JP2019152048A - 回転機構を有するコンクリート締固めバイブレータ - Google Patents
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Abstract
Description
これらの問題を解消するため、コンクリート打設の際に、骨材を均等に分布させ、内部の気泡等を除去するために、バイブレータで適度の振動を与えてコンクリートを締固める方法が広く知られている。
特許文献1(実開昭54−55132)には、「進退運動可能に駆動装置に対して接続される棒状又は筒状の本体部と、この本体部外周面にこの本体軸線に対して斜めに設けた羽根とからなる振動体」が開示されている。
1.打設されたコンクリート内に挿入され、振動することにより該コンクリートを締固めるバイブレータにおいて、
前記バイブレータが、
スクリュー翼を有するドリル形状の振動部と、前記振動部を長手方向を軸として能動的に回転させる回転機構とを有し、
前記回転機構により前記振動部が正転又は逆転する構成であり、
前記振動部が正転することによって、該振動部がコンクリートに挿入されると共に、前記振動部が逆転することによって、該振動部がコンクリートから引抜かれる構成であることを特徴とするコンクリート締固めバイブレータ。
振動部の回転数fと、振動部に設けられた螺旋状の突条のピッチP(m)を一定とし、
前記軸方向稼働装置によって、バイブレータのコンクリートからの引抜き速度V(m/分)を可変制御して、
前記引抜き速度V(m/分)が、前記回転数fと前記ピッチP(m)を乗じた値よりも、小になる構成であることを特徴とする請求項1〜3のいずれに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
振動部に設けられた螺旋状の突条のピッチP(m)を一定とし、
前記軸方向稼働装置によって、バイブレータのコンクリートからの引抜き速度V(m/分)を一定とし、
振動部の回転数fを可変制御することで、
前記引抜き速度V(m/分)が、前記回転数fと前記ピッチP(m)を乗じた値よりも、小になる構成であることを特徴とする請求項1〜3のいずれに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
前記振動機構と前記回転機構が、別個に制御可能な構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート締固めバイブレータ。
ンクリート締固めバイブレータ。
また、振動部の正転により螺旋状の突条がコンクリートを上方(振動部の先端部から基端部へ向かう方向)に押し出す力によって、及び/または、螺旋状の突条の形状と振動により周辺のコンクリートに対流運動を生じさせることによって、コンクリート中の気泡を上方(振動部の先端部から基端部へ向かう方向)に排出し易くすることができる。
図1は、本発明に係るコンクリート締固めバイブレータ(以下、単に「バイブレータ」ともいう。)1の一実施例を示す概略正面図である。
図1に示されるとおり、コンクリート締固めバイブレータ1は、打設されたコンクリート内に挿入され振動を与える振動部2、振動部2を回転させる動力である回転機構3、振動部2を振動させる動力である振動機構4から構成され、その他必要に応じて、振動部2と回転機構3及び/又は振動機構4とを接続させるロッド部5、回転機構3や振動機構4を収容するケーシング6等を加えた構成とすることができる。
突条22は、軸部21の外周に螺旋状に細長く伸びる突出部である。ただし、必ずしも連続した突条でなくてもよく、螺旋の一部が欠落した形状であっても本発明の範囲に含まれる。
オーガー形状とは、地面等を掘削するドリルであるアースオーガーの如き形状であり、棒状又は筒状の軸部にスクリュー翼(螺旋状の突条22に該当する。)が設けられた形状である。
また、スクリュー翼とは、螺旋状に形成された羽根であり、上述した螺旋状の突条の一種であって、軸部21に対して垂直方向に突出した部分が長く、その形状も細長い板状体を螺旋状に形成したものである。尚、図1は、螺旋状の突条22がスクリュー翼の形状であるため、振動部2はオーガー形状である。
続される。これらとの接続手段に限定はなく、この種の分野で用いられる公知公用の接続手段を特別の制限無く採用することができる。
回転機構3の具体的構成について限定はなく、この種の分野で用いられる公知公用の回転機構を特別の制限無く採用することができる。
また、回転機構3を設置する位置についても限定はなく、例えば、図1は後述する振動機構4と共にケーシング6に収容された構成である。
ここで、振動部2の正転とは、ドリル体が物体に挿入される回転方向をいい、振動部2の逆転とは、ドリル体が物体から引抜かれる回転方向をいうものとする。
回転機構3は、回転方向を正転又は逆転と任意の回転方向に制御することに加え、回転速度についても任意に制御できる構成であることが好ましい。
振動機構4の具体的構成について限定はなく、この種の分野で用いられ、特にコンクリート締固め用のバイブレータに使用される公知公用の振動機構を特別の制限無く採用することができる。
また、振動機構4を設置する位置についても限定はなく、例えば、図1は回転機構3と共にケーシング6に収容された構成である。
振動機構4は、発生させる振動の強弱を任意に制御できる構成であることが好ましい。
。また、ロッド部5は、回転機構3によって発生した回転と、振動機構4によって発生した振動を、振動部2に伝達する役割も果たす。
図2に示されるように、空気抜き孔7は、振動部2の螺旋状の突条22を形成する面の一部であって、軸部21と接続される付近に開口を穿設することによって設けることができる。換言すれば、軸部21に沿って開口を設けることが好ましい。
図3は、振動部2が正転した場合の作用効果を示す概略模式図である。
振動部2を正転させると、螺旋状の突条22の回転作用によって、振動部2は、コンクリートC内に進入する方向に移動する。また、振動部2の正転時には、振動部2の周辺のコンクリートCは、振動部2の先端部23から基端部24の方向へ移動する(この周辺コンクリートCの動きを符号Xで表す。)。この際、周辺コンクリートCに含まれる気泡a等の不純物も、振動部2の先端部23から基端部24の方向へ移動され、コンクリートCの面C1まで移動した後に外部へ排出される。
即ち、振動部2を正転させることと、振動部2を振動させることの2つの作用が相俟って、コンクリートCから気泡aを排出するという効果が最大限に発揮される。
なお、ここでは図示しないが、振動部2に上述の空気抜き孔7を設けることによって、気泡aを先端部23から基端部24の方向へ排出する効果を向上させることができる。
振動部2を逆転させると、螺旋状の突条22の回転作用によって、振動部2は、コンクリートCから引抜かれる方向に移動する。また、振動部2の逆転時には、振動部2の周辺のコンクリートCは、振動部2の基端部24から先端部23の方向へ移動する(この周辺コンクリートCの動きを符号Yで表す。)。この作用により、バイブレータ1が挿入されていた位置(このバイブレータ1が挿入されていた位置に生じたバイブレータ跡を符号1’で表す。)に周辺コンクリートCが押し込まれ、バイブレータ跡1’を埋めるので、空隙が発生することを防止することができる。
、このバイブレータ跡1’によって生じ得る空隙の発生を防止している。
特に振動部2がオーガー形状である場合において、スクリュー翼22のピッチ(1回転当たりの貫入又は引抜き量)をP(m)、スクリュー翼の回転数をfで表わした場合に、貫入・引抜き速度V(m/分)は、「V=f・P」で表わすことができる。
図5に示されるように、軸方向稼働装置8は、振動部2の基端部24側や、ロッド5に設置することができる。また、軸方向稼働装置8は、コンクリート打設の際に使用される型枠等に固定し、振動部2及び/又はロッド5を軸方向に前後動させると共に、その移動速度も制御する構成であることが好ましい。
図5に示されるように、軸方向稼働装置8を用いて、貫入・引抜き速度を一定とする。上述のとおり、軸方向稼働装置8は、バイブレータ1の軸方向への移動、即ち振動部2及びロッド5の軸方向への移動を制御する装置であり、ここでは、軸方向への移動速度(貫入・引抜き速度)を一定とする。なお、図5では回転機構3と振動機構4について図示していないが、振動部2について制御可能な任意の箇所に取り付けられる。
一方で、回転機構3によって、振動部2の回転速度(回転数)を可変とし、貫入時においては、「V=f・P」又は「V>f・P」、引抜き時においては「V<f・P」の関係となるように回転数を制御する構成である。
ここでは、回転機構3によって、振動部2の回転速度(回転数)を一定とする。
一方で、図5に示されるように、軸方向稼働装置8を用いて、貫入・引抜き速度を所定の速度に制御する。軸方向稼働装置8によって、貫入時においては、「V=f・P」又は「V>f・P」、引抜き時においては「V<f・P」の関係となるように貫入・引抜き速度を制御する構成である。
、回転方向(正転又は逆転)が制御され、振動機構4によって、振動の有無、振動の強弱等が制御され、軸方向稼働装置8によって、振動部2及び/又はロッド5の軸方向への移動速度、移動方向(貫入又は引抜き)が制御されることが好ましい。また、これらの制御が、独立して別個に制御可能な構成であることが好ましい。
トンネル工事においては、覆工セントルと呼ばれる型枠を用いてトンネルの内部表面にコンクリートを打設するが、かかる工事においても、本発明に係るコンクリート締固めバイブレータ1を利用することができる。
図6(a)は、従来のバイブレータVをコンクリートC内へ水平方向に挿入し、これを引抜く過程の状態を表す。バイブレータVが挿入されていた位置には、バイブレータ跡V’の空隙が生ずる。この空隙が生ずることによって、空隙の上部に該当する天端が沈下するという問題が生ずる場合がある。
かかる問題を解消するために、本発明に係るコンクリート締固めバイブレータ1は有意な効果を発揮することができる。
上述の通り、従来のバイブレータVを使用した場合は、天端沈下という問題が生じえるが、本発明に係るバイブレータ1は、振動部2を逆転させることによって、バイブレータ1が挿入されていた位置(バイブレータ跡1’)に周辺コンクリートCが押し込まれ、空隙が生ずることを防止することができる。よって、上述の天端沈下による問題を解消することができる。
1’ バイブレータ跡
2 振動部
21 軸部
22 螺旋状の突条(スクリュー翼)
23 先端部
24 基端部
3 回転機構
4 振動機構
5 ロッド部
6 ケーシング
61 グリップ部
7 空気抜き孔
8 軸方向稼働装置
C コンクリート
C1 コンクリート上面
V 従来のバイブレータ
V’ 従来のバイブレータ跡
X 正転時のコンクリートの動き
Y 逆転時のコンクリートの動き
a 気泡
Claims (10)
- 打設されたコンクリート内に挿入され、振動することにより該コンクリートを締固めるバイブレータにおいて、
前記バイブレータが、
螺旋状の突条を有するドリル形状の振動部と、前記振動部を長手方向を軸として能動的に回転させる回転機構とを有し、
前記回転機構により前記振動部が正転又は逆転する構成であり、
前記振動部が正転することによって、該振動部がコンクリートに挿入されると共に、前記振動部が逆転することによって、該振動部がコンクリートから引抜かれる構成であることを特徴とするコンクリート締固めバイブレータ。 - バイブレータのコンクリートからの引抜き速度が、振動部が逆転することによって生ずる引抜き速度よりも遅い構成であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート締固めバイブレータ。
- バイブレータのコンクリートからの引抜き速度V(m/分)が、振動部の回転数fと、振動部に設けられた螺旋状の突条のピッチP(m)を乗じた値よりも、小になる構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート締固めバイブレータ。
- 振動部の軸方向への移動速度を制御する軸方向稼働装置を備え、
振動部の回転数fと、振動部に設けられた螺旋状の突条のピッチP(m)を一定とし、
前記軸方向稼働装置によって、バイブレータのコンクリートからの引抜き速度V(m/分)を可変制御して、
前記引抜き速度V(m/分)が、前記回転数fと前記ピッチP(m)を乗じた値よりも、小になる構成であることを特徴とする請求項1〜3のいずれに記載のコンクリート締固めバイブレータ。 - 振動部の軸方向への移動速度を制御する軸方向稼働装置を備え、
振動部に設けられた螺旋状の突条のピッチP(m)を一定とし、
前記軸方向稼働装置によって、バイブレータのコンクリートからの引抜き速度V(m/分)を一定とし、
振動部の回転数fを可変制御することで、
前記引抜き速度V(m/分)が、前記回転数fと前記ピッチP(m)を乗じた値よりも、小になる構成であることを特徴とする請求項1〜3のいずれに記載のコンクリート締固めバイブレータ。 - 振動部を振動させる振動機構と、振動部を回転させる回転機構の2つの動力を有し、
前記振動機構と前記回転機構が、別個に制御可能な構成であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコンクリート締固めバイブレータ。 - 振動機構と回転機構が、同時に駆動することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
- 振動部が、スクリュー翼を有するオーガー形状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
- 振動部に、空気抜き孔が設けられた構成であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
- 振動部の軸部と、該振動部のスクリュー翼の間に、空気抜き孔が設けられた構成であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
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