JP2019134578A - 電機子 - Google Patents
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Abstract
【課題】スロット内でセグメント導体の先端部同士を接合する場合にも、大型化を防止することが可能な電機子を提供する。【解決手段】このステータ100は、ステータコア10と、複数のセグメント導体40の一方側先端部61と他方側先端部71とが、スロット12内において接合されている、コイル部20とを備える。複数のスロット12のうちの少なくとも1つのスロット12において、同一のスロット12に配置されている複数のセグメント導体40は、同相の複数のセグメント導体40からなる。【選択図】図8
Description
本発明は、電機子に関する。
従来、中心軸線方向に延びる複数のスロットが設けられた電機子コアを備える電機子が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、軸方向に延びる複数のスロットが設けられたステータコアを備える回転電機ステータ(以下、「ステータ」という)が開示されている。このステータは、ステータコアの軸方向一方側に配置される一方側導体セグメントの先端部と、ステータコアの軸方向他方側に配置される他方側導体セグメントの先端部とが接合されて構成されたコイルを備える。一方側導体セグメントおよび他方側導体セグメントは、それぞれ、絶縁被膜が設けられ、断面形状が矩形状の導体線から構成されている。また、一方側導体セグメントの先端部および他方側導体セグメントの先端部の接合される部分は、絶縁被膜から露出されている。そして、このステータでは、露出された先端部同士の間に、導電性を有するペースト状の結合材が配置された状態で、一方側導体セグメントの先端部と他方側導体セグメントの先端部とが結合材により接合されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載のステータでは、一方側導体セグメントの先端部および他方側導体セグメントの先端部の接合される部分が、絶縁被膜から露出しているため、一方側導体セグメントの先端部および他方側導体セグメントの先端部の接合部と、接合部に隣接して配置される導体セグメント(一方側導体セグメントまたは他方側導体セグメント)との間で、絶縁性能が低下する。そこで、絶縁性能を向上させるために、導体セグメントの絶縁被膜の厚みを大きくすることが考えられるが、絶縁被膜の厚みを大きくすると、その分、導体セグメントが大型化するため、ステータが大型化する。このため、従来のステータでは、スロット内で導体セグメント(セグメント導体)の先端部同士を接合する場合に、ステータ(電機子)が大型化するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、スロット内でセグメント導体の先端部同士を接合する場合にも、大型化を防止することが可能な電機子を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における電機子は、中心軸線方向に延びる複数のスロットが設けられている電機子コアと、中心軸線方向に対向して配置される複数のセグメント導体の先端部同士が、スロット内において接合されている、複数相のコイル部とを備え、複数のスロットのうちの少なくとも1つのスロットにおいて、同一のスロットに配置されている複数のセグメント導体は、同相の複数のセグメント導体からなる。
この発明の一の局面による電機子では、上記のように、複数のスロットのうちの少なくとも1つのスロットにおいて、同一のスロットに配置されている複数のセグメント導体は、同相の複数のセグメント導体からなる。これにより、同一のスロットに配置されている同相の複数のセグメント導体同士の電位差を、互いに異なる相(以下「異相」という)の複数のセグメント導体同士の電位差よりも小さくすることができる。この結果、先端部同士がスロット内において接合されている場合でも、異相のセグメント導体が設けられている場合に比べて、接合されている部分(導体が露出されている部分)に隣接するセグメント導体の絶縁部分が大型化するのを防止することができる。その結果、セグメント導体が大型化するのを防止することができるので、その分、電機子が大型化するのを防止することができる。また、セグメント導体の絶縁部分が大型化するのを防止することができるので、先端部同士がスロット内において接合されている場合でも、スロット内におけるコイル占積率が低下するのを防止することができる。
本発明によれば、上記のように、スロット内でセグメント導体の先端部同士を接合する場合にも、大型化を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(ステータの構造)
図1〜図15を参照して、第1実施形態によるステータ100の構造について説明する。ステータ100は、中心軸線C1を中心に円環形状を有する。なお、ステータ100は、特許請求の範囲の「電機子」の一例である。
(ステータの構造)
図1〜図15を参照して、第1実施形態によるステータ100の構造について説明する。ステータ100は、中心軸線C1を中心に円環形状を有する。なお、ステータ100は、特許請求の範囲の「電機子」の一例である。
本願明細書では、「軸方向(中心軸線方向)」とは、図1に示すように、ステータ100の中心軸線C1(ロータ101の回転軸線)に沿った方向(Z方向)を意味する。また、「周方向」とは、ステータ100の周方向(A方向)を意味する。また、「径方向」とは、ステータ100の半径方向(R方向)を意味する。また、「径方向内側」とは、ステータ100の中心軸線C1に向かう方向(R1方向)を意味する。また、「径方向外側」とは、ステータ100の外に向かう方向(R2方向)を意味する。
ステータ100は、ロータ101と共に、回転電機102の一部を構成する。回転電機102は、たとえば、モータ、ジェネレータ、または、モータ兼ジェネレータとして構成される。ステータ100は、図1に示すように、永久磁石(図示せず)が設けられるロータ101の径方向外側に配置されている。すなわち、第1実施形態では、ステータ100は、インナーロータ型の回転電機102の一部を構成する。
図2に示すように、ステータ100は、ステータコア10と、コイル部20とを備える。また、図3に示すように、コイル部20は、第1コイルアッセンブリ20aと第2コイルアッセンブリ20bとを含む。また、コイル部20は、後述する複数のセグメント導体40により構成されている。なお、ステータコア10は、特許請求の範囲の「電機子コア」の一例である。
(ステータコアの構造)
ステータコア10は、中心軸線C1(図1参照)を中心軸とした円筒形状を有する。また、ステータコア10は、たとえば、複数枚の電磁鋼板(たとえば、珪素鋼板)が軸方向に積層されることにより、形成されている。図4に示すように、ステータコア10は、軸方向に見て円環状を有するバックヨーク11と、バックヨーク11の径方向内側に設けられ、軸方向に延びる複数(たとえば、48個)のスロット12とが設けられている。そして、ステータコア10には、スロット12の周方向両側に複数のティース13が設けられている。
ステータコア10は、中心軸線C1(図1参照)を中心軸とした円筒形状を有する。また、ステータコア10は、たとえば、複数枚の電磁鋼板(たとえば、珪素鋼板)が軸方向に積層されることにより、形成されている。図4に示すように、ステータコア10は、軸方向に見て円環状を有するバックヨーク11と、バックヨーク11の径方向内側に設けられ、軸方向に延びる複数(たとえば、48個)のスロット12とが設けられている。そして、ステータコア10には、スロット12の周方向両側に複数のティース13が設けられている。
スロット12は、後述する第1一方端面64よりも径方向外側に設けられたバックヨーク11の壁部11aと、2つのティース13の周方向側面13aとに囲まれた部分である。そして、スロット12には、後述する第2他方端面75よりも径方向内側に設けられ、径方向内側に開口する開口部12aが設けられている。また、スロット12は、軸方向両側のそれぞれに開口している。ティース13は、バックヨーク11から径方向内側に突出するように形成されており、径方向内側の先端部にスロット12の開口部12aを構成する凸部13bが形成されている。
開口部12aは、周方向に開口幅W1を有する。ここで、開口幅W1は、ティース13の凸部13bの凸部の先端部同士の距離に対応する。また、スロット12のコイル部20およびスロット絶縁紙14が配置される部分の幅W2は、開口幅W1よりも大きい。すなわち、スロット12は、セミオープン型のスロットとして構成されている。ここで、幅W2は、スロット12の周方向両側に配置されているティース13の周方向側面13a同士の距離に対応する。また、スロット12の幅W2は、径方向に亘って略一定である。
スロット絶縁紙14は、図5に示すように、ティース13とセグメント導体40との間に配置されている。そして、スロット絶縁紙14は、接合部被覆部14aを含む。接合部被覆部14aは、径方向に並列して配置されている複数のセグメント導体40のうちの最もスロット12の開口部12a側に配置されるセグメント導体40のうち、後述する、少なくとも一方側先端部61および他方側先端部71(接合部)の径方向内側を覆うように構成されている。なお、一方側先端部61は、特許請求の範囲の「第1先端部」の一例である。また、他方側先端部71は、特許請求の範囲の「第3先端部」の一例である。
詳細には、スロット絶縁紙14は、たとえば、アラミド紙、ポリマーフィルム等のシート状の絶縁部材により構成されており、セグメント導体40(コイル部20)とステータコア10との絶縁を確保する機能を有する。そして、スロット絶縁紙14は、セグメント導体40とティース13の周方向側面13aとの間、および、複数のセグメント導体40のうちの最も径方向外側に配置されたセグメント導体40と壁部11aとの間に配置されている。また、図3に示すように、スロット絶縁紙14は、スロット12から軸方向両側において、軸方向外側にそれぞれ突出するとともに、折り返されて形成された襟部14b(カフス部)を含む。
そして、スロット絶縁紙14は、矢印Z2方向に見て、径方向に並列して配置された複数のセグメント導体40の周囲を一体的に覆うように配置されている。言い換えると、径方向に並列して配置された複数のセグメント導体40の後述するスロット収容部31aおよび31bの周方向両側および径方向両側がスロット絶縁紙14により覆われる。これにより、スロット絶縁紙14によって、一方側先端部61および他方側先端部71とステータコア10との絶縁を確保することが可能となる。
(コイル部の構造)
コイル部20は、複数相(3相)の交流の電力が供給されるように構成されている。図6に示すように、たとえば、コイル部20は、3相のY結線により接続(結線)されている。すなわち、コイル部20は、U相コイル部20Uと、V相コイル部20Vと、W相コイル部20Wとを含む。たとえば、コイル部20には、複数(たとえば、2つ)の中性点Nが設けられている。詳細には、コイル部20は、4並列結線(スター結線)されている。すなわち、U相コイル部20U、V相コイル部20V、および、W相コイル部20Wは、それぞれ、互いに並列に接続された第1コイル部21と、第2コイル部22と、第3コイル部23と、第4コイル部24とを含む。
コイル部20は、複数相(3相)の交流の電力が供給されるように構成されている。図6に示すように、たとえば、コイル部20は、3相のY結線により接続(結線)されている。すなわち、コイル部20は、U相コイル部20Uと、V相コイル部20Vと、W相コイル部20Wとを含む。たとえば、コイル部20には、複数(たとえば、2つ)の中性点Nが設けられている。詳細には、コイル部20は、4並列結線(スター結線)されている。すなわち、U相コイル部20U、V相コイル部20V、および、W相コイル部20Wは、それぞれ、互いに並列に接続された第1コイル部21と、第2コイル部22と、第3コイル部23と、第4コイル部24とを含む。
ここで、第1実施形態では、図7に示すように、第1コイル部21と、第2コイル部22と、第3コイル部23と、第4コイル部24とは、それぞれ、波巻きコイルとして構成されている。詳細には、コイル部20は、横断面が略矩形状(図5参照)を有する平角導線が波巻きされることにより構成されている。すなわち、U相コイル部20U、V相コイル部20V、および、W相コイル部20Wは、複数の波巻きコイルにより構成されている。また、V相コイル部20VおよびW相コイル部20Wは、U相コイル部20Uと同様に構成されているため、以下、U相コイル部20Uの構成のみを説明する。
たとえば、図8に示すように、第1コイル部21と第3コイル部23とは、周方向に隣接するスロット12に配置されている。また、第2コイル部22と第4コイル部24とは、周方向に隣接するスロット12に配置されている。また、第1コイル部21と第2コイル部22とは、同一のスロット12に配置されている。また、第3コイル部23と第4コイル部24とは、同一のスロット12に配置されている。
詳細には、図9に示すように、U相コイル部20Uの第1コイル部21および第3コイル部23には、それぞれ、中心軸線C1方向(Z方向)に沿うように形成されスロット12に収容される複数のスロット収容部31aおよび31bと、互いに異なるスロット12に配置された複数のスロット収容部31aおよび31bを接続するコイルエンド部32とが設けられている。また、第2コイル部22および第4コイル部24にも、それぞれ、第1コイル部21および第3コイル部23と同様に、スロット収容部31aおよび31bとコイルエンド部32とが設けられている。
ここで、スロット収容部31aおよび31bは、ステータコア10の端面10aまたは10bの軸方向位置からスロット12の内に配置されている部分を意味し、コイルエンド部32は、スロット収容部31aおよび31bに連続して形成され、ステータコア10の端面10aまたは10bよりも軸方向外側に配置されている部分を意味するものとする。また、コイルエンド部32は、軸方向に折れ曲がる屈曲形状を有するとともに、屈曲する部分において、径方向にオフセットするオフセット部分を有する。
また、図10に示すように、スロット収容部31aおよび31bの軸方向長さは互いに異なる。具体的には、スロット収容部31aの軸方向長さL1は、スロット収容部31bの軸方向長さL2よりも大きい。なお、スロット収容部31a(31b)の軸方向長さL1(L2)とは、最先端部62または72からステータコア10の軸方向端面10aまたは10bに対応する軸方向位置までの長さを意味する。また、軸方向長さL1およびL2は、ステータコア10の軸方向長さL3よりも小さい。なお、ステータコア10の軸方向長さL3とは、軸方向端面10aと10bとの距離(間隔)を意味する。たとえば、軸方向長さL1は、軸方向長さL3の2分の1よりも大きく、軸方向長さL2は、軸方向長さL3の2分の1よりも小さい。なお、以下の記載において、スロット収容部31aとスロット収容部31bとを区別しない場合には、「スロット収容部31」として記載する。
そして、図9に示すように、第1コイル部21、第2コイル部22、第3コイル部23、および、第4コイル部24は、それぞれ、スロット収容部31aに対応する部分において、中心軸線C1方向の一方側から他方側に向かうように一のスロット12内に配置された後、コイルエンド部32に対応する部分において、ステータコア10の端面10aを沿うように渡って、スロット収容部31bに対応する部分において、一のスロット12とは異なる他のスロット12に、軸線方向の他方側から一方側に向かうようにスロット12内に配置される構成を有する。
ここで、第1実施形態では、図8に示すように、複数のスロット12のうちの少なくとも1つのスロット12において、同一のスロット12に配置されている波巻きされたコイル部20は、波巻きされた同相のコイル部20からなる。また、第1実施形態では、複数のスロット12の全てのスロット12において、同一のスロット12に配置されている波巻きされたコイル部20は、波巻きされた同相のコイル部20のみからなる。
たとえば、コイル部20は、8ターンのコイルとして構成されている。そして、同一のスロット12内には、U相コイル部20U、V相コイル部20V、および、W相コイル部20Wのうちのいずれかのコイル部20の8ターン全てのスロット収容部31(セグメント導体40)が配置される。言い換えると、U相コイル部20Uが配置されているスロット12には、他の相のコイル部20は配置されていない。同様に、V相コイル部20Vが配置されているスロット12には、他の相のコイル部20は配置されていない。W相コイル部20Wが配置されているスロット12には、他の相のコイル部20は配置されていない。ここで、各スロット12に対して周方向に番号♯1〜♯48を付すと、ステータ100では、スロット12に配置されるスロット収容部31(セグメント導体40)の相が、たとえば、周方向にU相、U相、V相、V相、W相、W相のこの順に繰り返すように構成されている。なお、図8には、番号♯1〜♯8、および、♯48のスロット12のみを図示している。
詳細には、図11に示すように、同一のスロット12に配置されている径方向に並列された複数(たとえば、8つ)のスロット収容部31のうちの一部(たとえば、4つ)のスロット収容部31は、周方向一方側(矢印A1方向側)に接続されたコイルエンド部32に接続されている第1コイル部21を構成し、他部(たとえば、4つ)のスロット収容部31は、周方向他方側(矢印A2方向側)に接続されたコイルエンド部32に接続されている第2コイル部22を構成する。詳細には、第1コイル部21のスロット収容部31と第2コイル部22のスロット収容部31とは、径方向に沿って交互に配置されている。同様に、第3コイル部23のスロット収容部31と第4コイル部24のスロット収容部31とは、径方向に沿って交互に配置(図8参照)されている。
すなわち、第1実施形態では、複数のスロット12のうちの少なくとも1つのスロット12において、同一のスロット12に配置されている複数のスロット収容部31(セグメント導体40)は、同相の複数のスロット収容部31(セグメント導体40)からなる。好ましくは、複数のスロット12のうちの全てのスロット12において、同一のスロット12に配置されている複数のセグメント導体40は、同相の複数のセグメント導体40からなる。
〈コイルアッセンブリの構造〉
コイル部20は、図2および図3に示すように、軸方向一方側(矢印Z1方向側)に設けられた第1コイルアッセンブリ20aと、軸方向他方側(矢印Z2方向側)に設けられた第2コイルアッセンブリ20bとが、軸方向に組み合わされるとともに、接合されて形成されている。第1コイルアッセンブリ20aおよび第2コイルアッセンブリ20bは、それぞれ、ステータコア10と同一の中心軸線C1(図1参照)を中心とした円環状に形成されている。
コイル部20は、図2および図3に示すように、軸方向一方側(矢印Z1方向側)に設けられた第1コイルアッセンブリ20aと、軸方向他方側(矢印Z2方向側)に設けられた第2コイルアッセンブリ20bとが、軸方向に組み合わされるとともに、接合されて形成されている。第1コイルアッセンブリ20aおよび第2コイルアッセンブリ20bは、それぞれ、ステータコア10と同一の中心軸線C1(図1参照)を中心とした円環状に形成されている。
第1コイルアッセンブリ20aは、図12に示すように、セグメント導体40としての複数(たとえば、3つ)の動力線接続用セグメント導体41(以下、「動力導体41」とする)と、セグメント導体40としての複数(たとえば、2つ)の中性点接続用セグメント導体42(以下、「中性点導体42」とする)と、複数のセグメント導体40のうちの動力導体41および中性点導体42とは異なる導体(一般のセグメント導体40)であり、コイル部20を構成する複数の一般導体43とを含む。
第2コイルアッセンブリ20bは、図3に示すように、複数の一般導体43から構成されている。好ましくは、第2コイルアッセンブリ20bは、複数の一般導体43のみから構成されており、ステータ100に設けられる動力導体41および中性点導体42の全ては、第1コイルアッセンブリ20aに設けられている。ここで、第1コイルアッセンブリ20aのスロット収容部31aおよび31bを、一方側スロット収容部60とし、第2コイルアッセンブリ20bのスロット収容部31aおよび31bを、他方側スロット収容部70とする。
(セグメント導体の構造)
第1実施形態では、セグメント導体40は、図13(a)に示すように、横断面が略矩形形状を有する平角導線として構成されている。そして、セグメント導体40の導体表面40bには、厚みt1を有する絶縁被膜40aが設けられている。絶縁被膜40aの厚みt1は、たとえば、コイルエンド部32同士の異相間の絶縁性能を確保することが可能な程度に設定されている。すなわち、セグメント導体40同士が近接した場合、導体本体40c同士の間に配置される2つの絶縁被膜40a(t1×2)により、異相間の絶縁が確保可能に、厚みt1が設定されている。たとえば、絶縁被膜40aは、ポリイミド等のコーティング剤により構成されている。また、セグメント導体40の導体本体40cは、たとえば、銅、アルミニウム等の金属材料(導電性材料)により構成されている。なお、図13では、説明のために、厚み等の大小関係を強調して図示しているが、この図示の例に限られない。
第1実施形態では、セグメント導体40は、図13(a)に示すように、横断面が略矩形形状を有する平角導線として構成されている。そして、セグメント導体40の導体表面40bには、厚みt1を有する絶縁被膜40aが設けられている。絶縁被膜40aの厚みt1は、たとえば、コイルエンド部32同士の異相間の絶縁性能を確保することが可能な程度に設定されている。すなわち、セグメント導体40同士が近接した場合、導体本体40c同士の間に配置される2つの絶縁被膜40a(t1×2)により、異相間の絶縁が確保可能に、厚みt1が設定されている。たとえば、絶縁被膜40aは、ポリイミド等のコーティング剤により構成されている。また、セグメント導体40の導体本体40cは、たとえば、銅、アルミニウム等の金属材料(導電性材料)により構成されている。なお、図13では、説明のために、厚み等の大小関係を強調して図示しているが、この図示の例に限られない。
〈一般導体の構造〉
図10に示すように、一般導体43は、一対のスロット収容部31aおよび31bと、コイルエンド部32とを含む。これにより、一般導体43は、径方向内側から見て、略U字形状または略J字形状を有する。ここで、図8に示すように、一般導体43のコイルピッチは6である。すなわち、一対のスロット収容部31aおよび31bは、スロット12が6つ分、周方向に異なる位置に配置される。すなわち、一般導体43のスロット収容部31aが配置されているスロット12と、スロット収容部31bが配置されているスロット12との間に、5つのスロットが設けられている。
図10に示すように、一般導体43は、一対のスロット収容部31aおよび31bと、コイルエンド部32とを含む。これにより、一般導体43は、径方向内側から見て、略U字形状または略J字形状を有する。ここで、図8に示すように、一般導体43のコイルピッチは6である。すなわち、一対のスロット収容部31aおよび31bは、スロット12が6つ分、周方向に異なる位置に配置される。すなわち、一般導体43のスロット収容部31aが配置されているスロット12と、スロット収容部31bが配置されているスロット12との間に、5つのスロットが設けられている。
〈動力導体および中性点導体の構造〉
動力導体41は、図12に示すように、複数の一方側スロット収容部60と動力端子部材41aとが電気的に接続(接合)されて形成されている。動力導体41は、電源部(図示せず)からコイル部20に電力を導入する機能を有する。そして、動力導体41は、たとえば、各相に1つずつ、計3つ設けられている。中性点導体42は、複数の一方側スロット収容部60と中性点用コイルエンド部42aとが電気的に接続(接合)されて形成されている。たとえば、中性点導体42は、複数(図12の例では2つ)設けられている。中性点導体42は、各相の中性点側端部を電気的に接続する機能を有する。
動力導体41は、図12に示すように、複数の一方側スロット収容部60と動力端子部材41aとが電気的に接続(接合)されて形成されている。動力導体41は、電源部(図示せず)からコイル部20に電力を導入する機能を有する。そして、動力導体41は、たとえば、各相に1つずつ、計3つ設けられている。中性点導体42は、複数の一方側スロット収容部60と中性点用コイルエンド部42aとが電気的に接続(接合)されて形成されている。たとえば、中性点導体42は、複数(図12の例では2つ)設けられている。中性点導体42は、各相の中性点側端部を電気的に接続する機能を有する。
(セグメント導体の先端部の構造)
図14に示すように、スロット12内では、複数(たとえば、8個)の一方側スロット収容部60が、径方向に並列して(隣り合うように)配置されているとともに、複数(たとえば、8個)の他方側スロット収容部70が、径方向に並列して(隣り合うように)配置されている。一方側スロット収容部60の矢印Z2方向側の先端部である一方側先端部61と、他方側スロット収容部70の矢印Z1方向側の先端部である他方側先端部71とは、互いに接合されている。なお、一方側スロット収容部60を有するセグメント導体40は、特許請求の範囲の「第1のセグメント導体」の一例である。また、他方側スロット収容部70を有するセグメント導体40は、特許請求の範囲の「第3のセグメント導体」の一例である。また、一方側先端部61は、特許請求の範囲の「第1先端部」の一例である。また、他方側先端部71は、特許請求の範囲の「第3先端部」の一例である。
図14に示すように、スロット12内では、複数(たとえば、8個)の一方側スロット収容部60が、径方向に並列して(隣り合うように)配置されているとともに、複数(たとえば、8個)の他方側スロット収容部70が、径方向に並列して(隣り合うように)配置されている。一方側スロット収容部60の矢印Z2方向側の先端部である一方側先端部61と、他方側スロット収容部70の矢印Z1方向側の先端部である他方側先端部71とは、互いに接合されている。なお、一方側スロット収容部60を有するセグメント導体40は、特許請求の範囲の「第1のセグメント導体」の一例である。また、他方側スロット収容部70を有するセグメント導体40は、特許請求の範囲の「第3のセグメント導体」の一例である。また、一方側先端部61は、特許請求の範囲の「第1先端部」の一例である。また、他方側先端部71は、特許請求の範囲の「第3先端部」の一例である。
ここで、本実施形態では、スロット12内において、並列して配置されている複数の一方側スロット収容部60のうちの一の第1スロット収容部60aの一方側先端部61である第1先端部61aの軸方向位置P1は、径方向に隣り合う他の第2スロット収容部60bの一方側先端部61である第2先端部61bの軸方向位置P2と異なる位置である。すなわち、複数の第1先端部61aと第2先端部61bとは、径方向に沿って、軸方向位置P1とP2とに交互(互い違い)に配置されている。また、他方側スロット収容部70の先端部である複数の他方側先端部71も、一方側先端部61と同様に、径方向に沿って軸方向位置P1とP2とに交互に配置されている。なお、第2スロット収容部60bを有するセグメント導体40は、特許請求の範囲の「第2のセグメント導体」の一例である。
ここで、図15に示すように、第1実施形態では、一方側スロット収容部60に中心軸線C1方向に対向して配置されている他方側スロット収容部70の先端部である他方側先端部71には、一方側先端部61に径方向に対向するとともに、一方側先端部61に接合される他方側接合面91が設けられている。また、一方側先端部61には、他方側接合面91に対向するとともに、他方側接合面91に接合されている一方側接合面81が設けられている。また、一方側接合面81および他方側接合面91には、絶縁被膜40aが設けられておらず、ステータ100の製造時において、導体本体40cが露出されている。なお、他方側接合面91は、特許請求の範囲の「対向面」の一例である。
一方側先端部61には、一方側接合面81を有し、他方側スロット収容部70側に突出する凸部80が設けられている。また、他方側先端部71には、他方側接合面91を有し、凸部80に対向する凹部90が設けられている。凸部80と凹部90とは、径方向に対向して係合するように配置されている。凸部80は、径方向一方側(矢印R1方向)に突出するように形成されている。また、凹部90は、径方向一方側(矢印R1方向)に窪むように形成されている。また、一方側接合面81および他方側接合面91は、それぞれ、平坦面として構成されている。
ここで、「一方側先端部61」とは、軸方向の最も矢印Z2方向側の端部である最先端部62のみならず凸部80近傍の一方側スロット収容部60の部分を意味するものとする。すなわち、一方側先端部61には、凸部80と、最先端部62と、離間対向面63と、第1一方端面64と、第1他方端面65とが設けられている。また、「他方側先端部71」とは、軸方向の最も矢印Z1方向側の端部である最先端部72のみならず凹部90近傍の他方側スロット収容部70の部分を意味するものとする。すなわち、他方側先端部71には、凹部90と、最先端部72と、離間対向面73と、第2一方端面74と、第2他方端面75とが設けられている。
ここで、一方側先端部61と他方側先端部71とは、接合剤120により接合されている。たとえば、接合剤120は、一方側先端部61と他方側先端部71との間において、少なくとも凸部80の一方側接合面81と凹部90の他方側接合面91との間に配置されている。具体的には、接合剤120に含まれる導電性材料がセグメント導体40の導体本体40cと金属接合することにより、電気的および機械的に接続(接合)されている。これにより、接合剤120は、別個の複数のセグメント導体40を互いに固定するとともに、別個の複数のセグメント導体40同士を導電させる機能を有する。たとえば、接合剤120に含まれる導電性材料は、銀または銅等の金属材料である。好ましくは、接合剤120は、溶剤に、銀をナノメートルレベルまたはマイクロメートルレベルまで微細化した金属粒子を導電性粒子として含んだペースト状の接合剤(銀ナノペースト)である。また、接合剤120には、加熱された際に揮発する部材(揮発剤)が含有されており、揮発する部材は、加熱されることにより、接合剤120の体積が減少して、一方側接合面81と他方側接合面91とを近接させる機能を有する。
最先端部62および72は、それぞれ、軸方向に直交する平坦面に形成されている。離間対向面63は、凸部80と第1他方端面65とに連続して形成されている。また、離間対向面73は、離間対向面63に径方向(または軸方向)に対向して配置されており、凹部90と第2他方端面75とに連続して形成されている。また、離間対向面63と離間対向面73とは、互いに離れて配置されており、隙間CL1が形成されている。
また、一方側先端部61の径方向外側(矢印R2方向側)の端面である第1一方端面64は、他方側先端部71の径方向外側(矢印R2方向側)の端面である第2一方端面74よりも径方向外側に配置されている。また、他方側先端部71の径方向内側(矢印R1方向側)の端面である第2他方端面75は、一方側先端部61の径方向内側(矢印R1方向側)の端面である第1他方端面65よりも径方向内側に配置されている。
〈絶縁部の構成〉
ここで、第1実施形態では、コイル部20には、絶縁部110が設けられている。図14に示すように、並列して配置される複数のセグメント導体40(一般導体43、動力導体41、中性点導体42)のうちの第1先端部61aを有する一のセグメント導体40は、径方向に隣り合って配置される他のセグメント導体40の第2先端部61bに対応する軸方向の位置(P2)の導体表面40bに、他のセグメント導体40の絶縁被膜40aの厚みt1よりも大きい厚みt2を有する絶縁部110が設けられている。また、他のセグメント導体40の第1先端部61aに対応する位置(P1)に、絶縁部110が設けられている。なお、絶縁部材111は、特許請求の範囲の「同相用絶縁部材」の一例である。また、厚みt1は、特許請求の範囲の「第1厚み」の一例である。また、厚みt2は、特許請求の範囲の「第2厚み」の一例である。
ここで、第1実施形態では、コイル部20には、絶縁部110が設けられている。図14に示すように、並列して配置される複数のセグメント導体40(一般導体43、動力導体41、中性点導体42)のうちの第1先端部61aを有する一のセグメント導体40は、径方向に隣り合って配置される他のセグメント導体40の第2先端部61bに対応する軸方向の位置(P2)の導体表面40bに、他のセグメント導体40の絶縁被膜40aの厚みt1よりも大きい厚みt2を有する絶縁部110が設けられている。また、他のセグメント導体40の第1先端部61aに対応する位置(P1)に、絶縁部110が設けられている。なお、絶縁部材111は、特許請求の範囲の「同相用絶縁部材」の一例である。また、厚みt1は、特許請求の範囲の「第1厚み」の一例である。また、厚みt2は、特許請求の範囲の「第2厚み」の一例である。
詳細には、図13(b)に示すように、絶縁部110は、導体表面40bに設けられた厚みt1を有する絶縁被膜40aと、絶縁被膜40aを覆うとともに、セグメント導体40と隣接する第1先端部61aまたは第2先端部61b(一方側先端部61と他方側先端部71との接合部分)とを絶縁する機能を有する絶縁部材111とを含む。絶縁部材111の厚みt3は、厚みt1よりも小さい。すなわち、厚みt2は、厚みt1よりも大きく、かつ、2倍未満の大きさである。なお、厚みt3は、特許請求の範囲の「第3厚み」の一例である。
詳細には、絶縁部材111は、シート状に形成されている。たとえば、絶縁部材111は、絶縁被膜40aに含まれる材料と同一の材料を含む。好ましくは、絶縁部材111は、ポリイミド等の絶縁材料を含む。そして、シート状の絶縁部材111は、セグメント導体40の絶縁被膜40aの外周に少なくとも1周(たとえば、1周よりも多く2周未満)、巻回されている。たとえば、シート状の絶縁部材111は、絶縁被膜40aに、絶縁性を有する接着等により固定されている。
そして、図10に示すように、絶縁部110(絶縁部材111)は、スロット収容部31aおよび31bのうちの軸方向に沿った長さが大きいスロット収容部31aに設けられている。また、絶縁部材111は、複数のスロット収容部31aのそれぞれに設けられている一方、複数のスロット収容部31bには設けられていない。
絶縁部110(絶縁部材111)の軸方向の長さL31は、隣接する第1先端部61aまたは第2先端部61bからの中心軸方向に沿った絶縁沿面距離Dc以上で、スロット12の軸方向の長さL3よりも小さい。詳細には、絶縁部110(絶縁部材111)の長さL31は、径方向に隣接する一方側スロット収容部60の最先端部62および他方側スロット収容部70の最先端部72のうちの近いものに対して、少なくとも、絶縁沿面距離Dc以上となるように設定されている。すなわち、図14に示すように、絶縁被膜40aが設けられていない一方側先端部61および他方側先端部71と、隣り合うスロット収容部31aとの絶縁沿面距離Dcを確保することにより、絶縁性が確保されている。
ここで、第1実施形態では、図14に示すように、一方側スロット収容部60は、他方側スロット収容部70の径方向両側に配置されており、絶縁部材111は、径方向両側に配置された一方側スロット収容部60の各々に設けられているとともに、第2先端部61bを径方向両側から挟み込むように複数設けられている。また、一方側スロット収容部60および他方側スロット収容部70の全てに絶縁部材111が配置されている。
(第1実施形態によるステータの製造方法)
次に、第1実施形態によるステータ100の製造方法について説明する。図16に、ステータ100の製造方法を説明するためのフローチャートを示す。
次に、第1実施形態によるステータ100の製造方法について説明する。図16に、ステータ100の製造方法を説明するためのフローチャートを示す。
〈セグメント導体を準備する工程〉
まず、ステップS1において、複数のセグメント導体40が準備される。具体的には、動力導体41と、中性点導体42(図12参照)と、一般導体43(図10参照)とが準備される。たとえば、図13(a)に示すように、銅等の導電性材料からなる平角状の導体表面40bに、ポリイミド等の絶縁材料からなる絶縁被膜40aが形成(コーティング)される。その後、絶縁被膜40aが形成された導体(平角導線)が成形冶具(図示せず)により成形されることにより、複数のセグメント導体40が形成される。
まず、ステップS1において、複数のセグメント導体40が準備される。具体的には、動力導体41と、中性点導体42(図12参照)と、一般導体43(図10参照)とが準備される。たとえば、図13(a)に示すように、銅等の導電性材料からなる平角状の導体表面40bに、ポリイミド等の絶縁材料からなる絶縁被膜40aが形成(コーティング)される。その後、絶縁被膜40aが形成された導体(平角導線)が成形冶具(図示せず)により成形されることにより、複数のセグメント導体40が形成される。
詳細には、図10に示すように、互いに異なるスロット12(たとえば、スロットピッチが6)に配置され、軸方向の長さが互いに異なる一対のスロット収容部31aおよび31bと、一対のスロット収容部31aおよび31bを接続するコイルエンド部32とが形成されることにより、一般導体43が形成される。また、図12に示すように動力端子部材41aと一方側スロット収容部60とが接合されることにより、動力導体41が形成される。また、中性点用コイルエンド部42aと一方側スロット収容部60とが接合されることにより、中性点導体42が形成される。
〈絶縁部の形成〉
ステップS2において、図13(b)に示すように、第1実施形態では、セグメント導体40の部分の導体表面40bに、絶縁被膜40aの厚みt1よりも大きい厚みt2を有する絶縁部110が、後述するセグメント導体40をスロット12に配置する工程(S6)の際に、径方向に隣り合う他のセグメント導体40の第1先端部61aまたは第2先端部61bに対応する中心軸線方向位置(P1またはP2)に設けられる。
ステップS2において、図13(b)に示すように、第1実施形態では、セグメント導体40の部分の導体表面40bに、絶縁被膜40aの厚みt1よりも大きい厚みt2を有する絶縁部110が、後述するセグメント導体40をスロット12に配置する工程(S6)の際に、径方向に隣り合う他のセグメント導体40の第1先端部61aまたは第2先端部61bに対応する中心軸線方向位置(P1またはP2)に設けられる。
具体的には、一対のスロット収容部31aおよび31bのうちの軸方向に沿った長さが大きいスロット収容部31aに、絶縁部材111を取り付けることにより、絶縁部110が形成される。また、全てのセグメント導体40に、絶縁部110が形成される。厚みt1よりも小さい厚みt3を有するシート状の絶縁部材111が、スロット収容部31aに、1周以上(たとえば、1周より多く2周未満)、巻回されて、固定される。これにより、巻回回数が1回(1周)の場合、厚みt1よりも大きい厚みt2(=t1+t3)を有する絶縁部110が、スロット収容部31aに形成される。
〈接合剤を塗布する工程〉
ステップS3において、接合剤120が一方側接合面81となる第1面181および他方側接合面91となる第2面191のうちの少なくとも一方に塗布される。好ましくは、第1面181(図17(a))および第2面191(図17(b))の両方に、接合剤120が塗布される。なお、一方側接合面81および他方側接合面91には、絶縁被覆40aが設けられておらず、導体本体40cが露出されている。
ステップS3において、接合剤120が一方側接合面81となる第1面181および他方側接合面91となる第2面191のうちの少なくとも一方に塗布される。好ましくは、第1面181(図17(a))および第2面191(図17(b))の両方に、接合剤120が塗布される。なお、一方側接合面81および他方側接合面91には、絶縁被覆40aが設けられておらず、導体本体40cが露出されている。
〈第1コイルアッセンブリおよび第2コイルアッセンブリの形成〉
ステップS4において、図3に示すように、複数のセグメント導体40からなる円環状の第1コイルアッセンブリ20aおよび第2コイルアッセンブリ20bが形成される。
ステップS4において、図3に示すように、複数のセグメント導体40からなる円環状の第1コイルアッセンブリ20aおよび第2コイルアッセンブリ20bが形成される。
第1実施形態では、図3に示すように、一のセグメント導体40の絶縁部110が、径方向に隣り合って配置される他のセグメント導体40の第1先端部61aまたは第2先端部61bに径方向に隣り合う位置に位置するように、複数のセグメント導体40からなる円環状の第1コイルアッセンブリ20aおよび第2コイルアッセンブリ20bが形成される。なお、図3では、説明のため、ハッチングにより、複数の絶縁部110のうちの一部(2つ)の絶縁部110のみを図示しているが、第1実施形態では、全てのスロット収容部31aに絶縁部110が設けられている。
具体的には、複数の一般導体43と、3相各相の動力導体41と、中性点導体42とが、複数のスロット12内に配置された際(ステータ100の完成状態)と、略同様の配置関係を有するように、円環状の第1コイルアッセンブリ20aが形成される。また、複数の一般導体43同士が、複数のスロット12内に配置された際と、略同様の配置関係を有するように、円環状の第2コイルアッセンブリ20bが形成される。すなわち、図8に示すように、複数のスロット12のうちの全てのスロット12において、同一のスロット12に配置されている複数のセグメント導体40が、同相の複数のセグメント導体40からなるように、第1コイルアッセンブリ20aおよび第2コイルアッセンブリ20bが形成される。
詳細には、図14に示すように、第1コイルアッセンブリ20aおよび第2コイルアッセンブリ20bでは、セグメント導体40が径方向に複数(たとえば、8個)並列した状態で、かつ、周方向にスロット12の数分並列した状態に、形成される。この時、第1実施形態では、並列して配置される複数のセグメント導体40のうちの一のセグメント導体40の絶縁部110が、径方向に隣り合って配置される他のセグメント導体40の第1先端部61aまたは第2先端部61bに対応する軸方向の位置に位置するように、第1コイルアッセンブリ20aおよび第2コイルアッセンブリ20bが形成される。
〈スロット絶縁紙をスロットに配置する工程〉
ステップS5において、図3に示すように、複数のスロット12のそれぞれに、スロット絶縁紙14が配置される。スロット絶縁紙14が、径方向内側、および、軸方向両側が開放または開口された状態で配置される。また、配置されたスロット絶縁紙14は、軸方向両側の襟部14bにより、スロット12内に保持される。
ステップS5において、図3に示すように、複数のスロット12のそれぞれに、スロット絶縁紙14が配置される。スロット絶縁紙14が、径方向内側、および、軸方向両側が開放または開口された状態で配置される。また、配置されたスロット絶縁紙14は、軸方向両側の襟部14bにより、スロット12内に保持される。
〈セグメント導体をスロットに配置する工程〉
ステップS6において、図3および図18に示すように、複数のセグメント導体40が複数のスロット12に配置される。すなわち、第1コイルアッセンブリ20aおよび第2コイルアッセンブリ20bが複数のスロット12に挿入される。
ステップS6において、図3および図18に示すように、複数のセグメント導体40が複数のスロット12に配置される。すなわち、第1コイルアッセンブリ20aおよび第2コイルアッセンブリ20bが複数のスロット12に挿入される。
詳細には、まず、図3に示すように、ステータコア10よりも矢印Z1方向側(たとえば、直上)に、第1コイルアッセンブリ20aが配置される。また、ステータコア10よりも矢印Z2方向側(たとえば、直下)に、第2コイルアッセンブリ20bが配置される。この時、図18に示すように、第1コイルアッセンブリ20aまたは第2コイルアッセンブリ20bの互いに軸方向に対向する一方側スロット収容部60の第1面181または対向する他方側スロット収容部70の第2面191の少なくとも一方の表面に、接合剤120が配置されている。
そして、図19に示すように、第1コイルアッセンブリ20aおよび第2コイルアッセンブリ20bを、複数のスロット12に対して軸方向に相対移動させることにより、第1コイルアッセンブリ20aおよび第2コイルアッセンブリ20bの一方側スロット収容部60および他方側スロット収容部70が、複数のスロット12の各スロット12に配置される。たとえば、第1コイルアッセンブリ20aがステータコア10に対して矢印Z2方向に平行移動(直線移動)されるとともに、第2コイルアッセンブリ20bがステータコア10に対して矢印Z1方向に平行移動(直線移動)されることにより、各一方側スロット収容部60および他方側スロット収容部70が、複数のスロット12の各スロット12(スロット絶縁紙14が配置されたスロット12)に配置される。
これにより、図8に示すように、複数のスロット12のうちの全てのスロット12において、同一のスロット12に配置されている複数のセグメント導体40が、同相の複数のセグメント導体40からなるように配置された状態になる。
そして、図15に示すように、第1面181が、径方向内側を向き、第1一方端面64が、径方向外側を向き、第2面191が、径方向外側を向くように、複数のセグメント導体40が複数のスロット12に配置される。そして、凸部80と凹部90とが径方向に係合した状態になる。また、この時、第1面181と第2面191との間に、接合剤120が満たされた状態になる。また、第1一方端面64が第2一方端面74よりも径方向外側に突出するように配置された状態(オフセットした状態)となり、第2他方端面75が第1他方端面65よりも径方向内側に突出するように配置された状態(オフセットした状態)となる。
また、図14に示すように、第1コイルアッセンブリ20aおよび第2コイルアッセンブリ20bがスロット12に配置されることにより、径方向に並列して配置される複数のセグメント導体40のうちの一のセグメント導体40の絶縁部110が、径方向に隣り合って配置される他のセグメント導体40の第1先端部61aまたは第2先端部61b(接合部分となる位置)に対応する軸方向の位置に位置するように、複数のセグメント導体40がスロット12に配置される。
〈接合剤により接合する工程〉
ステップS7において、一方側スロット収容部60および他方側スロット収容部70(スロット収容部同士)が、押圧治具200により、押圧されながら、加熱装置(図示せず)により、少なくとも接合剤120が加熱されることにより、第1面181(一方側先端部61)と第2面191(他方側先端部71)とが接合され、第1面181が一方側接合面81となり、第2面191が他方側接合面91となる。
ステップS7において、一方側スロット収容部60および他方側スロット収容部70(スロット収容部同士)が、押圧治具200により、押圧されながら、加熱装置(図示せず)により、少なくとも接合剤120が加熱されることにより、第1面181(一方側先端部61)と第2面191(他方側先端部71)とが接合され、第1面181が一方側接合面81となり、第2面191が他方側接合面91となる。
ここで、図19に示すように、押圧治具200には、可動部材201と、押圧部材202と、保持部材203とが設けられている。可動部材201は、スロット12と同数設けられている。保持部材203は、可動部材201および押圧部材202を保持するように構成されている。また、押圧部材202は、たとえば、軸方向一方側に先細る楔状(テーパー形状)に形成されており、軸方向に移動することにより、可動部材201を径方向外側に押圧して、可動部材201を径方向外側に移動させながら、押圧力をセグメント導体40に伝達するように構成されている。
図20に示すように、スロット12の開口部12a(スロット12の径方向内側)に、押圧治具200(可動部材201)が配置される。これにより、径方向に並列された複数のスロット収容部31aおよび31bは、押圧治具200とステータコア10の壁部11aとにより、径方向両側が挟まれた状態となる。そして、押圧治具200が径方向外側に向かって、径方向に並列された複数のスロット収容部31aおよび31bに押圧力(荷重)を生じさせることにより、壁部11aから径方向内側に向かう反力が生じ、径方向に並列された複数のスロット収容部31aおよび31bは、径方向両側から押圧される状態となる。詳細には、スロット収容部31aの絶縁部材111が、径方向に隣接する第1一方端面64または第2他方端面75に接触することにより、スロット12内における、凸部80(第1面181)と凹部90(第2面191)とが径方向に互いに押圧し合う状態となる。
そして、第1面181と第2面191とが互いに押し合うように押圧されながら、加熱装置(たとえば、ヒータ、熱風等)により、少なくとも接合剤120が加熱されることにより、接合剤120の一部が揮発されるとともに、硬化する(金属接合可能な状態になる)。たとえば、接合剤120が、接合温度以上に加熱されることにより、接合剤120に含まれる導電性材料(銀等)により、第1面181および第2面191が金属接合され、電気的に接続される。そして、全てのスロット12内において、全ての互いに対向する第1面181および第2面191が接合され、一方側接合面81と他方側接合面91(接合部分)とが形成される。
また、図20に示すように、一方側スロット収容部60および他方側スロット収容部70(スロット収容部同士)が、押圧治具200により、押圧される際に、最も径方向内側に配置されたスロット収容部31aおよび31bの径方向内側が、スロット絶縁紙14により覆われる。すなわち、押圧治具200により、スロット絶縁紙14を介して、一方側スロット収容部60および他方側スロット収容部70が押圧される。これにより、一方側先端部61および他方側先端部71が被覆される接合部被覆部14aが形成される。
そして、図7に示すように、波巻きされた第1コイル部21、第2コイル部22、第3コイル部23、および、第4コイル部24が形成される。そして、U相コイル部20U、V相コイル部20V、および、W相コイル部20Wが形成される。そして、コイル部20が形成される。その後、図2に示すように、ステータ100が完成される。なお、図1に示すように、ステータ100とロータ101とが組み合わされることにより、回転電機102が製造される。
[第2実施形態]
次に、図21〜図24を参照して、第2実施形態のステータ300の構成について説明する。第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、複数のスロット12のうちの一部のスロット12において、同一のスロット12に配置されている複数のセグメント導体340は、互いに異なる相の複数のセグメント導体340を含む。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。また、ステータ300は、特許請求の範囲の「電機子」の一例である。
次に、図21〜図24を参照して、第2実施形態のステータ300の構成について説明する。第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、複数のスロット12のうちの一部のスロット12において、同一のスロット12に配置されている複数のセグメント導体340は、互いに異なる相の複数のセグメント導体340を含む。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。また、ステータ300は、特許請求の範囲の「電機子」の一例である。
第2実施形態では、図21に示すように、ステータ300は、ステータコア10と、コイル部320とを備える。コイル部320は、U相コイル部320Uと、V相コイル部320Vと、W相コイル部320Wとを含む。ここで、U相コイル部320Uを構成するセグメント導体340をU相セグメント導体340Uとし、V相コイル部320Vを構成するセグメント導体340をV相セグメント導体340Vとし、W相コイル部320Wを構成するセグメント導体340をW相セグメント導体340Wとする。
ここで、第2実施形態では、複数のスロット12のうちの一部のスロット12において、同一のスロット12に配置されている複数のセグメント導体340は、互いに異なる相の複数のセグメント導体340を含む。また、複数のスロット12のうちの他部のスロット12において、同一のスロット12に配置されている複数のセグメント導体340は、同相の複数のセグメント導体340からなる。
たとえば、図22に示すように、ステータコア310のスロット12に周方向に番号♯1〜♯48を付すと、番号♯1のスロット12では、U相セグメント導体340Uのみが配置されており、周方向に隣接する番号♯2のスロット12では、U相セグメント導体340UとV相セグメント導体340Vとが径方向に交互に配置されている。また、番号♯3のスロット12では、V相セグメント導体340Vのみが配置されており、周方向に隣接する番号♯4のスロット12では、V相セグメント導体340VとW相セグメント導体340Wとが径方向に交互に配置されている。また、番号♯5のスロット12では、W相セグメント導体340Wのみが配置されており、周方向に隣接する番号♯6のスロット12では、W相セグメント導体340WとU相セグメント導体340Uとが径方向に交互に配置されている。そして、ステータ300では、番号♯1〜♯6の配置関係が、番号♯7〜♯48において繰り返されるように構成されている。
そして、図21および図23に示すように、同相のセグメント導体340のみが配置されているスロット12(奇数番号のスロット12)に配置されているセグメント導体340には、厚みt3を有する同相用絶縁部材351aを有する同相用絶縁部351が設けられている。また、互いに異なる相のセグメント導体340が配置されているスロット12(偶数番号のスロット12)に配置されているセグメント導体340には、厚みt13を有する異相用絶縁部材352aを有する異相用絶縁部352が設けられている。異相用絶縁部352は、絶縁被膜40aと異相用絶縁部材352aとにより、厚みt12を有する。厚みt12は、厚みt2よりも大きい。なお、厚みt13は、特許請求の範囲の「第4厚み」の一例である。
図23に示すように、同相用絶縁部材351aは、第1実施形態による絶縁部材111と同様に構成されている。そして、異相用絶縁部材352aの厚みt13は、同相用絶縁部材351aの厚みt3よりも大きい。たとえば、厚みt13は、絶縁被膜40aの厚みt1以上の大きさである。すなわち、厚みt13は、径方向に隣接するセグメント導体340が異なる相であって、第1先端部61aまたは第2先端部71aの導体本体40cが露出している場合でも、絶縁性能を確保可能な大きさに設定されている。
また、図24に示すように、異相用絶縁部材352aの中心軸線C1方向の長さL32は、同相用絶縁部材351aの中心軸線C1方向の長さL31よりも大きい。すなわち、長さL32は、径方向に隣接するセグメント導体340が異なる相であって、第1先端部61aまたは第2先端部71aの導体本体40cが露出している場合でも、絶縁沿面距離を確保することが可能に構成されている。なお、その他の構成、および、製造方法は、上記第1実施形態と同様である。
[第1および第2実施形態の効果]
上記第1および第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
上記第1および第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
上記第1および第2実施形態では、複数のスロット(12)のうちの少なくとも1つのスロット(12)において、同一のスロット(12)に配置されている複数のセグメント導体(40、340)は、同相の複数のセグメント導体(40、340)からなる。これにより、同一のスロット(12)に配置されている同相の複数のセグメント導体(40、340)同士の電位差を、互いに異なる相(以下「異相」という)の複数のセグメント導体(40、340)同士の電位差よりも小さくすることができる。この結果、先端部(61、71)同士がスロット(12)内において接合されている場合でも、異相のセグメント導体(40、340)が設けられている場合に比べて、接合されている部分(導体(40c、120)が露出されている部分)に隣接するセグメント導体(40、340)の絶縁部分(110、351)が大型化するのを防止することができる。その結果、セグメント導体(40、340)が大型化するのを防止することができるので、その分、電機子(100、300)が大型化するのを防止することができる。また、セグメント導体(40、340)の絶縁部分(110、351)が大型化するのを防止することができるので、先端部(61、71)同士がスロット(12)内において接合されている場合でも、スロット(12)内におけるコイル占積率が低下するのを防止することができる。
また、上記第1実施形態では、複数のスロット(12)のうちの全てのスロット(12)において、同一のスロット(12)に配置されている複数のセグメント導体(40)は、同相の複数のセグメント導体(40)からなる。このように構成すれば、電機子コア(10)に設けられた全てのスロット(12)において、複数のセグメント導体(40)の大型化を防止することができるので、各スロット(12)が大型化しないことにより、電機子コア(10)全体が大型化するのを防止することができる。この結果、電機子(100)が大型化するのを、より一層防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、同一のスロット(12)に配置されている同相の複数のセグメント導体(40、340)は、電機子コア(10)の径方向に並列して配置されており、径方向に並列して配置される同相の複数のセグメント導体(40、340)のうちの第1のセグメント導体(40、340)の先端部である第1先端部(61a)は、第1のセグメント導体(40、340)に径方向に隣り合って配置される第2のセグメント導体(40、340)の先端部である第2先端部(61b)の中心軸線方向の位置と異なる位置に配置されている。このように構成すれば、第1先端部(61a)と第2先端部(61b)とが同一の中心軸線方向の位置で径方向に隣接するように配置されないので、導体(40c、120)が露出された第1先端部(61a)と、導体が露出された第2先端部(61b)とが近接することによる絶縁性能の低下を防止することができる。この結果、絶縁性能をより一層確保しながら、電機子(100、300)が大型化するのを防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、第1のセグメント導体(40、340)のうちの第2のセグメント導体(40、340)の第2先端部(61b)に対応する中心軸線(C1)方向の位置の導体表面(40b)に、第2のセグメント導体(40、340)の絶縁被膜(40a)の厚みである第1厚み(t1)よりも大きい第2厚み(t2)を有する絶縁部(110、351)が設けられている。このように構成すれば、比較的絶縁性能が必要な位置である、導体(91、120)が露出された第2先端部(61b)に対応する位置に第2厚み(t2)を有する絶縁部(110、351)を設けることにより、スロット(12)内における絶縁性能を向上させることができる。また、第2のセグメント導体(40、340)の絶縁被膜(40a)を第2厚み(t2)よりも小さい第1厚み(t1)にすることができるので、セグメント導体(40、340)の全体の絶縁被膜(40a)を第2厚み(t2)にする場合に比べて、セグメント導体(40、340)が大型化するのを防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、絶縁部(110、351)は、第1厚み(t1)を有する絶縁被膜(40a)と、絶縁被膜(40a)を覆うとともに、第1のセグメント導体(40、340)と第2先端部(61b)とを絶縁する機能を有する同相用絶縁部材(111、351a)とを含み、同相用絶縁部材(111、351a)の厚みである第3厚みは、第1厚み(t1)よりも小さい。ここで、セグメント導体(40、340)の絶縁被膜(40a)の厚み(第1厚み(t1))は、一般的に、異相間の絶縁性能が確保可能な程度の大きさに設定されている。すなわち、第1厚み(t1)は、第1厚み(t1)の絶縁被膜(40a)が設けられた互いに異なる相のコイルエンド部(32)同士が近接して配置された場合でも、絶縁性能が確保可能な程度に設定されている。また、上記実施形態では、同一のスロット(12)内に同相のセグメント導体(40、340)のみが配置されているので、同相間の絶縁性能が確保されていればよい。言い換えると、スロット(12)内では、同相用絶縁部材(111、351a)は、隣接するセグメント導体(40、340)同士の絶縁被膜(40a)の第1厚み(t1)の2倍の大きさ未満の大きさで、かつ、第1厚み(t1)よりも大きければ、径方向に隣接する接合部分である第2先端部(61b)と、第2先端部(61b)に隣接する第1のセグメント導体(40、340)との絶縁性能を確保することは可能である。この点を考慮して、上記実施形態のように、同相用絶縁部材(111、351a)の厚みである第3厚み(t3)を、第1厚み(t1)よりも小さく構成すれば、同相用絶縁部材(111、351a)の厚み(t3)が必要以上に増大するのを防止することができる。この結果、同相用絶縁部材(111、351a)の厚み(t2、t12)の増大を防止することができるので、コイル部(20、320)が大型化するのを防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、第1のセグメント導体(40、340)は、第2のセグメント導体(40、340)の径方向両側に配置されており、同相用絶縁部材(111、351a)は、第2のセグメント導体(40、340)の径方向両側に配置された第1のセグメント導体(40、340)の各々に設けられているとともに、第2のセグメント導体(40、340)の第2先端部(61b)を径方向両側から挟み込むように複数設けられている。このように構成すれば、第2のセグメント導体(40、340)の径方向両側に、第1のセグメント導体(40、340)が配置されている場合でも、第2先端部(61b)を径方向両側から挟み込むように設けられている同相用絶縁部材(111、351a)により、効果的に絶縁性能を確保することができる。
また、上記第2実施形態では、複数のスロット(12)のうちの少なくとも1つのスロット(12)において、同一のスロット(12)に配置されている複数のセグメント導体(340)は、互いに異なる相の複数のセグメント導体(340)を含み、互いに異なる相の複数のセグメント導体(340)には、第3厚み(t3)よりも大きい第4厚み(t13)を有する異相用絶縁部材(352a)が設けられている。このように構成すれば、複数のスロット(12)のうち、互いに異なる相の複数のセグメント導体(340)が配置されている場合でも、第4厚み(t13)を有する異相用絶縁部材(352a)により、絶縁性能を確保することができる。この結果、同相の複数のセグメント導体(340)のみが配置されているスロット(12)内では、比較的小さい同相用絶縁部材(351a)により、電機子(300)が大型化するのを防止しながら、互いに異なる相の複数のセグメント導体(340)が配置されているスロット(12)では、異相用絶縁部材(352a)により効果的に絶縁性能を確保することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、絶縁部(110、351)の中心軸線(C1)方向の長さ(L31)は、第2先端部(61b)からの中心軸線(C1)方向に沿った絶縁沿面距離(Dc)以上で、スロット(12)の中心軸線(C1)方向の長さ(L3)よりも小さい。このように構成すれば、絶縁部(110、351)により、第2先端部(61b)からの中心軸線(C1)方向に沿った絶縁沿面距離(Dc)を確保することができるので、スロット(12)内における絶縁性能をより一層向上させることができる。また、絶縁部(110、351)の中心軸線(C1)方向の長さ(L31)を、スロット(12)の中心軸線(C1)方向の長さ(L3)よりも小さく構成することにより、必要以上に絶縁部(110、351)が大型化するのを防止することができる。この結果、スロット(12)内における沿面における絶縁性能を向上させながら、絶縁部(110、351)が大型化するのを防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、第1のセグメント導体(40、340)に中心軸線(C1)方向に対向して配置されている第3のセグメント導体(40、340)の先端部である第3先端部(71)には、第1先端部(61)に径方向に対向するとともに、第1先端部(61)に接合される対向面(91)が設けられている。ここで、先端部(61、71)同士を接合する際に、複数のセグメント導体(40、340)を中心軸線(C1)方向に沿って押圧する場合には、スロット(12)よりも中心軸線(C1)方向の外側に配置されるコイルエンド部(32)を押圧する必要がある。この場合、スロット(12)内の第1先端部(61)および第3先端部(71)から、遠方に配置されたコイルエンド部(32)を押圧する状態になり、押圧する位置と接合する位置とが離れていることに起因して、押圧力を均一にすることが容易ではなくなる。これに対して、上記実施形態のように構成すれば、複数のセグメント導体(40、340)を、径方向に押圧することにより、第1先端部(61)と第3先端部(71)の対向面(91)とが互いに押し合うように押圧力を与えることができる。この結果、遠方に配置されたコイルエンド部(32)を押圧する場合と異なり、スロット(12)内において、第1先端部(61)と第3先端部(71)の対向面(91)との近傍を径方向に押圧することができるので、第1先端部(61)と第3先端部(71)における押圧力が不均一になるのを防止することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、複数相のコイル部(20、320)は、それぞれ、波巻きコイル(21、22、23、24)として形成されており、複数のスロット(12)のうちの全てのスロット(12)において、同一のスロット(12)に配置されている波巻きコイルは、同相の波巻きコイル(21、22、23、24)からなる。このように構成すれば、電機子コア(10)に配置された同相の波巻きコイル(21、22、23、24)を、中心軸線(C1)方向の一方側から他方側に向かうように一のスロット(12)内に配置した後、電機子コア(10)の端面(10a、10b)を沿うように渡って、一のスロット(12)とは異なる他のスロット(12)に、中心軸線(C1)方向の他方側から一方側に向かうようにスロット(12)内に配置されるように構成することができる。そして、波巻きコイル(21、22、23、24)では、スロット(12)内における配置が複数回繰り返されることにより、電機子コア(10)の全周に渡るように複数のセグメント導体(40、340)が配置される。つまり、波巻きコイル(21、22、23、24)では、同芯巻コイルと異なり、コイルエンド部(32)の上方側または下方側でセグメント導線(40、340)同士を互いに接続する必要がないので、中心軸線(C1)方向における電機子(100、300)の大型化を防止することができる。この結果、同一のスロット(12)内に配置されるセグメント導体(40、340)を同相のセグメント導体(40、340)(同相の波巻きコイル(21、22、23、24))のみにすることにより、少なくとも径方向および周方向における電機子(100、300)の大型化を防止しながら、波巻きコイルにより、中心軸線(C1)方向における電機子(100、300)の大型化を防止することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
〈第1変形例〉
たとえば、上記実施形態では、一方側接合面(凸部)を径方向内側に向くように構成し、他方側接合面(凹部)を径方向外側に向くように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図25に示す第1変形例によるステータ400のように、一方側先端部461および他方側先端部471を、互いに中心軸線方向に対向するように形成してもよい。また、一方側先端部461および他方側先端部471を、中心軸線方向に直交する平坦面として構成されていてもよい。第1変形例では、上記実施形態と異なり、一方側先端部461および他方側先端部471が、セグメント導体440の軸方向外側から押圧され一方側先端部461および他方側先端部471が互いに軸方向に押圧し合いながら、加熱されて接合される。なお、第1変形例によるステータ400においても、上記実施形態と同様に、同一のスロット12内において、同相のセグメント導体440のみが配置されている。また、複数の絶縁部110(絶縁部材111)が、隣接するセグメント導体440の一方側先端部461および他方側先端部471に対応する軸方向位置P11およびP12に、それぞれ、配置されている。
たとえば、上記実施形態では、一方側接合面(凸部)を径方向内側に向くように構成し、他方側接合面(凹部)を径方向外側に向くように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図25に示す第1変形例によるステータ400のように、一方側先端部461および他方側先端部471を、互いに中心軸線方向に対向するように形成してもよい。また、一方側先端部461および他方側先端部471を、中心軸線方向に直交する平坦面として構成されていてもよい。第1変形例では、上記実施形態と異なり、一方側先端部461および他方側先端部471が、セグメント導体440の軸方向外側から押圧され一方側先端部461および他方側先端部471が互いに軸方向に押圧し合いながら、加熱されて接合される。なお、第1変形例によるステータ400においても、上記実施形態と同様に、同一のスロット12内において、同相のセグメント導体440のみが配置されている。また、複数の絶縁部110(絶縁部材111)が、隣接するセグメント導体440の一方側先端部461および他方側先端部471に対応する軸方向位置P11およびP12に、それぞれ、配置されている。
〈第2変形例〉
また、上記実施形態では、絶縁部材を、セグメント導体の絶縁被膜の外周に少なくとも1周巻回する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図26に示す第2変形例のステータ500のように、最も径方向外側のセグメント導体540の絶縁被膜540aの外周の一部(径方向内側および周方向両側)のみに、絶縁部材551が設けられていてもよい。この場合、スロット絶縁紙514が、ステータコアの壁部とセグメント導体540との間に配置されているため、スロット絶縁紙514により、セグメント導体540とステータコアとの絶縁性能が確保される。
また、上記実施形態では、絶縁部材を、セグメント導体の絶縁被膜の外周に少なくとも1周巻回する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図26に示す第2変形例のステータ500のように、最も径方向外側のセグメント導体540の絶縁被膜540aの外周の一部(径方向内側および周方向両側)のみに、絶縁部材551が設けられていてもよい。この場合、スロット絶縁紙514が、ステータコアの壁部とセグメント導体540との間に配置されているため、スロット絶縁紙514により、セグメント導体540とステータコアとの絶縁性能が確保される。
〈第3変形例〉
また、上記実施形態では、ステータコアに対して軸方向一方側に配置されるセグメント導体と、ステータコアに対して軸方向他方側に配置されるセグメント導体とにより、スロット内の1か所において、セグメント導体同士を接合する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図27に示す第3変形例のステータ600のように、スロット12内において、スロット内の軸方向位置の2か所において、セグメント導体(641、642、および、643)同士を接合してもよい。たとえば、第1セグメント導体641、第2セグメント導体642、および、第3セグメント導体643がこの順に、中心軸線方向に沿ってスロット12内に配置されている。そして、第1セグメント導体641の先端部661と第2セグメント導体642の先端部671とが接合されるとともに、第2セグメント導体642の先端部661と第3セグメント導体643の先端部671とが(2か所において)接合されている。第3変形例によるステータ600においても、上記実施形態と同様に、複数の絶縁部材651が、隣接する先端部661および671に対応する軸方向位置P21、P22、P23、および、P24に、それぞれ、配置されている。
また、上記実施形態では、ステータコアに対して軸方向一方側に配置されるセグメント導体と、ステータコアに対して軸方向他方側に配置されるセグメント導体とにより、スロット内の1か所において、セグメント導体同士を接合する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図27に示す第3変形例のステータ600のように、スロット12内において、スロット内の軸方向位置の2か所において、セグメント導体(641、642、および、643)同士を接合してもよい。たとえば、第1セグメント導体641、第2セグメント導体642、および、第3セグメント導体643がこの順に、中心軸線方向に沿ってスロット12内に配置されている。そして、第1セグメント導体641の先端部661と第2セグメント導体642の先端部671とが接合されるとともに、第2セグメント導体642の先端部661と第3セグメント導体643の先端部671とが(2か所において)接合されている。第3変形例によるステータ600においても、上記実施形態と同様に、複数の絶縁部材651が、隣接する先端部661および671に対応する軸方向位置P21、P22、P23、および、P24に、それぞれ、配置されている。
〈他の変形例〉
また、上記実施形態では、本発明の電機子を、ステータとして構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明の電機子を、ロータコア、コイル(セグメント導体)を有するロータとして構成してもよい。
また、上記実施形態では、本発明の電機子を、ステータとして構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明の電機子を、ロータコア、コイル(セグメント導体)を有するロータとして構成してもよい。
また、上記実施形態では、開口部をステータの径方向内側に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、開口部をステータの径方向外側に形成してもよい。
また、上記実施形態では、コイル部を波巻きコイルとして形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ステータが中心軸線方向に大型化することに問題なければ、コイル部を分布巻きコイルまたは集中巻コイルとして形成してもよい。
また、上記実施形態では、セグメント導体の横断面形状を、平角形状に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、セグメント導体の横断面形状を、平角形状以外の形状(円形状、楕円形状等)に形成してもよい。
また、上記実施形態では、スロットをセミオープン(開口幅がスロットの幅よりも小さい)として構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ステータ(電機子)としての特性に影響が少なければ、開口幅がスロットの幅と等しい、フルオープン型のスロットとして、スロットを構成してもよい。なお、ステータの特性上、フルオープンよりも、セミオープンの方が好ましい。
また、上記実施形態では、コイル部を4並列のY結線(4並列結線)するように構成(結線)する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コイル部を4並列以外のY結線するように構成してもよいし、Δ結線するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、第1一方端面または第2他方端面を押圧する方法、および、接合剤を加熱する方法の例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、上記実施形態の押圧する方法および加熱する方法以外の方法により、第1一方端面または第2他方端面を押圧してもよいし、接合剤を加熱してもよい。
また、上記実施形態では、絶縁部を、絶縁被膜、および、絶縁被膜とは別個の絶縁部材とにより構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、絶縁部に、絶縁部材を設けずに、絶縁部を、厚みt2(または厚みt12)を有する絶縁被膜のみから構成してもよい。
また、上記実施形態では、絶縁部材の厚みt3を、絶縁被膜の厚みt1よりも小さく構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、スロット内のコイル占積率が低下することに問題がなければ、絶縁部材の厚みt3を、絶縁被膜の厚みt1以上に構成してもよい。
また、上記実施形態では、絶縁部材をシート状に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、絶縁部材は、シート状に限られず、たとえば、絶縁部材をチューブ状に形成してもよいし、絶縁部材を、塗装材、または、コーティング剤等により構成してもよい。
また、上記実施形態では、絶縁部材を、一対のスロット収容部のうちの長さが大きいスロット収容部のみに設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、隣接する接合部の配置位置に応じて、長さが小さいスロット収容部に絶縁部材を設けてもよいし、一対のスロット収容部の両方に絶縁部材を設けてもよい。
また、上記実施形態では、接合部被覆部を、スロット絶縁紙の一部として形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、接合部被覆部を、絶縁部およびスロット絶縁紙とは別の部材(絶縁性を有する部材)として構成してもよい。
また、上記実施形態では、円環状の第1コイルアッセンブリおよび第2コイルアッセンブリを形成した後に、複数のセグメント導体をスロットに配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、円環状の第1コイルアッセンブリおよび第2コイルアッセンブリを形成せずに、複数のセグメント導体の各々を個別に、スロットに配置してもよい。
10、310 ステータコア(電機子コア) 12 スロット
20、320 コイル部 21 第1コイル部(波巻きコイル)
22 第2コイル部(波巻きコイル) 23 第3コイル部(波巻きコイル)
24 第4コイル部(波巻きコイル)
40、340、440、540 セグメント導体
40a、540a 絶縁被膜 40b 導体表面
61、461 一方側先端部(第1先端部、先端部)
61a 第1先端部 61b 第2先端部
71、471 他方側先端部(第3先端部)
100、300、400、500、600 ステータ(電機子)
110、 絶縁部
111、551、651 絶縁部材(同相用絶縁部材)
120、520 絶縁部 351a 同相用絶縁部材
352a 異相用絶縁部材 661、671 先端部
20、320 コイル部 21 第1コイル部(波巻きコイル)
22 第2コイル部(波巻きコイル) 23 第3コイル部(波巻きコイル)
24 第4コイル部(波巻きコイル)
40、340、440、540 セグメント導体
40a、540a 絶縁被膜 40b 導体表面
61、461 一方側先端部(第1先端部、先端部)
61a 第1先端部 61b 第2先端部
71、471 他方側先端部(第3先端部)
100、300、400、500、600 ステータ(電機子)
110、 絶縁部
111、551、651 絶縁部材(同相用絶縁部材)
120、520 絶縁部 351a 同相用絶縁部材
352a 異相用絶縁部材 661、671 先端部
Claims (10)
- 中心軸線方向に延びる複数のスロットが設けられている電機子コアと、
前記中心軸線方向に対向して配置される複数のセグメント導体の先端部同士が、前記スロット内において接合されている、複数相のコイル部とを備え、
前記複数のスロットのうちの少なくとも1つの前記スロットにおいて、同一の前記スロットに配置されている前記複数のセグメント導体は、同相の前記複数のセグメント導体からなる、電機子。 - 前記複数のスロットのうちの全ての前記スロットにおいて、同一の前記スロットに配置されている前記複数のセグメント導体は、同相の前記複数のセグメント導体からなる、請求項1に記載の電機子。
- 前記同一のスロットに配置されている前記同相の複数のセグメント導体は、前記電機子コアの径方向に並列して配置されており、
前記径方向に並列して配置される前記同相の複数のセグメント導体のうちの第1の前記セグメント導体の前記先端部である第1先端部は、前記第1のセグメント導体に前記径方向に隣り合って配置される第2の前記セグメント導体の前記先端部である第2先端部の前記中心軸線方向の位置と異なる位置に配置されている、請求項1または2に記載の電機子。 - 前記第1のセグメント導体のうちの前記第2のセグメント導体の前記第2先端部に対応する前記中心軸線方向の位置の導体表面に、前記第2のセグメント導体の絶縁被膜の厚みである第1厚みよりも大きい第2厚みを有する絶縁部が設けられている、請求項3に記載の電機子。
- 前記絶縁部は、前記第1厚みを有する前記絶縁被膜と、前記絶縁被膜を覆うとともに、前記第1のセグメント導体と前記第2先端部とを絶縁する機能を有する同相用絶縁部材とを含み、
前記同相用絶縁部材の厚みである第3厚みは、前記第1厚みよりも小さい、請求項4に記載の電機子。 - 前記第1のセグメント導体は、前記第2のセグメント導体の径方向両側に配置されており、
前記同相用絶縁部材は、前記第2のセグメント導体の径方向両側に配置された前記第1のセグメント導体の各々に設けられているとともに、前記第2のセグメント導体の前記第2先端部を径方向両側から挟み込むように複数設けられている、請求項5に記載の電機子。 - 前記複数のスロットのうちの少なくとも1つの前記スロットにおいて、同一の前記スロットに配置されている前記複数のセグメント導体は、互いに異なる相の前記複数のセグメント導体を含み、
前記互いに異なる相の複数のセグメント導体には、前記第3厚みよりも大きい第4厚みを有する異相用絶縁部材が設けられている、請求項5または6に記載の電機子。 - 前記絶縁部の前記中心軸線方向の長さは、前記第2先端部からの前記中心軸線方向に沿った絶縁沿面距離以上で、前記スロットの前記中心軸線方向の長さよりも小さい、請求項4〜7のいずれか1項に記載の電機子。
- 前記第1のセグメント導体に前記中心軸線方向に対向して配置されている第3の前記セグメント導体の先端部である第3先端部には、前記第1先端部に径方向に対向するとともに、前記第1先端部に接合される対向面が設けられている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電機子。
- 前記複数相のコイル部は、それぞれ、波巻きコイルとして形成されており、
前記複数のスロットのうちの全ての前記スロットにおいて、同一の前記スロットに配置されている前記波巻きコイルは、同相の前記波巻きコイルからなる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電機子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018014371A JP2019134578A (ja) | 2018-01-31 | 2018-01-31 | 電機子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018014371A JP2019134578A (ja) | 2018-01-31 | 2018-01-31 | 電機子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019134578A true JP2019134578A (ja) | 2019-08-08 |
Family
ID=67547681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018014371A Pending JP2019134578A (ja) | 2018-01-31 | 2018-01-31 | 電機子 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019134578A (ja) |
-
2018
- 2018-01-31 JP JP2018014371A patent/JP2019134578A/ja active Pending
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