JP2019162088A - 水田作業機 - Google Patents
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Description
特許文献1では、機体の後部に支持されて後側に延出されたリンク機構に、苗植付装置(作業装置に相当)が支持されており、整地装置が、苗植付装置と機体の後輪との間に配置されている。
フロートの全長が短いものに構成されると、フロートの機能(田面の整地機能や接地追従機能等)の低下を招くので、改善の余地がある。
機体の後部に昇降自在に支持されて後側に延出されたリンク機構と、
前記リンク機構の後部に支持され、田面に接地するフロートが設けられて、田面に農用資材を供給する作業装置と、
前記作業装置と前記機体の後輪との間に配置された整地装置とが備えられ、
前記整地装置に、左右方向に沿って配置された駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられて前記駆動軸と一体で回転駆動されることにより田面を整地する整地体とが設けられ、
前記フロートの前部が、平面視で、前記フロートの前部の左右中央部に対して、前記フロートの前部の右部及び左部が後側に位置するように形成され、
前記機体からの動力を受け取って前記駆動軸に伝達する整地入力部が、前記駆動軸における前記フロートの前部の右部又は左部の前方の部分に取り付けられている。
これにより、フロートの前部を前側に延出しても、整地装置の整地入力部とフロートの前部との干渉が無理なく避けられるので、フロートの全長を容易に確保することができ、フロートの機能(田面の整地機能や接地追従機能等)の低下を避けることができる。
前記フロートが、前記作業装置の左右中央部に支持されたセンターフロートであると好適である。
前記機体に支持された出力軸と、前記整地入力部に支持された入力軸と、前記出力軸と前記入力軸とに亘って接続された整地伝動軸とが備えられて、
前記機体からの動力が、前記出力軸及び前記整地伝動軸を介して前記入力軸に伝達され、
前記整地伝動軸に、
外面にスプライン部が形成されて、前記出力軸に接続されたスプライン軸と、
内面にスプライン部が形成された筒状で、前記入力軸に接続され、前記スプライン軸がスライド自在に挿入されたスプライン筒軸とが設けられていると好適である。
本発明によると、整地伝動軸にスプライン軸及びスプライン筒軸を設けた場合、スプライン軸が機体側の出力軸に接続され、スプライン筒軸が整地装置側の入力軸に接続されており、スプライン軸が挿入されるスプライン筒軸の開口部が、田面から上側に離れた位置に配置される。
これにより、スプライン筒軸の開口部に泥等が付着する可能性を小さくすることができて、整地伝動軸の耐久性を向上させることができる。
前記スプライン筒軸と前記入力軸とを接続及び分離自在は着脱部が備えられていると好適である。
前記機体からの動力を前記整地入力部に伝達する伝動位置、及び前記機体から前記整地入力部への動力の伝達を遮断する遮断位置に操作自在な整地クラッチが備えられていると好適である。
前記作業装置が田面に接地する位置まで前記リンク機構が下降操作されると、前記整地クラッチを前記伝動位置に操作し、前記作業装置が田面から上側に離れる位置まで前記リンク機構が上昇操作されると、前記整地クラッチを前記遮断位置に操作する整地クラッチ操作機構が備えられていると好適である。
作業装置が田面から上側に離れる位置までリンク機構が上昇操作されると、作業装置による作業を行わない状態であり、整地装置を停止させるべき状態であるので、整地クラッチが自動的に遮断位置に操作される。
このように、リンク機構の昇降操作により、整地クラッチが自動的に伝動位置及び遮断位置に操作されるので、操作性の良いものとなる。
本発明の実施形態における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。機体11の走行時における前進側の進行方向が「前」であり、後進側の進行方向が「後」である。前後方向での前向き姿勢を基準として右側に相当する方向が「右」であり、左側に相当する方向が「左」である。
図1に示すように、乗用型田植機は、右及び左の前輪1と、右及び左の後輪2とを備えた機体11の後部に、リンク機構3が昇降自在に支持されて後側に延出されており、リンク機構3を昇降操作する油圧シリンダ4が備えられている。
図1及び図2に示すように、苗植付装置5は支持フレーム12、フィードケース15、植付伝動ケース6、回転ケース7、植付アーム8、センターフロート9(フロートに相当)及びサイドフロート53,54、苗のせ台10等を備えている。
図1に示すように、機体11の前部に、ミッションケース17が支持されており、ミッションケース17の前部に連結された支持フレーム18に、エンジン19が支持されている。
右及び左の後輪2を支持する後車軸ケース23が、機体11の後部に支持されており、前輪デフ装置の直前から分岐した動力が、伝動軸24を介して後車軸ケース23に伝達される。
図1に示すように、右及び左の上リンク42が、機体11の下部に上下に揺動自在に支持されて後側に延出されている。右及び左の下リンク43が、機体11の下部に上下に揺動自在に支持されて後側に延出されている。
図6に示すように、サイドクラッチ47は、内装されるバネ47bにより伝動状態に付勢されている。後車軸ケース23のボス部23cに、操作軸50が回転自在に支持されており、前輪1を操向操作する操向部材(図示せず)と操作軸50のアーム部50aとが、連係部材65により接続されている。
この場合、バネ67の他方の端部が後車軸ケース23に接続され部分に、バネ67の他方の端部が外れるのを防止する外れ止め部材(図示せず)が取り付けられている。
図1に示すように、ミッションケース17の内部に、株間変速装置(図示せず)及び植付クラッチ38(図11参照)が備えられている。
図1及び図11に示すように、運転座席13の右側に、昇降操作レバー39が備えられている。昇降操作レバー39は上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作自在であり、植付クラッチ38と機械的に接続されている。
昇降操作レバー39が上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作されると、制御弁41及び植付クラッチ38が、以下の説明のように操作される。
植付クラッチ38が伝動状態に操作されると、苗植付装置5に動力が伝達されて、前述の(苗植付装置の全体構成)に記載のように、苗植付装置5が作動する。
この乗用型田植機では、図11に示すように、苗植付装置5が田面Gから設定高さH1に維持されるように、油圧シリンダ4によりリンク機構3を昇降操作し、苗植付装置5を昇降操作して、植付アーム8による苗の植付深さを設定深さに維持する昇降制御機能が備えられている。
これにより、変更された設定高さH1に維持されるように、苗植付装置5が昇降操作されるのであり、植付アーム8による苗の植付深さ(設定深さ)を変更することができる。
図2及び図3に示すように、整地装置26において、左右方向に沿って配置された駆動軸34、駆動軸34に取り付けられて駆動軸34と一体で回転駆動されることによって田面Gを整地する整地体35、駆動軸34を回転自在に支持する整地入力部29及び軸支持部30、泥除けカバー36及びスペーサ37等が備えられている。
図2,3,4に示すように、支持フレーム12の前面部に、ブラケット27が連結されて前側に延出されている。丸パイプ状の支持軸28が、左右方向の軸芯P1周りに回転自在にブラケット27に支持されており、支持軸28が支持フレーム12に沿って配置されている。
以上の構造により、ブラケット27、支持軸28及び支持軸28の支持アーム28a及び支持アーム98等を備えた支持機構51が、支持フレーム12に支持されている。
図2,3,5に示すように、支持フレーム12において、支持軸28の中央の支持アーム28aの付近に、支持部材16が連結されて上側に延出されている。支持部材16のブラケット16aの軸芯P3周りに、側面視で扇形状の昇降ギヤ31が上下揺動自在に支持されている。
以上の構造により、昇降ギヤ31、ギヤケース32(ピニオンギヤ32a)及び電動モータ33等を備えた昇降機構52が、支持フレーム12に設けられている。
図4,6,7に示すように、後車軸ケース23において、後車軸ケース23の後面部に斜め下向きで後向きのボス部23bが備えられている。ボス部23bに出力軸60が支持されており、出力軸60が後車軸ケース23の後面部に斜め下向きの後向きに支持されている。
整地クラッチ62において、シフト部材69をバネ70に抗してベベルギヤ61から離れる遮断位置に操作すると、入力軸45から出力軸60への動力の伝達が遮断される。
図4及び図6に示すように、整地クラッチ62において、シフト部材69をバネ70に抗して遮断位置に操作する操作軸72が、後車軸ケース23のボス部23bに回転自在に支持されている。リンク機構3の下リンク3bと操作軸72とに亘って、整地クラッチ操作機構76が備えられている。
シフト部材69(整地クラッチ62)が遮断位置に達してから、リンク機構3がさらに上昇操作されると、バネ75が圧縮されるので、シフト部材69(整地クラッチ62)が遮断位置を超えるように操作されることはない。
図2,4,5に示すように、整地装置26において、駆動軸34が整地入力部29及び軸支持部30により、左右方向に沿って配置されて回転自在に支持されている。駆動軸34の中央部において、外面部が断面で円形のスペーサ37が、駆動軸34と一体回転するように駆動軸34に外嵌されている。スペーサ37は、センターフロート9の前側に配置されており、センターフロート9の前部の左右幅とほぼ同じ横幅を備えている。
前述の(整地装置への伝動系における後車軸ケース側の構造)の記載、及び図6に示すように、整地クラッチ62が伝動位置に操作されると、後車軸ケース23において、入力軸45の動力が後輪伝動軸46のベベルギヤ46aからベベルギヤ61を介して、出力軸60に伝達されるのであり、図2,4,5に示すように、出力軸60から整地伝動軸71を介して、整地装置26(整地入力部29)の入力軸77に伝達される。
図4及び図8に示すように、整地伝動軸71に、スプライン軸80、スプライン筒軸81及びカバー82が備えられている。
カバー82は、ゴム製でジャバラ形状に形成されて伸縮自在である。カバー82がスプライン軸80とスプライン筒軸81の端部とに亘って取り付けられており、カバー82により、スプライン軸80のスプライン筒軸81への挿入部分が覆われている。
出力軸60と入力軸77とに亘って接続される整地伝動軸71が、平面視で、左右中央線CLと斜めに交差するように配置されている。
図4及び図8に示すように、整地伝動軸71のスプライン筒軸81と整地装置26(整地入力部29)の入力軸77とを接続及び分離自在な着脱部83が備えられている。具体的には、着脱部83により、スプライン筒軸81と自在継手79の軸部79aとを、接続及び分離することができる。
本体部84は、内面にスプライン部84aが形成されている。本体部84の一方の端部がスプライン筒軸81に連結されており、本体部84の他方の端部に、ゴム製のカバー87が取り付けられている。
この状態において、操作軸85を押し操作して本体部84のボス部84bの中に押し込み、操作軸85の凹部85aを本体部84のスプライン部84aに位置させて、本体部84に自在継手79の軸部79aを挿入する。
スプライン筒軸81と自在継手79の軸部79aとを分離する場合は、操作軸85を押し操作して、操作軸85の凹部85aを本体部84のスプライン部84aに位置させて、本体部84(着脱部83)から自在継手79の軸部79aを抜き操作すればよい。
図11に示すように、苗植付装置5に、設定深さ設定部90及び整地設定操作部91が備えられており、設定深さ設定部90及び整地設定操作部91の操作信号が、制御装置40に入力されている。整地設定操作部91は人為的に押し操作される押しボタン型式であり、設定深さ設定部90は人為的に回転操作されるダイヤルスイッチ型式である。
図11に示すように、設定深さ設定部90及び整地設定操作部91の操作信号、操作位置センサー92及び整地位置センサー93の検出値に基づいて、制御装置40により以下の説明のように、電動モータ33が作動操作されて、整地装置26が昇降操作される。
整地設定操作部91を押し操作することにより、退避位置の整地装置26を作業位置に下降させることができる。整地設定操作部91を押し操作することにより、作業位置の整地装置26を退避位置に上昇させることができる。
操作位置センサー92により設定高さH1が検出され、整地位置センサー93により整地装置26の苗植付装置5に対する支持位置が検出されることによって、整地装置26の田面Gに対する高さが検出されるのであり、整地装置26の整地体35が田面Gに入り込む整地深さが検出される。
後車軸ケース23において、図6及び図7に代えて、図12に示すように構成してもよい。
出力ケース94の内部において、出力軸95と伝動ギヤ97との間に、整地クラッチ62が備えられている。整地クラッチ62に、スプライン構造により出力軸95と一体回転及びスライド自在に外嵌されたシフト部材69、シフト部材69を伝動ギヤ97側に付勢するバネ70とが備えられている。
図6及び図7に示す後車軸ケース23において、図12に示すように、後車軸ケース23のボス部23bが、後車軸ケース23のボス部23aと同様に、水平方向の後向きに形成されるように構成してもよい。この構造によると、入力軸45、後輪伝動軸46及び出力軸60が同じ高さに配置される。
図6及び図7に示す後車軸ケース23において、図12に示す出力ケース94及び出力軸95、整地クラッチ62の構成を採用してもよい。
この構造によると、後車軸ケース23の斜め下向きで後向きのボス部23b及び出力軸60において、出力軸60にベベルギヤ61が一体的に設けられ、出力軸95及び整地クラッチ62を備えた出力ケース94が、出力軸60に外嵌される。
整地入力部29をスペーサ37の右端部に取り付けて、整地入力部29を、駆動軸34におけるセンターフロート9の前部の右部9bの前方の部分に取り付けることにより、整地装置26(整地入力部29)の入力軸77が、左右中央線CLに対して、平面視で右側に配置されるように構成してもよい。
これにより、出力軸60と入力軸77とに亘って接続される整地伝動軸71が、平面視で、左右中央線CLと斜めに交差するように配置される。
整地入力部29をスペーサ37の左端部に取り付けて、整地入力部29を、駆動軸34におけるセンターフロート9の前部の左部9cの前方の部分に取り付けた場合(整地装置26(整地入力部29)の入力軸77が、左右中央線CLに対して、平面視で左側に配置された場合)、後車軸ケース23のボス部23a,23b(入力軸45、後輪伝動軸46のベベルギヤ46a、出力軸60及び整地クラッチ62、出力ケース94及び出力軸95)を、左右中央線CLに対して、平面視で同じ左側に配置してもよい。
これにより、出力軸60と入力軸77とに亘って接続される整地伝動軸71が、平面視で、左右中央線CLと交差せずに、左右中央線CLに沿って左側に配置される。
整地入力部29をスペーサ37の右端部に取り付けて、整地入力部29を、駆動軸34におけるセンターフロート9の前部の右部9bの前方の部分に取り付けた場合(整地装置26(整地入力部29)の入力軸77が、左右中央線CLに対して、平面視で右側に配置された場合)、後車軸ケース23のボス部23a,23b(入力軸45、後輪伝動軸46のベベルギヤ46a、出力軸60及び整地クラッチ62、出力ケース94及び出力軸95)を、左右中央線CLに対して、平面視で同じ右側に配置してもよい。
これにより、出力軸60と入力軸77とに亘って接続される整地伝動軸71が、平面視で、左右中央線CLと交差せずに、左右中央線CLに沿って右側に配置される。
出力軸60を後車軸ケース23に設けるのではなく、出力軸60をエンジン19やミッションケース17から機体11の後部まで延出するように構成してもよい。
この場合、出力軸60及び整地装置26(整地入力部29)の入力軸77と、左右中央線CLとの位置関係は、前述の(発明を実施するための形態)(発明の実施の第4別形態)〜(発明の実施の第6別形態)に記載のように構成すればよい。
センターフロート9の前部を、平面視で円弧状ではなく三角形状に形成することによって、センターフロート9の前部が、平面視で、センターフロート9の前部の左右中央部9aに対して、センターフロート9の前部の右部9b及び左部9cが後側に位置するように構成してもよい。
整地入力部29を、駆動軸34におけるサイドフロート53,54の前方の部分に、前述のように配置してもよい。
3 リンク機構
5 苗植付装置(作業装置)
9 センターフロート(フロート)
9a 左右中央部
9b 右部
9c 左部
11 機体
26 整地装置
29 整地入力部
34 駆動軸
35 整地体
60 出力軸
62 整地クラッチ
71 整地伝動軸
76 整地クラッチ操作機構
77 入力軸
80 スプライン軸
81 スプライン筒軸
83 着脱部
G 田面
Claims (6)
- 機体の後部に昇降自在に支持されて後側に延出されたリンク機構と、
前記リンク機構の後部に支持され、田面に接地するフロートが設けられて、田面に農用資材を供給する作業装置と、
前記作業装置と前記機体の後輪との間に配置された整地装置とが備えられ、
前記整地装置に、左右方向に沿って配置された駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられて前記駆動軸と一体で回転駆動されることにより田面を整地する整地体とが設けられ、
前記フロートの前部が、平面視で、前記フロートの前部の左右中央部に対して、前記フロートの前部の右部及び左部が後側に位置するように形成され、
前記機体からの動力を受け取って前記駆動軸に伝達する整地入力部が、前記駆動軸における前記フロートの前部の右部又は左部の前方の部分に取り付けられている水田作業機。 - 前記フロートが、前記作業装置の左右中央部に支持されたセンターフロートである請求項1に記載の水田作業機。
- 前記機体に支持された出力軸と、前記整地入力部に支持された入力軸と、前記出力軸と前記入力軸とに亘って接続された整地伝動軸とが備えられて、
前記機体からの動力が、前記出力軸及び前記整地伝動軸を介して前記入力軸に伝達され、
前記整地伝動軸に、
外面にスプライン部が形成されて、前記出力軸に接続されたスプライン軸と、
内面にスプライン部が形成された筒状で、前記入力軸に接続され、前記スプライン軸がスライド自在に挿入されたスプライン筒軸とが設けられている請求項1又は2に記載の水田作業機。 - 前記スプライン筒軸と前記入力軸とを接続及び分離自在は着脱部が備えられている請求項3に記載の水田作業機。
- 前記機体からの動力を前記整地入力部に伝達する伝動位置、及び前記機体から前記整地入力部への動力の伝達を遮断する遮断位置に操作自在な整地クラッチが備えられている請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の水田作業機。
- 前記作業装置が田面に接地する位置まで前記リンク機構が下降操作されると、前記整地クラッチを前記伝動位置に操作し、前記作業装置が田面から上側に離れる位置まで前記リンク機構が上昇操作されると、前記整地クラッチを前記遮断位置に操作する整地クラッチ操作機構が備えられている請求項5に記載の水田作業機。
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