JP2019142907A - トレハロースの非経口投与によるタンパク質凝集ミオパシーおよび神経変性疾患の治療 - Google Patents

トレハロースの非経口投与によるタンパク質凝集ミオパシーおよび神経変性疾患の治療 Download PDF

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Abstract

【課題】それを必要とするヒト対象の筋細胞、ニューロン、および他の細胞、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成と関連する疾患、または少なくとも1のその関連症状の治療または緩和方法の提供。【解決手段】治療的有効量のトレハロースを含む医薬製剤であって、それを必要とするヒト対象における、筋細胞、ニューロン、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成と関連する疾患を治療する、または少なくとも1のその関連症状を緩和する方法であって、該対象に0.1%(w/v)−50%(w/v)のトレハロースを含む医薬製剤を静脈内投与することを含む方法、における使用のための医薬製剤であって、ここで、製剤はpH4.5〜7.0であり;かつ0.74エンドトキシン単位/ml未満を含み;かつ投与が約120分以下の時間内に完結する、医薬製剤。【選択図】なし

Description

本開示の主題は、異常なタンパク質凝集に関連するミオパシー、神経変性疾患、またはタウオパシーの治療におけるトレハロースの使用に関する。
本開示の主題の背景として関連があると考えられる参考文献を以下に挙げる。
Figure 2019142907

Figure 2019142907
本明細書の上記参考文献の認定は、これらが本開示の主題の特許性となんらかの関連があることを意味すると推論させるものではない。
(背景)
トリヌクレオチド反復配列突然変異から生じる数グループの疾患が知られている。これらの疾患は突然変異した遺伝子にコードされた特定のタンパク質中のアミノ酸の異常なストレッチを特徴とする。突然変異タンパク質は細胞中で凝集し、典型的な細胞毒性細胞封入体を生じる。
タンパク質コドン反復疾患と同定される疾患は、アミノ酸のホモポリマーストレッチ、特にポリグルタミン(ポリQ)またはポリアラニン(ポリA)の増加を含む。少なくとも8の神経変性疾患はポリグルタミンの増大と関連があり、ハンチントン病(HD)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、および種々の形の脊髄小脳性運動失調(SCA)が含まれる。ポリアラニンの増大は、種々の希で重篤な先天性異常や眼咽頭型筋ジストロフィー(OPMD)と関連がある。ポリアラニンの増大と関連するさらなる病状にはジストロフィー疾患が含まれよう。
あるそのような疾患には、眼咽頭型筋ジストロフィー(OPMD);眼瞼下垂、重症嚥下障害、および四肢近位筋筋力低下を特徴とする希な遺伝性ミオパシーがある。その推定罹患率は1:100,000であり、報告された最大集団は、カナダと米国のフランス-カナダ起源のファミリー(罹患率1:1000)、イスラエルのブハラユダヤ人(罹患率1:600)、およびニューメキシコ、アリゾナコロラド、およびカリフォルニアのラテンアメリカ人であった[1-4]。OPMDは、ほとんどの症例で完全浸透度を有する常染色体優性形質として遺伝性である。該疾患は両性間で有病率が同じである。該疾患に関連する遺伝子は、結合タンパク質核1タンパク質(PABPN 1);プレmRNAポリアデニル化、転写調節、およびmRNA核-細胞質間輸送に関与する核タンパク質をコードする。OPMDを生じる突然変異は、異常なポリ(A)PABPN 1の産生をもたらす。
該疾患は40〜50歳代で診断されることが最も多く、患者の生涯を通して進行する。70歳までに大多数の患者は下記症状のすべてまたはいくつかに罹患する:重症嚥下障害、眼瞼下垂、舌萎縮症、および虚弱、近位下肢および上肢虚弱、発音障害、上方視制限、および顔面筋虚弱。眼瞼下垂はより顕著になるので、患者は、「アストロノマー姿勢」で頭の傾斜、および上方視、さらに嚥下障害の悪化に対応する。嚥下障害は、固形食物の嚥下困難に始まり、同様に液体に進行する。嚥下障害はより重症になるので、患者は栄養失調、悪液質、脱水状態になり、繰り返し誤嚥性肺炎になる。OPMDは、平均余命を縮めないようであるが、重症の衰弱および生活の質の低下と関連する。
OPMDには薬物治療法がないか、治癒の可能性がない。現在の治療戦略は、眼瞼下垂の緩和を目的とする外科的介入に限られる。反復的輪状咽頭筋拡張を嚥下障害を緩和するのに用いることが多い。上部食道括約筋切除術も用いられている。これらの方法は、一時的緩和をもたらすだけであり、該疾患の進行には影響せず、最終的に、OPMD患者の死亡率の最も一般的な原因である、重症の嚥下困難、再発性誤嚥による誤嚥性肺炎のリスクの増加、および重症の体重の減少をもたらす。
したがって、眼咽頭型筋ジストロフィーの兆候と症状を緩和するための組成物と治療方法が至急必要である。細胞変性の基本メカニズムにおけるタンパク質凝集物の特異的役割については論争があるが、広く受け入れられた見方はタンパク質凝集物、凝集プロセス、および/または初期オリゴマー種が毒性があり、変性病変に極めて重要であるということである。重要な証拠は、早期でみつけると神経変性プロセスを停止し、好転させることさえできることを示す研究によりもたらされた[5]。さらに、より新しい研究は、多くの原因タンパク質の代謝回転が遅くなく急速であり[6、7]、封入体形成が神経伝達物質異常、最も重要なことは行動異常を生じるだけでなく可逆的であることを示した。
新規治療戦略の1つは、例えば正常なホールディングと異常なコンフォメーションの再ホールディングを促して天然状態に戻す分子シャペロンを用いてミスホールドした凝集タンパク質に対する天然の細胞防御メカニズムを増強することである[8]。ゲルダナマイシンなどの薬剤は、シャペロンレベルを調節し、増強することができる[9]。しかしながら、ゲルダナマイシンはかなり毒性があり、血液脳関門に十分浸透しない。ゲルダナマイシンはプロテオソーム活性を刺激することもできるが、このアプローチは通常プロテオソームの分解により調節される分子の代謝回転を変化させる危険性があるかもしれない。さらに、タンパク質安定効果が知られている二糖類であるトレハロースの経口投与は、HDマウスモデルでポリグルタミン凝集物を減少させ、運動機能障害を改善し、生存期間を延ばすことを示している[10]。より最近になって、これらの知見は、OPMDのマウスモデルにおけるトレハロースの経口投与で再現された[11]。
トレハロース、グルコース二糖類(α-G-グルコピラノシル α-D-グルコピラノシド)は多くの植物、真菌、細菌、昆虫、および他の無脊椎動物にみられ、天然賦形剤として役立つ。多数の生体分子を維持し、保存する能力で証明されたその独特な物理的および生化学的特性により、トレハロースは、種々の食品や化粧品、とりわけ治療薬における用途がみいだされた。トレハロースは、FDAによりGRAS食品成分に指定されたすべての主要市場で承認された成分である[12]。現在、動脈の老化の予防における大量の経口投与したトレハロースの効果を試験する臨床試験が米国で行われている。この試験において、研究者は、トレハロースまたはマルトース、またはそれら2薬剤の組み合わせの動脈の老化に関連するバイオマーカーに対する効果を比較している[17]。
その局面の1つにおいて、本開示の主題は、それを必要とするヒト対象の筋細胞、ニューロン、および他の細胞、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成と関連する疾患、または少なくとも1のその関連症状の治療または緩和方法であって、該ヒト対象に治療的有効量のトレハロース、または治療的有効量のトレハロースを含む医薬製剤を非経口投与することを含む方法を提供する。
上記および他の態様において、本開示の主題の疾患は、ポリアラニン凝集障害、ポリグルタミン凝集障害、およびタウオパシーのいずれか、例えば眼咽頭筋ジストロフィー(OPMD)、脊髄小脳性運動失調(SCA)、フリードライヒ運動失調症、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、および筋萎縮性側索硬化症(ALS)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、ピック病、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、および17番染色体関連前頭側頭型認知症およびパーキンソン症候群(FTDP-17)のいずれかである。上記および他の態様において、本開示の主題の医薬製剤は、非経口投与用、特に静脈内、筋肉内、および腹腔内投与用の注射可能溶液である。
いくつかの態様において、本開示の主題の医薬製剤は、唯一の活性成分としてトレハロースを含み、所望によりさらに少なくとも1の医薬的に許容される添加剤、担体、賦形剤、または希釈剤を含む。
すべての態様において、本開示の主題の該製剤中のトレハロースの濃度は、約0.1%(w/v)〜約50%(w/v)、特に約10%(w/v)である。いくつかの態様において、本開示の主題のトレハロースを含む医薬製剤は、約280〜約330mOsm/Kgのモル浸透圧濃度を有する。
上記および他の態様において、本開示の主題の医薬製剤は0.74エンドトキシン単位/ml溶液未満を含む。
本開示の主題の治療的有効量のトレハロースは、各単回注射につき約1g(グラム)〜約100gであり、約1g/kg該対象体重/日以下である。
他の態様において、治療的有効量のトレハロースまたは該医薬製剤中に含まれるトレハロースは、約10mg/kg/日〜約1g/kg/日のトレハロースを1日1回投与する。さらなる態様において、治療的有効量のトレハロースまたは本開示の主題の該医薬製剤中に含まれるトレハロースは、5、8、15、30、40、または50gのトレハロースの単回用量を投与する。
治療的有効量のトレハロースまたは本開示のそれを含む医薬製剤は慢性的または定期的に投与することができる。
上記および他の態様において、治療的有効量のトレハロースまたは本開示のそれを含む医薬製剤を1日に1回〜1月に1回の頻度で投与する。
さらなる態様において、治療的有効量のトレハロースまたは本開示の該医薬製剤中に含まれるトレハロースを1週間に1回単回注射で投与する。
さらなる態様において、治療的有効量のトレハロースまたは本開示の主題のトレハロースを含む医薬製剤は、約5〜約35gのトレハロースの単回用量を、1日に1回、1日おきに、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1月に1回静脈内投与することができる。
上記および他の態様において、本開示の主題の医薬製剤は、注射可能溶液であり、投与速度は最大エンドトキシンレベルが5エンドトキシン単位/kg体重/時間未満となるようにする。
いくつかの態様において、本明細書に記載の静脈内投与に適した該医薬製剤中に含まれる治療的有効量のトレハロースの投与は、約75〜約120分間以内、特に90分間未満に完結する。
他の態様において、本開示の主題の投与は、等用量、または徐々に増加する用量、または徐々に減少する用量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤の投与計画を含む。
その局面の別の1つにおいて、本開示の主題は、それを必要とするヒト対象の筋細胞、ニューロン、および他の細胞、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成と関連する疾患、または少なくとも1のその関連症状の治療または緩和方法であって該ヒト対象に治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を非経口投与することを含む方法、に用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を提供する。
さらなる局面において、本開示の主題は、治療的有効量のトレハロースを唯一の活性成分として含む水性医薬製剤であって、pH約4.5〜7.0であり、0.74エンドトキシン単位/ml未満を含み、非経口投与に適した該医薬製剤を提供する。
さらに、本開示の主題は、以下を含むキットを提供する:
(a) 医薬的に許容されるトレハロースまたはその活性誘導体;
(b) 少なくとも1の医薬的に許容される添加剤、担体、賦形剤、および希釈剤;
(c) 該トレハロースと該添加剤、担体、賦形剤、および希釈剤の少なくとも1を混合することにより該トレハロースの注射可能水性溶液を製造するための手段;
(d) 該注射可能溶液を必要とする患者に非経口投与する手段;
(e) 使用説明書。
本明細書に記載の対象をよりよく理解し、それを実施する方法を例示するために、態様を添付の図面を参照して非限定的例として記載する。
i.v.またはp.o.投与後のトレハロースの平均血漿中濃度。ラットに静脈内(iv)または経口(po)投与したトレハロースの投与後8時間の血漿中濃度の変動を示すグラフ。 静脈内投与後のトレハロースの血漿中および筋肉内濃度。ラットに静脈内(iv)または経口(po)投与したトレハロースの投与後72時間の血漿中および筋肉内濃度の変動を示す棒グラフ。
本開示の主題は、トレハロースを含む水性製剤を非経口投与、例えば静脈内投与すると、そのような製剤を経口投与後に得られるトレハロースの血漿および筋肉中レベルに比べて、治療的有効量のトレハロースが、血漿に達し、被験動物の筋肉中に蓄積されるという驚くべき知見に基づく。
トレハロースは、多数の生体分子を維持し、保存する能力が知られている。トレハロースは種々の研究応用で用いられており、主にリオプロテクタントとして役立ち、ヘルセプチン、アバスチン、ルセンティス、およびアドベイトを含む種々の市販の治療薬中に含まれる。トレハロースは別の活性成分と共に賦形剤/添加物として広く用いられるが、その治療的活性成分自体としての使用はむしろ異例である。
トレハロースは、神経変性疾患およびミオパシーと関連する異常なタンパク質の細胞内凝集を阻害することができる。主な例は、ハンチントン病(HD)を引き起こすポリグルタミンタンパク質である突然変異体ハンチンチンに対するトレハロースの凝集抑制効果である。トランスジェニックHDマウスに対するトレハロースの経口投与(飲用水中0.2%〜5%トレハロースを5〜9週間中に自然に消費した)は、脳および肝臓中の核内ハンチンチン凝集物の形成阻害をもたらし、より重要なことはHD関連運動症状の改善をもたらした。
興味深いことに、特に神経疾患および筋肉疾患では、トレハロースの治療的使用は、トレハロースが小腸の上皮刷子縁で内因性酵素トレハラーゼにより加水分解されることで[13、14]あらゆる経腸投与した用量のごく一部しか血流、神経、または筋肉組織に達しないため、著しく妨げられる。本開示は、トレハロースの非経口投与を用いて、異常なタンパク質凝集に関連するミオパシーおよび神経変性疾患(特にポリアラニン ポリグルタミン)、およびタウオパシー、障害、および特にOPMDの治療においてより高いバイオアベイラビリティと治療効果を達成する新規治療計画の導入を目的とする。
したがって、本開示の主題は、それを必要とするヒト対象の筋細胞、ニューロン、および他の細胞、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成と関連する疾患、または少なくとも1のその関連症状の治療または緩和方法であって、該ヒト対象に治療的有効量のトレハロースまたは治療的有効量のトレハロースを含む医薬製剤を非経口投与することを含む方法を提供する。
本明細書に記載の用語「筋細胞、ニューロン、および他の細胞、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成に関連する疾患」は、タンパク質凝集またはタンパク質ミスホールディングに関連するあらゆる疾患を表し、これら疾患の根本にある共通の生物学的特徴は、ある種のペプチドとタンパク質の凝集とそれによる種々の他のタンパク質の二次凝集を含む病的事象のカスケードが生じ、その結果、正常な生物学的機能を維持するタンパク質恒常性の不全が生じることである。
本明細書に記載の用語「治療または緩和する」は、本明細書に記載の疾患に関連する少なくとも1の兆候または症状の重症度および/または頻度を改善し、緩和し、または減少させ、兆候または症状および/または根本原因を除去し、症状および/またはその根本原因の発生を予防し(例えば予防的治療)、損傷を改善または修復し、およびタンパク質凝集を除去またはその程度の減少させる治療効果を達成することを表す。
本明細書に記載の疾患と関連する症状には、限定されるものではないが、そのいくつかを挙げると、眼瞼の下垂(「眼瞼下垂」として知られる病状)、嚥下困難(「嚥下障害」という)、筋肉疲労、活動/運動障害、および認知障害が含まれる。
特に、治療すべき疾患がOPMDである場合は、本明細書に記載の製剤および方法はOPMDの兆候と症状の治療に有用である。OPMDの兆候と症状には、重症嚥下障害、眼瞼下垂、舌萎縮症、および虚弱、近位下肢および上肢虚弱、発音障害、上方視制限、および顔面筋虚弱が含まれる。
当該分野で知られているように、十分な疾患および障害が「筋細胞、ニューロン、および他の細胞、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成に関連する疾患」と定義される。例えば、本開示の主題は、数例を挙げると神経変性疾患、ポリグルタミンまたはポリアラニン凝集障害、タンパク質コドン反復障害、ミオパシー、およびタウオパシーである異常なタンパク質凝集と関連する疾患の治療または緩和方法を提供する。
本明細書に記載の用語「神経変性疾患」は、進行性の神経系の機能障害、特に封入体形成としても知られる異常なタンパク質凝集物の形成に関連するこの群の障害を特徴とする遺伝性または散発性の病状を表す。異常なタンパク質凝集と関連する神経変性疾患の例には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病、パーキンソン病、その他がある。
本明細書に記載の用語「ポリグルタミン」、「ポリアラニン凝集障害」、または「タンパク質コドン反復障害」は、細胞内ポリグルタミンまたはポリアラニン凝集物の形成に関連する障害を表し、好ましくは眼咽頭型筋ジストロフィー(OPMD)、ハンチントン病(HD)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、および脊髄小脳性運動失調(SCA)を表す。
本明細書に記載の用語「ミオパシー」は、特にOPMDを表す本開示の文脈において筋繊維の萎縮を伴う遺伝性または後天性変性疾患を表す。
本明細書に記載の用語「タウオパシー」は、特にピック病、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、および17番染色体関連前頭側頭型認知症およびパーキンソン症候群(FTDP-17)を表す本開示の文脈において、タウ病変、タウマイクロフィラメントの原型的細胞内凝集と関連する神経変性疾患を表す。
タウオパシーは、神経細胞の微小管を結合および安定化するタウ微小管関連タンパク質のミスホールディングをもたらす突然変異により生じる疾患として知られている。タウ病変は、散発性アルツハイマー病(AD)の顕著な特徴であるが、種々の他の関連神経変性疾患、例えばピック病、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、および17番染色体関連前頭側頭型認知症およびパーキンソン症候群(FTDP-17)にもみられる。17番染色体q21上のFTDP-17遺伝子における30以上の種々の遺伝性突然変異またはヌクレオチド置換は、タウマイクロフィラメントの原型的細胞内凝集が現れる神経変性疾患と関連がある。タウ突然変異および類似の遺伝性および散発性疾患におけるタウ機能障害は、機能の損失(微小管安定性の減少)および機能の有毒な増加(原線維形成の増加)の両方を伴うメカニズムを通して疾患をもたらしうる。
したがって、上記および他の態様において、該疾患は、ポリアラニン凝集障害、ポリグルタミン凝集障害、およびタウオパシーのいずれかである。上記および他の態様において、該疾患は、本明細書に記載するように、眼咽頭筋ジストロフィー(OPMD)、脊髄小脳性運動失調(SCA)、フリードライヒ運動失調症、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、および筋萎縮性側索硬化症(ALS)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、ピック病、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、および17番染色体関連前頭側頭型認知症およびパーキンソン症候群(FTDP-17)のいずれかである。いくつかの態様において、該疾患は、本明細書に記載するように眼咽頭筋ジストロフィー(OPMD)である。
上記のように、OPMDは、PABPN1ミスホールディング、および罹患筋肉細胞の核内に小管-フィラメント状封入体/凝集物の形成をもたらすポリA結合タンパク質核1タンパク質(PABPN1)中のポリアラニンの遺伝性の異常な増加により生じる。トランスジェニックOPMDマウスに対するトレハロースの経口投与(飲用水中の2%トレハロースを4〜6カ月間にわたり自発的に摂取した)は、筋細胞中の突然変異体PABPN1の毒性および凝集形成を有意に減少させることを示した。全体として経口トレハロースは、OPMD発生の遅延、疾患表現型の減弱、ポリアラニンタンパク質凝集物形成の減少、および細胞死の減少を示し、トレハロースがOPMDおよび他のタンパク質コドン反復障害の強力な抗凝集療法でありうることを示唆した。
実施例に示すように、本発明者らは、トレハロースが、限定されるものではないがOPMDなどの本明細書に記載の種々の疾患および障害の治療における標的器官である筋肉にうまく送達されうることを示した。
ハンチントン病およびOPMDは、共に疾患の原因となる遺伝子の遺伝性トリヌクレオチド伸張突然変異により生じるという共通の遺伝的基盤を有する。染色体4p16上にあるHD遺伝子(HTT)は、ポリグルタミン(ポリQ)ストレッチをコードする反復トリヌクレオチド配列(CAG)nを含む。正常HTT遺伝子変異体は7〜35リピートを含むが、HD関連変異体は、その範囲以上であり、リピートの増大の程度はHD症状のより早期の発症と重症度と関連する(該効果は期待である)。類似性(CAG)nリピートの増大突然変異は、他のポリグルタミン障害、例えばSBMA、DRPLA、およびSCAの群に属する種々の運動失調と関連した。同様に、染色体14q11上のOPMD関連遺伝子、PABPN1は、ポリアラニン(ポリA)をコードするトリヌクレオチド反復配列(CGC)nを含み、(CGC)6リピートが正常閾値であり、それ以上のOPMDはリピート数の増加で予測する。したがって、他の態様において、該疾患は本明細書に記載のハンチントン病である。
いくつかの運動および精神医学的症状を軽減する薬物療法を除いて、HD、OPMD、および他の関連障害の薬物療法がないことは明白であり、該疾患に起因するメカニズムを直接阻害する療法が非常に必要である。
ある態様において、該疾患は本明細書に記載の脊髄小脳性運動失調(SCA)である。当該分野で知られているように、多くのタイプの脊髄小脳性運動失調があり、最も一般的な脊髄小脳性運動失調にはフリードライヒ運動失調症、SCA 1,3,8などが含まれる。多くのSCAが、疾患関連タンパク質(すなわち、アタキシン-1、アタキシン-3など)が一定の閾値を超えるグルタミンリピートを含むときに生じるポリグルタミン疾患のカテゴリーに含まれる。
他の態様において、疾患は本明細書に記載の球脊髄性筋萎縮症(SBMA)である。当該分野で知られているように球脊髄性筋萎縮症、球脊髄性萎縮症、X連鎖球脊髄性ニューロパシー(XBSN)、X連鎖脊髄性筋萎縮症1型(SMAX1)、およびケネディ病(KD)としても知られる疾患SBMAは、脳幹および脊髄の運動ニューロンの変性により筋痙攣および進行性虚弱を生じる衰弱神経変性疾患である。
さらなる態様において、疾患は本明細書に記載のハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、または筋萎縮性側索硬化症(ALS)である。ハンチントン病(HD)は、筋協調に影響を及ぼし、認識低下および精神医学的問題を生じる神経変性遺伝子疾患である;パーキンソン病は中枢神経系の変性疾患である;アルツハイマー病(AD)は、短期記憶喪失、錯乱、いらいら、攻撃性、気分変動、言葉の問題、および長期記憶喪失を示す;および筋萎縮性側索硬化症(ALS、運動ニューロン疾患またはルー・ゲーリック病ともいう)は、筋萎縮症、および筋痙縮、会話困難(構音障害)、嚥下困難(嚥下障害)、および呼吸困難(呼吸窮迫)による急速な進行性虚弱を特徴とする神経変性疾患である。
上記のごとく、本開示の主題は、それを必要とするヒト対象における本明細書に記載の疾患の治療または緩和方法であって、該ヒト対象に治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を非経口投与することを含む方法を提供する。タンパク質凝集に関連する疾患の治療薬としてのトレハロースの上記報告において、神経または筋肉組織で望む治療効果を達成するにはトレハロースの極めて高い連続的経口摂取が必要である。
本開示は、必要とする対象に非経口投与で投与するトレハロースを用いる治療計画を指向する。したがって、ある態様において、本明細書に記載の医薬製剤は、非経口投与用の注射可能溶液である。
用語「それを必要とする対象」は、限定されるものではないが、HD、またはOPMD、または別のポリグルタミンまたはポリアラニン凝集障害などの本明細書に記載の疾患に罹患した対象を表す。
トレハロースの治療的有効量は、約10mg〜約1,000mg/Kg体重/日でありうる。該トレハロースは、非経口投与に適した医薬製剤に活性成分として含まれることができる。投与は、それぞれ、単回非経口投与による単回用量もしくは複数用量または複数回非経口投与による複数用量として毎日の投与計画に基づくことができる。あるいはまたはさらに、投与は、定期的、例えば隔日、1週間に3回、1週間に2回、1週間に1回、または1月に1回にすることができ、投与頻度は患者の病状に応じて変化させることができる。
本明細書に記載の用語、非経口的は、望む効果が全身的であり、活性物質(本明細書に記載のトレハロース)が消化器以外の経路、例えば静脈内、筋肉内、および腹腔内投与で投与される投与経路を表す。
上記のごとく、トレハロースは当該分野でリオプロテクタントとして知られている。したがって、トレハロースの安全性と毒性は広範に検討されており、該物質は、意図する治療用量よりかなり高い用量で経口的および静脈内に投与したときに安全であることがわかった。
下記実施例に示すように、トレハロースを唯一の活性成分として含む医薬製剤を非経口投与すると比較的高血漿および筋肉レベルをもたらした。
したがって、ある態様において、本明細書に記載の医薬製剤は、唯一の活性成分としてトレハロースを含み、所望によりさらに少なくとも1の医薬的に許容される添加剤、担体、賦形剤、または希釈剤を含む。
すなわち、本開示の主題において、トレハロースは唯一の活性物質または成分である。上記にも関わらず、トレハロースまたはそれを含む医薬製剤は、異常なタンパク質凝集と関連する疾患を治療または緩和するための他の療法や処置と組み合わせて用いることができる。
本明細書に記載の用語「トレハロース」は、二糖類グルコースα-G-グルコピラノシル α-D-グルコピラノシドを表す。用語トレハロースは、トレハロースのあらゆる活性誘導体、そのヒドリドおよび塩も表す。
トレハロースは、2つのD-グルコース分子の1,1-結合からなる天然の二糖類である。トレハロースは、酸で容易に加水分解しない非還元糖である。その分子式はC12H22O11であり、分子量は342.31ダルトンである。一般的に「トレハロース」と呼ばれるα,α型の二量体を表すのに用いる他の名前は、α,α-トレハロース、α-δ-グルコピラノシル、α-δ-グルコピラノシド、マッシュルーム糖、ミコースである。
上記の通り、トレハロースは、そのタンパク質安定特性がよく知られている。トレハロースは、冷凍食品、生物系および細胞の凍結乾燥の安定化剤として、治療的非経口タンパク質の安定化剤として、および錠剤およびIV溶液の担体として多くの適用に広く用いられている。トレハロースはFDAによりGRAS(食品医薬品局合格証)食品成分として認識され、USP-NF(米国薬局方国民医薬品集)、EP(ヨーロッパ薬局方)、およびJP(日本薬局方)に記載されている。
すべての二糖類同様にトレハロースは上皮刷子縁で2つのD-グルコース分子に代謝される。消化されたトレハロースの0.5%未満が血流中に吸収され、さらに肝臓および腎臓でトレハラーゼにより代謝される。40〜50g/日を超える量の経口トレハロースは下痢と膨満感を引き起こす。したがって、筋肉細胞におけるトレハロースの治療量を達成するには、消化管(GI)における大規模な代謝を回避することが必要であった。したがって、本発明者らは、トレハロースの静脈内(IV)溶液を開発した。
本明細書に記載の用語「製剤」は、トレハロースを活性成分として含み、所望によりさらに、さらなる活性成分、例えば当該分野でよく知られた抗炎症剤、および少なくとも1の医薬的に許容される添加剤、担体、賦形剤、または希釈剤を含む組成物を表す。この製剤は、さらにトレハラーゼ(腸、腎臓、および肝臓中にみられるトレハロースのグルコースへの変換を触媒するグリコシド加水分解酵素)阻害剤、すなわち、トレハラーゼ酵素の競合または他の阻害剤を含みうる。
特定の医薬製剤、特に、該製剤中のトレハロース濃度が約0.1%(重量/容量)〜約50%(重量/容量)、より具体的には本明細書に記載の製剤中のトレハロースの濃度が限定されるものではないが約8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、20%、または25%(重量/容量)である注射可能溶液が非経口投与に適している。
トレハロースに関して、用語トレハロースには、限定されるものではないが、塩、多形体、エステル、アミド、プロドラッグ、付加物、コンジュゲート、活性代謝物などを含む特定の分子種およびその医薬的に許容される、薬理学的に活性なアナログが含まれる。
したがって、活性物質トレハロースは、該化合物自体の形、および塩、多形体、エステル、アミド、プロドラッグ、誘導体などの形で投与することができるが、塩、多形体、エステル、アミド、プロドラッグ、または誘導体が薬理学的に適している。活性物質の塩、エステル、アミド、プロドラッグ、および他の誘導体は、合成有機化学の分野の当業者に知られた、例えばJ. March、Advanced Organic Chemistry:Reactions、Mechanisms and Structure、第4版(New York:Wiley-Interscience、1992)に記載の標準的手順を用いて製造することができる。エナンチオマー形で存在しうるあらゆる活性物質について、活性物質は、本発明の製剤中にラセミ化合物またはエナンチオマー的に純粋な形で組み込むことができる。
塩は、水性溶液中でイオン化する化合物であり、例えば該溶液の浸透圧を調整するために用いることができる。活性剤が塩の形で存在する場合は、例えば活性物質をイオン交換するために該組成物にさらなる塩を加えることができる。本明細書に記載の組成物に用いるのに適した塩は、当該分野で知られており、例えばクロリド、ブロミド、ヨージド、カーボネート、ホスフェート、ニトレート、シリケート、サルフェート、ホスファイト、ナイトライト、サルファイトなどから選ぶことができる適切な対イオンを有するリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩などが含まれる。
緩衝剤は、検体の濃度を望む範囲内に維持するのを助けるために用いる化合物または溶液である。例えば、医薬的に許容されるpHの緩衝剤を、溶液の酸性度または塩基性度を医薬的に許容される範囲内に維持するために用いる。本明細書に記載の組成物に用いるための緩衝剤はあらゆる既知のまたは以下に記載の緩衝剤でありうる。
賦形剤は、種々の理由で本明細書に記載の組成物に用いることができる不活性成分である。広範囲の賦形剤が文献に記載されている(例えば、Rowe et al.、Handbook of Pharmaceutical Excipients、McGraw Hill、2006)。
添加剤および希釈剤は当該分野でよく知られている。
ある特定の態様において、該製剤のpHは約4.5〜7.0であり、該製剤のモル浸透圧濃度は約280〜330mOsm/kgであり、該製剤は、1.0、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1エンドトキシン単位/mlまたはそれ以下を含み、該水性製剤は約50%、40%、30%、20%、10%、5%トレハロース(w/v)またはそれ以下である。
したがって、本開示のトレハロース送達系、例えばトレハロースを唯一の活性成分として含む製剤は、一般的に、当該分野で知られた緩衝剤(pH調整添加剤)、そのモル浸透圧濃度を調整する物質、および所望により1またはそれ以上の医薬的に許容される担体、賦形剤、および/または添加剤も該製剤に組み込むことができる。
水性または他の溶媒ベースの剤形(例えば非経口投与用の)として投与する本明細書に記載の製剤については、種々の水性担体(特に水または生理食塩水)を用いることができる。水性溶液には塩、緩衝液などが含まれる。該担体は、例えば水、生理食塩水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、その適切な混合物、および植物油を含む非経口投与可能な組成物に適した溶媒または分散媒質でありうる。適切な流動性は、例えばレシチンなどのコーティングを用い、ディスパージョンの場合は必要な粒子サイズを維持し、界面活性剤を用いることにより維持することができる。水は必須の添加物(または担体)である。
したがって、本明細書で用いている用語「医薬的に許容される担体」には、あらゆるすべての溶媒、分散媒質、コーティング、抗菌剤、および抗真菌剤などが含まれる。医薬活性物質用のそのような媒質および物質の使用は当該分野でよく知られている。あらゆる常套的媒質または物質が、活性成分と非適合性である場合を除き医薬組成物におけるその使用が予期される。活性物質はあらゆる許容される非経口経路により、あらゆる医薬的に許容される剤形で送達することができると予期される。
非経口投与のために、ゴマ油やピーナッツ油などの適切な油または水性プロピレングリコール中の製剤および対応する水溶性塩の無菌水性溶液を用いることができる。そのような水性製剤は必要であれば適切に緩衝することができ、液体希釈剤を最初に充分な生理食塩水またはグルコースで等張にした。これらの水性製剤は、特に、静脈内、筋肉内、皮下、および腹腔内注射に適している。これに関連して、用いる無菌水性媒質はすべて当業者によく知られた標準的技術により容易に得ることができる。
一定量の活性成分を含む種々の医薬製剤の製造方法が知られており、本開示に照らして当業者に明らかであろう。
添付の実施例に記載のごとく、本発明者らは、下記実施例6に記載のOPMD患者における進行中の臨床試験に現在用いている(そして異常なタンパク質凝集に関連した他の疾患の治療に用いられうる)トレハロースを含む特定の注射可能な水性製剤を製造した。
99.5%以上のトレハロースが血流中に吸収されず、ヒトで50g/日以上の経口量のトレハロースはしばしば上記の下痢、膨満感、および不快症状を引き起こすことから、適切な量のトレハロースが実際に筋肉細胞に達するのを保証する最も有効な方法は、広範な腸代謝を回避し、トレハロースを静脈内(IV)溶液で投与することである。
開示したトレハロースの注射可能溶液は、OPMD患者に単回投与(注射)で約75〜120分間、例えば90分間、毎日、隔日、1週間に2回、1週間に1回、10日間に1回、2週間に1回、または1月に1回、記載した投与数を静脈内投与することができる(これは担当医が決定する)。
トレハロースのよく知られた薬物動態プロフィールに基づいて、最初に、1週間に1回、24週間のIV療法は、トレハロースが筋肉細胞に入るのを可能にし、先に動物モデルで証明したその治療効果を示す可能性がある。1週間に1回の注射で投与すべき量は、既知の安全性試験、およびトレハロースが血液から除去される前に筋肉細胞に達するのを可能にする血液からのクリアランスおよび代謝速度に基づく。
トレハロースの期待血漿および組織分布、罹患細胞におけるトレハロースの有効濃度、および複数の動物試験における既知の安全用量に基づいて用量を計算する。
初期治療後の1週間に1回の投与は、慢性的、指定した時点で、数週間または数十週間、例えばさらに連続48週間、すなわち合計72週間の治療であるか、または投与は定期的でありうる。
ある態様において、開示した水性トレハロース注射可能医薬製剤のモル浸透圧濃度は約280〜約330mOsm/Kgである。
上記のように、本発明者らは、非経口投与、具体的にはIV投与により血漿および筋肉にトレハロースがうまく送達されることを示した。したがって、ある態様において、トレハロースまたはそれを含む医薬製剤の投与は静脈内、筋肉内、および腹腔内投与のいずれかでありうる。
ある態様において、精製トレハロースは、その酵素的製造プロセスから生じる該プロセスに用いる有機溶媒(例えばアンモニア、アセトニトリル、アセトアミド、またはアルコール)、TFA、エーテル、または他の夾雑物などの夾雑物を実質的に含まない。この文脈において、夾雑物を「実質的に」含まないとは、精製プロセス終了時の酵素的製造プロセス由来のあらゆる残存ペプチドの混入量が好ましくは、トレハロースの総重量の0.5%未満、0.3%未満、0.25%未満、0.1%未満、0.05%未満、0.04%未満、0.03%未満、0.02%未満、0.01%未満、0.005%未満、0.003%未満、または0.001%未満であることを意味する。夾雑物の含有量は、クロマトグラフィなどの常套的方法により決定することができる。
特定の態様において、精製トレハロース中の残存溶媒は、ICHガイドライン、例えばIMPURITIES:GUIDELINE FOR RESIDUAL SOLVENTS Q3C(R5)(http://www.tga.gov.au/pdf/euguide/ich822602006.pdfで利用可能)[15])に設定した限界未満である。例えば、精製トレハロースは<5000ppmエタノール(例えば<140ppm)および/または<3000ppmメタノールを含む。
エンドトキシン(リポポリサッカライド(LPS)およびリポグリカンとしても知られる)は、共有結合で結合したO抗原、アウターコア、およびインナーコアからなる、脂質とポリサッカライドからなる大分子であり、グラム陰性菌の外膜にみられ、動物に強い免疫反応を引き起こす。エンドトキシンは、細菌系を用いて精製した物質中のよく知られた汚染物質であり、それを除去することはそのような物質を含む治療剤を用いる安全性において極めて重要である。
実施例に示すように、本開示の製剤は、投与1時間当たり該製剤を投与した患者の体重1kg当たり5エンドトキシン未満を含む。
したがって、ある態様において、本明細書に記載の医薬製剤は0.74エンドトキシン単位/ml溶液未満を含む。
本明細書に記載の治療的有効量は多くの因子に依存し、対象ごとに異なり、本発明の分野の当業者(例えば熟練した医師)によく知られた判断により決定することができる。そのような因子には、症状の重症度、患者の年齢、体重、および一般状態、および担当医師の判断が含まれる。
一般的に、用語「治療的有効量」は、無毒性で目的とする効果、すなわち、筋細胞、ニューロン、および他の細胞、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成と関連する疾患の治療または緩和をもたらすのに充分なトレハロースの量を意味する。
用語「治療的有効量またはそれを含む医薬組成物」は、投与した製剤に含まれるトレハロースの量と理解すべきである。該製剤自身の量は、その中に含まれるトレハロースの量に応じて(すなわち、該製剤中のトレハロース濃度が約0.1%(w/v)〜約50%(w/v)であり、投与した製剤中の最大エンドトキシンレベルが5エンドトキシン単位/kg体重/時間未満であるように)変化しうる。
トレハロースの治療的有効量は、各1日1回の注射につき約1g〜約100g、および治療したヒト対象の1g/kg該対象体重/日以下の量を表す。量はかなり変化しうる。したがって、該範囲は、それぞれ10、20、50、75、100、150、200、300mg/Kg体重/日からそれぞれ400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、および1000mg/Kg体重/日までであり得る。
したがって、他の態様において、本明細書に記載のトレハロースの治療的有効量は、各単回注射につき約1g〜約100g、および約1g/kg該対象体重/日以下である。
用語「注射」および「注入」は互換性に用い、本明細書に記載の製剤の非経口投与を表す。
治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬組成物を非経口投与し、単回用量または単回投与/日で(同じでも異なっていてもよい)複数用量として投与することができるか、または複数用量を複数の1日1回または1週間に1回、または1月に1回またはそれ以上の持続投与により非経口投与することができる。
上記の治療的有効量のトレハロースまたは医薬組成物を、単回用量または単回投与/日で(同じでも異なっていてもよい)複数用量として、または所望により複数投与/日で(同じでも異なっていてもよい)複数用量として、またはさらに所望により等用量、または徐々に増加する用量、または徐々に減少する用量、またはさらに慢性的または定期的な投与計画でIV、IP、またはIMする。
最適な投与スケジュールは、患者の身体中の薬剤蓄積量の測定値から算出することができる。最適用量は、投与方法論と反復速度により決定することができる。一般的には、用量は、体重に従って計算し、1回、または1日1回、1週間に1回、1月に1回、1年に1回、または数年に1回投与することができる。当業者は、体液または組織中の本発明の混合組成物の測定した滞留時間および濃度に基づいて投与の反復速度を容易に推定することができる。治療の成功後、患者は疾患状態の再発を避けるため本発明の混合組成物を維持用量で1日1回、1回またはそれ以上投与する維持療法を受けることが望ましいかもしれない。
ある態様において、本明細書に記載の治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を慢性的に投与する。
本明細書に記載の用語「慢性的に」は、予め決定した頻度で投与する一定の投与計画を表す。したがって、投与は、例えば単回非経口投与または複数回非経口投与(特に静脈内投与)で1日1回、1週間に1回、1月に1回の投与計画に基づくことができる。
ある態様において、本明細書に記載の頻度は1日に1回〜1月に1回であり、すなわち、治療的有効量の該トレハロースまたはそれを含む医薬製剤を1日に1回〜1月に1回の頻度で投与する。
他の態様において、本明細書に記載の頻度は、毎日(1日1回)、すなわち1週間に7回、または1週間に6、5、4、または3回、1週間に2または1回、2週間に1回、3週間に1回、または1月に1回である。
特定の態様において、本明細書に記載の頻度は1週間に1回である。他の態様において、治療的有効量のトレハロースまたは該医薬製剤中に含まれるトレハロースを1週間に1回単回注射で投与する。上記および他の態様において、治療的有効量のトレハロースまたは該医薬製剤中に含まれるトレハロースを約10mg/kg/日〜約1g/kg/日のトレハロースで1日1回投与する。
添付の実施例に記載のごとく、進行中の臨床試験において水性注射可能トレハロースを含む医薬製剤を、8、15、または30g/対象で1週間に1回静脈内投与する。したがって、上記および他の態様において、治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を約5〜約35gのトレハロースの単回用量で静脈内投与し、これを1日に1回、1日おきに、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1月に1回投与することができる。さらなる態様において、治療的有効量のトレハロースまたは該医薬製剤中に含まれるトレハロースを、5、8、15、30、40、または50gのトレハロースの単回用量で投与する。
他の態様において、治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を注射可能溶液に適合させ、投与速度を最大エンドトキシンレベルが5エンドトキシン単位/kg体重/時間未満とする。
用語「投与の速度」は、注入速度(すなわち投与速度)を意味する。
さらなる態様において、治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を静脈内投与に適合させ、該投与を約75〜120分間未満以内、例えば限定されるものではないが90分間以内に完結する。また、投与期間は、投与する開示した注射可能トレハロース製剤の容量/量に依存する。
したがって、ある態様において、静脈内投与に適合した該医薬製剤中に含まれる治療的有効量のトレハロースの投与は、約75〜約120分間以内、特に90分間未満に完結する。さらなる態様において、トレハロースまたはそれを含む医薬製剤の投与は、等用量、または徐々に増加する用量、または徐々に減少する用量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤の投与計画を含む。
ある態様において、治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を定期的に投与する。
用語「定期的に」は、トレハロースの投与を本明細書に記載の連続慢性投与計画で行うことができ、これは患者の病状に応じて「無治療」の期間(すなわち「休薬期間」、すなわち本明細書に記載の患者への活性物質の投与を一定期間停止するとき)で時間的に分離しうることを意味する。
本明細書に記載の該治療の有効性の決定は、当業者に知られたあらゆる方法で行うことができる。例えば、治療する疾患がOPMDである場合の治療の有効性は、OPMDを診断または治療するためのあらゆる知られた方法と関連して実施することができる。OPMDの1またはそれ以上の兆候または症状の緩和は、該化合物が臨床的利益をもたらすことを示す。
したがって、本開示の主題の疾患はOPMDであり、その場合は本明細書に記載の治療の有効性は、患者の体重をモニターし、患者に氷冷水を80ml飲ませ、この容量を完全に摂取した時間(秒)を記録する「飲水試験」を実施し、嚥下障害を試験するための有用な補助手段である嚥下内視鏡検査(FEES)を行うことにより行うことができる。FEES法は、臨床医が喉頭と咽頭の構造を明確に見ることができるように患者の下咽頭に経鼻的にフレキシブル光ファイバー内視鏡を挿入することを含む。次に、患者に種々の作業(例えば食物および液体ボーラス)をさせて咽頭および喉頭のメカニズムの知覚および運動状態を評価する。この試験から得られた情報は、気道を保護する能力、気道の保護を数秒間持続させる能力、物質を流出させずに下咽頭中に速やかに嚥下を開始する能力、下咽頭を食塊が移動するタイミングと方向、嚥下中の食塊を除去する能力、下咽頭中の物質の貯留および残存の存在、食塊の流れと気道保護のタイミング、咽頭/喉頭構造の感受性、および嚥下に対する解剖学的構造の影響を含む。
OPMDの治療の有効性を評価するためのさらなる試験には、患者の嚥下評価能力を客観的に測定するために開発されたSWAL-QOL試験(嚥下に関する約10のクオリティオブライフ概念の種々の因子を5段階評価で患者に評価してもらう44項目の方法)、および筋肉強度評価(「階段上り」試験、「30秒間の座位から立位へ切り替え」試験、「30秒間のウエイトアームレイズ」試験などを含む近位筋の虚弱の評価)が含まれる。
本明細書に記載の用語「それを必要とする対象」は、本明細書に記載の疾患または障害、すなわち筋細胞、ニューロン、および他の細胞、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成と関連する疾患に罹患している対象である。
ある態様において、本開示は、トレハロースまたはその医薬的に許容される誘導体を含む製剤であって、トレハロース(またはその誘導体)またはトレハロースまたはその誘導体の少なくとも部分を持続および/または制御放出されるように製剤化し、トレハロースまたはその誘導体の部分を患者に投与した時に即放出するように製剤化する製剤を提供する。
ある態様において、活性成分のトレハロースまたはその誘導体の有効血清レベルは、トレハロース投与後約10〜約20、または30、または40、または50、または60分間以内に達成される。ある態様において、活性成分の有効血清レベルは、トレハロース投与後約5〜約20、または30、または40、または50、または60分間以内に達成される。ある態様において、活性成分の有効血清レベルは、トレハロース投与後約20〜約20、または30、または40、または50、または60分間以内に達成される。ある態様において、活性成分の有効血清レベルは、トレハロース投与後約5、10、15、20、30、40、50、または60分間以内に達成される。
本発明者らは、非経口経路に基づきトレハロースを投与するための革新的アプローチを開発した。これらのアプローチは、目的とする送達系のための担体、例えば適切な界面活性剤/共界面活性剤組成物、またはミクロ/ナノ粒子(例えばリポソームまたはナノリポソーム)、または活性成分封入ポリマー、または他の添加剤、または賦形剤の細心な選択に基づき、望む特性を有する送達系(例えば製剤)の合理的設計を提供する。
非経口経路には、皮下および経皮(完全な皮膚を通した拡散)投与が含まれる。ある態様において、本発明の製剤を侵襲的治療方法、例えば静脈内投与、筋肉内投与などにより投与する。
別の投与方法は、当該分野で知られた高量のトレハロースをロードした赤血球を用いることができる。高量のトレハロースで赤血球をロードするとその生存率が増加することが現在知られている。トレハロースで高度にロードしたそのような赤血球は、本開示に従って必要とする対象にトレハロースを静脈内送達するためのビークルとしての役目を果たすことができる。
医薬用途でトレハロースを投与するには安全で効率的な送達系が必要である。本開示は、その特異的な物理化学的特性により種々の物質を安全に送達するための送達系(例えば非経口投与用製剤)を提供する。該送達系は、その独特な物理化学的特性に基づいてトレハロース吸収の効率と量を顕著に増強し、より低濃度または低量の活性物質を生物学的に活性な形で対象に送達するのを可能にする。本送達系は、活性物質を組織に直接接近させ、それを必要とする対象にトレハロースの速やかまたはほぼ速やかな効果をもたらす。
したがって、ある態様において、本発明は、治療した対象の疾患の症状の軽減の速やかな回復のための適切な担体中に該トレハロースまたはその生理学的活性誘導体を活性成分として含む、トレハロースまたはその生理学的活性誘導体の投与を改善するための医薬送達系を提供する。
ある態様において、薬物送達系は、制御放出形態で活性物質を提供することができる。ある態様において、本発明の薬物送達系はさらに少なくとも1のさらなる医薬活性剤を含みうる。
本開示の送達系は、一般的に、緩衝剤、そのモル浸透圧濃度を調整する物質、および所望により当該分野で知られた1またはそれ以上の医薬的に許容される担体、賦形剤および/または添加剤を含むことができる。補助的な医薬的に許容される活性成分も該組成物に組み込むことができる。該担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、その適切な混合物、および植物油を含む非経口投与可能な組成物に適した溶媒または分散媒質でありうる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングを用いることにより、分散物の場合は必要な粒子サイズを維持することにより、そして界面活性剤を用いることにより維持することができる。
上記のごとく、本トレハロース送達系は、制御、持続、または遅延放出製剤で投与することができる。例えばLanger 1990 [16]に記載されているような当業者に知られたあらゆる制御または持続放出方法を本開示の主題の製剤および方法と共に用いることができる。そのような方法は、医薬的有効用量の本発明の組成物をそのような方法の対象に連続的に送達するために持続放出組成物またはコートされた埋込可能な医薬器具を投与することを含む。持続放出は、本目的のために設計および処方したパッチを用いて達成することもできる。制御または持続放出組成物には、脂溶性デポー(例えば脂肪酸、ワックス、油)の製剤が含まれる。ポリマー(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)でコートされた粒子組成物も本発明に含まれる。持続放出製剤、器具、またはあらゆる局所用製剤は、該組成物を安定化し、または皮膚や粘膜などの生物学的バリアに浸透するための組成物をさらに含むことができる。典型的なさらなる成分には、あらゆる生理学的に許容される界面活性剤または溶媒、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)を含みうる。
ある態様において、本発明の組成物中のトレハロースは、少なくとも0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12時間の期間にわたり持続または制御放出するように製剤化することができる。ある態様において、本発明の組成物中のトレハロースは、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12時間の期間にわたり持続または制御放出するように製剤化することができる。ある態様において、本発明の組成物中のトレハロースは、約0.5または1または2または3または4時間〜約5、6、7、8、9、10、11、または12時間の期間にわたり持続または制御放出するために製剤化することができる。ある態様において、本発明の組成物中のトレハロースは、約5または6または7または8時間〜約9、10、11、または12時間の期間にわたり持続または制御放出するように製剤化することができる。ある態様において、本発明の組成物中のトレハロースは、即時、急速バースト放出形でありうる。
ある態様において、本発明の組成物中のトレハロースは、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、または8時間で総トレハロースの5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、99.5、または100%以下を放出するように製剤化することができる。ある態様において、本発明の組成物中のトレハロースは、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、または8時間に総トレハロースの5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、99.5、または100%以上を放出するように製剤化することができる。
ある態様において、本発明の組成物中のトレハロースは、持続放出または徐放と即時または急速またはバースト放出形の組み合わせでありうる。ある態様において、持続放出または徐放トレハロースと即時または急速たはバースト放出トレハロースの相対比は、例えば、1対99、5対95、10対90、15対85、20対80、25対75、30対70、35対65、40対60、45対55、50対50、55対45、60対40、65対35、70対30、75対25、80対20、85対15、90対10、95対5、または99対1である。
ある態様において、ポリマー物質を用いてトレハロースの放出を持続させるかまたは制御する。ある態様において、ポリマー物質の種類とその使用量は、本発明の組成物および送達系からのトレハロースの放出速度に大きな影響を及ぼす。ポリマーの例には疎水性および親水性ポリマーの両方が含まれる。疎水性ポリマーの例には、限定されるものではないが、エチルセルロース、および他のセルロース誘導体、脂肪、例えばグリセロールパルミト-ステアレート、蜜ろう、グリコワックス、カストールワックス、カルナウバワックス、グリセロールモノステアレート、またはステアリルアルコール、疎水性ポリアクリルアミド誘導体、および疎水性メタクリル酸誘導体、およびこれらポリマーの混合物が含まれる。親水性ポリマーには、限定されるものではないが、親水性セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、およびヒドロキシエチル メチルセルロースポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアセテート、ポリヒドロキシエチル メタクリレート、およびこれらポリマーの混合物が含まれる。さらに、所望により1またはそれ以上の疎水性ポリマーおよび1またはそれ以上の親水性ポリマーのあらゆる混合物を用いることもありうる。
本発明の組成物および送達系に含まれるトレハロースは、リポソーム、ミクロおよびナノ粒子中に封入することができる。
ある態様において、本発明の組成物および送達系に用いるポリマー物質は、微晶質セルロース、例えば「Avicel PH 101」(FMC BioPolymer's製造)である。あるいはまた、本発明の組成物および送達系に用いるポリマー物質は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば「メトロース」(Shin-Etsu Chemical Co.製造)である。ある態様において、本発明の組成物および送達系に用いるポリマー物質は、エチルセルロース、例えば「Ethocel(登録商標)」(The Dow Chemical Company製造)である。ある態様において、本発明の組成物および送達系に用いるポリマー物質は、アクリルポリマー、例えば「Eudragit RS(登録商標)」(Rohm GmbH製造)である。ある態様において、本発明の組成物および送達系に用いるポリマー物質は、コロイド状二酸化ケイ素、例えば「Aerosil(登録商標))(Degussa製造)である。ある態様において、本発明の組成物および送達系に用いるポリマー物質は、ポリ(ビニルアセテート)、例えば「Kollicoat SR」(BASF製造)である。ある態様において、本発明の組成物および送達系に用いるポリマー物質は、酢酸エチルおよびビニルアセテート溶液、例えば「Duro-Tak」(Delasco Dermatologic Lab & Supply、Inc.製造)である。
ある態様において、本発明の送達系は送達器具を含む。ある態様において、本発明の組成物は、浸透圧ポンプなどによる制御された速度の浸透圧法で送達される。該系は、浸透圧的に活性な物質を速度調節半透膜でコーティングすることにより構築することができる。この膜は、物質が送達されるのに重要なサイズの穴を含みうる。液体と接触した後の剤形は、膜の液浸透性とコア製剤の浸透圧により決定された速度で水を吸収する。この水の浸透圧吸収は、膜の送達穴から制御された速度で分散し、コア中に活性物質の飽和溶液の形成をもたらす。
ある態様において、本発明の組成物は生分解性微粒子を用いて送達される。ある態様において、微粒子を製造する系は、ポリマーが溶解した揮発性溶液からなる有機相と水性相中に乳化した封入すべき物質からなる。ある態様において、微粒子マトリックスに用いることができる生分解性ポリマーには、ポリ乳酸(PLA)または乳酸とグリコール酸のコポリマー(PLAGA)が含まれる。PLAGAポリマーは、徐々にそのモノマー成分に加水分解され、自然の生命現象により身体から容易に除去される。
調製物は吸収促進剤と他の所望の成分も含みうる。吸収促進剤の例には、限定されるものではないが、シクロデキストリン、リン脂質、キトサン、DMSO、Tween、Brij、グリココーレート、サポニン、フシデート、およびエネルギーベースの吸収促進装置が含まれる。
剤形中に存在する所望の成分には、限定されるものではないが、希釈剤、結合剤、潤滑剤、結合剤、潤滑剤、界面活性剤、着色料、香味料、緩衝剤、保存料、安定化剤などが含まれる。
希釈剤(「賦形剤」ともいう)には、例えば、りん酸二カルシウム二水和物、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、加水分解デンプン、二酸化ケイ素、コロイド状シリカ、酸化チタン、アルミナ、タルク、微晶質セルロース、および粉砂糖が含まれる。液体形で投与するための希釈剤には、例えば、エタノール、ソルビトール、グリセロール、水などが含まれる。
結合剤を用いて該製剤に粘着性をもたせる。適切な結合剤物質には、限定されるものではないが、デンプン(コーンスターチおよびアルファ化デンプンを含む)、ゼラチン、糖(ショ糖、グルコース、デキストロース、ラクトース、およびソルビトールを含む)、ポリエチレングリコール、ワックス、天然および合成ガム、例えばアカシア、トラガカント、アルギン酸ナトリウム、セルロース、およびVeegum、および合成ポリマー、例えばポリメタクリレートおよびポリビニルピロリドンが含まれる。
製造を促進するために潤滑剤を用いる。適切な潤滑剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、およびポリエチレングリコールが含まれる。
界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、両性、または非イオン性界面活性剤でありうるが、陰イオン性界面活性剤が好ましい。適切な陰イオン性界面活性剤には、限定されるものではないが、ナトリウム、カリウム、およびアンモニウムイオンなどの陽イオンと結合したカルボン酸、スルホン酸、および硫酸イオンを含むものが含まれる。特に好ましい界面活性剤には、限定されるものではないが、長アルキル鎖スルホネート、およびアルキルアリールスルホネート、例えばナトリウムドデシルベンゼンスルホネート;ジアルキルナトリウムスルホスクシネート、例えばナトリウムビス-(2-エチルヘキシル)-スルホスクシネート;および硫酸アルキル、例えばナトリウムラウリルサルフェートが含まれる。安定化剤、例えば抗酸化剤には、限定されるものではないが、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸、メタ重亜硫酸カルシウム、ヒドロキノン、および7-ヒドロキシクマリンが含まれる。
所望により、本発明の組成物は、少量の無毒性補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、保存料なども含みうる。
記載したように、本発明のあらゆる組成物は、治療する対象が罹患している疾患を治療するために単独または1またはそれ以上のさらなる治療薬と組み合わせて用いることができる。組成物または送達系を製造するための担体物質と組み合わせることができる化合物およびさらなる治療薬の両方の量は、治療する受容者と特定の投与方法に応じて変化する。ある態様において、本発明の組成物は、0.01〜1g/kg体重/日の用量のトレハロースを投与することができるように製剤化すべきである。トレハロースの用量は、患者の病状および疾患および望む1日用量に依存する。ヒトの治療法において、1日用量は、10〜3000mg、例えば、10、15、20、30、40、50、75、100、200、300、400、500、600 700、800、900、または1000mgでありうる。これらの量を1日により少ない2〜3用量に分割することができる。
ある態様において、本発明の組成物および送達系中の活性成分は、互いに組み合わせて相乗的に作用することができ、さらにさらなる治療薬の存在下で相乗的に作用することができる。したがって、そのような組成物中の化合物およびさらなる治療薬の量は、該治療薬のみを用いる単独療法で必要な量より少ないだろう。
本明細書に記載の製剤の毒性および治療効果は、細胞培養または実験動物を用いる標準的医薬的方法、例えば、最大耐容用量(MTD)、最大反応の50%を達成する有効用量であるED50、およびMTDのED50に対する比である治療指数(TI)を決定するのに用いる方法により決定することができる。明らかに、高TIの製剤が本明細書において最も好ましい製剤であり、好ましい投与計画は望ましい治療効果を維持するための最小濃度またはそれ以上にトレハロースの血漿レベルを維持するものである。もちろん、投与量は、多くの因子、意図した送達部位、投与経路、および処方医師が知っている他の関連因子にも依存する。
上記のごとく、本明細書に記載のトレハロースまたはそれを含むあらゆる製剤は、治療する対象が罹患している疾患を治療するために単独または1またはそれ以上のさらなる治療薬と組み合わせて用いることができる。トレハロースまたはそれを含むあらゆる製剤と組み合わせることができる化合物およびさらなる治療薬の両方の量は、治療する対象、特定の疾患、および投与方法によって異なる。
ある態様において、本発明の組成物および送達系における活性成分は、互いにくみあわせて相乗的に作用することができ、さらにさらなる治療薬の存在下で相乗的に作用することができる。したがって、そのような組成物中の化合物およびさらなる治療薬の量は該治療薬のみを用いる単独療法に必要なものより少ないだろう。
その局面の別の態様において、本開示の主題は、それを必要とするヒト対象の筋細胞、ニューロン、および他の細胞、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成と関連する疾患、または少なくとも1のその関連症状を治療または緩和する方法であってそれを必要とするヒト対象に治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を非経口投与することを含む方法、に用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を提供する。
その局面のさらに別の態様において、本開示の主題は、治療的有効量のトレハロースを唯一の活性成分として含む水性医薬製剤であって、pH約4.5〜7.0であり、0.74エンドトキシン単位/ml未満であり、非経口投与に適合した該医薬製剤を提供する。
ある態様において、本明細書に記載の水性医薬製剤は、静脈内、筋肉内、または腹腔内投与に適合しうる。他の態様において、本明細書に記載の水性医薬製剤は、静脈内、筋肉内、または腹腔内投与に適合する。上記のごとく、本明細書に記載の水性医薬製剤は、所望によりさらに少なくとも1の医薬的に許容される添加剤、担体、賦形剤、または希釈剤を含む。
さらなる態様において、本明細書に記載の水性医薬製剤はトレハロース濃度が約0.1%(w/v)〜約50%(w/v)である。さらに特定の態様において、本明細書に記載の水性医薬製剤はトレハロース濃度が約10%(w/v)である。
ある態様において、本明細書に記載の水性医薬製剤はモル浸透圧濃度が約280〜330mOsm/kgである。他の態様において、本明細書に記載の水性医薬製剤を1日に1回〜1月に1回の頻度で投与する。
本明細書に記載の水性医薬製剤は、トレハロースの該治療的有効量が各1日注射につき約1g〜約100gであり、約1g/kg該対象体重/日以下でありうる。
他の態様において、本明細書に記載の水性医薬製剤を約10mg/kg/日〜約1g/kg/日のトレハロースを1日1回投与する。さらなる態様において、本明細書に記載の水性医薬製剤を約5〜約35gの用量のトレハロースを1日に1回〜1月に1回の頻度で投与する。
さらに特定の態様において、本明細書に記載の水性医薬製剤を1日に1回、1日おきに、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1月に1回投与する。さらに特定の態様において、本明細書に記載の水性医薬製剤は用量が5、8、15、30、40、または50gである。
さらなる態様において、本明細書に記載の水性医薬製剤は、投与速度を最大エンドトキシンレベルが5エンドトキシン単位/kg体重/時間未満であるようにする。本開示の主題の水性医薬製剤は、静脈内投与に適合し、該投与が約75〜約120分間以内、特に90分間未満に完結するものでありうる。
ある態様において、本明細書に記載の水性医薬製剤は、それを必要とするヒト対象の筋細胞、ニューロン、および他の細胞、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成と関連する疾患を治療し、またはその関連兆候または症状を緩和するためのものである。
さらに、本開示の主題は、以下を含むキットを提供する:
(a) 医薬的に許容されるトレハロースまたはその活性誘導体;
(b) 少なくとも1の医薬的に許容される添加剤、担体、賦形剤、および希釈剤;
(c) 該トレハロースと該添加剤、担体、賦形剤、および希釈剤の少なくとも1を混合することにより該トレハロースの注射可能水性溶液を製造するための手段;
(d) 該注射可能溶液を必要とする患者に非経口投与する手段;
(d) 使用説明書。
該トレハロースの注射可能水性溶液は、当該分野でよく知られた、例えば本明細書の添付の実施例に記載のあらゆる方法により製造することができる。本明細書に記載の注射可能溶液の非経口投与は当業者によく知られている。
本明細書で用いている用語「約」は、言及する値より最大1%、より具体的には5%、より具体的には10%、より具体的には15%、ある場合には最大20%まで高くまたは低く逸脱しうる値を示し、偏差範囲は整数値および妥当な場合は連続範囲を構成する非整数値も含む。
本発明をさらに下記実施例で説明するが、これは特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を限定するものではない。
上記および下記特許請求の範囲に記載の本発明の種々の態様および局面は下記実施例に実験的裏付けがある。
開示および記載したように、本発明は本明細書に開示した特定の実施例、方法 工程、および組成物に限定されず、そのような方法 工程、および組成物は幾分変化しうると理解すべきである。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ限定されるので、本明細書で用いている用語は、特定の態様を説明するためだけに用い、限定を意図するものではないと理解すべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いている単数形「a」、「an」、および「the」は内容が明確にそうでないと示さない限り複数指示対象を含むことに留意する必要がある。
下記実施例は本発明の局面を実施するのに本発明者らが用いた代表的技術である。これらの技術は本発明を実施するための好ましい態様の典型であるが、当業者は本開示に照らして本発明の精神と意図する範囲から逸脱することなく多くの修飾をなすことができると認識するだろうと認識すべきである。
(実施例)
さらなる詳述なしに、当業者は先の説明を用いて本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、下記の好ましい特定の態様は単なる例示であって、本発明なんら限定するものではないと解釈すべきである。
本明細書に具体的に記載されていない当該分野で知られた標準的分子生物学プロトコールは、一般的に、Sambrook & Russell、2001の記載に実質的に従う。当該分野で知られた標準的医薬品化学的方法は、一般的に、種々の著者および編者による「Comprehensive Medicinal Chemistry」シリーズ(Pergamon Pressにより出版)に本質的に従う。
トレハロース
トレハロース二水和物を2つの異なる市販供給源(HayashibaraおよびPfanstiehl)から得た。試料を分析するまで室温に保ち、許容された方法で分析し詳細を検証した。結果を下記表1に示す。
Figure 2019142907

表1トレハロース二水和物の分析
上記表1に示すように、試験するトレハロース二水和物調製物は、医薬組成物中のトレハロースの使用に関する常識に適う、すなわち、97.0〜102.0%w/wの活性成分(トレハロース)を含み、トレハロース前に溶出するあらゆるピークの濃度が0.5%w/w未満であり、グルコースが0.5%w/w未満であり、トレハロース後に溶出するあらゆるピークが0.5%w/w未満である。用いるトレハロースは、97.0〜102.0%w/wの活性成分(トレハロース)を含み、グルコースが0.5%w/w未満で、他の夾雑物が1%である市販のトレハロース二水和物であった。
IV注射用のトレハロース溶液の製造
トレハロースを含む製剤を、無菌条件下でトレハロース二水和物を水に溶解して製造し、得られた透明無色の液体を分析しあらゆる不純物または夾雑物を同定する。
Figure 2019142907

表2 トレハロース製剤の製造
該製剤は無菌で10%トレハロースを含み、総不純物濃度0.1%、pH6.2、モル浸透圧濃度289mOsm/kg、およびエンドトキシン0.1EU/ml未満である。
前臨床薬物動態試験
雄Sprague-Dawley(SD)ラットにおけるトレハロースの血漿および筋肉濃度を静脈内ボーラス(IV)および経口胃管栄養(PO)投与後に測定した。
試験のすべての適用部分を動物ケアと福祉に関する以下の規制および指針で確認した:「Guide for the Care and Use of Laboratory Animals」、National Research Council ILAR、1996年改訂で報告されたAAALAC International(国際実験動物ケア評価認証協会)およびNIHの指針。
本試験は42匹のSDラット(雄、体重250〜350g、the Shanghai SLAC Laboratory Animal Co. Ltd.)を含んだ。動物に用量5ml/kgでトレハロース製剤(無菌水中のトレハロース二水和物200mg/mL)を静脈内または経口投与し、名目用量1gr/kgを達成した。
各用量の投与後に血液試料を採取し、血漿を得た。筋肉試料(後肢筋肉)を採取し、ホモゲナイズした。血漿および筋肉ホモゲネート試料中のトレハロース濃度を適当な生物分析LC/MS/MS法により分析した。
薬物動態データ分析
トレハロースの血漿濃度データをWinNonlinソフトウエアプログラム(バージョン6.3、Pharsight、Mountain View、CA)を用いる非コンパートメント薬物動態分析にかけた。0時インターセプト濃度(C0)、分布容量(Vdss)、クリアランス(Cl)、ピーク血漿濃度(Cmax)、および対応するピーク時間(Tmax)、終末相半減期(T1/2)、0時〜最終時点の平均滞留時間(MRT)(MRT0-last)、0時〜無限大のMRT(MRT0-inf)、0時〜最終時点の血漿濃度-時間曲線下面積(AUC)(AUC0-last)、および0時〜無限大のAUC(AUC0-inf)を線形/対数台形公式を用いて計算した。実際のサンプリング時間と名目サンプリング時間の間に5%より大きいいかなる偏差もなかったので、名目サンプリング時間を用いてすべての薬物動態パラメーターを計算した。血漿濃度に対する筋肉濃度値、および筋肉対血漿濃度およびAUC比の値(M/P比)の両方を計算した。
血漿および筋肉中のトレハロース濃度
雄SDラットに1000mg/kgのトレハロース二水和物溶液(200mgトレハロース二水和物/1mL滅菌水)を単回静脈内または経口投与後の血漿および筋肉中のトレハロースの薬物動態パラメーターを下記表3に示す。
雄SDラットに1000mg/kgのトレハロース二水和物溶液(200mgトレハロース二水和物/1mL滅菌水)を静脈内または経口投与後のトレハロースの個々のおよび平均血漿濃度を表3に示し、図1に図示する。
雄SDラットに1000mg/kgのトレハロース二水和物溶液(200mgトレハロース二水和物/1mL滅菌水)を単回静脈内または経口投与後のトレハロースの個々のおよび平均血漿濃度も表3に示す。雄SDラットに1000mg/kgのトレハロース二水和物溶液を単回静脈内または経口投与後のトレハロースの血漿および筋肉濃度の比較を図2〜3に図示する。
試験群1〜5の雄絶食SDラットに1000mg/kgのトレハロース溶液(200mgトレハロース二水和物/1mL滅菌水)を単回静脈内投与後、トレハロースは、17.2mL/min/kg(ラット肝臓血流の約31.3%(=55mL/min/kg))の総クリアランス(CI)を示し、平均排出半減期(T1/2)は2.07時間であった。C0は1,370,000ng/mLであった。
容量分布(Vdss)は0.685L/kgであった。平均血漿暴露AUC0-last(48hr)は778,000ng・hr/mLであった。
試験群6〜10の雄SDラットにトレハロース二水和物溶液(200mgトレハロース二水和物/1mL滅菌水)を経口投与すると投与後0.5時間(Tmax)でトレハロース最大血漿濃度(Cmax=4,280ng/mL)に達した。AUC0-last(3hr)は4,520ng/mL・hrであった。トレハロースの絶対バイオアベイラビリティは0.601%と低いと推定された。
トレハロースの薬物動態特性は、急速に吸収され、時間とともにピーク血漿濃度に達することを示したが、絶対経口バイオアベイラビリティは非常に低く、該化合物は顕著なプレシステミック代謝を受けるかもしれない。
試験群1〜5の雄SDラットに1000mg/kgのトレハロース二水和物溶液(200mgトレハロース二水和物/1mL滅菌水)を単回静脈内投与後、筋肉中のトレハロースのCmaxは3730ng/mLであり、投与後8時間(Tmax)にみられた。筋肉暴露AUC0-last(48hr)は107,000ng・hr/mLであり、排出半減期は33.8時間であった。薬剤処置経口群(群6〜10)の筋肉試料のPKパラメーターは、LLOQより低く計算できなかった。
筋肉トレハロース濃度の血漿濃度に対する平均比は、静脈内投与後の雄SDラットで2.88〜3.76であった。経口投与したトレハロースの筋肉/血漿濃度比はLLOQより低く、計算できなかった。
結論
雄SDラットに1000mg/kgの滅菌水中トレハロース二水和物溶液を静脈内または経口投与後の血漿および筋肉組織中のトレハロースを測定した。また、薬剤処置群の試験動物から得た各試料で血漿グルコースをモニターした。以下のように結論できる:
最初に、IV投与後のトレハロースの総クリアランス(Cl)は17.2mL/min/kgであり、肝臓血流量の約31.3%(肝除去率の中等度の値)を占めた。VdssおよびT1/2はそれぞれ0.685L/kgおよび2.07時間であった。平均血漿暴露AUC0-lastは778,000ng・hr/mLであった。
経口投与後、トレハロースは、急速に吸収され、Tmaxは投与後0.50時間に認められたが、絶対経口バイオアベイラビリティは0.601%と低く、プレシステミック代謝が重要な役割を果たすかもしれないことを示唆する。トレハロースのT1/2は、経口投与ラットで静脈内投与群に比べて顕著に短かった。
IV投与後、平均筋肉トレハロース濃度/血漿濃度比は、雄SDラットで2.88〜3.76であった。
最後に、ラットはトレハロース二水和物に所定の用量で十分耐容性であることがわかった。
Figure 2019142907

表3 薬物動態パラメーター
したがって、表3に示すようにIV投与した製剤のトレハロースは血漿中で2.07のT1/2を示し、経口投与した製剤のトレハロースで得られた血漿T1/2より2倍以上高かった(0.740時間)。さらに、IV投与した製剤のトレハロースで得られた筋肉T1/2は33.8時間であった。また、該製剤をIV投与した時の血漿および筋肉で得られたAUC値は経口投与した製剤の各AUC値より有意に高かった。
さらに、図1に示すように、IV投与した製剤のトレハロースの平均血漿濃度は試験した各時点で経口投与した製剤のトレハロースの平均血漿濃度より高い。
興味深いことに、静脈内投与したトレハロース製剤のトレハロースの血漿対筋肉濃度を示す図2は、トレハロースの筋肉濃度が血漿濃度より高いことを示す。トレハロースの血漿および筋肉濃度は、経口投与したトレハロース製剤で検出不能であった。
エンドトキシンレベルの測定
静脈内投与した製剤中のエンドトキシンの最大許容レベルは5エンドトキシン単位(EU)/kg体重/時間(5EU/kg/hr)であると認められる。トレハロース製剤(トレハロース二水和物の滅菌水溶液)の理論的最大エンドトキシンレベルIV/kg体重/時間(K)を決定するために、下記計算を行った:
Figure 2019142907

表4 トレハロース製剤中の最大エンドトキシンレベルの計算
上記表4に示すように、標準的溶媒(例えば水、生理食塩水など)を用いて製造したトレハロース製剤中のエンドトキシンレベル/mlは0.74EU/mlである。体重60、50、および40kgについて75分間の中程度の注入速度と仮定すると、トレハロース10%(w/v)製剤中のエンドトキシンレベル中のエンドトキシンレベルは、15gのトレハロースを含む製剤でそれぞれ1.5、1.8、および2.2EU/kg/hrであり、30gのトレハロースを含む製剤でそれぞれ3.0、3.6、および4.4EU/kg/hrである。
したがって、体重60、50、および40kgについてエンドトキシンレベルは、15gのトレハロースを含む製剤(150ml溶媒中)でそれぞれ2、2.4、および3EU/kg/hrであり、30gのトレハロースを含む製剤(300ml溶媒中)でそれぞれ4、4.8、および6EU/kg/hrであろう。
安全性試験
トレハロースの安全性および耐容性を下記のごとく広範に検討した。トレハロースの半数致死量(LD50)をマウス、ラット、およびイヌで試験した。いずれの種も経口および静脈内投与後にいかなる毒性の兆候も示さず、死亡もなかった。結果を下記表5にまとめる。
Figure 2019142907

表5 動物におけるトレハロースのLD50
さらに、トレハロースは、安全な食品成分、および経口、眼内、およびIV製剤の担体として医薬産業で用いられるGRAS物質として認められている。種々の試験において、健康なボランティアに10〜60gの範囲のトレハロースに経口投与した。軽度な腹部症状(例えば、膨満感、鼓腸、腹鳴、および時々起きる下痢)以外に他の安全性の問題は報告されなかった[18]。トレハロースは、10年間にわたり種々の市販のタンパク質薬のタンパク質安定化剤として用いられてきており、その安全性は悪性疾患、血友病、および関連凝固障害の進行した病期の患者ポピュレーションで繰り返し確立されている。これらの薬剤は、数年間の使用が承認され、2〜3週間間隔で8時間毎の頻度で患者に投薬することがある。
トレハロースによるOPMD患者の治療
OPMDの症状を緩和しまたはOPMD患者の悪化を遅らせるトレハロースの潜在的有用性をヒト患者の臨床試験で現在実験中である。
該試験は、3医療センターで実施する眼咽頭型筋ジストロフィー(OPMD)IV患者のトレハロース水性注射可能溶液による治療の無作為化、二重盲検、用量増加、および並行群間用量制御試験である。
予備相
スクリーニング期間(第−4週/第−28日〜第0週/第0日)
スクリーニング評価は、「評価のスケジュール」に記載の治療開始前28日以内に2回の来院で行う。
治療期間1(第1週〜第24週)
すべての適格患者は試験治療を1週間に1回受ける。
最初に、すべての適格患者に1週間あたり10%(w/v)注射可能水溶液のトレハロース(8g)の1用量(80ml溶液)を静脈内投与する。これに次いで、次の週に10%(w/v)注射可能水溶液の単回トレハロース用量(15g)を静脈内投与した。安全性の検討後、後の週の次の来院時に患者を15gまたは30gのトレハロース(水性10%(w/v)溶液)を24週間投与する1:1の比(二重盲検)に無作為化する。最初の4注入を専門家の指示のもと診療所で行う。患者は「処置のスケジュール」に記載のごとく薬剤注入と試験評価のために1月に1回診療所に戻る。すべての他の1週間に1回の注入は患者の家または診療所で行うことができる。
中核相
治療期間2(第25週〜第72週)
患者にトレハロース水性注射可能溶液の1週間に1回のIV注入を続ける。
経過観察期間(投与後4週間)
患者は、第24週の最終投与後4週間、治療後の経過観察で来院する。
試験ポピュレーション
最大15名までの成人OPMD患者を3試験センターのそれぞれでの試験に登録する。合計で最小42名の患者を登録する。処置を受けないコントロール群を加えることができる。
選択基準
1. 男性および女性
2. 年齢18〜80歳(含む)
3. 遺伝的にOPMDと診断
4. 中等度の嚥下障害(スクリーニング時および最初の投与日(薬剤投与前)に異常飲水試験)
5. 患者は、歩行可能で、筋肉の機能および強度評価を行うことができなければならない。
6. 本試験に参加するためのインフォームドコンセントを書面で与える患者。
7. 肥満度指数(BMI) <30kg/m2
8. 出産可能性のある女性患者はスクリーニングで血清妊娠検査で陰性でなければならない。
9. 男性および女性は許容される受胎調節に同意しなければならない。
除外基準
1. 1型または2型糖尿病
2. 他の大きな疾患、例えば腎不全(クレアチニンクリアランス<60ml/min)、肝不全、および慢性肝疾患(例えばB型またはC型肝炎)、HIV担体、結核、SLE、リウマチ性多発性関節炎、結合組織病。
3. コントロール不良の心臓病、例えばCHF
4. 他の神経筋疾患
5. 他の食道嚥下障害関連疾患:例えば、胃食道逆流(GERD)、機械的または化学的外傷による食道狭窄、感染症(例えば食道モリニア症)、薬剤性嚥下障害(例えばビスホスホネート)、食道輪および膜、食道の痙性運動障害
6. 悪性腫瘍の病歴
7. 頸部放射線照射の病歴
8. 妊娠または現在授乳中の女性
9. 肥満(BMI30)および関連病状
10. 以前に喉頭筋切除術
11. 過去12カ月間に10%以上の体重減少
12. 注射による何らかの成分への既知の過敏症。
治験製品 経路および剤形
10%(w/v)トレハロースIV溶液を1週間に1回、単回注射で72週間投与する。該溶液を約70〜約120分間かけて送達する。第1週の初期用量/注射は8gトレハロースである。第2週の用量は15gで第3〜72週の用量は15または30gである。
安全性および耐容性
一次安全性エンドポイントは、トレハロース注射可能溶液を投与後の臨床的に有意な検査所見の異常を含む有害事象(AE)の頻度、重症度、および持続時間である。
安全性は、AEおよび併用薬;身体検査;バイタルサイン(投与前、投与中30分毎、および投与後30分間)に基づいて評価する。検査には、全血球算定(CBC)、電解質(Na、K、Cl)、BUN、クレアチニン、グルコース、肝機能検査(ALT、AST、総ビリルビン、直接ビリルビン、アルカリホスファターゼ、および血清アルブミン)、および尿検査が含まれる。
効果の結果/疾患マーカー評価
下記疾患マーカーを特定の時間に評価する:
・嚥下機能評価スコア(ビデオ蛍光観察を用いる)
・SWAL-QOL
・筋肉定時機能および強度評価
ベースラインと比較した変化を各患者で測定し、各予め決定した効果のエンドポイントでの処置群の総スコア変化を統計分析する。
体重と飲酒をさらに評価することがある。
経皮的針生検(Percutaneous Core Needle Biopsy)(PCNB)を行い、組織学的検査用に筋繊維を得る。
薬物動態
トレハロースの薬物動態を患者で15gまたは30gトレハロースの用量で評価する。トレハロースの血中濃度を投与前(薬剤投与前60分以下)と、投与開始後30分間毎に5時間またはグルコースレベルが正常にもどるまで(いずれかが最初に生じるまで)測定する。
本発明をその詳細な説明と共に記載したが、前記説明は例示であって本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。他の局面、利点、および修飾は下記特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (59)

  1. それを必要とするヒト対象の筋細胞、ニューロン、および他の細胞、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成と関連する疾患、または少なくとも1のその関連症状の治療または緩和方法であって、該対象に、治療的有効量のトレハロースまたは治療的有効量のトレハロースを含む医薬製剤を非経口投与することを含む方法。
  2. 該疾患がポリアラニン凝集障害、ポリグルタミン凝集障害、およびタウオパシーのいずれかである請求項1記載の方法。
  3. 該疾患が、眼咽頭筋ジストロフィー(OPMD)、脊髄小脳変性症(SCA)、フリードライヒ運動失調症、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、および筋萎縮性側索硬化症(ALS)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、ピック病、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、および17番染色体関連前頭側頭型認知症およびパーキンソン症候群(FTDP-17)のいずれかである請求項1または2記載の方法。
  4. 該医薬製剤が非経口投与用の注射可能溶液である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 該医薬製剤が唯一の活性成分としてトレハロースを含み、所望によりさらに少なくとも1の医薬的に許容される添加剤、担体、賦形剤、または希釈剤を含む請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 該製剤中のトレハロース濃度が約0.1%(w/v)〜約50%(w/v)である先の請求項のいずれかに記載の方法。
  7. 該製剤中のトレハロースの濃度が約10%(w/v)である先の請求項のいずれかに記載の方法。
  8. トレハロースを含む医薬製剤が約280〜約330 mOsm/Kgのモル浸透圧濃度を有する先の請求項のいずれかに記載の方法。
  9. 該投与が静脈内、筋肉内、および腹腔内投与のいずれかである請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 該医薬製剤が0.74エンドトキシン単位/ml溶液未満を含む先の請求項のいずれかに記載の方法。
  11. 該治療的有効量のトレハロースが各単回注射につき約1g〜約100gであり、約1g/kg該対象体重/日以下である先の請求項のいずれかに記載の方法。
  12. 該治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を慢性的に投与する請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 該治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を1日に1回〜1月に1回の頻度で投与する請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 該治療的有効量のトレハロースまたは該医薬製剤中に含まれるトレハロースを、トレハロース約10mg/kg/日〜約1g/kg/日で1日に1回投与する請求項13記載の方法。
  15. 該治療的有効量のトレハロースまたは該医薬製剤中に含まれるトレハロースを1週間に1回、単回注射で投与する請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  16. 該治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬組成物を、約5〜約35gトレハロースの単回用量で静脈内投与し、該投与が1日に1回、1日おきに、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1月に1回でありうる請求項13または15記載の方法。
  17. 該治療的有効量のトレハロースまたは該医薬製剤中に含まれるトレハロースを、5、8、15、30、40、または50gトレハロースの単回用量で投与する請求項13または15に記載の方法。
  18. 該医薬製剤が注射可能溶液であり、投与速度を最大エンドトキシンレベルが5エンドトキシン単位/kg体重/時間未満であるようにする請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 静脈内投与に適応した該医薬製剤中に含まれる該治療的有効量のトレハロースの投与を約75〜約120分間以内、具体的には90分間未満に完結する請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 該投与が、等用量、または徐々に増加する用量、または徐々に減少する用量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤の投与計画を含む請求項12〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 該治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を定期的に投与する請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  22. それを必要とするヒト対象の筋細胞、ニューロン、および他の細胞、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成と関連する疾患、または少なくとも1のその関連症状の治療または緩和方法であって該対象に治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を非経口投与することを含む方法、に用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  23. 該疾患がポリアラニン凝集障害、ポリグルタミン凝集障害、およびタウオパシーのいずれかである請求項22に記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  24. 該疾患が、眼咽頭筋ジストロフィー(OPMD)、脊髄小脳性運動失調(SCA)、フリードライヒ運動失調症、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、ピック病、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、および17番染色体関連前頭側頭型認知症およびパーキンソン症候群(FTDP-17)のいずれかである請求項22または23に記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  25. 該医薬製剤が非経口投与用の注射可能溶液である請求項22〜24のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  26. 該医薬製剤が唯一の活性成分としてトレハロースを含み、所望によりさらに少なくとも1の医薬的に許容される添加剤、担体、賦形剤、または希釈剤を含む請求項22〜25のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  27. 該製剤中のトレハロース濃度が約0.1%(w/v)〜約50%(w/v)である請求項22〜26のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  28. 該製剤中のトレハロース濃度が約10%(w/v)である請求項22〜27のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  29. トレハロースを含む医薬製剤が約280〜330mOsm/Kgのモル浸透圧濃度を有する請求項22〜28のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  30. 該投与が、静脈内、筋肉内、および腹腔内投与のいずれかである請求項22〜29のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  31. 該医薬製剤が0.74エンドトキシン単位/ml溶液未満を含む請求項22〜30のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  32. 該治療的有効量のトレハロースが各単回注射につき約1g〜約100gであり、約1g/Kg該対象体重/日以下である請求項22〜31のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  33. 該治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を慢性的に投与する請求項22〜32のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  34. 該治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を1日に1回〜1月に1回の頻度で投与する請求項22〜33のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  35. 該治療的有効量のトレハロースまたは該医薬製剤中に含まれるトレハロースを1日に1回、約10mg/kg/日〜約1g/kg/日のトレハロースで投与する請求項34に記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  36. 該治療的有効量のトレハロースまたは該医薬製剤中に含まれるトレハロースを1週間に1回、単回注射で投与する請求項22〜33のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  37. 該治療的有効量のトレハロースまたは該医薬製剤中に含まれるトレハロースを、約5〜約35gのトレハロースの単回用量で、1日に1回、1日おきに、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1月に1回、静脈内投与する請求項34または36に記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  38. 該治療的有効量のトレハロースまたは該医薬製剤中に含まれるトレハロースを5、8、15、30、40、または50gのトレハロースの単回用量で投与する請求項34または36に記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  39. 該治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤が注射可能溶液であり、投与速度を最大エンドトキシンレベルが5エンドトキシン単位/kg体重/時間未満であるようにする、請求項22〜38のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  40. 該治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤が静脈内投与に適しており、該投与が約75〜約120分間以内、特に90分間未満に完結する請求項22〜39のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  41. 該投与が、等用量、または徐々に増加する用量、または徐々に減少する用量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤の投与計画を含む請求項33〜40のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  42. 該治療的有効量のトレハロースまたはそれを含む医薬製剤を定期的に投与する請求項22〜32のいずれかに記載のごとく用いるためのトレハロースまたはそれを含む医薬製剤。
  43. pH約4.5〜7.0であり、0.74エンドトキシン単位/ml未満を含み、非経口投与に適している、治療的有効量のトレハロースを唯一の活性成分として含む水性医薬製剤。
  44. 静脈内、筋肉内、または腹腔内投与に適している請求項43記載の水性医薬製剤。
  45. 所望によりさらに少なくとも1の医薬的に許容される添加剤、担体、賦形剤、または希釈剤を含む請求項43または44記載の水性医薬製剤。
  46. トレハロース濃度が約0.1%(w/v)〜約50%(w/v)である請求項43〜45のいずれかに記載の水性医薬製剤。
  47. トレハロース濃度が約10%(w/v)である請求項43〜46のいずれかに記載の水性医薬製剤。
  48. 約280〜330mOsm/kgのモル浸透圧濃度を有する請求項43〜47のいずれかに記載の水性医薬製剤。
  49. 1日に1回〜1月に1回の投与で投与される請求項43〜48のいずれかに記載の水性医薬製剤。
  50. 該治療的有効量のトレハロースが各1日1回の注射につき約1g〜約100gであり、約1g/kg該対象体重/日未満である請求項43〜47のいずれかに記載の水性医薬製剤。
  51. 約10mg/kg/日〜約1g/kg/日のトレハロースを1日1回投与する請求項43〜50のいずれかに記載の水性医薬製剤。
  52. 該製剤を1日に1回〜1月に1回の頻度でその中に含まれる約5〜約35gのトレハロースの用量で投与する請求項43〜51のいずれかに記載の水性医薬製剤。
  53. 1日に1回、1日おきに、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1月に1回投与するための請求項52記載の水性医薬製剤。
  54. 該用量が5、8、15、30、40、または50gである請求項53記載の水性医薬製剤。
  55. 投与速度を最大エンドトキシンレベルが5エンドトキシン単位/kg体重/時間未満になるようにする請求項43〜54のいずれかに記載の水性医薬製剤。
  56. 該投与を約75〜約120分間以内、特に90分間未満に完結する請求項43〜55のいずれかに記載の水性医薬製剤。
  57. 筋細胞、ニューロン、および他の細胞、または細胞外コンパートメントにおける異常なタンパク質凝集および/または封入体形成と関連する疾患を治療するため、またはそれを必要とするヒト対象におけるそれと関連する兆候または症状を緩和するための請求項43〜56のいずれかに記載の水性医薬製剤。
  58. 該疾患が、眼咽頭筋ジストロフィー(OPMD)、脊髄小脳性運動失調(SCA)、フリードライヒ運動失調症、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、ピック病、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、および17番染色体関連前頭側頭型認知症およびパーキンソン症候群(FTDP-17)のいずれかである請求項57記載の水性医薬製剤。
  59. 以下を含むキット:
    (a) 医薬的に許容されるトレハロースまたはその活性誘導体;
    (b) 少なくとも1の医薬的に許容される添加剤、担体、賦形剤、および希釈剤;
    (c) 該トレハロースと該添加剤、担体、賦形剤、および希釈剤の少なくとも1を混合することにより該トレハロースの注射可能水性溶液を製造するための手段;
    (d) 必要とする患者に該注射可能溶液を非経口投与する手段;
    (e) 使用説明書。
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