JP3631097B2 - 蓄熱空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長距離トラック等の車両に搭載して好適な蓄熱空気調和機に係り、特に走行中に冷熱又は温熱を蓄熱し、この熱を用いて停車中にも冷房又は暖房運転が行えるようにした蓄熱空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、長距離トラック等においては、冷暖房が可能なように空気調和機が略標準装備され、また運転座席の後部側等に仮眠室を設けた車両が市場に提供されている。なお、以下の説明では被調和室を車内として説明する。
【0003】
かかる場合に、冷房はエンジンから駆動力を受けて回転する圧縮機を備えた冷凍回路を運転して行われ、また暖房はエンジンの廃熱を利用して行われている。
【0004】
ところが、仮眠室で仮眠する際にはエンジンを停止してしまうのが一般的で、冬場は寒く逆に夏場は暑いために十分な仮眠を取ることが困難になる問題があった。
【0005】
そこで、特開平8−192619号公報等においては、蓄熱材を備えた蓄熱空気調和機が開示されている。
【0006】
そして、走行中の冷房は冷凍回路を運転させることにより行い、また暖房はエンジンの廃熱を利用することにより行い、仮眠中のようにエンジン停止時における冷暖房は、走行中に冷熱又は温熱を以下のようにして蓄熱し、その熱を熱源として利用することにより行っている。
【0007】
即ち、当該蓄熱空気調和機は、冷凍回路と連結されると共に、蓄熱用蒸発器を備えて、冷熱の蓄熱は冷凍回路を循環する冷媒の一部を蓄冷用蒸発器で蒸発させることにより、この蓄冷用蒸発器に密接配置された蓄熱材を冷却して行っている。
【0008】
一方、温熱の蓄熱は、蓄冷用蒸発器を介して機内空気が循環するように流路を形成すると共に、当該流路中にヒータを設けて、走行中にヒータで加熱した空気を蓄熱材と熱交換させることにより行っている。
【0009】
そして、このようにして蓄熱された冷熱又は温熱を熱源として、仮眠中等のエンジン停止時における冷暖房を行うようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成では、効率的に冷熱又は温熱が蓄熱でき、かつ、この熱を効率的に利用できない問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、効率的に冷熱又は温熱が蓄熱でき、かつ、利用できるようにした蓄熱空気調和機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、熱搬送媒体と被調和室の空気とを熱交換させる熱交換部と、該熱交換部と配管により環状に接続されと共に、冷熱又は温熱のうち少なくとも一方を蓄熱する蓄熱材を備えた蓄熱部と、熱交換部に蓄熱部と並列接続されると共に、蓄熱部と熱接触して設けられて、蓄熱材との間で熱を移動させて蓄熱させる熱移送部と、該熱移送部と蓄熱部との並列接続点位置に設けられて、蓄熱部に冷熱又は温熱を蓄熱する際には、熱搬送媒体が熱交換部と熱移送部との間を循環するように循環路を切換えて、該熱移送部により熱搬送媒体と蓄熱部とを熱交換させて該蓄熱部に蓄熱させ、また蓄熱部に蓄熱した冷熱又は温熱を利用する際には、熱搬送媒体が熱交換部と蓄熱部との間を循環するように循環路を切換えて、蓄熱部に蓄熱した熱により冷却又は加熱された熱搬送媒体が熱交換部で被調和室の空気と熱交換できるようにする循環路切換部と、蓄冷材への蓄熱が完了した後は、熱搬送媒体の温度と被調和室の温度との温度差が所定値より小さくなるまで、循環路切換部による循環路の切換えを行わないようにする制御部とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項2にかかる発明は、制御部が、蓄熱の完了後所定時間だけ循環路切換部が循環路を切換えないようにして、熱搬送媒体の温度と被調和室の温度との温度差が所定値より小さくなるまで待機させるようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項3にかかる発明は、熱交換部が、熱搬送媒体と被調和室の空気とを熱交換させる熱交換器と、該熱交換器を介して被調和室の空気を循環させる送風機とを有し、かつ、制御部が冷房又は暖房運転の開始直後所定時間だけ送風機の風量を少なくし又は送風を停止するようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項4にかかる発明は、制御部は、被調和室の温度が設定温度になると、その状態を維持すべく送風機の風量を減らし又は当該送風機を断続運転させるようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項5にかかる発明は、熱搬送媒体を循環させるポンプが設けられ、被調和室の温度が設定温度になると、制御部がこの状態を維持すべく、ポンプを制御して熱搬送媒体の循環量を調整するようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項6にかかる発明は、被調和室の温度が所定温度以上になるのを抑制すべく、当該所定温度に達すると、制御部が送風機の送風量を増大させるようにしたことを特徴とする。
【0018】
請求項7にかかる発明は、熱移送部が蓄熱部に冷熱を蓄熱する際には、当該蓄熱部の熱を吸収し、その熱を熱搬送媒体を介して機外に吐出させ、蓄熱部に温熱を蓄熱する際には、機外の熱を熱搬送媒体を介して吸収し、その熱を蓄熱部に放熱する電子温冷素子を備え、かつ、制御部が電子温冷素子に接続されている電源の状態を検知して、当該電源の容量が低下し又は低下する恐れがあるときには電子温冷素子への通電を抑制又は遮断するようにしたことを特徴とする。
【0019】
請求項8にかかる発明は、蓄熱空気調和機が車両に搭載されて、該車両の走行時に冷熱又は温熱を蓄熱するように設定されて、当該車両のバッテリ充電量が低下したときに電子温冷素子への通電を抑制又は遮断するようにしたことを特徴とする。
【0020】
請求項9にかかる発明は、蓄熱空気調和機が車両に搭載されて、該車両の走行時に冷熱又は温熱を蓄熱するように設定されて、当該車両がアイドリング状態になったときに電子温冷素子への通電を抑制又は遮断するようにしたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は、本発明にかかる蓄熱空気調和機2の概略構成を示す図であり、図2はその回路図である。
【0022】
当該蓄熱空気調和機2は、断熱材11が内設された断熱ケース10、該断熱ケース10内に収納された蓄熱材21を備える蓄熱部20、該蓄熱部20と熱接触して設けられて、蓄熱材21に熱を移動させて蓄熱させるペルチェ素子等からなる電子温冷素子31を備えた熱移送部30、蓄熱部20に蓄熱した熱を取出し、又は当該蓄熱部20に蓄熱するために車内空気等と熱搬送媒体とを熱交換させる熱交換器41を備えた熱交換部40、熱搬送媒体が循環する循環路を切換える切換弁51を備えた循環路切換部50、熱移送部30や熱交換部40及び循環路切換部50等の制御を行う制御部60等を有している。
【0023】
そして、熱交換部40に対して蓄熱部20と熱移送部30とが並列になるように配管3により接続されている。
【0024】
断熱ケース10には断熱性の断熱蓋12が設けられて、当該断熱蓋12の周辺部にパッキン13が配設されている。これにより、断熱蓋12を閉じた際に蓄熱材21が零れたりしないようになっている。
【0025】
蓄熱部20は、冷熱又は温熱を蓄熱する上述した蓄熱材21、該蓄熱材21での蓄熱が効率的に行われるように基板22に複数のフィン23が立設されてなる蓄熱側ヒートシンク24等により構成されて、蓄熱材21はフィン23の間に貯留されるようになっている。
【0026】
なお、蓄熱材21としては、冷熱を蓄熱する際には水又はグリセリン水和物が好ましく、温熱を蓄熱する際にはパラフィン系のスクアラン水和物又は酢酸ナトリウム水和物が好ましい。ここで水和物とは、水分を含んでいるものをいう。
【0027】
フィン23の付根部分には、熱搬送媒体の循環路をなす流路4が形成されている。
【0028】
熱移送部30は、一方の面に蓄熱側ヒートシンク24が熱接触して設けられて所定方向に熱を移動させる電子温冷素子31、該電子温冷素子31の他方の面に熱接触して設けられて当該電子温冷素子31を介して蓄熱材21と効率的に熱交換できるようにする熱源側ヒートシンク32等を有し、この熱源側ヒートシンク32にも熱搬送媒体の流路4が形成されている。
【0029】
電子温冷素子31は、蓄熱側ヒートシンク24と熱源側ヒートシンク32とにより熱接触を保って挟持されて、この電子温冷素子31に流す電流の向により吸熱面と放熱面との位置が入れ替って、熱流の方向が変化する。なお、熱流とは吸熱面から放熱面に熱が伝導する際の熱の流れを言う。
【0030】
例えば、図1で蓄熱側ヒートシンク24と接する面をA面とし、熱源側ヒートシンク32と接する面をB面とすると、一方の向に電流を流すとA面が吸熱面となり、B面が放熱面となる。
【0031】
従って、この場合は蓄熱材21の熱がA面から吸収されB面から熱源側ヒートシンク32を介して熱搬送媒体に放出されて、当該蓄熱材21は熱を失い冷却される。即ち、蓄熱材21に冷熱が蓄熱される。
【0032】
一方、電流の向を逆にすると熱源側ヒートシンク32を介して熱搬送媒体の熱がB面を介して吸収され、A面から蓄熱側ヒートシンク24を介して蓄熱材21に放熱されて、当該蓄熱材21が加温されるようになる。即ち、蓄熱材21に温熱が蓄熱される。
【0033】
熱交換部40は、熱搬送媒体と車内空気等とを熱交換させる熱交換器41、該熱交換器41に車内空気を送風する送風機42等を有している。
【0034】
循環路切換部50は、熱搬送媒体が蓄熱部20と熱交換部40との間を循環するか、熱移送部30と熱交換部40との間を循環するかを切替える切換弁51、熱搬送媒体を循環させるポンプ52等を有している。
【0035】
なお、図2では切換弁51を2つ設けた場合を示しているが、1つであっても熱搬送媒体の循環路を切替えることができることは言うまでもない。
【0036】
また、図2における実線矢印は、蓄熱材21に冷熱又は温熱を蓄熱する際の熱搬送媒体の流れを示し、点線矢印は蓄熱材21に蓄熱した冷熱又は温熱を取出す際の熱搬送媒体の流れを示している。
【0037】
制御部60は、蓄熱側ヒートシンク24に設けられて、当該蓄熱側ヒートシンク24の温度を検出する蓄熱側温度検出器62、熱源側ヒートシンク32に設けられて、当該熱源側ヒートシンク32の温度を検出する熱源側温度検出器63、車内等の温度を検出する外気温検出器64、熱搬送媒体の温度を検出する熱搬送媒体温度検出器65、これら各温度検出器62〜65からの信号に基づき電子温冷素子31への通電量や切換弁51等を制御する制御器61等を有している。
【0038】
次に、このような構成の蓄熱空気調和機2の制御方法を運転方法と共に説明する。なお、蓄熱する熱が冷熱であるか温熱であるかは、基本動作としては違いがないので、以下の説明では冷熱を蓄熱し、冷房を開始するまでの待機中の制御内容を例に図3を参照して説明する。
【0039】
なお、図3においてT1〜T4は、それぞれ蓄熱側温度検出器62、熱源側温度検出器63、外気温検出器64、熱搬送媒体温度検出器65の検出温度を示している。また、A1〜A4は設定値を示し、これらの詳細な意味については後述するが、A1は蓄熱完了判断値、A2は流路切換判断値、A3は熱源利用判断値、A4は空調開始判断値と呼称する。
【0040】
先ず、当該蓄熱空気調和機2を長距離トラック等に設置する。本発明にかかる蓄熱空気調和機2は、電子温冷素子31や送風機42等に電源を供給するだけで動作させることができるので、既存の空気調和機と接続する必要がない。従って、利用者が自分で容易に設置できる利点がある。
【0041】
蓄熱空気調和機2の設置が完了すると、当該蓄熱空気調和機2に蓄熱材21を貯留する。この蓄熱材21としては、上述したように種々のものが考えられる。
【0042】
この蓄熱材21の貯留は、断熱蓋12を開けて、フィン23間に流し込むことにより行い、又は蓄冷材21を容器に封入して挿入して行う。なお、断熱蓋12にはパッキン13が設けられて走行中に貯留された蓄熱材21が零れたりしないようになっている。
【0043】
そして、蓄熱空気調和機2の運転を開始する(ステップS1)。蓄熱材21に冷熱を蓄熱する場合には、電子温冷素子31が蓄熱側ヒートシンク24を介して蓄熱材21の熱を吸熱し、その熱を熱源側ヒートシンク32を介して熱搬送媒体に放熱するように電流を流す。
【0044】
これにより、蓄熱材21の熱が熱搬送媒体に放熱されて、当該熱搬送媒体の温度が上がる。この熱搬送媒体は、熱交換器41を循環しているので、当該熱交換器41で車内空気と熱交換する。
【0045】
このとき、車内は既存の空気調和機により冷房されて温度が低くなっているので、熱搬送媒体は効率的に熱交換(放熱)できるようになり、蓄熱材21の熱を効率的に奪うことが可能になる。即ち、効率的に冷熱を蓄冷することができるようになる。
【0046】
特に、グリセリン水和物は、5〜10℃で凝固するので、高効率に凝固させることができるようになる。
【0047】
蓄熱材21に冷熱が十分に蓄熱されたか否かは、ステップS2で蓄熱側温度検出器62からの温度T1が蓄熱完了判断値A1より低くなったか否かで行う。
【0048】
蓄熱完了判断値A1としては、グリセリン水和物は5℃で凝固するので、この値を設定することが可能である。
【0049】
蓄熱材21に十分な冷熱が蓄熱されると、それ以上の蓄熱作用は不要になるので、電子温冷素子31への通電を停止する。
【0050】
蓄熱材21は上述したように断熱ケース10に収納されているが、物理的に完全に断熱することは困難なので、徐々に蓄熱した熱が失われる。このような場合には、電子温冷素子31に通電する電流を減らしたり、断続的な通電にしたりして蓄熱完了状態を保持するように制御することが好ましい。
【0051】
また、エンジンがアイドリング状態等の回転数が低下した場合には電子温冷素子31への通電量を減らしたり印可電圧を低下させたりしてエンジン負荷を軽くすることが可能であり、同様にバッテリの充電量が少なくなっているような場合にも電子温冷素子31への通電量を減らしたり印可電圧を低下させたりしてバッテリに十分な充電が行われるようにすることが好ましい。
【0052】
このようにして蓄熱した冷熱を利用して冷房運転するためのスタンバイのために、ステップS4に進む。
【0053】
ステップS4では、外気温検出器64で検出した車内温度T3と熱源側温度検出器63で検出した熱源側ヒートシンク32の温度T2との温度差が、流路切換判断値A2より大きいか否かを判断する。
【0054】
冷熱を蓄熱しているときは、電子温冷素子31から熱源側ヒートシンク32を介して熱搬送媒体に放熱され、当該熱搬送媒体が配管3で接続された熱交換器41を循環するので、これらの温度は熱源側ヒートシンク32の温度T2に略等しく、かつ、少なくとも車内温度T3より高くなっている。
【0055】
従って、このような状態で、後述する冷房運転を行うと、これらを車内温度まで冷却のために蓄熱した冷熱が利用されることになり、冷熱の利用効率が低下すると共に生暖かい空気が送風されて不快感を与えてしまう。
【0056】
そこで、熱源側ヒートシンク32の温度T2、即ち熱交換器41や配管3等の温度が車内温度T3になるまで流路切換を行わない。
【0057】
そして、ステップS5で熱交換器41と熱源側ヒートシンク32との間を循環していた熱搬送媒体を熱交換器41と蓄熱側ヒートシンク24との間を循環するように切換弁51を切換える。即ち、熱搬送媒体を図2に示す実線矢印から点線矢印の方向に循環させる。
【0058】
これにより、熱搬送媒体は蓄熱側ヒートシンク24を介して蓄熱材21により冷却されて温度が下がり、冷房のスタンバイが完了する。つまりいつ冷房が開始されても、冷気が発生し車内が冷房される。
【0059】
なお、冷房開始時は、送風量を少なくし時間の経過と共に送風量を増大させたり、一定時間送風を行わないようにしたりすることにより、生暖かい空気が送風されることによる不快感を防止することができる。
【0060】
そして、車内温度が設定温度に達すると、送風機42の回転数を下げて送風量を少なくし、またはポンプ52の回転数を下げて熱搬送媒体の循環量を少なくする等を行い車内温度が設定値を保つようにする。
【0061】
車内温度が略設定値に保持されると、送風量に強弱をつけて心地よさを増すように制御することも可能である。
【0062】
このようにして冷房のスタンバイが行われるが、蓄熱した熱量は限りがあるので、無制限にスタンバイ状態を続けることはできない。
【0063】
ステップS6では、継続して冷房スタンバイが可能か否かの判断を行っている。冷房スタンバイが可能か否かの判断は、蓄熱材21の温度T1が予め設定された冷熱源利用判断値A3より高いか否かを判断すると共に熱搬送媒体の温度T4と蓄熱材21の温度T1との温度差T4−T1が空調開始判断値A4より低くなったか否かを判断して、これらの条件が共に満たされる場合には蓄熱材21の冷熱が少なくなったと判断する。従って、冷房スタンバイは中止されてステップS7に進む。
【0064】
原理的に蓄熱材21は車内温度に等しくなるまで利用できるが、実用上は室温近くになると冷熱源としての機能が望めなくなり、実際の冷房開始時に直ぐに冷房が終ってしまう。
【0065】
また、蓄熱材21が冷熱源利用判断値A3であっても、熱搬送媒体の温度T4と蓄熱材21の温度T1とは一致しない。
【0066】
そこで、熱搬送媒体の温度T4と蓄熱材21の温度T1との差が空調開始判断値A4より小さくなったか否かを判断している。
【0067】
このようにして、蓄熱材21の蓄熱量が減少したと判断するとステップS7で熱搬送媒体の流路を切換え、電子温冷素子31に通電を開始して蓄熱を行うべくステップS2に戻る。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蓄冷材に蓄熱した熱を熱源として冷房又は暖房運転のスタンバイを行う際に、熱搬送媒体の温度と被調和室の温度との温度差が所定値より小さくなるまで、循環路切換部による循環路の切換えを行わないようにする制御するようにしたので、効率的に冷熱又は温熱を利用できるようになる。
【0069】
また、制御部が、蓄熱を完了してから所定時間だけ循環路切換部が循環路を切換えないようにして、熱搬送媒体の温度と被調和室の温度との温度差が所定値より小さくなるまで待機させるようにしたので、効率的に冷熱又は温熱が利用できるようになる。
【0070】
また、制御部が冷房又は暖房運転の開始直後所定時間だけ送風機の風量を少なくし又は送風を停止するようにしたので、適温に達する前の空気が送風されないようになって利用者に不快感を与えることが無くなる。
【0071】
また、制御部は、被調和室の温度が設定温度になると、その状態を維持すべく送風機の風量を減らし又は当該送風機を断続運転させるようにしたので、効率的に冷熱又は温熱が利用できるようになる。
【0072】
また、被調和室の温度が設定温度になると、制御部がこの状態を維持すべく、ポンプを制御して熱搬送媒体の循環量を調整するようにしたので、効率的に冷熱又は温熱が利用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の説明に適用される蓄熱空気調和機の断面図である。
【図2】回路図である。
【図3】制御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 蓄熱空気調和機
20 蓄熱部
21 蓄熱材
24 蓄熱側ヒートシンク
30 熱移送部
31 電子温冷素子
32 熱源側ヒートシンク
40 熱交換部
41 熱交換器
42 送風機
50 循環路切換部
51 切換弁
60 制御部
61 制御器
62 蓄熱側温度検出器
63 熱源側温度検出器
64 外気温検出器
65 熱搬送媒体温度検出器

Claims (9)

  1. 熱搬送媒体と被調和室の空気とを熱交換させる熱交換部と、
    該熱交換部と配管により環状に接続されと共に、冷熱又は温熱のうち少なくとも一方を蓄熱する蓄熱材を備えた蓄熱部と、
    前記熱交換部に前記蓄熱部と並列接続されると共に、前記蓄熱部と熱接触して設けられて、前記蓄熱材との間で熱を移動させて蓄熱させる熱移送部と、
    該熱移送部と前記蓄熱部との並列接続点位置に設けられて、前記蓄熱部に冷熱又は温熱を蓄熱する際には、前記熱搬送媒体が前記熱交換部と前記熱移送部との間を循環するように循環路を切換えて、該熱移送部により前記熱搬送媒体と前記蓄熱部とを熱交換させて該蓄熱部に蓄熱させ、また前記蓄熱部に蓄熱した冷熱又は温熱を利用する際には、前記熱搬送媒体が前記熱交換部と前記蓄熱部との間を循環するように循環路を切換えて、前記蓄熱部に蓄熱した熱により冷却又は加熱された熱搬送媒体が前記熱交換部で被調和室の空気と熱交換できるようにする循環路切換部と、
    前記蓄冷材への蓄熱が完了した後は、前記熱搬送媒体の温度と被調和室の温度との温度差が所定値より小さくなるまで、前記循環路切換部による循環路の切換えを行わないようにする制御部とを有することを特徴とする蓄熱空気調和機。
  2. 前記制御部が、蓄熱の完了後所定時間だけ前記循環路切換部が循環路を切換えないようにして、前記熱搬送媒体の温度と被調和室の温度との温度差が所定値より小さくなるまで待機させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の蓄熱空気調和機。
  3. 前記熱交換部が、前記熱搬送媒体と被調和室の空気とを熱交換させる熱交換器と、該熱交換器を介して被調和室の空気を循環させる送風機とを有し、かつ、前記制御部が冷房又は暖房運転の開始直後所定時間だけ前記送風機の風量を少なくし又は送風を停止するようにしたことを特徴とする1又は2記載の蓄熱空気調和機。
  4. 前記制御部は、被調和室の温度が設定温度になると、その状態を維持すべく前記送風機の風量を減らし又は当該送風機を断続運転させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の蓄熱空気調和機。
  5. 前記熱搬送媒体を循環させるポンプが設けられ、被調和室の温度が設定温度になると、前記制御部がこの状態を維持すべく、前記ポンプを制御して前記熱搬送媒体の循環量を調整するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の蓄熱空気調和機。
  6. 前記被調和室の温度が所定温度以上になるのを抑制すべく、当該所定温度に達すると、前記制御部が前記送風機の送風量を増大させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の蓄熱空気調和機。
  7. 前記熱移送部が前記蓄熱部に冷熱を蓄熱する際には、当該蓄熱部の熱を吸収し、その熱を前記熱搬送媒体を介して機外に吐出させ、前記蓄熱部に温熱を蓄熱する際には、機外の熱を前記熱搬送媒体を介して吸収し、その熱を前記蓄熱部に放熱する電子温冷素子を備え、かつ、前記制御部が前記電子温冷素子に接続されている電源の状態を検知して、当該電源の容量が低下し又は低下する恐れがあるときには前記電子温冷素子への通電を抑制又は遮断するようにしたことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の蓄熱空気調和機。
  8. 前記蓄熱空気調和機が車両に搭載されて、該車両の走行時に冷熱又は温熱を蓄熱するように設定されて、当該車両のバッテリ充電量が低下したときに前記電子温冷素子への通電を抑制又は遮断するようにしたことを特徴とする請求項7項記載の蓄熱空気調和機。
  9. 前記蓄熱空気調和機が車両に搭載されて、該車両の走行時に冷熱又は温熱を蓄熱するように設定されて、当該車両がアイドリング状態になったときに前記電子温冷素子への通電を抑制又は遮断するようにしたことを特徴とする請求項7又は8項記載の蓄熱空気調和機。
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