JP5146749B2 - 車両用シート空調システム - Google Patents

車両用シート空調システム Download PDF

Info

Publication number
JP5146749B2
JP5146749B2 JP2008138196A JP2008138196A JP5146749B2 JP 5146749 B2 JP5146749 B2 JP 5146749B2 JP 2008138196 A JP2008138196 A JP 2008138196A JP 2008138196 A JP2008138196 A JP 2008138196A JP 5146749 B2 JP5146749 B2 JP 5146749B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
air conditioning
air
air conditioner
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008138196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009286176A (ja
Inventor
崇文 近藤
光宏 河村
孝仁 伊藤
博章 佐々木
康彦 新美
恒夫 内田
幸一 枡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2008138196A priority Critical patent/JP5146749B2/ja
Publication of JP2009286176A publication Critical patent/JP2009286176A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5146749B2 publication Critical patent/JP5146749B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車両用シート空調システムに関するものである。
自動車の車室内空間は、一般住居等に比較すると空間容積が小さく、また、窓を閉めきると密閉空間となり、例えば、ガラス越しに漏入する熱線により駐車中の車内温度は夏季には想像以上に上昇する。しかし、一般の自動車用空調装置は集中型であり、車室内の空間全体の空気温度を下げるべく設計されているので、どうしても温度調節に時間がかかる問題がある。
そこで、車両用シートのシートクッションとシートバック内にそれぞれ通風路と加熱コイルと送風機を設け、車両用シートの所定部位に設けた温度センサによって検出される温度に応じて、加熱コイルおよび送風機のON−OFFや出力を制御し、車両用シートにおける空調状態の最適化を図るようにした車両用シート空調システムが考案されている。
さらに、着座員が着座する座席周囲空間の空気を導入し、一端側に形成された吹出口より周囲空間に向けて空気を吹き出すための導風ダクトと、この導風ダクト内に配設され、導入された導入空気と熱交換することにより、この導入空気を冷却または加熱する熱交換器とを備え、吹出口を着座員が着座する着座部近傍に配設し、周囲空間に空調空気を吹き出すと共に、この周囲空間を介して吹出口と対向する位置に、吸い込んだ空気の少なくとも一部を前記熱交換器へ導風可能な吸込口を配設し、吹出口から吹き出された冷気または暖気が、その吹出口と対向して配置された吸込口に吸い込まれるため、着座している着座員の周辺のみを集中的に空調することができ、消費動力を低減できる座席用空調装置が考案されている(特許文献1参照)。
特許第3301109号公報
車両のバッテリの負荷(電力消費)を低減するためには、重要度の低い車載機器の電源を切るのが一般的である。車両用シート空調システムにおいては、乗員が着座していない座席では空調を行わないようにして電力消費を低減しているが、最終的には全座席の空調を停止するようにしている。この場合、バッテリの電力消費は低減できるが、乗員の快適性は損なわれてしまう。
特許文献1の構成では、空調が効率的に行わることでバッテリの電力消費は低減できるが、上記と同様の問題を有している。
上記問題を背景として、本発明の課題は、バッテリの電力消費を低減するとともに、乗員の快適性を維持することが可能な車両用シート空調システムを提供することにある。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記課題を解決するための車両用シート空調システムは、車両のシートに設けられた空調装置と、データ通信により、他の車載機器から取得した通信データに含まれる、空調装置の動作を制限する内容を含む動作制限信号を取得する動作制限信号取得手段と、空調装置の動作状態を取得する動作状態取得手段と、シートに乗員が着座しているか否かを検知する乗員検知手段と、シートに乗員が着座していることを検知したときに、取得した動作制限信号と空調装置の動作状態とに基づいて、該空調装置の動作状態を、通常の動作状態である通常モードと、通常モードよりも動作出力が制限される制限モードとの間で切り替え制御する空調制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成によって、例えば、バッテリの消費電力を低減するために、各車載機器における動作を制限しなければならないときに、車両用シート空調システムにおいても制限モードに切り替えることで、バッテリの消費電力の低減に寄与することができる。
また、本発明の車両用シート空調システムにおける空調制御手段は、制限モードにおいて、動作出力を通常モードよりも低減した状態にて空調装置の動作を継続させるように構成される。
上記構成によって、制限モードの場合も通常モードよりは低出力にて空調装置の動作が継続されるので、制限モードでのバッテリの消耗をゼロにすることはできないが、バッテリの消耗を抑制することができるとともに乗員の快適性を維持することはできる。
また、本発明の車両用シート空調システムにおける空調制御手段は、制限モードにおいて、車両のシートの予め定められた部分における空調装置の動作を制限するように構成される。
上記構成によっても、制限モードでのバッテリの消耗をゼロにすることはできないが、バッテリの消耗を抑制することができるとともに乗員の快適性を維持することはできる。
また、本発明の車両用シート空調システムにおける空調装置は、シートの着座部に設置され、空調制御手段は、制限モードにおいて、シートの着座部に設置された空調装置の動作を制限するように構成される。
上記構成によって、着座部の空調装置の動作は制限されるが、バッテリの消耗をゼロにすることはできないが、バッテリの消耗を抑制することができるとともに乗員の快適性を維持することはできる。
また、本発明の車両用シート空調システムにおける空調装置は、ペルチェモジュールと送風機とが導風通路部とともに一体的にシートに埋設されたものであり、空調制御手段は、制限モードにおいて、シートの着座部に設置された空調装置におけるペルチェモジュールへの通電を停止するように構成される。
上記構成によって、着座部の空調装置では送風は継続される。また、ペルチェモジュールは、通電が停止しても暫くは通電停止前の状態を維持しているので、直ちに冷房あるいは暖房の効果が直ちに低下するわけではないため、乗員の快適性が急激に悪化することを防止できる。
また、本発明の車両用シート空調システムにおける空調制御手段は、シートの着座部に設置された空調装置におけるペルチェモジュールへの通電を停止した状態で動作制限信号を取得したときには、シートの着座部に設置された空調装置における送風機への通電を停止するように構成される。
上記構成によって、最初の動作制限信号を取得した段階で空調装置を停止してしまうのではなく、段階的に通電を停止することで、バッテリの消耗を抑えることができる。また、この時点では、シートの他の部分に空調装置が設置されていれば、その空調装置が動作しているため、乗員の快適性を維持することができる。
また、本発明の車両用シート空調システムにおける空調装置は、前記シートの着座部および背もたれ部に設置され、空調制御手段は、シートの着座部に設置された空調装置における送風機への通電を停止した状態で動作制限信号を取得したときには、シートの背もたれ部に設置された空調装置におけるペルチェモジュールへの通電を停止するように構成される。
上記構成によって、バッテリの消耗を抑えることができ、シートの背もたれ部においても直ちに冷房あるいは暖房の効果がなくなるわけではないため、乗員の快適性が急激に悪化することを防止できる。
また、本発明の車両用シート空調システムにおける空調制御手段は、シートの背もたれ部に設置された空調装置におけるペルチェモジュールへの通電を停止した状態で動作制限信号を取得したときには、シートの背もたれ部に設置された空調装置における送風機への通電を停止するように構成される。
上記構成によって、段階的に通電を停止することで、バッテリの消耗を抑えることができるとともに、乗員の快適性を維持することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1に、本発明の車両用シート空調システムの一例の全体概要図を示す。車両用シート空調システム50は、車両のシート1(図2参照)に組み込まれている。シート1は、乗員の臀部を乗せる座部101と、背中を当てる背もたれ部102と、背もたれ部102の頂部に取り付けられたヘッドレスト2とを有する。そして、座部101および背もたれ部102の各表皮103には噴出口104が形成されている。
座部101および背もたれ部102の各内部には空気ダクト105(本発明の導風通路部)が形成されている。この空気ダクト105は車室内に一端が開口し、他端が上記噴出口104に開口している。そして、各空気ダクト105の途中にペルチェモジュール3が介装されている。ペルチェモジュール3は、一方の面が吸熱面、他方の面が放熱面となるように、厚さ方向に直流通電駆動される周知のペルチェ素子と、順方向通電時に冷却側、逆方向通電時に発熱側となる面に密着配置される金属製のヒートブロックと、同じく空調熱交換側となる面に密着配置される金属製のヒートシンクとを有し、ヒートシンクの裏面に熱交換を促進するためのフィンが一体化された周知の構成を有するものである。
空気ダクト105の途中におけるペルチェモジュール3の上流側には、該ペルチェモジュール3の放熱フィンには車室内の空気を圧送する送風機4が設けられている。送風機4は放熱フィンに周囲の空気を吹き付けることにより温度調整された空気を生成し、この温度調整された空気が空気ダクト105を介して吹出口104から吹き出される。このように、空気ダクト105、ペルチェモジュール3および送風機4を有した空調装置10Aが背もたれ部102に、また、同様の構成の空調装置10Bが座部101に、それぞれ個別に組み込まれた構造となっている。上記のような構造の空調装置10A,10Bの組を有した車両用シート空調システムが、図2に示すように、車両の各シート(具体的には、運転席1(A)、助手席1(B),右後部座席1(C)、左後部座席1(D))に独立して組み込まれている。
図1に戻り、各シート1には、乗員が操作するための空調装置用の手元操作スイッチ112が設けられている。手元操作スイッチ112は、プッシュロック機構を有するロータリースイッチであり、手元操作スイッチ112を一度押し込むと、その位置でロックされ手元電源スイッチ113をオフ状態とする。そして、再び押すことで飛び出して電源スイッチ113をオン状態とし、設定温度変更のための回転操作が可能となる。
手元操作スイッチ112は、中立位置NTLに対して第一方向(図1の右方向)に回転させると暖房モードでの温度設定となり、中立位置NTLから離れるほど設定温度は高くなるとともに、当該第一方向の限界位置まで回転させると最高暖房温度の設定状態となる。また、中立位置NTLに対して第二方向(図1の左方向)に回転させると冷房モードでの温度設定となり、中立位置NTLから離れるほど設定温度が低くなるとともに、当該第二方向の限界位置まで回転させると最低冷房温度の設定状態となる。電源スイッチ113のオン/オフ状態、および温度設定状態(さらには、冷暖房モード)は温調入力インターフェース(I/F)122を介してECU130に入力される(図4参照)。
ECU130(図4参照)は、手元電源スイッチ113がオフ状態のとき、乗員検知センサ114による乗員検知内容とは無関係に空調装置10A,10Bの動作を停止する。また、手元電源スイッチ113がオン状態のとき、乗員検知センサ114による乗員検知内容,空調装置10A,10Bの動作状態,および動作制限信号(詳細は後述)に基づき通常モードと制限モードとの間で切り替えつつ空調装置10A,10Bの動作を制御する。
手元操作スイッチ112は、背もたれ部102と座部101とで独立して温度設定可能なように、背もたれ部102用と座部101用のスイッチをそれぞれ設ける構成としてもよい。
図4に、上記の車両用シート空調システム50の電気的構成の一例を説明するブロック図を示す。要部をなすのはマイクロプロセッサとして構成されたECU130を主体とする制御回路100であり、乗員検知センサ114および内気温センサ115がそれぞれアンプ124,125を介して、手元操作スイッチ(図4では「温調設定スイッチ」と表記)112と手元電源スイッチ(図4では「電源スイッチ」と表記)113が温調入力インターフェース122を介して、それぞれECU130に接続されている。
乗員検知センサ114は、図2に示すように、各シートの座部の着座面に埋設された着座センサ114とされているが、図4に示すように、着座する乗員を撮影するカメラ110とすることもできるし、図3に示すように、シートベルトのバックル51に組み込まれた検知スイッチ(シートベルトバックルスイッチともいう)114として構成することもできる。
ECU130には、各々ペルチェモジュール3、送風機4、およびそれらの駆動制御を司る駆動ユニット121の組からなる空調装置10A(背もたれ部102用)および10B(座部部101用)が接続されている。駆動ユニット121は、ペルチェモジュール3を冷房使用時と暖房使用時とで互いに異なる極性にて通電駆動するものである。そして、ECU130は、乗員検知内容,空調装置10A,10Bの動作状態,および動作制限信号に基づき、空調装置10A,10Bの動作を、通常モードと特殊モードとの間で切り替えつつ制御する。
ECU130には、周知のCPU130a,ROM130b,RAM130cが含まれ、CPU130aがROM130bに記憶された制御プログラムを実行することで、車両用シート空調システム50としての機能を実現する。また、RAM130cは、制御プログラム実行時のワークエリアとして用いられる。なお、ECU130が本発明の動作状態取得手段に相当する。
また、各シートの空調装置10A,10Bに対し、独立した個別のECU130が設けられているが、単一のECU130を各シート(図2参照)間で共用化し、これに各シートの空調装置10A,10Bを一括接続して制御を行うようにしてもよい。いずれにおいても、ECU130は、各シートの乗員検知センサ114による乗員検知内容,空調装置10A,10Bの動作状態,および動作制限信号に基づき、個々のシートの空調装置10A,10Bの動作モードを通常モードと制限モードとの間で独立に切り替える制御を行う。
カメラ110は、周知のCCDカメラあるいは赤外線撮像カメラとして構成され、車両の各シート(図2参照)の乗員を撮影可能なように、例えば車室内の天井に設置されている。撮影された乗員の画像は画像処理部127へ送られる。
通信I/F126は、例えばエンジンの回転制御を行うエンジン制御ECUや車載バッテリ+Bの電源監視を行うバッテリECU等の、車両に搭載された他の車載機器116との間でデータ通信を行うためのインターフェース回路である。なお、通信I/F126が本発明の動作制限信号取得手段に相当する。
画像処理部127では、公知のパターン認識などの技術によってカメラ110によって撮影された画像の解析を行う画像処理回路(図示せず)を含んで構成される。画像処理部127では、例えば、カメラ110により撮影された映像信号に一般的な2値化処理を施すことにより、ピクセル毎のデジタル多値画像データに変換する。そして、得られた多値画像データから、一般的な画像処理手法を用いて所望の画像部分を抽出する。そして、例えば、予め乗員の基準画像を記憶しておき、撮影画像と基準画像との類似点を抽出し、その類似点の数が予め定められた値を上回ったときに乗員を検知したと判定する。
また、車載バッテリ+Bにつながる電源ラインとして、車両のイグニッションスイッチ120と連動して電源電圧の供給/遮断が切り替わる第一電源ラインPL1と、イグニッションスイッチの状態とは無関係に常時電源電圧が供給される第二電源ラインPL2とが設けられている。イグニッションスイッチ120は、前述のアクセサリ系負荷とエンジン電装系負荷のいずれにも電源電圧が供給されないオフ位置(OFF)と、同じくアクセサリ系負荷にのみ供給されるアクセサリ・オン位置(ACC−ON)と、アクセサリ系負荷とエンジン電装系負荷との双方に供給されるイグニッション・オン位置(IG−ON)との間で切り替えを行う。そして、車両用シート空調システム50のECU130および空調装置10が第二電源ラインPL2に接続されている。
図5に、駆動ユニット121の回路構成例を示す。駆動電源は、ペルチェ素子への過電圧印加防止を考慮して、絶縁型に構成されている。具体的には、車載バッテリ電圧+Bを入力電圧として受電する入力側DC電源150を有し、そのDC出力電圧が、昇圧用発振回路153により駆動される昇圧スイッチング用トランジスタ152(本実施形態ではパワーFETにて構成され、昇圧スイッチング周波数は10〜30kHz:例えば、15kHz)によりスイッチングされつつ、昇圧用のトランス151の1次側に入力される。該トランス151の2次側昇圧出力電圧は8〜15V(例えば12V)である。なお、昇圧用発振回路153は、トランス151の一次側インダクタンスの一部を流用した自励式発振回路として構成されている。
トランス151の2次側昇圧出力電圧は、ダイオード154Dにより半波整流され、さらにコンデンサ154Cにより平滑化された後、PWMスイッチング用トランジスタ155に入力される。PWMスイッチング用トランジスタ155はパワーFETにて構成され、ECU130が決定するデューティ比(例えば50〜100%)にてPWMスイッチングされる。PWMスイッチング用トランジスタ155は、ゲート駆動用トランジスタ156を介してフォトカプラ165によりスイッチングされる。
ペルチェ素子は導通断面積の大きい金属導体として構成されているので、PWMスイッチング電圧波形をペルチェ素子へ直接入力すると、波形エッジでの電流遮断時に渦電流が発生し、目的の極性と逆方向の電圧が供給されて冷却効率を低下させるジュール熱が多量に発生するので好ましくない。そこで、本実施形態では、コイル158とコンデンサ159とを有した駆動平滑化回路201により、上記PWMスイッチング電圧波形をディーティ比に応じた直流駆動電圧(出力電圧範囲は、例えば6〜12V:出力電流範囲は、例えば3〜6A)として平滑化し、極性切替スイッチ160を介してペルチェモジュール3に供給するようにしている。なお、PWMスイッチング周波数は例えば1〜5kHzであり、昇圧スイッチング周波数よりも小さく設定される。
極性切替スイッチ160は、本実施形態ではリレースイッチとして構成され、コイル161,リレー駆動トランジスタ162を介してフォトカプラ163により動作制御される(ここでは、リレー駆動トランジスタ162がOFFのとき、端子160Aが電源入力,端子160Bが接地となり(順方向極性)、同じくオン状態のときは端子160Aが接地,端子160Bが電源入力となるよう(逆方向極性)、スイッチ160が切り替わる)。また、送風機4へのモータ駆動出力は、トランス151の2次側にてPWMスイッチング用トランジスタ155の前段より、電圧安定化用のレギュレータIC164を介して非スイッチング状態で取り出される。
なお、本実施形態では車載バッテリ電圧+Bの変動を補償するために昇圧回路を組み込んでいるが、ペルチェ素子の動作が保障できる場合、例えば、ペルチェ素子への駆動出力電圧範囲が車載バッテリ電圧+Bの変動範囲よりも常時小さいことが保障できる場合には、この昇圧回路を省略することも可能である。この場合、ペルチェ素子への出力段に電圧モニタリング部を追加し、PWMスイッチングのデューティ比制御にこれをフィードバックして電圧を安定化するレギュレータ部を追加すればよい。また、ペルチェ素子への駆動出力電圧が車載バッテリ電圧+Bの変動範囲を若干上回る場合にあっても、該レギュレータ部を周知の昇圧型ステップアップ回路として構成すれば、昇圧回路は同様に省略できる。
前述のごとく、手元電源スイッチ113のオン/オフ状態、および温度設定状態(さらには、冷暖房モード)は温調入力インターフェース122を介してECU130に入力される。手元電源スイッチ113がオフ状態のとき、ECU130は、入力側DC電源150へのバッテリ受電系路上に設けられた電源スイッチ150Sをオフ状態とし、ペルチェモジュール3と送風機4とを双方ともに停止させる。一方、手元電源スイッチ113がオン状態のときは、通常モードでは電源スイッチ150Sをオン状態とする。そして、手元操作スイッチ112が冷房側に回転していればリレー駆動トランジスタ162をオフ状態とし、通電極性を順方向とする。また、暖房側に回転していればリレー駆動トランジスタ162をオン状態とし、通電極性を逆方向とする。
冷房側および暖房側のいずれにおいても、手元操作スイッチ112の操作角度は、例えばポテンショメータ等を介して温調入力インターフェース122により読み取られ、冷房設定温度θないし暖房設定温度θ’に変換されてECU130に送られる。ECU130は、その冷房設定温度θないし暖房設定温度θ’と内気温センサ115の温度検出値Tとを取得し、冷房時は図6のデューティ比テーブルを、暖房時は図7のデューティ比(電流値)テーブルを参照して、適正なデューティ比ηを読み取り、PWMスイッチング用トランジスタ155をそのデューティ比ηでスイッチング駆動して、ペルチェ素子の出力調整を行う。冷房時はT−θが大きくなるほどデューティ比(電流値)ηは高く設定され、暖房時はθ’−Tが大きくなるほどデューティ比(電流値)ηは高く設定される。
図8のフローチャートを用いて、車両用シート空調システム50の空調制御処理について説明する。なお、本処理は、ECU130においてCPU130aが実行する制御プログラムに含まれ、他の処理とともに繰り返し実行される。また、制御内容は4つのシート(図2参照)についてそれぞれ同様であり、かつ、独立した制御が実行される。
まず、手元電源スイッチ113の状態を取得する(S11)。手元電源スイッチ113がオフ状態である場合(S12:No)、電源スイッチ150S(図5参照)をオフ状態とし、座部101および背もたれ部102のペルチェモジュール3および送風機(ファン)4の動作を停止する(S18)。
一方、手元電源スイッチ113がオン状態である場合(S12:Yes)、各シートの乗員検知センサ114の情報を取得する(S13)。そして、乗員の有無を判定する。乗員を検知しない場合(S14:No)、本処理を終了する。一方、乗員を検知した場合(S14:Yes)、動作制限信号を取得したか否かを判定する。判定方法は、以下の少なくとも一つを用いる。
・他の車載機器116から取得した通信データに動作制限信号が含まれている場合、動作制限信号を取得したと判定。
・車載バッテリ+Bの電圧を、周知のA/D変換回路を含むA/D128での、A/D変換値をモニタし、A/D変換値が予め定められた値を下回った場合、動作制限信号を取得したと判定。この場合、A/D128が本発明の動作制限信号取得手段に相当する。
動作制限信号を取得したと判定されない場合(S15:No)、通常モード処理を実行する(S16,後述)。一方、動作制限信号を取得したと判定された場合(S15:Yes)、制限モード処理を実行する(S17,後述)。
動作制限信号を取得したと判定された場合(S15:Yes)、座部101および背もたれ部102のペルチェモジュール3および送風機(ファン)4の動作を停止する、ステップS18の処理を実行してもよい。
図9を用いて、図8のステップS16に相当する通常モード処理について説明する。まず、電源スイッチ150S(図5参照)をオン状態として、手元操作スイッチ112の操作位置から設定温度(および冷暖房のモード)を読み取り(S31)、前述のごとく、図6ないし図7のテーブルを参照して設定デューティ比(電流値)ηを読み取り(S32)、当該デューティ比で、座部101および背もたれ部102の、ペルチェモジュール3を駆動するとともに送風機(ファン)4を駆動する(S33)。
図10を用いて、図8のステップS17に相当する制限モード処理について説明する。まず、RAM130cに記憶されている空調装置10A,10Bの状態に関する情報を取得する(S51)。これは、例えば、各座席の空調装置10A,10Bの、ペルチェモジュール3および送風機(ファン)4について、通電中か否かをフラグ情報としてRAM130cに記憶するものである。各フラグには、通電中であれば1が、通電中でなければ0がセットされる。
次に、座部101のペルチェモジュール3へ通電中であるか否かを調べる。座部101のペルチェモジュール3へ通電中である場合(S52:Yes)、座部101のペルチェモジュール3への通電を停止する(S53)。このとき、空調装置10A,10Bの状態に関する該当するフラグ情報も更新する(以下、ステップS55,S57,S59においても同様)。
一方、座部101のペルチェモジュール3へ通電中でない場合(S52:No)、座部101のファン4へ通電中であるか否かを調べる。座部101のファン4へ通電中であるある場合(S54:Yes)、座部101のファン4への通電を停止する(S55)。
一方、座部101のファン4へ通電中でない場合(S54:No)、背もたれ部102のペルチェモジュール3へ通電中であるか否かを調べる。背もたれ部102のペルチェモジュール3へ通電中でである場合(S56:Yes)、背もたれ部102のペルチェモジュール3への通電を停止する(S57)。
一方、背もたれ部102のペルチェモジュール3へ通電中でない場合(S56:No)、背もたれ部102のファン4へ通電中であるか否かを調べる。背もたれ部102のファン4へ通電中であるある場合(S58:Yes)、座部101のファン4への通電を停止する(S59)。
上述の図10の例では、座部101(空調装置10B)→背もたれ部102(空調装置10A)の順に動作を制限しているが、背もたれ部102→座部101の順に空調装置の動作を制限してもよい。また、座部101あるいは背もたれ部102のうちの、いずれか一方の空調装置のみの動作を制限してもよい。さらに、座部101あるいは背もたれ部102のうちの、いずれか一方にのみ空調装置が設置されている場合には、その空調装置の動作を制限する。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
本発明の車両用シート空調システムを組み込んだ自動車用シートの一例を示す側面断面図。 車内のシートレイアウトと車両用シート空調システムの設置例を示す平面模式図。 乗員検知センサの別例を示す模式図。 本発明の車両用シート空調システムの電気的構成の一例を示す全体ブロック図。 ペルチェモジュールの駆動ユニットの電気的構成の一例を示す回路図。 冷房時に使用するデューティ比テーブルの模式図。 暖房時に使用するデューティ比テーブルの模式図。 シート空調制御処理を説明するフロー図。 通常モード処理を説明するフロー図。 制限モード処理を説明するフロー図。
符号の説明
1 シート
3 ペルチェモジュール
4 送風機(ファン)
10A,10B 空調装置
101 座部
102 背もたれ部
105 空気ダクト(導風通路部)
110 カメラ
112 手元操作スイッチ
113 手元電源スイッチ
114 乗員検知センサ
126 通信I/F(動作制限信号取得手段)
127 画像処理部
128 A/D(動作制限信号取得手段)
130 ECU(動作状態取得手段)

Claims (8)

  1. 車両のシートに設けられた空調装置と、
    データ通信により、他の車載機器から取得した通信データに含まれる、前記空調装置の動作を制限する内容を含む動作制限信号を取得する動作制限信号取得手段と、
    前記空調装置の動作状態を取得する動作状態取得手段と、
    前記シートに乗員が着座しているか否かを検知する乗員検知手段と、
    前記シートに乗員が着座していることを検知したときに、取得した前記動作制限信号と前記空調装置の動作状態とに基づいて、該空調装置の動作状態を、通常の動作状態である通常モードと、前記通常モードよりも動作出力が制限される制限モードとの間で切り替え制御する空調制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用シート空調システム。
  2. 前記空調制御手段は、前記制限モードにおいて、動作出力を前記通常モードよりも低減した状態にて前記空調装置の動作を継続させる請求項1に記載の車両用シート空調システム。
  3. 前記空調制御手段は、前記制限モードにおいて、前記車両のシートの予め定められた部分における前記空調装置の動作を制限する請求項2に記載の車両用シート空調システム。
  4. 前記空調装置は、前記シートの着座部に設置され、
    前記空調制御手段は、前記制限モードにおいて、前記シートの着座部に設置された空調装置の動作を制限する請求項3に記載の車両用シート空調システム。
  5. 前記空調装置は、ペルチェモジュールと送風機とが導風通路部とともに一体的に前記シートに埋設されたものであり、
    前記空調制御手段は、前記制限モードにおいて、前記シートの着座部に設置された空調装置におけるペルチェモジュールへの通電を停止する請求項4に記載の車両用シート空調システム。
  6. 前記空調制御手段は、前記シートの着座部に設置された空調装置におけるペルチェモジュールへの通電を停止した状態で前記動作制限信号を取得したときには、前記シートの着座部に設置された空調装置における前記送風機への通電を停止する請求項5に記載の車両用シート空調システム。
  7. 前記空調装置は、前記シートの着座部および背もたれ部に設置され、
    前記空調制御手段は、前記シートの着座部に設置された空調装置における送風機への通電を停止した状態で前記動作制限信号を取得したときには、前記シートの背もたれ部に設置された空調装置におけるペルチェモジュールへの通電を停止する請求項6に記載の車両用シート空調システム。
  8. 前記空調制御手段は、前記シートの背もたれ部に設置された空調装置におけるペルチェモジュールへの通電を停止した状態で前記動作制限信号を取得したときには、前記シートの背もたれ部に設置された空調装置における送風機への通電を停止する請求項7に記載の車両用シート空調システム。
JP2008138196A 2008-05-27 2008-05-27 車両用シート空調システム Expired - Fee Related JP5146749B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008138196A JP5146749B2 (ja) 2008-05-27 2008-05-27 車両用シート空調システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008138196A JP5146749B2 (ja) 2008-05-27 2008-05-27 車両用シート空調システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009286176A JP2009286176A (ja) 2009-12-10
JP5146749B2 true JP5146749B2 (ja) 2013-02-20

Family

ID=41455830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008138196A Expired - Fee Related JP5146749B2 (ja) 2008-05-27 2008-05-27 車両用シート空調システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5146749B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5880840B2 (ja) * 2012-02-21 2016-03-09 株式会社デンソー 車両用空調装置
JP6613521B2 (ja) * 2015-07-30 2019-12-04 本田技研工業株式会社 温調シートおよび車両用温調シート

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6463417A (en) * 1987-09-01 1989-03-09 Aisin Seiki Seat heater
JP3631097B2 (ja) * 2000-04-18 2005-03-23 三洋電機株式会社 蓄熱空気調和機
JP2003042590A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd 温度調節装置
JP3890963B2 (ja) * 2001-11-28 2007-03-07 株式会社デンソー 車両用防曇装置
JP2004338673A (ja) * 2003-05-19 2004-12-02 Denso Corp 車両用空調装置
JP2006298037A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Denso Corp 車両用シート空調装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009286176A (ja) 2009-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5278667B2 (ja) 車両用シート空調システム
JP4318054B2 (ja) 自動車用局所冷房システム
JP5309844B2 (ja) 車両用空調装置
WO2012172660A1 (ja) 車両用暖房制御装置、方法及びプログラム
CN111347833A (zh) 电动车的温度调节控制系统
JP2012224198A (ja) 車両用空調装置
JP6844701B2 (ja) 車両用空調方法及び車両用空調装置
JP2017512710A (ja) 電気自動車の温度制御システム
WO2016199421A1 (ja) 車両用空調装置
JP4962425B2 (ja) 車両用シート空調装置
JP4853649B2 (ja) 車両用空調装置
JP5146749B2 (ja) 車両用シート空調システム
JP2010120545A (ja) 自動車用制御装置
JP5257754B2 (ja) 車両用シート空調システム
JP5146819B2 (ja) 車両用シート空調装置
JP5467498B2 (ja) シート空調装置
JP5278665B2 (ja) 車両用シート空調システム
JP5195702B2 (ja) 車両用空調装置
JP5146050B2 (ja) 車両用シート空調装置
US20190135073A1 (en) Air conditioner for a vehicle
JP2009040147A (ja) 車両用空調装置
JP4930442B2 (ja) 車両用シート空調装置
JP5217711B2 (ja) 車両用空調装置
JP5228256B2 (ja) 車両用空調制御装置
JP2015042508A (ja) 車両用空調システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120511

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20121002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121114

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5146749

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151207

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees