に載置された熱膨張性シート10に沿って照射部60を移動させることにより、熱膨張性シート10を膨張させる膨張処理を実行する。
このように、バーコードリーダ65は、照射部60の側部に設けられているため、照射部60が待機位置P1から電磁波の照射位置に移動する際に共に移動し、異なる2つの読み取り位置R1,R2においてバーコードBを読み取る。これにより、制御部70は、熱膨張性シート10がトレイ53にその表面を上側に向けて載置されているか、それともその裏面を上側に向けて載置されているかを識別してから、熱膨張性シート10の膨張処理を実行することができる。以下、熱膨張性シート10の膨張処理について説明する。
<膨張処理>
制御部70は、印刷装置40によってカーボンブラックを含む黒色インクによって濃淡画像が印刷された熱膨張性シート10に電磁波を照射することにより、熱膨張性シート10を膨張させる。
図12に、膨張装置50が膨張処理を実行する様子を示す。制御部70は、バーコードリーダ65によってトレイ53に載置された熱膨張性シート10に設けられたバーコードBが読み取られた場合、照射部60に電源電圧を供給してランプヒータ61を点灯させる。そして、制御部70は、照射部60に電磁波を照射させている状態で搬送モータ55を駆動させる。これにより、制御部70は、照射部60を、待機位置P1から反転位置P2に向けた方向(第1の方向)に、規定の距離だけ移動させる。第1の方向とは、具体的にはトレイ53に載置された熱膨張性シート10におけるバーコードBが設けられた第1の側の縁部(すなわち図12における右側の縁部)から、第1の側の縁部に対向する第2の側の縁部(すなわち図12における左側の縁部)への方向に相当する。このように、制御部70は、照射部60を熱膨張性シート10の端から端まで移動させることで、熱膨張性シート10の表面又は裏面に広く電磁波を照射させる。
規定の距離は、熱膨張性シート10のサイズに応じて異なる。例えば、熱膨張性シート10のサイズがトレイ53に載置可能な最大サイズであるA3サイズであれば、規定の距離は、Y方向におけるトレイ53の端から端までの距離に相当する。これに対して、熱膨張性シート10のサイズがA4サイズであれば、規定の距離は、Y方向におけるトレイ53の端から端までの半分の距離に相当する。
照射部60によって電磁波が照射されると、熱膨張性シート10のうちの、カーボンブラックを含む黒色インクで濃淡画像が印刷された部分は発熱し、規定の温度にまで加熱されると膨張する。
規定の温度は、熱膨張層12に含まれる熱膨張剤が膨張を開始する温度であって、例えば80℃から120℃程度の温度である。制御部70は、所定の強度で電磁波を照射している照射部60を所定の速度で移動させることによって、熱膨張性シート10のうちの濃淡画像が印刷された部分を規定の温度以上に加熱する。所定の強度及び所定の速度は、熱膨張性シート10を規定の温度以上に加熱できるように予め設定されている。
なお、熱膨張性シート10の上側からバーコードBが読み取られた場合(裏発泡)と、熱膨張性シート10の下側からバーコードBが読み取られた場合(表発泡)とでは、濃淡画像が印刷された上側の面から熱膨張層12までの熱の伝わり方が異なる。そのため、所定の強度及び所定の速度は、表発泡と裏発泡とで異なる値に設定されていても良い。言い換えると、制御部70は、バーコードリーダ65によりバーコードBが第1の読み取り位置R1において読み取られた場合と第2の読み取り位置R2において読み取られた場合とで、照射部60により照射される電磁波の強度又は照射部60の移動速度を異なる値に設定しても良い。
このように、制御部70は、搬送モータ55によって照射部60を第1の方向に移動させながら、照射部60に電磁波を照射させることによって、熱膨張性シート10を膨張させる。熱膨張性シート10のうちの濃淡画像が印刷された部分は、濃度に応じた高さに膨張する。これによって、熱膨張性シート10に所望の造形物が造形される。
膨張処理によって、照射部60は、反転位置P2に到達する。膨張処理を実行した後、制御部70は、図示しないが、照射部60を反転位置P2から待機位置P1への方向(第2の方向)に移動させながら、すなわち照射部60を待機位置P1に戻しながら、必要に応じて、換気部54による換気処理、又は冷却部64による冷却処理を実行する。具体的に説明すると、制御部70は、換気部54を駆動させて、膨張処理によって加熱された筐体51内の空気を外部に排出する。また、制御部70は、冷却部64を駆動させて、膨張処理によって加熱された照射部60及び熱膨張性シート10を冷却する。
<造形物の製造処理>
次に、図13に示すフローチャート及び図14(a)〜(e)に示す熱膨張性シート10の断面図を参照して、印刷装置40及び膨張装置50において実行される造形物の製造処理の流れについて説明する。
第1に、ユーザは、造形物が製造される前の熱膨張性シート10を準備し、端末装置30を介して、カラー画像データ、表発泡データ及び裏発泡データを指定する。そして、熱膨張性シート10を、その表面を上側に向けて印刷装置40に挿入する。印刷装置40は、挿入された熱膨張性シート10の表面に変換層14を印刷する(ステップS1)。変換層14は、電磁波熱変換材料を含むインク、例えばカーボンブラックを含む黒色インクで形成された層である。印刷装置40は、指定された表発泡データに従って、熱膨張性シート10の表面に、カーボンブラックを含む黒色インクを塗布する。その結果、図14(a)に示すように、インク受容層13上に変換層14が形成される。なお、理解を容易とするため、インク受容層13上に変換層14が形成されているように図示しているが、より正確には黒色インクはインク受容層13中に受容されているため、インク受容層13中に変換層14が形成されている。
第2に、ユーザは、変換層14が印刷された熱膨張性シート10を、その表面を上側に向けて膨張装置50のトレイ53に載置する。膨張装置50は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10に対して表発泡工程を実施する(ステップS2)。具体的に説明すると、膨張装置50は、照射部60によって熱膨張性シート10の表面に電磁波を照射する。熱膨張性シート10の表面に印刷された変換層14に含まれる熱変換材料は、照射された電磁波を吸収することによって発熱する。その結果、変換層14が発熱し、図14(b)に示すように、熱膨張性シート10の熱膨張層12のうちの変換層14が印刷された領域が膨張し、盛り上がる。
第3に、熱膨張層12の一部が膨張した熱膨張性シート10を、その表面を上側に向けて印刷装置40に挿入する。印刷装置40は、挿入された熱膨張性シート10の表面にカラー画像(カラーインク層15)を印刷する(ステップS3)。具体的には、印刷装置40は、指定されたカラー画像データに従って、熱膨張性シート10の表面に、シアンC、マゼンタM及びイエローYの各インクを塗布する。その結果、図14(c)に示すように、インク受容層13上にカラーインク層15が形成される。なお、インク受容層13上にカラーインク層15が形成されているように図示しているが、より正確にはカラーインクはインク受容層13中に受容されている。
第4に、ユーザは、カラーインク層15が印刷された熱膨張性シート10を、その裏面を上側に向けて膨張装置50のトレイ53に載置する。膨張装置50は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10に対して乾燥工程を実施する(ステップS4)。具体的に説明すると、膨張装置50は、照射部60によって熱膨張性シート10を裏面に電磁波を照射する。これにより、膨張装置50は、熱膨張性シート10の表面に印刷されたカラーインク層15を加熱し、カラーインク層15に含まれる溶媒を揮発させる。
第5に、ユーザは、カラーインク層15が印刷された熱膨張性シート10を、その裏面を上側に向けて印刷装置40に挿入する。印刷装置40は、挿入された熱膨張性シート10の裏面に変換層16を印刷する(ステップS5)。変換層16は、熱膨張性シート10の表面に印刷された変換層14と同様に、電磁波を熱に変換する材料、具体的にはカーボンブラックを含む黒色インクで形成された層である。印刷装置40は、指定された裏発泡データに従って、熱膨張性シート10の裏面に、カーボンブラックを含む黒色インクを塗布する。その結果、図14(d)に示すように、基材11の裏面に変換層16が形成される。
第6に、ユーザは、変換層16が印刷された熱膨張性シート10を、その裏面を上側に向けて膨張装置50のトレイ53に載置する。膨張装置50は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10に対して裏発泡工程を実施する(ステップS6)。具体的に説明すると、膨張装置50は、照射部60によって熱膨張性シート10の裏面に電磁波を照射する。熱膨張性シート10の裏面に印刷された変換層16は、照射された電磁波を吸収することによって発熱する。その結果、図14(e)に示すように、熱膨張性シート10の熱膨張層12のうち、変換層16が印刷された領域が膨張し、盛り上がる。
以上のような手順によって、熱膨張性シート10の表面上に造形物が形成される。
なお、変換層14,16は、熱膨張性シート10の表面のみ又は裏面のみに形成されてもよい。表面の変換層14のみを利用して熱膨張層12を膨張させる場合、上記の処理のうちステップS1〜S4を実施する。一方、裏面の変換層16のみを利用して熱膨張層12を膨張させる場合、上記の処理のうち、ステップS3〜S6を実施する。
また、ステップS5,S6における裏発泡の処理を、ステップS1,S2における表発泡の処理よりも前に実施しても良いし、ステップS3,S4におけるカラーインク層15の印刷及び乾燥処理を、ステップS1,S2における表発泡の処理よりも前に実施しても良い。或いは、ステップS1における表面の変換層14の印刷と、ステップS3におけるカラーインク層15の印刷を実施した後で、ステップS2における表発泡の処理を実施しても良い。このように、上記ステップS1〜S6の処理の順番は、様々に入れ替えて実施しても良い。
以上説明したように、本実施形態に係る膨張装置50は、造形物を製造するために、トレイ53に載置された熱膨張性シート10に向けて電磁波を照射する装置であって、熱膨張性シート10に設けられたバーコードBがバーコードリーダ65により読み取られた場合に、トレイ53に載置された熱膨張性シート10に沿って移動する照射部60によって電磁波を照射する。このようにバーコードBを読み取ることにより、本実施形態に係る膨張装置50は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10が造形物を製造するための適正なシートであるか等を識別してから電磁波を照射することができる。
その際に、本実施形態に係る膨張装置50において、バーコードリーダ65は、待機位置P1から反転位置P2に向けて移動する照射部60の移動の向きとは反対側に設けられている。これにより、照射部60の待機位置P1を反転位置P2により近い側に設定することができる。その結果、トレイ53に載置された熱膨張性シート10を識別するためのバーコードリーダ65を備えた膨張装置50において、膨張装置50の長手方向における長さを短くすることができ、膨張装置50の省スペース化及びコンパクト化につながる。
(変形例)
以上に本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、膨張装置50は、トレイ53に載置された熱膨張性シート10に沿って照射部60を移動させながら、照射部60に電磁波を照射させる方式で、熱膨張性シート10を膨張させた。しかしながら、本発明において、膨張装置50は、熱膨張性シート10を搬送する搬送機構を備えており、搬送機構により搬送される熱膨張性シート10に向けて、位置が固定された照射部60から電磁波を照射する方式で、熱膨張性シート10を膨張させても良い。この場合、熱膨張性シート10を搬送する搬送機構が、相対移動部として機能する。ここで、搬送機構は、例えば、搬入部から搬入された熱膨張性シート10を挟持して搬送する搬送ローラ対等である。或いは、搬送機構は、熱膨張性シート10が載置された状態のトレイ53をY方向又はX方向に移動させるものであっても良い。
具体的に図15に、位置が固定された照射部60に対して熱膨張性シート10を搬送する構成の例を示す。図15の例では、熱膨張性シート10は、バーコードBが設けられた第1の側の縁部を前端として、−Y方向(図15における白抜き矢印の方向)に搬送される。制御部70は、熱膨張性シート10の前端に設けられたバーコードBがバーコードリーダ65により読み取られた場合に、搬送機構に熱膨張性シート10を搬送させながら、照射部60に電磁波を照射させる。これにより、照射部60は、熱膨張性シート10に対してその第1の側の縁部から第2の側の縁部に向けて相対的に移動しながら、搬送される熱膨張性シート10に向けて電磁波を照射する。
このとき、図15に示すように、バーコードリーダ65が照射部60における第1の側、すなわち熱膨張性シート10に対する照射部60の相対的な進行方向(図15における白抜き矢印とは反対の方向)とは反対側に設けられている。これにより、バーコードリーダ65が照射部60の相対的な進行方向と同じ側に設けられている場合よりも、バーコードリーダ65がバーコードBを読み取る際における照射部60の位置を、熱膨張性シート10の側により近づけることができる。そのため、その分、熱膨張性シート10の搬送経路を短くすることができ、膨張装置50の省スペース化及びコンパクト化につながる。このように、本発明に係る膨張装置50において、相対移動部は、熱膨張性シート10と照射部60とを相対的に移動させることができれば、熱膨張性シート10と照射部60とのどちらを移動させても良い。
上記実施形態では、バーコードリーダ65は、バーコードBを読み取ることにより、トレイ53に載置された熱膨張性シート10が造形物を製造する対象として適正なシートであるか否かの情報を取得した。また、バーコードリーダ65は、バーコードBを読み取る位置によって、トレイ53に載置された熱膨張性シート10がその表面を上側に向けられているか、或いはその裏面を上側に向けられているかの情報を取得した。しかしながら、本発明において、バーコードリーダ65は、これらの情報に限らず、バーコードBを読み取ることによって、トレイ53に載置された熱膨張性シート10に関するシート情報として他の情報を取得しても良い。
例えば、バーコードBは、そのバーコードBが設けられた熱膨張性シート10のサイズ、厚み、種類等の情報を含んでいても良い。この場合、バーコードリーダ65は、バーコードBを読み取ることで、シート情報として、熱膨張性シート10のサイズ、厚み、種類等の情報を取得する。そして、制御部70は、バーコードリーダ65により取得されたシート情報に応じて、相対移動部による移動距離、相対移動部による移動速度、又は、照射部60により照射される電磁波の強度を調整しても良い。
具体的に説明すると、バーコードリーダ65によりバーコードBから熱膨張性シート10のサイズ情報が取得された場合、制御部70は、取得されたサイズ情報に応じて、熱膨張性シート10の端から端まで電磁波を照射できるように、照射部60の移動距離を変更しても良い。例えば、制御部70は、熱膨張性シート10のサイズがA3サイズである場合には、その半分のA4サイズである場合に比べて、照射部60の移動距離として2倍の長さの距離を設定することができる。
或いは、バーコードリーダ65によりバーコードBから熱膨張性シート10の厚み又は種類の情報が取得された場合、制御部70は、取得された厚み又は種類の情報に応じて、照射部60の移動速度、又は照射部60により照射される電磁波の強度を変更しても良い。照射部60の移動速度、又は照射部60により照射される電磁波の強度を変更することにより、熱膨張性シート10の単位面積当たりに照射される電磁波の量を調整することができる。そのため、様々な厚み又は種類の熱膨張性シート10がトレイ53に載置された場合であっても、熱膨張層12を適切な温度で加熱させることができ、熱膨張性シート10を精度良く膨張させることができる。
上記実施形態では、識別子としてバーコードBが熱膨張性シート10に設けられていた。しかしながら、本発明において、識別子は、バーコードBに限らず、読取部によって読み取り可能な情報であれば、文字、記号、図形等であっても良い。また、読取部は、バーコードリーダ65のようにレーザー方式でバーコードBを読み取るものに限らず、どのような方式で識別子を読み取っても良い。
上記実施形態では、熱膨張性シート10は、基材11と熱膨張層12とインク受容層13とを備えていた。しかしながら、本発明において、熱膨張性シート10の構成はこれに限らない。例えば、熱膨張性シート10は、インク受容層13を備えなくても良いし、表面又は裏面に剥離可能な剥離層を備えていても良い。或いは、熱膨張性シート10は、他の任意の材料による層を備えていても良い。
上記実施形態では、端末装置30と印刷装置40と膨張装置50とは、それぞれ独立した装置であった。しかしながら、本発明において、端末装置30と印刷装置40と膨張装置50とのうちの少なくともいずれか2つが一体となっていても良い。
印刷装置40の印刷方式は、インクジェット方式に限らない。例えば、印刷装置40は、レーザー方式のプリンタであって、トナーと現像剤とによって画像を印刷しても良い。また、変換層14,16は、光を熱に変換しやすい材料であれば、カーボンブラックを含む黒インク以外の材料によって形成されても良い。この場合、変換層14,16は、印刷装置40以外の手段によって形成されるものであっても良い。
また、上記実施形態では、電磁波照射機構として、熱膨張性シート10を膨張させて造形物を製造する膨張装置50を例にとって説明した。しかしながら、本発明に係る電磁波照射機構によって電磁波が照射される対象は、熱膨張性シート10に限らず、一般的なシートであっても良い。そして、本発明に係る電磁波照射機構は、シートに電磁波を照射することによりシートを加工するものであれば、造形物を製造するもので無くても良い。言い換えると、本発明に係る電磁波照射機構は、載置部に載置されたシートに設けられた識別子を読み取り、識別子を読み取った場合に、シートに沿って照射部を移動させながら電磁波を照射することにより、シートを加工する。その際、シートに設けられた識別子を読み取る読取機構を、照射部における照射部の移動する向きとは反対側に設けることにより、省スペース化を図ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
シートに向けて電磁波を照射する照射部と、
前記シートと前記照射部とを相対的に移動させる相対移動部と、
前記シートの第1の側の縁部に設けられた識別子を読み取る読取部と、
前記読取部により前記識別子が読み取られた場合に、前記相対移動部により前記照射部を、前記シートの前記第1の側の縁部から前記シートの前記第1の側とは反対の第2の側の縁部に向けて、前記シートに対して相対的に移動させながら、前記照射部に前記シートに向けて電磁波を照射させる制御部と、
を備え、
前記読取部は、前記照射部における、前記第1の側から前記第2の側への向きとは反対側に設けられている、
ことを特徴とする電磁波照射機構。
(付記2)
前記シートが載置される載置部、を更に備え、
前記相対移動部は、前記載置部に載置された前記シートに沿って前記照射部を移動させる、
ことを特徴とする付記1に記載の電磁波照射機構。
(付記3)
前記制御部は、前記読取部により前記識別子が読み取られた場合に、前記相対移動部により前記照射部を、前記載置部に載置された前記シートに対して前記第1の側に位置する待機位置と、前記載置部に載置された前記シートに対して前記第2の側に位置する反転位置と、の間で往復移動させる、
ことを特徴とする付記2に記載の電磁波照射機構。
(付記4)
前記読取部の視線方向は、前記シートの表面に垂直な方向よりも、前記第1の側から前記第2の側への向きに傾斜している、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載の電磁波照射機構。
(付記5)
前記読取部は、前記照射部の側部に設けられ、前記シートに対して相対的に移動しながら前記識別子を光学的に読み取る、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の電磁波照射機構。
(付記6)
前記読取部は、前記識別子が前記照射部により電磁波が照射される側とは反対側を向くように前記シートが載置された場合には、第1の読み取り位置において前記識別子を読み取り、前記識別子が前記照射部により電磁波が照射される側を向くように前記シートが載置された場合には、第2の読み取り位置において前記識別子を読み取る、
ことを特徴とする付記5に記載の電磁波照射機構。
(付記7)
前記識別子が前記照射部により電磁波が照射される側とは反対側を向くように前記シートが載置された場合に、前記識別子の像を映す鏡を備え、
前記読取部は、前記識別子が前記照射部により電磁波が照射される側とは反対側を向くように前記シートが載置された場合には、前記鏡に映っている前記識別子の像を読み取る、
ことを特徴とする付記5又は6に記載の電磁波照射機構。
(付記8)
前記読取部は、前記識別子を読み取ることで、前記シートに関するシート情報を取得し、
前記制御部は、前記読取部により取得された前記シート情報に応じて、前記相対移動部による移動距離、前記相対移動部による移動速度、又は、前記照射部により照射される電磁波の強度を調整する、
ことを特徴とする付記1から7のいずれか1つに記載の電磁波照射機構。
(付記9)
前記読取部は、前記シート情報として、前記シートのサイズ、厚み又は種類の情報を取得する、
ことを特徴とする付記8に記載の電磁波照射機構。
(付記10)
前記シートは、加熱により膨張する熱膨張性シートであり、
前記相対移動部は、電磁波を熱に変換する変換層が印刷された前記シートと、前記照射部と、を相対的に移動させ、
前記制御部は、前記読取部により前記識別子が読み取られた場合に、前記相対移動部により前記シートと前記照射部とを相対的に移動させながら、前記照射部に前記シートに向けて電磁波を照射させることにより、前記シートを膨張させる、
ことを特徴とする付記1から9のいずれか1つに記載の電磁波照射機構。
(付記11)
シートに向けて電磁波を照射する照射部と、
前記シートと前記照射部とを相対的に移動させる相対移動部と、
前記シートの縁部に設けられた識別子を読み取る、前記照射部の第1の側に設けられた読取部と、
前記読取部により前記識別子が読み取られた場合に、前記相対移動部により前記照射部を、前記第1の側から、前記照射部に対して前記第1の側とは反対の第2の側に向けて、前記シートに対して相対的に移動させながら、前記照射部に前記シートに向けて電磁波を照射させる制御部と、
を備えることを特徴とする電磁波照射機構。
(付記12)
シートに向けて電磁波を照射する照射部と、
前記シートと前記照射部とを相対的に移動させる相対移動部と、
前記シートの縁部に設けられた識別子を読み取る読取部と、
前記読取部により前記識別子が読み取られた場合に、前記相対移動部により前記照射部を前記シートに対して相対的に往復移動させながら、前記照射部に前記シートに向けて電磁波を照射させる制御部と、
を備え、
前記読取部は、前記照射部の、前記相対移動部による往復移動の往路での進行方向とは反対側であって、且つ、前記往復移動の復路での進行方向と同じ側に設けられている、
ことを特徴とする電磁波照射機構。
1…造形システム、10…熱膨張性シート、11…基材、12…熱膨張層、13…インク受容層、14,16…変換層、15…カラーインク層、30…端末装置、31…制御部、32…記憶部、33…操作部、34…表示部、35…記録媒体駆動部、36…通信部、40…印刷装置、41…キャリッジ、42…印刷ヘッド、43,43k,43c,43m,43y…インクカートリッジ、44…ガイドレール、45…駆動ベルト、45m…モータ、46…フレキシブル通信ケーブル、47…フレーム、48…プラテン、49a…給紙ローラ対、49b…排紙ローラ対、50…膨張装置、51…筐体、51a…上側筐体、51b…下側筐体、53…トレイ、54…換気部、55…搬送モータ、56…搬送レール、57…押圧部材、58a,58b…開口、59…鏡、60…照射部、61…ランプヒータ、62…反射板、63…温度センサ、64…冷却部、65…バーコードリーダ、69…電源部、70…制御部、B…バーコード

Claims (12)

  1. シートに向けて電磁波を照射する照射部と、
    前記シートと前記照射部とを相対的に移動させる相対移動部と、
    前記シートの第1の側の縁部に設けられた識別子を読み取る読取部と、
    前記読取部により前記識別子が読み取られた場合に、前記相対移動部により前記照射部を、前記シートの前記第1の側の縁部から前記シートの前記第1の側とは反対の第2の側の縁部に向けて、前記シートに対して相対的に移動させながら、前記照射部に前記シートに向けて電磁波を照射させる制御部と、
    を備え、
    前記読取部は、前記照射部における、前記第1の側から前記第2の側への向きとは反対側に設けられている、
    ことを特徴とする電磁波照射機構。
  2. 前記シートが載置される載置部、を更に備え、
    前記相対移動部は、前記載置部に載置された前記シートに沿って前記照射部を移動させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電磁波照射機構。
  3. 前記制御部は、前記読取部により前記識別子が読み取られた場合に、前記相対移動部により前記照射部を、前記載置部に載置された前記シートに対して前記第1の側に位置する待機位置と、前記載置部に載置された前記シートに対して前記第2の側に位置する反転位置と、の間で往復移動させる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電磁波照射機構。
  4. 前記読取部の視線方向は、前記シートの表面に垂直な方向よりも、前記第1の側から前記第2の側への向きに傾斜している、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電磁波照射機構。
  5. 前記読取部は、前記照射部の側部に設けられ、前記シートに対して相対的に移動しながら前記識別子を光学的に読み取る、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電磁波照射機構。
  6. 前記読取部は、前記識別子が前記照射部により電磁波が照射される側とは反対側を向くように前記シートが載置された場合には、第1の読み取り位置において前記識別子を読み取り、前記識別子が前記照射部により電磁波が照射される側を向くように前記シートが載置された場合には、第2の読み取り位置において前記識別子を読み取る、
    ことを特徴とする請求項5に記載の電磁波照射機構。
  7. 前記識別子が前記照射部により電磁波が照射される側とは反対側を向くように前記シートが載置された場合に、前記識別子の像を映す鏡を備え、
    前記読取部は、前記識別子が前記照射部により電磁波が照射される側とは反対側を向くように前記シートが載置された場合には、前記鏡に映っている前記識別子の像を読み取る、
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の電磁波照射機構。
  8. 前記読取部は、前記識別子を読み取ることで、前記シートに関するシート情報を取得し、
    前記制御部は、前記読取部により取得された前記シート情報に応じて、前記相対移動部による移動距離、前記相対移動部による移動速度、又は、前記照射部により照射される電磁波の強度を調整する、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電磁波照射機構。
  9. 前記読取部は、前記シート情報として、前記シートのサイズ、厚み又は種類の情報を取得する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の電磁波照射機構。
  10. 前記シートは、加熱により膨張する熱膨張性シートであり、
    前記相対移動部は、電磁波を熱に変換する変換層が印刷された前記シートと、前記照射部と、を相対的に移動させ、
    前記制御部は、前記読取部により前記識別子が読み取られた場合に、前記相対移動部により前記シートと前記照射部とを相対的に移動させながら、前記照射部に前記シートに向けて電磁波を照射させることにより、前記シートを膨張させる、
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の電磁波照射機構。
  11. シートに向けて電磁波を照射する照射部と、
    前記シートと前記照射部とを相対的に移動させる相対移動部と、
    前記シートの縁部に設けられた識別子を読み取る、前記照射部の第1の側に設けられた読取部と、
    前記読取部により前記識別子が読み取られた場合に、前記相対移動部により前記照射部を、前記第1の側から、前記照射部に対して前記第1の側とは反対の第2の側に向けて、前記シートに対して相対的に移動させながら、前記照射部に前記シートに向けて電磁波を照射させる制御部と、
    を備えることを特徴とする電磁波照射機構。
  12. シートに向けて電磁波を照射する照射部と、
    前記シートと前記照射部とを相対的に移動させる相対移動部と、
    前記シートの縁部に設けられた識別子を読み取る読取部と、
    前記読取部により前記識別子が読み取られた場合に、前記相対移動部により前記照射部を前記シートに対して相対的に往復移動させながら、前記照射部に前記シートに向けて電磁波を照射させる制御部と、
    を備え、
    前記読取部は、前記照射部の、前記相対移動部による往復移動の往路での進行方向とは反対側であって、且つ、前記往復移動の復路での進行方向と同じ側に設けられている、
    ことを特徴とする電磁波照射機構。
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