JP2019129563A - アキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機 - Google Patents

アキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機 Download PDF

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Abstract

【課題】アキシャルギャップ型のトランスバースフラックス式回転電機を実現するための技術を提供すること。【解決手段】固定子は、回転軸を中心として同心円状に配置された径が異なる複数のコイル部と、最小径のコイル部の内側層、半径方向に隣り合うコイル部間のコイル間層、および最大径の前記コイル部の外側層、の各層において、トランスバースフラックス式回転電機としての磁気回路を形成可能な所定の配置間隔パターンで周方向に固定子鉄心突極部が離散的に配置された鉄心層と、を有する。回転子は、対向する複数のコイル部および鉄心層にわたる半径方向に所定の長さを有する永久磁石と回転子鉄心とを周方向に交互に配置して有する。【選択図】図1

Description

本発明は、回転軸の軸方向に固定子と回転子とを対向させて配置したアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機に関する。
回転電機であるモータの分類の1つとして、トランスバースフラックスモータ(TFM:Transverse Flux Motor)が知られる。トランスバースフラックスモータは、Wehにより1986年に提案された高トルク密度のモータである(例えば、非特許文献1を参照)。近年では、トルク密度が重視される分野において様々な研究開発が行われており、Wehが提案したモータを基に三巻線の三相モータを構成し、通常の三相インバータで駆動することができるラジアルギャップ型のトランスバースフラックスモータが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
H. Weh and H. May, "Achievable force densities for permanent magnet excited machines in new configuration," in International Conference on Electrical Machines - ICEM, Munchen, Sept. 1986, pp. 1107-1111.
特開2015−228730号公報
しかしながら、非特許文献1に記載されているように、元々、Wehによって提案されたトランスバースフラックスモータは、単相モータを円筒状の回転子の表裏に位相を90°ずらして配置した直交二相のトランスバースフラックスモータであり、その後提案されている従来の三相トランスバースフラックスモータは、インナーロータのラジアルギャップ型ばかりであった。インナーロータのラジアルギャップ型のモータの場合、電磁気回路として利用されている部分は、主に、固定子の内周部と回転子の外周部であり、軸中心部は有効利用されていない構造となる。一方、回転軸の軸方向に固定子と回転子とを対向させて配置したアキシャルギャップ型であれば、軸中心部を有効利用することができるため、ラジアルギャップ型に比べて小型化に有利である。
ところが、アキシャルギャップ型のトランスバースフラックスモータの技術開発は注力されてこなかった。また、モータに関して説明したが、発電機においても同様である。
本発明は、アキシャルギャップ型のトランスバースフラックス式回転電機を実現するための技術を提供することを目的に考案されたものである。
上述した課題を解決するための第1の発明は、回転軸の軸方向に固定子と回転子とを対向させて配置したアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機であって、前記固定子は、前記回転軸を中心として同心円状に配置された径が異なる複数のコイル部と、最小径の前記コイル部の内側層、半径方向に隣り合う前記コイル部間のコイル間層、および最大径の前記コイル部の外側層、の各層において、トランスバースフラックス式回転電機としての磁気回路を形成可能な所定の配置間隔パターンで周方向に固定子鉄心突極部が離散的に配置された鉄心層と、を有し、前記回転子は、対向する前記複数のコイル部および前記鉄心層にわたる半径方向に所定の長さを有する永久磁石と回転子鉄心とを周方向に交互に配置して有する、アキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機である。
第1の発明によれば、従来に無いアキシャルギャップ型のトランスバースフラックス式回転電機を実現することができる。
本発明に係るアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機によれば様々な作用効果が期待できる。例えば、回転電機をモータとして説明すると、モータの小型大トルク化のためには、一般的に極数を増やすのが良いとされるが、従来の非トランスバースフラックスモータの構造では、極数を増やすと巻線数が多くなるため、極数を増やす方策には限界がある。しかし、トランスバースフラックス式とすることで、巻線の数が極数と無関係となり、多極化による大出力化が容易となる。コイルの巻線数を増やす必要がないことは、永久磁石同期機として使用した場合の主要な損失である銅損を従来よりも低減できることにも繋がる。
また、アキシャルギャップ型とすることで回転電機の軸中心部まで電磁気回路として有効利用できるため、ラジアルギャップ型に比べて小型化を実現できる。また、そもそもトランスバースフラックス式回転電機は、コイルエンドが無いため、この点も小型化に有利である。
第2の発明として、前記固定子鉄心突極部は、形成される前記磁気回路における前記各層の磁気抵抗が、所定の同程度条件を満たす大きさで構成されている、第1の発明のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機を構成することとしてもよい。
第2の発明によれば、磁気回路における各層の磁気抵抗を揃えることで、相不均衡を抑制することができる。よって、例えばモータとして使用した場合に生じるであろうトルクリップルを抑制することができる。
第3の発明は、前記配置間隔パターンが、周方向に隣り合う前記固定子鉄心突極部の配置間隔として、前記磁気回路を形成するための所定の標準電気角に対するオフセット角の有無乃至大きさを周期的に変化させたパターンである、第1又は第2の発明のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機である。
第3の発明によれば、例えばモータとして使用した場合に生じ得るトルクリップルを抑制することができる。
第4の発明として、前記永久磁石は、磁化方向が周方向であり、且つ、周方向に隣り合う前記永久磁石の磁化方向が正逆交互になるように配置された、第1〜第3の何れかの発明のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機を構成することとしてもよい。
第4の発明によれば、回転子の永久磁石に生じる渦電流損失を低減することができる。
第5の発明は、前記固定子を前記回転軸の軸方向に挟むように配置された2つの前記回転子であって、前記固定子を対称面と見立てた場合に前記永久磁石および前記回転子鉄心の配置位置が面対称となるように構成された2つの前記回転子、を備えた第1〜第4の何れかの発明のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機である。
第5の発明によれば、1つの固定子の表裏両面に対向させて2つの回転子を設けることができる。例えば、回転電機をモータとする場合には、サイズの増加を抑えつつ、出力トルクの向上を図ることができる。
第6の発明として、前記永久磁石は、磁化方向が周方向であり、且つ、周方向に隣り合う前記永久磁石の磁化方向が正逆交互になるように配置されており、前記2つの回転子において、前記面対称となる位置にある前記永久磁石の磁化方向が反対になるように配置された、第5の発明のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機を構成することとしてもよい。
第6の発明によれば、固定子の小型化が可能となる。従来のラジアルギャップ型のトランスバースフラックス式回転電機の構成では、固定子に対向する回転子は1つであり、磁束は固定子内を折り返して回転子へ至る格好となる。そのために、固定子には磁束が折り返すための磁路相当部分が必要となる。しかし、本発明のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機では、2つの回転子が固定子を面対称の位置関係で挟んでいて、且つ、固定子を対称面と見立てた場合に永久磁石および回転子鉄心の配置位置が面対称となるように構成され、更に面対称となる位置にある永久磁石の磁化方向が反対になるように配置されている。このため、固定子には、ラジアルギャップ型の構成のときに必要とされた磁路相当部分を設ける必要がない。よって、その分、小型化を推し進めことができる。
第7の発明は、1つの前記固定子と当該固定子を挟むように配置された前記2つの回転子とを1組として、前記回転軸の軸方向に複数組配置した、第5又は第6の発明のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機である。
第7の発明によれば、小型化と高出力化との両立を図ることができる。
第8の発明として、各組の前記回転子は、軸方向において前記永久磁石および前記回転子鉄心の配置位置が揃えて構成され、各組の前記固定子は、軸方向において前記固定子鉄心突極部の配置位置が周方向に所定の電気角分ずらして構成されている、第7の発明のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機を構成することとしてもよい。
第8の発明によれば、回転電機の相不均衡を低減し、回転電機の動作を滑らかにすることができる。
第9の発明として、1つの前記固定子と当該固定子を挟むように配置された前記2つの回転子とを1組として、前記回転軸の軸方向に複数組配置し、各組の前記回転子は、軸方向において前記永久磁石および前記回転子鉄心の配置位置が揃えて構成され、且つ、軸方向に隣り合う組の前記永久磁石の磁化方向が反対になるように構成され、各組の前記固定子は、軸方向において前記固定子鉄心突極部の配置位置が周方向に所定の電気角分ずらして構成されている、第6の発明のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機を構成することとしてもよい。
第9の発明によれば、1つの固定子と当該固定子を挟む2つの回転子とを1組として、回転軸の軸方向に積層配置するレイアウトを採用するにあたり、隣接する各組の回転子磁石同士が発生する磁場を打ち消し合うことを回避することができ、小型大出力化に寄与できる。
第10の発明として、前記固定子は、小径および大径の2つの前記コイル部を有し、前記鉄心層である前記内側層と前記コイル間層の間および前記コイル間層と前記外側層の間にそれぞれ電気角で120°の位相差が生じるように前記固定子鉄心突極部を配置することで、前記鉄心層である前記内側層、前記コイル間層および前記外側層に三相の磁束ベクトルを生じさせるように構成され、前記2つのコイル部をV結線することで、前記鉄心層である前記内側層、前記コイル間層および前記外側層に三相の磁束ベクトルが生じた場合に三相の起電力を発生させるように構成された、第1〜第9の何れかの発明のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機を構成することとしてもよい。
第10の発明によれば、大小2つのコイル部で三相巻線を構成し、回転電機として機能させることができる。よって、三相巻線を3つのコイル部で実現する構成よりも、構造を簡単化し、且つ、小型化を進めることができる。
第11の発明として、前記固定子は、小径および大径の2つの前記コイル部を有し、前記鉄心層である前記内側層と前記コイル間層の間および前記コイル間層と前記外側層の間にそれぞれ電気角で120°の位相差が生じるように前記固定子鉄心突極部を配置することで、前記鉄心層である前記内側層、前記コイル間層および前記外側層に三相の磁束ベクトルを生じさせるように構成され、前記複数組は、軸方向に第1組〜第3組までの3組であり、前記第1組と第2組の固定子間および前記第2組と前記第3組の固定子間にそれぞれ電気角で300°の位相差が生じるように前記複数組の固定子が配置され、前記3組の前記コイル部は、小径のコイル部の他端同士が接続されて中性点が構成され、第1組の小径のコイル部の一端と第3組の大径のコイル部の他端とが接続され、第2組の小径のコイル部の一端と第1組の大径のコイル部の他端とが接続され、第3組の小径のコイル部の一端と第2組の大径のコイル部の他端とが接続され、大径のコイル部の一端それぞれが、回転電機の3相の端子に接続された、第9の発明のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機を構成することとしてもよい。
第11の発明によれば、Y結線による三相トランスバースフラックス式回転電機を実現することができる。
第1実施形態のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機における固定子及び回転子周りの構成例を説明するための斜視図。 第1組の構成例を示す(1)斜視外観図、(2)分解図。 回転子の永久磁石の磁化方向を説明するための図。 第1実施形態における、内側層固定子鉄心突極部と、コイル間層固定子鉄心突極部と、外側層固定子鉄心突極部とが構成する配置間隔パターンを説明するための図。 第1実施形態におけるコイル部(巻線部)の結線関係を説明するための図。 第1組,第2組、第3組それぞれで生じる(1)磁束ベクトルと、(2)電圧ベクトルを示す図。 第2実施形態における固定子の構成例を示す、回転軸方向から見た正面図。 第2実施形態における固定子鉄心突極部の配置間隔パターンを説明するための図。 第2実施形態における固定子の斜視部分拡大図であって、(1)各鉄心層の回転子鉄心突極部のギャップ面の面積が同じになるように設定した比較用の例、(2)コイルを径方向にオフセットし、固定子鉄心突極部を周方向にオフセットした構成例、を示す図。 第2実施形態における磁界解析の結果を示すグラフであって、固定子の構成違いによるトルクの計算結果を示すグラフ。 第2実施形態における磁界解析の結果を示すグラフであって、固定子鉄心突極部の周方向オフセット量を変更した場合のトルクの計算結果を示すグラフ。 回転子の構成の変形例を示す図。 固定子の構成の変形例を示す図。 固定子鉄心突極部の配置間隔パターンの例を示す図。 スキューを適用する場合の説明図。
以下、本発明を適用した実施形態の例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明が適用された第1実施形態のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機(以下、略して「ATF回転電機」と言う。)における固定子及び回転子周りの構成例を説明するための斜視図である。なお、構成の理解を容易にするために、回転軸本体や、電気配線、支持構造体との連結構造部の図示は省略している。また、ATF回転電機は、モータ(電動機)および発電機の両方の用途に使用可能であるが、理解を容易にするために、作用効果を説明する場合にはモータとしての作用効果を中心に説明する。
本実施形態のATF回転電機10は、回転軸19の軸方向に、第1組11と、第2組12と、第3組13とを配列した構造を有する。第1組11、第2組12、第3組13は、基本的には同じ構成を有しており、それぞれが単体のアキシャルギャップ型トランスバースフラックスモータ又は同発電機として機能し得る。そして、これらの3つの組が図示されない回転軸19並びに図示されない支持構造体とで連結されてATF回転電機10は、一体のモータ又は発電機として機能するようにデザインされている。
図2は、第1組11の構成例を示す(1)斜視外観図、(2)分解図である。なお、構成の理解を容易にするために、回転軸や、電気配線、支持構造体との連結構造部の図示は省略している。
第1組11は、2つの回転子20で1つの固定子30を回転軸方向(図2の左右方向)に挟んで構成される。
1つの回転子20は、全体として、回転軸方向の厚さが薄く回転軸を中心としたドーナツ形の薄円環形状を有しており、回転軸方向から見て扇型の永久磁石22及び回転子鉄心24が、円周方向に交互に配置されている。本実施形態では、永久磁石22(図中の網掛け部)が36個用意されている。
永久磁石22は、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、などタイプは適宜選択可能である。
回転子鉄心24は、絶縁被膜された鉄粉等の磁性材粒子を圧縮成形、或いは、磁性材粒子と絶縁材粒子とを混合して圧縮成形するなどして作られる圧粉磁心とする。すなわち、トランスバースフラックス式では磁束の流れが3次元的になり、且つ流れの方向が時々刻々と変化するため、回転子鉄心を通常のモータ等で使用される電磁鋼板の積層ではなく圧粉磁心とすることで、渦電流損失を低減することができる。
永久磁石22と回転子鉄心24は、想定される運転状況において十分な強度を確保するように結合されている。結合方式は適宜選択可能である。例えば、接着や凹凸嵌合による機械的結合でも良い。また、回転子20の表裏面の少なくとも何れかに同様の薄ドーナツ形の支持板部材(例えば、FRPやステンレス板、セラミックなどを使用。)を別途用意して、当該支持部材に対して接着や機械的な結合をするとしてもよい。
図3は、回転子20の永久磁石22の磁化方向を説明するための図である。なお、便宜上、永久磁石22及び回転子鉄心24の数を限定して描いている。
本実施形態の回転子20では、永久磁石22の端部に描かれた短い矢印が示すように磁化されている。すなわち、周方向に隣り合う永久磁石22が、周方向に沿って交互に正方向/逆方向を向くように磁化されている。
そして、図2に示すように、2つある回転子20は、固定子30を対称面と見立てた場合に永久磁石22及び回転子鉄心24の配置位置が面対称となるように構成されている。2つの回転子20は、固定子30を対称面と見立てた場合に永久磁石22及び回転子鉄心24の配置位置が面対称となり、且つ、面対称となる位置にある永久磁石22の磁化方向が反対になるように構成されている。(図2では、一部の永久磁石22にて吹き出しでその磁化方向の関係を示している。)
従来のラジアルギャップ型の三相トランスバースフラックス式回転電機の一般的な構成では、固定子30に対向する回転子20は1つであり、磁束は固定子30内を折り返して回転子20へ至る格好となる。そのために、固定子30には磁束が折り返すための磁路相当部分が必要となる。しかし、本実施形態では、2つ回転子20が、磁化方向が反対となる永久磁石22で固定子30を面対称の関係で挟んでいるので、固定子30に当該磁路相当部分を設けなくて済む。その分、小型化を推し進めことができる。
なお、本実施形態では、図1に示すように、1つの固定子30と当該固定子30を挟むように配置された2つの回転子20とを1組とする第1組11・第2組12・第3組13の合計3組が回転軸方向に積層配置されている。これら各組の回転子20は、軸方向において永久磁石22及び回転子鉄心24の配置位置が揃えて構成され、且つ、軸方向に隣り合う組の永久磁石22の磁化方向が丁度反対になるように構成されている(図1では、網掛け表示された永久磁石22の一部にて、短い矢印で磁化方向の例を図示している。)。これにより、隣接する組の回転子20の磁石同士がお互いの磁場を打ち消し合うことを回避している。
次に、固定子30について説明する。
図2に示すように、固定子30は、全体としては回転子20と同様の形状、すなわち回転軸方向に薄いドーナツ型を有している。具体的には、第1コイル部31と、第2コイル部32と、内側鉄心層33と、コイル間鉄心層34と、外側鉄心層35と、を有する。そして、内側層固定子鉄心突極部33tと、コイル間層固定子鉄心突極部34tと、外側層固定子鉄心突極部35tとについては、トランスバースフラックス式回転電機としての磁気回路を形成可能な所定の配置間隔パターンを構成している。本実施形態における固定子鉄心突極部33t,34t、35tは、それぞれが独立した鉄心であるため、それぞれを固定子鉄心と呼ぶこともできるが、一体化した上で、回転子20との対向面に向けて突極した形態に構成することも可能である。
第1コイル部31は、回転軸19を中心とする本実施形態における最小径のコイルの巻線部である。巻回数は適宜設定可能である。
第2コイル部32は、第1コイル部31と同心円で第1コイル部31の外側に配置された本実施形態における最大径のコイル巻線部である。巻回数は適宜設定可能である。
第1コイル部31及び第2コイル部32については、発熱密度を同程度にする観点から、コイルの素線断面寸法を同一とし、三相平衡な回路を構成する観点から巻回数は同一とする。そして、コイルの径方向の幅や軸方向の幅は同一とされている。
内側鉄心層33は、第1コイル部31の内側層(すなわち第1コイル部31の内周面)に沿って離散的に配置された18個の内側層固定子鉄心突極部33tを有する。
コイル間鉄心層34は、第1コイル部と第2コイル部32との間に円周方向に沿って離散的に配置された18個のコイル間層固定子鉄心突極部34tを有する。
外側鉄心層35は、第2コイル部32の外側層(すなわり第2コイル部32の外周面)に沿って離散的に配置された18個の外側層固定子鉄心突極部35tを有する。
トランスバースフラックス式では磁束の流れが3次元的になり、且つ流れの方向が時々刻々と変化するため、本実施形態の固定鉄心の突極部は、渦電流損失を低減の観点から固定子鉄心24と同様に圧粉磁心で構成される。但し、図1のような構成した場合には、固定子鉄心内の磁場の流れは基本的に軸方向となるため、例えば径方向に積層した電磁鋼板を鉄心とすることもできる。その場合、磁場の流れが一方向であるため、回転電機で通常用いられる無方向性電磁鋼板では無く、方向性電磁鋼板を用いることで性能の向上を図ることができる。また、製造を容易にするために同一形状に打ち抜いた電磁鋼板を積層して、ギャップ面における形状が長方形となる鉄心を形成してもよい。
また、内側層固定子鉄心突極部33t、コイル層固定子鉄心突極部34t及び外側層固定子鉄心突極部35tは、それぞれが磁気回路の一部を形成するため、各層における固定子鉄心(鉄心突極部)の磁気抵抗が、所定の同程度条件を満たす大きさとなるように構成されている。具体的には、軸方向に垂直な断面の面積が等しく又は略等しくなるように設定されている。これにより、各層における固定子鉄心(鉄心突極部)の磁気抵抗が均等化され、相不平衡を抑制する効果が期待できる。
具体的には、内側層固定子鉄心突極部33t、コイル間層固定子鉄心突極部34t、及び外側層固定子鉄心突極部35tの形状(回転軸方向から見た形状)は、外周側及び内周側が環状の部分弧を描く扇形状となる。その中心角は各層間で同一とする必要があるため、外半径の自乗と内半径の自乗の差が一定値となるように、各半径を決定することで面積が等しくなるようにしている。
固定子30におけるコイル部及び固定子鉄心の機械的結合方法は適宜選択可能である。例えば、直接的な接着、樹脂モールド成形、などが考えられる。また、固定子30の表裏面又は内部に同様の薄板状のドーナツ形の支持構造体(例えば、FRP、セラミック板、スレンレス板、などを使用。)を追加した構成とし、当該支持構造体に設けた凹部又は貫通孔に固定子鉄心やコイル部を嵌め込んで組み立てるとしてもよい。例えば、薄板状のドーナツ形の支持構造体2枚を固定子30の表裏として用い、当該支持構造体に設けた凹部に固定子鉄心やコイル部を嵌め込む構成や、薄板状のドーナツ形の支持構造体1枚を真ん中にして、当該支持構造体に設けた固定子鉄心配置用の貫通孔に固定子鉄心を配置するとともにコイル部の巻線を当該支持構造体の表裏それぞれに配置する構成、等が考えられる。
図4は、本実施形態における、内側層固定子鉄心突極部33tと、コイル間層固定子鉄心突極部34tと、外側層固定子鉄心突極部35tとが構成する配置間隔パターンを説明するための図である。
内側層固定子鉄心突極部33t、コイル間層固定子鉄心突極部34t、及び外側層固定子鉄心突極部35tそれぞれに記されたU/V/Wの記号は、回転子20が回転したと仮定した場合に、永久磁石22が図の左から右に相対的に流れることで、各固定子鉄心に流れる磁束の位相を表している(U−V,V−W、W−U間でそれぞれ120°の位相差)。
さて、内側層固定子鉄心突極部33tは、内側層の周方向に隣接する固定子鉄心突極部間が電気角360°を成すように離散的に配置されている。同様にして、コイル間層固定子鉄心突極部34tも、コイル間層の周方向に隣接する固定子鉄心突極部間で電気角360°を成すように、外側層固定子鉄心突極部35tは外側層の周方向に隣接する固定子鉄心突極部間で電気角360°を成すように、配置されている(図4参照)。
そして、径方向に隣接する、内側層固定子鉄心突極部33tと、コイル間層固定子鉄心突極部34tと、外側層固定子鉄心突極部35tとに着目すると、これら3つの固定子鉄心突極部は同じ電気角360°内に納まるように配置されている。具体的には、内側層固定子鉄心突極部33tと、コイル間層固定子鉄心突極部34tと、外側層固定子鉄心突極部35tとは、それぞれが周方向に電気角120°の長さを有して周方向に順番に120°ずつずらすように配置して構成されている。
また、図1に示すように、第1組11,第2組12、第3組13それぞれの回転軸19の周方向のオフセットに着目すると、第1組11の外側層固定子鉄心突極部35tと、第2組12の外側層固定子鉄心突極部35tとは、相対的に電気角300°(=120°+180°)を成すように構成されている。同様に、第2組12の外側層固定子鉄心突極部35tと、第3組13の外側層固定子鉄心突極部35tとが相対的に電気角300°を成すように構成されている。これにより、ATF回転電機10をモータとして使用した場合に、外部出力されるトルク脈動を低減している。
図5は、本実施形態におけるコイル部(巻線部)の結線関係を説明するための図である。図中のU相・V相・W相の表記は、本実施形態のATF回転電機10を3相モータとして使用する場合に印加する電流の各相を表している。また、図中の短い矢印は各相においてプラスの電流が流れた場合の電流の向きを表している。
本実施形態のATF回転電機10には、外部からU相・V相・W相の3本の入力線が引き込まれて、Y結線されている。
U相に流れるプラスの電流は、第1組11の第2コイル部32に入って、第1組11側の回転軸側(図5の左手)から見て反時計回りに巡り、第2組12の第1コイル部31に入る向きとなる。そして、第2組12の第1コイル部31を、第1組11側の回転軸側から見て反時計回りに巡って、中性点へ抜ける。
V相に流れるプラスの電流は、第2組12の第2コイル部32に入って、第1組11側の回転軸側から見て反時計回りに巡り、第3組13の第1コイル部31に入る向きとなる。そして、第3組13の第1コイル部31を、第1組11側の回転軸側から見て反時計回りに巡って、中性点へ抜ける。
W相に流れるプラスの電流は、第3組13の第2コイル部32に入って、第1組11側の回転軸側から見て反時計回りに巡り、第1組11の第1コイル部31に入る向きとなる。そして、第1組11の第1コイル部31を、第1組11側の回転軸側から見て反時計回りに巡って、中性点へ抜ける。
図6は、図5に示した結線関係において、第1組11,第2組12、第3組13それぞれに生じる(1)磁束ベクトルと、(2)電圧ベクトルを示す図である。すなわち、第1組11,第2組12、第3組13それぞれの組における結線関係に着目すると、その内側鉄心層33、コイル間鉄心層34及び外側鉄心層35に三相の磁束ベクトルが生じることで巻線端子に三相電圧を生じさせている。
以上、本実施形態によれば、従来に無い、アキシャルギャップ型の三相ATF回転電機を実現する技術を提案できる。
本実施形態に係るATF回転電機10によれば様々な作用効果が期待できる。例えば、回転電機をモータとして説明すると、モータの小型大トルク化のためには、一般的に極数を増やすのが良いとされるが、従来の非トランスバースフラックスモータの構造では、極数を増やすと巻線数が多くなるため、極数を増やす方策は小型化に反する。しかし、トランスバースフラックス式とすることで、巻線の数が極数と無関係となり、多極化による大トルク化が容易となる。コイルの巻線数を増やす必要がないことは、永久磁石同期機として使用した場合の主要な損失である銅損を従来よりも低減できることにも繋がる。
また、アキシャルギャップ型とすることで回転電機の軸中心部まで電磁気回路として有効利用できるため、ラジアルギャップ型に比べて小型化を実現できる。また、そもそもトランスバースフラックス式は、コイルエンドが無いため、この点も小型化に有利であり、アキシャルギャップ型の構造と相性がよい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様に構成されるが、1)固定子鉄心の構成が異なる点と、2)固定子30における固定子鉄心とコイルの機械的結合方法が異なる点と、3)コイル間鉄心層34の回転子鉄心が内側鉄心層33や外側鉄心層35の回転子鉄心よりも、ギャップ面の面積が小さくなっている点と、が異なる。なお、以降では、第1実施形態との差異について主に述べることとし、第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同じ符号を付与して重複する説明を省略する。
先ず、固定子鉄心の構成が異なる点について述べる。
図7は、本実施形態における固定子30Bの構成例を示す、回転軸方向から見た正面図である。なお、固定子鉄心の識別を容易にするために、ハッチングを施している。
固定子30Bが有する内側鉄心層33、コイル間鉄心層34、外側鉄心層35の各層の固定子鉄心突極部は、それぞれ周方向に並ぶ3歯を1つの鉄心組36として、1つの鉄心組36で、第1実施形態とは異なる配置間隔パターンである「オフセット配置間隔パターン」を構成している。
図8は、本実施形態における固定子鉄心突極部の配置間隔パターンを説明するための図である。鉄心組36を構成する3つの固定子鉄心突極部に着目すると、中央の固定子鉄心突極部は、第1実施形態と同様にして、機械角360°を当該鉄心層の全固定子鉄心突極部の数(極対数)で均等割りして決定された配置間隔で配置されている。換言すると、中央の固定子鉄心突極部に設定された、ATF回転電機としての磁気回路を形成するための所定の標準電気角で表される位置にそのまま配置されている。
対して、鉄心組36を構成する3つの固定子鉄心突極部のうちの左右端の固定子鉄心突極部は、均等割りして決定された配置間隔の位置(図8中では破線表示された位置)から、それぞれ中央の固定子鉄心突極部へ向けて電気角20°だけ近づくように設定されている。換言すると、ATF回転電機としての磁気回路を形成するための所定の標準電気角に対してオフセット角を付与した位置に配置されている。
具体的には、図8の例において、内側鉄心層33に着目すると、図に向かって左端の内側層固定子鉄心突極部33tl、中央の内側層固定子鉄心突極部33tm、右端の内側層固定子鉄心突極部33trとで、1つの鉄心組36を構成している。中央の内側層固定子鉄心突極部33tmは、機械角360°を18極対で等分した位置に配置されている。換言すると、1つの鉄心組36の中央の内側層固定子鉄心突極部33tから、隣りの鉄心組36の中央の内側層固定子鉄心突極部33tまで、電気角1080°(=360°×3)を有するように設定されている。
しかし、左端の内側層固定子鉄心突極部33tlは、機械角360°を18極対で等分した位置から、電気角で20°だけ中央の内側層固定子鉄心突極部33tmへ近づくようにオフセットされた位置へ配置されている。逆に、右端の内側層固定子鉄心突極部33trは、電気角で20°だけ中央の内側層固定子鉄心突極部33tmへ近づくようにオフセットされた位置へ配置されている。
この関係は、コイル間鉄心層34、外側鉄心層35についても同様である。但し、本実施形態における固定子鉄心突極部の径方向の配置関係は、第1実施形態のそれ(図4参照)と同様である。
次に、固定子30における固定子鉄心突極部とコイルの機械的結合方法が異なる点と、コイル間鉄心層34の固定子鉄心突極部が、内側鉄心層33や外側鉄心層35の回転子鉄心よりも、ギャップ面の面積が小さくなっている点について述べる。
図9は、本実施形態における固定子30Bの斜視図であり、部分拡大図である。図9(1)が各鉄心層の回転子鉄心突極部のギャップ面の面積が同じになるように設定した比較用の構成例を示し、図9(2)がコイルを径方向にオフセットし、固定子鉄心突極部を周方向にオフセットした構成例を示している。なお、相対位置関係の理解を容易にするために、固定子の背後に回転子20の一部を描いている。
図9(1)及び(2)に示す様に、先ず、本実施形態の固定子30Bでは、第1コイル部31と、第2コイル部32と、内側鉄心層33と、コイル間鉄心層34と、外側鉄心層35とは、機械的強度に優れた非電導性の支持部39を介して機械的に結合されている。
支持部39は、例えば、樹脂モールド、FRP、セラミックによって作成される。第1コイル部31と第2コイル部32は、それぞれ第1環状溝部371、第2環状溝部372に巻き付けられて固定される。内側鉄心層33・コイル間鉄心層34・外側鉄心層35の各層の固定子鉄心突極部(33t、34t、35t)は、支持部39を表裏(軸方向)に貫通する貫通孔に嵌着及び/又は接着される。
図9(1)の構成は、支持部39の有無こそ違えど、基本的には第1実施形態の固定子30と同様となる(元構成)。
対して、本実施形態の固定子30Bは、図9(2)の構成を有する。つまり元構成よりも第1コイル部31が径方向外側に第2コイル部32が径方向内側にオフセットしている。結果、内側鉄心層33・コイル間鉄心層34・外側鉄心層35の各層の固定子鉄心突極部(33t、34t、35t)のギャップ面(軸方向から見た面)の面積を比較すると、コイル間鉄心層34のコイル間層固定子鉄心突極部34tの面積は、内側鉄心層33の内側層固定子鉄心突極部33tや外側鉄心層35の外側層固定子鉄心突極部35tのそれのほぼ1/2程度となるように設定されている。
図10は、磁界解析の結果を示すグラフであって、固定子の構成違いによる本実施形態のATF回転電機10によるトルクの計算結果を示している。当該グラフが示すように本実施形態の固定子30B(第1コイル部31を径方向へオフセット+固定子鉄心突極部の周方向オフセット:図10の実線グラフ)を採用すると、第1実施形態の固定子30相当の元構成(図10の点線グラフ)よりもトルク変動を抑制できることがわかる。同様に、本実施形態の固定子30Bを採用すると、コイルの径方向オフセットのみを採用した構成(図10の破線グラフ)よりも、トルク変動を抑制できることがわかる。
図11は、同じく磁界解析の結果を示すグラフであるが、固定子鉄心突極部の周方向オフセット量を変更した場合のトルクの計算結果を示している。当該グラフが示すように、隣接する固定子鉄心突極部の3歯を「プラス20°・0°・マイナス20°」オフセットすることで(太実線グラフ)、他の構成よりもトルク変動を低減できていることがわかる。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるとともに、更にATF回転電機10をモータとして使用した場合のトルク変動を抑制することができる。
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
[その1]
例えば、回転子20の構成は、図12の何れかの構成を採用することもできる。
図12は、回転子20の構成の変形例を説明するための図であって、軸方向から見た回転子の側面を正面として周方向−軸方向の直交座標上に展開表示したものである。上記実施形態の図3に相当する。永久磁石22の中に描いた短い矢印は磁化方向を示している。なお、便宜上、永久磁石22、回転子鉄心24などの数を限定して描いているが、本発明の実施形態がこれに限定されるものではない。また、図12の各図において、回転子20B,20C,20D,20Eは,上側を固定子30に向けて配置される。
図12(1)の回転子20Bの構成では、第1実施形態の回転子20の構成から永久磁石22を省略して、回転子鉄心24を磁路部26で連結した構成とし、リラクタンスモータの回転子として構成している。回転子鉄心24がティース(歯)部として機能し、回転子鉄心24の間がスロットとして機能する。磁路部26は、例えば、回転子20と同形の薄板状のドーナツ型で回転子鉄心24と一体に成形されているとしてもよい。
図12(2)の回転子20Cの構成は、第1実施形態の回転子20の構成に、磁路部26を追加した構成である。換言すると、永久磁石埋め込み型の構成を採用することもできる。ただし、磁化方向は第1実施形態の回転子20とは異なる。
図12(3)の回転子20Dの構成では、磁路部26を追加するとともに、永久磁石22の外側にも第2鉄心部27を追加する。更に、永久磁石22と回転子鉄心24との間にエアギャップを設けている。
図12(4)の回転子20Eの構成では、第1実施形態の回転子20の構成から永久磁石22の軸方向寸法を小さくし、空いた空間に回転子鉄心24を広げている。このようにすることで回転子鉄心24の表面がリラクタンスモータのティースおよび磁路部として機能する。
[その2]
また、上記実施形態では、固定子30、30Bを図13(1)に示す「鉄心3相巻線2相」の構成としたが、図13(2)〜図13(4)に示す構成を採用することもできる。
すなわち、図13(2)に示すように、固定子30、30Bを「鉄心3相巻線3相」とすることもできる。図13(3)に示すように、固定子30、30Bを「鉄心6相巻線5相」とすることもできる。図13(4)に示すように、固定子30、30Bを「鉄心6相巻線6相」とすることもできる。
図13(2)の「鉄心3相巻線3相」とする構成では、三相不均衡を低減して、トルクリップルを更に抑制することが期待できる。当該構成を第1実施形態に採用した場合の固定子における固定子鉄心の配置間隔パターンは、例えば図14のように設定することができる。
図14は、図4と同様に描かれている。図14に示すように、「鉄心3相巻線3相」の固定子は、第1コイル部31と、第2コイル部32と、第3コイル部38との3の巻線部を備え、内側鉄心層33と外側鉄心層35との間に、第1コイル間層34aと第2コイル間層34bとの2つの鉄心層が設けられることになる。但し、突極部35tと突極部33tのギャップ面の面積は突極部34tの半分として3相平衡が実現されるようにする。
[その3]
また、上記実施形態では固定子鉄心の歯をオフセットさせてトルク脈動を低減しているが、オフセットを行う代わりに固定子鉄心にスキュー(Skew)を加えて、トルク脈動を低減することとしてもよい。図15は、上記実施形態に適用可能なスキューの考え方の例を示す図である。図15は、図4と同じ表記方法により描かれている。すなわち、回転子20が回転したと仮定した場合に、永久磁石22が図の左から右に相対的に流れることで、各固定子鉄心に流れる磁束の位相を表している(U−V,V−W、W−U間でそれぞれ120°の位相差)。
図15(1)で示す例では、各固定子鉄心の周方向両端部それぞれに、外向きの電気角120°のスキューを設けている。そして、回転軸径方向位置における、外側層固定子鉄心35tの厚さAnと、コイル間層固定子鉄心34tの厚さBnと、内側層固定子鉄心33tの厚さCnと、の合計(n=1,2,…:周方向の任意位置)が常に一定となるように構成している。例えば、図15(1)において、厚さA1+B1+C1=厚さA2+B2(=0)+C2となる。当該構成では、トルク脈動を6.4%程度に抑制することができる。
図15(2)で示す例では、各固定子鉄心の周方向両端部それぞれに、外向きの電気角60°のスキューを設ける。そして、周方向両端部のスキュー間の相対電気角度180°の位置における外側層固定子鉄心35tの厚さとコイル間層固定子鉄心34tの厚さの和Aと、コイル間層固定子鉄心34tの厚さと内側層固定子鉄心33tの厚さの和Bと、の合計が常に一定となるように構成している。当該構成では、トルク脈動を3.4%程度に抑制することができる。
図15(3)で示す例では、各固定子鉄心の周方向両端部それぞれに、内向きの電気角60°のスキューを設ける。そして、内側層固定子鉄心33tの周方向両端部のすぐ外側にはコイル間層固定子鉄心34tの何れかの周方向両端部が位置し、コイル間層固定子鉄心34tの周方向両端部のすぐ外側には外側層固定子鉄心35tの何れかの周方向両端部が位置するように構成されている。当該構成でもトルク脈動を効果的に抑制することができる。
10…ATF回転電機
11…第1組
12…第2組
13…第3組
19…回転軸
20…回転子
22…永久磁石
24…回転子鉄心
30…固定子
31…第1コイル部
32…第2コイル部
33…内側鉄心層
33t…内側層固定子鉄心
34…コイル間鉄心層
34t…コイル間層固定子鉄心
35…外側鉄心層
35t…外側層固定子鉄心

Claims (11)

  1. 回転軸の軸方向に固定子と回転子とを対向させて配置したアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機であって、
    前記固定子は、
    前記回転軸を中心として同心円状に配置された径が異なる複数のコイル部と、
    最小径の前記コイル部の内側層、半径方向に隣り合う前記コイル部間のコイル間層、および最大径の前記コイル部の外側層、の各層において、トランスバースフラックス式回転電機としての磁気回路を形成可能な所定の配置間隔パターンで周方向に固定子鉄心突極部が離散的に配置された鉄心層と、
    を有し、
    前記回転子は、
    対向する前記複数のコイル部および前記鉄心層にわたる半径方向に所定の長さを有する永久磁石と回転子鉄心とを周方向に交互に配置して有する、
    アキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機。
  2. 前記固定子鉄心突極部は、形成される前記磁気回路における前記各層の磁気抵抗が、所定の同程度条件を満たす大きさで構成されている、
    請求項1に記載のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機。
  3. 前記配置間隔パターンは、周方向に隣り合う前記固定子鉄心突極部の配置間隔として、前記磁気回路を形成するための所定の標準電気角に対するオフセット角の有無乃至大きさを周期的に変化させたパターンである、
    請求項1又は2に記載のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機。
  4. 前記永久磁石は、磁化方向が周方向であり、且つ、周方向に隣り合う前記永久磁石の磁化方向が正逆交互になるように配置された、
    請求項1〜3の何れか一項に記載のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機。
  5. 前記固定子を前記回転軸の軸方向に挟むように配置された2つの前記回転子であって、前記固定子を対称面と見立てた場合に前記永久磁石および前記回転子鉄心の配置位置が面対称となるように構成された2つの前記回転子、
    を備えた請求項1〜4の何れか一項に記載のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機。
  6. 前記永久磁石は、磁化方向が周方向であり、且つ、周方向に隣り合う前記永久磁石の磁化方向が正逆交互になるように配置されており、
    前記2つの回転子において、前記面対称となる位置にある前記永久磁石の磁化方向が反対になるように配置された、
    請求項5に記載のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機。
  7. 1つの前記固定子と当該固定子を挟むように配置された前記2つの回転子とを1組として、前記回転軸の軸方向に複数組配置した、
    請求項5又は6に記載のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機。
  8. 各組の前記回転子は、軸方向において前記永久磁石および前記回転子鉄心の配置位置が揃えて構成され、
    各組の前記固定子は、軸方向において前記固定子鉄心突極部の配置位置が周方向に所定の電気角分ずらして構成されている、
    請求項7に記載のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機。
  9. 1つの前記固定子と当該固定子を挟むように配置された前記2つの回転子とを1組として、前記回転軸の軸方向に複数組配置し、
    各組の前記回転子は、軸方向において前記永久磁石および前記回転子鉄心の配置位置が揃えて構成され、且つ、軸方向に隣り合う組の前記永久磁石の磁化方向が反対になるように構成され、
    各組の前記固定子は、軸方向において前記固定子鉄心突極部の配置位置が周方向に所定の電気角分ずらして構成されている、
    請求項6に記載のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機。
  10. 前記固定子は、小径および大径の2つの前記コイル部を有し、前記鉄心層である前記内側層と前記コイル間層の間および前記コイル間層と前記外側層の間にそれぞれ電気角で120°の位相差が生じるように前記固定子鉄心突極部を配置することで、前記鉄心層である前記内側層、前記コイル間層および前記外側層に三相の磁束ベクトルを生じさせるように構成され、
    前記2つのコイル部をV結線することで、前記鉄心層である前記内側層、前記コイル間層および前記外側層に三相の磁束ベクトルが生じた場合に巻線端子に三相電圧を発生させるように構成された、
    請求項1〜9の何れか一項に記載のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機。
  11. 前記固定子は、小径および大径の2つの前記コイル部を有し、前記鉄心層である前記内側層と前記コイル間層の間および前記コイル間層と前記外側層の間にそれぞれ電気角で120°の位相差が生じるように前記固定子鉄心突極部を配置することで、前記鉄心層である前記内側層、前記コイル間層および前記外側層に三相の磁束ベクトルを生じさせるように構成され、
    前記複数組は、軸方向に第1組〜第3組までの3組であり、
    前記第1組と第2組の固定子間および前記第2組と前記第3組の固定子間にそれぞれ電気角で300°の位相差が生じるように前記複数組の固定子が配置され、
    前記3組の前記コイル部は、
    小径のコイル部の他端同士が接続されて中性点が構成され、
    第1組の小径のコイル部の一端と第3組の大径のコイル部の他端とが接続され、
    第2組の小径のコイル部の一端と第1組の大径のコイル部の他端とが接続され、
    第3組の小径のコイル部の一端と第2組の大径のコイル部の他端とが接続され、
    大径のコイル部の一端それぞれが、回転電機の3相の端子に接続された、
    請求項9に記載のアキシャルギャップ型トランスバースフラックス式回転電機。
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