JP6772879B2 - シート空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートに対して空調空気を供給するシート空調装置に関する。
従来、シートに着座した乗員に快適な温度環境を提供する為に、様々なシート空調装置が開発されている。このシート空調装置に関する発明として、特許文献1、2に記載された発明が知られている。
例えば、特許文献1に記載された発明は、ペルチェ素子を有する温度調節モジュールを、シート内に有しており、温度調節モジュールによって温度調節が施された空調空気を、シートに着座している乗員に対して吹き出すように構成されている。空調空気は、乗員に吹き出される経路上でペルチェ素子近傍を流れる際に、ペルチェ効果によって加温又は冷却される。
一方、特許文献2に記載されたシート空調装置は、シートの座面部と床の間に配置されており、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを筐体内部に備えている。当該シート空調装置は、冷凍サイクルの作動によって温度調節が施された空調空気を、シートに着座している乗員に対して吹き出すように構成されている。この場合の空調空気は、冷凍サイクルを構成する凝縮器又は蒸発器における熱交換によって加温又は冷却される。
特開2016−43925号公報 特開2016−145015号公報
特許文献1に記載された発明において、ペルチェ素子に対して直流電流を流すと、当該ペルチェ素子の一方の面が吸熱し、他方の面が発熱する。特許文献1では、ペルチェ素子の何れか一方の面を送風空気の温度調節に用いている為、他方の面における熱を無駄にしている。
例えば、特許文献1において、送風空気をペルチェ素子で冷却する場合には、ペルチェ素子の一方の面で送風空気から吸熱して送風空気を冷却する。この時の直流電流の通電に伴って、ペルチェ素子の他方の面は発熱する。しかしながら、特許文献1では、ペルチェ素子で発熱した熱は、シートの乗員から離れるように吹き出される空気を介して廃熱されてしまっている。
又、特許文献2に記載されたシート空調装置において、冷凍サイクルは、気相冷媒を圧縮機で圧縮して昇温し、凝縮器で放熱凝縮して液相冷媒とし、減圧部で減圧膨張させて一部の液冷媒を蒸発させ、蒸発器で残りの液冷媒を蒸発気化させて、周りから吸熱させる。即ち、特許文献2において、冷凍サイクルの作動によって、凝縮器における放熱と、蒸発器における吸熱とが同時期に行われる。
そして、特許文献2のシート空調装置においては、凝縮器又は蒸発器の内、一方の熱のみが空調空気の温度調整に用いられており、他方の熱は廃熱されている。特許文献2のシート空調装置でも、例えば、シートの乗員に対して冷却風を供給する場合、蒸発器による熱交換により吸熱された空調空気が乗員に対して供給される。この際に凝縮器で放熱された熱量は、シートの乗員から離れるように吹出される空気を介して廃熱されている。
本発明は、これらの点に鑑みてなされており、温度調節に際して吸熱部及び放熱部によって生じる熱を有効に活用可能なシート空調装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に記載のシート空調装置は、
車室内のシート(50)に対して空調風を供給可能に配置され、
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(3)と、圧縮機から吐出された冷媒を放熱させて温風(WA)を生成する放熱部(4)と、放熱部から流出した冷媒を減圧させる減圧部(5)と、減圧部にて減圧された冷媒を蒸発させて冷風(CA)を生成する吸熱部(6)とを有し、放熱部における放熱と吸熱部における吸熱に関し、何れか一方に伴い他方が生じる冷凍サイクル(2)と、
冷媒との熱交換対象である送風空気を送風する送風部(7)と、
送風部及び放熱部を経由して生成された温風と、送風部及び吸熱部を経由して生成された冷風とを、シートに対する空調風として同時に供給すると共に、
送風部及び放熱部を経由して生成された温風と、送風部及び吸熱部を経由して生成された冷風とを、シートに対する空調風として夫々供給する空調風供給部(21、23、25、27、30)と、を有し、
空調風供給部は、温風と冷風を、それぞれシートにおける異なる部位に対して供給すると共に、
シートにおける座面部と車室床面(F)との間に配置される筐体(10)を有し、
筐体は、冷凍サイクルを構成する圧縮機、放熱部、減圧部、吸熱部と、送風部を収容している。
これにより、このシート空調装置は、送風部により送風される送風空気を、冷凍サイクルを構成する放熱部及び吸熱部で冷媒と熱交換させることで温風及び冷風を生成する。当該シート空調装置は、空調風供給部によって、放熱部で生成された温風と、吸熱部で生成された冷風とを、シートに対する空調風として夫々供給することができるので、温風及び冷風をそれぞれ異なる目的で利用することができる。即ち、シート空調装置によれば、冷凍サイクルで空調を行う際に必然的に生じる温風及び冷風について、何れか一方を無駄にすることなく、両者を有効に活用することができる。
又、本発明に係るシート空調装置は、
車室内のシート(50)に対して空調風を供給可能に配置され、
温度調整される送風空気を送風する送風部(65、66)と、
通電に伴い放熱して前記送風空気から温風(WA)を生成する放熱部(61)と、前記通電に伴い吸熱して前記送風空気から冷風(CA)を生成する吸熱部(62)とを有し、放熱部における放熱と吸熱部における吸熱に関し、何れか一方に伴い他方が生じる熱電素子(60)と、
放熱部で生成された温風と、吸熱部で生成された冷風とを、シートに対する空調風として同時に供給すると共に、
放熱部で生成された温風と、吸熱部で生成された冷風とを、シートに対する空調風として夫々供給する空調風供給部(21、23、25、27、30)と、を有するように構成することも可能である。
これにより、シート空調装置は、熱電素子の通電に伴って放熱部及び吸熱部において、送風部により送風される送風空気から温風及び冷風を生成する。当該シート空調装置は、空調風供給部によって、放熱部で生成された温風と、吸熱部で生成された冷風とを、シートに対する空調風として夫々供給することができるので、温風及び冷風をそれぞれ異なる目的で利用することができる。即ち、当該シート空調装置によれば、熱電素子を用いて空調を行う際に生じる温風及び冷風について、何れか一方を無駄にすることなく、両者を有効に活用することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係るシート空調装置を示す正面図である。 第1実施形態に係るシート空調装置を示す側面図である。 第1実施形態に係るシート空調装置の概略構成を示す平面図である。 図3におけるIV−IV断面を示す断面図である。 シートを構成するシートフレームの外観斜視図である。 第1実施形態に係るシート空調装置の制御系を示すブロック図である。 第1供給モードにおける空調風供給部の供給態様を示す説明図である。 第2供給モードにおける空調風供給部の供給態様を示す説明図である。 第1供給モードにおける温風及び冷風の流れを示す正面図である。 第1供給モードにおける温風及び冷風の流れを示す側面図である。 第2供給モードにおける温風及び冷風の流れを示す正面図である。 第2供給モードにおける温風及び冷風の流れを示す側面図である。 第2実施形態に係るシート空調装置の内部構成を示す説明図である。 第3実施形態に係るシート空調装置の構成を示す正面図である。 第3実施形態に係るシート空調装置の構成を示す側面図である。
以下、実施形態について図に基づいて説明する。以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
第1実施形態に係るシート空調装置1は、バッテリの電力で走行する電気自動車に適用されている。図1、図2に示すように、シート空調装置1は、この電気自動車のシート50の座面部51と車室床面Fとの間の小さなスペースに配置されており、適切な温度に調整された空調風を供給することで、シート50に座った乗員の快適性を高めている。
シート空調装置1は、筐体10内部に、蒸気圧縮式の冷凍サイクル2と、送風機7とを収容して構成されている。従って、シート空調装置1は、送風機7の作動による送風空気を冷凍サイクル2によって温度調整し、シート50やメインダクト21等を介して、シート50に座った乗員に対して空調風として供給することができる。
尚、シート50は、座面部51と、背もたれ部52とを有しており、車両の車室床面Fに対して、車両の前後方向へスライド移動可能に配置されている。又、シート空調装置1は、座面部51の下面に固定されており、シート50と共にスライド可能に配置されている。シート空調装置1は、車載バッテリからの電力供給を受けており、車載バッテリからの電力線は、スライドを許容するように余裕のあるコイル配線で構成されている。
第1実施形態に係るシート空調装置1の概略構成について、図3、図4を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、第1実施形態に係るシート空調装置1は、シート50の座面部51と車室床面Fとの間に配置される。
図3、図4に示すように、シート空調装置1は、座面部51と車室床面Fとの間に配置可能な箱体として構成された筐体10内部に、冷凍サイクル2と送風機7とを収容している。
冷凍サイクル2は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを構成し、空調対象空間である車室内のシート50周辺へ送風される送風空気を冷却或いは加熱する機能を果たす。当該冷凍サイクル2は、圧縮機3と、凝縮器4と、膨張弁5と、蒸発器6とを有している。
そして、当該冷凍サイクル2では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成している。もちろん、冷媒としてHFO系冷媒(例えば、R1234yf)や自然冷媒(例えば、R744)等を採用してもよい。更に、冷媒には圧縮機3を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
図3に示すように、当該シート空調装置1では、送風機7が筐体10内部の中央部分に配置されている。この送風機7は、遠心多翼ファンを電動モータにて駆動する電動送風機である。送風機7は、遠心多翼ファンの回転軸が筐体10の上下方向に一致するように配置されている。従って、送風機7は、筐体10の上下方向に沿って空気を吸い込み、吸い込んだ空気を、軸に対して直交し、且つ、遠心方向へ送風する。送風機7における遠心多翼ファンの回転数(送風量)は、後述する空調制御装置40から出力される制御電圧によって制御される。
圧縮機3は、冷凍サイクル2において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。圧縮機3は、シート空調装置1の筐体10内に配置されている。圧縮機3は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて駆動する電動圧縮機として構成されている。この圧縮機構としては、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。
圧縮機3を構成する電動モータは、後述する空調制御装置40から出力される制御信号によって、その作動(回転数)が制御される。この電動モータとしては、交流モータ、直流モータの何れの形式を採用してもよい。そして、空調制御装置40が電動モータの回転数を制御することによって、圧縮機構の冷媒吐出能力が変更される。
圧縮機3の吐出口には、凝縮器4の冷媒入口側が接続されている。図3に示すように、凝縮器4は、筐体10内部において、送風機7の周囲を約180度の範囲にわたって囲むように配置された複数の熱交換器を冷媒管で接続して構成されている。従って、当該凝縮器4は、圧縮機3から吐出された高温高圧の吐出冷媒と、送風機7により送風された送風空気とを熱交換させることができ、送風空気を加熱することができる。即ち、当該凝縮器4は、加熱用熱交換器として作動し、本発明における放熱部として機能する。
凝縮器4の冷媒出口側には、膨張弁5が配置されている。当該膨張弁5は、冷媒流路の絞り開度を変更可能に構成されており、凝縮器4から流出した冷媒を減圧させる。膨張弁5は、本発明における減圧部として機能する。
尚、第1実施形態に係る減圧部としては、膨張弁5を用いているが、この態様に限定されるものではない。凝縮器4から流出した冷媒を減圧可能であれば、減圧部として、種々の構成を採用することができる。例えば、固定絞りやキャピラリーチューブを本発明の減圧部として採用しても良いし、空調制御装置40の制御信号により絞り開度を制御可能な膨張弁を用いても良い。
膨張弁5の出口側には、蒸発器6の冷媒入口側が接続されている。図3に示すように、蒸発器6は、筐体10内部において、送風機7の周囲を約180度の範囲にわたって囲むように配置された複数の熱交換器を冷媒管で接続して構成されている。即ち、図3に示すように、当該送風機7は、凝縮器4及び蒸発器6によって、その周囲を囲まれている。そして、当該蒸発器6は、膨張弁5から流出した冷媒と、送風機7により送風された送風空気とを熱交換させることができ、送風空気を冷却することができる。即ち、蒸発器6は、冷却用熱交換器として作動し、本発明における吸熱部として機能する。
そして、筐体10は、シート50の座面部51と車室床面Fの間のスペースに配置可能なサイズの箱型に形成されており、吸気口11と、複数の温風吹出口12及び複数の冷風吹出口13とを、その上面に有している。
図3、図4に示すように、吸気口11は、筐体10の上面における中央部分に形成されている。当該吸気口11は、送風機7における遠心多翼ファンの回転軸の直上部分を含むように開口しており、筐体10内部と外部とを連通している。従って、送風機7は、その作動に伴って、吸気口11を介して、筐体10の内部へ車室内の空気を吸い込むことができる。
温風吹出口12は、筐体10の上面における角部の内、凝縮器4側にあたる2つの角部に開口されており、筐体10内部と外部とを連通している。送風機7による送風空気の一部は、凝縮器4における熱交換により温められた後、温風吹出口12から吹き出される。
一方、冷風吹出口13は、筐体10の上面における角部の内、蒸発器6側にあたる2つの角部に開口されており、筐体10内部と外部とを連通している。送風機7による送風空気の他の一部は、蒸発器6における熱交換により冷却された後、冷風吹出口13から吹き出される。
図1、図2に示すように、当該吸気口11には、中央接続部材16が取り付けられている。中央接続部材16は、中空状に形成されており、シート50における座面部51の下面に接続されている。
ここで、シート50の座面部51は、その上部に、ウレタン等の多孔質材で構成されたクッション部を有しており、その弾力性によって、乗員との接触により発生する衝撃を緩和している。そして、座面部51は、この多孔質材からなるクッション部によって通気性を有している。
従って、当該シート空調装置1は、吸気口11及び中央接続部材16を介して、通気性を有する座面部51の上方の空間との間で、空気を移動させることができ、座面部51上方の空間から吸気することができる。即ち、中央接続部材16は、本発明における接続部材の一例である。
そして、温風吹出口12には、中空状の温風側接続部材17が取り付けられており、冷風吹出口13には、中空状の冷風側接続部材18が取り付けられている。温風側接続部材17、冷風側接続部材18は、それぞれ、後述する空調風供給部30に接続されており、当該空調風供給部30を介して、後述するメインダクト21等の端部や、後述するシートフレーム53と接続されている。
従って、第1実施形態に係るシート空調装置1は、図9等に示すように、メインダクト21等の各種ダクトや、後述する第2シートフレーム57を介して、冷凍サイクル2によって調整された空調風を、シート50に座った乗員に対して供給することができる。
図1、図2に示すように、シート50の両側面には、メインダクト21と、脚部用ダクト23と、上部ダクト25とがそれぞれ配置されている。又、シート50における座面部51下方には、下部ダクト27が配置されている。
メインダクト21は、扁平な中空状に形成されており、シート50の座面部51内部に配置された空調風供給部30から、シート50の側面に沿って、背もたれ部52中段まで伸びている。
メインダクト21の一端部は、背もたれ部52の中段に位置しており、メイン吹出口22を有している。メイン吹出口22は、メインダクト21内部と連通しており、シート50の幅方向内側に向かってやや湾曲するように形成されている。そして、メインダクト21の他端部は、空調風供給部30を介して、温風側接続部材17及び温風吹出口12、冷風側接続部材18及び冷風吹出口13と接続されている。
従って、シート空調装置1によって調整された空調風としての温風WA、又は冷風CAは、メイン吹出口22を介して、シート50に座った乗員に対して供給される。メイン吹出口22が背もたれ部52の中段において幅方向やや内側に湾曲している為、シート空調装置1は、シート50に座った乗員の体幹部分に対して、より効率良く空調風を供給することができる。従って、メインダクト21は、本発明における空調風供給部の一部を構成し、メイン吹出口22は、本発明における中間吹出口の一部を構成する。
又、脚部用ダクト23は、中空状に形成されており、シート50の座面部51に沿って伸びた後、上方に曲がっている。脚部用ダクト23の一端部は、座面部51の上面によりもやや上方に位置し脚部吹出口24を有している。脚部吹出口24は、車幅方向内側に向かってやや湾曲するように形成されている。一方、脚部用ダクト23の他端部は、空調風供給部30を介して、温風側接続部材17及び温風吹出口12、冷風側接続部材18及び冷風吹出口13と接続されている。
従って、シート空調装置1によって調整された温風WA、又は冷風CAは、脚部吹出口24を介して、シート50に座った乗員の脚部に対して供給される。脚部吹出口24が座面部51上面よりも上方の位置において幅方向やや内側に湾曲している為、シート空調装置1は、シート50に座った乗員の太腿等の脚部に対して、より効率良く空調風を供給することができる。従って、脚部用ダクト23は、本発明における空調風供給部の一部を構成し、脚部吹出口24は、本発明における中間吹出口の一部を構成する。
そして、上部ダクト25は、背もたれ部52に沿って上方に伸びる中空状に形成されており、背もたれ部52の上部において前方に向かって曲がっている。上部ダクト25の一端部は、背もたれ部52の上部に位置しており、前方に向かって開口した上部吹出口26を有している。そして、上部ダクト25の他端部は、空調風供給部30を介して、温風側接続部材17及び温風吹出口12、冷風側接続部材18及び冷風吹出口13と接続されている。
従って、シート空調装置1によって調整された温風WA、又は冷風CAは、上部吹出口26を介して、シート50に座った乗員の頭部近傍に対して供給される。即ち、上部ダクト25は、本発明における空調風供給部の一部を構成し、上部吹出口26は、本発明における上部吹出口として機能する。
そして、シート50における座面部51の前側には、中空状の下部ダクト27が配置されており、空調風供給部30に対して接続されている。下部ダクト27は、図1、図2に示すように、座面部51の幅方向中央部分に位置しており、前側に位置する温風側接続部材17と冷風側接続部材18の間に配置されている。
下部ダクト27の前面には、下部吹出口28が形成されており、下部ダクト27内部と外部とを連通している。下部ダクト27の他端部は、メインダクト21等と同様に、空調風供給部30を介して、温風側接続部材17及び温風吹出口12、冷風側接続部材18及び冷風吹出口13と接続されている。
従って、シート空調装置1によって調整された温風WA、又は冷風CAは、下部吹出口28を介して、シート50に座った乗員の足元近傍に対して供給される。即ち、下部ダクト27は、本発明における空調風供給部の一部を構成し、下部吹出口28は、本発明における下部吹出口として機能する。
次に、シート50の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。シート50は、電気自動車において乗員が座る為に配設されており、座面部51と、背もたれ部52と、シートフレーム53とを有している。座面部51は、乗員が着座する部分であり、その上面に多孔質製のクッション部を有している。
そして、背もたれ部52は、座面部51に座った乗員を背後から支持する部分を構成しており、その前面に多孔質製のクッション部を有している。そして、シート50は、座面部51及び背もたれ部52を、シートフレーム53で相対的な位置を固定することによって構成されている。
シートフレーム53は、金属パイプを組み合わせて構成されており、シート50の骨材部として機能すると同時に、シート空調装置1による空気の流路としても機能する。図5に示すように、シートフレーム53は、第1シートフレーム54と、第2シートフレーム57とによって構成されている。この第1シートフレーム54と第2シートフレーム57とは、図示しない補強部材で連結されており、その相対的な位置関係を維持している。
第1シートフレーム54は、座面部51のクッション部よりも下方において、座面部51の内部に配置されており、接続部55と、複数の通気孔56とを有している。接続部55は、第1シートフレーム54の端部に形成されており、座面部51の下面から突出するように配置されている。この接続部55には、中央接続部材16の端部が接続される。
複数の通気孔56は、第1シートフレーム54の上面における複数個所に配置されており、中空状の第1シートフレーム54内部と連通している。従って、第1実施形態に係るシート空調装置1は、座面部51の上方の空気を、座面部51のクッション部、第1シートフレーム54、中央接続部材16、吸気口11を介して、筐体10の内部へ吸い込むことができる。
第2シートフレーム57は、背もたれ部52のクッション部よりも後方において、背もたれ部52の内部に配置されており、空調風供給口58と、複数の空調風吹出口59とを有している。空調風供給口58は、背もたれ部52の下端部に配置されており、空調風供給部30を介して、温風側接続部材17及び温風吹出口12、冷風側接続部材18及び冷風吹出口13に接続されている。
図5に示すように、空調風吹出口59は、第2シートフレーム57の前面側における複数個所に配置されており、それぞれ中空状の第2シートフレーム57の内部と連通している。従って、第1実施形態に係るシート空調装置1は、温風吹出口12を介して吹き出される温風WAや冷風吹出口13を介して吹き出される冷風CA等の空調風を、空調風供給部30、第2シートフレーム57、背もたれ部52のクッション部を介して、車室内に吹き出させることができる。
又、座面部51及び背もたれ部52のクッション部は、多孔質である為、シート空調装置1による空調風の吹出しによって、座面部51、背もたれ部52におけるクッション部の温度調整をすることができる。
続いて、シート空調装置1の作動制御を司る制御系について、図6を参照しつつ説明する。シート空調装置1は、当該シート空調装置1の構成機器の作動を制御する為の空調制御装置40を有している。空調制御装置40は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。そして、空調制御装置40は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、圧縮機3、送風機7、空調風供給部30等の空調制御機器の作動を制御する。即ち、空調制御装置40は、本発明における制御部として機能する。
図6に示すように、空調制御装置40の出力側には、圧縮機3と、送風機7と、空調風供給部30とが接続されている。従って、当該空調制御装置40は、圧縮機3による冷媒吐出性能(例えば、冷媒圧力)や、送風機7による送風性能(例えば、送風量)を状況に応じて調整することができる。
上述したように、空調風供給部30には、温風吹出口12及び冷風吹出口13が接続されており、更に、メインダクト21、脚部用ダクト23、上部ダクト25、下部ダクト27及び第2シートフレーム57に接続されている。
空調風供給部30の内部には、複数の上流側流路と、複数の下流側流路と、複数の流路切替機構部とが配置されている。複数の上流側流路は、温風吹出口12に接続された上流側流路と、冷風吹出口13に接続された上流側流路とを含んでいる。
複数の下流側流路には、メインダクト21に接続される下流側流路と、脚部用ダクト23に接続される下流側流路と、上部ダクト25に接続される下流側流路と、下部ダクト27に接続される下流側流路と、第2シートフレーム57に接続される下流側流路とが含まれている。
そして、複数の流路切替機構は、上流側流路と下流側流路との各接続部分にそれぞれ配置されており、開閉可能なドア部材と、当該ドア部材を駆動させる為の電磁モータとを有して構成されている。従って、流路切替機構を制御することによって、接続部分より下流側に対する空調風の流れの有無を切り替えることができる。
そして、当該空調制御装置40は、空調風供給部30を構成する複数の流路切替機構の作動を制御することができる。即ち、空調制御装置40は、空調風供給部30を制御することで、メインダクト21、脚部用ダクト23、上部ダクト25、下部ダクト27、第2シートフレーム57から吹き出される空調風の供給態様を適宜切り替えることができる。
尚、図6においては、空調制御装置40の出力側に接続されている構成のみを図示しているが、これに限定されるものではない。例えば、空調制御装置40の入力側に、内気温センサや外気温センサ等の空調制御用のセンサ群を接続してもよいし、シート空調装置1の作動を指示する為の操作パネルを接続してもよい。
更に、空調制御装置40は、シート空調装置1が搭載される電気自動車に配置されていれば、その配置場所は限定されるものではない。例えば、シート空調装置1の筐体10内部に、空調制御装置40を配置しても良いし、電気自動車における車室内前部の計器盤付近に配置しても良い。
次に、当該シート空調装置1において、空調風供給部30により実現される温風WA及び冷風CAの供給態様について、図7、図8を参照しつつ説明する。上述したように、当該シート空調装置1によれば、空調風供給部30を制御することで、メインダクト21、脚部用ダクト23、上部ダクト25、下部ダクト27及び第2シートフレーム57から吹き出される空調風を、それぞれ温風WA又は冷風CAに切り替えることができる。
具体的には、シート空調装置1は、空調風供給部30の作動制御を行うことで、シート50に対する空調風の供給モードとして、図7に示す第1供給モードと、図8に示す第2供給モードとを実現することができる。
尚、シート空調装置1における空調風の供給モードの切り替えは、種々の契機に応じて実行される。例えば、操作パネル等を介して入力される乗員の操作に応じて、空調風の供給モードを切り替えても良いし、車室外の温度(即ち、外気温)や車室内の温度(内気温)などの環境条件に応じて切り替えるように構成することも可能である。
第1供給モードにおいては、空調制御装置40は、空調風供給部30を制御して、温風吹出口12側の上流側流路に対して、脚部用ダクト23、上部ダクト25、下部ダクト27の下流側流路を夫々接続する。同時に、空調制御装置40は、空調風供給部30を制御して、冷風吹出口13側の上流側流路に対して、メインダクト21の下流側流路を接続する。
図7に示すように、第1供給モードでは、上部ダクト25の上部吹出口26からは、冷風吹出口13から供給される冷風CAが吹き出される。そして、メインダクト21のメイン吹出口22、脚部用ダクト23の脚部吹出口24、下部ダクト27の下部吹出口28からは、温風吹出口12から供給される温風WAが吹き出される。
一方、第2供給モードでは、空調制御装置40は、空調風供給部30を制御して、温風吹出口12側の上流側流路に対して、下部ダクト27の下流側流路を接続する。同時に、空調制御装置40は、冷風吹出口13側の上流側流路に対して、メインダクト21、脚部用ダクト23、上部ダクト25の下流側流路を夫々接続する。
第2供給モードにおいては、図8に示すように、上部ダクト25の上部吹出口26、メインダクト21のメイン吹出口22、脚部用ダクト23の脚部吹出口24からは、冷風吹出口13から供給される冷風CAが吹き出される。そして、下部ダクト27の下部吹出口28からは、温風吹出口12から供給される温風WAが吹き出される。
続いて、シート空調装置1が第1供給モードで作動した場合における各構成の作動態様及び空気の流れについて、図9、図10を参照しつつ説明する。第1実施形態に係るシート空調装置1は、シート50の空調を開始する際には、圧縮機3及び送風機7の作動を開始する。
そして、送風機7の作動を開始すると、座面部51の上方の空気が、座面部51のクッション部、第1シートフレーム54、中央接続部材16を介して、吸気口11から筐体10の内部に吸い込まれる。筐体10内部に吸い込まれた空気は、送風機7の周囲に配置された凝縮器4及び蒸発器6に対して送風される。
一方、圧縮機3の作動開始により、圧縮機3は、吸入冷媒を圧縮して、高温高圧のガス冷媒として吐出する。圧縮機3の吐出口には、凝縮器4が接続されている。
凝縮器4は、送風機7により送風された空気と熱交換することで、圧縮機3から吐出されたガス冷媒を冷却して凝縮させる。換言すると、凝縮器4は、ガス冷媒の熱を送風空気に対して放熱させて温め、温風WAを生成する。
凝縮後の冷媒は、凝縮器4の流出口から膨張弁5に流入する。膨張弁5は、液冷媒を気液二相状態に減圧膨張させる。そして、蒸発器6は、膨張弁5を通過した冷媒を蒸発させることで、蒸発器6を通過する送風空気から吸熱する。即ち、蒸発器6は、送風空気の熱を冷媒に吸熱させることで、送風空気を冷却して冷風CAを生成する。
このように第1実施形態に係るシート空調装置1では、冷凍サイクル2によって温風WA及び冷風CAが同時に生成される。凝縮器4で生成された温風WAは、温風吹出口12から、温風側接続部材17を介して、空調風供給部30に導入される。一方、蒸発器6で生成された冷風CAは、冷風側接続部材18を介して、空調風供給部30に導入される。
図7に示すように、第1供給モードでは、温風吹出口12は、空調風供給部30の制御によって、メインダクト21、脚部用ダクト23、下部ダクト27に対して接続される。そして、冷風吹出口13は、空調風供給部30の制御によって、上部ダクト25に対して接続される。
図9、図10に示すように、第1供給モードにおいて、メインダクト21を流れた温風WAは、背もたれ部52の左右両側に位置するメイン吹出口22から前方斜め上方向に吹き出される。又、各メイン吹出口22は、背もたれ部52の左右両側において、それぞれシート50の幅方向内側へ曲がっている。従って、温風WAは、シート50に座っている乗員の体幹部分に向かって吹き出される。
又、脚部用ダクト23を流れた温風WAは、座面部51の左右両側に位置する脚部吹出口24から上方向に吹き出される。そして、脚部吹出口24は、座面部51の左右両側において、シート50の幅方向内側へ曲がっている。従って、温風WAは、シート50に座っている乗員の太腿等の脚部に向かって吹き出される。
そして、下部ダクト27を流れた温風WAは、座面部51の下方前側部分に位置する下部吹出口28から、前方に向かって吹き出される。座面部51における下方前側には、シート50に座っている乗員の膝から足先までの部分が位置する。従って、温風WAは、シート50に座っている乗員の足元に向かって吹き出される。
一方、上部ダクト25を流れた冷風CAは、背もたれ部52の上部(例えば、ヘッドレスト部分)の左右両側に位置する上部吹出口26から前方に向かって吹き出される。背もたれ部52の上部近傍には、シート50に座った乗員の頭部が位置する。従って、冷風CAは、シート50に座っている乗員の頭部周辺に向かって吹き出される。
図9、図10に示すように、当該シート空調装置1は、第1供給モードで温風WA及び冷風CAを供給することで、シート50に座った乗員の胴体より下方の部分を温めつつ、当該乗員の頭部周辺を低温環境におくことができる。即ち、シート空調装置1は、冷凍サイクル2により生成される温風WA及び冷風CAを有効に活用して、シート50に座った乗員を、いわゆる、頭寒足熱とよばれる状態にすることができる。
ここで、冬季のような低温環境の場合、乗員の快適性を向上させる為には、乗員を温めることが重要となる。しかしながら、乗員の全身を過度に温かな環境においてしまうと、乗員の頭部が温まりすぎ、乗員の脳機能が低下してしまう場合がある。そして、乗員が電気自動車を運転している場合において、頭部の温まりすぎに起因して脳機能が低下すると、集中力の低下を招いたり、危険に対する回避動作が緩慢になったりすることが想定される。
この点、第1供給モードでは、上部ダクト25からの冷風CAによって、乗員の頭部の温めすぎを抑制しつつ、メインダクト21等からの温風WAによって乗員の胴体より下方の部分を温めることができる。即ち、シート空調装置1は、第1供給モードで作動することにより、冬季における乗員の快適性を高めると同時に、乗員の脳機能の低下を抑制して安全性を確保することができる。
又、当該シート空調装置1は、冷凍サイクル2にて生成される温風WA及び冷風CAの何れか一方を排気等して無駄にすることなく、温風WA及び冷風CAの両者を有効に活用して、いわゆる、頭寒足熱とよばれる状態をつくりだしている。即ち、シート空調装置1は、第1供給モードで作動することで、乗員の快適性を高めつつ、省エネルギー化に貢献することができる。
次に、シート空調装置1が第2供給モードで作動した場合における各構成の作動態様及び空気の流れについて、図11、図12を参照しつつ説明する。尚、この場合における冷凍サイクル2及び送風機7の動作は、上述した第1供給モードと同様である。従って、この点に関する再度の説明は省略する。
シート空調装置1では、冷凍サイクル2によって温風WA及び冷風CAが同時に生成される。凝縮器4で生成された温風WAは、温風吹出口12から、温風側接続部材17を介して、空調風供給部30に導入される。一方、蒸発器6で生成された冷風CAは、冷風側接続部材18を介して、空調風供給部30に導入される。
図8に示すように、第2供給モードでは、温風吹出口12は、空調風供給部30の制御によって、下部ダクト27に対して接続される。そして、冷風吹出口13は、空調風供給部30の制御によって、メインダクト21、脚部用ダクト23、上部ダクト25に対して接続される。
図11、図12に示すように、第2供給モードにおいて、メインダクト21を流れた冷風CAは、背もたれ部52の左右両側に位置するメイン吹出口22から前方斜め上方向に吹き出される。又、各メイン吹出口22は、背もたれ部52の左右両側において、それぞれシート50の幅方向内側へ曲がっている。従って、冷風CAは、シート50に座っている乗員の体幹部分に向かって吹き出される。
又、脚部用ダクト23を流れた冷風CAは、座面部51の左右両側に位置する脚部吹出口24から上方向に吹き出される。そして、脚部吹出口24は、座面部51の左右両側において、シート50の幅方向内側へ曲がっている。従って、冷風CAは、シート50に座っている乗員の太腿等の脚部に向かって吹き出される。
そして、上部ダクト25を流れた冷風CAは、背もたれ部52の上部(例えば、ヘッドレスト部分)の左右両側に位置する上部吹出口26から前方に向かって吹き出される。背もたれ部52の上部近傍には、シート50に座った乗員の頭部が位置する。従って、冷風CAは、シート50に座っている乗員の頭部周辺に向かって吹き出される。
一方、下部ダクト27を流れた温風WAは、座面部51の下方前側部分に位置する下部吹出口28から、前方に向かって吹き出される。座面部51における下方前側には、シート50に座っている乗員の膝から足先までの部分が位置する。従って、温風WAは、シート50に座っている乗員の足元に向かって吹き出される。
図11、図12に示すように、当該シート空調装置1は、第2供給モードで温風WA及び冷風CAを供給することで、シート50に座った乗員の脚部より上方の部分を冷却しつつ、当該乗員の足元周辺を温めることができる。即ち、シート空調装置1は、冷凍サイクル2により生成される温風WA及び冷風CAを有効に活用することができる。
ここで、夏季のような高温環境の場合、乗員の快適性を向上させる為には、乗員を冷却することが重要となる。しかしながら、乗員の周囲を過度に冷房してしまうと、乗員に足先の冷えを感じさせてしまい、快適性を低下させてしまう場合がある。
この点、第2供給モードでは、メインダクト21〜上部ダクト25からの冷風CAによって、乗員を冷却して快適性を高めつつ、下部ダクト27からの温風WAによって乗員の足元周辺を温めることができる。即ち、シート空調装置1は、第2供給モードで作動することにより、高温環境における乗員の快適性を高めると同時に、足先の冷えに起因する乗員の快適性の低下を抑制することができる。
又、当該シート空調装置1は、第2供給モードにおいても、冷凍サイクル2にて生成される温風WA及び冷風CAの何れか一方を排気等して無駄にすることなく、温風WA及び冷風CAの両者を有効に活用して、足先の冷えによる不快感を緩和しつつ、全体としての快適性を高めている。即ち、シート空調装置1は、第2供給モードで作動することで、温風WA及び冷風CAをそれぞれ乗員の異なる部位に適切に供給することができ、乗員の快適性を高めることができる。
以上説明したように、第1実施形態に係るシート空調装置1は、シート50の座面部51と車室床面Fとの間のスペースに配置された筐体10内部に、蒸気圧縮式の冷凍サイクル2と送風機7を収容している。当該シート空調装置1は、送風機7によって送風される空気を、冷凍サイクル2の凝縮器4及び蒸発器6で夫々温度調整して、温風WA、冷風CAとして送風することで、シート50に座った乗員の快適性を高めている。
図7〜図12に示すように、当該シート空調装置1は、凝縮器4により生成された温風WAと、蒸発器6により生成された冷風CAとを、空調風供給部30の制御によって、メインダクト21等のダクト部材や第2シートフレーム57に対してそれぞれ供給できるので、温風WA、冷風CAを異なる目的(例えば、空調対象とする部位や、空調を行う目的等)に用いることができる。
このように、第1実施形態に係るシート空調装置1によれば、冷凍サイクル2の凝縮器4で生成される温風WA、及び蒸発器6で生成される冷風CAの何れか一方を無駄にすることなく、温風WA及び冷風CAの何れについても有効に活用することができる。
又、第1実施形態に係るシート空調装置1において、メインダクト21、脚部用ダクト23、上部ダクト25、下部ダクト27は、それぞれシート50における異なる部位に伸びており、温風WA又は冷風CAを吹き出すことができる。
従って、当該シート空調装置1によれば、メインダクト21等を介して、温風WAによる加温が必要な部位と、冷風CAによる冷却が必要な部位とに、温風WA、冷風CAをそれぞれ供給することができ、シート50に座った乗員の快適性を、更に効率よく高めることができる。
図7、図9、図10に示すように、当該シート空調装置1は、第1供給モードで空調風供給部30を制御することで、背もたれ部52の上部に配置された上部吹出口26から冷風CAを吹き出させ、その下方に位置するメイン吹出口22、脚部吹出口24、下部吹出口28から温風WAを吹き出させることができる。
これにより、当該シート空調装置1は、第1供給モードで作動することにより、シート50に座った乗員の頭部周辺を低温環境におきつつ、当該乗員の胴体より下方の部分を温めることができ、いわゆる、頭寒足熱の状態を実現することができる。
即ち、シート空調装置1は、冬季における乗員の快適性を高めると同時に、のぼせに起因する乗員の脳機能の低下を抑制して安全性を確保することができる。又、この第1供給モードにおいても、温風WA及び冷風CAを利用する為、シート空調装置1は、乗員の快適性を高めつつ、省エネルギー化に貢献することができる。
図8、図11、図12に示すように、当該シート空調装置1は、第2供給モードで空調風供給部30を制御することで、メイン吹出口22、脚部吹出口24、上部吹出口26から冷風CAを吹き出させ、座面部51の下方に位置する下部吹出口28から温風WAを吹き出させることができる。
これにより、当該シート空調装置1は、第2供給モードで作動することにより、シート50に座った乗員の足元周辺を温めつつ、当該乗員の体幹部より上方の部分を冷却することができる。即ち、シート空調装置1は、夏季における乗員の快適性を高めると同時に、足先の冷えに起因する乗員の不快感を抑制することができ、効果的に、乗員の快適性を向上させることができる。又、この第2供給モードにおいても、温風WA及び冷風CAを利用する為、シート空調装置1は、乗員の快適性を高めつつ、省エネルギー化に貢献することができる。
又、当該シート空調装置1においては、空調制御装置40は、空調風供給部30を制御することにより、図9等に示す第1供給モードと、図11等に示す第2供給モードとを切り替えることができる。
これにより、当該シート空調装置1は、温風WA及び冷風CAの供給モードを、乗員の要求やシート50周辺の環境等に応じた態様に変更することができ、シート50に座った乗員の快適性を更に向上させることができる。
そして、当該シート空調装置1は、図1〜図4に示すように、シート50の座面部51と車室床面Fとの間に配置されており、冷凍サイクル2を構成する圧縮機3、凝縮器4、膨張弁5、蒸発器6に加えて、送風機7を、箱型の筐体10内部に収容して小型ユニット化されている。
従って、当該シート空調装置1によれば、冷凍サイクル2及び送風機7を含めて小型ユニット化されている為、車室内における配設スペースを小さく抑えることができ、座面部51と車室床面Fの間のような狭小な空間に配置することができる。又、冷凍サイクル2及び送風機7が筐体10内部に収容されている為、シート空調装置1を配置する際やメンテナンスを行う際の作業性を高めることができる。
(第2実施形態)
続いて、上述した第1実施形態とは異なる第2実施形態について、図面を参照しつつ説明する。第2実施形態に係るシート空調装置1は、第1実施形態と同様に、バッテリの電力で走行する電気自動車に適用されている。そして、以下の説明において、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
第2実施形態におけるシート空調装置1は、筐体10及び筐体10に収容されている構成を除いて、上述した第1実施形態と同様である。即ち、シート50の構成や、メインダクト21等のダクト部材の配置構成は、上述した第1実施形態における説明を参照する。
第2実施形態においても、シート空調装置1は、この電気自動車のシート50の座面部51と車室床面Fとの間の小さなスペースに配置されており、適切な温度に調整された空調風として、温風WAや冷風CAを供給することで、シート50に座った乗員の快適性を高めている。
図13に示すように、第2実施形態に係るシート空調装置1は、ペルチェ素子60と、第1フィン部材63と、第2フィン部材64と、第1送風機65と、第2送風機66とを筐体10内部に収容して構成されている。
尚、第2実施形態に係る筐体10は、第1実施形態と同様に、座面部51と車室床面Fの間に収容可能な小型の箱型に形成されている。又、筐体10には、吸気口11と、温風吹出口12と、冷風吹出口13とが形成されている。吸気口11は、筐体10外部の空気を吸気SAとして筐体10内部に導入する。温風吹出口12からは、ペルチェ素子60によって暖められた温風WAが吹き出される。冷風吹出口13からは、ペルチェ素子60によって冷却された冷風CAが吹き出される。
ペルチェ素子60は、二種類の金属又は金属と半導体とを接続して構成された板状の半導体素子である。ペルチェ素子60は、二種類の金属の接合部に直流電流を流すと、ペルチェ効果を起こすように構成されている。ペルチェ効果とは、二種類の金属の接合部に直流電流を流した場合、一方の金属から他方へ熱が移動して、一方の面で吸熱を起こすと同時に、他方の面で発熱を起こす効果である。従って、第2実施形態においては、ペルチェ素子60の接合部に直流電流を流した場合に、発熱を起こす面を放熱部61とし、その裏面側において吸熱を起こす面を吸熱部62とする。
図13に示すように、第2実施形態に係るシート空調装置1では、複数のペルチェ素子60が筐体10内部に収容されており、全てのペルチェ素子60に関して、放熱部61と吸熱部62の位置関係が一致するように配置されている。
第1フィン部材63は、伝熱性に優れる金属(具体的には、アルミニウム、銅等)で板状に形成された複数のフィンを有する伝熱部材であり、複数のペルチェ素子60の放熱部61側に接触した状態で固定されている。第1フィン部材63は、ペルチェ素子60の放熱部61からの熱を、その周囲の空気に対して放熱する機能を果たす。
第2フィン部材64は、第1フィン部材63と同様に、伝熱性に優れる金属(具体的には、アルミニウム、銅等)で板状に形成された複数のフィンを有する伝熱部材である。当該第2フィン部材64は、複数のペルチェ素子60の吸熱部62に接触した状態で固定されている。第2フィン部材64は、ペルチェ素子60の吸熱部62による吸熱により冷却され、その周囲の空気との間で熱交換を行う。従って、各ペルチェ素子60の吸熱部62は、第2フィン部材64を介して、筐体10内部に導入された空気を冷却する。
第1送風機65は、筐体10内部において、温風吹出口12と第1フィン部材63との間に配置されている。第1送風機65は、その作動によって、吸気口11から筐体10外部の空気を導入して、第1フィン部材63を介して、温風吹出口12から筐体10外部へ吹き出す。第2実施形態においては、吸気口11から吸い込まれた吸気SAは、第1フィン部材63を介して、ペルチェ素子60の放熱部61によって温められ、温風吹出口12から温風WAとして吹き出される。
図13に示すように、第2送風機66は、筐体10内部において、冷風吹出口13と第2フィン部材64との間に配置されている。第2送風機66は、その作動によって、吸気口11から筐体10外部の空気を導入して、第2フィン部材64を介して、冷風吹出口13から筐体10外部へ吹き出す。従って、吸気口11から吸い込まれた吸気SAは、第2フィン部材64の周辺を流れる過程で、第2フィン部材64を介して、ペルチェ素子60の吸熱部62によって冷却され、冷風吹出口13から冷風CAとして吹き出される。
従って、第2実施形態に係るシート空調装置1は、ペルチェ素子60の放熱部61及び吸熱部62によって温度調整し、第1送風機65、第2送風機66の作動による送風空気を温度調整して、シート50やメインダクト21等を介して、シート50に座った乗員に対して温風WA、冷風CAとして供給することができる。
尚、第2実施形態においても、温風吹出口12は、温風側接続部材17を介して、空調風供給部30に接続されており、冷風吹出口13は、冷風側接続部材18を介して、空調風供給部30に接続されている。
ここで、第2実施形態に係るシート空調装置1において、空調制御装置40の出力側には、ペルチェ素子60と、第1送風機65と、第2送風機66と、空調風供給部30とが接続されている。従って、当該空調制御装置40は、ペルチェ素子60に対する電流制御を行うことで、ペルチェ素子60における放熱部61の放熱性能及び吸熱部62における吸熱性能を制御することができる。又、空調制御装置40は、第1送風機65、第2送風機66による送風性能(例えば、送風量)を状況に応じて調整することができる。
そして、第2実施形態においても、空調制御装置40が空調風供給部30を制御することで、温風吹出口12から供給される温風WA及び冷風吹出口13から供給される冷風CAを、メインダクト21等のダクトに適宜分配することができる。即ち、第2実施形態に係るシート空調装置1においても、ペルチェ素子60により調整された温風WA及び冷風CAを、シート50における異なる部位に適宜供給することができる。
更に、第2実施形態に係るシート空調装置1によれば、第1実施形態と同様に、空調風供給部30の制御によって、空調風の供給モードとして、図7、図9、図10に示す第1供給モードと、図8、図11、図12に示す第2供給モードとを実現することができる。第1供給モードの効果や、第2供給モードの効果については、上述した第1実施形態と同様である為、再度の説明は省略する。
又、第2実施形態に係るシート空調装置1においても、空調風の供給モードの切り替えは、種々の契機に応じて実行される。例えば、操作パネル等を介して入力される乗員の操作や、室外の温度(即ち、外気温)などの環境条件に応じて、第1供給モードや第2供給モードに切り替えられる。
以上説明したように、第2実施形態に係るシート空調装置1は、シート50の座面部51と車室床面Fとの間のスペースに配置された筐体10内部に、ペルチェ素子60と、第1フィン部材63と、第2フィン部材64と、第1送風機65と、第2送風機66を収容している。当該シート空調装置1は、第1送風機65、第2送風機66によって送風される空気を、ペルチェ素子60の通電に伴って放熱部61及び吸熱部62で夫々温度調整して、温風WA、冷風CAとして送風することで、シート50に座った乗員の快適性を高めている。
第2実施形態に係るシート空調装置1は、放熱部61により生成された温風WAと、吸熱部62により生成された冷風CAとを、空調風供給部30の制御によって、メインダクト21等のダクト部材や第2シートフレーム57に対してそれぞれ供給できるので、温風WA、冷風CAを異なる目的(例えば、空調対象とする部位や、空調を行う目的等)に用いることができる。
このように、第2実施形態に係るシート空調装置1によれば、ペルチェ素子60の放熱部61で生成される温風WA、及び吸熱部62で生成される冷風CAの何れか一方を無駄にすることなく、温風WA及び冷風CAの何れについても有効に活用することができる。
又、第2実施形態に係るシート空調装置1においても、メインダクト21、脚部用ダクト23、上部ダクト25、下部ダクト27は、第1実施形態と同様に、それぞれシート50における異なる部位に伸びており、温風WA又は冷風CAを吹き出すことができる。
従って、当該シート空調装置1によれば、メインダクト21等を介して、温風WAによる加温が必要な部位と、冷風CAによる冷却が必要な部位とに、温風WA、冷風CAをそれぞれ供給することができ、シート50に座った乗員の快適性を、更に効率よく高めることができる。
そして、第2実施形態に係るシート空調装置1においても、空調風供給部30を制御することにより、空調風の供給モードを第1供給モードにすることができる。これにより、当該シート空調装置1は、シート50に座った乗員の頭部周辺を低温環境におきつつ、当該乗員の胴体より下方の部分を温めることができ、いわゆる、頭寒足熱の状態を実現することができる。
即ち、シート空調装置1は、冬季における乗員の快適性を高めると同時に、のぼせに起因する乗員の脳機能の低下を抑制して安全性を確保することができる。又、この第1供給モードにおいても、温風WA及び冷風CAを利用する為、シート空調装置1は、乗員の快適性を高めつつ、省エネルギー化に貢献することができる。
更に、第2実施形態に係るシート空調装置1は、空調風供給部30を制御することで、空調風の供給モードを第2供給モードにすることができる。これにより、当該シート空調装置1は、シート50に座った乗員の足元周辺を温めつつ、当該乗員の体幹部より上方の部分を冷却することができる。
即ち、シート空調装置1は、夏季における乗員の快適性を高めると同時に、足先の冷えに起因する乗員の不快感を抑制することができ、効果的に、乗員の快適性を向上させることができる。又、この第2供給モードにおいても、温風WA及び冷風CAを利用する為、シート空調装置1は、乗員の快適性を高めつつ、省エネルギー化に貢献できる。
そして、第2実施形態に係るシート空調装置1においても、空調制御装置40が空調風供給部30を制御することにより、図9等に示す第1供給モードと、図11等に示す第2供給モードとを切り替えることができる。
これにより、当該シート空調装置1は、温風WA及び冷風CAの供給モードを、乗員の要求やシート50周辺の環境等に応じた態様に変更することができ、シート50に座った乗員の快適性を更に向上させることができる。
(第3実施形態)
続いて、上述した実施形態とは異なる第3実施形態について、図14、図15を参照しつつ説明する。第3実施形態に係るシート空調装置1は、上述した実施形態と同様に、バッテリの電力で走行する電気自動車に適用されている。そして、以下の説明において、上述した各実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
第2実施形態におけるシート空調装置1は、シート50の座面部51に下部シートヒータ70が配置されている点、及び背もたれ部52に上部シートヒータ71が配置されている点を除いて、上述した実施形態と同様である。即ち、シート50の構成や、メインダクト21等のダクト部材の配置構成は、上述した第1実施形態における説明を参照する。
又、この場合における筐体10及び筐体10内部の構成は、図3、図4に示す冷凍サイクル2及び送風機7を収容した構成であっても良いし、図13に示すペルチェ素子60等を用いた構成であっても良い。
第3実施形態においては、図14、図15に示すように、シート50における座面部51の上面側に、下部シートヒータ70が配置されている。下部シートヒータ70は、高い熱伝導率を有する材料によって薄板状に構成されており、電力供給を受けることによって発熱するように構成されている。即ち、下部シートヒータ70は、本発明における補助加熱部の一部を構成する。
当該下部シートヒータ70は、その上部を覆うように緩衝材を有している。この緩衝材は、座面部51上面と下部シートヒータ70の間に配置されており、シート50に座った乗員が座面部51に接触した際の柔軟な感触を担保している。
又、シート50における背もたれ部52の前面側には、上部シートヒータ71が配置されている。上部シートヒータ71は、下部シートヒータ70と同様に、高い熱伝導率を有する材料によって薄板状に構成されており、電力供給を受けることによって発熱するように構成されている。即ち、上部シートヒータ71は、本発明における補助加熱部の一部を構成する。
当該上部シートヒータ71は、その前面側を覆うように緩衝材を有している。この緩衝材は、背もたれ部52の前面と上部シートヒータ71の間に配置されており、シート50に座った乗員が背もたれ部52に接触した際の柔軟な感触を担保している。
このように、第3実施形態に係るシート空調装置1によれば、シート50に座った乗員は、温風吹出口12から供給される温風WAに加えて、下部シートヒータ70及び上部シートヒータ71からの熱によって、その体幹部分を温めることができる。
これにより、例えば、第1供給モードのように、温風WA及び冷風CAによって頭寒足熱とよばれる状態にしたうえで乗員が寒さを感じる場合であっても、乗員は、下部シートヒータ70及び上部シートヒータ71によって体幹を温めることができる。即ち、第3実施形態に係るシート空調装置1は、より低温な環境(例えば、寒冷地)においても、シート50に座った乗員の快適性を向上させることができる。
又、この場合においても、第1供給モードで空調風が供給されている為、当該乗員の頭部周辺には、冷風吹出口13から供給された冷風CAが吹き出される。即ち、シート50に座った乗員の体幹をより暖めた場合であっても、のぼせによる脳機能の低下を抑制することができる為、電気自動車における安全性の観点からも有効に機能する。
以上説明したように、第3実施形態に係るシート空調装置1は、シート50における乗員との接触部分に、下部シートヒータ70、上部シートヒータ71を配置することによって、筐体10内部から供給される温風WAとは異なる暖房熱源を有する。従って、当該シート空調装置1によれば、より低温な環境においても、シート50に座った乗員の快適性を向上させることができる。
尚、第3実施形態に係るシート空調装置1は、その他の点については、上述した各実施形態で説明した同様の効果を発揮する。その他の点に関する効果の具体的な内容については先行する説明を参照する。
(他の実施形態)
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上述した各実施形態を適宜組み合わせても良い。又、上述した実施形態を、例えば、以下のように種々変形することも可能である。
(1)上述した実施形態では、図7等に示す第1供給モードと、第2供給モードとを挙げていたが、本発明に係る空調風の供給モードは、冷凍サイクル2等で生成される温風WA及び冷風CAをシート50の異なる部位に供給する態様であれば、この態様に限定されるものではない。
例えば、空調風の供給モードは、メインダクト21、脚部用ダクト23、上部ダクト25、下部ダクト27の全てにおいて、温風WA又は冷風CAを吹き出す態様である必要はない。メインダクト21〜下部ダクト27における一部において、空調風(即ち、温風WA又は冷風CA)を吹き出し、メインダクト21〜下部ダクト27の他の部分において、空調風の吹き出しを停止した態様を採用することも可能である。
(2)又、上述した実施形態においては、第2供給モードは、メインダクト21、脚部用ダクト23、上部ダクト25から冷風CAを吹き出し、下部ダクト27からのみ温風WAを吹き出すように、空調風供給部30を制御していたが、この態様に限定されるものではない。
例えば、第2供給モードとして、メインダクト21、上部ダクト25から冷風CAを吹き出し、下部ダクト27に加えて、脚部用ダクト23からも温風WAを吹き出す態様となるように、空調風供給部30を制御してもよい。この空調風の供給態様によれば、シート50に座った乗員の上半身を冷却しつつ、当該乗員の足先に加えて、腰や太腿部分を温めることができる。即ち、足先の冷えが激しい乗員の下半身全体を温め、不快感を抑制することができるので、足先の冷えの程度に応じた快適性を提供することができる。
(3)そして、上述した実施形態においては、シート50の座面部51における下面に対して、シート空調装置1を固定することによって、シート空調装置1をシート50と共に車両の前後方向へスライド移動可能に配置していたが、この態様に限定されるものではない。
例えば、シート空調装置1の筐体10を車室床面Fの所定位置に固定しておき、伸縮自在な筒状に形成された中央接続部材16、温風側接続部材17、冷風側接続部材18で、筐体10の吸気口11、温風吹出口12、冷風吹出口13と、シート50側と接続するように構成しても良い。この場合における中央接続部材16等は、例えば、蛇腹状に形成されたフレキシブルダクトにより構成することができる。
1 シート空調装置
2 冷凍サイクル
21 メインダクト
23 脚部用ダクト
25 上部ダクト
27 下部ダクト
30 空調風供給部
50 シート
WA 温風
CA 冷風

Claims (5)

  1. 車室内のシート(50)に対して空調風を供給可能に配置され、
    冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(3)と、前記圧縮機から吐出された冷媒を放熱させて温風(WA)を生成する放熱部(4)と、前記放熱部から流出した冷媒を減圧させる減圧部(5)と、前記減圧部にて減圧された冷媒を蒸発させて冷風(CA)を生成する吸熱部(6)とを有し、前記放熱部における放熱と前記吸熱部における吸熱に関し、何れか一方に伴い他方が生じる冷凍サイクル(2)と、
    前記冷媒との熱交換対象である送風空気を送風する送風部(7)と、
    前記送風部及び前記放熱部を経由して生成された温風と、前記送風部及び前記吸熱部を経由して生成された冷風とを、前記シートに対する空調風として同時に供給すると共に、
    前記送風部及び前記放熱部を経由して生成された温風と、前記送風部及び前記吸熱部を経由して生成された冷風とを、前記シートに対する空調風として夫々供給する空調風供給部(21、23、25、27、30)と、を有し、
    前記空調風供給部は、前記温風と前記冷風を、それぞれ前記シートにおける異なる部位に対して供給すると共に、
    前記シートにおける前記座面部と車室床面(F)との間に配置される筐体(10)を有し、
    前記筐体は、前記冷凍サイクルを構成する前記圧縮機、前記放熱部、前記減圧部、前記吸熱部と、前記送風部を収容しているシート空調装置。
  2. 前記空調風供給部は、前記シートにおける背もたれ部(52)の上部に配置された上部吹出口(26)から前記冷風を吹き出させると共に、前記背もたれ部にて前記上部吹出口よりも下方に配置された中間吹出口(22、24)から前記温風を吹き出させる請求項1に記載のシート空調装置。
  3. 前記空調風供給部は、前記シートの背もたれ部に配置された中間吹出口から前記冷風を吹き出させると共に、前記シートの座面部(51)に配置された下部吹出口(28)から前記温風を吹き出させる請求項1又は2に記載のシート空調装置。
  4. 前記空調風供給部を制御する制御部(40)を有し、
    前記制御部は、
    前記シートにおける背もたれ部の上部に配置された上部吹出口から前記冷風を吹き出させると共に、前記背もたれ部にて前記上部吹出口よりも下方に配置された中間吹出口から前記温風を吹き出させる第1供給モードと、
    前記中間吹出口から前記冷風を吹き出させると共に、前記シートの座面部に配置された下部吹出口から前記温風を吹き出させる第2供給モードと、の何れかに切り替えるように前記空調風供給部を制御する請求項1ないし3の何れか一つに記載のシート空調装置。
  5. 前記シートにおける乗員との接触面側にて温熱を発する補助加熱部(70、71)と、を有する請求項1ないし4の何れか一つに記載のシート空調装置。
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