JP2019157120A - 化学機械研磨用組成物及び化学機械研磨方法 - Google Patents

化学機械研磨用組成物及び化学機械研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】配線金属及び樹脂膜を有する回路基板を化学機械研磨する際に、樹脂膜に対する研磨速度が十分に高く、かつ、被研磨面の高平坦化及びスクラッチ発生の低減を実現できる化学機械研磨用組成物及び化学機械研磨方法を提供すること。【解決手段】本発明に係る化学機械研磨用組成物は、(A)アルミナ含有粒子と、(B)有機酸と、を含有し、前記(A)アルミナ含有粒子は、粉末X線回折パターンにおける回折強度が最大となるピーク部分の半値幅が0.30°未満のものである。本発明に係る化学機械研磨方法は、(A1)アルミナ含有粒子を含有する第1化学機械研磨用組成物を使用して樹脂を含有する被研磨面を研磨する第1研磨工程と、前記第1研磨工程後の被研磨面を、さらに(A2)シリカ粒子を含有する第2化学機械研磨用組成物を使用して研磨する第2研磨工程と、を含み、前記(A1)アルミナ含有粒子が、粉末X線回折パターンにおける回折強度が最大となるピーク部分の半値幅が0.30°未満のものである。【選択図】なし

Description

本発明は、化学機械研磨用組成物及び化学機械研磨方法に関する。
多層回路基板(多層化された回路基板)では、配線パターンが形成された複数の回路基板が積層した三次元的な配線構造が要求されている。多層回路基板に凹凸や湾曲が生じないように、多層回路基板を構成する各層の回路基板は均一な厚みを有しかつ表面が平坦であるように形成される必要がある。
配線パターンを有する回路基板の製造方法としては、例えば、基板の表面に所望の配線パターンに対応した凹部を形成し、この表面全体にメッキにより導電層を形成した後、基板の表面側を研磨して凹部のみに導電層が残るようにする方法がある。基板を研磨する方法としては、例えば、バフ研磨等の細かい砥粒を用いた研磨方法(例えば、特許文献1参照)、スラリーを用いた化学機械研磨方法(例えば、特許文献2〜3参照)等が検討されている。この特許文献3では、大型な配線構造体を形成する際の回路基板を研磨する方法として、スラリー中の有機酸及び水溶性高分子の含有割合を調整する方法が検討されている。
特開2002−134920号公報 特開2003−257910号公報 特開2010−069550号公報
特許文献3のような従来の回路基板形成における化学機械研磨方法では、銅などの配線金属を高速で研磨する方法が検討されている。しかしながら、回路基板には、配線金属だけでなく樹脂膜も多く含まれており、特に配線上に樹脂膜が多く存在するような回路基板において、膜厚の厚い樹脂膜を化学機械研磨により高速研磨でき、かつ、高平坦化できる技術に対するニーズが存在する。また、不要な樹脂膜を研磨除去した後に表出する配線金属/樹脂膜が共存する被研磨面においても、化学機械研磨により高平坦化でき、かつ、スクラッチの発生を低減できる技術に対するニーズも存在する。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、配線金属及び樹脂膜を有する回路基板を化学機械研磨する際に、樹脂膜に対する研磨速度が十分に高く、かつ、被研磨面の高平坦化及びスクラッチ発生の低減を実現できる化学機械研磨方法、及び配線金属や樹脂膜に対する研磨速度が十分に高く、かつ、被研磨面を高平坦化できる化学機械研磨用組成物を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下のいずれかの態様として実現することができる。
本発明に係る化学機械研磨用組成物の一態様は、
(A1)アルミナ含有粒子と、
(B)有機酸と、
を含有し、
前記(A1)アルミナ含有粒子は、粉末X線回折パターンにおける回折強度が最大となるピーク部分の半値幅が0.30°未満のものである。
前記化学機械研磨用組成物の一態様において、
前記(A1)アルミナ含有粒子のSi含有割合が1〜40wt・ppmであることができる。
前記化学機械研磨用組成物のいずれかの態様において、
前記(B)有機酸が、一分子内に、ヒドロキシル基を0〜1個及びカルボキシル基を1〜2個有し、かつ、第一酸解離定数pKaが1.5〜4.5であることができる。
前記化学機械研磨用組成物のいずれかの態様において、
前記(B)有機酸が、マレイン酸、コハク酸、乳酸、マロン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ラウリン酸及びグリコール酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることができる。
前記化学機械研磨用組成物のいずれかの態様において、
前記(A1)アルミナ含有粒子の比重が4.0以上であることができる。
本発明に係る化学機械研磨方法の一態様は、
前記いずれかの態様の化学機械研磨用組成物を用いて、樹脂を含有する被研磨面を研磨する工程を含む。
本発明に係る化学機械研磨方法の一態様は、
前記いずれかの態様の化学機械研磨用組成物を用いて、樹脂及び配線金属を含有する被研磨面を研磨する工程を含む。
本発明に係る化学機械研磨方法の一態様は、
(A1)アルミナ含有粒子を含有する第1化学機械研磨用組成物を使用して樹脂を含有する被研磨面を研磨する第1研磨工程と、
前記第1研磨工程後の被研磨面を、さらに(A2)シリカ粒子を含有する第2化学機械研磨用組成物を使用して研磨する第2研磨工程と、
を含み、
前記(A1)アルミナ含有粒子が、粉末X線回折パターンにおける回折強度が最大となるピーク部分の半値幅が0.30°未満のものである。
前記化学機械研磨方法の一態様において、
前記(A1)アルミナ含有粒子のSi含有割合が1〜40wt・ppmであることができる。
前記化学機械研磨方法のいずれかの態様において、
前記(A1)アルミナ含有粒子の比重が4.0以上であることができる。
前記化学機械研磨方法のいずれかの態様において、
前記第1化学機械研磨用組成物及び前記第2化学機械研磨用組成物のうち少なくとも一方が(B)有機酸をさらに含有することができる。
前記化学機械研磨方法のいずれかの態様において、
前記(B)有機酸が、一分子内に、ヒドロキシル基を0〜1個及びカルボキシル基を1
〜2個有し、かつ、第一酸解離定数pKaが1.5〜4.5であることができる。
前記化学機械研磨方法のいずれかの態様において、
前記(B)有機酸が、マレイン酸、コハク酸、乳酸、マロン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ラウリン酸及びグリコール酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用組成物によれば、配線金属及び樹脂膜を有する回路基板を化学機械研磨する際に、樹脂膜に対する研磨速度が十分に高く、かつ、被研磨面を高平坦化することができる。
本発明に係る化学機械研磨方法によれば、配線金属及び樹脂膜を有する回路基板を化学機械研磨する際に、樹脂膜に対する研磨速度が十分に高いため高スループットで研磨することができ、不要な樹脂膜を研磨除去した後に表出する配線金属/樹脂膜が共存する被研磨面において、高平坦化及びスクラッチ発生の低減を実現できる。
本実施形態に係る化学機械研磨方法の使用に適した被処理体を模式的に示した断面図である。 図1に示す被処理体の第1研磨工程終了後の状態を模式的に示した断面図である。 図2に示す被処理体の第2研磨工程終了後の状態を模式的に示した断面図である。 (A1)アルミナ含有粒子の長径(Rmax)及び短径(Rmin)を模式的に示した概念図である。 本実施形態に係る化学機械研磨方法の使用に適した化学機械研磨装置を模式的に示した斜視図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
本明細書において、「〜」を用いて記載された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味である。
本発明では、第1研磨工程に使用される化学機械研磨用組成物を「第1化学機械研磨用組成物」と定義し、第2研磨工程に使用される化学機械研磨用組成物を「第2化学機械研磨用組成物」と定義する。
本発明における「樹脂」とは、回路基板を作成するのに使用される樹脂であれば特に制限されるものではないが、例えば、ポリイミド系、フェノール系、エポキシ系、メラミン系、尿素系、不飽和ポリエステル系、ジアリルフタレート系、ポリウレタン系、シリコン系、その他の熱硬化性樹脂、およびノボラック等の熱可塑性樹脂を架橋剤によって硬化させた架橋型硬化性樹脂等が挙げられる。これらの硬化性樹脂の具体例としては、環化ゴム−ビスアジド系、DNQ−ノボラック樹脂系、化学増幅型樹脂系、ポリヒドロキシスチレン、ポリメチルメタクリレート、フッ素樹脂等の感光性樹脂等が挙げられる。
本発明における「配線金属」とは、回路基板の配線を作成するのに使用される金属であ
れば特に制限されるものではないが、例えば、アルミニウム、銅、及びこれらの合金が挙げられる。
1.化学機械研磨方法
本実施形態に係る化学機械研磨方法は、(A1)アルミナ含有粒子を含有する第1化学機械研磨用組成物を使用して樹脂を含有する被研磨面を研磨する第1研磨工程と、前記第1研磨工程後の被研磨面を、さらに(A2)シリカ粒子を含有する第2化学機械研磨用組成物を使用して研磨する第2研磨工程と、を含み、前記(A1)アルミナ含有粒子が、粉末X線回折パターンにおける回折強度が最大となるピーク部分の半値幅が0.30°未満のものである。
図1は、本実施形態に係る化学機械研磨方法の使用に適した被処理体を模式的に示した断面図である。本実施形態に係る化学機械研磨方法は、回路基板を作成する際に広く適用することができるが、図1に示すような、金属配線パターンが形成された配線金属10上に樹脂膜12が多く存在する被処理体100から回路基板を作成する用途に好適である。
第1化学機械研磨用組成物に含有される(A1)アルミナ含有粒子は、樹脂膜を研磨するのに適した硬度を有している。そのため、第1化学機械研磨用組成物は、樹脂膜に対する研磨速度が十分に高く、配線金属10上に多く存在する樹脂膜12を粗方研磨する用途に適している。
その一方で、第1化学機械研磨用組成物に含有される(A1)アルミナ含有粒子は、銅または銅合金などの柔らかい配線金属を過剰に研磨してしまう傾向がある。そのため、第1化学機械研磨用組成物を用いて配線金属/樹脂膜が共存する被研磨面を研磨すると、被研磨面の平坦性が損なわれやすく、また配線金属上にスクラッチ(研磨傷)が発生しやすい。
第2化学機械研磨用組成物に含有される(A2)シリカ粒子は、(A1)アルミナ含有粒子よりも硬度が低く、配線金属を研磨する用途に適している。そのため、第2化学機械研磨用組成物は、配線金属や樹脂膜に対する研磨速度が第1化学機械研磨用組成物に比べて低いものの、配線金属/樹脂膜が共存する被研磨面において精密かつスクラッチの発生が低減された研磨を実現することができる。
したがって、第1研磨工程において、第1化学機械研磨用組成物を用いて配線金属10上に多く存在する樹脂膜12(図1参照)を粗方研磨した後、第2研磨工程において、第2化学機械研磨用組成物を用いて配線金属/樹脂膜が共存する被研磨面(図2参照)を研磨することによって、高平坦化され、かつ、スクラッチの発生が低減された回路基板(図3参照)が得られる。
本実施形態に係る化学機械研磨方法は、上述の第1化学機械研磨用組成物を用いて樹脂膜を研磨するため、その研磨速度が大きく、また上述の第2化学機械研磨用組成物を用いて配線金属/樹脂膜が共存する被研磨面を研磨するため、面内平坦性が良好となり、ディッシング等が生じにくい。
また、本実施形態に係る化学機械研磨方法によって製造された回路基板は、面内平坦性が高く、ディッシング等が生じにくいため、該回路基板を積層して形成される多層回路基板も、基板全体にわたって均一な厚みを有し、かつ、平坦な表面を有するものとなる。
以下、本実施形態に係る化学機械研磨方法を構成する各工程について詳細に説明する。
1.1.第1研磨工程
第1研磨工程は、第1化学機械研磨用組成物を使用して、例えば図1に示すような樹脂膜を含有する被研磨面を研磨する工程である。第1化学機械研磨用組成物に含有される(A1)アルミナ含有粒子は、樹脂膜を研磨するのに適した硬度を有している。そのため、第1化学機械研磨用組成物は、樹脂膜に対する研磨速度が十分に高く、樹脂膜を粗方研磨する用途に適している。
1.1.1.第1化学機械研磨用組成物
<(A1)アルミナ含有粒子>
第1化学機械研磨用組成物は、(A1)アルミナ含有粒子を含有する。本発明における「(A1)アルミナ含有粒子」は、アルミナ(Al)のみから形成される粒子であってもよいし、アルミナ以外の他の化合物を含有する粒子であってもよい。(A1)アルミナ含有粒子がアルミナ以外の他の化合物を含有する粒子である場合、(A1)アルミナ含有粒子の一粒子中のアルミナの質量が50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。(A1)アルミナ含有粒子中のアルミナの含有量が前記範囲にあると、樹脂膜を研磨するのに適した硬度となるため、樹脂膜を高速研磨することができる。
一般的に、結晶性のアルミナ粒子の粉末X線回折パターンでは、入射角が25°以上75°以下の範囲内において回折強度が最大となるピークを有する。第1化学機械研磨用組成物に含有される(A1)アルミナ含有粒子は、粉末X線回折パターンにおける回折強度が最大となるピーク部分の半値幅が0.30°未満であり、好ましくは0.15°以上0.29°以下であり、より好ましくは0.18°以上0.28°以下であり、特に好ましくは0.20°以上0.27°以下である。当該半値幅が前記範囲にある(A1)アルミナ含有粒子は、結晶子が均質となり、樹脂膜を研磨するのに適した硬度となる。そのため、第1化学機械研磨用組成物を用いることにより、膜厚の厚い樹脂膜を有する回路基板の樹脂膜を高速研磨することができる。
なお、粉末X線回折パターンとは、X線源としてCuKα線を用いた粉体X線回折による試料測定を行った際の、入射角を横軸、回折強度を縦軸とする2次元グラフにおける、各入射角で測定される回折強度のプロット線のことを指す。
(A1)アルミナ含有粒子の平均一次粒子径は、好ましくは0.1〜5.0μmであり、より好ましくは0.3〜4.0μmであり、特に好ましくは0.4〜3.5μmである。前記範囲の平均一次粒子径を有する(A1)アルミナ含有粒子であれば、樹脂膜に対する十分な研磨速度が得られると共に、粒子の沈降・分離を生ずることのない安定性に優れた化学機械研磨用組成物が得られるため、良好な研磨特性が得られる。
なお、(A1)アルミナ含有粒子の平均一次粒子径は、原料となる(A1)アルミナ含有粒子(分散体)の一部を乾燥させて得られた試料について、例えば流動式比表面積自動測定装置(株式会社島津製作所製、「micrometrics FlowSorbII2300」)を用いてBET法による比表面積を測定し、その測定値から算出して求めることができる。
(A1)アルミナ含有粒子の長径(Rmax)と短径(Rmin)との比率(Rmax/Rmin)は、好ましくは1.10以上1.80以下であり、より好ましくは1.15以上1.60以下であり、特に好ましくは1.20以上1.50以下である。比率(Rmax/Rmin)が前記範囲にあると、(A1)アルミナ含有粒子と被研磨面との引っ掛かり及び摩擦力が適度となるため、スクラッチ等の欠陥を低減しながら、樹脂膜に対する高研磨速度と被研磨面の高平坦化を両立させることができる。
ここで、(A1)アルミナ含有粒子の長径(Rmax)とは、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立した(A1)アルミナ含有粒子の像について、像の端部と端部を結んだ距離のうち最も長い距離を意味する。(A1)アルミナ含有粒子の短径(Rmin)とは、透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立した(A1)アルミナ含有粒子の像について、像の端部と端部を結んだ距離のうち最も短い距離を意味する。
(A1)アルミナ含有粒子の長径(Rmax)及び短径(Rmin)は、以下のようにして測定することができる。例えば、図4に示すように透過型電子顕微鏡により撮影された一つの独立したアルミナ含有粒子1の像が楕円形状である場合、楕円形状の長軸aをアルミナ含有粒子1の長径(Rmax)と判別し、楕円形状の短軸bをアルミナ含有粒子1の短径(Rmin)と判別する。長径と短径との比率(Rmax/Rmin)は、このような判別手法により50個のアルミナ含有粒子の長径(Rmax)及び短径(Rmin)を測定し、長径(Rmax)及び短径(Rmin)の平均値を算出した後、長径と短径との比率(Rmax/Rmin)を計算して求めることができる。
(A1)アルミナ含有粒子の真比重は、好ましくは4.0以上であり、より好ましくは4.3以上である。(A1)アルミナ含有粒子の真比重が前記値以上であれば、研磨時にかかる応力が均一となる結果、研磨後の被研磨面の平坦性が向上する。また、(A1)アルミナ含有粒子の真比重は、好ましくは6.0以下であり、より好ましくは5.0以下である。(A1)アルミナ含有粒子の真比重が前記値以下であれば、第1化学機械研磨用組成物中の粒子の沈降・分離を抑制することができる。(A1)アルミナ含有粒子の真比重は、JIS 9301−2−1:1999に記載されている「ピクノメーター法による真密度」測定法に準じて測定することができる。
(A1)アルミナ含有粒子は、アルミナ以外の他の化合物を含有する粒子であってもよい。このような他の化合物としては、SiC、SiCl、SiCl、SiBr、SiBr、SiF、SiF、SiO、SiO、SiH、Si、HSiO、HSiO、Si(CH、Si(C等のSi含有化合物、TiO、Fe、NaO等が挙げられる。これらの中でも、(A1)アルミナ含有粒子の表面酸性をシラノール基によりコントロールでき、配線金属との適度なケミカル親和性を容易に発現できることから、SiOであることが好ましい。
(A1)アルミナ含有粒子がSi含有化合物を含有する場合、(A1)アルミナ含有粒子中のSi含有割合は、好ましくは1〜40wt・ppmであり、より好ましくは3〜30wt・ppmであり、特に好ましくは10〜25wt・ppmである。(A1)アルミナ含有粒子中のSi含有割合が1wt・ppm以上であると、Si含有化合物に含まれるSi原子と配線表面との間に化学的親和性が生じるため、(A1)アルミナ含有粒子による過剰研磨が抑制され、配線金属と樹脂膜が共存する被研磨面においても平坦性が向上する。一方、(A1)アルミナ含有粒子中のSi含有割合が40wt・ppm以下であると、(A1)アルミナ含有粒子が研磨に適した硬度となり、樹脂膜を高速研磨することができる。すなわち、本実施形態における(A1)アルミナ含有粒子中のSi含有割合が1〜40wt・ppmであれば、樹脂膜を高速で研磨することができ、かつ、研磨後の被研磨面の平坦性が向上する。
(A1)アルミナ含有粒子中のSi含有量は、JIS R1649:2002に記載されている測定法に準じて測定することができる。具体的には、試料となる(A1)アルミナ含有粒子に硫酸を加えて加圧分解容器中で加熱して溶解し試料溶液を調製し、その溶液をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し、Siの発光強度を測定することにより、(A)アルミナ含有粒子中のSi含有量を求める。
(A1)アルミナ含有粒子の含有量は、第1化学機械研磨用組成物の全質量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が特に好ましい。(A1)アルミナ含有粒子の含有量が前記範囲である場合、樹脂膜をより高速で研磨することができる。(A1)アルミナ含有粒子の含有量は、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下が特に好ましい。(A1)アルミナ含有粒子の含有量が前記範囲である場合、被研磨面の研磨傷の発生をより低減することができる。
<その他の添加剤>
第1化学機械研磨用組成物は、主要な液状媒体である水の他、必要に応じて、(B)有機酸、酸化剤、界面活性剤、含窒素複素環化合物、無機酸及びその塩、水溶性高分子等を含有してもよい。
・水
第1化学機械研磨用組成物は、水を主要な液状媒体として含有する。第1化学機械研磨用組成物を調製する際に添加し得る水としては、特に制限されるものではないが、純水が好ましい。水は、上述した第1化学機械研磨用組成物の構成材料の残部として配合されていればよく、水の含有量については特に制限はない。
・(B)有機酸
第1化学機械研磨用組成物は、(B)有機酸を含有することが好ましい。(B)有機酸の機能としては、樹脂膜及び配線金属に対する研磨速度を向上させて、配線金属を含む被研磨面の研磨中における金属塩の析出を抑制することが挙げられる。
(B)有機酸としては、配線金属の元素からなるイオンまたは原子に対して配位能力を有する有機酸であることが好ましい。このような有機酸としては、一分子内にヒドロキシル基を0〜1個及びカルボキシル基を1〜2個有する有機酸がより好ましく、一分子内にヒドロキシル基を0〜1個及びカルボキシル基を1〜2個有し、かつ、第一酸解離定数pKaが1.5〜4.5である有機酸がさらにより好ましく、一分子内にヒドロキシル基及びカルボキシル基を合計2個以上有し、かつ、第一酸解離定数pKaが1.5〜4.5である有機酸が特に好ましい。このような(B)有機酸であれば、配線金属等の表面に対する配位能力が高いので、配線金属に対する研磨速度を向上させることができる場合がある。また、このような(B)有機酸は、配線金属の研磨により発生する金属イオンを安定化し、金属塩の析出を抑制することができるので、被研磨面の表面荒れを抑制しながら高度な平坦性が得られるとともに、配線の研磨傷の発生を低減することができる場合がある。なお、これらの(B)有機酸は、銅又は銅合金への配位能力が特に高いため、配線金属が銅又は銅合金の場合に好適となる。
(B)有機酸の具体例としては、乳酸、酒石酸、フマル酸、グリコール酸、フタル酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ラウリン酸、キノリン酸、キナルジン酸、アミド硫酸;グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、トリプトファン、芳香族アミノ酸、及び複素環型アミノ酸等のアミノ酸が挙げられる。これらの中でも、マレイン酸、コハク酸、乳酸、マロン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ラウリン酸及びグリコール酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。(B)有機酸は、1種単独で用いてもよいし、任意の割合で2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(B)有機酸は、上記有機酸の塩であってもよく、化学機械研磨用組成物中で別
途添加した塩基と反応して上記有機酸の塩となっていてもよい。このような塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属の水酸化物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ化合物、及びアンモニア等が挙げられる。
(B)有機酸の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量に対して、0.001〜1質量%が好ましく、0.01〜0.1質量%がより好ましい。(B)有機酸の含有量が前記範囲であると、樹脂膜及び配線金属に対する研磨速度と平坦性が向上する場合がある。
・酸化剤
第1化学機械研磨用組成物は、酸化剤を含有してもよい。酸化剤を含有することにより、樹脂膜や配線金属を酸化して研磨液成分との錯化反応を促すことにより、被研磨面に脆弱な改質層を作り出すことができるため、良好な研磨特性が得られる場合がある。
酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、硝酸第二鉄、硝酸二アンモニウムセリウム、次亜塩素酸カリウム、オゾン、過ヨウ素酸カリウム、過酢酸等が挙げられる。これらの酸化剤のうち、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸カリウム及び過酸化水素から選択される少なくとも1種が好ましく、過酸化水素がより好ましい。これらの酸化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化剤を含有する場合、酸化剤の含有量は、第1化学機械研磨用組成物の全質量に対して、好ましくは0.001〜5質量%であり、より好ましくは0.005〜3質量%であり、特に好ましくは0.01〜1質量%である。
・界面活性剤
第1化学機械研磨用組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤には、第1化学機械研磨用組成物に適度な粘性を付与できる場合がある。
界面活性剤としては、特に制限されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩;アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸塩;パーフルオロアルキル化合物等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩及び脂肪族アンモニウム塩などが挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物、アセチレンアルコール等の三重結合を有する非イオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール型界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、第1化学機械研磨用組成物の全質量に対して、好ましくは0.001〜5質量%であり、より好ましくは0.001〜3質量%であり、特に好ましくは0.01〜1質量%である。
・含窒素複素環化合物
第1化学機械研磨用組成物は、含窒素複素環化合物を含有してもよい。含窒素複素環化合物を含有することにより、配線金属の過剰なエッチングを抑制し、かつ、研磨後の表面荒れを防ぐことができる場合がある。
含窒素複素環化合物は、少なくとも1個の窒素原子を有する複素五員環及び複素六員環から選択される少なくとも1種の複素環を含む有機化合物である。前記複素環としては、ピロール構造、イミダゾール構造、トリアゾール構造等の複素五員環;ピリジン構造、ピリミジン構造、ピリダジン構造、ピラジン構造等の複素六員環が挙げられる。該複素環は縮合環を形成していてもよい。具体的には、インドール構造、イソインドール構造、ベンゾイミダゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キナゾリン構造、シンノリン構造、フタラジン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造等が挙げられる。このような構造を有する複素環化合物のうち、ピリジン構造、キノリン構造、ベンゾイミダゾール構造、ベンゾトリアゾール構造を有する複素環化合物が好ましい。
含窒素複素環化合物の具体例としては、アジリジン、ピリジン、ピリミジン、ピロリジン、ピペリジン、ピラジン、トリアジン、ピロール、イミダゾール、インドール、キナルジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾイソキノリン、プリン、プテリジン、トリアゾール、トリアゾリジン、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられ、さらに、これらの骨格を有する誘導体が挙げられる。これらの含窒素複素環化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
含窒素複素環化合物を含有する場合、含窒素複素環化合物の含有量は、第1化学機械研磨用組成物の全質量に対して、好ましくは0.05〜2質量%であり、より好ましくは0.1〜1質量%である。
・無機酸及びその塩
第1化学機械研磨用組成物は、無機酸及びその塩を含有してもよい。無機酸及びその塩を含有することにより、配線金属に対する研磨速度がさらに向上する場合がある。無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、及びリン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。無機酸の塩としては、上述の無機酸の塩であってもよく、化学機械研磨用組成物中で別途添加した塩基と上述の無機酸とが塩を形成してもよい。このような塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属の水酸化物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ化合物、及びアンモニア等が挙げられる。
無機酸及びその塩を含有する場合、無機酸及びその塩の含有量は、第1化学機械研磨用組成物の全質量に対して、好ましくは3〜8質量%であり、より好ましくは3〜6質量%である。
・水溶性高分子
第1化学機械研磨用組成物は、水溶性高分子を含有してもよい。水溶性高分子を含有することにより、樹脂膜や配線金属の表面に吸着して研磨摩擦を低減できる場合がある。このような水溶性高分子としては、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアリルアミン、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
水溶性高分子の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000以上1,500,000以下であり、より好ましくは10,000以上500,000以下であり、特に好ましくは30,000以上100,000以下である。水溶性高分子の重量平均分子量が上記範囲内にあれば、水溶性高分子が樹脂膜や配線金属の表面に吸着しやすくなり、研磨摩擦がより低減する。その結果、被研磨面の研磨傷の発生をより効果的に低減することができる。なお、本明細書中における「重量平均分子量(Mw)」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定されたポリエチレングリコール換算の重量
平均分子量のことを指す。
水溶性高分子の含有量は、第1化学機械研磨用組成物の全質量に対して、0.001質量%以上が好ましく、0.003質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が特に好ましい。水溶性高分子の含有量が前記値以上であると、被研磨面の研磨傷の発生を低減することができる場合がある。水溶性高分子の含有量は、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が特に好ましい。水溶性高分子の含有量が前記値以下であると、被研磨面の研磨傷の発生を抑制しつつ、十分な研磨速度で研磨することができる場合がある。
なお、水溶性高分子の含有量は、水溶性高分子の重量平均分子量(Mw)にも依存するが、第1化学機械研磨用組成物の粘度が10mPa・s未満となるように調整することが好ましい。第1化学機械研磨用組成物の粘度が10mPa・s未満であると、樹脂膜や配線金属を高速で研磨しやすく、粘度が適正であるため研磨布上に安定して第1化学機械研磨用組成物を供給することができる。
<pH>
第1化学機械研磨用組成物のpHは、1〜6であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。pHが前記範囲であると、配線金属や樹脂膜を高速で研磨しやすくなり、被研磨面の平坦性を確保しやすく、さらに配線金属の腐食を抑制することができる。
なお、第1化学機械研磨用組成物のpHは、例えば、前記(B)有機酸、前記無機酸及びその塩などの酸や、水酸化カリウム、エチレンジアミン、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、アンモニア等の塩基の添加量を適宜増減することにより調整することができ、これらの1種以上を用いることができる。
本発明において、pHは、水素イオン指数のことを指し、その値は、25℃、1気圧の条件下で市販のpHメーター(例えば、株式会社堀場製作所製、卓上型pHメーター)を用いて測定することができる。
<第1化学機械研磨用組成物の調製方法>
第1化学機械研磨用組成物は、水等の液状媒体に上述した各成分を溶解または分散させることにより調製することができる。溶解または分散させる方法は、特に制限されず、均一に溶解または分散できればどのような方法を適用してもよい。また、上述した各成分の混合順序や混合方法についても特に制限されない。
また、第1化学機械研磨用組成物は、使用時に水等の液状媒体で希釈して使用するための原液であってもよい。
1.1.2.化学機械研磨装置
第1研磨工程には、例えば図5に示すような化学機械研磨装置300を用いることができる。図5は、化学機械研磨装置300を模式的に示した斜視図である。第1研磨工程は、スラリー供給ノズル42からスラリー(化学機械研磨用組成物)44を供給し、かつ、研磨布46が貼付されたターンテーブル48を回転させながら、回路基板50を保持したキャリアーヘッド52を当接させることにより行う。なお、図5には、水供給ノズル54及びドレッサー56も併せて示してある。
キャリアーヘッド52の研磨荷重は、0.7〜70psiの範囲内で選択することができ、好ましくは1.5〜35psiである。また、ターンテーブル48及びキャリアーヘッド52の回転数は10〜400rpmの範囲内で適宜選択することができ、好ましくは
30〜150rpmである。スラリー供給ノズル42から供給されるスラリー(化学機械研磨用組成物)44の流量は、10〜1,000mL/分の範囲内で選択することができ、好ましくは50〜400mL/分である。
市販の研磨装置としては、例えば、荏原製作所社製、型式「EPO−112」、「EPO−222」;ラップマスターSFT社製、型式「LGP−510」、「LGP−552」;アプライドマテリアル社製、型式「Mirra」、「Reflexion」;G&P
TECHNOLOGY社製、型式「POLI−400L」;AMAT社製、型式「Reflexion LK」等が挙げられる。
1.2.第2研磨工程
図2は、図1に示す被処理体の第1研磨工程終了後の状態を模式的に示した断面図である。図3は、図2に示す被処理体の第2研磨工程終了後の状態を模式的に示した断面図である。第2研磨工程は、図2に示すような前記第1研磨工程後の被研磨面を、さらに(A2)シリカ粒子を含有する第2化学機械研磨用組成物を使用して研磨する工程である。図2に示すように、第1研磨工程後の被研磨面は、配線金属10上の一部もしくは全部に樹脂膜12が残存していることがあるため、該樹脂膜12を除去する必要がある。第2化学機械研磨用組成物に含有される(A2)シリカ粒子は、(A1)アルミナ含有粒子よりも硬度が低く、銅や銅合金などの柔らかな配線金属を研磨する用途に適している。そのため、第2化学機械研磨用組成物は、配線金属や樹脂膜に対する研磨速度が第1化学機械研磨用組成物に比べて低いものの、配線金属/樹脂膜が共存する被研磨面を精密かつスクラッチ発生を低減しながら研磨することができる。したがって、第2研磨工程を経ることにより、図3に示すような高平坦性を有し、かつ、配線金属のスクラッチが低減された回路基板200が得られる。
1.2.1.第2化学機械研磨用組成物
<(A2)シリカ粒子>
第2化学機械研磨用組成物は、(A2)シリカ粒子を含有する。(A2)シリカ粒子としては、例えば、気相中で塩化ケイ素、塩化アルミニウム、塩化チタン等を酸素および水素と反応させるヒュームド法により合成されたシリカ粒子;金属アルコキシドから加水分解縮合して合成するゾルゲル法により合成されたシリカ粒子;精製により不純物を除去した無機コロイド法等により合成されたコロイダルシリカ粒子が挙げられる。これらの中でも、分散安定性に優れ、また粒子径の制御が容易で、粗大粒子によるスクラッチの発生を抑制しやすいため、コロイダルシリカ粒子が好ましい。
(A2)シリカ粒子の形状は、特開2012−104800号公報に記載の母粒子の表面に疣状突起を有する略球状であることが好ましい。このような形状を有する(A2)シリカ粒子であれば、配線金属や樹脂膜を適切な研磨速度で研磨できるだけでなく、被研磨面におけるスクラッチ等の発生も低減できる。
(A2)シリカ粒子の平均一次粒子径は、好ましくは0.01〜0.1μmであり、より好ましくは0.01〜0.08μmであり、特に好ましくは0.02〜0.05μmである。上記範囲の平均一次粒子径を有する(A2)シリカ粒子であれば、配線金属や樹脂膜に対する適切な研磨速度が得られると共に、粒子の沈降・分離を生ずることのない安定性に優れた化学機械研磨用組成物が得られるため、良好な研磨特性が得られる。なお、(A2)シリカ粒子の平均一次粒子径は、原料となるシリカ粒子分散体の一部を乾燥させて得られた試料について、透過型電子顕微鏡を用いて凝集した個々の粒子を観察して一次粒子径を求め、それらを平均化して求めることができる。
(A2)シリカ粒子の平均二次粒子径は、好ましくは0.02〜0.3μmであり、よ
り好ましくは0.02〜0.2μmであり、特に好ましくは0.03〜0.1μmである。上記範囲の平均二次粒子径を有する(A2)シリカ粒子であれば、配線金属や樹脂膜に対する適切な研磨速度が得られると共に、粒子の沈降・分離を生ずることのない安定性に優れた化学機械研磨用組成物が得られるため、良好な研磨特性が得られる。ここで、「二次粒子」とは、一次粒子が凝集した状態のことをいう。シリカ粒子は、化学機械研磨用組成物中では、通常二次粒子の状態で存在している。なお、シリカ粒子の平均二次粒子径は、動的光散乱式粒子径測定装置(株式会社堀場製作所製、型式「LB550」)を用いて測定された算術平均径を平均二次粒子径として求めることができる。
(A2)シリカ粒子の含有量は、第2化学機械研磨用組成物の全質量に対して、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、3.0質量%以上が特に好ましい。(A2)シリカ粒子の含有量が前記値以上であれば、配線金属及び樹脂膜を研磨することができる。(A2)シリカ粒子の含有量は、15.0質量%以下が好ましく、12.0質量%以下がより好ましく、9.0質量%以下が特に好ましい。(A2)シリカ粒子の含有量が前記値以下であれば、被研磨面の研磨傷の発生を低減することができる。
<その他の添加剤>
第2化学機械研磨用組成物は、主要な液状媒体である水の他、必要に応じて、(B)有機酸、酸化剤、界面活性剤、含窒素複素環化合物、無機酸及びその塩、水溶性高分子等を含有してもよい。これらの添加剤については、上述の第1化学機械研磨用組成物のところで説明した各化合物を例示することができ、また含有量については、上述の第1化学機械研磨用組成物のところで説明した含有量と同量とすることができる。
<pH>
第2化学機械研磨用組成物のpHは、1〜6であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。pHが前記範囲であると、配線金属/樹脂膜が共存する被研磨面の平坦性を確保しやすく、さらに配線金属の腐食を抑制することができる。
なお、第2化学機械研磨用組成物のpHは、例えば、前記(B)有機酸、前記無機酸及びその塩などの酸や、水酸化カリウム、エチレンジアミン、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、アンモニア等の塩基の添加量を適宜増減することにより調整することができ、これらの1種以上を用いることができる。
<第2化学機械研磨用組成物の調製方法>
第2化学機械研磨用組成物は、水等の液状媒体に上述した各成分を溶解または分散させることにより調製することができる。溶解または分散させる方法は、特に制限されず、均一に溶解または分散できればどのような方法を適用してもよい。また、上述した各成分の混合順序や混合方法についても特に制限されない。
また、第2化学機械研磨用組成物は、使用時に水等の液状媒体で希釈して使用するための原液であってもよい。
1.2.2.化学機械研磨装置
第2研磨工程においても、例えば図5に示すような化学機械研磨装置300を用いることができる。化学機械研磨装置の構成、操作、使用条件、及び市販製品等については、第1研磨工程と同様である。
2.実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、本実施例における「部」および「%」は、特に断らない限り質量
基準である。
2.1.アルミナ含有粒子の物性測定
<アルミナ含有粒子のX線回折強度測定>
アルミナ含有粒子の粉末X線回折パターンにおける回折強度が最大となるピーク部分の半値幅は、以下の条件で測定した。
・装置:全自動水平型多目的X線回折装置SmartLab(リガク社製)
・X線源:CuKα 3kw(水冷)
・測定方法:ガラス試料板を用いた粉末法
・スリット:パラレルビーム(PB)分解能(中レベル)
・測定範囲:15deg−120deg
・ステップ:0.05deg
・スキャンスピード:0.5deg/min(連続)
<アルミナ含有粒子の平均一次粒子径>
アルミナ含有粒子を乾燥させて得られた試料について、流動式比表面積自動測定装置(株式会社島津製作所製、「micrometricsFlowSorbII2300」)を用いてBET法による比表面積を測定し、その測定値から算出して平均一次粒子径を求めた。
<アルミナ含有粒子のSi含有量>
JIS R1649:2002に記載されている測定法に準じて測定した。具体的には、試料となるアルミナ含有粒子に硫酸を加えて加圧分解容器中で加熱して溶解し試料溶液を調製し、その溶液をICP発光分光分析装置(島津製作所社製、型式「ICPE−9800」)のアルゴンプラズマ中に噴霧し、Siの発光強度を測定することにより、アルミナ含有粒子中のSi含有量を求めた。
<アルミナ含有粒子の真比重>
JIS 9301−2−1:1999に記載されている「ピクノメーター法による真密度」測定法に準じて測定した。
<アルミナ含有粒子のRmax/Rmin測定>
アルミナ含有粒子の一部を、透過型電子顕微鏡を用いて50個の粒子を観察し、各々のアルミナ含有粒子の長径(Rmax)及び短径(Rmin)を測定し、各々のアルミナ含有粒子の比率(Rmax/Rmin)を求め、それを平均化したものを表1及び表2に併せて示した。
2.2.第1化学機械研磨用組成物の調製
表1又は表2に記載のアルミナ含有粒子及びイオン交換水を容量1リットルのポリエチレン製の瓶に投入し、これに表1又は表2に記載の有機酸を添加して、組成物のpHが表1又は表2に記載の値となるように調整するとともに、各成分の合計量が100質量部となるようにイオン交換水で調整した。その後、孔径5μmのフィルターで濾過することにより、実施例1〜14及び比較例1〜6、10で用いる化学機械研磨用組成物を得た。
2.3.第2化学機械研磨用組成物の調製
特開2009−161371号公報の0067段落に記載の実施例1に準じて(A2−1)シリカ粒子分散体を、0068段落に記載の実施例2に準じて(A2−2)シリカ粒子分散体を、0069段落に記載の実施例3に準じて(A2−3)シリカ粒子分散体をそれぞれ作製した。その後、ロータリーエバポレータを用い、得られた前記分散体の温度を80℃に維持しながらイオン交換水を添加しつつアルコールを除去する操作を数回繰り返
した。その後、表2に記載の有機酸を添加して、分散体のpHを表2に記載の値となるように調整するとともに、各成分の合計量が100質量部となるようにイオン交換水で調整し、実施例10〜14及び比較例7〜10で用いる化学機械研磨用組成物を得た。
2.4.評価方法
2.4.1.研磨速度評価
<評価用基板の作製>
8インチのシリコンウエハーにWPR−1201(JSR株式会社製、ネガ型感光性絶縁膜)をスピンコートし、その後、ホットプレートを用いて加熱・硬化し、シリコンウエハー上に厚さ20μmの均一な樹脂膜を作製した。このようにして得られた基板を研磨速度評価に使用した。
<研磨速度の評価方法>
(実施例1〜9及び比較例1〜3)
上記で調製した化学機械研磨用組成物を用いて、上記で得られた評価用基板を4cm×4cmに切断した試験片を被研磨体として、下記の研磨条件で4分間の化学機械研磨試験を行った。
(実施例10〜14及び比較例4〜10)
まず、第1研磨工程では、上記で調製した化学機械研磨用組成物を用いて、上記で得られた評価用基板を4cm×4cmに切断した試験片を被研磨体として、下記の研磨条件で4分間の化学機械研磨試験を行った。次いで、第2研磨工程では、上記研磨後の被研磨面を、上記で調製した化学機械研磨用組成物を用いて同様の化学機械研磨試験をさらに実施した。
(研磨条件)
・研磨装置:G&P TECHNOLOGY社製、型式「POLI−400L」
・研磨パッド:ニッタ・ハース製、「IC1000」
・化学機械研磨用組成物供給速度:200mL/分
・定盤回転数:100rpm
・ヘッド回転数:90rpm
・研磨ヘッド押し付け圧:140hPa
研磨速度は、下記式により計算して求めた。なお、各膜の厚さは、マイクロメータ(ミツトヨ社製、型式「MDH−25H」)を用いて測定した。
・研磨速度(μm/min)=[(研磨前の各膜の厚さ(μm))−(研磨後の各膜の厚さ(μm))]/研磨時間(min)
実施例1〜9及び比較例1〜3における研磨速度評価並びに実施例10〜14及び比較例4〜10の第1研磨工程における研磨速度の評価基準は下記の通りである。各膜の研磨速度及び評価結果を表1及び表2に併せて示す。
(評価基準)
・研磨速度が2μm/min以上である場合、樹脂膜に対する研磨速度が十分に大きく、実際のプリント基板研磨においても高速処理が可能であり、実用的であるため良好と判断し「○」と表記した。
・研磨速度が2μm/min未満である場合、樹脂膜に対する研磨速度が小さく、実際のプリント基板研磨において実用困難であるため不良と判断し「×」と表記した。
2.4.2.平坦性評価
<評価用基板の作製>
8インチのシリコンウエハーにWPR−1201(JSR株式会社製、ネガ型感光性絶縁膜)をスピンコートし、その後、ホットプレートを用いて加熱・硬化し、厚さ20μm
の均一な樹脂硬化膜を作製した。次いで、アライナー(SUSS MicroTec社製、型式「MA−200」)を使用し、高圧水銀灯から照射される紫外線を、波長365nmにおける露光量が500mJ/cmとなるように露光した。その後、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱(PEB)し、2.38質量%濃度のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液を用いて23℃で120秒間浸漬し、現像した。
その後、絶縁樹脂硬化膜上に無電解めっきにより銅シード層を形成し、その後電解メッキ法により30μmの銅メッキ層を形成し、溝パターン内に銅を埋め込んだ基板を作製した。次に、特許第5321796号公報または特許第5459467号公報に記載の化学機械研磨用組成物を用いて、溝パターン以外の銅を除去し、100μm幅の導電層ラインを露出させた。その後、再度、WPR−1201(JSR株式会社製、感光性絶縁膜)をスピンコートし、ホットプレートを用いて加熱・硬化し、厚さ20μmの樹脂硬化膜を形成した。このようにして得られた基板を平坦性評価に使用した。なお、本方法により作製した基板は、回路基板を模した平坦性評価用基板である。
<平坦性の評価方法>
上記で調製した化学機械研磨用組成物を用いて、上記で得られた平坦性評価用基板を4cm×4cmに切断した試験片を被研磨体として、下記の研磨条件で10分間の化学機械研磨試験を行い、樹脂面に対する銅の飛び出し高さ(銅凸高さ)を測定した。なお、銅凸高さの評価は、レーザー顕微鏡(オリンパス社製、型式「OLS4000」)を使用して測定した。評価基準は以下の通りである。銅の飛び出し高さ(μm)及び評価結果を表1及び表2に併せて示す。
(研磨条件)
・研磨装置:G&P TECHNOLOGY社製、型式「POLI−400L」
・研磨パッド:ニッタ・ハース製、「IC1000」
・化学機械研磨用組成物供給速度:200mL/分
・定盤回転数:100rpm
・ヘッド回転数:90rpm
・研磨ヘッド押し付け圧:140hPa
(評価基準)
・銅凸高さが0.3μm未満である場合、平坦性が十分に確保されており、非常に良好と判断し「◎」と表記した。
・銅凸高さが0.3μm以上0.6μm未満である場合、平坦性が確保されており、良好と判断し「○」と表記した。
・銅凸高さが0.6μm以上である場合又は評価ができなかった場合、平坦性が確保できず、実用困難であるため不良と判断し「×」と表記した。
2.4.3.表面粗さの評価
(実施例10〜14及び比較例4〜10)
上記の研磨速度評価で得られた第2研磨工程終了後の被研磨面について、樹脂面に対する表面粗さ(算術平均高さSa)を測定した。評価基準は以下の通りである。その結果を表2に併せて示す。
(評価基準)
・算術平均高さが20nm未満である場合、平坦性が良好であると判断し「○」と表記した。
・算術平均高さが20nm以上である場合、平坦性が不良であると判断し「×」と表記した。
2.4.4.スクラッチの評価
(実施例10〜14及び比較例4〜10)
上記の平坦性評価で得られた基板を用いて、下記の研磨条件で4分間の第2研磨工程終
了後の被研磨面について、銅面に対するスクラッチの有無を、光学顕微鏡を用いて暗視野にて観察した。評価基準は以下の通りである。その結果を表2に併せて示す。
(研磨条件)
・研磨装置:G&P TECHNOLOGY社製、型式「POLI−400L」
・研磨パッド:ニッタ・ハース製、「IC1000」
・化学機械研磨用組成物供給速度:200mL/分
・定盤回転数:100rpm
・ヘッド回転数:90rpm
・研磨ヘッド押し付け圧:140hPa
(評価基準)
・スクラッチがない場合、表面状態が良好であると判断し「○」と表記した。
・スクラッチがある場合、表面状態が不良であると判断し「×」と表記した。
2.4.5.貯蔵安定性評価
上記のようにして各化学機械研磨用組成物を調製した後、常温・常圧で静置し、30分間静置後の各組成物を目視にて観察することにより貯蔵安定性を評価した。評価基準は以下の通りである。その結果を表1及び表2に併せて示す。
(評価基準)
・30分間静置後の組成物の状態が調製直後と比較して変化がない場合、「◎」と表記した。
・30分間静置後の組成物に僅かに沈殿物が観察された場合、「○」と表記した。
2.5.評価結果
各化学機械研磨用組成物の組成、物性、及び評価結果を下表1及び下表2に示す。
下表1及び下表2において、各成分の数値は質量部を表す。また、表1及び表2における砥粒のうちアルミナ含有粒子の略称は、それぞれ以下の商品名を意味する。
<アルミナ含有粒子>
・AA−04:アルミナ(住友化学株式会社製、商品名「AA−04」)
・AA−07:アルミナ(住友化学株式会社製、商品名「AA−07」)
・AA−2:アルミナ(住友化学株式会社製、商品名「AA−2」)
・AKP−20:アルミナ(住友化学株式会社製、商品名「AKP−20」)
・AKP−30:アルミナ(住友化学株式会社製、商品名「AKP−30」)
・9245 0.15MIC:アルミナ(SAINT−GOBAIN株式会社製、商品名「9245 0.15MIC」)
Figure 2019157120
実施例1〜9の化学機械研磨用組成物を用いた場合は、樹脂膜を高研磨速度で研磨できると共に、樹脂膜及び銅を有する被研磨面の平坦性も良好であることが判明した。
一方、比較例1〜3の化学機械研磨用組成物を用いた場合は、アルミナ含有粒子の硬度
が樹脂膜を研磨するのに適していないため、樹脂膜に対する研磨速度が著しく低下した。また、樹脂膜に対する研磨速度が低すぎたため、平坦性評価を行うことができなかった。
以上の結果から、本発明に係る化学機械研磨用組成物によれば、配線及び樹脂膜を有する回路基板を化学機械研磨する際に、樹脂膜に対する研磨速度が十分に高く、かつ、被研磨面を高平坦化できることが判明した。
Figure 2019157120
実施例10〜14の化学機械研磨方法によれば、第1研磨工程において樹脂膜を高研磨速度で研磨できると共に、第2研磨工程において樹脂膜及び銅を有する被研磨面の平坦性も良好であり、銅面にスクラッチが発生していないことが確認された。
一方、比較例4〜6の化学機械研磨方法では、アルミナ含有粒子の硬度が樹脂膜を研磨
するのに適していないため、樹脂膜に対する研磨速度が著しく低下した。そのため、樹脂膜及び銅を有する被研磨面が表出せず、第2研磨工程を実施することができなかった。
また、比較例7〜9の化学機械研磨方法では、第1研磨工程において、シリカ粒子を含有する化学機械研磨用組成物を使用したため、樹脂膜に対する研磨速度が著しく低下した。そのため、樹脂膜及び銅を有する被研磨面が表出せず、第2研磨工程を実施することができなかった。
比較例10の化学機械研磨方法では、第1研磨工程において、シリカ粒子を含有する化学機械研磨用組成物を使用したため、樹脂膜に対する研磨速度が著しく低下した。その後、第2研磨工程において、アルミナ含有粒子(AA−04)を含有する化学機械研磨用組成物を使用して研磨を試みたが、被研磨面の表面が荒れており、銅面にはスクラッチが認められた。
以上の結果から、本発明に係る化学機械研磨方法によれば、第1研磨工程において樹脂膜を高研磨速度で研磨できると共に、第2研磨工程において樹脂膜及び銅を有する被研磨面の平坦性も良好であり、銅面にスクラッチが発生せず、良好な回路基板を作成できることが判明した。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…アルミナ含有粒子、10…配線金属、12…樹脂膜、42…スラリー供給ノズル、44…スラリー(化学機械研磨用組成物)、46…研磨布、48…ターンテーブル、50…回路基板、52…キャリアーヘッド、54…水供給ノズル、56…ドレッサー、100…被処理体、200…回路基板、300…化学機械研磨装置

Claims (13)

  1. (A1)アルミナ含有粒子と、
    (B)有機酸と、
    を含有し、
    前記(A1)アルミナ含有粒子は、粉末X線回折パターンにおける回折強度が最大となるピーク部分の半値幅が0.30°未満のものである、化学機械研磨用組成物。
  2. 前記(A1)アルミナ含有粒子のSi含有割合が1〜40wt・ppmである、請求項1に記載の化学機械研磨用組成物。
  3. 前記(B)有機酸が、一分子内に、ヒドロキシル基を0〜1個及びカルボキシル基を1〜2個有し、かつ、第一酸解離定数pKaが1.5〜4.5である、請求項1または請求項2に記載の化学機械研磨用組成物。
  4. 前記(B)有機酸が、マレイン酸、コハク酸、乳酸、マロン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ラウリン酸及びグリコール酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の化学機械研磨用組成物。
  5. 前記(A1)アルミナ含有粒子の比重が4.0以上である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の化学機械研磨用組成物。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の化学機械研磨用組成物を用いて、樹脂を含有する被研磨面を研磨する工程を含む、化学機械研磨方法。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の化学機械研磨用組成物を用いて、樹脂及び配線金属を含有する被研磨面を研磨する工程を含む、化学機械研磨方法。
  8. (A1)アルミナ含有粒子を含有する第1化学機械研磨用組成物を使用して樹脂を含有する被研磨面を研磨する第1研磨工程と、
    前記第1研磨工程後の被研磨面を、さらに(A2)シリカ粒子を含有する第2化学機械研磨用組成物を使用して研磨する第2研磨工程と、
    を含み、
    前記(A1)アルミナ含有粒子が、粉末X線回折パターンにおける回折強度が最大となるピーク部分の半値幅が0.30°未満のものである、化学機械研磨方法。
  9. 前記(A1)アルミナ含有粒子のSi含有割合が1〜40wt・ppmである、請求項8に記載の化学機械研磨方法。
  10. 前記(A1)アルミナ含有粒子の比重が4.0以上である、請求項8または請求項9に記載の化学機械研磨方法。
  11. 前記第1化学機械研磨用組成物及び前記第2化学機械研磨用組成物のうち少なくとも一方が(B)有機酸をさらに含有する、請求項8ないし請求項10のいずれか一項に記載の化学機械研磨方法。
  12. 前記(B)有機酸が、一分子内に、ヒドロキシル基を0〜1個及びカルボキシル基を1〜2個有し、かつ、第一酸解離定数pKaが1.5〜4.5である、請求項11に記載の化学機械研磨方法。
  13. 前記(B)有機酸が、マレイン酸、コハク酸、乳酸、マロン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ラウリン酸及びグリコール酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項11又は請求項12に記載の化学機械研磨方法。
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