JP2023176048A - シート温調装置 - Google Patents

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大介 和久田
Daisuke Wakuda
愼一 式井
Shinichi Shikii
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    • A47FURNITURE; DOMESTIC ARTICLES OR APPLIANCES; COFFEE MILLS; SPICE MILLS; SUCTION CLEANERS IN GENERAL
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    • A47C7/00Parts, details, or accessories of chairs or stools
    • A47C7/62Accessories for chairs
    • A47C7/72Adaptations for incorporating lamps, radio sets, bars, telephones, ventilation, heating or cooling arrangements or the like
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
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    • B60N2/00Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles
    • B60N2/56Heating or ventilating devices

Abstract

【課題】上記従来の構成では、熱効率が悪いことが課題であった。【解決手段】本発明は、熱交換装置と、前記熱交換装置の下面に接続された熱伝導シートと、前記熱交換装置に接続され、前記熱交換装置の温度変化を通じてシートを加温・冷却に制御可能な制御装置を備え、前記熱交換装置の上面は、身体の一部の直下に配置され、前記熱伝導シートは、前記身体の別の一部の直下に配置された構成とした。本発明のシート温調装置は、より低いエネルギー消費で覚醒を維持することができる。例えば、ドライバの運転席などに用いることができ、ドライバの覚醒を維持することができる。【選択図】図1

Description

本開示は、シート温調装置に関する。
従来、頭部冷却加温装置(ヘッドセットと、ヘッドセットの温度を調整する温調装置を備える覚醒誘導装置)が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2002-125993号公報 特開2004-290499号公報 特開2004-329611号公報
上記従来の構成では、熱効率が悪いことが課題であった。
本発明は、熱交換装置と、前記熱交換装置の下面に接続された熱伝導シートと、前記熱交換装置に接続され、前記熱交換装置の温度変化を通じてシートを加温・冷却に制御可能な制御装置を備え、前記熱交換装置の上面は、身体の一部の直下に配置され、前記熱伝導シートは、前記身体の別の一部の直下に配置された構成とした。
本開示は、より低いエネルギーの消費で覚醒を維持する。
本実施の形態に係るシート温調装置100の(a)平面図および(b)断面図である。 本実施の形態に係るシート温調装置100のブロック図である。 本実施の形態に係るシート温調装置100における温調部110の設置位置の例を示す図である。 運転席に座るドライバの身体の部位を示す図である。 シート温度条件と温冷感の代表的な挙動の結果図である。 (a)加温・冷却を連続して繰り返す温調刺激と(b)24℃定値刺激のシート温度条件図である。 タスク前後における温冷感の主観評価の変化を表す図である。 各温度条件における平均皮膚温の変化を表す図である。 覚醒度をすべての被験者で平均し温度条件で比較した結果を表す図である。 加温・冷却を連続して繰り返す温調の温度プロファイル例であり、(a)温度幅と加温・冷却速度が一定でない場合を示す図、(b)冷却刺激に対する慣らし期間がある場合を示す図、(c)温度幅と加温・冷却速度が一定の場合を示す図である。 本実施の形態に係るシート温調装置100を20℃/25℃/30℃/34℃に維持したとき及び20~30℃変動条件/25~35℃変動条件の(a)温冷感を示す図と(b)快/不快感を示す図である。 本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置700の(a)ブロック図および(b)同変形例の動作を表わすフローチャートである。 圧力シートセンサーで検出した着座時の座席とドライバの接触部分の圧力分布の一例を示す図である。 本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置800の(a)ブロック図および(b)同変形例の動作を表わすフローチャートである。 本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置900の(a)ブロック図および(b)同変形例の動作を表わすフローチャートである。 本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置200の(a)平面図および(b)温調部210の断面図である。 大腿部における温度変化と温調部210における熱移動を示した図である。 本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置300の平面図である。 本実施の形態に係る温調部110の変形例である温調部410の断面図である。 本実施の形態に係る温調部110の変形例である温調部510の断面図である。 本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置600の(a)平面図および(b)温調部610の断面図である。 本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置600の断面を拡大した図である。
以下、本開示に係るシート温調装置の実施の形態を、図面に基づき説明する。なお、下記に開示される実施の形態はすべて例示であって、本開示に係るシート温調装置に制限を加える意図はない。
また、下記に開示される実施の形態では、必要以上の詳細な説明を省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項についての詳細な説明や、実質的に同一の構成についての重複する説明を、省略する場合がある。これは、説明が不必要に冗長になるのを避けることで、当業者の理解を容易にするためである。
冷感による不快感は皮膚温が低下した状態が続くことで引き起こされる。そこで、低温刺激を行いながら定期的に加温期間を作ることで過度な皮膚温低下を防ぎ、冷感に起因する不快感を抑制させることが出来ると考えられる。また、このような制御を行うことで 脳の中で覚醒を司る脳幹網様体を刺激し続けられることができるため、より高い覚醒度を維持できると考えられる。これは、脳幹網様体が同じ刺激には反応が減弱するが、新規刺激には、強い興奮を示すという特徴に基づくものである。
以上のことから、冷却と加温とを連続的に繰り返す刺激を行うことにより、これまで課題であった快適感と覚醒維持効果のトレードオフを打破し、より高い快適感を保ちながら高い覚醒度を維持することが出来ると考えられる。覚醒維持とは眠気を解消させる(眠気レベルを下げる)ことも眠気を抑制させる(眠気レベルが上がりにくくする)ことの両方を含む。
本実施の形態に係るシート温調装置は、シートの温度を加温・冷却に制御可能である。ユーザが着席する椅子は、特に限定しないが、デスクワーク、学習、運転などで使用する椅子であればよい。シートは、ユーザが着席する座席である。シート温調装置は、ユーザが着席する座席に設置される。眠気によって効率が悪化したり、居眠り運転することを防ぐ。また、温冷感を提示することが可能な装置であるため、覚醒を目的としない用途にも使用することができる。暑熱環境における冷感提示を目的とした利用や、寒冷環境における温感呈示を目的とした利用など、快適感、爽快感、リラクゼーションを目的としてもよい。
図1は、本実施の形態に係るシート温調装置100(a)平面図および(b)断面図である。図1(b)は、図1(a)に示す破線AA’の位置における断面図である。図2は、シート温調装置100のブロック図である。
シート温調装置100は、温調部110と、制御装置130と、スイッチ140と、を備える。
制御装置130は、温調部110に接続されており、温調部110内にあるペルチェ素子111の温度制御を行う。制御装置130は、それぞれのペルチェ素子111における電流値を制御したり、電流の向きを反転させることができる。
スイッチ140は、制御装置130に接続されており、制御装置130の電源を切り替える役割を持つ。
温調部110は、ペルチェ素子111と、熱伝導シート112と、を備える。シート温調装置100は、シート温調装置100において、実際に温度変化が起こる部分である。温調部110は、制御装置130から電気的な信号を受信して、ペルチェ素子111の温度変化を通じてシート温度を一定の変化速度で変化させることができる。温調部110は、大腿部の直下120に配置されることが好ましい。なぜなら、大腿部の直下120は、ドライバが着座した際、確実にシートと接触する部位だからである。加えて、大腿部は体積が大きく熱容量が大きいために温度変化に時間が掛かり、急速な冷却刺激に対して感じる温冷感が小さい。このため、温熱的不快感を与えにくく、温調部110を配置する位置として好ましい。
なお、図1においては温調部110を二つ備える場合を記載したがこれに限らない。例えば、二つに限らず、一つでも三つ以上であっても良い。
ペルチェ素子111は、熱交換を行う手段である。なお、熱交換を行うものは、ペルチェ素子に限らない。例えば、ヒートポンプ機能を有する機器を用いることが可能であり、気体の圧縮・膨張と熱交換を組み合わせたものでも、ペルチェ効果を利用した素子などでもよい。ヒートポンプを用いたものや、ペルチェ効果を利用した素子などの熱交換手段を総称して「熱交換装置」と記載する。一般的にペルチェ素子は剛性が強く、割れやすい性質を有する。そのため、ペルチェ素子111をシート表面近傍ではなく、内部に埋め込むことにより応力の集中を軽減することができる。また、屈曲タイプの素子を用いることにより、素子の割れを抑制することができる。更に、ペルチェ素子111はシート表面に対して設置する向きは、例えば、シート表面に対して垂直に設置することが好ましい。これにより、ペルチェ素子111への応力の集中を更に軽減でき、割れを抑制することができる。
熱伝導シート112は、図1(b)に示すように温調部110において、一つのペルチェ素子111の上面と下面に配置される。ペルチェ素子111の上面と下面とは、図1(b)に示すようにペルチェ素子111の一方の面が上面116、上面116に対向する面が下面117として定義される。例えば、ペルチェ素子111が垂直に立てて設置された状態でも、上面と下面の定義は変わらない。つまり、ここでの上下とは、地面垂直方向における上下の意味ではない。このように、熱伝導シート112は、一つのペルチェ素子111に対して二枚配置される。熱伝導シート112のそれぞれは、身体の一部の直下に配置される。この場合、身体の一部の直下とは、熱伝導シート112が背中部分に設置された場合も含む。つまり、ここでの直下とは、地面垂直方向に対して直下という意味ではない。熱伝導シート112は、熱抵抗を小さくするため、身体と近い場所にあるほどよい。熱伝導シート112は熱伝導率の高い素材であることが好ましく、例えば金属板、特に銅板やアルミ板である。例えば、カーボン系シート、特にグラファイトシートやカーボンナノチューブシートである。例えば、管状のヒートパイプやフレキシブルヒートパイプである。また、熱伝導シート112は身体近くに設置されるため、剛性の小さなものが、ユーザの快適性を損なわない。更に、同様の理由により通気性があってもよく、熱伝導率のよい素材から成るメッシュ状のもの、織り込まれたもの、シートに通気用のパンチ穴が空いたものである。
なお、図1では、一つの温調部110を一方の大腿部を加温・冷却するように配置した場合を記載したがこれに限らない。例えば、図3に記載する様に温調部110を配置してもよい。図3は、本実施の形態に係るシート温調装置100における温調部110の設置位置の例を示す。図3における熱伝導シートは、すべて同符号で示さず、熱伝導シート112、熱伝導シート113、熱伝導シート114、熱伝導シート115の四つに分けて示す。一つの温調部110で両方の大腿部を加温・冷却するように設置したものである。
なお、複数の温調部110を設置する場合は、それぞれの温調部110内に設置されるペルチェ素子111の駆動制御を独立して行うことができる。制御装置130は、それぞれのペルチェ素子111における電流値や電流の向きを反転させる周期を任意に設定することが可能である。例えば、図3において、片方のペルチェ素子111と他方のペルチェ素子111におけて、電流値や電流の向きを反転させる周期が同じになるように設定した場合は、熱伝導シート112と熱伝導シート114は、同時に加温または冷却され、熱伝導シート113と熱伝導シート115は、同時に冷却または加温される。これにより、温熱的刺激効果が増大され、効果的な覚醒維持を促すことができる。
図4は、運転席に座るドライバの身体の部位を示す図である。図4は、ドライバの背中121、腰122、尻123、大腿部124の位置をそれぞれ示す。シート温調装置が設置される位置は、ユーザとシートと接触する場所であれば、特に限定されるものではない。背もたれに設置すれば背中121を、座面に設置すれば臀部や大腿部124に温冷刺激を与える事ができる。中でも、大腿部124は体積が大きく熱容量が大きい部位であるために、温度変化に時間が掛かり、感じる温冷感の変動が鈍く、温熱的不快感を与えにくい。
温調部110は、複数個所あってもよく、また、複数個所ある場合には、温調する部位やタイミングを変えても良い。例えば、シート状の感圧センサーやカメラからユーザの姿勢を把握し、シートに接触している部位に応じて温調する場所を変えることができる。
以下、シート温調装置100を用いた温冷感に関する実験結果について説明する。
以下の実験結果はすべて図1の構成によるものである。以下の記載においてシートの温度変化は、シート温調装置100の制御装置130によって与えられたものである。
冷却刺激の温度特性(変調周期や温度)と温冷感の関係を検証するため、冷却速度と到達温度とを種々変化させ、その時の温冷感を把握する実験を行った。被験者は20~50代の男性10名とし、24℃に保たれた実験室にて表1に示す5種のシート温度条件で温冷感の推移を比較した。初期温度はアメリカ暖房冷凍空調学会が定めた快適ゾーンを参考に26℃とした。冷却速度の速い方がより冷感を感じにくいという考えの元、本シート温調装置で提示可能な最大の変化速度-3℃/分をベースに、-1℃/分、-0.5℃/分の3条件とした。試験期間中被験者は試験監督者の合図に従い、10秒に1回の間隔でシート温調部の「温冷感」を口頭で回答する。温冷感は、-4(非常に寒い)~4(非常に暑い)の9段階評価である。これにより、リアルタイムで被験者が感じる温冷感を知ることができる。
Figure 2023176048000002

図5は、シート温度条件と温冷感の代表的な挙動の結果である。図5は、シート温度条件と温冷感の代表的な挙動の結果として、条件4の結果を示す。図5中の温冷感は、被験者10人の平均値をプロットし、縦点線は温度変化の開始点と終了点を示している。温冷感は、制御装置130による温度変化の開始後しばらくして低下し始め、22℃に到達した時点で、-2(涼しい)に至る。その後、温度変化がないにも関わらず低下し続けている。
ここで、それぞれのシート温度条件において、所定の到達温度に達した時点の温冷感を表1に示す。条件1~3を比較すると、到達温度がすべて20℃であるにもかかわらず、冷却速度が速い条件2、3で冷感を感じにくくなることがわかった。これは、熱容量が大きいために太もも全体の温度変化に時間が掛かり、冷感が鈍化したためと考えられる。以上のことから、シート温度は、制御装置130によって、急峻に温度降下させ、所定の温度まで低下した後は、低温で維持することなく温度上昇させることにより、与える冷感・不快感を極力抑えることが可能であると考えられる。
さらに、条件3~5を比較すると、到達温度が低いほど温冷感も低くなり、寒く感じていることが分かる。温冷感において-2は涼しいを意味しており快適な範囲であるが、-2を下回ると寒い領域となるため不快感を生じることになる。以上のことから、制御装置130が、冷却速度を-3℃/分、下限到達温度を22℃に温度制御することで、不快感を生じない温度変調が可能と考えられる。
これらの検討により、制御装置130が行う冷却刺激の温度プロファイルは、下限温度を22℃、上限を26℃とし、上限と下限の間を、3℃/分の変化速度で加温・冷却を連続して繰り返すことが最適な条件と導き出した。
導き出した加温・冷却を連続して繰り返す温調刺激による覚醒効果を検証するため、以下の被験者実験を行った。被験者は20代の男性7名とし、22℃に保たれた恒温室にて、2種のシート温度条件で覚醒度の推移を比較した。
図6は、2種のシート温度条件をそれぞれ示す。
被験者に対する精神的負荷を統制するために、被験者は座位にて所定のタスクを24分間行う。タスクは被験者前方に配置したディスプレイ上を規則的に移動する点をマウスカーソルで追い続けるトラッキングタスクを実施した。
覚醒度の外乱要因を抑制するために温熱条件は22℃±1℃とし,照度条件は100lx±10%、Co2濃度は1500ppm以下とした。着衣条件は長袖シャツ、トレーナー上下、靴下、下着で統一した。また、注意事項として被験者には前日は十分な睡眠時間を確保するよう指示した。
皮膚表面温度の変化とそれに伴う温冷感との関連性を評価するため、Hardy-Duboisの7点法に従い、身体各部位に皮膚温センサを装着し、平均皮膚温(平均皮膚温=0.07×頭+0.14×前腕+0.05×手+0.35×腹+0.19×大腿+0.13×下腿+0.07×足)を算出した。
温冷感は,タスク開始前後にVAS(Visual Analogue Scale)による主観評価を行った。VAS10cmの線分を用い、質問事項に対する主観的な程度を直線上に記しを付けることによって評定する。
温調を実施しない場合、被験者の着座したシートは約31℃に維持されることを示す。そのため、31℃を本検討における初期温度とした。条件1は、制御装置130がシート温度を冷却した後、冷却前の温度以下で上限は26℃、下限温度は22℃、さらに変化速度±3℃/分で上限と下限の間を温度幅4℃以内の範囲で加温・冷却を連続して変化させた。条件2は、制御装置130が、シート温度を冷却した後、条件1の時間平均温度に相当する24℃の低温定値刺激を行った。制御装置130は、どちらの条件も初期3.5分は31℃に制御し、タスクの途中から各々の温度変化を与える。
被験者の覚醒度は、1(全く眠くなさそう)、2(やや眠そう)、3(眠そう)、4(かなり眠そう)、5(非常に眠そう)の5段階で定義した。実験中の覚醒度の推移は、タスク中に撮影した被験者の顔画像から、評定者が実験終了後に被験者の表情を見て覚醒度0.5刻みの精度で5秒おきに評定することで客観的に定量化した。
提示した2つの温度条件に対し、実測温度の時間平均値および総熱移動量を確認したところ、それぞれ有意差はなく、制御装置130は、熱的に同等の温熱刺激を与えたことが分かった。
図7は、タスク前後における温冷感の主観評価の変化を示す。比較検定による有意差はないものの、条件2は寒く感じている一方、条件1の温冷感は中立的であり、冷感による不快感が生じない刺激であったと考えらえられる。
図8は、各温度条件における平均皮膚温の変化を示す。各条件の左側は初期3.5分における平均値、右側はタスク後半20.5分における平均値である。条件2には有意差は見られなかった一方、加温・冷却を連続して繰り返す温調刺激である条件1では刺激が与えられてからの平均皮膚温が有意に上昇した。これは、温冷感の傾向とも一致しており、皮膚温変化によって温冷感が決定されることが示唆される結果であった。
図9は、表情評定で得た覚醒度をすべての被験者で平均し、温度条件で比較した結果を示す。共通温度最終時点での覚醒度をそろえるため、条件1の覚醒度を0.1下げて表示している。条件1、2において、約6分あたりまで右肩上がりの同様な挙動を示し、徐々に眠気が生じていることが分かる。条件2はその後も右肩上がりの上昇を続け、13分で覚醒度3.5(眠そう~かなり眠そう)に達している。一方、条件1は6分以降の上昇は緩やかであり、全実験時間にわたり覚醒度は3.5を超えることなく、条件2と比較して眠気を抑制していることが分かる。3分間の覚醒度を平均し、2つの条件の差をグラフ内に示したが、12分以降から差は大きくなり、加温・冷却を連続して繰り返す温調刺激によって覚醒度は0.4~0.5高く、覚醒維持効果が有効に働いていると言える。本検討は室温22℃の低温環境で実施されており、エアコンによる低温覚醒効果に、更に効果を重畳させることが可能である。このことから、加温・冷却を連続して繰り返す温調刺激は複合的な利用も期待できる結果と言える。
以上の結果より、加温・冷却を連続して繰り返す温調刺激では、冷感による不快感を生じさせず、低温定値刺激を上回る効果的な覚醒維持効果があることを明らかにした。
図10は、加温・冷却を連続して繰り返す温調の温度プロファイル例であり、(a)温度幅と加温・冷却速度が一定でない場合、(b)冷却刺激に対する慣らし期間がある場合(c)温度幅と加温・冷却速度が一定の場合を示す図である。脳の中で覚醒を司るのは脳幹網様体である。脳幹網様体の特性により、定値刺激ではその興奮が減弱してしまう。一方,脳幹網様体は新規刺激には敏感である。加温と冷却が繰り返されることで脳幹網様体が効果的に興奮を維持し、覚醒状態を長く保つことができる。従って、ここでいう加温・冷却を連続して繰り返す温調は、加温期間と冷却期間が交互に現れる温度制御のことであり、各々に要する時間や温度変化速度が等しくなくても良い。また、加温と冷却を切り替える回数(図10(a):切替1、2、・・・)は、複数回であれば特に限定されるものではないが、新規刺激を繰り返し与える為に、好ましくは3回以上、より好ましくは5回以上、さらに好ましくは10回以上であればよい。加温・冷却の温度変動幅は、一連の切り替え点における最高温度と最低温度の差を示しており、この変動幅は温冷感を交互に感じさせる程度あればよい。一方で、温度変化速度は有限であるため、加温・冷却の温度変動幅が大きいと加温・冷却に時間が掛かり、新規刺激を与える頻度が少なくなってしまう。その為、変動温度幅は、好ましくは温度10℃以内、より好ましくは6℃以内、更に好ましくは4℃以内である。
冷却から加温に切り替える時の温度は、冷却刺激に対する慣らし期間として、最低温度(図10(b):切替5、7)に到達させる前、最低温度よりも高い温度で切り替えをしてもよい(図10(b):切替1、3)。これにより、ユーザは初回から極端に低い温度にさらされることがないので、冷却刺激に対する慣れができており、突然の強い冷感にさらされることによるディストラクションの低減や、冷感に対する不快感を低減することができる。
シート温調装置100は、初めにシートを冷却した後、冷却前の温度(図10(c):温調なしの温度)以下で加温・冷却を連続して繰り返しても良い。加温・冷却前の温度よりも低温側の温度にさらされることは、覚醒刺激として効果的である。なぜなら、感覚受容器の温点と冷点においては、冷点の数の方が多く、冷感の方が覚醒刺激として効果的だからである。加温・冷却を連続して繰り返す温調の温度幅は、好ましくは下限温度を20℃、上限を30℃とするとよい。更に好ましくは、下限温度を22℃、上限を26℃とするとよい。強い冷感や温感を与えることがない温度範囲のため、温熱的不快感がないからである。
加温・冷却を連続して繰り返す温調の温度変化速度は、好ましくは1℃/分以上、更に好ましくは3℃/分以上がよい。変化速度1℃以上の場合は、冷感刺激を和らげ、冷感による不快感を緩和することができる。また、変化速度3℃以上の場合は、冷感刺激を更に和らげ、冷感による不快感を更に緩和することができる
図11は、シート温調装置100を20℃/25℃/30℃/34℃に維持したとき及び20~30℃変動条件/25~35℃変動条件の(a)温冷感と(b)快/不快感を示した図である。図11の実験結果は、すべて図1の構成によるものである。図11は、シート温調装置100の温度を20℃/25℃/30℃/34℃に10分間維持した後及び、20~30℃/25~35℃の温度範囲で加温・冷却を連続して繰り返して温度変動した後の温冷感と快適感の主観評価の結果である。表2は、温冷感の指標を示す。表3は、快適感の指標を示す。図11より、20℃、25℃、30℃の温冷感は、中立よりもやや涼しく感じさせることができており覚醒維持効果として期待できる。温度範囲が20℃~30℃の場合は、温度範囲が25℃~35℃の場合よりも温冷感が低く、不快感が低い。図11のすべての維持温度における快適感の平均値は、1(やや不快)を超えていない。図11の結果から、不快感なく覚醒維持効果が得られる温度範囲は上限30℃、下限20℃の温度範囲10℃である。
Figure 2023176048000003
Figure 2023176048000004
この加温・冷却を連続して繰り返す温調刺激を提示するデバイスは特に限定されるものではない。例えば、エアコンを用いたシート温調でもよいし、エアコンと電熱ヒーターを組み合わせたものでもよいし、ペルチェ素子を用いたものでもよい。中でも、ペルチェ素子を用いたシート温調装置100は、加温・冷却の切り替えが容易である点、また高速な温度変化を実現できる点、細かな温度制御が可能な点で、好適な方法のひとつである。
(変形例)
図12は、本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置700の(a)ブロック図および(b)同変形例の動作を表わすフローチャートである。図2との差分は、判定装置750と眠気センサー760を用いる点である。眠気センサー760は、判定装置750に接続されている。判定装置750は、制御装置730とスイッチ740に接続されている。ペルチェ素子711は、制御装置730と接続される。
眠気センサー760は、ユーザの眠気を検出する。眠気センサー760は、特に限定されないが、例えば、カメラ、圧力シートセンサー、モーションセンサー、心拍センサー、脈拍センサー、呼吸センサーが挙げられる。
判定装置750は、眠気センサー760から得たユーザの情報に基づき、眠気レベルを判定する。また、判定装置750は、眠気センサー760に限らず複数のセンサーから得られたユーザの情報に基づき、眠気レベルを判定してもよい。眠気レベルは、過去に蓄積された情報と現在の情報に基づいた、過去から現在におけるある時点の眠気レベルでもよいし、未来のある時点に予想される眠気レベルでもよい。判定方法は特に限定されないが、例えば、カメラから得られたユーザの瞬き回数や圧力シートセンサーから得られたユーザの重心位置の変化に基づいて判定する。図13は、圧力シートセンサーで検出した着座時の座席との接触部分の圧力分布の一例を示す。図13は、色の濃い部分は圧力が高く、色の薄い部分は圧力が低い。図13の点線部分は、温調部110が位置する場所である。圧力シートセンサーは、シート内に設置され、ユーザとシートとの接触圧の分布を時系列的に取得する。例えば、不快感が強くなったと判断できる場合は、温調開始後に、ユーザとシートとの接触圧が弱くなったときである。なぜなら、ユーザは、不快感によって、温調部110から大腿部などを遠ざけるように座り直すからである。圧力シートセンサーは特に限定されないが、抵抗値の変化として圧力を検出してもよいし、容量の変化として圧力を検出してもよい。図13は、容量型の圧力シートセンサーによる実験結果である。
シート温調装置700は、開始(S700)後、眠気センサー760の電源を入れ(S701)、スイッチの電源のON/OFFを判定する(S702)。次に、スイッチ740がOFFの場合(S702)は、終了する(S703)。判定装置750は、スイッチ740がONの場合(S702)に、眠気レベルが閾値以上であるかどうかを判定する(S704)。シート温調装置700は、判定装置750が閾値以上の眠気レベルを検出すると、温冷刺激を開始し、ユーザの眠気を回復させる(S705)。また、シート温調装置700は、判定装置750が閾値未満の眠気レベルを検出すると、温冷刺激を行わず、眠気センサー760が再び監視状態に戻る(S701)。
図14は、本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置800の(a)ブロック図および(b)同変形例の動作を表わすフローチャートである。図2との差分は、判定装置850と眠気センサー860と通告装置870を用いる点である。通告装置870は、制御装置830に接続されている。ペルチェ素子811は、制御装置830に接続されている。眠気センサー860は、判定装置850に接続される。判定装置850は、制御装置830とスイッチ840に接続される。
通告装置870は、シート温調装置800よる温調の開始を事前に通告する。シート温調装置800は、ユーザに通告を与えず温調を開始した場合、突然の温度変化にユーザが驚いたり、違和感からユーザが混乱したりすることで、運転における安全性を阻害する可能性がある。通告装置870は、温調開始の事前通告を行うことで、ユーザの混乱を防ぐことができる。通告装置870の通告手段は、特に限定するものではないが、例えば音声、映像、ランプ、振動などがある。通告装置870の通告手段が音声である場合は、通告装置870であるスピーカーから、眠気レベルが上がっていることや眠気解消のためにシート温調を開始することを通告する。
シート温調装置800は、開始(S800)後、眠気センサー860の電源を入れ(S801)、スイッチの電源のON/OFFを判定する(S802)。次に、スイッチ840がOFFの場合(S802)は、終了する(S803)。判定装置850は、スイッチ840がONの場合(S802)に、眠気レベルが閾値以上であるかどうかを判定する(S804)。通告装置870は、判定装置850が閾値以上の眠気レベルを検出すると、温調開始の事前通告を行う(S805)。次に、シート温調装置800は、温冷刺激を開始し、ユーザの眠気を回復させる(S806)。また、シート温調装置800は、判定装置850が閾値未満の眠気レベルを検出すると、温冷刺激を行わず、眠気センサー860が再び監視状態に戻る(S801)。
図15は、本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置900の(a)ブロック図および(b)同変形例の動作を表わすフローチャートである。図2との差分は、判定装置950と眠気センサー960と不快判定装置980と不快センサー990を用いる点である。不快センサー990は、不快判定装置980に接続される。ペルチェ素子911は、制御装置930とスイッチ940に接続される。判定装置950は、制御装置930に接続される。不快判定装置980は、制御装置930とスイッチ940に接続される。
不快センサー990は、ユーザの不快感を取得する。例えば、ユーザの不快感を取得する不快センサーは、ユーザと座席との接触圧を取得できる圧力シートセンサーがある。シート温調装置900の温度条件が不快であった場合、ユーザは座席との接触圧を低くするからである。また、不快センサー990は、カメラによるユーザの姿勢モニターでもよい。シート温調装置900の温度条件が不快であった場合、ユーザはシート温調装置900から身体を遠ざけるからである。
不快判定装置980は、不快センサー990から得られたデータから不快度を出力する。制御装置930は、閾値以上の不快度の場合に、加温・冷却を連続して繰り返す温調の上限と下限の温度幅を小さくし、温度刺激を緩和させることができる。
シート温調装置900は、開始(S900)後、眠気センサー960の電源を入れ(S901)、不快センサー990の電源を入れ(S902)、スイッチの電源のON/OFFを判定する(S903)。次に、スイッチ940がOFFの場合(S903)は、終了する(S904)。判定装置950は、スイッチ940がONの場合(S903)に、眠気レベルが閾値以上であるかどうかを判定する(S905)。シート温調装置900は、判定装置950が閾値以上の眠気レベルを検出すると、温冷刺激を開始し、ユーザの眠気を回復させる(S906)。次に、不快判定装置980は、不快レベルが閾値以上であるかどうかを判定する(S907)。制御装置930は、不快判定装置980が閾値以上の不快レベルを検出すると、温度条件を変更する(S908)
図16は、本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置200の(a)平面図および(b)温調部210の断面図である。図16(b)は、図16(a)に示す破線AA’の位置の断面図である。シート温調装置100とシート温調装置200の差分は、シート温調装置200は一つの温調部210のみを用いている点である。温調部210は、ペルチェ素子211と熱伝導シート212を備える。ただし、熱交換を行うものは、ペルチェ素子に限らず熱交換装置であればよい。熱伝導シート212は、ドライバが着座した際、確実にシートと接触する部位である大腿部の直下220に配置した。ペルチェ素子211は、ペルチェ素子211の温度変化を通じてシートを加温・冷却に制御可能な制御装置が接続されている。
図17は、大腿部における温度変化と温調部210における熱移動を示した図である。ペルチェ素子211は電流の向きを切り替えることによって、吸熱部位と加熱部位を入れ替えることができる。これにより常時冷却または加熱するだけでなく、冷却と加熱を連続して繰り返すことが可能となる。これにより、温調部210は冷却刺激と加熱刺激とを繰り返し与えられるため、新規刺激に敏感な脳幹網様体が効果的に活性化し、覚醒効果を高めることができる。電流の向きを入れ替える時間は、等間隔の周期時間である必要はない。
ペルチェ素子211は、素子に電流を流すと、片面から熱を奪い(冷却)その反対の面に熱を運ぶ(加温)。熱伝導シート212は、ペルチェ素子211の上面と下面にそれぞれ接続されている。ペルチェ素子211の上面と下面のそれぞれに接続された熱伝導シート212は、互いに反対方向に伸びた構造である。このような構成から、2枚の熱伝導シート212は、片方の熱伝導シート212が温かい、他方の熱伝導シート212が冷たい、あるいはその逆の状態を一度に実現することができる。左右の大腿部の温度は、片方は冷たく、他方は温かくなるので覚醒効果が増加すると考えられる。温調部210では、身体の一部から熱を吸収し、吸収した熱を身体の一部に与える事により身体皮膚表面に温度差を与えることができる。このよう構造から、排熱を加温に利用できるため、エネルギー効率が良くなると考えられる。
図18は、本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置300の平面図である。シート温調装置100とシート温調装置300の差分は、シート温調装置300は一つの温調部210のみを用いている点である。温調部310は、ペルチェ素子311、熱伝導シート312を備える。ただし、熱交換を行うものは、ペルチェ素子に限らず熱交換装置であればよい。熱伝導シート312は、ドライバが着座した際、確実にシートと接触する部位である大腿部の直下320に配置した。ペルチェ素子311の上面と下面のそれぞれに接続された熱伝導シート312は、互いに反対方向に伸びた構造に限定されるものではなく、例えば図18に示すように設置しても良い。ペルチェ素子311は、ペルチェ素子311の温度変化を通じてシートを加温・冷却に制御可能な制御装置が接続されている。
図19は、本実施の形態に係る温調部110の変形例である温調部410の断面図である。温調部110と温調部410の差分は、温調部410はファン413を備える点である。温調部410は、ペルチェ素子411、熱伝導シート412、ファン413を備える。ただし、熱交換を行うものは、ペルチェ素子に限らず熱交換装置であればよい。ペルチェ素子411は熱伝導シート412の表面に対して垂直に設置することで、ペルチェ素子411への応力の集中を軽減でき、割れを抑制することができる。温調部410は、ファン413を備えることで、放熱を効率よく行うことができる。
図20は、本実施の形態に係る温調部110の変形例である温調部510の断面図である。温調部110と温調部510の差分は、温調部510はファン513と放熱フィン514を備える点である。温調部510は、ペルチェ素子511、熱伝導シート512、ファン513、放熱フィン514を備える。ただし、熱交換を行うものは、ペルチェ素子に限らず熱交換装置であればよい。ペルチェ素子511は熱伝導シート512の表面に対して垂直に設置することで、ペルチェ素子511への応力の集中を軽減でき、割れを抑制することができる。ペルチェ素子511が、精度の良い温度制御を実現するために放熱フィン514やファン513を設けても良い。温調部510は、放熱フィン514を用いることで、熱交換を効率よく行うことができる。
図21は、本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置600の(a)平面図および(b)温調部610の断面図である。図21(b)は、図21(a)に示す破線AA’の位置の断面図である。シート温調装置100とシート温調装置600の差分は、シート温調装置600は一つの温調部610のみを用いる点と、一枚の熱伝導シート612のみを用いる点である。温調部610は、ペルチェ素子611と熱伝導シート612を備える。ただし、熱交換を行うものは、ペルチェ素子に限らず熱交換装置であればよい。熱伝導シート612は、ドライバが着座した際、確実にシートと接触する部位である大腿部の直下620に配置した。ペルチェ素子611は、ペルチェ素子611の温度変化を通じてシートを加温・冷却に制御可能な制御装置が接続されている。
図22は、本実施の形態に係るシート温調装置100の変形例であるシート温調装置600の断面を拡大した図である。シート温調装置600は、右大腿部630と左大腿部640の直下に配置されている。さらに、ペルチェ素子611は左大腿部640の直下に配置され、熱伝導シート612は、ペルチェ素子611の下面に接続されている。熱伝導シート612におけるペルチェ素子611と接続されていない部分は、右大腿部630の直下に位置するように配置されている。ただし、ペルチェ素子611は、身体の一部の直下に配置され、熱伝導シート612は、別の身体の一部の直下に位置するように配置されておればよく、身体の部位は特定されない。図22において、例えばペルチェ素子611の上面が温かく、下面が冷たくなるように制御された場合は、ペルチェ素子611は、下面から熱を奪い、上面を温める。ペルチェ素子611は、下面に熱伝導シート612が接続されているので、図22に示す矢印の方向に熱移動が起こり、右大腿部630の熱を奪う。その結果、ペルチェ素子611の上面が温かくなり、左大腿部640は温められる。一方で熱を奪われた右大腿部630は、冷やされる。シート温調装置600は、左大腿部640は温かい、右大腿部630は冷たい、あるいはその逆の状態を一度に実現することができるので覚醒効果が増加すると考えられる。温調部610は、身体の一部から熱を吸収し、吸収した熱を身体の一部に与える事により身体皮膚表面に温度差を与えることができる。このよう構造から、排熱を加温に利用できるため、エネルギー効率が良くなると考えられる。
本発明のシート温調装置は、例えば、ドライバの運転席などに用いることができる。
100、200、300、600、700、800、900 シート温調装置
110、210、310、410、510、610 温調部
111、211、311、411、511、611、711、811、911 ペルチェ素子
112、113、114、115、212、312、412,512、612 熱伝導シート
116 上面
117 下面
120、220、320、620 大腿部の直下
630 右大腿部
640 左大腿部
121 背中
122 腰
123 尻
124 大腿部
130、730、830、930 制御装置
140、740、840、940 スイッチ
413、513 ファン
514 放熱フィン
750、850、950 判定装置
760、860、960 眠気センサー
870 通告装置
980 不快判定装置
990 不快センサー

Claims (17)

  1. 熱交換装置と、前記熱交換装置の下面に接続された熱伝導シートと、
    前記熱交換装置に接続され、前記熱交換装置の温度変化を通じてシートを加温・冷却に制御可能な制御装置を備え、
    前記熱交換装置の上面は、身体の一部の直下に配置され、
    前記熱伝導シートは、前記身体の別の一部の直下に配置されたシート温調装置。
  2. 前記身体の一部は、一方の大腿部であり、前記熱交換装置の上面は、前記一方の大腿部の直下に配置され、
    前記身体の別の一部は、他方の大腿部であり、前記熱伝導シートは、前記他方の大腿部の直下に配置される請求項1に記載のシート温調装置。
  3. 前記制御装置は、前記熱交換装置の上面の温度と下面の温度を反転させることが可能な請求項1に記載のシート温調装置。
  4. 前記熱交換装置は、ペルチェ素子である請求項1に記載のシート温調装置。
  5. ユーザの眠気を検出する少なくとも1つ以上のセンサーと、
    前記センサーからの情報に基づき前記ユーザの眠気レベルを判定する判定装置を備え、
    前記制御装置は、前記判定装置の情報に基づいて加温・冷却の制御を行う請求項1に記載のシート温調装置。
  6. 熱交換装置と、前記熱交換装置の上面及び下面のそれぞれに接続された複数の熱伝導シートと、
    前記熱交換装置に接続され、前記熱交換装置の温度変化を通じてシートを加温・冷却に制御可能な制御装置を備え、
    前記複数の熱伝導シートのそれぞれは、身体の一部の直下に配置されたシート温調装置。
  7. 前記身体の一部は、左右の大腿部であり、前記複数の熱伝導シートのそれぞれは、前記左右の大腿部の直下に配置された請求項6に記載のシート温調装置。
  8. 前記制御装置は、前記熱交換装置の上面の温度と下面の温度を反転させることが可能な請求項6に記載のシート温調装置。
  9. 前記熱交換装置は、ペルチェ素子である請求項6に記載のシート温調装置。
  10. ユーザの眠気を検出する少なくとも1つ以上のセンサーと、
    前記センサーからの情報に基づき前記ユーザの眠気レベルを判定する判定装置を備え、
    前記制御装置は、前記判定装置の情報に基づいて加温・冷却の制御を行う請求項6に記載のシート温調装置。
  11. 熱交換装置と、前記熱交換装置に接続された熱伝導シートと、
    前記熱交換装置に接続され、前記熱交換装置の温度変化を通じてシートを加温・冷却に制御可能な制御装置を備え、
    前記熱交換装置および前記熱伝導シートは、身体の一部から熱を吸収し、吸収した熱を前記身体の別の一部に与えるシート温調装置。
  12. 前記身体の一部は、一方の大腿部であり、前記熱交換装置の上面は、前記一方の大腿部の直下に配置された請求項11に記載のシート温調装置。
  13. 前記身体の別の一部は、他方の大腿部であり、前記熱伝導シートは、前記他方の大腿部の直下に配置された請求項11に記載のシート温調装置。
  14. 前記熱伝導シートは、前記熱交換装置の上面に接続された第1の熱伝導シートと、前記熱交換装置の下面に接続された第2の熱伝導シートと、を有し、
    前記身体の一部は、一方の大腿部であり、
    前記身体の別の一部は、他方の大腿部であり、
    前記第1の熱伝導シートは、前記一方の大腿部の直下に配置され、
    前記第2の熱伝導シートは、前記他方の大腿部の直下に配置された請求項11に記載のシート温調装置。
  15. 前記制御装置は、前記熱交換装置の上面の温度と下面の温度を反転させることが可能な請求項11に記載のシート温調装置。
  16. 前記熱交換装置は、ペルチェ素子である請求項11に記載のシート温調装置。
  17. ユーザの眠気を検出する少なくとも1つ以上のセンサーと、
    前記センサーからの情報に基づき前記ユーザの眠気レベルを判定する判定装置を備え、
    前記制御装置は、前記判定装置の情報に基づいて加温・冷却の制御を行う請求項11に記載のシート温調装置。
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