JP2019217720A - 電磁波照射機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】照射部により電磁波が照射される位置にシートを配置する際に、ユーザが照射部に接触する可能性を低減させることが可能な電磁波照射機構を提供する。【解決手段】電磁波照射機構は、シートが載置されるトレイ100と、トレイ100に載置されたシートに向けて電磁波を照射する照射部60と、照射部60を、トレイ100に載置されたシートに向けて電磁波を照射させながら、トレイ100に載置されたシートに沿って移動させる移動部と、を備える。トレイ100は、照射部60により電磁波が照射される照射位置と、トレイ100からシートを着脱可能な着脱位置と、の間でスライドされ、トレイ100のスライド方向Sは、移動部による照射部60の移動方向Gに対して交差する方向である。【選択図】図15

Description

本発明は、電磁波照射機構に関する。
造形物(立体物等とも言う。)を造形する技術が知られている。例えば、特許文献1,2は、造形物として、3次元状の広がりを有する画像である立体画像の形成方法を開示している。具体的に説明すると、特許文献1,2に開示された方法では、熱膨張性シートの裏面に光吸収特性に優れた材料でパターンを形成し、熱膨張性シートを搬送部によって搬送しながら、形成されたパターンに光(電磁波)を照射することで加熱する。これにより、熱膨張性シートにおけるパターンが形成された部分が膨張して盛り上がり、立体画像が形成される。また、特許文献3は、熱膨張性シートをステージ上に載置し、照射手段である光源ランプを移動させることにより熱膨張性シートを膨張させる装置を開示している。
特開昭64−28660号公報 特開2001−150812号公報 特開2013−129144号公報
上記のような熱膨張性シートに電磁波を照射する照射部は、高温になり易い。そのため、所定の位置に載置された熱膨張性シートに対して電磁波を照射することにより熱膨張性シートを膨張させる機構において、ユーザが照射部に接触せずに熱膨張性シートを載置したトレイを電磁波の照射位置に配置したい、との要望がある。更には、上記のような熱膨張性シートに限らず、一般的なシートに対する電磁波の照射によって当該シートを加工する際において、ユーザが照射部に接触せずにシートを電磁波の照射位置に配置することが望まれている。
本発明は、以上のような課題を解決するためのものであり、照射部により電磁波が照射される位置にシートを配置する際に、ユーザが照射部に接触する可能性を低減させることが可能な電磁波照射機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る電磁波照射機構は、
シートが載置されるトレイと、
前記トレイに載置された前記シートに向けて電磁波を照射する照射部と、
前記照射部を、前記トレイに載置された前記シートに向けて電磁波を照射させながら、前記トレイに載置された前記シートに沿って移動させる移動部と、
を備え、
前記トレイは、前記照射部により電磁波が照射される照射位置と、前記トレイから前記シートを着脱可能な着脱位置と、の間でスライドされ、
前記トレイのスライド方向は、前記移動部による前記照射部の移動方向に対して交差する方向である、
ことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る電磁波照射機構は、
所定のシートを載置可能なトレイが設置されるトレイ設置部が、内部空間に設けられた筐体と、
所定の待機位置から所定の反転位置に向かって、または、前記反転位置から前記待機位置に向かって、前記内部空間を前記トレイ設置部に対して平行に移動しながら、前記トレイ設置部に向けて電磁波を照射する照射部と、
を備え、
前記筐体は、前記筐体の外部から前記トレイ設置部に前記トレイが設置される際に前記トレイをスライド挿抜可能とするための開口部が、前記照射部が前記電磁波を照射する際の移動方向に対して平行な方向に延伸するように設けられており、
前記開口部は、前記開口部の延伸方向における両端のうち前記待機位置側の端が、前記延伸方向において前記待機位置よりも前記反転位置側に位置するように設けられている、
ことを特徴とする。
本発明によれば、照射部により電磁波が照射される位置にシートを載置する際に、ユーザが照射部に接触する可能性を低減させることができる。
本発明の実施形態に係る熱膨張性シートの断面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る第1のサイズの熱膨張性シートの裏面を示す図である。(b)は、本発明の実施形態に係る第2のサイズの熱膨張性シートの裏面を示す図である。 本発明の実施形態に係る造形システムの概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る印刷装置の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る膨張装置の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る膨張装置の開口部と待機位置・反転位置との関係を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る膨張装置におけるトレイの斜視図である。 図8に示したトレイにおいて押圧部材が開かれた状態を示す斜視図である。 (a)は、図8に示したトレイにおいて押圧部材を省略した状態を示す斜視図である。(b)は、同拡大平面図である。 (a)は、図9に示したトレイに第1のサイズの熱膨張性シートが載置された状態を示す図である。(b)は、図9に示したトレイに第2のサイズの熱膨張性シートが載置された状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る膨張装置において筐体からトレイが引き出された状態を示す斜視図である。 図12に示したトレイにおいて押圧部材が閉じられた状態を示す図である。 図6に示した膨張装置が膨張処理を実行する様子を示す図である。 本発明の実施形態に係る膨張装置において筐体を省略し、トレイのスライド方向と照射部の移動方向を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る造形システムによって実行される造形物の製造処理の流れを示すフローチャートである。 (a)〜(e)は、図16に示した熱膨張性シートに造形物が製造される様子を段階的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
<熱膨張性シート10>
図1に、本実施形態に係る造形物を造形するための熱膨張性シート10の断面構成を示す。熱膨張性シート10は、予め選択された部分が加熱により膨張することによって造形物が造形される媒体である。造形物とは、立体的な形状を有する物体であって、2次元状のシートにおいて、シートのうちの一部分がシートに垂直な方向に膨張することによって造形される。造形物は、立体物又は立体画像とも言う。造形物の形状は、単純な形状、幾何学形状、文字等の形状一般を含む。
図1に示すように、熱膨張性シート10は、基材11と、熱膨張層12と、インク受容層13とを、この順に備えている。なお、図1は、造形物が造形される前、すなわちどの部分も膨張していない状態における熱膨張性シート10の断面を示している。
基材11は、熱膨張性シート10の元となるシート状の媒体である。基材11は、熱膨張層12とインク受容層13とを支持する支持体であって、熱膨張性シート10の強度を保持する役割を担う。基材11として、例えば、一般的な印刷用紙を用いることができる。或いは、基材11の材質は、合成紙、キャンバス地等の布、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のプラスチックフィルムであっても良く、特に限定されるものではない。
熱膨張層12は、基材11の上側に積層されており、規定の温度以上に加熱されることによって膨張する層である。熱膨張層12は、バインダと、バインダ内に分散配置された熱膨張剤と、を含む。バインダは、酢酸ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー等の熱可塑性樹脂である。熱膨張剤は、具体的には、プロパン、ブタン等の低沸点で気化する物質を、熱可塑性樹脂の外殻に内包した、粒径が約5〜50μmの熱膨張性のマイクロカプセル(マイクロパウダー)である。熱膨張剤は、例えば80℃から120℃程度の温度に加熱されると、内包している物質が気化し、その圧力によって発泡及び膨張する。このようにして、熱膨張層12は、吸収した熱量に応じて膨張する。熱膨張剤は、発泡剤とも呼ぶ。
インク受容層13は、熱膨張層12の上側に積層された、インクを吸収して受容する層である。インク受容層13は、インクジェット方式のプリンタに用いられる印刷用のインク、レーザー方式のプリンタに用いられる印刷用のトナー、ボールペン又は万年筆のインク、鉛筆の黒鉛等を受容する。インク受容層13は、これらを表面に定着させるための好適な材料によって形成される。インク受容層13の材料として、例えば、インクジェット用紙に用いられている汎用的な材料を用いることができる。
図2(a),(b)に、熱膨張性シート10の裏面を示す。熱膨張性シート10の裏面は、熱膨張性シート10の基材11側の面であって、基材11の裏面に相当する。図2(a)は、シートのサイズが第1のサイズである熱膨張性シート10aの裏面を示しており、図2(b)は、シートのサイズが第2のサイズである熱膨張性シート10bの裏面を示している。一例として、第1のサイズはA3サイズであり、第2のサイズはA4サイズ、すなわち第1のサイズの半分のサイズである。
図2(a),(b)に示すように、熱膨張性シート10の裏面には、その周縁部に沿って複数のバーコードBが付されている。より詳細には、バーコードBは、図2(a)に示す第1のサイズの熱膨張性シート10aでは、短手方向における一方側の端部に設けられており、図2(b)に示す第2のサイズの熱膨張性シート10bでは、長手方向における一方側の端部に設けられている。バーコードBは、熱膨張性シート10を識別するための識別子であって、熱膨張性シート10が造形物を造形するための専用のシートであることを示す識別子である。バーコードBは、膨張装置50によって読み取られ、膨張装置50において熱膨張性シート10の使用の可否を判定するために用いられる。また、バーコードBは、熱膨張性シート10のサイズが第1のサイズであるか第2のサイズであるかというサイズ情報、熱膨張性シート10の厚み、基材11の種類等の情報を含んでいても良い。
造形システム1は、このようなサイズが異なる複数種類の熱膨張性シート10に造形物を造形することができる。熱膨張性シート10の表面又は裏面のうちの膨張させたい部分には、カーボン分子が印刷される。カーボン分子は、黒色(カーボンブラック)又は他の色のインクに含まれ、電磁波を吸収して熱に変換する電磁波熱変換材料(発熱剤)の一種である。カーボン分子は、電磁波を吸収して熱振動することで熱を発生する。熱膨張性シート10において、カーボン分子が印刷された部分が加熱されると、その部分の熱膨張層12が膨張して隆起(バンプ)が形成される。このような熱膨張層12の隆起(バンプ)によって凸若しくは凹凸形状を造ることにより、熱膨張性シート10に造形物が造形される。
熱膨張性シート10における膨張させる箇所及び高さを組み合わせることにより、多彩な造形物を得ることができる。また、造形(造型)によって視覚又は触覚を通じて美感又は質感を表現することを「加飾(造飾)」と呼ぶ。
<造形システム1>
次に、図3を参照して、熱膨張性シート10に造形物を造形する造形システム1について説明する。図3に示すように、造形システム1は、端末装置30と、印刷装置40と、膨張装置50と、を備える。
端末装置30は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の情報処理装置であって、印刷装置40及び膨張装置50を制御する制御ユニットである。図4に示すように、端末装置30は、制御部31と、記憶部32と、操作部33と、表示部34と、記録媒体駆動部35と、通信部36と、を備える。これら各部は、信号を伝達するためのバスによって接続されている。
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。制御部31において、CPUが、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して、RAMをワークメモリとして用いながら、端末装置30全体の動作を制御する。
記憶部32は、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリである。記憶部32は、制御部31によって実行されるプログラム又はデータ、及び、印刷装置40によって印刷されるカラー画像データ、表面発泡データ及び裏面発泡データを記憶する。
操作部33は、キーボード、マウス、ボタン、タッチパッド、タッチパネル等の入力装置を備えており、ユーザから操作を受け付ける。ユーザは、操作部33を操作することによって、カラー画像データ、表面発泡データ及び裏面発泡データを編集する操作、印刷装置40又は膨張装置50に対する操作等を入力することができる。
表示部34は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置と、表示装置に画像を表示させる表示駆動回路と、を備える。例えば、表示部34は、カラー画像データ、表面発泡データ及び裏面発泡データを表示する。また、表示部34は、必要に応じて、印刷装置40又は膨張装置50の現在の状態を示す情報を表示する。
記録媒体駆動部35は、可搬型の記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出す。可搬型の記録媒体とは、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、USB(Universal Serial Bus)規格のコネクタが備えられているフラッシュメモリ等である。例えば、記録媒体駆動部35は、カラー画像データ、表面発泡データ及び裏面発泡データを、可搬型の記録媒体から読み出して取得する。
通信部36は、印刷装置40及び膨張装置50を含む外部の装置と通信するためのインタフェースを備える。端末装置30は、フレキシブルケーブル、有線LAN(Local Area Network)等の有線、又は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)等の無線を介して印刷装置40及び膨張装置50と接続されている。通信部36は、制御部31の制御の下、これらのうちの少なくとも1つの通信規格に従って、印刷装置40及び膨張装置50と通信する。
<印刷装置40>
印刷装置40は、熱膨張性シート10の表面又は裏面に画像を印刷する印刷ユニットである。印刷装置40は、インクを微滴化し、被印刷媒体に対して直接に吹き付ける方式で画像を印刷するインクジェットプリンタである。
図5に、印刷装置40の詳細な構成を示す。図5に示すように、印刷装置40は、熱膨張性シート10が搬送される方向である副走査方向D1(Y方向)に直交する主走査方向D2(X方向)に往復移動可能なキャリッジ41を備える。
キャリッジ41には、印刷を実行する印刷ヘッド42と、インクを収容したインクカートリッジ43(43k,43c,43m,43y)が取り付けられている。インクカートリッジ43k,43c,43m,43yには、それぞれ、ブラックK、シアンC、マゼンタM、及びイエローYの色インクが収容されている。各色のインクは、印刷ヘッド42の対応するノズルから吐出される。
キャリッジ41は、ガイドレール44に滑動自在に支持されており、駆動ベルト45に挟持されている。キャリッジ41は、モータ45mの回転により駆動ベルト45が駆動することで、印刷ヘッド42及びインクカートリッジ43と共に、主走査方向D2に移動する。
フレーム47の下部には、印刷ヘッド42と対向する位置に、プラテン48が設けられている。プラテン48は、主走査方向D2に延在しており、熱膨張性シート10の搬送路の一部を構成している。熱膨張性シート10の搬送路には、給紙ローラ対49a(下のローラは不図示)と排紙ローラ対49b(下のローラは不図示)とが設けられている。給紙ローラ対49aと排紙ローラ対49bとは、プラテン48に支持された熱膨張性シート10を副走査方向D1に搬送する。
印刷装置40は、フレキシブル通信ケーブル46を介して端末装置30と接続されている。端末装置30は、フレキシブル通信ケーブル46を介して、印刷ヘッド42、モータ45m、給紙ローラ対49a及び排紙ローラ対49bを制御する。具体的に説明すると、端末装置30は、給紙ローラ対49a及び排紙ローラ対49bを制御して、熱膨張性シート10を搬送させる。また、端末装置30は、モータ45mを回転させてキャリッジ41を移動させ、印刷ヘッド42を主走査方向D2の適切な位置に搬送させる。
印刷装置40は、端末装置30から画像データを取得し、取得した画像データに基づいて印刷を実行する。具体的に説明すると、印刷装置40は、画像データとして、カラー画像データと表面発泡データと裏面発泡データとを取得する。カラー画像データは、熱膨張性シート10の表面に印刷するカラー画像を示すデータである。印刷装置40は、印刷ヘッド42に、シアンC、マゼンタM及びイエローYの各インクを熱膨張性シート10に向けて噴射させて、カラー画像を印刷する。
表面発泡データは、熱膨張性シート10の表面において発泡及び膨張させる部分を示すデータである。また、裏面発泡データは、熱膨張性シート10の裏面において発泡及び膨張させる部分を示すデータである。印刷装置40は、印刷ヘッド42に、カーボンブラックを含むブラックKの黒色インクを熱膨張性シート10に向けて噴射させて、黒色による濃淡画像(濃淡パターン)を印刷する。カーボンブラックを含む黒色インクは、電磁波を熱に変換する材料の一例である。
<膨張装置50>
電磁波照射機構である膨張装置50は、熱膨張性シート10の表面又は裏面に電磁波を照射し、熱膨張性シート10の表面又は裏面に印刷された濃淡画像を発熱させて、熱膨張性シート10のうちの濃淡画像が印刷された部分を膨張させる膨張ユニットである。
図6に、膨張装置50の構成を模式的に示す。図6において、X方向は、膨張装置50の幅方向に相当し、Y方向は、膨張装置50の長手方向に相当し、Z方向は、鉛直方向に相当する。X方向とY方向とZ方向とは、互いに直交する。
膨張装置50は、照射部60を移動させながら、トレイ100に載置された熱膨張性シート10に向けて照射部60に電磁波を照射させることにより、熱膨張性シート10を膨張させる。照射部60は、移動方向Gの第1の側にある第1の位置P1と第2の側にある第2の位置P2との間でトレイ100や後述するトレイ収容部57に対して平行に筐体51の内部空間を往復移動する。第1の位置P1は、照射部60の初期位置(待機位置)である。照射部60は、膨張装置50が動作していない時には第1の位置P1で待機している。第1の位置P1に照射部60が待機しているとき、照射部60は、トレイ収容部57から奥まった位置(トレイ100の第1の側の縁部よりも外側の位置)にあるので、熱膨張性シート10の交換時にユーザが誤って照射部60に手を触れたりする可能性を低減させることができる。第2の位置P2は、照射部60の移動方向が反転する反転位置である。
膨張装置50は、箱型の筐体51を備える。筐体51の内部は、上側筐体51aと下側筐体51bとの2室に仕切られている。これは、照射部60からの電磁波の照射により上側筐体51a内の温度が上昇した際に、下側筐体51b内の基板等に与える影響を抑制するものである。膨張装置50は、上側筐体51aの内部に、換気部54と、搬送モータ55と、搬送レール56と、トレイ収容部57と、照射部60と、トレイ100と、を備える。また、膨張装置50は、下側筐体51bの内部に、電源部69と、制御部70と、を備える。
トレイ収容部(トレイ設置部)57は、熱膨張性シート10を筐体51内の適正な位置(照射位置)に設置するために筐体51内の内部空間に設けられている。トレイ収容部57は、照射部60によりトレイ100に載置された熱膨張性シート10に電磁波が照射される照射位置から、トレイ100から熱膨張性シート10を着脱可能な着脱位置までX軸方向にトレイ100を移動(スライド挿抜)可能であり、筐体51の−X方向に設けられた開口部58を有する。図7に示すように、開口部58は、照射部60が電磁波を照射する際の移動方向Gに対して平行な方向に延伸するように設けられている。開口部58は、延伸方向Eにおける両端のうち待機位置P1側の端W1が、延伸方向Eにおいて待機位置P1よりも反転位置P2側に位置するように設けられている。開口部58の他方の端W2は、延伸方向Eにおいて反転位置P2よりも待機位置P1側に位置している。
トレイ100は、熱膨張性シート10を筐体51内の適正な位置(トレイ収容部57内の照射位置)に設置するための機構である。図8に、トレイ100の詳細な構成を示す。図8に示すように、トレイ100は、載置部110と、押圧部材120と、を備える。トレイ100は、筐体51内に設けられた1対のスライドレールに取り付けられており、スライドレールに沿ってX方向にスライドする。着脱位置において、筐体51からトレイ100を取り出して、熱膨張性シート10のセット及び取り出しを行う。トレイ100は、図8及び図9に示すように、その上面に熱膨張性シート10が載置される平面状の載置部110と、載置部110の上面を覆うように配置され、ユーザによって開閉される押圧部材120と、を備える。XY平面視で、トレイ100は、Y軸方向が長手方向で、X軸方向が短手方向の略矩形状である。
載置部110は、その上面に熱膨張性シート10が載置される載置枠部114を備える平面状の部材である。載置部110は、押圧部材120との間で熱膨張性シート10を挟み込んで保持する。
図9に、載置部110から押圧部材120が開かれた状態のトレイ100を示す。図9に示すように、載置部110の載置枠部114の外形の大きさは、熱膨張性シート10を安定して保持できるように、トレイ100に載置可能な熱膨張性シート10の最大サイズよりも大きなサイズの長方形状をしている。トレイ100に載置可能な熱膨張性シート10の最大サイズは、例えばA3サイズである。載置部110は、ユーザがトレイ100を筐体51から引き出すための手掛け部111を備える。
載置部110の中央部分における熱膨張性シート10が載置される領域には、載置枠部114の内側に矩形状の凹部112が設けられている。より詳細には、凹部112は、載置部110における、熱膨張性シート10のうちの膨張する部分が載置される領域に設けられている開口部である。ここで、熱膨張性シート10のうちの膨張する部分とは、濃淡画像が印刷されて膨張可能な部分であって、周縁部以外の部分に相当する。周縁部とは、熱膨張性シート10の4辺の外周(境界)に接する部分であって、いわゆる余白領域に相当する。
凹部112は、裏面発泡の際、すなわち熱膨張性シート10がその裏面を上側に向けて載置部110の載置枠部114に載置された場合に、熱膨張性シート10の熱膨張層12が下側に向けて膨張できるようにするために設けられている。凹部112が設けられていることにより、載置部110の載置枠部114に載置された熱膨張性シート10のうちの中央の膨張可能な部分は載置部110の載置枠部114に接しない。言い換えると、熱膨張性シート10は、図10(a)に示すように、その周縁部が凹部112を囲む所定の幅を有する外周部分(載置枠部114又は後述する磁石116)によって支持されることにより、載置部110の載置枠部114に保持される。これにより、熱膨張性シート10が、トレイ100からはみ出したり落ちたりする事無く、載置部110の載置枠部114と押圧部材120とによって熱膨張性シート10を支持することができる。
凹部112の底面には、トレイ100に載置された熱膨張性シート10の下側の面の一部が露出するように、開口113が設けられている。開口113が設けられていることにより、熱膨張性シート10が膨張する際に発生する熱を外部に逃がすことができ、熱膨張性シート10の温度が上昇しすぎることを回避することができる。
図9に示すように、凹部112を囲む外周部分、すなわち熱膨張性シート10の周縁部が載置される部分には、磁石116が設けられている。磁石116は、細長い板状をしており、凹部112の外周部分の4辺のそれぞれに沿って設けられている。磁石116は、押圧部材120が閉じられた際に押圧部材120に設けられた金属板125を吸引(吸着)することで、熱膨張性シート10を固定する役割を果たす。載置部110における磁石116が設けられた4辺の領域は、縦方向(X方向)に延伸する2辺の領域である2つの縦枠部と、横方向(Y方向)に延伸する2辺の領域である2つの横枠部と、に分けられる。これら2つの縦枠部及び2つの横枠部は、熱膨張性シート10が載置部110の載置枠部114に載置された場合に、熱膨張性シート10の周縁部を支持する。これにより、熱膨張性シート10を固定しながら、熱膨張性シート10に,膨張処理を施すことができる。図10(b)に示すように、2つの縦枠部及び2つの横枠部の内側に形成される開口部である凹部112の外側の縁(載置枠部114の内側の縁)に、レバー部140の先端が配置される。
押圧部材120は、載置部110に載置された熱膨張性シート10の周縁部を押圧することにより、熱膨張性シート10を載置部110の載置枠部114に固定する部材である。熱膨張性シート10は、膨張時に内部で応力が働くことにより、例えば周縁部が鉛直方向(Z方向)に弓なりに曲がって反る等、平面状から変形することがある。このように熱膨張性シート10が変形すると、膨張の高さが変わる等のように膨張の精度に影響を及ぼし、造形される造形物の品質が悪化するおそれがある。このような熱膨張性シート10の変形を抑制するため、熱膨張性シート10は、押圧部材120により周縁部が押圧されることで、トレイ100に固定される。このように熱膨張性シート10がトレイ100に安定して固定された状態で、膨張処理が実行される。
図9に示すように、押圧部材120は、載置部110に接する1辺に設けられた、例えばヒンジ構造の回動部117を軸に回転することで開閉される。押圧部材120は、額縁状(枠状又はフレーム状)に形成されている。言い換えると、押圧部材120は、熱膨張性シート10のうちの電磁波が照射される部分が露出するように、また、表面発泡の際に熱膨張性シート10が上側に向けて膨張可能なように、中央部分に大きな開口128を有している。開口128の大きさは、凹部112の大きさに等しい。押圧部材120は、載置部110に熱膨張性シート10が載置された状態で閉じられると、額縁の枠部分によって、載置部110に載置された熱膨張性シート10の周縁部を押圧して、載置部110の載置枠部114との間で熱膨張性シート10の周縁部を挟持する。押圧部材120は、回動部117を介して載置部110に接続されているので、熱膨張性シート10の周縁部を一定の押圧力で押圧することができる。
より詳細に説明すると、押圧部材120は、第1のサイズであるA3サイズの熱膨張性シート10aが載置部110の載置枠部114に載置可能になるように設けられている。そのため、載置部110の載置枠部114にA3サイズの熱膨張性シート10aが載置された場合、押圧部材120の4辺の枠が熱膨張性シート10aの4辺の周縁部に被せられることで、周縁部が押圧される。
これに対して、載置部110の載置枠部114に載置された熱膨張性シート10のサイズが、図2(b)に示した第2のサイズである場合には、押圧部材120は、第2のサイズの熱膨張性シート10bの3辺の周縁部を押圧する。第2のサイズとは、載置部110の載置枠部114に載置可能な熱膨張性シート10の最大サイズよりも小さいサイズであって、具体的にはA4サイズである。最大サイズよりも小さいサイズの熱膨張性シート10bが載置部110の載置枠部114に載置された場合、押圧部材120の4辺の枠は、第2のサイズの熱膨張性シート10bの4辺の周縁部に合致しない。そのため、載置部110の載置枠部114に第2のサイズの熱膨張性シート10bが載置された場合、押圧部材120の4辺の枠のうちの一部が第2のサイズの熱膨張性シート10bの3辺の周縁部に被せられることで、3辺の周縁部が押圧される。
押圧部材120は、その下側の面、すなわち載置部110の載置枠部114に載置された熱膨張性シート10に接する側の面に、金属板125を備える。金属板125は、鉄等の磁性を有する金属の板であり、押圧部材120の4辺の枠に沿って設けられている。金属板125は、押圧部材120が閉じられた際に、載置部110の載置枠部114に設けられた磁石116に吸引される。このような磁石116と金属板125との間の吸引力により、押圧部材120は、載置部110の載置枠部114に載置された熱膨張性シート10の周縁部を押圧して固定する。
図10(a)に示すように、載置部110の載置枠部114は、+X方向端部に延設された磁石116の下部にレバー部140(140a,140b)を有する。可動部材であるレバー部140は、載置部110の載置枠部114の貫通孔118に回動可能に取り付けられている。レバー部140は、所定の条件において、図示しないセンサが投光する光を遮るための部材である。
第1のレバー部140aは、第2のサイズの熱膨張性シート10bが載置部110の載置枠部114に載置された場合、第2のサイズの熱膨張性シート10bに当接せず、第1のサイズの熱膨張性シート10aが載置部110の載置枠部114に載置された場合、第1のサイズの熱膨張性シート10aの+X方向の1辺に近接し、第1のサイズの熱膨張性シート10aに当接可能な位置に配置されている。
第2のレバー部140bは、第2のサイズの熱膨張性シート10bが載置部110の載置枠部114に載置された場合、第2のサイズの熱膨張性シート10bの+X方向の1辺に近接し第2のサイズの熱膨張性シート10bに当接可能な位置であって、第1のサイズの熱膨張性シート10aが載置部110の載置枠部114に載置された場合、第1のサイズの熱膨張性シート10aの+X方向の1辺に近接し第1のサイズの熱膨張性シート10aに当接可能な位置に配置されている。
レバー部140は、載置枠部114に載置された熱膨張性シート10に−Z方向に押されて、トレイ100の+X方向に配置されたセンサ(図示せず)が投光する光を遮光する位置まで回動される。熱膨張性シート10が載置部110から取り出されると、レバー部140は、回動前の位置まで回動され、センサの投光する光を遮らなくなる。制御部70は、センサによって、トレイ100に熱膨張性シート10が載置されているか否か、及び、載置されている場合、熱膨張性シート10のサイズを判別する。
第1のサイズの熱膨張性シート10aを、図9に示す、押圧部材120を開いた状態の載置部110の載置枠部114に載置する。この状態で押圧部材120が閉じられると、押圧部材120の額縁状の枠の一部が第1のサイズの熱膨張性シート10aの4辺の周縁部の上に被せられ、トレイ100は図11(a)に示す状態になる。その結果、第1のサイズの熱膨張性シート10aの4辺の周縁部が押圧部材120によって上から押さえつけられる。このとき、押圧部材120に設けられた金属板125が、載置枠部114に設けられた磁石116に吸引されることにより、熱膨張性シート10は、載置部110の載置枠部114と押圧部材120との間で固定される。これにより、第1のサイズの熱膨張性シート10aは、第1のレバー部140a及び第2のレバー部140bを−Z方向に押動し、第1のレバー部140a及び第2のレバー部140bが、第1及び第2のセンサの投光する光を遮り、これを第1及び第2のセンサが検知することにより、制御部70は,第1のサイズの熱膨張性シート10aが載置部110の載置枠部114に載置されたと判別する。
次に、第2のサイズの熱膨張性シート10bがトレイ100に保持される様子を説明する。図2(b)に示す、第2のサイズの熱膨張性シート10bを、図9に示す、押圧部材120を開いた状態の載置部110の載置枠部114に載置する。この状態で押圧部材120が閉じられると、押圧部材120の額縁状の枠の一部が第2のサイズの熱膨張性シート10bの3辺の周縁部の上に被せられ、トレイ100は図11(b)に示す状態になる。その結果、第2のサイズの熱膨張性シート10bの3辺の周縁部が押圧部材120によって上から押さえつけられる。このとき、押圧部材120に設けられた金属板125が、載置枠部114に設けられた磁石116に吸引されることにより、第2のサイズの熱膨張性シート10bは、載置部110の載置枠部114と押圧部材120との間で固定される。これにより、第2のサイズの熱膨張性シート10bは、第2のレバー部140bを−Z方向に押動し、第2のレバー部140bが、第2のセンサの投光する光を遮り、これを第2のセンサが検知することで、制御部70は、第2のサイズの熱膨張性シート10bが載置枠部114に載置されたと判別する。なお、載置枠部114にいずれのサイズの熱膨張性シート10も載置されていない場合、いずれのレバー部140も回動前の位置から回動せず、いずれのセンサの投光する光も遮られない。従って、いずれのセンサも遮光を検知せず、制御部70は、載置部110には熱膨張性シート10が載置されていないと判別する。
以上のようにして、制御部70は、トレイ100に載置された熱膨張性シート10のサイズを判別する。判別した結果、第2のサイズの熱膨張性シート10bが載置枠部114に載置されている場合、制御部70は、第1の位置P1(待機位置)は変更せずに第2の位置P2(反転位置)を変更する。これにより、第1の位置P1が、照射位置におけるトレイ100の開口128の上部に位置することを防ぐことができ、ユーザが照射部60に触れる可能性が高くなることを防ぐことができる。
以上のように構成されるトレイ100は、筐体51のトレイ収容部57内に設けられた1対のスライドレールに取り付けられており、スライドレールに沿ってX方向にスライドする。図12及び図13に、筐体51からトレイ100を取り出した状態を示す。
図12に示すように、ユーザは、熱膨張性シート10を膨張装置50に搬入する際、手掛け部111に手を掛けて、トレイ100を−X方向にスライドさせて筐体51から引き出す。そして、ユーザは、押圧部材120を開き、膨張させる対象となる熱膨張性シート10を、その表面又は裏面を上に向けて載置部110の載置枠部114に載置する。
熱膨張性シート10を載置枠部114に載置すると、ユーザは、押圧部材120を閉じる。押圧部材120が閉じられると、図13に示すように、載置部110に載置された熱膨張性シート10は、押圧部材120によってその周縁部が押圧されることにより、固定される。
このようにして熱膨張性シート10をトレイ100に載置すると、ユーザは、トレイ100を+X方向にスライドさせて、筐体51のトレイ収容部57内に送り込む。これにより、熱膨張性シート10は、照射部60によって電磁波を照射可能な照射位置に配置される。
その後、熱膨張性シート10の膨張処理が終了すると、ユーザは、再びトレイ100を−X方向に引き出して、トレイ100から熱膨張性シート10を取り出す。
図6に示した膨張装置50の説明に戻る。換気部54は、膨張装置50における−Y方向の端部に設けられており、膨張装置50の内部を換気する。換気部54は、少なくとも1つのファンを備えており、筐体51の内部の空気を外部に排出することで筐体51の内部を換気する。
搬送モータ55は、例えばパルス電力に同期して動作するステッピングモータであって、照射部60をトレイ100に載置された熱膨張性シート10の表面又は裏面に沿って移動させる。筐体51の内部には、Y方向に、すなわち熱膨張性シート10の表面又は裏面に平行な方向に搬送レール56が設けられている。照射部60は、搬送レール56に沿って移動することができるように搬送レール56に取り付けられている。照射部60は、搬送モータ55の回転に伴う駆動力を動力源として、熱膨張性シート10との距離を一定に保ちながら、搬送レール56に沿って往復移動する。搬送モータ55は、熱膨張性シート10と照射部60とを相対的に移動させる移動部(移動手段)として機能する。
具体的に説明すると、図14に示すように、照射部60は、熱膨張性シート10の−Y方向の端部に対応する第1の位置P1(待機位置)と、熱膨張性シート10の+Y方向の端部に対応する第2の位置P2(反転位置)と、の間(トレイ100の長手方向)で往復移動する。搬送モータ55は、照射部60を、第1の位置P1から第2の位置P2に向かう第1の方向、及び、第2の位置P2から第1の位置P1に向かう第2の方向に移動させる。第1の位置P1は、照射部60の初期位置(ホームポジション)である。照射部60は、膨張装置50が動作していない時には第1の位置P1で待機している。第1の側にある第1の位置P1は、トレイ100の第1の側の縁部101よりも外側(−Y方向側)に位置する。
図15に示すように、移動式ヘッドである照射部60は、トレイ100に配置された熱膨張性シート10に沿って所定の隙間を空けて、トレイ100がスライド挿抜されるスライド方向Sに対して垂直な移動方向Gに移動しながら熱膨張性シート10に向けて電磁波を照射し熱膨張性シート10を加工(膨張加工)する機構である。図6に示すように、照射部60は、箱型のカバーの内部に、ランプヒータ61と、反射板62と、温度センサ63と、冷却部64と、を備える。
ランプヒータ61は、例えば照射源としてハロゲンランプを備えており、電磁波として、熱膨張性シート10に対して、近赤外領域(波長750〜1400nm)、可視光領域(波長380〜750nm)、又は、中赤外領域(波長1400〜4000nm)の光を照射する。照射部60及びランプヒータ61は、このような波長域の光を照射することにより、熱膨張性シート10にエネルギーを照射する照射手段として機能する。
カーボンブラックを含む黒色インクによる濃淡画像が印刷された熱膨張性シート10に光(エネルギー)を照射すると、濃淡画像が印刷された部分では、濃淡画像が印刷されていない部分に比べて、より効率良く光が熱に変換される。そのため、熱膨張性シート10のうちの濃淡画像が印刷された部分が主に加熱され、熱膨張剤が膨張を開始する温度に達すると膨張する。照射部60は、搬送モータ55によって搬送されながら光(エネルギー)を照射することにより、熱膨張性シート10を熱膨張させる熱膨張手段として機能する。なお、ランプヒータ61によって照射される光は、電磁波であれば良く、上記波長域の光であることに限らない。
反射板62は、ランプヒータ61の上側を覆うように配置されており、ランプヒータ61から照射された光を熱膨張性シート10に向けて反射する機構である。温度センサ63は、熱電対、サーミスタ等であって、反射板62の温度を測定する測定手段として機能する。冷却部64は、照射部60に給気するための少なくとも1つのファンを備え、外気を吸入し、吸入した外気を反射板62に送って冷却する。反射板62に送られた外気は、更に下方に流れることで、照射部60及び筐体51の内部が冷却される。
バーコードリーダ65は、熱膨張性シート10の周縁部に設けられたバーコードBを読み取る読取手段として機能する。バーコードリーダ65は、光を発する光源と光を検知する光学センサとを備え、レーザー方式等の周知の方式でバーコードBを光学的に読み取る。バーコードリーダ65は、照射部60のカバーの外側に取り付けられており、照射部60と共に、トレイ100に載置された熱膨張性シート10に沿って移動しながら、バーコードBを光学的に読み取る。
上述したように、バーコードBは、熱膨張性シート10の1辺の周縁部に設けられている。一方で、熱膨張性シート10がトレイ100に載置されて押圧部材120が閉じられると、押圧部材120は、バーコードBが設けられた1辺の周縁部を含む少なくとも3辺の周縁部に被さり、少なくとも3辺の周縁部を上から押圧する。このような押圧部材120によってバーコードBが隠されて読めなくなることを回避するため、載置部110及び押圧部材120には、バーコードリーダ65がバーコードBを押圧部材120越しに光学的に読み取り可能とするための開口が設けられている。
電源部69は、電源IC(Integrated Circuit)等を備え、膨張装置50内の各部に必要な電源を作り出して供給する。例えば、換気部54、搬送モータ55、ランプヒータ61及び冷却部64は、電源部69から電力を得て動作する。
制御部70は、筐体51の下部に配置された基板上に設けられている。制御部70は、CPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、を備えており、命令やデータを転送するための伝送経路であるシステムバスを介して膨張装置50の各部と接続されている。また、制御部70は、いずれも図示しないが、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリと、RTC(Real Time Clock)等の計時デバイスと、端末装置30と通信するための通信インタフェースと、を備える。
制御部70において、CPUが、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して、RAMをワークメモリとして用いながら、膨張装置50全体の動作を制御する。具体的に説明すると、制御部70は、搬送モータ55を制御して、照射部60を指定された向きに指定された移動速度で移動させる。また、制御部70は、照射部60による電磁波の照射のオンとオフとを切り替え、バーコードリーダ65にバーコードBを読み取らせ、トレイ100に載置された熱膨張性シート10は、第1のサイズの熱膨張性シート10aか、第2のサイズの熱膨張性シート10bかを判別し、判別結果により、第2の位置P2である反転位置の変更を行う。
<膨張処理>
制御部70は、印刷装置40によって濃淡画像が印刷された熱膨張性シート10に電磁波を照射することにより、熱膨張性シート10を膨張させる。
図14に、膨張装置50が膨張処理を実行する様子を示す。制御部70は、バーコードリーダ65によってトレイ100に載置された熱膨張性シート10に設けられたバーコードBが読み取られた場合、照射部60に電源電圧を供給してランプヒータ61を点灯させる。そして、制御部70は、照射部60に電磁波を照射させている状態で搬送モータ55を駆動させる。これにより、制御部70は、照射部60を、第1の位置P1から第2の位置P2に向けた方向(第1の方向)に、規定の距離だけ移動させる。このように、制御部70は、照射部60を熱膨張性シート10の端から端まで移動させることで、熱膨張性シート10の表面又は裏面に広く電磁波を照射させる。
規定の距離は、熱膨張性シート10のサイズに応じて異なる。例えば、熱膨張性シート10のサイズがA3サイズであれば、規定の距離は、第1の位置P1から第2の位置P2までの距離である。これに対して、熱膨張性シート10のサイズがA4サイズであれば、規定の距離は、第1の位置P1から第2の位置P2までの半分の距離である。一例として、熱膨張性シート10のサイズ情報がバーコードBに含まれており、制御部70は、バーコードリーダ65によるバーコードBの読み取り結果に応じて、規定の距離を設定しても良い。或いは、熱膨張性シート10の厚み、基材11の種類等の情報がバーコードBに含まれており、制御部70は、バーコードリーダ65によるバーコードBの読み取り結果に応じて、照射部60を移動させる速度を変更しても良い。
照射部60によって電磁波が照射されると、熱膨張性シート10のうちの、カーボンブラックを含む黒色インクで濃淡画像が印刷された部分は発熱し、規定の温度にまで加熱されると膨張する。
規定の温度は、熱膨張層12に含まれる熱膨張剤が膨張を開始する温度であって、例えば80℃から120℃程度の温度である。制御部70は、所定の強度で電磁波を照射している照射部60を所定の速度で移動させることによって、熱膨張性シート10のうちの濃淡画像が印刷された部分を規定の温度以上に加熱する。所定の強度及び所定の速度は、熱膨張性シート10を規定の温度以上に加熱できるように予め設定されている。
このように、制御部70は、搬送モータ55によって照射部60を第1の方向に移動させながら、照射部60に電磁波を照射させることによって、熱膨張性シート10を膨張させる。熱膨張性シート10のうちの濃淡画像が印刷された部分は、濃淡画像における黒色の濃さに応じた高さに膨張する。これによって、熱膨張性シート10に所望の造形物が造形される。
このような膨張処理によって、照射部60は、熱膨張性シート10の第2の位置P2側の端部に到達する。膨張処理を実行した後、制御部70は、図示しないが、照射部60を第2の位置P2から第1の位置P1への方向(第2の方向)に移動させながら、すなわち照射部60を初期位置に戻しながら、必要に応じて、換気部54による換気処理、又は冷却部64による冷却処理を実行する。具体的に説明すると、制御部70は、換気部54を駆動させて、膨張処理によって加熱された筐体51内の空気を外部に排出する。また、制御部70は、冷却部64を駆動させて、膨張処理によって加熱された照射部60及び熱膨張性シート10を冷却する。
<造形物の製造処理>
次に、図16に示すフローチャート及び図17(a)〜(e)に示す熱膨張性シート10の断面図を参照して、印刷装置40及び膨張装置50において実行される造形物の製造処理の流れについて説明する。
第1に、ユーザは、造形物が製造される前の熱膨張性シート10を準備し、端末装置30を介して、カラー画像データ、表面発泡データ及び裏面発泡データを指定する。そして、熱膨張性シート10を、その表面を上側に向けて印刷装置40に挿入する。印刷装置40は、挿入された熱膨張性シート10の表面に熱変換層(表側変換層81)を印刷する(ステップS1)。表側変換層81は、電磁波熱変換材料を含むインク、例えばカーボンブラックを含む黒色インクで形成された層である。印刷装置40は、指定された表面発泡データに従って、熱膨張性シート10の表面に、カーボンブラックを含む黒色インクを吐出する。その結果、図17(a)に示すように、インク受容層13上に表側変換層81が形成される。なお、理解を容易とするため、インク受容層13上に表側変換層81が形成されているように図示しているが、より正確には黒色インクはインク受容層13中に受容されているため、インク受容層13中に表側変換層81が形成されている。
第2に、ユーザは、表側変換層81が印刷された熱膨張性シート10を、その表面を上側に向けて膨張装置50に挿入する。膨張装置50は、挿入された熱膨張性シート10へ表面から電磁波を照射する(ステップS2)。具体的に説明すると、膨張装置50は、照射部60によって熱膨張性シート10の表面に電磁波を照射する。熱膨張性シート10の表面に印刷された表側変換層81に含まれる熱変換材料は、照射された電磁波を吸収することによって発熱する。その結果、表側変換層81が発熱し、図17(b)に示すように、熱膨張性シート10の熱膨張層12のうちの表側変換層81が印刷された領域が膨張し、盛り上がる。
第3に、熱膨張層12の一部が膨張した熱膨張性シート10を、その表面を上側に向けて印刷装置40に挿入する。印刷装置40は、挿入された熱膨張性シート10の表面にカラー画像(カラーインク層82)を印刷する(ステップS3)。具体的には、印刷装置40は、指定されたカラー画像データに従って、熱膨張性シート10の表面に、シアンC、マゼンタM及びイエローYの各インクを吐出する。その結果、図17(c)に示すように、インク受容層13上にカラーインク層82が形成される。なお、インク受容層13上にカラーインク層82が形成されているように図示しているが、より正確にはカラーインクはインク受容層13中に受容されている。
第4に、カラーインク層82の形成後、カラーインク層82を乾燥させる(ステップS4)。例えば、ユーザは、カラーインク層82が印刷された熱膨張性シート10を、その裏面を上側に向けて膨張装置50に挿入し、膨張装置50は、挿入された熱膨張性シート10を裏面から加熱し、熱膨張性シート10の表面に形成されたカラーインク層82を乾燥させる。具体的に説明すると、膨張装置50は、照射部60によって熱膨張性シート10の裏面に電磁波を照射させ、カラーインク層82を加熱し、カラーインク層82中に含まれる溶媒を揮発させる。なお、ステップS4は省略することも可能である。
第5に、ユーザは、カラーインク層82が印刷された熱膨張性シート10を、その裏面を上側に向けて印刷装置40に挿入する。印刷装置40は、挿入された熱膨張性シート10の裏面に熱変換層(裏側変換層83)を印刷する(ステップS5)。裏側変換層83は、熱膨張性シート10の表面に印刷された表側変換層81と同様に、電磁波を熱に変換する材料、具体的にはカーボンブラックを含む黒色インクで形成された層である。印刷装置40は、指定された裏面発泡データに従って、熱膨張性シート10の裏面に、カーボンブラックを含む黒色インクを吐出する。その結果、図17(d)に示すように、基材11の裏面に裏側変換層83が形成される。
第6に、ユーザは、裏側変換層83が印刷された熱膨張性シート10を、その裏面を上側に向けて膨張装置50に挿入する。膨張装置50は、挿入された熱膨張性シート10へ裏面から電磁波を照射して加熱する(ステップS6)。具体的に説明すると、膨張装置50は、照射部60によって熱膨張性シート10の裏面に電磁波を照射させる。熱膨張性シート10の裏面に印刷された裏側変換層83は、照射された電磁波を吸収することによって発熱する。その結果、図17(e)に示すように、熱膨張性シート10の熱膨張層12のうち、裏側変換層83が印刷された領域が膨張し、盛り上がる。
以上のような手順によって、熱膨張性シート10の表面上に造形物が形成される。
なお、熱変換層は表側のみ又は裏側のみに形成されてもよい。表側変換層81のみを利用して熱膨張層12を膨張させる場合、上記の処理のうちステップS1〜S4を実施する。一方、裏側変換層83のみを利用して熱膨張層12を膨張させる場合、上記の処理のうち、ステップS3〜S6を実施する。
また、ステップS5,S6における裏面発泡の処理を、ステップS1,S2における表面発泡の処理よりも前に実施しても良いし、ステップS3,S4におけるカラーインク層82の印刷及び乾燥処理を、ステップS1,S2における表面発泡の処理よりも前に実施しても良い。或いは、ステップS1における表側変換層81の印刷と、ステップS3におけるカラーインク層82の印刷を実施した後で、ステップS2における表面発泡の処理を実施しても良い。このように、上記ステップS1〜S6の処理の順番は、様々に入れ替えて実施しても良い。
以上説明したように、本実施形態に係る膨張装置50は、トレイ100のスライド方向Sがトレイ100に載置された熱膨張性シート10を照射する照射部60の移動部による移動方向Gに対して垂直な方向であることにより、トレイ100に熱膨張性シート10を載置する、或いはトレイ100から熱膨張性シート10を取り出す際に、ユーザが照射部60に接触する可能性を低減させることができる。また、待機位置がトレイ100の第1の側の縁部よりも外側に位置することにより、トレイ100の直上には待機位置に位置する照射部60は存在しないので、膨張装置50は、熱膨張性シート10をトレイ100から着脱する際に、ユーザが照射部60に接触する可能性をさらに低減させることができる。或いは、開口部58の延伸方向Eにおける両端のうち待機位置P1側の端W1が、延伸方向Eにおいて待機位置P1よりも反転位置P2側に位置するように設けられているので、トレイ100に熱膨張性シート10を載置する際、トレイ100から熱膨張性シート10を取り出す際に、ユーザが照射部60に接触する可能性を低減させることができる。また、トレイ100の長手方向に照射部60が移動するので、照射部60のX軸方向の長さはトレイ100の短手方向とほぼ等しくなり、ユーザが照射部60に接触する可能性を低減させることができる。また、トレイ100の熱膨張性シート10の着脱位置が、筐体51の外部の位置であるので、トレイ100に熱膨張性シート10を載置する、或いはトレイ100から熱膨張性シート10を取り出す際に、ユーザが照射部60に接触する可能性を低減させることができる。
(変形例)
以上に本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、トレイ100は、照射部60が待機位置以外に位置するときでもスライド可能であったが、照射部60が待機位置以外に位置するときにはトレイ100がスライドできないようにする、例えばトレイ100がロックされることにより、ユーザが照射部60に接触する可能性をさらに低減させても良い。
また、上記実施形態では、待機位置は、トレイ100が照射位置に位置している状態において、トレイ100の第1の側の縁部101よりも外側に位置していたが、待機位置は、トレイ100が照射位置に位置している状態において、トレイ100の第2の側の縁部102よりも外側に位置しても良い。この場合、第2のサイズの熱膨張性シート10bを使用する際に、待機位置と第2のサイズの熱膨張性シート10bとの距離が大きくなるので、ユーザが照射部60に接触する可能性をさらに低減させることができる。
上記実施形態では、第2のサイズの熱膨張性シート10bは、トレイ100の第1の側の縁部に寄せてトレイ100に載置され、反転位置がトレイ100の移動方向に変動していたが、第2のサイズの熱膨張性シート10bは、トレイ100の第2の側の縁部に寄せてトレイ100に載置され、反転位置が第1のサイズの熱膨張性シート10aのときと同じであっても良い。
上記実施形態では、トレイ100のスライド方向Sは、トレイ100に載置された熱膨張性シート10を照射する照射部60の移動部による移動方向Gに対して垂直な方向であったが、トレイ100のスライド方向は、照射部60の移動方向に対して交差する方向でも良い。ユーザがトレイ収容部のトレイの移動方向に真っ直ぐ手を入れると照射部60に接触することが可能な、トレイのスライド方向が照射部60の移動方向に平行な方向である場合に比べて、ユーザが照射部60に接触する可能性を低減させることができる。
また、トレイ100に載置される熱膨張性シート10のサイズはA3、A4サイズに限らず、本発明は、様々なサイズの熱膨張性シート10がトレイ100に載置された場合に適用することができる。
上記実施形態では、第1の位置P1(待機位置)は、トレイ100が照射位置に位置している状態において、トレイ100の第1の側の縁部101の外側であったが、第1の位置は、トレイ100に載置された熱膨張性シート10の照射可能範囲の外側の位置、例えば押圧部材120の上部の位置と重複していても良い。トレイ100に載置された熱膨張性シート10の照射可能範囲の外側の位置には、押圧部材120があるため、ユーザが押圧部材120の上部まで手を伸ばす可能性は低いので、装置の小型化を図るために待機位置の一部をトレイ100の上部と重複させ、残りをトレイ100の第1の側の縁部101の外側に位置させることができる。言い換えると、待機位置は、押圧部材120の開口128の第1の側の外側に位置させることができる。
上記実施形態では、熱膨張性シート10は、基材11と熱膨張層12とインク受容層13とを備えていた。しかしながら、本発明において、熱膨張性シート10の構成はこれに限らない。例えば、熱膨張性シート10は、インク受容層13を備えなくても良いし、表面又は裏面に剥離可能な剥離層を備えていても良い。或いは、熱膨張性シート10は、他の任意の材料による層を備えていても良い。
上記実施形態では、端末装置30と印刷装置40と膨張装置50とは、それぞれ独立した装置であった。しかしながら、本発明において、端末装置30と印刷装置40と膨張装置50とのうちの少なくともいずれか2つが一体となっていても良い。
印刷装置40の印刷方式は、インクジェット方式に限らない。例えば、印刷装置40は、レーザー方式のプリンタであって、トナーと現像剤とによって画像を印刷しても良い。
また、上記実施形態では、電磁波照射機構として、熱膨張性シート10を膨張させて造形物を製造する膨張装置50を例にとって説明した。しかしながら、本発明に係る電磁波照射機構によって電磁波が照射される対象は、熱膨張性シート10に限らず、一般的なシートであっても良い。そして、本発明に係る電磁波照射機構は、シートに電磁波を照射することによりシートを加工するものであれば、造形物を製造するもので無くても良い。言い換えると、本発明に係る電磁波照射機構は、シートに電磁波を照射することによりシートに印刷する装置などにも使用しても良い。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
シートが載置されるトレイと、
前記トレイに載置された前記シートに向けて電磁波を照射する照射部と、
前記照射部を、前記トレイに載置された前記シートに向けて電磁波を照射させながら、前記トレイに載置された前記シートに沿って移動させる移動部と、
を備え、
前記トレイは、前記照射部により電磁波が照射される照射位置と、前記トレイから前記シートを着脱可能な着脱位置と、の間でスライドされ、
前記トレイのスライド方向は、前記移動部による前記照射部の移動方向に対して交差する方向である、
ことを特徴とする電磁波照射機構。
(付記2)
前記移動部は、前記トレイに載置された前記シートに対して、前記移動方向における第1の側に位置する待機位置と、前記第1の側とは反対の第2の側に位置する反転位置と、の間で前記照射部を往復移動させ、
前記トレイは、前記照射部が前記待機位置に位置している際に、前記スライド方向にスライドされる、
ことを特徴とする付記1に記載の電磁波照射機構。
(付記3)
前記待機位置は、前記トレイが前記照射位置に位置している状態において、前記トレイの前記第1の側の縁部よりも外側に位置する、
ことを特徴とする付記2に記載の電磁波照射機構。
(付記4)
前記トレイは、前記シートを載置する載置部と、前記載置部に載置された前記シートを押圧する押圧部材と、を有し、
前記押圧部材は、前記照射部が前記シートに向けて電磁波を照射するための開口を備え、
前記待機位置は、前記トレイが前記照射位置に位置している状態において、前記開口の前記第1の側の外側に位置する、
ことを特徴とする付記2に記載の電磁波照射機構。
(付記5)
前記シートのサイズが前記トレイに載置可能な最大サイズよりも小さいサイズである場合、前記シートは、前記トレイの前記第1の側の縁部に寄せて前記トレイに載置され、
前記反転位置は、前記トレイに載置された前記シートのサイズに応じて前記移動方向に変動する、
ことを特徴とする付記2から4のいずれか1つに記載の電磁波照射機構。
(付記6)
前記移動方向は、前記トレイの長手方向である、
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1つに記載の電磁波照射機構。
(付記7)
前記スライド方向は、前記移動方向に対して垂直な方向である、
ことを特徴とする付記1から6のいずれか1つに記載の電磁波照射機構。
(付記8)
前記トレイと、前記照射部と、前記移動部と、を内部に収容する筐体、を更に備え、
前記照射位置は、前記筐体の内部の位置であり、
前記着脱位置は、前記筐体の外部の位置である、
ことを特徴とする付記1から7のいずれか1つに記載の電磁波照射機構。
(付記9)
前記シートは、加熱により膨張する熱膨張性シートであり、
前記トレイには、電磁波を熱に変換する変換層が印刷された前記シートが載置され、
前記照射部は、前記移動部により前記トレイに載置された前記シートに沿って移動しながら、前記シートに向けて電磁波を照射することにより、前記シートを膨張させる、
ことを特徴とする付記1から8のいずれか1つに記載の電磁波照射機構。
(付記10)
所定のシートを載置可能なトレイが設置されるトレイ設置部が、内部空間に設けられた筐体と、
所定の待機位置から所定の反転位置に向かって、または、前記反転位置から前記待機位置に向かって、前記内部空間を前記トレイ設置部に対して平行に移動しながら、前記トレイ設置部に向けて電磁波を照射する照射部と、
を備え、
前記筐体は、前記筐体の外部から前記トレイ設置部に前記トレイが設置される際に前記トレイをスライド挿抜可能とするための開口部が、前記照射部が前記電磁波を照射する際の移動方向に対して平行な方向に延伸するように設けられており、
前記開口部は、前記開口部の延伸方向における両端のうち前記待機位置側の端が、前記延伸方向において前記待機位置よりも前記反転位置側に位置するように設けられている、
ことを特徴とする電磁波照射機構。
1…造形システム、10,10a,10b…熱膨張性シート、11…基材、12…熱膨張層、13…インク受容層、30…端末装置、31…制御部、32…記憶部、33…操作部、34…表示部、35…記録媒体駆動部、36…通信部、40…印刷装置、41…キャリッジ、42…印刷ヘッド、43,43k,43c,43m,43y…インクカートリッジ、44…ガイドレール、45…駆動ベルト、45m…モータ、46…フレキシブル通信ケーブル、47…フレーム、48…プラテン、49a…給紙ローラ対、49b…排紙ローラ対、50…膨張装置、51…筐体、51a…上側筐体、51b…下側筐体、54…換気部、55…搬送モータ、56…搬送レール、57…トレイ収容部、58…開口部、60…照射部、61…ランプヒータ、62…反射板、63…温度センサ、64…冷却部、65…バーコードリーダ、69…電源部、70…制御部、81…表側変換層、82…カラーインク層、83…裏側変換層、100…トレイ、101,102…縁部、110…載置部、111…手掛け部、112…凹部、113…開口、114…載置枠部、116…磁石、117…回動部、118…貫通孔、120…押圧部材、125…金属板、128…開口、140,140a,140b…レバー部、B…バーコード、D1…副走査方向、D2…主走査方向、E…延伸方向、G…移動方向、P1…第1の位置(待機位置)、P2…第2の位置(反転位置)、S…スライド方向、W1,W2…端

Claims (10)

  1. シートが載置されるトレイと、
    前記トレイに載置された前記シートに向けて電磁波を照射する照射部と、
    前記照射部を、前記トレイに載置された前記シートに向けて電磁波を照射させながら、前記トレイに載置された前記シートに沿って移動させる移動部と、
    を備え、
    前記トレイは、前記照射部により電磁波が照射される照射位置と、前記トレイから前記シートを着脱可能な着脱位置と、の間でスライドされ、
    前記トレイのスライド方向は、前記移動部による前記照射部の移動方向に対して交差する方向である、
    ことを特徴とする電磁波照射機構。
  2. 前記移動部は、前記トレイに載置された前記シートに対して、前記移動方向における第1の側に位置する待機位置と、前記第1の側とは反対の第2の側に位置する反転位置と、の間で前記照射部を往復移動させ、
    前記トレイは、前記照射部が前記待機位置に位置している際に、前記スライド方向にスライドされる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電磁波照射機構。
  3. 前記待機位置は、前記トレイが前記照射位置に位置している状態において、前記トレイの前記第1の側の縁部よりも外側に位置する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電磁波照射機構。
  4. 前記トレイは、前記シートを載置する載置部と、前記載置部に載置された前記シートを押圧する押圧部材と、を有し、
    前記押圧部材は、前記照射部が前記シートに向けて電磁波を照射するための開口を備え、
    前記待機位置は、前記トレイが前記照射位置に位置している状態において、前記開口の前記第1の側の外側に位置する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電磁波照射機構。
  5. 前記シートのサイズが前記トレイに載置可能な最大サイズよりも小さいサイズである場合、前記シートは、前記トレイの前記第1の側の縁部に寄せて前記トレイに載置され、
    前記反転位置は、前記トレイに載置された前記シートのサイズに応じて前記移動方向に変動する、
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の電磁波照射機構。
  6. 前記移動方向は、前記トレイの長手方向である、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電磁波照射機構。
  7. 前記スライド方向は、前記移動方向に対して垂直な方向である、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電磁波照射機構。
  8. 前記トレイと、前記照射部と、前記移動部と、を内部に収容する筐体、を更に備え、
    前記照射位置は、前記筐体の内部の位置であり、
    前記着脱位置は、前記筐体の外部の位置である、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電磁波照射機構。
  9. 前記シートは、加熱により膨張する熱膨張性シートであり、
    前記トレイには、電磁波を熱に変換する変換層が印刷された前記シートが載置され、
    前記照射部は、前記移動部により前記トレイに載置された前記シートに沿って移動しながら、前記シートに向けて電磁波を照射することにより、前記シートを膨張させる、
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電磁波照射機構。
  10. 所定のシートを載置可能なトレイが設置されるトレイ設置部が、内部空間に設けられた筐体と、
    所定の待機位置から所定の反転位置に向かって、または、前記反転位置から前記待機位置に向かって、前記内部空間を前記トレイ設置部に対して平行に移動しながら、前記トレイ設置部に向けて電磁波を照射する照射部と、
    を備え、
    前記筐体は、前記筐体の外部から前記トレイ設置部に前記トレイが設置される際に前記トレイをスライド挿抜可能とするための開口部が、前記照射部が前記電磁波を照射する際の移動方向に対して平行な方向に延伸するように設けられており、
    前記開口部は、前記開口部の延伸方向における両端のうち前記待機位置側の端が、前記延伸方向において前記待機位置よりも前記反転位置側に位置するように設けられている、
    ことを特徴とする電磁波照射機構。
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