以下、図1〜図13を参照して、この発明を適用した電子レジスタの一実施形態について説明する。
この電子レジスタは、図1に示すように、金銭収納装置1とタブレット端末機2とを備え、これらの間で無線通信によってデータの授受を行うように構成されている。この場合、金銭収納装置1は、横置設置である横置き状態と縦置設置である縦置き状態との何れかの状態で配置されるように構成されている。
すなわち、金銭収納装置1は、図1〜図3に示すように、筐体3を備えている。この筐体3は、横置き状態のときに、内部に金銭収納ケース4が引出可能に収納されるように構成されている。すなわち、この筐体3は、金銭収納ケース4が引き出されるまたは押し出される側の面を正面3aとして配置した横置き状態のときに、高さ方向よりも奥行き方向の方が長くなるように構成されている。
この場合、筐体3は、図1〜図3に示すように、横置き状態のときに、高さ方向よりも奥行き方向の方が長く、かつ高さ方向よりも奥行き方向と直交する筐体3の正面3aの横幅方向の方が長く形成されている。また、この筐体3の正面3aには、横置き状態のときに、筐体3の正面3aの左側の側部を除いて、金銭収納ケース4を出没させるためのケース開口部5が右寄りに設けられている。
金銭収納ケース4は、図1〜図3に示すように、筐体3内に収納された際に、筐体3の正面3aに位置する前面部がケース開口部5と同じ大きさで、筐体3の横置き状態のときに、筐体3の正面3aの横幅方向よりも短く、高さが筐体3の高さよりも少し低く、かつ奥行きが筐体3の奥行きよりも短い箱状に形成されている。この金銭収納ケース4は、筐体3の横置き状態のときに、上面側が開放された箱状に形成されている。
また、この金銭収納ケース4は、図1〜図3に示すように、スライド機構6によって筐体3内にスライド可能に収納されるように構成されている。このスライド機構6は、金銭収納ケース4の両側部に設けられたケースガイドレール6aと、筐体3内に設けられて金銭収納ケース4のケースガイドレール6aをガイドする筐体ガイドレールおよびガイドローラ(いずれも図示せず)と、を備え、金銭収納ケース4を引き出す引出方向にスライドさせるように構成されている。
また、筐体3は、図1、図5〜図7に示すように、横置き状態のときの正面3aが上面となるように配置した縦置き状態での使用が可能となるように、筐体3における横置き状態のときの上面3bの一部に手前側が開放方向となる開閉蓋7が回動機構8によって開閉可能に設けられている。
この場合、スライド機構6は、図2に示すように、金銭収納ケース4を、開放された上面が開閉蓋7で覆われた第1位置、つまり金銭収納ケース4が筐体3内に収納された状態のときの位置から、開放された上面が開閉蓋7から開放される第2位置、つまり金銭収納ケース4が筐体3内から引き出された状態のときの位置に移動させるように構成されている。
この筐体3の横置き状態のときの上面3bには、図1、図5〜図7に示すように、筐体3内に収納された金銭収納ケース4の上面側の開放面に対応する蓋開口部10が設けられている。この蓋開口部10は、筐体3の横置き状態で筐体3の正面3aを手前側に向けたのときに、左側の側部と奥側の奥部とを除いて、右前側に偏って設けられている。開閉蓋7は、蓋開口部10と同じ大きさで、筐体3内に収納された金銭収納ケース4を覆って蓋開口部10を開閉可能に塞ぐように構成されている。
回動機構8は、図1および図6に示すように、筐体3の横置き状態のときに、奥行き方向における開閉蓋7の奥側に設けられた回動軸8aを備え、この回動軸8aの両端部が筐体3の上面3bの蓋開口部10の奥側に回転可能に取り付けられた構成になっている。これにより、開閉蓋7は、回動機構8の回動軸8aを中心に上下方向に回動することにより、蓋開口部10を開閉可能に塞ぐように構成されている。
すなわち、この回動機構8は、図1および図6に示すように、横置き状態のときの筐体3の正面3aが上面となり、横置き状態のときの筐体3の上面3bが正面となる縦置き状態のときに、蓋開口部10の奥側が下部側となり、この下部側に回動軸8aが位置し、この回動軸8aを中心に開閉蓋7を手前側に回転させて蓋開口部10を開放させるように構成されている。
ところで、金銭収納ケース4は、図2および図3に示すように、筐体3が横置き状態のときに、上側が金銭投入口として開放された箱状に形成されている。この金銭収納ケース4は、内部に複数の硬貨ボックス11と第1紙幣ボックス12とが着脱可能に収納されるように構成されている。硬貨ボックス11は、硬貨を金種ごとに収納するケースであり、上面側が硬貨投入口として開放されている。第1紙幣ボックス12は、紙幣を金種ごとに収納するケースであり、上面側が紙幣投入口として開放されている。
この場合、硬貨ボックス11は、図2および図3に示すように、筐体3が横置き状態のときに、金銭収納ケース4の引出方向つまりスライド方向である前後方向に対して直交する横幅方向が金銭収納ケース4とほぼ同じ長さで、金銭収納ケース4の引出方向つまりスライド方向である前後方向の長さが、金銭収納ケース4の前後方向の長さのほぼ1/4程度と短く、かつ上下方向の高さ(深さ)が金銭収納ケース4の高さ(深さ)の半分程度と低い(浅い)ほぼ箱状に形成されている。
すなわち、これら複数の硬貨ボックス11は、図2および図3に示すように、筐体3が横置き状態のときに、金銭収納ケース4の内部の前側に金銭収納ケース4の引出方向つまりスライド方向である前後方向に並列に並んだ第1の取付状態である横置きの取付状態で配置されるように構成されている。
また、この硬貨ボックス11は、図2および図3に示すように、筐体3が横置き状態のときの金銭収納ケース4の前後方向の前面側の下部が、円弧状の湾曲面に形成されているが、これに限定されず、例えば底面が平面の直方体のような形状の箱状であっても良い。さらに、この硬貨ボックス11は、内部が複数の仕切板11aによって金種ごとに仕切られている。
これら複数の硬貨ボックス11は、図3に示すように、筐体3が横置き状態のときに、金銭収納ケース4の引出方向である前後方向に対して直交する横幅方向の両側面に一対の係合突起13a、13bが設けられている。これら一対の係合突起13a、13bは、筐体3が横置き状態のときに、金銭収納ケース4内の両側面に対向して設けられた一対の第1取付溝14a、14bに上方からスライド可能に挿入されることにより、硬貨ボックス11を金銭収納ケース4内に位置規制して配置させるように構成されている。
これら一対の係合突起13a、13bは、図3に示すように、筐体3が横置き状態のときに、金銭収納ケース4の引出方向である硬貨ボックス11の前後方向における長さが、硬貨ボックス11の高さ方向の長さよりも長い角棒状に形成されている。すなわち、一対の係合突起13a、13bは、金銭収納ケース4の引出方向である硬貨ボックス11の前後方向の横幅13cが、金銭収納ケース4の高さ方向である硬貨ボックス11の上下方向の厚み13dよりも長く形成されている。
この場合、金銭収納ケース4の一対の第1取付溝14a、14bは、図3に示すように、筐体3が横置き状態のときに、金銭収納ケース4の引出方向である前後方向の溝幅14cが、硬貨ボックス11の前後方向における一対の係合突起13a、13bの横幅13cと同じ大きさで、上下方向の長さ14dが、硬貨ボックス11の上下方向における一対の係合突起13a、13bの高さ、つまり硬貨ボックス11の上端部から各係合突起13a、13bまでの高さと同じ長さで設けられている。
これにより、硬貨ボックス11は、図2および図3に示すように、筐体3が横置き状態のときに、一対の係合突起13a、13bが金銭収納ケース4内の一対の第1取付溝14a、14bに上方からスライド可能に挿入された際に、硬貨ボックス11の上端部と金銭収納ケース4の上端部とがほぼ同じ高さで配置されるようになっている。この場合、一対の第1取付溝14a、14bは、金銭収納ケース4内における前側のほぼ半分の領域に前後方向に並列に並んで設けられている。
また、これら一対の係合突起13a、13bは、図3に示すように、金銭収納ケース4の引出方向である硬貨ボックス11における前後方向に対して直交する方向の両側面における前後方向の横幅13cと上下方向の厚み13dとが左右で異なっている。すなわち、硬貨ボックス11の両側面における一方の側面、例えば左側の側面に設けられた一方の係合突起13aは、上下方向の厚み13dが、硬貨ボックス11の両側面における他方の側面、例えば右側の側面に設けられた他方の係合突起13bにおける上下方向の厚み13dよりも厚く形成されている。
また、硬貨ボックス11の両側面における一方の側面、例えば左側の側面に設けられた一方の係合突起13aは、図3に示すように、金銭収納ケース4の引出方向である硬貨ボックス11の前後方向の横幅13cが、硬貨ボックス11の両側面における他方の側面、例えば右側の側面に設けられた他方の係合突起13bにおける前後方向の横幅13cよりも長く形成されている。
このため、一対の第1取付溝14a、14bは、図3に示すように、金銭収納ケース4内の両側面における引出方向である前後方向の溝幅14cが左右で異なっている。すなわち、金銭収納ケース4内の両側面のうちの一方の側面に設けられた一方の第1取付溝14a、例えば左側の内側面に設けられた一方の第1取付溝14aは、前後方向の溝幅14cが、他方の側面に設けられた他方の第1取付溝14b、例えば右側の内側面に設けられた他方の第1取付溝14bにおける前後方向の溝幅14cよりも長く形成されている。
この場合、金銭収納ケース4内の両側面のうちの一方の側面に設けられた一方の第1取付溝14a、例えば左側の内側面に設けられた一方の第1取付溝14aは、図3に示すように、上下方向の長さが、他方の側面に設けられた他方の第1取付溝14b、例えば右側の内側面に設けられた他方の第1取付溝14bにおける上下方向の長さと同じ長さに形成されている。
これにより、硬貨ボックス11は、図3に示すように、一方の側面である左側の側面に設けられた一方の係合突起13aが、金銭収納ケース4内の両側面のうちの一方の側面である左側の内側面に設けられた一方の第1取付溝14aに対応し、硬貨ボックス11の他方の側面である右側の側面に設けられた他方の係合突起13bが、金銭収納ケース4内の両側面のうちの他方の側面である右側の内側面に設けられた他方の第1取付溝14bに対応した際に、硬貨ボックス11の左右一対の係合突起13a、13bが金銭収納ケース4内の一対の第1取付溝14a、14bに挿入するように構成されている。
このため、硬貨ボックス11は、図3に示すように、硬貨ボックス11の左右一対の係合突起13a、13bが金銭収納ケース4内の一対の第1取付溝14a、14bに挿入した際に、硬貨ボックス11の上端部と金銭収納ケース4の上端部とが同じ高さで、硬貨ボックス11の湾曲面が正面側を向いた第1の取付状態である横置きの取付状態で配置されるように構成されている。
この場合、硬貨ボックス11は、図3に示すように、一方の側面である左側の側面に設けられた一方の係合突起13aが、金銭収納ケース4内の両側面のうちの他方の側面である右側の内側面に設けられた他方の第1取付溝14bに対応し、硬貨ボックス11の他方の側面である右側の側面に設けられた他方の係合突起13bが、金銭収納ケース4内の両側面のうちの一方の側面である右側の内側面に設けられた一方の第1取付溝14aに対応しても、硬貨ボックス11の左右一対の係合突起13a、13bが金銭収納ケース4内の一対の第1取付溝14a、14bに挿入しないように構成されている。
このため、硬貨ボックス11の左右一対の係合突起13a、13bと金銭収納ケース4内の一対の第1取付溝14a、14bとは、図2および図3に示すように、金銭収納ケース4内に配置される硬貨ボックス11の前後方向の向きを規制する前後位置規制部を構成している。これにより、硬貨ボックス11は、左右一対の係合突起13a、13bと金銭収納ケース4内の一対の第1取付溝14a、14bとによって、金銭収納ケース4内に配置される硬貨ボックス11の前後方向の向きを間違えないように構成されている。
一方、第1紙幣ボックス12は、図2および図3に示すように、筐体3が横置き状態のときに、金銭収納ケース4の引出方向である前後方向における後部側、つまり奥側に配置されるように構成されている。すなわち、この第1紙幣ボックス12は、金銭収納ケース4の引出方向である前後方向に対して直交する横幅方向が金銭収納ケース4と同じ長さで、金銭収納ケース4の引出方向である前後方向の長さが金銭収納ケース4の前後方向の長さのほぼ半分程度と短く、かつ高さ(深さ)が金銭収納ケース4と同じ高さ(深さ)のほぼ箱状に形成されている。
この第1紙幣ボックス12は、図2および図3に示すように、内部が複数の仕切板12aによって金種ごとに仕切られている。これら複数の仕切板12aそれぞれは、筐体3が横置き状態のときに、第1紙幣ボックス12の底面に対して垂直に近い角度、つまり底面に対して第1紙幣ボックス12の前側に向けて少し傾いた傾斜角度で起立して設けられている。これにより、第1紙幣ボックス12は、複数の仕切板12aによって紙幣を金種ごとに垂直に近い角度で起立させて収納するように構成されている。
また、この第1紙幣ボックス12は、図2および図3に示すように、筐体3が横置き状態のときに、金銭収納ケース4の引出方向である前後方向に対して直交する横幅方向の両側面にそれぞれ前後一対の規制突起15a、15bが設けられている。これら一対の規制突起15a、15bは、筐体3が横置き状態のときに、金銭収納ケース4内における横幅方向の両側面に設けられた前後一対の第2取付溝16a、16bにスライド可能に挿入されることにより、第1紙幣ボックス12の前後方向の向きを規制して金銭収納ケース4内に配置されるように構成されている。
すなわち、一対の規制突起15a、15bそれぞれは、図3に示すように、筐体3が横置き状態のときに、第1紙幣ボックス12の上下方向の高さ15cが、金銭収納ケース4の引出方向である第1紙幣ボックス12の前後方向の横幅15dよりも長い角棒状に形成されている。この場合、一対の規制突起15a、15bは、金銭収納ケース4の高さ方向である第1紙幣ボックス12の上下方向の高さ15cが、金銭収納ケース4の引出方向である第1紙幣ボックス12の前後方向の横幅15dよりも長く形成されている。
また、金銭収納ケース4の前後一対の第2取付溝16a、16bそれぞれは、図3に示すように、筐体3が横置き状態のときに、金銭収納ケース4の引出方向である前後方向の溝幅16cが、金銭収納ケース4の引出方向である第1紙幣ボックス12の前後方向における一対の規制突起15a、15bの横幅15dと同じ大きさで、金銭収納ケース4の上端部から下端部に亘って設けられている。
これにより、第1紙幣ボックス12は、図2および図3に示すように、筐体3が横置き状態のときに、前後一対の規制突起15a、15bが金銭収納ケース4内の前後一対の第2取付溝16a、16bに上方からスライド可能に挿入されて、第1紙幣ボックス12の下面が金銭収納ケース4の底面に当接した際に、第1紙幣ボックス12の上端部と金銭収納ケース4の上端部とがほぼ同じ高さで配置されるようになっている。
この場合、前後一対の第2取付溝16a、16bは、図3に示すように、金銭収納ケース4内における奥側のほぼ半分の領域において前後方向に並列に並んで設けられている。また、第1紙幣ボックス12における前後一対の規制突起15a、15bは、金銭収納ケース4の引出方向である第1紙幣ボックス12の前後方向の横幅15dが左右で異なっている。
すなわち、第1紙幣ボックス12の横幅方向の両側面における一方の側面、例えば左側の側面に設けられた前後の各規制突起15aは、前後方向の各横幅15dが、第1紙幣ボックス12の両側面における他方の側面、例えば右側の側面に設けられた前後の各規制突起15bにおける前後方向の各横幅15dよりも長く(広く)形成されている。
このため、前後一対の第2取付溝16a、16bは、図3に示すように、金銭収納ケース4内の両側面における前後方向の溝幅16cが左右で異なっている。すなわち、金銭収納ケース4内の両側面のうちの一方の側面に設けられた前後の各第2取付溝16a、例えば左側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16aは、前後方向の各溝幅16cが、他方の側面に設けられた前後の各第2取付溝16b、例えば右側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16bにおける前後方向の各溝幅16cよりも長く(広く)形成されている。
これにより、第1紙幣ボックス12は、図3に示すように、一方の側面である左側の側面に設けられた前後の各規制突起15aが、金銭収納ケース4内の両側面のうちの一方の側面である左側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16aにそれぞれ対応し、第1紙幣ボックス12の他方の側面である右側の側面に設けられた前後の各規制突起15bが、金銭収納ケース4内の他方の側面である右側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16bにそれぞれ対応した際に、第1紙幣ボックス12の各規制突起15a、15bが金銭収納ケース4の各第2取付溝16a、16bに挿入するように構成されている。
この場合、第1紙幣ボックス12は、図3に示すように、一方の側面である左側の側面に設けられた前後の各規制突起15aが、金銭収納ケース4内の両側面のうちの他方の側面である右側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16bにそれぞれ対応し、第1紙幣ボックス12の他方の側面である右側の側面に設けられた前後の各規制突起15bが、金銭収納ケース4内の一方の側面である左側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16aにそれぞれ対応しても、第1紙幣ボックス12の各規制突起15a、15bが金銭収納ケース4の各第2取付溝16a、16bに挿入しないように構成されている。
このため、第1紙幣ボックス12は、図2および図3に示すように、前後一対の規制突起15a、15bが金銭収納ケース4の前後一対の第2取付溝16a、16bにそれぞれ対応して挿入された際に、第1紙幣ボックス12の下面が金銭収納ケース4の底面に当接して、第1紙幣ボックス12の上端部と金銭収納ケース4の上端部とが同じ高さで、金銭収納ケース4内に配置されることにより、第1紙幣ボックス12の前後方向の向きが規制されるように構成されている。
これにより、第1紙幣ボックス12の前後一対の規制突起15a、15bと、金銭収納ケース4内の前後一対の第2取付溝16a、16bとは、図2および図3に示すように、金銭収納ケース4内に配置される第1紙幣ボックス12の前後方向の向きを規制する前後位置規制部を構成している。このため、第1紙幣ボックス12は、前後一対の規制突起15a、15bと金銭収納ケース4内の前後一対の第2取付溝16a、16bとによって、金銭収納ケース4内に配置される第1紙幣ボックス12の前後方向の向きを間違えないように構成されている。
この場合、第1紙幣ボックス12の前後一対の規制突起15a、15bにおける各横幅15dと、金銭収納ケース4内の前後一対の第2取付溝16a、16bにおける各溝幅16cとは、図2および図3に示すように、硬貨ボックス11における左右両側面に設けられた一対の係合突起13a、13bの上下方向の各厚み13dと同じ長さに形成されている。
このため、硬貨ボックス11は、図3および図4に示すように、金銭収納ケース4内から第1紙幣ボックス12を取り外した状態で、第1紙幣ボックス12が配置される金銭収納ケース4内に、硬貨ボックス11の開放側である硬貨投入口を金銭収納ケース4の前側面に向けた第2の取付状態である横向きの取付状態で配置されるように構成されている。
すなわち、硬貨ボックス11は、図3および図4に示すように、開放側である硬貨投入口を横に向けて、一対の係合突起13a、13bを金銭収納ケース4内の前後一対の第2取付溝16a、16bに上方からスライドさせて挿入させることにより、第1紙幣ボックス12が配置される金銭収納ケース4内に第2の取付状態である横向きの取付状態で配置されるように構成されている。
この場合、複数の硬貨ボックス11は、図3および図4に示すように、一方の側面である左側の側面に設けられた各係合突起13aが、金銭収納ケース4内の両側面のうちの一方の側面である左側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16aにそれぞれ対応し、各硬貨ボックス11の他方の側面である右側の側面に設けられた各係合突起13bが、金銭収納ケース4内の他方の側面である右側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16bにそれぞれ対応した際に、硬貨ボックス11の一対の係合突起13a、13bが金銭収納ケース4の前後一対の第2取付溝16a、16bに挿入するように構成されている。
この場合、複数の硬貨ボックス11は、図3および図4に示すように、一方の側面である左側の側面に設けられた各係合突起13aが、金銭収納ケース4内の両側面のうちの他方の側面である右側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16bにそれぞれ対応し、各硬貨ボックス11の他方の側面である右側の側面に設けられた各係合突起13bが、金銭収納ケース4内の一方の側面である左側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16aにそれぞれ対応しても、硬貨ボックス11の一対の係合突起13a、13bが金銭収納ケース4の前後一対の第2取付溝16a、16bに挿入しないように構成されている。
このため、複数の硬貨ボックス11は、図3および図4に示すように、各係合突起13a、13bが金銭収納ケース4の各第2取付溝16a、16bにそれぞれ対応して挿入された際に、金銭収納ケース4内に開放側の硬貨投入口を金銭収納ケース4の前側に向けた状態で配置されることにより、各硬貨ボックス11の前後方向の向きが規制されるように構成されている。
これにより、複数の硬貨ボックス11の一対の係合突起13a、13bと金銭収納ケース4内の前後一対の第2取付溝16a、16bとは、図3および図4に示すように、横向き状態のときに、金銭収納ケース4内に配置される複数の硬貨ボックス11の前後方向の向き、つまり図5に示すように、縦置き状態のときの上下方向の向きを規制する位置規制部を構成している。
このため、複数の硬貨ボックス11は、図3、図4および図5に示すように、一対の係合突起13a、13bと金銭収納ケース4内の前後一対の第2取付溝16a、16bとによって、横置き状態の金銭収納ケース4内に配置される硬貨ボックス11の前後方向の向き、つまり縦置き状態の金銭収納ケース4内に配置される硬貨ボックス11の上下方向の向きを間違えないように構成されている。
一方、この金銭収納装置1は、図1、図5〜図8に示すように、横置き状態のときの筐体3の正面3aが上面となる縦置き状態にした際に、横置き状態のときの筐体3の正面3aに対して反対側の裏面3cが下面となり、この下面の四隅に図13(b)に示すゴム製の脚部17が設けられている。また、筐体3内には、縦置き状態のときに、金銭収納ケース4が縦向き状態で収納されている。これにより、縦置き状態の筐体3の上面に位置するケース開口部5は、金銭収納ケース4の前面部によって塞がれている。
この場合、金銭収納ケース4は、図5〜図8に示すように、内部から第1紙幣ボックス12が取り外され、この取り外された第1紙幣ボックス12の設置領域内に複数の硬貨ボックス11が上下2段に配置されるように構成されている。すなわち、複数の硬貨ボックス11は、一対の係合突起13a、13bが金銭収納ケース4内の一対の第2取付溝16a、16bにそれぞれスライド可能に挿入されて、開放側の硬貨投入口が上方に向いた状態で配置されるように構成されている。
また、筐体3に設けられた開閉蓋7は、図5〜図8に示すように、筐体3が縦置き状態のときに、手前側の正面を向き、横置き状態ときの奥側に設けられた回動機構8の回動軸8aが縦置き状態になると、筐体3の下部側に位置し、この下部側の回動軸8aを中心に手前側に向けて回動することにより、蓋開口部10を開放させるように構成されている。この開閉蓋7の内面には、第2紙幣ボックス18が着脱可能に設けられている。
この第2紙幣ボックス18は、図5〜図8に示すように、第1紙幣ボックス12と同様、紙幣を金種ごとに収納するものであり、開閉蓋7の内面とほぼ同じ大きさの底面を備えた箱状に形成されている。この場合、第2紙幣ボックス18は、筐体3が縦置き状態のときに、開放された状態の開閉蓋7上に配置され、この状態で高さ方向の厚みが横置き状態の第1紙幣ボックス12の高さ方向の厚みのほぼ半分程度と薄く形成されている。
また、この第2紙幣ボックス18は、図5〜図8に示すように、筐体3が縦置き状態で、開放された状態の開閉蓋7上に配置されたときに、上面側が紙幣投入口として開放され、内部が複数の仕切板18aによって金種ごとに仕切られている。この場合、複数の仕切板18aそれぞれは、第2紙幣ボックス18の底面に対して第2紙幣ボックス18の前側に向けて第1紙幣ボックス12の仕切板12aよりも大きく傾いた角度で傾斜して設けられている。これにより、第2紙幣ボックス1は、紙幣が複数の仕切板12aによって金種ごとに前側に向けて大きく傾いて収納されるように構成されている。
このため、第2紙幣ボックス18は、図5〜図8に示すように、筐体が縦向き状態で、開閉蓋7が下部側に位置する回動軸8aを中心に回動して筐体3の蓋開口部10を塞いだ際に、図8(a)および図8(b)に示すように、複数の硬貨ボックス11の各前面に対面した状態で、複数の硬貨ボックス11を奥側に押し込んで、金銭収納ケース4内に収納されるように構成されている。
この開閉蓋7の外面には、図1、図5および図13(a)に示すように、スタンド20を収納するスタンド収納部21が設けられている。スタンド20は、筐体3が縦置き状態で、開閉蓋7が手前側に向けて回動して横倒することにより、筐体3の蓋開口部10を開放させた際に、スタンド収納部21内から抜け出して開閉蓋7を支持するように構成されている。
すなわち、このスタンド20は、図1、図5および図13(a)に示すように、一対のアーム部20aと、これら一対のアーム部20aの端部同士を連結する連結部20bと、を備えている。スタンド収納部21は、スタンド20の一対のアーム部20aが遊びをもって配置される一対のアーム収納凹部21aと、スタンド20の連結部20bが遊びをもって配置される連結収納凹部21bと、を備えている。
この場合、スタンド20は、図13(a)に示すように、一対のアーム部20aがスタンド収納部21の一対のアーム収納凹部21a内に遊びをもって収納され、連結部20bがスタンド収納部21の連結収納凹部21b内に遊びをもって収納された状態で、連結部20bと反対側に位置する一対のアーム部20aの各端部がスタンド収納部21の一対のアーム収納凹部21a内の両側部に取付軸20cによって回転自在に取り付けられている。
これにより、スタンド20は、図1に示すように、筐体3が縦置き状態のときに、スタンド20の自重によって取付軸20cを中心に回転して、スタンド収納部21内に起立状態で収納されるように構成されている。また、このスタンド20は、図5および図13(a)に示すように、筐体3が縦置き状態で、開閉蓋7が手前側に向けて横倒して筐体3の蓋開口部10を開放させる際に、スタンド20の自重によって取付軸20cを中心に回転することにより、開閉蓋7の開き角度に応じてスタンド収納部21内から徐々に抜け出すように構成されている。
さらに、このスタンド20は、図5、図8(b)および図13(a)に示すように、筐体3が縦置き状態で、開閉蓋7が手前側に向けて回転して横倒することにより、筐体3の蓋開口部10を開放させた際に、一対のアーム部20aが開閉蓋7に対してほぼ垂直な状態になり、連結部20bが卓上などの載置面T上に配置されることにより、開閉蓋7をほぼ水平な状態で支持するように構成されている。
これにより、スタンド20は、図5、図8(b)および図13(a)に示すように、筐体3が縦置き状態で開閉蓋7が横倒して開いていても、スタンド20が開閉蓋7を載置面Tとほぼ平行な水平状態で支持することにより、筐体3を安定した状態で配置するように構成されている。すなわち、このスタンド20は、筐体3が縦置き状態で開閉蓋7が横倒して開いた状態のときに、筐体3の重心位置が開閉蓋7側に向けて移動して、不安定な状態になるが、開閉蓋7が横倒して開いた縦置き状態の筐体3を安定させた状態で配置させるように構成されている。
ところで、この金銭収納装置1は、図9〜図12に示すように、金銭収納ケース4と開閉蓋7とを個別にロックするロック機構22と、このロック機構22による金銭収納ケース4と開閉蓋7とのロックを個別に解除する開閉機構23と、を備えている。ロック機構22は、金銭収納ケース4をロックする第1ロック部24と、開閉蓋7をロックする第2ロック部25と、を備えている。
第1ロック部24は、図9および図10に示すように、筐体3内に金銭収納ケース4が収納された状態のときに、金銭収納ケース4の奥端部と筐体3の奥端部との間に位置する筐体3内に回動可能に設けられた回転フック26と、金銭収納ケース4の奥端部に設けられて回転フック26に係脱可能に係止されるケースフック27と、筐体3内の奥端部に設けられて金銭収納ケース4を筐体3のケース開口部5から外部に向けて押し出す方向に付勢する第1ばね部28と、を備えている。
すなわち、この第1ロック部24は、図9および図10に示すように、筐体3内の奥側に設けられた回転支持軸24aに回転フック26が回転自在に取り付けられ、この回転フック26が第1補助ばね部29によって所定の方向、つまり回転フック26がケースフック27を係止する方向、例えば時計回り方向に付勢されるように構成されている。
これにより、第1ロック部24は、図9および図10に示すように、金銭収納ケース4が筐体3内に押し込まれて、金銭収納ケース4の奥端部が第1ばね部28を押圧して圧縮させた際に、金銭収納ケース4の奥端部に設けられたケースフック27が、筐体3内の奥側に設けられた回転フック26を第1補助ばね部29のばね力に抗して反時計回りに回転させた上、第1補助ばね部29のばね力によって回転フック26を時計回り方向に回転させて、回転フック26がケースフック27を係止することにより、筐体3内に押し込まれた金銭収納ケース4をロックするように構成されている。
また、この第1ロック部24は、図9および図10に示すように、筐体3内の奥側に設けられた回転フック26が第1補助ばね部29のばね力に抗して回転して、回転フック26による金銭収納ケース4のケースフック27に対する係止が解除された際に、第1ばね部28のばね力によって金銭収納ケース4を筐体3内から外部に向けて押し出すように構成されている。
一方、第2ロック部25は、図11(a)および図11(b)に示すように、筐体3が横置き状態のときに、金銭収納ケース4の引出方向に対して直交する横幅方向の側面とこれに対向する筐体3内の側面との間に位置する筐体3内に配置されて金銭収納ケース4の引出方向にスライドするスライドフック30と、開閉蓋7の内面に設けられてスライドフック30に係脱可能に係止される蓋フック31と、開閉蓋7を筐体3の蓋開口部10から外部に向けて押し出す方向に付勢する第2ばね部32と、を備えている。
この場合、スライドフック30は、図11(a)および図11(b)に示すように、筐体3が横置き状態のときに、第2補助ばね部33によって筐体3の正面3a側に向けて引き寄せる方向に付勢されている。すなわち、第2補助ばね部33は、一端部が金銭収納ケース4に対向する筐体3内の側面に設けたれた固定部33aに取り付けられ、他端部がスライドフック30に設けられた取付部33bに取り付けられ、この状態でスライドフック30を筐体3の正面3a側に向けて引き寄せる方向に付勢するように構成されている。
蓋フック31は、図11(a)および図11(b)に示すように、開閉蓋7の内面に設けられ、回動機構8の回動軸8aを中心に開閉蓋7と共に回転することにより、スライドフック30に係脱可能に係止されるように構成されている。第2ばね部32は、ねじりコイルばねであり、回動軸8aの外周に配置された状態で、一端部32aが筐体3内の側面に設けたれた固定ピン32cに係止され、他端部32bが開閉蓋7の内面または蓋フック31の内面に弾接して設けられ、この状態で回動軸8aを中心に開閉蓋7と共に蓋フック31を蓋開口部10から押し出す方向に付勢するように構成されている。
これにより、第2ロック部25は、図11(a)および図11(b)に示すように、開閉蓋7が第2ばね部28のばね力に抗して回動機構8の回動軸8aを中心に回転して、筐体3の蓋開口部10を塞ぐ際に、開閉蓋7に設けられた蓋フック31が筐体3内にスライド可能に設けられたスライドフック30を第2補助ばね部33のばね力に抗してスライドさせた上、蓋フック31がスライドフック30に第2補助ばね部33のばね力によって係止されることにより、開閉蓋7が筐体3の蓋開口部10を塞いだ状態で、開閉蓋7をロックするように構成されている。
また、この第2ロック部25は、図11(b)に示すように、スライドフック30が第2補助ばね部33のばね力に抗して筐体3の奥側に向けてスライドした際に、スライドフック30による蓋フック31の係止が解除されるように構成されている。この第2ロック部25は、スライドフック30による蓋フック31の係止が解除された際に、第2ばね部32のばね力によって蓋フック31が開閉蓋7と共に回動機構8の回動軸8aを中心に回転して、開閉蓋7を筐体3の蓋開口部10から押し出して蓋開口部10を開放させるように構成されている。
ところで、開閉機構23は、図9および図12に示すように、1つの駆動源であるモータ34と、このモータ34の出力軸に設けられて回転する駆動車35と、この駆動車35によって正転および逆転する中間車36と、この中間車36によって正転および逆転する第1回転体37と、中間車36によって正転および逆転する第2回転体38と、を備えている。この開閉機構23は、筐体3内に金銭収納ケース4が収納された状態のときに、金銭収納ケース4の奥端部と筐体3の奥端部との間に位置する筐体3内に設けられている。
この場合、中間車36は、図9および図12に示すように、駆動車35によって回転する平歯車であり、筐体3内の奥部に設けられた中間支持軸36aに回転自在に取り付けられ、モータ34の出力軸に取り付けられた駆動車35によって正転および逆転するように構成されている。第1回転体37は、中間車36に噛み合って回転する平歯車であり、筐体3内に設けられた第1支持軸37aに回転可能に取り付けられ、中間車36の回転によって正転および逆転するように構成されている。
この第1回転体37には、図9および図12に示すように、正転(例えば、時計回り方向に回転)した際に、第1ロック部24の回転フック26を回転させる第1カムピン40が設けられる。この場合、回転フック26には、図12(a)および図12(b)に示すように、第1カムピン40の回転移動軌跡上に突出する解除突起26aが設けられている。
これにより、第1回転体37は、図9および図12に示すように、正転(時計回り方向に回転)した際に、第1カムピン40が回転フック26の解除突起26aに当接して回転移動することにより、回転フック26を第1補助ばね部29のばね力に抗して反時計回り方向に回転させて、回転フック26によるケースフック27のロックを解除するように構成されている。
一方、第2回転体38は、図9および図12に示すように、第1回転体37と同様、中間車36に噛み合って回転する平歯車であり、筐体3内に設けられた第2支持軸38aに回転可能に取り付けられ、中間車36の回転によって第1回転体37と同じ方向に正転および逆転するように構成されている。
この第2回転体38には、図9および図12に示すように、逆転(反時計回り方向に回転)した際に、第2ロック部25のスライドフック30を第2補助ばね部33のばね力に抗してスライドさせる第2カムピン41が設けられる。この場合、スライドフック30には、第2カムピン41の回転移動軌跡上に突出する解除フック30aが設けられている。この第2回転体38は、第1回転体37と同一形状で、同一構造になっている。
これにより、第2回転体38は、図12(a)〜図12(c)に示すように、逆転(反時計回り方向に回転)した際に、第2カムピン41がスライドフック30の解除フック30aに当接して回転移動することにより、スライドフック30を第2補助ばね部33のばね力に抗してスライドさせて、スライドフック30による蓋フック31のロックを解除するように構成されている。
すなわち、この開閉機構23は、図12(a)〜図12(c)に示すように、モータ34の回転に伴って中間車36が回転して、第1回転体37と第2回転体38とが共に時計回り方向に正転した際に、第2回転体38の第2カムピン41がスライドフック30の解除フック30aから離れる方向に回転移動し、第1回転体37の第1カムピン40が回転フック26の解除突起26aに向けて回転移動して解除突起26aに当接することにより、回転フック26を第1補助ばね部29のばね力に抗して回転させて、回転フック26によるケースフック27のロックを解除するように構成されている。
また、この開閉機構23は、図12(a)〜図12(c)に示すように、モータ34の回転に伴って中間車36が回転して、第1回転体37と第2回転体38とが共に反時計回り方向に逆転した際に、第1回転体37の第1カムピン40が回転フック26の解除突起26aから離れる方向に回転移動し、第2カムピン41がスライドフック30の解除フック30aに向けて回転移動して解除フック30aに当接することにより、スライドフック30を第2補助ばね部33のばね力に抗してスライドさせて、スライドフック30による蓋フック31のロックを解除するように構成されている。
この場合、開閉機構23は、図9および図12に示すように、第1回転体37と第2回転体38とのホームポジションを検出する位置検出部42を備えている。ホームポジションとは、第1回転体37の第1カムピン40が回転フック26の解除突起26aから離れた距離と、第2回転体38の第2カムピン41がスライドフック30の解除フック30aから離れた距離と、がほぼ同じになる中間位置のことである。
位置検出部42は、図9および図12に示すように、マイクロスイッチや光学センサなどの検出素子であり、第1回転体37の外周部に設けられた切欠部43を検出することにより、第1回転体37と第2回転体38とのホームポジションを検出するように構成されている。
この場合、第1回転体37の切欠部43は、図9および図12に示すように、第1回転体37の第1カムピン40が回転フック26の解除突起26aから離れた距離と、第2回転体38の第2カムピン41がスライドフック30の解除フック30aから離れた距離とが、ほぼ同じになる第1回転体37の外周部の位置に設けられている。なお、第2回転体38にも、第1回転体37と同様、切欠部43が設けられている。
このため、開閉機構23は、図12(a)〜図12(c)に示すように、第1回転体37と第2回転体38とがホームポジションから時計回り方向に所定角度(例えば、約70°)正転して、回転フック26によるケースフック27のロックを解除してから所定時間後、例えば0.5秒後に、第1回転体37と第2回転体38とを反時計回り方向に所定角度(例えば、約70°)逆転させた際に、位置検出部42が第1回転体37の切欠部43を検出することにより、第1回転体37と第2回転体38とがホームポジションに戻るように構成されている。
また、この開閉機構23は、図12(a)〜図12(c)に示すように、第1回転体37と第2回転体38とがホームポジションから反時計回り方向に所定角度(例えば、約70°)逆転して、スライドフック30による蓋フック31のロックを解除してから所定時間後、例えば0.5秒後に、第1回転体37と第2回転体38とを時計回り方向に所定角度(例えば、約70°)正転させた際に、位置検出部42が第1回転体37の切欠部43を検出することにより、第1回転体37と第2回転体38とがホームポジションに戻るように構成されている。
ところで、この金銭収納装置1は、図13(b)に点線で示すように、筐体3の横置き状態と縦置き状態とを検出する設置位置検出部44を備えている。この設置位置検出部44は、例えば圧力センサなどの検出素子であり、筐体3が縦置き状態とのときに、筐体3の下面、つまり筐体3の横置き状態のときの正面3aと反対側に位置する裏面3cに設けられた複数の脚部17に設けられ、筐体3が縦置き状態のときの筐体3の重量が加わることによって検出信号を出力するように構成されている。
また、この金銭収納装置1は、図1、図2および図5に示すように、筐体3が横置き状態のときに、筐体3の正面3aに設けられて、印字面45aが上向きとなるようにレシート45を排出するレシート排出口46を備えている。このレシート排出口46は、筐体3の横置き状態のときに、金銭収納ケース4の左側に位置する筐体3の正面3aにおいて、開閉蓋7が設けられた筐体3の上面3b側に位置して設けられている。
この場合、筐体3の内部には、図1、図2および図5に2点鎖線で示すように、レシート45の印字面45aに売上データなどの情報を印字するプリンタ47が、レシート排出口46に対応して設けられている。すなわち、このプリンタ47は、図示しないが、ロール紙を収納するロール紙収納部と、このロール紙収納部からロール紙を引き出して売上データなどの情報を印字する印字部と、を備え、筐体3が横置き状態のときに、印字部で印字されたロール紙を印字面45aが上向き状態でレシート排出口46から手前側に向けて排出して、レシート45として発行するように構成されている。
また、この金銭収納装置1は、図1および図5に示すように、筐体3が縦置き状態のときに、横置き状態のときの筐体3の正面3aが上面に位置し、横置き状態のときの筐体3の上面3bが手前側の正面を向き、横置き状態のときの筐体3の正面3aに設けられたレシート排出口46が筐体3の上面における手前側に位置するように構成されている。これにより、このプリンタ47は、印字部で印字されたロール紙を印字面45aが手前側の正面に向いた状態でレシート排出口46から筐体3の上方に向けて排出して、レシート45として発行するように構成されている。
一方、このような金銭収納装置1とデータの授受を行うタブレット端末機2は、図1に示すように、無線通信機能を有し、売上データなどの情報を登録処理するほか、金銭収納装置1の開閉機構23に動作指令を指示すると共に、プリンタ47に印字指令を指示するように構成されている。この場合、金銭収納装置1も、無線通信機能を備え、設置位置検出部44で検出した筐体3の縦置き状態の情報をタブレット端末機2に送信するように構成されている。
これにより、タブレット端末機2は、無線通信機能によって、登録処理された売上データなどの情報を金銭収納装置1に送信して、プリンタ47を動作させてレシート45を発行させると共に、開閉機構23を動作させて金銭収納ケース4を押し出したり、また開閉蓋7を開いたりさせるように構成されている。
次に、このような電子レジスタの作用について説明する。
まず、金銭収納装置1を横置き状態で使用する場合には、金銭収納ケース4が引き出されるまたは押し出される側の面を正面3aとして、筐体3を卓上などの載置面T上に配置する。このときには、予め、筐体3の正面3aに設けられたケース開口部5から金銭収納ケース4を引き出し、この金銭収納ケース4内に複数の硬貨ボックス11と第1紙幣ボックス12とを配置する。
この場合には、予め、硬貨ボックス11の内部に複数の仕切板11aを配置して、硬貨ボックス11の内部を金種ごとに仕切る。そして、複数の硬貨ボックス11を金銭収納ケース4内に配置する際には、硬貨ボックス11の両側面に設けられた一対の係合突起13a、13bを金銭収納ケース4内の両側面に設けられた一対の第1取付溝14a、14bに対応させて挿入する。
このときには、硬貨ボックス11の一方の側面である左側の側面に設けられた一方の係合突起13aを、金銭収納ケース4内の両側面のうちの一方の側面である左側の内側面に設けられた一方の第1取付溝14aに対応させ、硬貨ボックス11の他方の側面である右側の側面に設けられた他方の係合突起13bを、金銭収納ケース4内の両側面のうちの他方の側面である右側の内側面に設けられた他方の第1取付溝14bに対応させて、一対の係合突起13a、13bを一対の第1取付溝14a、14bに挿入させる。
この場合、硬貨ボックス11の一方の側面である左側の側面に設けられた一方の係合突起13aを、金銭収納ケース4内の両側面のうちの他方の側面である右側の内側面に設けられた他方の第1取付溝14bに対応させ、硬貨ボックス11の他方の側面である右側の側面に設けられた他方の係合突起13bを、金銭収納ケース4内の両側面のうちの一方の側面である右側の内側面に設けられた一方の第1取付溝14aに対応させた際には、一対の係合突起13a、13bが一対の第1取付溝14a、14bに挿入しない。
このように、硬貨ボックス11の一対の係合突起13a、13bが金銭収納ケース4内の一対の第1取付溝14a、14bに挿入しないときには、硬貨ボックス11の前後方向の向きが逆向きであることが判断される。このため、硬貨ボックス11を左右逆向きにして、左右一対の係合突起13a、13bを金銭収納ケース4内の一対の第1取付溝14a、14bに挿入させれば良い。
このように、硬貨ボックス11の左右一対の係合突起13a、13bが金銭収納ケース4内の一対の第1取付溝14a、14bに挿入された際には、複数の硬貨ボックス11の各湾曲面が正面側を向き、かつ複数の硬貨ボックス11の上端部と金銭収納ケース4の上端部とが同じ高さで、複数の硬貨ボックス11が金銭収納ケース4内の前側に並んで配置される。
一方、第1紙幣ボックス12を金銭収納ケース4内に配置する際には、予め、第1紙幣ボックス12の内部に複数の仕切板12aを配置して、第1紙幣ボックス12の内部を金種ごとに仕切る。この場合には、複数の仕切板12aそれぞれを第1紙幣ボックス12の底面に対して垂直に近い角度、つまり底面に対して第1紙幣ボックス12の前側に向けて少し傾いた傾斜角度で起立させて設ける。
そして、この第1紙幣ボックス12を金銭収納ケース4内に配置する際には、第1紙幣ボックス12の前後一対の規制突起15a、15bを、金銭収納ケース4内の両側面に設けられた前後の一対の第2取付溝16aに対応させて挿入させる。
このときには、第1紙幣ボックス12の一方の側面である左側の側面に設けられた前後の各規制突起15aを、金銭収納ケース4内の一方の側面である左側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16aにそれぞれ対応させ、第1紙幣ボックス12の他方の側面である右側の側面に設けられた前後の各規制突起15bを、金銭収納ケース4内の他方の側面である右側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16bにそれぞれ対応させると、前後一対の規制突起15a、15bが前後一対の第2取付溝16bにそれぞれ挿入する。
この場合、第1紙幣ボックス12の一方の側面である左側の側面に設けられた前後の各規制突起15aを、金銭収納ケース4内の他方の側面である右側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16bにそれぞれ対応させ、第1紙幣ボックス12の他方の側面である右側の側面に設けられた前後の各規制突起15bを、金銭収納ケース4内の一方の側面である左側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16aにそれぞれ対応させた際には、前後一対の規制突起15a、15bが前後一対の第2取付溝16bに挿入しない。
このときには、第1紙幣ボックス12の前後方向の向きが逆向きであることが判断される。このため、第1紙幣ボックス12を左右逆向きにして、前後一対の規制突起15a、15bを金銭収納ケース4内の前後一対の第2取付溝16a、16bに対応させて挿入させれば良い。
これにより、第1紙幣ボックス12内に設けられた複数の仕切板12aが正面側に少し傾いた状態で、第1紙幣ボックス12の下面が金銭収納ケース4の底面に当接して、第1紙幣ボックス12の上端部と金銭収納ケース4の上端部とが同じ高さで、第1紙幣ボックス12が金銭収納ケース4内の奥側に前後方向の向きを間違えずに配置される。
この状態で、金銭収納ケース4を筐体3内に押し込んで収納する。このときには、ロック機構22の第1ロック部24によって金銭収納ケース4が筐体3内にロックされる。すなわち、金銭収納ケース4が筐体3内に押し込まれると、金銭収納ケース4の奥端部が第1ロック部24の第1ばね部28を押圧して圧縮させる。
このときには、金銭収納ケース4の奥端部に設けられたケースフック27が、筐体3内の奥側に設けられた回転フック26を、第1補助ばね部29のばね力に抗して回転させた上、第1補助ばね部29のばね力によって回転フック26が回転してケースフック27を係止する。これにより、金銭収納ケース4が筐体3内にロックされる。
また、筐体3が横置き状態のときに、筐体3の上面3bに位置する開閉蓋7を筐体3の上面3bに向けて押し付けて、筐体3の上面3bの蓋開口部10を塞ぐ。このときには、開閉蓋7に設けられたスタンド収納部21内にスタンド20が自重によって回転して収納された状態で、ロック機構22の第2ロック部25によって開閉蓋7が筐体3にロックされる。
すなわち、開閉蓋7が第2ロック部25の第2ばね部28のばね力によって回動機構8の回動軸8aを中心に回転して、筐体3の蓋開口部10を塞ぐ際には、開閉蓋7に設けられた第2ロック部25の蓋フック31が、筐体3内にスライド可能に設けられたスライドフック30を第2補助ばね部33のばね力に抗してスライドさせた上、スライドフック30が第2補助ばね部33のばね力によってスライドして蓋フック31を係止する。これにより、開閉蓋7が筐体3の蓋開口部10を塞いだ状態で、開閉蓋7がロックされる。
このような状態で、金銭収納装置1を横置き状態で使用する場合には、まず、タブレット端末機2を操作して無線通信で金銭収納装置1に開閉機構23の動作指令を指示する。このときには、横置き状態の筐体3の裏面3cに設けられた複数の脚部17に金銭収納装置1の重量が加わっていない。このため、金銭収納装置1の設置位置検出部44が筐体3の横置き状態を検出する。この設置位置検出部44からの検出信号に基づいて、タブレット端末機2が金銭収納装置1の開閉機構23に動作指令を指示する。
すると、開閉機構23のモータ34が回転して駆動車35が中間車36を回転させ、この中間車36によって第1回転体37と第2回転体38とを時計回りに正転させる。すなわち、第1回転体37と第2回転体38とは、予め、位置検出部42が第1回転体37の外周部に設けられた切欠部43を検出したホームポジションに配置されている。
この状態で、第1回転体37と第2回転体38とが時計回りに所定角度(例えば、約70°)正転すると、第2回転体38の第2カムピン41がスライドフック30の解除フック30aから離れる方向に回転移動するが、第1回転体37の第1カムピン40が回転フック26の解除突起26aに向けて回転移動して解除突起26aに当接し、回転フック26を第1補助ばね部29のばね力に抗して回転させる。
これにより、回転フック26によるケースフック27のロックが解除され、第1ばね部28がばね力によって金銭収納ケース4を筐体3のケース開口部5から外部に向けて押し出す。すると、モータ34が所定時間後、例えば0.5秒後に逆転して第1回転体37と第2回転体38とを反時計回り方向に逆転させる。そして、位置検出部42が第1回転体37の切欠部43を検出した際に、モータ34の回転が停止されて、第1回転体37と第2回転体38とがホームポジションに戻る。
この状態で、操作者と顧客との間で金銭の授受を行うと共に、タブレット端末機2で売上データなどの情報を入力し、この入力した情報を無線通信で金銭収納装置1に送信し、プリンタ47に動作指令を指示する。すると、プリンタ47がロール紙収納部からロール紙を引き出して印字部で売上データなどの情報を印字し、印字されたロール紙を、印字面45aが上向き状態でレシート排出口46から筐体3の手前側に向けて排出させて、レシート45として発行する。
次に、金銭収納装置1を縦置き状態で使用する場合について説明する。
この場合には、金銭収納ケース4が引き出されるまたは押し出される側の正面3aを上面にし、横置き状態のときの筐体3の上面3bを手前側の正面に向けて、横置き状態のとの筐体3の奥側の裏面3cを下面にして卓上などの載置面T上に配置する。このときには、筐体3の裏面3cにおける四隅に設けられた複数の脚部17が卓上などの載置面T上に押し当てられて、筐体3が縦置き状態で配置される。
この場合には、予め、筐体3を横置き状態にして、筐体3のケース開口部5から金銭収納ケース4を引き出し、この金銭収納ケース4内から第1紙幣ボックス12を取り出し、この第1紙幣ボックス12が取り出した金銭収納ケース4内に複数の硬貨ボックス11を横向きに配置する。すなわち、図4に示すように、硬貨ボックス11は、開放側である硬貨投入口を横に向けて、一対の係合突起13a、13bを金銭収納ケース4内の前後一対の第2取付溝16a、16bに上方から挿入させる。
このときには、複数の硬貨ボックス11の一方の側面である左側の側面に設けられた各係合突起13aを、金銭収納ケース4内の一方の側面である左側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16aにそれぞれ対応させ、各硬貨ボックス11の他方の側面である右側の側面に設けられた各係合突起13bを、金銭収納ケース4内の他方の側面である右側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16bにそれぞれ対応させて挿入させる。
この場合、複数の硬貨ボックス11の一方の側面である左側の側面に設けられた各係合突起13aを、金銭収納ケース4内の他方の側面である右側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16bにそれぞれ対応させ、各硬貨ボックス11の他方の側面である右側の側面に設けられた各係合突起13bを、金銭収納ケース4内の一方の側面である左側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16aに対応させた際には、一対の係合突起13a、13bが前後の一対の第2取付溝16a、16bに挿入しない。
このときには、複数の硬貨ボックス11の前後方向の向きが逆向きであることが判断される。このため、複数の硬貨ボックス11それぞれを左右逆向きにして、前後一対の規制突起15a、15bを金銭収納ケース4内の前後一対の第2取付溝16a、16bに対応させて挿入させれば良い。
これにより、複数の硬貨ボックス11の一対の係合突起13a、13bが金銭収納ケース4の一対の第2取付溝16a、16bにそれぞれ対応して挿入された際には、筐体3が横向き状態のときに、金銭収納ケース4内に配置される複数の硬貨ボックス11の前後方向の向き、つまり縦置き状態のときの上下方向の向きを間違えずに、複数の硬貨ボックス11が金銭収納ケース4内に開放側の硬貨投入口を横に向けた状態で配置される。
このため、金銭収納ケース4を筐体3内に押し込んで、筐体3を縦置き状態で卓上などの載置面T上に配置した際には、金銭収納ケース4が筐体3内に縦向き状態で配置され、この縦向き状態の金銭収納ケース4内に複数の硬貨ボックス11が開放側の硬貨投入口を上に向けた状態で上下2段に配置される。
また、このときには、金銭収納ケース4が筐体3内に押し込まれることにより、金銭収納ケース4の奥端部が第1ロック部24の第1ばね部28を押圧して圧縮させ、金銭収納ケース4の奥端部に設けられたケースフック27が、筐体3内の奥側に設けられた回転フック26を第1補助ばね部29のばね力に抗して反時計回り方向に回転させた上、第1補助ばね部29のばね力によって回転フック26が回転してケースフック27を係止する。これにより、金銭収納ケース4が筐体3内にロックされる。
一方、筐体3を縦置き状態で配置する際には、予め、縦置き状態で開閉蓋7を開いて開閉蓋7の内面である上面に第2紙幣ボックス18を配置する。この第2紙幣ボックス18は、上面側が紙幣投入口として開放され、内部が複数の仕切板18aによって金種ごとに仕切られている。この場合には、複数の仕切板18aを第2紙幣ボックス18の底面に対して第2紙幣ボックス18の前側に向けて第1紙幣ボックス12の仕切板12aよりも大きく傾いた角度で傾斜させて設ける。
これにより、第2紙幣ボックス18は、筐体3が縦向き状態で、開閉蓋7が下部側に位置する回動機構8の回動軸8aを中心に回転して筐体3の蓋開口部10を塞いだ際に、図8(a)に示すように、第2紙幣ボックス18の開放側である紙幣投入口が複数の硬貨ボックス11の前側に対面した状態で、複数の硬貨ボックス11を奥側に押し込んで、金銭収納ケース4内に収納される。
また、開閉蓋7が筐体3の蓋開口部10を塞ぐ際には、開閉蓋7に設けられた第2ロック部25の蓋フック31が筐体3内にスライド可能に設けられたスライドフック30を第2補助ばね部33のばね力に抗してスライドさせた上、蓋フック31がスライドフック30に第2補助ばね部33のばね力によって係止される。これにより、開閉蓋7が筐体3の蓋開口部10を塞いだ状態で、開閉蓋7がロックされる。
このような金銭収納装置1を縦置き状態で使用する場合には、まず、タブレット端末機2を操作して無線通信で金銭収納装置1に開閉機構23の動作指令を指示する。このときには、横置き状態のときの筐体3の裏面3cに設けられた複数の脚部17に金銭収納装置1の重量が加わることにより、金銭収納装置1の設置位置検出部44が筐体3の縦置き状態を検出する。この設置位置検出部44からの検出信号に基づいて、タブレット端末機2が金銭収納装置1の開閉機構23に動作指令を指示する。
このときには、開閉機構23のモータ34が逆転して駆動車35が中間車36を回転させ、この中間車36によって第1回転体37と第2回転体38とが反時計回りに逆転する。すなわち、第1回転体37と第2回転体38とは、予め、位置検出部42が第1回転体37の外周部に設けられた切欠部43を検出したホームポジションに配置されている。
この状態で、第1回転体37と第2回転体38とが反時計回りに所定角度(例えば、70°)逆転すると、第1回転体37の第1カムピン40が回転フック26の解除突起26aから離れる方向に回転移動するが、第2カムピン41がスライドフック30の解除フック30aに向けて回転移動して解除フック30aに当接して、スライドフック30を第2補助ばね部33のばね力に抗してスライドさせる。
これにより、第2ロック部25のスライドフック30による蓋フック31のロックが解除される。すると、第2ばね部32のばね力によって蓋フック31が開閉蓋7と共に回動機構8の回動軸8aを中心に回転して、開閉蓋7を筐体3の蓋開口部10から押し出して蓋開口部10を開放させる。すると、所定時間後、例えば、0.5秒後にモータ34が正転して第1回転体37と第2回転体38とを時計回り方向に正転させる。そして、位置検出部42が第1回転体37の切欠部43を検出すると、モータ34の回転が停止されて、第1回転体37と第2回転体38とがホームポジションに戻る。
このように開閉蓋7が回転して開くときには、起立状態のスタンド20が自重によって取付軸20cを中心に回転して、開閉蓋7の開き角度つまり横倒角度に応じて、スタンド20がスタンド収納部21内から徐々に抜け出す。そして、筐体3が縦置き状態で、開閉蓋7が手前側に向けて回転して横倒することにより、筐体3の蓋開口部10を開放させた際に、スタンド20の一対のアーム部20aが開閉蓋7に対してほぼ垂直な状態になり、連結部20bが卓上などの載置面T上に配置されて、開閉蓋7を載置面Tとほぼ平行な水平状態で支持する。
これにより、筐体3が縦置き状態で開閉蓋7が横倒して開いていても、スタンド20によって安定した状態で配置することができる。すなわち、筐体3が縦置き状態で開閉蓋7が横倒して開いた状態では、筐体3の重心位置が開閉蓋7側に向けて移動して、不安定な状態になるが、スタンド20によって開閉蓋7が横倒して開いた縦置き状態の筐体3を安定させた状態で配置することができる。この状態で、複数の硬貨ボックス11を手前側の正面に向けてスライドさせて蓋開口部10に近付けて、硬貨ボックス11に硬貨を投入させ易くする。
そして、操作者と顧客との間で金銭の授受を行うと共に、タブレット端末機2で売上データなどの情報を入力し、この入力した情報を無線通信で金銭収納装置1に送信し、プリンタ47に動作指令を指示する。すると、プリンタ47がロール紙収納部からロール紙を引き出して印字部で売上データなどの情報を印字し、印字されたロール紙を印字面45aが前向き状態でレシート排出口46から筐体3の上方に向けて排出させて、レシート45として発行する。
このように、この電子レジスタの金銭収納装置1によれば、第1の取付状態である横置きの取付状態として紙幣投入口が第1の方向である上方を向くように所定の取付部である第2取付溝16a、16bに取り付けられた第1紙幣ボックス12を前記第1の方向に対して直交する第2の方向である横方向に向けてスライド移動させることにより、前記紙幣投入口が開閉蓋7で覆われる第1位置から前記紙幣投入口が開閉蓋7から開放される第2位置に移動させるスライド機構6と、前記第1位置の側が回動軸8aとなるように且つ前記第2位置の側が開放方向となるように開閉蓋7を回動させる回動機構8と、を備え、第2取付溝16a、16bは、回動機構8による開閉蓋7の回動動作に対応させた第2の取付状態である縦置きの取付状態として第1紙幣ボックス12に代えて複数の硬貨ボックス11に付け替え可能に構成されていることにより、第1紙幣ボックス12に代えて複数の硬貨ボックス11を容易に入れ替えることができる。
すなわち、この金銭収納装置1では、第1の取付状態である横置きの取付状態のときに、紙幣投入口が上方を向くように第1紙幣ボックス12を第2取付溝16a、16bによって取り付けることができ、第2の取付状態である縦置きの取付状態のときに、第1紙幣ボックス12を取り外し、この取り外した第1紙幣ボックス12の箇所に、複数の硬貨ボックス11を第2取付溝16a、16bによって取り付けることができるので、第1紙幣ボックス12に代えて複数の硬貨ボックス11を容易に入れ替えることができる。
また、この金銭収納装置1では、第1紙幣ボックス12と複数の硬貨ボックス11とを収納し、スライド機構6によって開閉蓋7で覆われる前記第1位置から金銭投入口が開閉蓋7から開放される前記第2位置に移動する金銭収納ケース4を備えていることにより、横置きの取付状態のときに、第1紙幣ボックス12と複数の硬貨ボックス11とを金銭収納ケース4内に並列に並べて配置することができ、縦置きの取付状態のときに、第1紙幣ボックス12を取り外して複数の硬貨ボックス11を配置することができる。
また、この金銭収納装置1では、取付部である第2取付溝14a、14bが、前記第1位置から前記第2位置に移動する移動方向に対して直交する方向の金銭収納ケース4内の両側面に設けられた幅狭の溝部であることにより、横置きの取付状態のときに、紙幣投入口が上方を向くように第1紙幣ボックス12を第2取付溝16a、16bによって取り付けることができ、第2の取付状態である縦置きの取付状態のときに、第1紙幣ボックス12を取り外し、この取り外した第1紙幣ボックス12の箇所に、複数の硬貨ボックス11を第2取付溝16a、16bによって取り付けることができる。
この場合、第1紙幣ボックス12と複数の硬貨ボックス11とは、第2取付溝16a、16bにスライド可能に取り付けられる係合部である一対の規制突起15a、15bと複数の各一対の係合突起13a、13bとを備えていることにより、第1紙幣ボックス12の一対の規制突起15a、15bを第2取付溝16a、16bに係合させることにより、横置きの取付状態のときに、紙幣投入口を上方に向けて第1紙幣ボックス12を取り付けることができ、硬貨ボックス11の硬貨投入口を上方に向けることができ、また硬貨ボックス11の係合突起13a、13bを第2取付溝16a、16bに係合させることにより、硬貨投入口を横方向に向けた状態で硬貨ボックス11を取り付けることができる。
すなわち、第1紙幣ボックスの一対の規制突起15a、15bは、金銭収納ケース4の引出方向である移動方向と直交する方向の第1紙幣ボックス12の両側部に設けられ、第1紙幣ボックス12の移動方向である前後方向の横幅15dが、第2取付溝16a、16bにおける移動方向である前後方向の溝幅16cと同じ長さに形成されているので、第1紙幣ボックス12の一対の規制突起15a、15bを第2取付溝16a、16bに係合させることができ、これにより紙幣投入口を上方に向けて第1紙幣ボックス12を取り付けることができる。
また、硬貨ボックス11の一対の係合突起13a、13bは、金銭収納ケース4の引出方向である移動方向と直交する方向の硬貨ボックス11の両側部に設けられ、硬貨ボックス11の移動方向である前後方向の横幅13cが、第2取付溝16a、16bにおける移動方向である前後方向の溝幅16cと同じ長さに形成されているので、硬貨ボックス112の一対の係合突起13a、13bを第2取付溝16a、16bに係合させることができ、これにより硬貨投入口を横方向に向けて硬貨ボックス11を取り付けることができる。
この場合、金銭収納装置1は、前記第1位置から前記第2位置に移動する移動方向における第1紙幣ボックス12と複数の硬貨ボックス11との前後方向の向きを規制する位置規制部を備えていることにより、金銭収納ケース4内に配置される第1紙幣ボックス12と複数の硬貨ボックス11との前後方向の向きを間違えずに、第1紙幣ボックス12と複数の硬貨ボックス11とを金銭収納ケース4内に確実にかつ良好に配置することができる。
すなわち、第1紙幣ボックス12の両側部に設けられた一対の規制突起15a、15bは、第1紙幣ボックス12の一方の側面、例えば左側の側面に設けられた一方の規制突起15aの横幅15dが、第1紙幣ボックス12の他方の側面、例えば右側の側面に設けられた他方の規制突起15bの横幅15dよりも厚く形成され、金銭収納ケース4内の両側面に設けられた一対の第2取付溝16a、16bは、金銭収納ケース4内の一方の側面、例えば左側の側面に設けられた一方の第2取付溝16aの溝幅16cが、金銭収納ケース4内の他方の側面、例えば右側の側面に設けられた他方の第2取付溝16bの溝幅16cよりも長く形成されているので、金銭収納ケース4内に第1紙幣ボックス12を、前後方向の向きを間違えずに、正確にかつ良好に配置することができる。
この場合、第1紙幣ボックス12は、一方の側面である左側の側面に設けられた前後の各規制突起15aが、金銭収納ケース4内の両側面のうちの他方の側面である右側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16bにそれぞれ対応し、第1紙幣ボックス12の他方の側面である右側の側面に設けられた前後の各規制突起15bが、金銭収納ケース4内の一方の側面である左側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16aにそれぞれ対応しても、第1紙幣ボックス12の各規制突起15a、15bが金銭収納ケース4の各第2取付溝16a、16bに挿入しない。
このため、第1紙幣ボックス12は、一方の側面である左側の側面に設けられた前後の各規制突起15aを、金銭収納ケース4内の両側面のうちの一方の側面である左側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16aにそれぞれ対応させ、第1紙幣ボックス12の他方の側面である右側の側面に設けられた前後の各規制突起15bを、金銭収納ケース4内の他方の側面である右側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16bにそれぞれ対応させた際に、第1紙幣ボックス12の各規制突起15a、15bを金銭収納ケース4の各第2取付溝16a、16bに挿入させて係合させることができる。
これにより、第1紙幣ボックス12の前後一対の規制突起15a、15bと、金銭収納ケース4内の前後一対の第2取付溝16a、16bとは、金銭収納ケース4内に配置される第1紙幣ボックス12の前後方向の向きを規制することができるので、一対の規制突起15a、15bと金銭収納ケース4内の一対の第2取付溝16a、16bとによって、金銭収納ケース4内に配置される第1紙幣ボックス12の前後方向の向きを間違えずに、第1紙幣ボックス12を金銭収納ケース4内に確実にかつ良好に配置することができる。
また、硬貨ボックス11の両側部に設けられた一対の係合突起13a、13bは、硬貨ボックス11の一方の側面、例えば左側の側面に設けられた一方の係合突起13aの厚み13dが、硬貨ボックス11の他方の側面、例えば右側の側面に設けられた他方の係合突起13bの厚み13dよりも厚く形成され、一方の係合突起13aが金銭収納ケース4内の両側面に設けられた一対の第2取付溝16a、16bのうち、一方の側面、例えば左側の側面に設けられた一方の第2取付溝16aの溝幅16cに係合し、他方の係合突起13bが金銭収納ケース4内の他方の側面、例えば右側の側面に設けられた他方の第2取付溝16bの溝幅16cに係合することにより、金銭収納ケース4内に横向き状態で硬貨ボックス11を、前後方向の向きを間違えずに、正確にかつ良好に配置することができる。
この場合、硬貨ボックス11は、一方の側面である左側の側面に設けられた一方の係合突起13aが、金銭収納ケース4内の両側面のうちの他方の側面である右側の内側面に設けられた他方の第2取付溝16bに対応し、硬貨ボックス11の他方の側面である右側の側面に設けられた他方の係合突起13bが、金銭収納ケース4内の両側面のうちの一方の側面である右側の内側面に設けられた一方の第2取付溝16aに対応しても、硬貨ボックス11の左右一対の係合突起13a、13bが金銭収納ケース4内の一対の第2取付溝16a、16bに挿入しないため、金銭収納ケース4内に硬貨ボックス11を配置することができない。
このため、複数の硬貨ボックス11は、一方の側面である左側の側面に設けられた各係合突起13aを、金銭収納ケース4内の両側面のうちの一方の側面である左側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16aにそれぞれ対応させ、各硬貨ボックス11の他方の側面である右側の側面に設けられた各係合突起13bを、金銭収納ケース4内の他方の側面である右側の内側面に設けられた前後の各第2取付溝16bにそれぞれ対応させた際に、硬貨ボックス11の一対の係合突起13a、13bを金銭収納ケース4の前後一対の第2取付溝16a、16bに挿入させて係合させることができる。
これにより、硬貨ボックス11の左右一対の係合突起13a、13bと金銭収納ケース4内の一対の第2取付溝16a、16bとは、金銭収納ケース4内の奥側に横向き状態で配置される硬貨ボックス11の前後方向の向きを規制することができるので、左右一対の係合突起13a、13bと金銭収納ケース4内の一対の第2取付溝16a、16bとによって、金銭収納ケース4内に配置される硬貨ボックス11の前後方向の向きを間違えずに、硬貨ボックス11を横向き状態で金銭収納ケース4内に確実にかつ良好に配置することができる。
また、この金銭収納装置1では、縦置きの取付状態である縦置設置と横置きの取付状態である横置設置との間で当該設置向きに対応した第1、第2紙幣ボックス12、18の入れ替えを可能に構成すると共に、縦置設置と横置設置との間で金銭ボックスである硬貨ボックス11を共用可能に構成したことにより、縦置設置と横置設置とで第1、第2紙幣ボックス12、18を入れ替えて使用することができると共に、縦置設置と横置設置とで硬貨ボックス11の取付向きを変えることで、縦置設置と横置設置とで硬貨ボックス11を共用することができる。
すなわち、この金銭収納装置1では、縦置設置と横置設置とで第1、第2紙幣ボックス12、18を入れ替えることができるので、横置設置のときに第1紙幣ボックス12を配置して使用することができ、縦置設置のときに第2紙幣ボックス18を配置して使用することができる。また、縦置設置と横置設置とで硬貨ボックス11を共用することができるので、横置設置で第1紙幣ボックス12と硬貨ボックス11とを並列に配置することができ、かつ第1紙幣ボックス11を取り外して、硬貨ボックス11の取付向きを変えることにより、硬貨ボックス11を縦置設置することができる。
この場合、縦置きの取付状態である縦置設置に対応した第2紙幣ボックス18よりも横置きの取付状態である横置設置に対応した第1紙幣ボックス12の方が底深に構成されていることにより、横置設置のときに第1紙幣ボックス12と硬貨ボックス11とを並列に配置することができ、また縦置設置のときに第2紙幣ボックス18を縦向きで硬貨ボックス11に対面させた状態でコンパクトに収納することができる。
また、この金銭収納装置1では、縦置きの取付状態である縦置設置に対応した第2紙幣ボックス18よりも横置きの取付状態である横置設置に対応した第1紙幣ボックス12の方が、紙幣を第1紙幣ボックス12の底面に対して垂直に近い角度で保持するように構成されていることにより、第1紙幣ボックス12と硬貨ボックス11とを並列に配置しても、第1紙幣ボックス12に紙幣を出し入れし易くすることができる。
この場合、横置設置に対応した第1紙幣ボックス12よりも縦置設置に対応した第2紙幣ボックス18の方が、紙幣を第2紙幣ボックス18の底面に対して前側に傾いた角度で保持するので、横置設置に対応した第1紙幣ボックス12よりも縦置設置に対応した第2紙幣ボックス18の方が底浅であっても、第2紙幣ボックス18に紙幣を出し入れし易くすることができる。
さらに、この金銭収納装置1では、縦置きの取付状態である縦置設置と横置きの取付状態である横置設置との間で硬貨ボックス11に対する当該設置向きに対応した第1、第2紙幣ボックス12、18の配置位置が異なることにより、縦置設置においても横置設置においても硬貨ボックス11に対して第1紙幣ボックス12と第2紙幣ボックス18とを良好に配置することができる。
すなわち、この金銭収納装置1では、横置きの取付状態である横置設置のときに、硬貨ボックス11の硬貨投入口を上方に向け、第1紙幣ボックス12の紙幣投入口を上方に向け、この状態で硬貨ボックス11と第1紙幣ボックス12とを並列に並べて金銭収納ケース4内に良好に配置することができる。
また、この金銭収納装置1では、縦置きの取付状態である縦置設置のときに、硬貨ボックス11の硬貨投入口を上方に向けて、硬貨ボックス11を縦置設置の金銭収納ケース4内に良好に配置することができると共に、第2紙幣ボックス18の紙幣投入口を硬貨ボックス11に向けて、第2紙幣ボックス18を開閉蓋7の内面に配置した状態で、第2紙幣ボックス18を硬貨ボックス11に対面させて金銭収納ケース4内に良好にかつコンパクトに収納することができる。
なお、上述した実施形態では、スタンド20が一対のアーム部20aと、これら一対のアーム部20aの端部同士を連結する連結部20bと、を備えた構造である場合について述べたが、この発明は、これに限らず、例えば図14(a)に示す第1変形例のような構造であっても良く、また図14(b)に示す第2変形例のような構造であっても良い。
すなわち、図14(a)に示された第1変形例のスタンド50は、自重で垂れ下がる方向の長さが調整可能な構造になっている。つまり、このスタンド50は、一対のアーム部51が、角筒状の固定アーム51aと、この固定アーム51a内に圧接状態でスライド可能に挿入する挿入部51cを有するスライドアーム51bと、を備えている。
この場合、挿入部51cと反対側に位置する固定アーム51aは、スタンド収納部53内に取付軸20cによって回転自在に取り付けられている。一対のスライドアーム51bは、挿入部51cと反対側の端部同士が連結部52によって連結されている。また、スタンド収納部53は、一対のアーム部51を収納する一対のアーム収納部53aと、連結部52を収納する連結収納部53bと、を備え、この連結収納部53bがスライドアーム51bのスライド長さと同じ長さのスタンド幅をもって広く形成された構造になっている。
これにより、この第1変形例のスタンド50によれば、筐体3が縦置き状態で、開閉蓋7が手前側に向けて回転して横倒することにより、筐体3の蓋開口部10を開放させた際に、一対のアーム部51が自重でスタンド収納部53から抜け出して、連結部52を卓上などの載置面T上に配置させることができる。
このときに、開閉蓋7が卓上などの載置面T上に対して上下方向に傾いているときには、スライドアーム51bの挿入部51cが固定アーム51aに挿入する挿入長さを調整して一対のアーム部51の長さを調整することにより、一対のアーム部51を開閉蓋7に対してほぼ垂直な状態にして、卓上などの載置面T上に対して開閉蓋7をほぼ平行な水平な状態で良好に支持することができる。
また、このスタンド50では、スライドアーム51bの挿入部51cが固定アーム51aに挿入する挿入長さを調整して一対のアーム部51の長さを調整することにより、卓上などの載置面T上に対して開閉蓋7を上方に傾けた状態で使用することで、設置スペースを更に狭くすることができる。
また、図14(b)に示された第2変形例のスタンド55は、開閉蓋7に対する取付位置が調整可能な構造であり、これ以外は第1変形例のスタンド50とほぼ同じ構造になっている。すなわち、このスタンド55を収納するスタンド収納部53の一対のアーム収納部53aには、一対のアーム部51の各固定アーム51aに設けられた取付軸20cを取り付けるための複数の取付孔56がアーム収納部53aに沿って設けられている。
これにより、このスタンド55によれば、筐体3が縦置き状態で、開閉蓋7が手前側に向けて回転して横倒することにより、筐体3の蓋開口部10を開放させた際に、一対のアーム部51が自重でスタンド収納部53から抜け出して、連結部52を卓上などの載置面T上に配置させることができる。
このときに、開閉蓋7が卓上などの載置面T上に障害物が存在しているときには、スタンド収納部53の一対のアーム収納部53aに対する一対のアーム部51の各固定アーム51aに設けられた取付軸20cが取り付けられる取付孔56を変更することにより、取付軸20cの取付位置を調整することができるので、卓上などの載置面T上に障害物が存在していても、載置面T上に対して開閉蓋7をほぼ水平な状態で良好に支持することができる。
また、このスタンド55では、スタンド収納部53の一対のアーム収納部53aに対する一対のアーム部51の各固定アーム51aに設けられた取付軸20cが取り付けられる取付孔56を変更することにより、卓上などの載置面T上に対して開閉蓋7を上方に傾けた状態で使用することで、設置スペースを更に狭くすることができる。
また、上述した実施形態では、筐体3が横置き状態のとの上面3bに開閉蓋7を設けた場合について述べたが、この発明は、これに限らず、筐体3が横置き状態のときの下面に開閉蓋7を設けた構造であっても良い。
また、上述した実施形態では、開閉機構23が、モータ34によって回転する中間車36、第1回転体37、および第2回転体38が歯車である場合について述べたが、この発明は、これに限らず、中間車、第1回転体、および第2回転体をプーリで構成して、中間車の回転をベルトで第1回転体および第2回転体に伝達するように構成しても良い。
さらに、上述した実施形態では、開閉機構23が、モータ34によって回転する中間車36、第1回転体37、および第2回転体38を備えた構造である場合について述べたが、この発明は、これに限らず、モータ34によって正転および逆転する1つの回転体を設け、この回転体に第1カムピン40と第2カムピン41とを設けた構造であっても良い。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
請求項1に記載の発明は、第1の取付状態として紙幣投入口が第1の方向を向くように所定の取付部に取り付けられた所定の紙幣ボックスを前記第1の方向に対して直交する第2の方向に向けてスライド移動させることにより、前記紙幣投入口が所定の覆い部材で覆われる第1位置から前記紙幣投入口が前記覆い部材から開放される第2位置に移動させるスライド機構と、前記第1位置の側が回動軸となるように且つ前記第2位置の側が開放方向となるように前記覆い部材を回動させる回動機構と、を備え、前記取付部は、前記回動機構による前記覆い部材の回動動作に対応させた第2の取付状態として前記紙幣ボックスに代えて所定の複数の硬貨ボックスに付け替え可能に構成されていることを特徴とする金銭収納装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の金銭収納装置において、前記紙幣ボックスおよび前記複数の硬貨ボックスを収納し、前記スライド機構によって前記覆い部材で覆われる前記第1位置から金銭投入口が前記覆い部材から開放される第2位置に移動する金銭収納ケースを備えていることを特徴とする金銭収納装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の金銭収納装置において、前記取付部は、前記第1位置から前記第2位置に移動する移動方向に対して直交する方向の前記金銭収納ケース内の両側面に設けられた溝部であることを特徴とする金銭収納装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の金銭収納装置において、前記紙幣ボックスと前記複数の硬貨ボックスとは、前記取付部にスライド可能に取り付けられる係合部を備えていることを特徴とする金銭収納装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の金銭収納装置において、前記第1位置から前記第2位置に移動する移動方向における前記紙幣ボックスと前記複数の硬貨ボックスとの前後方向の向きを規制する規制部を備えていることを特徴とする金銭収納装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の金銭収納装置において、縦置設置と横置設置との間で当該設置向きに対応した紙幣ボックスへの入れ替えを可能に構成すると共に、前記縦置設置と前記横置設置との間で前記硬貨ボックスを共用可能に構成したことを特徴とする金銭収納装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の金銭収納装置において、前記縦置設置に対応した紙幣ボックスよりも前記横置設置に対応した紙幣ボックスの方が底深に構成されていることを特徴とする金銭収納装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項6または請求項7に記載の金銭収納装置において、前記縦置設置に対応した前記紙幣ボックスよりも前記横置設置に対応した前記紙幣ボックスの方が、紙幣を当該紙幣ボックスの底面に対して垂直に近い角度で保持するように構成されていることを特徴とする金銭収納装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項6〜請求項8のいずれかに記載の金銭収納装置において、前記縦置設置と前記横置設置との間で前記硬貨ボックスに対する当該設置向きに対応した前記紙幣ボックスの配置位置が異なることを特徴とする金銭収納装置である。