JP2019155054A - 医療用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1剤と第2剤が混合された混合物を確実に取り出すことができる医療用容器を提供する。【解決手段】医療用容器1は、第1口部が閉鎖膜で閉鎖された第1容器と、移注具と、第2口部が弾性封鎖膜で封鎖された第2容器とを備え、移注具は、筒体31と、第2容器を保持する保持部材と、両頭針33と、キャップ34とを含む。両頭針は、第1穿刺針、および第2穿刺針を有し、キャップ34は、本体部35と、吊り下げ部材36とを有し、本体部34は、回動動作に伴って保持部材を押動する押動部を有する。医療用容器1は、吊り下げ部材36の第1位置から第2位置へ移動を解除可能に規制する移動規制部40をさらに備える。弾性封鎖膜が第1穿刺針に刺通され、かつ、閉鎖膜が第2穿刺針に刺通されることとなった状態で、移動規制部40による第1位置から第2位置への吊り下げ部材36の移動規制が解除される。【選択図】図8

Description

本発明は、医療用容器に関し、特に、第1容器と第2容器とを連通させて第1容器に収容された内容物と第2容器に収容された内容物とを混合することができる医療用容器に関する。
病院などの医療機関においては、バイアル等の薬剤容器に収容された乾燥薬剤(第2剤)を、蒸留水、生理食塩水、およびブドウ糖液等の溶解液(第1剤)に溶解して液状薬品を調整し、点滴注射などにこの液状薬品を用いている。
このような液状薬品を簡便に調整できるように、乾燥薬剤を収容した薬剤容器を、溶解液を収容した輸液容器に直列状に連結し、使用時にこれら二つの容器の内部を連通するように構成した医療用容器が、特開平8−126683号公報(特許文献1)に開示されている。
特許文献1に開示の医療用容器においては、薬剤容器および輸液容器を連通させるための両頭針と薬剤容器を保持するバイアルガイドが、バイアルガイドの下方向へのスライドを案内するガイド筒に収容されている。輸液容器側とは反対側に位置する当該ガイド筒の開放端を密封するキャップを回転させると、バイアルガイドが下方に向けて移動し、薬剤容器の口部を密封する栓が両頭針の一方側の穿刺針に刺通される。さらにキャップを回転させると、バイアルガイドおよび両頭針が一体となって下方に向けて移動し、輸液容器の連通口を閉鎖する薄膜が両頭針の他方側の穿刺針に刺通される。これにより、薬剤容器と輸液容器とが連通する。
キャップの天面には、吊り下げ手段が設けられており、当該吊り下げ手段を用いて医療用容器を吊り下げることができる。医療用容器を吊り下げた状態で、薬剤容器内の乾燥薬剤と輸液容器の溶解液とによって調製された液状薬品を輸液容器から取り出す。
特開平8−126683号公報
しかしながら、特許文献1に開示の医療用容器にあっては、吊り下げ手段は、常時使用できる状態にある。このため、バイアルガイドを移動させて薬剤容器と輸液容器とを連通させる前に、吊り下げ手段を用いて医療用容器を吊り下げた場合には、乾燥薬剤と溶解液とが調製されていない状態で、輸液容器に収容された液剤のみが取り出されることが起こり得る。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、第1剤と第2剤が混合された混合物を取り出すことができる医療用容器を提供することにある。
本発明に基づく医療用容器は、一端側に取出口を有し、他端側に閉鎖膜で閉鎖された第1口部を有する第1容器と、上記第1容器の上記第1口部に装着された移注具と、第2口部を有し、上記第2口部が弾性封鎖膜で封鎖された第2容器と、を備える。上記第1容器は内部に第1剤を収容し、上記第2容器は内部に第2剤を収容する。上記移注具は、一端側に上記第1口部に装着される装着部を有し、他端側に開口部を有する筒体と、上記第2口部が上記第1口部に向くように上記第2容器を保持し、上記筒体の軸方向に平行な方向に沿ってスライド移動可能に上記筒体の内側に配置された保持部材と、上記軸方向に平行な方向に沿ってスライド移動可能に上記第1口部と上記第2口部との間に位置する部分の上記筒体内に配置され、上記第1容器の内部と上記第2容器の内部とを連通させるための両頭針と、上記筒体の上記他端側に設けられ、上記開口部を覆うキャップと、を含む。上記両頭針は、上記弾性封鎖膜に刺通する第1穿刺針、および上記閉鎖膜に刺通する第2穿刺針を有する。上記キャップは、上記筒体の軸心回りに回動可能に上記開口部を覆う本体部と、上記本体部と一体に回動するように上記本体部に保持された吊り下げ部材と、を有する。上記本体部は、回動動作に伴って上記保持部材を上記筒体の上記一端側に向けて押動する押動部を有する。上記吊り下げ部材は、上記移注具を吊り下げ不能とする第1位置から上記移注具を吊り下げ可能とする第2位置へと移動可能に設けられている。上記医療用容器は、上記第1位置から上記第2位置への上記吊り下げ部材の移動を解除可能に規制する移動規制部をさらに備える。上記本体部および上記吊り下げ部材を一体に回動させて上記押動部によって上記第2容器を保持する上記保持部材を上記筒体の上記一端側に向けて押動することにより、上記弾性封鎖膜が上記第1穿刺針に刺通され、かつ、上記閉鎖膜が上記第2穿刺針に刺通されることとなった状態で、上記移動規制部による上記第1位置から上記第2位置への上記吊り下げ部材の移動規制が解除される。
上記本発明に基づく医療用容器にあっては、上記吊り下げ部材は、上記移動規制部によって、上記筒体から離れるように上記軸方向に平行な方向に沿って移動することを規制されてもよい。この場合には、上記筒体の外周面には、上記筒体の径方向外側に向けて突出し、上記筒体の周方向に沿って延在する突出片部が設けられていてもよく、上記吊り下げ部材は、上記第1位置に位置する状態において上記筒体の上記外周面に対向する対向部と、上記筒体の上記一端側から上記軸方向に上記突出片部と重なるように、上記筒体の上記外周面に向けて上記対向部から突出する突起部とを有していてもよい。この場合には、上記突出片部には、上記突起部が上記軸方向に沿って通過可能な切欠き部が設けられていることが好ましく、上記移動規制部は、上記突出片部と上記突起部によって構成されていることが好ましい。さらに、上記本体部および上記吊り下げ部材の一体的な回動動作に伴って、上記突起部が上記軸方向に上記突出片部に重なる位置から上記切欠き部に重なる位置に移動することにより、上記移動規制部による上記第1位置から上記第2位置への上記吊り下げ部材の移動規制が解除されることが好ましい。
上記本発明に基づく医療用容器にあっては、上記吊り下げ部材は、上記移動規制部によって、上記本体部に対して上記軸方向に平行な方向に沿って移動することを規制されていてもよい。この場合には、上記吊り下げ部材は、上記本体部の外周面に対向する基部と、上記軸方向において上記基部よりも上記筒体の上記一端側に位置し、上記軸方向において上記基部との間に隙間が形成されるように上記基部に接続された接続体と、を有していてもよい。また、上記本体部の上記外周面には、上記隙間に入り込むように突出する突出部が設けられていてもよい。この場合には、上記接続体は、破断可能な脆弱部を有するとともに、上記筒体の外周面に対向するように上記筒体の周方向に沿って延在することが好ましく、上記筒体の上記外周面には、上記接続体に向けて突出し、上記接続体に当接する当接部を有することが好ましい。さらに、上記本体部および上記吊り下げ部材の一体的な回動動作に伴って上記当接部が上記接続体の内周面を摺動しながら上記脆弱部に向けて移動して上記脆弱部が破断することにより、上記移動規制部による上記第1位置から上記第2位置への上記吊り下げ部材の移動規制が解除されることが好ましい。
上記本発明に基づく医療用容器にあっては、上記弾性封鎖膜が上記第1穿刺針に刺通され、かつ、上記閉鎖膜が上記第2穿刺針に刺通された状態で上記保持部材および上記両頭針の上記筒体の上記一端側に向けての移動が制限される回動終点位置に上記本体部が到達した際に、上記移動規制部による上記第1位置から上記第2位置への上記吊り下げ部材の移動規制が解除されることが好ましい。
本発明によれば、第1剤と第2剤が混合された混合物を取り出すことができる医療用容器を提供することができる。
実施の形態1に係る医療用容器において輸液容器の内部と薬剤容器の内部とを連通させる前の状態を示す医療用容器の斜視図である。 図1に示す医療用容器の分解斜視図である。 図1に示すIII−III線に沿った医療用容器の断面図である。 図1に示す医療用容器の一部分解斜視図である。 図1に示す医療用容器に具備される保持部材およびキャップ部の本体部を示す斜視図である。 図1に示す医療用容器において両頭針を収納した状態における筒体の断面図である。 図1に示す医療用容器に具備される筒体の斜視図である。 実施の形態1に係る医療用容器において輸液容器の内部と薬剤容器の内部とを連通させる前における移動規制部の状態を示す断面図である。 実施の形態1に係る医療用容器において輸液容器の内部と薬剤容器の内部とを連通させた後の状態を示す医療用容器の断面図である。 実施の形態1に係る医療用容器において輸液容器の内部と薬剤容器の内部とを連通させた後における移動規制部の状態を示す断面図である。 実施の形態1に係る医療用容器において移動規制部による移動規制が解除された後に吊り下げ部材を移動させた状態を示す医療用容器の正面図である。 実施の形態2に係る医療用容器において輸液容器の内部と薬剤容器の内部とを連通させる前の状態におけるキャップの周囲の構成を示す斜視図である。 実施の形態2に係る医療用容器に具備される医療用容器のキャップの分解斜視図である。 実施の形態2に係る医療用容器において輸液容器の内部と薬剤容器の内部とを連通させた後の状態を示す医療用容器の斜視図である。 実施の形態2に係る医療用容器において移動規制部による移動規制が解除された後に吊り下げ部材を移動させた状態を示す医療用容器の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る医療用容器において輸液容器の内部と薬剤容器の内部とを連通させる前の状態を示す医療用容器の斜視図である。図2は、図1に示す医療用容器の分解斜視図である。図3は、図1に示すIII−III線に沿った医療用容器の断面図である。図1から図3を参照して、実施の形態1に係る医療用容器1について説明する。
実施の形態1に係る医療用容器1は、第1容器としての輸液容器10に収容された第1剤としての溶解液と第2容器としての薬剤容器20に収容された第2剤としての薬剤とを混合して液状薬剤を調製するための医療機器である。
図1から図3に示すように、医療用容器1は、第1容器としての輸液容器10と、第2容器としての薬剤容器20と、移注具30とを備える。
輸液容器10は、第1剤としての溶解液を収容する。溶解液は、後述する第2剤としての乾燥薬剤を溶解するための液体である。輸液容器10は、輸液容器本体101、閉鎖膜104、および封鎖部材110を含む。
輸液容器本体101は、一端側に取出口102を有し、他端側に第1口部103を有する。第1口部103は、閉鎖膜104によって閉鎖されている。第1口部103の外周面には、後述する移注具30の装着部311が装着される被装着部105が設けられている。被装着部105は、たとえば螺旋状に延在するリブによって構成されている。
封鎖部材110は、取出口102を封鎖する。封鎖部材110は、弾性栓体112を有する。当該弾性栓体に穿刺針を穿刺することにより取出口102から輸液容器10内の液剤を取り出すことができる。
具体的には、封鎖部材110は、外殻部材111、弾性栓体112、およびカバー体113を有する。外殻部材111は、筒状形状を有する。外殻部材111は、輸液容器本体101の端部に対向するフランジ部111aを有する。フランジ部111aは、輸液容器本体101の端部に液密に固着されている。弾性栓体112は、外殻部材111の開口部を閉塞するように外殻部材111内に配置されている。カバー体113は、外殻部材111から外部に露出する部分の弾性栓体112を覆う。カバー体113は、取外し可能に外殻部材111に固定されている。
後述するように、液状薬剤を調整後に輸液容器10内の液状薬剤を取り出す場合には、カバー体113を外殻部材111から取り外し、チューブ等に取り付けられた穿刺針を弾性栓体112に穿刺する。これにより、液状薬剤を用いて点滴が可能となる。
薬剤容器20は、第2剤としての乾燥薬剤を収容する。薬剤容器20は、薬剤容器本体201、弾性封鎖膜203を含む。薬剤容器本体201は、第2口部202を有する。第2口部202は、弾性封鎖膜203で封鎖されている。
弾性封鎖膜203としては、たとえば、ゴム部材や熱可塑性エラストマー樹脂を採用することができる。これにより、弾性封鎖膜203に穿刺された穿刺針が抜かれた場合でも、第2口部202を再度封鎖状態にすることができる。
移注具30は、輸液容器10の内部と薬剤容器20の内部とを連通して、輸液容器10内の溶解液と薬剤容器20内の乾燥薬剤とを混合させるために使用する機器である。移注具30は、筒体31、保持部材32、両頭針33、キャップ34、密封部材37およびシール部材319を含む。
筒体31は、略円筒形状を有し、一端31aおよび他端31bを有する。筒体31の一端31a側には、輸液容器10の第1口部103に装着される装着部311が設けられている。装着部311は、上述の輸液容器10の第1口部103に設けられた上記螺旋状のリブに螺合可能に設けられている。筒体31の他端31b側には、開口部31cが設けられている。当該開口部31cを通って、両頭針33および保持部材32が筒体31の内部に挿入される。
筒体31の内部には、一端31a側と他端31b側を仕切る仕切壁315が設けられている。仕切壁315の中央部には、後述する両頭針33の第2穿刺針332が通過可能な貫通孔316が設けられている。
筒体31の一端31a側に位置する仕切壁315の主面の中央部には、シール部材319が設けられている。シール部材319は、閉鎖膜104近傍の輸液容器10の第1口部103の周囲と仕切壁315との間の空間を密封する。これにより、後述するように閉鎖膜104が穿刺針332によって穿刺された場合であっても、閉鎖膜104から液剤が外部に漏れることを防止することができる。
シール部材319は、筒状形状を有する弾性部材によって構成されている。シール部材319の中央部には、第2穿刺針332が通過可能な穴部が設けられている。当該穴部は、上記貫通孔316に連通する。当該穴部を規定するシール部材319の内周面は、第2穿刺針332の外周面に密着する。これにより、穿刺された閉鎖膜104から液剤が外部に漏れることを防止することができる。
さらに、シール部材319の内周面が第2穿刺針332の外周面に密着することにより、第2穿刺針332の姿勢を安定させることができる。これにより、後述するように輸液容器10の内部と薬剤容器20の内部とを連通させる際に、両頭針33を安定して移動させることができる。
筒体31は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートABS樹脂などの可撓性樹脂で形成されている。
保持部材32は、薬剤容器20を保持する部材である。保持部材32は、薬剤容器20の第2口部202が輸液容器10の第1口部103に向くように、薬剤容器20を保持する。保持部材32は、筒体31の軸方向に平行な方向に沿ってスライド移動可能に筒体31の内側に配置されている。
保持部材32は、保持部321、土台部322、一対の接続部323を有する。保持部材32の一端32a側に、保持部321が配置され、保持部材32の他端32b側に、土台部322が配置されている。
保持部321は、保持部321と土台部322が並ぶ方向から見た場合に、略C字形状を有する。保持部321には、保持部321と土台部322が並ぶ方向と交差する方向(より特定的には直交する方向)に開放された開放部321aが設けられている。開放部321aは、薬剤容器20の第2口部202を圧入可能に構成されている。当該開放部321aに第2口部202が圧入されることにより、保持部材32によって薬剤容器20が保持される。
土台部322は、保持部321と土台部322が並ぶ方向から見た場合に、略円盤形状を有する。土台部322は、保持部321から離間して配置されている。保持部321と土台部322との間に、薬剤容器20の第2口部202の根元側から薬剤容器20の底部までが収容される。
一対の接続部323は、保持部321と土台部322とを接続する。一対の接続部323は、略板状形状を有する。一対の接続部323は、上記開放部321aが開放されている方向と直交する方向に対向するように設けられている。一対の接続部323の外表面には、後述するガイドリブ312(図6参照)に案内される被ガイド部324が設けられている。
両頭針33は、輸液容器10の内部と薬剤容器20の内部とを連通させるための連通部材である。両頭針33は、筒体31の軸方向に平行な方向に沿ってスライド移動可能に筒体31の内側に配置されている。両頭針33は、輸液容器10の第1口部103と薬剤容器20の第2口部202との間に位置する部分の筒体31内に配置されている。
両頭針33は、第1穿刺針331、第2穿刺針332、ハブ333、および腕部334を含む。ハブ333は、略十字形状の板状形状を有する。ハブ333の中央部には、第1穿刺針331および第2穿刺針332が設けられている。
第1穿刺針331および第2穿刺針332は、ハブ333の板厚方向に沿って延在する。第1穿刺針331は、板厚方向の一方側に向けて延在する。第2穿刺針332は、板厚方向の他方側に向けて延在する。両頭針33が筒体31内に配置された状態において、ハブ333の板厚方向は、筒体31の軸方向に平行となる。第1穿刺針331および第2穿刺針332には、中空管路が設けられている。
第1穿刺針331は、薬剤容器20の弾性封鎖膜203を刺通するためのものである。第1穿刺針331は、両頭針33が筒体31に収容された状態で筒体31の他端31b側を向く。
第2穿刺針332は、輸液容器10の閉鎖膜104を刺通するためのものである。第2穿刺針332は、両頭針33が筒体31に収容された状態で筒体31の一端31a側を向く。
腕部334は、ハブ333の先端側から起立するように設けられている。腕部334は、両頭針33が筒体31に収容された状態で筒体31の他端31b側に向けて立ち上がる。腕部334は、後述するガイドリブ312の間に位置する案内溝313(図6参照)に嵌り込むように設けられている。腕部334の先端側は、筒体31の内周面310b(図6参照)に摺動可能に設けられている。
キャップ34は、筒体31の他端31b側に設けられている。キャップ34は、筒体31の開口部31cを覆う。キャップ34は、筒体31の他端31bに組み付けられる。
キャップ34は、本体部35、および吊り下げ部材36を有する。本体部35は、一方向に向けて開口する有底筒状形状を有する。本体部35は、筒体31の軸心回りに回動可能に開口部31cを覆う。本体部35は、第1筒状部351、第2筒状部352、および接続部353を有する。
第1筒状部351は、本体部35の開口端側を構成する。第1筒状部351の内径は、第2筒状部352の内径よりも大きくなっている。第1筒状部351は、筒体31の他端31b側を収容可能に構成されている。第1筒状部351は、筒体31の他端31b側において、筒体31の外周面310aを覆う。第1筒状部351は、後述する筒体31の突出片部314よりも上記他端31b側において、筒体31の外周面310aに対向する。
第2筒状部352は、本体部35の開口端側とは反対側の端部側を構成する。第2筒状部352は、有底筒状形状を有する。第2筒状部352の内径は、第1筒状部351の内径よりも小さくなっている。
第1筒状部351側に位置する第2筒状部352の一端側は、第1筒状部351内に入り込んでいる。これにより、第2筒状部352の一端側と第1筒状部351との間には空間が形成されている。本体部35が筒体31に組み付けられた状態においては、当該空間に、筒体31の他端31b側が入り込む。これにより、本体部35が安定して、筒体31の軸心回りに回動することができる。
第2筒状部352には、後述する吊り下げ部材36の吊り下げ部362を収容する収容部354が設けられている。収容部354は、第2筒状部352の外表面から外側に突出するように設けられた一対のリブ355によって形成されている。一対のリブ355は、第2筒状部352の軸方向に平行な方向に沿って延在する。一対のリブ355の間の隙間に吊り下げ部362が収容される。
また、第2筒状部352の外表面には、抜け止め部356が設けられている。当該抜け止め部356は、後述するように吊り下げ部材36が本体部35に対してスライド移動した場合に、後述する基部361の他端361bに突き当たることにより吊り下げ部材36が本体部35から抜けてしまうことを防止する。
接続部353は、第1筒状部351および第2筒状部352を接続する。接続部353は、環状形状を有する。本体部35が筒体31に組み付けられた状態においては、接続部353と筒体31の他端31bとによってパッキン等の密封部材37が挟持される。これにより、本体部35が筒体31に液密に組み付けられる。
吊り下げ部材36は、本体部35と一体に回動するように本体部35に保持されている。吊り下げ部材36は、本体部35の外側に配置されている。吊り下げ部材36は、本体部35に対してスライド移動可能に設けられている。吊り下げ部材36は、筒体31の軸方向に平行な方向に沿ってスライド移動可能である。
吊り下げ部材36は、後述するように、移注具30を吊り下げ不能とする第1位置から移注具30を吊り下げ可能とする第2位置へと移動可能に設けられている。第1位置は、後述する吊り下げ部362の吊り下げ孔362aが閉状態となる位置である。第2位置は、吊り下げ孔362aが開状態となる位置である。
なお、吊り下げ部材36の第1位置から第2位置への移動は、後述する移動規制部40(図8参照)によって解除可能に規制される。
吊り下げ部材36は、基部361、および吊り下げ部362を有する。基部361は、筒状形状を有する。基部361は、第1筒状部351を囲堯可能に構成されている。基部361の内表面には、本体部35に設けられた一対のリブ355が入り込む溝部が設けられている。当該溝部に上記一対のリブ355が入り込むことにより、吊り下げ部材36が、本体部35に対して相対的に回転することが防止される。これにより、吊り下げ部材36または本体部35を回転させた場合には、吊り下げ部材36および本体部35が一体に回転することとなる。
基部361の一端側には、対向部としてのリング部365が設けられている。リング部365の内径は、基部361の内径よりも大きくなっている。また、リング部365の外径は、基部361の外形よりも大きくなっている。
吊り下げ部362は、基部361の他端361b側に設けられている。吊り下げ部362は、基部361の筒孔を橋渡しするように設けられている。吊り下げ部362は、基部361の他端361bから、基部361の一端側とは反対側に向けて膨出するように設けられている。
吊り下げ部362が本体部35の収容部354に収容された状態においては、吊り下げ孔362aが閉状態となる。一方、吊り下げ部362が収容部354に収容されず、吊り下げ部362が本体部35から遠ざかるようにスライド移動した状態においては、吊り下げ孔362aが開状態となる。
図4は、図1に示す医療用容器の一部分解斜視図である。図4を参照して、輸液容器10の内部と薬剤容器20の内部とを連通させる前の保持部材32の収容状態について説明する。
図4に示すように、輸液容器10の内部と薬剤容器20の内部とを連通させる前においては、保持部材の一端32a側は、筒体31に収容され、保持部材32の他端32b側は、筒体31の他端31bから突出している。保持部材32の他端32bは、本体部35の内部に収容される。
保持部材32の他端32bが本体部35の内部に収容された状態で、本体部35を筒体31の軸心回りに回動させることにより、保持部材32が筒体31の一端31a側に向けて押動されることとなる。
図5は、図1に示す医療用容器に具備される保持部材およびキャップ部の本体部を示す斜視図である。図5を参照して、保持部材32を押動するための機構について説明する。
図5に示すように、本体部35は、回動動作に伴って保持部材32を筒体31の一端31a側に向けて押動する押動部357を有する。押動部357は、たとえば2つ設けられている。2つの押動部357は、周方向に180°ピッチで設けられている。
押動部357は、本体部35の内周面に設けられた螺旋状のリブによって構成されている。螺旋状のリブの巻き回数は、0.5周程度である。螺旋状のリブは、たとえば左ネジ向きに設けられている。
保持部材32は、上記押動部357に押動される被押動部325を有する。被押動部325は、押動部357の個数に対応して設けられている。被押動部325は、土台部322の外周面に設けられている。被押動部325は、上記螺旋状のリブに摺動可能に形成されている。
螺旋状のリブの巻回方向(左ネジ向き)と反対の方向(右回転方向)に、本体部35を回動させることにより、被押動部325が押動部357に押動される。これにより、保持部材32が筒体31の一端31a側に向けて押動される。
図6は、図1に示す医療用容器において両頭針を収納した状態における筒体の断面図である。図6に示すように、輸液容器10の内部と薬剤容器20の内部とを連通させる前においては、両頭針33は、ハブ333が仕切壁315から離間した状態で筒体31内に収容されている。この状態においては、両頭針33の第2穿刺針332が仕切壁315の貫通孔316に挿通されており、第2穿刺針332の先端が、閉鎖膜104に対向している。
両頭針33の腕部334は、一対のガイドリブ312の間に入り込んでいる。これにより、一対のガイドリブ312によって、両頭針33が筒体31に対して相対的に回転することが防止されている。なお、一対のガイドリブ312は、上記腕部334の個数および配置に対応して筒体31の周方向に90°ピッチで4つ設けられている。
両頭針33の腕部334は、上方側(筒体31の他端31b側)から保持部材32の保持部321を受入可能に設けられている。両頭針33は、筒体31の一端31aに向けて所定以上の力が加えられた場合に、筒体31の一端31aに向けて移動するように設けられている。
図7は、図1に示す医療用容器に具備される筒体の斜視図である。図7を参照して、筒体31の突出片部314の具体的な構成について説明する。
図7に示すように、突出片部314は、筒体31の他端31b寄りの位置に設けられている。突出片部314は、筒体31の径方向外側に向けて突出し、筒体31の周方向に沿って延在する。突出片部314は、筒体31の外周面に沿って全周に亘って設けられている。
突出片部314には、切欠き部317が設けられている。切欠き部317は、後述するリング部365に設けられた突起部366が、通過可能に設けられている。
図8は、実施の形態1に係る医療用容器において輸液容器の内部と薬剤容器の内部とを連通させる前における移動規制部の状態を示す断面図である。図8を参照して、移動規制部40について説明する。
図8に示すように、医療用容器1は、移動規制部40を備える。移動規制部40は、吊り下げ部362が収容部354に収容されて吊り下げ孔362aが閉じられた状態から、吊り下げ部362が収容部354から露出して吊り下げ孔362aが開いた状態への吊り下げ部材36の移動を解除可能に規制する。すなわち、移動規制部40は、移注具30を吊り下げ不能とする第1位置から移注具30を吊り下げ可能とする第2位置への移動を解除可能に規制する。
移動規制部40は、上述の突出片部314と突起部366とによって構成されている。突起部366は、リング部365に設けられている。
リング部365は、輸液容器10の内部と薬剤容器20の内部とを連通させる前であって、吊り下げ部362が収容部354に収容された状態においては、第1筒状部351よりも筒体31の一端31a側に位置する。これにより、リング部365は、筒体31の外周面310aに対向する。また、リング部365の先端は、突出片部314よりも筒体31の一端31a側に位置する。
突起部366は、筒体31の一端側から筒体31の軸方向に突出片部314と重なるように、筒体31の外周面310aに向けてリング部365の内周面から突出している。突起部366が筒体31の一端31a側から突出片部314に重なった状態においては、吊り下げ部材36が筒体31から離れるように筒体31の軸方向に平行な方向に沿って移動した場合には、突起部366が突出片部314に突き当たる。これにより、吊り下げ部材36の移動が規制される。
図9は、実施の形態1に係る医療用容器において輸液容器の内部と薬剤容器の内部とを連通させた後の状態を示す医療用容器の断面図である。図3、および図9を参照して、輸液容器10と薬剤容器との連通動作について説明する。
輸液容器10の内部と薬剤容器20の内部とを連通させる前においては、図3に示すように、吊り下げ部362が収容部354に収容された状態にあり、移注具30の吊り下げが不能となっている。
この状態で、使用者が、一方の手で筒体31を把持し、他方の手で吊り下げ部材36の基部361を右回りに回動させる。吊り下げ部材36の基部361を回動させると、吊り下げ部材36と本体部35とが一体となって回動する。本体部35が回動することにより、本体部35の押動部357(図5参照)が保持部材32の被押動部325に摺動する。
ここで、保持部材32は、筒体31の軸方向に沿って延在する一対のガイドリブ312(図6参照)の間に被ガイド部324が入り込んだ状態で、筒体31に収容されている。このため、一対のガイドリブ312によって、保持部材32が筒体31に対して相対的に回転することが防止されている。
保持部材32の回転が規制された状態で押動部357が被押動部325に摺動することにより、保持部材32は、筒体31の一端31a側に向けて押される。この際、一対のガイドリブ312によって保持部材32の移動が案内され、保持部材32は、筒体31の軸方向に平行な方向に沿って移動する。
保持部材32が一対のガイドリブ312に案内されて筒体31の一端31aに向けてスライド移動すると、保持部材32の保持された薬剤容器20の弾性封鎖膜203が第1穿刺針331に刺通される。
この際、筒体31の一端31a側に向けて上記所定以上の力が両頭針33に加えられ、両頭針33は、保持部材32とともに筒体31の一端31aに向けて移動する。両頭針33が、筒体31の一端31aに向けてさらに移動することにより、図9に示すように、第2穿刺針332が輸液容器10の閉鎖膜104を刺通する。これにより、輸液容器10の内部と薬剤容器20の内部とが連通する。この結果、輸液容器10内の溶解液に薬剤容器20内の乾燥薬剤を混合して、液状薬品を調製することができる。
なお、保持部材32および両頭針33の筒体31の一端31a側への移動は、両頭針33のハブ333が筒体31の仕切壁315に突き当たることで制限される。このような状態で本体部35の回動が終了する。
図10は、実施の形態1に係る医療用容器において輸液容器の内部と薬剤容器の内部とを連通させた後における移動規制部の状態を示す断面図である。図10を参照して、輸液容器10の内部と薬剤容器20の内部とを連通させた後における移動規制部40の状態について説明する。
輸液容器10の内部と薬剤容器20の内部とを連通させた状態、すなわち、弾性封鎖膜203が第1穿刺針331に刺通され、かつ、閉鎖膜104が第2穿刺針332に刺通されることとなった状態においては、吊り下げ部材36が初期位置から筒体31の軸心回りに回動している。これにより、吊り下げ部材36の突起部366が、筒体31の突出片部314に対して回動し、図10に示すように、切欠き部317に重なる。突起部366が切欠き部317に重なることで、移動規制部40による吊り下げ部材36の移動規制が解除される。
なお、移動規制部40による吊り下げ部材36の移動規制の解除は、弾性封鎖膜203が第1穿刺針331に刺通され、かつ、閉鎖膜104が第2穿刺針332に刺通された状態で、保持部材32および両頭針33の筒体31の一端31a側に向けての移動が制限される回動終点位置に本体部35が到達した際に、解除されることが好ましい。
この場合には、本体部35を終点位置にまで回動させることで、切欠き部317と突起部366とが重なることとなり、切欠き部317と突起部366との位置合わせを容易に行なうことができる。
図11は、実施の形態1に係る医療用容器において移動規制部による移動規制が解除された後に吊り下げ部材を移動させた状態を示す医療用容器の正面図である。
吊り下げ部材36の移動規制が解除された後には、図11に示すように、筒体31から離れるように筒体31の軸方向に平行な方向に沿って移動させることができる。これにより、吊り下げ部362と本体部35との間に隙間が形成され、吊り下げ孔362aが開状態となる。この結果、吊り下げ部材36を用いて医療用容器1を吊り下げ、輸液容器10の取出口102から調製された液状薬品を取り出すことができる。
以上のように、実施の形態1に係る医療用容器1にあっては、本体部35および吊り下げ部材36を一体に回動させて、本体部35に設けられた押動部357によって薬剤容器20を保持する保持部材32を筒体31の一端31a側に向けて押動することにより、薬剤容器20の弾性封鎖膜203が第1穿刺針331に刺通され、かつ、輸液容器10の閉鎖膜104が第2穿刺針332に刺通されることとなった状態で、移動規制部40による吊り下げ部材36の移動規制が解除される。
これにより、輸液容器10と薬剤容器20とが連通して、輸液容器10内の溶解液と薬剤容器20内の乾燥薬剤とが混合された状態で、吊り下げ部材36を吊り下げ不能となる第1位置から吊り下げ可能となる第2位置まで移動させることができる。
この結果、溶解液と乾燥薬剤とが混合された混合物(液状薬品)が輸液容器10内に収容された状態で医療用容器1を吊り下げ、輸液容器10の取出口102から液状薬品を確実に取り出すことができる。
なお、液状薬品を取り出す際には、上述したように、取出口102を封鎖する封鎖部材110のカバー体113を外殻部材111から取り外し、チューブに取り付けられた穿刺針を外殻部材111内に配置された弾性栓体112に穿刺する。これにより、液状薬品を用いて点滴することができる。
(実施の形態2)
図12は、実施の形態2に係る医療用容器において輸液容器の内部と薬剤容器の内部とを連通させる前の状態におけるキャップの周囲の構成を示す斜視図である。図13は、実施の形態2に係る医療用容器に具備される医療用容器のキャップの分解斜視図である。図12および図13を参照して、実施の形態2に係る医療用容器1Aについて説明する。
図12および図13に示すように、医療用容器1Aは、実施の形態1に係る医療用容器1と比較した場合に、吊り下げ部材36A、移動規制部40A、および筒体31Aの構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
吊り下げ部材36Aは、実施の形態1に係る吊り下げ部材36と比較した場合に、リング部365Aの構成が相違する。
リング部365Aは、筒体31Aの軸方向において基部361よりも筒体31Aの一端31a側に位置し、筒体31Aの軸方向において基部361との間に隙間S1が形成されるように筒体31Aに接続されている。リング部365Aは、略S字形状の接続部368によって筒体31Aに接続されている。リング部365Aは、筒体31Aに接続された接続体に相当する。
リング部365Aは、筒体31Aの外周面310aに対向する。リング部365Aは、筒体31Aの周方向に沿って延在する。リング部365Aは、筒体31Aの外周面310aに沿って全周に亘って設けられている。
リング部365Aは、破断可能な脆弱部369を有する。脆弱部369は、筒体31Aの軸方向に平行な方向に沿った幅が他の部分と狭くなることにより形成されている。
リング部365Aと基部361との間に形成された上記隙間S1には、本体部35の外周面に設けられた突出部358が入り込んでいる。この状態においては、吊り下げ部材36Aは、本体部35に対して筒体31Aの軸方向に平行な方向に沿って移動することが規制される。
このように実施の形態2にあっては、移動規制部40Aは、隙間S1を持って配置されたリング部365Aおよび基部361と、当該隙間S1に入り込む突出部358とによって構成されている。
筒体31Aは、実施の形態1に係る筒体31と比較した場合に、突出片部314に代えて、当接部としての突条部318(図14参照)が設けられている。突条部318は、筒体31Aの外周面310aから筒体31Aの径方向外側に突出する。
突条部318は、吊り下げ部362が収容部354に収容された状態で本体部35が筒体31Aの他端31b側に組み付けられた状態において、筒体31Aの外周面310aからリング部365Aに向けて突出し、リング部365Aに当接する。
図14は、実施の形態2に係る医療用容器において輸液容器の内部と薬剤容器の内部とを連通させた後の状態を示す医療用容器の斜視図である。図14を参照して、輸液容器10の内部と薬剤容器20の内部とを連通させた後の医療用容器1Aの状態について説明する。
実施の形態2に係る医療用容器1Aにおいても、輸液容器10の内部と薬剤容器20の内部とを連通される場合には、吊り下げ部材36Aおよび本体部35を一体に回動させることにより、保持部材32を筒体31Aの一端側に向けて押動する。これにより、薬剤容器20の弾性封鎖膜203が第1穿刺針331に刺通され、かつ、輸液容器10の閉鎖膜104が第2穿刺針332に刺通された状態となる。
この状態においては、吊り下げ部材36Aが初期位置から筒体31Aの軸心回りに回動している。吊り下げ部材36Aが回動することにより、上記突条部318がリング部365Aの内周面を摺動しながら、脆弱部369に向けて移動する。この際、所定の力が脆弱部369に負荷され、脆弱部369が破断する。これにより、移動規制部40Aによる吊り下げ部材36Aの移動規制が解除される。
図15は、実施の形態2に係る医療用容器において移動規制部による移動規制が解除された後に吊り下げ部材を移動させた状態を示す医療用容器の斜視図である。
吊り下げ部材36Aの移動規制が解除された後には、図15に示すように、筒体31Aから離れるように筒体31Aの軸方向に平行な方向に沿って移動させることができる。これにより、吊り下げ部362と本体部35との間に隙間が形成され、吊り下げ孔362aが開状態となる。この結果、吊り下げ部材36を用いて医療用容器1を吊り下げ、輸液容器10の取出口102から調製された液状薬品を取り出すことができる。
以上の構成を有することにより、実施の形態2に係る医療用容器1Aにあっても、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
上述した実施の形態1および2においては、第2容器として薬剤容器20が第2剤として乾燥薬剤を収容する場合を例示して説明したが、これに限定されない。薬剤容器20は、液体薬剤を収容していてもよいし、溶解液を収容していてもよい。この場合には、第1容器としての輸液容器10には、溶解液に代えて乾燥薬剤が収容されていてもよい。
上述した実施の形態1および2においては、リング部365,365Aが筒体31,31Aの外周面310aに沿って全周に亘って設けられている場合を例示して説明したが、これに限定されない。リング部365,365Aは、筒体31,31Aの周方向に沿って延在していればよく、全周に亘って設けられていなくてもよい。
上述した実施の形態1および2においては、吊り下げ部材が、基部および吊り下げ部を有し、本体部35に対してスライド移動可能に構成される場合を例示して説明したが、これに限定されない。たとえば、吊り下げ部材が、本体部の天板部に平行な回動軸回りに回動可能となるように、天板部に取り付けられていてもよい。
この場合には、薬液容器の内部と輸液容器の内部とを連通させる前の状態においては、吊り下げ部材は、略U字形状を有し、根元側が回動軸に取り付けられ、頂部側が移動規制部によって筒体に固定される。移動規制部は、本体部が所定量回転した場合に破断されるように構成される。薬剤容器20の弾性封鎖膜203が第1穿刺針331に刺通され、かつ、輸液容器10の閉鎖膜104が第2穿刺針332に刺通されることとなった状態で移動規制部が破断されることにより、移動規制部による吊り下げ部材の回動移動の規制が解除される。
以上、今回発明された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1,1A 医療用容器、10 輸液容器、20 薬剤容器、30 移注具、31,31A 筒体、31a 一端、31b 他端、31c 開口部、32 保持部材、32a 一端、32b 他端、33 両頭針、34 キャップ、35 本体部、36,36A 吊り下げ部材、37 密封部材、40,40A 移動規制部、101 輸液容器本体、102 取出口、103 第1口部、104 閉鎖膜、105 被装着部、110 封鎖部材、111 外殻部材、112 弾性栓体、113 カバー体、201 薬剤容器本体、202 第2口部、203 弾性封鎖膜、310a 外周面、310b 内周面、311 装着部、312 ガイドリブ、313 案内溝、314 突出片部、315 仕切壁、316 貫通孔、317 切欠き部、318 突条部、319 シール部材、321 保持部、321a 開放部、322 土台部、323 接続部、324 被ガイド部、325 被押動部、331 第1穿刺針、332 第2穿刺針、333 ハブ、334 腕部、351 第1筒状部、352 第2筒状部、353 接続部、354 収容部、355 リブ、356 抜け止め部、357 押動部、358 突出部、361 基部、361b 他端、362 吊り下げ部、362a 吊り下げ孔、365,365A リング部、366 突起部、368 接続部、369 脆弱部。

Claims (4)

  1. 一端側に取出口を有し、他端側に閉鎖膜で閉鎖された第1口部を有する第1容器と、
    前記第1容器の前記第1口部に装着された移注具と、
    第2口部を有し、前記第2口部が弾性封鎖膜で封鎖された第2容器と、を備え、
    前記第1容器は内部に第1剤を収容し、
    前記第2容器は内部に第2剤を収容し、
    前記移注具は、一端側に前記第1口部に装着される装着部を有し、他端側に開口部を有する筒体と、前記第2口部が前記第1口部に向くように前記第2容器を保持し、前記筒体の軸方向に平行な方向に沿ってスライド移動可能に前記筒体の内側に配置された保持部材と、前記軸方向に平行な方向に沿ってスライド移動可能に前記第1口部と前記第2口部との間に位置する部分の前記筒体内に配置され、前記第1容器の内部と前記第2容器の内部とを連通させるための両頭針と、前記筒体の前記他端側に設けられ、前記開口部を覆うキャップと、を含み、
    前記両頭針は、前記弾性封鎖膜を刺通するための第1穿刺針、および前記閉鎖膜を刺通するための第2穿刺針を有し、
    前記キャップは、前記筒体の軸心回りに回動可能に前記開口部を覆う本体部と、前記本体部と一体に回動するように前記本体部に保持された吊り下げ部材と、を有し、
    前記本体部は、回動動作に伴って前記保持部材を前記筒体の前記一端側に向けて押動する押動部を有し、
    前記吊り下げ部材は、前記移注具を吊り下げ不能とする第1位置から前記移注具を吊り下げ可能とする第2位置へと移動可能に設けられ、
    前記第1位置から前記第2位置への前記吊り下げ部材の移動を解除可能に規制する移動規制部をさらに備え、
    前記本体部および前記吊り下げ部材を一体に回動させて前記押動部によって前記第2容器を保持する前記保持部材を前記筒体の前記一端側に向けて押動することにより、前記弾性封鎖膜が前記第1穿刺針に刺通され、かつ、前記閉鎖膜が前記第2穿刺針に刺通されることとなった状態で、前記移動規制部による前記第1位置から前記第2位置への前記吊り下げ部材の移動規制が解除される、医療用容器。
  2. 前記吊り下げ部材は、前記移動規制部によって、前記筒体から離れるように前記軸方向に平行な方向に沿って移動することを規制され、
    前記筒体の外周面には、前記筒体の径方向外側に向けて突出し、前記筒体の周方向に沿って延在する突出片部が設けられ、
    前記吊り下げ部材は、前記第1位置に位置する状態において前記筒体の前記外周面に対向する対向部と、前記筒体の前記一端側から前記軸方向に前記突出片部と重なるように、前記筒体の前記外周面に向けて前記対向部から突出する突起部とを有し、
    前記突出片部には、前記突起部が前記軸方向に沿って通過可能な切欠き部が設けられており、
    前記移動規制部は、前記突出片部と前記突起部によって構成されており、
    前記本体部および前記吊り下げ部材の一体的な回動動作に伴って、前記突起部が前記軸方向に前記突出片部に重なる位置から前記切欠き部に重なる位置に移動することにより、前記移動規制部による前記第1位置から前記第2位置への前記吊り下げ部材の移動規制が解除される、請求項1に記載の医療用容器。
  3. 前記吊り下げ部材は、前記移動規制部によって、前記本体部に対して前記軸方向に平行な方向に沿って移動することを規制され、
    前記吊り下げ部材は、前記本体部の外周面に対向する基部と、前記軸方向において前記基部よりも前記筒体の前記一端側に位置し、前記軸方向において前記基部との間に隙間が形成されるように前記基部に接続された接続体と、を有し、
    前記本体部の前記外周面には、前記隙間に入り込むように突出する突出部が設けられ、
    前記接続体は、破断可能な脆弱部を有するとともに、前記筒体の外周面に対向するように前記筒体の周方向に沿って延在し、
    前記筒体の前記外周面には、前記接続体に向けて突出し、前記接続体に当接する当接部を有し、
    前記本体部および前記吊り下げ部材の一体的な回動動作に伴って前記当接部が前記接続体の内周面を摺動しながら前記脆弱部に向けて移動して前記脆弱部が破断することにより、前記移動規制部による前記第1位置から前記第2位置への前記吊り下げ部材の移動規制が解除される、請求項1に記載の医療用容器。
  4. 前記弾性封鎖膜が前記第1穿刺針に刺通され、かつ、前記閉鎖膜が前記第2穿刺針に刺通された状態で前記保持部材および前記両頭針の前記筒体の前記一端側に向けての移動が制限される回動終点位置に前記本体部が到達した際に、前記移動規制部による前記第1位置から前記第2位置への前記吊り下げ部材の移動規制が解除される、請求項1から3のいずれか1項に記載の医療用容器。
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