JP7468811B1 - 化学機械研磨用組成物及び研磨方法 - Google Patents

化学機械研磨用組成物及び研磨方法 Download PDF

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Abstract

配線材料として銀を含有する被研磨面を高速で研磨することができ、かつ、高反射特性に優れた被研磨面が得られる化学機械研磨用組成物、およびこれを用いた研磨方法を提供する。本発明に係る化学機械研磨用組成物は、(A)砥粒と、(B)液状媒体と、(C)酸化剤と、(D)含窒素複素環化合物と、を含有する化学機械研磨用組成物であって、前記化学機械研磨用組成物中の前記(A)成分のゼータ電位の絶対値が10mV以上であり、前記(C)成分の含有量をMc(質量%)、前記(D)成分の含有量をMd(質量%)とした場合、Mc/Md=10~200である。

Description

本発明は、化学機械研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法に関する。
化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下「CMP」ともいう。)法は、半導体製造工程、特に、多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線(ダマシン配線)形成において活用されている。このような半導体製造工程におけるCMPは、酸化シリコンなどの絶縁材料、窒化タンタルなどのバリア材料、アルミニウムや銅などの配線材料を高速に研磨するだけでなく、これらの高平坦性と低欠陥のバランスの取れた研磨特性が要求される。
近年、配線材料として銅を銀に置き換え、より高性能な半導体デバイスを得るための検討が行われている。銀は、銅よりも低い抵抗率と高いエレクトロマイグレーション安定性を有するという特性がある。そのため、銀は、半導体デバイスの高性能化に寄与する可能性があり、有効な配線材料として期待されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特表2005-518669号公報 特表2014-507799号公報
しかしながら、銀は、銅と特性が大幅に異なるため、従来の銅配線研磨用スラリーをそのまま転用することはできず、配線パターン上の銀残り(銀残渣)、研磨液の化学成分に由来する配線部分の腐蝕や研磨傷を従来の銅やアルミニウムとは異なる技術により抑制する必要がある。
本発明に係る幾つかの態様は、配線材料として銀を含有する被研磨面を高速で研磨することができ、かつ、高反射特性に優れた被研磨面が得られる化学機械研磨用組成物、およびこれを用いた研磨方法を提供するものである。
本発明に係る化学機械研磨用組成物の一態様は、
(A)砥粒と、
(B)液状媒体と、
(C)酸化剤と、
(D)含窒素複素環化合物と、
を含有する化学機械研磨用組成物であって、
前記化学機械研磨用組成物中の前記(A)成分のゼータ電位の絶対値が10mV以上であり、
前記(C)成分の含有量をMc(質量%)、前記(D)成分の含有量をMd(質量%)とした場合、Mc/Md=10~200である。
前記化学機械研磨用組成物の一態様において、
前記(A)成分が、下記一般式(1)で表される官能基を有してもよい。
-SO ・・・・・(1)
(Mは1価の陽イオンを表す。)
前記化学機械研磨用組成物の一態様において、
前記化学機械研磨用組成物中の前記(A)成分のゼータ電位が-10mV以下であってもよい。
前記化学機械研磨用組成物の一態様において、
前記(A)成分が、下記一般式(2)で表される官能基を有してもよい。
-COO ・・・・・(2)
(Mは1価の陽イオンを表す。)
前記化学機械研磨用組成物の一態様において、
前記化学機械研磨用組成物中の前記(A)成分のゼータ電位が-10mV以下であってもよい。
前記化学機械研磨用組成物の一態様において、
前記(A)成分が、下記一般式(3)又は下記一般式(4)で表される官能基を有してもよい。
-NR ・・・・・(3)
-N ・・・・・(4)
(上記式(3)及び(4)中、R、R及びRは各々独立して、水素原子、又は置換もしくは非置換の炭化水素基を表す。Mは陰イオンを表す。)
前記化学機械研磨用組成物の一態様において、
前記化学機械研磨用組成物中の前記(A)成分のゼータ電位が+10mV以上であってもよい。
前記化学機械研磨用組成物の一態様において、
pHが1以上6以下であってもよい。
前記化学機械研磨用組成物の一態様において、
前記化学機械研磨用組成物の全質量に対して、前記(A)成分の含有量が0.005質量%以上15質量%以下であってもよい。
前記化学機械研磨用組成物の一態様において、
前記(D)成分が、アゾール構造を有してもよい。
本発明に係る研磨方法の一態様は、
前記いずれかの態様の化学機械研磨用組成物を用いて半導体基板を研磨する工程を含む。
前記研磨方法の一態様において、
前記半導体基板が、銀を含有する部位を備えていてもよい。
本発明に係る化学機械研磨用組成物によれば、配線材料として銀を含有する被研磨面を高速で研磨することができ、かつ、研磨後の被研磨面における腐蝕や研磨傷の発生を効果的に低減できるので、高反射特性に優れた被研磨面が得られる。
図1は、本実施形態に係る研磨方法での使用に適した被処理体を模式的に示した断面図である。 図2は、第1研磨工程終了時での被処理体を模式的に示した断面図である。 図3は、第2研磨工程終了時での被処理体を模式的に示した断面図である。 図4は、化学機械研磨装置を模式的に示した斜視図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
本明細書において、「配線材料」とは、アルミニウム、銅、銀、金、コバルト、チタン、ルテニウム、タングステン等の導電体金属材料のことをいう。「絶縁膜材料」とは、二酸化シリコン、窒化シリコン、アモルファスシリコン、酸化ハフニウム等の材料のことをいう。「バリアメタル材料」とは、窒化タンタル、窒化チタン等の配線の信頼性を向上させる目的で配線材料と積層させて用いられる材料のことをいう。
本明細書において、「X~Y」を用いて記載された数値範囲は、数値Xを下限値として含み、かつ、数値Yを上限値として含むものとして解釈される。
1.化学機械研磨用組成物
本発明の一実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、(A)砥粒(本明細書において、「(A)成分」ともいう。)と、(B)液状媒体(本明細書において、「(B)成分」ともいう。)と、(C)酸化剤(本明細書において、「(C)成分」ともいう。)と、(D)含窒素複素環化合物(本明細書において、「(D)成分」ともいう。)と、を含有し、化学機械研磨用組成物中の前記(A)成分のゼータ電位の絶対値が10mV以上である。以下、本実施形態に係る化学機械研磨用組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
1.1.(A)成分
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、(A)砥粒を含有する。(A)成分は、化学機械研磨用組成物中におけるゼータ電位の絶対値が10mV以上である砥粒であれば特に制限されない。
砥粒は、例えば特開2007-153732号公報や特開2013-121631号公報に記載された方法を適用して製造することができる。このようにして得られた砥粒の表面の少なくとも一部を官能基によって修飾することにより、化学機械研磨用組成物中におけるゼータ電位の絶対値が10mV以上である砥粒を製造することができる。
化学機械研磨用組成物中における(A)成分のゼータ電位の絶対値は、10mV以上であり、好ましくは15mV以上であり、より好ましくは20mV以上である。化学機械研磨用組成物中における(A)成分のゼータ電位の絶対値は、好ましくは40mV以下である。化学機械研磨用組成物中における(A)成分のゼータ電位の絶対値が前記範囲内にあると、砥粒同士の静電反発力により、化学機械研磨用組成物中における砥粒の分散性が向上する。その結果、被研磨面における研磨傷やディッシングの発生を低減しながら、被研磨面を高速研磨することができる。
(A)成分の平均二次粒子径は、好ましくは5nm以上200nm以下であり、より好ましくは10nm以上100nm以下である。(A)成分の平均二次粒子径が前記範囲内にあると、十分な研磨速度が得られると共に、粒子の沈降・分離を生ずることのない安定性に優れた化学機械研磨用組成物が得られる場合がある。なお、(A)成分の平均二次粒子径は、例えばMalvern社製の「Zetasizer Ultra」を使用して動的光散乱法により算出して求めることができる。
(A)成分の形状は、特に制限されず、球状であってもよいし、非球状であってもよい。(A)成分の形状が非球状である場合、表面に複数の突起を有する形状であることが好ましい。ここでいう突起とは、砥粒の粒子径に比べて十分に小さい高さ及び幅を有するものである。(A)成分が表面に有する突起の数は、砥粒1つ当たり平均で3つ以上であることが好ましく、5つ以上であることがより好ましい。(A)成分が表面に複数の突起を有する形状であるということは、いわゆる金平糖状(confetti-like)のような特異な形状を有する砥粒であるともいえる。(A)成分がこのような特異な形状を有することにより、球状の砥粒を使用した場合に比べて、銀を含有する被研磨面の研磨速度が向上する。また、(A)成分がこのような特異な形状であることにより表面積が大きくなり、後述するような官能基を有する化合物との反応性が高まる。これにより、化学機械研磨用組成物中の(A)成分のゼータ電位の絶対値が大きくなり、分散性が向上する。その結果、被研磨面での研磨傷やディッシングの発生を低減しながら、被研磨面を高速研磨することができる。
(A)成分は、シリカを主成分として含有することが好ましい。(A)成分がシリカを主成分として含有する場合、さらに他の成分を含有してもよい。他の成分としては、アルミニウム化合物、ケイ素化合物等が挙げられる。(A)成分がアルミニウム化合物又はケイ素化合物をさらに含有することにより、(A)成分の表面硬度を小さくすることができるため、被研磨面での研磨傷やディッシングの発生をより低減できる場合がある。
アルミニウム化合物としては、例えば、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、塩化アルミニウム、窒化アルミニウム、酢酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等が挙げられる。一方、ケイ素化合物としては、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ケイ酸塩、シリコーン、ケイ素樹脂等が挙げられる。
(A)成分は、その表面の少なくとも一部が官能基によって修飾された砥粒であることが好ましい。表面の少なくとも一部が官能基によって修飾された砥粒は、pHが1以上6以下の範囲において、官能基によって表面修飾されていない砥粒に比べてゼータ電位の絶対値が大きくなり、砥粒同士の静電反発力が増大する。その結果、化学機械研磨用組成物中における砥粒の分散性は向上するため、被研磨面での研磨傷やディッシングの発生を低減しながら高速研磨することができる。
以下、(A)成分の具体的態様について詳細に説明する。
1.1.1.第1の態様
(A)成分の第1の態様としては、下記一般式(1)で表される官能基を有する砥粒が挙げられる。
-SO ・・・・・(1)
(Mは1価の陽イオンを表す。)
上記式(1)中、Mで表される1価の陽イオンとしては、これらに限定されないが、例えば、H、Li、Na、K、NH が挙げられる。すなわち、上記一般式(1)で表される官能基は、「スルホ基及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基」と言い換えることもできる。ここで、「スルホ基の塩」とは、スルホ基(-SOH)に含まれている水素イオンをLi、Na、K、NH 等の1価の陽イオンで置換した官能基のことをいう。第1の態様に係る(A)成分は、その表面に上記一般式(1)で表される官能基が共有結合を介して固定された砥粒であり、その表面に上記一般式(1)で表される官能基を有する化合物が物理的あるいはイオン的に吸着したような砥粒は含まれない。
第1の態様に係る(A)成分は、以下のようにして製造することができる。まず、特開2007-153732号公報や特開2013-121631号公報に記載された方法を適用して、シリカ粒子を作製する。次いで、シリカ粒子とメルカプト基含有シランカップリング剤を酸性媒体中で十分に攪拌することにより、シリカ粒子の表面にメルカプト基含有シランカップリング剤を共有結合させる。ここで、メルカプト基含有シランカップリング剤としては、例えば、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。次に、過酸化水素を更に適量添加して十分に放置することにより、上記一般式(1)で表される官能基を有する砥粒を得ることができる。
第1の態様に係る(A)成分のゼータ電位は、化学機械研磨用組成物中において負電位であり、その負電位は、好ましくは-10mV以下であり、より好ましくは-15mV以下であり、特に好ましくは-20mV以下である。第1の態様に係る(A)成分のゼータ電位が前記範囲内にあると、砥粒間の静電反発力によって効果的に粒子同士の凝集を防ぐと共に、化学機械研磨の際に正電荷を帯びる基板を選択的に研磨できる場合がある。なお、ゼータ電位測定装置としては、大塚電子株式会社製の「ELSZ-2000ZS」、Malvern社製の「Zetasizer nano zs」等が挙げられる。第1の態様に係る(A)成分のゼータ電位は、上述したメルカプト基含有シランカップリング剤等の添加量を適宜増減することにより調整することができる。
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物が第1の態様に係る(A)成分を含有する場合、第1の態様に係る(A)成分の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.005質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、特に好ましくは0.5質量%以上である。第1の態様に係る(A)成分の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以下である。第1の態様に係る(A)成分の含有量が前記範囲内にあると、銀を含有する被研磨面を高速研磨できると共に、化学機械研磨用組成物の保存安定性が良好となる場合がある。
1.1.2.第2の態様
(A)成分の第2の態様としては、下記一般式(2)で表される官能基を有する砥粒が挙げられる。
-COO ・・・・・(2)
(Mは1価の陽イオンを表す。)
上記式(2)中、Mで表される1価の陽イオンとしては、これらに限定されないが、例えば、H、Li、Na、K、NH が挙げられる。すなわち、上記一般式(2)で表される官能基は、「カルボキシ基及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基」と言い換えることもできる。ここで、「カルボキシ基の塩」とは、カルボキシ基(-COOH)に含まれている水素イオンをLi、Na、K、NH 等の1価の陽イオンで置換した官能基のことをいう。第2の態様に係る(A)成分は、その表面に上記一般式(2)で表される官能基が共有結合を介して固定された砥粒であり、その表面に上記一般式(2)で表される官能基を有する化合物が物理的あるいはイオン的に吸着したような砥粒は含まれない。
第2の態様に係る(A)成分は、以下のようにして製造することができる。まず、特開2007-153732号公報や特開2013-121631号公報に記載された方法を適用して、シリカ粒子を作製する。次いで、シリカ粒子とカルボン酸無水物含有シランカップリング剤とを塩基性媒体中で十分に攪拌して、シリカ粒子の表面にカルボン酸無水物含有シランカップリング剤を共有結合させることにより、上記一般式(2)で表される官能基を有する砥粒を得ることができる。ここで、カルボン酸無水物含有シランカップリング剤としては、例えば、3-(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物等が挙げられる。
第2の態様に係る(A)成分のゼータ電位は、化学機械研磨用組成物中において負電位であり、その負電位は、好ましくは-10mV以下であり、より好ましくは-15mV以下であり、特に好ましくは-20mV以下である。第2の態様に係る(A)成分のゼータ電位が前記範囲内にあると、砥粒間の静電反発力によって効果的に粒子同士の凝集を防ぐと共に、化学機械研磨の際に正電荷を帯びる基板を選択的に研磨できる場合がある。なお、ゼータ電位測定装置は、第1の態様に記載した装置を使用することができる。第2の態様に係る(A)成分のゼータ電位は、上述したカルボン酸無水物含有シランカップリング剤等の添加量を適宜増減することにより調整することができる。
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物が第2の態様に係る(A)成分を含有する場合、第2の態様に係る(A)成分の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.005質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、特に好ましくは0.5質量%以上である。第2の態様に係る(A)成分の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以下である。第2の態様に係る(A)成分の含有量が前記範囲内にあると、銀を含有する被研磨面を高速研磨できると共に、化学機械研磨用組成物の保存安定性が良好となる場合がある。
1.1.3.第3の態様
(A)成分の第3の態様としては、下記一般式(3)又は下記一般式(4)で表される官能基を有する砥粒が挙げられる。
-NR ・・・・・(3)
-N ・・・・・(4)
(上記式(3)及び上記式(4)中、R、R及びRは各々独立して、水素原子、又は置換もしくは非置換の炭化水素基を表す。Mは陰イオンを表す。)
上記一般式(3)で表される官能基はアミノ基を表しており、上記一般式(4)で表される官能基はアミノ基の塩を表している。したがって、上記一般式(3)で表される官能基と上記一般式(4)で表される官能基を纏めて、「アミノ基及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基」と言い換えることもできる。第3の態様に係る(A)成分は、その表面に上記一般式(3)又は上記一般式(4)で表される官能基が共有結合を介して固定された砥粒であり、その表面に上記一般式(3)又は上記一般式(4)で表される官能基を有する化合物が物理的あるいはイオン的に吸着したような砥粒は含まれない。
上記式(4)中、Mで表される陰イオンとしては、これらに限定されないが、例えば、OH、F、Cl、Br、I、CN等の陰イオンの他、酸性化合物由来の陰イオンが挙げられる。
上記式(3)及び上記式(4)中、R~Rは各々独立して、水素原子、又は置換もしくは非置換の炭化水素基を表すが、R~Rのうち2つ以上が結合して環構造を形成していてもよい。
~Rで表される炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基のいずれでもよい。また、脂肪族炭化水素基及び芳香脂肪族炭化水素基の脂肪族は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状でも分岐状でもよい。これらの炭化水素基としては、例えば直鎖状、分岐状、環状の、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、及びアリール基等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数が1~6の低級アルキル基が好ましく、炭素数が1~4の低級アルキル基がより好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、iso-ヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数が1~6の低級アルケニル基が好ましく、炭素数が1~4の低級アルケニル基がより好ましい。このようなアルケニル基としては、例えば、ビニル基、n-プロペニル基、iso-プロペニル基、n-ブテニル基、iso-ブテニル基、sec-ブテニル基、tert-ブテニル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、炭素数が7~12のものが好ましい。このようなアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルヘキシル基、メチルベンジル基、メチルフェネチル基、エチルベンジル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数が6~14のものが好ましい。このようなアリール基としては、例えば、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,3-キシリル基、2,4-キシリル基、2,5-キシリル基、2,6-キシリル基、3,5-キシリル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
上記のアリール基及びアラルキル基の芳香環は、例えば、メチル基、エチル基等の低級アルキル基や、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基等を、置換基として有していてもよい。
第3の態様に係る(A)成分は、以下のようにして製造することができる。まず、特開2007-153732号公報や特開2013-121631号公報に記載された方法を適用して、シリカ粒子を作製する。次いで、シリカ粒子とアミノ基含有シランカップリング剤を酸性媒体中で十分に攪拌し、シリカ粒子の表面にアミノ基含有シランカップリング剤を共有結合させることにより、上記一般式(3)又は上記一般式(4)で表される官能基を有する砥粒が得られる。ここで、アミノ基含有シランカップリング剤としては、例えば、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3―アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
第3の態様に係る(A)成分のゼータ電位は、化学機械研磨用組成物中において正電位であり、その正電位は、好ましくは+10mV以上であり、より好ましくは+15mV以上であり、特に好ましくは+20mV以上である。第3の態様に係る(A)成分のゼータ電位が前記範囲内にあると、砥粒間の静電反発力によって効果的に粒子同士の凝集を防ぐと共に、化学機械研磨の際に負電荷を帯びる基板を選択的に研磨できる場合がある。なお、ゼータ電位測定装置は、第1の態様に記載した装置を使用することができる。第3の態様に係る(A)成分のゼータ電位は、上述したアミノ基含有シランカップリング剤等の添加量を適宜増減することにより調整することができる。
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物が第3の態様に係る(A)成分を含有する場合、第3の態様に係る(A)成分の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.005質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、特に好ましくは0.5質量%以上である。第3の態様に係る(A)成分の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以下である。第3の態様に係る(A)成分の含有量が前記範囲内にあると、銀を含有する被研磨面を高速研磨できると共に、化学機械研磨用組成物の保存安定性が良好となる場合がある。
1.2.(B)液状媒体
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、(B)液状媒体を含有する。(B)成分としては、水、水及びアルコールの混合媒体、水及び水との相溶性を有する有機溶媒を含む混合媒体等が挙げられる。これらの中でも、水、水及びアルコールの混合媒体を用いることが好ましく、水を用いることがより好ましい。水としては、特に制限されるものではないが、純水が好ましい。水は、化学機械研磨用組成物の構成材料の残部として配合されていればよく、水の含有量については特に制限はない。
1.3.(C)酸化剤
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、(C)酸化剤を含有する。(C)成分を含有することにより、銀を含有する被研磨面を酸化させて脆弱な改質層を作り出し、該被研磨面を高速研磨することができる。(C)成分としては、過酸化水素、過酢酸、過安息香酸、tert-ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸化合物、重クロム酸カリウム等の重クロム酸化合物、ヨウ素酸カリウム等のハロゲン酸化物、硝酸鉄等の硝酸化合物、過塩素酸等の過ハロゲン酸化物、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、及びヘテロポリ酸が挙げられる。これらの中でも、有機過酸化物が好ましく、過酸化水素がより好ましい。これらの酸化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物中の(C)成分の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、特に好ましくは0.4質量%以上である。(C)成分の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、特に好ましくは1質量%以下である。
1.4.(D)含窒素複素環化合物
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、(D)含窒素複素環化合物を含有する。(D)成分が銀を含有する被研磨面に吸着することで、該被研磨面が保護される。これにより、研磨後の被研磨面における腐蝕や研磨傷の発生を効果的に低減することができるので、高反射特性に優れた被研磨面が得られる。含窒素複素環化合物とは、少なくとも1個の窒素原子を有する、複素五員環及び複素六員環から選択される少なくとも1種の複素環を含む有機化合物のことである。含窒素複素環としては、ピロール構造、イミダゾール構造、トリアゾール構造等の複素五員環;ピリジン構造、ピリミジン構造、ピリダジン構造、ピラジン構造等の複素六員環が挙げられる。これらの複素環は、縮合環を形成していてもよい。具体的には、インドール構造、イソインドール構造、ベンゾイミダゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キナゾリン構造、シンノリン構造、フタラジン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造等が挙げられる。このような構造を有する複素環化合物のうち、ピリジン構造、キノリン構造、ベンゾイミダゾール構造、ベンゾトリアゾール構造を有する複素環化合物が好ましい。
含窒素複素環化合物の具体例としては、アジリジン、ピリジン、ピリミジン、ピロリジン、ピペリジン、ピラジン、トリアジン、ピロール、イミダゾール、インドール、キノリン、イソキノリン、ベンゾイソキノリン、プリン、プテリジン、トリアゾール、トリアゾリジン、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、及びこれらの骨格を有する誘導体が挙げられる。これらの中でも、アゾール構造を有する化合物であることが好ましく、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、及びこれらの骨格を有する誘導体から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。これらの含窒素複素環化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物中の(D)成分の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.005質量%以上であり、特に好ましくは0.01質量%以上である。(D)成分の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0.07質量%以下である。
なお、本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、前記(C)成分と前記(D)成分との含有割合を所定範囲内とする必要がある。本実施形態に係る化学機械研磨用組成物において、前記(C)成分の含有量をMc(質量%)、前記(D)成分の含有量をMd(質量%)とした場合、Mc/Mdの値は、10以上であり、好ましくは11以上であり、より好ましくは12以上である。また、Mc/Mdの値は、200以下であり、好ましくは190以下であり、より好ましくは185以下である。Mc/Mdの値が前記範囲内にあると、銀を含有する被研磨面を高速研磨する効果と研磨後の被研磨面における腐蝕や研磨傷の発生を低減する効果とのバランスが良好となり、これらの効果を両立させることができる。
1.5.その他の成分
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、前述の各成分の他、必要に応じて、有機酸及びその塩、リン酸エステル、水溶性高分子、界面活性剤、無機酸及びその塩、塩基性化合物等を含有してもよい。
<有機酸及びその塩>
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、有機酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種(以下、「有機酸(塩)」ともいう。)を含有してもよい。有機酸及びその塩は、(A)成分との相乗効果により、銀を含有する被研磨面の研磨速度をより大きくできる場合がある。
有機酸及びその塩としては、カルボキシ基を有する化合物、スルホ基を有する化合物であることが好ましい。カルボキシ基を有する化合物としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、アルケニルコハク酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、グリコール酸、フタル酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、安息香酸、キノリン酸、キナルジン酸、アミド硫酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸;グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、トリプトファン、ドデシルアミノエチルアミノエチルグリシン、芳香族アミノ酸、複素環型アミノ酸等のアミノ酸;アルキルイミノジカルボン酸等のイミノ酸;及びこれらの塩が挙げられる。スルホ基を有する化合物としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸;ブチルナフタレンスルホン酸等のアルキルナフタレンスルホン酸;テトラデセンスルホン酸等のα-オレフィンスルホン酸等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物が有機酸(塩)を含有する場合、有機酸(塩)の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上である。有機酸(塩)の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。
<リン酸エステル>
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、リン酸エステルを含有してもよい。リン酸エステルは、銀を含有する被研磨面の表面に吸着することで、ディッシングの発生を低減させる効果を高めることができる場合がある。
一般に、リン酸エステルとは、リン酸(O=P(OH))が持つ3個の水素の全て又は一部が有機基で置換された構造を有する化合物の総称のことをいう。リン酸エステルの中でも、ディッシングの発生を低減させる効果が特に高いことから、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルを好ましく使用することができる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルは、ノニオン型アニオン系界面活性剤であり、下記一般式(5)で表すことができる。
[R-O-(CHCHO)-H3-mPO4-m ・・・・・(5)
上記式(5)において、Rは、炭素数が10以上の炭化水素基を表し、nは5以上30未満であり、mは1又は2である。Rで表される炭素数が10以上の炭化水素基としては、好ましくは炭素数が10以上のアルキル基であり、より好ましくは炭素数が10~30のアルキル基である。炭素数が10~30のアルキル基の具体例としては、デシル基、イソデシル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、オレイル基、ステアリル基等が挙げられる。上記式(5)中、m=2である場合、2つのRは、同一の基であってもよいし、複数の基が組み合わされていてもよい。このようなポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルの分子量は、通常400以上である。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルの具体例としては、ポリオキシエチレンデシルエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンデシルエーテルのリン酸ジエステル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテルのリン酸ジエステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルのリン酸ジエステル、ポリオキシエチレントリデシルエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレントリデシルエーテルのリン酸ジエステル、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルのリン酸ジエステル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上組み合わせて使用することができる。また、これらのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルには、モノエステル、ジエステルなどがあるが、本実施形態に係る化学機械研磨用組成物においては、モノエステル及びジエステルはそれぞれ単独で使用してもよいし、混合物として使用してもよい。
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物がリン酸エステルを含有する場合、リン酸エステルの含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.002質量%以上である。リン酸エステルの含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下である。
<水溶性高分子>
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、水溶性高分子を含有してもよい。水溶性高分子は、銀を含有する被研磨面の表面に吸着して研磨摩擦を低減させ、被研磨面のディッシングの発生を低減できる場合がある。
水溶性高分子の具体例としては、ポリカルボン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
水溶性高分子の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5,000以上800,000以下であり、より好ましくは7,000以上100,000以下である。ここで、「重量平均分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定されたポリエチレングリコール換算の重量平均分子量のことを指す。
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物が水溶性高分子を含有する場合、水溶性高分子の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.002質量%以上である。水溶性高分子の含有量は、化学機械研磨用組成物の全質量を100質量%としたときに、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下である。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、特に制限されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を使用することができる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸塩;パーフルオロアルキル化合物等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族アンモニウム塩等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物、アセチレンアルコール等の三重結合を有する非イオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール型界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<無機酸及びその塩>
無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、及びリン酸から選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、無機酸は、化学機械研磨用組成物中で別途添加した塩基と塩を形成してもよい。
<塩基性化合物>
塩基性化合物としては、有機塩基及び無機塩基が挙げられる。有機塩基としては、アミンが好ましく、例えばトリエチルアミン、モノエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルアミン、メチルアミン、エチレンジアミン、ジグリコールアミン、イソプロピルアミン等が挙げられる。無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。これらの塩基性化合物の中でも、アンモニア、水酸化カリウムが好ましい。これらの塩基性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
1.6.pH
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物のpHは、好ましくは1以上6以下であり、より好ましくは1以上5以下であり、特に好ましくは2以上4以下である。pHが前記範囲内にあると、化学機械研磨用組成物中の(A)成分のゼータ電位の絶対値が大きくなることで分散性が向上するため、銀を含有する被研磨面における研磨傷やディッシングの発生を低減しながら高速研磨することができる。
なお、本実施形態に係る化学機械研磨用組成物のpHは、必要に応じて、有機酸及びその塩、無機酸及びその塩、塩基性化合物の含有量を適宜増減することにより調整することができる。
本発明において、pHとは、水素イオン指数のことを指し、その値は、25℃、1気圧の条件下で市販のpHメーター(例えば、株式会社堀場製作所製、卓上型pHメーター)を用いて測定することができる。
1.7.用途
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、半導体装置を構成する複数種の材料を有する半導体基板を化学機械研磨するための研磨材料として好適である。研磨対象となる半導体基板は、導電体金属である銀の他、酸化シリコン、窒化シリコン、アモルファスシリコン、ポリシリコン等の絶縁膜材料や、チタン、窒化チタン、窒化タンタル等のバリアメタル材料を有していてもよい。
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物の研磨対象は、銀を含有する部位を備えた半導体基板であることが好ましい。このような半導体基板の具体例としては、例えば図1に示すようなバリアメタルである窒化タンタル膜と絶縁膜である酸化シリコン膜とを導電体金属である銀膜の下地に施した半導体基板が挙げられる。本実施形態に係る化学機械研磨用組成物によれば、このような半導体基板を高速研磨でき、かつ、研磨後の被研磨面における腐蝕や研磨傷の発生を効果的に低減できるので、高反射特性に優れた被研磨面が得られる。
1.8.化学機械研磨用組成物の調製方法
本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、水等の液状媒体に上述の各成分を溶解又は分散させることにより調製することができる。溶解又は分散させる方法は、特に制限されず、均一に溶解又は分散できればどのような方法を適用してもよい。また、上述の各成分の混合順序や混合方法についても特に制限されない。
また、本実施形態に係る化学機械研磨用組成物は、濃縮タイプの原液として調製し、使用時に水等の液状媒体で希釈して使用することもできる。
2.研磨方法
本発明の一実施形態に係る研磨方法は、上述した化学機械研磨用組成物を用いて半導体基板を研磨する工程を含む。かかる半導体基板は、銀を含有する部位を備えていることが好ましい。上述した化学機械研磨用組成物は、銀を含有する被研磨面を高速研磨でき、かつ、研磨後の被研磨面における腐蝕や研磨傷の発生を効果的に低減できるので、高反射特性に優れた被研磨面が得られる。該被研磨面には、タンタルやチタンなどを含有するバリアメタル膜及び/又は酸化シリコンや酸化ハフニウムなどの絶縁膜を含んでいてもよい。以下、本実施形態に係る研磨方法の一具体例について、図面を用いて詳細に説明する。
2.1.被処理体
図1は、本実施形態に係る研磨方法の使用に適した被処理体を模式的に示した断面図である。被処理体100は、下記工程(1)~工程(4)を経ることにより形成される。
(1)まず、図1に示すように、基体10を用意する。基体10は、例えばシリコン基板とその上に形成された酸化シリコン膜から構成されていてもよい。さらに、基体10には、(図示しない)トランジスタ等の機能デバイスが形成されていてもよい。次に、基体10の上に、熱酸化法を用いて絶縁膜である酸化シリコン膜12を形成する。
(2)次いで、酸化シリコン膜12の上に、窒化タンタル膜14を形成する。窒化タンタル膜14は、例えば、化学気相成長法(CVD)あるいは物理気相成長法(PVD)により形成することができる。
(3)次いで、窒化タンタル膜14上に感光性レジスト膜をスピンコーターで製膜し、フォトマスクで選択的に露光させ、現像する。次いで、プラズマを照射して、レジストのない部分をエッチングする。その後、保護したレジストを除去する。
(4)次いで、物理気相成長法(PVD)法により、16,000Åの銀膜16を堆積させる。以上のような工程(1)~工程(4)を経ることにより被処理体100を作製することができる。
2.2.研磨方法
2.2.1.第1研磨工程
図2は、第1研磨工程終了時での被処理体100を模式的に示した断面図である。図2に示すように、第1研磨工程は、銀膜16を高速研磨できる化学機械研磨用組成物を用いて銀膜16を粗方研磨する工程である。第1研磨工程では、銀膜を高速研磨できる化学機械研磨用組成物を用いるために、銀膜16の表面に図2に示すようなディッシングと呼ばれる表面欠陥が発生することがある。
2.2.2.第2研磨工程
図3は、第2研磨工程終了時での被処理体100を模式的に示した断面図である。図3に示すように、第2研磨工程は、上述の(本発明の)化学機械研磨用組成物を用いて窒化タンタル膜14及び銀膜16を平坦化するために研磨する工程である。上述の(本発明の)化学機械研磨用組成物は、窒化タンタル膜14及び銀膜16の研磨速度をバランスよく制御することができるので、銀膜16のディッシングの発生を低減し、露出した窒化タンタル膜14及び銀膜16を高速かつバランスよく研磨することにより平坦化することができる。また、上述(本発明の)化学機械研磨用組成物は、(A)成分の分散性が良好であるため、被研磨面における研磨傷の発生を低減することができる。
2.3.化学機械研磨装置
上述の第1研磨工程及び第2研磨工程には、例えば図4に示すような研磨装置200を用いることができる。図4は、研磨装置200を模式的に示した斜視図である。上述の第1研磨工程及び第2研磨工程は、スラリー供給ノズル42からスラリー(化学機械研磨用組成物)44を供給し、かつ、研磨用パッド46が貼付されたターンテーブル48を回転させながら、半導体基板50を保持したキャリアーヘッド52を当接させることにより行う。なお、図4には、水供給ノズル54及びドレッサー56も併せて示してある。
キャリアーヘッド52の研磨荷重は、0.7~70psiの範囲内で選択することができ、好ましくは1.5~35psiである。また、ターンテーブル48及びキャリアーヘッド52の回転数は10~400rpmの範囲内で適宜選択することができ、好ましくは30~150rpmである。スラリー供給ノズル42から供給されるスラリー(化学機械研磨用組成物)44の流量は、10~1,000mL/分の範囲内で選択することができ、好ましくは50~400mL/分である。
市販の研磨装置としては、例えば、荏原製作所社製、型式「EPO-112」、「EPO-222」;ラップマスターSFT社製、型式「LGP-510」、「LGP-552」;アプライドマテリアルズ社製、型式「Mirra」、「Reflexion」;G&P TECHNOLOGY社製、型式「POLI-400L」;AMAT社製、型式「Reflexion LK」等が挙げられる。
3.実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、本実施例における「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
3.1.砥粒の調製
<砥粒Aの調製>
扶桑化学工業社製の高純度コロイダルシリカ(品番:PL-1;シリカ濃度12質量%)5kgと3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン6gを混合し、2時間加熱還流することにより、チオール化シリカゾルを得た。そのシリカゾルに、過酸化水素を加えて8時間加熱還流することにより、シリカ粒子の表面を酸化させてスルホ基を固定化した。このようにして平均一次粒子径20nm、平均二次粒子径38nmの、シリカ表面をスルホ基で修飾した砥粒Aを12質量%含有する分散体を得た。
<砥粒Bの調製>
扶桑化学工業社製の高純度コロイダルシリカ(品番:PL-3;シリカ濃度20質量%)5kgと3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン6gを混合し、2時間加熱還流することにより、チオール化シリカゾルを得た。そのシリカゾルに、過酸化水素を加えて8時間加熱還流することにより、シリカ粒子の表面を酸化させてスルホ基を固定化した。このようにして平均一次粒子径45nm、平均二次粒子径68nmの、シリカ表面をスルホ基で修飾した砥粒Bを20質量%含有する分散体を得た。
<砥粒Cの調製>
純水100g、メタノール2850gの混合溶媒中に扶桑化学工業社製の高純度コロイダルシリカ(品番:PL-3;シリカ濃度20質量%)を900g分散させた後、29%アンモニア水を50g加えた。この分散液中に3-(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物40.0gを加え、沸点で6時間還流した。その後、純水を追加して分散液の容積を保ちながらメタノール及びアンモニアを水置換した。分散液のpHが8.5以下かつ塔頂温が100℃に達した時点で純水添加を終了した。分散液を放置して温度を30℃以下とした。このようにして平均一次粒子径47nm、平均二次粒子径69nmの、シリカ表面をカルボキシ基で修飾した砥粒Cを14質量%含有する分散体を得た。
<砥粒Dの調製>
純水100g、メタノール2850gの混合溶媒中に扶桑化学工業社製の高純度コロイダルシリカ(品番:PL-3;シリカ濃度20質量%)を1000g分散させた後、3-アミノプロピルトリメトキシシラン5.0gを加え、沸点で4時間還流した。その後、純水を追加して分散液の容積を保ちながらメタノールを水置換した。塔頂温が100℃に達した時点で純水添加を終了し、分散液を放置して温度を30℃以下とした。このようにして平均一次粒子径46nm、平均二次粒子径69nmの、シリカ表面をアミノ基で修飾した砥粒Dを15質量%含有する分散体を得た。
<平均一次粒子径及び平均二次粒子径の測定>
砥粒A~Dの平均一次粒子径は、特開2004-315300号公報に記載の方法に従い算出した。具体的には、砥粒の分散体をそれぞれホットプレートの上で予備乾燥後、800℃で1時間熱処理して窒素吸着法(BET法、Microtrac社製「BELSORP MR6」)により比表面積を測定し、シリカの真比重を2.2として一次粒子径(nm)=2727/比表面積(m/g)の計算式により算出した。砥粒A~Dの平均二次粒子径は、Malvern社製の「Zetasizer Ultra」を使用して動的光散乱法により算出して求めた。
3.2.化学機械研磨用組成物の調製
表1~表2に記載された砥粒を所定濃度となるように容量10Lのポリエチレン製の瓶に添加し、表1~表2に示す組成となるように各成分を添加し、さらに表1~表2に示すpHとなるようにアンモニア(富士フイルム和光純薬社製、商品名「アンモニア水」)水溶液で調整し、全成分の合計量が100質量%となるように(B)液状媒体としての純水を添加して調整することにより、各実施例及び各比較例の化学機械研磨用組成物を調製した。このようにして得られた各化学機械研磨用組成物について、ゼータ電位測定装置(マルバーン社製、型式「Zetasizer Ultra」)を用いて砥粒のゼータ電位を測定した結果を表1~表2に併せて示す。
3.3.評価方法
3.3.1.研磨速度評価
上記で得られた化学機械研磨用組成物を用いて、直径12インチの銀膜6000Å付きウェハ、直径12インチの窒化タンタル膜2000Å付きウェハ、直径12インチの酸化シリコン膜10000Å付きウェハをそれぞれ被処理体として、下記の研磨条件で30秒間の化学機械研磨試験を行った。
<研磨条件>
・研磨装置:G&P TECHNOLOGY社製、型式「POLI-762L」
・研磨用パッド:ニッタ・デュポン社製、「IC1000XYP」
・化学機械研磨用組成物供給速度:300mL/分
・定盤回転数:87rpm
・ヘッド回転数:93rpm
・ヘッド押し付け圧:2psi
・研磨速度(Å/分)=(研磨前の膜の厚さ(Å)-研磨後の膜の厚さ(Å))/研磨時間(分)
銀膜及び窒化タンタル膜の厚さは、抵抗率測定機器(国際電気セミコンダクターサービス社製、型式「VR300DEC」)により直流4探針法で抵抗を測定し、このシート抵抗値と銀あるいは窒化タンタルの体積抵抗率とから下記式によって算出した。
膜の厚さ(Å)=[銀あるいは窒化タンタル膜の体積抵抗率(Ω・m)÷シート抵抗値(Ω))]×1010
酸化シリコン膜の厚さは、非接触式光学式膜厚測定装置(SCREENホールディングス社製、型式「VM―1310」)を用いて屈折率を測定することによって算出した。
研磨速度の評価基準は、下記の通りである。銀膜、窒化タンタル膜及び酸化シリコン膜の研磨速度、並びに研磨速度の評価結果を表1~表2に併せて示す。
(評価基準)
・「A」…銀膜の研磨速度が500Å/分以上である場合、実際の半導体研磨において配線の研磨時間を大幅に短縮できるため、良好であると判断した。
・「B」…銀膜の研磨速度が500Å/分未満である場合、研磨速度が小さく、実用に供することが困難であるため、不良であると判断した。
3.3.2.研磨後の銀膜の反射率測定
上記で得られた化学機械研磨用組成物を用いて、直径12インチの銀膜6000Å付きウェハを被処理体として、下記の研磨条件で30秒間の化学機械研磨試験を行った。銀の腐蝕や研磨傷が発生した場合、銀の反射率が低くなるため、反射率の評価により銀膜の研磨面の腐食と研磨傷を評価することができる。
<研磨条件>
・研磨装置:G&P TECHNOLOGY社製、型式「POLI-762L」
・研磨用パッド:ニッタ・デュポン社製、「IC1000XYP」
・化学機械研磨用組成物供給速度:300mL/分
・定盤回転数:87rpm
・ヘッド回転数:93rpm
・ヘッド押し付け圧:2psi
非接触式光学式膜厚測定装置(フィルメトリクス社製、型式「F40-UV」)を用いて459nmの反射率を測定した。
銀膜の反射率の評価基準は、下記の通りである。その評価結果を表1~表2に併せて示す。
(評価基準)
・「A」…反射率が92%以上である場合、銀膜表面の腐食と研磨傷が少なく良好であると判断した。
・「B」…反射率が92%未満である場合、銀膜表面の腐食あるいは研磨傷が多く不良であると判断した。
3.4.評価結果
表1~表2に、各実施例及び各比較例の化学機械研磨用組成物の組成、並びに各評価結果を示す。
Figure 0007468811000001
Figure 0007468811000002
表1~表2中の各成分は、それぞれ下記の商品又は試薬を用いた。
<砥粒>
・砥粒A:上記で調製した表面がスルホ基で修飾されたコロイダルシリカ、平均二次粒子径38nm
・砥粒B:上記で調製した表面がスルホ基で修飾されたコロイダルシリカ、平均二次粒子径68nm
・砥粒C:上記で調製した表面がカルボキシ基で修飾されたコロイダルシリカ、平均二次粒子径69nm
・砥粒D:上記で調製した表面がアミノ基で修飾されたコロイダルシリカ、平均二次粒子径69nm
・PL-1:扶桑化学工業社製、超高純度非修飾コロイダルシリカ、平均二次粒子径40nm
・PL-3:扶桑化学工業社製、超高純度非修飾コロイダルシリカ、平均二次粒子径70nm
<酸化剤>
・過酸化水素:富士フイルム和光純薬社製、商品名「過酸化水素」
<含窒素複素環化合物>
・ベンゾトリアゾール:城北化学社製、商品名「BT-120SG」
・2,2’―[[(メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ]ビスエタノール:城北化学社製、商品名「TT-LYK」
・カルボキシベンゾトリアゾール:城北化学社製、商品名「CBT-SG」
・1,2,4-トリアゾール:東京化成工業社製、商品名「1,2,4-Triazole」
・1-(2,3-ジカルボキシプロピル)ベンゾトリアゾール:城北化学社製、商品名「BT-250」
<酸>
・硝酸:富士フイルム和光純薬社製、商品名「硝酸(1.38)」
<その他の添加剤>
(塩基性化合物)
・テトラエチルアンモニウムヒドロキシド:東京化成工業社製、商品名「Tetraethylammonium Hydroxide (10% in Water)」
(水溶性高分子)
・ポリアクリル酸:東亜合成社製、商品名「ジュリマーAC-10L」
・ポリビニルピロリドン:東京化成工業社製、商品名「Polyvinylpyrrolidone K 15 Average Molecular Wt. 10000」
・ポリエチレングリコール:東邦化学工業社製、商品名「PEG-400」
(リン酸エステル)
・ポリオキシエチレンアリルフェニルフォスフェートアミン塩:竹本油脂社製、商品名「ニューカルゲンFS-3AQ」(20%水溶液)
(有機酸)
・クエン酸:扶桑化学工業社製、商品名「精製クエン酸(結晶)L」
実施例1~12の化学機械研磨用組成物によれば、銀を含有する被研磨面を高速で研磨することができ、かつ、研磨後の被研磨面における腐蝕や研磨傷の発生を効果的に低減できるので、高反射特性に優れた被研磨面が得られることがわかった。
比較例1、3の化学機械研磨用組成物は、Mc/Mdの値が10未満又は(C)成分を含有しない例である。このような場合には、銀膜の研磨速度が著しく低下することがわかった。
比較例2、4の化学機械研磨用組成物は、Mc/Mdの値が200以上又は(D)成分を含有しない例である。このような場合には、研磨後の被研磨面における腐蝕や研磨傷の発生を抑制できず、銀膜の反射率が低くなることがわかった。
比較例5、6の化学機械研磨用組成物は、(A)成分のゼータ電位の絶対値が10mV未満である例である。このような場合は、(A)成分が凝集しやすく、凝集した砥粒によって銀膜表面に研磨傷が生じ、銀膜の反射率が低くなることがわかった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…基体、12…酸化シリコン膜、14…窒化タンタル膜、16…銀膜、42…スラリー供給ノズル、44…スラリー(化学機械研磨用組成物)、46…研磨用パッド、48…ターンテーブル、50…半導体基板、52…キャリアーヘッド、54…水供給ノズル、56…ドレッサー、100…被処理体、200…研磨装置

Claims (14)

  1. (A)砥粒と、
    (B)液状媒体と、
    (C)酸化剤と、
    (D)含窒素複素環化合物と、
    を含有する化学機械研磨用組成物であって、
    前記化学機械研磨用組成物中の前記(A)成分のゼータ電位の絶対値が10mV以上であり、
    前記(C)成分の含有量をMc(質量%)、前記(D)成分の含有量をMd(質量%)とした場合、Mc/Md=10~200であり、
    pHが1以上6以下である、化学機械研磨用組成物。
  2. 前記(A)成分が、下記一般式(1)で表される官能基を有する、請求項1に記載の化学機械研磨用組成物。
    -SO ・・・・・(1)
    (Mは1価の陽イオンを表す。)
  3. 前記化学機械研磨用組成物中の前記(A)成分のゼータ電位が-10mV以下である、請求項2に記載の化学機械研磨用組成物。
  4. 前記(A)成分が、下記一般式(2)で表される官能基を有する、請求項1に記載の化学機械研磨用組成物。
    -COO ・・・・・(2)
    (Mは1価の陽イオンを表す。)
  5. 前記化学機械研磨用組成物中の前記(A)成分のゼータ電位が-10mV以下である、請求項4に記載の化学機械研磨用組成物。
  6. (A)砥粒と、
    B)液状媒体と、
    (C)酸化剤と、
    (D)含窒素複素環化合物と、
    を含有する化学機械研磨用組成物であって、
    前記化学機械研磨用組成物中の前記(A)成分のゼータ電位の絶対値が10mV以上であり、
    前記(C)成分の含有量をMc(質量%)、前記(D)成分の含有量をMd(質量%)とした場合、Mc/Md=10~200であり、
    前記(A)成分が、下記一般式(3)又は下記一般式(4)で表される官能基を有する、化学機械研磨用組成物。
    -NR ・・・・・(3)
    -N ・・・・・(4)
    (上記式(3)及び(4)中、R、R及びRは各々独立して、水素原子、又は置換もしくは非置換の炭化水素基を表す。Mは陰イオンを表す。)
  7. 前記化学機械研磨用組成物中の前記(A)成分のゼータ電位が+10mV以上である、請求項6に記載の化学機械研磨用組成物。
  8. pHが1以上6以下である、請求項に記載の化学機械研磨用組成物。
  9. 前記化学機械研磨用組成物の全質量に対して、前記(A)成分の含有量が0.005質量%以上15質量%以下である、請求項1に記載の化学機械研磨用組成物。
  10. 前記(D)成分が、アゾール構造を有する、請求項1に記載の化学機械研磨用組成物。
  11. 前記化学機械研磨用組成物の全質量に対して、前記(A)成分の含有量が0.005質量%以上15質量%以下である、請求項6に記載の化学機械研磨用組成物。
  12. 前記(D)成分が、アゾール構造を有する、請求項6に記載の化学機械研磨用組成物
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載の化学機械研磨用組成物を用いて半導体基板を研磨する工程を含む、研磨方法。
  14. 前記半導体基板が、銀を含有する部位を備える、請求項13に記載の研磨方法。
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