(第1実施形態)
以下、モータの第1実施形態を図1〜図14に従って説明する。
図1及び図2に示すように、3相のブラシレスモータMは、3相用のブラシレスモータであって、回転軸(図示せず)に固着されたロータ1と、そのロータ1の外側に配置され図示しないモータハウジングに固着された環状のステータ2とを有している。
図3〜図6に示すように、ブラシレスモータMは、単一のロータ1aと単一のステータ2aとからなる単一のモータMaが軸方向に3段積層された3相モータである。つまり、図2に示すように、ブラシレスモータMは、上からU相モータ部Muの単一のモータMa、V相モータ部Mvの単一のモータMa、W相モータ部Mwの単一のモータMaが順番に積層されている。
(ロータ1)
図9〜図11に示すように、ロータ1は、U相ロータ1u、V相ロータ1v、W相ロータ1wの3つから構成されていて、本実施形態では、各相のロータ1u,1v,1wは、共に同じ構成で形成されている。ここで、説明の便宜上、各相のロータ1u,1v,1wを総称して呼ぶときには、単一のロータ1aという。
図5(a)及び図7に示すように、単一のロータ1aは、4つの第1〜第4ロータコア10,20,30,40と4つの第1〜第4界磁磁石51〜54から構成されている。
(第1ロータコア10)
図7に示すように、第1ロータコア10は、円板状の電磁鋼板にて形成された第1ロータコアベース11を有している。第1ロータコアベース11の中央位置には、回転軸(図示せず)を貫通し固着するための貫通穴12が形成されている。また、第1ロータコアベース11の外周面には、等間隔に12個の第1ロータ側爪状磁極13が形成されている。12個の第1ロータ側爪状磁極13は、第1ロータコアベース11の外周面から径方向外側に突出されその先端が屈曲して軸方向第2ロータコア20側に延出形成されている。
第1ロータ側爪状磁極13の周方向両端面は、平坦面であって、先端に行くほど先細に形成されている。軸方向第2ロータコア20側に屈曲した第1ロータ側爪状磁極13の径方向の外側面と内側面は、共に、回転軸(図示せず)の中心軸線Oを中心とした同心円となる円弧面である。従って、第1ロータ側爪状磁極13の先端面16は、軸直交方向に平面であって、軸方向から見て中心軸線O側に湾曲した円弧面である。
また、第1ロータ側爪状磁極13に軸方向の長さ(第1ロータコアベース11の反第2ロータコア20側の面から先端面16までの長さ)は、第1ロータコアベース11の板厚(軸方向の長さ)の3倍としている。
各第1ロータ側爪状磁極13の周方向の角度、即ち、周方向両端面間が回転軸(図示せず)の中心軸線Oとなす角度は、隣り合う第1ロータ側爪状磁極13と第1ロータ側爪状磁極13の間の隙間の角度より小さく設定されている。
(第2ロータコア20)
図5(a)及び図7に示すように、第1ロータコア10と軸方向において第1界磁磁石51を介して第2ロータコア20が配置される。第2ロータコア20は、第1ロータコア10と同一材質及び同一形状であって、略円板状に形成された第2ロータコアベース21の中央位置には、回転軸(図示せず)を貫通し固着するための貫通穴22が形成されている。
そして、第2ロータコアベース21の外周面には、第1ロータコア10と同様に、等間隔に12個の第2ロータ側爪状磁極23が形成されている。12個の第2ロータ側爪状磁極23は、第2ロータコアベース21の外周面から径方向外側に突出されその先端が屈曲して軸方向第3ロータコア30側に延出形成されている。
第2ロータ側爪状磁極23の周方向両端面は、平坦面であって、先端に行くほど先細に形成されている。軸方向第3ロータコア30側に屈曲した第2ロータ側爪状磁極23の径方向の外側面と内側面は、共に、回転軸の中心軸線Oを中心とした同心円となる円弧面である。従って、第2ロータ側爪状磁極23の先端面26は、軸直交方向に平面であって、軸方向から見て中心軸線O側に湾曲した円弧面である。
また、第2ロータ側爪状磁極23に軸方向の長さ(第2ロータコアベース21の反第3ロータコア30側の面から先端面26までの長さ)は、第2ロータコアベース21の板厚(軸方向の長さ)の3倍としている。
各第2ロータ側爪状磁極23の周方向の角度、即ち、周方向両端面間が回転軸の中心軸線Oとなす角度は、隣り合う第2ロータ側爪状磁極23と第2ロータ側爪状磁極23の間の隙間の角度より小さく設定されている。
そして、第2ロータコアベース21は、第1ロータコアベース11に対して、軸方向から見て、12個の第2ロータ側爪状磁極23がそれぞれ12個の第1ロータ側爪状磁極13間の中間位置に相対配置される。
(第3ロータコア30)
図5(a)及び図7に示すように、第2ロータコア20と軸方向において第2及び第3界磁磁石52,53を介して第3ロータコア30が配置される。第3ロータコア30は、第1ロータコア10と同一材質及び同一形状であって、略円板状に形成された第3ロータコアベース31の中央位置には、回転軸(図示せず)を貫通し固着するための貫通穴32が形成されている。
また、第3ロータコアベース31の外周面には、等間隔に12個の第3ロータ側爪状磁極33が形成されている。12個の第3ロータ側爪状磁極33は、第3ロータコアベース31の外周面から径方向外側に突出されその先端が屈曲して軸方向第2ロータコア20側に延出形成されている。
第3ロータ側爪状磁極33の周方向両端面は、平坦面であって、先端に行くほど先細に形成されている。軸方向第2ロータコア20側に屈曲した第3ロータ側爪状磁極33の径方向の外側面と内側面は、共に、回転軸の中心軸線Oを中心とした同心円となる円弧面である。従って、第3ロータ側爪状磁極33の先端面36は、軸直交方向に平面であって、軸方向から見て中心軸線O側に湾曲した円弧面である。
また、第3ロータ側爪状磁極33に軸方向の長さ(第3ロータコアベース31の反第2ロータコア20側の面から先端面36までの長さ)は、第3ロータコアベース31の板厚(軸方向の長さ)の3倍としている。
各第3ロータ側爪状磁極33の周方向の角度、即ち、周方向両端面間が回転軸の中心軸線Oとなす角度は、隣り合う第3ロータ側爪状磁極33と第3ロータ側爪状磁極33の間の隙間の角度より小さく設定されている。
そして、第3ロータコアベース31は、第1ロータコアベース11に対して、軸方向から見て、12個の第3ロータ側爪状磁極33が対応する12個の第1ロータ側爪状磁極13とそれぞれ相対向配置される。
従って、相対向する第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の各組は、第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33が互いに軸方向に向かいあう方向に屈曲している。その結果、第1ロータ側爪状磁極13の先端面16と第3ロータ側爪状磁極33の先端面36は、その全面同士が軸方向においてそれぞれ当接するようになっている。
(第4ロータコア40)
図5(a)及び図7に示すように、第3ロータコア30と軸方向において第4界磁磁石54を介して第4ロータコア40が配置される。第4ロータコア40は、第1ロータコア10と同一材質及び同一形状であって、略円板状に形成された第4ロータコアベース41の中央位置には、回転軸(図示せず)を貫通し固着するための貫通穴42が形成されている。
また、第4ロータコアベース41の外周面には、等間隔に12個の第4ロータ側爪状磁極43が形成されている。12個の第4ロータ側爪状磁極43は、第4ロータコアベース41の外周面から径方向外側に突出されその先端が屈曲して軸方向第3ロータコア30側に延出形成されている。
第4ロータ側爪状磁極43の周方向両端面は、平坦面であって、先端に行くほど先細に形成されている。軸方向第3ロータコア30側に屈曲した第4ロータ側爪状磁極43の径方向の外側面と内側面は、共に、回転軸の中心軸線Oを中心とした同心円となる円弧面である。従って、第4ロータ側爪状磁極43の先端面46は、軸直交方向に平面であって、軸方向から見て中心軸線O側に湾曲した円弧面である。
また、第4ロータ側爪状磁極43に軸方向の長さ(第4ロータコアベース41の反第3ロータコア30側の面から先端面46までの長さ)は、第4ロータコアベース41の板厚(軸方向の長さ)の3倍としている。
各第4ロータ側爪状磁極43の周方向の角度、即ち、周方向両端面間が回転軸の中心軸線Oとなす角度は、隣り合う第4ロータ側爪状磁極43と第4ロータ側爪状磁極43の間の隙間の角度より小さく設定されている。
そして、第4ロータコアベース41は、第2ロータコアベース21に対して、軸方向から見て、12個の第4ロータ側爪状磁極43が対応する12個の第2ロータ側爪状磁極23とそれぞれ相対向配置される。
従って、相対向する第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータ側爪状磁極43の各組は、第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータ側爪状磁極43が互いに軸方向に向かいあう方向に屈曲している。その結果、第2ロータ側爪状磁極23の先端面26と第4ロータ側爪状磁極43の先端面46は、その全面同士が軸方向においてそれぞれ当接するようになっている。
そして、第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の組と、第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータ側爪状磁極43の組は、第1〜第4ロータコア10,20,30,40のそれぞれの間に配置される第1〜第4界磁磁石51〜54によって磁極が決定される。
(第1〜第4界磁磁石51〜54)
図7に示すように、第1〜第4界磁磁石51〜54は、本実施形態では、共にフェライト磁石よりなる円板状の永久磁石にて形成され、その中央位置に回転軸(図示せず)を貫通する貫通穴56〜59がそれぞれ形成されている。
第1〜第4界磁磁石51〜54の外径は、第1〜第4ロータコアベース11,21,31,41の外径と一致するように設定されている。また、第1〜第4界磁磁石51〜54の板厚(軸方向の長さ)は、それぞれ第1〜第4ロータコアベース11,21,31,41の板厚(軸方向の長さ)と一致するように設定されている。
そして、図5(a)及び図7に示すように、第1界磁磁石51は、第1ロータコア10と第2ロータコア20との間に積層配置される。第2界磁磁石52と第3界磁磁石53は、第2ロータコア20と第3ロータコア30との間に積層配置される。第4界磁磁石54は、第3ロータコア30と第4ロータコア40との間に積層配置される。
そして、前記したように、第1〜第4ロータ側爪状磁極13,23,33,43に軸方向の長さを、第1〜第4ロータコアベース11,21,31,41の板厚(軸方向の長さ)の3倍にしている。これによって、第1〜第4ロータコア10,20,30,40は、それぞれ第1〜第4界磁磁石51,52,53,54を介して軸方向に積層配置したとき、第1ロータ側爪状磁極13の先端面16と第3ロータ側爪状磁極33の先端面36とがそれぞれ当接する。同様に、第2ロータ側爪状磁極23の先端面26と第4ロータ側爪状磁極43の先端面46とがそれぞれ当接する。
(第1界磁磁石51)
第1界磁磁石51は、軸方向に磁化されていて、第1ロータコア10側をN極、第2ロータコア20側をS極となるように磁化されている。従って、この第1界磁磁石51によって、第1ロータコア10の第1ロータ側爪状磁極13はN極(第1の磁極)として機能し、第2ロータコア20の第2ロータ側爪状磁極23はS極(第2の磁極)として機能する。
(第2界磁磁石52)
第2界磁磁石52は、軸方向に磁化されていて、第2ロータコア20側をS極、第3界磁磁石53側をN極となるように磁化されている。従って、この第2界磁磁石52によって、第2ロータコア20の第2ロータ側爪状磁極23は、S極(第2の磁極)として機能する。つまり、第2ロータコア20の第2ロータ側爪状磁極23は、この第2界磁磁石52と第1界磁磁石51とでS極となる。
(第3界磁磁石53)
第3界磁磁石53は、軸方向に磁化されていて、第2界磁磁石52側をS極、第3ロータコア30側をN極となるように磁化されている。従って、この第3界磁磁石53によって、第3ロータコア30の第3ロータ側爪状磁極33は、N極(第1の磁極)として機能する。
(第4界磁磁石54)
第4界磁磁石54は、軸方向に磁化されていて、第3ロータコア30側をN極、第4ロータコア40側をS極となるように磁化されている。従って、この第4界磁磁石54によって、第3ロータコア30の第3ロータ側爪状磁極33はN極(第1の磁極)として機能し、第4ロータコア40の第4ロータ側爪状磁極43はS極(第2の磁極)として機能する。つまり、第3ロータコア30の第3ロータ側爪状磁極33は、この第4界磁磁石54と第3界磁磁石53とでN極となる。
しかも、各第3ロータ側爪状磁極33の先端面36は、対応する第1ロータ側爪状磁極13の先端面16とそれぞれ軸方向において当接することから、相対向する第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の各組はN極となる。
同様に、各第4ロータ側爪状磁極43の先端面46は、対応する第2ロータ側爪状磁極23の先端面26とそれぞれ軸方向において当接することから、相対向する第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータ側爪状磁極43の各組はS極となる。
このように構成された単一のロータ1aは、4つの第1〜第4ロータコア10,20,30,40と4つの第1〜第4界磁磁石51〜54を用いた、所謂ランデル型構造のロータとなる。そして、この単一のロータ1aは、N極となる第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の組と、S極となる第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータ側爪状磁極43の組とが周方向に交互に配置され磁極数が24極(極数対が12個)のロータとなる。
図9〜図11に示すように、この単一のロータ1aは、U相、V相、W相ロータ1u,1v,1wとして使用され、それらが軸方向に積層されて3相用のロータ1が形成される。
詳述すると、図11に示すように、U相、V相、W相ロータ1u,1v,1wの順で積層される。そして、U相ロータ1uとW相ロータ1wは、第1〜第4ロータコア10,20,30,40(第1〜第4界磁磁石51〜54)の配置方向が同じ向きとなるように配置される。
一方、図11に示すように、U相ロータ1uとW相ロータ1wの間に積層配置されるV相ロータ1vは、その第1〜第4ロータコア10,20,30,40(第1〜第4界磁磁石51〜54)の配置方向が逆向きとなるように配置される。
即ち、V相ロータ1vの第4ロータコア40がU相ロータ1uの第4ロータコア40と当接し、V相ロータ1vの第1ロータコア10がW相ロータ1wの第1ロータコア10と当接するように、V相ロータ1vはU相ロータ1uとW相ロータ1wの間に積層配置される。
このとき、図10に示すように、U相、V相、W相ロータ1u,1v,1wからなる3相用のロータ1は、U相ロータ1u、V相ロータ1v及びW相ロータ1wを機械角で5度(電気角で60度)ずつずらして積層している。
詳述すると、V相ロータ1vは、U相ロータ1uに対して、U相ロータ1uから見て回転軸の中心軸線Oを中心として反時計回り方向に機械角で5度(電気角で60度)ずらして回転軸に固着されている。W相ロータ1wは、V相ロータ1vに対して、V相ロータ1vから見て回転軸の中心軸線Oを中心として反時計回り方向に機械角で5度(電気角で60度)をずらして回転軸に固着されている。
(ステータ2)
図12及び図13に示すように、3相用のロータ1の径方向外側に配置されステータ2は、U相ステータ2u、V相ステータ2v、W相ステータ2wの3つから構成されている。各相のステータ2u,2v,2wは、径方向において対応するU相ロータ1u、V相ロータ1v、W相ロータ1wとそれぞれ対向するように軸線方向に順番に積層することに構成されている。
各相のステータ2u,2v,2wは、共に同じ構成で形成されている。ここで、説明の便宜上、各相のステータ2u,2v,2wを総称して呼ぶときには、単一のステータ2aという。
図5(b)及び図8に示すように、単一のステータ2aは、4つの第1〜第4ステータコア60,70,80,90と4つの第1〜第4環状巻線101〜104から構成されている。
(第1ステータコア60)
図8に示すように、第1ステータコア60は、円環板状の電磁鋼板にて形成された第1ステータコアベース61を有している。第1ステータコアベース61の外周部には、第1ステータコアベース61の第2ステータコア70側の面から円筒状の第1円筒壁62が軸方向第2ステータコア70側に向かって第1ステータコアベース61の板厚分延出形成されている。第1円筒壁62の外周面は、図示しないモータハウジングの内側面に当接固定されている。また、第1円筒壁62の環状の先端面63は、第2ステータコア70の第2ステータコアベース71に当接するようになっている。
一方、第1ステータコアベース61の内周面には、等間隔に12個の第1ステータ側爪状磁極64が形成されている。12個の第1ステータ側爪状磁極64は、第1ステータコアベース61の内周面から径方向内側に延出した後に屈曲して軸方向第2ステータコア70側に向かって延出形成されている。
第1ステータ側爪状磁極64の周方向両端面は、平坦面であって、先端に行くほど先細に形成されている。軸方向第2ステータコア70側に屈曲した第1ステータ側爪状磁極64の径方向の外側面と内側面は、共に、回転軸の中心軸線Oを中心とした同心円となる円弧面である。従って、第1ステータ側爪状磁極64の先端面67は、軸直交方向に平面であって、軸方向から見て中心軸線O側に湾曲した円弧状の面となる。
また、第1ステータ側爪状磁極64に軸方向の長さ(第1ステータコアベース61の反第2ステータコア70側の面から先端面67までの長さ)は、第1ステータコアベース61の板厚(軸方向の長さ)の3倍としている。
各第1ステータ側爪状磁極64の周方向の角度、即ち、周方向両端面間が回転軸の中心軸線Oとなす角度は、隣り合う第1ステータ側爪状磁極64と第1ステータ側爪状磁極64の間の隙間の角度より小さく設定されている。
(第2ステータコア70)
図8に示すように、第2ステータコア70は、第1ステータコア60と同一材質及び同形状であって、円環板状の第2ステータコアベース71を有している。第2ステータコアベース71の外周部には、第2ステータコアベース71の第3ステータコア80側の面から円筒状の第2円筒壁72が軸方向第3ステータコア80側に向かって第2ステータコアベース71の板厚分延出形成されている。第2円筒壁72の外周面は、図示しないモータハウジングの内側面に当接固定されている。また、第2円筒壁72の環状の先端面73は、第3ステータコア80の第3円筒壁82の先端面83に当接するようになっている。
一方、第2ステータコアベース71の内周面には、等間隔に12個の第2ステータ側爪状磁極74が形成されている。12個の第2ステータ側爪状磁極74は、第2ステータコアベース71の内周面からから径方向内側に延出した後に屈曲して軸方向第3ステータコア80側に向かって延出形成されている。
第2ステータ側爪状磁極74の周方向両端面は、平坦面であって、先端に行くほど先細に形成されている。軸方向第3ステータコア80側に屈曲した第2ステータ側爪状磁極74の径方向の外側面と内側面は、共に、回転軸の中心軸線Oを中心とした同心円となる円弧面である。従って、第2ステータ側爪状磁極74の先端面77は、軸直交方向に平面であって、軸方向から見て中心軸線O側に湾曲した円弧状の面となる。
また、第2ステータ側爪状磁極74に軸方向の長さ(第2ステータコアベース71の反第3ステータコア80側の面から先端面77までの長さ)は、第2ステータコアベース71の板厚(軸方向の長さ)の3倍としている。
各第2ステータ側爪状磁極74の周方向の角度、即ち、周方向両端面間が回転軸の中心軸線Oとなす角度は、隣り合う第2ステータ側爪状磁極74と第2ステータ側爪状磁極74の間の隙間の角度より小さく設定されている。
そして、第2ステータコア70は、第1ステータコア60に対して、第2ステータコア70の第2ステータ側爪状磁極74が、軸方向から見てそれぞれ第1ステータコア60の第1ステータ側爪状磁極64間の中間位置に相対配置されるように固定されている。
また、第1ステータコア60に形成した第1円筒壁62の環状の先端面63が、第2ステータコア70の第2ステータコアベース71の外周部に当接することから、第1ステータコアベース61と第2ステータコアベース71との間に環状の空間が形成される。そして、この環状の空間に第1環状巻線101が巻回されて配置される。
(第3ステータコア80)
図8に示すように、第3ステータコア80は、第1ステータコア60と同一材質及び同形状であって、円環板状の第3ステータコアベース81を有している。第3ステータコアベース81の外周部には、第3ステータコアベース81の第2ステータコア70側の面から円筒状の第3円筒壁82が軸方向第2ステータコア70側に向かって第3ステータコアベース81の板厚分延出形成されている。第3円筒壁82の外周面は、図示しないモータハウジングの内側面に当接固定されている。また、第3円筒壁82の環状の先端面83は、第2ステータコア70の第2円筒壁72の先端面73と相対向して当接するようになっている。
一方、第3ステータコアベース81の内周面には、等間隔に12個の第3ステータ側爪状磁極84が形成されている。12個の第3ステータ側爪状磁極84は、第3ステータコアベース81の内周面からから径方向内側に延出した後に屈曲して軸方向第2ステータコア70側に向かって延出形成されている。
第3ステータ側爪状磁極84の周方向両端面は、平坦面であって、先端に行くほど先細に形成されている。軸方向第2ステータコア70側に屈曲した第3ステータ側爪状磁極84の径方向の外側面と内側面は、共に、回転軸の中心軸線Oを中心とした同心円となる円弧面である。従って、第3ステータ側爪状磁極84の先端面87は、軸直交方向に平面であって、軸方向から見て中心軸線O側に湾曲した円弧状の面となる。
また、第3ステータ側爪状磁極84に軸方向の長さ(第3ステータコアベース81の反第2ステータコア70側の面から先端面87までの長さ)は、第3ステータコアベース81の板厚(軸方向の長さ)の3倍としている。
各第3ステータ側爪状磁極84の周方向の角度、即ち、周方向両端面間が回転軸の中心軸線Oとなす角度は、隣り合う第3ステータ側爪状磁極84と第3ステータ側爪状磁極84の間の隙間の角度より小さく設定されている。
第3ステータコア80は、第1ステータコア60に対して、第1ステータコア60の第1ステータ側爪状磁極64が、軸方向から見てそれぞれ対応する第3ステータ側爪状磁極84と相対向するように配置固定されるようになっている。そして、第1ステータ側爪状磁極64の先端面67と第3ステータ側爪状磁極84の先端面87とが、その全面同士が軸線方向において相対向して当接する。
ここで、第2円筒壁72の環状先端面73と第3円筒壁82の環状先端面83が当接するとともに、第1ステータ側爪状磁極64の先端面67と第3ステータ側爪状磁極84の先端面87が当接することから、第2ステータコアベース71と第3ステータコアベース81との間に環状の空間が形成される。この環状の空間は、その軸方向長さが、第1ステータコアベース61と第2ステータコアベース71との間に形成された環状の空間の軸方向長さより2倍長い。これは、第1ステータコアベース61と第2ステータコアベース71との間に形成された環状の空間が第1円筒壁62の軸方向の長さで決まるのに対して、第2ステータコアベース71と第3ステータコアベース81との間に形成された環状の空間が第2円筒壁72及び第3円筒壁82の軸方向の長さで決まるからである。
そして、この環状の空間において、第2ステータコアベース71側に第2環状巻線102が巻回されて配置されるとともに、第3ステータコアベース81側に第3環状巻線103が巻回されて配置されるようになっている。
(第4ステータコア90)
図8に示すように、第4ステータコア90は、第1ステータコア60と同一材質及び同形状であって、円環板状の第4ステータコアベース91を有している。第4ステータコアベース91の外周部には、第4ステータコアベース91の第3ステータコア80側の面から円筒状の第4円筒壁92が軸方向第3ステータコア80側に向かって第4ステータコアベース91の板厚分延出形成されている。第4円筒壁92の外周面は、図示しないモータハウジングの内側面に当接固定されている。また、第4円筒壁92の環状の先端面93は、第3ステータコア80の第3ステータコアベース81に当接するようになっている。
一方、第4ステータコアベース91の内周面には、等間隔に12個の第4ステータ側爪状磁極94が形成されている。12個の第4ステータ側爪状磁極94は、第4ステータコアベース91の内周面からから径方向内側に延出した後に屈曲して軸方向第3ステータコア80側に向かって延出形成されている。
第4ステータ側爪状磁極94の周方向両端面は、平坦面であって、先端に行くほど先細に形成されている。軸方向第3ステータコア80側に屈曲した第4ステータ側爪状磁極94の径方向の外側面と内側面は、共に、回転軸の中心軸線Oを中心とした同心円となる円弧面である。従って、第4ステータ側爪状磁極94の先端面97は、軸直交方向に平面であって、軸方向から見て中心軸線O側に湾曲した円弧状の面となる。
また、第4ステータ側爪状磁極94に軸方向の長さ(第4ステータコアベース91の反第3ステータコア80側の面から先端面97までの長さ)は、第4ステータコアベース91の板厚(軸方向の長さ)の3倍としている。
各第4ステータ側爪状磁極94の周方向の角度、即ち、周方向両端面間が回転軸の中心軸線Oとなす角度は、隣り合う第4ステータ側爪状磁極94と第4ステータ側爪状磁極94の間の隙間の角度より小さく設定されている。
第4ステータコア90は、第2ステータコア70に対して、第2ステータコア70の第2ステータ側爪状磁極74が、軸方向から見てそれぞれ対応する第4ステータ側爪状磁極94と相対向するように配置固定されるようになっている。そして、第2ステータ側爪状磁極74の先端面77と第4ステータ側爪状磁極94の先端面97とが、その全面同士が軸線方向において相対向して当接する。
ここで、第4ステータコア90に形成した第4円筒壁92の環状の先端面93が、第3ステータコア80の第3ステータコアベース81の外周部に当接することから、第3ステータコアベース81と第4ステータコアベース91との間に環状の空間が形成される。そして、この環状の空間に第4環状巻線104が巻回されて配置される。
(第1〜第4環状巻線101〜104)
図5(b)及び図8に示すように、第1環状巻線101は、第1ステータコアベース61と第2ステータコアベース71の間に挟持される。第2環状巻線102と第3環状巻線103は、第2ステータコアベース71と第3ステータコアベース81の間に挟持され、第2環状巻線102は第2ステータコアベース71側に、第3環状巻線103は第3ステータコアベース81側に配置される。第4環状巻線104は、第3ステータコアベース81と第4ステータコアベース91の間に挟持される。
また、第1〜第4環状巻線101〜104は、その巻き数を同じにしているとともに、直列に接続されている。そして、第1環状巻線101及び第4環状巻線104は正巻きに巻回されている。第2環状巻線102及び第3環状巻線103は、第1環状巻線101及び第4環状巻線104の正巻きに対して逆巻きに巻回されている。
(第1環状巻線101)
図5(b)及び図8に示すように、第1環状巻線101は、環状の巻線であって、第1ステータコアベース61と第2ステータコアベース71の間に形成された環状の空間に内装されている。第1環状巻線101の外径は第1円筒壁62の内径と略同一に形成され、第1環状巻線101の径方向外周面が第1円筒壁62の内周面に当接するように配設されている。第1環状巻線101の内径は第1ステータ側爪状磁極64の外径と略同一に形成され、第1環状巻線101の径方向内側面が第1ステータ側爪状磁極64の外側面に当接するように配設されている。
また、第1環状巻線101の軸方向であって第1ステータコア60側の外側面は、第1ステータコアベース61に当接し、第1環状巻線101の軸方向であって第2ステータコア70側の外側面は、第2ステータコアベース71に当接するようになっている。
第1環状巻線101の軸方向の長さは、第1ステータコア60の板厚(第1円筒壁62に軸方向の長さ)と一致するように設定されている。
(第2環状巻線102)
図5(b)及び図8に示すように、第2環状巻線102は、環状の巻線であって、第1環状巻線101と同一材料及び同一形状で形成されている。第2環状巻線102は、第2ステータコアベース71と第3ステータコアベース81の間に形成された環状の空間の第2ステータコアベース71側に内装されている。
第2環状巻線102の外径は第2円筒壁72の内径と略同一に形成され、第2環状巻線102の径方向外周面が第2円筒壁72の内周面に当接するように配設されている。第2環状巻線102の内径は第2ステータ側爪状磁極74の外径と略同一に形成され、第2環状巻線102の径方向内側面が第2ステータ側爪状磁極74の外側面に当接するように配設されている。
また、第2環状巻線102の軸方向であって第2ステータコア70側の外側面は、第2ステータコアベース71に当接し、第2環状巻線102の軸方向であって第3ステータコア80側の外側面は、第3環状巻線103に当接するようになっている。
第2環状巻線102の軸方向の長さは、第2ステータコア70の板厚(第2円筒壁72に軸方向の長さ)と一致するように設定されている。
(第3環状巻線103)
図5(b)及び図8に示すように、第3環状巻線103は、環状の巻線であって、第1環状巻線101と同一材料及び同一形状で形成されている。第3環状巻線103は、第2ステータコアベース71と第3ステータコアベース81の間に形成された環状の空間の第3ステータコアベース81側に内装されている。
第3環状巻線103の外径は第3円筒壁82の内径と略同一に形成され、第3環状巻線103の径方向外周面が第3円筒壁82の内周面に当接するように配設されている。第3環状巻線103の内径は第3ステータ側爪状磁極84の外径と略同一に形成され、第3環状巻線103の径方向内側面が第3ステータ側爪状磁極84の外側面に当接するように配設されている。
また、第3環状巻線103の軸方向であって第2ステータコア70側の外側面は、第2環状巻線102に当接し、第3環状巻線103の軸方向であって第3ステータコア80の外側面は、第3ステータコアベース81に当接するようになっている。
第3環状巻線103の軸方向の長さは、第3ステータコア80の板厚(第3円筒壁82に軸方向の長さ)と一致するように設定されている。
(第4環状巻線104)
図5(b)及び図8に示すように、第4環状巻線104は、環状の巻線であって、第1環状巻線101と同一材料及び同一形状で形成されている。第4環状巻線104は、第3ステータコアベース81と第4ステータコアベース91の間に形成された環状の空間に内装されている。
第4環状巻線104の外径は第4円筒壁92の内径と略同一に形成され、第4環状巻線104の径方向外周面が第4円筒壁92の内周面に当接するように配設されている。第4環状巻線104の内径は第4ステータ側爪状磁極94の外径と略同一に形成され、第4環状巻線104の径方向内側面が第4ステータ側爪状磁極94の外側面に当接するように配設されている。
また、第4環状巻線104の軸方向であって第3ステータコア80側の外側面は、第3ステータコアベース81に当接し、第4環状巻線104の軸方向であって第4ステータコア90側の外側面は、第4ステータコアベース91に当接するようになっている。
第4環状巻線104の軸方向の長さは、第4ステータコア90の板厚(第4円筒壁92に軸方向の長さ)と一致するように設定されている。
そして、前記したように、第1〜第4ステータ側爪状磁極64,74,84,94に軸方向の長さを、第1〜第4ステータコアベース61,71,81,91の板厚(軸方向の長さ)の3倍にしている。これによって、第1〜第4ステータコア60,70,80,90は、それぞれ第1〜第4環状巻線101〜104を介して軸方向に積層配置したとき、第1ステータ側爪状磁極64の先端面67と第3ステータ側爪状磁極84の先端面87とがそれぞれ当接する。同様に、第2ステータ側爪状磁極74の先端面77と第4ステータ側爪状磁極94の先端面97とがそれぞれ当接する。
また、前記したように、第1及び第4環状巻線101,104は正巻きに巻回され、第2及び第3環状巻線102,103は逆巻きに巻回されている。従って、直列接続された第1〜第4環状巻線101〜104に電流を流したとき、第1及び第4環状巻線101,104に流れる電流の向きに対して、第2及び第3環状巻線102,103の電流に流れる向きは常に逆の向きに流れる。
そして、第1〜第4環状巻線101〜104に単相の交流電流を流すことによって、第1〜第4ステータ側爪状磁極64,74,84,94をその時々で互いに異なる磁極に励磁する。
つまり、第1ステータ側爪状磁極64の先端面67と対応する第3ステータ側爪状磁極84の先端面87とがそれぞれ当接し同じタイミングで磁極の磁束密度が同じ周期で変動する。同様に、第2ステータ側爪状磁極74の先端面77と対応する第4ステータ側爪状磁極94の先端面97とがそれぞれ当接し同じタイミングで磁極の磁束密度が同じ周期で変動する。
しかも、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の磁束密度の変動周期と、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の磁束密度の変動周期は、180度位相がずれようになっている。
このように構成された、単一のステータ2aは、第1〜第4ステータコア60,70,80,90と第1〜第4環状巻線101〜104とによって、第1ステータ側爪状磁極64と第3ステータ側爪状磁極84の組と第2ステータ側爪状磁極74と第4ステータ側爪状磁極94の組とをその時々で互いに異なる磁極に励磁する24極の所謂ランデル型(クローポール型)構造のステータとなる。
なお、本実施形態では、第1〜第4ステータコアベース61,71,81,91と第1〜第4ロータコアベース11,21,31,41の板厚を同じにしている。その結果、単一のステータ2aと単一のロータ1aの軸方向の長さは同じとなる。
従って、単一のステータ2aの内側に単一のロータ1aを配置した単一のモータMaでは、第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の組と、第1ステータ側爪状磁極64と第3ステータ側爪状磁極84の組とが、径方向で相対向するように相対配置される。同様に、第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータ側爪状磁極43の組と、第2ステータ側爪状磁極74と第4ステータ側爪状磁極94の組とが、径方向で相対向するように相対配置される。
図12及び図13に示すように、この単一のステータ2aは、U相、V相、W相ステータ2u,2v,2wとして使用され、それらが軸方向に積層されて3相用のステータ2が形成される。
詳述すると、U相、V相、W相ステータ2u,2v,2wの順で積層される。
このとき、図13に示すように、U相、V相、W相ステータ2u,2v,2wからなる3相用のステータ2について、U相ステータ2u、V相ステータ2v及びW相ステータ2wを機械角で5度(電気角で60度)ずつずらして積層している。
詳述すると、V相ステータ2vは、U相ステータ2uに対して、U相ステータ2uから見て中心軸線Oを中心として時計回り方向に機械角で5度(電気角で60度)ずらしてモータハウジングに固着されている。W相ステータ2wは、そのV相ステータ2vに対して、V相ステータ2vから見て時計回り方向に機械角で5度(電気角で60度)ずらしてモータハウジングに固着されている。
そして、図14に示すように、U相ステータ2uの第1〜第4環状巻線101〜104には、3相交流電源のU相交流電流Iuが流れる。また、V相ステータ2vの第1〜第4環状巻線101〜104には、3相交流電源のV相交流電流Ivが流れる。さらに、W相ステータ2wの第1〜第4環状巻線101〜104には、3相交流電源のW相交流電流Iwが流れる。
次に、上記のように構成したブラシレスモータMの作用について説明する。
今、3相用のステータ2に3相交流電源を印加する。すなわち、U相ステータ2uの第1〜第4環状巻線101〜104にはU相交流電流Iuが、V相ステータ2vの第1〜第4環状巻線101〜104にはV相交流電流Ivが、W相ステータ2wの第1〜第4環状巻線101〜104にはW相交流電流Iwがそれぞれ流れる。これによって、3相用ステータ2に回転磁界が発生し、3相用のロータ1が回転駆動される。
このとき、3相用のステータ2は、3相交流電源にあわせて、U相、V相、W相ステータ2u,2v,2wの3段構造にした。そして、これに対応して3相用のロータ1も、同じように、U相、V相、W相ロータ1u,1v,1wの3段構造にした。これによって、各相のステータとロータにおいて、それぞれ第1〜第4界磁磁石51〜54の磁束を軸方向に沿って対向するステータが個々に受けることができ、出力アップを図ることができる。
また、各相のロータ(単一のロータ1a)において、4個の第1〜第4ロータコア10,20,30,40を軸方向に順番に第1〜第4界磁磁石51〜54を介在させて積層して形成した。そして、第1〜第4界磁磁石51〜54によって第1ロータコア10の第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータコア30の第3ロータ側爪状磁極33をN極に、第2ロータコア20の第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータコア40の第4ロータ側爪状磁極43をS極にする。
そして、第1ロータ側爪状磁極13の先端面16と第3ロータ側爪状磁極33の先端面36とを軸線方向で当接させるとともに、第2ロータ側爪状磁極23の先端面26と第4ロータ側爪状磁極43の先端面46とを軸線方向で当接させた。
その結果、第1ロータ側爪状磁極13の先端面16と第3ロータ側爪状磁極33の先端面36とを離間させる場合に較べ、第1ロータ側爪状磁極13(第3ロータ側爪状磁極33)の基端部と先端部との磁束密度の変化が小さくなる。同様に、第2ロータ側爪状磁極23の先端面26と第4ロータ側爪状磁極43の先端面46とを離間させる場合に較べ、第2ロータ側爪状磁極23(第4ロータ側爪状磁極43)の基端部と先端部との磁束密度の変化が小さくなる。
つまり、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の両先端面16,36が離間し開放されている場合には、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の基端部の磁束密度では密で、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端部間の開放部分は磁気抵抗が大きくなり磁束密度では疎となる。
換言すると、軸方向においてN極の磁束密度分布が大きくばらついて、単一のステータ2aの第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84に対して、軸方向において不均一な磁束密度分布を与えることになる。
同様に、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の両先端面26,46が離間し開放されている場合には、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の基端部の磁束密度では密で、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端部間の開放部分は磁気抵抗が大きくなり磁束密度では疎となる。
換言すると、軸方向においてS極の磁束密度分布が大きくばらついて、単一のステータ2aの第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94に対して、軸方向において不均一な磁束密度分布を与えることになる。
これに対して、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の両先端面16,36を互いに当接させたことから、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端部間の磁気抵抗は小さくなり第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33のそれぞれの基端部と先端部の磁束密度の変化は小さくなる。その結果、軸方向においてN極の磁束密度分布のばらつきが小さくなり、単一のステータ2aの第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84に対して、軸方向において均一な磁束密度分布を与えることになる。
同様に、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の両先端面26,46を互いに当接させたことから、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端部間の磁気抵抗は小さくなり第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43のそれぞれの基端部と先端部の磁束密度の変化は小さくなる。その結果、軸方向においてS極の磁束密度分布のばらつきが小さくなり、単一のステータ2aの第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94に対して、軸方向において均一な磁束密度分布を与えることになる。
これによって、各相のロータは軸方向に磁束密度分布が均一な磁束を、対向するステータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
また、各相のステータ(単一のステータ2a)において、4個の第1〜第4ステータコア60,70,80,90を軸方向に順番に第1〜第4環状巻線101〜104を介在させて積層して形成した。
そして、第1ステータ側爪状磁極64の先端面67と第3ステータ側爪状磁極84の先端面87とを軸線方向で当接させるとともに、第2ステータ側爪状磁極74の先端面77と第4ステータ側爪状磁極94の先端面97とを軸線方向で当接させた。
その結果、第1ステータ側爪状磁極64の先端面67と第3ステータ側爪状磁極84の先端面87とを離間させる場合に較べ、第1ステータ側爪状磁極64(第3ステータ側爪状磁極84)の基端部と先端部との磁束密度の変化が小さくなる。同様に、第2ステータ側爪状磁極74の先端面77と第4ステータ側爪状磁極94の先端面97とを離間させる場合に較べ、第2ステータ側爪状磁極74(第4ステータ側爪状磁極94)の基端部と先端部との磁束密度の変化が小さくなる。
つまり、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の両先端面67,87が離間し開放されている場合には、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の基端部の磁束密度は密で、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端部間の開放部分は磁気抵抗が大きくなり磁束密度は疎となる。
換言すると、軸方向の磁束密度分布(回転磁界の軸方向の強度分布)が大きくばらついて、単一のロータ1aの第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33に対して、軸方向において不均一な磁束密度分布を与えることになる。
同様に、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の両先端面77,97が離間し開放されている場合には、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の基端部の磁束密度は密で、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端部間の開放部分は磁気抵抗が大きくなり磁束密度は疎となる。
換言すると、軸方向の磁束密度分布(回転磁界の軸方向の強度分布)が大きくばらついて、単一のロータ1aの第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43に対して、軸方向において不均一な磁束密度分布を与えることになる。
これに対して、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の両先端面16,36を互いに当接させたことから、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端部間の磁気抵抗は小さくなり第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84のそれぞれの基端部と先端部の磁束密度の変化は小さくなる。その結果、軸方向の磁束密度分布(回転磁界の軸方向の強度分布)のばらつきが小さくなり、単一のロータ1aの第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33に対して、軸方向において均一な磁束密度分布を与えることになる。
同様に、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の両先端面77,97を互いに当接させたことから、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端部間の磁気抵抗は小さくなり第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94のそれぞれの基端部と先端部の磁束密度の変化は小さくなる。その結果、軸方向の磁束密度分布(回転磁界の軸方向の強度分布)のばらつきが小さくなり、単一のロータ1aの第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43に対して、軸方向において均一な磁束密度分布を与えることになる。
しかも、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の磁束密度の変動周期と、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の磁束密度の変動周期は、180度位相がずれようにしている。
これによって、各相のステータは軸方向に磁束密度分布が均一な磁束を、対向するロータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
また、3相用のステータ2のU相、V相、W相ステータ2u,2v,2wを機械角で時計回り方向に5度(電気角で時計回り方向に60度)ずつずらしたのに対して、3相用のロータ1のU相、V相、W相ロータ1u,1v,1wを機械角で反時計回り方向に5度(電気角で反時計回り方向に60度)ずつずらした。すなわち、U相、V相、W相ステータ2u,2v,2wと相対向するU相、V相、W相ロータ1u,1v,1w間において、周方向のずれが、対向面では互いに逆方向に傾斜するようにした。
これにより、各相の第1〜第4環状巻線101〜104に流れる各相交流電流Iu,Iv,Iwによる各相の第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の組と各相の第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の組の磁束の切り替わりに対して、各相の第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の組、並びに、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の組を好適に追従させることができる。その結果、3相用ロータ1の好適な回転を実現できる。
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、3相用のロータ1を、U相、V相、W相ロータ1u,1v,1wの3段構造にするとともに、これに対応して3相用のステータ2も、U相、V相、W相ステータ2u,2v,2wと同じ3段構造にした。そして、3相用のステータ2に3相交流電源を印加した。そして、各相のステータとロータにおいて、それぞれ第1〜第4界磁磁石51〜54の磁束を、軸方向に沿って対向するステータが個々に受けることができようにしたので、ブラシレスモータMの出力アップを図ることができる。
また、各相(各段)のロータ1u,1v,1wの周方向のずれ方向と、各相(各段)のステータ2u,2v,2wの周方向のずれ方向とを互いに反対したため、3相用のロータ1の好適な回転を実現できる。
(2)上記実施形態によれば、単一のロータ1aを、第1〜第4ロータコア10,20,30,40を軸方向に順番に第1〜第4界磁磁石51〜54を介在させて積層して形成した。そして、第1ロータ側爪状磁極13の先端面16と第3ロータ側爪状磁極33の先端面36とを軸線方向で当接させるとともに、第2ロータ側爪状磁極23の先端面26と第4ロータ側爪状磁極43の先端面46とを軸線方向で当接させた。
従って、単一のロータ1aの同極の第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33は、単一のステータ2aの第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84に対して、軸方向において均一な磁束密度分布になっている磁束を与えることができる。同様に、単一のロータ1aの同極の第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43は、単一のステータ2aの第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94に対して、軸方向において均一な磁束密度分布になっている磁束を与えることができる。
これによって、各相のロータは軸方向に均一な磁束密度分布の磁束を、対向するステータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
(3)上記実施形態によれば、単一のステータ2aを、第1〜第4ステータコア60,70,80,90を軸方向に順番に第1〜第4環状巻線101〜104を介在させて積層して形成した。
そして、第1ステータ側爪状磁極64の先端面67と第3ステータ側爪状磁極84の先端面87とを軸線方向で当接させるとともに、第2ステータ側爪状磁極74の先端面77と第4ステータ側爪状磁極94の先端面97とを軸線方向で当接させた。
従って、単一のステータ2aの第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84は、単一のロータ1aの第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33に対して、軸方向において均一な磁束密度分布になっている磁束を与えることができる。同様に、単一のステータ2aの第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94は、単一のロータ1aの第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43に対して、軸方向において均一な磁束密度分布になっている磁束を与えることができる。
その結果、各相のステータは軸方向に均一な磁束密度分布の磁束(回転磁界)を、対向するロータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
(4)上記実施形態によれば、単一のロータ1aを、第1〜第4ロータコア10,20,30,40と第1〜第4界磁磁石51〜54とで形成した。
そして、第1及び第2ロータコア10,20に対して、第3及び第4ロータコア30,40を、軸方向に反転すれば、第3及び第4ロータコア30,40は、第1及び第2ロータコア10,20と同一形状となるようにした。
また、第1及び第4界磁磁石51,54に対して、第2及び第3界磁磁石52,53を、軸方向に反転すれば、第2及び第3界磁磁石52,53は、第1及び第4界磁磁石51,54と着磁方向が同じであってと同一形状となるようにした。
従って、単一のロータ1a(3相用のロータ1)は、2つの構成部品で形成することができ、部品管理が容易となるとともに、組み付け工程も容易となる。
(5)上記実施形態によれば、単一のステータ2aを、第1〜第4ステータコア60,70,80,90と第1〜第4環状巻線101〜104とで形成した。
そして、第1及び第2ステータコア60,70に対して、第3及び第4ステータコア80,90を、軸方向に反転すれば、第3及び第4ステータコア80,90は、第1及び第2ステータコア60,70と同一形状となるようにした。
また、第1及び第4環状巻線101,104に対して、第2及び第3環状巻線102,103を、軸方向に反転すれば、第2及び第3環状巻線102,103は、第1及び第4環状巻線101,104と巻き方向が同じであってと同一形状となるようにした。
従って、単一のステータ2a(3相用のステータ2)は、2つの構成部品で形成することができ、部品管理が容易となるとともに、組み付け工程も容易となる。
このことから、単一のモータMa(ブラシレスモータM)は、4つの構成部品で形成することができ、部品管理が容易となるとともに、組み付け工程も容易となる。
(第2実施形態)
以下、モータの第2実施形態を図15〜図21に従って説明する。
第2実施形態は、第1ロータ側爪状磁極13の先端面16と第3ロータ側爪状磁極33の先端面36、及び、第2ロータ側爪状磁極23の先端面26と第4ロータ側爪状磁極43の先端面46を当接させないでそれぞれ近接対向配置させた点に特徴を有する。
また、第1ステータ側爪状磁極64の先端面67と第3ステータ側爪状磁極84の先端面87、及び、第2ステータ側爪状磁極74の先端面77と第4ステータ側爪状磁極94の先端面97を当接させないでそれぞれ近接対向配置させた点に特徴を有する。
そのため、第2実施形態では、説明の便宜上、その特徴部分を詳細に説明し、共通部分は各部材の符号を第1実施形態と同じにしてその詳細な説明を省略する。
図15に示すように、3相のブラシレスモータMを構成する各相の単一のモータMaは、単一のロータ1aと単一のステータ2aとからなる。
(単一のロータ1a)
図16(a)に示すように、第1〜第4界磁磁石51〜54の板厚は、第1実施形態と同じ厚さで形成されている。これに対して、第1〜第4ロータ側爪状磁極13,23,33,43は、その軸方向の長さを、第1〜第4ロータコアベース11,21,31,41の板厚(軸方向の長さ)の3倍未満としている。
従って、図15及び図16(a)に示すように、第1ロータ側爪状磁極13の先端面16と第3ロータ側爪状磁極33の先端面36は、軸線方向において互いに近接対向配置、即ち、軸線方向に一定間隔のギャップGを有して対向配置されている。同様に、第2ロータ側爪状磁極23の先端面26と第4ロータ側爪状磁極43の先端面46は、軸線方向において互いに近接対向配置、即ち、軸線方向に一定間隔のギャップGを有して対向配置されている。
つまり、本実施形態の単一のロータ1aは、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36間、並びに、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46間にギャップGを有したランデル型構造のロータである。
図17及び図18に示すように、この単一のロータ1aは、第1実施形態と同様に、U相、V相、W相ロータ1u,1v,1wとして使用され、それらが軸方向に積層されて3相用のブラシレスモータMのロータ1が形成される。
このとき、第1実施形態と同様に、U相ロータ1uとW相ロータ1wは、第1〜第4ロータコア10,20,30,40(第1〜第4界磁磁石51〜54)の配置方向が同じ向きとなるように配置される。一方、U相ロータ1uとW相ロータ1wの間に積層配置されるV相ロータ1vは、その第1〜第4ロータコア10,20,30,40(第1〜第4界磁磁石51〜54)の配置方向が逆向きとなるように配置される。
さらに、図18に示すように、U相、V相、W相ロータ1u,1v,1wからなる3相用のロータ1は、第1実施形態と同様に、U相ロータ1u、V相ロータ1v及びW相ロータ1wを機械角で5度(電気角で60度)ずつずらして積層している。
(単一のステータ2a)
図16(b)に示すように、第1〜第4環状巻線101〜104のコイル長(軸線方向の長さ)は、第1実施形態と同じ長さで形成されている。
これに対して、第1〜第4ステータ側爪状磁極64,74,84,94は、その軸方向の長さを、第1〜第4ステータコアベース61,71,81,91の板厚(軸方向の長さ)の3倍未満としている。
従って、図15及び図16(b)に示すように、第1ステータ側爪状磁極64の先端面67と第3ステータ側爪状磁極84の先端面87は、軸線方向において互いに近接対向配置、即ち、軸線方向に一定間隔のギャップGを有して対向配置されている。同様に、第2ステータ側爪状磁極74の先端面77と第4ステータ側爪状磁極94の先端面97は、軸線方向において互いに近接対向配置、即ち、軸線方向に一定間隔のギャップGを有して対向配置されている。
つまり、本実施形態の単一のステータ2aは、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87間、並びに、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97間にギャップGを有したランデル型構造のステータとなる。
図19及び図20に示すように、この単一のステータ2aは、第1実施形態と同様に、U相、V相、W相ステータ2u,2v,2wとして使用され、それらが軸方向に積層されて3相用のブラシレスモータMのステータ2が形成される。
このとき、第1実施形態と同様に、U相、V相、W相ステータ2u,2v,2wからなる3相用のステータ2について、U相ステータ2u、V相ステータ2v及びW相ステータ2wを機械角で5度(電気角で60度)ずつずらして積層している。
そして、U相ステータ2uの第1〜第4環状巻線101〜104には、3相交流電源のU相交流電流Iuが流れる。また、V相ステータ2vの第1〜第4環状巻線101〜104には、3相交流電源のV相交流電流Ivが流れる。さらに、W相ステータ2wの第1〜第4環状巻線101〜104には、3相交流電源のW相交流電流Iwが流れる。
次に、上記のように構成したブラシレスモータMの作用について説明する。
今、3相用のステータ2に3相交流電源を印加する。すなわち、U相ステータ2uの第1〜第4環状巻線101〜104にはU相交流電流Iuが、V相ステータ2vの第1〜第4環状巻線101〜104にはV相交流電流Ivが、W相ステータ2wの第1〜第4環状巻線101〜104にはW相交流電流Iwがそれぞれ流れる。これによって、3相用ステータ2に回転磁界が発生し、3相用のロータ1が回転駆動される。
このとき、3相用のステータ2は、3相交流電源にあわせて、U相、V相、W相ステータ2u,2v,2wの3段構造にした。そして、これに対応して3相用のロータ1も、同じように、U相、V相、W相ロータ1u,1v,1wの3段構造にした。これによって、各相のステータとロータにおいて、それぞれ第1〜第4界磁磁石51〜54の磁束を軸方向に沿って対向するステータが個々に受けることができ、出力アップを図ることができる。
また、各相のロータ(単一のロータ1a)において、4個の第1〜第4ロータコア10,20,30,40を軸方向に順番に第1〜第4界磁磁石51〜54を介在させて積層して形成した。そして、第1〜第4界磁磁石51〜54によって第1ロータコア10の第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータコア30の第3ロータ側爪状磁極33をN極に、第2ロータコア20の第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータコア40の第4ロータ側爪状磁極43をS極にする。
このとき、第2ロータ側爪状磁極23の磁束密度は、第1、第2及び第3界磁磁石51,52,53からなる3つの界磁磁石に基づいて決定される。第3ロータ側爪状磁極33の磁束密度は、第2、第3及び第4界磁磁石52,53,54からなる3つの界磁磁石に基づいて決定される。
これに対して、第1ロータ側爪状磁極13の磁束密度は、1つの第1界磁磁石51に基づいて決定される。同様に、第4ロータ側爪状磁極43の磁束密度は、1つの第4界磁磁石54に基づいて決定される。
その結果、対峙している第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33では、その発生磁束の差が大きくなることから、先端面16,36同士が当接している場合、第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の間で磁束の逆流が発生する。これによって、N極の磁束密度が全体として小さくなり、対向するステータ2aの第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84に対して、小さな磁束密度のN極を与えることになる。
同様に、第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータ側爪状磁極43においても、発生磁束の差が大きくなることから、先端面26,46同士が当接している場合、第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の間で磁束の逆流が発生する。これによって、S極の磁束密度が全体として小さくなり、対向するステータ2aの第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94に対して、小さな磁束密度のS極を与えることになる。
これに対して、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36とを軸線方向に近接対向配置させ、先端面16,36間の磁気抵抗を大きくした。その結果、発生磁束に差に基づく第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の間での磁束の逆流を抑制し、N極の磁束密度を全体として大きくしている。
同様に、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46とを軸線方向に近接対向配置させ、先端面26,46間の磁気抵抗を大きくし、発生磁束に差に基づく第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータ側爪状磁極43の間での磁束の逆流を抑制し、S極の磁束密度を全体として大きくしている。
これによって、各相のロータは磁束密度が大きな磁極を、対向するステータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
また、各相のステータ(単一のステータ2a)において、4個の第1〜第4ステータコア60,70,80,90を軸方向に順番に第1〜第4環状巻線101〜104を介在させて積層して形成した。
このとき、第2ステータ側爪状磁極74の回転磁界の磁束密度は、第1、第2及び第3環状巻線101,102,103からなる3つの環状巻線に基づいて決定される。また、第3ステータ側爪状磁極84の回転磁界の磁束密度は、第2、第3及び第4環状巻線102,103,104からなる3つの環状巻線に基づいて決定される。
これに対して、第1ステータ側爪状磁極64の回転磁界の磁束密度は、1つの第1環状巻線101に基づいて決定される。同様に、第4ステータ側爪状磁極94の回転磁界の磁束密度は、1つの第4環状巻線104に基づいて決定される。
その結果、対峙している第1ステータ側爪状磁極64と第3ステータ側爪状磁極84では、その回転磁界の発生磁束の差が大きくなることから、先端面67,87同士が当接している場合、第1ステータ側爪状磁極64と第3ステータ側爪状磁極84の間で磁束の逆流が発生する。これによって、回転磁界の磁束密度が全体として小さくなり、対向するロータ1aの第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33に対して、小さくなった回転磁界を与えることになる。
同様に、第2ステータ側爪状磁極74と第4ステータ側爪状磁極94においても、回転磁界の発生磁束の差が大きくなることから、先端面77,97同士が当接している場合、第1ステータ側爪状磁極64と第3ステータ側爪状磁極84の間で磁束の逆流が発生する。これによって、回転磁界の磁束密度が全体として小さくなり、対向するロータ1aの第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43に対して、小さくなった回転磁界を与えることになる。
これに対して、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87とを軸線方向に近接対向配置離間させ、先端面67,87間の磁気抵抗を大きくした。その結果、発生磁束に差に基づく第1ステータ側爪状磁極64と第3ステータ側爪状磁極84の間での磁束の逆流を抑制し、回転磁界の磁束密度を全体として大きくしている。
同様に、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97とを軸線方向に近接対向配置させ、先端面77,97間の磁気抵抗を大きくし、発生磁束に差に基づく第2ステータ側爪状磁極74と第4ステータ側爪状磁極94の間での磁束の逆流を抑制し、回転磁界の磁束密度を全体として大きくしている。
これによって、各相のステータは磁束密度が大きな回転磁界を、対向するロータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
ちなみに、図21は、第1実施形態と第2実施形態のブラシレスモータMのトルク特性を比較した特性曲線を示す。
特性曲線L1は、第1実施形態のブラシレスモータMのトルク特性を示し、特性曲線L2は、第2実施形態のブラシレスモータMのトルク特性を示す。なお、実験条件として、ロータの各対向する先端面間、及び、ステータの各対向する先端面間が、当接しているか離間しているかを除いて全て同じ条件で行った。
この実験結果から、上記理由に基づいてより高トルクのブラシレスモータMを得られることが理解できる。
以上詳述したように、第2実施形態は上記第1実施形態の効果に加えて以下の効果を有する。
(1)上記実施形態によれば、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36とを軸線方向に近接対向配置させて、発生磁束の差に基づく第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の間での磁束の逆流を抑制し、N極の磁束密度を全体として大きくした。
同様に、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46とを軸線方向に近接対向配置させ、発生磁束の差に基づく第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータ側爪状磁極43の間での磁束の逆流を抑制し、S極の磁束密度を全体として大きくした。
これによって、各相のロータは磁束密度が大きな磁極を、対向するステータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
(2)上記実施形態によれば、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87とを軸線方向に近接対向配置させ、発生磁束の差に基づく第1ステータ側爪状磁極64と第3ステータ側爪状磁極84の間での磁束の逆流を抑制し、回転磁界の磁束密度を全体として大きくした。
同様に、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97とを軸線方向に近接対向配置させ、発生磁束の差に基づく第2ステータ側爪状磁極74と第4ステータ側爪状磁極94の間での磁束の逆流を抑制し、回転磁界の磁束密度を全体として大きくした。
これによって、各相のステータは磁束密度が大きな回転磁界を、対向するロータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
(3)上記実施形態によれば、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36とを軸線方向に近接対向配置させたので、軸方向において磁束密度分の変動を小さく抑えることができる。
同様に、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46とを軸線方向に近接対向配置させたので、軸方向において磁束密度分の変動を小さく抑えることができる。
これによって、各相のロータは軸方向に変動が小さい磁束密度分布の磁束を、対向するステータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
(4)上記実施形態によれば、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87とを軸線方向に近接対向配置させたので、軸方向において磁束密度分の変動を小さく抑えることができる。
同様に、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97とを軸線方向に近接対向配置させたので、軸方向において磁束密度分の変動を小さく抑えることができる。
その結果、各相のステータは軸方向に変動が小さい磁束密度分布の磁束(回転磁界)を、対向するロータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
(第3実施形態)
以下、モータの第3実施形態を図22〜図28に従って説明する。
第3実施形態では、第1実施形態と相異して、第2ロータコア20と第3ロータコア30との間に1つの界磁磁石を配置した点と、第2ステータコア70と第3ステータコア80との間に1つの環状巻線を配置した点に特徴を有する。
従って、第3実施形態では、説明の便宜上、その特徴部分を詳細に説明し、共通部分は各部材の符号を第1実施形態と同じにしてその詳細な説明を省略する。
図22に示すように、3相のブラシレスモータMを構成する各相の単一のモータMaは、単一のロータ1aと単一のステータ2aとからなる。
(単一のロータ1a)
図23(a)に示すように、第2ロータコア20(第2ロータコアベース21)と第3ロータコア30(第3ロータコアベース31)の間に、1つの界磁磁石(以下、中央部界磁磁石52Aという)が配置されている。この中央部界磁磁石52Aは、形状、材質、機能が第1界磁磁石51及び第4界磁磁石54と同じ条件で形成されている。
すなわち、中央部界磁磁石52Aの板厚(軸方向の長さ)を、第1界磁磁石51及び第4界磁磁石54の板厚と同じ長さにしている。また、中央部界磁磁石52Aの直径を、第1界磁磁石51及び第4界磁磁石54の直径と同じ長さにしている。さらに、中央部界磁磁石52Aの磁力の強さを、第1界磁磁石51及び第4界磁磁石54の磁力の強さと同じ長さにしている。
従って、中央部界磁磁石52Aは、その板厚が第1及び第4界磁磁石51,54と同じ板厚で形成されることから、第2及び第3ロータコアベース21,31間の間隔は、第1及び第2ロータコアベース11,21間の間隔、及び、第3及び第4ロータコアベース31,41間の間隔と同じ間隔となる。
そして、中央部界磁磁石52Aは、軸方向に磁化されていて、第2ロータコア20側をS極、第3ロータコア30側をN極となるように磁化されている。従って、中央部界磁磁石52Aによって、第2ロータコア20の第2ロータ側爪状磁極23は、S極(第2の磁極)として機能し、第3ロータコア30の第3ロータ側爪状磁極33は、N極(第1の磁極)として機能する。
第2ロータコアベース21と第3ロータコアベース31の間に中央部界磁磁石52Aが配置されることに伴って、第1〜第4ロータ側爪状磁極13,23,33,43は、先端面16,36同士、及び、先端面26,46同士がそれぞれ当接するように、その軸方向の長さが短く形成されている。
詳述すると、第1ロータ側爪状磁極13に軸方向の長さ(第1ロータコアベース11の反第2ロータコア20側の面から先端面16までの長さ)は、第1ロータコアベース11の板厚(軸方向の長さ)の2.5倍としている。
また、第2ロータ側爪状磁極23に軸方向の長さ(第2ロータコアベース21の第1ロータコア10側の面から先端面26までの長さ)は、第2ロータコアベース21の板厚(軸方向の長さ)の2.5倍としている。
さらに、第3ロータ側爪状磁極33に軸方向の長さ(第3ロータコアベース31の第4ロータコア40側の面から先端面36までの長さ)は、第3ロータコアベース31の板厚(軸方向の長さ)の2.5倍としている。
さらにまた、第4ロータ側爪状磁極43に軸方向の長さ(第4ロータコアベース41の反第3ロータコア30側の面から先端面46までの長さ)は、第4ロータコアベース41の板厚(軸方向の長さ)の2.5倍としている。
つまり、本実施形態の単一のロータ1aは、第1界磁磁石51、中央部界磁磁石52A及び第4界磁磁石54について、その板厚を共に同じにした。換言すれば、第1ロータコアベース11と第2ロータコアベース21との間隔、第2ロータコアベース21と第3ロータコアベース31との間隔、第3ロータコアベース31と第4ロータコアベース41との間隔を、共に同じにした。
従って、図23(a)に示すように、軸方向の長さが短くなった第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36間、及び、軸方向の長さが短くなった第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46間が当接したランデル型構造のロータ1aとなる。
図24及び図25に示すように、この単一のロータ1aは、第1実施形態と同様に、U相、V相、W相ロータ1u,1v,1wとして使用され、それらが軸方向に積層されて3相用のブラシレスモータMのロータ1が形成される。
このとき、第1実施形態と同様に、U相ロータ1uとW相ロータ1wは、第1〜第4ロータコア10,20,30,40の配置方向が同じ向きとなるように配置される。一方、U相ロータ1uとW相ロータ1wの間に積層配置されるV相ロータ1vは、その第1〜第4ロータコア10,20,30,40の配置方向が逆向きとなるように配置される。
さらに、図25に示すように、U相、V相、W相ロータ1u,1v,1wからなる3相用のロータ1は、第1実施形態と同様に、U相ロータ1u、V相ロータ1v及びW相ロータ1wを機械角で5度(電気角で60度)ずつずらして積層している。
(単一のステータ2a)
図23(b)に示すように、第2ステータコア70(第2ステータコアベース71)と第3ステータコア80(第3ステータコアベース81)の間に、1つの環状巻線(以下、中央部環状巻線102Aという)が配置されている。
中央部環状巻線102Aは、第1ステータコアベース61と第2ステータコアベース71の間に配置された第1環状巻線101、及び、第3ステータコアベース81と第4ステータコアベース91の間に配置された第4環状巻線104と、同一材質、同一形状で形成されている。
すなわち、中央部環状巻線102Aのコイル長(軸方向の長さ)を、第1環状巻線101及び第4環状巻線104のコイル長と同じ長さにしている。また、中央部環状巻線102Aのコイル径を、第1環状巻線101及び第4環状巻線104のコイル径と同じ長さにしている。さらに、中央部環状巻線102Aの巻き数を、第1環状巻線101及び第4環状巻線104の巻き数と同じ巻き数にしている。
従って、中央部環状巻線102Aは、そのコイル長が第1及び第4環状巻線101,104と同じコイル長で形成されることから、第2及び第3ステータコアベース71,81間の間隔は、第1及び第2ステータコアベース61,71間の間隔、及び、第3及び第4ステータコアベース81,91間の間隔と同じ間隔となる。
つまり、第2ステータコア70の円筒状の第2円筒壁72は、第2ステータコアベース71の第3ステータコア80側の面から軸方向第3ステータコア80側に向かって第2ステータコアベース71の板厚の半分だけ延出形成されている。同様に、第3ステータコア80の円筒状の第3円筒壁82は、第3ステータコアベース81の第2ステータコア70側の面から軸方向第2ステータコア70側に向かって第3ステータコアベース81の板厚の半分だけ延出形成されている。
これによって、第2円筒壁72の環状先端面73と第3円筒壁82の環状先端面83が当接すると、第2ステータコアベース71と第3ステータコアベース81との間隔は、第1及び第2ステータコアベース61,71間の間隔、及び、第3及び第4ステータコアベース81,91間の間隔と同じ間隔となる。
そして、第2及び第3ステータコアベース71,81の間に中央部環状巻線102Aが配置されることに伴って、第1〜第4ステータ側爪状磁極64,74,84,94は、先端面67,87同士、及び、先端面77,97同士がそれぞれ当接するように、その軸方向の長さが短く形成されている。
詳述すると、第1ステータ側爪状磁極64に軸方向の長さ(第1ステータコアベース61の反第2ステータコア70側の面から先端面67までの長さ)は、第1ステータコアベース61の板厚(軸方向の長さ)の2.5倍としている。
また、第2ステータ側爪状磁極74に軸方向の長さ(第2ステータコアベース71の第1ステータコア60側の面から先端面77までの長さ)は、第2ステータコアベース71の板厚(軸方向の長さ)の2.5倍としている。
さらに、第3ステータ側爪状磁極84に軸方向の長さ(第3ステータコアベース81の第4ステータコア90側の面から先端面87までの長さ)は、第3ステータコアベース81の板厚(軸方向の長さ)の2.5倍としている。
さらにまた、第4ステータ側爪状磁極94に軸方向の長さ(第4ステータコアベース91の反第3ステータコア80側の面から先端面97までの長さ)は、第4ステータコアベース91の板厚(軸方向の長さ)の2.5倍としている。
つまり、本実施形態の単一のロータ1aは、第1環状巻線101、中央部環状巻線102A及び第4環状巻線104について、そのコイル長を共に同じした。換言すれば、第1ステータコアベース61と第2ステータコアベース71との間隔、第2ステータコアベース71と第3ステータコアベース81との間隔、第3ステータコアベース81と第4ステータコアベース91との間隔を、共に同じにした。
従って、図23(a)に示すように、軸方向の長さが短くなった第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87間、及び、軸方向の長さが短くなった第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97間がそれぞれ当接したランデル型構造のステータ2aとなる。
図26及び図27に示すように、この単一のステータ2aは、第1実施形態と同様に、U相、V相、W相ステータ2u,2v,2wとして使用され、それらが軸方向に積層されて3相用のブラシレスモータMのステータ2が形成される。
このとき、第1実施形態と同様に、U相、V相、W相ステータ2u,2v,2wからなる3相用のステータ2について、U相ステータ2u、V相ステータ2v及びW相ステータ2wを機械角で5度(電気角で60度)ずつずらして積層している。
そして、U相ステータ2uには、3相交流電源のU相交流電流Iuが流れる。また、V相ステータ2vには、3相交流電源のV相交流電流Ivが流れる。さらに、W相ステータ2wには、3相交流電源のW相交流電流Iwが流れる。
次に、上記のように構成したブラシレスモータMの作用について説明する。
各相のロータにおいて、4個の第1〜第4ロータコア10,20,30,40を軸方向に順番に第1、中央部及び第4界磁磁石51、52A,54を介在させて積層して形成した。そして、第1、中央部及び第4界磁磁石51、52A,54によって第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33はN極に、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43はS極になる。
このとき、第2ロータ側爪状磁極23の磁束密度は、第1界磁磁石51と中央部界磁磁石52Aからなる2つの界磁磁石に基づいて決定される。また、第3ロータ側爪状磁極33の磁束密度は、中央部界磁磁石52Aと第4界磁磁石54からなる2つの界磁磁石に基づいて決定される。
これに対して、第1ロータ側爪状磁極13の磁束密度は、1つの第1界磁磁石51に基づいて決定される。同様に、第4ロータ側爪状磁極43の磁束密度は、1つの第4界磁磁石54に基づいて決定される。
その結果、対峙している第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33とにおいて、その発生磁束の差が第1実施形態の場合に比べて小さくなる。つまり、先端面16,36同士が当接している第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の間で発生する磁束の逆流が第1実施形態の場合に比べて小さく抑えられる。これによって、N極の磁束密度が、全体として第1実施形態の場合に比べて大きくなり、対向するステータ2aの第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84に対して、第1実施形態の場合に比べて大きな磁束密度のN極を与えることになる。
同様に、第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータ側爪状磁極43においても、発生磁束の差が第1実施形態に比べて小さくなる。つまり、先端面26,46同士が当接している第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の間で発生する磁束の逆流が第1実施形態に比べて小さく抑えられる。これによって、S極の磁束密度が全体として第1実施形態に比べて大きくなり、対向するステータ2aの第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94に対して、第1実施形態の場合に比べて大きな磁束密度のS極を与えることになる。
これによって、各相のロータは磁束密度が大きな磁極を、対向するステータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
一方、各相のステータ(単一のステータ2a)において、4個の第1〜第4ステータコア60,70,80,90を軸方向に順番に第1、中央部及び第4環状巻線101,102A,104を介在させて積層して形成した。
このとき、第2ステータ側爪状磁極74の回転磁界の磁束密度は、第1環状巻線101及び中央部環状巻線102Aからなる2つの環状巻線に基づいて決定される。また、第3ステータ側爪状磁極84の回転磁界の磁束密度は、中央部環状巻線102A及び第4環状巻線104からなる2つの環状巻線に基づいて決定される。
これに対して、第1ステータ側爪状磁極64の回転磁界の磁束密度は、1つの第1環状巻線101に基づいて決定される。同様に、第4ステータ側爪状磁極94の回転磁界の磁束密度は、1つの第4環状巻線104に基づいて決定される。
その結果、対峙している第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84において、その回転磁界の発生磁束の差が第1実施形態の場合に比べて小さくなる。つまり、先端面67,87同士が当接している第1ステータ側爪状磁極64と第3ステータ側爪状磁極84の間で発生する磁束の逆流が第1実施形態の場合に比べて小さく抑えられる。
これによって、回転磁界の磁束密度が第1実施形態に比べて大きくなり、対向するロータ1aの第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33に対して、大きくなった回転磁界を与えることになる。
同様に、対峙している第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94において、その回転磁界の発生磁束の差が第1実施形態の場合に比べて小さくなる。つまり、先端面77,97同士が当接している第2ステータ側爪状磁極74と第4ステータ側爪状磁極94の間で発生する磁束の逆流が第1実施形態の場合に比べて小さく抑えられる。
これによって、回転磁界の磁束密度が第1実施形態に比べて大きくなり、対向するロータ1aの第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43に対して、大きくなった回転磁界を与えることになる。
以上のことから、各相のステータは磁束密度が大きな回転磁界を、対向するロータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
ちなみに、図28は、第1実施形態と第3実施形態のブラシレスモータMのトルク特性を比較した特性曲線を示す。
特性曲線L1は、第1実施形態のブラシレスモータMのトルク特性を示し、特性曲線L3は、第3実施形態のブラシレスモータMのトルク特性を示す。なお、実験条件として、界磁磁石の数と環状巻線の数を除いて全て同じ条件で行った。
この実験結果から、上記理由に基づいてより高トルクのブラシレスモータMを得られることが理解できる。
以上詳述したように、第3実施形態は上記第1実施形態の効果に加えて以下の効果を有する。
(1)上記実施形態によれば、第2ロータコア20と第3ロータコア30との間に、第1界磁磁石51及び第4界磁磁石54と同じ1つの中央部界磁磁石52Aを配置した。
そして、発生磁束の差に基づく第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の間での磁束の逆流、及び、第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータ側爪状磁極43の間での磁束の逆流を抑制した。
従って、各相のロータは磁束密度が大きな磁極を、対向するステータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
(2)上記実施形態によれば、第2ステータコア70と第3ステータコア80との間に、第1環状巻線101、及び、第4環状巻線104と同じ1つの中央部環状巻線102Aを配置した。
そして、発生磁束の差に基づく第1ステータ側爪状磁極64と第3ステータ側爪状磁極84の間での磁束の逆流、及び、第2ステータ側爪状磁極74と第4ステータ側爪状磁極94の間での磁束の逆流を抑制した。
従って、各相のステータは磁束密度が大きな回転磁界を、対向するロータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
(第4実施形態)
以下、モータの第4実施形態を図29〜図34に従って説明する。
第4実施形態は、第3実施形態に対して、第1ロータ側爪状磁極13の先端面16と第3ロータ側爪状磁極33の先端面36、及び、第2ロータ側爪状磁極23の先端面26と第4ロータ側爪状磁極43の先端面46を当接させないでそれぞれ近接対向配置させた点に特徴を有する。
また、第1ステータ側爪状磁極64の先端面67と第3ステータ側爪状磁極84の先端面87、及び、第2ステータ側爪状磁極74の先端面77と第4ステータ側爪状磁極94の先端面97を当接させないでそれぞれ近接対向配置させた点に特徴を有する。
そのため、第4実施形態では、説明の便宜上、その特徴部分を詳細に説明し、共通部分は各部材の符号を第3実施形態と同じにしてその詳細な説明を省略する。
図29に示すように、3相のブラシレスモータMを構成する各相の単一のモータMaは、単一のロータ1aと単一のステータ2aとからなる。
(単一のロータ1a)
図30(a)に示すように、3つの第1、中央部及び第4界磁磁石51,52A,54の板厚は、第3実施形態と同じ厚さで形成されている。これに対して、第1〜第4ロータ側爪状磁極13,23,33,43は、その軸方向の長さを、第1〜第4ロータコアベース11,21,31,41の板厚(軸方向の長さ)の2.5倍未満としている。
従って、図29及び図30(a)に示すように、第1ロータ側爪状磁極13の先端面16と第3ロータ側爪状磁極33の先端面36は、軸線方向において互いに近接対向配置、即ち、軸線方向に一定間隔のギャップGを有して対向配置されている。同様に、第2ロータ側爪状磁極23の先端面26と第4ロータ側爪状磁極43の先端面46は、軸線方向において互いに近接対向配置、即ち、軸線方向に一定間隔のギャップGを有して対向配置されている。
つまり、本実施形態の単一のロータ1aは、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36間、並びに、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46間にギャップGを有したランデル型構造のロータである。
図31及び図32に示すように、この単一のロータ1aは、第3実施形態と同様に、U相、V相、W相ロータ1u,1v,1wとして使用され、それらが軸方向に積層されて3相用のブラシレスモータMのロータ1が形成される。
このとき、第3実施形態と同様に、U相ロータ1uとW相ロータ1wは、第1〜第4ロータコア10,20,30,40の配置方向が同じ向きとなるように配置される。一方、U相ロータ1uとW相ロータ1wの間に積層配置されるV相ロータ1vは、その第1〜第4ロータコア10,20,30,40の配置方向が逆向きとなるように配置される。
さらに、図32に示すように、U相、V相、W相ロータ1u,1v,1wからなる3相用のロータ1は、第3実施形態と同様に、U相ロータ1u、V相ロータ1v及びW相ロータ1wを機械角で5度(電気角で60度)ずつずらして積層している。
(単一のステータ2a)
図30(b)に示すように、第1、中央部及び第4環状巻線101,102A,104のコイル長(軸線方向の長さ)は、第3実施形態と同じ長さで形成されている。
これに対して、第1〜第4ステータ側爪状磁極64,74,84,94は、その軸方向の長さを、第1〜第4ステータコアベース61,71,81,91の板厚(軸方向の長さ)の2.5倍未満としている。
従って、図29及び図30(b)に示すように、第1ステータ側爪状磁極64の先端面67と第3ステータ側爪状磁極84の先端面87は、軸線方向において互いに近接対向配置、即ち、軸線方向に一定間隔のギャップGを有して対向配置されている。同様に、第2ステータ側爪状磁極74の先端面77と第4ステータ側爪状磁極94の先端面97は、軸線方向において互いに近接対向配置、即ち、軸線方向に一定間隔のギャップGを有して対向配置されている。
つまり、本実施形態の単一のステータ2aは、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87間、並びに、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97間にギャップGを有したランデル型構造のステータとなる。
図33及び図34に示すように、この単一のステータ2aは、第3実施形態と同様に、U相、V相、W相ステータ2u,2v,2wとして使用され、それらが軸方向に積層されて3相用のブラシレスモータMのステータ2が形成される。
このとき、第3実施形態と同様に、U相、V相、W相ステータ2u,2v,2wからなる3相用のステータ2について、U相ステータ2u、V相ステータ2v及びW相ステータ2wを機械角で5度(電気角で60度)ずつずらして積層している。
そして、U相ステータ2uには、3相交流電源のU相交流電流Iuが流れる。また、V相ステータ2vには、3相交流電源のV相交流電流Ivが流れる。さらに、W相ステータ2wには、3相交流電源のW相交流電流Iwが流れる。
次に、上記のように構成したブラシレスモータMの作用について説明する。
第2ロータ側爪状磁極23の磁束密度は、第1界磁磁石51と中央部界磁磁石52Aからなる2つの界磁磁石に基づいて決定される。また、第3ロータ側爪状磁極33の磁束密度は、中央部界磁磁石52Aと第4界磁磁石54からなる2つの界磁磁石に基づいて決定される。
これに対して、第1ロータ側爪状磁極13の磁束密度は、1つの第1界磁磁石51に基づいて決定される。同様に、第4ロータ側爪状磁極43の磁束密度は、1つの第4界磁磁石54に基づいて決定される。
その結果、対峙している第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33とにおいて、その発生磁束の差が小さくなる。しかも、先端面16,36が近接対向配置されていることから、先端面16,36同士が当接している場合に比べ第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の間で発生する磁束の逆流がさらに小さく抑えられる。
これによって、磁束の逆流がさらに小さく抑えられるため、N極の磁束密度を大きくすることができる。
同様に、第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータ側爪状磁極43においても、発生磁束の差が小さくなる。しかも、先端面26,46が近接対向配置されていることから、先端面26,46同士が当接している第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の間で発生する磁束の逆流が小さく抑えられる。
これによって、磁束の逆流がさらに小さく抑えられるため、S極の磁束密度を大きくすることができる。
以上のことから、各相のロータは大きな磁極を、対向するステータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
一方、第2ステータ側爪状磁極74の回転磁界の磁束密度は、第1環状巻線101及び中央部環状巻線102Aからなる2つの環状巻線に基づいて決定される。また、第3ステータ側爪状磁極84の回転磁界の磁束密度は、中央部環状巻線102A及び第4環状巻線104からなる2つの環状巻線に基づいて決定される。
これに対して、第1ステータ側爪状磁極64の回転磁界の磁束密度は、1つの第1環状巻線101に基づいて決定される。同様に、第4ステータ側爪状磁極94の回転磁界の磁束密度は、1つの第4環状巻線104に基づいて決定される。
その結果、対峙している第1ステータ側爪状磁極64と第3ステータ側爪状磁極84とにおいて、その発生磁束の差が小さくなる。しかも、先端面67,87が近接対向配置されていることから、先端面67,87同士が当接している場合に比べ第1ステータ側爪状磁極64と第3ステータ側爪状磁極84の間で発生する磁束の逆流がさらに小さく抑えられる。
これによって、磁束の逆流がさらに小さく抑えられるため、回転磁界を大きくすることができる。
同様に、対峙している第2ステータ側爪状磁極74と第4ステータ側爪状磁極94とにおいて、その発生磁束の差が小さくなる。しかも、先端面77,97が近接対向配置されていることから、先端面77,97同士が当接している場合に比べ第2ステータ側爪状磁極74と第4ステータ側爪状磁極94の間で発生する磁束の逆流がさらに小さく抑えられる。
これによって、磁束の逆流がさらに小さく抑えられるため、回転磁界を大きくすることができる。
以上のことから、各相のステータは大きな回転磁界を、対向するロータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
ちなみに、図28に示す特性曲線L4は、第4実施形態のブラシレスモータMのトルク特性を示す。
図28から明らかなように、図21で示す第2実施形態で示すブラシレスモータMより高トルクが得られることが理解できる。
また、図28において、第3実施形態のブラシレスモータMより若干小さいトルク特性であるが、これは先端面16,36(先端面26,46)のギャップG、及び、先端面67,87(先端面77,97)のギャップGの大きさに起因されると考えられる。
つまり、ギャップGが大きすぎると、各爪状磁極において軸方向における磁束密度分布のばらつきが生じると考えられる。このことから、これらギャップGは、各爪状磁極において軸方向において磁束密度分布を考慮して設定する必要がある。
以上詳述したように、第4実施形態は、上記第3実施形態の効果に加えて以下の効果を有する。
(1)上記実施形態によれば、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36とを軸線方向に近接対向配置させて、発生磁束の差に基づく第1ロータ側爪状磁極13と第3ロータ側爪状磁極33の間での磁束の逆流を抑制し、N極の磁束密度を全体として大きくした。同様に、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46とを軸線方向に近接対向配置させ、発生磁束の差に基づく第2ロータ側爪状磁極23と第4ロータ側爪状磁極43の間での磁束の逆流を抑制し、S極の磁束密度を全体として大きくした。
これによって、各相のロータは磁束密度が大きな磁極を、対向するステータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
(2)上記実施形態によれば、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87とを軸線方向に近接対向配置させ、発生磁束の差に基づく第1ステータ側爪状磁極64と第3ステータ側爪状磁極84の間での磁束の逆流を抑制し、回転磁界の磁束密度を全体として大きくした。同様に、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97とを軸線方向に近接対向配置させ、発生磁束の差に基づく第2ステータ側爪状磁極74と第4ステータ側爪状磁極94の間での磁束の逆流を抑制し、回転磁界の磁束密度を全体として大きくしている。
これによって、各相のステータは磁束密度が大きな回転磁界を、対向するロータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
(3)上記実施形態によれば、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36とを軸線方向に近接対向配置させたので、軸方向において磁束密度分の変動を小さく抑えることができる。
同様に、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46とを軸線方向に近接対向配置させたので、軸方向において磁束密度分の変動を小さく抑えることができる。
これによって、各相のロータは軸方向に変動が小さい磁束密度分布の磁束を、対向するステータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
(4)上記実施形態によれば、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87とを軸線方向に近接対向配置させたので、軸方向において磁束密度分の変動を小さく抑えることができる。
同様に、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97とを軸線方向に近接対向配置させたので、軸方向において磁束密度分の変動を小さく抑えることができる。
その結果、各相のステータは軸方向に変動が小さい磁束密度分布の磁束(回転磁界)を、対向するロータに個々に与えることができ、より出力アップを図ることができる。
上記各実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記第1及び第2実施形態では、第2界磁磁石52と第3界磁磁石53をそれぞれ別々に構成したが、第2界磁磁石52と第3界磁磁石53を一体化して1つの界磁磁石で実施してもよい。
○上記第1及び第2実施形態では、第2環状巻線102と第3環状巻線103をそれぞれ別々に構成したが、第2環状巻線102と第3環状巻線103を一体化して1つの環状巻線で実施してもよい。
○上記第1〜第4実施形態では、第1〜第4ロータコア10,20,30,40の板厚を、共に同じにした。これを、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36が当接又は近接対向配置するとともに、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46が当接又は近接対向配置する範囲で、第1〜第4ロータコア10,20,30,40の板厚を、それぞれ異ならして実施してもよい。
○上記第1及び第2実施形態では、第1〜第4界磁磁石51〜54の板厚(軸方向の長さ)を、共に同じにした。これを、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36が当接又は近接対向配置するとともに、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46が当接又は近接対向配置する範囲で、第1〜第4界磁磁石51〜54の板厚(軸方向の長さ)を、それぞれ異ならして実施してもよい。
また、軸方向中央位置に配置されていて外部への漏れ磁束の少ない第2及び第3界磁磁石52,53においては、その第2及び第3界磁磁石52,53の板厚を第1及び第4界磁磁石51,54の板厚よりも薄くして(磁束密度を小さくして)実施したりしてもよいことは勿論である。
○上記第1及び第2実施形態では、第1〜第4ロータコア10,20,30,40の板厚と第1〜第4界磁磁石51〜54の板厚を同じにして実施した。これを、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36が当接又は近接対向配置するとともに、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46が当接又は近接対向配置する範囲で、第1〜第4ロータコア10,20,30,40の板厚と第1〜第4界磁磁石51〜54の板厚をそれぞれ異ならして実施してもよい。
この場合、第1〜第4ロータ側爪状磁極13,23,33,43の軸方向の長さを変更して実施する必要がある。
○上記第1〜第4実施形態では、第1〜第4ステータコア60,70,80,90の板厚を、共に同じにした。これを、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87が当接又は近接対向配置するとともに、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97が当接又は近接対向配置する範囲で、第1〜第4ステータコア60,70,80,90の板厚を、それぞれ異ならして実施してもよい。
○上記第1及び第2実施形態では、第1〜第4環状巻線101〜104の軸方向の長さを、共に同じにした。これを、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87が当接又は近接対向配置するとともに、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97が当接又は近接対向配置する範囲で、第1〜第4環状巻線101〜104の軸方向の長さを、それぞれ異ならして実施してもよい。
また、軸方向中央位置に配置されていて外部への漏れ磁束の少ない第2及び第3環状巻線102,103においては、その第2及び第3環状巻線102,103の軸方向に長さを第1及び第4環状巻線101,104の軸方向の長さよりも短くして(巻き数を減らして)実施したりしてもよいことは勿論である。
○上記第1及び第2実施形態では、第1〜第4ステータコア60,70,80,90の板厚と第1〜第4環状巻線101〜104の軸方向の長さを同じにして実施した。これを、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87が当接又は近接対向配置するとともに、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97が当接又は近接対向配置する範囲で、第1〜第4ステータコア60,70,80,90の板厚と第1〜第4環状巻線101〜104の軸方向の長さをそれぞれ異ならして実施してもよい。
この場合、第1〜第4ステータ側爪状磁極64,74,84,94の軸方向の長さを変更して実施する必要がある。
○上記各実施形態では、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の軸方向の長さは共に同じであったが、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36が当接又は近接対向配置するのであれば、同じ長さでなくてもよい。これによって、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33を流れる磁束の流れ方を調整でき、振動低減させるのに有効となる。
同様に、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の軸方向の長さは共に同じであったが、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46が当接又は近接対向配置するのであれば、同じ長さでなくてもよい。これによって、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43を流れる磁束の流れ方を調整でき、振動低減させるのに有効となる。
○上記各実施形態では、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の軸方向の長さは共に同じであったが、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87が当接又は近接対向配置するのであれば、同じ長さでなくてもよい。これによって、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84を流れる磁束の流れ方を調整でき、振動低減させるのに有効となる。
同様に、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の軸方向の長さは共に同じであったが、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97が当接又は近接対向配置するのであれば、同じ長さでなくてもよい。これによって、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94を流れる磁束の流れ方を調整でき、振動低減させるのに有効となる。
○上記第1及び第2実施形態では、単一のステータ2aにおいて、第1〜第4環状巻線101〜104を直列に接続して単相の交流電流を流すようにしたが、第1〜第4環状巻線101〜104を並列に接続して、単相の交流電流を流すように実施してもよい。
勿論、第1〜第4環状巻線101〜104を選択的に直列接続又は並列接続に切り替える切替回路を設けて、単一のモータMaの出力に応じて切り替えるようにしてもよい。
同様に、3相のブラシレスモータMの各相ステータ2u、2v、2wについても、各環状巻線を並列接続で実施したり、選択的に直列接続又は並列接続に切り替えたりして実施してもよい。
○上記第3及び第4実施形態では、単一のステータ2aにおいて、第1実施形態と同様に、第1、中央部及び第4環状巻線101,102A,104を直列に接続して単相の交流電流を流すようにした。これを、第1、中央部及び第4環状巻線101,102A,104を並列に接続して、単相の交流電流を流すように実施してもよい。
勿論、第1,中央部及び第4環状巻線101,102A,104を選択的に直列接続又は並列接続に切り替える切替回路を設けて、単一のモータMaの出力に応じて切り替えるようにしてもよい。
同様に、第3及び第4実施形態において、3相のブラシレスモータMの各相ステータ2u、2v、2wについても、各環状巻線を並列接続で実施したり、選択的に直列接続又は並列接続に切り替えたりして実施してもよい。
○上記各実施形態では、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36を、軸方向に対して正対させて当接又は近接対向配置させた。これを、先端面16と先端面36を周方向に一定の範囲だけずらして、これら先端面16,36を当接又は近接対向配置させることで磁極の中心位置を変更して実施してもよい。これによって、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33を流れる磁束の流れ方を調整でき、振動低減させるのに有効となる。
同様に、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46を、軸方向に対して正対させて当接近接対向配置を当接させた。これを、先端面26と先端面46を周方向に一定の範囲だけずらして、これら先端面26,46を当接又は近接対向配置させることで磁極の中心位置を変更して実施してもよい。これによって、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43を流れる磁束の流れ方を調整でき、振動低減させるのに有効となる。
○上記各実施形態では、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87を、軸方向に対して正対させて当接又は近接対向配置させた。これを、先端面67と先端面87を周方向に一定の範囲だけずらして、これら先端面67,87を当接又は近接対向配置させることで磁極の中心位置を変更して実施してもよい。これによって、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84を流れる磁束の流れ方を調整でき、振動低減させるのに有効となる。
同様に、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97を、軸方向に対して正対させて当接近接対向配置を当接させた。これを、先端面77と先端面97を周方向に一定の範囲だけずらして、これら先端面77,97を当接又は近接対向配置させることで磁極の中心位置を変更して実施してもよい。これによって、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94を流れる磁束の流れ方を調整でき、振動低減させるのに有効となる。
○上記各実施形態では、単一のロータ1aに対して、外側に配置されたステータは、第1及び第3ステータ側爪状磁極64,84の先端面67,87を当接又は近接対向配置させるとともに、第2及び第4ステータ側爪状磁極74,94の先端面77,97を当接又は近接対向配置を当接させるようにした単一のステータ2aであった。
これを、1つの環状巻線と、それを挟持する2つのステータコアを有し、それらステータコアのステータ側爪状磁極をそれぞれ周方向に交互に配置してなる従来型のランデル型のステータに対して、本実施形態の単一のロータ1aを内側に配置した単一モータに応用してもよい。勿論、ランデル型でないステータ(3相等の多相のステータでもよい)の内側に、本実施形態の単一のロータ1aを配置した単一のモータに応用してもよい。
また、3相モータにおいても、同様に、従来型のランデル型の3相用のステータや、ランデル型でない3相用のステータに対して、各実施形態の3相用のロータ1を内側に配置した3相モータに応用してもよい。
○上記各実施形態では、単一のステータ2aに対して、その内側に配置されるロータは、第1及び第3ロータ側爪状磁極13,33の先端面16,36を当接又は近接対向配置させるとともに、第2及び第4ロータ側爪状磁極23,43の先端面26,46が当接又は近接対向配置させるようにした単一のロータ1aであった。
これを、1つの界磁磁石と、それを挟持する2つのロータコアを有し、それらロータコアのロータ側爪状磁極をそれぞれ周方向に交互に配置してなる従来型のランデル型のロータに対して、各実施形態の単一のステータ2aを内側に配置した単一のモータに応用してもよい。勿論、ランデル型でないロータの外側に、本実施形態の単一のステータ2aを配置した単一のモータに応用してもよい。
また、3相モータにおいても、同様に、従来型のランデル型の3相用のロータや、ランデル型でない3相用のロータに対して、各実施形態の3相用のステータ2を外側に配置した3相モータに応用してもよい。
○上記各実施形態では、第1〜第4ロータコア10,20,30,40の爪状磁極の数を12個としたが、その数を適宜変更して実施してもよい。同様に、第1〜第4ステータコア60,70,80,90の爪状磁極の数を12個としたが、その数を適宜変更して実施してもよい。ことは勿論である。
○上記各実施形態では、第1〜第4界磁磁石51〜54をフェライト磁石で形成したが、例えばネオジム磁石等、その他の永久磁石で実施してもよい。
○上記各実施形態では、インナーロータ型の単一のモータMaと、インナーロータ型の3相のブラシレスモータMに具体化したが、アウターロータ型の単一のモータや、アウターロータ型の3相のブラシレスモータに応用してもよい。