JP4443588B2 - 車両用蓄冷システム - Google Patents

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Description

本発明は、冷房運転時に蓄冷しておき、冷房運転停止後、蓄冷エネルギーを用いて冷房運転を補完する車両用蓄冷システムに関する。
従来、車両用蓄冷システムとしては、自動車の空調エバポレータに適用され、エバポレータの冷却液の循環管路に隣接して熱保存液の空洞を配置し、冷却液の循環時に熱保存液に冷熱を保存し、冷却液の循環が停止した場合、冷熱を保存した熱保存液と空気流の間で熱交換を実施するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来の車両用蓄冷システムとしては、内部に蓄冷材を有する蓄冷熱交換器を備え、圧縮機の作動時には、蒸発器(エバポレータ)から流出される低温冷媒により蓄冷熱交換器の蓄冷材に蓄冷をし、圧縮機の停止時には、蒸発器による空調空気の冷却を継続可能とするものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
従来の車両用蓄冷システムとしては、減速判断により加熱器(ヒータコア)へのエンジン冷却水の流れを遮断し、冷却器(エバポレータ)を通過した後の空気を加熱器へ通過させることで蓄冷し、アイドルストップ時、加熱器へ空気を導入し、蓄冷した冷熱を放出するものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−184071号公報 特開2007−1485号公報 特開2004−142596号公報
しかしながら、特許文献1の車両用蓄冷システムにあっては、エバポレータの構成が冷却液の循環管路に隣接して熱保存液の空洞を配置するものであるため、冷却液の循環管路のみを有する既存のエバポレータを用いることができず、新たに高コストで構造が複雑なエバポレータを用意する必要がある。また、エバポレータの熱交換領域に設定される空洞内に充填される熱保存液は、その充填量に限りがあるため、冷却液の循環が停止した後、冷房運転の補完時間が短い、という問題があった。
特許文献2の車両用蓄冷システムにあっては、圧縮機の停止時、コンデンサとエバポレータとの間での残圧により、冷媒を継続してエバポレータに流入可能である。そして、コンデンサとエバポレータとの間での残圧は、蓄冷材の蓄冷熱により生じる。これに対し、蓄冷熱交換器内の蓄冷材が蓄え得る冷熱容量には限りがあるし、蓄冷熱が残っていても必要な残圧が出なくなった時点でエバポレータへの冷媒流入が停止されるため、圧縮機の停止後、冷房運転の補完時間が短い、という問題があった。
特許文献3の車両用蓄冷システムにあっては、エバポレータを通過した後の空気をヒータコアへ通過させることでエンジン冷却水に蓄冷する冷風冷却であるため、蓄冷効果が低い。しかも、アイドルストップ時、ヒータコアへ空気を導入し、蓄冷した冷熱を放出するが、ヒータコアの熱交換領域に充填される水は、その充填量に限りがあり、アイドルストップ後、冷房運転の補完時間が短い、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、既存の空調ユニットの構成はそのままでコストやスペースの有利性を確保しながら、冷房運転停止後、冷房運転時に蓄えられた蓄冷エネルギーにより要求される時間までの冷房運転の補完を達成することができる車両用蓄冷システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、エバポレータとヒータコアを内蔵する空調ユニットを備え、冷房運転時に蓄冷しておき、冷房運転停止後、蓄冷エネルギーを用いて冷房運転を補完する車両用蓄冷システムにおいて、
前記ヒータコアへのエンジン冷却水循環回路に並列接続し、エンジン冷却水の貯液層と前記エバポレータからの冷媒が流通する冷媒層を有する蓄冷タンクと、
冷房運転時、前記貯液層に貯留したエンジン冷却水をエバポレータからの冷媒により冷却する蓄冷モードと、冷房運転停止後、前記貯液層内の冷却したエンジン冷却水を前記ヒータコアに導入する冷房補完モードと、を切り替えるモード切り替え手段と、を備え
前記蓄冷タンクは、内側層と中間層と外側層を有し、前記内側層をエンジン冷却水の貯液層とし、前記中間層をエバポレータからの冷媒が流通する冷媒層とし、前記外側層を真空断熱層とし、タンク構成要素を複数枚積層し、積層したタンク構成要素の開口部を入口側蓋板と出口側蓋板とで塞ぐことにより、前記貯液層と前記冷媒層と前記真空断熱層を形成した積層型蓄冷タンクとしたことを特徴とする。
よって、本発明の車両用蓄冷システムにあっては、冷房運転時、蓄冷タンクの貯液層に貯留したエンジン冷却水をエバポレータからの冷媒により冷却する蓄冷モードとされ、冷房運転停止後、モード切り替え手段において、蓄冷タンクの貯液層内の冷却したエンジン冷却水をヒータコアに導入する冷房補完モードに切り替えられる。
すなわち、冷房補完モードでは、空調ユニットに既存のヒータコアを、冷却したエンジン冷却水を導入するクーラコアとして活用するシステムである。このため、蓄冷タンクとモード切り替え手段を追加するだけで、既存の空調ユニットの構成はそのままで良い。
また、冷風冷却より冷却効果が高い冷媒冷却であり、かつ、エンジン冷却水の充填を蓄冷タンクの貯液層にて行うため、冷熱エネルギーの蓄積量は、蓄冷タンクの容積設定により行えるという自由度を持つ。したがって、冷房運転停止後、冷房運転時に蓄えられた十分な蓄冷エネルギーにより、従来の車両用蓄冷システムに比べ、冷房運転の補完時間を延長することができる。例えば、信号待ちによるアイドルストップの平均時間の間、冷房運転を補完したいという要求に対し、蓄冷タンクの容積設定により、冷房運転の補完時間をアイドルストップの平均時間に一致させることが可能である。
この結果、既存の空調ユニットの構成はそのままでコストやスペースの有利性を確保しながら、冷房運転停止後、冷房運転時に蓄えられた蓄冷エネルギーにより要求される時間までの冷房運転の補完を達成することができる。
加えて、蓄冷タンクは、内側層と中間層と外側層を有し、内側層をエンジン冷却水の貯液層とし、中間層をエバポレータからの冷媒が流通する冷媒層とし、外側層を真空断熱層とした。このため、真空断熱層による高い断熱性により、真空断熱層を持たないタンクに比べ、エバポレータからの冷媒が持つ冷熱エネルギーの損失や貯液層内のエンジン冷却水が蓄えた冷熱エネルギーの損失を小さく抑えることができる。
さらに、蓄冷タンクは、タンク構成要素を複数枚積層し、積層したタンク構成要素の開口部を入口側蓋板と出口側蓋板とで塞ぐことにより、貯液層と冷媒層と真空断熱層を形成した積層型蓄冷タンクとした。このため、冷房運転の補完時間の変更や車種の変更等により、蓄冷タンクの容積を変更する要求があった場合、設定された容積毎に異なる形状のタンクを用意する必要がなく、タンク構成要素の積層枚数を変更するだけで容積変更要求に対し容易に対応することができる。
以下、本発明の車両用蓄冷システムを実現する最良の形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の車両用蓄冷システムを示す全体システム図である。図2は実施例1の車両用蓄冷システムの蓄冷要部を示すサイクル図である。図3は実施例1の車両用蓄冷システムに用いられる蓄冷タンクの一例を示す断面図である。
実施例1の車両用蓄冷システムが適用された空調ユニットAUは、図1に示すように、空調ケース1と、インテークドア2と、クリーンフィルター3と、ブロワ4と、ブロワモータ5と、エバポレータ6と、第1エアミックスドア7(温調ドア)と、第2エアミックスドア8(温調ドア)と、ヒータコア9と、PTCヒータ10(暖房補完手段)と、冷風バイパス通路11と、温風通路12と、ベントドア13と、フットドア14と、デフドア15と、ベント吹き出し口16と、フット吹き出し口17と、デフ吹き出し口18と、ベントダクト19と、フットダクト20と、デフダクト21と、ベントグリル22と、を備えている。
前記インテークドア2は、外気導入モード(図1の仮想線位置)と内気循環モード(図1の実線位置)とを切り替えるドアであり、図外のドアアクチュエータによる切り替え駆動により内外気切り替え制御が行われる。
前記エバポレータ6は、クリーンフィルター3及びブロワ4を介して通過する内気または外気を冷却する冷房用熱交換器であり、冷媒入口と冷媒出口を有する。なお、ブロワ4はブロワモータ5により駆動され、ブロワモータ5に対する駆動制御により風量を変更するブロワ制御が行われる。
前記第1エアミックスドア7及び第2エアミックスドア8は、前記エバポレータ6の下流位置に配置され、エバポレータ6を経過した冷風と、ヒータコア9を経過した温風との混合割合をドア開度により制御する。第1エアミックスドア7は、冷風バイパス通路11を開閉し、第2エアミックスドア8は、温風通路12を開閉する。なお、両エアミックスドア7,8は、ドアアクチュエータにより独立にドア開度が制御される。
前記ヒータコア9は、前記エバポレータ6及び前記第2エアミックスドア8の下流位置に配置され、通過する風を暖める暖房用熱交換器であり、エンジン冷却水入口とエンジン冷却水出口を有する。
前記PTCヒータ10は、ヒータ内の樹脂(PTC樹脂:絶縁体)と抵抗体(カーボン粒子:導体)による電気抵抗の制御により自動的に温度制御を行う面状発熱体である。PTC(Positive Temperature Coefficientの略)とは、正温度係数のことである。PTC樹脂は温度上昇と共に膨張するので、カーボン粒子の間隔が広がって電気抵抗が大きくなり、電流が低下し、温度が低下する。温度が下がると、PTC樹脂が収縮するので、カーボン粒子の間隔が狭くなって電気抵抗が減少し、電流が増加し、温度が上昇する。この状態を繰り返すことで自動的に温度制御を行う。このPTCヒータ10は、通電後の温度上昇速度が速いという特性を持ち、暖房を補完する手段として好ましく、エンジン冷却水の温度が低いエンジン始動時等に、暖房を補完するPTC制御が行われる。
前記ベントドア13は、冷風バイパス通路11と温風通路12の下流側のベント吹き出し口16の位置に配置され、吹き出しモードとしてベントモード等が選択された時に開かれる。前記ベント吹き出し口16には、冷風等を車室内の前席の左右位置及び中央位置に導くためのベントダクト19が連結される。このベントダクト19の車室内への開口位置には、風向きを調整可能なベントグリル22が設定される。
前記フットドア14は、冷風バイパス通路11と温風通路12の下流側のフット吹き出し口17の位置に配置され、吹き出しモードとしてフットモード等が選択された時に開かれる。前記フット吹き出し口17には、温風等を左右前席の乗員の足元に導くためのフットダクト20が連結される。
前記デフドア15は、冷風バイパス通路11と温風通路12の下流側のデフ吹き出し口18の位置に配置され、吹き出しモードとしてデフモード等が選択された時に開かれる。前記デフ吹き出し口18には、温風等をフロントガラスの内面に沿って導くためのデフダクト21が連結される。
実施例1の車両用蓄冷システムが適用された空調ユニットAUのエバポレータ6を含む冷凍サイクルは、図1に示すように、コンプレッサ30と、コンデンサ31と、レシーバー32と、エキスパンションバルブ33と、エバポレータ6と、を備えている。
前記コンプレッサ30は、エンジン40により駆動され、ガス状の冷媒を圧縮して高温高圧の冷媒とし、コンデンサ31へ送る。なお、コンプレッサ30のエンジン駆動プーリ内には、電磁クラッチが内蔵され、電磁クラッチによりコンプレッサ30の駆動・停止を制御するコンプレッサ制御が行われる。また、このコンプレッサ30としては、固定容量型コンプレッサを用いても、可変容量型コンプレッサを用いても良い。
前記コンデンサ31は、コンプレッサ30から吐出された高温高圧の冷媒を、放熱することで液化冷媒とし、レシーバー32へ送る。
前記レシーバー32は、コンデンサ31により液化された冷媒から、水分やゴミを除去し、エキスパンションバルブ33へ送る。
前記エキスパンションバルブ33は、高圧の液冷媒の圧力を下げることにより、急激に膨張させて低温低圧の霧状冷媒とし、エバポレータ6へ送る。
前記エバポレータ6は、エキスパンションバルブ33からの霧状冷媒を流すことで空調ケース1内の周囲の空気から熱を奪って蒸発(気化)し、ガス状の冷媒とし、エバポレータ第1出口回路34、蓄冷タンク50、エバポレータ第2出口回路35を介し、再びコンプレッサ30へ送る。
実施例1の車両用蓄冷システムが適用された空調ユニットAUのヒータコア9を含む温水サイクルは、図1に示すように、エンジン40と、ラジエータ41と、サーモスタットバルブ42と、ウォータポンプ43と、ヒータコア9と、を備えている。
前記エンジン40、ラジエータ41またはバイパス回路44と、サーモスタットバルブ42、ウォータポンプ43によりエンジン冷却水(温水)の第1循環経路が構成される。また、前記エンジン40、ヒータコア入口回路45、ヒータコア9、ヒータコア出口回路46、ウォータポンプ43によりエンジン冷却水(温水)の第2循環経路が構成される。両循環経路では、設定した温度で開閉するサーモスタットバルブ42により循環経路のコントロールを行うことによりエンジン冷却水を適温に保つようにしている。
実施例1の車両用蓄冷システムは、図1に示すように、蓄冷タンク50と、第1切り替えバルブ51(切り替えバルブ)と、第2切り替えバルブ52(切り替えバルブ)と、循環ポンプ53と、空調コントローラ54(モード切り替え制御手段)と、を備えている。
車両用蓄冷システムは、エバポレータ6とヒータコア9を内蔵する空調ユニットAUを備え、モード切り替え手段により、冷房運転時に蓄冷しておき、冷房運転停止後、蓄冷エネルギーを用いて冷房運転を補完するものである。
前記蓄冷タンク50は、図1及び図2に示すように、ヒータコア9へのエンジン冷却水循環回路(ヒータコア入口回路45とヒータコア出口回路46)に並列接続し、図3に示すように、エンジン冷却水の貯液層50aとエバポレータ6からの冷媒が流通する冷媒層50bを有する。
この蓄冷タンク50は、図3に示すように、内側層と中間層と外側層を有し、前記内側層をエンジン冷却水の貯液層50aとし、前記中間層をエバポレータ6からの冷媒が流通する冷媒層50bとし、前記外側層を真空断熱層50cとしている。
さらに、蓄冷タンク50は、図3に示すように、同一形状のタンク構成要素501を複数枚交互に反転させながら積層し、積層したタンク構成要素501の開口部を入口側蓋板502と出口側蓋板503とで塞ぐことにより、前記貯液層50aと前記冷媒層50bと前記真空断熱層50cを形成した積層型蓄冷タンクとしている。
前記モード切り替え手段は、冷房運転時、貯液層50aに貯留したエンジン冷却水をエバポレータ6からの冷媒により冷却する蓄冷モードと、冷房運転停止後、貯液層50a内の冷却したエンジン冷却水をヒータコア9に導入する冷房補完モードと、を切り替える。このモード切り替え手段として、第1切り替えバルブ51、第2切り替えバルブ52、循環ポンプ53、空調コントローラ54が設けられている。
前記第1切り替えバルブ51は、図1〜図3に示すように、ヒータコア入口回路45と蓄冷タンク50の貯液層50aを連通する第1分岐回路45aの分岐位置に設けられる。
前記第2切り替えバルブ52は、図1〜図3に示すように、ヒータコア出口回路46と蓄冷タンク50の貯液層50aを連通する第2分岐回路46aの分岐位置に設けられる。
前記両切り替えバルブ51,52は、冷房運転時、貯液層50aの入口と出口を閉じてエンジン冷却水を溜めたままとするバルブ閉状態(図5参照)と、冷房運転停止後、貯液層50aの入口と出口を開きエンジン冷却水をヒータコア9に流通させるバルブ開状態(図9参照)とを切り替える。
前記循環ポンプ53は、図1及び図2に示すように、ヒータコア出口回路46の途中位置に設けられ、冷房運転停止後、ポンプ作動により、蓄冷タンク50の貯液層50aに貯められた低温エンジン冷却水を、ヒータコア9に強制循環する。
前記空調コントローラ54は、図1に示すように、両切り替えバルブ51,52と循環ポンプ53の作動制御と空調ユニットAUの制御(エアミックスドア制御、内外気切り替え制御、PTC制御、ブロワ制御等)により、冷房運転時の蓄冷モードと冷房運転停止後の冷房補完モードの切り替え制御を行う。
空調コントローラ54には、図1に示すように、蓄冷タンク温度センサやエバポレータ直後面温度センサやヒータコア直後面温度センサや通常の空調制御に必要なセンサやスイッチ等のセンサ・スイッチ類55から入力情報がもたらされる。
また、空調コントローラ54は、エンジンコントローラ56に対しCAN通信線57により接続され、エンジンストップ信号等の情報交換を行いながら、信号停車時等にエンジン40を一時的に停止するアイドルストップ制御と、エンジン停止後に冷房を補完する冷房補完制御の協調制御を行う。
図4は実施例1の空調コントローラにて実行されるモード切り替え制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(モード切り替え制御手段)。
ステップS1では、イグニッションスイッチがONであることを確認し、ステップS2では、エンジン40がON(エンジン運転状態)であることを確認し、両者が確認された場合にステップS3へ移行する。
ステップS3では、ステップS2でのエンジン運転状態であるとの確認に続き、エンジンコントローラ56側からエンジンストップ信号が出力されているか否かを判断し、エンジンストップ信号がOFFの場合にはステップS4へ移行し、エンジンストップ信号がONの場合にはステップS6へ移行する。
ステップS4では、ステップS3でのエンジンストップ信号がOFFであるとの判断、あるいは、ステップS8での蓄冷未完了であるとの判断に続き、エンジン40を停止することなく、エンジン運転状態を保ち、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、ステップS4でのエンジン40を停止しないとの処理に続き、エンジン作動による蓄冷モードの制御を行うと共に、通常の空調制御やPTC制御を行い、ステップS1へ戻る。
蓄冷モードの制御は、最大冷房運転時を除いて第2エアミックスドア8を開(エアミックスドアのヒータコア側開)とし、両切り替えバルブ51,52をバルブ閉(蓄冷タンクバルブ閉)とし、循環ポンプ53を停止(ポンプOFF)し、蓄冷タンク50の貯液層50aに貯留したエンジン冷却水をエバポレータ6からの低温・低圧冷媒により冷却する。
通常の空調制御としては、目標温設定、日射量補正、吹き出し温度制御、吹き出しモード制御、内外気切り替え制御、エアミックスドア切り替え制御、コンプレッサ制御、ブロワ制御、クーリングファン制御等を行う。
PTC制御は、冬季や寒冷地でのエンジン始動時等で、暖房要求があるにもかかわらずエンジン冷却水が低温であるとき、暖房を補完するべくPTCヒータ10をONとする制御を行う。
ステップS6では、ステップS3でのエンジンストップ信号がONであるとの判断に続き、エアコンスイッチがOFFかONかの判断を行い、エアコンスイッチがOFFの場合はステップS7へ移行し、エアコンスイッチがONの場合はステップS8へ移行する。
ステップS7では、ステップS6でのエアコンスイッチがOFFであるとの判断に続き、エンジン40を停止し、ステップS1へ戻る。
ステップS8では、ステップS6でのエアコンスイッチがONであるとの判断に続き、蓄冷が完了したか否かを判断し、YESの場合はステップS9へ移行し、NOの場合はステップS4へ移行する。
ここで、蓄冷タンク50での蓄冷完了判断は、蓄冷タンク温度センサからの蓄冷タンク温度に基づき行うもので、併せて、エバポレータ直後面温度やヒータコア直後面温度の情報を考慮する。
ステップS9では、ステップS8での蓄冷タンク50による蓄冷完了との判断に続き、第2エアミックスドア8を閉(エアミックスドアのヒータコア側閉)とし、ステップS10へ移行する。
ステップS10では、ステップS9でのエアミックスドアのヒータコア側閉に続き、冷房運転を停止する環境であるか否かを判断する。そして、冷房運転を継続する環境であるとの判断時には、エンジンストップNGとし、エンジン40を停止することなくステップS5へ移行する。また、冷房運転の停止を許可する環境であるとの判断時には、エンジンストップOKとの判断に基づき、ステップS11へ移行する。
ここで、冷房運転を停止する環境であるか否かの判断情報としては、外気温度、室内温度、日射量、吹き出し温度等を用いる。すなわち、夏季炎天下等の状況では、冷房運転を継続する環境であると判断し、エンジン40を停止することなく冷房運転を継続する。
ステップS11では、ステップS10での冷房運転の停止を許可する環境であるとの判断に続き、エンジン40を停止し、ステップS12へ移行する。
すなわち、エンジンストップ要求条件(ステップS3でのON)と、空調ユニット作動条件(ステップS6でのON)と、蓄冷完了条件(ステップS8でYES)と、冷房運転停止許可条件(ステップS10でのエンジンストップOK)の成立により、エンジン40を停止する。
ステップS12では、ステップS11でのエンジン停止に続き、両切り替えバルブ51,52をバルブ開(蓄冷タンクバルブ開)とし、循環ポンプ53を作動(ポンプON)すると共に、空調ユニットAUのブロワ4を作動(ブロワON)し、内外気温度により負荷を判断し、外気導入位置と内気循環位置のうち負荷の低い方を選択し、インテークドア2を選択した位置に切り替える(内外気切り替え制御)、第2エアミックスドア8を開(エアミックスドアのヒータコア側開)とすることで冷房補完モードを開始し、ステップS13へ移行する。
ステップS13では、ステップS12での冷房補完モードによる制御に続き、蓄冷タンク50での放冷が完了したか否かが判断され、NOと判断された場合はステップS12へ戻って冷房補完モードを継続し、YESと判断された場合はステップS14へ移行する。
ここで、蓄冷タンク50での放冷完了判断は、蓄冷完了判断と同様に、蓄冷タンク温度センサからの蓄冷タンク温度に基づき行うもので、併せて、エバポレータ直後面温度やヒータコア直後面温度の情報を考慮する。
ステップS14では、ステップS13での蓄冷タンク50での放冷が完了したとの判断に続き、両切り替えバルブ51,52をバルブ閉(蓄冷タンクバルブ閉)とし、循環ポンプ53を停止する(ポンプOFF)と共に、空調ユニットAUのブロワ4を停止することで冷房補完モードを終了し、ステップS1へ戻る。
次に、本発明に至った経緯について説明する。
近年、燃費改善要求と排出ガスの低減による環境改善要求から、駐停車時にエンジンを一時的に停止するアイドルストップが注目されていて、手動によりエンジン停止とエンジン始動を行うアイドルストップに限らず、半自動や自動によるアイドルストップ制御システムを搭載した車両も実現化している。例えば、直噴形式をとるエンジン搭載車では、エンジンの起動時間を非常に短くすることが可能となり、車両が停止したらエンジンを切り、発進前のクラッチ・シフトレバー操作を感知して、自動的にエンジンをスタートさせるアイドルストップ制御システムを採用している。
このアイドルストップは、エンジン停止後、燃料消費量が高いエンジン始動を行う必要があるため、あまりにも短い時間、エンジンを停止させたのでは燃費改善とはならない。例えば、2000ccのAT車のデータによると、エンジン始動時の燃料増加分は、アイドリングの5秒分に相当する。このため、5秒以上エンジン停止を行うことにより、燃費改善効果を発揮する。さらに、乗車時間のうち、停止時間が走行時間とほぼ等しくなるような都市部では、47%の停止時間のうち、約半分の25%の時間をアイドルストップとすることで約14%の燃費改善効果が得られることも知られている。
しかしながら、冷房運転による走行時、アイドルストップを優先して実行すると、車載された空調ユニットは、エンジンにより駆動されるコンプレッサを用いて冷房運転を行うため、エンジン停止と同時に冷凍サイクルによる冷媒循環も停止し、エバポレータへの冷媒供給が停止するため、エンジン停止後、短時間のうちに車室内温度が上昇し、車室内快適性を悪化させてしまう。特に、マニュアルの空調ユニット等を搭載した小型車の場合、アイドルストップを行うと狭い車室内温度が急に上昇するため、燃費改善要求があるにもかかわらず、アイドルストップが殆ど利用されていないのが現状である。
すなわち、冷房運転による走行時、車室内冷房により制約を受けることなく、アイドルストップ時間を長い時間確保するには、エンジン停止後、車室内への冷気供給を継続する冷房運転の補完時間をどれだけ延ばすかが重要である。
例えば、信号待ち時間の平均時間は60秒前後であり、この信号待ち時間の間、冷房運転を補完することができたら、エンジンを停止するアイドルストップ時間を長い時間確保することができ、燃費改善や環境改善の実効を図ることができる。
これに対し、従来技術として提案されている車両用蓄冷システムは、いずれも冷熱の蓄熱容量が小さい等の問題があり、冷房運転の補完時間が短く、冷房運転停止後、冷房運転時に蓄えられた蓄冷エネルギーにより、要求される時間(例えば、60秒前後)までの冷房運転の補完を達成することができない。
本発明者は、冷房運転の補完時間を長く延ばしたいという要求に対し、冷房運転時には温水系を循環しているものの熱交換への関与が冷媒よりも低いエンジン冷却水に着目し、エンジン冷却水を貯める蓄冷タンクを設定し、貯めたエンジン冷却水をエバポレータからの冷媒により冷却し、放冷は既存のヒータコアを活用する構成を採用した。この構成を採用したことにより、蓄冷能力が向上し、冷房運転の補完時間を長く延ばし、車室内快適性を維持することができる。
次に、作用を説明する。
以下、実施例1の車両用蓄冷システムにおける作用を、「最大冷房運転作用」、「温度調整運転および蓄冷運転作用」、「蓄冷完了作用」、「冷房運転の補完作用」に分けて説明する。
[最大冷房運転作用]
図5は実施例1の車両用蓄冷システムにおける冷房・蓄冷モードでの蓄冷要部を示す作用説明図である。図6は実施例1の車両用蓄冷システムにおける最大冷房運転時の空調ユニットAUを示す要部断面図である。
エンジン作動状態での最大冷房運転時には、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5という流れが繰り返される。そして、ステップS5では、図6に示すように、第1エアミックスドア7が全開とされ、第2エアミックスドア8が全閉とされる。また、両切り替えバルブ51,52は、図5に示すように、第1分岐回路45aと第2分岐回路46aへの流れを遮断するバルブ閉とされ、ヒータコア入口回路45とヒータコア出口回路46の流れを許可することで、ヒータコア9への通常のエンジン冷却水循環回路を構成する。また、循環ポンプ53は、図5に示すように、ポンプ作動が停止される。
したがって、最大冷房運転時には、ブロワ4により送風される内気が、エバポレータ6にて周囲の熱を奪って熱交換され、エバポレータ6を経過した冷風が、ベントドア13→ベント吹出し口16→ベントダクト19→ベントグリル22を経過して、車室内の前席の左右位置及び中央位置から吹き出される(最大冷房運転)。
なお、この最大冷房運転時には、エバポレータ6で行われる風量及び温度差の大きな熱交換により、エバポレータ6から出る冷媒の温度が高くなるため、エバポレータ6からの冷媒が持つ小さな残留冷熱エネルギーにより、蓄冷タンク50の貯液層50aに貯留したエンジン冷却水を冷却するにとどまる。
[温度調整運転および蓄冷運転作用]
図7は実施例1の車両用蓄冷システムにおける温度調整運転および蓄冷運転時の空調ユニットAUを示す要部断面図である。
エンジン作動状態での温度調整運転および蓄冷運転時には、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5という流れが繰り返される。そして、ステップS5では、図7に示すように、第1エアミックスドア7が半開とされ、第2エアミックスドア8が半開とされる。また、両切り替えバルブ51,52は、図5に示すように、第1分岐回路45aと第2分岐回路46aへの流れを遮断するバルブ閉とされ、ヒータコア入口回路45とヒータコア出口回路46の流れを許可することで、ヒータコア9への通常のエンジン冷却水循環回路を構成する。また、循環ポンプ53は、図5に示すように、ポンプ作動が停止される。
したがって、温度調整運転および蓄冷運転時であって、ベントモード選択時には、ブロワ4により送風される内気または外気のうち、エバポレータ6を経過する風は、周囲の熱を奪う熱交換により冷風となり、ヒータコア9及びPTCヒータ10を経過する風は、熱を貰う熱交換により温風となり、冷風と温風を混合して温度調整された混合風が、ベントドア13→ベント吹出し口16→ベントダクト19→ベントグリル22を経過して、車室内の前席の左右位置及び中央位置から吹き出される。なお、吹き出し温度を低くしたい場合は、第1エアミックスドア7のドア開度を大きくし、また、吹き出し温度を高くしたい場合は、第2エアミックスドア8のドア開度を大きくすることで、調整することができる(温度調整運転)。
この温度調整運転および蓄冷運転時には、エバポレータ6で行われる風量及び温度差の小さな熱交換により、エバポレータ6から出る冷媒の温度が低くなるため、エバポレータ6からの低温・低圧冷媒が持つ大きな残留冷熱エネルギーにより、蓄冷タンク50の貯液層50aに貯留したエンジン冷却水を冷却する作用を示す(蓄冷運転)。
[蓄冷完了作用]
図8は実施例1の車両用蓄冷システムにおける蓄冷完了時の空調ユニットAUを示す要部断面図である。
エンジンコントローラ56からエンジンストップ信号を入力した時であって、蓄冷が完了していない時には、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS6→ステップS8→ステップS4→ステップS5という流れが繰り返される。すなわち、ステップS8にて蓄冷完了と判断されるまでは、エバポレータ6からの低温・低圧冷媒により蓄冷タンク50の貯液層50aに貯留したエンジン冷却水を冷却する蓄冷運転(図7)が継続される。
そして、ステップS8にて蓄冷完了と判断されると、ステップS8からステップS9へと進み、ステップS9において、図8に示すように、第2エアミックスドア8が閉とされる。この第2エアミックスドア8をドア閉とすることによって、冷風の流れのみとして冷房運転を最大冷房運転側に強め、蓄冷タンク50の貯液層50aに貯留したエンジン冷却水の冷却作用の進行を抑える。
そして、第2エアミックスドア8をドア閉とした蓄冷完了状態で、図4のフローチャートにおいて、ステップS9からステップS10へと進み、ステップS10において、冷房運転を停止する環境であるか否かを判断する。そして、夏季炎天下等の状況等であって、冷房運転を継続する環境であるとの判断された場合に限り、エンジンストップNGとし、エンジン40を停止することなくステップS5へ進む。一方、夏季炎天下等の状況等以外であって、冷房運転の停止を許可する環境であるとの判断時には、エンジンストップOKとの判断に基づき、ステップS11へ進み、エンジン40を停止し、アイドルストップ制御を開始する。
[冷房運転の補完作用]
図9は実施例1の車両用蓄冷システムにおけるエンジン停止時の冷房補完モードでの蓄冷要部を示す作用説明図である。図10は実施例1の車両用蓄冷システムにおけるアイドルストップ時冷房状態の空調ユニットAUを示す要部断面図である。
エンジンストップ要求条件(ステップS3でのON)と、空調ユニット作動条件(ステップS6でのON)と、蓄冷完了条件(ステップS8でYES)と、冷房運転停止許可条件(ステップS10でのエンジンストップOK)が成立した場合、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS6→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12へと進む。そして、ステップS11において、エンジン40を停止し、ステップS12では、アイドルストップ制御を開始する。このアイドルストップ制御の開始と同時に、図9に示すように、両切り替えバルブ51,52がバルブ開(蓄冷タンクバルブ開)とされ、循環ポンプ53が作動(ポンプON)される。併せて、図10に示すように、空調ユニットAUのブロワ4が作動(ブロワON)され、インテークドア2が外気導入位置と内気循環位置のうち負荷の低い方の位置とされ(内外気切り替え制御)、第2エアミックスドア8が開(エアミックスドアのヒータコア側開)とされることで、冷房補完モードを開始する。
したがって、アイドルストップ制御が開始されると、これと同時に、蓄冷タンク50の貯液層50aに蓄えられていた低温のエンジン冷却水が、図9に示すように、循環ポンプ53の作動により、第1分岐回路45a→第1切り替えバルブ51→ヒータコア入口回路45→ヒータコア9→ヒータコア出口回路46→第2分岐回路46aを繰り返す強制循環にて流れる。このため、図10に示すように、内気循環によりブロワ4からの送風が、ヒータコア9を経過するとき、送風の持つ熱が低温エンジン冷却水により奪われ、ヒータコア9を経過した冷風を車室内に吹き出すという冷房運転の補完作用が発揮される。
この冷房運転の補完作用は、ステップS13において、蓄冷タンク50での放冷が完了したと判断されるまで継続される。
次に、ステップS13において、蓄冷タンク50での放冷が完了したと判断されると、ステップS14において、両切り替えバルブ51,52がバルブ閉(蓄冷タンクバルブ閉)とされ、循環ポンプ53が停止される(ポンプOFF)と共に、空調ユニットAUのブロワ4が停止されることで冷房補完モードを終了する。
上記のように、実施例1の車両用蓄冷システムにあっては、主に温度調整による冷房運転時、蓄冷タンク50の貯液層50aに貯留したエンジン冷却水をエバポレータ6からの冷媒により冷却する蓄冷モードとされ、アイドルストップによる冷房運転停止後、蓄冷タンク50の貯液層50a内の冷却したエンジン冷却水をヒータコア9に導入する冷房補完モードに切り替えられる。
すなわち、冷房補完モードでは、空調ユニットに既存のヒータコアを、冷却したエンジン冷却水を導入するクーラコアとして活用するシステムである。このため、蓄冷タンク50とモード切り替え手段としての両切り替えバルブ51,52や循環ポンプ53を追加するだけで、既存の空調ユニットAUの構成はそのままで良く、コストやスペースの有利性を確保することができる。
また、冷風冷却より冷却効果が高い冷媒冷却であり、かつ、エンジン冷却水の充填を蓄冷タンク50の貯液層50aにて行うため、冷熱エネルギーの蓄積量は、蓄冷タンク50の容積設定により行えるという自由度を持つ。したがって、アイドルストップによる冷房運転停止後、主に温度調整による冷房運転時に蓄えられた十分な蓄冷エネルギーにより、従来の車両用蓄冷システムに比べ、冷房運転の補完時間を延長することができる。
例えば、信号待ちによるアイドルストップの平均時間(約60秒)の間、冷房運転を補完したいという要求に対し、蓄冷タンク50の容積設定により、冷房運転の補完時間をアイドルストップの平均時間に一致させることが可能である。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用蓄冷システムにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エバポレータ6とヒータコア9を内蔵する空調ユニットAUを備え、冷房運転時に蓄冷しておき、冷房運転停止後、蓄冷エネルギーを用いて冷房運転を補完する車両用蓄冷システムにおいて、前記ヒータコア9へのエンジン冷却水循環回路に並列接続し、エンジン冷却水の貯液層50aと前記エバポレータ6からの冷媒が流通する冷媒層50bを有する蓄冷タンク50と、冷房運転時、前記貯液層50aに貯留したエンジン冷却水をエバポレータ6からの冷媒により冷却する蓄冷モードと、冷房運転停止後、前記貯液層50a内の冷却したエンジン冷却水を前記ヒータコア9に導入する冷房補完モードと、を切り替えるモード切り替え手段と、を備えたため、既存の空調ユニットAUの構成はそのままでコストやスペースの有利性を確保しながら、冷房運転停止後、冷房運転時に蓄えられた蓄冷エネルギーにより要求される時間までの冷房運転の補完を達成することができる。
(2) 前記モード切り替え手段は、冷房運転時、前記貯液層50aの入口と出口を閉じてエンジン冷却水を溜めたままとするバルブ閉状態と、冷房運転停止後、前記貯液層50aの入口と出口を開きエンジン冷却水を前記ヒータコア9に流通させるバルブ開状態とを切り替える切り替えバルブ51,52と、冷房運転停止後、前記貯液層50aと前記ヒータコア9との間で冷却したエンジン冷却水を強制循環する循環ポンプ53と、前記切り替えバルブ51,52と前記循環ポンプ53の作動制御と空調ユニットAUの制御により、冷房運転時の蓄冷モードと冷房運転停止後の冷房補完モードの切り替え制御を行う空調コントローラ54と、を備えたため、空調コントローラ54に切り替えバルブ51,52と循環ポンプ53の作動制御を加えるだけで、冷房運転時の蓄冷モードと冷房運転停止後の冷房補完モードの切り替え制御を行うことができる。
(3) 前記空調コントローラ54は、エンジン作動の蓄冷モード時、前記切り替えバルブ51,52をバルブ閉とし、前記循環ポンプ53を停止し(ステップS5)、貯液層50aに貯留したエンジン冷却水をエバポレータ6からの低温・低圧冷媒により冷却するため、冷風冷却に比べて冷却効果が高い冷媒冷却により、蓄冷タンク50の貯液層50aに貯留しているエンジン冷却水を効果的に冷却することができる。
(4) 前記空調コントローラ54は、エンジンストップ要求条件(ステップS3でON)と空調ユニット作動条件(ステップS6でON)と蓄冷完了条件(ステップS8でYES)の成立によりエンジン40を停止し(ステップS11)、前記切り替えバルブ51,52をバルブ開とし、前記循環ポンプ53を作動すると共に、空調ユニットAUのブロワ4を作動し、インテークドア2を外気導入位置と内気循環位置のうち負荷の低い位置とし、エアミックスドア7,8のヒータコア側を開く(ステップS12)ことで冷房補完モードを開始するため、エンジンストップ要求条件が出ているときでも蓄冷が完了していない場合は蓄冷完了条件の成立を待ち、アイドルストップ制御を行うときには必ず冷房運転の補完制御を行うという協調制御により、燃費・環境性能の向上と車室内快適性の確保との両立を図ることができる。
(5) 前記空調コントローラ54は、冷房補完モードの開始後、放冷完了条件が成立すると(ステップS13でYES)、前記切り替えバルブ51,52をバルブ閉とし、前記循環ポンプ53を停止すると共に、空調ユニットAUのブロワ4を停止する(ステップS14)ことで冷房補完モードを終了するため、冷熱エネルギーを放出する前に冷房運転の補完が終了したり、冷熱エネルギーを放出した後まで冷房運転の補完が続いたりすることなく、蓄冷タンク50に蓄えられた冷熱エネルギーを放出するまでの最適なタイミングまで冷房運転の補完時間を維持することができる。
(6) 前記空調ユニットAUは、前記ヒータコア9の下流位置に、暖房要求があるにもかかわらずエンジン冷却水が低温であるとき、暖房を補完するPTCヒータ10を設定したため、エンジン冷却水が低温である暖房要求時、ヒータコア9に代えて暖房運転を有効に補完することができる。つまり、空調ユニットAUは、冷房運転の補完と暖房運転の補完の両補完機能を併せて達成することができる。
(7) 前記蓄冷タンク50は、内側層と中間層と外側層を有し、前記内側層をエンジン冷却水の貯液層50aとし、前記中間層をエバポレータ6からの冷媒が流通する冷媒層50bとし、前記外側層を真空断熱層50cとしたため、真空断熱層50cによる高い断熱性により、真空断熱層を持たないタンクに比べ、エバポレータ6からの冷媒が持つ冷熱エネルギーの損失や貯液層50a内のエンジン冷却水が蓄えた冷熱エネルギーの損失を小さく抑えることができる。
(8) 前記蓄冷タンク50は、タンク構成要素501を複数枚積層し、積層したタンク構成要素501の開口部を入口側蓋板502と出口側蓋板503とで塞ぐことにより、前記貯液層50aと前記冷媒層50bと前記真空断熱層50cを形成した積層型蓄冷タンクとしたため、冷房運転の補完時間の変更や車種の変更等により、蓄冷タンク50の容積を変更する要求があった場合、設定された容積毎に異なる形状のタンクを用意する必要がなく、タンク構成要素501の積層枚数を変更するだけで容積変更要求に対し容易に対応することができる。
実施例2は、蓄冷タンクの外側層を、真空断熱層に代え、潜熱蓄冷材を封入した蓄冷材層とした例である。
まず、構成を説明する。
図11は実施例2の車両用蓄冷システムに用いられる蓄冷タンクの一例を示す断面図である。
実施例2の蓄冷タンク50は、図11に示すように、内側層と中間層と外側層を有し、前記内側層をエンジン冷却水の貯液層50aとし、前記中間層をエバポレータ6からの冷媒が流通する冷媒層50bとし、前記外側層を蓄冷材層50dとし、該蓄冷材層50dに、相変化を伴って放熱・吸熱を行う潜熱蓄冷材50eを封入している。
ここで、潜熱蓄冷材50eとしては、例えば、n-パラフィンをカプセル化、あるいは、パッケージ化したものを用いる。このn-パラフィンは、炭素鎖数に対応して広範な温度域をカバーでき(凝固点-50〜80℃)、溶融潜熱も130〜250KJ/Kgと高い。
さらに、蓄冷タンク50は、図11に示すように、同一形状のタンク構成要素501を複数枚交互に反転させながら積層し、積層したタンク構成要素501の開口部を入口側蓋板502と出口側蓋板503とで塞ぐことにより、前記貯液層50aと前記冷媒層50bと前記潜熱蓄冷材50eを形成した積層型蓄冷タンクとしている。なお、他のシステム構成は、実施例1と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明すると、冷房運転時の蓄冷モードにおいては、エバポレータ6から冷媒が冷媒層50bへ供給されることで、貯液層50aのエンジン冷却水が冷却されると共に、エバポレータ6からの冷媒が冷媒層50bへ供給されることで、蓄冷材層50dの潜熱蓄冷材50eが液相から固相へと相変化し、冷熱を蓄熱する。そして、冷房運転停止後の冷房補完モードにおいては、低温エンジン冷却水がヒータコア9に導入され、エンジン冷却水の温度が上がっていくと、蓄冷材層50dの潜熱蓄冷材50eが固相から液相へと相変化し、蓄熱した冷熱を放出し、エンジン冷却水の温度上昇を抑える。
すなわち、実施例2の蓄冷システムでは、蓄冷材層50dに潜熱蓄冷材50eを封入した分、実施例1に比べて蓄冷能力が向上し、冷房運転の補完時、車室内への吹き出し温度の上昇をより延ばすことができる。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用蓄冷システムにあっては、実施例1の(1)〜(6),(8)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(9) 前記蓄冷タンク50は、内側層と中間層と外側層を有し、前記内側層をエンジン冷却水の貯液層50aとし、前記中間層をエバポレータ6からの冷媒が流通する冷媒層50bとし、前記外側層を蓄冷材層50dとし、該蓄冷材層50dに、相変化を伴って放熱・吸熱を行う潜熱蓄冷材50eを封入したため、実施例1に比べて蓄冷能力が向上し、冷房運転の補完時、車室内への吹き出し温度の上昇をより延ばすことができる。
以上、本発明の車両用蓄冷システムを実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1,2では、蓄冷タンク50として容積対応性を持つ積層型蓄冷タンクを用いる例を示したが、例えば、図12に示すように、蓄冷タンク50として多重円筒型蓄冷タンクを用いても良い。この多重円筒型蓄冷タンクの場合、図12に示すように、内筒部511と中間筒部512と外筒部513を同心状に配置し、これらを第1蓋材514と第2蓋材515により塞ぐことで、貯液層50a、冷媒層50b、真空断熱層50c(または蓄冷材層50d)に分け、さらに、第1カバー材516と第2カバー材517により両端面を覆うことで構成される。
実施例1,2では、モード切り替え手段として、両切り替えバルブ51,52と、循環ポンプ53と、空調コントローラ54(モード切り替え制御手段)により構成した例を示したが、これらの構成に限られるものではなく、様々な変更や追加等を行う例としても良い。要するに、ヒータコアへのエンジン冷却水循環回路に並列接続し、エンジン冷却水の貯液層とエバポレータからの冷媒が流通する冷媒層を有する蓄冷タンクと、冷房運転時、貯液層に貯留したエンジン冷却水をエバポレータからの冷媒により冷却する蓄冷モードと、冷房運転停止後、貯液層内の冷却したエンジン冷却水をヒータコアに導入する冷房補完モードと、を切り替えるモード切り替え手段と、を備えたものであれば、実施例1には限られることはない。
実施例1,2では、アイドルストップ制御を行うエンジン車へ車両用蓄冷システムを適用する例を示したが、ハイブリッド車等の車両用蓄冷システムに対しても適用することができる。要するに、エバポレータとヒータコアを内蔵する空調ユニットを備え、冷房運転時に蓄冷しておき、冷房運転停止後、蓄冷エネルギーを用いて冷房運転を補完する車両用蓄冷システムであれば適用できる。
実施例1の車両用蓄冷システムを示す全体システム図である。 実施例1の車両用蓄冷システムの蓄冷要部を示すサイクル図である。 実施例1の車両用蓄冷システムに用いられる蓄冷タンクの一例を示す断面図である。 実施例1の空調コントローラにて実行されるモード切り替え制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の車両用蓄冷システムにおける冷房・蓄冷モードでの蓄冷要部を示す作用説明図である。 実施例1の車両用蓄冷システムにおける最大冷房運転時の空調ユニットAUを示す要部断面図である。 実施例1の車両用蓄冷システムにおける温度調整運転および蓄冷運転時の空調ユニットAUを示す要部断面図である。 実施例1の車両用蓄冷システムにおける蓄冷完了時の空調ユニットAUを示す要部断面図である。 実施例1の車両用蓄冷システムにおけるエンジン停止時の冷房補完モードでの蓄冷要部を示す作用説明図である。 実施例1の車両用蓄冷システムにおけるアイドルストップ時冷房状態の空調ユニットAUを示す要部断面図である。 実施例2の車両用蓄冷システムに用いられる蓄冷タンクの一例を示す断面図である。 車両用蓄冷システムに用いられる蓄冷タンクの他の例を示す断面図である。
符号の説明
AU 空調ユニット
1 空調ケース
2 インテークドア
3 クリーンフィルター
4 ブロワ
5 ブロワモータ
6 エバポレータ
7 第1エアミックスドア(温調ドア)
8 第2エアミックスドア(温調ドア)
9 ヒータコア
10 PTCヒータ(暖房補完手段)
11 冷風バイパス通路
12 温風通路
13 ベントドア
14 フットドア
15 デフドア
16 ベント吹き出し口
17 フット吹き出し口
18 デフ吹き出し口
19 ベントダクト
20 フットダクト
21 デフダクト
22 ベントグリル
30 コンプレッサ
31 コンデンサ
32 レシーバー
33 エキスパンションバルブ
34 エバポレータ第1出口回路
35 エバポレータ第2出口回路
40 エンジン
41 ラジエータ
42 サーモスタットバルブ
43 ウォータポンプ
44 バイパス回路
45 ヒータコア入口回路
46 ヒータコア出口回路
50 蓄冷タンク
50a 貯液層
50b 冷媒層
50c 真空断熱層
50d 蓄冷材層
50e 潜熱蓄冷材
51 第1切り替えバルブ(切り替えバルブ)
52 第2切り替えバルブ(切り替えバルブ)
53 循環ポンプ
54 空調コントローラ(モード切り替え制御手段)

Claims (6)

  1. エバポレータとヒータコアを内蔵する空調ユニットを備え、冷房運転時に蓄冷しておき、冷房運転停止後、蓄冷エネルギーを用いて冷房運転を補完する車両用蓄冷システムにおいて、
    前記ヒータコアへのエンジン冷却水循環回路に並列接続し、エンジン冷却水の貯液層と前記エバポレータからの冷媒が流通する冷媒層を有する蓄冷タンクと、
    冷房運転時、前記貯液層に貯留したエンジン冷却水をエバポレータからの冷媒により冷却する蓄冷モードと、冷房運転停止後、前記貯液層内の冷却したエンジン冷却水を前記ヒータコアに導入する冷房補完モードと、を切り替えるモード切り替え手段と、を備え
    前記蓄冷タンクは、内側層と中間層と外側層を有し、前記内側層をエンジン冷却水の貯液層とし、前記中間層をエバポレータからの冷媒が流通する冷媒層とし、前記外側層を真空断熱層とし、タンク構成要素を複数枚積層し、積層したタンク構成要素の開口部を入口側蓋板と出口側蓋板とで塞ぐことにより、前記貯液層と前記冷媒層と前記真空断熱層を形成した積層型蓄冷タンクとしたことを特徴とする車両用蓄冷システム。
  2. 請求項1に記載された車両用蓄冷システムにおいて、
    前記モード切り替え手段は、
    冷房運転時、前記貯液層の入口と出口を閉じてエンジン冷却水を溜めたままとするバルブ閉状態と、冷房運転停止後、前記貯液層の入口と出口を開きエンジン冷却水を前記ヒータコアに流通させるバルブ開状態とを切り替える切り替えバルブと、
    冷房運転停止後、前記貯液層と前記ヒータコアとの間で冷却したエンジン冷却水を強制循環する循環ポンプと、
    前記切り替えバルブと前記循環ポンプの作動制御と空調ユニットの制御により、冷房運転時の蓄冷モードと冷房運転停止後の冷房補完モードの切り替え制御を行うモード切り替え制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用蓄冷システム。
  3. 請求項2に記載された車両用蓄冷システムにおいて、
    前記モード切り替え制御手段は、エンジン作動の蓄冷モード時、前記切り替えバルブをバルブ閉とし、前記循環ポンプを停止し、貯液層に貯留したエンジン冷却水をエバポレータからの低温・低圧冷媒により冷却することを特徴とする車両用蓄冷システム。
  4. 請求項2または請求項3に記載された車両用蓄冷システムにおいて、
    前記モード切り替え制御手段は、エンジンストップ要求条件と空調ユニット作動条件と蓄冷完了条件の成立によりエンジンを停止し、前記切り替えバルブをバルブ開とし、前記循環ポンプを作動すると共に、空調ユニットのブロワを作動し、インテークドアを外気導入位置と内気循環位置のうち負荷の低い位置とし、温調ドアのヒータコア側を開くことで冷房補完モードを開始することを特徴とする車両用蓄冷システム。
  5. 請求項4に記載された車両用蓄冷システムにおいて、
    前記モード切り替え制御手段は、冷房補完モードの開始後、放冷完了条件が成立すると、前記切り替えバルブをバルブ閉とし、前記循環ポンプを停止すると共に、空調ユニットのブロワを停止することで冷房補完モードを終了することを特徴とする車両用蓄冷システム。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載された車両用蓄冷システムにおいて、
    前記空調ユニットは、前記ヒータコアの下流位置に、暖房要求があるにもかかわらずエンジン冷却水が低温であるとき、暖房を補完する暖房補完手段を設定したことを特徴とする車両用蓄冷システム。
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