JP2019127873A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】2つのインダクタンスコイルの電気的短絡の発生を抑制し得る内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供する。【解決手段】電動モータへの給電回路が配置されたカバー部材4と、このカバー部材の壁部を内部と外部に貫通する2つの第1貫通孔70,72及び第2貫通孔71,73と、給電回路中に配置されたノイズを低減する電磁ノイズ抑制機構64と、を備えている。電磁ノイズ抑制機構は、第1、第2インダクタンスコイル65a、65bの各第1コイル端子68c〜68fの各先端部68g〜68jとブラシ、電源端子60〜63の各他端部60b〜63bが、第1、第2貫通孔70〜73内においてスポット溶接によってそれぞれ接合されている。また、第1、第2貫通孔は、第1、第2仕切壁74、75によって仕切られている。【選択図】図6
Description
本発明は、例えば機関弁の開閉タイミングを制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
本出願人が先に出願した以下の特許文献1に記載したバルブタイミング制御装置は、電動モータの切換用ブラシとコミュテータとの間や給電用ブラシとスリップリングとの間の放電に起因した電磁ノイズが発生し易くなっている。そこで、この電磁ノイズを装置の外部へ漏洩することを低減するために、2つのインダクタンスコイルとコンデンサからなる電磁ノイズ抑制装置を設けている。
各インダクタンスコイルは、並行に配置された棒状の一対の磁性材(鉄心)と、該各鉄心の外周に巻回された一対の巻線部と、を備えている。また、各巻線部は、軸方向の両端部から引き出された各コイル端子が一対の給電用ブラシに接続されたブラシ端子や給電用コネクタの電源端子に接続されている
ところで、前記巻線部の両端部を、ブラシ端子や電源端子に接続する手段としては、接続作業の容易性や信頼性が高い例えばオポーズド方式の抵抗溶接が考えられる。
この抵抗溶接を行う場合には、予めカバー部材に複数の貫通孔を設け、この各貫通孔の位置で各巻線部の各両端部をブラシ端子や電源端子に重ね合わせ、これらを棒状の2つの電極間で挟んで点状に溶接する(スポット溶接)。
しかし、前記給電用ブラシとスリップリングとの摺動に伴って発生する金属摩耗粉などが、前記各貫通孔内に浸入して各巻線部の各両端部とブラシ端子及び電源端子に付着して堆積してしまうおそれがある。この結果、隣接する各2つの貫通孔内の各巻線部の各両端部が、付着、堆積した金属摩耗粉によって各電気的に短絡するおそれがある。
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、2つのインダクタンスコイルの電気的短絡の発生を抑制し得る内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することを目的の一つとしている。
本発明の一態様としては、とりわけ、電磁ノイズ抑制機構は、少なくとも一端が第1貫通部内で給電回路に接合された第1インダクタンスコイルと、少なくとも一端が第2貫通部内で給電回路に接合された第2インダクタンスコイルと、前記第1貫通部と第2貫通部との間を仕切る絶縁材の仕切壁と、を有している。
この発明の好ましい態様によれば、隣接した第1,第2貫通孔間における金属摩耗粉などによる電気的短絡の発生を抑制できる。
以下、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置を吸気弁側に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、排気弁側に適用することも可能である。
〔第1実施形態〕
図1は本発明に係るバルブタイミング制御装置の第1実施形態を示す縦断面図、図2は本実施形態における主要な構成部材を示す分解斜視図、図3は図1のA−A線断面である。
〔第1実施形態〕
図1は本発明に係るバルブタイミング制御装置の第1実施形態を示す縦断面図、図2は本実施形態における主要な構成部材を示す分解斜視図、図3は図1のA−A線断面である。
なお、バルブタイミング制御装置は、周知のように、自動車の燃費向上や排気エミッションを低減するために、吸気弁の開閉タイミングを可変にする装置である。
バルブタイミング制御装置は、図1及び図2に示すように、内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動する駆動回転体であるタイミングスプロケット1(以下、スプロケット1という。)と、シリンダヘッド01上に軸受02を介して回転自在に支持されて、スプロケット1に相対回転自在に設けられたカムシャフト2と、スプロケット1とカムシャフト2との間に配置されて、機関運転状態に応じて両者1,2の相対回転位相を変更する位相変更機構3と、該位相変更機構3の前端に配置された筐体であるカバー部材4と、を備えている。
スプロケット1は、全体が鉄系金属によって環状一体に形成されている。このスプロケット1は、外径が比較的小径状に形成されたスプロケット本体1aと、該スプロケット本体1aの外周に一体に設けられて、巻回された図外のタイミングチェーンを介してクランクシャフトからの回転力を受ける歯車部1bと、を備えている。
スプロケット本体1aは、前端側に内歯構成部5が一体に設けられている。この内歯構成部5は、後述する減速機構13の一部を構成するもので、スプロケット本体1aの前端部外周側に一体に設けられ、位相変更機構3の前方へ延出した円筒状に形成されている。また、内歯構成部5は、内周に波形状の複数の内歯5aが形成されている。この内歯構成部5の軸方向の外端面には、後述する電動モータ12のモータハウジング14が各ボルト7を介して軸方向から結合されている。
スプロケット1は、スプロケット本体1aとカムシャフト2の回転軸方向の一端部2aに固定された後述する従動回転体である従動部材9との間に、1つの大径ボールベアリング6が介装されている。この大径ボールベアリング6は、スプロケット1が前記従動部材9(カムシャフト2)に相対回転自在に軸受けするようになっている。
スプロケット本体1aの内歯構成部5と反対側の後端面には、保持プレート8が固定されている。この保持プレート8は、図1及び図2に示すように、金属板材によって円環状に形成され、外径がスプロケット本体1aの外径とほぼ同一に設定されている。また、保持プレート8は、中央に有する中央孔8aの内径が大径ボールベアリング6の外輪6aの内径よりも小さく形成されている。したがって、保持プレート8の内周部の内側面が、微小隙間を介して外輪6aの軸方向の他端面を軸方向から支持するようになっている。
保持プレート8の中央孔8aの内周縁所定位置には、該中央孔8aの中心軸方向に向かって突出したストッパ凸部8bが一体に設けられている。このストッパ凸部8bは、ほぼ逆台形状に形成されて、先端面8cが後述するアダプタ11のストッパ凹溝11cの円弧状内周面に沿った円弧状に形成されている。
内歯構成部5を含むスプロケット本体1a及び保持プレート8の各外周部には、複数(本実施形態では6本)のボルト7が挿通する6つのボルト挿通孔1c、8dが周方向のほぼ等間隔位置に貫通形成されている。
カムシャフト2は、外周に図外の吸気弁を開作動させる一気筒当たり2つの駆動カムを有している。また、カムシャフト2の回転軸方向の一端部2aには、アダプタ11を介して従動部材9がカムボルト10によって軸方向から共締め固定されている。なお、従動部材9とアダプタ11とによって従動回転体が構成されている。
従動部材9は、金属材である鉄系金属によって一体に形成されている。この従動部材9は、図1及び図2に示すように、後端側(カムシャフト2側)に有する円板状の固定端部9aと、この固定端部9aの内周前端面(カムシャフト2と反対側)から軸方向へ突出した円筒部9bと、を有している。
また、この従動部材9は、固定端部9aと円筒部9bの内部軸心方向にカムボルト10の軸部10bが挿通されるボルト挿通孔9cが貫通形成されている。
固定端部9aは、外側面がカムシャフト2の一端部2aの前端面側に対向配置されている。固定端部9aのカムシャフト2側の外側面中央位置には、アダプタ11の後述する凸状の内周部11bが嵌め込まれる嵌合溝9dが形成されている。
円筒部9bは、図1に示すように、外周面に後述する小径ボールベアリング35とニードルベアリング36が回転軸方向に沿って直列に設けられている。
カムボルト10は、図1に示すように、頭部10aの軸方向端面が小径ボールベアリング35の内輪を軸方向から支持している。また、軸部10bの先端部外周には、雄ねじ10cが形成されている。この雄ねじ10cが、カムシャフト2の一端部2aの前端面から内部軸方向に形成された雌ねじ2cに螺着するようになっている。
アダプタ11は、図1及び図2に示すように、一定の肉厚を有する円盤状の金属板をプレス成形によって縦断面ほぼクランク状に折曲形成されている。このアダプタ11は、フランジ状の外周部11aと、電動モータ12方向へ突出した有底円筒状の内周部11bと、を有している。
外周部11aは、外径が従動部材9の固定端部9aの外径よりも僅かに大きく形成されている。これによって、電動モータ12側の内側面の外周側が、大径ボールベアリング6の内輪6bの軸方向他端面に当接して軸方向外側への移動を規制するようになっている。
外周部11aの外周面には、保持プレート8のストッパ凸部8bが係入するストッパ凹溝11cが円周方向に沿って形成されている。このストッパ凹溝11cは、円周方向へ所定長さの円弧状に形成されている。ストッパ凹溝11cは、円弧長さ範囲で回動したストッパ凸部8bの両側面8e、8fが周方向のいずれかの対向縁にそれぞれ当接するようになっている。これによって、タイミングスプロケット1に対するカムシャフト2の最大進角側、あるいは最大遅角側の相対回転位置を機械的に規制するようになっている。
アダプタ11の内周部11bは、電動モータ12側に突出した有底円筒状の凸状に形成され、反対側の凹溝にカムシャフト2の一端部2aが回転軸方向から嵌合している。また、内周部11bの中央位置には、カムボルト10の軸部10bが挿通する挿通孔11dが貫通形成されている。
さらに内周部11bは、従動部材9の固定端部9aの嵌合溝9d内に軸方向から圧入によって嵌合されている。この嵌合した状態で、内周部11bの先端壁が、カムボルト10によってカムシャフト2の一端部2aと従動部材9の固定端部9aとの間に挟持状態に結合されている。
位相変更機構3は、従動部材9の円筒部9bの前端側に配置された電動モータ12と、該電動モータ12の回転速度を減速してカムシャフト2に伝達する減速機構13と、を備えている。
電動モータ12は、ブラシ付きのDCモータである。この電動モータ12は、図1及び図2に示すように、スプロケット1と一体に回転するモータハウジング14と、該モータハウジング14の内部に回転自在に設けられたモータ出力軸15と、モータハウジング14の内周面に固着された円弧状の4つの永久磁石16と、モータハウジング14の前端部に固定された給電プレート17と、を備えている。
モータハウジング14は、図1に示すように、鉄系金属材を有底円筒状に形成されて、外径がスプロケット本体1aの外径と同じく比較的小径に形成されている。また、モータハウジング14は、後端側に円板状の底壁としての隔壁14aが一体に形成されている。
隔壁14aは、ほぼ中央に有する円筒状の延出部の内周にモータ出力軸15及び偏心軸部37が挿通される大径な軸挿通孔14bが貫通形成されている。また、隔壁14aの外周部には、各ボルト挿通孔1c、8dと対応した位置に、6つの雌ねじ孔14cが周方向の等間隔位置に形成されている。
モータ出力軸15は、段差円筒状に形成されており、軸方向のほぼ中央位置に形成された段差部を介してカムシャフト2側の大径部15aと、カバー部材4側の小径部15bと、を備えている。大径部15aは、外周に鉄心ロータ18が固定されている。大径部15aの軸方向の後端面には、減速機構13の一部を構成する偏心軸部37が一体に結合されている。
一方、小径部15bは、外周に整流子であるコミュテータ20が固定されている。このコミュテータ20は、導電材によって円環状に形成されて、小径部15bの外周面に圧入された非導電性の円環部材20aの外周に設けられている。また、このコミュテータ20は、鉄心ロータ18の極数と同数に分割された各セグメントに後述のコイル19の引き出されたコイル線の端末が電気的に接続されている。
鉄心ロータ18は、複数の磁極を持つ磁性材によって形成され、外周側がコイル19のコイル線を巻回させるスロットを有するボビンとして構成されている。この鉄心ロータ18は、内周部がモータ出力軸15の段差部に当接して軸方向へ位置決めされつつ小径部15bの外周に固定されている。
各永久磁石16は、円周方向に所定隙間をもって配設されて全体が円筒状に形成され、円周方向に複数の磁極を有している。
給電プレート17は、図1及び図2に示すように、鉄系金属材からなる円盤状の金属プレート部17aと、該金属プレート部17aの前後両側面にモールドされた円板状の樹脂部17bと、を備えている。
金属プレート部17aは、樹脂部17bから露出した外周部がモータハウジング14の前端部内周に形成された円環状の凹溝にカシメによって位置決め固定されている。また、中央部には、モータ出力軸15の小径部15bなどが挿通される軸挿通孔17cが貫通形成されている。
給電プレート17は、銅製筒状の4つのブラシホルダ23a〜23dと、該各ブラシホルダ23a〜23dの内部に径方向に沿って摺動自在に収容配置された4つの切換用ブラシ25a〜25dと、樹脂部17bの前端部側にモールド固定され、径方向において内外二重の給電用スリップリング26a,26bと、該各スリップリング26a、26bと各切換用ブラシ25a、25bとを電気的に接続する図外のハーネスと、を有している。
各ブラシホルダ23a〜23dは、樹脂部17bの前端部に複数のリベットにより固定されている。
各切換用ブラシ25a〜25dは、コイルスプリング24a〜24dのばね力で円弧状の各先端面がコミュテータ20の外周面に径方向から弾接している。
各給電用スリップリング26a、26bは、導電材によってそれぞれ円環状に形成されて、互いに径方向の所定の隙間をもって内外二重に離間して配置されている。また、各給電用スリップリング26a、26bは、それぞれの内外周縁の円周方向のほぼ等間隔位置に複数形成された突片26c、26dが樹脂部17bにモールドされることによって固定されている。
モータ出力軸15と偏心軸部37は、カムボルト10の軸部10bの外周面に設けられた小径ボールベアリング35とニードルベアリング36とによって回転自在に支持されている。
ニードルベアリング36は、従動部材9の円筒部9bの外周面に設けられて小径ボールベアリング35の軸方向側部に配置されている。
大径部15aの外周面とモータハウジング14の延出部の内周面との間には、減速機構13の内部から電動モータ12内への潤滑油のリークを阻止する小径なオイルシール38が設けられている。このオイルシール38は、電動モータ12と減速機構13との間をシールしている。
図4は本実施形態のカバー部材4のキャップを外した状態の背面図である。
カバー部材4は、図2及び図4に示すように、ほぼ異形円盤状に形成され、給電プレート17の前端側に軸方向から対向して配置されている。このカバー部材4は、円板プレート状のカバー本体28と、該カバー本体28の前端部を覆う合成樹脂製のキャップ部29と、を有している。
カバー本体28は、絶縁材である主として比較的粘性の高いエポキシ系樹脂材によって形成されている。また、カバー本体28は、外径がモータハウジング14の外径より大きく形成されている。さらに、カバー本体28の内部には、金属製の芯金である補強プレート28aがモールド固定されている。
カバー本体28は、外周部の周方向4箇所に補強プレート28aの一部が露出した円弧突状のボス部28bを一体に有している。この各ボス部28bには、ボルト挿通孔28cがそれぞれ形成されている。
補強プレート28aは、導電性のアルミニウム合金材によってほぼ円盤状に一体に形成され、後述するグランド端子から通電されるようになっている。また、補強プレート28aは、ボルト挿通孔28cに挿通される図外の金属ボルトによってチェーンケース22を介して機関本体であるシリンダブロックに固定されている。このシリンダブロックは、電気的なグランドになっている。
カバー本体28は、各スリップリング26a、26bと軸方向から対向する位置に銅材からなる内外一対の四角筒状のブラシホルダ30a、30bが軸方向に沿って固定されている。該各ブラシホルダ30a、30bの内部には、一対の給電用ブラシ31a、31bが軸方向へ摺動自在に保持されている。
この各給電用ブラシ31a、31bは、断面四角形状の一般的なカーボンブラシであって、各ブラシホルダ30a、30bから突出した各先端面が各スリップリング26a、26bに摺接するようになっている。
また、各給電用ブラシ31a、31bは、各ブラシホルダ30a、30bを介して互いに周方向へ離間した位置に配置されている。
すなわち、一対のブラシホルダ30a、30b(一対の給電用ブラシ31a、31b)は、図2、図4に示すように、互いにカバー本体28の周方向で離間配置されていると共に、重力方向で重ならない位置に配置されている。
各給電用ブラシ31a、31bは、図外のコイルスプリングによって各スリップリング26a、26bの方向へ付勢されている。この各コイルスプリングは、各一端が各給電用ブラシ31a、31bの後端面に弾接している。一方、各コイルスプリングの各他端は、各ブラシホルダ30a、30bの後端部に一体に設けられた四角形板状のスプリングリテーナ30c、30dの内面に弾接している。
カバー本体28は、ほぼ中央位置に窓孔44が貫通形成されている。この窓孔44は、円形状に形成されて、後述する被検出部51の先端部51bが嵌入可能に形成されている。
また、この窓孔44のモータ出力軸15側の孔縁には、窓孔44の内径よりも大きな大径溝44aが形成されている。この大径溝44aは、カバー部材4を電動モータ12の前端側に組み付けた際に、被検出部51のフランジ部51cが嵌入する逃げ部として機能するようになっている。
さらに、カバー本体28は、図4に示すように、キャップ部29側の外端面のほぼ中央位置に矩形状の凹溝45が形成されている。また、凹溝45は、図4中の右側の側部に後述する電磁ノイズ抑制機構64の一対のインダクタンスコイル65a、65bを収容するための2つの凹溝45a、45bが形成されている。
さらに、カバー本体28の下端部には、図2及び図4に示すように、各給電用ブラシ31a、31bに図外のコントロールユニット(ECU)を介して電源バッテリーから電流を供給する給電用コネクタ33が一体に設けられている。また、カバー本体28の同じく下端部には、回転角度信号をECUに出力する信号用コネクタ34が給電用コネクタ33と並行かつ径方向に沿って突設されている。
カバー本体28の樹脂部の内部には、2つの給電用ブラシ31a、31bと給電用コネクタ33とを接続する導体である一対の第1、第2バスバー58,59が配設されている。
給電用ブラシ31a、31bや給電用コネクタ33及び第1、第2バスバー58,59によって給電回路が構成されている。
図5は本実施形態に供される電磁ノイズ抑制機構の一部を拡大して示す斜視図、図6は電磁ノイズ抑制機構64の一部を拡大して示す平面図であり、図7は図6のB−B線断面図である。
各バスバー58,59のそれぞれの途中には、図4〜図7に示すように、電磁ノイズ抑制機構64が設けられている。
各バスバー58,59は、各給電用ブラシ31a、31bと電磁ノイズ抑制機構64とを接続する一対の第1、第2ブラシ端子60、61と、電磁ノイズ抑制機構64と外部のバッテリー電源を接続する第1、第2電源端子62,63と、を有している。
第1、第2ブラシ端子60、61は、それぞれの両端部60a、61a、60b、61bが外部に露出している。また、この第1、第2ブラシ端子60、61は、各一端部60a、61aが各ピグテールハーネス46a、46bを介して第1、第2給電用ブラシ31a、31bの後端部に接続されている。一方、各他端部60b、61bは、各インダクタンスコイル65a、65bの後述する第1、第2巻線部68a、68bの軸方向の一端部の第1コイル端子68c、68d(接合部)にそれぞれ接合されている。
第1、第2電源端子62、63は、各一端部62a、63aが給電用コネクタ33の内部に並行に突設されて、ECU側の図外の雌コネクタ端子に接続されるようになっている。一方、各他端部62b、63bは、電磁ノイズ抑制機構64の下側に露出状態で並行に配置されている。また、この各他端部62b、63bは、後述する第1、第2巻線部68a、68bの軸方向の他端部である第2コイル端子68e、68f(接合部)に接合されている。
電磁ノイズ抑制機構64は、図4〜図7に示すように、通電されることによって周囲に磁場を発生させる2つの第1、第2インダクタンスコイル65a、65bと、容量性素子である2つの第1、第2コンデンサ66、66と、機関のグランドに電気的に接続された図外のグランド端子と、から構成されている。
第1、第2インダクタンスコイル65a、65aは、構造が同じで互換性を有している共に、2つの第2凹溝45a、45b内において所定の隙間をもって並行に配置されている。この両インダクタンスコイル65a,65bは、それぞれが磁性体である第1、第2鉄心67a、67bと、各鉄心67a、67bの外周に巻回された第1、第2巻線部68a、68bと、を有している。
また、この第1、第2インダクタンスコイル65a、65bは、各巻線部68a、68bの軸方向において互いにずれて配置されている。つまり、図4に示す左側の第1インダクタンスコイル65aが、第2インダクタンスコイル65bよりも給電用コネクタ33寄りに配置されて互いに所定量だけ軸方向へずれている。
第1、第2鉄心67a、67aは、所定長さの円柱状(棒状)に形成されて、一般的なケイ素鋼やフェライトなどが用いられている。
第1、第2巻線部68a、68bは、軸方向の一端から延びた一端部である第1コイル端子68c、68dと、軸方向の他端から延びた他端部である第2コイル端子68e、68fと、を有している。この第1、第2コイル端子68c、68d、68e、68fは、それぞれほぼ中央からL字形状に折曲形成されており、各巻線部68a,68bの軸方向に延びた基端部と、該基端部から横方向へほぼ直角に折曲された各先端部68g、68h、68i、68jと、を有している。各先端部68g〜68jは、各基端部から互いに向かい合う方向、つまり、各インダクタンスコイル65a、65bの方向へほぼ直角に折り曲げられている。
そして、各第1コイル端子68c、68dの各先端部68g、68hは、第1、第2ブラシ端子60、61の各他端部60b、61bの上面に対してほぼ直角方向、つまり直交する方向から当接して接合されている。
一方、各第2コイル端子68e、68fの各先端部68i、68jは、第1、第2電源端子62,63の各他端部62b、63bの上面に対して同じく直角方向、つまり直交する方向から当接して接合されている。これらの接合は、前述のように、それぞれが当接配置された状態で抵抗溶接法(スポット溶接法)によって行われる。なお、このスポット溶接法については後述する。
2つのコンデンサ66、66は、各インダクタンスコイル65a、65bとは離れて配置されていると共に、それぞれ別の位置に分かれて配置されている。つまり、一方のコンデンサ66は、図4に示すように、カバー本体28の図中左側の位置に配置されている。他方のコンデンサ66は、カバー本体28の図中上側の位置に配置されて、互いに重力方向で重ならない位置になっている。
また、各コンデンサ66、66は、本体の図4中の下部にそれぞれ2本のリード端子66a、66bが二股状に延びている。この各2本のリード端子66a、66bは、同じ長さに形成されている。図4中の左に位置する各一方のリード端子66a、66aは、第1、第2ブラシ端子60、61の途中部位に接合されて、各巻線部68a、68bの第1コイル端子68c、68dに電気的に接続されている。
したがって、第1、第2ブラシ端子60,61の他端部60b、61bは、各巻線部68a、68bの第1コイル端子68c、68dと各コンデンサ66の一方のリード端子66a、66aに半田づけや溶接などによって接続されている。
一方、図4に示す右側に位置する各他方のリード端子66b、66bは、各グランド端子に同じく半田づけや溶接などによって接合されている。
各グランド端子は、導電材である例えば銅材によって形成されて、カバー本体28の補強プレート28aとチェーンケース22を介してシリンダヘッド01に電気的に接続されている。
また、カバー本体28は、図4〜図7に示すように、各第1コイル端子68c、68dの各先端部68g、65hと第1、第2ブラシ端子60、61の各他端部60b、61bとの接合部位に、第1、第2貫通部である第1、第2貫通孔70、71がそれぞれ貫通形成されている。
さらに、各第2コイル端子68e、68fの各先端部68i、68jと第1、第2電源端子62,63の他端部62b、63bとの接合部位に、第1、第2貫通部である第1、第2貫通孔72,73がそれぞれ貫通形成されている。
この第1貫通孔70、72と第2貫通孔71、73は、スポット溶接における2つの電極のうち一つの電極を下側から挿入するためのものである。すなわち、一方の各第1、第2貫通孔70、71は、この各第1、第2貫通孔70、71内に配置されている各先端部68g、68hと他端部60b、61bを、同軸状に配置された2つの電極で外側(上下方向)から挟み込むためのものである。他方の各第1、第2貫通孔72、73も同じく、この第1、第2貫通孔72,73内に配置されている各先端部68i、68jと他端部62b、63bを、同軸状に配置された2つの電極で上下方向から挟み込むためのものである。
そして、カバー本体28は、各2つの第1、第2貫通孔70と71、並びに72と73の間を仕切る2つの第1、第2仕切壁74、75が一体に設けられている。
この第1、第2仕切壁74,75は、カバー本体28を例えば射出成形する際に、絶縁材である樹脂材によって一緒に成形されている。第1仕切壁74は、一方の2つの第1、第2貫通孔70、71の間、つまり、2つの先端部68g、68hと2つの他端部60b、61bとの各接合箇所の間に配置されている。第2仕切壁75は、2つの第1、第2貫通孔72、73の間、つまり、2つの先端部68i、68jと他端部62b、63bとの各接合箇所の間に配置されている。
第1、第2仕切壁74,75は、電動モータ12と反対側、つまり、キャップ部29方向へ突出して、その高さがカバー本体28の外側面の凹溝45など以外の一般面の高さに設定されている。また各仕切壁74,75は、図6にも示すように、その平面形状が各貫通孔70〜73の対向する内側周囲を囲むような異形状に形成されている。
すなわち、第1仕切壁74は、2つの第1、第2貫通孔70,71の近接する内側の各孔縁に沿った形状に形成されて、両貫通孔70,71の内側周囲を囲むように配置されている。一方、第2仕切壁75は、2つの第1、第2貫通孔72,73の近接する内側の各孔縁に沿った形状に形成されて、両貫通孔72,73の内側周囲を囲むように配置されている。
また、この第1仕切壁74と第2仕切壁75は、中央部74a、75aが両インダクタンスコイル65a、65bの軸方向のずれに対応して傾斜状にそれぞれ形成されている。つまり、それぞれ隣接する2つの第1、第2貫通孔70、71、並びに第1、第2貫通孔72、73は、インダクタンスコイル65a、65bの軸方向の位置ずれに伴って同じく軸方向へ位置がずれている。
したがって、図6に示すように、第1、第2貫通孔70〜73の位置ずれに対応して第1仕切壁74の中央部74aが、一方の鉄心67aの軸線Pに対して所定の角度θをもって傾斜状に形成されている。
第2仕切壁75も同じく、第1、第2貫通孔72、73の位置ずれに対応して第2仕切壁75の中央部75aが、他方の鉄心67aの軸線Pに対して所定の角度θをもって傾斜状に形成されている。
また、各仕切壁74,75は、各中央部74a、75aから第1、第2貫通孔70、71と第1、第2貫通孔72,73のそれぞれの対向内側縁から各鉄心67a、67aの各軸心P、Pに向かって突出した第1突出部74b、75bと第2突出部74c、75cとを有している。
したがって、第1仕切壁74は、隣接する第1、第2貫通孔70、7を対向する内周縁に沿って仕切っている。また、第2仕切壁75は、隣接する第1、第2貫通孔72と73を対向する内周縁に沿って仕切っている。
さらに、第1仕切壁74は、中央部74aの両側面に第1コイル端子68c、68dの各先端部68g、68hの各先端が入り込む2つの第1溝部76a、76bがそれぞれ形成されている。一方、第2仕切壁75も、中央部75aの両側面に第2コイル端子68e、68fの各先端部68i、68jの各先端が入り込む2つの第2溝部77a、77bがそれぞれ形成されている。
信号用コネクタ34は、図1に示すように、カバー本体28内に埋め込まれた各一端部34aの露出した3つの各端子片が後述する角度センサ50の集積回路56に電気的に接続されている。また、外部に露出した他端部34bが、コントロールユニット側の図外の雌コネクタ端子に接続されている。
キャップ部29は、円盤プレート状に形成されて、外周縁に有するフック状の係止凸部29aを介してカバー本体28の外周部側に有する環状突部内の係止溝28hに軸方向から係止固定されている。
減速機構13は、図1〜図3に示すように、偏心回転運動を行う偏心軸部37と、該偏心軸部37の外周に設けられた中径ボールベアリング39と、該中径ボールベアリング39の外周に設けられ、内歯構成部5の各内歯5a内に転動自在に保持されたローラ40と、該ローラ40を転動方向に保持しつつ径方向の移動を許容する保持器41と、該保持器41と一体の従動部材9と、から主として構成されている。
偏心軸部37は、モータ出力軸15の大径部15aに軸方向から一体に設けられた円筒状に形成されている。この偏心軸部37は、外周面に形成されたカム面37aの回転軸心Yがモータ出力軸15の回転軸心Xから径方向へ僅かに偏心している。
中径ボールベアリング39は、ニードルベアリング36の径方向位置で全体がほぼオーバーラップする状態に配置されている。この中径ボールベアリング39は、内輪39aと外輪39b及び該両輪39a、39bとの間に介装されたボール39cと、該ボール39cを保持する図外のケージと、から構成されている。
内輪39aは、偏心軸部37の外周面に圧入固定されているのに対して、外輪39bは、軸方向で固定されることなくフリーな状態になっている。つまり、この外輪39bは、軸方向の電動モータ12側の一端面がどの部位にも接触せず、また軸方向の他端面がこれに対向する保持器41の背面との間に形成された微小なクリアランスを介してフリーな状態になっている。
外輪39bは、外周面に各ローラ40の外周面が転動自在に当接している。また、この外輪39bは、外周面と保持器41のローラ保持部41bの内面との間に、円環状のクリアランスが形成されている。このクリアランスを介して中径ボールベアリング39全体が、偏心軸部37の偏心回転に伴って径方向へ偏心動可能になっている。
保持器41は、固定端部9aの外周部に一体に設けられて該固定端部9aの外周部前端から前方へ断面ほぼL字形状に折曲形成されている。保持器41は、固定端部9aの外周部前端側に径方向に沿って延出した円環状の基部41aと、該基部41aの外端からほぼ軸直角方向へ延出した円筒状のローラ保持部41bと、を備えている。
ローラ保持部41bは、周方向のほぼ等間隔位置に複数のローラ40をそれぞれ転動自在に保持するほぼ長方形状の複数のローラ保持孔41cが形成されている。このローラ保持孔41cは、先端部側が閉塞されて前後方向に細長い長方形状に形成され、その全体の数(ローラ40の数)が内歯構成部5の内歯5aの全体の歯数よりも少なくなっており、これによって、所定の減速比を得るようになっている。
各ローラ40は、鉄系金属によって形成され、中径ボールベアリング39の偏心動に伴って径方向へ移動しつつ内歯構成部5の内歯5aに嵌入する。また、各ローラ40は、保持器41のローラ保持孔41cの両側縁によって周方向にガイドされつつ径方向へ揺動運動するようになっている。
チェーンケース22は、例えばアルミニウム合金材によって一体に形成されている。このチェーンケース22は、図1に示すように、シリンダヘッド01と図外のシリンダブロックの前端側に図外のタイミングチェーン全体を覆うように図中、上下方向に沿って配置固定されている。このチェーンケース22とモータハウジング14との間には、チェーンケース22の内周面とモータハウジング14の外周面との間をシールするオイルシール42が介装されている。
モータ出力軸15の小径部15bとカバー本体28との間には、モータ出力軸15の回転角度位置を検出する回転角検出機構である角度センサ50が設けられている。
この角度センサ50は、電磁誘導型であって、図1及び図2に示すように、モータ出力軸15の小径部15b内に固定された被検出部51と、カバー本体28のほぼ中央位置に固定されて、被検出部51からの検出信号を受信する検出部52と、から構成されている。
被検出部51は、合成樹脂材からなるほぼ有底円筒状の支持部51aと、該支持部51aの軸方向の先端部51bの先端面に固定された3つの被検出ロータ53aと、を有している。また、この被検出部51は、支持部51aの後端部外周にフランジ部51cが一体に設けられている。
支持部51aは、フランジ部51cよりも後端側の軸方向のほぼ中央位置の外周に形成された環状シール溝にオイルシール54が嵌着固定されている。このオイルシール54によって、小径部15bの内周面と先端部51b側との間がシールされるようになっている。
各被検出ロータ53aは、励起導体によって形成されて、先端部51bの先端面にオーム形状の3つの部位が円周方向の120°位置に先端部51bの前端面から露出した状態で固定されている。
フランジ部51cは、支持部51aと同じく絶縁材の合成樹脂材によって一体に形成されている。このフランジ部51cは、支持部51aが小径部15bの内部に最大に挿入された際に、小径部15bの先端縁に軸方向から当接してそれ以上の挿入を規制するようになっている。
また、支持部51aは、先端部51bの一部が、カバー本体28の窓孔44内に挿入配置されている。これによって、被検出ロータ53が、窓孔44を介して後述するプリント基板55の受信コイル57aと励磁コイル57bに軸方向から微少クリアランスを介して対向配置されている。
検出部52は、図4に示すように、カバー本体28の凹溝45の内部に収容固定されたプリント基板55と、該プリント基板55の長手方向の一端部外面に設けられた3つの集積回路(ASIC)56と、該集積回路56と同じ外面の他端部側に設けられた受信コイル57a及び励磁コイル57bと、を備えている。
プリント基板55は、集積回路56側の中央位置の3箇所で突起部や孔によって位置決めされながら凹溝45の底面に接着剤などによって固定されている。
プリント基板55の受信、励磁コイル57a、57bは、窓孔44を介して被検出ロータ53と軸方向から微小クリアランスを介して直接的に対峙している。
検出部52は、被検出ロータ53と受信コイル57aとの間のインダクタンスの変化を検出してモータ出力軸15の回転角度を集積回路56が検出するようになっている。集積回路56は、モータ出力軸15の回転角度位置の情報信号を図外のコントロールユニット(ECU)に出力するようになっている。
ECUは、図外のクランク角センサやエアーフローメータ、水温センサ、アクセル開度センサ、さらに角度センサ50など各種のセンサ類からの情報信号に基づいて現在の機関運転状態を検出し、これに基づいて機関制御を行う。またECUは、給電用ブラシ31a、31bや各スリップリング26a,26b、切換用ブラシ25a、25b、コミュテータ20などを介してコイル19に通電してモータ出力軸15の回転制御を行う。これによって、減速機構13を介してカムシャフト2のタイミングスプロケット1に対する相対回転位相を制御するようになっている。
〔バルブタイミング制御装置の作動〕
以下、本実施形態におけるバルブタイミング制御装置の作動について簡単に説明する。
〔バルブタイミング制御装置の作動〕
以下、本実施形態におけるバルブタイミング制御装置の作動について簡単に説明する。
まず、機関のクランクシャフトの回転駆動に伴ってタイミングチェーンを介してタイミングスプロケット1が回転し、その回転力が内歯構成部5を介してモータハウジング14に伝達されて同期回転する。一方、内歯構成部5の回転力が、各ローラ40から保持器41及び従動部材9を経由してカムシャフト2に伝達される。これによって、カムシャフト2のカムが吸気弁を開閉作動させる。
機関始動後の所定の機関運転時には、ECUからの制御電流が、給電用ブラシ31a、31bや各スリップリング26a,26bなどを介してコイル19に通電されてモータ出力軸15が回転駆動される。このモータ出力軸15の回転力が、減速機構13を介してカムシャフト2に対し減速された回転力が伝達される。
これにより、カムシャフト2がタイミングスプロケット1に対して正逆相対回転して相対回転位相が変換される。よって、吸気弁の開閉タイミングを進角側あるいは遅角側に変換制御するのである。このように、吸気弁の開閉タイミングが進角側あるいは遅角側へ最大に変換されて、機関の燃費や出力の向上が図れる。
そして、本実施形態では、カバー本体28に第1、第2貫通孔70,71、72,73を利用して、各コイル端子68c〜68fの各先端部68g〜68jと各ブラシ端子60〜63の他端部60b〜63bをスポット溶接によって強固な接合(ロバスト性)を確保することができる。
また、このスポット溶接に代えてTig溶接を用いた場合は、溶接部を正確にセットする必要があるが、本実施形態のスポット溶接では単に部品間を接触させるだけで良い。したがって、セット時のサイクルタイム、つまりセット作業能率の向上が図れる。
ところが、前述したスポット溶接を行うために4つの第1、第2貫通孔70〜73を形成したことによって、以下の技術的課題が発生し易くなる。
各給電用ブラシ31a、31bと各スリップリング26a、26bとの摺動時に発生するカーボンや金属摩耗粉などが、各貫通孔70〜73内に浸入して各コイル端子68c〜68fの各先端部68g〜68jと各ブラシ端子60〜63の他端部60b〜63bとの接合箇所やその周辺に付着し易くなる。
つまり、例えば第1、第2貫通孔70、71内に浸入した金属摩耗粉が、第1コイル端子68c、68dとブラシ端子60,61の他端部60b、61bとの接合部位に付着して堆積する。
そうすると、両貫通孔70,71間の例えば両第1コイル端子68c、68d間が電気的に接続(短絡)されてしまうおそれがある。また、他の第1、第2貫通孔72,73内の第2コイル端子68e、68f側も同じである。
この結果、各電磁ノイズ抑制機構64が、正常に機能しなくなるか、場合によっては機能が停止してしまうおそれある。
そこで、本実施形態では、第1、第2貫通孔70,71の間に第1仕切壁74を、他の第1、第2貫通孔72,73の間に第2仕切壁75をそれぞれ設けた。この各仕切壁74,75によって、一方の第1、第2貫通孔70、71と他方の第1、第2貫通孔72、73の間がそれぞれ仕切られている。
このため、前記金属摩耗粉が、各貫通孔70〜73内に浸入して、それぞれの貫通孔70〜73内に臨む各端子に付着、堆積しても、この金属摩耗粉はそれぞれの貫通孔70〜73内に留まるだけで拡散することがない。したがって、第1コイル端子68c、68dとブラシ端子60,61や、第2コイル端子68e、68fと電源端子62,63との電気的な短絡の発生を十分に抑制できる。
この結果、電磁ノイズ抑制機構64の正常な状態が維持されると共に、この機能の低下を抑制できる。
なお、第1、第2仕切壁74,75の高さは、それぞれ先端部68g、68hの間及び先端部68i、68jの間を仕切る高さに設定されている。換言すれば、仕切壁74,75の貫通孔70〜73の貫通方向において先端部68g〜68jと重なるようになっている。
また、第1仕切壁74と第2仕切壁75は、それぞれの中央部74a、75aが傾斜状に形成されている。このため、各仕切壁74,75は、傾斜状に形成された分、壁の肉厚を大きく取ることが可能になる。これによって、第1、第2貫通孔70、71の間、並びに第1、第2貫通孔72、73の間の仕切り効果が大きくなる。よって、前述の電気的短絡をさらに抑制することが可能になる。
しかも、本実施形態では、各コイル端子68c〜68fの各先端部68g〜68jを、各ブラシ端子60〜63の他端部60b〜63bに対してほぼ直交する方向で重なり合うように配置した。このため、これらの接触面積が小さくなることから、スポット溶接の溶接効率が高くなって強固な接合状態が得られる。
また、第1インダクタンスコイル65aと第2インダクタンスコイル65aの位置を軸方向へずらしたことから、各第1、第2貫通孔70〜73のそれぞれの開口面積を大きく取ることができる。これによって、スポット溶接作業が容易になり溶接作業能率の向上が図れる。
また、第1インダクタンスコイル65aと第2インダクタンスコイル65bの構造が同一になっており、両者間で互換性を有することから、製造コストの低減化が図れる。
さらに、各インダクタンスコイル65a、65bを各第2凹溝45a、45b内に組み込む際に、各第1、第2コイル端子68c〜68fの各先端部68g〜68jの各先端を、各第1溝部76a〜77bに入れる。このため、各インダクタンスコイル65a、65bの位置決めが容易になる。また、各コイル端子68c〜68fの先端部68g〜68jと各ブラシ端子60〜63の他端部60b〜63bの当接位置決めも容易になる。したがって、各インダクタンスコイル65a、65bの組付作業が容易になる。また、各コイル端子68c〜68fの先端部68g〜68jが互いに最も近くなる部分を仕切ることができるので、小型化を達成しつつ電気的短絡を抑制することが可能になる。さらには、各第1溝部76a〜77bが仕切壁74,75を貫通せずに底部を有することから、仕切壁74,75の強度を確保しつつ短絡を抑制することが可能になる。
さらに、第1、第2仕切壁74,75の中央部74a、75aが、傾斜状に配置されていることから、前述した金属摩耗粉が各仕切壁74,75の外面を滑り落ちて自然落下する。したがって、各仕切壁74,75への金属摩耗粉の付着を抑制することができる。
さらに、各仕切壁74,75を、カバー本体28の樹脂成形時に一緒に形成できることから、カバー本体28と別体に設けた場合に比較して製造コストの低減化が図れる。
また、2つの給電用ブラシ31a、31bは、それぞれが保持されるブラシホルダ30a、30bを介してカバー本体28に対して互いに円周方向へ大きく離間した位置に設けられている。
このため、摺動より発生した前記金属摩耗粉などが、各給電用ブラシ31a、31bの各一側面31c、31dの周囲に付着したとしても、これら両方の摩耗粉の接触を十分に回避することができる。これによって、両給電用ブラシ31a、31b間の電気的な短絡の発生も抑制することができる。
特に、各給電用ブラシ31a、31bは、重力方向には重なることなく互いに十分に周方向へ離れた位置に配置されている。このため、例えば機関停止時において上側の給電用ブラシ31bに付着して溜まった摩耗粉が仮に落下したとしても、この摩耗粉が下側にある給電用ブラシ31aに掛かることがない。したがって、各摩耗粉の接触をこの点でも抑制することができる。
〔第2実施形態〕
図8及び図9は第2実施形態を示し、各インダクタンスコイル65a、65bやこれらの位置が軸方向にずれていることなどの基本構造は、第1実施形態と同じである。異なるところは、第1仕切壁と第2仕切壁の構造を変更したものである。
〔第2実施形態〕
図8及び図9は第2実施形態を示し、各インダクタンスコイル65a、65bやこれらの位置が軸方向にずれていることなどの基本構造は、第1実施形態と同じである。異なるところは、第1仕切壁と第2仕切壁の構造を変更したものである。
すなわち、第1仕切壁84と第2仕切壁85は、2つのインダクタンスコイル65a、65bの間に配置されて、互いに両インダクタンスコイル65a、65bの軸方向に沿って細長い板状に形成されている。また、両仕切壁84,85は、キャップ部29側に突出した突出量(高さ)がカバー本体28の樹脂部の一般部の高さよりも高く形成されている。また、この両仕切壁84,85は、それぞれの位置が各インダクタンスコイル65a、65bの軸方向のずれに対応して互いに軸方向(長手方向)へずれている。
第1仕切壁84は、長手方向の一端部84aが第1、第2貫通孔70、71の間に配置されて、図9に示す右上側に位置する第2貫通孔71の側部まで延びている。一方、他端部84bは、一端部84aとの結合部位84cから第2インダクタンスコイル65bの鉄心67bの下側の第2貫通孔73側の端部付近まで延びている。
また、結合部位82cは、一方の第1、第2貫通孔70、71の軸方向の位置ずれに合わせてクランク状(傾斜状)に折曲されている。つまり、一方の第1、第2貫通孔70、71の対向する内周縁に沿ってクランク状に折曲形成されている。
第2仕切壁85は、長手方向の一端部85aがカバー本体28の外周部に結合されている。また、この一端部85aは、第1、第2貫通孔72、73の間に配置されて、図9に示す左下側に位置する第1貫通孔72の側部まで延びている。一方、他端部85bは、一端部85aとの結合部位85cから第1インダクタンスコイル65aの鉄心67aの第1貫通孔70側の端部付近まで延びている。
また、結合部位85cは、他方の第1、第2貫通孔72、73の軸方向の位置ずれに合わせてクランク状(傾斜状)に折曲されている。つまり、第1、第2貫通孔72、73の対向する内周縁に沿ってクランク状に折曲形成されている。
したがって、この実施形態によれば、第1実施形態と同じく、第1、第2仕切壁84,85によって互いに隣接する一方の第1、第2貫通孔70、71、並びに他方の第1、第2貫通孔72、73との間が仕切られている。このため、各貫通孔70〜73内に金属摩耗粉が浸入したとしても、この金属摩耗粉などが付着した第1コイル端子68c、68dとブラシ端子60,61の他端部60b、61bや、第2コイル端子68e、68fと電源端子62,63の他端部62b、63bとの電気的な短絡の発生が十分に阻止できる。この結果、電磁ノイズ抑制機構64の機能の低下を抑制できる。
特に、第1仕切壁84と第2仕切壁85が、各インダクタンスコイル65a、65bの軸方向に沿って長く配置されていることから、各貫通孔70〜73との仕切り効果(遮断効果)が大きくなる。このため、各貫通孔70〜73間の金属摩耗粉の相互流動や堆積による導通を十分に抑制することが可能になる。
また、各結合部位84c、85cが、各貫通孔70〜73の対向内周縁に倣ってクランク状に折曲形成されていることから、隣接する各貫通孔70と71、72と73との仕切り効果(遮断効果)がさらに大きくなる。
さらに、第1、第2仕切壁84,85は、その突出量がカバー本体28の一般部の高さよりも大きくなっている。このため、カバー本体28にキャップ部29を被せた際に、各仕切壁84,85の突出面にキャップ部29の内面が当接する状態になる。したがって、各仕切壁84,85による各貫通孔70〜73の仕切り効果が一層大きくなり、金属摩耗粉の相互流動や堆積による導通をさらに抑制することが可能になる。
他は、第1実施形態と同様な作用効果が得られる。
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、各仕切壁の構造をさらに変更することも可能である。
さらに、駆動回転体としては、タイミングスプロケットに代えてタイミングプーリとすることも可能である。
以上説明した実施形態に基づく内燃機関のバルブタイミング制御装置としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
本発明における好ましい態様としては、筐体に配置されたブラシを、電動モータに配置されたスリップリングに摺接させることによって前記電動モータを回転させて、クランクシャフトとカムシャフトの相対回転位相を変更する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記電動モータへの給電回路が配置された前記筐体と、
前記筐体の壁部を貫通する2つの第1貫通部及び第2貫通部と、
前記給電回路中に配置された電磁ノイズ抑制機構であって、
少なくとも一端が前記第1貫通部内で前記給電回路に接合された前記第1インダクタンスコイルと、少なくとも一端が前記第2貫通部内で前記給電回路に接合された第2インダクタンスコイルと、前記第1貫通部と第2貫通部との間を仕切る絶縁材の仕切壁と、を有する電磁ノイズ抑制機構と、
を備えている。
前記電動モータへの給電回路が配置された前記筐体と、
前記筐体の壁部を貫通する2つの第1貫通部及び第2貫通部と、
前記給電回路中に配置された電磁ノイズ抑制機構であって、
少なくとも一端が前記第1貫通部内で前記給電回路に接合された前記第1インダクタンスコイルと、少なくとも一端が前記第2貫通部内で前記給電回路に接合された第2インダクタンスコイルと、前記第1貫通部と第2貫通部との間を仕切る絶縁材の仕切壁と、を有する電磁ノイズ抑制機構と、
を備えている。
さらに好ましくは、前記第1インダクタンスコイルと第2インダクタンスコイルは、それぞれの第1、第2巻線部の軸方向において互いにずれて配置されている。
さらに好ましくは、前記第1インダクタンスコイルは、前記第1巻線部の一端部から延びた先端部が第2インダクタンスコイルに向かって前記第1巻線部の軸方向に対して直角方向に折曲している第1コイル端子を有し、
前記第2インダクタンスコイルは、前記第2巻線部の一端部から延びた先端部が第1インダクタンスコイルに向かって前記第2巻線部の軸方向に対して直角方向に折曲している第1コイル端子を有し、
前記各第1コイル端子は、前記第1インダクタンスコイルと第2インダクタンスコイルの軸方向のずれに伴って前記各巻線部の軸方向へずれて配置されている。
前記第2インダクタンスコイルは、前記第2巻線部の一端部から延びた先端部が第1インダクタンスコイルに向かって前記第2巻線部の軸方向に対して直角方向に折曲している第1コイル端子を有し、
前記各第1コイル端子は、前記第1インダクタンスコイルと第2インダクタンスコイルの軸方向のずれに伴って前記各巻線部の軸方向へずれて配置されている。
さらに好ましくは、前記仕切壁は、前記第1インダクタンスコイルの第1コイル端子の先端部と第2インダクタンスコイルの第1コイル端子の先端部との間の部位が、前記第1、第2コイル端子の軸方向のずれにしたがって傾斜状に形成されている。
別の好ましい態様としては、クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、カムシャフトに固定される従動回転体と、前記駆動回転体に一体に設けられ、前記駆動回転体に対して前記従動回転体を相対回転させる電動モータと、前記電動モータに対向して配置されるカバー部材と、前記電動モータに配置される第1スリップリング及び第2スリップリングと、前記カバー部材に配置され、前記第1、第2スリップリングにそれぞれ接触する第1給電用ブラシ及び第2給電用ブラシと、
前記カバー部材に配置され、外部の電力供給源と接続可能な第1電源端子及び第2電源端子と、前記カバー部材に配置され、前記第1,第2給電用ブラシにそれぞれ接続された第1ブラシ端子及び第2ブラシ端子と、前記カバー部材の前記電動モータと反対側の側面に配置され、前記第1電源端子と第1ブラシ端子に両端がそれぞれ接合された第1接合部と第2接合部を有する第1インダクタンスコイルと、前記カバー部材の前記電動モータと反対側の側面に配置され、前記第2電源端子と第2ブラシ端子に両端がそれぞれ接合された第1接合部と第2接合部を有する第2インダクタンスコイルと、前記カバー部材に形成され、前記第1、第2インダクタンスコイルの前記各第1、第2接合部のうちの隣接する2つの第1接合部及び2つの第2接合部がそれぞれ配置され、前記カバー部材の前記電動モータの回転軸方向に沿って貫通した第1貫通部及び第2貫通部と、前記カバー部材に設けられ、前記第1,第2貫通部との間を仕切る仕切壁と、を備えている。
前記カバー部材に配置され、外部の電力供給源と接続可能な第1電源端子及び第2電源端子と、前記カバー部材に配置され、前記第1,第2給電用ブラシにそれぞれ接続された第1ブラシ端子及び第2ブラシ端子と、前記カバー部材の前記電動モータと反対側の側面に配置され、前記第1電源端子と第1ブラシ端子に両端がそれぞれ接合された第1接合部と第2接合部を有する第1インダクタンスコイルと、前記カバー部材の前記電動モータと反対側の側面に配置され、前記第2電源端子と第2ブラシ端子に両端がそれぞれ接合された第1接合部と第2接合部を有する第2インダクタンスコイルと、前記カバー部材に形成され、前記第1、第2インダクタンスコイルの前記各第1、第2接合部のうちの隣接する2つの第1接合部及び2つの第2接合部がそれぞれ配置され、前記カバー部材の前記電動モータの回転軸方向に沿って貫通した第1貫通部及び第2貫通部と、前記カバー部材に設けられ、前記第1,第2貫通部との間を仕切る仕切壁と、を備えている。
さらに好ましくは、前記第1インダクタンスコイルは、第1巻線部の軸方向の一端から延びた先端部が第2インダクタンスコイルに向かって前記第1巻線部の軸方向に対して直角方向に折曲されて、前記第1貫通部の位置で前記第1ブラシ端子に接合している第1接合部である第1コイル端子を有し、前記第2インダクタンスコイルは、第2巻線部の軸方向の一端から延びた先端部が第1インダクタンスコイルに向かって前記第2巻線部の軸方向に対して直角方向に折曲されて前記第2貫通部の位置で前記第第1ブラシ端子に接合している第2接合部である第1コイル端子を有し、前記第1インダクタンスコイルと第2インダクタンスコイルの位置が前記各巻線部の軸方向にずれており、これに伴って前記第1インダクタンスコイルの第1コイル端子と前記第2インダクタンスコイルの第1コイル端子の位置、並びに第1貫通部と第2貫通部の位置が前記各巻線部の軸方向にずれている。
さらに好ましくは、前記仕切壁は、第1貫通部と第2貫通部との位置ずれに対応して前記両第1コイル端子の両先端部間の部位が傾斜状に形成されている。
さらに好ましくは、前記カバー部材は、前記電動モータの回転軸方向に沿って貫通した第1貫通部と第2貫通部と、この第1貫通部と第2貫通部の間を仕切る第2仕切壁と、を有し、前記第1インダクタンスコイルは、第1巻線部の軸方向の他端から延びた先端部が、第2インダクタンスコイルに向かって前記第1巻線部の軸方向に対して直角方向に折曲されて前記第1貫通部の位置で前記第1電源端子に接合される第2コイル端子を有し、前記第2インダクタンスコイルは、巻線部の軸方向の他端から延びた先端部が第1インダクタンスコイルに向かって前記巻線部の軸方向に対して直角方向に折曲されて前記第2貫通部の位置で前記第1電源端子に接合している第2コイル端子を有し、前記第1インダクタンスコイルの第2コイル端子と第2インダクタンスコイルの第2コイル端子の位置、並びに第1貫通部と第2貫通部の位置が前記各巻線部の軸方向にずれている。
さらに好ましくは、前記第2仕切壁は、第1貫通部と第2貫通部との位置ずれに対応して前記各第2コイル端子の各先端部の間の部位が傾斜状に形成されている。
さらに好ましくは、前記第1インダクタンスコイルと第2インダクタンスコイルのそれぞれの第1、第2巻線部は、軸方向に対して並列に配置されていると共に、その位置が軸方向にずれている。
さらに好ましくは、前記第1仕切壁は、前記各第1コイル端子の各先端部が入る第1溝部と第2溝部を有している。
さらに好ましくは、前記第2仕切壁は、前記各第2コイル端子の各先端部が入る第1溝部と第2溝部を有している。
さらに好ましくは、前記仕切壁は、前記カバー部材のカバー本体の外側面から前記電動モータと反対方向へ突出している。
さらに好ましくは、前記カバー部材は、樹脂材によって一体に形成され、前記仕切壁は、樹脂材によって前記カバー部材と一体に設けられている。
1…タイミングスプロケット(駆動回転体)、2…カムシャフト、3…位相変更機構、4…カバー部材(筐体)、5…内歯構成部、8…電動モータ、9…従動部材(従動回転体)、13…減速機構、15…モータ出力軸、26a、26b…スリップリング、28…カバー本体、30a、30b…ブラシホルダ、31a、31b…給電用ブラシ、33…給電用コネクタ、60、61…第1、第2ブラシ端子、62,63…第1、第2電源端子、64…電磁ノイズ抑制機構、65a、65b…第1、第2インダクタンスコイル、67a、67b…第1、第2鉄心(磁性体)、68a、68b…第1、第2巻線部、68c、68d…第1コイル端子(接合部)、68e、68f…第2コイル端子(接合部)、68g〜68j…先端部、70、72…第1貫通孔(第1貫通部)、71、73…第2貫通孔(第2貫通部)、74・84…第1仕切壁、75・85…第2仕切壁、76a、77a…第1溝部、76b、77b…第2溝部。
Claims (14)
- 筐体に配置されたブラシを、電動モータに配置されたスリップリングに摺接させることによって前記電動モータを回転させて、クランクシャフトとカムシャフトの相対回転位相を変更する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
前記電動モータへの給電回路が配置された前記筐体と、
前記筐体の壁部を貫通する2つの第1貫通部及び第2貫通部と、
前記給電回路中に配置された電磁ノイズ抑制機構であって、
少なくとも一端が前記第1貫通部内で前記給電回路に接合された前記第1インダクタンスコイルと、少なくとも一端が前記第2貫通部内で前記給電回路に接合された第2インダクタンスコイルと、前記第1貫通部と第2貫通部との間を仕切る絶縁材の仕切壁と、を有する電磁ノイズ抑制機構と、
を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記第1インダクタンスコイルと第2インダクタンスコイルは、それぞれの第1、第2巻線部の軸方向において互いにずれて配置されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記第1インダクタンスコイルは、前記第1巻線部の一端部から延びた先端部が第2インダクタンスコイルに向かって前記第1巻線部の軸方向に対して直角方向に折曲している第1コイル端子を有し、
前記第2インダクタンスコイルは、前記第2巻線部の一端部から延びた先端部が第1インダクタンスコイルに向かって前記第2巻線部の軸方向に対して直角方向に折曲している第1コイル端子を有し、
前記各第1コイル端子は、前記第1インダクタンスコイルと第2インダクタンスコイルの軸方向のずれに伴って前記各巻線部の軸方向へずれて配置されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項3に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記仕切壁は、前記第1インダクタンスコイルの第1コイル端子の先端部と第2インダクタンスコイルの第1コイル端子の先端部との間の部位が、前記第1、第2コイル端子の軸方向のずれにしたがって傾斜状に形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、
カムシャフトに固定される従動回転体と、
前記駆動回転体に一体に設けられ、前記駆動回転体に対して前記従動回転体を相対回転させる電動モータと、
前記電動モータに対向して配置されるカバー部材と、
前記電動モータに配置される第1スリップリング及び第2スリップリングと、
前記カバー部材に配置され、前記第1、第2スリップリングにそれぞれ接触する第1給電用ブラシ及び第2給電用ブラシと、
前記カバー部材に配置され、外部の電力供給源と接続可能な第1電源端子及び第2電源端子と、
前記カバー部材に配置され、前記第1,第2給電用ブラシにそれぞれ接続された第1ブラシ端子及び第2ブラシ端子と、
前記カバー部材の前記電動モータと反対側の側面に配置され、前記第1電源端子と第1ブラシ端子に両端がそれぞれ接合された第1接合部と第2接合部を有する第1インダクタンスコイルと、
前記カバー部材の前記電動モータと反対側の側面に配置され、前記第2電源端子と第2ブラシ端子に両端がそれぞれ接合された第1接合部と第2接合部を有する第2インダクタンスコイルと、
前記カバー部材に形成され、前記第1、第2インダクタンスコイルの前記各第1、第2接合部のうちの隣接する2つの第1接合部及び2つの第2接合部がそれぞれ配置され、前記カバー部材の前記電動モータの回転軸方向に沿って貫通した第1貫通部及び第2貫通部と、
前記カバー部材に設けられ、前記第1,第2貫通部との間を仕切る絶縁材の仕切壁と、を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項5に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記第1インダクタンスコイルは、第1巻線部の軸方向の一端から延びた先端部が第2インダクタンスコイルに向かって前記第1巻線部の軸方向に対して直角方向に折曲されて、前記第1貫通部の位置で前記第1ブラシ端子に接合している第1接合部である第1コイル端子を有し、
前記第2インダクタンスコイルは、第2巻線部の軸方向の一端から延びた先端部が第1インダクタンスコイルに向かって前記第2巻線部の軸方向に対して直角方向に折曲されて前記第2貫通部の位置で前記第第1ブラシ端子に接合している第2接合部である第1コイル端子を有し、
前記第1インダクタンスコイルと第2インダクタンスコイルの位置が前記各巻線部の軸方向にずれており、これに伴って前記第1インダクタンスコイルの第1コイル端子と前記第2インダクタンスコイルの第1コイル端子の位置、並びに第1貫通部と第2貫通部の位置が前記各巻線部の軸方向にずれていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項6に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記仕切壁は、第1貫通部と第2貫通部との位置ずれに対応して前記両第1コイル端子の両先端部間の部位が傾斜状に形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項7に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記カバー部材は、前記電動モータの回転軸方向に沿って貫通した第1貫通部と第2貫通部と、この第1貫通部と第2貫通部の間を仕切る第2仕切壁と、を有し、
前記第1インダクタンスコイルは、第1巻線部の軸方向の他端から延びた先端部が、第2インダクタンスコイルに向かって前記第1巻線部の軸方向に対して直角方向に折曲されて前記第1貫通部の位置で前記第1電源端子に接合される第2コイル端子を有し、
前記第2インダクタンスコイルは、巻線部の軸方向の他端から延びた先端部が第1インダクタンスコイルに向かって前記巻線部の軸方向に対して直角方向に折曲されて前記第2貫通部の位置で前記第1電源端子に接合している第2コイル端子を有し、
前記第1インダクタンスコイルの第2コイル端子と第2インダクタンスコイルの第2コイル端子の位置、並びに第1貫通部と第2貫通部の位置が前記各巻線部の軸方向にずれていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項8に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記第2仕切壁は、第1貫通部と第2貫通部との位置ずれに対応して前記各第2コイル端子の各先端部の間の部位が傾斜状に形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項6に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記第1インダクタンスコイルと第2インダクタンスコイルのそれぞれの第1、第2巻線部は、軸方向に対して並列に配置されていると共に、その位置が軸方向にずれていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項6に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記第1仕切壁は、前記各第1コイル端子の各先端部が入る第1溝部と第2溝部を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項8に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記第2仕切壁は、前記各第2コイル端子の各先端部が入る第1溝部と第2溝部を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項5に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記仕切壁は、前記カバー部材のカバー本体の外側面から前記電動モータと反対方向へ突出していることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 請求項5に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記カバー部材は、樹脂材によって一体に形成され、
前記仕切壁は、樹脂材によって前記カバー部材と一体に設けられていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2018009292A JP2019127873A (ja) | 2018-01-24 | 2018-01-24 | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
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JP2018009292A JP2019127873A (ja) | 2018-01-24 | 2018-01-24 | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
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JP2018009292A Pending JP2019127873A (ja) | 2018-01-24 | 2018-01-24 | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
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-
2018
- 2018-01-24 JP JP2018009292A patent/JP2019127873A/ja active Pending
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