JP2019148039A - ドラフト装置及び紡績ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】ドラフト条件を満たしつつ、繊維束を安定的にドラフトすることができるドラフト装置、及び、パッケージに巻き取られる糸の糸品質を向上することができる紡績ユニットを提供する。【解決手段】ドラフト装置6は、繊維束Fをドラフトするバックローラ対14、サードローラ対15、ミドルローラ対16及びフロントローラ対17と、バックローラ対14のバックボトムローラ14aを回転させるステッピングモータM14と、繊維束Fについてのドラフト条件の設定を受け付ける機台制御装置5aと、ステッピングモータM14の動作を制御するユニット制御装置10と、を備える。ユニット制御装置10は、ローラ対14,15,16及び17によるドラフトが機台制御装置5aにより受け付けられたドラフト条件を満たす範囲内で、ステッピングモータM14の動作を調整する。【選択図】図3
Description
本発明は、ドラフト装置及び紡績ユニットに関する。
繊維束をドラフトする複数のローラ対と、複数のローラ対の駆動ローラをそれぞれ駆動する複数のステッピングモータと、複数のステッピングモータの動作を制御する制御部と、を備えるドラフト装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
上述したようなドラフト装置では、ドラフト条件が設定された場合、当該ドラフト条件を満たすように繊維束をドラフトすることが求められる。また、繊維束を安定的にドラフトすることが併せて求められる。
そこで、本発明は、ドラフト条件を満たしつつ、繊維束を安定的にドラフトすることができるドラフト装置、及び、パッケージに巻き取られる糸の糸品質を向上することができる紡績ユニットを提供することを目的とする。
本発明のドラフト装置は、駆動ローラ、及び駆動ローラの回転に伴って回転する従動ローラをそれぞれが有し、繊維束をドラフトする複数のローラ対と、複数のローラ対のうちの少なくとも1つのローラ対の駆動ローラを回転させるステッピングモータと、複数のローラ対によりドラフトされる繊維束についてのドラフト条件の設定を受け付ける受付部と、ステッピングモータの動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、複数のローラ対によるドラフトが受付部により受け付けられたドラフト条件を満たす範囲内で、ステッピングモータの動作を調整する。
これにより、ドラフト条件を満たしつつ、ステッピングモータの共振に起因するドラフトの不良を回避し、繊維束を安定的にドラフトすることができる。
本発明のドラフト装置では、制御部は、ステッピングモータに印加される電流の大きさ、ステッピングモータの励磁方式、及び、ステッピングモータに入力されるパルス信号の周波数の少なくとも1つを変化させることにより、ステッピングモータの動作を調整してもよい。この構成によれば、ドラフト条件が変わることなく、繊維束を安定的にドラフトすることができる。
本発明のドラフト装置では、制御部は、ステッピングモータに印加される電流を増加させることにより、ステッピングモータの動作を調整してもよい。この構成によれば、動作が調整されない場合にステッピングモータに印加される電流の量を低減することができ、消費電力を抑制することができる。
本発明のドラフト装置では、制御部は、ステッピングモータに要求される必要トルクに対応した下限値以上の範囲内でステッピングモータに印加される電流の大きさを変化させることにより、ステッピングモータの動作を調整してもよい。この構成によれば、ステッピングモータのトルクを確保しつつ、繊維束を安定的にドラフトすることができる。
本発明のドラフト装置では、制御部は、受付部により受け付けられたドラフト条件に基づいて、ステッピングモータに入力されるパルス信号の周波数を算出し、算出された周波数がステッピングモータの共振周波数を含む所定範囲内である場合、ステッピングモータの動作を調整してもよい。この構成によれば、ステッピングモータの共振に起因して繊維束の安定的なドラフトが妨げられる事態を一層確実に回避することができ、繊維束の安定的なドラフトを一層確実に実現することができる。
本発明のドラフト装置では、複数のローラ対は、繊維束の走行方向において上流側から順に、バックローラ対と、ミドルローラ対と、フロントローラ対と、を有し、制御部は、複数のローラ対によるドラフトが受付部により受け付けられたドラフト条件を満たす範囲内で、バックローラ対の駆動ローラを回転させるステッピングモータの動作を調整してもよい。これにより、バックローラ対の駆動ローラをステッピングモータで回転させる構成において、繊維束を安定的にドラフトすることができる。
本発明のドラフト装置では、バックローラ対は、走行方向において上流側から順に、第1ローラ対と、第2ローラ対と、を有し、ステッピングモータは、第1ローラ対の駆動ローラを回転させる第1ステッピングモータと、第2ローラ対の駆動ローラを回転させる第2ステッピングモータと、を有し、制御部は、複数のローラ対によるドラフトが受付部により受け付けられたドラフト条件を満たす範囲内で、第1ステッピングモータ及び/又は第2ステッピングモータの動作を調整してもよい。この構成によれば、繊維束をより一層安定的にドラフトすることができる。
本発明の紡績ユニットは、上記ドラフト装置と、繊維束に撚りを与えて糸を生成する紡績装置と、糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、糸を監視する糸監視装置と、を備える。この紡績ユニットによれば、上述した理由により、ドラフト条件を満たしつつ、繊維束を安定的にドラフトすることができる。その結果、パッケージに巻き取られる糸の糸品質を向上することができる。
本発明の紡績ユニットでは、制御部は、ステッピングモータの共振周波数に対応した周波数を有する周期斑が糸監視装置により検出されないように、ステッピングモータの動作を調整してもよい。この構成によれば、パッケージに巻き取られる糸の糸品質を一層確実に向上することができる。
本発明の紡績ユニットでは、制御部は、糸監視装置により糸に異常が検出された場合、ステッピングモータの動作を調整してもよい。この構成によれば、パッケージに巻き取られる糸の糸品質をより一層確実に向上することができる。
本発明の紡績ユニットでは、制御部は、異常として、糸監視装置により検出される糸の太さの斑に所定のピークが検出された場合、ステッピングモータの動作を調整してもよい。この構成によれば、パッケージに巻き取られる糸の糸品質をより一層確実に向上することができる。
本発明の紡績ユニットでは、制御部は、巻取装置による糸の巻取りが中断されているときに、ステッピングモータの動作を調整してもよい。この構成によれば、ステッピングモータの動作の調整により巻取り中の糸が影響を受けることがなく、パッケージに巻き取られる糸の糸品質をより一層確実に向上することができる。
本発明の紡績ユニットでは、制御部は、糸監視装置により検出される糸の太さの斑に基づくフィードバック制御により、ステッピングモータの動作を調整してもよい。この構成によれば、ステッピングモータの動作をより適切に調整でき、パッケージに巻き取られる糸の糸品質をより一層確実に向上することができる。
本発明によれば、ドラフト条件を満たしつつ、繊維束を安定的にドラフトすることができるドラフト装置、及び、パッケージに巻き取られる糸の糸品質を向上することができる紡績ユニットを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、紡績機1は、複数の紡績ユニット2と、糸継台車3と、玉揚台車(図示省略)と、第1エンドフレーム4と、第2エンドフレーム5と、複数のユニット制御装置10と、備えている。複数の紡績ユニット2は、一列に配列されている。各紡績ユニット2は、糸Yを生成してパッケージPに巻き取る。糸継台車3は、ある紡績ユニット2で糸Yが切断されたり、何らかの理由で糸Yが切れたりした場合、当該紡績ユニット2で糸継動作を行う。玉揚台車は、ある紡績ユニット2でパッケージPが満巻になった場合、パッケージPを玉揚げし、新しいボビンBを当該紡績ユニット2に供給する。
第1エンドフレーム4には、紡績ユニット2で発生した繊維屑及び糸屑等を回収する回収装置等が収容されている。第2エンドフレーム5には、紡績機1に供給される圧縮空気(空気)の空気圧を調整して紡績機1の各部に空気を供給する空気供給部、及び紡績ユニット2の各部に動力を供給するための駆動モータ等が収容されている。
第2エンドフレーム5には、機台制御装置5aと、表示画面5bと、入力キー5cと、が設けられている。機台制御装置5aは、紡績機1の各部を集中的に管理及び制御する。表示画面5bは、紡績ユニット2の設定内容及び/又は状態に関する情報等を表示することができる。オペレータが入力キー5cを用いて適宜の操作を行うことにより、紡績ユニット2の設定作業を行うことができる。
ユニット制御装置10は、所定数の紡績ユニット2ごとに設けられており、それらの紡績ユニット2の動作を制御する。ユニット制御装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びROM(Read Only Memory)等を備えるコンピュータにより構成されている。ROMには、紡績ユニット2の制御のためのプログラムが記憶されている。CPUは、ROMに記憶されたプログラムを実行する。ユニット制御装置10は、機台制御装置5aと通信可能に接続されており、機台制御装置5aに入力された運転条件に基づいて、紡績ユニット2の各部の動作を制御する。
各紡績ユニット2は、糸Yの走行方向において上流側から順に、ドラフト装置6と、空気紡績装置7と、糸監視装置8と、テンションセンサ9と、糸貯留装置11と、ワキシング装置12と、巻取装置13と、を備えている。
ドラフト装置6は、スライバ(繊維束)Sをドラフトする。ドラフト装置6は、スライバSの走行方向において上流側から順に、バックローラ対(第1ローラ対)14と、サードローラ対(バックローラ対、第2ローラ対)15と、ミドルローラ対16と、フロントローラ対17と、を有している。ドラフト装置6の詳細については後述する。
空気紡績装置7は、ドラフト装置6によりドラフトされた繊維束Fに旋回空気流によって撚りを与えて糸Yを生成する。糸貯留装置11は、空気紡績装置7と巻取装置13との間において、糸Yの弛みを取る。ワキシング装置12は、糸貯留装置11と巻取装置13との間において、糸Yにワックスを付与する。巻取装置13は、糸YをボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。
糸監視装置8は、空気紡績装置7と糸貯留装置11との間において、走行する糸Yの状態を監視(検出)する。糸監視装置8は、糸Yの糸欠陥、及び糸Yの太さの斑等に関する情報を取得する。糸監視装置8は、糸Yの糸欠陥(異常)として、例えば、糸Yの太さ(及び/又は繊維の量)の異常及び/又は糸Yに含有されている異物を検出する。更に、糸監視装置8は、糸切れ、すなわち糸Yの糸道における糸Yの有無を検出する。糸監視装置8が静電容量式センサにより糸Yの状態を監視する場合、糸監視装置8は、糸Yの繊維の量を検出する。糸監視装置8は、検出結果を示す信号をユニット制御装置10に送信する。
テンションセンサ9は、空気紡績装置7と糸貯留装置11との間において、走行する糸Yのテンションを測定し、テンション測定信号をユニット制御装置10に送信する。糸監視装置8及び/又はテンションセンサ9の検出結果に基づきユニット制御装置10が異常有りと判断した場合、紡績ユニット2の運転が停止される。より詳細には、ユニット制御装置10が異常有りと判断した場合、空気紡績装置7による糸Yの生成が中断されることによって糸Yが切断され、巻取装置13による糸Yの巻取りが中断される。或いは、紡績ユニット2にカッタが設けられ、カッタによって糸Yが切断されてもよい。糸Yが過剰なテンション等により自然に切れた場合、パッケージPが満巻になった場合、パッケージPに巻き取る糸Yの種類(ロット)が変更される場合、紡績機1の電源が投入されたとき等にも、巻取装置13による糸Yの巻取りは中断される。
続いて、ドラフト装置6の詳細を説明する。図2に示されるように、バックローラ対14は、スライバSを走行させる走行経路Rを挟んで互いに向かい合うバックボトムローラ14a及びバックトップローラ14bを有している。サードローラ対15は、走行経路Rを挟んで互いに向かい合うサードボトムローラ15a及びサードトップローラ15bを有している。ミドルローラ対16は、走行経路Rを挟んで互いに向かい合うミドルボトムローラ16a及びミドルトップローラ16bを有している。ミドルボトムローラ16aには、エプロンベルト18aが設けられている。ミドルトップローラ16bには、エプロンベルト18bが設けられている。フロントローラ対17は、走行経路Rを挟んで互いに向かい合うフロントボトムローラ17a及びフロントトップローラ17bを有している。複数のローラ対14,15,16及び17は、ケンス(図示省略)から供給されて繊維束ガイド77によって案内されたスライバSをドラフトしつつ上流側から下流側に送る。
バックボトムローラ14aは、バックローラハウジング66に回転可能に支持されている。サードボトムローラ15aは、サードローラハウジング67に回転可能に支持されている。ミドルボトムローラ16aは、ミドルローラハウジング68に回転可能に支持されている。フロントボトムローラ17aは、フロントローラハウジング69に回転可能に支持されている。なお、ボトムローラ14a,15a,16a及び17aを支持する構成はこれに限定されない。例えば、ミドルボトムローラ16aとフロントボトムローラ17aは同じハウジングに回転可能に支持されていてもよい。
ドラフト装置6は、ステッピングモータ(第1ステッピングモータ)M14及びステッピングモータ(第2ステッピングモータ)M15を更に備えている。ステッピングモータM14は、バックボトムローラ14aを回転させる。ステッピングモータM14の回転軸とバックボトムローラ14aの回転軸には、ベルトB14が架け渡されている。ステッピングモータM14のトルクは、ベルトB14を介してバックボトムローラ14aに伝達される。ステッピングモータM15は、サードボトムローラ15aを回転させる。ステッピングモータM15の回転軸とサードボトムローラ15aの回転軸には、ベルトB15が架け渡されている。ステッピングモータM15のトルクは、ベルトB15を介してサードボトムローラ15aに伝達される。
ステッピングモータM14及びM15の動作は、ユニット制御装置10によって制御される。すなわち、本実施形態では、ユニット制御装置10が、ステッピングモータM14及びM15の動作を制御する制御部として機能する。ステッピングモータM14及びM15のそれぞれは、ドライバ(図示省略)を介してユニット制御装置10に接続されている。ユニット制御装置10からパルス信号がドライバに入力されると、パルス信号に応じた電流がドライバからステッピングモータM14及びM15に印加される。各ステッピングモータM14及びM15は、印加される電流に応じて動作する。本実施形態では、各ステッピングモータM14及びM15に印加される電流値が調整可能となっている。
ミドルボトムローラ16a及びフロントボトムローラ17aは、第2エンドフレーム5からの動力によって回転する。すなわち、バックボトムローラ14aは、ステッピングモータM14からの動力によって回転する駆動ローラである。サードボトムローラ15aは、ステッピングモータM15からの動力によって回転する駆動ローラである。ミドルボトムローラ16aは、第2エンドフレーム5に設けられた駆動モータからの動力によって回転する駆動ローラである。フロントボトムローラ17aは、第2エンドフレーム5に設けられた別の駆動モータからの動力によって回転する駆動ローラである。ボトムローラ14a,15a,16a及び17aは、下流側ほど回転速度が速くなるように、互いに異なる回転速度で回転する。
バックトップローラ14b、サードトップローラ15b、ミドルトップローラ16b及びフロントトップローラ17bのそれぞれは、ドラフトクレードル71に回転可能に支持されている。トップローラ14b,15b,16b及び17bは、それぞれ、ボトムローラ14a,15a,16a及び17aに接触し、ボトムローラ14a,15a,16a及び17aの回転に伴って回転する従動ローラである。
ドラフトクレードル71は、トップローラ14b,15b,16b及び17bがボトムローラ14a,15a,16a及び17aに所定圧力でそれぞれ接触する位置と、トップローラ14b,15b,16b及び17bがボトムローラ14a,15a,16a及び17aからそれぞれ離間する位置とに、支軸72を中心として回動可能である。
ドラフトクレードル71の回動は、ドラフトクレードル71に設けられたハンドル(図示省略)を用いて行なわれる。ドラフトクレードル71は、隣り合う一対の紡績ユニット2のそれぞれが備えるドラフト装置6のトップローラ14b,15b,16b及び17bを回転可能に支持している。すなわち、ドラフトクレードル71は、隣り合う一対の紡績ユニット2のそれぞれが備えるドラフト装置6によって共有されている。
続いて、図3に示されるフローチャートを参照しつつ、ユニット制御装置10が紡績ユニット2の各部に対して行なう種々の制御のうち、ステッピングモータM14の動作を調整する制御について説明する。以下、1つの紡績ユニット2に対して行なわれる制御について説明するが、他の紡績ユニット2についても同様に制御される。図3に示される処理の開始時において、紡績ユニット2の運転は停止中である。
まず、機台制御装置5aは、入力キー5cを介して、繊維束Fについてのドラフト条件の設定を受け付ける(ステップS1)。すなわち、本実施形態では、機台制御装置5a(入力キー5c)が、ドラフト条件の設定を受け付ける受付部として機能する。本実施形態では、受付部として機能する機台制御装置5a、及び、制御部として機能するユニット制御装置10によっても、ドラフト装置6が構成されている。
ドラフト条件の設定を受け付けると、機台制御装置5aは、当該ドラフト条件での繊維束Fのドラフトを各ユニット制御装置10に指示する。ドラフト条件は、例えば、紡績速度及びトータルドラフト比を含む。紡績速度は、空気紡績装置7が糸Yを生成する速度である。トータルドラフト比は、バックローラ対14に導入される前のスライバSの繊維量又は繊維の本数に対するフロントローラ対17によって処理された後の繊維束Fの繊維量又は繊維の本数の比率である。紡績機1はロットに応じて異なる紡績速度及びドラフト比で運転されることがあり、ステッピングモータM14もロットに応じて異なる複数の回転速度で駆動される。すなわち、ステッピングモータM14は、想定されていない周波数で駆動されることもある。
続いて、ユニット制御装置10は、機台制御装置5aにより受け付けられたドラフト条件に基づいて、ステッピングモータM14に入力されるパルス信号の周波数を算出する(ステップS2)。より詳細には、ユニット制御装置10は、ドラフト条件に含まれる紡績速度及びトータルドラフト比に基づいて、バックボトムローラ14aの回転速度を算出すする。ユニット制御装置10は、算出されたバックボトムローラ14aの回転速度に基づいて、ステッピングモータM14に入力されるパルス信号の周波数を算出する。
続いて、ユニット制御装置10は、ステップS2で算出されたパルス信号の周波数が、ステッピングモータM14の共振周波数を含む所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS3)。この所定範囲は、当該パルス信号がステッピングモータM14に入力された場合にステッピングモータM14が共振するパルス信号の周波数の範囲である。ステッピングモータM14の共振周波数は、ステッピングモータM14の仕様及び固定状態等に基づいて決まる値であり、例えば実験又はシミュレーションにより算出することができる。
ユニット制御装置10は、ステップS3においてパルス信号の周波数が上記所定範囲内であると判定した場合(ステップS3でYES)、ステップS4に進む。ユニット制御装置10は、ステップS3においてパルス信号の周波数が上記所定範囲内でないと判定した場合(ステップS3でNO)、ステップS5に進む。
ステップS4では、ユニット制御装置10は、ステッピングモータM14に印加される電流値(電流の大きさ)を第1電流値に設定する。一方、ステップS5では、ユニット制御装置10は、ステッピングモータM14に印加される電流値を第2電流値に設定する。ユニット制御装置10は、ステップS4又はステップS5を実行した後、図3に示される処理を終了する。図3に示される処理の終了後、ユニット制御装置10は、設定された電流値の電流をステッピングモータM14に印加し、紡績ユニット2に運転を開始させる。
第2電流値は、ステップS2で算出されたパルス信号の周波数が上記所定範囲内でない場合に設定される通常時の値である。一方、第1電流値は、ステップS2で算出されたパルス信号の周波数が上記所定範囲内である場合に設定される調整時の値である。第1電流値は、第2電流値よりも大きい。
第1電流値及び第2電流値は、ステッピングモータM14に要求される必要トルクに対応した下限値以上に設定されている。この下限値は、例えば、ステッピングモータM14に必要トルクを生じさせる電流の最小値、又は当該最小値よりも所定値だけ大きい値である。換言すれば、ユニット制御装置10は、ステッピングモータM14に要求される必要トルクに対応した下限値以上の範囲内で、ステッピングモータM14に印加される電流値を変化させる。これにより、設定される電流値にかかわらず、ステッピングモータM14のトルクを確保することができる。
ステッピングモータM14に印加される電流値が第1電流値及び第2電流値のいずれに設定された場合でも、ローラ対14,15,16及び17によりドラフトされる繊維束Fは、機台制御装置5aにより受け付けられたドラフト条件を満たす。これは、ステッピングモータM14の回転速度は、ステッピングモータM14に入力されるパルス信号の周波数によって決まり、ステッピングモータM14に印加される電流値には依らないためである。換言すれば、ユニット制御装置10は、ローラ対14,15,16及び17によるドラフトが機台制御装置5aにより受け付けられたドラフト条件を満たす範囲内で、ステッピングモータM14に印加される電流値を変化させる。
このように、本実施形態では、ユニット制御装置10は、ローラ対14,15,16及び17によるドラフトが機台制御装置5aにより受け付けられたドラフト条件を満たす範囲内で、ステッピングモータM14の動作を調整する。ドラフト条件を満たす範囲とは、ステッピングモータM14の動作の調整前と調整後とで、パッケージPに巻き取られる糸Yが変わらない範囲である。より詳細には、ユニット制御装置10は、ステップS2で算出されたパルス信号の周波数が上記所定範囲内でない通常時には、ステッピングモータM14に印加される電流値を第2電流値に設定する一方、ステップS2で算出されたパルス信号の周波数が上記所定範囲内である調整時には、ステッピングモータM14に印加される電流値を第2電流よりも大きい第1電流値に設定する。すなわち、ユニット制御装置10は、ステッピングモータM14に印加される電流を増加させることにより、ステッピングモータM14の動作を調整する。
続いて、実施形態に係る紡績機1の作用効果を説明する。図4(a)は、比較例に係る紡績機において検出された糸Yの太さの斑の量を例示するグラフであり、図4(b)は、実施形態に係る紡績機1において検出された糸Yの太さの斑の量を例示するグラフである。比較例に係る紡績機は、ステッピングモータM14の動作を調整する制御を実行しない点のみにおいて実施形態に係る紡績機1と相違する。すなわち、比較例に係る紡績機では、ステップS3においてパルス信号の周波数が上記所定範囲内であると判定した場合及び上記所定範囲内でないと判定した場合のいずれにおいても、ステッピングモータM14に印加される電流値が第2電流値に設定される。
図4(a)に示されるように、比較例に係る紡績機の運転中には、いくつかの紡績ユニット2において、糸監視装置8により検出される糸Yの太さの斑の量が基準値A以上となった。これに対し、図4(b)に示されるように、実施形態に係る紡績機1の運転中には、すべての紡績ユニット2において、糸監視装置8により検出される糸Yの太さの斑の量が基準値Aよりも小さくなった。このことから、実施形態に係る紡績機1のようにステッピングモータM14の動作を調整することにより、糸Yの太さの斑の量の増加を抑制できることは明らかである。なお、実施形態に係る紡績機1では、糸Yの太さの斑の量の増加を抑制することができればよく、必ずしもすべての紡績ユニット2において、糸監視装置8により検出される糸Yの太さの斑の量が基準値Aよりも小さくなる必要はない。
更に、比較例に係る紡績機の運転中には、いくつかの紡績ユニット2において、ステッピングモータM14の共振周波数に対応した周波数(例えば当該共振周波数と略同一の周波数)を有する周期斑が糸監視装置8により検出された。これに対し、実施形態に係る紡績機1の運転中には、そのような周期斑は糸監視装置8により検出されなかった。このことから、実施形態に係る紡績機1のようにステッピングモータM14の動作を調整することにより、そのような周期斑の発生を抑制できることは明らかである。換言すれば、ユニット制御装置10は、ステッピングモータM14の共振周波数に対応した周波数を有する周期斑が糸監視装置8により検出されないように、ステッピングモータM14の動作を調整する。なお、本実施形態では、周期斑の発生を抑制することができればよく、必ずしもすべての周期斑の発生が防止される必要はない。
以上のように、比較例では、ステッピングモータM14に入力されるパルス信号によってステッピングモータM14が共振し、その結果、糸Yの太さの斑が増加したり、周期斑が発生したりしている。これに対し、上述したとおり、実施形態に係る紡績機1のようにステッピングモータM14の動作を調整することにより、糸Yの太さの斑の量の増加、及び周期斑の発生を抑制することができる。これは、ステッピングモータM14に印加される電流が増加することにより、ステッピングモータM14に印加される電流の波形が変化するためである。
以上説明したように、ステッピングモータによって駆動ローラを駆動するドラフト装置においては、ステッピングモータの共振に起因して、繊維束の安定的なドラフトが妨げられることがある。しかし、ステッピングモータの動作を調整することにより、繊維束を安定的にドラフトすることができる。すなわち、ドラフト装置6では、ローラ対14,15,16及び17によるドラフトが機台制御装置5aにより受け付けられたドラフト条件を満たす範囲内で、ステッピングモータM14の動作が調整される。これにより、ドラフト条件を満たしつつ、繊維束Fを安定的にドラフトすることができる。
ドラフト装置6では、ユニット制御装置10が、ステッピングモータM14に印加される電流の大きさを変化させることにより、ステッピングモータM14の動作を調整する。これにより、ステッピングモータM14に印加される電流の大きさを調整することにより、ドラフト条件を満たしつつ、繊維束Fを安定的にドラフトすることができる。
ドラフト装置6では、ユニット制御装置10が、ステッピングモータM14に印加される電流を増加させることにより、ステッピングモータM14の動作を調整する。これにより、動作が調整されない場合にステッピングモータM14に印加される電流の量を低減することができ、消費電力を抑制することができる。
ドラフト装置6では、ユニット制御装置10が、ステッピングモータM14に要求される必要トルクに対応した下限値以上の範囲内でステッピングモータM14に印加される電流の大きさ(電流値)を変化させることにより、ステッピングモータM14の動作を調整する。これにより、ステッピングモータM14のトルクを確保しつつ、繊維束Fを安定的にドラフトすることができる。
ドラフト装置6では、ユニット制御装置10が、機台制御装置5aにより受け付けられたドラフト条件に基づいて、ステッピングモータM14に入力されるパルス信号の周波数を算出し、算出された周波数がステッピングモータM14の共振周波数を含む所定範囲内である場合、ステッピングモータM14の動作を調整する。これにより、ステッピングモータM14の共振に起因して繊維束Fの安定的なドラフトが妨げられる事態を一層確実に回避することができ、繊維束Fの安定的なドラフトを一層確実に実現することができる。
ドラフト装置6では、ユニット制御装置10が、ローラ対14,15,16及び17によるドラフトが機台制御装置5aにより受け付けられたドラフト条件を満たす範囲内で、バックボトムローラ14aを回転させるステッピングモータM14の動作を調整する。本実施形態では、バックボトムローラ14aは各ドラフト装置6に設けられたステッピングモータM14で駆動され、ミドルボトムローラ16a及びフロントボトムローラ17aのそれぞれを駆動する各駆動モータは第2エンドフレーム5に設けられている。ステッピングモータM14が各ドラフト装置6に設けられていることにより、ステッピングモータM14の共振に起因したドラフト斑が繊維束Fに現れ易い。しかし、ステッピングモータM14の駆動が調整されることにより、繊維束Fを一層安定的にドラフトすることができる。
ステッピングモータM14が共振している状態において、ステッピングモータM14の振動の周波数がフロントボトムローラ17aの共振周波数と一致した場合、フロントボトムローラ17aの共振周波数に対応した周波数を有する周期斑が増幅するおそれがある。これに対し、ドラフト装置6によれば、そのような周期斑の発生を回避することができる。
ドラフト装置6を備える紡績ユニット2によれば、上述した理由により、ドラフト条件を満たしつつ、繊維束Fを安定的にドラフトすることができる。その結果、パッケージPに巻き取られる糸Yの糸品質を向上することができる。
紡績ユニット2では、ユニット制御装置10が、ステッピングモータM14の共振周波数に対応した周波数を有する周期斑が糸監視装置8により検出されないように、ステッピングモータM14の動作を調整する。これにより、パッケージPに巻き取られる糸Yの糸品質を一層確実に向上することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、ユニット制御装置10は、図5及び図6に示される処理を実行することによってステッピングモータM14の動作を調整してもよい。この変形例では、紡績ユニット2の運転中に、図5に示される処理が開始される。
図5に示される処理では、まず、ユニット制御装置10は、周期斑アラームが発生したか否かを判定する(ステップS11)。ユニット制御装置10は、周期斑アラームが発生したと判定した場合(ステップS11でYES)、ステップS12に進む。ユニット制御装置10は、周期斑アラームが発生していないと判定した場合(ステップS11でNO)、図5に示される処理を終了する。周期斑アラームは、糸Yの斑の量が周期的に変化する周期斑が糸監視装置8により検出された場合にユニット制御装置10に通知されるアラームである。
ステップS12では、ユニット制御装置10は、図6に示される電流切替判定処理を実行する。まず、ユニット制御装置10は、糸監視装置8により検出された周期斑の長さ(繰り返し単位1つ分の長さ)が所定長さに一致するか否かを判定する(ステップS21)。ユニット制御装置10は、周期斑の長さが所定長さに一致すると判定した場合(ステップS21でYES)、ステップS22に進む。ユニット制御装置10は、周期斑の長さが所定長さに一致していないと判定した場合(ステップS21でNO)、ステップS24に進む。
周期斑の長さは、紡績速度を周期斑の周波数で除することにより算出される。所定長さは、周期斑がバックボトムローラ14aに起因するか否かを判定するための値である。所定長さLは、トータルドラフト比TDR、バックボトムローラ14aの周長PL、並びにステッピングモータM14のステップ角θ、相数PN及び減速比RRを用いて、下記式(1)により算出される。ステップS21では、ユニット制御装置10は、周期斑の長さが所定長さと完全に同一である場合だけでなく、所定長さから僅かにずれている場合にも、周期斑の長さが所定長さと一致していると判定してもよい。
L=TDR×PL÷(360÷(θ×PN)×RR) …(1)
L=TDR×PL÷(360÷(θ×PN)×RR) …(1)
ステップS22では、ユニット制御装置10は、ステッピングモータM14に印加される電流値の切り替えが可であるか不可であるかを判定する。より詳細には、ユニット制御装置10は、ステッピングモータM14に接続されたドライバが、ステッピングモータM14に印加される電流値を切り替えるためのチャンネルを有している場合には、電流の切り替えを可と判定し、当該ドライバが当該チャンネルを有していない場合には不可と判定する。ユニット制御装置10は、電流値の切り替えが可であると判定した場合(ステップS22でYES)、ステップS23に進む。ユニット制御装置10は、電流値の切り替えが不可であると判定した場合(ステップS22でNO)、ステップS24に進む。
ステップS23では、ユニット制御装置10は、電流値の切り替えが可であることを記憶領域に記憶する。ステップS24では、ユニット制御装置10は、電流値の切り替えが不可であることを記憶領域に記憶する。ユニット制御装置10は、ステップS23又はステップS24を実行した後、図6に示される処理を終了し、図5に示されるステップS13に進む。
ステップS13では、ユニット制御装置10は、記憶領域を参照し、電流値の切り替えが可であるか不可であるかを判定する。ユニット制御装置10は、電流値の切り替えが可であると判定した場合(ステップS13でYES)、ステップS14に進む。ユニット制御装置10は、電流値の切り替えが不可であると判定した場合(ステップS13でNO)、図5に示される処理を終了する。
ステップS14では、ユニット制御装置10は、紡績ユニット2の運転が停止中であるか否かを判定する。ユニット制御装置10は、紡績ユニット2の運転が停止中であると判定した場合(ステップS14でYES)、ステップS15に進む。ユニット制御装置10は、紡績ユニット2の運転が停止中でない(紡績ユニット2が運転中である)と判定した場合(ステップS14でNO)、ステップS14を再度実行し、紡績ユニット2の運転が停止するのを待つ。上述したように、糸監視装置8及び/又はテンションセンサ9の検出結果に基づきユニット制御装置10が異常有りと判断した場合に、紡績ユニット2の運転が停止される。
ステップS15では、ユニット制御装置10は、ステッピングモータM14に印加される電流値を切り替える。ステップS15では、例えば、ユニット制御装置10は、上述した第2電流値から第1電流値に電流値を切り替える。続いて、ユニット制御装置10は、紡績ユニット2に運転を再開させる(ステップS16)。続いて、ユニット制御装置10は、図5に示される処理を終了する。
以上説明したように、この変形例では、糸監視装置8によって糸Yに異常が検出された場合に、ユニット制御装置10が、ステッピングモータM14に印加される電流値を切り替えることにより、ステッピングモータM14の動作を調整する。巻取装置13による糸Yの巻取りが中断されているとき(紡績ユニット2の運転が停止されているとき)に、ユニット制御装置10がステッピングモータM14の動作を調整する。ユニット制御装置10が、糸監視装置8により検出された周期斑の長さに応じて、ステッピングモータM14の動作を調整する。すなわち、ユニット制御装置10が、糸監視装置8により検出される糸Yの太さの斑に基づくフィードバック制御により、ステッピングモータM14の動作を調整する。このような変形例によっても、上記実施形態と同様に、ドラフト条件を満たしつつ、繊維束Fを安定的にドラフトすることができる。
上記変形例において、ある紡績ユニット2においてステッピングモータM14の動作が調整された場合に、他の紡績ユニット2においても同様にステッピングモータM14の動作が調整されてもよい。例えば、1つの又は所定数の紡績ユニット2においてステッピングモータM14の動作が調整された場合に、他の全ての紡績ユニット2においてステッピングモータM14の動作が同様に調整されてもよい。ある紡績ユニット2で発生する事象は、他の紡績ユニット2でも発生する可能性がある。これにより、複数の紡績ユニット2において、ドラフト条件を満たしつつ、繊維束Fを安定的にドラフトすることができる。
上記変形例では、糸監視装置8により検出された周期斑の長さが所定長さに一致する場合に、ステッピングモータM14の動作が調整されたが、糸監視装置8により検出される糸Yの太さの斑に所定のピークが検出された場合に、ステッピングモータM14の動作が調整されてもよい。糸Yの太さの斑に所定のピークが検出された場合とは、例えば、図4(a)を参照して上述したように、糸監視装置8により検出される糸Yの太さの斑の量が基準値A以上となった場合である。この場合にも、上記実施形態と同様に、ドラフト条件を満たしつつ、繊維束Fを安定的にドラフトすることができる。上記変形例では、巻取装置13による糸Yの巻取りが中断されているときに、ユニット制御装置10がステッピングモータM14の動作を調整したが、巻取装置13により糸Yが巻き取られているときに、ユニット制御装置10がステッピングモータM14の動作を調整してもよい。
他の変形例として、ローラ対14,15,16及び17によるドラフトが機台制御装置5aにより受け付けられたドラフト条件を満たす範囲内で、ステッピングモータM14及びM15の双方の動作が調整されてもよい。例えば、上記実施形態において、通常時には、ステッピングモータM14及びM15のそれぞれに印加される電流値が第2電流値に設定される一方、調整時には、ステッピングモータM14及びM15のそれぞれに印加される電流値が第2電流よりも大きい第1電流値に設定されてもよい。この場合、繊維束Fをより一層安定的にドラフトすることができる。更に他の変形例として、ステッピングモータM15の動作のみが調整されてもよい。
第1電流値は、第2電流値よりも小さくてもよい。すなわち、ステッピングモータM14に印加される電流の量を減少させることにより、ステッピングモータM14の動作が調整されてもよい。この場合にも、第1電流値及び第2電流値は、ステッピングモータM14に要求される必要トルクに対応した下限値以上に設定されてよい。ステッピングモータM14に印加される電流値が第1電流値及び第2電流値のいずれに設定された場合でも、ローラ対14,15,16及び17によるドラフトは、機台制御装置5aにより受け付けられたドラフト条件を満たす。このような変形例によっても、上記実施形態と同様に、ドラフト条件を満たしつつ、繊維束Fを安定的にドラフトすることができる。
ステッピングモータM14に印加される電流値を変化させることに代えて、ステッピングモータM14の励磁方式を変化させることにより、ステッピングモータM14の動作が調整されてもよい。例えば、ステッピングモータM14の励磁方式をステップ角がより細かい励磁方式に切り替えることにより、ステッピングモータM14の動作が調整されてもよい。このような制御によっても、上記実施形態と同様に、糸Yの太さの斑の量の増加、及び周期斑の発生を回避することができる。
ステッピングモータM14に印加される電流値を変化させることに代えて、ステッピングモータM14に入力されるパルス信号の周波数(キャリア周波数)を変化させることにより、ステッピングモータM14の動作が調整されてもよい。例えば、ステッピングモータM14のパルス信号の周波数を減少させることにより、ステッピングモータM14の動作が調整されてもよい。このような制御によっても、上記実施形態と同様に、糸Yの太さの斑の量の増加、及び周期斑の発生を回避することができる。
これらの制御が組み合わされてもよく、ステッピングモータM14に印加される電流値、ステッピングモータM14の励磁方式、及び、ステッピングモータM14に入力されるパルス信号の周波数の少なくとも1つを変化させることにより、ステッピングモータM14の動作が調整されてもよい。すなわち、ステッピングモータM14の制御パラメータ(電流値、励磁方式、キャリア周波数)を変化させることにより、ステッピングモータM14の動作が調整されてもよい。
上記実施形態では、ユニット制御装置10によってステッピングモータM14の動作が制御されたが、ドラフト装置6が、ステッピングモータM14の動作を制御する制御部を備え、当該制御部が、ステッピングモータM14の動作を調整する制御を行ってもよい。上記実施形態では、機台制御装置5aが、ドラフト条件の設定を受け付ける受付部として機能したが、機台制御装置5a以外の構成によってドラフト条件の設定が受け付けられてもよい。受付部は、タッチパネル、キーボード又は押しボタン等であってもよい。紡績機1が携帯端末又はその他の外部装置と通信可能に構成される場合、受付部は、外部装置からの入力情報をドラフト条件の設定として受け付けてもよい。
ステッピングモータM15が省略され、ステッピングモータM14がバックボトムローラ14a及びサードボトムローラ15aを回転させる構成において、上記実施形態と同様にステッピングモータM14の動作が調整されてもよい。この場合にも、上記実施形態と同様に、ドラフト条件を満たしつつ、繊維束Fを安定的にドラフトすることができる。上記実施形態では、ステッピングモータM14に印加される電流値が第1電流値と第2電流値との間で切り替えられたが、3つ以上の電流値の間で切り替えられてもよい。
上記実施形態では、フロントボトムローラ17a及びミドルボトムローラ16aのそれぞれは第2エンドフレーム5に設けられた各駆動モータにより駆動されたが、各ドラフト装置6に、フロントボトムローラ17a及びミドルボトムローラ16aの少なくとも何れかを駆動するステッピングモータを設けてもよい。この場合、ユニット制御装置10によって当該ステッピングモータの動作を調整してもよい。
フロントボトムローラ17aがステッピングモータで駆動される場合、ユニット制御装置10は、機台制御装置5aにより受け付けられたドラフト条件を満たす範囲内で、当該ステッピングモータの動作を調整してもよい。具体的には、ユニット制御装置10は、当該ステッピングモータに印加される電流の大きさ、当該ステッピングモータの励磁方式、及び、当該ステッピングモータに入力されるパルス信号の周波数の少なくとも1つを変化させることにより、当該ステッピングモータの動作を調整する。
ミドルボトムローラ16aがステッピングモータで駆動される場合、ユニット制御装置10は、機台制御装置5aにより受け付けられたドラフト条件を満たす範囲内で、当該ステッピングモータの動作を調整してもよい。具体的には、ユニット制御装置10は、当該ステッピングモータに印加される電流の大きさ、当該ステッピングモータの励磁方式、及び、当該ステッピングモータに入力されるパルス信号の周波数の少なくとも1つを変化させることにより、当該ステッピングモータの動作を調整する。
上記実施形態では、空気紡績装置7は、繊維束Fに旋回空気流によって撚りを与えて糸Yを生成したが、互いに反対方向に繊維束に撚りを与える一対のエアージェットノズルにより、糸Yを生成してもよい。
上記実施形態では、糸貯留装置11により空気紡績装置7から糸Yを引き出していたが、デリベリローラとニップローラとで空気紡績装置7から糸Yが引き出されてもよい。デリベリローラとニップローラとで空気紡績装置7から糸Yを引き出す場合、糸貯留装置11の代わりに、吸引空気流で糸Yの弛みを吸収するスラックチューブ又は機械的なコンペンセータ等が設けられてもよい。
2…紡績ユニット、5a…機台制御装置(受付部)、6…ドラフト装置、7…空気紡績装置、8…糸監視装置、10…ユニット制御装置(制御部)、13…巻取装置、14…バックローラ対(第1ローラ対)、14a…バックボトムローラ(駆動ローラ)、14b…バックトップローラ(従動ローラ)、15…サードローラ対(バックローラ対、第2ローラ対)、15a…サードボトムローラ(駆動ローラ)、15b…サードトップローラ(従動ローラ)、16…ミドルローラ対、16a…ミドルボトムローラ(駆動ローラ)、16b…ミドルトップローラ(従動ローラ)、17…フロントローラ対、17a…フロントボトムローラ(駆動ローラ)、17b…フロントトップローラ(従動ローラ)、M14…ステッピングモータ(第1ステッピングモータ)、M15…ステッピングモータ(第2ステッピングモータ)、P…パッケージ、F…繊維束、S…スライバ(繊維束)、Y…糸。
Claims (13)
- 駆動ローラ、及び前記駆動ローラの回転に伴って回転する従動ローラをそれぞれが有し、繊維束をドラフトする複数のローラ対と、
前記複数のローラ対のうちの少なくとも1つの前記ローラ対の前記駆動ローラを回転させるステッピングモータと、
前記複数のローラ対によりドラフトされる前記繊維束についてのドラフト条件の設定を受け付ける受付部と、
前記ステッピングモータの動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記複数のローラ対によるドラフトが前記受付部により受け付けられた前記ドラフト条件を満たす範囲内で、前記ステッピングモータの動作を調整する、ドラフト装置。 - 前記制御部は、前記ステッピングモータに印加される電流の大きさ、前記ステッピングモータの励磁方式、及び、前記ステッピングモータに入力されるパルス信号の周波数の少なくとも1つを変化させることにより、前記ステッピングモータの動作を調整する、請求項1に記載のドラフト装置。
- 前記制御部は、前記ステッピングモータに印加される電流を増加させることにより、前記ステッピングモータの動作を調整する、請求項1に記載のドラフト装置。
- 前記制御部は、前記ステッピングモータに要求される必要トルクに対応した下限値以上の範囲内で前記ステッピングモータに印加される電流の大きさを変化させることにより、前記ステッピングモータの動作を調整する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のドラフト装置。
- 前記制御部は、前記受付部により受け付けられた前記ドラフト条件に基づいて、前記ステッピングモータに入力されるパルス信号の周波数を算出し、算出された前記周波数が前記ステッピングモータの共振周波数を含む所定範囲内である場合、前記ステッピングモータの動作を調整する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のドラフト装置。
- 前記複数のローラ対は、前記繊維束の走行方向において上流側から順に、バックローラ対と、ミドルローラ対と、フロントローラ対と、を有し、
前記制御部は、前記複数のローラ対によるドラフトが前記受付部により受け付けられた前記ドラフト条件を満たす範囲内で、前記バックローラ対の前記駆動ローラを回転させる前記ステッピングモータの動作を調整する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のドラフト装置。 - 前記バックローラ対は、前記走行方向において上流側から順に、第1ローラ対と、第2ローラ対と、を有し、
前記ステッピングモータは、前記第1ローラ対の前記駆動ローラを回転させる第1ステッピングモータと、前記第2ローラ対の前記駆動ローラを回転させる第2ステッピングモータと、を有し、
前記制御部は、前記複数のローラ対によるドラフトが前記受付部により受け付けられた前記ドラフト条件を満たす範囲内で、前記第1ステッピングモータ及び/又は前記第2ステッピングモータの動作を調整する、請求項6に記載のドラフト装置。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の前記ドラフト装置と、
前記繊維束に撚りを与えて糸を生成する紡績装置と、
前記糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、
前記糸を監視する糸監視装置と、を備える紡績ユニット。 - 前記制御部は、前記ステッピングモータの共振周波数に対応した周波数を有する周期斑が前記糸監視装置により検出されないように、前記ステッピングモータの動作を調整する、請求項8に記載の紡績ユニット。
- 前記制御部は、前記糸監視装置により前記糸に異常が検出された場合、前記ステッピングモータの動作を調整する、請求項8又は9に記載の紡績ユニット。
- 前記制御部は、前記異常として、前記糸監視装置により検出される前記糸の太さの斑に所定のピークが検出された場合、前記ステッピングモータの動作を調整する、請求項10に記載の紡績ユニット。
- 前記制御部は、前記巻取装置による前記糸の巻取りが中断されているときに、前記ステッピングモータの動作を調整する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の紡績ユニット。
- 前記制御部は、前記糸監視装置により検出される前記糸の太さの斑に基づくフィードバック制御により、前記ステッピングモータの動作を調整する、請求項8〜12のいずれか一項に記載の紡績ユニット。
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