JP2019152048A - 回転機構を有するコンクリート締固めバイブレータ - Google Patents

回転機構を有するコンクリート締固めバイブレータ Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリートへの挿入に要する押込み力を軽減することができ、コンクリート中の気泡を効率よく排出することができ、更に、コンクリートから引抜く際にバイブレータ跡に空隙が生ずることを防止又は抑制することができるコンクリート締固めバイブレータを提供する。【解決手段】打設されたコンクリート内に挿入され、振動することによりコンクリートを締固めるバイブレータ1において、バイブレータ1が、螺旋状の突条を有するドリル形状の振動部2と、振動部2を長手方向を軸として能動的に回転させる回転機構3とを有し、回転機構3により振動部2が正転又は逆転する構成であり、振動部2が正転することによって、振動部2がコンクリートに挿入されると共に、振動部2が逆転することによって、振動部2がコンクリートから引抜かれる構成である。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリートの締固めに用いられるバイブレータに関し、詳しくは、バイブレータ引き抜き時に生じ得る気泡や空隙の発生等といったコンクリート充填の阻害要因を排除するためのコンクリート締固めバイブレータに関する。
練られた直後のコンクリートは、大きさの異なる砂や砂利、セメント、水、空気泡等の混合物であるため、物質同士の間や型枠との間に空隙や気泡等が存在し、このままの状態で硬化させると、コールドジョイント、ジャンカ又はピンホール等の問題が生ずる場合がある。
これらの問題を解消するため、コンクリート打設の際に、骨材を均等に分布させ、内部の気泡等を除去するために、バイブレータで適度の振動を与えてコンクリートを締固める方法が広く知られている。
コンクリート締固め用のバイブレータとして、例えば、以下のような技術が知られている。
特許文献1(実開昭54−55132)には、「進退運動可能に駆動装置に対して接続される棒状又は筒状の本体部と、この本体部外周面にこの本体軸線に対して斜めに設けた羽根とからなる振動体」が開示されている。
この技術によれば、振動体の羽根が軸線に対して斜めに形成されているので、コンクリートは単に振動を受けるのみではなく、対流運動を生じ、型枠内において混練されると共に空気を放出することができる。
特許文献2(特開2011−80247)には、「棒状の振動体の外面に螺旋状の凹凸を設けるとともに、前記振動体の内部に装着された偏芯ウエイトの回転方向を切り替えるための切換スイッチを付設した、コンクリートバイブレータ」が開示されている。
この技術によれば、モータ8の回転方向を逆(以下左回転と称す)にすると偏芯ウエイト9の回転方向が逆転するので、バイブレータ表面の振動伝搬は、あたかもコンクリート中で雄ネジを左回転させたかの如く、斜め下方向に振動伝達力が発生し、締固めに有効な振動を発生することができ、締固めに際してコンクリート10中に巻き込まれた気泡11を効率よく排出することができる。
しかし、特許文献1〜2に記載の技術では、コンクリートへバイブレータを挿入する際に、振動体の羽根が抵抗となり挿入し辛いという問題があった。また、コンクリートからバイブレータを引抜いた際に、バイブレータが挿入されていた位置に空隙が残ること、更には、バイブレータを垂直方向に挿入していた場合には、バイブレータ跡に生じる空隙が原因で、天端が沈下するという問題があった。
実開昭54−55132 特開2011−80247
そこで、本発明の課題は、コンクリートへの挿入に要する押込み力を軽減することができ、コンクリート中の気泡を効率よく排出することができ、更に、コンクリートから引抜く際にバイブレータ跡に空隙が生ずることを防止又は抑制することができるコンクリート締固めバイブレータを提供することにある。
上記本発明の課題は、下記の手段により達成される。
1.打設されたコンクリート内に挿入され、振動することにより該コンクリートを締固めるバイブレータにおいて、
前記バイブレータが、
スクリュー翼を有するドリル形状の振動部と、前記振動部を長手方向を軸として能動的に回転させる回転機構とを有し、
前記回転機構により前記振動部が正転又は逆転する構成であり、
前記振動部が正転することによって、該振動部がコンクリートに挿入されると共に、前記振動部が逆転することによって、該振動部がコンクリートから引抜かれる構成であることを特徴とするコンクリート締固めバイブレータ。
2.バイブレータのコンクリートからの引抜き速度が、振動部が逆転することによって生ずる引抜き速度よりも遅い構成であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート締固めバイブレータ。
3.バイブレータのコンクリートからの引抜き速度V(m/分)が、振動部の回転数fと、振動部に設けられた螺旋状の突条のピッチP(m)を乗じた値よりも、小になる構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート締固めバイブレータ。
4.振動部の軸方向への移動速度を制御する軸方向稼働装置を備え、
振動部の回転数fと、振動部に設けられた螺旋状の突条のピッチP(m)を一定とし、
前記軸方向稼働装置によって、バイブレータのコンクリートからの引抜き速度V(m/分)を可変制御して、
前記引抜き速度V(m/分)が、前記回転数fと前記ピッチP(m)を乗じた値よりも、小になる構成であることを特徴とする請求項1〜3のいずれに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
5.振動部の軸方向への移動速度を制御する軸方向稼働装置を備え、
振動部に設けられた螺旋状の突条のピッチP(m)を一定とし、
前記軸方向稼働装置によって、バイブレータのコンクリートからの引抜き速度V(m/分)を一定とし、
振動部の回転数fを可変制御することで、
前記引抜き速度V(m/分)が、前記回転数fと前記ピッチP(m)を乗じた値よりも、小になる構成であることを特徴とする請求項1〜3のいずれに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
6.振動部を振動させる振動機構と、振動部を回転させる回転機構の2つの動力を有し、
前記振動機構と前記回転機構が、別個に制御可能な構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート締固めバイブレータ。
7.振動機構と回転機構が、同時に駆動することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
8.振動部が、オーガー形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコ
ンクリート締固めバイブレータ。
9.振動部に、空気抜き孔が設けられた構成であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
10.振動部の軸部と、該振動部のスクリュー翼の間に、空気抜き孔が設けられた構成であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
上記1に示す発明によれば、螺旋状の突条を有するドリル形状の振動部を正転させることによって、ドリルの如き要領で振動部をコンクリートへ挿入することができ、この正転に要する回転力は回転機構によって得られるため、作業者がコンクリートへの挿入に要する押込み力を軽減することができる。
また、振動部の正転により螺旋状の突条がコンクリートを上方(振動部の先端部から基端部へ向かう方向)に押し出す力によって、及び/または、螺旋状の突条の形状と振動により周辺のコンクリートに対流運動を生じさせることによって、コンクリート中の気泡を上方(振動部の先端部から基端部へ向かう方向)に排出し易くすることができる。
一方で、振動部を逆転させることによって、螺旋状の突条がコンクリートを下方(振動部の基端部から先端部へ向かう方向)に押し込む力が生ずるため、バイブレータをコンクリートから引抜きながら、バイブレータが挿入されていた位置に周辺のコンクリートを押し込むよう作用するので、バイブレータ跡に空隙が生ずることを防止・抑制することができる。
上記2に示す発明によれば、バイブレータをコンクリートから引抜く速度を、振動部が逆転することによって生ずる螺旋状の突条による引抜き速度よりも遅い構成とすることで、螺旋状の突条によりコンクリートを下方(振動部の基端部から先端部へ向かう方向)に押し込む力が強くなり、バイブレータ跡に空隙が生ずることを防止・抑制することができる。
上記3に示す発明によれば、バイブレータのコンクリートからの引抜き速度V(m/分)と、振動部の回転数fと、振動部に設けられた螺旋状の突条のピッチP(m)の関係について、V<f・Pの関係とすることで、バイブレータの引抜き時に、コンクリートを下方(振動部の基端部から先端部へ向かう方向)に押し込む力が強くなり、バイブレータ跡に空隙が生ずることを防止・抑制することができる。
上記4〜5に示す発明によれば、上記2及び3の構成を具体化し、バイブレータの引抜き時に、コンクリートを下方(振動部の基端部から先端部へ向かう方向)に押し込む力が強くなり、バイブレータ跡に空隙が生ずることを防止・抑制することができる。
上記6に示す発明によれば、振動部を振動させる振動機構と、振動部を回転させる回転機構の2つの動力を有し、この振動機構と回転機構が別個に制御可能な構成であるため、振動部を正転又は回転させることと、振動させることを任意に制御することができ、打設時の気温等の環境によって、コンクリートの締固めによる効果を調整することができる。
上記7に示す発明によれば、振動機構と回転機構を同時に駆動することにより、振動部を振動させながらコンクリートに挿入することができる。これにより、挿入途中であっても、振動とスクリュー翼の回転によって気泡を上方に排出することができ、締固め時間を短縮することができる。
上記8に示す発明によれば、振動部が、スクリュー翼を有するオーガー形状に形成されることにより、例えば、硬化が始まったコンクリートのようにバイブレータが挿入しがたい状況であっても、容易かつ力を加えずに挿入することができる。また、引抜き時においても、オーガー形状の振動部を逆転させることにより、スクリュー翼がバイブレータ跡に周辺のコンクリートを押し込み、空隙が発生すること等を防止・抑制することができる。
上記9〜10に示す発明によれば、振動部に空気抜き孔を設けることにより、コンクリート内の気泡を、コンクリートの外部へ排出することができる。
本発明に係るコンクリート締固めバイブレータの一実施例を示す正面図 振動部に設けられた空気抜き孔を示す概略図 振動部が正転した場合の作用効果を示す概略模式図 振動部が逆転した場合の作用効果を示す概略模式図 軸方向稼働装置を備えた構成のバイブレータの一実施例を示す概略模式図 本発明に係るコンクリート締固めバイブレータを水平方向に挿入した状態を表す概略模式図
添付の図面に従って、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明に係るコンクリート締固めバイブレータ(以下、単に「バイブレータ」ともいう。)1の一実施例を示す概略正面図である。
図1に示されるとおり、コンクリート締固めバイブレータ1は、打設されたコンクリート内に挿入され振動を与える振動部2、振動部2を回転させる動力である回転機構3、振動部2を振動させる動力である振動機構4から構成され、その他必要に応じて、振動部2と回転機構3及び/又は振動機構4とを接続させるロッド部5、回転機構3や振動機構4を収容するケーシング6等を加えた構成とすることができる。
振動部2は、螺旋状の突条22を有するドリルの如き形状である。
突条22は、軸部21の外周に螺旋状に細長く伸びる突出部である。ただし、必ずしも連続した突条でなくてもよく、螺旋の一部が欠落した形状であっても本発明の範囲に含まれる。
振動部2は、ドリル形状の中でも特に、スクリュー翼を有するオーガー形状であることが好ましい。
オーガー形状とは、地面等を掘削するドリルであるアースオーガーの如き形状であり、棒状又は筒状の軸部にスクリュー翼(螺旋状の突条22に該当する。)が設けられた形状である。
また、スクリュー翼とは、螺旋状に形成された羽根であり、上述した螺旋状の突条の一種であって、軸部21に対して垂直方向に突出した部分が長く、その形状も細長い板状体を螺旋状に形成したものである。尚、図1は、螺旋状の突条22がスクリュー翼の形状であるため、振動部2はオーガー形状である。
先端部23の形状は、図1においては鋭利な形状で表わされているが、これに限定されるものではなく、土木技術の分野で用いられる公知公用のドリル先端の形状を特別の制限無く採用することができる。
基端部24は、振動部2の一端が先端部23であるのに対して、他端を指し示す。基端部24は、後述する回転機構3及び/または振動機構4、同じく後述するロッド部5と接
続される。これらとの接続手段に限定はなく、この種の分野で用いられる公知公用の接続手段を特別の制限無く採用することができる。
回転機構3は、振動部2の長手方向を軸として、振動部2を能動的に回転させる装置である。回転機構3は、直接又は後述するロッド部5等を介して間接的に振動部2と接続される。
回転機構3の具体的構成について限定はなく、この種の分野で用いられる公知公用の回転機構を特別の制限無く採用することができる。
また、回転機構3を設置する位置についても限定はなく、例えば、図1は後述する振動機構4と共にケーシング6に収容された構成である。
回転機構3は、振動部2を正転又は逆転させることができる構成である。
ここで、振動部2の正転とは、ドリル体が物体に挿入される回転方向をいい、振動部2の逆転とは、ドリル体が物体から引抜かれる回転方向をいうものとする。
回転機構3は、回転方向を正転又は逆転と任意の回転方向に制御することに加え、回転速度についても任意に制御できる構成であることが好ましい。
振動機構4は、振動部2に振動を発生させる装置である。振動機構4は、直接又は後述するロッド部5等を介して間接的に振動部2と接続される。
振動機構4の具体的構成について限定はなく、この種の分野で用いられ、特にコンクリート締固め用のバイブレータに使用される公知公用の振動機構を特別の制限無く採用することができる。
また、振動機構4を設置する位置についても限定はなく、例えば、図1は回転機構3と共にケーシング6に収容された構成である。
振動機構4は、発生させる振動の強弱を任意に制御できる構成であることが好ましい。
なお、図1に示される実施例は、回転機構3や振動機構4がケーシング6に収容され、このケーシング6がグリップ部61を備えた所謂ハンディタイプのバイブレータである。しかし、本発明はかかる態様に限定されず、例えば、振動部2やロッド5を軸方向に送り込む装置(後述する「軸方向稼働装置8」など)を備えた大規模な構成とすることができる。
本発明は、回転機構3と振動機構4の2つの動力を備える構成であるが、これらの機構は別個独立して任意に制御できる構成であることが好ましい。例えば、回転機構3のみを駆動させることができ、振動機構4のみを駆動させることもできる。更に、回転機構3の回転方向や回転速度、振動機構4の振動の強弱についても、それぞれ独立して任意に制御することができる。これにより、打設時の気温等の環境に応じて、コンクリートの締固めによる効果を調整することができる。
また、回転機構3と振動機構4は、同時に駆動することができる構成であることが好ましい。回転機構3と振動機構4を同時に駆動することにより、振動部2を振動させながらコンクリートに挿入することができる。これにより、挿入途中であっても、振動と螺旋状の突条(スクリュー翼)22の回転によって気泡をコンクリート外に排出することができ、コンクリートの締固めに要する時間を短縮することができる。
ロッド部5は、振動部2と回転機構3及び/又は振動機構4とを接続する部材である。図1では、回転機構3と振動機構4がケーシング6に収容された実施例であるため、振動部2とするケーシング6とを接続した態様で表されている。
ロッド部5の形態に限定はないが、例えば、棒状又は筒状の形態を挙げることができる
。また、ロッド部5は、回転機構3によって発生した回転と、振動機構4によって発生した振動を、振動部2に伝達する役割も果たす。
バイブレータ1には、振動部2の先端部23から基端部24の方向に向けて、コンクリート中の気泡を逃すため、空気抜き孔7を設けることが好ましい。
図2に示されるように、空気抜き孔7は、振動部2の螺旋状の突条22を形成する面の一部であって、軸部21と接続される付近に開口を穿設することによって設けることができる。換言すれば、軸部21に沿って開口を設けることが好ましい。
例えば、空気抜き孔7は、螺旋状の突条22を先端部23側から観察した際に4つ程度の開口を設け、この開口が、軸部22の長手方向に向けて連続的に設けられる構成が好ましい。なお、開口の数に限定はなく、螺旋状の突条22を先端部23側から観察した際に1つ以上の開口を設ければ、空気抜き孔7として機能することができ、この数が多いほど効果が高い。
空気抜き孔7を設けることにより、螺旋状の突条22を形成する面上の気泡は、空気抜き孔7を通過して基端部24の方向に移動する。この移動を繰り返すことで、気泡は基端部24の方向、即ちコンクリートの外部へ排出される。振動部2は回転するので、気泡は突条22付近を徘徊し、空気抜き孔7を通過する位置に引き寄せられ易い。
続いて、本発明に係るコンクリート締固めバイブレータ1による作用効果について説明する。
図3は、振動部2が正転した場合の作用効果を示す概略模式図である。
振動部2を正転させると、螺旋状の突条22の回転作用によって、振動部2は、コンクリートC内に進入する方向に移動する。また、振動部2の正転時には、振動部2の周辺のコンクリートCは、振動部2の先端部23から基端部24の方向へ移動する(この周辺コンクリートCの動きを符号Xで表す。)。この際、周辺コンクリートCに含まれる気泡a等の不純物も、振動部2の先端部23から基端部24の方向へ移動され、コンクリートCの面C1まで移動した後に外部へ排出される。
気泡aが外部へ排出される作用は、螺旋状の突条22を有する振動部2が振動することによって、周辺コンクリートCに対流運動が生ずるためでもある。
即ち、振動部2を正転させることと、振動部2を振動させることの2つの作用が相俟って、コンクリートCから気泡aを排出するという効果が最大限に発揮される。
なお、ここでは図示しないが、振動部2に上述の空気抜き孔7を設けることによって、気泡aを先端部23から基端部24の方向へ排出する効果を向上させることができる。
図4は、振動部2が逆転した場合の作用効果を示す概略模式図である。
振動部2を逆転させると、螺旋状の突条22の回転作用によって、振動部2は、コンクリートCから引抜かれる方向に移動する。また、振動部2の逆転時には、振動部2の周辺のコンクリートCは、振動部2の基端部24から先端部23の方向へ移動する(この周辺コンクリートCの動きを符号Yで表す。)。この作用により、バイブレータ1が挿入されていた位置(このバイブレータ1が挿入されていた位置に生じたバイブレータ跡を符号1’で表す。)に周辺コンクリートCが押し込まれ、バイブレータ跡1’を埋めるので、空隙が発生することを防止することができる。
この作用効果は、アースオーガーの作用効果を例に挙げて説明することができる。アースオーガーを地中から引抜く際、これを逆回転させると、孔底に土砂を押し込む結果となり、必要な孔が得られないことが知られているが、本発明ではこの作用効果を逆手に取って、孔底、即ちバイブレータ1が挿入されていた位置に周辺のコンクリートCを押し込み
、このバイブレータ跡1’によって生じ得る空隙の発生を防止している。
本発明に係るバイブレータ1は、コンクリートへの貫入又は引抜きの速度(以下、「貫入速度」又は「引抜き速度」、両方を合わせて「貫入・引抜き速度」という。)V(m/分)と、振動部2の回転数fを制御することによって、締め固めるコンクリートの動きを制御することができる。
特に振動部2がオーガー形状である場合において、スクリュー翼22のピッチ(1回転当たりの貫入又は引抜き量)をP(m)、スクリュー翼の回転数をfで表わした場合に、貫入・引抜き速度V(m/分)は、「V=f・P」で表わすことができる。
振動部2を正転させる貫入時においては、貫入速度Vを「V<f・P」にすると、貫入方向とは逆方向にコンクリートを排出するよう作用するので、「V=f・P」又は「V>f・P」とすることが好ましい。
一方、振動部2を逆転させる引抜き時においては、引抜き速度Vを「V<f・P」にすると、引抜き方向とは逆方向、即ち、先端部23の方向へコンクリートを押し込むように作用する。この作用を利用すれば、引抜き時において、バイブレータ1の引抜き速度を意図的に遅くすることで、バイブレータ跡にコンクリートが押し込まれ、空隙が生ずることを防止することができる。
上述のように、貫入・引抜き速度V(m/分)と、振動部2の回転数f及びスクリュー翼22のピッチP(m)の関係を調整するため、特に引抜き速度Vを「V<f・P」の関係にするために、以下の構成を挙げることができる。
貫入・引抜き速度V(m/分)を制御するため、バイブレータ1の軸方向への移動、即ち振動部2及び/又はロッド5の軸方向への移動速度を制御する装置である軸方向稼働装置8を用いる。
図5に示されるように、軸方向稼働装置8は、振動部2の基端部24側や、ロッド5に設置することができる。また、軸方向稼働装置8は、コンクリート打設の際に使用される型枠等に固定し、振動部2及び/又はロッド5を軸方向に前後動させると共に、その移動速度も制御する構成であることが好ましい。
先ず、貫入・引抜き速度Vを一定とする構成について説明する。
図5に示されるように、軸方向稼働装置8を用いて、貫入・引抜き速度を一定とする。上述のとおり、軸方向稼働装置8は、バイブレータ1の軸方向への移動、即ち振動部2及びロッド5の軸方向への移動を制御する装置であり、ここでは、軸方向への移動速度(貫入・引抜き速度)を一定とする。なお、図5では回転機構3と振動機構4について図示していないが、振動部2について制御可能な任意の箇所に取り付けられる。
一方で、回転機構3によって、振動部2の回転速度(回転数)を可変とし、貫入時においては、「V=f・P」又は「V>f・P」、引抜き時においては「V<f・P」の関係となるように回転数を制御する構成である。
次に、貫入・引抜き速度Vを可変とする構成について説明する。
ここでは、回転機構3によって、振動部2の回転速度(回転数)を一定とする。
一方で、図5に示されるように、軸方向稼働装置8を用いて、貫入・引抜き速度を所定の速度に制御する。軸方向稼働装置8によって、貫入時においては、「V=f・P」又は「V>f・P」、引抜き時においては「V<f・P」の関係となるように貫入・引抜き速度を制御する構成である。
上述のように、本発明に係るバイブレータ1は、回転機構3よって、回転数、回転速度
、回転方向(正転又は逆転)が制御され、振動機構4によって、振動の有無、振動の強弱等が制御され、軸方向稼働装置8によって、振動部2及び/又はロッド5の軸方向への移動速度、移動方向(貫入又は引抜き)が制御されることが好ましい。また、これらの制御が、独立して別個に制御可能な構成であることが好ましい。
本発明に係るバイブレータ1の使用例を、以下に示す。
トンネル工事においては、覆工セントルと呼ばれる型枠を用いてトンネルの内部表面にコンクリートを打設するが、かかる工事においても、本発明に係るコンクリート締固めバイブレータ1を利用することができる。
覆工セントルに打設されたコンクリートにも、空隙や気泡が残るという問題が生じ得る。しかし、覆工セントルは、トンネルの内側表面に沿ったアーチ型等の型枠であることから、上部からバイブレータを挿入することができない。そこで、覆工セントルにバイブレータを挿入するには、覆工セントルの側面に設けられた開口から水平方向に挿入することになる。
図6は、バイブレータ1を水平方向に挿入した状態を表す概略模式図である。
図6(a)は、従来のバイブレータVをコンクリートC内へ水平方向に挿入し、これを引抜く過程の状態を表す。バイブレータVが挿入されていた位置には、バイブレータ跡V’の空隙が生ずる。この空隙が生ずることによって、空隙の上部に該当する天端が沈下するという問題が生ずる場合がある。
かかる問題を解消するために、本発明に係るコンクリート締固めバイブレータ1は有意な効果を発揮することができる。
図6(b)は、本発明に係るバイブレータ1をコンクリート内へ水平方向に挿入し、これを引抜く過程の状態を表す。
上述の通り、従来のバイブレータVを使用した場合は、天端沈下という問題が生じえるが、本発明に係るバイブレータ1は、振動部2を逆転させることによって、バイブレータ1が挿入されていた位置(バイブレータ跡1’)に周辺コンクリートCが押し込まれ、空隙が生ずることを防止することができる。よって、上述の天端沈下による問題を解消することができる。
1 コンクリート締固めバイブレータ
1’ バイブレータ跡
2 振動部
21 軸部
22 螺旋状の突条(スクリュー翼)
23 先端部
24 基端部
3 回転機構
4 振動機構
5 ロッド部
6 ケーシング
61 グリップ部
7 空気抜き孔
8 軸方向稼働装置
C コンクリート
C1 コンクリート上面
V 従来のバイブレータ
V’ 従来のバイブレータ跡
X 正転時のコンクリートの動き
Y 逆転時のコンクリートの動き
a 気泡

Claims (10)

  1. 打設されたコンクリート内に挿入され、振動することにより該コンクリートを締固めるバイブレータにおいて、
    前記バイブレータが、
    螺旋状の突条を有するドリル形状の振動部と、前記振動部を長手方向を軸として能動的に回転させる回転機構とを有し、
    前記回転機構により前記振動部が正転又は逆転する構成であり、
    前記振動部が正転することによって、該振動部がコンクリートに挿入されると共に、前記振動部が逆転することによって、該振動部がコンクリートから引抜かれる構成であることを特徴とするコンクリート締固めバイブレータ。
  2. バイブレータのコンクリートからの引抜き速度が、振動部が逆転することによって生ずる引抜き速度よりも遅い構成であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート締固めバイブレータ。
  3. バイブレータのコンクリートからの引抜き速度V(m/分)が、振動部の回転数fと、振動部に設けられた螺旋状の突条のピッチP(m)を乗じた値よりも、小になる構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート締固めバイブレータ。
  4. 振動部の軸方向への移動速度を制御する軸方向稼働装置を備え、
    振動部の回転数fと、振動部に設けられた螺旋状の突条のピッチP(m)を一定とし、
    前記軸方向稼働装置によって、バイブレータのコンクリートからの引抜き速度V(m/分)を可変制御して、
    前記引抜き速度V(m/分)が、前記回転数fと前記ピッチP(m)を乗じた値よりも、小になる構成であることを特徴とする請求項1〜3のいずれに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
  5. 振動部の軸方向への移動速度を制御する軸方向稼働装置を備え、
    振動部に設けられた螺旋状の突条のピッチP(m)を一定とし、
    前記軸方向稼働装置によって、バイブレータのコンクリートからの引抜き速度V(m/分)を一定とし、
    振動部の回転数fを可変制御することで、
    前記引抜き速度V(m/分)が、前記回転数fと前記ピッチP(m)を乗じた値よりも、小になる構成であることを特徴とする請求項1〜3のいずれに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
  6. 振動部を振動させる振動機構と、振動部を回転させる回転機構の2つの動力を有し、
    前記振動機構と前記回転機構が、別個に制御可能な構成であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
  7. 振動機構と回転機構が、同時に駆動することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
  8. 振動部が、スクリュー翼を有するオーガー形状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
  9. 振動部に、空気抜き孔が設けられた構成であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
  10. 振動部の軸部と、該振動部のスクリュー翼の間に、空気抜き孔が設けられた構成であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のコンクリート締固めバイブレータ。
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