JP2009073233A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造の複雑化とシール機能の耐久信頼性の低下を招くことなく、シール時の打音が抑制される車両用空調装置を提供すること。
【解決手段】このため、空調ケース1に形成された空調風の吹き出し口(15,12、9、13)が、回動軸(17d、17v、17f)を中心として回動されるモードドア(14、11、6)を用いて開閉されることにより、吹き出しモードが切替えられる車両用空調装置Uにおいて、前記モードドアは、ドア側シール部(16d、16v、16f)とケース側シール部(1d、1v、1f)のうち少なくとも一方の形状設定により、前記モードドアの閉度の増大に応じてシール部の接触面積を漸次増大させて、前記吹き出し口を漸次縮小する静音シール構造を備えるようにし、ドア側シール部とケース側シール部との相対的スピードが極大となる吹き出し口の全閉寸前にて、両シール部が相互接触していない残りの面積が極力小さくなるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、空調ケースに形成された空調風の吹き出し口が、回動軸を中心として回動されるモードドアを用いて開閉されることにより、吹き出しモードが切替えられる車両用空調装置に関する。
従来、空調装置内部のモードドアの開度が小さいとき(シール部の微小開口時)に顕著化する「ヒュー」という耳障りな異音を解消することを目的として、モードドアの外縁部に弾性材からなるシール部を設け、空調ケース内のシール部よりも下流側にシール面を形成し、このシール面と反対側部位(上流側)に多数のリブを互いに所定間隔を隔てて歯状に突出形成した車両用空調装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−205990号公報
しかしながら、従来の車両用空調装置にあっては、前記異音はシール部の微小間隙を通過する空調風がモードドアの背面側に渦を生じさせることに起因することを見出し、ドア先端部のシール部に多数のリブを所定間隔で歯状に突出形成させて空気の乱れを作り、前記渦を解消して前記異音を低減するものであった。
即ち、従来の構造によっては、シール時のモードドアと空調ケースの相互圧接による耳障りな打音を抑止することは困難であり、また、車両用空調装置の構造の複雑化、シール機能の耐久信頼性の低下を招く点も懸念されていた。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、構造の複雑化とシール機能の耐久信頼性の低下を招くことなく、シール時の打音が抑制される車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の特徴部分は、空調ケースに形成された空調風の吹き出し口が、回動軸を中心として回動されるモードドアを用いて開閉されることにより、吹き出しモードが切替えられる車両用空調装置において、
前記モードドアは、ドア側シール部とケース側シール部のうち少なくとも一方の形状設定により、前記モードドアの閉度の増大に応じてシール部の接触面積を漸次増大させて、前記吹き出し口を漸次縮小する静音シール構造を備えたことである。
よって、本発明の車両用空調装置では、空調風の吹き出し口は、モードドアの閉度の増大に応じてシール部の接触面積を漸次増大させて前記吹き出し口を漸次縮小する静音シール構造を備えたモードドアの開閉により切替えられる。そして、この静音シール構造は、モードドアのドア側シール部とケース側シール部のうち少なくとも一方の形状設定により構築される。
即ち、本発明の車両用空調装置では、前記静音シール構造によりモードドアの瞬間的な全閉動作が抑制されることから、吹き出し口のシール時にて、空気の振動が低減されて打音が抑制される。また、静音シール構造の形状設定に関し、空気の乱れを作る技術思想に基づいた従来技術の如く、ドア先端部のシール部に多数のリブを所定間隔で歯状に突出形成させる必要性はなく、例えば、前記静音シール構造は、前記ケース側シール部に最初に圧接される初期圧接点から離れるに従って前記モードドアの回動軸に向かって漸次傾斜するよう形状設定し、前記ドア側シール部に設けられて該ドア側シール部と前記ケース側シール部の相互接近により撓む可撓性シール部材により構成すれば実現されるものであって、従来技術に比べると車両用空調装置の構造の複雑化や耐久信頼性の低下の問題は小さいといえよう。
故に、本発明の車両用空調装置では、構造の複雑化とシール機能の耐久信頼性の低下を招くことなく、シール時の打音が抑制される。
以下、本発明の車両用空調装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1乃至実施例4に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の静音シール構造が適用されたモードドアを備えた車両用空調装置の断面図である。図2は実施例1の静音シール構造が適用されたモードドアの拡大斜視図である。図3は実施例1の静音シール構造が適用されたモードドアと吹き出し口(閉鎖時)の関係図であり、図1に示したZ方向に向かって見た場合の図である。
実施例1の静音シール構造が適用された車両用空調装置Uは、図1に示すように、空調ケース1に、空気を導入して車室に向かう空気流を発生させる送風機(所謂ブロワファン)10と、ブロワファン10の下流側に配置され、導入された空調風から熱を吸収して冷風を作り出す冷房用熱交換器(所謂エバポレータ)3と、エバポレータ3の下流側に配置され、エンジン冷却水を熱源として前記冷風を加熱して温風を作り出す暖房用熱交換器(所謂ヒータコア)4と、クリーンフィルタ2とを備える。
空調ケース1の空調風路は、ヒータコア4を迂回する冷風バイパス通路7と、前記冷風をヒータコア4が配置された温風通路8と、これら両通路が合流するエアミックス部Mとで形成され、エアミックスドア5の位置調節により、冷風バイパス通路7と温風通路8とを通過する冷風の分配調節が行なわれて空調風の温調が行なわれるようになっている。
空調ケース1の空調風路の下流部には、車両のフロントガラス位置に向けて前記温調された空調風を吹き出すためのデフ吹き出し口15と、乗員の上半身位置に向けて空調風を吹き出すためのベント吹き出し口12と、乗員の足元位置に向けて空調風を吹き出すためのフット吹き出し口9及びリアフット吹き出し口13とが設けられている。
前記吹き出し口(15、12、9、13)の上流側には、所謂バタフライドアたるモードドアとして、デフドア14、ベントドア11、フットドア6が、それぞれ回動軸17d、17v、17fを中心に回動されるように設けられている。これらモードドアの回動に基づいた吹き出し口の開閉により吹き出しモードの切替えが可能となっている。
前記モードドア(14、11、6)は、それぞれドア側シール部16d、16v、16fの形状設定により、前記モードドアの閉度の増大に応じてシール部の接触面積を漸次増大させて、前記吹き出し口を漸次縮小する静音シール構造を備えている。なお、ケース側シール部1d、1v、1f(各々のモードドアのドア側シール部が圧接する部分)は、シール時にて扁形なモードドアの広がり方向と非平行な傾斜面として形成されている(ドア側シール部とケース側シール部とで角度θが形成されている)。
前記静音シール構造は、図2(図2は、ベントドア11に関連する構成を例示したものであるが、他のモードドア(14、6)についても同様である。)に示すように、ドア側シール部16vとして設定し、ケース側シール部1vに最初に圧接される初期圧接点p1から離れるに従ってベントドア11の回動軸17vに向かって漸次傾斜するよう形状設定され、ドア側シール部16vとケース側シール部1vとの相互接近により、前記初期圧接点p1から漸次撓む可撓性シール部材16v(ドア側シール部16v)により構成されている。また、初期圧接点p1は、この可撓性シール部材16vのうち回動軸17vの軸方向片端の位置に設定されている。
即ち、前記可撓性シール部材16vは、図4に示すように、初期圧接点p1がケース側シール部1vに圧接した初期では、初期圧接点p1から離れた位置において、可撓性シール部材16vとケース側シール部1vとが接触せずに吹き出し口が微小開口した状態(図2に示すL1だけ互いに微小量離間した状態)となるように形成されている。また、この可撓性シール部材16vは、図3に示すように、ベント吹き出し口12をその開口縁部よりも広く覆い、初期圧接点p1の近傍、即ち、A-A断面線の近傍では、他の部分に比べてベント吹き出し口12を一層広く覆うものとなっている。
なお、前記可撓性シール部材16vは、熱可塑性エラストマを用いて構成される。この熱可塑性エラストマは、常温ではゴム弾性を示し、高温加熱時には溶融して流動性を示し、熱可塑性樹脂と同様に射出成形できるものである。一方、ベントドア11は、機械的強度の高い熱可塑性樹脂にて構成されている。従って、ベントドア11とドア側シール部16vとを成形金型内にて一体成形することが容易である。また、以上説明した静音シール構造は、デフドア14のドア側シール部16d、フットドア6のドア側シール部16fにも採用されている。
次に、作用を説明する。
図4は実施例1の静音シール構造の作用説明図であり、(a-1)は吹き出し口の全閉寸前の図3に示すA-A断面図、(a-2)は同じくB-B断面図、(a-3)は同じくC-C断面図、(b-1)は吹き出し口の全閉時の図3のA-A断面図、(b-2)は同じくB-B断面図、(b-3)は同じくC-C断面図である。以下、実施例1の静音シール構造の作用を説明する。
最初に、実施例1の静音シール構造を備えた車両用空調装置Uの動作の概要を説明する。車両用空調装置Uでは、ブロワファン10を駆動させると内外気切替えドア(不図示)により選択された内気または外気が空調ケース1に導入され、ブロワファン10の下流に配置される熱交換器(3,4)、熱交換器の下流に配置されるエアミックス部Mに向かって送風されていく。エアミックス部Mの混合空調風の温調は、車室設定温度が考慮され、エアミックスドア5の位置調節により行なわれる冷風バイパス通路7或いは温風通路8を通過する空調風の量的調節により行なわれる。
かくして温調された空調風は、吹き出しモード(デフモード、ベントモード、フットモード)に応じて、モードドア(14、11、6)の回動にて開閉されるデフ吹き出し口15、ベント吹き出し口12、フット吹き出し口9及びリアフット吹き出し口13から吹き出されていく。なお、モードドアは、図示しないアクチュエータの駆動力を受けてそれぞれ回動軸17d、17v、17fを中心として回動制御される。
このとき、ベント吹き出し口12を例にすると、ブロワファン10の駆動により空調ケース1に取り込まれる空気の流量は一定であるのに対してベント吹き出し口12から吹き出される空調風の流量はベントドア11の閉度増大(吹き出し口の開口面積減少)に応じて減少していく。そのため、特にベント吹き出し口12がベントドア11により全閉される寸前にあっては、特にベントドア11の上流側(高圧)と下流側(低圧)との圧力差が大きくなる。そして、この圧力差の増加に起因し、ベントドア11に対してその閉じ方向への押圧が作用して、ドア側シール部16vとケース側シール部1vとの相互接触寸前の相対的スピードが増加する。従来は、吹き出し口のシール時に、ドア側シール部とケース側シール部とが大きな相対的スピードでその全面が同時に接触するといえるもので、どうしてもモードドアの切替えの際に耳障りな打音が発生してしまうという問題があった。
実施例1の空調装置Uでは、ベントドア11が開から閉へ状態が切替えられると、可撓性シール部材16v(ドア側シール部材16v)は、図4(a-1)に示すように、最初に可撓性シール部材16vの初期圧接点p1(図2)がベント吹き出し口12のドア側シール部1vに圧接される。なお、図4(a-1)は、図3のA-A断面である。
このとき、ベント吹き出し口12に、初期圧接点p1から離れた位置(図3のB-B断面)では、ドア側シール部16vとケース側シール部1vとで微小間隙が形成され、また、この微小間隙は、初期圧接点p1から離れるほど大きくなる(図4(a-2)、(a-3))。なお、図4(a-2)は、図3のB-B断面であり、図4(a-3)は、図3のC-C断面である。
そのため、ベントドア11の閉じ動作の際、ドア側シール部16vは、その全領域が同時にケース側シール部1vに圧接されることはなく、ベントドア11の閉度の増大に応じてドア側シール部16vとケース側シール部1vとの相互圧接部分が漸次増大(ベント吹き出し口12は漸次縮小)して、ベント吹き出し口12の全閉に至るようになる。なお、図4(b-1)、(b-2)、(b-3)は、ベント吹き出し口12の全閉時の該吹き出し口の断面、つまり、この順に図3のA-A断面、B-B断面、C-C断面(この順に初期圧接点p1から近い)を示すものである。
即ち、ベントドア11の閉度が進むと、ドア側シール部16vとケース側シール部1vとの相対的スピードは大きくなるが、ドア側シール部16vとケース側シール部1vとが相互接触していない残りの面積については漸次減少していくため、シール時のドア側シール部16vとケース側シール部1vとの相互圧接に起因する打音は小さくなる。
また、可撓性シール部材16vの形状設定に関し、空気の乱れを作る従来技術の如くドア先端部のシール部に多数のリブを所定間隔で歯状に突出形成させたものではなく、ケース側シール部1vに最初に圧接される初期圧接点p1から離れるに従ってベントドア11の回動軸17vに向かって漸次傾斜するよう形状を設定したものであることから、従来技術に比べて車両用空調装置の構造の複雑化や耐久信頼性の低下の問題が低減される。
また、この可撓性シール部材16vは、図3に示すように、ベント吹き出し口12の開口縁部よりも広く覆い、初期圧接点p1(図2)の近傍、即ち、A-A断面線(図3)の近傍では、他の部分に比べてベント吹き出し口12をより一層大きく覆うものとなる。このため、初期圧接点p1近傍にて可撓性シール部材16vが多少欠損等しても、静音シール構造のシール機能が維持されるものとなる。なお、デフドア14の静音シール構造たる可撓性シール部材16d(ドア側シール部16d)、フットドア6の静音シール構造たる可撓性シール部材16f(ドア側シール部16f)についても同様な作用を持つ。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用空調装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 空調ケース1に形成された空調風の吹き出し口(15、12、9、13)が、回動軸(17d、17v、17f)を中心として回動されるモードドア(14,11,6)を用いて開閉されることにより、吹き出しモードが切替えられる車両用空調装置Uにおいて、前記モードドアは、ドア側シール部(16d、16v、16f)の形状設定により、前記モードドアの閉度の増大に応じてシール部の接触面積を漸次増大させて、前記吹き出し口を漸次縮小する静音シール構造を備えたため、シール時の打音が抑制される。
(2) 前記静音シール構造は、前記ドア側シール部に設定し、前記ケース側シール部に最初に圧接される初期圧接点p1から離れるに従って前記モードドアの回動軸に向かって漸次傾斜するよう形状設定して、該ドア側シール部と該ケース側シール部との相互接近により該初期圧接点から漸次撓む可撓性シール部材(16d、16v、16f)により構成したため、構造の複雑化とシール機能の耐久信頼性の低下を招くことがない。
(3) 前記初期圧接点p1を、前記可撓性シール部材のうち前記回動軸の軸方向片端の位置に設定したため、シール時の隙間を防止するために左右対称に形状を整える必要がなく、製造の容易化が図られる。
実施例2は、実施例1の静音シール構造の形状を変更した例である。
まず、構成を説明する。図5は実施例2の静音シール構造が適用されたモードドアの拡大斜視図である。
実施例2の静音シール構造では、図5に示すように、初期圧接点p2が可撓性シール部材162vのうち回動軸17vの軸方向両端から等距離の位置(中央位置)に設定されている。
即ち、初期圧接点p2がケース側シール部1vと圧接した初期では、初期圧接点p2から離れた位置において、可撓性シール部材162vとケース側シール部1vとが接触せずに吹き出し口が微小開口した状態(図5に示すように互いに微小量L2だけ離間した状態)となるように形成されている。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。また、デフドア14、フットドア6の静音シール構造についても同様である。
次に、作用を説明する。
実施例2の静音シール構造にあっては、ベント吹き出し口12の閉鎖時にベントドア11のドア側シール部162vがケース側シール部1vに圧接されるときに作用するベントドア11の回動方向に抗する負荷が均等化され、即ち、該負荷の偏在(局所的な負荷)が防止される。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので説明を省略する。また、デフドア14、フットドア6の静音シール構造についても同様である。
次に、効果を説明する。
実施例2の静音シール構造にあっては、実施例1の(1)及び(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(4) 初期圧接点p2を、可撓性シール部材162vのうち回動軸17vの軸方向両端から等距離の位置(中央位置)に設定したため、ベントドア162vの耐久信頼性が向上する。デフドア14、フットドア6の静音シール構造についても同様である。
実施例3は、実施例1の静音シール部材の形状を変更した例である。
まず、構成を説明する。図6は実施例3の静音シール構造が適用されたモードドアの拡大斜視図である。
実施例2の静音シール構造は、ドア側シール部163vに設定し、ケース側シール部1v(図1)に最初に圧接される初期圧接点p3から離れるに従ってベントドア11の閉じ動作の方向(図6の矢印Vの方向)に逆行する方向に向かって漸次傾斜するよう形状設定して、ドア側シール部163vとケース側シール部1vとの相互接近により初期圧接点p3から漸次撓む可撓性シール部材163vにより構成されている。
即ち、初期圧接点p3がケース側シール部1vと圧接した初期では、初期圧接点p3から離れた位置において、初期圧接点p3とケース側シール部1vとが接触せずに吹き出し口が微小開口した状態(図6に示すように互いに微小量L3だけ離間した状態)となるように形成されている。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。また、デフドア14、フットドア6の静音シール構造についても同様である。
次に、作用を説明する。
実施例1及び実施例2のように、可撓性シール部材163vをベントドア11の回動方向と直交する方向(図6の矢印Hの方向)に延設する量を変えるものではなく、ベントドア11の閉じ動作の方向(図6の矢印Vの方向)に逆行する方向に向かって漸次傾斜させたため、ケース側シール部1vについては、矢印Hの方向と水平な面であっても、ベントドア11の閉度に応じて可撓性シール部材163v(ドア側シール部163v)とケース側シール部1vとの接触面積が増大するようにできる。
次に、効果を説明する。
実施例3の静音シール構造にあっては、実施例1の(1)及び(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(5) 静音シール構造は、前記ドア側シール部163vに設定し、前記ケース側シール部1vに最初に圧接される初期圧接点p3から離れるに従ってベントドア11の閉じ動作の方向に逆行する方向に漸次傾斜するよう形状設定して、ドア側シール部163vとケース側シール部1vとの相互接近により初期圧接点p3から漸次撓む可撓性シール部材163vにより構成したため、ケース側シール部1vを、ドア側シール部163vとケース側シール部1vとで形成される角度θの傾斜面(図1)を有するよう構成する必要がなくなるので、ケース側シール部1vの構造を簡素化できる。
実施例4は、実施例1の静音シール構造を設ける対象を変更した例である。
まず、構成を説明する。図7は実施例4の静音シール構造が適用されたモードドアの正面図である。図8は実施例4の静音シール構造が適用されたモードドアと吹き出し口(閉鎖時)の関係図であり、図1(実施例1)に示したZ方向に向かって見た場合の図である。
実施例2の静音シール構造は、ケース側シール部1v´に設定し、ドア側シール部164v(実施例1で説明した角度θの傾斜面は設定していない。)が、最初に圧接される初期圧接点p4から離れるに従ってベントドア11の閉じ動作の方向に向かって漸次傾斜するよう形状設定した傾斜面が設定されている。
即ち、初期圧接点p4がケース側シール部1v´と圧接した初期では、初期圧接点p4から離れた位置において、初期圧接点p4とケース側シール部1v´とが接触せずに吹き出し口が微小開口した状態(図7に示すように互いに微小量L4だけ離間した状態)となるように形成されている。
また、この可撓性シール部材164vは、図8に示すように、ベント吹き出し口12をその開口縁部よりも広く覆い、初期圧接点p1の近傍、即ち、D-D断面線の近傍では、他の部分に比べてベント吹き出し口12を一層広く覆うものとなっている。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。また、デフドア14、フットドア6の静音シール構造についても同様である。
次に、作用を説明する。
図9は実施例4の静音シール構造の作用説明図であり、(a-1)は吹き出し口の全閉寸前の図8に示すD-D断面図、(a-2)は同じくE-E断面図、(a-3)は同じくF-F断面図、(b-1)は吹き出し口の全閉時の図8のD-D断面図、(b-2)は同じくE-E断面図、(b-3)は同じくF-F断面図である。
ベントドア11が開から閉へ状態が切替えられると、可撓性シール部材164v(ドア側シール部材164v)は、図9(a-1)に示すように、最初にケース側シール部1v´の初期圧接点p4(図7)がベントドア11のドア側シール部1vと圧接する。なお、図9(a-1)は、図8のD-D断面である。
このとき、この初期圧接点p4から離れた位置(図9のE-E断面)では微小間隙が形成されて、初期圧接点p4から離れるほど該間隙は拡大する(図9(a-2)、(a-3))。なお、図9(a-2)は、図8のE-E断面であり、図9(a-3)は、図8のF-F断面である。また、図8に示すa点は、図7に示すa点に対応し、図9に示すa,b,c点は、図7に示すa、b、c点に対応し、各図における位置関係を示したものである。
ベントドア11が閉じ動作にあるとき、ケース側シール部1v´は、その全領域が同時にドア側シール部164vと圧接するのではなく、ベントドア11の閉度の増大に応じてドア側シール部164vとケース側シール部1v´との相互圧接部分が漸次増大(ベント吹き出し口12が漸次縮小)して、ベント吹き出し口12の全閉に至るものとなる。なお、図9(b-1)、(b-2)、(b-3)は、ベント吹き出し口12の全閉時の図8のD-D断面、図8のE-E断面、図8のF-F断面である。
即ち、ベントドア11の閉度が進むと、前述したベントドア11の上流側と下流側の圧力差に起因してドア側シール部164vとケース側シール部1v´との相対的スピードが大きくなるが、ドア側シール部164vとケース側シール部1v´とが相互接触していない残りの面積については漸次減少していくため、シール時のドア側シール部164vとケース側シール部1v´との相互圧接に起因する打音は小さくなる。
実施例4の静音シール構造にあっては、ケース側シール部1v´の形状設定に関しては、空気の乱れを作る従来構造の如く多数のリブを所定間隔で歯状に突出形成させたものではなく、ドア側シール部164vに最初に圧接される初期圧接点p4から離れるに従ってベントドア11の回動軸に向かって漸次傾斜するよう形状を設定したケース1の内壁である。このため、実施例4の静音シール構造は、従来構造や実施例1乃至実施例3の静音シール構造に比べると、耐久信頼性が良好である。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので説明を省略する。また、デフドア14、フットドア6の静音シー構造についても同様である。
次に、効果を説明する。
実施例4の静音シール構造にあっては、実施例1の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記静音シール構造は、ケース側シール部1v´に設定し、前記ドア側シール部164vが最初に圧接される初期圧接点p4から離れるに従って前記モードドアの閉じ動作の方向に向かって漸次傾斜するよう形状設定した傾斜面を有するため、静音シール構造の耐久信頼性が良好である。
[構成の代替]
以上、本発明の車両用空調装置を実施例1乃至実施例4に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
即ち、空調ケースに形成された空調風の吹き出し口が、回動軸を中心として回動されるモードドアを用いて開閉されることにより、吹き出しモードが切替えられる車両用空調装置において、前記モードドアは、ドア側シール部とケース側シール部のうち少なくとも一方の形状設定により、前記モードドアの閉度の増大に応じてシール部の接触面積を漸次増大させて、前記吹き出し口を漸次縮小する静音シール構造を備えたものであれば、実施例1乃至実施例4の構成に限るものではない。
実施例1乃至実施例4では、ドア側シール部或いはケース側シール部の何れか一方に静音シール構造を設ける例を示したが、ドア側シール部とケース側シール部の両方に設けてもよい。
また、実施例1乃至実施例4において、前記静音シール構造は、前記ドア側シール部に設定し、前記ケース側シール部に最初に圧接される初期圧接点から離れるに従って前記モードドアの回動軸の方向と前記モードドアの閉じ動作の方向に逆行する方向との合成方向に漸次傾斜するよう形状設定して、該ドア側シール部と該ケース側シール部との相互接近により該初期圧接点から漸次撓む可撓性シール部材により構成してもよい。
さらに、静音シール構造は、モードドアのドア側シール部に設定され、先端部が膨らんで(例えば、断面略円形)、シール時にケース側シール部と圧接する面積が小さくなるよう形状設定された可撓性シール部材により構成してもよい。圧接面積が小さくなることにより、シール時の打音が更に低減されよう。
実施例1の静音シール構造が適用されたモードドアを備えた車両用空調装置の断面図である。 実施例1の静音シール構造が適用されたモードドアの拡大斜視図である。 実施例1の静音シール構造が適用されたモードドアと吹き出し口(閉鎖時)の関係図であり、図1に示したZ方向に向かって見た場合の図である。 実施例1の静音シール構造の作用説明図であり、(a-1)は吹き出し口の全閉寸前の図3に示すA-A断面図、(a-2)は同じくB-B断面図、(a-3)は同じくC-C断面図、(b-1)は吹き出し口の全閉時の図3のA-A断面図、(b-2)は同じくB-B断面図、(b-3)は同じくC-C断面図である。 実施例2の静音シール構造が適用されたモードドアの拡大斜視図である。 実施例3の静音シール構造が適用されたモードドアの拡大斜視図である。 実施例4の静音シール構造が適用されたモードドアの正面図である。 実施例4の静音シール構造が適用されたモードドアと吹き出し口(閉鎖時)の関係図であり、図1(実施例1)に示したZ方向に向かって見た場合の図である。 実施例4の静音シール構造の作用説明図であり、(a-1)は吹き出し口の全閉寸前の図8に示すD-D断面図、(a-2)は同じくE-E断面図、(a-3)は同じくF-F断面図、(b-1)は吹き出し口の全閉時の図3のD-D断面図、(b-2)は同じくE-E断面図、(b-3)は同じくF-F断面図である。
符号の説明
1・・・空調ケース,
11・・・ベントドア(モードドア),
12・・・ベント吹き出し口(吹き出し口),
13・・・リアフット吹き出し口(吹き出し口),
14・・・デフドア(モードドア),
15・・・デフ吹き出し口(吹き出し口),
16d・・・デフドアのドア側シール部,デフドアの可撓性シール部,
16v、162v、163v、164v・・・ベントドアのドア側シール部,デフドアの可撓性シール部,
16f・・・フットドアのドア側シール部,フットドアの可撓性シール部,
17d・・・デフドアの回動軸,
17v・・・ベントドアの回動軸,
17f・・・フットドアの回動軸,
1d・・・デフ吹き出し口のケース側シール部,
1v・・・ベント吹き出し口のケース側シール部,
1f・・・フット吹き出し口のケース側シール部,
6・・・フットドア(モードドア),
9・・・フット吹き出し口(吹き出し口),
p1,p2,p3,p4・・・初期圧接点,
L1,L2,L3,L4・・・傾斜.

Claims (7)

  1. 空調ケースに形成された空調風の吹き出し口が、回動軸を中心として回動されるモードドアを用いて開閉されることにより、吹き出しモードが切替えられる車両用空調装置において、
    前記モードドアは、ドア側シール部とケース側シール部のうち少なくとも一方の形状設定により、前記モードドアの閉度の増大に応じてシール部の接触面積を漸次増大させて、前記吹き出し口を漸次縮小する静音シール構造を備えたことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載した車両用空調装置において、
    前記静音シール構造は、前記ドア側シール部に設定し、前記ケース側シール部に最初に圧接される初期圧接点から離れるに従って前記モードドアの回動軸に向かって漸次傾斜するよう形状設定して、該ドア側シール部と該ケース側シール部との相互接近により該初期圧接点から漸次撓む可撓性シール部材により構成したことを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1に記載した車両用空調装置において、
    前記静音シール構造は、前記ドア側シール部に設定し、前記ケース側シール部に最初に圧接される初期圧接点から離れるに従って前記モードドアの閉じ動作の方向に逆行する方向に向かって漸次傾斜するよう形状設定して、該ドア側シール部と該ケース側シール部との相互接近により該初期圧接点から漸次撓む可撓性シール部材により構成したことを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1に記載した車両用空調装置において、
    前記静音シール構造は、前記ドア側シール部に設定し、前記ケース側シール部に最初に圧接される初期圧接点から離れるに従って前記モードドアの回動軸の方向と前記モードドアの閉じ動作の方向に逆行する方向との合成方向に漸次傾斜するよう形状設定して、該ドア側シール部と該ケース側シール部との相互接近により該初期圧接点から漸次撓む可撓性シール部材により構成したことを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載した車両用空調装置において、
    前記初期圧接点を、前記可撓性シール部材のうち前記回動軸の軸方向片端の位置に設定したことを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載した車両用空調装置において、
    前記初期圧接点を、前記可撓性シール部材のうち前記回動軸の軸方向両端から等距離の中央位置に設定したことを特徴とする車両用空調装置。
  7. 請求項2乃至請求項6の何れか1項に記載した車両用空調装置において、
    前記静音シール構造は、ケース側シール部に設定し、前記ドア側シール部が最初に圧接される初期圧接点から離れるに従って前記モードドアの閉じ動作の方向に向かって漸次傾斜するよう形状設定した傾斜面を有することを特徴とする車両用空調装置。
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KR102056773B1 (ko) * 2014-08-21 2019-12-19 한온시스템 주식회사 차량용 공조장치
JP2020050137A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 豊田合成株式会社 空調用レジスタ

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