JP2019143777A - ワンウェイクラッチ用保持器及びそれを備えたスプラグ型ワンウェイクラッチ - Google Patents

ワンウェイクラッチ用保持器及びそれを備えたスプラグ型ワンウェイクラッチ Download PDF

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Abstract

【課題】ワンウェイクラッチ組立時において外輪に圧入する際の保持器の損傷を防ぐと共に、圧入後の保持器の変形を防ぐことができる。【解決手段】外輪と内輪との間の環状空間に設けられた係合子を収容するポケット部を備え、前記外輪に圧入されるワンウェイクラッチ用保持器であって、前記保持器の軸方向中央に設けられた凸部が前記外輪に圧入されていて、前記凸部を基準にして軸方向一方側と軸方向他方側とが対称であり、前記凸部が圧入される圧入領域と前記凸部が圧入されない非圧入領域とが周方向に交互に設けられていて、前記非圧入領域は、前記保持器の軸心を挟んで前記圧入領域と対向する位置に設けられている。【選択図】図7

Description

この発明は、ワンウェイクラッチ用保持器及びそれを備えたスプラグ型ワンウェイクラッチに関するものである。
一般に、ワンウェイクラッチは、相対的な回転を行う内輪と外輪との間の空間に、種々の係合子を配置した構成とされている。特に、スプラグ型ワンウェイクラッチは、内輪と外輪との互いの回転方向によって、係合子として配置されたスプラグがその姿勢を変えることで、内輪と外輪との相対的な回転を許容する状態と、相対的な回転を阻止する状態とに切り替える機能をもっている。
この種のスプラグ型ワンウェイクラッチでは、環状の保持器の周方向に沿って、一定の間隔でスプラグ挿入用のポケット部が設けられている。このポケット部内に、ひょうたん型等の断面形状をもったスプラグが配置される。
各スプラグは、一つまたは二つ以上の曲率半径で形成される外輪側カム面と内輪側カム面を有している。外輪側カム面は外輪の内周軌道面に、内輪側カム面は内輪の外周軌道面に係合する。
また、スプラグ同期型ワンウェイクラッチと呼ばれるクラッチでは、スプラグを保持器によって周方向に一定の間隔で保持すると共に、リボンスプリングによって各スプラグを係合方向に付勢している。
特許文献1には、環状を成す円筒部の軸方向端部に、外径方向へ突出するフランジ部を備え、そのフランジ部を外輪内周面に圧入する保持器が開示されている。特許文献1の保持器では、円筒部にフランジ部から離れるほど小径となる向きにテーパが付与されている。そして、保持器を外輪に組み込む際に外輪に圧入したフランジ部を縮径方向に変形させることで、円筒部を組み込み前のテーパを解消して円筒形としている。
また、特許文献2には、周方向に沿って外輪内周面より径が大きい大径部分と、外輪内周面より径が小さい小径部分とを交互に有するフランジ部を備えた保持器が開示されている。特許文献2の保持器では、大径部分と小径部分との間には切り欠きが設けられており、外輪への組み込み時に弾性を備えた当該切り欠きによって大径部分を撓ませている。
特開2004−116679号公報 特開平11−141577号公報
上記特許文献1では、保持器のうち外輪内周面に圧入される部分が、軸方向一方の端部に位置し、軸方向他方の端部には外輪内周面には圧入されない軸方向他方の端部が位置している。このため、保持器は外輪に対して片持ち状態であり、外輪に圧入後に、スプラグから保持器に想定を超えるような大きな力が作用した場合に、保持器の断面形状が崩れる懸念がある。
上記特許文献2も同様に、保持器は外輪に対して片持ち状態であるほか、外輪内周面への圧入部分はフランジ部のうち周方向の一部(大径部分)のみである。このため、外輪への組み込み時に無理な圧入をすると、大径部分に大きな力が作用して保持器が損傷する懸念がある。また、大径部分の圧入によって、大径部分に繋がっている筒部には変形が生じる。このとき、小径部分は外輪内周面よりも径が小さいため、その小径部分に繋がる筒部の変形量は大径部分に繋がる筒部の変形量よりも相対的に小さくなる。このため、筒部の形状が波打つ形状となってしまう懸念がある。
そこで、この発明は、ワンウェイクラッチ組立時において外輪に圧入する際の保持器の損傷を防ぐと共に、圧入後の保持器の変形を防ぐことを目的としている。
上記の課題を解決するために、この発明は、外輪と内輪との間の環状空間に設けられた係合子を収容するポケット部を備え、前記外輪に圧入されるワンウェイクラッチ用保持器であって、前記保持器の軸方向中央に設けられた凸部が前記外輪に圧入されていて、前記凸部を基準にして軸方向一方側と軸方向他方側とが対称であり、前記凸部が圧入される圧入領域と前記凸部が圧入されない非圧入領域とが周方向に交互に設けられていて、前記非圧入領域は、前記保持器の軸心を挟んで前記圧入領域と対向する位置に設けられているワンウェイクラッチ保持器を採用した。
また、前記圧入領域は、周方向に少なくとも3箇所設定されている構成を採用することができる。さらに、前記ポケット部が設定される軸方向範囲と前記凸部が設定される軸方向範囲とが軸方向に重複している構成を採用することができる。
これらの各態様からなるクラッチ用保持器を用い、前記係合子としてスプラグを用いたスプラグ型ワンウェイクラッチの構成を採用することができる。
この発明によれば、ワンウェイクラッチ組立時において外輪に圧入する際の保持器の損傷を防ぐと共に、圧入後の保持器の変形を防ぐことができる。
この発明の一実施形態を示すワンウェイクラッチの全体正面図 この発明の一実施形態を示すワンウェイクラッチの斜視図 保持器に係合子を組み込んだ状態を示す斜視図 保持器の詳細を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は断面図 (a)はリボンスプリングの斜視図、(b)はスプラグの斜視図 外輪、内輪、係合子、保持器等の位置関係を示す要部拡大図 保持器の外輪への圧入開始箇所を3箇所設けた場合の保持器の変形状態を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の平面図 図7のように変形させた保持器を外輪の軸心に直交する面に対して傾斜させた状態を示す説明図 保持器を楕円形に変形させた状態を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の平面図 図9のように変形させた保持器を外輪の軸心に直交する面に対して傾斜させた状態を示す説明図
以下、この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。この実施形態は、スプラグ型ワンウェイクラッチ1(以下、単に「クラッチ1」と称する)であり、さらに、そのクラッチ1に用いられるクラッチ用保持器10、そのクラッチ用保持器10のクラッチ1への組み込み方法に関するものである。なお、この実施形態のクラッチ1は、エンジンを搭載する車両の自動変速機のトルクコンバータに用いられることを想定している。
クラッチ1は、図1及び図2に示すように、内周軌道面(内周面)2aを有する外輪2と、外輪2内に同軸状に配置されて外周軌道面3aを有する内輪3と、外輪2と内輪3との間の環状空間内に配置される複数の係合子4としてのスプラグ(以下、「スプラグ4」と称する)と、を備えたものである。スプラグ4は、内周軌道面2aと外周軌道面3aとの間でトルクを伝達する。クラッチ1は、内輪3と外輪2との互いの回転方向によって、スプラグ4がその姿勢を変えることで、内輪3と外輪2との相対的な回転を許容する状態と、相対的な回転を阻止する状態とに切り替える機能を有している。
クラッチ1は、スプラグ4を周方向に沿って保持するクラッチ用保持器10(以下、「保持器10」と称する)と、スプラグ4を内周軌道面2aと外周軌道面3aとに係合する方向へ付勢するために、外輪2と内輪3との間に配置されるスプラグ付勢用の弾性部材5であるリボンスプリング(以下、「リボンスプリング5」と称する)とを備える。この実施形態のクラッチ1は、トルクコンバータ等の実機に組み込まれる場合は、クラッチASSY(外輪2、保持器10、スプラグ4、リボンスプリング5を含む)の状態であるが、以下に示す図3等では理解がしやすいように、外輪2の図示を省略している。
保持器10は、図3及び図4に示すように、環状の部材で構成され、スプラグ4を収容するポケット部11を、周方向に沿ってスプラグ4の数と同数備えている。ポケット部11は周方向に沿って等間隔に設けられる。このポケット部11は、クラッチ1の軸方向に並列する対の環状部12,12同士を軸方向へ結ぶ複数の柱部13によって周方向に沿って区画されている。すなわち、周方向に隣接する柱部13,13間の空間が、保持器10を内周面側から外径側へと貫通するポケット部11となっている。柱部13は、保持器10の軸方向中央部に設けられていて、環状部12の外周縁よりも径方向外側に突出している凸部である。本実施形態では、複数の柱部13のうち一部の柱部13が外輪2に圧入される圧入部となる。
柱部13は、狭小部13aと、一対の根元部13bとを有している。柱部13の軸方向中央部、すなわち、柱部13におけるクラッチ1の軸方向に対する中央部に、環状部12と連続して当該環状部12の外周縁から径方向外側に延びる根元部13bよりも周方向幅が狭い狭小部13aが設けられている。狭小部13aは軸方向に延びて、一対の根元部13bを連結している。根元部13bは、環状部12の外周縁から径方向外側でかつ軸方向内側に向けて傾斜して延びている。
狭小部13aは、径方向から視て矩形状である。狭小部13aの外径は、外輪2の内径よりもやや大きな径となるように設定されている。換言すると、後述する外側保持器10aの外径は、外輪2の内径よりも大きい。柱部13が外輪2に圧入されるとき、狭小部13aの外周面14が外輪2の内周面2aと当接する。
この実施形態のクラッチ1は、保持器10として、図1〜図3及び図6に示すように、外輪2寄りに配置される外側保持器10aと、内輪3寄りに配置される内側保持器10bとで構成している。リボンスプリング5は外側保持器10aと内側保持器10bとの間に配置され、クラッチ1はスプラグ同期型ワンウェイクラッチとして機能する。このため、外輪2に圧入される凸部を備えた上記保持器10の構成は、外側保持器10aに適用される。なお、内側保持器10bを省略して、リボンスプリング5の外径側にのみ保持器10を配置した構成を採用することもできる。
外側保持器10aは、例えば、冷間圧延鋼板(SPCC)等の金属素材で構成されている。内側保持器10bは、樹脂又は金属のいずれかの素材によって構成されている。
外側保持器10aは、帯状鋼板を丸めて、その両端部を溶接によって接合した接合部Wを有する溶接保持器である。なお、外側保持器10aにおいて、スプラグ4を挿入するポケット部11とポケット部11との間に、スプラグ4を挿入しないダミーポケット部を設けてもよい。ダミーポケット部を設けた場合、当該ダミーポケット部に接合部Wを設けてもよい。スプラグ4を挿入しないため、寸法管理の必要性が無いダミーポケット部に接合部Wを設けることで、外側保持器10aの製造作業性を向上させることができる。また、外側保持器10aは、金属からなる薄板を略円形状で打ち抜いた後、プレス加工等により塑性変形させて円筒状に絞ることで形成したプレス保持器であってもよい。
リボンスプリング5は、スプラグ4を、内輪3と外輪2への係合方向へ付勢するために、外側保持器10aの内周面側に沿うように配置される。リボンスプリング5は、図5(a)に示すように、保持器10と同様のハシゴ形状をなす帯状部材で構成され、クラッチ1の軸方向に沿って並列する対の縦部材5a,5aと、縦部材5a,5a間を周方向に沿って一定の間隔毎に結ぶ柱部5bとを備える。
リボンスプリング5は、金属材料によって形成された環状の部材で構成される。この実施形態のリボンスプリング5は、薄い金属板をプレス加工により打ち抜き製作された帯状の部材を用い、その長手方向端部同士を溶接することで円筒状に形成している。なお、リボンスプリング5以外にも、例えば、コイルバネ等の他の弾性部材5を採用してもよい。
リボンスプリング5の周方向に隣接する柱部5b,5b間の空間は、内径側から外径側へと貫通する孔となっている。この孔により、スプラグ4を収容するスプラグ収容孔5dを構成している。各スプラグ収容孔5dには、そのスプラグ収容孔5dの一方の端部寄りに配置される柱部5bから、そのスプラグ収容孔5d内に向かって他方側へ突出する舌片部5cが設けられる。舌片部5cは、狭小部13a近傍においてスプラグ4の側面4cに当接して、そのスプラグ4を外輪2及び内輪3への係合方向に付勢する。
スプラグ4は、図5(b)に示すように、その外径側に外輪2の内周軌道面2aへの係合面であるカム面4aを、その内径側に内輪3の外周軌道面3aへの係合面であるカム面4bを備える。
上述の通り、外側保持器10aは溶接保持器であるため、図4(b)に示すように、ポケット部11が設定される軸方向範囲Pと、狭小部13aが設定される軸方向範囲Fとが、軸方向へ重複して設定されている。このように、外側保持器10aは、その軸方向中央部分で外輪2の内周面2aに圧入される形状となっているので、クラッチ1の組み立ての際における外輪2への圧入時に、その凸部を挟んで、外側保持器10aの軸方向一方側に作用する力と軸方向他方側に作用する力とのバランスがよい。特に、この実施形態では、凸部の軸方向中心線(狭小部13aの軸方向中央を通る線)Lを基準として、軸方向一方側と軸方向他方側とが断面対称形状であることから、軸方向中心線Lを基準として、軸方向一方側に作用する力と軸方向他方側に作用する力とを均等に近づけることができる。このため、軸方向一端部にフランジ部を有する保持器と比べて、外輪2への圧入時に、ポケット部11周囲の環状部12や柱部13等の形状が崩れることがない。
また、この実施形態では、凸部は、対の環状部12,12間を結ぶ柱部13に設定されているので、外輪2の内周面2aへの圧入時における部材の破損や変形を少なくできる。すなわち、従来の保持器では、組み込み時に無理な圧入をすると、その圧入部分であるフランジ部に大きな力が作用して部材が割れてしまう懸念があった。フランジ部は外径方向に立ち上がる薄板状の部材であることも理由の一つである。また、その大径部分の圧入によって、大径部分に繋がっている筒部にも周方向に沿って不均一な変形が生じる懸念があった。
しかし、この実施形態のように凸部が柱部13に設けられていれば、柱部13においては外輪2に対する当たり面を比較的広く確保できるので、外側保持器10aに生じる力(面圧)を分散でき、その結果、部材の損傷等も抑制できるという効果が期待できる。なお、凸部を設定する狭小部13aの幅(周方向への幅)を広くすれば、あるいは、凸部の軸方向範囲を長くすれば、さらに力の分散が可能である。
また、この実施形態では、外側保持器10aは、周方向に沿って所定の間隔Mで複数の凸部が圧入される複数の圧入領域A,B,C・・・を複数備えている。
具体的には、図7に示すように、外側保持器10aは、外輪2の内周面2aへの圧入前の状態で、複数の凸部が並列する圧入領域A,B,Cを複数備えており、さらに、外輪2の内周面2aへの圧入前の状態で、周方向に隣り合う圧入領域A,B,C同士の間に、凸部が圧入されない複数の非圧入領域Nが設定されている。非圧入領域Nは、外輪2の内周面2aと径方向に隙間を設けて対向する柱部13(の狭小部13a)が存在する領域である。
外側保持器10aの外周全周では、非圧入領域Nが占める割合が圧入領域A,B,Cが占める割合よりも大きい。
図7の例では、外側保持器10aは、圧入領域A,B,Cが周方向に沿って3箇所設定されている。図では、形状をわかり易くするために、圧入領域A,B,Cでの曲率を強調して大きく(曲線半径を小さく)しており、デフォルメして記載しているが、実際には、圧入領域A,B,Cと非圧入領域Nとの曲率の差は、図7よりも小さい程度に抑えられる。外側保持器10aは、真円の状態ではなく、図7に示すような真円が崩れた状態で、外輪2の内周面2aへの圧入が行われる。図中の符号Rは、真円の状態を示している。
このように、外輪2の内周面2aへの圧入領域A,B,Cを、外側保持器10aの外周全周に亘って設けるのではなく、実際に外輪2の内周面2aに圧入される部分を周方向に沿って複数に分割した形状としたので、外側保持器10aは、外輪2の内周面2aに圧入された際に、圧入によって外輪2に作用する力が圧入領域A,B,Cを中心に周方向へ均等に伝播していくため、外輪2の内周形状にならって変形しやすくなる。このため、外側保持器10aの外輪2への圧入時に生じやすい割れの発生を防ぐことができる。
また、図7に示すように、圧入領域A,B,Cは互いに軸心を挟んで対向する位置を避けて設定されており、非圧入領域Nは、軸心Oを挟んで圧入領域A,B,Cと対向している。圧入領域A,B,Cが周方向に沿って概ね等間隔で設定される場合、圧入領域A,B,Cの数が奇数であれば、このような設定が可能である。ただし、圧入領域A,B,Cは、周方向に沿って少なくとも3箇所以上設けることが望ましいので、圧入領域A,B,Cは、例えば、周方向に沿って5箇所、7箇所等とすることができる。
このように、外側保持器10aにおいて、圧入領域A,B,Cを少なくとも3箇所としつつ、非圧入領域Nは、軸心Oを挟んで圧入領域A,B,Cと対向させることで、外側保持器10aは、外輪2の内周面2aに圧入する領域に対して軸心Oを挟んで180°反対側の領域は、その圧入直前の状態で外輪2の内周面2aと接触しない。すなわち、図8に示すように、外側保持器10aを、軸心Oに直交する面の面方向に対して傾けた状態で、一つの圧入領域Aを最初に外輪2の内周面2aへ宛がった場合、外輪2の内周面2aに対して外側保持器10aの外径が相対的に外径側に位置する部分(他の圧入領域B,C)が残り、その部分が外輪2の内周面2aに引っかかるので、外側保持器10aが外輪2の内周面2aをすり抜けて反対側へ出てしまうことはない。ここで、外輪2の内周面2aに対して外側保持器10aの外径が大きい部分とは、最初に外輪2の内周面2aに宛がわれた圧入領域Aを除く、他の圧入領域B,Cが相当する。これは、外側保持器10aを単体で圧入する場合だけでなく、スプラグ4やリボンスプリング5を含むクラッチASSY状態で圧入を行った場合も同じである。
ここで、仮に、図9に示すように、長径X、短径Yの楕円形状である保持器10Aを外輪2Aに圧入する場合を想定する。図中の符号Rは、同じく真円の状態を示している。この場合、楕円形状の保持器10Aの最も長い径である長径Xを、軸心Oに直交する面に対して大きく傾けてしまうと、図10に示すように、軸心Oに直交する面に沿う方向に対する保持器10Aの長さX’が短くなり、保持器10Aの抜けが発生する。例えば、外輪内周面に内径側へ突出する係止フランジ部を設ければ、保持器10Aが係止フランジ部に引っかかるので、外輪内周面を反対側へすり抜けてしまう事態を防止できる。しかし、外輪内周面に係止フランジ部を設けた場合、一旦、保持器を外輪内周面に圧入してしまうと、分解しにくいという問題が生じる。
また、外側保持器10aにおいて、圧入領域A,B,Cを少なくとも3箇所としつつ、非圧入領域Nは、軸心Oを挟んで圧入領域A,B,Cと対向させることで、外側保持器10aが外輪2の内周面2aに圧入されたとき、外輪2の内径形状に沿って外側保持器10aの外径形状がならい、外側保持器10aの外径を容易に真円に近づけることができる。
ただし、外側保持器10aの各部のうち、外輪2の内周面2aに圧入されない部分(前記圧入領域A,B,C以外の部分)であっても、外輪2の内周面2aへの圧入によって変形して、その変形によって積極的ではないものの、最終的に外輪2の内周面2aに強い圧力をもって接して、圧入されたような状態になる場合も考えられる。この発明での圧入領域A,B,Cとは、外側保持器10aの外輪2の内周面2aへの圧入の開始時において、最初に外輪2の内周面2aに圧力をもって接する領域を意味している。
また、外側保持器のすり抜けを防止するために、外輪の内周面に係止フランジ等の突起を設ける手法も考えられる。しかし、一方向クラッチであるクラッチのロック方向、空転方向を確認検査したい場合は、外側保持器(あるいは、保持器10を含むクラッチの部品ユニット)を一度圧入して、その方向を確認検査した後、再度、それらを外輪の内周面から抜く必要がある。この場合、外輪の内周面に係止フランジ等の突起があると、部品を外輪の内周面から抜きにくくなるという問題が生じる。このとき、係止フランジ等の突起の形状を工夫すればある程度抜きやすくなるとも考えられるが、外輪の内周面が複雑な形状となり、検査用の外輪が高価になってしまうという問題がある。この点、この発明によれば、外輪側に係止フランジ等の突起は不要であるので、そのような問題は生じない。
保持器10の圧入直前における、圧入領域A,B,Cの外輪2の内周面に対する外径側へのはみ出し量は、外輪2の内周面の寸法Wに対して+1%以下に、保持器10の圧入直前における、非圧入領域Nの外輪2の内周面に対する内周面側への控え量(隙間)は、外輪2の内周面の寸法Wに対して1%以下にすることが望ましい。すなわち、保持器10の外径の形状は、外輪2の内周面の寸法Wに対して−1%〜+1%の寸法で構成することが望ましい。このように設定することで、外輪2の内周面へ保持器10を圧入する際、組込み荷重が過大になって組込みにくくなることはなく、また、組み込んだ際に保持器10をより真円に近づけることができる。
この実施形態では、外輪2の外径の形状は円筒状のものを示しているが、これ以外にも、例えば、外輪2の外径に凹凸を設けたり、あるいは、ローレット加工を行ってもよい。いずれの場合も、この外輪2の外径が、トルクコンバータ用のステータに対して圧入等で一体化されることとなる。
上記の実施形態では、係合子4としてスプラグを用いた自動変速機のトルクコンバータ用のスプラグ型ワンウェイクラッチ、さらに、そのスプラグ型ワンウェイクラッチに用いられるクラッチ用保持器10、そのクラッチ用保持器10のクラッチ1への組み込み方法について説明したが、このクラッチ1は、トルクコンバータ以外の種々の用途にも使用できる。
1 クラッチ(スプラグ型ワンウェイクラッチ)
2 外輪
3 内輪
4 係合子(スプラグ)
10 保持器
11 ポケット部
13 柱部

Claims (4)

  1. 外輪と内輪との間の環状空間に設けられた係合子を収容するポケット部を備え、前記外輪に圧入されるワンウェイクラッチ用保持器であって、
    前記保持器の軸方向中央に設けられた凸部が前記外輪に圧入され、
    前記凸部を基準にして軸方向一方側と軸方向他方側とが対称形状であり、
    前記凸部が圧入される圧入領域と前記凸部が圧入されない非圧入領域とが周方向に交互に設けられていて、
    前記非圧入領域は、前記保持器の軸心を挟んで前記圧入領域と対向する位置に設けられているワンウェイクラッチ用保持器。
  2. 前記圧入領域は、周方向に沿って少なくとも3箇所設定されている請求項1に記載のワンウェイクラッチ用保持器。
  3. 前記ポケット部が設定される軸方向範囲と前記凸部が設定される軸方向範囲とが軸方向に重複している、請求項1又は2に記載のワンウェイクラッチ用保持器。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載のワンウェイクラッチ用保持器を備え、前記係合子としてスプラグを用いたスプラグ型ワンウェイクラッチ。
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