以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1及び図2に、本発明の第1の実施形態としての薬剤調製器具10を示す。薬剤調製器具10は、第1筒体12と第2筒体14が連結された構造とされている。第1筒体12は、第1アウタ筒部材16内に第1インナ部材18が内挿された構造とされている。一方、第2筒体14は、第2アウタ筒部材20に第2インナ部材22が内挿された構造とされている。これら第1筒体12と第2筒体14が連結されることにより、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20によって形成されたアウタ筒体24内を、第1インナ部材18と第2インナ部材22で構成されたインナ部材25がアウタ筒体24の軸方向(図2中、上下方向)で移動可能とされている。なお、図3に、アウタ筒体24を構成する第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20、および第2アウタ筒部材20に組み付けられる保持部材26を分解状態で示す。また、図4に、第1インナ部材18と第2インナ部材22を分解状態で示す。
第1アウタ筒部材16は、図5にも併せ示すように、本体筒部28と保持筒部30が連結されてなる段付の筒形状を有する一体成形品とされている。本体筒部28は、第2筒体14側(図2中、上側)に開口する有底の筒形状とされている。本体筒部28の内周面32は円形断面を有する一方、外周面34は、後述する規制板部44から保持筒部30側が、頂点部分が丸められた略八角形断面とされている。本体筒部28の内周面32には、複数(本実施形態においては、3つ)の第1係合リブ36が形成されている。これら第1係合リブ36は何れも同様の形状とされており、内周面32から本体筒部28の内方に突出して、本体筒部28の軸方向で、本体筒部28の内周面32の全長に亘って延びる突条とされている。第1係合リブ36において、本体筒部28の開口側(図3中、上側)の端部には、本体筒部28の内方に突出する第1係止突起38が形成されている。一方、第1係合リブ36において、本体筒部28の底壁40側の端部には、本体筒部28の内方に突出する第2係止突起42が形成されている。これら3つの第1係合リブ36は、内周面32を周方向で4等分する位置の3箇所に配設されており、それぞれの第1係止突起38と第2係止突起42が、本体筒部28の軸方向(図3中、上下方向)で互いに同位置に設けられている。なお、第1係合リブ36の数は限定されず、例えば1つでも良いし、4つ以上設けられていても良い。
また、本体筒部28における開口側(図3中、上側)の端部には、全周に亘って外方に突出する規制板部44が形成されている。そして、本体筒部28における規制板部44から第2筒体14側への突出部分は略円筒形状とされており、この突出部の外周面に雄螺子部46が形成されている。
さらに、本体筒部28には、周方向で第1係合リブ36が形成されていない位置に、内周面32から外周面34に貫通する操作窓48が形成されている。操作窓48は、本体筒部28の軸方向で、規制板部44から底壁40に亘ると共に、本体筒部28の周方向で、略八角形断面とされた外周面34の一辺に亘る略矩形の開口形状とされている。
このような本体筒部28に、保持筒部30が一体形成されている。保持筒部30は、本体筒部28の底壁40から、本体筒部28の開口方向(図3中、上方)と反対側に突出する略円筒形状とされている。保持筒部30は、周方向で2つに分断されており、周方向で分断されたそれぞれの内周面において底壁40と反対側の端部には、周方向に所定寸法に亘って延びる係止爪50が形成されている。なお、保持筒部30の分割数は2つに限定されず、3つ以上に分割されて、各分割部分に係止爪50が形成されていても良い。また、底壁40には、保持筒部30の内径寸法と略等しい貫通孔52が形成されており、この貫通孔52を通じて、本体筒部28の内部空間と保持筒部30の内部空間が連通されている。なお、貫通孔52の内周面には、貫通孔52の内方に突出して、貫通孔52の周方向に所定寸法に亘って延びる一対のストッパ部54,54(各図中では1つのみ図示)が、貫通孔52の径方向で対向して形成されている。
一方、図3等に示したように、第2筒体14の第2アウタ筒部材20は、案内筒部56と収容筒部58が連結されてなる段付の筒形状を有する一体成形品とされている。案内筒部56は、内周面59が第1アウタ筒部材16の雄螺子部46と略等しい円形断面を有する一方、外周面60が、第1アウタ筒部材16における規制板部44の外周縁部と等しい略八角形断面の筒形状とされている。
案内筒部56の内周面59には、複数(本実施形態においては、4つ)の第2係合リブ62が形成されている。これら第2係合リブ62は何れも同様の形状とされており、内周面59から案内筒部56の内方に突出して、案内筒部56の軸方向(図3中、上下方向)で所定の長さ寸法に亘って延びる突条とされている。第2係合リブ62において、収容筒部58側の端部には、案内筒部56の内方に突出する第3係止突起64が形成されている。一方、第2係合リブ62において、第1筒体12側の端部には、第2係合リブ62の延出方向(図3中、上下方向)の両側に形成された突起で挟まれて凹形状とされた、係合凹所66が形成されている。本実施形態においては、4つの第2係合リブ62が、内周面59の周方向で略1/4周の等間隔を隔てて形成されている。これにより、後述するように、第2アウタ筒部材20が第1アウタ筒部材16に螺合されてアウタ筒体24が形成された状態で、4つの第2係合リブ62のうちの3つが、アウタ筒体24の周方向で3つの第1係合リブ36と同位置に位置されて、アウタ筒体24の軸方向で第1係合リブ36と連続して延出するようにされている。
さらに、内周面59において、第1筒体12側の端部には、第1筒体12の雄螺子部46と螺合する雌螺子部68が形成されている。また、内周面59において、収容筒部58側の端部には、内周面59の全周に亘って連続して延びる係合凹溝70が形成されている。
一方、収容筒部58は、案内筒部56よりも内径寸法が大きくされた筒形状とされており、案内筒部56と同様に、円形断面の内周面と、略八角形断面の外周面を有する筒形状とされている。
このような構造とされた第2アウタ筒部材20には、保持部材26が内挿されて組み付けられるようになっている。保持部材26は、略一定の内径寸法と外径寸法をもって延びる円筒形状とされている。保持部材26の一方の端部は、周方向で所定の間隔毎に分断されている。これにより、保持部材26の一方の端部には、複数(本実施形態においては、6つ)の係止保持片74が形成されている。これら係止保持片74は、保持部材26の周方向で部分的に延びる(本実施形態においては、略1/6周)湾曲板形状とされている。それぞれの係止保持片74の内面には、1つ以上(本実施形態においては、保持部材26の周方向で間隔を隔てて2つ)の保持突起76が形成されている。保持突起76は、保持部材26の内方に突出して、保持部材26の軸方向に所定寸法に亘って延出する突出板形状とされており、後述する溶解液バイアル148の挿入と保持を容易且つ確実にするために、上下(図3中、上下)の両端面がテーパ形状とされた台形の板形状とされている。
また、保持部材26の内面において、保持部材26の軸方向で係止保持片74と反対側には、複数の案内突起78が形成されている。案内突起78は、保持部材26の内方に突出して、保持部材26の軸方向に所定寸法に亘って延出する板形状とされており、保持部材26の内面から突出するにつれて保持部材26の軸方向の寸法が次第に小さくなる略等脚台形の板形状とされている。これら案内突起78は、保持部材26の周方向で、隣接する係止保持片74,74の間に位置して形成されており、本実施形態においては、6つの案内突起78が、保持部材26の周方向で等間隔を隔てて形成されている。
更にまた、保持部材26の外面において、保持部材26の軸方向で係止保持片74からやや反対側に離隔した位置には、保持部材26の全周に亘って連続して延びる係合突条80が形成されている。
一方、図4および図5にも示したように、第1インナ部材18は、第1円板部82と第2円板部84が、複数の連結板部86と筒状部88で連結された一体成形品とされている。第1円板部82と第2円板部84は互いに同形状とされており、円板が所定の弦で切り落された、半円よりも大きな部分的な円板形状とされている。第1円板部82および第2円板部84の径寸法は、第1アウタ筒部材16における本体筒部28の内径寸法よりも僅かに小さくされている。これら第1円板部82と第2円板部84の外周縁部90には、複数(本実施形態においては、3つ)の係合凹部92a,92bがそれぞれ形成されている。これら係合凹部92a,92bは、略矩形の切欠形状とされている。係合凹部92a,92bは、第1アウタ筒部材16および第2アウタ筒部材20に形成された第1係合リブ36および第2係合リブ62と対応するように、外周縁部90の円弧状の部分において、第1円板部82(第2円板部84)の中心軸周りで、略1/4周の等間隔を隔てて形成されている。このような第1円板部82と第2円板部84が、板厚方向で間隔を隔てて、周方向の相対位置を互いに等しくして対向配置されており、第1円板部82の3つの係合凹部92a,92a,92aと、第2円板部84の3つの係合凹部92b,92b,92bが、それぞれ、第1円板部82および第2円板部84の周方向回りで互いに等しく位置されて、第1円板部82と第2円板部84の対向方向(図4中、上下方向)で対向位置されている。
第1円板部82と第2円板部84は、対向面間に形成された複数の連結板部86と筒状部88で連結されている。連結板部86は、第1円板部82および第2円板部84の両方に連結されて、第1円板部82および第2円板部84の径方向に延びる板形状とされている。特に本実施形態においては、3つの連結板部86(各図中では1つのみ図示)が、第1円板部82および第2円板部84の中心部分から、係合凹部92a,92bに向けてそれぞれ延出されており、連結板部86の延出端面が、係合凹部92aと係合凹部92bの間に延びて、係合凹部92bの内面と段差なく接続されている。これにより、後述するように、第1インナ部材18をアウタ筒体24に挿入して組み付ける際に、係合凹部92aに挿入された第2係合リブ62や第1係合リブ36を、連結板部86で係合凹部92bに案内して、係合凹部92bに容易に挿入することが可能とされている。
また、筒状部88は、第1円板部82および第2円板部84の両方に連結されて、第1円板部82および第2円板部84の径方向に延びる筒形状とされている。筒状部88は、第1円板部82および第2円板部84の円の中心部分から、第1円板部82および第2円板部84の弦にあたる外周縁部90の直線状部分に向けて延出されており、外周縁部90の直線状部分の中央に開口されている。このように、筒状部88と3つの連結板部86が、第1円板部82および第2円板部84の円の中心軸回りで、略1/4周の等間隔を隔てて形成されており、これら筒状部88と3つの連結板部86によって、第1円板部82と第2円板部84が相互に連結されている。
そして、第1インナ部材18には、第1円板部82および第2円板部84の円の中心軸上において、第2円板部84から突出する第1中空針94と、第1円板部82から第1中空針94と反対方向に突出する外部接続ポートとしてのシリンジ装着ポート96が形成されている。
第1中空針94の先端部98は、後述する薬剤バイアル146のゴム栓154を貫通可能なように針形状を有している。また、第1中空針94の内部には、第1薬液通路100が形成されている。第1薬液通路100は、一方の端部が、第1中空針94の先端部98に開口されていると共に、他方の端部がシリンジ装着ポート96内に開口されている。これにより、シリンジ装着ポート96は、第1薬液通路100によって第1中空針94と連通されている。第1薬液通路100は、第1中空針94の先端部98において、第1中空針94を軸直角方向(図4中、左右方向)に貫通して、第1中空針94の外周面上に開口されている。なお、シリンジ装着ポート96内には、必要に応じて、メッシュ状のフィルタ102を取り付けても良い。このようにすれば、後述する混合薬液168をシリンジへ引き抜く際に、混合薬液168をフィルタ102で濾過して、異物を除去することが出来る。
さらに、第1中空針94には、第1中空針94の内部を貫通すると共に筒状部88に連通するエア通路104が形成されている。エア通路104は、筒状部88と第1中空針94の軸方向に延びる略L字の連通路とされており、一方の端部が第1中空針94の先端部98に開口された内側開口部106とされていると共に、他方の端部が筒状部88を通じて第1円板部82および第2円板部84の外周縁部90,90に開口された外側開口部108とされている。なお、エア通路104の経路上における外側開口部108の近傍に、疎水性のフィルタ110を設けても良い。このようにすれば、エア通路104を通じて後述する薬剤バイアル146内に外気が流入される際に、外気をフィルタ110で濾過して、外気に含まれる雑菌や異物の混入を防止することが出来る。
エア通路104の外側開口部108は、封止手段としてのゴム栓112で封止されるようになっている。ゴム栓112には、長手矩形の板形状を有する封止板部114が形成されている。そして、封止板部114の一方の面の中央部分には、差込筒部116が突設されていると共に、差込筒部116を挟む両側には、一対の嵌合突部118,118が突出されている。差込筒部116は、エア通路104の外側開口部108の内径寸法よりも僅かに大きな外径寸法を有する円筒形状とされている。一方、嵌合突部118,118は、第1円板部82と第2円板部84の対向面間距離より僅かに大きな長手寸法を有する略長手矩形のブロック形状とされている。
さらに、封止板部114において、差込筒部116および嵌合突部118,118と反対側の面には、操作片120が一体形成されている。操作片120は、封止板部114の略全長に亘る幅寸法をもって、差込筒部116と反対側に突出する突片形状とされている。操作片120における封止板部114からの突出基端部には、薄肉とされて容易に曲げ変形可能な弾性屈曲部122が形成されている。
このようなゴム栓112の差込筒部116が、エア通路104の外側開口部108に圧入されることにより、外側開口部108が、差込筒部116と封止板部114で気密に封止される。また、差込筒部116が外側開口部108に圧入されると共に、一対の嵌合突部118,118が第1円板部82と第2円板部84の対向面間に圧入されることによって、ゴム栓112が第1インナ部材18に組み付けられる。特に、嵌合突部118,118を第1円板部82と第2円板部84の間に差し込むことにより、ゴム栓112が差込筒部116の中心軸回りで回転することを防止することが出来る。
一方、シリンジ装着ポート96は、採取デバイスとしての図示しないシリンジのチップ等が装着可能とされており、必要に応じて採取デバイスが螺着可能なように、外周面上に雄螺子部124が形成されている。このシリンジ装着ポート96内に、第1薬液通路100が開口されている。なお、第1円板部82には、シリンジ装着ポート96から径方向の両外側に延びる一対の位置決め突起126,126が形成されている。
このような第1インナ部材18に対して、第2インナ部材22が螺着可能とされている。第2インナ部材22は、第1インナ部材18と反対側(図4中、上側)に開口する有底円筒形状を有する一体成形品とされている。第2インナ部材22の外径寸法は、第2アウタ筒部材20に形成された複数の第2係合リブ62の間で移動可能なように、第2アウタ筒部材20の径方向(図3中の左右方向)で対向する第2係合リブ62,62の対向距離より僅かに小さくされている。
第2インナ部材22には、第2中空針128が一体形成されている。第2中空針128は、第2インナ部材22の底壁130を貫通して第2インナ部材22の中心軸上に延出されており、先端部132が第2インナ部材22の内部に突出されている一方、先端部132と反対側の端部には、底壁130から第2インナ部材22の外側に突出されたルアー134が形成されている。第2中空針128の内部には、第2薬液通路136が形成されている。第2薬液通路136は、一方の端部が先端部132に開口されていると共に、他方の端部がルアー134内に開口されている。第2薬液通路136は、先端部132において、第2中空針128を軸直角方向に貫通して、第2中空針128の外周面上の2箇所に対向して形成された一対の開口穴138,138を通じて外部に連通されている。
また、ルアー134の周囲には、雌螺子部140が形成されている。雌螺子部140は、底壁130からルアー134と同方向に突出して、ルアー134と同一中心軸上に延びる略円筒形状を有しており、その内周面に螺子が形成されている。なお、雌螺子部140の底壁130からの突出端面には、一対の位置決め凹部142,142が、雌螺子部140の径方向に延出して形成されている。
更にまた、第2インナ部材22の外周面上には、第2インナ部材22の径方向の外側に突出して、第2インナ部材22の全周に亘って延びる係合板部144が形成されている。係合板部144には、第2筒体14の第2係合リブ62に対応して、4つの係合凹部92cが、第2インナ部材22の周方向に略1/4周の等間隔を隔てて形成されている。
なお、これら第1アウタ筒部材16、第2アウタ筒部材20、保持部材26、第1インナ部材18および第2インナ部材22は、それぞれが樹脂材料によって一体成形されている。これら各部材に用いられる材料としては、薬剤に溶出するといった、薬剤に対して悪影響を与えることのないものが使用され、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS(acrylonitrile butadiene styrene)、環状ポリオレフィン、ポリアセタール、ステンレス等が使用される。
以上の各部材を用いて薬剤調製器具10を組み立てる場合には、先ず、図3に示したように、保持部材26が、第2アウタ筒部材20の収容筒部58側から差し込まれる。保持部材26の第2アウタ筒部材20への差し込み量は、保持部材26が第2アウタ筒部材20の第2係合リブ62に当接することで規定されるようになっている。そして、図2に示したように、かかる差込端位置において、保持部材26の係合突条80が第2アウタ筒部材20の係合凹溝70と係合されることで、保持部材26が第2アウタ筒部材20への収容状態で固定されるようになっている。
次に、第2アウタ筒部材20と第1アウタ筒部材16が、雌螺子部68と雄螺子部46で相互に螺合されて連結される。このように、本実施形態においては、第1アウタ筒部材16の雄螺子部46と第2アウタ筒部材20の雌螺子部68によって、連結手段が構成されている。以上により、アウタ筒体24が形成される。なお、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20の連結状態で、第1アウタ筒部材16の3つの第1係合リブ36と、第2アウタ筒部材20の4つの第2係合リブ62のうちの3つが、アウタ筒体24の周方向で互いに同位置に位置されて、アウタ筒体24の軸方向(図2中、上下方向)に連続して延びるようにされる。
一方、第1インナ部材18と第2インナ部材22は、第1インナ部材18の雄螺子部124に、第2インナ部材22の雌螺子部140が螺着されることで、相互に連結される。これにより、インナ部材25が構成される。そして、第1インナ部材18のシリンジ装着ポート96に、第2インナ部材22のルアー134が接続されて、第1薬液通路100と第2薬液通路136が接続されることにより、これら第1薬液通路100と第2薬液通路136によって、第1中空針94と第2中空針128を貫通する内部連通路が形成される。また、第1インナ部材18の周方向の3箇所に設けられた係合凹部92a,92bと、第2インナ部材22の周方向の4箇所に設けられた係合凹部92cのうちの3つが、第1インナ部材18と第2インナ部材22の周方向で等しく位置されて、アウタ筒体24の軸方向に対応する方向(図3中、上下方向)で、同一直線上に並んで位置される。特に本実施形態においては、第1インナ部材18の位置決め突起126と、第2インナ部材22の位置決め凹部142が相互に嵌合して、第1インナ部材18と第2インナ部材22の周方向で相互に位置決めすることによって、係合凹部92a,92bに対して係合凹部92cを確実に位置決め出来るようにされている。
そして、第1インナ部材18と第2インナ部材22が相互に螺合されてなるインナ部材25が、アウタ筒体24の第2アウタ筒部材20側(図2中、上側)から差し込まれる。インナ部材25は、第1インナ部材18に組み付けられたゴム栓112の位置を第1アウタ筒部材16の操作窓48の位置に合わせると共に、図6にも示すように、係合凹部92a〜92cに、第2係合リブ62と第1係合リブ36を順次挿通しつつ(第1係合リブ36は係合凹部92aのみに挿通)アウタ筒体24に差し込まれる。また、第1インナ部材18がアウタ筒体24に差し込まれることにより、ゴム栓112の操作片120は、弾性屈曲部122において第1インナ部材18に接近する方向に弾性変形された状態で、アウタ筒体24に挿入される。
第1インナ部材18と第2インナ部材22のアウタ筒体24への差込量は、第1インナ部材18の第1円板部82が、第1アウタ筒部材16の第1係止突起38に係止されると共に、第2インナ部材22の係合板部144が、第2アウタ筒部材20の第3係止突起64に係止されることで規定され、かかる位置を、後述する薬剤バイアル146側に移動されていない初期位置としてアウタ筒体24内で保持される。初期位置において、第1アウタ筒部材16に第1インナ部材18が部分的に挿入されており、これら第1アウタ筒部材16と第1インナ部材18を含んで第1筒体12が構成されると共に、第2アウタ筒部材20に第2インナ部材22が挿入されて、第2アウタ筒部材20と第2インナ部材22を含んで第2筒体14が構成されている。なお、第1中空針94は、初期位置において、第1アウタ筒部材16の保持筒部30内には突出しないように位置されると共に、第2中空針128は、第2アウタ筒部材20の収容筒部58内には突出しないように位置されている。
また、図6にも示したように、初期位置において、第1インナ部材18は、係合凹部92aが、第1アウタ筒部材16の第1係合リブ36に対して、第1アウタ筒部材16の周方向で係合されると共に、係合凹部92bが、第2アウタ筒部材20の第2係合リブ62に対して、第2アウタ筒部材20の周方向で係合されている。これにより、第1インナ部材18が、第1円板部82と第2円板部84において、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20の周方向で、これら第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20の両方に跨って係止されており、第1インナ部材18をストッパとして第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20の中心軸周りの相対的な回転が阻止されている。その結果、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20は、雄螺子部46と雌螺子部68の螺合を解除する方向となる、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20の中心軸回りでの相対的な回転が第1インナ部材18で阻止されており、本実施形態においては、第1インナ部材18とその係合凹部92a,92b、第1アウタ筒部材16の第1係合リブ36、第2アウタ筒部材20の第2係合リブ62を含んで、分離規制手段が構成されている。
次に、図7及び図8に基づいて、本実施形態の薬剤調製器具10を用いて、薬剤を調製する方法について説明する。先ず、第1バイアルとしての薬剤バイアル146と、第2バイアルとしての溶解液バイアル148を用意する。薬剤バイアル146は、ガラス瓶150と、ガラス瓶150の口部152の開口を封止するゴム栓154を含んで構成されている。薬剤バイアル146の内部には、凍結乾燥された蛋白製剤等の固形の薬剤156が封入されている。薬剤バイアル146の内部は真空の負圧状態とされている。一方、溶解液バイアル148は、薬剤バイアル146と略同様の構造を有しており、ガラス瓶158と、その口部160を封止するゴム栓162を含んで構成されている。溶解液バイアル148の内部には、蒸留水、生理食塩水等の液体状の溶解液164が封入されている。溶解液バイアル148の内部は常圧とされている。なお、本例においては、第1バイアルとして内部が負圧に設定された薬剤バイアル146と、第2バイアルとして内部が常圧に設定された溶解液バイアル148を例に説明するが、本発明の薬剤調製器具は、バイアル間の内圧差を用いて薬剤を移動させるものに限定して用いられるものではなく、例えば第1バイアルと第2バイアルの両方の内部が、何れも常圧に設定されたもの等でも良い。
そして、図7(a)に示すように、薬剤バイアル146の口部152を、第1アウタ筒部材16の保持筒部30に対して、保持筒部30を押し広げつつ差し込む。薬剤バイアル146の保持筒部30への差込量は、口部152がストッパ部54,54に当接されることで規定される。そして、口部152の下端縁部が係止爪50で係止保持されることにより、口部152が保持筒部30に収容された状態で、薬剤バイアル146が第1アウタ筒部材16に係止保持される。このように、本実施形態においては、第1アウタ筒部材16の保持筒部30と係止爪50を含んで第1係止保持手段が構成されている。これにより、第1中空針94が薬剤バイアル146の上方(図7(a)中、上方)に僅かに離隔して、薬剤バイアル146に向けて突出されている。
また、溶解液バイアル148の口部160を、第2アウタ筒部材20の収容筒部58に配設された保持部材26内に差し込む。そして、保持部材26の係止保持片74が、口部160と保持突起76の案内作用で押し広げられると共に、口部160が保持突起76を乗り越えた時点で係止保持片74が復帰して、ガラス瓶158における口部160の下方に形成された括れ部166に保持突起76が入り込んで係止される。これにより、口部160が収容筒部58に収容された状態で、溶解液バイアル148が、保持部材26を介して第2アウタ筒部材20に係止保持される。このように、本実施形態においては、保持部材26の係止保持片74および保持突起76を含んで、第2係止保持手段が構成されている。これにより、第2中空針128が溶解液バイアル148の下方に僅かに離隔して、溶解液バイアル148に向けて突出されている。
次に、図7(b)に示すように、溶解液バイアル148を、アウタ筒体24の内部に押し込む。これにより、口部160と保持突起76との係合が解除されて、溶解液バイアル148が薬剤バイアル146側に接近されると共に、第2中空針128が、溶解液バイアル148のゴム栓162に穿刺および貫通されて、第2薬液通路136が溶解液バイアル148の内部と連通される。続いて、溶解液バイアル148が薬剤バイアル146側に更に押し込まれることにより、第2インナ部材22を介して第1インナ部材18に薬剤バイアル146側への押し込み力が及ぼされて、第1インナ部材18における第1円板部82と第1アウタ筒部材16の第1係止突起38との係合が解除されると共に、第2インナ部材22の係合板部144と第2アウタ筒部材20の第3係止突起64との係合が解除される。これにより、第1インナ部材18と第2インナ部材22が、第2係合リブ62と第1係合リブ36で案内されつつ、アウタ筒体24の軸方向(図7中、上下方向)で薬剤バイアル146側に移動される。そして、第1インナ部材18の第1中空針94が、薬剤バイアル146のゴム栓154に穿刺および貫通されて、第1薬液通路100が、薬剤バイアル146の内部と連通される。
なお、第1インナ部材18の第1円板部82と第1係止突起38との係合力、および第2インナ部材22の係合板部144と第3係止突起64との係合力は、溶解液バイアル148が押し込まれて、少なくとも第2中空針128が溶解液バイアル148のゴム栓162に穿刺されるまで、より好ましくは、第2中空針128がゴム栓162を貫通するまで、係合が維持されるように設定されている。本実施形態においては、溶解液バイアル148の口部160が第2インナ部材22の底壁130に当接して底壁130に押し込み力が及ぼされるまで、係合が維持されるようになっている。これにより、第2中空針128の穿刺が開始された後に第1中空針94の穿刺が開始されるようになっており、例えば本例のように、薬剤バイアル146内が負圧に設定されている場合に、薬剤バイアル146が先に穿刺されて内部の負圧が解消されるおそれが防止されている。
また、第1インナ部材18と第2インナ部材22は、第1インナ部材18の第1円板部82が、第1アウタ筒部材16の底壁40に当接されることで、薬剤バイアル146側への移動端が設定されるようになっている。かかる薬剤バイアル146側への移動端位置において、第1インナ部材18の全体が第1アウタ筒部材16に収容されて、第2円板部84が、第2アウタ筒部材20の第2係合リブ62から第1アウタ筒部材16の第1係合リブ36に移動されることにより、第2円板部84の係合凹部92bと第2係合リブ62との係合が解除される。その結果、第1インナ部材18によるストッパが解除されて、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20を、雄螺子部46と雌螺子部68の螺合を解除する方向に相対的に回転操作して分離することが可能とされる。
さらに、第1インナ部材18が薬剤バイアル146側への移動端に位置されることにより、エア通路104の外側開口部108を封止するゴム栓112が、第1アウタ筒部材16の操作窓48内に位置される。これにより、変形状態でアウタ筒体24内に収容されていた操作片120の拘束が解放されて、操作片120が弾性復元力によって、操作窓48を通じて第1アウタ筒部材16の外周面34よりも外側に突出される。
そして、図8(a)に示すように、薬剤バイアル146に第1中空針94が穿刺されると共に、溶解液バイアル148に第2中空針128が穿刺されることにより、薬剤バイアル146の内部と溶解液バイアル148の内部が、第1薬液通路100と第2薬液通路136によって形成された内部連通路を通じて連通される。そして、薬剤バイアル146の内圧が、溶解液バイアル148の内圧よりも低いことから、この内圧差を駆動力として、溶解液バイアル148の内部の溶解液164(図7参照)が、第2薬液通路136および第1薬液通路100を通じて薬剤バイアル146の内部に流入される。これにより、薬剤バイアル146内で溶解液164と薬剤156が混合および攪拌されて、混合薬液168が調製される。
そして、図8(a)に併せ示すように、溶解液164と薬剤156との混合により混合薬液168内に泡を生じている場合には、エア通路104を封止するゴム栓112を外側開口部108から引き抜いて、薬剤バイアル146内をエア通路104を通じて外部空間と連通させる。これにより、薬剤バイアル146内の負圧を利用して薬剤バイアル146内に外気が流入されて、薬剤バイアル146の内圧が上昇される。その結果、泡の内圧を上昇させて膨張および破裂させることにより、混合薬液168内の泡を消滅させることが出来る。
次に、図8(b)に示すように、第1アウタ筒部材16の雄螺子部46と、第2アウタ筒部材20の雌螺子部68との螺合を解除して、第1筒体12と第2筒体14を分離する。なお、第1インナ部材18が第1係合リブ36に係合されていると共に、第2インナ部材22が第2係合リブ62に係合されていることにより、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20の螺合の解除操作に伴って、第1インナ部材18と第2インナ部材22も相対的に回転されて、第1インナ部材18の雄螺子部124と第2インナ部材22の雌螺子部140の螺合が解除されることで相互に分離される。また、第1インナ部材18は、薬剤バイアル146側への移動端位置において、第1円板部82が第1アウタ筒部材16の第2係止突起42を乗り越えて、第2インナ部材22側(図8中、上側)から第2係止突起42に係止されている。一方、第2インナ部材22は、係合板部144が、第2アウタ筒部材20の係合凹所66に係合されている。これにより、第1インナ部材18を第1アウタ筒部材16で係止保持すると共に、第2インナ部材22を第2アウタ筒部材20で係止保持して、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20を分離するのに伴って第1インナ部材18と第2インナ部材22を確実に分離することが出来、第1インナ部材18を第1アウタ筒部材16側に留めることが出来る。
第1筒体12から第2筒体14が分離されることにより、第1インナ部材18のシリンジ装着ポート96が、第1アウタ筒部材16の外部に露呈される。そして、シリンジ装着ポート96に図示しないシリンジを接続することで、薬剤バイアル146内に収容された混合薬液168を、第1薬液通路100を通じてシリンジ内に吸引することが出来る。
本実施形態に従う構造とされた薬剤調製器具10においては、第1インナ部材18がアウタ筒体24内にスライド可能に設けられていると共に、初期位置において、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20の両方に係合されている。そして、溶解液バイアル148に第2中空針128を穿刺させて、第1インナ部材18を薬剤バイアル146側に移動させることにより、第1中空針94が薬剤バイアル146に穿刺されると共に、第1インナ部材18の第2アウタ筒部材20との係合が解除される。これにより、第1中空針94と第2中空針128が薬剤バイアル146と溶解液バイアル148の穿刺を開始するまでは、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20の螺合を解除する、相対的な回転操作が不能とされており、第1中空針94と第2中空針128が薬剤バイアル146と溶解液バイアル148をそれぞれ穿刺して、薬剤156と溶解液164が混合された段階で、第1筒体12と第2筒体14を分離することが可能とされている。従って、薬剤156と溶解液164が混合される前に、誤って第1筒体12と第2筒体14が分離されてしまうことを防ぐことが出来、薬剤の調製作業をより確実に行なうことが出来る。
特に本実施形態においては、第1インナ部材18をアウタ筒体24の軸方向に案内する第1係合リブ36と第2係合リブ62に第1インナ部材18を係合させることで、分離規制手段が構成されている。これにより、第1係合リブ36と第2係合リブ62によって、第1インナ部材18のスライド方向の案内機構と、分離規制手段が、スペース効率良く構成されている。
また、エア通路104を封止するゴム栓112が、第1インナ部材18が薬剤バイアル146側に移動されることによって、第1アウタ筒部材16の操作窓48内に位置されるようになっている。これにより、薬剤156と溶解液164が混合される前にエア通路104が開放されて、薬剤バイアル146内の負圧が解消されるような誤操作も防止することが出来る。特に、ゴム栓112の操作片120が弾性変形可能に形成されて、操作窓48に位置された際に第1アウタ筒部材16の外周面34よりも外方に突出されることから、操作片120を掴みやすく、ゴム栓112の取り外しをより容易に行なうことが出来る。また、第1インナ部材18が第1係合リブ36と係合されて、第1アウタ筒部材16内での中心軸回りの回転が阻止されていることから、ゴム栓112を操作窓48内に確実に位置させることが出来る。
更にまた、薬剤バイアル146が、第1アウタ筒部材16の係止爪50で係止保持されると共に、溶解液バイアル148が、第2アウタ筒部材20内に設けられた保持突起76で係止保持されるようになっている。これにより、薬剤バイアル146と溶解液バイアル148を第1中空針94および第2中空針128に対して精度良く位置決めして穿刺作業をより安定的に行なうことが出来ると共に、薬剤バイアル146と溶解液バイアル148を予め薬剤調製器具10に組み付けた状態で提供することも可能となり、投与前の調製作業をより簡略化することが出来る。
次に、図9に、本発明の第2の実施形態としての薬剤調製器具170の要部の断面を、概略的に示す。本実施形態においては、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20が、相互に係合されて連結されている。即ち、第1アウタ筒部材16における第2アウタ筒部材20側の開口部には、複数の弾性係合片172が設けられており、これら弾性係合片172には、係合爪174が設けられている。一方、第2アウタ筒部材20における第1アウタ筒部材16側の開口部には、弾性係合片172に対応して、突起状の係合部176が設けられている。これら弾性係合片172の係合爪174と係合部176が互いに係合されることによって、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20が相互に連結されるようになっており、弾性係合片172と係合部176を含んで、連結手段が構成されている。
そして、第1インナ部材18は、図9(a)に示す、薬剤バイアル146(図7参照)側に移動されていない初期位置において、弾性係合片172の後方(係合部176と反対側)に位置されるようになっている。なお、第1インナ部材18は、例えば前記第1の実施形態と同様に、第1係止突起38(図2参照)等の適当な係止手段によって、初期位置に保持することが出来る。これにより、弾性係合片172は、第1インナ部材18で支持されて、係合部176との係合を解除する方向(第1アウタ筒部材16の内方)への変形が阻止されている。
そして、図9(b)に示すように、第1インナ部材18が薬剤バイアル146側(図9中、下側)に移動されることにより、弾性係合片172の後方から外れて位置される。これにより、第1インナ部材18による支持が解除されて、弾性係合片172が係合部176から離隔して、係合爪174と係合部176との係合を解除することの出来る方向(第1アウタ筒部材16の内方)に弾性変形可能とされる。その結果、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20との係合が解除可能とされて、第1筒体12と第2筒体14との分離が可能とされる。なお、図示は省略するが、第1インナ部材18と第2インナ部材22(図2参照)は、前記雄螺子部124および雌螺子部140等の螺着構造を有することなく、第2インナ部材22の第2中空針128が第1インナ部材18のシリンジ装着ポート96に接続されることで相互に連結されて、第2インナ部材22が、第1インナ部材18に対して上方(図9中、上方)に変位されるのみで第1インナ部材18と分離可能とされることが好ましい。このようにすれば、弾性係合片172と係合部176との係合を解除した後に、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20を分離することにより、第1インナ部材18と第2インナ部材22を、螺合を解除するための回転操作等の特別な操作を要すること無く、第1アウタ筒部材16と第2アウタ筒部材20の分離操作に伴って分離することが出来る。
本実施形態においては、弾性係合片172と係合部176を含んで連結手段が構成されている。そして、第1インナ部材18を、初期位置において弾性係合片172を支持する位置に配設すると共に、薬剤バイアル146側に移動させて弾性係合片172の弾性変形を許容することで、分離規制手段が構成されている。このように、第1筒体12と第2筒体14を相互に連結する連結手段として、第1筒体12と第2筒体14を相互に係合させて連結する等しても良い。そして、連結手段の具体的構造に対応して、分離規制手段としては、第1筒体12と第2筒体14との係合の解除操作を阻止および許容する構造を採用しても良い。なお、図9はあくまでも例示であり、弾性変形可能な弾性係合片と、これと係合する係合部は、第1アウタ筒部材と第2アウタ筒部材の何れに設けられていても良いし、その具体的形状や個数は何等限定されない。例えば、弾性係合片を第1アウタ筒部材の開口部ではなく、軸方向の中間部分に設ける等しても良い。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、第1筒体と第2筒体を連結する連結手段の具体的態様は、前記実施形態のものに限定されない。そして、連結手段の解除操作を阻止および許容する分離規制手段の具体的態様も、連結手段の具体的態様に応じて各種の態様が採用可能であって、前記実施形態の態様に限定されるものではない。
また、前記第1の実施形態における第1インナ部材18の雄螺子部124と、第2インナ部材22の雌螺子部140は必ずしも必要ではなく、第1インナ部材と第2インナ部材は、第2バイアルからの押込力等により、第2インナ部材を介して第1インナ部材が第1バイアル側に移動されるものであればよく、必ずしも相互に固定されている必要はない。
更にまた、前記第1の実施形態におけるエア通路104とこれを封止するゴム栓112は、接続されるバイアルの内圧状態等を考慮して、必要に応じて設けられるものであり、本発明において必ずしも必要ではない。