JP2019154294A - 医療器具用部材、医療器具および放射線滅菌済み医療器具の製造方法 - Google Patents

医療器具用部材、医療器具および放射線滅菌済み医療器具の製造方法 Download PDF

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隆志 小田
真実 中島
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真実 中島
寛 宮廻
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寛 宮廻
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Abstract

【課題】放射線照射による劣化や変質が抑制された医療器具を実現できる医療器具用部材を提供する。【解決手段】本発明の医療器具用部材は、放射線を照射することにより滅菌される医療器具を構成する部材であって、フッ素含有環状オレフィンポリマーを含む樹脂組成物により構成され、上記樹脂組成物中の酸化防止剤の含有量が、上記フッ素含有環状オレフィンポリマー100質量部に対して、0.3質量部未満である。【選択図】なし

Description

本発明は、医療器具用部材、医療器具および放射線滅菌済み医療器具の製造方法に関する。
医療分野には様々な医療用材料が用いられている。医療用材料を大きく分類すると、金属、セラミックス、及び高分子の3つの材料がある。これらのうち、高分子材料はその用途の種類と、加工の容易さ等から多くの医療の現場で医療用材料として使用されており、より機能性の高い医療用材料の開発が望まれている。ここで、重要なことは、医療用材料としての機能性もさることながら、最終製品の段階で滅菌可能なことが大切な要件として挙げられている。
日本薬局方では、“滅菌とは、物質中のすべての微生物を殺菌または除去すること”と定義されており、一般的に広く実施されている滅菌法として、高圧蒸気滅菌、エチレンオキサイドガス(EOGと称す)滅菌、及び放射線滅菌が示されている。
高圧蒸気滅菌法は比較的簡便な方法で、例えば、オートクレーブを用い、121℃(飽和蒸気圧1.0kg/cmG)、20分の標準的な条件で実施され、種々の医療用材料の滅菌が高温高圧材料に耐える材料であれば可能である。しかし、金属やセラミックスは高温高圧に十分耐えられるが、多くの高分子材料は劣化や変性が起こるためあまり用いられていないのが現状である。
一方、EOG滅菌法は、古くからEOGが殺菌剤として有効であると認められることにより、滅菌効果の増加や効率的な安全性の高い滅菌装置の開発が行われている。高分子材料からなる医療器具を用いる現場においても、広く普及している。しかし、近年EOG滅菌後の材料中にEOGが残留し、それが生体に対して悪影響を及ぼすことが指摘されており、EOG滅菌法が敬遠され、放射線滅菌法に移行する傾向にある。
放射線とは、放射性崩壊等によって放出される粒子(光を含む)のつくるビームであり、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線及びエックス線等がある。ここで、一般的な医療用材料の滅菌にはコバルト60からのガンマ線と電子線照射がよく用いられている。比較的最近まで、汎用合成高分子材料に対してガンマ線や電子線は、おおむね大きな影響を及ぼさず、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、合成ゴム等は放射線により滅菌可能であるとされ、実際に広範囲に使用されてきた。しかし、一般的な滅菌線量である25kGy程度の照射でも経時的に着色、臭気の発生及び酸化劣化等が生じる問題が指摘されており、他の滅菌法として紫外線やプラズマによる方法が検討されている。しかしながら、紫外線やプラズマ滅菌法は簡便な方法として一部使用可能であるが、その低い透過性のため適用範囲はおのずと限られているのが現状である。
高分子材料に対する放射線照射効果の特徴は、放射線照射により発生するフリーラジカルの影響から、高分子鎖間の架橋と分子の崩壊とに大別される。架橋とは、放射線照射によりラジカルが発生し高分子鎖間もしくは高分子鎖内で新たな結合が生じることであり、結合様式によっては柔軟な性状の物性が、硬脆く変質し高分子材料の強度が著しく悪化する等の力学的性質を悪化させる。一方、崩壊とは、放射線照射によって高分子鎖が切断し平均分子量が低下することであり、その際に発生したオリゴマーやモノマーの毒性が懸念される。これら架橋と崩壊は、通常、同時に進行する。また、放射線照射に伴って発生したラジカルは短時間に消失するのではなく、フリーラジカルとして長時間材料内に残存するため、滅菌後の保管期間において、徐々に材料の力学的性質が悪化したり、オリゴマーやモノマー等の毒性が懸念される物質の発生量が増加したりする。
このフリーラジカルを除去する方法として、放射線滅菌後の高分子材料を100℃以上の温度で熱処理する方法が知られているが、熱処理による残留ひずみの影響で最終製品が変形する場合が多く、汎用的に使用される方法ではない。また、放射線滅菌に伴う劣化や臭気発生を抑えるため、高分子材料に添加物として、例えば、水添ロジンメチルエステルを配合する方法が提案されているが(特許文献1)、放射線照射により発生するフリーラジカルを完全には除去できないため、その効果はあまり期待できない。
培養した細胞を医療や創薬開発に用いる細胞培養分野では、通常、細胞を培養するための容器の高分子材料としてポリスチレンが広く用いられている。しかしながら、比較的、放射線耐性があるとされているポリスチレンであっても、その適応において、放射線による劣化を防止するために放射線吸収剤やラジカル発生の起因となる酸素除去のための酸素吸収剤等の各種添加剤を調合した形態で用いられている。また、スチレン系の材料で、放射線耐性を改良することを一つの目的として、高分子材料として、例えば、スチレンとオレフィンとのブロック共重合体を材料とする医療器具用成型体が開示されている(特許文献2)。しかしながら、例えば、近年の再生医療に代表される培養した細胞の医療への適応や生態内と等しく細胞機能を発現させ、薬効を評価する等の創薬開発への適応等、近年、著しく進歩している細胞培養の分野においては、これまで安全とされた医療器具でも、例えば、培養した細胞の体内への移植後の長期安全性等、未知数の危険性を含む分野では決して安全な材料ではない。
また、耐放射線性材料として、環状オレフィン系樹脂組成物成形体が知られている(例えば、特許文献3)。特許文献3には、[A]特定の化学式で示される環状オレフィン系樹脂:100重量部と、[B]リン系安定剤:0.01〜10重量部と、からなる環状オレフィン系樹脂組成物から形成され、放射線滅菌されるかあるいは放射線滅菌された環状オレフィン系樹脂組成物成形体が記載されている。特許文献3には、このような成形体は、透明性、耐熱性、剛性、防湿性に優れるとともに、耐放射線性にも優れていると記載されている。
特開昭61−213243号公報 特開2002−272834号公報 特開平9−12794号公報
しかし、特許文献3に記載の環状オレフィン系樹脂組成物成形体は、リン系安定剤等の酸化防止剤をある程度配合しなければ耐放射線性が得られず、耐放射線性を向上させる観点において改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、放射線照射による劣化や変質が抑制された医療器具を実現できる医療器具用部材を提供するものである。
本発明によれば、以下に示す医療器具用部材、医療器具および放射線滅菌済み医療器具の製造方法が提供される。
[1]
放射線を照射することにより滅菌される医療器具を構成する部材であって、
フッ素含有環状オレフィンポリマーを含む樹脂組成物により構成され、
上記樹脂組成物中の酸化防止剤の含有量が、上記フッ素含有環状オレフィンポリマー100質量部に対して、0.3質量部未満である医療器具用部材。
[2]
上記[1]に記載の医療器具用部材において、
上記フッ素含有環状オレフィンポリマーが下記一般式(1)で表される構造単位を含む医療器具用部材。
Figure 2019154294
(上記一般式(1)中、R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルキル基、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルコキシ基およびフッ素を含有する炭素数2〜10のアルコキシアルキル基からなる群より選択されるフッ素含有基であり、R〜Rがフッ素含有基ではない場合、R〜Rは、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基および炭素数2〜10のアルコキシアルキル基からなる群より選択される有機基であり、R〜Rは同一でも異なっていてもよく、またR〜Rは互いに結合して環構造を形成していてもよく、nは0または1の整数を表す。)
[3]
上記[1]または[2]に記載の医療器具用部材において、
当該医療器具用部材に対して、50kGyの照射線量でガンマ線を照射した後、
下記方法1の電子スピン共鳴法(ESR)により測定される、上記医療器具用部材のフリーラジカルの発生量を示すピーク強度が−100以上100以下である医療器具用部材。
(方法1:ガンマ線照射後の上記医療器具用部材から試験片を50mg切り出し、Xバンド対応の石英試料管に入れ、外部標準として酸化マグネシウムに担持されたMn2+標準サンプルを用いて、以下の条件で電子スピン共鳴装置を用いて、上記試験片の電子スピン共鳴スペクトルを測定する。次いで、得られたESRスペクトルにおいて、磁場(mT)の範囲が320mTから330mTの範囲に生じるピーク強度からフリーラジカルの発生量を算出する。
測定条件:共鳴周波数9.2GHz、マイクロ波1mW、中心磁場326.5mT、掃引幅±7.5mT、変調周波数100kHz、掃引時間4min、時定数0.03sec、増幅度100)
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の医療器具用部材において、
上記酸化防止剤が、リン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤および硫黄系酸化防止剤から選択される少なくとも一種を含む医療器具用部材。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の医療器具用部材を備える医療器具。
[6]
上記[5]に記載の医療器具において、
細胞培養用容器である医療器具。
[7]
放射線滅菌済み医療器具の製造方法であって、
フッ素含有環状オレフィンポリマーを含む樹脂組成物により構成された医療器具用部材を備える医療器具を準備する工程と、
上記医療器具に対して放射線を照射することにより上記医療器具を滅菌する工程と、
を含む放射線滅菌済み医療器具の製造方法。
[8]
上記[7]に記載の放射線滅菌済み医療器具の製造方法において、
上記放射線がガンマ線である放射線滅菌済み医療器具の製造方法。
[9]
上記[8]に記載の放射線滅菌済み医療器具の製造方法において、
上記医療器具を滅菌する工程における上記ガンマ線の照射線量が0.1kGy以上100kGy以下である放射線滅菌済み医療器具の製造方法。
[10]
上記[7]乃至[9]のいずれか一つに記載の放射線滅菌済み医療器具の製造方法において、
フリーラジカルを除去する工程を含まない放射線滅菌済み医療器具の製造方法。
[11]
上記[7]乃至[10]のいずれか一つに記載の放射線滅菌済み医療器具の製造方法において、
上記医療器具が細胞培養用容器である放射線滅菌済み医療器具の製造方法。
本発明によれば、放射線照射による劣化や変質が抑制された医療器具を実現できる医療器具用部材を提供する。
また、本発明の医療器具用部材は成型性の自由度が高く、様々な形態の医療器具に加工することができることから、産業上の利用価値も高い。
実施例1、比較例2および比較例4の医療器具用部材に50kGyのガンマ線をそれぞれ照射した後の4日後のサンプルを分析したESRスペクトルを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」の意である。また、「−c以上d以下」との表記は、特に断らない限り、ゼロを含むことを表す。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
(医療器具用部材および放射線滅菌済み医療器具の製造方法)
本実施形態に係る医療器具用部材は、放射線を照射することにより滅菌される医療器具を構成する部材であって、フッ素含有環状オレフィンポリマーを含む樹脂組成物により構成され、上記樹脂組成物中の酸化防止剤の含有量が、上記フッ素含有環状オレフィンポリマー100質量部に対して、0.3質量部未満であり、好ましくは0.1質量部未満であり、さらに好ましくは0.05質量部未満であり、特に好ましくは0.01質量部未満である。本実施形態に係る医療器具用部材は、後述するように、放射線滅菌した際に、フリーラジカルの発生量が極めて少ない、あるいはフリーラジカルが発生しないため、フリーラジカルを補足する、あるいは無害化するための酸化防止剤の含有量を上記上限値未満とすることが可能である。そのため、酸化防止剤の溶出等が抑制でき、医療器具を構成する医療器具用部材として好適に用いることができる。
ここで、フリーラジカルを補足する、あるいは無害化するための酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤および硫黄系酸化防止剤から選択される少なくとも一種が挙げられる。
本実施形態に係る医療器具用部材は、後述するように、放射線滅菌した際に、フリーラジカルの発生量が極めて少ない、あるいはフリーラジカルが発生しないため、熱処理等のフリーラジカルを除去する工程を省略して得ることができる、あるいはフリーラジカルを除去する工程を簡略化して得ることができるため、熱による劣化や変質が抑制された医療器具を実現することが可能である。
本実施形態に係る放射線滅菌済み医療器具の製造方法は、フッ素含有環状オレフィンポリマーを含む樹脂組成物により構成された医療器具用部材を備える医療器具を準備する工程と、医療器具に対して放射線を照射することにより医療器具を滅菌する工程と、を含む。本実施形態に係る医療器具用部材は、後述するように、放射線滅菌した際に、フリーラジカルの発生量が極めて少ない、あるいはフリーラジカルが発生しないため、本実施形態に係る放射線滅菌済み医療器具の製造方法は、フリーラジカルを除去する工程を省略する、あるいはフリーラジカルを除去する工程を簡略化することが可能となる。
本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーを含む樹脂組成物において、フッ素含有環状オレフィンポリマーの含有量は、本実施形態に係る医療器具用部材の耐放射線性をより向上させる観点から、樹脂組成物の全体を100質量%としたとき、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。フッ素含有環状オレフィンポリマーの含有量の上限は特に限定されないが、例えば、100質量%以下である。
本実施形態に係る医療器具用部材とは、医療器具製品を構成する部材であって、医療器具の形態に応じて、例えば、シート、フィルム、プレート状に加工された材料である。さらに、シート、フィルム、プレート状に加工された材料を、例えば異型成型等の加熱成型で所望の形態に加工した部材を含む。
本実施形態に係る医療器具を放射線滅菌する際に使用する放射線としては、例えば、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線、紫外線、遠紫外線、電子線等を用いることができる。これらの中でもガンマ線及び電子線が好ましく、ガンマ線がより好ましい。
ガンマ線滅菌は、コバルト60やセシウム137等がガンマ崩壊するときに放出されるガンマ線が生物に与える影響を利用して滅菌する。照射するガンマ線のエネルギーを極端に強めない限り、照射対象が新たに放射能を持つ放射化は無視できるほど小さい。照射対象の材質を大きく損なうことがなく、薬品による滅菌に伴う有害物質の残留もないことから、医療器具や無菌動物の飼料に用いられている滅菌方法である。
しかしながら、ガンマ線滅菌に限らず放射線を用いた滅菌では金属類以外では必ず材質劣化があることから材質劣化が問題とならない範囲内で照射しなければならない。
高分子材料の放射線照射による劣化は、通常、照射時に発生するフリーラジカル(遊離基とも称す)の影響で生じる。高分子材料を構成する原子や分子の軌道電子は、通常、2つずつ対になって存在し、安定な物質やイオンを形成し結合している。ここに熱や光等の外部エネルギーが加えられると、電子が励起されて移動したり、あるいは化学結合が二者に均一に解裂(ホモリティック解裂)したりすることによって不対電子ができ、ラジカルが発生する。発生したラジカルは、反応性が高いために、生成するとすぐに他の原子や分子との間で結合、開裂を含む反応を起こし、再度生じたラジカルが、次の原子や分子との間で結合、開裂を含む反応を起こす機構で、連鎖的に高分子材料の劣化が進行する。このような多くのラジカルは電子対を作らない電子を持つため、磁性等の電子スピンに由来する特有の性質を示す。このため、ラジカルは電子スピン共鳴による分析が可能であり、通常、ESR(電子スピン共鳴)を測定することでラジカルに関する情報を得ることが可能となる。
つまり、上述した高分子材料の放射線滅菌において、例えば、ガンマ線を照射した後の材料をESRにより分析し、ラジカル発生の有無、程度を評価することで材料の安定性を確認できる。この際に照射するガンマ線の照射線量は、医療器具向けの最終製品を嗜好する場合、通常、0.1kGy以上から100kGy以下であり、好ましくは1.0kGy以上から100kGy以下であり、さらに好ましくは5.0kGy以上から100kGy以下である。ガンマ線の照射量が上記下限値以上である場合、滅菌が不十分で医療現場での適応において、安全上の不具合を生じる場合をより抑制することができる。また、上記上限値以下である場合、滅菌工程の工程時間を著しく悪化させプロセス適応性を悪化させる場合をより抑制することができる。また、パッケージされた形態で用いる場合、医療器具自身は劣化を生じなくても、パッケージ材料の劣化を引き起こし黄化等により製品外観を悪化させ、さらに、パッケージ材料の劣化で生じた物資が医療現場での適応において、安全上の不具合を生じる場合をより抑制することができる。
また、ガンマ線照射後に生じたラジカルは、連鎖的に結合、開裂を含む反応を起こしながら、高分子材料の劣化を引き起こすことで、一度生じたラジカルの消滅期間は、通常、非常に長い。つまり、発生したラジカルが高分子材料に与える劣化の影響は、ESRで観測されるラジカルの強度と医療器具を使用するまでの期間(時間)の積で考えられる。通常、放射線による滅菌を医療器具に適応する場合、医療現場において滅菌を実施されることは無く、外部の機関で実施されることが通例である。よって、この期間とは、ガンマ線照射後の医療器具の輸送、保管、販売等の係る商流を含めた期間が考慮され、数日、数ヵ月、場合によっては1年以上を想定する必要がある。
本発明者らは鋭意検討を進めた結果、フッ素含有環状オレフィンポリマーは、ガンマ線等の放射線を照射後のESRによる分析でラジカル発生を示すピークを生じず、高い放射線耐性を有することを知見した。
ここで、ESR測定で得られるスペクトルについて説明する。測定後に得られるスペクトルでは、通常の有機ラジカルに帰属されるシグナルはMn2+を標準物質とした場合、Mn2+に帰属される第3、第4シグナルの間、磁場で320〜330mTに観測される。シグナルは材料の極性により、ポジティブ(+)、またはネガティブ(―)、あるいは中性の場合、等価な強度でポジティブ(+)とネガティブ(―)のシグナルが同時に観察される。材料がガンマ線耐性を持ち材料の劣化を引き起こす程にラジカルを発生しないとは、ESR分析において以下に示す範囲のシグナル強度以下、あるいはこれらのシグナルを生じないことを意味し、発生量はピーク強度として確認することができる。
医療器具に用いる材料で、ガンマ線照射後のESR分析において観測されるシグナル強度の許容値は、後述する試料量、測定条件において、好ましくは−100以上から100以下であり、より好ましくは−90以上90以下であり、さらに好ましくは−80以上80以下である。この範囲のシグナル強度で観測されるラジカル発生量であれば、著しく高分子材料を劣化させることは無く、また、発生したラジカルは短時間で消滅する。
すなわち、本実施形態に係る医療器具用部材は、当該医療器具用部材に対して、50kGyの照射線量でガンマ線を照射した後、下記方法1の電子スピン共鳴法(ESR)により測定される、上記医療器具用部材のフリーラジカルの発生量を示すピーク強度が、好ましくは−100以上から100以下であり、より好ましくは−90以上90以下であり、さらに好ましくは−80以上から80以下である。
(方法1:ガンマ線照射後の上記医療器具用部材から試験片を50mg切り出し、Xバンド対応の石英試料管に入れ、外部標準として酸化マグネシウムに担持されたMn2+標準サンプルを用いて、以下の条件で電子スピン共鳴装置を用いて、上記試験片の電子スピン共鳴スペクトルを測定する。次いで、得られたESRスペクトルにおいて、磁場(mT)の範囲が320mTから330mTの範囲に生じるピーク強度からフリーラジカルの発生量を算出する。
測定条件:共鳴周波数9.2GHz、マイクロ波1mW、中心磁場326.5mT、掃引幅±7.5mT、変調周波数100kHz、掃引時間4min、時定数0.03sec、増幅度100)
(フッ素含有環状オレフィンポリマー)
放射線耐性を有する高分子材料を設計する上で指針について説明する。通常、有機化合物で発生するラジカルの安定性は、炭素上の置換基の数から1級炭素<2級炭素<3級炭素の順位で高くなる。「級」とは、1つの置換基、2つの置換基、3つの置換基の口呼である。つまり、高分子材料において、3級炭素を多く有する材料は放射線照射によりラジカルが発生しやすいことを意味する。また、ラジカルが発生することに伴う高分子材料の劣化とは、発生したラジカルが連鎖的に結合、開裂を繰り返し、高分子鎖の分子間、または分子内で架橋を生じたり、開裂により高分子鎖が切れ、生体内に取り込まれやすい分子サイズのオリゴマーやモノマーを生じたりする。つまり、ラジカル耐性を有する高分子材料を設計する際に重要なことは、「フリーラジカルを発生しない、または、発生しにくい安定な結合様式からなる材料」であり、および/または、「フリーラジカルが結合の開裂を伴う反応を起こしても切れた分子がオリゴマーやモノマー等の小分子に分解しない」構造であれば、放射線照射による高分子材料の劣化による材料の力学的安定性を損なわず、また、毒物質となるようなオリゴマーやモノマー等の小分子を生じず医療器具を用いる現場において安全な高分子材料を提供できると考えている。
本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、好ましくは下記一般式(1)で表される構造単位および下記一般式(3)で表される構造単位から選択される少なくとも一種を含み、より好ましくは下記一般式(1)で表される構造単位を含む。
Figure 2019154294
Figure 2019154294
一般式(1)および一般式(3)中、R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルキル基、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルコキシ基およびフッ素を含有する炭素数2〜10のアルコキシアルキル基からなる群より選択されるフッ素含有基であり、R〜Rがフッ素含有基ではない場合、R〜Rは、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基および炭素数2〜10のアルコキシアルキル基からなる群より選択される有機基であり、R〜Rは同一でも異なっていてもよく、またR〜Rは互いに結合して環構造を形成していてもよく、nは0または1の整数を表す。
一般式(1)に示す本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、主鎖にラジカルが発生し難い2級炭素を有し、側鎖に脂肪族炭化水素からなる環構造を有し共有結合を介してフッ素原子、またはフッ素原子を有する置換基が結合している。主鎖と側鎖の結合様式は3級炭素である。この唯一存在する3級炭素においても、共有結合を介したフッ素原子の電子吸引性の効果で結合は安定化されており、通常の3級炭素よりラジカルが発生し難い構造であると考えている。また、全ての結合が主鎖に連動した結合様式をとるため、仮に発生したラジカルが何処かの結合を開裂させても、切れた部位は主鎖に連動した結合を保てるためオリゴマーやモノマー等の小分子への分解は起こり難いと考えている。
さらに、フッ素含有環状オレフィンポリマーは、主鎖に炭化水素構造を有し、側鎖にフッ素またはフッ素含有置換基を有することで、分子内に比較的大きな極性を有する。これにより溶剤溶解性に優れる傾向にあり、例えば、接着剤を使用して医療器具を製造する際に強固に接着することができる。
一般式(1)および一般式(3)において、R〜Rがフッ素含有基である場合、具体的には、フッ素;フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロピル基、ペルフルオロ−2−メチルイソプロピル基、n−ペルフルオロブチル基、n−ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロシクロペンチル基等のアルキル基の水素の一部または全てがフッ素で置換された炭素数1〜10のアルキル基;フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、ヘプタフルオロプロポキシ基、ヘキサフルオロイソプロポキシ基、ヘプタフルオロイソプロポキシ基、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロポキシ基、ペルフルオロ−2−メチルイソプロポキシ基、n−ペルフルオロブトキシ基、n−ペルフルオロペントキシ基、ペルフルオロシクロペントキシ基等のアルコキシ基の水素の一部または全てがフッ素で置換された炭素数1〜10のアルコキシ基;フルオロメトキシメチル基、ジフルオロメトキシメチル基、トリフルオロメトキシメチル基、トリフルオロエトキシメチル基、ペンタフルオロエトキシメチル基、ヘプタフルオロプロポキシメチル基、ヘキサフルオロイソプロポキシメチル基、ヘプタフルオロイソプロポキシメチル基、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロポキシメチル基、ペルフルオロ−2−メチルイソプロポキシメチル基、n−ペルフルオロブトキシメチル基、n−ペルフルオロペントキシメチル基、ペルフルオロシクロペントキシメチル基等のアルコキシアルキル基の水素の一部または全てがフッ素で置換された炭素数2〜10のアルコキシアルキル基等が挙げられる。
また、R〜Rは互いに結合して環構造を形成していてもよい。例えば、ペルフルオロシクロアルキル、酸素を介したペルフルオロシクロエーテル等の環を形成してもよい。
〜Rがフッ素含有基ではない場合、R〜Rとして具体的には、水素;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2−メチルイソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル、シクロペンチル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペントキシメチル基等の炭素数2〜10のアルコキシアルキル基等が挙げられる。
一般式(1)および一般式(3)のR〜Rとしては、フッ素;フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロピル基、ペルフルオロ−2−メチルイソプロピル基、n−ペルフルオロブチル基、n−ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロシクロペンチル基等のアルキル基の水素の一部または全てがフッ素で置換された炭素数1〜10のフルオロアルキル基;が好ましい。
フッ素含有環状オレフィンポリマーは、一般式(1)で表される構造単位一種のみからなるものでもよく、一般式(1)のR〜Rの少なくとも1つが互いに異なる二種以上の構造単位からなるものであってもよい。また、フッ素含有環状オレフィンポリマーは、一般式(1)で表される構造単位の一種または二種以上と、一般式(1)で表される構造単位とは異なる構造単位とを含むポリマー(共重合体)であってもよい。
また、フッ素含有環状オレフィンポリマーは、一般式(3)で表される構造単位一種のみからなるものでもよく、一般式(3)のR〜Rの少なくとも1つが互いに異なる二種以上の構造単位からなるものであってもよい。また、フッ素含有環状オレフィンポリマーは、一般式(3)で表される構造単位の一種または二種以上と、一般式(3)で表される構造単位とは異なる構造単位とを含むポリマー(共重合体)であってもよい。
フッ素含有環状オレフィンポリマー中、一般式(1)で表される構造単位の含有量は、ポリマー全体を100質量%としたとき、通常30〜100質量%であり、好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。
以下、フッ素含有環状オレフィンポリマー(好ましくは一般式(1)で表される構造単位を含有するもの)の具体例を挙げるが、フッ素含有環状オレフィンポリマーはこれらのみに限定されるものではない。
ポリ(1−フルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−1−フルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1−ジフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロエチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロプロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロプロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロプロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−iso−プロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロ−iso−プロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1,2−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2,2,3,3,3a,6a−オクタフルオロシクロペンチル−4,6−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2,2,3,3,4,4,3a,7a−デカフルオロシクロヘキシル−5,7−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−iso−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−tert−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロ−iso−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロ−iso−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロエチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(1−トリフルオロメチル−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−シクロペンチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ((1,1,2−トリフルオロ−2−ペルフルオロブチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−ペルフルオロエチル−2,2−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−ペルフルオロプロパニル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ヘキシル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−オクチル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロヘプチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロオクチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロデカニル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−ペルフルオロペンチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロペンチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(ペルフルオロブチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(ペルフルオロヘキシル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メトキシ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−tert−ブトキシメチル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,3,3,3a,6a−ヘキサフルオロフラニル−3,5−シクロペンチレンエチレン)等。
ポリ(1−フルオロ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−1−フルオロ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1−ジフルオロ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−ヘプタフルオロ−iso―プロピル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロエトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1−ビス(トリフルオロメトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(トリフルオロメトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロプロポキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロプロポキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロプロポキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−iso−プロポキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロ−iso−プロポキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1,2−ビス(トリフルオロメトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−tert−ブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−ペルフルオロエトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ((1,1,2−トリフルオロ−2−ペルフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−ペルフルオロブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−ペルフルオロエトキシ−2,2−ビス(トリフルオロメトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−ペルフルオロプロポキシ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−ペンタフルオロエチル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロヘトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロヘトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロヘトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ヘキシル−2−ペルフルオロヘトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−オクチル−2−ペルフルオロヘトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロヘプトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロオクトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロデトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−ペルフルオロペントキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−ペルフルオロブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−ペルフルオロヘトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−ペルフルオロペンチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(ペルフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(ペルフルオロへトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メトキシ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−tert−ブトキシメチル−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,2’,−トリフルオロエトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−(2’,2’,2’−トリフルオロエトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−(2’,2’,2’,−トリフルオロエトキシ)−2,2−ビス(トリフルオロメトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ヘキシル−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−オクチル−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,7’−トリデカフルオロヘプトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,8’,8’,8’−ペンタデカフルオロオクトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,8’,8’,9’,9’,9’−ヘプタデカフルオロデトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)等。
ポリ(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−フルオロ−3−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロエチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3−ビス(トリフルオロメチル)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビストリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロプロピル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロプロピル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−ペルフルオロプロピル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロ−iso−プロピル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−9−ペルフルオロ−iso−プロピル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3,4−ビス(トリフルオロメチル)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(2,3,3,4,4,5,5,6−オクタフルオロ−9,11−テトラシクロ[5.5.1.02,6.08,12]トリデカニレンエチレン)、ポリ(2,3,3,4,4,5,5,6,6,7−デカフルオロ−10,12−テトラシクロ[6.5.1.02,7.09,13]テトラデカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロ−iso−ブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロ−tert−ブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロ−tert−ブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−ペルフルオロ−tert−ブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジメチル−3−ペルフルオロ−tert−ブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−ペルフルオロブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメチル−4−ペルフルオロブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−フルオロ−3−ペルフルオロエチル−4,4−ビス(トリフルオロメチル)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−ペルフルオロプロパニル−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロヘキシル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロヘキシル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−ペルフルオロヘキシル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ヘキシル−4−ペルフルオロヘキシル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−オクチル−4−ペルフルオロヘキシル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロヘプチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロデカニル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−ペルフルオロペンチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメチル−4−ペルフルオロブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−3−ペルフルオロヘキシル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメチル−4−ペルフルオロペンチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(ペルフルオロブチル)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(ペルフルオロヘキシル)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メトキシ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−tert−ブトキシメチル−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(4−フルオロ−5−トリフルオロメチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−フルオロ−5−トリフルオロメチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロエチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4−ビス(トリフルオロメチル)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−5−トリフルオロメチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(トリフルオロメチル)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロプロピル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロプロピル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロプロピル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−ペルフルオロプロピル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロ−iso−プロピル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロ−iso−プロピル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4,5−ビス(トリフルオロメチル)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(3,4,4,5,5,6,6,7−オクタフルオロ−12,14−ヘキサシクロ[7.7.0.12,8.110,16.03,7.011,15]オクタデカニレンエチレン)、ポリ(3,4,4,5,5,6,6,7,7,8−デカフルオロ−13,15−ヘキサシクロ[8.7.0.12,9.111,17.03,8.012,16]ノナデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロ−iso−ブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−tert−ブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−tert−ブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−メチル−4−tert−ブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−6−ペルフルオロブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,6−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル−5−ペルフルオロブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−フルオロ−4−ペルフルオロエチル−5,5−ビス(トリフルオロメチル)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−ペルフルオロプロパニル−5−トリフルオロメチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロへキシル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロヘキシル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−
5−ペルフルオロヘキシル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ヘキシル−5−ペルフルオロヘキシル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−オクチル−5−ペルフルオロヘキシル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロヘプチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロオクチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロデカニル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−6−ペルフルオロペンチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル−6−ペルフルオロブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−12−ペルフルオロヘキシル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル−5−ペルフルオロペンチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリス(トリフルオロメチル)−5−ペルフルオロ−tert−ブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(ペルフルオロヘキシル)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メトキシ−5−トリフルオロメチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロエトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(トリフルオロメトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロプロポキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロプロポキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−ペルフルオロプロポキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロ−iso−プロポキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロ−iso−プロポキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3,4−ビス(トリフルオロメトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロブトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロ−tert−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−ペルフルオロエトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ((3,3,4−トリフルオロ−4−ペルフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−ペルフルオロブトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−フルオロ−3−ペルフルオロエトキシ−2,2−ビス(トリフルオロメトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−ペルフルオロプロポキシ−4−トリフルオロメトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロヘトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロヘトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−ペルフルオロヘトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ヘキシル−4−ペルフルオロヘトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−オクチル−4−ペルフルオロヘトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロヘプトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロオクトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロデトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−ペルフルオロペントキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−ペルフルオロブトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−ペルフルオロヘトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−ペルフルオロペンチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(ペルフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(ペルフルオロへトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メトキシ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−tert−ブトキシメチル−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,2’,−トリフルオロエトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−(2’,2’,2’−トリフルオロエトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−フルオロ−3−(2’,2’,2’,−トリフルオロエトキシ)−4,4−ビス(トリフルオロメトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフル
オロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ヘキシル−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−オクチル−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,7’−トリデカフルオロヘプトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,8’,8’,8’−ペンタデカフルオロオクトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,8’,8’,9’,9’,9’−ヘプタデカフルオロデトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(4−フルオロ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−フルオロ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−4−フルオロ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4−ジフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロエトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(トリフルオロメトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロプロポキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロプロポキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−ペルフルオロプロポキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロ−iso−プロポキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロ−iso−プロポキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4,5−ビス(トリフルオロメトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロブトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロ−tert−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−5−ペルフルオロエトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ((4,4,5−トリフルオロ−5−ペルフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−5−ペルフルオロブトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−フルオロ−4−ペルフルオロエトキシ−5,5−ビス(トリフルオロメトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−ペルフルオロプロポキシ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロヘトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロヘトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−ペルフルオロヘトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ヘキシル−5−ペルフルオロヘトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−オクチル−5−ペルフルオロヘトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロヘプトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロオクトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロデトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−ペルフルオロペントキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−5−ペルフルオロブトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−5−ペルフルオロヘトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−5−ペルフルオロペンチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(ペルフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(ペルフルオロへトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メトキシ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−tert−ブトキシメチル−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,2’,−トリフルオロエトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6
]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−5−(2’,2’,2’−トリフルオロエトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−5−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−フルオロ−4−(2’,2’,2’,−トリフルオロエトキシ)−5,5−ビス(トリフルオロメトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−5−トリフルオロメトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ヘキシル−5−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−オクチル−5−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,7’−トリデカフルオロヘプトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,8’,8’,8’−ペンタデカフルオロオクトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,8’,8’,9’,9’,9’−ヘプタデカフルオロデトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−5−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)等。
フッ素含有環状オレフィンポリマーとして、特に好ましくは、以下を挙げることができる。
ポリ(1−フルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−1−フルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1−ジフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−ヘプタフルオロ−iso―プロピル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−ペンタフルオロエチル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロエチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロプロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロプロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロプロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−iso−プロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロ−iso−プロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1,2−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2,2,3,3,3a,6a−オクタフルオロシクロペンチル−4,6−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2,2,3,3,4,4,3a,7a−デカフルオロシクロヘキシル−5,7−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−iso−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−tert−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロ−iso−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロ−iso−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロエチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(1−トリフルオロメチル−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−シクロペンチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ((1,1,2−トリフルオロ−2−ペルフルオロブチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−ペルフルオロエチル−2,2−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−ペルフルオロプロパニル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ヘキシル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−オクチル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロヘプチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロオクチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロデカニル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−ペルフルオロペンチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロペンチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(ペルフルオロブチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(ペルフルオロヘキシル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メトキシ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−tert−ブトキシメチル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,3,3,3a,6a−ヘキサフルオロフラニル−3,5−シクロペンチレンエチレン)等。
フッ素含有環状オレフィンポリマーの、示差走査熱量分析によるガラス転移温度は、好ましくは50〜250℃、より好ましくは60〜200℃、さらに好ましくは70〜160℃である。
ガラス転移温度が上記下限値以上であると、医療器具を使用する現場の使用環境において、熱による変形等を起こさず使用できる。また、ガラス転移温度が上記上限値以下であると、例えば、射出成型等の方法でフィルム、シート、プレート状の医療器具用部材を作製する際に溶融流動しやすくなり、加熱処理温度を低くすることができ、黄変等起こさず良好な成型性で医療器具用部材を作製することが可能になる。
フッ素含有環状オレフィンポリマーを、例えば試料濃度3.0〜9.0mg/mlでゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜300,000である。
重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であると、フッ素含有環状オレフィンポリマーの溶剤溶解性や医療器具を作製する際の接着剤との良好な接着性を示し、また、生物内に取り込まれるオリゴマー等を生じず、生物学的に安全な材料として医療現場で使用することができる。
フッ素含有環状オレフィンポリマーの分子量分布は、良好な加熱成型性の観点から、ある程度広い方が好ましい。重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.2〜5.0、さらに好ましくは1.4〜3.0である。
・フッ素含有環状オレフィンポリマーの製造方法
フッ素含有環状オレフィンポリマーの製造方法、より具体的には、一般式(1)で表される構造単位を含むポリマーの製造方法(重合方法)について説明する。
フッ素含有環状オレフィンポリマーは、例えば、下記の一般式(2)で表わされるフッ素含有環状オレフィンモノマーを、開環メタセシス重合触媒によって重合し、得られた重合体の主鎖のオレフィン部を水素添加することによって製造することができる。より具体的には、本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、例えば、国際公開第2011/024421号の段落0075〜0099に記載の方法に準じて製造することができる。
Figure 2019154294
一般式(2)中、R〜Rおよびnの定義や具体例等は一般式(1)と同じである。
フッ素含有環状オレフィンポリマーの製造に際しては、一般式(2)で表されるフッ素含有環状オレフィンモノマーを1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
フッ素含有環状オレフィンポリマーのオレフィン部の水素添加率は、好ましくは50モル%以上100モル%以下であり、より好ましくは70モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは90モル%以上100モル%以下である。水素添加率が上記下限値以上であると、放射線照射によって発生するラジカルによる材料の劣化を抑制でき、また、オレフィン部の酸化や光の吸収劣化を抑制することができる。
(医療器具用部材の製造方法)
本実施形態における医療器具を構成する医療器具用部材とは、フッ素含有環状オレフィンポリマーを含む樹脂組成物から製造された部材であり、例えば、異種材料として放射線照射による材料の劣化を起こさない材料であれば、金属等の無機材料、および樹脂等の有機材料と複合化した部材であっても良く形態は特に限定されない。このうち、異種材料との複合化において、放射線照射による材料の劣化を起こさない比率で複合化することを含む。
複合化に用いる異種材料としては、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、ゲルマニウム、チタン、シリコン等の金属材料、ガラス、石英、アルミナ等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂材料、ダイヤモンド、黒鉛、炭素繊維等の炭素材料等が挙げられる。
溶融成型法により医療器具を構成する部材を作製する方法としては、上記において例示したフッ素含有環状オレフィンポリマーを溶融混練機で加熱溶融しTダイを経てフィルム化する方法が挙げられる。Tダイによる溶融押出しフィルム製造においては、例えば、必要に応じて添加剤を配合した環状オレフィンポリマーを押出機に投入し、ガラス転移温度よりも好ましくは50℃〜200℃高い温度、より好ましくは80℃〜150℃高い温度で溶融混練し、Tダイから押出し、冷却ロールで送りながら、巻取りロールへ送りフィルムに加工する。
また、溶融成型法において、押出し機の樹脂出口に所望の筒状形状のダイスを設け溶融樹脂を押し出し、引き取り機にて樹脂を送り冷却することで、チューブ形状に加工することもできる。さらに、筒状形状のダイスから押し出された樹脂を金型で挟み込み、金型の空気の抽入口から空気を吹き込み樹脂を膨らませ、冷却した後に金型から離脱させるブロー成型により、フラスコ形状等の成型物を加工することもできる。
射出成型により医療器具を構成する部材を作製する方法としては、上記において例示したフッ素含有環状オレフィンポリマーを溶融混練機で加熱溶融し、プランジャー、またはスクリューを介して、金型に充填し所望の形状の部材を得る方法が挙げられる。この際に用いられる樹脂を溶融する温度は、上記したガラス転移温度よりも高い温度で行われ、射出圧力は好ましくは1MPa〜100MPa、より好ましくは5〜90MPa、さらに好ましくは10MPa〜80MPaの範囲で行われ、射出速度は成型体の形状、または生産性を考慮して好適に選ばれる。
さらに、射出成型による成型を行う際に、あらかじめ金型の中に、例えば、金属や樹脂等からなる部材を充填(インサート)しておき、加熱溶融した樹脂をプランジャー、またはスクリューを介して、金型に充填し、所望の形状で金属や樹脂と本実施形態のフッ素含有環状オレフィンポリマーを一体成型したインサート成型法を用いてもよい。
溶融押出し成型法、射出成型法、インサート成型法等の何れの成型法においても、本実施形態の効果を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤等の添加剤を添加してもよい。
他の方法としては、溶液キャスト法によるフィルム、シート成型が挙げられる。本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマーは、有機溶剤を使用して溶液化し、上記した金属等の無機材料、樹脂等の有機材料に塗工、乾燥し、コートした形態の複合部材を作製することができる。また、コートした後、剥離工程を設け単層のフィルム、シート、プレート等の形態で用いてもよい。
用いられる有機溶剤としては、例えば、ペルフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン等のフッ素含有エーテル類;テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;または、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等を挙げることができる。これらのうちから、溶解性や製膜性を考慮して選択することができる。また、これらは単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。特に、製膜性の観点からは、大気圧下で70℃以上の沸点をもつ溶剤が好ましい。これにより、蒸発速度が速くなりすぎることを確実に抑えることができ、膜表面におけるムラの発生を抑制でき、また、製膜時における膜厚精度の向上にも資することができる。
また、溶液化に使用した溶剤を乾燥により除去するための加熱の温度は、好ましくは50℃〜300℃であり、より好ましくは60〜280℃であり、さらに好ましくは70〜250℃である。段階的に加熱温度を変化させる多段のプロセスを用いてもよい。加熱の温度は、複合化させる有機、無機材料の特性や生産性を考慮して好適に選ばれ、乾燥時の時間は、医療器具として用いる際に許容される安全性を考慮した下限以下となる残留溶剤の量を確認しながら適時設定される。
さらに、医療器具の目的に応じて、本実施形態の医療器具を構成する部材の表面に凹凸構造を形成させてもよい。凹凸構造の形成は、スクリーン印刷、エンボス加工、サブミクロンインプリント、ナノインプリント等の様々な方法が適用でき、凹凸構造の形状、サイズにより好適に選ばれる。特に、サブミクロンインプリント、およびナノインプリントは、凹凸構造の形状の自由度が高く、また、サイズはマイクロからナノオーダーまで、広く適用できるため好ましく用いられる。
(医療器具)
本実施形態に係る医療器具用部材を用いた医療器具について説明する。医療器具とは、本実施形態に係る医療器具用部材を、例えば、フィルム、シート、チューブ、バッグ、シャーレ、プレート、マルチウェルプレート、容器等の形態に加工して医療の現場で使用される器具を表す。例えば、バッグの場合、本実施形態に係る環状オレフィンポリマーをシート状に成型した部材を袋状に成型し、チューブ等の関連部材と複合化した形態で、細胞培養バッグ、輸血バッグ等の形態で使用される。また、マルチウェルプレートの場合、例えば、細胞を培養するための容器として用いる医療器具が挙げられ、ポリスチレン等の樹脂材料でマルチウェルプレートの枠を作製し、細胞を播種する面としての容器底面に本実施形態に係る医療器具用部材からなるフィルム、またはシートを貼り付けた形態で使用される。
本実施形態に係る医療器具用部材を用いた医療器具としては、細胞培養用容器が好ましい。
なお、ここでの医療現場とは、例えば、試験研究目的で細胞を培養し培養細胞を用いて薬剤の代謝活性等を評価する創薬開発や、培養細胞を医療に用いる再生医療等、広く医療に関わる分野を示す。
本実施形態に係る医療器具の一例として、本実施形態に係る医療器具用部材からなるフィルムをポリスチレン製容器枠の底面に貼り付けた形態の細胞培養用のマルチウェルプレートについて説明する。
本実施形態に係る医療器具用部材からなるフィルムを底面に貼り付けた形態のマルチウェルプレートとは、上記したように細胞を播種する面に当該発明のフィルムが配置されている。この際、細胞は直接、本実施形態に係る医療器具用部材からなるフィルムと接触していても良く、浮遊した状態でも良く、さらには、当該フィルムの上に細胞の支持体を構成するバイオポリマー等の層を介して、その上に細胞が接触、または浮遊した状態でもよい。
何れの場合であっても、放射線滅菌工程において、放射線照射により材料が劣化して細胞に取り込まれる分子サイズの毒物質が容器内に発生すると細胞の増殖性、または培養した細胞の薬剤の代謝活性等が著しく悪化する場合がある。
本実施形態に係る医療器具用部材は、高い放射線照射耐性を有し、十分に滅菌効果を期待できる線量でガンマ線を照射しても、材料の劣化に起因する力学特性の悪化や、毒物質となりうる開裂等により生じる毒物質を発生しない。これにより、医療の現場において、再生医療、創薬開発等の医療行為に広く適応できる。
本実施形態における医療器具で取扱うことができる細胞の種類としては、動物細胞の場合で浮遊系細胞、接着系細胞に関わらず、例えば、線維芽細胞、間葉系幹細胞、造血幹細胞、神経幹細胞、神経細胞、角膜上皮細胞、口腔粘膜上細胞、網膜色素上細胞、歯根膜幹細胞、筋繊維芽細胞、心筋細胞、肝細胞、脾内分泌細胞、皮膚角化細胞、皮膚繊維芽細胞、皮下脂肪由来前駆細胞、腎臓細胞、底部毛根鞘細胞、鼻粘膜上皮細胞、血管内皮前駆細胞、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、骨格筋細胞、不死化細胞、がん細胞、角化細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、EBV形質転換B細胞、人工多能性幹細胞(iPS細胞)等が例示され、より具体的にはHeLa細胞、CHO細胞、Cos細胞、HL−60細胞、Hs−68細胞、MCF7細胞、Jurkat細胞、Vero細胞、PC−12細胞、K562細胞、L細胞、293細胞、HepG2細胞、U−937細胞、Caco−2細胞、HT−29細胞、A549細胞、B16細胞、MDCK細胞、BALB/3T3細胞、V79細胞、3T3−L1細胞、NIH/3T3細胞、Raji細胞、NSCLC細胞、A431細胞、Sf9細胞、SH−SY5Y細胞、BHK−21細胞、J774細胞、C2C12細胞、3T3−Swiss albino細胞、MOLT−4細胞、CV−1細胞、F9細胞、MC3T3−E1細胞、HaCaT細胞、L5178Y細胞、HuH−7細胞、Rat1細胞、Saos−2細胞、TIG細胞、CHL細胞、WI−38細胞、MRC−5細胞、Hep3B細胞、SK−N−SH細胞、MIN6細胞、KATO細胞、C3H/10T1/2細胞、DT40細胞、PLC/PRF/5細胞、IMR−90細胞、FM3A細胞、等が例示される。初代細胞あるいは継代された細胞のいずれであってもよい。
これらの細胞の由来としては各種生物、例えば、ヒト、イヌ、ラット、マウス、トリ、ブタ、ウシ、昆虫等の細胞、または、これらが集合して形成された組織、器官、微生物、ウイルス等が挙げられ、より具体的には、ヒト子宮頚部癌由来、Chinese hamster卵巣由来、CV−1細胞由来、ヒト骨髄性白血病由来、ヒト乳癌由来、ヒトT細胞白血病由来、Africa green monkey腎由来、ヒト副腎髄褐色細胞種由来、ヒト骨髄性白血病由来、C3Hマウス皮下組織由来、ヒト胎児腎由来、ヒト肝癌由来、ヒト組織球性白血病由来、ヒト大腸癌由来、ヒト肺癌由来、マウスメラノーマ由来、イヌ腎臓由来、Balb/cマウス胎仔由来、Chinese hamster肺由来、Swiss3T3由来、NIH Swissマウス胎仔由来、ヒトバーキットリンパ腫由来、ヒト肺非小細胞癌由来、ヒト皮膚Epidermoid Carcinoid由来、蛾の幼虫卵巣由来、Syrian golden hamster腎由来、マウスマクロファージ由来、マウス筋組織由来、雑系Swissマウス胎仔由来、ヒト急性T細胞白血病由来、マウスEC細胞OTT6050由来、マウスcalvaria由来、ヒト表皮角化細胞由来、DBA/2マウス胸腺腫瘍由来、ヒト幹細胞癌由来、ラット結合組織由来、ヒト骨肉腫由来、ヒト胎児肺由来、ヒト神経芽細胞腫由来、マウスインスリノーマ由来、ヒト胃癌由来、C3Hマウス胎仔由来、ニワトリB細胞白血病由来、マウス自然発生乳癌由来、等が例示される。
また、細胞支持体を構成するバイオポリマーは、生体適合性を有する高分子であって、成型可能な限り特に制限はないが、例えば、コラーゲン、ラミニン、エラスチン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、フィブリノゲン、トロンボスポンジン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸等の細胞外マトリックス分子、RGDS、ポリカルボフィルと結合したbFGF、ポリカルボフィルと結合したEGF等から選択される1種または2種以上の分子からなる高分子複合体を原料とするバイオポリマーが例示される。本実施形態に係る細胞支持体は、1種または2種またはそれ以上の上記バイオポリマーを適宜組み合わせてもよい。これらのバイオポリマーの由来は特に限定されず、ヒトだけでなく、ブタ、ウシ、魚等に由来するバイオポリマーを用いることが可能である。
上記バイオポリマーとしてコラーゲンを用いる場合には、ゼラチン製造の過程で酸・アルカリによる変性前のコラーゲン原料から精製することができる。コラーゲン原料としては、I型コラーゲン、II型コラーゲン、III型コラーゲン、IV型コラーゲン等が例示され、これらを組み合わせて用いることもできる。コラーゲンの由来は特に限定されない。また、市販のコラーゲン、例えば、細胞培養用のコーティング基質として市販されているもの等を用いることもできる。また、コラーゲンは熱変性やガラス化技術、あるいはペプチドの改変等、種々の条件で調製したものを用いることができ、このようなものとしては例えば、熱変性によって三重らせん構造をほどいてできるゼラチンや、ガラス化工程を経て製造されるビトリゲル、テロペプチドを除いてなるアテロコラーゲン等が挙げられ、これらのコラーゲンを原料とするバイオポリマーとして用いることもできる。
本実施形態における細胞支持体として好ましくは、上記のコラーゲンを原料とするバイオポリマーが挙げられる。コラーゲンを原料とするバイオポリマーとしては、上記ゼラチン、ビトリゲル、アテロコラーゲン等が挙げられるが、なかでもゼラチン、もしくはビトリゲルが特に好ましい。ゼラチンは、主として牛骨および牛皮、豚皮を原料として製造されるが、鮭等の魚の皮や鱗を原料とする場合もあり、その由来については特に限定されない。これらの原料からゼラチンを抽出・精製する方法は周知である。また、市販のゼラチンを用いることもできる。
免疫活性のないアテロコラーゲンも、再生医療においては移植の観点からは、特に好ましく用いることができる。ウシ由来のアテロコラーゲンを用いる場合は、BSE感染リスクのない皮膚由来のアテロコラーゲンを用いることが好ましく、アテロコラーゲン溶液としては、IAC−30、IAC−50(ウシ真皮由来のコラーゲン酸性溶液)、MEN−02、HAN−02、DME−02(ウシ真皮由来のコラーゲン中性溶液)が挙げられる。アテロコラーゲンは支持体の単一成分として用いることもできるし、その他のバイオポリマー支持体をアテロコラーゲンでコーティングして用いることもできる。
さらに、細胞支持体として上記したコラーゲンを原料とするバイオポリマーが用いられる場合、バイオポリマー支持体を、アテロコラーゲン以外の細胞外マトリックス成分でコーティングして用いることもできる。このような細胞外マトリックス成分としては、コラーゲン(ゼラチン)に親和性を有する細胞外マトリックス分子が好ましく、例えばラミニン、エラスチン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、フィブリノゲン等の細胞外マトリックス分子が挙げられる。なかでも、ラミニン−5(ラミニン332)等のラミニンが好ましく用いられる。
以下、実施例において、本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例におけるポリマー分析値測定方法、ガンマ線の照射方法、ガンマ線照射前後のラジカル発生有無の確認のためのESR測定法、フィルムの分析方法、材料適正評価としての細胞培養、および培養細胞の評価方法は以下に記載された通りである。
[重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)]
下記の条件下でゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用して、テトラヒドロフラン(THF)またはトリフルオロトルエン(TFT)に溶解したポリマーの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を、ポリスチレンスタンダードによって分子量を較正して測定した。
検出器:日本分光社製RI−2031および875−UVまたはViscotec社製Model270、直列連結カラム:Shodex K−806M、804、803、802.5、カラム温度:40℃、流量:1.0ml/min、試料濃度:3.0〜9.0mg/ml
[ガラス転移温度]
株式会社島津製作所社製DSC−50を用い、測定試料を窒素雰囲下で10℃/分の昇温速度で加熱し測定した。
[水素添加率測定]
ポリマー試料を重水素化アセトンに溶解し、270MHz、1H−NMRスペクトルのケミカルシフトδ=5.0〜7.0ppm範囲で二重結合炭素の水素に帰属するピークの積分値で測定した。
[フィルムの引張強度試験]
株式会社島津製作所社製「引張試験機(AG−X−5)を用い、幅10mm、長さ50mmのダンベル状に切り出したサンプルをチャック間30mmの幅で固定し、23℃の温度で、10mm/minの速度で破断するまで引張り、破断時の強度を測定した。
[全光線透過率測定]
日本電色工業社製「ヘイズメーター(NDH2000)」により、後述する溶液キャスト法で作製した厚み50〜52μmの試験片の全光線透過率を評価した。
[ガンマ線照射]
厚み50〜52μmの100mm×100mmのフィルムを、フィルム毎に耐ガンマ線袋(株式会社メイワパックス社製、商品名:カポラ(登録商標)γ)に入れてヒートシールした。このサンプルを、株式会社コーガアイソトープでガンマ線処理した。条件:線源:コバルト60、照射線強度:10kGy/hrのガンマ線を時間で調整する方法で所定量(25kGy,35kGy,50kGy)のガンマ線を照射した。
ガンマ線照射後のサンプルは、暗所にて室温(23℃)、大気下の条件で保管した。
[ラジカル発生量測定]
日本電子株式会社製「電子スピン共鳴装置(JES/TE200)」を用い、ガンマ線照射前後のサンプルを以下の方法1で測定した。
方法1:ガンマ線照射後のフィルムから試験片を50mg切り出し、Xバンド対応の石英試料管に入れ、外部標準として酸化マグネシウムに担持されたMn2+標準サンプルを用いて、以下の条件で電子スピン共鳴装置を用いて、試験片の電子スピン共鳴スペクトルを測定した。次いで、得られたESRスペクトルにおいて、磁場(mT)の範囲が320mTから330mTの範囲に生じるピーク強度からフリーラジカルの発生量を算出した。ここで、ガンマ線照射してから電子スピン共鳴スペクトルの測定までの期間は4日間である。
測定条件:共鳴周波数9.2GHz、マイクロ波1mW、中心磁場326.5mT、掃引幅±7.5mT、変調周波数100kHz、掃引時間4min、時定数0.03sec、増幅度100
[ラット凍結肝細胞による7−エトキシクマリンの代謝活性評価]
(細胞種および培養液について)
ラット初代凍結肝細胞を用い、10%ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum、FBS)、30mg/mL L−プロリン、1×10−7M デキサメタゾン、50μg/mL ハイドロコルチゾン、20ng/mL 上皮成長因子(Epidermal growth factor、EGF)、5.0×10−7M インスリン、5000units/mL ペニシリン、5000μg/mL ストレプトマイシン、D−MEM培地(高グルコース、L-グルタミン、フェノールレッド、ピルビン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム含有)を含む溶液(以下、肝細胞培養液と記載する)中で、ラット初代凍結肝細胞を培養した。
(ラット凍結肝細胞による7−エトキシクマリンの代謝活性評価)
7−エトキシクマリンをDMSOで溶解して100mMに調製した後、30mg/mL L−プロリン、1×10−7M デキサメタゾン、50μg/mL ハイドロコルチゾン、20ng/mL 上皮成長因子(Epidermal growth factor、EGF)、5.0×10−7M インスリン、5000units/mL ペニシリン、5000μg/mL ストレプトマイシン、D−MEM培地(高グルコース、L−グルタミン、フェノールレッド、ピルビン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム含有)を含む溶液で1mMに調製した(以下、7−エトキシクマリン溶液と記載する)。培養開始1日経過後の培養容器を加湿インキュベーターから取り出して肝細胞培養液を除去し、7−エトキシクマリン溶液を添加後、5時間、37℃、炭酸ガス濃度5%で反応した。反応後、7−エトキシクマリン溶液をエッペンチューブに移し、メタノール添加後、遠心して(4℃、22000×g(宮廻さん要確認)、10分間)、その上澄み溶液をHPLCで測定した。実施例および比較例に記載の7−エトキシクマリンの代謝産物の発生量については、HPLCで観察されたシグナル強度から算出し、市販の25kGyのガンマ線照射で滅菌されたポリスチレン製(コーニング社製)24穴マルチウェルプレートでの評価結果の相対値(各容器/25kGy照射のポリスチレン容器)で記載した。
[実施例1]
5,5,6−トリフルオロ−6−(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(100g)と1−ヘキセン(0.268g)のテトラヒドロフラン溶液に、Mo(N−2,6−Pr )(CHCMePh)(OBut(50mg)のテトラヒドロフラン溶液を添加し、70℃で開環メタセシス重合をモノマーが完全に消費するように行った。得られたポリマーのオレフィン部を、パラジウム5%担持カーボン触媒(5g)存在下120℃で水素添加反応を行い、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)のテトラヒドロフラン溶液を得た。
得られた溶液を孔径0.1μmのフィルターで加圧ろ過し、パラジウム担持カーボン触媒を除去した溶液をメタノールに加え、白色のポリマーをろ別、溶剤を完全に除去乾燥し99gのポリマー1を得た。
得られたポリマー1は、上記一般式(1)により表される構造単位を含有していた。また、水素添加率は100%、重量平均分子量(Mw)は78000、分子量分布(Mw/Mn)は1.70、ガラス転移温度は110℃であった。
次いで、ポリマー1の濃度を35質量%に調整したメチルイソブチルケトン溶液を調製し、ガラス基板上にアプリケーターを用いて塗膜を形成し、その後、130℃で5時間乾燥した。乾燥後、ガラス基板から剥離して厚み50μmのポリマー1からなる無色透明のフィルム1を得た。フィルム1のTGAから、30℃から300℃の解析範囲において重量減少は見られず、残留溶剤が無いことを確認した。作製したフィルム1の分析結果から、引張強度は52Paであり、全光線透過率は94.7%であった。
次いで、ポリマー1からなるフィルム1を100mm×100mmのサイズに3枚切り出し、それぞれを25kGy、35kGy、50kGyの照射線量でガンマ線処理した。何れのフィルムでも処理後のフィルムは無色透明で黄変は見られなかった。また、ESR測定において、何れのガンマ線処理後のフィルムでも明確なラジカルの発生を示すシグナルは観察されなかった。代表例として、50kGyの照射後のESRスペクトルを図1に示す。
さらに、25kGy、35kGyおよび50kGyのガンマ線照射2週間経過後のフィルム3枚をそれぞれ短冊状(幅10mm、長さ50mm)に切り出したサンプルを用いて測定した引張強度は、25kGy照射フィルムが52MPa(ガンマ線照射前後の変化率=1.0)であり、35kGy照射フィルムが51MPa(ガンマ線照射前後の変化率=1.0)であり、50kGy照射フィルムが52MPa(ガンマ線照射前後の変化率=1.0)であり何れの照射線量でもフィルム1の強度に変化は見られなかった。さらに、何れの照射線量のフィルムでも全光線透過率は94.7%であった。
ガンマ線を25kGy、35kGy、50kGyの照射線量で照射した何れのフィルム1においても、ラジカルの発生量分析、フィルム外観、フィルム強度、全光線透過率を測定した結果から、未照射フィルムと何れの分析項目においても変化無く、ポリマー1は高いガンマ線耐性を持つことが分かった。
[実施例2]
フッ素含有環状オレフィンモノマーの種類を5,6−ジフルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに変更したこと以外は、実施例1と同様な方法により97gのポリマー2とするポリ(1,2−ジフルオロ−1−ペンタフルオロエチル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)を得た。
得られたポリマー2は、上記一般式(1)により表される構造単位を含有していた。また、水素添加率は100%、重量平均分子量(Mw)は80000、分子量分布(Mw/Mn)は1.52、ガラス転移温度は110℃であった。
次いで、実施例1と同様の方法により厚み51μmのポリマー2からなる無色透明のフィルム2を得た。フィルムのTGAから、30℃から300℃の解析範囲において重量減少は見られず、残留溶剤が無いことを確認した。作製したフィルム2の分析結果から、引張強度は50MPaであり、全光線透過率は94.9%であった。
次いで、ポリマー2からなるフィルム2を、50kGyの照射線量でガンマ線処理した。処理後のフィルムは無色透明で黄変は見られなかった。また、ESR測定において、ラジカルの発生を示す明確なシグナルは観察されなかった。さらに、ガンマ線照射後2週間経過後のフィルムを短冊状(幅10mm、長さ50mm)に切り出したサンプルを用いて測定した引張強度は50MPa(ガンマ線照射前後の変化率=1.0)であり、全光線透過率は94.9%であった。
ガンマ線を50kGyの照射線量で照射したフィルム2において、ラジカルの発生量分析、フィルム外観、フィルム強度、全光線透過率を測定した結果から、未照射フィルムと何れにおいても変化無く、ポリマー2は高いガンマ線耐性を持つことが分かった。
[実施例3]
フッ素含有環状オレフィンモノマーの種類を5,6−ジフルオロ−5−へプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに変更したこと以外は、実施例1と同様な方法により98gのポリマー3とするポリ(1,2−ジフルオロ−1−ヘプタフルオロ−iso―プロピル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)を得た。
得られたポリマー3は、上記一般式(1)により表される構造単位を含有していた。また、水素添加率は100%、重量平均分子量(Mw)は142000、分子量分布(Mw/Mn)は1.40、ガラス転移温度は137℃であった。
次いで、実施例1と同様の方法により厚み52μmのポリマー3からなる無色透明のフィルム3を得た。フィルムのTGAから、30℃から300℃の解析範囲において重量減少は見られず、残留溶剤が無いことを確認した。作製したフィルム3の分析結果から、引張強度は51MPaであり、全光線透過率は95.0%であった。
次いで、ポリマー3からなるフィルム3を、50kGyの照射線量でガンマ線処理した。処理後のフィルムは無色透明で黄変は見られなかった。また、ESR測定において、ラジカルの発生を示す明確なシグナルは観察されなかった。さらに、ガンマ線照射後2週間経過後のフィルムを短冊状(幅10mm、長さ50mm)に切り出したサンプルを用いて測定した引張強度は51MPa(ガンマ線照射前後の変化率=1.0)であり、全光線透過率は95.0%であった。
ガンマ線を50kGyの照射線量で照射したフィルム3において、ラジカルの発生量分析、フィルム外観、フィルム強度、全光線透過率を測定した結果から、未照射フィルムと何れにおいても変化無く、ポリマー3は高いガンマ線耐性を持つことが分かった。
[実施例4]
フッ素含有環状オレフィンモノマーの種類を5,5,6−トリフルオロ−6−(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(40g)と8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(52g)の2種類に変更したこと以外は、実施例1と同様な方法により91gのポリマー4とするポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)とポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)の共重合体を得た。
得られたポリマー4は、上記一般式(1)により表される構造単位を含有していた。また、水素添加率は100%、重量平均分子量(Mw)は65000、分子量分布(Mw/Mn)は2.01、ガラス転移温度は145℃であった。
次いで、実施例1と同様の方法により厚み52μmのポリマー4からなる無色透明のフィルム4を得た。フィルムのTGAから、30℃から300℃の解析範囲において重量減少は見られず、残留溶剤が無いことを確認した。作製したフィルム4の分析結果から、引張強度は65MPaであり、全光線透過率は92.1%であった。
次いで、ポリマー4からなるフィルム4を、50kGyの照射線量でガンマ線処理した。処理後のフィルムは無色透明で黄変は見られなかった。また、ESR測定において、ラジカルの発生を示す明確なシグナルは観察されなかった。さらに、ガンマ線照射後2週間経過後のフィルムを短冊状(幅10mm、長さ50mm)に切り出したサンプルを用いて測定した引張強度は65MPa(ガンマ線照射前後の変化率=1.0)であり、全光線透過率は92.1%であった。
ガンマ線を50kGyの照射線量で照射したフィルム4において、ラジカルの発生量分析、フィルム外観、フィルム強度、全光線透過率を測定した結果から、未照射フィルムと何れにおいても変化無く、ポリマー4は高いガンマ線耐性を持つことが分かった。
[実施例5]
実施例1から4に記載したフィルム1から4を、底面をくり抜いた形状の24穴ポリスチレン容器枠の底面に貼り合わせ、24穴マルチウェルプレート(容器とも称す)を作製した。次いで、特に断らない限り50kGyの線量でガンマ線照射した。フィルム1については、3個の24穴マルチウェルプレートを作製し、25kGy、35kGy、50kGyの3種の条件でガンマ線を照射した。
次いで、ガンマ線照射済みの6個(フィルム1:3個、フィルム2〜4:各1個)の24穴マルチウェルプレートを使用してラット凍結肝細胞を培養し、1日培養後の細胞の代謝活性評価として、7−エトキシクマリンの代謝産物の発生量を評価した。市販のコーニング社製24穴マルチウェルプレート(材料はポリスチレンである。)を25kGyのガンマ線照射した容器を用いて実施した結果の相対値(各サンプル/25kGy照射のポリスチレン容器)として代謝活性度を表した結果を表1に示す。1.00は活性同等を、1.00未満は活性低下を、1.00より大きい場合は高い活性を意味する。表1から、フィルム1から4で作製した容器で培養したラット凍結肝細胞による7−エトキシクマリンの代謝活性は1.23から1.45であり、何れの容器もポリスチレン容器(25kGy照射)より高い代謝活性を示した。また、フィルム1から作製した容器について代謝活性は1.23から1.30であり変化がほぼなく、25kGyから50kGyのガンマ照射による劣化でオリゴマーやモノマー等の毒物質に起因して生じる代謝機能の低下は見られなかった。
これらの結果から、一般式(1)に示すフッ素含有環状オレフィンポリマーを容器底面に配置した医療器具としての24穴マルチウェルプレートにおいて、細胞培養の観点からも本実施形態に係る医療器具用部材が放射線照射による劣化を起こさない安全な材料であることが理解できる。
[実施例6]
実施例1に記載したフィルム1を、底面をくり抜いた形状の24穴ポリスチレン容器枠の底面に貼り合わせ、24穴マルチウェルプレートを作製した。次いで、50kGyの線量でガンマ線照射し、容器底部のフィルム1の細胞を播種する面を、コラーゲンを原料とするバイオポリマー溶液でコーティングした。
次いで、ラット凍結肝細胞を培養し、1日培養後の細胞の代謝活性評価として、7−エトキシクマリンの代謝産物の発生量を評価した。市販のコーニング社製24穴マルチウェルプレート(材料はポリスチレンである。)を25kGyのガンマ線照射した容器を用いて実施した結果の相対値(各サンプル/25kGy照射のポリスチレン容器)として代謝活性度を表した結果を表1に示す。表1から、フィルム1の表面をコラーゲンコートした容器で培養したラット凍結肝細胞による7−エトキシクマリンの代謝活性は1.20であり、ポリスチレン容器(25kGy照射)より高い代謝活性を示した。50kGyのガンマ照射による劣化でオリゴマーやモノマー等の毒物質に起因して生じる代謝機能の低下は見られなかった。
[比較例1]
ガンマ線滅菌グレードのポリスチレン材料として、市販のコーニング社製24穴マルチウェルプレート(材料はポリスチレンである。)を裁断して20gのテトラヒドロフラン溶液を調製し、実施例1と同様な方法で厚み50μmの無色透明なポリスチレンからなるフィルム5を作製した。フィルム5のTGAから、30℃から300℃の解析範囲において重量減少は見られず、残留溶剤が無いことを確認した。作製したフィルム5の分析結果から、引張強度は45MPaであり、全光線透過率は88.9%であった。
次いで、ポリスチレンからなるフィルム5を100mm×100mmのサイズに切り出し、25kGyの照射線量でガンマ線処理した。処理後のフィルムは薄黄色を呈していた。また、ESR測定において、ガンマ線処理後のフィルムはラジカルの発生を示すシグナルが、326mT付近に+35、327mTに−37の強度で観察された。さらに、2週間経過後のフィルムを短冊状(幅10mm、長さ50mm)に切り出したサンプルを用いて測定した引張強度は、43MPa(ガンマ線照射前後の変化率=0.96)であった。さらに、全光線透過率は88.1%であった。
ガンマ線を25kGyの照射線量で照射したフィルム5において、ラジカルの発生によるフィルムの劣化を示す、若干のフィルム外観、フィルム強度および全光線透過率の悪化が見られた。
さらに、フィルム5からなる24穴マルチウェルプレートを実施例5と同様な方法で、作製し25kGyのガンマ線照射で滅菌処理し、ラット凍結肝細胞の培養、および7−エトキシクマリンの代謝産物の発生量を評価した。滅菌処理で25kGy照射のポリスチレン容器を基準に相対値(フィルム5容器/25kGy照射のポリスチレン容器)で表す7−エトキシクマリンの代謝産物の発生量は1.00であり、7−エトキシクマリンの代謝産物の発生量に差は見られなかった。
[比較例2]
モノマーの種類を8−メチルエステル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(50g)に変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で48gのポリマー5を得た。得られたポリマー5は、一般式(1)により表される構造単位のうちn=1で置換基R〜Rが水素、Rがメチルエステル基である、非フッ素系の環状オレフィンポリマーである。
得られたポリマー5の水素添加率は100%、重量平均分子量(Mw)は75000、分子量分布(Mw/Mn)は2.22、ガラス転移温度は170℃であった。
次いで、溶剤をシクロヘキサンに変更した以外は実施例1と同様の方法により、厚み51μmのポリマー5からなる無色透明のフィルム6を得た。フィルムのTGAより、30℃から300℃の解析範囲において重量減少は見られず、残留溶剤が無いことを確認した。作製したフィルム6の分析結果から、引張強度は78MPaであり、全光線透過率は90.2%であった。
次いで、ポリマー5からなるフィルム6を、50kGyの照射線量でガンマ線処理した。処理後のフィルムは薄黄色を呈していた。また、ESR測定において、ラジカルの発生を示すシグナルが326mT付近に+1470、328mTに−1560の強度で観察された(図1参照)。さらに、ガンマ線照射後2週間経過後のフィルムを短冊状(幅10mm、長さ50mm)に切り出したサンプルを用いて測定した引張強度は59MPa(ガンマ線照射前後の変化率=0.76)であり、全光線透過率は88.9%であった。
さらに、フィルム6からなる24穴マルチウェルプレートを実施例5と同様な方法で作製し50kGyのガンマ線照射で滅菌処理し、ラット凍結肝細胞の培養、および7−エトキシクマリンの代謝産物の発生量を評価した。滅菌処理で25kGy照射のポリスチレン容器を基準に相対値(フィルム5容器/25kGy照射のポリスチレン容器)で表す7−エトキシクマリンの代謝産物の発生量は0.59であり、フィルム6のガンマ線照射による劣化で生じたオリゴマーやモノマー等の毒物質による影響で培養したラット凍結肝細胞の代謝機能が低下したことが理解できる。
[比較例3]
モノマーの種類を8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(50g)に変更し、溶剤をシクロヘキサンに変更したこと以外は実施例1と同様な方法で48gのポリマー6を得た。得られたポリマー6は、一般式(1)により表される構造単位のうちn=1で置換基R〜Rが水素、Rがメチル基である、非フッ素系の環状オレフィンポリマーである。
得られたポリマー6の水素添加率は100%、重量平均分子量(Mw)は45000、分子量分布(Mw/Mn)は2.10、ガラス転移温度は140℃であった。
次いで、溶剤をシクロヘキサンに変更した以外は実施例1と同様の方法により、厚み51μmのポリマー6からなる無色透明のフィルム7を得た。フィルムのTGAより、30℃から300℃の解析範囲において重量減少は見られず、残留溶剤が無いことを確認した。作製したフィルム7の分析結果から、引張強度は72MPaであり、全光線透過率は90.5%であった。
次いで、ポリマー6からなるフィルム7を、50kGyの照射線量でガンマ線処理した。処理後のフィルムは薄黄色を呈していた。また、ESR測定において、ラジカルの発生を示すシグナルが325mT付近に+900、327mTに−900の強度で観察された。さらに、ガンマ線照射後2週間経過後のフィルムを短冊状(幅10mm、長さ50mm)に切り出したサンプルを用いて測定した引張強度は55MPa(ガンマ線照射前後の変化率=0.76)であり、全光線透過率は88.9%であった。
さらに、フィルム7からなる24穴マルチウェルプレートを実施例5と同様な方法で、作製し50kGyのガンマ線照射で滅菌処理し、ラット凍結肝細胞の培養、および7−エトキシクマリンの代謝産物の発生量を評価した。滅菌処理で25kGy照射のポリスチレン容器を基準に相対値(フィルム5容器/25kGy照射のポリスチレン容器)で表す7−エトキシクマリンの代謝産物の発生量は0.65であり、フィルム7のガンマ線照射による劣化で生じた、オリゴマーやモノマー等の毒物質による影響で培養したラット凍結肝細胞の代謝機能が低下したと考えている。
[比較例4]
比較例1で作製したフィルム5を100mm×100mmのサイズに切り出し、50kGyの照射線量でガンマ線処理した。処理後のフィルムは薄黄色を呈していた。また、ESR測定において、ガンマ線処理後のフィルムはラジカルの発生を示すシグナルが、326mT付近に+148、327mTに−190の強度で観察された(図1参照)。さらに、2週間経過後のフィルムを短冊状(幅10mm、長さ50mm)に切り出したサンプルを用いて測定した引張強度は、33MPa(ガンマ線照射前後の変化率=0.73)であった。さらに、全光線透過率は85.3%であった。
ガンマ線を50kGyの照射線量で照射したフィルム5において、ラジカルの発生によるフィルムの劣化を示す、フィルム外観、フィルム強度および全光線透過率の悪化が見られた。
次いで、フィルム5からなる24穴マルチウェルプレートを実施例5と同様な方法で、作製し50kGyのガンマ線照射で滅菌処理し、ラット凍結肝細胞の培養、および7−エトキシクマリンの代謝産物の発生量を評価した。滅菌処理で25kGy照射のポリスチレン容器を基準に相対値(フィルム5容器/25kGy照射のポリスチレン容器)で表す7−エトキシクマリンの代謝産物の発生量は0.89(50kGy)であった。フィルム5のガンマ線照射による劣化で生じた、オリゴマーやモノマー等の毒物質による影響で培養したラット凍結肝細胞の代謝機能が低下したと考えている。
Figure 2019154294
本発明の医療器具用部材を備える医療器具は、高い放射線耐性を有し、例えば、ガンマ線で効果的な滅菌処理が可能である。例えば、医療や、細胞を用いた創薬開発、再生医療等の分野において、細胞増殖の減衰、細胞機能の減衰、細胞変異、死滅等を誘発する生体毒成分が発生しない生体適合性材料からなる医療器具を提供することができる。

Claims (11)

  1. 放射線を照射することにより滅菌される医療器具を構成する部材であって、
    フッ素含有環状オレフィンポリマーを含む樹脂組成物により構成され、
    前記樹脂組成物中の酸化防止剤の含有量が、前記フッ素含有環状オレフィンポリマー100質量部に対して、0.3質量部未満である医療器具用部材。
  2. 請求項1に記載の医療器具用部材において、
    前記フッ素含有環状オレフィンポリマーが下記一般式(1)で表される構造単位を含む医療器具用部材。
    Figure 2019154294
    (前記一般式(1)中、R〜Rのうち少なくとも1つは、フッ素、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルキル基、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルコキシ基およびフッ素を含有する炭素数2〜10のアルコキシアルキル基からなる群より選択されるフッ素含有基であり、R〜Rがフッ素含有基ではない場合、R〜Rは、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基および炭素数2〜10のアルコキシアルキル基からなる群より選択される有機基であり、R〜Rは同一でも異なっていてもよく、またR〜Rは互いに結合して環構造を形成していてもよく、nは0または1の整数を表す。)
  3. 請求項1または2に記載の医療器具用部材において、
    当該医療器具用部材に対して、50kGyの照射線量でガンマ線を照射した後、
    下記方法1の電子スピン共鳴法(ESR)により測定される、前記医療器具用部材のフリーラジカルの発生量を示すピーク強度が−100以上100以下である医療器具用部材。
    (方法1:ガンマ線照射後の前記医療器具用部材から試験片を50mg切り出し、Xバンド対応の石英試料管に入れ、外部標準として酸化マグネシウムに担持されたMn2+標準サンプルを用いて、以下の条件で電子スピン共鳴装置を用いて、前記試験片の電子スピン共鳴スペクトルを測定する。次いで、得られたESRスペクトルにおいて、磁場(mT)の範囲が320mTから330mTの範囲に生じるピーク強度からフリーラジカルの発生量を算出する。
    測定条件:共鳴周波数9.2GHz、マイクロ波1mW、中心磁場326.5mT、掃引幅±7.5mT、変調周波数100kHz、掃引時間4min、時定数0.03sec、増幅度100)
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の医療器具用部材において、
    前記酸化防止剤が、リン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤および硫黄系酸化防止剤から選択される少なくとも一種を含む医療器具用部材。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の医療器具用部材を備える医療器具。
  6. 請求項5に記載の医療器具において、
    細胞培養用容器である医療器具。
  7. 放射線滅菌済み医療器具の製造方法であって、
    フッ素含有環状オレフィンポリマーを含む樹脂組成物により構成された医療器具用部材を備える医療器具を準備する工程と、
    前記医療器具に対して放射線を照射することにより前記医療器具を滅菌する工程と、
    を含む放射線滅菌済み医療器具の製造方法。
  8. 請求項7に記載の放射線滅菌済み医療器具の製造方法において、
    前記放射線がガンマ線である放射線滅菌済み医療器具の製造方法。
  9. 請求項8に記載の放射線滅菌済み医療器具の製造方法において、
    前記医療器具を滅菌する工程における前記ガンマ線の照射線量が0.1kGy以上100kGy以下である放射線滅菌済み医療器具の製造方法。
  10. 請求項7乃至9のいずれか一項に記載の放射線滅菌済み医療器具の製造方法において、
    フリーラジカルを除去する工程を含まない放射線滅菌済み医療器具の製造方法。
  11. 請求項7乃至10のいずれか一項に記載の放射線滅菌済み医療器具の製造方法において、
    前記医療器具が細胞培養用容器である放射線滅菌済み医療器具の製造方法。
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