JP2019152371A - 冷風発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用開始時に、所望の温度の冷風を供給することができる冷風発生装置を提供する。【解決手段】冷風発生装置1は、冷風供給場所に送風空気を送風する第1送風機18と、第1送風機18によって送風される送風空気を冷却する熱電素子16と、熱電素子16によって冷却された送風空気を冷風供給場所へ導くダクト12と、第1送風機18の作動を制御する制御部20と、を有し、制御部20は、第1送風機18によってダクト12を予め冷却するための送風空気をダクト12に流通させる予冷制御を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、冷風発生装置に関する。
特許文献1には、ペルチェ素子である熱電素子と、熱電素子により生じた冷風を外部へ送風する送風機と、この熱電素子の吸熱面側に接して配設された蓄冷部材と、を有する冷風発生装置が提案されている。この冷風発生装置では、冷風を外部へ送風しない非作動時に、送風機を作動させることなく、熱電素子に通電して蓄冷部材に熱電素子によって発生した冷熱を蓄冷させる。これにより、使用開始と同時に冷風を冷風供給場所に送風しようとしている。
特開平7−260185号
しかしながら、このような冷風発生装置では、使用開始時においては、冷風ファンによって送風される冷風が、冷風の温度よりも高いダクトによって昇温されてしまい、換言すると、冷風の冷熱がダクトに奪われてしまい、所望の温度の冷風が供給されないという問題が有った。
本発明は、使用開始時に、所望の温度の冷風を供給することができる冷風発生装置を提供する。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の冷風発生装置は、冷風供給場所に送風空気を送風する送風機(18)と、送風機によって送風される送風空気を冷却する冷却部(16)と、冷却部によって冷却された送風空気を冷風供給場所へ導くダクト(12)と、送風機の作動を制御する送風制御部(20)と、を有し、送風制御部は、送風機によってダクトを予め冷却するための予冷用送風空気をダクトに流通させる予冷制御を実行する。
これによれば、予めダクトを冷却するための予冷用送風空気をダクトに流通させているので、冷風供給場所に冷風の供給を開始する使用開始時に、ダクトを冷却しておくことができる。従って、使用開始時に、冷風がダクトによって昇温されてしまうことを抑制することができ、所望の温度の冷風を冷風供給場所に速やかに供給することができる。
上記目的を達成するためになされた、請求項4に記載の冷風発生装置は、冷風供給場所に送風空気を送風する送風機(28)と、送風機によって送風される送風空気を冷却する冷却部(16)と、冷却部によって冷却された送風空気を冷風供給場所へ導くダクト(12)と、冷却部にて発生された冷熱を前記ダクトに伝熱させる伝熱部材(21、22)と、を有する。
これによれば、冷風発生装置によって冷風を冷風供給場所に送風を開始する使用開始時前に、冷却部によって発生した冷熱を、伝熱部材を介してダクトに伝熱させることができ、使用開始時にダクトを予め冷却することができる。従って、使用開始時に、冷風がダクトによって昇温されてしまうことを抑制することができ、所望の温度の冷風を冷風供給場所に速やかに供給することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の冷風発生装置の断面図である。 図1のII矢印方向から見た斜視図である。 第1送風機及び第2送風機の電動モータに出力される電流の電圧を表したグラフである。 第2実施形態の冷風発生装置の断面図である。 図4のV矢印方向から見た斜視図である。 第2実施形態のダクトの内管の斜視図である。 冷風送風制御実行時の第3実施形態の冷風発生装置の断面図である。 予冷制御実行時の第3実施形態の冷風発生装置の断面図である。 ダクトが縮んでいる状態の第4実施形態の冷風発生装置の断面図である。 ダクトが伸びている状態の第4実施形態の冷風発生装置の断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態の冷風発生装置1の構造について、図面を参照しつつ説明する。冷風発生装置1は、冷風を発生させて、この冷風を所望の場所に供給するものである。冷風発生装置1は、車両に適用されている。さらに、冷風発生装置1は、車室内のシート等に配置されている。そして、運転者が眠くなった場合に、冷風供給場所である運転者の身体(例えば、頭部)に冷風を供給して、運転者を覚醒させるために用いられている。従って、本実施形態の冷風供給場所は、車室内である。
図1に示すように、第1実施形態の冷風発生装置1は、ハウジング11、ダクト12、蓄冷ケース13、蓄冷材14、コルゲートフィン15、熱電素子16、ヒートシンク17、第1送風機18、第2送風機19、及び制御部20を有している。
図1において、紙面上方を冷風発生装置1の上方とし、紙面下方を冷風発生装置1の下方とする。
ハウジング11は、冷風の空気通路である第1流路F1、及び温風の空気通路である第2流路F2を形成するものである。ハウジング11は、蓄冷ケース13、コルゲートフィン15、熱電素子16、ヒートシンク17、第1送風機18、第2送風機19、及び制御部20を収納している。ハウジング11は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)や金属(例えば、鉄またはアルミニウム)で構成されている。
図1に示すように、第1流路F1及び第2流路F2は、ハウジング11の下方から上方に向かって形成されている。第1流路F1と第2流路F2は、並列に形成され、互いに隣り合って配置されている。
ハウジング11の下部側面には、第1流路F1の基端に連通する第1流入口11aが形成されている。また、ハウジング11の上部には、第1流路F1の先端に連通するダクト接続口11bが形成されている。また、ハウジング11の下部側面には、第2流路F2の基端に連通する第2流入口11cが形成されている。更に、ハウジング11の上部には、第2流路F2の先端に連通する排気口11dが形成されている。
ダクト12は、冷却された送風空気を冷風供給場所に導くものである。ダクト12は、送風空気が流通する断面円形状の内管12aと、内管12aの外周側に配置された断面円形状の外管12bとから構成されている。内管12aの空気流れ方向最上流側端部と外管12bの空気流れ方向最上流側端部は、互いに接続されている。内管12aの空気流れ方向最下流側端部と外管12bの空気流れ方向最下流側端部は、互いに接続されている。このため、内管12aの外周側と外管12b内周側との間に冷風が流通することはない。ダクト12は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)や金属(例えば、鉄やアルミニウム)で構成されている。
内管12aの空気流れ方向最下流側端部には、冷風供給口12cが設けられている。この冷風供給口12cから、冷却された送風空気が冷風供給場所に供給される。
内管12aの空気流れ方向最上流側端部には、ハウジング11のダクト接続口11bが接続されている。
内管12aの肉厚は、外管12bの肉厚よりも薄くなっている。外管12bは、冷風が流通する内管12aを保護するとともに、ダクト12の強度を確保するためのものである。また、外管12bは、内管12aへの熱の流入を抑制する。
以下に、図1及び図2を用いて、蓄冷ケース13、コルゲートフィン15、熱電素子16、及びヒートシンク17の構造を説明する。なお、図2は、コルゲートフィン15側が表となる斜視図である。
蓄冷ケース13、コルゲートフィン15、及びヒートシンク17は、熱伝導性に優れた金属(本実施形態では、アルミニウム)で構成されている。
蓄冷ケース13は、扁平な箱形であり、内部に空間である蓄冷材収納部13aが形成されている。図1に示すように、蓄冷ケース13は、第1流路F1と第2流路F2の間に配置されている。蓄冷ケース13の一方側の面である第1面13bは、第1流路F1側に面するように配置されている。蓄冷ケース13の他方側の面である第2面13cは、第2流路F2側に面するように配置されている。
蓄冷材収納部13aには、パラフィン等の蓄冷材14が収容されている。蓄冷材14は、後述するように、熱電素子16によって発生した冷熱が蓄冷される。
コルゲートフィン15は、第1送風機18によって送風された送風空気と蓄冷ケース13に蓄冷された冷熱との熱交換を促進する第1熱交換部材である。
コルゲートフィン15は、図2に示すように、金属製の板状部材を山折りと谷折りに交互に繰り返して波状に成形し、山部15aと谷部15bとを交互に連続的に形成されたものである。
コルゲートフィン15は、谷部15bが蓄冷ケース13の第1面13bにロウ付けによって接合されている。図1に示すように、コルゲートフィン15は、第1流路F1内に配置されている。
熱電素子16は、第1送風機18によって送風された送風空気を冷却する冷却部である。熱電素子16は、板状であり、直流電流が流れると、一方側の面である冷却面16aから他方側の面である加熱面16bに熱を移動させるペルチェ素子である。熱電素子16の冷却面16aは、蓄冷ケース13の第2面13cと密着して、第2面13cに取り付けられている。
熱電素子16に直流電流が流れると、熱電素子16の冷却面16a側から加熱面16b側に熱が移動し、冷却面16aが吸熱されて、冷却面16aにおいて冷熱が発生するとともに、加熱面16bにおいて熱が発生する。
冷却面16aにおいて冷熱が発生すると、冷却面16aと接触している蓄冷ケース13が冷却され、蓄冷材14に冷熱が蓄熱され、次いで、コルゲートフィン15が冷却される。
ヒートシンク17は、第2送風機19によって送風された送風空気と熱電素子16の加熱面16bで発生した熱との熱交換を促進する第2熱交換部材である。
ヒートシンク17は、板状の基部17aと、この基部17aの表面に複数形成された棒状又は板状の放熱部17bから構成されている。基部17aの放熱部17bが形成されている側の面と反対側の面は熱電素子16の加熱面16bに密着して、ヒートシンク17が加熱面16bに取り付けられている。図1に示すように、ヒートシンク17の放熱部17bは、第2流路F2内に配置されている。
熱電素子16の加熱面16bにおいて熱が発生すると、加熱面16bと接触しているヒートシンク17が加熱される。
第1送風機18及び第2送風機19は、遠心多翼ファンを電動モータにて駆動する電動送風機である。第1送風機18及び第2送風機19は、制御部20から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、送風能力)が制御される。
第1送風機18は、第1流入口11aから吸入した送風空気を、第1流路F1内において流通させて、コルゲートフィン15に向けて送風する。第1送風機18によって、コルゲートフィン15に向けて送風空気が送風されると、送風空気がコルゲートフィン15において熱電素子16において生成された冷熱又は蓄冷材14において蓄熱された冷熱と熱交換し、送風空気が冷却される。そして、冷却された送風空気は、ダクト12の内管12a内を流通して、冷風供給口12cから冷風供給場所に送風される。
第2送風機19は、第2流入口11cから吸入した空気を第2流路F2内において流通させて、ヒートシンク17に向けて送風する。第2送風機19によって、ヒートシンク17に向けて空気が送風されると、空気がヒートシンク17において、熱電素子16において生成された熱と熱交換し、空気が加熱される。そして、加熱された空気が排気口11dから冷風発生装置1の外部に排気される。
制御部20は、第1送風機18及び第2送風機19の電動モータに電流を出力し、この電流の電圧を変更することによって、第1送風機18及び第2送風機19の作動を制御する送風制御部20aを有している。
次に、上記構成における本実施形態の作動について説明する。制御部20に冷風送風開始信号が入力されると、制御部20は、所望の温度となるまで冷却した冷風を冷風供給場所に送風する冷風送風制御を実行する。ここで、冷風送風開始信号は、運転者が、図示しない冷風送風開始ボタンを押下した場合や、運転者の眠気を検知する眠気検知部が運転者の眠気を検知した場合に、制御部20に入力される。
冷風送風制御では、制御部20は、熱電素子16に直流電流を供給する。そして、送風制御部20aは、図3に示すように、第1送風機18の電動モータに第2電圧を出力し、第2送風機19の電動モータに第4電圧を出力する。これにより、運転者を覚醒するための冷風が冷風供給場所に供給される。
熱電素子16に供給される直流電流は、運転者の頭部に供給される冷風の温度が、運転者を覚醒させるために充分な温度となるような電流に設定されている。第1送風機18の電動モータに出力される第2電圧は、運転者の頭部に供給される冷風の風量が、運転者を覚醒させるために充分な風量となるような電圧に設定されている。また、第2送風機19の電動モータに出力される第4電圧は、ヒートシンク17に送風される送風空気の風量が、熱電素子16の加熱面16bにおいて発生した熱を冷風発生装置1の外部に放出するのに充分な風量となるような電圧に設定されている。
本実施形態では、制御部20は、冷風送風制御を実行する前に、ダクト12の内管12aを予め冷却しておくために、予め熱電素子16によって冷却された予冷用送風空気をダクト12の内管12aに流通させる予冷制御を実行する。この予冷制御は、車両のイグニッションがONにされると実行が開始され、更に、冷風送風制御が停止されてから規定時間(例えば、数分)経過した場合に、実行される。
予冷制御では、制御部20は、熱電素子16に直流電流を供給する。そして、送風制御部20aは、図3に示すように、第1送風機18の電動モータに第1電圧を断続的に出力し、第2送風機19の電動モータに第3電圧を出力する。第1電圧は、冷風送風制御が実行されている際に、第1送風機18の電動モータに出力される電圧である第2電圧よりも低い電圧である。第3電圧は、冷風送風制御が実行されている際に、第2送風機19の電動モータに出力される電圧である第4電圧よりも低い電圧である。
このように、制御部20は、第1送風機18によってダクト12の内管12aを予め冷却するための予冷用送風空気をダクト12の内管12aに送風させる予冷制御を実行する。これにより、冷風発生装置1が冷風供給場所に冷風の供給を開始する使用開始時には、ダクト12の内管12aが予め冷却されている。このため、使用開始時に、冷風がダクト12によって昇温されてしまうことを抑制することができ、所望の温度の冷風を冷風供給場所に速やかに供給することができる。
送風制御部20aは、予冷制御において、第1送風機18によって予冷用送風空気を断続的に送風させる。これによれば、第1送風機18によって予冷用送風空気を連続的に送風させる場合と比較して、凝縮水の発生を抑制することができる。このため、コルゲートフィン15の空気通路に凝縮水が貯まってしまことを抑制することができ、コルゲートフィン15において通風抵抗が増大して熱交換効率が低下してしまうことを抑制することができる。また、第1送風機18によって予冷用送風空気を連続的に送風させる場合と比較して、運転者が冷たく感じることを抑制することができる。
ダクト12は、冷風が流通する内管12aと、内管12aの外周側に配置された外管12bとから構成されている。これにより、外管12bによって冷風が流通する内管12aを保護することができる。このため、内管12aの肉厚を薄くすることができ、内管12aの熱容量を小さくすることができる。この結果、予冷制御の実行時に、迅速に内管12aを冷却させることができ、使用開始時に、冷風がダクト12によって昇温されてしまうことをより一層抑制することができる。また、内管12aへの熱の流入を抑制することができ、内管12aの昇温を抑制することができる。
(第2実施形態)
以下に、図4〜図6を用いて、第1実施形態の冷風発生装置1と異なる点について、第2実施形態の冷風発生装置2を説明する。
第2実施形態の冷風発生装置2では、図4及び図5に示すように、熱電素子16にて発生された冷熱をダクト12の内管12aに伝熱させる第1伝熱部材21と第2伝熱部材22を有している。第1伝熱部材21及び第2伝熱部材22は、熱伝導性に優れた金属(本実施形態では、アルミニウム)で形成されている。
図4及び図5に示すように、第1伝熱部材21は、コルゲートフィン15の山部15aにロウ付け接合された板状の第1受熱部21aと、基部が第1受熱部21aに接続してダクト12の内管12a側に突出している第1伝熱部21bとから構成されている。第1受熱部21aは、蓄冷ケース13の第1面13bにロウ付け接合されていてもよい。
図4及び図6に示すように、第1伝熱部21bは、ダクト12の内管12aの空気流れ方向最上流側端部から途中部分まで進入して、内管12aの一部を構成している。内管12aは、第1伝熱部21b及び第2伝熱部22bの周りに合成樹脂を注入するインサート成型によって成形される。このような構成によって、熱電素子16によって生成された冷熱が、蓄冷ケース13、コルゲートフィン15、第1受熱部21a、及び第1伝熱部21bを介して、ダクト12の内管12aに伝達される。
図4に示すように、第2伝熱部材22は、蓄冷ケース13の第2面13cにロウ付け接合され、熱電素子16の冷却面16aと密着した第2受熱部22aと、ダクト12の内管12a側に突出している第2伝熱部22bと、第2受熱部22aと第2伝熱部22bとを接続する接続部22cとから構成されている。
図4に示すように、第2伝熱部22bは、ダクト12の内管12aの空気流れ方向最上流側端部から途中部分まで進入して、内管12aの一部を構成している。このような構成によって、熱電素子16によって生成された冷熱が、第2受熱部22a、接続部22c、及び第2伝熱部22bを介して、ダクト12の内管12aに伝達される。
本実施形態では、冷風発生装置2によって冷風を冷風供給場所に送風する冷風送風制御を実行する前に、ダクト12の内管12aを予め冷却するために、予め熱電素子16に直流電流を通電させる。この予冷制御は、車両のイグニッションがONにされると実行が開始され、更に、冷風送風制御が停止されてから規定時間(例えば、数分)経過した場合に、実行される。
以上の説明から明らかなように、第2実施形態の冷風発生装置2では、熱電素子16にて発生された冷熱をダクト12の内管12aに伝熱させる第1伝熱部材21及び第2伝熱部材22を有している。これにより、冷風発生装置2によって冷風を冷風供給場所に送風を開始する使用開始時前に、熱電素子16によって発生した冷熱を、第1伝熱部材21及び第2伝熱部材22を介して、ダクト12の内管12aに伝熱させることができる。このため、使用開始時にダクト12の内管12aを予め冷却することができる。従って、使用開始時に、冷風がダクト12の内管12aによって昇温されてしまうことを抑制することができ、所望の温度の冷風を冷風供給場所に速やかに供給することができる。
(第3実施形態)
以下に、図7及び図8を用いて、第1実施形態の冷風発生装置1と異なる点について、第3実施形態の冷風発生装置3を説明する。第3実施形態の冷風発生装置3は、図7及び図8に示すように、還流路形成部材25、第1流路切替部材26、第1アクチュエータ27、第2流路切替部材28、及び第2アクチュエータ29を更に有している。
第3実施形態の冷風発生装置3では、ダクト12の外管12b及び内管12aの末端部に、冷風供給口12cと隣接して開口した還流口12dが開口して形成されている。
還流路形成部材25は、ダクト12の内管12aの下流側に供給された予冷用送風空気を、ダクト12の内管12aの上流側に戻す部材である。還流路形成部材25は、ハウジング11及びダクト12に隣接して配置され、還流口12dと第1流入口11aとを連通する流路である還流路F3(図8示)を形成している。還流路形成部材25の断面形状は、略円弧形状であり、還流路形成部材25は、ダクト12の外管12bの少なくとも一部を覆うように形成されている。
還流路形成部材25が第1流入口11aに接続している部分の近傍の還流路形成部材25には、送風空気流入口25aが開口して形成されている。
第1流路切替部材26は、ダクト12の末端部に回動可能に軸支されている。第1流路切替部材26は、冷風供給口12cを開放するとともに還流口12dを閉塞する冷風供給位置(図7示)と、冷風供給口12cを閉塞するとともに還流口12dを開放する冷風還流位置(図8示)との間で回動する。
第1アクチュエータ27は、ステッピングモータ等であり、制御部20から出力された制御信号によって、第1流路切替部材26を上記した冷風供給位置と冷風還流位置との間で回動させる。
第2流路切替部材26は、冷風供給口12cを開放する冷風供給位置(図7示)と、冷風供給口12cを閉塞する冷風還流位置(図8示)との間を回動可能に、還流路形成部材25に軸支されている。
第2アクチュエータ29は、ステッピングモータ等であり、制御部20から出力された制御信号によって、第2流路切替部材26を上記した冷風供給位置と冷風還流位置との間で回動させる。
第1流路切替部材26及び第2流路切替部材28が冷風供給位置に位置されると、還流路F3が閉じられて、図7に示すように、送風空気が送風空気流入口25a→第1流入口11a→第1流路F1→ダクト12の内管12a→冷風供給口12cの順に流れる冷風供給流路が冷風発生装置3に形成される。
一方で、第1流路切替部材26及び第2流路切替部材28が冷風還流位置に位置されると、還流路F3が開かれて、図8に示すように、予冷用送風空気が第1流入口11a→第1流路F1→ダクト12の内管12a→還流口12d→還流路F3→第1流入口11a…の順に循環する冷風還流流路が冷風発生装置3に形成される。
このように、第1流路切替部材26、第1アクチュエータ27、第2流路切替部材28、及び第2アクチュエータ29は、還流路F3を開閉することによって、ダクト12の内管12aの下流側に供給された送風空気が還流路F3に流通しない冷風供給流路と、ダクト12の内管12aの下流側に供給された送風空気が還流路F3に流通する冷風還流流路とを切り替える流路切替部である。
本実施形態では、冷風発生装置3によって冷風を冷風供給場所に送風する冷風送風制御を実行する前に、ダクト12の内管12aを予め冷却するために、図8に示すように、還流路F3を開いて、冷風発生装置3に冷風還流流路を形成し、熱電素子16によって冷却された予冷用送風空気をダクト12の内管12aと還流路F3との間で循環させる予冷制御を実行する。
この予冷制御は、車両のイグニッションがONにされると実行が開始され、更に、冷風送風制御が停止されてから規定時間(例えば、数分)経過した場合に、実行される。
予冷制御では、制御部20は、第1流路切替部材26を冷風還流位置(図8示)に位置させる制御信号を、第1アクチュエータ27に出力するとともに、第2流路切替部材28を冷風還流位置(図8示)に位置させる制御信号を、第2アクチュエータ29に出力する。そして、制御部20は、熱電素子16に直流電流を供給する。そして、送風制御部20aは、第1送風機18の電動モータに第1電圧(図3示)の電流を断続的に出力し、第2送風機19の電動モータに第3電圧(図3示)の電流を出力する。
このため、コルゲートフィン15によって冷却された予冷用送風空気が、断続的にダクト12の内管12a内を流通して、ダクト12の内管12aが冷却される。この結果、冷風発生装置3が冷風供給場所に冷風の供給を開始する使用開始時には、ダクト12の内管12aが予め冷却されている。よって、使用開始時に、冷風がダクト12によって昇温されてしまうことを抑制することができ、所望の温度の冷風を冷風供給場所に供給することができる。
上記の説明から明らかなように、流路切替部である第1流路切替部材26、第1アクチュエータ27、第2流路切替部材28、及び第2アクチュエータ29は、ダクト12の内管12aを予め冷却する予冷制御を行う際に、図8に示すように、流路切替部は、還流路F3を開く。これにより、予冷制御時に、冷風が冷風供給口12cから冷風供給場所に供給されないので、運転者が不快感を覚えにくい。
また、冷風が冷風発生装置3の外部に排出されるのでは無く、冷風が冷風還流流路内を循環するので、熱電素子16によって生成された冷熱が冷風発生装置3の外部に排出されず、ダクト12の内管12aを予め冷却するためのエネルギーが無駄に消費されない。
(第4実施形態)
以下に、図9及び図10を用いて、第1実施形態の冷風発生装置1と異なる点について、第4実施形態の冷風発生装置4を説明する。図9、図10に示すように、第4実施形態の冷風発生装置4のダクト12は、蛇腹状であり、上下方向に伸縮可能である。ダクト12は、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂で構成されている。
ダクト12の先端には、ナット部材31が取り付けられている。ナット部材31には、ダクト12の伸縮方向、つまり、上下方向に沿って設けられたネジ軸32が螺入している。ハウジング11には、後述のダクト制御部20bから出力される制御信号に基づいて、ネジ軸32を回転させる制御モータ33が設けられている。
制御モータ33がネジ軸32を回転させることによって、ダクト12を、ダクト12が最も縮んだ退縮状態(図9示)にするとともに、ダクト12が最も伸びた伸長状態(図10示)にする。
このように、ナット部材31、ネジ軸32、及び制御モータ33は、ダクト12を伸縮させるダクト伸縮機構である。
本実施形態では、制御部20は、ダクト伸縮機構である制御モータ33に、制御信号を出力することによって、ダクト12を退縮状態又は伸長状態にするダクト制御部20bを有している。
ダクト12の先端の開口部には、変流部材35が取り付けられている。変流部材35には、図10に示すように、ダクト12が伸長状態である状態で、送風空気供給場所に向けて開口した冷風供給口12cが形成されている。変流部材35は、ダクト12を流通する送風空気が流れる方向を、送風空気供給場所方向に向けて変更するものである。なお、ダクト12が伸長状態である状態で、ダクト12の開口部が、送風空気供給場所に向けて開口している場合には、変流部材35は不要である。
本実施形態では、冷風送風制御を実行する前に、ダクト12の内管12aを予め冷却するために、ダクト12が退縮状態(図9示)にされた状態で、熱電素子16によって冷却された予冷用送風空気をダクト12に流通させる予冷制御が実行される。
この予冷制御は、車両のイグニッションがONにされると実行が開始され、更に、冷風送風制御が停止されてから規定時間(例えば、数分)経過した場合に、実行される。
予冷制御では、ダクト制御部20bは、制御モータ33に制御信号を出力することによって、ダクト12を縮ませて、ダクト12を退縮状態(図9示)にする。そして、送風制御部20aは、熱電素子16に直流電流を供給するとともに、送風制御部20aは、第1送風機18の電動モータに第1電圧(図3示)を断続的に出力し、第2送風機19の電動モータに第3電圧(図3示)を出力する。
このため、コルゲートフィン15によって冷却された予冷用送風空気が、断続的にダクト12内を流通して、ダクト12が冷却される。この際に、ダクト12は縮んだ退縮状態にされているので、ダクト12が伸びている場合と比較して、外部からダクト12への入熱を抑制することができる。このため、より迅速に、ダクト12を予冷することができる。
そして、制御部20に冷風送風開始信号が入力されると、冷風送風制御が実行される。冷風送風制御において、ダクト制御部20bは、制御モータ33に制御信号を出力することによって、ダクト12を伸ばして、ダクト12を伸長状態(図10示)にする。そして、制御部20は、熱電素子16への直流電流の供給を継続する。そして、送風制御部20aは、第1送風機18の電動モータに第2電圧(図3示)を出力し、第2送風機19の電動モータに第4電圧(図3示)を出力し、冷風を冷風供給場所に供給する。
このように、冷風発生装置3が冷風供給場所に冷風の供給を開始する使用開始時には、ダクト12の内管12aが予め冷却されている。よって、使用開始時に、冷風がダクト12によって昇温されてしまうことを抑制することができ、所望の温度の冷風を冷風供給場所に供給することができる。
上記説明から明らかなように、ダクト制御部20bは、ダクト12を予め冷却する予冷制御を実行する際には、伸縮機構である制御モータ33によって、ダクト12を縮めた退縮状態(図9示)にし、冷却された予冷用送風空気を冷風供給場所に送風する冷風送風制御を実行する際には、伸縮機構である制御モータ33によってダクト12を伸ばす伸長状態(図10示)にする。
これによれば、予冷制御時に、外部からダクト12への入熱を抑制した状態で、ダクト12を予冷することができるので、より迅速にダクト12を予冷することができ、冷風送風制御実行時には、冷風供給場所に冷風を供給することができる。また、予冷制御時に、冷風が冷風供給場所に供給されないので、運転者が不快感を覚えにくい。
(他の実施形態)
上記各実施形態に開示された手段は、実施可能な範囲で適宜組み合わせてもよく、第1実施形態の冷風発生装置1〜第4実施形態の冷風発生装置4を適宜組み合わせた車両用温度調整装置であっても良い。
例えば、第1実施形態の冷風発生装置1と第2実施形態の冷風発生装置2を組み合わせた実施形態であってもよい。この実施形態では、熱電素子16で発生した冷熱を第1伝熱部材21及び第2伝熱部材22によってダクト12の内管12aに伝熱させつつ、冷却された予冷用送風空気をダクト12の内管12aに流通させて、ダクト12の内管12aを冷却させる。これにより、より迅速に、ダクト12の内管12aを冷却することができる。
また、第2実施形態の冷風発生装置2と第3実施形態の冷風発生装置3を組み合わせた実施形態であってもよい。この実施形態では、熱電素子16で発生した冷熱を第1伝熱部材21及び第2伝熱部材22によってダクト12の内管12aに伝熱させつつ、冷却された予冷用送風空気をダクト12の内管12aと還流路F3との間で循環させて、ダクト12の内管12aを冷却させる。これにより、より迅速に、ダクト12の内管12aを冷却することができる。
上記説明した実施形態では、送風空気を冷却する冷却部は、熱電素子16であるが、冷却部として、冷凍サイクル装置の蒸発器を用いてもよい。
第1送風機18によって送風された送風空気と冷熱が伝達される蓄冷ケース13との熱交換を促進する第1熱交換部材として、コルゲートフィン15の代わりに、ヒートシンクを用いてもよい。また、第2送風機19によって送風された送風空気と熱電素子16の加熱面16bとの熱交換を促進する第2熱交換部材として、ヒートシンク17の代わりに、コルゲートフィンを用いてもよい。
12 ダクト
16 熱電素子(冷却部)
18 第1送風機(送風機)
20a 送風制御部

Claims (6)

  1. 冷風供給場所に送風空気を送風する送風機(18)と、
    前記送風機によって送風される送風空気を冷却する冷却部(16)と、
    前記冷却部によって冷却された送風空気を前記冷風供給場所へ導くダクト(12)と、
    前記送風機の作動を制御する送風制御部(20a)と、を有し、
    前記送風制御部は、前記送風機によって前記ダクトを予め冷却するための予冷用送風空気を前記ダクトに流通させる予冷制御を実行する冷風発生装置。
  2. 前記送風制御部は、前記予冷制御時に前記予冷用送風空気を断続的に送風させる請求項1に記載の冷風発生装置。
  3. 前記ダクトの下流側に供給された前記予冷用送風空気を、前記ダクトの上流側に戻す還流路(F3)と、
    前記還流路を開閉する流路切替部(26、27、28、29)と、
    前記流路切替部は、前記予冷制御時に、前記還流路を開く請求項1又は2に記載の冷風発生装置。
  4. 冷風供給場所に送風空気を送風する送風機(28)と、
    前記送風機によって送風される送風空気を冷却する冷却部(16)と、
    前記冷却部によって冷却された送風空気を前記冷風供給場所へ導くダクト(12)と、
    前記冷却部にて発生された冷熱を前記ダクトに伝熱させる伝熱部材(21、22)と、を有する冷風発生装置。
  5. 前記ダクトは、前記冷風が流通する内管(12a)と、前記内管の外周側に配置された外管(12b)とから構成されている請求項1ないし4のいずれか一項に記載の冷風発生装置。
  6. 前記ダクトは、伸縮可能に構成され、
    前記ダクトを伸縮させるダクト伸縮機構(31、32、33)と、
    前記予冷制御実行時に、前記ダクト伸縮機構によって前記ダクトを縮め、冷却された送風空気を前記冷風供給場所に送風する際には、前記ダクト伸縮機構によって前記ダクトを伸ばすダクト制御部(20b)と、を有する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の冷風発生装置。
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