JP2019137143A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】風切音の低減が可能な車両用空調装置を提供する。【解決手段】車両用空調装置1は、空気通路10aを内部に形成する空調ケース10と、空調ケース10内に設けられ、空気通路10aを開閉する吹出ドア100と、を備える。吹出ドア100は、回動可能な回転軸部110と、回転軸部110に連結されて回転軸部110とともに回動するドア板部120と、空気通路10aを閉じた状態で空調ケース10と接触する弾性変形可能な弾性部130とを備える。吹出ドア100は、ドア板部120における空気流れの上流側の上流面121において、回転軸部110の軸方向に直交する方向に関して弾性部130よりも回転軸部110側に形成されたリブ140と、を有する。【選択図】図1
Description
この明細書における開示は、車両用空調装置に関する。
特許文献1には、車両用空調装置において空調ケースの開口部を開閉する開閉ドアが開示されている。この開閉ドアは、ドア本体と、ドア本体の先端に設けられた弾性変形可能なリップシールとを備える。リップシールの先端には、複数個の凸部が設けられている。
特許文献1の技術では、リップシールの先端に設けた凸部によってリップシールと開口部の縁部との間を通過するときに空気を撹乱させて、ドアの下流側での空気の渦列の発生を抑制し、風切音を低減させる。しかし、開閉ドアの開度によっては、リップシールと開口部の縁部との間を通過する空気の流速が速く、凸部による撹乱が不十分のまま空気が通過する。換言すれば、空気が層流状態または層流に近い状態を維持したまま開閉ドアと開口部の縁部との間を通過する。この場合、ドアの下流側で渦列が発生し、風切音の原因となる。
開示される目的は、風切音の低減が可能な車両用空調装置を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された車両用空調装置のひとつは、空気が流通する空気通路(10a)を内部に形成する空調ケース(10)と、空調ケース内に設けられ、空気通路を開閉する開閉ドア(100)と、を備え、開閉ドアは、回動可能な回転軸部(110)と、回転軸部に連結されて回転軸部の軸回りに回動するドア板部(120)と、回転軸部の径方向におけるドア板部の端部に設けられ、ドア板部と異なる弾性変形可能な材料で形成されており、空気通路を閉じた状態で空調ケースと接触する弾性部(130、4130)と、ドア板部における空気の流れの上流側に位置する表面(121)において、径方向に関して弾性部よりも回転軸部側に形成されたリブ(140、2140)と、を有する。
この開示によれば、空調ケース内を流通し、開閉ドアと空調ケースとの間の隙間に対して流れる空気流れのうち、開閉ドアの上流側の表面に沿って流れる空気は、この表面に設けられたリブに衝突する。リブに衝突した空気は、その流れの向きおよび速度が変化する。開閉ドアと空調ケースとの間の隙間に対して流れる空気流れは、リブによって向きおよび速度が変化した流れと、この流れに衝突する流れとによって、リブがない場合と比較して乱流状態またはより乱流に近い状態の空気流れとなる。この状態の空気流れが開閉ドアと空調ケースとの間を通過するので、開閉ドアの下流側での空気の渦列の発生が抑制される。以上により、風切音の低減が可能な車両用空調装置を提供することができる。
(第1実施形態)
第1実施形態の車両用空調装置1について、図1、図2を参照しながら説明する。車両用空調装置1は、車室内に温度調整された空気を供給する。車両用空調装置1は、空調ケース10と、空調ケース10の内部に配置された冷却用熱交換器および加熱用熱交換器4と、エアミックスドアと、複数の吹出ドア100とを備える。
第1実施形態の車両用空調装置1について、図1、図2を参照しながら説明する。車両用空調装置1は、車室内に温度調整された空気を供給する。車両用空調装置1は、空調ケース10と、空調ケース10の内部に配置された冷却用熱交換器および加熱用熱交換器4と、エアミックスドアと、複数の吹出ドア100とを備える。
空調ケース10は、ポリプロピレンのような、ある程度弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の成形品からなり、分割された複数のケース体からなる。この分割されたケース体は、冷却用熱交換器、加熱用熱交換器4、吹出ドア100等の機器を収納した後に、締結具により一体に結合されて空調ケース10を構成する。空調ケース10は、その内部に空気が流通する空気通路10aを形成する通路形成部材である。
空調ケース10は、車室内の空気である内気を取り込む内気取込口と、車外の空気である外気を取り込む外気取込口との2つの取込口を有する。2つの取込口は、内外気切替ドアによって開放、閉鎖が切替られる。
取込口の付近には、送風装置が設けられている。送風装置は、空調ケース10内に配置され回転駆動するファンと、ファンを駆動するモータとを備える。送風装置は、ファンの回転駆動によって空気を駆動し、空調ケース10内に空気流れを形成する。
冷却用熱交換器および加熱用熱交換器4は、空調ケース10内において送風装置の下流に収容されている。冷却用熱交換器は、送風装置の下流であって加熱用熱交換器4の上流に配置される。冷却用熱交換器は、空調ケース10内の通路全体を横断するように設けられている。換言すれば、冷却用熱交換器は、空調ケース10内を流通する実質的に全ての空気と熱交換可能に設けられている。
加熱用熱交換器4は、冷却用熱交換器の下流に配置され、内部を流通する熱媒体と外表面を通過する空気との間の熱交換を提供する。加熱用熱交換器4は、ヒータコア、ヒートポンプサイクルにおける凝縮器等によって提供される。加熱用熱交換器4は、空気通路10aを部分的に横断するように配置されている。より具体的には、空気通路10aは、冷却用熱交換器よりも下流側で、加熱用熱交換器4が配置される加熱通路と、加熱用熱交換器4を迂回する迂回通路とに分岐している。加熱用熱交換器4は加熱通路全体を横断するように設けられている。
加熱用熱交換器4の上流側には、エアミックスドアが設けられている。エアミックスドアは、加熱通路と迂回通路の開口面積比率を調整することで、それぞれの通路を流通する送風空気の風量を調整する。エアミックスドアは、板ドア、ロータリドア、スライドドア、フィルムドア等の多様なドア部材によって提供することができる。
加熱用熱交換器4の下流側には、空気の加熱を補助するための加熱装置5が設けられている。加熱装置5は、例えばニクロム線ヒータやPTCヒータ等の電気ヒータによって提供される。
空調ケース10内における空気流れの最下流には、空調風を車室内に吹き出すための複数の吹出口が設けられている。複数の開口は、ダクト等によってそれぞれ対応する複数の吹出口に連通している。複数の吹出口は、例えば車両のフロントガラスに向けて空気を吹き出すデフロスタ吹出口、乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイス吹出口、乗員の足元に向けて送風空気を吹き出すフット吹出口、後席の乗員に対して送風空気を吹き出すリア吹出口を含む。空調ケース10には、対応する吹出口から吹き出される送風空気の流量を調整する複数の吹出ドア100が設けられている。
図1および図2に示す吹出ドア100は、リア吹出口およびフロントフット吹出口から吹き出される空気の流量を調整するドアである。すなわち吹出ドア100は、空調ケース10内に設けられ、空気通路10aを開閉する開閉ドアの一例である。この吹出ドア100は、空調ケース10においてリア吹出口に連通するリア通路と、フロントフット吹出口に連通するフロントフット通路とが分岐する位置に設けられている。
以下に吹出ドア100の構成について説明する。以下の構成は、図1に示す吹出ドア100以外の吹出ドア100が有していてもよい。以下の構成は、第1実施形態の車両用空調装置1において、空調ケース10に取り付けられた複数の吹出ドア100のうち少なくとも1つ以上の吹出ドア100が有するものである。
吹出ドア100は、回転軸部110と、回転軸部110に連結した一対のドア板部120と、ドア板部120に設けられた弾性部130とを有する。吹出ドア100は、回転軸部110の軸方向における略同じ位置に一対のドア板部120が連結された所謂バタフライドアである。吹出ドア100は、回転軸部110の回動に伴うドア板部120の回動により、空気通路10aの開口面積を調整する。
回転軸部110は、空調ケース10に回動可能に支持されている。回転軸部110は、歯車機構やモードリンク機構等を介してサーボモータと連結され、サーボモータの回転駆動力が伝達されることで回転駆動する。回転軸部110は、例えば樹脂により形成されている。
ドア板部120は、回転軸部110に接続されて回転軸部110の径外方向に向かって延びる平板である。ドア板部120は、空気流れの上流側に位置する表面である上流面121と、空気流れの下流側に位置する表面である下流面122とを有する。上流面121には、後述の複数のリブ140が設けられている。ドア板部120は、樹脂により形成されている。ドア板部120は、回転軸部110の軸方向において同じ位置に一対取り付けられている。一対のドア板部120は、分岐したそれぞれ別の空気通路10aの開口面積を、1つの回転軸部110の回転によって調整する。一対のドア板部120は、それぞれ開閉する空気通路10aの形状に合わせた形状に形成されており、例えば図2に示すようにそれぞれ略矩形状である。
弾性部130は、ドア板部120の径方向における最外端123に設けられている。換言すれば、第1実施形態の弾性部130は、矩形のドア板部120の径方向における外側の辺に相当する縁部に設けられている。ここで最外端123は、ドア板部120の径方向における端部の先端である。すなわち最外端123は、ドア板部120の端部に含まれる。弾性部130は、ドア板部120の軸方向における両側端部124にも設けられている。第1実施形態において、弾性部130は、ドア板部120の外周縁を縁取るように設けられている。弾性部130は、ゴム材料等のドア板部120と異なる弾性変形可能な材料で形成されている。換言すれば、弾性部130はドア板部120と比較して容易に弾性変形可能な材料で形成されている。弾性部130は、最外端123から回転軸部110の径外方向に向けて突出するように設けられている。
弾性部130は、全閉状態において空調ケース10と接触することで吹出ドア100と空調ケース10との間を閉塞し、空気の流れを実質的に遮断させるシールリップである。弾性部130は、先端部が厚さ方向に二股に分岐した略V字状に形成されている。分岐した先端部のうちの空気流れに対する上流側を上流側先端部132と称し、下流側を下流側先端部133と称する。弾性部130は、分岐した一対の先端部のそれぞれに、外側に向かって突出した複数の突出部131を有する。
複数の突出部131は、弾性部130の先端に間欠的に設けられている。換言すれば、複数の突出部131は、弾性部130の先端に沿って、所定の間隔をおいて設けられている。すなわち、突出部131は、弾性部130の先端に、突出部131同士の隙間を有する。突出部131は、弾性部130の先端部と空調ケース10との間の隙間を通過する空気の流れを乱すことで、空気の流れを層流または層流に近い状態から、乱流または乱流に近い状態へと変化させ、ドア板部120の下流側での渦列の発生を抑制する。上流側先端部132および下流側先端部133の一方に形成された複数の突出部131は、他方に形成された複数の突出部131と、軸方向においてずれた位置に設けられている。すなわち、上流側先端部132および下流側先端部133の一方における隣接する突出部131と突出部131との間に形成される隙間は、他方における隣接する突出部131と突出部131との間に形成される隙間とは、軸方向において位置がずれている。
複数のリブ140は、ドア板部120の上流面121において、ドア板部120と一体成形されている。複数のリブ140は、例えばドア板部120の上流面121に対して垂直に延びる板状のリブである。複数のリブ140は、少なくとも径方向において回転軸部110側の面がドア板部120の表面に対して垂直である。複数のリブ140は、ドア板部120の上流面121に沿って回転軸部110側から弾性部130側へと流れる空気を一時的にせき止める機能を有するリブである。複数のリブ140は、自身に空気を衝突させることで空気の流れを遅くしたり、流れの方向を変更したりする。
複数のリブ140は、軸方向に平行な方向に並ぶように設けられている。図2においては、複数のリブ140は、径方向において同じ位置に並ぶように形成されている。または、複数のリブ140は径方向において多少ずれた位置に形成されていてもよい。複数のリブ140は、最外端123に設けられた弾性部130よりも径方向内側に設けられている。複数のリブ140は、径方向において、回転軸部110よりもドア板部120の最外端123側に近い位置に形成されている。複数のリブ140は、その全体が、ドア板部120の先端よりも径方向内側に収まる程度の寸法に形成されている。
複数のリブ140のうち隣接するリブ140とリブ140との間の幅寸法W1は、リブ140自体の幅寸法よりも小さい。また、幅寸法W1は、上流側先端部132に設けられた突出部131と突出部131との間の幅寸法W2と同等以下となるように形成されている。隣接するリブ140とリブ140との間の隙間の軸方向における位置は、弾性部130における隣接する突出部131と突出部131との間の隙間の軸方向における位置とずれた位置である。また、そのずれは、軸方向において不規則である。ここで、ずれが不規則とは、所定の隣接するリブ140同士の隙間と、このリブ140同士の隙間に軸方向の一方側で最も近い隣接する突出部131同士の隙間との距離と、軸方向の一方側と反対側で最も近い隣接する突出部131同士の隙間との距離とが異なっていることを意味する。複数のリブ140が形成する全ての隙間が、突出部131の隙間に対して不規則にずれているように形成されていてもよいし、特定のリブ140同士の1つの隙間が突出部131の隙間に対して不規則にずれている構成であってもよい。
次に、第1実施形態の車両用空調装置1における空気流れについて説明する。特に吹出ドア100の開度が比較的小さい場合の流れを説明する。吹出ドア100の開度が小さいと、吹出ドア100の上流から流れてきた空気の一部はドア板部120に向かい、ドア板部120の表面に沿って、吹出ドア100の弾性部130の先端と空調ケース10との間に形成されている隙間に向かって流れる。このドア板部120の表面に沿って流れる空気流れは、複数のリブ140に衝突する。換言すれば、ドア板部120の表面に沿って流れる空気流れは、複数のリブ140からの抵抗を受ける。複数のリブ140からの抵抗を受けた空気は、ドア板部120の表面から離間してリブ140を乗り越えるように流れるか、またはリブ140とリブ140との間の隙間を通過して流れる。
複数のリブ140に衝突した空気は、リブ140によって、その流れの向きおよび速度が変化する。この流れを以下において変化した流れと表記する。変化した流れは、複数のリブ140に衝突することのない空気流れ、すなわちドア板部120の表面から離間した空気流れと衝突する。この空気流れ同士の衝突により、弾性部130の先端と空調ケース10との間の隙間に対して流れる空気は撹乱されて、リブ140がない場合と比較して乱流に変化するか、またはより乱流に近い状態となる。
この空気流れの撹乱は、リブ140を乗り越える空気流れ、リブ140とリブ140との間の隙間を流れる空気流れのどちらのおいても発生する。リブ140とリブ140との間の隙間を流れる空気流れも、リブ140に衝突しない空気流れや、リブ140の真後ろの空気との速度差により、撹乱される。
以上のように形成された撹乱された空気流れは、複数のリブ140の通過後、弾性部130の先端へと向かう。と空調ケース10との間を通過する。このとき、隣接する突出部131と突出部131との間の隙間の位置が、隣接するリブ140とリブ140との間の隙間の位置に対して軸方向にずれているので、リブ140とリブ140との間を通過して径方向に直進した空気は、突出部131に衝突する。すなわち、リブ140とリブ140との間を通過した空気は、突出部131に衝突することでさらに撹乱されて流れる。
以上により、弾性部130の先端と空調ケース10との間の隙間を通過する空気は、複数のリブ140および複数の突出部131によって、撹乱した空気流れとなっている。このため、層流または層流に近い状態の空気流れと比較して、吹出ドア100の下流側で渦列が形成されにくくなっている。弾性部130の先端と空調ケース10との間を通過した空気流れは、その後吹出口へと向かい、車室内へと吹き出される。
次に第1実施形態の車両用空調装置1がもたらす作用効果について説明する。空気通路10aを内部に形成する空調ケース10と、空調ケース10内に設けられ、空気通路10aを開閉する吹出ドア100とを備える。吹出ドア100は、回動可能な回転軸部110と、回転軸部110に連結されて回転軸部110とともに回動するドア板部120とを有する。吹出ドア100は、ドア板部120と異なる弾性変形可能な材料で形成されている。吹出ドア100は、空気通路10aを閉じた状態で空調ケース10と接触する弾性部130と、ドア板部120における上流面121において、回転軸部110の軸方向に直交する方向に関して弾性部130よりも回転軸部110側に形成されたリブ140とを備える。
これによれば、空調ケース10内を流通し、吹出ドア100の上流面121に沿って流れる空気は、この面に設けられたリブ140に衝突し、流れの向きおよび速度が変化する。吹出ドア100と空調ケース10との間の隙間に対して流れる空気流れは、リブ140によって向きおよび速度が変化した流れと、この流れに衝突する流れとによって、リブ140がない場合と比較して乱流状態またはより乱流に近い状態の空気流れとなる。この状態の空気流れが吹出ドア100と空調ケース10との間を通過するので、吹出ドア100の下流側での空気の渦列の発生が抑制される。以上により、風切音の低減が可能な車両用空調装置1を提供することができる。
リブ140は、軸方向に複数並んで設けられている。これによれば、リブ140によって抵抗を受けた空気流れは、リブ140を乗り越えるように流れるのみでなく、リブ140とリブ140との間を通過するように流れる。リブ140とリブ140との間を通過する空気は、リブ140を乗り越えるように流れる空気よりも狭い空間を通過することになるため、隙間を通過する際の流速がより大きくなる。これにより、リブ140の後流側の空気との速度差が大きくなり、より空気流れを撹乱することが可能となる。
軸方向において隣接するリブ140とリブ140との間の幅寸法W1は、軸方向におけるリブ140自体の幅寸法よりも小さい。リブ140とリブ140との間の幅寸法がリブ140自体の幅寸法よりも大きいと、リブ140によって空気が十分な抵抗を受けることなくリブ140とリブ140との間を通過してしまう。したがって、リブ140とリブ140との間の幅寸法を、軸方向におけるリブ140自体の幅寸法よりも小さくすることで、1つ1つのリブ140によって空気が抵抗を受けやすくなる。これにより、リブ140によってより多くの空気流れの向き及び速度を変更することが可能となり、空気流れの乱れ度合をより大きくすることができる。
隣接するリブ140とリブ140との間の幅寸法は、隣接する突出部131と突出部131との間の幅寸法と同等以下である。これによれば、突出部131と突出部131との間の隙間を通過する場合と比較して、リブ140とリブ140との間の隙間を通過した空気の撹乱の度合いが大きくなる。すなわち、弾性部130と空調ケース10との間の隙間を通過する時点よりも上流における空気の撹乱の度合いをより大きくすることが可能となる。このため、より風切音が低減されやすくなる。
複数のリブ140が回転軸部110よりも弾性部130に近い側に形成されているので、空気がより弾性部130と空調ケース10との間の隙間に近い位置で撹乱されることになる。したがって、より撹乱の度合いが大きい状態の空気が弾性部130と空調ケース10との間の隙間を通過することとなる。このため、風切音の低減の効果を高めることが可能となる。
隣接するリブ140とリブ140との間の間隙部の軸方向における位置は、溝部の軸方向における位置とずれた位置である。これによれば、空気流れのうちリブ140とリブ140との間の間隙部を通過して直線的に流れる空気流れは、弾性部130における凸条部に衝突して抵抗を受ける。これによれば、弾性部130においてさらに空気流れを撹乱することが可能になる。
突出部131と突出部131との間の隙間の位置と、リブ140とリブ140との間の隙間の位置とのずれが不規則である。これによれば、突出部131に衝突して突出部131と突出部131との間の各隙間に向かう空気は、その圧力損失に軸方向に関してばらつきが生じる。このため、突出部131を通過した空気の乱れがより大きくなる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態における車両用空調装置1の変形例について説明する。図3において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第2実施形態では、第1実施形態における車両用空調装置1の変形例について説明する。図3において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第2実施形態の車両用空調装置1は、リブ2140が軸方向に複数並ぶように形成されているのではなく、軸方向に延びる1つの凸条として形成されている点が第1実施形態と相違する。リブ2140の幅方向の長さは、例えばドア板部120の幅寸法の半分より大きくなるように形成され、ドア板部120の上流面121に沿って流れる空気に対して抵抗となりやすくなっている。特にリブ2140の幅方向の長さは、ドア板部120の幅寸法と略同等であればより確実に上流面121に沿って流れる空気の抵抗となり、空気流れを撹乱させやすくなる。
第2実施形態のリブ2140によっても、上流面121を沿って流れる空気流れを撹乱させることができ、吹出ドア100の下流側で空気流れの渦列が発生することを抑制することができる。また、軸方向に延びる1つのリブ2140は、複数並んだリブ2140と比較して、ドア板部120の強度を向上させる効果が大きい。
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1実施形態における車両用空調装置1の変形例について説明する。図4において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第3実施形態では、第1実施形態における車両用空調装置1の変形例について説明する。図4において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第3実施形態の車両用空調装置1は、複数のリブ3140の形状が第1実施形態の複数のリブ140と異なる。複数のリブ3140は、ドア板部120の表面に対して傾斜するように延びる板状のリブである。複数のリブ3140は、ドア板部120の表面と直交する方向よりも、径方向について径内側に傾斜する方向に延びるように形成されている。複数のリブ3140は、特に径方向における回転軸部110側の面が、ドア板部120の上流面121と鋭角を形成するように形成されている。
ドア板部120の表面に沿って流れて複数のリブ3140に衝突した空気は、複数のリブ3140を乗り越える際、径方向について径内側に戻るように流れる。これにより、ドア板部120の表面から離間して流れる空気との間の速度差がより大きくなる。このため、リブ3140がドア板部120の表面と直交する方向や径方向について径外側に傾斜する方向に延びるように形成されている場合と比較して、より空気流れが撹乱されやすくなる。
リブ3140は、ドア板部120の表面に対して回転軸部側に傾斜するように設けられている。これによれば、ドア板部120の表面に沿って流れる空気流れがリブ3140によって受ける抵抗がより大きくなる。したがって、空気流れをさらに撹乱させることができる。
(他の実施形態)
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上述の実施形態において、リブ140、2140、3140はドア板部120と一体成形されているとしたが、一体成形されていなくてもよい。ドア板部120と別体に形成されたリブがドア板部120に嵌合により連結されている構成であってもよく、接合、接着等により連結されている構成であってもよい。
上述の実施形態において、リブ140、2140、3140は板状であるとしたが、リブの形状はこれに限定されない。例えば、リブは円柱形状や多角柱形状であってもよい。
上述の実施形態において、ドア板部120は平板状であるとしたが、ドア板部120の形状はこれに限らない。すなわちドア板部120は、湾曲した面や屈曲した面を有していてもよい。
上述の実施形態において、リブ140、2140、3140は、上流面121に垂直または回転軸部110側に傾斜しているとした。これに代えて、弾性部130、4130側に傾斜していてもよい。
上述の実施形態において、複数のリブ140、2140、3140は軸方向に平行に並んでいるとしたが、その並び方向は平行でなくてもよい。
上述の実施形態において、複数のリブ140が形成される開閉ドアは吹出ドア100であるとしたが、吹出ドア100以外のドアに形成されていてもよい。回転軸部110とドア板部120と弾性部130を有する板ドアであれば、車両用空調装置1における他の開閉ドア、例えば内外気切替ドアやエアミックスドア等にリブ140、2140、3140が形成されていてもよい。
上述の実施形態において、軸方向にて隣接するリブ140とリブ140との間の幅寸法は軸方向における複数のリブ140自体の幅寸法よりも小さいとした。しかし、上流面121に沿って流れる空気を十分に撹乱することができれば、隣接するリブ140とリブ140との間の幅寸法がリブ140自体の幅寸法以上であってもよい。
上述の実施形態において、吹出ドア100は一対のドア板部120が回転軸部110に連結されたバタフライドアであるとしたが、これに代えて、1つのドア板部120のみが回転軸部110に連結された板ドア、所謂片持ちドアであってもよい。
上述の実施形態において、複数のリブ140は1つのドア板部120につき1列並ぶ構成である。これに代えて、1つのドア板部120に複数列並ぶように複数のリブ140が形成されていてもよい。
上述の実施形態において、弾性部は、径方向におけるドア板部120の最外端123に形成されているとしたが、図5に示すように、弾性部4130がドア板部120の表面に設けられていてもよい。図5に示す例では、弾性部4130は最外端123に近接して、最外端123よりも多少内径側に設けられている。弾性部4130は、ドア板部120の端部において、空気通路10aを閉塞した状態で空気通路10aの壁面と接触可能な位置であれば、必ずしも最外端123に設けられていなくてもよい。
1 車両用空調装置、 10 空調ケース、 100 吹出ドア(開閉ドア)、 10a 空気通路、 110 回転軸部、 120 ドア板部、 121 上流面(表面)、 130、4130 弾性部、 131 突出部、 140、2140 リブ。
Claims (8)
- 空気が流通する空気通路(10a)を内部に形成する空調ケース(10)と、
前記空調ケース内に設けられ、前記空気通路を開閉する開閉ドア(100)と、
を備え、
前記開閉ドアは、
回動可能な回転軸部(110)と、
前記回転軸部に連結されて前記回転軸部の軸回りに回動するドア板部(120)と、
前記回転軸部の径方向における前記ドア板部の端部に設けられ、前記ドア板部と異なる弾性変形可能な材料で形成されており、前記空気通路を閉じた状態で前記空調ケースと接触する弾性部(130、4130)と、
前記ドア板部における前記空気の流れの上流側に位置する表面(121)において、前記径方向に関して前記弾性部よりも前記回転軸部側に形成されたリブ(140、2140)と、
を有する車両用空調装置。 - 前記リブは、前記回転軸部の軸方向に複数並んで設けられている請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記軸方向において隣接する前記リブと前記リブとの間の幅寸法は、前記軸方向における複数の前記リブ自体の幅寸法よりも小さい請求項2に記載の車両用空調装置。
- 前記弾性部は、前記ドア板部の外周縁において前記径方向に突出するように形成されており、前記軸方向に並ぶ複数の突出部(131)を先端に有し、
隣接する前記リブと前記リブとの間の幅寸法は、隣接する前記突出部と前記突出部との間の幅寸法と同等以下である請求項2または請求項3に記載の車両用空調装置。 - 隣接する前記リブと前記リブとの間の隙間の位置は、隣接する前記突出部と前記突出部との間の隙間の位置に対して前記軸方向にずれている請求項4に記載の車両用空調装置。
- 隣接する前記リブと前記リブとの間の隙間の前記軸方向における位置は、隣接する前記突出部と前記突出部との間の隙間の前記軸方向における位置に対するずれは、前記軸方向において不規則である請求項5に記載の車両用空調装置。
- 前記リブは、前記回転軸部の軸方向に直交する方向において前記回転軸部よりも前記弾性部に近い側に設けられている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
- 前記リブは、前記径方向における前記回転軸部側の面が、前記ドア板部の前記表面に対して鋭角を形成するように設けられている請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
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