JP2005312214A - 永久磁石電動機並びにその駆動方法及び製造方法、圧縮機、送風機及び空気調和機 - Google Patents

永久磁石電動機並びにその駆動方法及び製造方法、圧縮機、送風機及び空気調和機 Download PDF

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Abstract

【課題】高速回転時の誘起電圧による電圧制限の影響を減じながらも、大きなトルクを実現する。
【解決手段】6個の永久磁石111,112,113,121,122,123がこの順に時計回りで周方向に配列されて設けられている。3個の永久磁石111,112,113が磁石群11を、3個の永久磁石121,122,123が磁石群12を、それぞれ構成している。リラクタンス極の中心となる突極101が永久磁石111,123の間に、リラクタンス極の中心となる突極102が永久磁石113,121の間に、それぞれ存在する。
【選択図】図2

Description

本発明は、永久磁石電動機及びこれを駆動する技術に関するものである。
従来、永久磁石電動機は、運転する領域に応じて極数を選択してきた。高速領域での運転されると全損失に対する鉄損の比率が多くなるので、極数が少ない永久磁石電動機が適している。一方、低速運転での運転は、銅損の比率が大きくなるため、比較的に銅損が小さくなる、極数が多い永久磁石が適している。
しかしながら、今日においては、幅広い運転領域と、それぞれの運転領域における高効率運転が求められている。例えば、空気調和機(以下「空調機」)を例にとれば、起動後の急速な冷暖房には高速回転を要し、室温が安定した後の運転には低速回転が要求される。そして起動後の冷暖房をより急速に行うためには運転領域を更に高速運転領域へと拡大し、電力消費を抑制するためには低速運転領域における高効率が望まれる。しかしこれらの要望は、極数の観点からは相反する。
従来から、永久磁石電動機を高速運転するための技術について考案されている。例えば特許文献1には、その第0004段落に記載された課題「誘起電圧がインバータの最大出力電圧に近づく高速回転領域において出力が急激に低下する」を解決するため、第0009段落に記載された手段「ブラシレスDCモータの電機子電流の位相を誘起電圧よりも進ませるべくインバータの出力電流あるいは電圧を制御する方法」が開示されている。本方法を採用すれば、その第0045段落の記載によれば「|Va|=Vomaxとなる回転数をω0(最大出力電圧と誘起電圧が一致する回転数)よりも大きくでき」、「ブラシレスDCモータ4の運転範囲を高速回転領域まで拡げることができ」る。
また例えば特許文献2では、その第0005段落に、スリット部の中に回転数に応じて移動可能な「磁束通路部材」を設け、高速時には遠心力により「スリット部に磁気短絡部を形成して、回転子構造の変化により、弱め界磁効果を得」、更なる高速回転を可能とする構造が開示されている。
特許第3183356号公報 特開平11−275789号公報
上記文献は、電流位相を進め、または、永久磁石の磁束を短絡させることにより、誘起電圧を減ずるものであるが、トルク発生に誘起電圧は不可欠であり、誘起電圧を著しく減少させることはできない。また、電流位相を進めると、不安定な制御を招来し、高速運転にも限度があった。
本発明は、高速回転時の誘起電圧による電圧制限の影響を減じながらも、大きなトルクを実現することを目的とする。
この発明にかかる永久電動機の第1の態様は、固定子(2)と、空隙を介して前記固定子に対向する外面及び永久磁石を有し、回転軸を中心として回転可能な回転子(1)とを備える。前記固定子は、2n極(nは正の整数)の回転磁界を構成する第1磁束と、2m極(mはnとは異なる正の整数)の回転磁界を構成する第2磁束との両方を発生可能な巻線を有する。前記回転子は、前記永久磁石(111,112,113,121,122,123;111,112,121,122,131,132,141,142;111b,112b,121b,122b;N11,N12,N13,S11,S12,S13;N11,N12,S11,S12,N21,N22,S21,S22;N10,N20,N30,N40;N10,N20;N10,N20,N30,N40)からの磁束によって生じ、前記第1磁束との間でマグネットトルクを発生させる2n個の磁石極(111,112,113,121,122,123;111,112,121,122,131,132,141,142;111b,112b,121b,122b;N1,S1;N1,N2,S1,S2;N10,N20,N30,N40,S10,S20,S30,S40;N10,N20,S10,S20;N10,N20,N30,N40,S10,S20,S30,S40)と、前記第2磁束との間でリラクタンストルクを発生させる2m個のリラクタンス極(101,102;101,102,103,104;101,102;101,102,103,104,105,106;101,102,103,104,105,106;101,102,103,104;101,102;101,102,103,104)とを、前記外面における前記回転軸についての同一の位置で周方向に配列して有する。そして隣接する前記リラクタンス極の中心を結ぶ第1方向(qr)における前記回転子のインダクタンス(Lqr)は、隣接する前記リラクタンス極の境界を結ぶ第2方向(dr)における前記回転子のインダクタンス(Ldr)よりも大きい。
この発明にかかる永久電動機の第2の態様は、第1の態様に係る永久磁石電動機であって、j個(jはn以下の2nの約数)の前記永久磁石(111,112,113,121,122,123;111,112,121,122,131,132,141,142;111b,112b,121b,122b)が隣接して2n/j個の磁石群(11,12;11,12,13,14;11b,12b)を構成し、前記磁石群の各々は、極性が異なる前記磁石極を前記周方向に沿って交互に生成し、前記リラクタンス極の中心(101,102;101,102,103,104;101,102)は隣接する前記磁石群同士の間に設けられる。
この発明にかかる永久電動機の第3の態様は、第1の態様に係る永久磁石電動機であって、前記永久磁石(N11,N12,N13,S11,S12,S13;N11,N12,S11,S12,N21,N22,S21,S22;N10,N20,N30,N40;N10,N20;N10,N20,N30,N40)と前記リラクタンス極の中心(101,102,103,104,105,106;101,102,103,104,105,106,107,108;101,102,103,104;101,102;101,102,103,104)とは前記周方向に沿って交互に配置される。
この発明にかかる永久電動機の第4の態様は、第3の態様にかかる永久磁石電動機であって、前記永久磁石の複数(N11,N12,N13,S11,S12,S13;N11,N12,S11,S12,N21,N22,S21,S22)が一の前記磁石極(N1,S1;N1,N2,S1,S2)を生成する。
この発明にかかる永久電動機の第5の態様は、第3の態様に係る永久磁石電動機であって、前記磁石極(N10,N20,N30,N40,S10,S20,S30,S40;N10,N20,S10,S20;N10,N20,N30,N40,S10,S20,S30,S40)は、前記永久磁石が前記固定子に対向した位置に相互に同極性で生じる第1磁石極(N10,N20,N30,N40;N10,N20;N10,N20,N30,N40)と、前記永久磁石が前記固定子と対向しない位置に前記第1磁石極と逆極性で生じる第2磁石極(S10,S20,S30,S40;S10,S20;S10,S20,S30,S40)とに区分される。そして前記第2磁石極は前記リラクタンス極の中心(101,102,103,104;101,102;101,102,103,104)としても機能し、n=2mの関係にある。
この発明にかかる永久電動機の第6の態様は、第1乃至第5の態様のいずれかに係る永久磁石電動機であって、前記回転子(1)は表面磁石型回転子である。
この発明にかかる永久電動機の第7の態様は、第1乃至第5の態様のいずれかに係る永久磁石電動機であって、前記回転子(1)は埋込磁石型回転子である。
この発明にかかる永久電動機の第8の態様は、第1の態様に係る永久磁石電動機であって、前記回転子(1)は、シャフト(40)と、前記永久磁石(N10,N20,N30,N40)と前記シャフトとの間に、前記磁石極(N10,N20,N30,N40)と離れて設けられた非磁性体(131,132,133,134)を更に有する。
この発明にかかる永久電動機の第9の態様は、第1乃至第7の態様のいずれかに係る永久磁石電動機であって、前記固定子(2)は、2n極の磁束を発生させる第1巻線(A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3;A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3;A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4,C1,C2,C3,C4;A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4,C1,C2,C3,C4;A1,A2,B1,B2,C1,C2;D1,D2,E1,E2,F1,F2)と、2m極の磁束を発生させる第2巻線(D1,D2,E1,E2,F1,F2;D1,D2,E1,E2,F1,F2;D1,D2,E1,E2,F1,F2;D1,D2,D3,D4,E1,E2,E3,E4,F1,F2,F3,F4;D0,E0,F0;A1,A2,B1,B2,C1,C2)とを有する。
この発明にかかる永久電動機の第10の態様は、第9の態様に係る永久磁石電動機であって、前記第1巻線と前記第2巻線のうち極数が多い(A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3;A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4,C1,C2,C3,C4;A1,A2,B1,B2,C1,C2)は集中巻で巻回される。前記第1巻線と前記第2巻線のうち極数が少ない方(D1,D2,E1,E2,F1,F2;D1,D2,E1,E2,F1,F2;D0,E0,F0)は分布巻で巻回される。
この発明にかかる永久電動機の第11の態様は、第10の態様に係る永久磁石電動機であって、前記固定子(2)は、前記第1巻線と前記第2巻線のうち極数が多い方(A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3;A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4,C1,C2,C3,C4;A1,A2,B1,B2,C1,C2;)が巻回される複数の歯部(21)を更に有する。前記第1巻線と前記第2巻線のうち極数が少ない方(D1,D2,E1,E2,F1,F2;D1,D2,E1,E2,F1,F2;D0,E0,F0)は前記第1の巻線と前記第2巻線のうち極数が多い方を介して前記歯部に設けられる。
この発明にかかる永久電動機の第12の態様は、第9の態様に係る永久磁石電動機であって、前記第1巻線(A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3;A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4,C1,C2,C3,C4;D1,D2,E1,E2,F1,F2)及び前記第2巻線(D1,D2,E1,E2,F1,F2;D1,D2,D3,D4,E1,E2,E3,E4,F1,F2,F3,F4;A1,A2,B1,B2,C1,C2)のいずれもが分布巻である。
この発明にかかる永久電動機の第13の態様は、第1乃至第7の態様のいずれかに係る永久磁石電動機であって、前記固定子(2)は、2n極の回転磁界を構成する第1の磁束を発生させる第1電流(I6A,I6B,I6C)と、2m極の回転磁界を構成する第2の磁束磁束を発生させる第2電流(I2A,I2B,I2C,I2D,I2E,I2F,I2G,I2H,I2I)との共通の経路となる巻線(A−I)を有する。
この発明に係る永久電動機の駆動方法の第1の態様は、第1乃至第13の態様のいずれかに係る永久磁石電動機を、起動時を除いて所定の回転速度よりも小さな値で前記回転子(1)が回転する第1の場合と、前記所定の回転速度よりも大きな値で前記回転子が回転する第2の場合とに分けた態様で駆動する方法である。そして少なくとも前記第1の場合には2n極の回転磁界を構成する第1の磁束によって駆動する。また少なくとも前記第2の場合には2m極の回転磁界を構成する第2の磁束によって駆動する。
この発明に係る永久電動機の駆動方法の第2の態様は、第1乃至第13の態様のいずれかに係る永久磁石電動機を駆動する方法である。そして駆動状態が安定した場合及び前記永久磁石電動機に設定された最高負荷を含んだ駆動領域においては、2n極の回転磁界を構成する第1の磁束及び2m極の回転磁界を構成する第2の磁束によって駆動する。
この発明に係る永久電動機の駆動方法の第3の態様は、第7の態様に係る永久磁石電動機を駆動する方法である。そして前記第1磁束に発生する磁束の位相を、一の前記磁石極の中心から回転方向前進側に位置する当該一の前記磁石極の境界に対応する軸(qm)に対して正値(β4)で進める。
第1乃至第13の態様に係る永久磁石電動機は、圧縮機、送風機として採用することができる。
第1乃至第3の態様に係る永久磁石電動機の駆動方法は、圧縮機、送風機に採用することができる。
そしてこれらの圧縮機、送風機を空気調和機に備えることができる。
この発明に係る、永久磁石電動機の製造方法は、固定子(2)が有する複数の歯部(21)の間で巻線ノズルを遥動させ、前記歯部に第1巻線を集中巻で巻回する(A1,A2,A3;B1,B2,B3;C1,C2,C3)ステップと、あらかじめ所定の巻枠に分布巻で巻回された第2巻線(D1,D2;E1,E2;F1,F2)を前記第1巻線の間に挿入し、前記第2巻線を前記第1の巻線を介して前記歯部に設けるステップと、を備える。
この発明に係る永久磁石電動機の第1の態様によれば、マグネットトルクを得るための第1磁束の電流位相を進めることなく、あるいは、第1磁束の電流位相を進めた場合であっても、それ以上の効果をもって、又は、永久磁石の磁束を短絡させることもなく、トルクを増大させることができる。そして第1巻線、第2巻線にはそれぞれ独立して各相電流を流すことができるので、これらを使い分けて永久電動機の駆動を制御することができる。
この発明に係る永久磁石電動機の第2の態様によれば、リラクタンス極の個数を磁石極の個数よりも少なくして、リラクタンス極による高速運転時における鉄損を低減できる。
この発明に係る永久磁石電動機の第3の態様によれば、本体のうち、永久磁石に間で突出する部分をリラクタンス極として機能させることができる。
この発明に係る永久磁石電動機の第4の態様によれば、磁石極の個数を低減することで磁束の漏洩を低減する。また磁石極の構成を阻害することなく逆突極性を向上し、リラクタンストルクを増大させる。
この発明に係る永久磁石電動機の第5の態様によれば、リラクタンス極の個数を磁石極の個数よりも少なくして、鉄損を低減できる。また永久磁石の量を低減することができる。
この発明に係る永久磁石電動機の第6の態様によれば、磁石極が発生する磁束を正弦波状とすることができ、振動、騒音を低減できる。
この発明に係る永久磁石電動機の第7の態様によれば、磁石極においてリラクタンストルクをも併せて使用することができ、さらなる効率向上を実現できる。
この発明に係る永久磁石電動機の第8の態様によれば、非磁性体によって回転子が備えるシャフトへの透過が阻まれる。従ってシャフト40へと磁束が漏洩し、ひいては軸受、ハウジングに漏洩することによる、各磁石極における磁束密度のアンバランスを回避できる。また軸受に荷重がかかり、機械的損失が増大することも回避できる。さらに、リラクタンス極のq軸インダクタンスを減じることなく、d軸インダクタンスを小さくできるので、d軸インダクタンスとq軸インダクタンスとの差を大きくすることができ、リラクタンストルクを増大させることができる。
この発明に係る永久磁石電動機の第9の態様によれば、マグネットトルクを発生させる2n極の回転磁界を構成する第1の磁束の他、マグネットトルクを発生させる2m極の回転磁界を構成する第2の磁束が、それぞれの極数に最適な巻線分布で得られる。
この発明に係る永久磁石電動機の第10の態様によれば、集中巻で生じる可能性のある、同一スロット中に収納される巻線に流れる電流で生成される磁束同士が相殺する、という問題点が解消される。
この発明に係る永久磁石電動機の第11の態様によれば、巻線占積率を向上させることができる。
この発明に係る永久磁石電動機の第12の態様によれば、第1巻線、第2巻線ともに、正弦波分布に近い磁束を発生させることができるため、振動、騒音を低減できる。
この発明に係る永久磁石電動機の第13の態様によれば、第1電流と第2電流とを同一の巻線に流すので、いずれの電流で駆動する場合にも巻線の全てを利用することができ、巻線の利用効率が上がる。
この発明に係る永久磁石電動機の駆動方法の第1の態様によれば、高速運転において大きくなる傾向にある鉄損を低減しつつ、低速運転での回転子の回転が滑らかとなる。
この発明に係る永久磁石電動機の駆動方法の第2の態様によれば、流す電流を低減し、長期に運転される安定状態での銅損や、最高負荷を含んだ駆動領域で主体となる銅損を低減できる。
この発明に係る永久磁石電動機の駆動方法の第3の態様によれば、磁石極についてもリラクタンストルクを利用することができる。
この発明に係る永久磁石電動機の製造方法によれば、複数の歯部の間の巻線用溝はほぼ全てにわたって巻線が収納され、巻線占積率を向上させることができる。
第1の実施の形態.
図1は本発明の第1の実施の形態にかかる永久磁石電動機の構成を、回転軸に垂直な方向から見た断面図であり、回転子が固定子に囲まれたいわゆる内転型の構成を例示している。もちろん、本発明は固定子が回転子に囲まれたいわゆる外転型にも適用可能である。
当該永久磁石電動機は、固定子2と、固定子2に対して空隙を介して対向する回転子1とを備える。
固定子2は歯部21の複数と、歯部21を回転子1とは反対側で連結する環状のヨーク22とを有している。歯部21には巻線A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3,D1,D2,E1,E2,F1,F2が巻回される。但し図の煩雑を避けるため、図1においては巻線A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3の一部は省略している。固定子2において巻線A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3が巻回される態様は図2に示している。
図3は回転子1の構成を例示する断面図であり、回転軸に垂直な方向から見たものである。回転子1は、シャフト40と、透磁性の本体10と、2n個(nは正の整数)の永久磁石を備えている。本体10は例えば電磁鋼板を積層して構成される。
これらの永久磁石は、回転子1のうち、固定子2(図1参照)に対向する外面(これは本体10の外面であると把握することもできる)に設けられている。図3ではn=3に対応して6個の永久磁石111,112,113,121,122,123がこの順に時計回りで周方向に配列されて設けられており、回転子1はいわゆる表面磁石型回転子を構成している。
これら2n個の永久磁石はj個(jはn以下の2nの約数)が隣接して2n/j個の磁石群を構成する。図3ではj=3に対応して3個の永久磁石111,112,113が磁石群11を、3個の永久磁石121,122,123が磁石群12を、それぞれ構成している。
永久磁石111,113,122は固定子2に向けてN極を、永久磁石112,121,123は固定子2に向けてS極を、それぞれ向けて配置されている。これら6個の永久磁石の磁極は、固定子2に向けられた磁極から発生する磁束によって、そのまま回転子1の磁石極として機能する。
一方、回転子1には2m個(mはnとは異なる正の整数)のリラクタンス極が存在する。このリラクタンス極はスイッチトリラクタンス電動機や、シンクロナスリラクタンス電動機において採用されているリラクタンス極と同様に機能する。図3ではm=1に対応して2個のリラクタンス極が、磁石群11,12同士の間に存在する突極101,102を極中心として形成される。より具体的には第1のリラクタンス極は永久磁石111,123の間の突極101を中心として、第2のリラクタンス極は永久磁石113,121の間の突極102を中心として、それぞれ存在する。
一般に電気角に関して、相互に直交する座標軸としてd軸、q軸が採用される。リラクタンスモータとしての解析を行う場合、互いに隣接するリラクタンス極の中心間を結ぶ方向、及びこれに交差する方向が、それぞれ一般にd軸、q軸に採用されて解析に供される。本定義によれば、本実施の形態の磁石群11,12のそれぞれの中心間を結ぶ方向がq軸に対応する。しかし、本発明においてはリラクタンス極に働くリラクタンストルクについて言及するものの、他の側面において、極数は異なるものの、マグネットトルクも併せて言及するので、混乱を避けるため、リラクタンス極同士を結ぶ方向をd軸には採用せず、マグネットトルクを解析するための二軸変換において採用されるd軸、q軸を基準として説明する。よってd軸、q軸はリラクタンスモータとしての解析を行う場合とは反対になる。
リラクタンス極についてのd軸dr(これは隣接するリラクタンス極の境界を結ぶ方向に相当する)における回転子1のインダクタンスであるd軸インダクタンスLdrと、リラクタンス極についてのq軸qr(これは隣接するリラクタンス極の中心を結ぶ方向に相当する)における回転子1のインダクタンスであるq軸インダクタンスLqrとは異なっており、本実施の形態においてLdr<Lqrとなる。以下、特に断らない限り、d軸dr、q軸qrはそれぞれ単にd軸、q軸として取り扱う。但し、例えば例外的に、後述する「本発明の変形」ではこれらを、磁石極についてのd軸、q軸と区別して取り扱う。
図3に即して言えば、永久磁石111,112,113,121,122,123が本体10の表面に設けられ、回転子1はいわゆる表面磁石型回転子であるものの、本体10は磁石群11,12同士の間で固定子2(図1参照)へと突出している。このために回転子1はq軸インダクタンスLq(図中鎖線で示されるq軸qr方向のインダクタンス)がd軸インダクタンスLd(図中破線で示されるd軸dr方向のインダクタンス)よりも大きい、いわゆる逆突極性を有している。
固定子2は、回転子1の磁石極(これは本実施の形態では永久磁石111,112,113,121,122,123がそのまま機能する)との間でマグネットトルクを発生させる(2n=)6極の回転磁界を構成する第1磁束のみならず、突極101,102を中心とするリラクタンス極との間でリラクタンストルクを発生させる(2m=)2極の回転磁界を構成する第2磁束をも発生可能である。巻線A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3は第1磁束を発生し、巻線D1,D2,E1,E2,F1,F2は第2磁束を発生させる。
図1、図2において丸囲みのクロス、丸囲みの点はそれぞれ紙面から奥へ、紙面から手前へ、配線が向いていることを示す。但しこれらの表示や、矢印は巻線の方向を示すものであって、必ずしも電流の向きを示すものではない。この後に言及される、巻線の態様を示す断面図についても同様である。
固定子2には集中巻にてA相巻線、B相巻線、C相巻線が歯部21に巻回されている。A相巻線は巻線A1,A2,A3、B相巻線は巻線B1,B2,B3、C相巻線は巻線C1,C2,C3によってそれぞれ直列接続されて構成されている。A相巻線、B相巻線、C相巻線は中性点Zにおいて相互に共通に接続され、スター結線を構成している。そしてA相巻線、B相巻線、C相巻線には、それぞれA相電流IA、B相IB、C相ICが供給され、6極の回転磁界を構成する第1磁束が発生する。
固定子2にはD相巻線、E相巻線、F相巻線が歯部21に巻回されている。D相巻線は巻線D1,D2、E相巻線は巻線E1,E2、F相巻線は巻線F1,F2によってそれぞれ直列接続されて構成されている。D相巻線、E相巻線、F相巻線は中性点Yにおいて相互に共通に接続され、スター結線を構成している。そしてD相巻線、E相巻線、F相巻線には、それぞれD相電流ID、E相電流IE、F相電流IFが供給され、2極の回転磁界を構成する第2磁束が発生する。
図4は上記巻線の等価回路を示す回路図であり、同図(a)(b)はそれぞれA相巻線、B相巻線、C相巻線同士の結線と、D相巻線、E相巻線、F相巻線同士の結線とをそれぞれ示している。
巻線A1,A2,A3同士が相互に並列に接続されてA相巻線を構成し、巻線B1,B2,B3同士が相互に並列に接続されてB相巻線を構成し、巻線C1,C2,C3同士が相互に並列に接続されてC相巻線を構成してもよい。
また巻線の態様は種々可能であるが、ここではD相巻線、E相巻線、F相巻線に分布巻を採用した場合を例示している。分布巻を採用すれば、集中巻で生じる可能性のある、同一スロット中に収納される巻線に流れる電流で生成される磁束同士が相殺する、という問題点が少ない。また、電流により発生する磁束分布は空間的にも時間的にも正弦波状となり、振動、騒音も低減される。
図5は巻線A2,C1が巻回されたスロット(歯部21同士の間の巻専用溝)に巻線F2を設ける方法を示す断面図である。巻線F2はあらかじめ別途に巻回され、あらかじめ歯部21に巻回されていた巻線A2,C1の間に押し込むという、インサータ巻を採用することができる。巻線F2は、巻線A2,C1を介して歯部21に設けられると把握することもできる。
具体的には、スロット内部に巻線ノズル(図示せず)を遥動させ、ある一定の張力を与えながら強固に第1巻線を巻回する。この際、歯部21に対し、絶縁フィルム、インシュレータ成形物等の絶縁物(図示せず)を介して第1巻線(図25では巻線A2,C1)を巻回する。巻線ノズルをスロットで遥動させながら巻回するため、ノズルの遥動スペースとその周囲には第1巻線を巻回できず、デッドスペースができる。
一方、あらかじめ第2巻線(図25では巻線F2)を所定の巻枠に巻回しておく。そして第2巻線を、歯部21同士の間から上述のデッドスペースに挿入する。これにより、巻線用溝はほぼ全てにわたって巻線が収納され、巻線占積率を向上させることができる。ここで、第1巻線と第1巻線の間にも絶縁フィルム等で絶縁を施すことが望ましい。
図6及び図7は第1磁束を発生させるための各相電流IA,IB,ICを例示するグラフである。図6は3相正弦波電流を、図7は120°矩形波電流を、それぞれ例示している。但しこれらは模式的に示されており、実際にはインダクタンスによる電流のON/OFFの遅れや、PWM制御による高調波などが重畳される。第2磁束についても同様に、正弦波電流や矩形波電流を採用することができる。
第2磁束を与えるための電流D相電流ID、E相電流IE、F相電流IFの電気角は、回転子1のq軸に対して電気角45度進相する場合に、2極のリラクタンストルクを最大にすることができる。
このように第1磁束によってマグネットトルクを、第2磁束によってリラクタンストルクを、それぞれ発生させることにより、回転子1を回転させることができる。よってマグネットトルクを得るための第1磁束の電流位相を進めることなく、永久磁石の磁束を短絡させることもなく、トルクを増大させることができる。そして第1巻線、第2巻線にはそれぞれ独立して各相電流を流すことができるので、これらを使い分けて永久電動機の駆動を制御することができる。なお、回転子の回転方向は反時計回りに設定してある(以下同じ)。
上述のように、高速運転においては鉄損が大きくなる傾向にある。そして6極の回転磁界を構成する第1磁束で駆動する場合には各相電流の基本周波数が2極の回転磁界を構成する第2磁束で駆動する場合の各相電流の基本周波数と比較して三倍となるので、鉄損は大きくなる。よって所定の回転速度よりも大きな値で回転する場合には、第2磁束のみあるいは第2磁束による駆動を主とし、第1磁束による駆動を従として駆動することが望ましい。しかも、第2磁束のみで駆動した場合には、永久磁石により発生する誘起電圧の影響がないため、電圧の飽和点が高く、高速まで回転できる。
一方、上記所定の回転速度よりも小さな値で回転する場合には、第1の磁束によって駆動することが望ましい。第2磁束によって駆動する場合と比較して、回転磁界の極数が多く、回転子1の回転が滑らかとなるからである。
但し、所定の回転速度よりも小さな値で回転する場合であっても、起動時には第1磁束及び第2磁束の両方を用いて駆動することが望ましい場合もある。大きなトルクを必要とする場合があるからである。
また、定常運転や高負荷運転に際しても第1磁束及び第2磁束の両方を用いて駆動することが望ましい。これにより各相電流を低減できる。ここで、「定常運転」とは、運転時間の長い運転領域、例えば、駆動される機器が安定した状態で発揮する運転状態をいい、「高負荷運転」とは、機器の有する最高負荷を含む運転領域をいう。
定常運転は、電気代に大きく影響するため、できるだけ少ない電流で運転し、銅損を低減するのが望ましい。一方、定常運転では、駆動される機器が安定した状態、例えばエアコンでは、室内が一定温度に達し、その温度を維持するための運転する状態で採用される。従って低速回転であり、銅損の割合が大である。また、高負荷運転時にも、電流が大きくなるので銅損が主体であるため、銅損が低減できる電流低減は効果的である。
なお、集中巻で得られる巻線のみで第1磁束と第2磁束とを発生させることもできる。図8は9個の歯部21に、それぞれA相〜I相の9相の巻線を集中巻にて巻回した固定子2を示す断面図である。各相巻線の一端は電流入力端子として引き出され、他端は、中性点Zに共通に接続される。
図9はA相〜I相巻線に6極の回転磁界を構成する第1磁束を発生させるための電流I6A,I6B,I6Cを、2極の回転磁界を構成する第2磁束を発生させるための電流I2A,I2B,I2C,I2D,I2E,I2F,I2G,I2H,I2Iを、それぞれ流す構成を示すブロック図である。ここでは各電流として正弦波を採用しているが、矩形波でもよい。電流I6A,I6B,I6Cは三相インバータ30によって、電流I2A,I2B,I2C,I2D,I2E,I2F,I2G,I2H,I2Iは9相インバータ32によって、それぞれ出力され、これらを合成して得られる各相電流IA〜IIがそれぞれA相〜I相巻線に与えられる。
図8を図2と比較すれば理解されるように、A相巻線、D相巻線及びG相巻線はそれぞれ巻線A1,A2,A3に相当し、B相巻線、E相巻線及びH相巻線はそれぞれ巻線B1,B2,B3に相当し、C相巻線、F相巻線及びI相巻線はそれぞれ巻線C1,C2,C3に相当する。従って、A相巻線、D相巻線及びG相巻線に等しく電流I6Aを、B相巻線、E相巻線及びH相巻線に等しく電流I6Bを、C相巻線、F相巻線及びI相巻線に等しく電流I6Cを流し、電流I6A,I6B,I6Cとして3相正弦波電流を採用することにより、6極の回転磁界を構成する第1磁束を発生させることができる。
一方、いずれの巻線にも、回転軸を介して対向する巻線が存在するので、電流I2A,I2B,I2C,I2D,I2E,I2F,I2G,I2H,I2Iを適切に設定することにより、2極の回転磁界を構成する第2磁束を発生させることができる。
つまりA相〜I相の9相の巻線は、第1磁束を発生させる電流と、第2磁束を発生させる電流との共通の経路となる。よっていずれの電流を用いて駆動する場合においてもこれらの巻線の全てを利用することができるので、巻線の利用効率が上がる。
上述のように第2磁束について角度β2だけ位相を進める。但し回転子1は図3から明白なように、6極のリラクタンス極は有さないので、第1磁束は位相を進めない。
回転子1の回転角θを、A相巻線とI相巻線の間の位置にリラクタンス極の中心となる突極102が位置する場合を基準(0度)に採り、具体的には以下のように各電流が設定される。上述のように第1磁束は位相を進めないのでβ6=0度であり、2極のリラクタンストルクを最大とするために第2磁束についての進相角β2は通常45度である。
Figure 2005312214
回転角θは回転速度(rps)に時間t(秒)と360度とを乗じて得られる。I6,I2はそれぞれ6極及び2極の磁束発生用電流の振幅を示す。
上述のように角度β2を45度とした場合、各電流の波形は図10乃至図18にグラフとして示される。図10はA相巻線に流れる電流を示すグラフであり、(a),(b),(c)はそれぞれ電流I6A,I2A,IAを示す。図11はB相巻線に流れる電流を示すグラフであり、(a),(b),(c)はそれぞれ電流I6B,I2B,IBを示す。図12はC相巻線に流れる電流を示すグラフであり、(a),(b),(c)はそれぞれ電流I6C,I2C,ICを示す。図13はD相巻線に流れる電流を示すグラフであり、(a),(b),(c)はそれぞれ電流I6A,I2D,IDを示す。図14はE相巻線に流れる電流を示すグラフであり、(a),(b),(c)はそれぞれ電流I6B,I2E,IEを示す。図15はF相巻線に流れる電流を示すグラフであり、(a),(b),(c)はそれぞれ電流I6C,I2F,IFを示す。図16はG相巻線に流れる電流を示すグラフであり、(a),(b),(c)はそれぞれ電流I6A,I2G,IGを示す。図17はH相巻線に流れる電流を示すグラフであり、(a),(b),(c)はそれぞれ電流I6B,I2H,IHを示す。図18はI相巻線に流れる電流を示すグラフであり、(a),(b),(c)はそれぞれ電流I6C,I2I,IIを示す。
このように6極の回転磁界を構成する第1磁束を発生させる三相電流、2極の回転磁界を構成する第2磁束を発生させる九相電流を採用する場合でも、両者を必ず流さなければならないことはない。上述のように第1巻線と第2巻線とを用いた場合と同様に、運転の態様によって第1磁束や第2磁束を使い分けることが可能である。また、それぞれの振幅は、必要とされるトルクなどに応じて設定されるものであり、これらの図に示した比率に限定されるものではない。
第2磁束を与える電流は、互いに隣接する相に流れる電流の位相差が小さい。例えば上述の九相電流を採用する場合には、その位相差は360度/0=40度となる。よって一つのスロット内部に同居して対を成す巻線(例えばA相とI相)に流れる電流の位相差は140度であってほぼ逆位相に近い。これは上記対を成す巻線に流れる電流による磁束が相殺され、相互に損なう事態を招来しかねない。この事態は、上述のように、第2磁束を発生させる電流が流れる巻線を分布巻とすることで回避できるが、集中巻で巻回された巻線を採用しても、次のようにして事態を軽減できる。
例えば、第2磁束を発生させるための電流I2A,I2B,I2C,I2D,I2E,I2F,I2G,I2H,I2Iを、スイッチトリラクタンス電動機を駆動する場合のように、略矩形波とする。より具体的には、突極101,102が近接してきて自己インダクタンスが増大する区間でのみ巻線に電流を流す。
この場合における各電流の波形は図19乃至図27にグラフとして示される。図19乃至図27はそれぞれ図10乃至図18に対応している。そして図19乃至図27のグラフ(a)の各々は図10乃至図18の各グラフ(a)と同一であり、図19乃至図27のグラフ(b)の各々は略矩形波の電流I2A,I2B,I2C,I2D,I2E,I2F,I2G,I2H,I2Iを示し、図19乃至図27のグラフ(c)の各々は、各々の図のグラフ(a),(b)を合成して得られる。
第2の実施の形態.
図28は本実施の形態にかかる永久磁石電動機において固定子2に巻回される巻線の構造を例示する断面図である。ここでは2極の回転磁界を構成する第2磁束を発生させるD相巻線、E相巻線、F相巻線のみならず、6極の回転磁界を構成する第1磁束を発生させるA相巻線、B相巻線、C相巻線も分布巻で固定子2に巻回している。A相巻線、B相巻線、C相巻線は模式的に固定子2の内側に引き出されているが、実際には固定子2の内側には回転子1が収納される。A相巻線、B相巻線、C相巻線、D相巻線、E相巻線、F相巻線のいずれにも、コイルエンドは固定子鉄芯の両端部に設けられる。また、それぞれの相間も絶縁フィルムなどの絶縁物を設けることが望ましい。
但し、第1実施の形態において図1を用いて示された構成とは異なり、スロット数は18個である。またD相巻線は三つの巻線D1,D2,D3で構成され、E相巻線は三つの巻線E1,E2,E3で構成され、F相巻線は三つの巻線F1,F2,F3で構成され、これらは全節巻で巻回されている。D相巻線、E相巻線、F相巻線は、それぞれを構成する三つの巻線が直列に接続されていても、並列に接続されていてもよい。
同様に、A相巻線は三つの巻線A1,A2,A3で、B相巻線は三つの巻線B1,B2,B3で、C相巻線は三つの巻線C1,C2,C3で、それぞれ構成されているが、それぞれを構成する三つの巻線が直列に接続されていても、並列に接続されていてもよい。
回転子1の回転角θを、巻線A1,D3が巻回されているスロットと巻線B3,E1が巻回されているスロットとの間の位置にリラクタンス極の中心たる突極102が位置する場合を基準(0度)に採り、具体的には以下のように各電流が設定される。上述のように第1磁束は位相を進めないのでβ6=0度であり、2極のリラクタンストルクを最大とするために第2磁束についての進相角β2は例えば45度である。
Figure 2005312214
回転角θは回転速度(rps)に時間t(秒)と360度とを乗じて得られる。I6,I2はそれぞれ6極及び2極の磁束発生用電流の振幅を示す。
図29は、上述のように角度β2を45度とした場合に流れる各相電流の波形を示すグラフであり、同図(a)〜(f)はそれぞれA〜F相に流れる電流IA〜IFに対応している。但し、縦軸は規格化している。従って、電流IA〜ICの振幅と、電流ID〜IFの振幅との比率は任意である。
このように電流を流しても6極の回転磁界を構成する第1磁束がA相巻線、B相巻線、C相巻線によって、2極の回転磁界を構成する第2磁束がD相巻線、E相巻線、F相巻線によって、それぞれ発生する。
このように全ての巻線を分布巻とすることで、永久磁石電動機の振動、騒音を低減することができるという利点がある。もちろん、第2磁束を発生させるために、自己インダクタンスが増大する区間でのみ電流を流してもよい。
第3の実施の形態.
図30は第3の実施の形態にかかる回転子1の構造を例示する断面図である。第1実施の形態で示された回転子1とは異なり、n=4,m=2の場合が例示される。即ち本実施の形態では、磁石極が8個、リラクタンス極が4個設けられる。また磁石群を構成する永久磁石の個数jとしては2が選定されている。
具体的には、回転子1は、シャフト40と、透磁性の本体10と、8個の永久磁石111,112,121,122,131,132,141,142を備えている。これらの永久磁石は、回転子1のうち、固定子2(図1参照)に対向する外面において、この順に反時計回りで周方向に配列されており、いわゆる表面磁石型回転子を構成している。
これら8個の永久磁石は2個が隣接して(8/2=)4個の磁石群を構成する。永久磁石111,112が磁石群11を、永久磁石121,122が磁石群12を、永久磁石131,132が磁石群13を、永久磁石141,142が磁石群14を、それぞれ構成している。
永久磁石111,121,131,141は固定子2に向けてN極を、永久磁石112,122,132,142は固定子2に向けてS極を、それぞれ向けて配置されている。これら8個の永久磁石の磁極は、固定子2に向けられた磁極から発生する磁束によって、そのまま回転子1の磁石極として機能する。
一方、回転子1には4個の突極101,102,103,104が、隣接する磁石群11,12,13,14のうち、隣接するもの同士の間に存在する。これらの箇所において本体10が固定子2(図1参照)へと突出しているからである。具体的には突極101は永久磁石112,121の間に、突極102は永久磁石122,131の間に、突極103は永久磁石132,141の間に、突極104は永久磁石142,111の間に、それぞれ存在する。これらの突極101〜104はそれぞれリラクタンス極の中心となる。
このように、第1実施の形態とは磁石極、リラクタンス極の個数が異なるため、マグネットトルクを発生させる第1磁束の極数、リラクタンストルクを発生させる第2磁束の極数はそれぞれ、8,4となる。そしてリラクタンス極の個数を磁石極の個数よりも少ないので、リラクタンストルクを用いた高速回転において鉄損を低減できる。
図31は8極の回転磁界を構成する第1磁束及び4極の回転磁界を構成する第2磁束を発生させる固定子2の巻回態様を示す断面図である。固定子2の12個の歯部21には集中巻によってA相巻線、B相巻線、C相巻線がそれぞれ巻回されており、これらが第1磁束を発生させる。より詳細にはA相巻線は巻線A1,A2,A3,A4で、B相巻線は巻線B1,B2,B3,B4で、C相巻線は巻線C1,C2,C3,C4で、それぞれ構成されている。図示の煩雑を避けるため、集中巻されたA相巻線、B相巻線、C相巻線の渡り線、リード線は省略されている。また分布巻によってD相巻線、E相巻線、F相巻線がそれぞれ巻回されており、これらが第2磁束を発生させる。より詳細にはD相巻線は巻線D1,D2で、E相巻線は巻線E1,E2で、F相巻線は巻線F1,F2で、それぞれ構成されている。A相巻線、B相巻線、C相巻線のそれぞれを構成する四つの巻線が直列に接続されていても、並列に接続されていてもよい。同様にD相巻線、E相巻線、F相巻線のそれぞれを構成する二つの巻線が直列に接続されていても、並列に接続されていてもよい。
回転子1の回転角θを、巻線A1,C4,E2のいずれもが巻回されているスロットの中心の位置にリラクタンス極の中心となる突極101が位置する場合を基準(0度)に採り、具体的には以下のように各電流が設定される。図30に示された構成の回転子1では90度で回転対称であるので、他のリラクタンス極の中心となる突極102,103,104が上記の位置にある場合を0度に採ってもよい。
上述のように第1磁束は位相を進めないのでβ8=0度であり、4極のリラクタンストルクを最大とするために第2磁束についての進相角β4は例えば45度である。
Figure 2005312214
回転角θは回転速度(rps)に時間t(秒)と360度とを乗じて得られる。I8,I4はそれぞれ8極及び4極の磁束発生用電流の振幅を示す。
図32は、上述のように角度β8,β4をそれぞれ0度、45度とした場合に流れる各相電流の波形を示すグラフであり、同図(a)〜(f)はそれぞれA〜F相に流れる電流IA〜IFに対応している。但し、縦軸は規格化している。
このように電流を流しても8極の回転磁界を構成する第1磁束がA相巻線、B相巻線、C相巻線によって、4極の回転磁界を構成する第2磁束がD相巻線、E相巻線、F相巻線によって、それぞれ発生する。
もちろん、第1の実施の形態において図8に例示された場合と類似して、12個の歯部21に、それぞれ異なる相の巻線を集中巻にて巻回してもよい。この場合、各相の巻線に流される電流は、第1磁束を与えるための電流と、第2磁束を与えるための電流とを合成したものとなる。
また第2磁束を発生させるために、自己インダクタンスが増大する区間でのみ電流を流してもよい。
第4の実施の形態.
図33は本実施の形態にかかる永久磁石電動機において固定子2に巻回される巻線の構造を例示する断面図であり、当該固定子2は第3の実施の形態において図30を用いて示された回転子1と相まって本発明にかかる永久電動機を構成する。ここでは4極の回転磁界を構成する第2磁束を発生させるD相巻線、E相巻線、F相巻線のみならず、8極の回転磁界を構成する第1磁束を発生させるA相巻線、B相巻線、C相巻線も分布巻で固定子2に巻回している。A相巻線、B相巻線、C相巻線は模式的に固定子2の内側に引き出されているが、実際には固定子2の内側には回転子1が収納される。
但し、第3の実施の形態において図31を用いて示された構成とは異なり、スロット数は24個である。またD相巻線は四つの巻線D1,D2,D3,D4で構成され、E相巻線は四つの巻線E1,E2,E3,E4で構成され、F相巻線は四つの巻線F1,F2,F3,F4で構成される。A相巻線、B相巻線、C相巻線、D相巻線、E相巻線、F相巻線のそれぞれを構成する四つの巻線が直列に接続されていても、並列に接続されていてもよい。
回転子1の回転角θを、巻線B1,D1が巻回されているスロットと巻線C4,D4が巻回されているスロットとの間の位置にリラクタンス極の中心たる突極101(またはリラクタンス極の中心たる突極102,103,104)が位置する場合を基準(0度)に採り、具体的には以下のように各電流が設定される。
本実施の形態でも進相角β8,β4は例えばそれぞれ0度、45度であり、I8,I4はそれぞれ8極及び4極の磁束発生用電流の振幅を示す。
Figure 2005312214
図34は、上述のように角度β4を45度とした場合に流れる各相電流の波形を示すグラフであり、同図(a)〜(f)はそれぞれA〜F相に流れる電流IA〜IFに対応している。但し、縦軸は規格化している。
このように電流を流しても8極の回転磁界を構成する第1磁束がA相巻線、B相巻線、C相巻線によって、4極の回転磁界を構成する第2磁束がD相巻線、E相巻線、F相巻線によって、それぞれ発生する。
第2の実施の形態で述べたように、全ての巻線を分布巻とすることで、永久磁石電動機の振動、騒音を低減することができるという利点がある。もちろん、第2磁束を発生させるために、自己インダクタンスが増大する区間でのみ電流を流してもよい。
第5の実施の形態.
図35は第5の実施の形態にかかる回転子1の構造を例示する断面図である。第1の実施の形態で示された構成(n=3,m=1,j=3)や第3の実施の形態で示された構成(n=4,m=2,j=2)とは異なり、n=2,m=1,j=2の場合が例示される。即ち本実施の形態では、磁石極が4個、リラクタンス極が2個設けられる。
具体的には、回転子1は埋込磁石型回転子であって、シャフト40と、透磁性の本体10と、4個の永久磁石111b,112b,121b,122bを備えている。これらの永久磁石は本体10に埋め込まれ、本体10を、固定子2(図1参照:固定子2の形状は異なる)に対向する外面側の部分10aと、シャフト40側の部分10bとにほぼ区分している。
これら4個の永久磁石は2個が隣接して(4/2=)2個の磁石群を構成する。永久磁石111b,112bが磁石群11bを、永久磁石121b,122bが磁石群12bを、それぞれ構成している。
永久磁石111b,121bは固定子2に向けてN極を、永久磁石112b,122bは固定子2に向けてS極を、それぞれ向けて配置されている。これら4個の永久磁石の磁極は、固定子2に向けられた磁極から発生する磁束によって、そのまま回転子1の磁石極として機能する。
永久磁石111b,112bはそれぞれ異なる永久磁石埋設用穴11hにおいて埋め込まれており、永久磁石埋設用穴11hは回転子1の外面側に開口する略U字型を呈しており、その端部11eは永久磁石によって埋め込まれないままに空隙として外面近傍に存在する。永久磁石111b,112bが埋め込まれた、従って隣接する一対の永久磁石埋設用穴11hについてみれば、それぞれの端部11eは部分10a,10bと共に本体10を構成する狭小ブリッジ部11gを挟んでいる。
同様に永久磁石121b,122bはそれぞれ異なる永久磁石埋設用穴12hにおいて埋め込まれており、永久磁石埋設用穴12hは回転子1の外面側に開口する略U字型を呈しており、その端部12eは永久磁石によって埋め込まれないままに空隙として外面近傍に存在する。永久磁石121b,122bが埋め込まれた、従って隣接する一対の永久磁石埋設用穴12hについてみれば、それぞれの端部12eは部分10a,10bと共に本体10を構成する狭小ブリッジ部12gを挟んでいる。この狭小ブリッジ部12gは本体10の機械的強度を保つ機能を果たすために設けられていて、容易に磁気飽和を発生させることで磁路として積極的には利用しない。狭小ブリッジ部12gを設けず、端部12eが互いに一体となっていてもよい。
しかしながら、端部11e,12eの間では部分10bが外面側へと突出し、突極101,102を構成している。つまり回転子1には2個の突極101,102が、隣接する磁石群11b,12bの間に存在する。具体的には突極101は永久磁石112b,121bの間に、突極102は永久磁石122b,111bの間に、それぞれ存在する。これらの突極101,102はそれぞれリラクタンス極の中心となる。
このように、第1実施の形態とは磁石極、リラクタンス極の個数が異なるため、マグネットトルクを発生させる第1磁束の極数、リラクタンストルクを発生させる第2磁束の極数はそれぞれ、4,2となる。そしてリラクタンス極の個数を磁石極の個数よりも少ないので、リラクタンストルクを用いた高速回転において鉄損を低減できる。
図36は4極の回転磁界を構成する第1磁束及び2極の回転磁界を構成する第2磁束を発生させる固定子2の巻回態様を示す断面図である。固定子2の6個の歯部21には集中巻によってA相巻線、B相巻線、C相巻線がそれぞれ巻回されており、これらが第1磁束を発生させる。より詳細にはA相巻線は巻線A1,A2で、B相巻線は巻線B1,B2で、C相巻線は巻線C1,C2で、それぞれ構成されている。図示の煩雑を避けるため、集中巻されたA相巻線、B相巻線、C相巻線の渡り線、リード線は省略されている。また分布巻によってD相巻線D0、E相巻線E0、F相巻線F0がそれぞれ巻回されており、これらが第2磁束を発生させる。
回転子1の回転角θを、巻線A1,C2のいずれもが巻回されているスロットの中心の位置にリラクタンス極の中心たる突極101が位置する場合を基準(0度)に採り、具体的には以下のように各電流が設定される。図35に示された構成の回転子1では180度で回転対称であるので、他のリラクタンス極の中心たる突極102が上記の位置にある場合を0度に採ってもよい。
上述のように第1磁束は位相を進めないのでβ4=0度であり、2極のリラクタンストルクを最大とするために第2磁束についての進相角β2は例えば45度である。
Figure 2005312214
回転角θは回転速度(rps)に時間t(秒)と360度とを乗じて得られる。I4,I2はそれぞれ4極及び2極の磁束発生用電流の振幅を示す。
図37は、上述のように角度β2を45度とした場合に流れる各相電流の波形を示すグラフであり、同図(a)〜(f)はそれぞれA〜F相に流れる電流IA〜IFに対応している。但し、縦軸は規格化している。
このように電流を流しても4極の回転磁界を構成する第1磁束がA相巻線、B相巻線、C相巻線によって、2極の回転磁界を構成する第2磁束がD相巻線、E相巻線、F相巻線によって、それぞれ発生する。
もちろん、第1の実施の形態において図8に例示された場合と類似して、6個の歯部21に、それぞれ異なる相の巻線を集中巻にて巻回してもよい。この場合、各相の巻線に流される電流は、第1磁束を与えるための電流と、第2磁束を与えるための電流とを合成したものとなる。
また第2磁束を発生させるために、自己インダクタンスが増大する区間でのみ電流を流してもよい。
なお、狭小ブリッジ部11g,12g、及び、本体10の外周側部分10aの存在により、回転子1に対して進相角β4を正とする第1磁束を与えてリラクタンストルクを利用することも可能である。このような第1磁束についての進相については「本発明の変形」において述べる。
第6の実施の形態.
図38は本実施の形態にかかる永久磁石電動機において固定子2に巻回される巻線の構造を例示する断面図であり、当該固定子2は第5の実施の形態において図35を用いて示された回転子1と相まって本発明にかかる永久電動機を構成する。ここではD相巻線、E相巻線、F相巻線のみならず、A相巻線、B相巻線、C相巻線も分布巻で固定子2に巻回している。D相巻線、E相巻線、F相巻線は模式的に固定子2の内側に引き出されているが、実際には固定子2の内側には回転子1が収納される。
但し、第5の実施の形態において図36を用いて示された構成とは異なり、スロット数は12個である。またD相巻線は二つの巻線D1,D2で構成され、E相巻線は二つの巻線E1,E2で構成され、F相巻線は二つの巻線F1,F2で構成される。A相巻線、B相巻線、C相巻線、D相巻線、E相巻線、F相巻線のそれぞれを構成する二つの巻線が直列に接続されていても、並列に接続されていてもよい。
また本実施の形態では4極の回転磁界を構成する第1磁束を発生させるのはD相巻線、E相巻線、F相巻線であり、2極の回転磁界を構成する第2磁束を発生させるのはA相巻線、B相巻線、C相巻線、D相巻線である。
回転子1の回転角θを、巻線C1,A1のいずれもが巻回されているスロットの中心にリラクタンス極の中心たる突極101(または他のリラクタンス極の中心たる突極102)が位置する場合を基準(0度)に採り、具体的には以下のように各電流が設定される。
本実施の形態でも進相角β4,β2は例えばそれぞれ0度、45度であり、I4,I2はそれぞれ8極及び4極の磁束発生用電流の振幅を示す。
Figure 2005312214
図39は、上述のように角度β4,β2をそれぞれ0度、45度とした場合に流れる各相電流の波形を示すグラフであり、同図(a)〜(f)はそれぞれA〜F相に流れる電流IA〜IFに対応している。但し、縦軸は規格化している。
このように電流を流しても4極の回転磁界を構成する第1磁束、2極の回転磁界を構成する第2磁束が発生する。
第2の実施の形態で述べたように、全ての巻線を分布巻とすることで、永久磁石電動機の振動、騒音を低減することができるという利点がある。もちろん、第2磁束を発生させるために、自己インダクタンスが増大する区間でのみ電流を流してもよい。
第7の実施の形態.
図40は第7の実施の形態にかかる回転子1の構造を例示する断面図である。回転子1はシャフト40と、透磁性の本体10と、固定子2(図1参照)に対向する外面に設けられた6個の永久磁石N11,N12,N13,S11,S12,S13及び6個の突極101,102,103,104,105,106とを備えている。そしてこれらの永久磁石と突極とは外面において周方向に沿って交互に配置され、いわゆる表面磁石型回転子を構成している。
より具体的には永久磁石N11,N12の間で突出している本体10が突極101として、永久磁石N12,N13の間で突出している本体10が突極102として、永久磁石N13,S11の間で突出している本体10が突極103として、永久磁石S11,S12の間で突出している本体10が突極104として、永久磁石S12,S13の間で突出している本体10が突極105として、永久磁石S13,N11の間で突出している本体10が突極106として、それぞれ配置されている。これらの突極101〜106はそれぞれリラクタンス極の中心となる。
永久磁石N11,N12,N13は固定子2に向けてN極を、永久磁石S11,S12,S13は固定子2に向けてS極を、それぞれ向けて配置されている。但し、3個の永久磁石N11,N12,N13がそのまま回転子1の磁石極として機能するのではなく、これらが一つの磁石極N1として機能する。同様に3個の永久磁石S11,S12,S13がそのまま回転子1の磁石極として機能するのではなく、これらが一つの磁石極S1として機能する。つまり本実施の形態では、6個の永久磁石N11,N12,N13,S11,S12,S13からの磁束によって生じる2個の磁石極N1,S1と、突極101〜106をそれぞれ中心とする6個のリラクタンス極を備えていることになる。
従って、マグネットトルクを得るための第1磁束は2極の回転磁界を、リラクタンストルクを得るための第2磁束は6極の回転磁界を、それぞれ与えればよい。これは第1乃至第2の実施の形態で例示された巻回態様の固定子2を採用し、第1磁束用の電流と、第2磁束用の電流とを入れ替え、回転角の基準をずらせることにより実現できる。
このように永久磁石の個数と比較して磁石極の個数を低減することにより、隣接する磁石間等での磁束の漏洩を低減することができる。また磁石極の構成を阻害することなく、磁石極の間で突出するリラクタンス極についての逆突極性を向上し、リラクタンストルクを増大させる。
第8の実施の形態.
図41は第8の実施の形態にかかる回転子1の構造を例示する断面図である。回転子1はシャフト40と、透磁性の本体10と、固定子2(図1参照)に対向する外面に設けられた8個の永久磁石N11,N12,N21,N22,S11,S12,S21,S22及び8個の突極101,102,103,104,105,106,107,108とを備えている。そしてこれらの永久磁石と突極とは外面において周方向に沿って交互に配置され、いわゆる表面磁石型回転子を構成している。
より具体的には永久磁石S22,N11の間で突出している本体10が突極101として、永久磁石N11,N12の間で突出している本体10が突極102として、永久磁石N12,S11の間で突出している本体10が突極103として、永久磁石S11,S12の間で突出している本体10が突極104として、永久磁石S12,N21の間で突出している本体10が突極105として、永久磁石N21,N22の間で突出している本体10が突極106として、永久磁石N22,S21の間で突出している本体10が突極107として、永久磁石S21,S22の間で突出している本体10が突極108として、それぞれ配置されている。これらの突極101〜108はそれぞれリラクタンス極の中心となる。
永久磁石N11,N12,N21,N22は固定子2に向けてN極を、永久磁石S11,S12,S21,S22は固定子2に向けてS極を、それぞれ向けて配置されている。但し、2個の永久磁石N11,N12がそのまま回転子1の磁石極として機能するのではなく、これらが一つの磁石極N1として機能する。同様に2個の永久磁石S11,S12がそのまま回転子1の磁石極として機能するのではなく一つの磁石極S1として、2個の永久磁石N21,N22がそのまま回転子1の磁石極として機能するのではなく一つの磁石極N2として、2個の永久磁石S21,S22がそのまま回転子1の磁石極として機能するのではなく一つの磁石極S2として、それぞれ機能する。つまり本実施の形態では、8個の永久磁石N11,N12,N13,S11,S12,S13からの磁束によって生じる24の磁石極N1,N2,S1,S2と、突極101〜108を中心とする8個のリラクタンス極を備えていることになる。
従って、マグネットトルクを得るための第1磁束は4極の回転磁界を、リラクタンストルクを得るための第2磁束は8極の回転磁界を、それぞれ与えればよい。これは図31(第3の実施の形態)や図33(第4の実施の形態)に示された巻回態様の固定子2を採用することで実現できる。
図31の巻回態様を採用する場合、次のように各相電流IA〜IFが設定される。但し、第1磁束はD相電流ID、E相電流IE、F相電流IFによって生成され、第2磁束はA相電流IA、B相電流IB、C相電流ICによって生成される。
Figure 2005312214
また図33の巻回態様を採用する場合、次のように各相電流IA〜IFが設定される。但し、第1磁束はA相電流IA、B相電流IB、C相電流ICによって生成され、第2磁束はD相電流ID、E相電流IE、F相電流IFによって生成される。
Figure 2005312214
ここでも回転角θは、リラクタンス極の中心たる突極101が、図31及び図33を用いて説明された位置にあるときを基準(0度)として採用した。第1磁束は位相を進めないのでβ4=0度であり、8極のリラクタンストルクを最大とするために第2磁束についての進相角β8は例えば45度である。
図42、図43はそれぞれ図31、図33の巻回態様に対応した各相電流の波形を示すグラフであり、同図(a)〜(f)はそれぞれA〜F相に流れる電流IA〜IFに対応している。但し、縦軸は規格化している。また上述のように角度β2を45度とした場合を示している。
もちろん、第2磁束を発生させるために、自己インダクタンスが増大する区間でのみ電流を流してもよい。
第9の実施の形態.
図44は第9の実施の形態にかかる回転子1の構造を例示する断面図である。回転子1はシャフト40と、透磁性の本体10と、固定子2(図1参照)に対向する外面に設けられた4個の永久磁石N10,N20,N30,N40及び4個の突極101,102,103,104とを備えている。そしてこれらの永久磁石と突極とは外面において周方向に沿って交互に配置され、いわゆる表面磁石型回転子を構成している。
より具体的には永久磁石N10,N20の間で突出している本体10が突極101として、永久磁石N20,N30の間で突出している本体10が突極102として、永久磁石N30,N40の間で突出している本体10が突極103として、永久磁石N40,N10の間で突出している本体10が突極104として、それぞれ配置されている。これらの突極101〜104はそれぞれリラクタンス極の中心となる。
永久磁石N10,N20,N30,N40は固定子2に向けて同極性、具体的にはN極を配置されている。但し、4個の永久磁石の固定子2側の磁極のみが回転子1の磁石極として機能するのではなく、固定子2とは反対側の磁極も回転子1の磁石極の生成に寄与している。後者の磁極も本体10を介して磁束が突極へと回り込み、当該突極にS極を生成するからである。
つまり、本実施の形態における磁石極は8個ある。そのうちの4個は、永久磁石N10,N20,N30,N40の磁極のうち、固定子2に対向した位置で磁極がそのまま回転子1の磁極となった第1磁石極N10,N20,N30,N40である。残りの4個は、固定子2に対向しない位置で、永久磁石N10,N20,N30,N40の磁極のうち固定子2に対向しない側の磁極からの磁束によって生じ、固定子2に対向しない位置にある第2磁石極S10,S20,S30,S40であって、第1の磁石極とは逆極性(具体的にはS極)となる。具体的には突極101,102,103,104はそれぞれ第2磁石極S10,S20,S30,S40としても、リラクタンス極の中心としても機能する。そしてここでは突極及びリラクタンス極の個数はともに磁石極の個数の半分となり、n=2mの関係がある。
本実施の形態も第3の実施の形態に示された回転子1と同様に、8極の回転磁界を発生させる第1磁束と4極の回転磁界を発生させる第2磁束とを用いることにより、それぞれマグネットトルクとリラクタンストルクとを用いて回転することができる。かかる第1磁束や第2磁束は図31(第3の実施の形態)や図33(第4の実施の形態)に示された巻回態様の固定子2を採用することで実現できる。
このように第2磁石極を採用することにより、リラクタンス極の個数を磁石極の個数よりも少なくして、高速域においてリラクタンス極のみにて運転した場合の鉄損を低減できる。また永久磁石の量を低減することができる。
第10の実施の形態.
図45は第10の実施の形態にかかる回転子1の構造を例示する断面図である。回転子1は埋込磁石型回転子であって、シャフト40と、透磁性の本体10と、2個の永久磁石N10,N20を備えている。永久磁石N10,N20はそれぞれ本体10に設けられた永久磁石埋設用穴10h,20hに埋め込まれている。
永久磁石埋設用穴10h,20hは回転子1の外面側に開口する略U字型を呈しており、それぞれの端部10e,20eは永久磁石N10,N20によって埋め込まれないままに空隙として外面近傍に存在する。そして端部10e,20eの間では本体10が外面側へと突出し、突極101,102を構成している。つまり回転子1には2個の突極101,102が存在し、これらは2個の永久磁石N10,N20と周方向に交互に配列されている。これらの突極101,102はそれぞれリラクタンス極の中心となる。
第9の実施の形態と類似して、永久磁石N10,N20は固定子2に向けて同極性、具体的にはN極を配置されている。そして2個の永久磁石の固定子2側の磁極のみが回転子1の磁石極として機能するのではなく、固定子2とは反対側の磁極も回転子1の磁石極の生成に寄与している。後者の磁極も本体10を介して磁束が突極へと回り込むからである。
つまり、本実施の形態における磁石極は4個ある。そのうちの2個は、永久磁石N10,N20の磁極のうち、固定子2に対向した位置で磁極がそのまま回転子1の磁極となった第1磁石極N10,N20である。残りの2個は、固定子2に対向しない位置で、永久磁石N10,N20の磁極のうち固定子2に対向しない側の磁極からの磁束によって生じ、固定子2に対向しない位置にある第2磁石極S10,S20であって、第1の磁石極とは逆極性(具体的にはS極)となる。具体的には突極101,102はそれぞれ第2磁石極S10,S20としてもリラクタンス極の中心としても機能する。
本実施の形態においてもリラクタンス極の個数は磁石極の個数の半分となり、n=2mの関係がある。よって第9の実施の形態と同様に、第2磁石極を採用することによってリラクタンス極の個数を磁石極の個数よりも少なくして、鉄損を低減できる。また永久磁石の量を低減することができる。
本実施の形態も第5の実施の形態に示された回転子1と同様に、4極の回転磁界を発生させる第1磁束と2極の回転磁界を発生させる第2磁束とを用いることにより、それぞれマグネットトルクとリラクタンストルクとを用いて回転することができる。かかる第1磁束や第2磁束は図36(第5の実施の形態)や図38(第6の実施の形態)に示された巻回態様の固定子2を採用することで実現できる。
図36の巻回態様を採用する場合、次のように各相電流IA〜IFが設定される。但し、第1磁束はA相電流IA、B相電流IB、C相電流ICによって生成され、第2磁束はD相電流ID、E相電流IE、F相電流IFによって生成される。
Figure 2005312214
また図38の巻回態様を採用する場合、次のように各相電流IA〜IFが設定される。但し、第1磁束はD相電流ID、E相電流IE、F相電流IFによって生成され、第2磁束はA相電流IA、B相電流IB、C相電流ICによって生成される。
Figure 2005312214
但し回転角θは、永久磁石N10,N20が対向する方向が、図36及び図38を用いて説明された位置にあるときを基準(0度)として採用した。第1磁束は位相を進めないのでβ8=0度であり、4極のリラクタンストルクを最大とするために第2磁束についての進相角β4は例えば45度である。
図46、図47はそれぞれ図36、図38の巻回態様に対応した各相電流の波形を示すグラフであり、同図(a)〜(f)はそれぞれA〜F相に流れる電流IA〜IFに対応している。但し、縦軸は規格化している。また上述のように角度β2を45度とした場合を示している。
もちろん、第2磁束を発生させるために、自己インダクタンスが増大する区間でのみ電流を流してもよい。なお、4極の磁石極の逆突極性が存在するので、角度β4の値を正とする第1磁束を与えて4極のリラクタンストルクを利用することもできる。
第11の実施の形態.
図48は第11の実施の形態にかかる回転子1の構造を例示する断面図である。回転子1は埋込磁石型回転子であって、シャフト40と、透磁性の本体10と、4個の永久磁石N10,N20,N30,N40を備えている。これらの永久磁石はシャフト40に向かって凸に湾曲しており、それぞれの端部が回転子1の外面近傍へと延びている。
本体10のうち、永久磁石N10,N20の間で固定子2に向けて突出する部分、永久磁石N20,N30の間で固定子2に向けて突出する部分、永久磁石N30,N40の間で固定子2に向けて突出する部分、永久磁石N40,N10の間で固定子2に向けて突出する部分が、それぞれ突極101,102,103,104となり、これはリラクタンス極の中心となる。つまり回転子1には4個のリラクタンス極が存在し、これらの中心は4個の永久磁石と周方向に交互に配列されている。
第9の実施の形態と類似して、永久磁石N10,N20,N30,N40は固定子2に向けて同極性、具体的にはN極を配置されている。そして4個の永久磁石の固定子2側の磁極のみが回転子1の磁石極(上述の第1の磁石極)として機能するのではなく、固定子2とは反対側の磁極も回転子1の磁石極の生成に寄与している。後者の磁極も本体10を介して磁束が突極へと回り込むからである。このため、突極101,102,103,104はリラクタンス極の中心としてのみならず、それぞれ第2の磁石極S10,S20,S30,S40としても機能する。
本実施の形態においてもリラクタンス極の個数は磁石極の個数の半分となり、n=2mの関係がある。よって第9の実施の形態と同様に、第2磁石極を採用することによってリラクタンス極の個数を磁石極の個数よりも少なくして、鉄損を低減できる。また永久磁石の量を低減することができる。
透磁性の本体10には、非磁性体151,152,153,154が設けられており、これらはそれぞれ4個の永久磁石N10,N20,N30,N40と、シャフト40との間に(換言すれば4個の永久磁石N10,N20,N30,N40のそれぞれに対して固定子2とは反対側に)、永久磁石N10,N20,N30,N40と離れて配置されている。非磁性体151,152,153,154も、永久磁石N10,N20,N30,N40と同様に、シャフト40に向かって凸に湾曲しており、それぞれの端部が回転子1の外面近傍へと延びている。非磁性体151,152,153,154として、例えば本体10に穿たれた空隙を採用することができる。
非磁性体151が設けられているので、永久磁石N10の磁極のうち、シャフト40に向いている方(ここではS極)から出た磁束は、非磁性体151に沿って回転子1の外面へと導かれ、永久磁石N40に近い方での永久磁石N10の端部と非磁性体151の端部との間に磁石極S10Aを形成する。同様にして、永久磁石N200に近い方での永久磁石N10の端部と非磁性体151の端部との間に磁石極S10Bを形成する。同様にして、永久磁石N20の磁極のうち、シャフト40に向いている方から出た磁束により、永久磁石N10に近い方での永久磁石N20の端部と非磁性体152の端部との間に磁石極S20Aが、永久磁石N30に近い方での永久磁石N20の端部と非磁性体152の端部との間に磁石極S20Bが、それぞれ形成される。また永久磁石N30の磁極のうち、シャフト40に向いている方から出た磁束により、永久磁石N20に近い方での永久磁石N30の端部と非磁性体153の端部との間に磁石極S30Aが、永久磁石N40に近い方での永久磁石N30の端部と非磁性体153の端部との間に磁石極S30Bが、それぞれ形成される。また永久磁石N40の磁極のうち、シャフト40に向いている方から出た磁束により、永久磁石N30に近い方での永久磁石N40の端部と非磁性体154の端部との間に磁石極S40Aが、永久磁石N10に近い方での永久磁石N40の端部と非磁性体154の端部との間に磁石極S40Bが、それぞれ形成される。
そして非磁性体151,152を介して隣接する磁石極S10B,S20Aは相まって第2の磁石極S10を形成する。同様に、非磁性体152,153を介して隣接する磁石極S20B,S30Aは相まって第2の磁石極S20を形成し、非磁性体153,154を介して隣接する磁石極S30B,S40Aは相まって第2の磁石極S30を形成し、非磁性体154,151を介して隣接する磁石極S40B,S10Aは相まって第2の磁石極S40を形成する。
このようにして永久磁石N10,N20,N30,N40の磁極のうち、シャフト40に向いている方から発生した磁束は、非磁性体151〜154によってシャフト40への透過が阻まれる。従ってシャフト40へと磁束が漏洩し、ひいては軸受、ハウジングに漏洩することによる、各磁石極における磁束密度のアンバランスを回避できる。また軸受に荷重がかかり、機械的損失が増大することも回避できる。
更に、非磁性体151〜154は4個の永久磁石と相まって、4極のd軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqの差を拡大することができる。即ち逆突極性を大きくし、リラクタンストルクを増大させることができる。具体的には、d軸インダクタンスLdは、永久磁石と非磁性体151〜154を横切らなければならないので小さく、q軸インダクタンスLqは永久磁石と非磁性体151〜154との間に磁路があるので大きい。この観点からは、永久磁石N10,N20,N30,N40と非磁性体151〜154との間にある本体10の幅は略同一であることが望ましい。たとえば非磁性体151〜154と永久磁石N10,N20,N30,N40とは同心の円弧を呈することも好適である。
このように非磁性体を永久磁石N10,N20,N30,N40のそれぞれに対して固定子2とは反対側に設けることは、図35、図41、図44、図45に示された構造を有する回転子1に対しても適用することができるのは明白である。換言すれば、図35、図41、図44、図45に示された構成を有する回転子1においてはシャフト40を非磁性体で構成したり、シャフト40の周囲を非磁性体で囲むことが望ましい。
なお、本実施の形態において示された4個のリラクタンス極と8個の磁石極を有する回転子1については、第3の実施の形態に示された回転子1と同様に、8極の回転磁界を発生させる第1磁束と4極の回転磁界を発生させる第2磁束とを用いることにより、それぞれマグネットトルクとリラクタンストルクとを用いて回転することができる。かかる第1磁束や第2磁束は図31(第3の実施の形態)や図33(第4の実施の形態)に示された巻回態様の固定子2を採用することで実現できる。
本発明の変形.
回転子1がいわゆる埋込磁石型回転子である場合、特にn>mの場合には、上述したリラクタンス極とは別に、磁石極についてリラクタンストルクを利用できる場合がある。具体的には例えば図35、図45の構成では磁石極についてのリラクタンストルクを利用することができ、図41、図48の構成では磁石極についてのリラクタンストルクを利用することができないか、または困難である。
図41に示された構成では、磁石極の配置の対称性から磁石極についてのリラクタンストルクを利用できない。例えばq軸に相当する永久磁石S11,S12間の磁路と、d軸に相当する永久磁石N12,S11間の磁路とはほぼ同型であり、q軸インダクタンスLqとd軸インダクタンスLdとの相違は小さいからである。
また図48に示された構成では、空隙が存在するために磁石極についてのリラクタンストルクを利用することは困難である。図49は、図48に示された構成において、磁石極のd軸dm及びq軸qm、リラクタンス極のd軸dr及びq軸qrのそれぞれ一部を示す断面図である。例えば磁石極についてのq軸qmに相当する磁石極S10B、S20A間の磁路は空隙を二回通過する一方、d軸dmに相当する磁石極S10,N20間の磁路は空隙を一回と、永久磁石N20自身を一回通過し、q軸インダクタンスLqmとd軸インダクタンスLdmとの相違が小さいからである。
これに対して図35に示された構成では、突極101,102のみならず狭小ブリッジ部11g,12gにも磁束が幾分でも透過するため、4極のリラクタンストルクを得ることができる。また図45に示された構成では、磁石極のd軸dm方向に相当する磁石極N10,S10間の磁路には永久磁石N10,S10が存在するため、磁石極のq軸インダクタンスLqmよりも磁石極のd軸インダクタンスLdmが低下する。図50は、図45に示された構成において、磁石極のd軸dm及びq軸qm、リラクタンス極のd軸dr及びq軸qrのそれぞれ一部を示す断面図である。
以上のように、4極の回転磁界を構成する第1の磁束を発生するための電流の進相角β4を正の値とすることで、より大きなリラクタンストルクを得ることができる。
この磁石極の個数に対応したリラクタンストルクを得る際、リラクタンストルクは進相角β4が位相45度で最大となる一方、マグネットトルクは進相角0度で最大となるので、第1磁束全体としての進相角は、0度を超え45度未満で作用される。但し弱め磁束によって高速回転を行う場合には45度を超えることもある。ここでは弱め磁束を採用する負荷領域は除いて考える。
ここで第1磁束の進相角の基準は、リラクタンス極の中心となる突極の位置を0度とするのではなく、ある磁石極の中心から回転方向前進側に位置する当該磁石極の境界に対応するq軸qmの位置である。例えば図48に即して言えば、第1磁束の進相角の基準は、永久磁石N10,N20,N30,N40のいずれかの端部を採用できる。
回転子構造や負荷の大きさにもよるが、経験上の目安として、電流位相を15〜35度程度進めると、リラクタンストルクを最大とできる場合が多い。よって進相角β4として例えば20度を採用できる。
但しこのような第1磁束についての進相角と、リラクタンス極において得られるリラクタンストルクを得るための第2磁束についての進相角とは独立して設定できる事項である。
本発明は、永久磁石の材質を特に規定しないが、最大エネルギー積の大きいネオジ鉄ボロン系の焼結の希土類磁石を用いるのが好適であり、必要に応じて異方性を有する材質を使用すれば、更に磁束密度も増し、好適である。
本発明の応用.
本発明にかかる永久磁石電動機は、種々の範囲に応用が可能である。例えば圧縮機や送風機に採用することができる。従って、例えばこれら圧縮機や送風機を介して、空気調和機に適用することもできる。近年、空気調和機には省エネルギー化が強く求められているとともに、急速に暖房・冷房するための運転領域の高速化と建物の断熱性の向上による定常運転の回転数の低下の双方を、高効率で実現する要求も高まっており、本発明を空気調和機に適用することは望ましい。
本発明の第1の実施の形態にかかる永久磁石電動機の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態において固定子における巻回態様を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態において回転子の構成を例示する断面図である。 本発明の第1の実施の形態において固定子に巻回された巻線の等価回路を示す回路図である。 スロットに巻線を設ける方法を示す断面図である。 第1磁束を発生させるための各相電流を例示するグラフである。 第1磁束を発生させるための各相電流を例示するグラフである。 巻線を集中巻にて巻回した固定子を示す断面図である。 第1及び第2磁束を発生させる電流を流す構成を示すブロック図である。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 図8に示された巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態において固定子における巻線の構造を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態において巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 本発明の第3の実施の形態において回転子の構造を例示する断面図である。 本発明の第3の実施の形態において固定子における巻回態様を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態において巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 本発明の第4の実施の形態において固定子における巻回態様を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態において巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 本発明の第5の実施の形態において回転子の構造を例示する断面図である。 本発明の第5の実施の形態において固定子における巻回態様を示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態において巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 本発明の第6の実施の形態において固定子における巻回態様を示す断面図である。 本発明の第6の実施の形態において巻線に流れる電流の波形を示すグラフである。 本発明の第7の実施の形態において回転子の構造を例示する断面図である。 本発明の第8の実施の形態において回転子の構造を例示する断面図である。 図31の巻回態様に対応した各相電流の波形を示すグラフである。 図33の巻回態様に対応した各相電流の波形を示すグラフである。 本発明の第9の実施の形態において回転子の構造を例示する断面図である。 本発明の第10の実施の形態において回転子の構造を例示する断面図である。 図36の巻回態様に対応した各相電流の波形を示すグラフである。 図38の巻回態様に対応した各相電流の波形を示すグラフである。 本発明の第11の実施の形態において回転子の構造を例示する断面図である。 本発明の変形を説明する断面図である。 本発明の変形を説明する断面図である。
符号の説明
1 回転子
10 本体
101,102,103,104,105,106 突極(リラクタンス極の中心)
111,111b,112,112b,113,121,121b,122,122b,123,131,132,141,142,N10,N11,N12,N13,S11,S12,S13,N20,N21,N22,S21,S22,N30,N40 永久磁石
111,111b,112,112b,113,121,121b,122,122b,123,131,132,141,142,N1,N2,S1,S2,N10,N20,N30,N40,S10,S20,S30,S40 磁石極
131,132,133,134 非磁性体
2 固定子
21 歯部
40 シャフト
A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4,C1,C2,C3,C4,D0,E0,F0D1,D2,D3,D4,E1,E2,E3,E4,F1,F2,F3,F4 巻線

Claims (22)

  1. 固定子(2)と、
    空隙を介して前記固定子に対向する外面及び永久磁石を有し、回転軸を中心として回転可能な回転子(1)と
    を備え、
    前記固定子は、2n極(nは正の整数)の回転磁界を構成する第1磁束と、2m極(mはnとは異なる正の整数)の回転磁界を構成する第2磁束との両方を発生可能な巻線を有し、
    前記回転子は、
    前記永久磁石(111,112,113,121,122,123;111,112,121,122,131,132,141,142;111b,112b,121b,122b;N11,N12,N13,S11,S12,S13;N11,N12,S11,S12,N21,N22,S21,S22;N10,N20,N30,N40;N10,N20;N10,N20,N30,N40)
    からの磁束によって生じ、前記第1磁束との間でマグネットトルクを発生させる2n個の磁石極(111,112,113,121,122,123;111,112,121,122,131,132,141,142;111b,112b,121b,122b;N1,S1;N1,N2,S1,S2;N10,N20,N30,N40,S10,S20,S30,S40;N10,N20,S10,S20;N10,N20,N30,N40,S10,S20,S30,S40)と、
    前記第2磁束との間でリラクタンストルクを発生させる2m個のリラクタンス極(101,102;101,102,103,104;101,102;101,102,103,104,105,106;101,102,103,104,105,106;101,102,103,104;101,102;101,102,103,104)と
    を、前記外面における前記回転軸についての同一の位置で周方向に配列して有し、
    隣接する前記リラクタンス極の中心を結ぶ第1方向(qr)における前記回転子のインダクタンス(Lqr)は、隣接する前記リラクタンス極の境界を結ぶ第2方向(dr)における前記回転子のインダクタンス(Ldr)よりも大きい、永久磁石電動機。
  2. j個(jはn以下の2nの約数)の前記永久磁石(111,112,113,121,122,123;111,112,121,122,131,132,141,142;111b,112b,121b,122b)が隣接して2n/j個の磁石群(11,12;11,12,13,14;11b,12b)を構成し、
    前記磁石群の各々は、極性が異なる前記磁石極を前記周方向に沿って交互に生成し、
    前記リラクタンス極の中心(101,102;101,102,103,104;101,102)は隣接する前記磁石群同士の間に設けられる、請求項1記載の永久磁石電動機。
  3. 前記永久磁石(N11,N12,N13,S11,S12,S13;N11,N12,S11,S12,N21,N22,S21,S22;N10,N20,N30,N40;N10,N20;N10,N20,N30,N40)と前記リラクタンス極の中心(101,102,103,104,105,106;101,102,103,104,105,106,107,108;101,102,103,104;101,102;101,102,103,104)とは前記周方向に沿って交互に配置される、請求項1記載の永久磁石電動機。
  4. 前記永久磁石の複数(N11,N12,N13,S11,S12,S13;N11,N12,S11,S12,N21,N22,S21,S22)が一の前記磁石極(N1,S1;N1,N2,S1,S2)を生成する、請求項3記載の永久磁石電動機。
  5. 前記磁石極(N10,N20,N30,N40,S10,S20,S30,S40;N10,N20,S10,S20;N10,N20,N30,N40,S10,S20,S30,S40)は、
    前記永久磁石が前記固定子に対向した位置に相互に同極性で生じる第1磁石極(N10,N20,N30,N40;N10,N20;N10,N20,N30,N40)と、
    前記永久磁石が前記固定子と対向しない位置に前記第1磁石極と逆極性で生じる第2磁石極(S10,S20,S30,S40;S10,S20;S10,S20,S30,S40)と
    に区分され、
    前記第2磁石極は前記リラクタンス極の中心(101,102,103,104;101,102;101,102,103,104)としても機能し、
    n=2mの関係にある、請求項3記載の永久磁石電動機。
  6. 前記回転子(1)は表面磁石型回転子である、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の永久磁石電動機。
  7. 前記回転子(1)は埋込磁石型回転子である、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の永久磁石電動機。
  8. 前記回転子(1)は、
    シャフト(40)と、
    前記永久磁石(N10,N20,N30,N40)と前記シャフトとの間に、前記磁石極(N10,N20,N30,N40)と離れて設けられた非磁性体(131,132,133,134)を更に有する、請求項1記載の永久磁石電動機。
  9. 前記固定子(2)は、
    2n極の磁束を発生させる第1巻線(A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3;A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3;A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4,C1,C2,C3,C4;A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4,C1,C2,C3,C4;A1,A2,B1,B2,C1,C2;D1,D2,E1,E2,F1,F2)と、
    2m極の磁束を発生させる第2巻線(D1,D2,E1,E2,F1,F2;D1,D2,E1,E2,F1,F2;D1,D2,E1,E2,F1,F2;D1,D2,D3,D4,E1,E2,E3,E4,F1,F2,F3,F4;D0,E0,F0;A1,A2,B1,B2,C1,C2)と
    を有する、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の永久磁石電動機。
  10. 前記第1巻線と前記第2巻線のうち極数が多い方(A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3;A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4,C1,C2,C3,C4;A1,A2,B1,B2,C1,C2)は集中巻で巻回され、
    前記第1巻線と前記第2巻線のうち極数が少ない方(D1,D2,E1,E2,F1,F2;D1,D2,E1,E2,F1,F2;D0,E0,F0)は分布巻で巻回される、請求項9記載の永久磁石電動機。
  11. 前記固定子(2)は、
    前記第1巻線と前記第2巻線のうち極数が多い方(A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3;A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4,C1,C2,C3,C4;A1,A2,B1,B2,C1,C2;)が巻回される複数の歯部(21)
    を更に有し、
    前記第1巻線と前記第2巻線のうち極数が少ない方(D1,D2,E1,E2,F1,F2;D1,D2,E1,E2,F1,F2;D0,E0,F0)は前記第1巻線と前記第2巻線のうち極数が多い方を介して前記歯部に設けられる、請求項10記載の永久磁石電動機。
  12. 前記第1巻線(A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3;A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4,C1,C2,C3,C4;D1,D2,E1,E2,F1,F2)及び前記第2巻線(D1,D2,E1,E2,F1,F2;D1,D2,D3,D4,E1,E2,E3,E4,F1,F2,F3,F4;A1,A2,B1,B2,C1,C2)のいずれもが分布巻である、請求項9記載の永久磁石電動機。
  13. 前記固定子(2)は、
    2n極の回転磁界を構成する第1の磁束を発生させる第1電流(I6A,I6B,I6C)と、
    2m極の回転磁界を構成する第2の磁束磁束を発生させる第2電流(I2A,I2B,I2C,I2D,I2E,I2F,I2G,I2H,I2I)との共通の経路となる巻線(A−I)
    を有する、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の永久磁石電動機。
  14. 請求項1乃至請求項13のいずれか一つに記載の永久磁石電動機を、起動時を除いて所定の回転速度よりも小さな値で前記回転子(1)が回転する第1の場合と、前記所定の回転速度よりも大きな値で前記回転子が回転する第2の場合とに分けた態様で駆動する方法であって、
    少なくとも前記第1の場合には2n極の回転磁界を構成する第1の磁束によって駆動し、
    少なくとも前記第2の場合には2m極の回転磁界を構成する第2の磁束によって駆動する、永久磁石電動機の駆動方法。
  15. 請求項1乃至請求項13のいずれか一つに記載の永久磁石電動機を駆動する方法であって、
    駆動状態が安定した場合及び前記永久磁石電動機に設定された最高負荷を含んだ駆動領域においては、2n極の回転磁界を構成する第1の磁束及び2m極の回転磁界を構成する第2の磁束によって駆動する、永久磁石電動機の駆動方法。
  16. 請求項7記載の永久磁石電動機を駆動する方法であって、
    前記第1磁束に発生する磁束の位相を、一の前記磁石極の中心から回転方向前進側に位置する当該一の前記磁石極の境界に対応する軸(qm)に対して正値(β4)で進める、永久磁石電動機の駆動方法。
  17. 請求項1乃至請求項13のいずれか一つに記載の永久磁石電動機を備える圧縮機。
  18. 請求項1乃至請求項13のいずれか一つに記載の永久磁石電動機を備える送風機。
  19. 請求項14乃至請求項16のいずれか一つに記載の永久磁石電動機の駆動方法を採用する圧縮機。
  20. 請求項14乃至請求項16のいずれか一つに記載の永久磁石電動機の駆動方法を採用する送風機。
  21. 請求項17に記載の圧縮機、請求項18に記載の送風機、請求項19記載の圧縮機、及び請求項20記載の送風機の少なくともいずれか一つを備える空気調和機。
  22. 固定子(2)が有する複数の歯部(21)の間で巻線ノズルを遥動させ、前記歯部に第1巻線を集中巻で巻回する(A1,A2,A3;B1,B2,B3;C1,C2,C3)ステップと、
    あらかじめ所定の巻枠に分布巻で巻回された第2巻線(D1,D2;E1,E2;F1,F2)を前記第1巻線の間に挿入し、前記第2巻線を前記第1の巻線を介して前記歯部に設けるステップと、
    を備える、永久磁石電動機の製造方法。
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