JP2019157402A - 木造軸組建築物の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】予め工場生産された部材を使用することにより、現場での加工及び組立作業を極力減らして、部品点数及び作業工数を大幅に削減することができ、短い工期で安全に作業することが可能な施工性、耐久性に優れた木造軸組建築物の施工方法を提供する。【解決手段】基礎10の上に土台12及び大引き13を取り付ける第1の工程と、大引き13上に床パネル15を取り付けて基礎10及び土台12で囲まれた空間部14を覆う第2の工程と、土台12上に間隔を空けて複数の柱25、26を立設し、水平材27で連結する第3の工程と、土台12、柱25、26、及び水平材27で囲まれた複数の側方開口部30の少なくとも一部に壁パネル31、31aを取り付ける第4の工程と、水平材28上に屋根支持材48を介して屋根パネル50を取り付ける第5の工程とを有する。【選択図】図7

Description

本発明は、少ない部品点数と短い工期で施工することができ、施工性に優れ、天然素材の防腐防蟻剤で全棟防腐防蟻処理することにより150年の長寿命を実現でき、耐久性に優れる木造軸組建築物の施工方法に関する。
従来、日本の木造建築で用いられる軸組工法(在来工法)は、例えば特許文献1に示されるように、土台、柱、桁、筋交いで家の骨組みを造る工法であり、土台、大引きで造られる水平面に対し、間柱、通し柱が垂直面の骨組みを構成し、さらにその上に梁や桁が組まれ、棟木を頂点として屋根が載せられる。そして、各所にはそれぞれに適した木材が用いられ、使われる部分によって木材の太さや長さはまちまちである。
これに対し、近年では、柱や梁等の軸組材をプレカット加工(工場生産)し、それらを現場へ運び込んで組み立てるという方法が普及している。このプレカット加工は、予め工場において、CADを操作する入力者が間取りに基づく構造設計を行い、その設計図に沿って各種の加工機械により木材を一括して加工するものである。これにより、構造設計のばらつきを低減し、加工期間の短縮を図ることができる。また、軸組を形成する柱や水平材を正確な寸法に加工することができるため、それらを現場で所定の手順に従って組み付けることにより、経験の少ない作業者であっても、正確な寸法の建物を短い工期で建てることが可能となる。その結果、建築工期を短縮して、現場での作業負担を軽減することができ、人手不足の解消にもつなげることができる。
特開2007−169883号公報
しかしながら、プレカット加工は、従来現場で行われていた軸組材の加工を工場で事前に行うものであり、この方法を特許文献1のような従来の軸組工法に適用しても、使用する資材全体の数、種類、及び材質は大きく変わることはなく、特に、軸組以外の作業では従来と同様の作業が必要であるため、現場でのさらなる作業負担の低減、施工性の改善が望まれていた。また、建築後の住環境の安全性を維持しつつ、建築物を腐食や害虫の被害から保護して耐久性を高めるために、防虫、防腐、防蟻、防カビ等の処理に関しても改善が望まれていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、予め工場生産された部材を使用することにより、現場での加工及び組立作業を極力減らして、部品点数及び作業工数を大幅に削減することができ、短い工期で安全に作業することが可能な施工性、耐久性に優れた木造軸組建築物の施工方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る木造軸組建築物の施工方法は、平屋建ての木造軸組建築物の施工方法において、基礎の上に土台及び大引きを取り付ける第1の工程と、前記大引き上に床パネルを取り付けて前記基礎及び前記土台で囲まれた空間部を覆う第2の工程と、前記土台上に間隔を空けて複数の柱を立設し、水平材で連結する第3の工程と、前記土台、隣接する2本の前記柱、及び前記水平材で囲まれた複数の側方開口部の少なくとも一部に壁パネルを取り付ける第4の工程と、前記水平材上に屋根支持材を介して屋根パネルを取り付ける第5の工程とを有する。
第1の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、少なくとも一部の前記壁パネルを高さ方向に貫通して前記空間部と前記木造軸組建築物の屋根裏を連通させる換気流路が形成されることが好ましい。
第1の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、前記土台、前記大引き、前記柱、前記水平材、及び屋根支持材は、木材保存(防腐防蟻)処理されたものであることが好ましい。
第1の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、前記床パネル、前記壁パネル、及び前記屋根パネルはそれぞれ、方形状の第1面材と、該第1面材の一面側周縁に固定された一対の縦枠材と一対の横枠材からなる方形状のパネル枠と、該パネル枠を挟んで前記第1面材と対向配置され該パネル枠に固定された第2面材と、前記第1面材、前記パネル枠、及び前記第2面材で囲まれた中空部に充填された断熱材とを有することが好ましい。
第1の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、前記床パネルは、前記縦枠材又は前記横枠材が、前記大引きと直交するように配置され、前記屋根パネルは、前記縦枠材又は前記横枠材が、前記屋根支持材の桁と直交するように配置されることが好ましい。
第1の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、前記壁パネルの前記中空部に空気流通管が埋設されることが好ましい。
第1の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、前記壁パネルの前記第2面材の外表面に、使用時の高さ方向に間隔を空けて取り付けられた水平補強材を有し、該水平補強材を高さ方向に貫通する空気流通部が形成されることが好ましい。
第1の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、少なくとも前記パネル枠は、木材保存処理されたものであることが好ましい。
前記目的に沿う第2の発明に係る木造軸組建築物の施工方法は、少なくとも一部に二階建て部分を有する木造軸組建築物の施工方法において、
基礎の上に土台及び大引きを取り付ける第1の工程と、前記大引き上に床パネルを取り付けて前記基礎及び前記土台で囲まれた空間部を覆う第2の工程と、前記土台上に間隔を空けて複数の通し柱及び複数の管柱を立設し、水平材で連結する第3の工程と、1)前記土台、2)前記通し柱と該通し柱に隣接する前記管柱、又は隣接する2本の前記管柱、及び3)前記水平材で囲まれた複数の側方開口部の少なくとも一部に壁パネルを取り付ける第4の工程と、前記二階建て部分を支持する前記水平材の梁上に二階床パネルを取り付ける第5の工程と、前記二階建て部分の外周を支持する前記水平材上に間隔を空けて複数の二階部管柱を立設し、前記通し柱及び複数の前記二階部管柱を二階部水平材で連結する第6の工程と、1)前記水平材、2)前記通し柱と該通し柱に隣接する前記二階部管柱、又は隣接する2本の前記二階部管柱、及び3)前記二階部水平材で囲まれた複数の二階側開口部の少なくとも一部に二階壁パネルを取り付ける第7の工程と、前記二階建て部分を除く前記水平材上及び前記二階部水平材上に屋根支持材を介して屋根パネルを取り付ける第8の工程とを有する。
第2の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、前記壁パネル及び前記二階壁パネルを高さ方向に貫通して前記空間部と前記木造軸組建築物の屋根裏を連通させる換気流路が形成されていることが好ましい。
第2の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、前記土台、前記大引き、前記通し柱、前記管柱、前記水平材、前記二階部管柱、前記二階部水平材、及び前記屋根支持材は、木材保存(防腐防蟻)処理されたものであることが好ましい。
第2の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、前記床パネル、前記壁パネル、前記二階床パネル、前記二階壁パネル、及び前記屋根パネルはそれぞれ、方形状の第1面材と、該第1面材の一面側周縁に固定された一対の縦枠材と一対の横枠材からなる方形状のパネル枠と、該パネル枠を挟んで前記第1面材と対向配置され該パネル枠に固定された第2面材と、前記第1面材、前記パネル枠、及び前記第2面材で囲まれた中空部に充填された断熱材とを有することが好ましい。
第2の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、前記床パネルは、前記縦枠材又は前記横枠材が、前記大引きと直交するように配置され、前記二階床パネルは、前記縦枠材又は前記横枠材が、前記梁と直交するように配置され、前記屋根パネルは、前記縦枠材又は前記横枠材が、前記屋根支持材の桁と直交するように配置されることが好ましい。
第2の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、前記壁パネル及び前記二階壁パネルの前記中空部に空気流通管が埋設されることが好ましい。
第2の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、前記壁パネル及び前記二階壁パネルの前記第2面材の外表面に、使用時の高さ方向に間隔を空けて取り付けられた水平補強材を有し、該水平補強材を高さ方向に貫通する空気流通部が形成されていることが好ましい。
第2の発明に係る木造軸組建築物の施工方法において、少なくとも前記パネル枠は、木材保存(防腐防蟻)処理されたものであることが好ましい。
第1の発明に係る木造軸組建築物の施工方法は、大引き上に床パネルを取り付けるので、従来のように、大引き上に根太を取り付ける必要がなく、現場で取り扱う部品点数を削減し、作業工程を簡素化して工期を短縮することができる。土台、柱、及び水平材(軸組部材)で囲まれた側方開口部に壁パネルを取り付けて一部を耐力壁として機能させることができるので、従来のように、筋交い、間柱、胴縁等の部材を取り付ける手間を削減することができ、現場で取り扱う部品点数を削減し、作業工程を簡素化して工期を短縮することができる。屋根支持材上に屋根パネルを取り付ける際に、従来のように、垂木を取り付ける必要がなく、現場で取り扱う部品点数を削減し、作業工程を簡素化して工期を短縮することができる。第1の工程で基礎の上に土台及び大引きを取り付けた後、第2の工程で大引き上に床パネルを取り付けて基礎及び土台で囲まれた空間部を覆うので、床パネルを足場として、後工程を安全に行うことができ、施工性、安全性に優れる。
少なくとも一部の壁パネルを高さ方向に貫通して空間部と木造軸組建築物の屋根裏を連通させる換気流路が形成される場合、基礎で囲まれて一年を通じて略一定の温度に保たれる空間部の空気を利用して自然に換気を行うことができ、木造軸組建築物内部の温度調整を容易かつ効率的に行うことができる。
土台、大引き、柱、水平材、及び屋根支持材(軸組部材)が、木材保存(防腐防蟻)処理されたものである場合、防虫、防腐、防蟻、防カビ等の効果を高め、長期間にわたって各部材を保護することができ、木造軸組建築物の耐久性を向上させることができる。
床パネル、壁パネル、及び屋根パネルがそれぞれ、方形状の第1面材と、第1面材の一面側周縁に固定された一対の縦枠材と一対の横枠材からなる方形状のパネル枠と、パネル枠を挟んで第1面材と対向配置されパネル枠に固定された第2面材と、第1面材、パネル枠、及び第2面材で囲まれた中空部に充填された断熱材とを有する場合、軸組部材に対して、床パネル、壁パネル、及び屋根パネルを構成する各部材を現場で順次、組み付ける従来の工法に比べて、大幅に作業工数を低減して作業者の負担を軽減することができる。また、床パネル、壁パネル、及び屋根パネルは、工場生産されることにより、寸法精度が高く、品質の均一性、安定性にも優れ、現場での施工性を向上させることができる。
床パネルの縦枠材又は横枠材が、大引きと直交するように配置され、屋根パネルの縦枠材又は横枠材が、屋根支持材の桁と直交するように配置される場合、床パネルの縦枠材又は横枠材が従来の根太の役目を果たし、屋根パネルの縦枠材又は横枠材が従来の垂木の役目を果たすので、従来と同等の強度を確保することができ、耐久性に優れる。
壁パネルの中空部に空気流通管が埋設されている場合、各壁パネルの空気流通管同士を連結することにより、壁パネルを貫通する換気流路を簡単に形成し、空間部と木造軸組建築物の屋根裏を連通させて自然換気を行うことができ、施工性に優れる。
壁パネルの第2面材の外表面に、使用時の高さ方向に間隔を空けて取り付けられた水平補強材を有し、水平補強材を高さ方向に貫通する空気流通部が形成されている場合、水平補強材が胴縁の役目を果たして壁パネルの強度を高めることができると共に、水平補強材の外面を外壁材で覆った状態で、空気流通部を利用して外気を壁パネルの内部(第2面材と外壁材の間)に通し、天井裏まで移動させて自然換気を行うことができる。
床パネル、壁パネル、及び屋根パネルの少なくともパネル枠が木材保存(防腐防蟻)処理されている場合、防虫、防腐、防蟻、防カビ等の効果を高め、各パネルの耐久性を向上させることができる。
第2の発明に係る木造軸組建築物の施工方法は、大引き上に床パネルを取り付けるので、従来のように、大引き上に根太を取り付ける必要がなく、現場で取り扱う部品点数を削減し、作業工程を簡素化して工期を短縮することができる。土台、通し柱、管柱、及び水平材(軸組部材)で囲まれた側方開口部に壁パネルを取り付けて一部を耐力壁として機能させることができるので、従来のように、筋交い、間柱、胴縁等の部材を取り付ける手間を省くことができ、現場で取り扱う部品点数を削減し、作業工程を簡素化して工期を短縮することができる。二階建て部分を支持する水平材の梁上に二階床パネルを取り付けるので、従来のように、梁上に二階根太を取り付ける必要がなく、現場で取り扱う部品点数を削減し、作業工程を簡素化して工期を短縮することができる。水平材、通し柱、二階部管柱、及び二階部水平材(軸組部材)で囲まれた二階側開口部に二階壁パネルを取り付けて一部を耐力壁として機能させることができるので、従来のように、筋交い、間柱、胴縁等の部材を取り付ける手間を削減することができ、現場で取り扱う部品点数を削減し、作業工程を簡素化して工期を短縮することができる。屋根支持材上に屋根パネルを取り付ける際に、従来のように、垂木を取り付ける必要がなく、現場で取り扱う部品点数を削減し、作業工程を簡素化して工期を短縮することができる。第1の工程で基礎の上に土台及び大引きを取り付けた後、第2の工程で大引き上に床パネルを取り付けて基礎及び土台で囲まれた空間部を覆うので、床パネルを足場として、一階部分での後工程(第3及び第4の工程)を安全に行うことができ、施工性、安全性に優れる。第5の工程で二階建て部分の水平材の梁上に二階床パネルを取り付けることにより、二階部分での後工程(第6及び第7の工程)を安全に行うことができ、施工性、安全性に優れる。
壁パネル及び二階壁パネルを高さ方向に貫通して空間部と木造軸組建築物の屋根裏を連通させる換気流路が形成される場合、基礎で囲まれて一年を通じて略一定の温度に保たれる空間部の空気を利用して自然に換気を行うことができ、木造軸組建築物内部の温度調整を容易かつ効率的に行うことができる。
土台、大引き、通し柱、管柱、水平材、二階部管柱、二階部水平材、及び屋根支持材(軸組部材)が、木材保存処理されたものである場合、防虫、防腐、防蟻、防カビ等の効果を高め、長期間にわたって各部材を保護することができ、木造軸組建築物の耐久性を向上させることができる。
床パネル、壁パネル、二階床パネル、二階壁パネル、及び屋根パネルがそれぞれ、方形状の第1面材と、第1面材の一面側周縁に固定された一対の縦枠材と一対の横枠材からなる方形状のパネル枠と、パネル枠を挟んで第1面材と対向配置されパネル枠に固定された第2面材と、第1面材、パネル枠、及び第2面材で囲まれた中空部に充填された断熱材とを有する場合、軸組部材に対して、床パネル、壁パネル、二階床パネル、二階壁パネル、及び屋根パネルを構成する各部材を現場で順次、組み付ける従来の工法に比べて、大幅に作業工数を低減して作業者の負担を軽減することができる。また、床パネル、壁パネル、二階床パネル、二階壁パネル、及び屋根パネルは、工場生産されることにより、寸法精度が高く、品質の均一性、安定性にも優れ、現場での施工性を向上させることができる。
床パネルの縦枠材又は横枠材が、大引きと直交するように配置され、二階床パネルの縦枠材又は横枠材が、梁と直交するように配置され、屋根パネルの縦枠材又は横枠材が、屋根支持材の桁と直交するように配置される場合、床パネルの縦枠材又は横枠材が従来の根太の役目を果たし、二階床パネルの縦枠材又は横枠材が、従来の二階根太の役目を果たし、屋根パネルの縦枠材又は横枠材が従来の垂木の役目を果たすので、従来と同等の強度を確保することができ、耐久性に優れる。
壁パネル及び二階壁パネルの中空部に空気流通管が埋設されている場合、各壁パネル及び各二階壁パネルの空気流通管を連結することにより、壁パネル及び二階壁パネルを貫通する換気流路を簡単に形成し、空間部と木造軸組建築物の屋根裏を連通させて自然換気を行うことができ、施工性に優れる。
壁パネル及び二階壁パネルの第2面材の外表面に、使用時の高さ方向に間隔を空けて取り付けられた水平補強材を有し、水平補強材を高さ方向に貫通する空気流通部が形成されている場合、水平補強材が胴縁の役目を果たして壁パネル及び二階壁パネルの強度を高めることができると共に、水平補強材の外面を外壁材で覆った状態で、空気流通部を利用して外気を壁パネル及び二階壁パネルの内部(第2面材と外壁材の間)に通し、天井裏まで移動させて自然換気を行うことができる。
床パネル、壁パネル、二階床パネル、二階壁パネル、及び屋根パネルの少なくともパネル枠が木材保存(防腐防蟻)処理されている場合、防虫、防腐、防蟻、防カビ等の効果を高め、各パネルの耐久性を向上させることができる。
本発明の一実施の形態に係る木造軸組建築物の施工方法の第1の工程を示す平面図である。 同木造軸組建築物の施工方法の第2の工程を示す平面図である。 図2のA−A線矢視断面図である。 同木造軸組建築物の施工方法に用いる床パネルの内部構造を示す平面図である。 同木造軸組建築物の施工方法の第3の工程を示す平面図である。 同木造軸組建築物の施工方法の第3の工程を示す部分正面図である。 同木造軸組建築物の施工方法の第4の工程を示す部分正面図である。 図7のB−B線矢視断面図である。 同木造軸組建築物の施工方法に用いる壁パネルの内部構造を示す平面図である。 同木造軸組建築物の施工方法の第5及び第6の工程を示す部分正面図である。 同木造軸組建築物の施工方法の第7の工程を示す部分正面図である。 同木造軸組建築物の施工方法の第8の工程を示す部分側面図である。 同木造軸組建築物の施工方法に用いる壁パネルの変形例を示す正面図である。 図13のC−C線矢視断面図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
以下、図1〜図12を参照して、本発明の一実施の形態に係る木造軸組建築物の施工方法について説明する。この木造軸組建築物の施工方法は、予め工場生産された部材を使用することにより、現場での加工及び組立作業を極力減らして、部品点数及び作業工数を大幅に削減し、工期を短縮して、作業安全性の向上を図るものものである。
まず、図1、図3、図6、図7に示すように、コンクリートで枠状に形成された基礎10の上に横架材11を取り付け、土台12を形成する。そして、土台12の長辺側の横架材11と直交して配置される複数の大引き13で、対向する長辺側の横架材11同士を連結する。このとき、必要に応じて、大引き13の下部(要所)に支持部を設けることができる。なお、土台12の短辺側の横架材11の内側には、大引き13と共に後述する床パネル15を支持する床支持材13aが取り付けられている。また、基礎10への横架材11の固定、横架材11同士の連結、横架材11と大引き13との連結には、それぞれ従来公知のアンカーや継手等を用いることができる。このとき、横架材11及び大引き13は予め工場で所定の寸法に加工され、固定や連結に必要な孔加工や仕口加工等も施された状態なので、現場では簡単に組立作業を行うことができる。なお、必要に応じて、接合金具や補強金具を予め取り付けておけば、現場での作業工数を減らすことができる。
ここで、基礎10及び土台12で囲まれた空間部14と連通するように、基礎10及び横架材11を貫通するL字状の空気取入れ部14aが設けられている。このとき、空気取入れ部14aが基礎10及び横架材11を貫通する部分は、貫通孔を形成するだけでもよいし、パイプを埋め込んでもよい。また、本実施の形態では、L字状に形成した空気取入れ部14aの先端の空気取入れ口14bを空間部14側に突出させたが、空気取入れ口14bは、基礎10の内側面に形成してもよい。なお、空気取入れ口14bには、網体を取り付けて虫等の侵入を防止することが好ましい(以上、第1の工程)。
次に、図2及び図3に示すように、大引き13上に複数の床パネル15を取り付けて基礎10及び土台12で囲まれた空間部14を覆う。床パネル15は、釘打ちにより大引き13及び床支持材13aに固定される。大引き13は、例えば1m間隔で設置する。床パネル15は、予め工場生産されたものであり、図3及び図4に示すように、各床パネル15は、方形状の第1面材16と、第1面材16の一面側周縁に固定された一対の縦枠材17と一対の横枠材18からなる方形状のパネル枠19と、パネル枠19を挟んで第1面材16と対向配置されパネル枠19に固定された第2面材20を有している。そして、第1面材16、パネル枠19、第2面材20で囲まれた中空部21には断熱材22が充填されている。なお、中空部21は縦枠材17と平行に配置される補強材23で補強されるが、補強材23の数や配置間隔は適宜、選択することができる。
床パネル15は、例えば4m×2mの長方形状であるが、木造軸組建築物の床面積や間取り等に応じて、適宜、寸法を選択することができ、一部、正方形状に形成してもよい。第1面材16及び第2面材20としては、例えば厚さ9mmの合板が好適に用いられ、縦枠材17と横枠材18としては、例えば縦、横それぞれ45mmの角材が好適に用いられる。断熱材22としては、例えばグラスウールや合成樹脂製発泡材等を用いることができる。
大引き13と直交する縦枠材17が根太の役目を果たし、床パネル15の中空部21に断熱材22が充填されているので、従来のように、縦枠材への根太の取り付け作業や、断熱材の敷設作業等を現場で行う必要がなく、床パネル15のみを設置するだけで簡単に床面を形成することができる。但し、床パネル15の取り付け方向により、横枠材18が大引き13と直交して根太の役目を果たす場合もある(以上、第2の工程)。なお、最終的に、床パネル15の表面をフローリングや畳で覆って床が完成するが、その工程は、内装が全て終わってから行うことが好ましい。
次に、図5〜図7に示すように、土台12上に間隔を空けて複数の通し柱25及び複数の管柱26を立設し、水平材となる桁(胴差し)27と梁28で連結する。通し柱25は、図10及び図11に示すように、土台12から二階部水平材となる桁42までを連結する柱であり、二階部分(図5では左側2/3の範囲)の少なくとも四隅に設置される。隣接する柱同士の間隔は、例えば1mであるが、通し柱25及び管柱26の配置は、適宜、選択することができる。また、二階部分を支持する短辺側の桁27の内側には、梁28と共に後述する二階床パネル40を支持する床支持材28aが取り付けられている。なお、桁27には、横架材11の上面に開口する空気取入れ部14a(図1参照)の水平方向位置に合わせて、桁27を高さ方向に貫通する連通部29が設けられる。連通部29は桁27に孔加工を施すだけでもよいし、パイプを差し込んでもよい。土台12、通し柱25、管柱26、桁(胴差し)27、及び梁28の各部の固定や連結には、それぞれ従来公知のアンカーや継手等を用いることができる。また、通し柱25、管柱26、桁(胴差し)27、及び梁28は、他の部材と同様に、予め工場で所定の寸法に加工され、固定や連結に必要な孔加工や仕口加工及び連通部29の加工等も施された状態なので、現場では簡単に組立作業を行うことができる。なお、必要に応じて、接合金具や補強金具を予め取り付けておけば、現場での作業工数を減らすことができる。(以上、第3の工程)。
次に、図7に示すように、1)土台12、2)通し柱25と通し柱25に隣接する管柱26、又は隣接する2本の管柱26、及び3)水平材である桁27で囲まれた複数の側方開口部30の少なくとも一部に壁パネル31、31aを取り付ける。壁パネル31、31aは、釘打ちにより、土台12、通し柱25、管柱26、及び桁27に固定される。壁パネル31は、予め工場生産されたものであり、図8及び図9に示すように、側方開口部30に嵌め込まれる方形状の第1面材32を有している。第1面材32としては、例えばベニヤ板32aと厚さ5mmの内側ボード(例えば合板)32bを積層したものが好適に用いられる。第1面材32の一面側周縁には、一対の縦枠材33と一対の横枠材34からなる方形状のパネル枠35が固定される。縦枠材33及び横枠材34としては、例えば縦、横それぞれ45mmの角材が好適に用いられる。また、パネル枠35には縦枠材33と平行に補強材35aが取り付けられるが、補強材35aの数や配置間隔は適宜、選択することができる。そして、パネル枠35を挟んで第1面材32と対向配置された第2面材36がパネル枠35に固定されている。第2面材36としては、例えば厚さ9mmの合板が好適に用いられる。
なお、壁パネル31の幅方向中央には縦枠材33と平行に配置され横枠材34を貫通する空気流通管37が埋設されている。空気流通管37の一端には、他の部分より大径の嵌合部37aが形成され、他端は横枠材34より外方に突出する突出部37bとなっている。これにより、複数の壁パネル31を縦方向に並べて配置する際に、図7に示すように、上方の壁パネル31の突出部37bを下方の壁パネル31の嵌合部37aに差し込んで空気流通管37同士を連通させることができる。また、最下端の壁パネル31の突出部37bが、横架材11の上面から空気取入れ部14aに差し込まれることにより、空気取入れ部14aを介して空間部14と空気流通管37が連通する。このとき、空気取入れ部14aは、直径を全体的に突出部37bより大径に形成してもよいし、突出部37bが差し込まれる開口部の上端側のみを突出部37bより大径に形成してもよい。空気流通管37としては、例えば直径75mmのライト管が好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、材質や直径は適宜、選択することができる。また、空気流通管37は、嵌合部37aが一体に形成されているものが好適に用いられるが、横枠材34を孔加工して直接、嵌合部を形成してもよいし、孔加工した横枠材34に嵌合部を有するソケット部材を埋め込んでもよい。なお、嵌合部37aの深さや突出部37bの長さは、適宜、選択することができる。
第1面材32、パネル枠35、及び第2面材36で囲まれた中空部38には床パネル15と同様に断熱材39が充填されている。
空気流通管37は、木造軸組建築物の外周に沿って所定の間隔(例えば2〜3m間隔)で設置されるので、壁パネル31の他に、空気流通管37を組み込んでいない壁パネル31aも、工場生産により用意する。壁パネル31aが壁パネル31と異なる点は、図8に示すように、中空部38に空気流通管37が埋設されない代わりに、補強材35aが追加されている点である。壁パネル31、31aの形状は、側方開口部30の形状や寸法に応じて、長方形状や正方形状に形成されたものを適宜、組合せて使用することができる。壁パネル31、31aを長方形状に形成する場合、長さは、例えば2〜3mが好適であるが、これに限定されるものではない。なお、図7及び図8に示すように、壁パネル31、31aの第1面材32の幅は、側方開口部30の幅と同等の幅に形成され、第2面材36の幅は、通し柱25及び管柱26を覆うように、第1面材32より幅広に形成される。(以上、第4の工程)。最終的に、壁パネル31、31aの第1面材32の表面(内壁側)は、クロスや塗り壁等の内装材で覆われ、第2面材36の表面(外壁側)は、耐火プレート(焼物)等の外壁材で覆われて壁が完成する。なお、壁パネル31、31aが取り付けられない側方開口部30には、ドアや窓などが取り付けられる。
次に、図10に示すように、二階建て部分を支持する水平材の梁28上に二階床パネル40を取り付ける。二階床パネル40は釘打ちにより、梁28及び床支持材28aに固定される。二階床パネル40も予め工場生産されたものであり、その構造は床パネル15と同様なので説明を省略する。梁28と直交する縦枠材が二階根太の役目を果たし、二階床パネル40の中空部に断熱材が充填されているので、従来のように、梁28への二階根太の取り付け作業や、断熱材の敷設作業等を現場で行う必要がなく、二階床パネル40のみを設置するだけで簡単に二階床面を形成することができる。但し、二階床パネル40の取り付け方向により、横枠材が梁28と直交して二階根太の役目を果たす場合もある(以上、第5の工程)。
次に、図10に示すように、二階建て部分の外周を支持する水平材の桁27上に間隔を空けて複数の二階部管柱41を立設し、通し柱25及び複数の二階部管柱41を二階部水平材となる桁42及び梁43で連結する。なお、桁42には、桁27に形成された連通部29の水平方向位置に合わせて、桁42を高さ方向に貫通する空気吹出し部44が設けられる。空気吹出し部44は桁42に孔加工を施すだけでもよいし、パイプを差し込んでもよい。通し柱25、桁27、二階部管柱41、桁42、及び梁43の各部の連結(固定)には、それぞれ従来公知の継手等を用いることができ、二階部管柱41、桁42、及び梁43は、他の部材と同様に、予め工場で所定の寸法に加工され、連結に必要な仕口加工及び空気吹出し部44の加工等も施された状態なので、現場では簡単に組立作業を行うことができる。なお、必要に応じて、接合金具や補強金具を予め取り付けておけば、現場での作業工数を減らすことができる(以上、第6の工程)。
次に、図11に示すように、水平材の桁27、通し柱25、通し柱25に隣接する二階部管柱41、及び二階部水平材の桁42で囲まれた複数の二階側開口部45並びに水平材の桁27、隣接する2本の二階部管柱41、及び二階部水平材の桁42で囲まれた複数の二階側開口部45の少なくとも一部に二階壁パネル46、46aを取り付ける。二階壁パネル46、46aは、釘打ちにより、通し柱25、桁27、二階部管柱41、及び桁42に固定される。二階壁パネル46、46aも予め工場生産されたものであり、その構造は、それぞれ壁パネル31、31aと同様なので説明を省略する(以上、第7の工程)。
最終的に、二階壁パネル46、46aの第1面材の表面(内壁側)は、クロスや塗り壁等の内装材で覆われ、第2面材の表面(外壁側)は、耐火プレート(焼物)等の外壁材で覆われて二階部分の壁が完成する。なお、二階壁パネル46、46aが取り付けられない二階側開口部45には、窓などが取り付けられる。
なお、複数の二階壁パネル46を縦方向に並べて配置する際に、図11に示すように、上方の二階壁パネル46の突出部37bを下方の二階壁パネル46の嵌合部37aに差し込んで空気流通管37同士を連通させることができる。また、最下端の二階壁パネル46の突出部37bが、桁27の上面から連通部29に差し込まれることにより、連通部29を介して壁パネル31に埋設された空気流通管37と二階壁パネル46に埋設された空気流通管37が連通する。また、最上端の二階壁パネル46に埋設された空気流通管37の上端部(嵌合部37a)は、桁42に形成された空気吹出し部44と連通する。この結果、一部の壁パネル31及び二階壁パネル46を高さ方向に貫通して空間部14と木造軸組建築物の屋根裏を連通させる換気流路47が形成される。これにより、空間部14の空気を利用して自然換気を行うことができ、木造軸組建築物内部の温度調整を容易かつ効率的に行うことができる。換気流路47は、空気流通管37の位置に対応して、木造軸組建築物の外周に沿って所定の間隔(例えば2〜3m間隔)で設置されるが、木造軸組建築物の床面積や平面形状等に応じて、その数や配置は適宜、選択することができる。
次に、図12に示すように、二階建て部分を除く水平材の梁28上及び二階部水平材の梁43上に、屋根支持材48を介して屋根パネル50を取り付ける。屋根支持材48は、それぞれの梁28、43上に所定間隔で立設された複数の桁支持材(小屋束)48aと、複数の桁支持材(小屋束)48aの上端に梁28、43と直交するように渡設された桁の一例である屋根支持桁(母屋)48bからなっている。梁28、43、桁支持材48a、及び屋根支持桁48bの各部の連結(固定)には、それぞれ従来公知の継手等を用いることができ、桁支持材48a及び屋根支持桁48bは、他の部材と同様に、予め工場で所定の寸法に加工され、連結に必要な仕口加工等も施された状態なので、現場では簡単に組立作業を行うことができる。なお、必要に応じて、接合金具や補強金具を予め取り付けておけば、現場での作業工数を減らすことができる。屋根パネル50は、釘打ちにより、屋根支持桁48bに固定される。屋根パネル50は、予め工場生産されたものであり、方形状の第1面材51と、第1面材51の一面側周縁に固定された一対の縦枠材52と一対の横枠材53からなる方形状のパネル枠54と、パネル枠54を挟んで第1面材51と対向配置されパネル枠54に固定された第2面材55を有している。そして、第1面材51、パネル枠54、及び第2面材55で囲まれた中空部56には断熱材57が充填されている。中空部56は、縦枠材52又は横枠材53と平行に適宜、配置される補強材(図示せず)で補強することができ、その数や配置間隔は適宜、選択することができる。なお、屋根パネル50を構成する部材の寸法や材質等は床パネル15と同様なので説明を省略する。屋根支持桁48bと直交する縦枠材52が垂木の役目を果たし、屋根パネル50の中空部56に断熱材57が充填されているので、従来のように、屋根支持桁49への垂木の取り付け作業や、断熱材の敷設作業等を現場で行う必要がなく、屋根パネル50のみを設置するだけで簡単に屋根面を形成することができる。但し、屋根パネル50の取り付け方向により、横枠材53が屋根支持桁48bと直交して垂木の役目を果たす場合もある(以上、第8の工程)。最終的に、屋根パネル50の表面を屋根仕上げ材で覆って屋根が完成する。なお、屋根には2%程度の勾配を付けることが好ましいが、その形態は片流れ屋根、切妻屋根、或いはその他の形態でもよい。
ここで、本実施の形態で使用する横架材11(土台12)、大引き13、床支持材13a、通し柱25、管柱26、桁27、梁28、床支持材28a、二階部管柱41、桁42、梁43、桁支持材48a、屋根支持桁48bといった軸組部材(木材)及び床パネル15、壁パネル31、31a、二階床パネル40、二階壁パネル46、46a、及び屋根パネル50の木質部分(断熱材以外)は、木材保存(防腐防蟻)処理することが好ましい。木材保存処理に使用する木材保存剤(防腐防蟻剤)としては、ホウ酸塩と酸化第二鉄とを含む水溶液中に、多孔質炭素粉末及びゼオライト粉末のいずれか一方と酢酸鉄を加えたものが好適に用いられる。この木材保存剤は、自然(天然)素材を使用することにより、原料の入手、製造が容易で、人畜に対する安全性に優れ、環境に及ぼす影響が少なく、防虫、防腐、防蟻、防カビ等の効果を高めることができ、長期間(例えば100〜150年)にわたって安定的に木材を保護し、木造軸組建築物の長寿命化を図ることができる。各部材は木材保存剤を浸透させた後、乾燥させて使用する。具体的には、各部材を乾燥させて密閉容器に収容し、密閉容器内を減圧した状態で木材保存剤を注入して、各部材を木材保存剤中に浸漬することにより、木材保存剤を容易に浸透させることができる。また、各部材を木材保存剤中に浸漬した後、木材保存剤を加圧すれば、各部材全体に木材保存剤を短時間で多量に浸透させることができる。なお、木材保存剤は水溶液であるため、各部材の表面に塗布して浸透させてもよい。
床パネル15、壁パネル31、31a、二階床パネル40、二階壁パネル46、46a、及び屋根パネル50については、少なくともパネル枠19、35、54(補強材23、35aも含む)を木材保存処理すればよいが、それぞれの第1面材16、第2面材20、第1面材32、第2面材36、第1面材51、及び第2面材55についても、上記のように木材保存処理を施すことにより、各パネルの耐久性を向上させることができる。但し、壁パネル31、31aの第1面材32のように、ベニヤ板32aと内側ボード32bを積層する場合は、内側ボード32bのみを木材保存処理し、ベニヤ板32aは木材保存処理しなくてもよい。
次に、壁パネル(二階壁パネル)の変形例について説明する。
図13、図14に示す変形例の壁パネル60が、壁パネル31、二階壁パネル46と異なるのは、第2面材36の外表面に、使用時の高さ方向に間隔を空けて取り付けられた水平補強材61を有し、水平補強材61を高さ方向に貫通する切欠き状(溝状)の空気流通部62が形成されている点である。第2面材36の外表面に取り付けられた水平補強材61が胴縁の役目を果たして壁パネル60の強度を高めることができる。また、最終的に、壁パネル60の第1面材32の表面(内壁側)は、クロスや塗り壁等の内装材で覆われ、水平補強材61の外面(外壁側)は、耐火プレート(焼物)等の外壁材で覆われて壁が完成するが、水平補強材61を高さ方向に貫通する切欠き状(溝状)の空気流通部62が形成されていることにより、水平補強材61の外面が外壁材で覆われた状態で、空気流通部62を利用して外気を壁パネル60の内部(第2面材36と外壁材の間)に通し、天井裏まで移動させて自然換気を行うことができる。この壁パネル60の他に、壁パネル60の中空部38に空気流通管37を埋設せずに補強材で補強した壁パネル(壁パネル31aの第2面材36の外表面に、空気流通部62が形成された水平補強材61を取り付けたものに相当)を用意することにより、それぞれを壁パネル31、31aの代わり、又は二階壁パネル46、46aの代わりに使用することができる。水平補強材61としては、例えば、高さ45mm、厚さ20mmの角材に、幅45mm、深さ10mmの空気流通部62が450mm間隔で形成されたものが好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、適宜、選択することができる。また、水平補強材61の配置間隔は450mm程度が好ましいが、これに限定されるものではなく、適宜、選択することができる。なお、水平補強材61も他の部材と同様に、木材保存処理を施すことが好ましい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、上記実施の形態では、一部に二階建て部分を有する場合について説明したが、二階建て部分の形状、配置、範囲等は適宜、選択することができ、木造軸組建築物全体を二階建てとしてもよいし、平屋建てとしてもよい。なお、平屋建ての場合は、上記実施の形態の第1の工程から第4の工程までを行った後、第5の工程として、水平材上に屋根支持材を取り付け、屋根支持材上に屋根パネルを取り付ければよい。但し、第3の工程では、通し柱と管柱の区別はなく、全て同じ長さの柱を使用することとなる。
また、上記実施の形態では省略したが、必要に応じて、木造軸組建築物の中心部に、他の柱よりも太い大黒柱を設置することができる。
10:基礎、11:横架材、12:土台、13:大引き、13a:床支持材、14:空間部、14a:空気取入れ部、14b:空気取入れ口、15:床パネル、16:第1面材、17:縦枠材、18:横枠材、19:パネル枠、20:第2面材、21:中空部、22:断熱材、23:補強材、25:通し柱、26:管柱、27:桁(胴差し)、28:梁、28a:床支持材、29:連通部、30:側方開口部、31、31a:壁パネル、32:第1面材、32a:ベニヤ板、32b:内側ボード、33:縦枠材、34:横枠材、35:パネル枠、35a:補強材、36:第2面材、37:空気流通管、37a:嵌合部、37b:突出部、38:中空部、39:断熱材、40:二階床パネル、41:二階部管柱、42:桁、43:梁、44:空気吹出し部、45:二階側開口部、46、46a:二階壁パネル、47:換気流路、48:屋根支持材、48a:桁支持材(小屋束)、48b:屋根支持桁(母屋)、50:屋根パネル、51:第1面材、52:縦枠材、53:横枠材、54:パネル枠、55:第2面材、56:中空部、57:断熱材、60:壁パネル、61:水平補強材、62:空気流通部

Claims (16)

  1. 平屋建ての木造軸組建築物の施工方法において、
    基礎の上に土台及び大引きを取り付ける第1の工程と、前記大引き上に床パネルを取り付けて前記基礎及び前記土台で囲まれた空間部を覆う第2の工程と、前記土台上に間隔を空けて複数の柱を立設し、水平材で連結する第3の工程と、前記土台、隣接する2本の前記柱、及び前記水平材で囲まれた複数の側方開口部の少なくとも一部に壁パネルを取り付ける第4の工程と、前記水平材上に屋根支持材を介して屋根パネルを取り付ける第5の工程とを有することを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  2. 請求項1記載の木造軸組建築物の施工方法において、少なくとも一部の前記壁パネルを高さ方向に貫通して前記空間部と前記木造軸組建築物の屋根裏を連通させる換気流路が形成されることを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  3. 請求項1又は2記載の木造軸組建築物の施工方法において、前記土台、前記大引き、前記柱、前記水平材、及び屋根支持材は、木材保存処理されたものであることを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1記載の木造軸組建築物の施工方法において、前記床パネル、前記壁パネル、及び前記屋根パネルはそれぞれ、方形状の第1面材と、該第1面材の一面側周縁に固定された一対の縦枠材と一対の横枠材からなる方形状のパネル枠と、該パネル枠を挟んで前記第1面材と対向配置され該パネル枠に固定された第2面材と、前記第1面材、前記パネル枠、及び前記第2面材で囲まれた中空部に充填された断熱材とを有することを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  5. 請求項4記載の木造軸組建築物の施工方法において、前記床パネルは、前記縦枠材又は前記横枠材が、前記大引きと直交するように配置され、前記屋根パネルは、前記縦枠材又は前記横枠材が、前記屋根支持材の桁と直交するように配置されることを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  6. 請求項4又は5記載の木造軸組建築物の施工方法において、前記壁パネルの前記中空部に空気流通管が埋設されていることを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  7. 請求項4〜6のいずれか1記載の木造軸組建築物の施工方法において、前記壁パネルの前記第2面材の外表面に、使用時の高さ方向に間隔を空けて取り付けられた水平補強材を有し、該水平補強材を高さ方向に貫通する空気流通部が形成されていることを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  8. 請求項4〜7のいずれか1記載の木造軸組建築物の施工方法において、少なくとも前記パネル枠は、木材保存処理されたものであることを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  9. 少なくとも一部に二階建て部分を有する木造軸組建築物の施工方法において、
    基礎の上に土台及び大引きを取り付ける第1の工程と、前記大引き上に床パネルを取り付けて前記基礎及び前記土台で囲まれた空間部を覆う第2の工程と、前記土台上に間隔を空けて複数の通し柱及び複数の管柱を立設し、水平材で連結する第3の工程と、1)前記土台、2)前記通し柱と該通し柱に隣接する前記管柱、又は隣接する2本の前記管柱、及び3)前記水平材で囲まれた複数の側方開口部の少なくとも一部に壁パネルを取り付ける第4の工程と、前記二階建て部分を支持する前記水平材の梁上に二階床パネルを取り付ける第5の工程と、前記二階建て部分の外周を支持する前記水平材上に間隔を空けて複数の二階部管柱を立設し、前記通し柱及び複数の前記二階部管柱を二階部水平材で連結する第6の工程と、1)前記水平材、2)前記通し柱と該通し柱に隣接する前記二階部管柱、又は隣接する2本の前記二階部管柱、及び3)前記二階部水平材で囲まれた複数の二階側開口部の少なくとも一部に二階壁パネルを取り付ける第7の工程と、前記二階建て部分を除く前記水平材上及び前記二階部水平材上に屋根支持材を介して屋根パネルを取り付ける第8の工程とを有することを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  10. 請求項9記載の木造軸組建築物の施工方法において、前記壁パネル及び前記二階壁パネルを高さ方向に貫通して前記空間部と前記木造軸組建築物の屋根裏を連通させる換気流路が形成されることを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  11. 請求項9又は10記載の木造軸組建築物の施工方法において、前記土台、前記大引き、前記通し柱、前記管柱、前記水平材、前記二階部管柱、前記二階部水平材、及び前記屋根支持材は、木材保存処理されたものであることを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか1記載の木造軸組建築物の施工方法において、前記床パネル、前記壁パネル、前記二階床パネル、前記二階壁パネル、及び前記屋根パネルはそれぞれ、方形状の第1面材と、該第1面材の一面側周縁に固定された一対の縦枠材と一対の横枠材からなる方形状のパネル枠と、該パネル枠を挟んで前記第1面材と対向配置され該パネル枠に固定された第2面材と、前記第1面材、前記パネル枠、及び前記第2面材で囲まれた中空部に充填された断熱材とを有することを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  13. 請求項12記載の木造軸組建築物の施工方法において、前記床パネルは、前記縦枠材又は前記横枠材が、前記大引きと直交するように配置され、前記二階床パネルは、前記縦枠材又は前記横枠材が、前記梁と直交するように配置され、前記屋根パネルは、前記縦枠材又は前記横枠材が、前記屋根支持材の桁と直交するように配置されることを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  14. 請求項12又は13記載の木造軸組建築物の施工方法において、前記壁パネル及び前記二階壁パネルの前記中空部に空気流通管が埋設されていることを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  15. 請求項12〜14のいずれか1記載の木造軸組建築物の施工方法において、前記壁パネル及び前記二階壁パネルの前記第2面材の外表面に、使用時の高さ方向に間隔を空けて取り付けられた水平補強材を有し、該水平補強材を高さ方向に貫通する空気流通部が形成されることを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
  16. 請求項12〜15のいずれか1記載の木造軸組建築物の施工方法において、少なくとも前記パネル枠は、木材保存処理されたものであることを特徴とする木造軸組建築物の施工方法。
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