JP2019152390A - 吸収式冷凍機 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧吸収器より低圧吸収器での溶液散布量を多くすることができ、溶液が流下する垂直管の濡れた伝熱面を増加させ、熱交換に寄与できる有効伝熱面積の最大化を図ることができる吸収式冷凍機を提供する。【解決手段】低圧吸収器15および高圧蒸発器16は、複数本の垂直に延びる垂直管(伝熱管)14を有し、各垂直管14の管内が高圧蒸発器16を構成し、各垂直管14の管外が低圧吸収器15を構成する。そして、再生器1に接続され再生器1で濃縮された溶液を高圧吸収器6および低圧吸収器15へ送るための溶液配管29は分岐部Aを有し、分岐部Aから、高圧吸収器6に溶液を送るための溶液配管30と、低圧吸収器15に溶液を送るための溶液配管31とに分岐している。【選択図】図1

Description

本発明は、複数組の蒸発器と吸収器を備え、高圧側の蒸発器によって低圧側の吸収器を冷却する吸収式冷凍機に関する。
2組の蒸発器と吸収器を備える吸収式冷凍機は、蒸発器と吸収器を1組備えた吸収式冷凍機より、低温熱源を利用できる。一方で、蒸発器と吸収器の組合せが2組必要になることから、吸収式冷凍機としての外形寸法が大型化してしまうため、装置の小型化が課題となる。特開2008−95976号公報(特許文献1)に記載の吸収式冷凍機では、装置の小型化のために、圧力レベルが異なる2組の蒸発器と吸収器の組合せのうち、低圧側の低圧吸収器と高圧側の高圧蒸発器を垂直管(垂直配置された伝熱管)で構成し、垂直管の管外面を低圧吸収器、管内面を高圧蒸発器とし、低圧吸収器および高圧蒸発器を流下液膜式の熱交換器としている。特許文献1の吸収式冷凍機では、高圧再生器からの溶液が高温熱交換器を通過後に低圧再生器からの溶液と合流した後に、高圧吸収器、低圧吸収器の順に循環している。つまり、高圧吸収器と低圧吸収器へ流入する溶液散布量は、高圧蒸発器からの冷媒蒸気を吸収した後の溶液が低圧吸収器に流入するので、低圧吸収器の方がわずかに多くなるが、高圧吸収器と低圧吸収器ではほぼ同じになる。
また、特開2001−317835号公報(特許文献2)に記載の吸収式冷凍機では、高圧再生器からの溶液が高温熱交換器を通過後に低圧再生器からの溶液と合流し、溶液ポンプで昇圧し中温熱交換器を通過後に分岐して、一方を高圧吸収器、もう一方を低圧吸収器に循環している。
特開2008−95976号公報 特開2001−317835号公報
低圧吸収器と高圧蒸発器を垂直管で構成した吸収式冷凍機において、十分な性能を得るためには、垂直管とした低圧吸収器と高圧蒸発器の伝熱面を濡らし、熱交換できる有効伝熱面の最大化が重要になる。従来の複数本の伝熱管を水平配置した水平管群で構成されている場合では、水平管群上部に散布された溶液を、伝熱管外を隣接する伝熱管に互いに移動しながら流下させることができるので、伝熱面を濡らしやすい。
一方、垂直管の場合では、各垂直管に供給された溶液で伝熱面を濡らす必要があるが、隣接する伝熱管に移動することができないので、供給された溶液はほぼ直線的に流下することになる。したがって、濡れた伝熱面を増加させ、熱交換に寄与できる有効伝熱面積の最大化を図るためには、各垂直管に供給する溶液量を多くすることが有効な手段となる。
つまり、水平管群の伝熱面と垂直管の伝熱面を十分に濡らすために必要な、溶液散布量が異なり、垂直管では水平管群より多くの溶液散布量が必要となる。
特許文献1の技術では、高圧吸収器、低圧吸収器の順で溶液を循環させる構成となっていることから、高圧吸収器と低圧吸収器での溶液散布量がほぼ同じになるので、垂直管の低圧吸収器の伝熱面を十分に濡らすことができない。
一方、特許文献2の技術では、高圧再生器からの溶液と低圧再生器からの溶液を合流した溶液を分岐し、高圧吸収器と低圧吸収器に分配して循環させている。特許文献2は、高圧吸収器、低圧吸収器とも上部に散布装置が備えられ、伝熱管内を伝熱媒体が流れ、伝熱管外を溶液が流下する構成が記載されていることから、高圧吸収器及び低圧吸収器とも水平管群で構成されていると推定できる。つまり、特許文献2の低圧吸収器は、垂直管とは異なる構成であり、特許文献2の技術では垂直管に対応できない。
そこで、本発明の目的は、高圧吸収器より低圧吸収器での溶液散布量を多くすることができ、溶液が流下する垂直管の濡れた伝熱面を増加させ、熱交換に寄与できる有効伝熱面積の最大化を図ることができる吸収式冷凍機を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る吸収式冷凍機は、低圧蒸発器、低圧吸収器、高圧蒸発器、高圧吸収器、凝縮器、再生器、冷媒ポンプ、および溶液ポンプを備え、前記低圧吸収器および前記高圧蒸発器は、略鉛直に延びる伝熱管を有し、各伝熱管の管内が前記高圧蒸発器を構成し、各伝熱管の管外が前記低圧吸収器を構成し、 前記再生器に接続され前記再生器で濃縮された溶液を前記高圧吸収器および前記低圧吸収器へ送るための溶液配管は分岐部を有し、前記分岐部から、前記高圧吸収器に溶液を送るための溶液配管と、前記低圧吸収器に溶液を送るための溶液配管とに分岐している。
本発明によれば、高圧吸収器より低圧吸収器での溶液散布量を多くすることができ、溶液が流下する垂直管の濡れた伝熱面を増加させ、熱交換に寄与できる有効伝熱面積の最大化を図ることができる吸収式冷凍機を提供することができる。
第1の実施形態に係る吸収式冷凍機のサイクル系統図である。 流下液膜式再生器の性能特性を示すグラフ。 第2の実施形態に係る吸収式冷凍機のサイクル系統図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。なお、各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係る吸収式冷凍機100のサイクル系統図である。
吸収式冷凍機100は、再生器1、凝縮器4、高圧吸収器6、高圧蒸発器16、低圧吸収器15、低圧蒸発器18、溶液熱交換器26、27、冷媒ポンプ21、22、溶液ポンプ23、24、25などを備えている。図中のAは溶液の分岐部、Bは溶液の合流部を示す。
再生器1の内部には、水平配置した複数本の伝熱管3が設けられており、当該伝熱管3の上部には溶液散布装置2が配置されている。再生器1は、流下液膜式の熱交換器である。凝縮器4の内部には、水平配置した複数本の伝熱管5が設けられている。再生器1と凝縮器4とは、蒸気通路28で気相部が連通されている。再生器1の底部には、溶液配管29が接続されている。溶液配管29は、溶液ポンプ25および溶液熱交換器27を介して分岐部Aまで延びている。分岐部Aの一方側には、溶液配管30が接続され、他方には、溶液配管31が接続されている。溶液配管30は、高圧吸収器6の上部に設けられた溶液散布装置7に接続されている。溶液配管30には、流量調整弁39が設けられている。溶液配管31は、溶液熱交換器26を介して低圧吸収器15の上部に設けられた溶液散布装置12に接続されている。流量調整弁39により、分岐部Aから高圧吸収器6までの溶液配管30を流れる溶液の圧力損失は、分岐部Aから低圧吸収器15までの溶液配管31を流れる溶液の圧力損失より大きく設定される。なお、伝熱管3は、その機能を発揮できるのであれば、正確に水平である必要はなく実質的に水平(略水平)であればよい。
高圧吸収器6の内部には、水平配置された複数本の伝熱管8が設けられている。高圧吸収器6の底部には、溶液配管33が接続されている。溶液配管33は、溶液ポンプ24を介し合流部Bまで延びている。
低圧吸収器15と高圧蒸発器16とは一体的に構成され、それぞれの内部空間は、管板10、11、隔壁40等により分割されている。管板10、11により、垂直に配置された複数本の垂直管(伝熱管)14群が支持されている。各垂直管14の上端および下端は、管板10、11に支持され、各垂直管14の管内は、高圧蒸発器16の内部に連通し、各垂直管14の管外(外周面)は、低圧吸収器15内に位置している。なお、垂直とは水平面に対しての垂直であり、すなわち鉛直を示している。また、伝熱管14としての機能を発揮できるのであれば、正確に鉛直である必要はなく実質的に鉛直(略鉛直)であればよい。
低圧吸収器15は、複数本の垂直管14の管外側が伝熱面となり、上部には垂直管14が貫通する溶液散布装置12が備えられている。低圧吸収器15の底部には、溶液配管34が接続されている。溶液配管34は、溶液ポンプ23および溶液熱交換器26を介して、合流部Bまで延びている。合流部Bにおいて、溶液配管32、33、34が互いに接続されている。溶液配管32は、合流部Bから溶液熱交換器27を介して再生器1まで延び、その上部に設けられた溶液散布装置2に接続されている。
高圧蒸発器16は、複数本の垂直管14の管内側が伝熱面となり、垂直管14の上下が内部に開口し、エリミネータ9を介して高圧吸収器6と気相部が連通する構成となっている。高圧蒸発器16には、冷媒配管35が接続されている。高圧蒸発器16の底部には、冷媒配管37と連通管38とが接続されている。冷媒配管37は、冷媒ポンプ22を介して高圧蒸発器16の上部まで延び、高圧蒸発器16の冷媒散布装置17に接続されている。連通管38は低圧蒸発器18の底部まで延びている。
低圧蒸発器18の内部には、水平配置された複数本の伝熱管20が設けられ、上部には冷媒散布装置19が配置され、エリミネータ13を介して低圧吸収器15と気相部が連通している。低圧蒸発器18の底部には、連通管38と冷媒配管36とが接続されている。冷媒配管36は、冷媒ポンプ21を介して低圧蒸発器18の上部まで延び、低圧蒸発器18の冷媒散布装置19に接続されている。なお、本実施形態において、冷媒は例えば水であり、溶液は例えば臭化リチウム水溶液である。
このように構成した吸収式冷凍機100の動作は以下の通りである。
再生器1の溶液散布装置2から散布された溶液は、伝熱管3の管外を流下しながら伝熱管3の管内を流れる加熱媒体に加熱され、冷媒蒸気を発生し、溶液は濃縮される。濃縮された溶液は、溶液配管29内を溶液ポンプ25により溶液熱交換器27に送られ、溶液配管32内を流れる溶液と熱交換して冷却され後に分岐部Aで分岐する。分岐部Aで分岐した溶液の一方が、溶液配管30内を流れて高圧吸収器6の溶液散布装置7に送られ、他方が、溶液配管31内を流れて溶液熱交換器26に送られ低圧吸収器15からの溶液と熱交換して冷却され、低圧吸収器15の溶液散布装置12に送られる。分岐部Aから高圧吸収器6までの溶液配管30を流れる溶液の圧力損失は、分岐部Aから低圧吸収器15までの溶液配管31を流れる溶液の圧力損失より大きく設定されている。これにより、溶液配管31を流れる溶液の量は、溶液配管30を流れる溶液の量よりも多くなる。
高圧吸収器6において溶液散布装置7から散布された溶液は、伝熱管8の管外を流下しながら高圧蒸発器16からの冷媒蒸気を吸収し、濃度が薄くなる。冷媒吸収により発生した吸収熱は、伝熱管8の管内を流れる冷却水により冷却される。冷媒蒸気を吸収して濃度が薄くなった溶液は、高圧吸収器6下部に一旦溜められ、溶液配管33を流れ溶液ポンプ24により合流部Bに送られる。
低圧吸収器15では、溶液散布装置12からの溶液が垂直管14の外面に供給される。当該溶液は、垂直管14の外面を流下しながら、低圧蒸発器18からの冷媒蒸気を吸収する。冷媒吸収により発生した吸収熱は、垂直管14内を流下する高圧蒸発器16の冷媒の加熱に利用される。冷媒蒸気を吸収して濃度が薄くなった溶液は、低圧吸収器15の下部に一旦溜められて、溶液配管34内を溶液ポンプ23により溶液熱交換器26に送られ、分岐部Aから低圧吸収器15に送られる溶液配管31内の溶液と熱交換して温度上昇し、合流部Bへ送られる。合流部Bでは、高圧吸収器6と低圧吸収器15からの溶液が合流し、溶液熱交換器27で再生器1からの溶液と熱交換して温度上昇したのち、再生器1の溶液散布装置2に送られる。
一方、再生器1で発生した冷媒蒸気は、蒸気通路28を通って凝縮器4に送られ、伝熱管5の管内を流れる冷却水で冷却され、伝熱管5の管外面で凝縮液化する。凝縮液化した冷媒液は凝縮器4の底部から冷媒配管35を通って高圧蒸発器16に導かれる。
高圧蒸発器16下部に溜められた冷媒液は、一部が連通管38を流れて低圧蒸発器18に送られ、残部が冷媒ポンプ22により高圧蒸発器16上部の冷媒散布装置17に送られる。
冷媒散布装置17から散布された冷媒液は、垂直管14の上部の開口部から管内面を流下し、管外を流下する低圧吸収器15の溶液からの吸収熱で加熱され蒸発する。蒸発した冷媒蒸気は、垂直管14の上下の開口部からエリミネータ9を通って高圧吸収器6へ送られる。垂直管14の管内面で蒸発しきれなかった冷媒液は高圧蒸発器16下部に溜められる。
また、連通管38を通って高圧蒸発器16から低圧蒸発器18に送られた冷媒液は、冷媒配管36内を冷媒ポンプ21により低圧蒸発器18上部の冷媒散布装置19に送られる。
冷媒散布装置19の冷媒液は、伝熱管20の管外に散布され、伝熱管20の管内を流れる冷水から熱を奪って蒸発し、エリミネータ13を通って低圧吸収器15に送られる。伝熱管20上で蒸発しきれなかった冷媒液は低圧蒸発器18下部に溜められる。
以上説明したように本実施形態に係る吸収式冷凍機100においては、垂直に設置した垂直管14の管外面で冷媒蒸気を吸収した溶液の吸収熱を、垂直管14の管内面を流下する冷媒液の蒸発潜熱で直接冷却するようにしているので、低圧吸収器15と高圧蒸発器16の間の熱損失を小さくすることができ、装置の小型化に寄与できる。
吸収式冷凍機100によれば、低圧吸収器15および高圧蒸発器16は、複数本の垂直に延びる垂直管(伝熱管)14を有し、各垂直管14の管内が高圧蒸発器16を構成し、各垂直管14の管外が低圧吸収器15を構成する。そして、再生器1に接続され再生器1で濃縮された溶液を高圧吸収器6および低圧吸収器15へ送るための溶液配管29は分岐部Aを有し、分岐部Aから、高圧吸収器6に溶液を送るための溶液配管30と、低圧吸収器15に溶液を送るための溶液配管31とに分岐している。
かかる構成によれば、高圧吸収器6よりも低圧吸収器15への溶液の流入量を多くすることができる。垂直管14により構成された低圧吸収器15では、隣接する垂直管14同士を互いに移動することができないため、各垂直管14に供給された溶液は伝熱面をほぼ直線的に流下することになる。したがって、かかる構成にすることによって、各垂直管14への溶液の供給量(液膜流量)を多くすることができ、伝熱面を濡らし有効伝熱面積の最大化を図ることができる。
また、分岐部Aから高圧吸収器6に溶液を送るための溶液配管30には、流量調整手段としての流量調整弁39が設けられている。分岐部Aから高圧吸収器6までの溶液の圧力損失を、分岐部Aから低圧吸収器15までの溶液の圧力損失より容易に大きくすることができ、高圧吸収器6より低圧吸収器15への溶液の流入量を多くすることができる。また、高圧吸収器6および低圧吸収器15への溶液循環量を任意に調整できるので、自由度のある機器配置をすることができる。なお、分岐部Aから高圧吸収器6までの溶液の圧力損失を、分岐部Aから低圧吸収器15までの溶液の圧力損失より大きくすることが可能な流量調整手段は、流量調整弁39に限らず、オリフィスであってもよいし、他の手段であってもよい。
また、再生器1から分岐部Aへ溶液を送るための溶液配管29と低圧吸収器15から再生器1へ溶液を送るための溶液配管32との間で熱交換を行う高温側の溶液熱交換器27と、分岐部Aから低圧吸収器15に溶液を送るための溶液配管31と低圧吸収器15から再生器1へ溶液を送るための溶液配管34との間で熱交換を行う低温側の溶液熱交換器と、をさらに備え、分岐部Aは、高温側の溶液熱交換器27と低温側の溶液熱交換器26との間に位置する。これにより、伝熱管8を水平配置した高圧吸収器6と、伝熱管14を垂直配置した低圧吸収器15に適した溶液量を供給することができるので、高圧吸収器6および低圧吸収器15における冷媒蒸気の吸収を効率よく行うことができる。
また、低圧吸収器15から再生器1へ溶液を送るための溶液配管32、34において、低圧吸収器15と低温側の溶液熱交換器26との間には溶液ポンプ23が設けられ、低温側の溶液熱交換器26と高温側の溶液熱交換器27との間には合流部Bを有し、合流部Bには、高圧吸収器6から延び溶液ポンプ24が設けられた溶液配管33が接続されている。
これにより、合流部Bにおいて、高圧吸収器6からの溶液を溶液ポンプ24で昇圧することで逆流を防止し、低圧吸収器15からの溶液を溶液熱交換器26で昇温させることで、高圧吸収器6からの溶液の温度差で生じる自己蒸発を防止し、溶液の循環を妨げることなく運転することができる。
また、再生器1は、水平配置した複数本の伝熱管3を有し、再生器1に導かれた溶液が当該伝熱管3外を流下液膜式で流下するように構成されている。図2は、流下液膜式の熱交換器とした再生器1における溶液散布流量と伝熱管3の管外熱伝達率との関係を示す図である。横軸が溶液散布流量、縦軸が伝熱管の管外熱伝達率を示す。図2に示すように、溶液散布流量を増加させると、管外熱伝導率は増加する。
本実施形態では、再生器1への溶液流入量は、高圧吸収器6と低圧吸収器15からの溶液を合流させた分となる。つまり、再生器1への溶液流入量が、特許文献1のように高圧吸収器6、低圧吸収器15の順で流した場合より多くすることができる。本実施形態のように、再生器1を水平配置した伝熱管3とし伝熱管3外を溶液が流下液膜式で熱交換する場合、図2に示すように溶液散布量の増加に比例して管外熱伝達率を向上させることができる。よって、本実施形態では、低圧吸収器15の垂直管14と高圧吸収器6の水平配置した伝熱管8に適した溶液流入量に設定することができるとともに、再生器1への溶液流入量が増加することにより管外熱伝達率を向上できる。
第2の実施形態
図3は、本発明の第2の実施形態に係る吸収式冷凍機110のサイクル系統図である。
第1の実施形態に係る吸収式冷凍機100と同一の構成については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図3に示すように、低温側の溶液熱交換器26と高温側の溶液熱交換器27との間にはエゼクタ50が設けられ、エゼクタ50には、高圧吸収器6から延びる溶液配管33が接続されている。
高圧吸収器6からの溶液は、溶液配管33を介してエゼクタ50に送られる。低圧吸収器15からの溶液は、溶液配管34内を溶液ポンプ23により溶液熱交換器26を介してエゼクタ50に送られる。エゼクタ50は、低圧吸収器15からの溶液ポンプ23で昇圧された溶液を駆動液として、高圧吸収器6からの溶液を吸引して合流させる。合流後の溶液は、溶液配管32内を溶液熱交換器27を介し再生器1に送られる。
これにより、第1の実施形態の溶液ポンプ24をエゼクタ50に置き換えることができるので、コストを低減し、消費電力を低減することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
例えば、再生器1からの溶液を、低圧吸収器15の垂直管14と高圧吸収器6の水平配置した伝熱管8とに並列に散布する構成を有するものであれば、図1と図3のサイクル系統図に限定されることない。すなわち、図1と図3の溶液循環経路が組込まれた装置であれば、再生器1が複数ある場合や、複数のサイクルを組合せた場合であってもよく、上記の実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
1:再生器
2、7、12:溶液散布装置
3、5、8、20:水平配置された複数本の伝熱管
4:凝縮器
6:高圧吸収器
9、13:エリミネータ
10、11:管板
14:垂直管
15:低圧吸収器
16:高圧蒸発器
17、19:冷媒散布装置
18:低圧蒸発器
21、22:冷媒ポンプ
23、24、25:溶液ポンプ
26、27:溶液熱交換器
28:蒸気通路
29、30、31、32、33、34:溶液配管
35、36、37:冷媒配管
38:連通管
50:エゼクタ

Claims (6)

  1. 低圧蒸発器、低圧吸収器、高圧蒸発器、高圧吸収器、凝縮器、再生器、冷媒ポンプ、および溶液ポンプを備え、
    前記低圧吸収器および前記高圧蒸発器は、略鉛直に延びる伝熱管を有し、各伝熱管の管内が前記高圧蒸発器を構成し、各伝熱管の管外が前記低圧吸収器を構成し、
    前記再生器に接続され前記再生器で濃縮された溶液を前記高圧吸収器および前記低圧吸収器へ送るための溶液配管は分岐部を有し、前記分岐部から、前記高圧吸収器に溶液を送るための溶液配管と、前記低圧吸収器に溶液を送るための溶液配管とに分岐している、吸収式冷凍機。
  2. 前記分岐部から前記高圧吸収器に溶液を送るための溶液配管には、流量調整手段が設けられている、請求項1に記載の吸収式冷凍機。
  3. 前記再生器から前記分岐部へ溶液を送るための溶液配管と、前記低圧吸収器から前記再生器へ溶液を送るための溶液配管と、の間で熱交換を行う高温側の溶液熱交換器と、
    前記分岐部から前記低圧吸収器に溶液を送るための溶液配管と、前記低圧吸収器から前記再生器へ溶液を送るための溶液配管と、の間で熱交換を行う低温側の溶液熱交換器と、をさらに備え、
    前記分岐部は、前記高温側の溶液熱交換器と前記低温側の溶液熱交換器との間に位置する、請求項1または請求項2に記載の吸収式冷凍機。
  4. 前記低圧吸収器から前記再生器へ溶液を送るための溶液配管において、前記低圧吸収器と前記低温側の溶液熱交換器との間には溶液ポンプが設けられ、前記低温側の溶液熱交換器と前記高温側の溶液熱交換器との間には合流部を有し、前記合流部には、前記高圧吸収器から延び溶液ポンプが設けられた溶液配管が接続されている、請求項3に記載の吸収式冷凍機。
  5. 前記低圧吸収器から前記再生器へ溶液を送るための溶液配管において、前記低圧吸収器と前記低温側の溶液熱交換器との間には溶液ポンプが設けられ、前記低温側の溶液熱交換器と前記高温側の溶液熱交換器との間にはエゼクタが設けられ、前記エゼクタには、前記高圧吸収器から延びる溶液配管が接続されている、請求項3に記載の吸収式冷凍機。
  6. 前記再生器は、略水平配置した伝熱管を有し、前記再生器に導かれた溶液が当該伝熱管外を流下液膜式で流下するように構成されている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の吸収式冷凍機。
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