JPH06211030A - 自動車用冷房装置 - Google Patents

自動車用冷房装置

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JPH06211030A
JPH06211030A JP686293A JP686293A JPH06211030A JP H06211030 A JPH06211030 A JP H06211030A JP 686293 A JP686293 A JP 686293A JP 686293 A JP686293 A JP 686293A JP H06211030 A JPH06211030 A JP H06211030A
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JP
Japan
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regenerator
cold
cooling
cooling medium
heat
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English (en)
Inventor
Shizuo Ishizawa
静雄 石澤
Kazuo Saito
和男 齋藤
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓄冷器に蓄えられた冷熱により冷房を行う自
動車用冷房装置を提供する。 【構成】 冷却媒体から放出される冷熱を蓄える蓄冷器
19と、運転状態に応じて蓄冷器19の蓄冷あるいは放
冷を行わせる制御手段とを備える自動車用冷房装置にお
いて、樹脂製の皮膜49に冷熱を蓄える蓄冷材50を封
入した蓄冷カプセル43を設け、蓄冷器19の内部に複
数の蓄冷カプセル43をそれぞれの皮膜49が互いに接
触して弾性変形した状態で介装し、各蓄冷カプセル43
の間に蓄冷媒体を循環させる流路を画成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用冷房装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】自動車を夏季の炎天下に
エンジンを止めたまま停車するような場合、車室内はか
なりの高温となるので、エンジンの始動後に車室内を急
速に冷房したいという要求がある。
【0003】この対策として、従来の自動車用冷房装置
では、例えば特開昭61−193914号公報に見られ
るように、金属水素化物の吸熱反応を利用して蓄冷する
蓄冷器を備えるものが提案されている。
【0004】しかしながら、このような従来の自動車用
冷房装置にあっては、化学反応が行われる密閉された系
と反応ガスに対する配慮が必要なため、構造が複雑とな
り、自動車に搭載するスペースや重量が大きくなり過ぎ
るという問題点があった。
【0005】また、例えば特開平2−220923号公
報にて、冷熱を蓄える蓄冷器を蓄冷用蒸発器を介して冷
房装置の冷媒と熱交換可能に接続し、蓄冷器から送られ
る蓄冷媒体を放冷用蒸発器に循環させて車室内に送られ
る空気を冷却するものが提案されている。
【0006】しかしながら、この場合、蓄冷器の他に蒸
発器、圧縮器、ファン等を増設しなければならず、自動
車に搭載するにはスペースや重量が大きくなり過ぎると
いう問題点があった。
【0007】この他にも、蓄冷器を備える自動車用冷房
装置として、特開昭61−171605号公報、実公昭
63−35843号公報、実開平2−109706号公
報等があるが、いずれも蓄冷器の保温性あるいは熱交換
率に問題があり、実用化を難しくしていた。
【0008】本発明は上記の問題点に着目し、蓄冷器に
蓄えられた冷熱により冷房を行う自動車用冷房装置を提
供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
冷却媒体を圧縮する圧縮器と、冷却媒体の熱を外部に放
出する凝縮器と、冷却媒体を膨張させる膨張弁と、冷却
媒体の冷熱を車室内に送られる空気に放出する蒸発器
と、冷却媒体から放出される冷熱を蓄える蓄冷器と、運
転状態に応じて蓄冷器の蓄冷あるいは放冷を行わせる制
御手段とを備える自動車用冷房装置において、樹脂製の
皮膜に冷熱を蓄える蓄冷材を封入した蓄冷カプセルを設
け、蓄冷器の内部に複数の蓄冷カプセルをそれぞれの皮
膜が互いに接触して弾性変形した状態で介装し、各蓄冷
カプセルの間に蓄冷媒体を循環させる流路を画成する。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、蓄冷器の蓄冷時に膨張弁を経て導かれる冷却媒体を
蓄冷器に導く弁手段と、蓄冷器の放冷時に凝縮器を経て
導かれる冷却媒体を蓄冷器に導く弁手段とを備える。
【0011】請求項3記載の発明は、蓄冷器の蓄冷時と
放冷時に膨張弁を経て導かれる冷却媒体を蓄冷器に導く
弁手段を備える。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3に
おいて、多数の蓄冷カプセルを収装するインナーチュー
ブを設け、インナーチューブを弾性材により形成する。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4に
おいて、蓄冷器を包囲する断熱空間を設け、断熱空間を
エンジンのスロットルバルブより下流側の吸気通路に連
通する配管を設け、配管の途中に断熱空間から吸気通路
に向かう空気の流れに対してのみ開弁する一方向弁を介
装する。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項2におい
て、凝縮器を経て導かれる冷却媒体を貯溜する受液器
と、蓄冷器の放冷時に凝縮器を経て導かれる冷却媒体を
受液器を迂回して蓄冷器に導く弁手段とを備える。
【0015】
【作用】本発明は、従来から設けられている冷房装置に
蓄冷器を加える比較的簡素な構造により、蓄冷器に冷熱
を蓄える蓄冷と、蓄冷器に蓄えられた冷熱を放出する放
冷とが運転状態に応じて行われ、例えば車室内の灼熱状
態に蓄冷器の放冷を行うことにより急速冷房が可能とな
る。
【0016】請求項1記載の発明においては、蓄冷器の
蓄冷時あるいは放冷時に、蓄冷媒体を蓄冷カプセルの間
に画成された流路を循環させる。蓄冷カプセルをそれぞ
れの皮膜が弾性変形した状態で互いに接触しているた
め、各蓄冷カプセルの表面に沿って流れる冷媒の流速が
高められ、冷媒と蓄冷カプセルに内蔵される蓄冷材との
間で効率良く熱交換が行われ、蓄冷または放冷に要する
時間を短縮することができる。
【0017】請求項2記載の発明においては、蓄冷器を
膨張弁より上流側と下流側に選択的に接続する構成によ
り、蓄冷器に冷熱を蓄える蓄冷と、蓄冷器に蓄えられた
冷熱を放出する放冷とが運転状態に応じて行われる。
【0018】請求項3記載の発明においては、冷熱を放
出した蓄冷器を膨張弁より下流側に接続して蓄冷が行わ
れる一方、冷熱を蓄えた蓄冷器を膨張弁より下流側に接
続して放冷が行われる。
【0019】請求項4記載の発明においては、インナー
チューブの弾性復元力により各蓄冷カプセルは互いに密
着した状態で保持され、車両から伝えられる振動等によ
り蓄冷カプセルが移動することが防止される。
【0020】請求項5記載の発明においては、蓄冷器を
包囲する断熱空間の空気がエンジンの吸入負圧により排
出され、蓄冷器の保温性が高められる。
【0021】請求項6記載の発明においては、蓄冷器を
膨張弁より下流側に接続して蓄冷を行う一方、蓄冷器を
膨張弁より上流側に接続し、凝縮器を経て導かれる冷却
媒体を受液器を迂回して蓄冷器に導くことにより放冷が
行われる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0023】図1に示すように、冷房装置の冷媒回路1
は、外部から容量を制御可能とする可変容量タイプの圧
縮器5、凝縮器6、受液器9、膨張弁7、蒸発器8を備
える。圧縮器5で圧縮された高圧高温の冷却媒体のガス
は凝縮器6に送られ、凝縮器6で外気に放熱して液化し
た後、膨張弁7を通過して膨張することにより低温低圧
の液体となって蒸発器8に入り、蒸発器8にてブロワ
(送風機)10を介して送られる空気に冷熱を放出しな
がら気化し、低圧ガスとなって圧縮器5に再び吸入され
る。一方、蒸発器8を通過することにより冷却された空
気は空調用ダクト15を通して車室内に送られ、車室内
を冷房する。
【0024】11はエアミックスダンパ、41はヒータ
コアである。ブロワ10から送られる空気はエアミック
スダンパ11を介してヒータコア41を通過することに
より暖められる。
【0025】空調用ダクト15には3つの吹出口切換ダ
ンパ12,13,14が設けられ、車室内への吹出口が
切換えられるようになっている。
【0026】18はポンプ、19は蓄冷器、17は放冷
専用の第一の熱交換器、34は蓄冷専用の第二の熱交換
器である。
【0027】図2にも示すように、蓄冷器19は円筒形
の金属製ケーシング44の外側が例えばガラスウール等
からなる断熱材42で覆われたり、魔法瓶のような断熱
構造をしており、ケーシング44の内部に多数の蓄冷カ
プセル43が介装される。
【0028】図3に示すように、蓄冷カプセル43は球
状の皮膜49の内部に蓄冷材50が充填される。
【0029】皮膜49は例えばプラスチック等の弾性を
有する樹脂材で形成され、蓄冷材50を封入した後に密
封される。
【0030】蓄冷材50は、単位重量当たりの蓄冷熱量
が大きい潜熱型のものとして、例えば水(氷)等が用い
られる。蓄冷材50は、予め決められた温度で相変化が
生じるように、過冷却を防止する物質、あるいは相変化
を促進する物質が添加される。
【0031】ケーシング44の内部に各蓄冷カプセル4
3をそれぞれの皮膜49が互いに接触して弾性変形した
状態で介装し、蓄冷媒体を循環させる流路を画成する。
すなわち、各蓄冷カプセル43は球状をした皮膜49が
隣り合う蓄冷カプセル43に接触する部分を弾性変形さ
せて互いに密着した状態で介装され、各蓄冷カプセル4
3の周囲には隣り合う蓄冷カプセル43との間に網状を
した流路が画成される。
【0032】ケーシング44の上流端には多孔質材から
なる整流板45が固定的に取付けられ、ロート状に拡径
する入口部46から流入する蓄冷媒体を各蓄冷カプセル
43の間に画成された流路に均一な速度分布を持たせる
ようになっている。
【0033】ケーシング44の下流端には多孔質材から
なる整流板47が流路方向に変位可能に介装され、スプ
リング48の付勢力により各整流板45,47の間に各
蓄冷カプセル43が挟み込まれることにより、各蓄冷カ
プセル43は互いに密着した状態で保持され、車両から
伝えられる振動等により蓄冷カプセル43が移動しない
ようになっている。
【0034】ケーシング44の上部にはドレイン56が
接続され、ケーシング44内の流路に空気等が混入した
ときに、ドレイン56を開いて空気抜きが行われる。
【0035】第一の熱交換器17は空調用ダクト15内
に設けられ、蒸発器8の下流側に配置される。
【0036】熱交換器17の上流側に通気路切換ダンパ
16が設けられる。通気路切換ダンパ16は、図1に実
線で示すように、ブロワ10から送られる空気の全量を
熱交換器17に導く全開位置と、図1に破線で示すよう
に、ブロワ10から送られる空気の一部を熱交換器17
に導く半開位置と、同じく破線で示すように、熱交換器
17に導かれる空気流を遮断する閉位置とに切換えられ
るようになっている。
【0037】第二熱交換器34は膨張弁7の下流側を循
環する冷却媒体と蓄冷媒体との間で熱交換を行わせるも
のである。
【0038】ポンプ18は蓄冷器19と第一熱交換器1
7または第二熱交換器34の間で蓄冷媒体を循環させ
る。ポンプ18と蓄冷器19の間に、三方切換バルブ3
2を介し第二熱交換器34が介装された蓄冷回路35
と、第一熱交換器17が介装された放冷回路36が並列
に配設される。
【0039】三方切換バルブ32は蓄冷媒体が図4に黒
矢印で示すように第一熱交換器17を循環して冷房を行
うポジションと、蓄冷媒体が図5に黒矢印で示すように
第二熱交換器34を循環して蓄冷を行うポジションに切
換えられる。
【0040】第二熱交換器34は膨張弁7と蒸発器8と
の間に三方切換バルブ31を介してバイパス管33と並
列に配設される。三方切換バルブ31は冷却媒体が図4
に黒矢印で示すようにバイパス管33を通って蒸発器8
を循環して冷房を行うポジションと、冷却媒体が図5に
黒矢印で示すように第二熱交換器34を循環して蓄冷を
行うポジションに切換えられる。
【0041】4は制御回路である。制御回路4は冷房装
置の作動状態を検出する信号ならびに自動車の運転状態
を検出する信号を入力し、圧縮器5、ブロワ10、エア
ミックスダンパ11、吹出口切換ダンパ12,13,1
4、通気路切換ダンパ16、ポンプ18を総合的に制御
する。
【0042】制御回路4には、冷房装置の作動状態を知
るために、蓄冷器19の入口と出口でそれぞれ蓄冷媒体
の温度を検出するセンサ21,22、膨張弁7の出口で
冷媒の温度を検出するセンサ20、蒸発器8を通過した
空気の温度を検出するセンサ23、熱交換器17を通過
した空気の温度を検出するセンサ24、車室内の温度を
検出するセンサ25、室温設定スイッチ26、外気温セ
ンサ53、太陽光強度を検出する太陽光センサ54から
の信号が入力されるとともに、自動車の運転状態を知る
ために、エンジンの冷却水温センサ、車速センサ、アク
セルペダルの開度センサ、ブレーキペダルの踏み込みを
検出するブレーキペダルスイッチからの信号が入力され
る。
【0043】次に、作用について説明する。
【0044】エンジンを始動させ、冷房装置を作動させ
るエアコンスイッチが自動あるいは手動でONになった
場合、検出された外気温度または太陽光強度が規準値よ
り高い車室内の灼熱状態を判断し、最大冷房能力を発揮
するクールダウン運転が行われる。
【0045】クールダウン運転を行う前に、蓄冷器19
に停滞している蓄冷媒体の温度を知るために、ポンプ1
8を数秒間駆動すると同時に蓄冷器19の出口と入口に
設けられたセンサ22,21により蓄冷媒体の温度差を
検出し、この温度差が基準値より大きいと、十分な蓄冷
量があると判断する。
【0046】クールダウン運転時は、ポンプ18を駆動
し、通気路切換ダンパ16を全開位置に保持し、三方切
換バルブ32を放冷回路36を開通させるポジションに
切換えるとともに、三方切換バルブ31をバイパス管3
3を開通させるポジションに切換える。これにより、蒸
発器8と熱交換器17にはそれぞれ低温の冷媒が循環
し、図4に白抜き矢印で示すように、ブロワ10から送
られる空気は蒸発器8と熱交換器17の二段階で冷却さ
れ、車室内を急速に冷房する。
【0047】圧縮器5の始動直後は冷房装置の熱容量に
応じて蒸発器8に導かれる冷媒が冷えるまでにある遅れ
時間が生じるが、熱交換器17は蓄冷器19に蓄えられ
た低温の冷媒がすぐに導かれるため、車室内を急速に冷
房することができる。
【0048】最大冷房能力が要求されるクールダウン運
転時間は通常5分以下であるため、蓄冷器19の蓄冷熱
量は1000〜2000キロジュールあれば十分であ
る。
【0049】蓄冷器19の出口と入口における蓄冷媒体
の温度差が規準値以下となって蓄冷量が不足することが
判断されると、ポンプ18の駆動を停止し、通気路切換
ダンパ16を介して熱交換器17への空気流を遮断する
とともに、三方切換バルブ32を蓄冷回路35を連通さ
せるポジションに切換えて、蓄冷器19による冷房を停
止する。
【0050】蓄冷要求時に圧縮器5が駆動されているこ
とが確認されると、ポンプ18を駆動し、三方切換バル
ブ32を蓄冷回路35を開通させるポジションに切換え
るとともに、三方切換バルブ31をパイパス管33を閉
塞するポジションに切換えて、第二熱交換器34で冷却
された冷媒を蓄冷器19に循環させて、蓄冷器19の蓄
冷を行う。
【0051】上記放冷時および蓄冷時に、ポンプ18を
介して蓄冷器19を循環する蓄冷媒体は、多数の蓄冷カ
プセル43の間をぬって流れる。各蓄冷カプセル43の
周囲には隣り合う蓄冷カプセル43との間に網状をした
流路が画成されているため、各蓄冷カプセル43の表面
に沿って流れる蓄冷媒体の流速が高められ、蓄冷媒体と
蓄冷カプセル43に内蔵される蓄冷材50との間で効率
良く熱交換が行われ、蓄冷または放冷に要する時間を短
縮することができる。
【0052】さらに、多孔質の整流板45により入口部
46からケーシング44内に流入する蓄冷媒体の速度分
布が均一にされるため、各蓄冷カプセル43に蓄冷量の
バラツキが生じることを抑制し、蓄冷媒体と蓄冷カプセ
ル43に内蔵される蓄冷材50との間で効率良く熱交換
が行われる。
【0053】蓄冷器19の保温時に、ポンプ18の駆動
が停止され、ケーシング44内の流路に蓄冷媒体が滞留
する。蓄冷媒体は多数の蓄冷カプセル43の間に滞留し
ているため、ケーシング44内における自然対流が抑え
られ、ケーシング44から外気への放熱が抑えられる。
【0054】次に、図6に示した他の実施例は、蓄冷器
19を冷房装置の冷媒回路1に直接介装するものであ
り、以下これについて説明する。なお、図1との対応部
分には同一符号を付して示すことにする。
【0055】蓄冷器19を膨張弁7の下流側に接続する
蓄冷回路61と、蓄冷器19を膨張弁7の上流側に接続
する放冷回路62とが配設される。
【0056】放冷回路62はその上流端が切換弁65を
介して受液器9の下流側に接続され、その下流端が切換
弁64を介して切換弁65の下流側に接続される。
【0057】蓄冷回路61はその上流端が切換弁63を
介して膨張弁7の下流側に接続され、その下流端が切換
弁64を介して切換弁63の下流側に接続される。
【0058】次に、作用について説明する。
【0059】放冷時における冷却媒体は、図7に黒矢印
で示すように、圧縮器5で圧縮されることにより高圧高
温のガスとなって凝縮器6に送られ、凝縮器6で外気に
放熱して液化した後、切換弁65を介して蓄冷器19に
入り、蓄冷器19にて冷熱を吸収して冷却された後に切
換弁64を介して膨張弁7に送られ、膨張弁7を通過し
て膨張することにより低温低圧の液体となって蒸発器8
に入り、図7に白抜き矢印で示すようにブロワ10を介
して車室内に送られる空気に対して蒸発器8にて冷熱を
放出しながら気化し、低圧ガスとなって圧縮器5に再び
吸入される。このように圧縮器5から送られる冷却媒体
は凝縮器6と蓄冷器19の二段階で冷却されることによ
り、蒸発器8を通過して車室内に送られる空気の温度を
大きく低下させて、車室内を急速に冷房することができ
る。
【0060】蓄冷時における冷却媒体は、図8に黒矢印
で示すように、凝縮器6と受液器9および膨張弁7を通
過して膨張することにより低温低圧の液状となった後、
切換弁63を介して蓄冷器19に入り、蓄冷器19にて
冷熱を蓄冷材50に放出して蓄冷を行い、蓄冷器19か
ら切換弁64を介して蒸発器8に送られる。
【0061】この実施例では、図1に示した実施例にお
けるポンプ18と熱交換器37等が廃止されることによ
り、構造の簡素化がはかれる。
【0062】次に、図9に示した他の実施例は、放冷時
と蓄冷時に蓄冷器19を膨張弁7より下流側の冷媒回路
1に接続するものである。以下これについて説明する。
なお、図1との対応部分には同一符号を付して示すこと
にする。
【0063】蓄冷器19は冷媒回路1にバイパス管72
と並列に配設され、蓄冷器19とバイパス管72の分岐
部には切換弁71が介装される。
【0064】次に、作用について説明する。
【0065】蓄冷器19を用いない冷房時における冷却
媒体は、圧縮器5で圧縮されることにより高圧高温のガ
スとなって凝縮器6に送られ、凝縮器6で外気に放熱し
て液化し、膨張弁7を通過して膨張することにより低温
低圧の液体となった後、切換弁71を介してバイパス管
72を通り、蓄冷器19を迂回して蒸発器8に入り、ブ
ロワ10を介して車室内に送られる空気に対して蒸発器
8にて冷熱を放出しながら気化し、低圧ガスとなって圧
縮器5に再び吸入される。
【0066】放冷時における冷却媒体は、膨張弁7を通
過して膨張することにより低温低圧の液体となった後、
切換弁71を介して蓄冷器19に入り、蓄冷器19にて
冷熱を吸収してさらに冷却された後に蒸発器8に入り、
ブロワ10を介して車室内に送られる空気に対して蒸発
器8にて冷熱を放出しながら気化し、低圧ガスとなって
圧縮器5に再び吸入される。このように圧縮器5から送
られる冷却媒体は凝縮器6と蓄冷器19の二段階で冷却
されることにより、蒸発器8を通過して車室内に送られ
る空気の温度を大きく低下させて、車室内を急速に冷房
することができる。
【0067】蓄冷時における冷却媒体は、膨張弁7を通
過して膨張することにより低温低圧の液体となった後、
切換弁71を介して蓄冷器19に入り、蓄冷器19にて
冷熱を蓄冷材50に放出して蓄冷を行い、蓄冷器19か
らの冷媒は切換弁64を介して蒸発器8に送られる。
【0068】この実施例では、図6に示した実施例に比
べて切換弁の数を減らすとともに、配管の簡素化がはか
れる。
【0069】次に、図10に示した他の実施例について
説明する。
【0070】蓄冷器19は金属製ケーシング44の内側
に弾性率の大きなプラスチック製インナーチューブ75
が設けられ、インナーチューブ75の内部に多数の蓄冷
カプセル43が介装される。ケーシング44の外側には
図示しない断熱材が設けられる。また、インナーチュー
ブ75はゴム等の弾性材で形成しても良い。
【0071】ケーシング44の上流端には多孔質材から
なる整流板45が固定的に取付けられる一方、ケーシン
グ44の下流端には多孔質材からなる整流板47が流路
方向に変位可能に介装され、スプリング48の付勢力に
より各整流板45,47の間に各蓄冷カプセル43が挟
み込まれる。
【0072】ケーシング44はL字形に湾曲して形成さ
れる。蓄冷器19は、図11に示すように、エンジンル
ーム76の隅部に配置され、限られたスペースを有効に
利用するようになっている。なお、図中77はエンジン
本体、78は吸気ダクトである。
【0073】この場合、インナーチューブ75の弾性復
元力とスプリング48の付勢力により、各蓄冷カプセル
43は互いに密着した状態で保持され、車両から伝えら
れる振動等により蓄冷カプセル43が移動することが防
止される。
【0074】次に、図12に示した他の実施例は、蓄冷
器19のケーシング81を断熱空間82を有する二重構
造とし、断熱空間82をエンジン83の吸入負圧により
真空に近づけるものである。なお、図1との対応部分に
は同一符号を付して示すことにする。
【0075】断熱空間82とスロットルバルブ84より
下流側の吸気マニホールド85とを連通する配管86が
設けられ、配管86の途中には一方向弁87が介装され
る。一方向弁87は断熱空間82から吸気マニホールド
85に向かう空気の流れに対してのみ開弁し、断熱空間
82の空気がエンジン83の吸入負圧により排出される
ようになっている。この結果、ケーシング82の内部に
介装される蓄冷カプセルは、断熱空間82とグラスウー
ル等からなる断熱層42を介して二段階に断熱されて、
保温性が高められる。
【0076】図12において、88は排気マニホール
ド、89は凝縮器6に送風するファンである。
【0077】次に、図13に示した他の実施例は、蓄冷
器91と受液器9を互いに結合して設け、放冷時に蓄冷
器91を受液器9の代わりに凝縮器と膨張弁7の間に接
続するものである。
【0078】蓄冷器91と受液器9は、凝縮器と膨張弁
7の間に切換弁92と96を介して並列に配設される。
【0079】蓄冷器91とバイパス管93は、膨張弁7
と蒸発器の間に切換弁97と94および95を介して並
列に配設される。
【0080】放冷時における冷却媒体は、図13に矢印
で示すように、凝縮器で外気に放熱して液化した後、切
換弁92を介して蓄冷器91に入り、蓄冷器91にて蓄
冷カプセル43の冷熱を吸収して冷却された後に切換弁
96を介して膨張弁7に送られ、膨張弁7を通過して膨
張することにより低温低圧の液体となって蒸発器に入
る。このように圧縮器5から送られる冷却媒体は凝縮器
と蓄冷器91の二段階で冷却されることにより、蒸発器
を通過して車室内に送られる空気の温度を大きく低下さ
せて、車室内を急速に冷房することができる。
【0081】蓄冷時における冷却媒体は、図14に矢印
で示すように、凝縮器で外気に放熱して液化した後、受
液器9および膨張弁7を通過して膨張することにより低
温低圧の液状となり、切換弁97と94を介して蓄冷器
91に入り、蓄冷器19にて冷熱を各蓄冷カプセル43
に放出して蓄冷を行い、蓄冷器91からの切換弁95を
介して蒸発器に送られる。
【0082】蓄冷器91と受液器9を一体化することに
より、部品点数を削減し、エンジンルームの限られたス
ペースを有効に利用することができる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、冷却媒体から放出される冷熱を蓄える蓄冷器
と、運転状態に応じて蓄冷器の蓄冷あるいは放冷を行わ
せる制御手段とを備える自動車用冷房装置において、樹
脂製の皮膜に冷熱を蓄える蓄冷材を封入した蓄冷カプセ
ルを設け、蓄冷器の内部に複数の蓄冷カプセルをそれぞ
れの皮膜が互いに接触して弾性変形した状態で介装し、
各蓄冷カプセルの間に蓄冷媒体を循環させる流路を画成
するものとしたため、各蓄冷カプセルの表面に沿って流
れる冷媒の流速が高められ、冷媒と蓄冷カプセルに内蔵
される蓄冷材との間で効率良く熱交換が行われ、夏季の
車室内灼熱時等に急速に冷房することができる。
【0084】請求項2記載の発明によれば、蓄冷器を膨
張弁より上流側と下流側に選択的に接続するものとした
ので、蓄冷器に冷熱を蓄える蓄冷と、蓄冷器に蓄えられ
た冷熱を放出する放冷とが運転状態に応じて行われる。
【0085】請求項3記載の発明によれば、蓄冷時と放
冷時に蓄冷器を膨張弁より下流側接続するものとしたの
で、蓄冷器に冷熱を蓄える蓄冷と、蓄冷器に蓄えられた
冷熱を放出する放冷とが運転状態に応じて行われ、配管
構造の簡素化がはかれる。
【0086】請求項4記載の発明によれば、インナーチ
ューブの弾性復元力により各蓄冷カプセルは互いに密着
した状態で保持されるものとしたので、車両から伝えら
れる振動等により蓄冷カプセルが移動することが防止さ
れ、蓄冷器の外形に対する自由度をひろげられる。
【0087】請求項5記載の発明によれば、蓄冷器を包
囲する断熱空間の空気がエンジンの吸入負圧により排出
されるものとしたので、蓄冷器の保温性が高められる。
【0088】請求項6記載の発明によれば、蓄冷時に蓄
冷器を膨張弁より下流側に接続する一方、放冷時に蓄冷
器を膨張弁より上流側に接続し、凝縮器を経て導かれる
冷却媒体を受液器を迂回して蓄冷器に導くものとしたの
で、蓄冷器に蓄えられた冷熱を放出する放冷とが運転状
態に応じて行われ、蓄冷器と受液器を一体化することが
容易となり、スペースの有効利用がはかれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す機械的構成図。
【図2】同じく蓄冷器の断面図。
【図3】同じく蓄冷カプセルの断面図。
【図4】同じく放冷時に冷媒の流れる様子を示す回路
図。
【図5】同じく蓄冷時に冷媒の流れる様子を示す回路
図。
【図6】他の実施例を示す機械的構成図。
【図7】同じく放冷時に冷媒の流れる様子を示す回路
図。
【図8】同じく蓄冷時に冷媒の流れる様子を示す回路
図。
【図9】さらに他の実施例を示す機械的構成図。
【図10】さらに他の実施例を示す蓄冷カプセルの断面
図。
【図11】同じくエンジンルームの平面図。
【図12】さらに他の実施例を示す機械的構成図。
【図13】さらに他の実施例を示し、放冷時に冷媒の流
れる様子を示す回路図。
【図14】同じく蓄冷時に冷媒の流れる様子を示す回路
図。
【符号の説明】
1 冷却回路 4 制御回路 5 圧縮器 6 凝縮器 7 膨張弁 8 蒸発器 9 受液器 10 ブロワ 19 蓄冷器 42 断熱材 43 蓄冷カプセル 49 皮膜 50 蓄冷材 63 切換弁 64 切換弁 65 切換弁 71 切換弁 75 インナーチューブ 82 断熱空間 86 配管 87 一方向弁 91 蓄冷器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却媒体を圧縮する圧縮器と、冷却媒体
    の熱を外部に放出する凝縮器と、冷却媒体を膨張させる
    膨張弁と、冷却媒体の冷熱を車室内に送られる空気に放
    出する蒸発器と、冷却媒体から放出される冷熱を蓄える
    蓄冷器と、運転状態に応じて蓄冷器の蓄冷あるいは放冷
    を行わせる制御手段とを備える自動車用冷房装置におい
    て、樹脂製の皮膜に冷熱を蓄える蓄冷材を封入した蓄冷
    カプセルを設け、蓄冷器の内部に複数の蓄冷カプセルを
    それぞれの皮膜が互いに接触して弾性変形した状態で介
    装し、各蓄冷カプセルの間に蓄冷媒体を循環させる流路
    を画成したことを特徴とする自動車用冷房装置。
  2. 【請求項2】 蓄冷器の蓄冷時に膨張弁を経て導かれる
    冷却媒体を蓄冷器に導く弁手段と、蓄冷器の放冷時に凝
    縮器を経て導かれる冷却媒体を蓄冷器に導く弁手段とを
    備えたことを特徴とする請求項1記載の自動車用冷房装
    置。
  3. 【請求項3】 蓄冷器の蓄冷時と放冷時に膨張弁を経て
    導かれる冷却媒体を蓄冷器に導く弁手段を備えたことを
    特徴とする請求項1記載の自動車用冷房装置。
  4. 【請求項4】 多数の蓄冷カプセルを収装するインナー
    チューブを設け、インナーチューブを弾性材により形成
    したことを特徴とする請求項1乃至3記載の自動車用冷
    房装置。
  5. 【請求項5】 蓄冷器を包囲する断熱空間を設け、断熱
    空間をエンジンのスロットルバルブより下流側の吸気通
    路に連通する配管を設け、配管の途中に断熱空間から吸
    気通路に向かう空気の流れに対してのみ開弁する一方向
    弁を介装したことを特徴とする請求項1乃至4記載の自
    動車用冷房装置。
  6. 【請求項6】 凝縮器を経て導かれる冷却媒体を貯溜す
    る受液器と、蓄冷器の放冷時に凝縮器を経て導かれる冷
    却媒体を受液器を迂回して蓄冷器に導く弁手段とを備え
    たことを特徴とする請求項2記載の自動車用冷房装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002337538A (ja) * 2001-05-16 2002-11-27 Zexel Valeo Climate Control Corp 蓄冷式車両用空調装置
KR100513453B1 (ko) * 2002-10-16 2005-09-09 현대자동차주식회사 축냉식 흡기온도 조절장치
JP2006509678A (ja) * 2002-12-16 2006-03-23 ダイムラークライスラー・アクチェンゲゼルシャフト 特に自動車用の空調装置
JP2006519133A (ja) * 2003-02-20 2006-08-24 ヴァレオ システム テルミク 空気と熱伝導流体とを同時に冷却する、自動車の乗員コンパートメンとのための換気、暖房、または空調装置
US8720538B2 (en) 2007-05-22 2014-05-13 Calsonic Kansei Corporation Cold energy storage system for vehicle

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