JP2019127659A - 乾式清掃用シート - Google Patents

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拓世 江▲崎▼
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圭司 海法
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雄介 木下
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Abstract

【課題】伸縮性及び耐久性に優れ、乾いた床面等に付着した毛髪や埃等の捕集性能が高い乾式清掃用シートを提供する。【解決手段】潜在捲縮複合ポリエステル繊維のみで構成される不織布からなる清掃用シートであって、前記不織布は、単繊維繊度が1〜15dtexの少なくとも2種類の繊度、捲縮発現力および捲縮度数比の異なるポリエステル繊維を混綿してなるものであることを特徴とする乾式清掃用シート。【選択図】図1

Description

本発明は、乾式清掃用シートに関するものであり、さらに詳しくは、本発明は、家庭用または業務用として使用され、特にフローリング床面に対して優れた拭き取り性能を有する清掃用シートに関するものである。
従来、清掃用シートとしては、織布、紙および不織布等を基材とし、界面活性剤等を付着させたウェットクロス、または、鉱物油等の油状成分を付着させた化学雑巾、更には粘着剤等を利用した粘着シート等が知られており、それぞれ適した清掃用途において広く使用されてきた。
特に近年、家庭用または業務用としてフローリング床の清掃利用が増大してきているが、フローリング床においては、各種塵埃や毛髪等のゴミが目立ちやすく、頻繁な清掃が必要となり、手軽に清掃できる清掃用シートが求められるようになってきた。
一般に、フローリング床の清掃においては、土埃やスス等の細かいゴミから、綿埃等中間程度の大きさのゴミ、また毛髪や獣毛等大きいゴミまで、幅広いサイズのゴミを捕集除去することが必要である。このため、例えば、ウェットクロスや化学雑巾では細かいゴミは捕集できるが毛髪等の大きいゴミの捕集性能は劣っており、また、粘着シートは幅広いサイズのゴミ捕集が可能であるが、粘着剤が塗布された表面部分へゴミが付着するとゴミ捕集効果が著しく低下し、頻繁にシートを交換しなければならない等、何れの清掃用シートもフローリング床の清掃においては、満足する効果が得られていなかった。
そこで、従来これらの問題を解決するために、水流交絡によりシート全面に交互にパターン化されたゾーンを有することにより集塵性能の高いドライ又はウェット清掃ワイパーが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この提案の清掃用シートは、水流交絡による加工である点と細繊度繊維の使用により、繊維間の空隙は非常に細かくなり、細かな塵等の捕集性はよくても、毛髪等の大きなダストの捕集能力は十分でない。
また別に、濡れた床面に付着した毛髪等の捕集性能が高いフローリングワイパーとして、湿熱接着繊維と潜在捲縮繊維とからなる繊維ウェブに高温の水蒸気を通過させることにより、該潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、更に該湿熱接着繊維との交点を接着させることにより形態安定化を図ったフローリングワイパーが提案されている(特許文献2参照。)。しかしながら、この提案のフローリングワイパーは、接着繊維によりワイパーの形態安定化に優れても、潜在捲縮繊維が変型しにくくなってしまうことにより、ダストの捕集能力は低下してしまう。更に、ウェットワイパーであることから、ワイパー表面にダストが溜まってくると、逆にフローリング床表面にダストが付着してしまうという課題もある。
上記課題を解決するために繊度と捲縮発現力の違う立体捲縮原綿を組み合わせることによって、乾いた床面等に付着している毛髪、獣毛及び綿埃等の捕集性に優れた乾式清掃用シートが提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この提案のフローリングシートは、中空の立体捲縮繊維の捲縮発現性が弱く、且つ混綿してある潜在捲縮繊維と異なって伸縮性も低いため、該フローリングシートを繰り返し使用すると、この中空繊維がシート内部を移動し、シート内部の空隙を適切に維持することができず、捕集能力が低下する。また、繰り返し使用することで、この中空繊維は床面へ脱落し、ダストとなると共に、シート内部に捕集していたダストも中空繊維と合わせて脱落してしまう課題がある。
特開2008−127688号公報 特開2009−78065号公報 特開2013−176432号公報
そこで本発明の目的は、上述した問題点を解決するものであり、繊度、捲縮発現力および捲縮度数比のいずれもが異なる潜在捲縮複合ポリエステル繊維を組み合わせて、伸縮性や耐久性に優れたニードルパンチ不織布とすることにより、乾いた床面等に付着している毛髪や埃等の捕集性に優れた乾式清掃用シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討した結果、繊度、捲縮発現力および捲縮度数比のいずれもが異なる潜在捲縮複合ポリエステル繊維を組み合わせた不織布よって、乾いた床面等に付着している毛髪、獣毛および綿埃等の捕集性や耐久性に優れた乾式清掃用シートとなることを見出し、本発明に到達した。
本発明の乾式清掃用シートは、潜在捲縮複合ポリエステル繊維のみで構成される不織布からなる清掃用シートであって、前記不織布は、単繊維繊度が1〜15dtexの少なくとも2種類の繊度、捲縮発現力および捲縮度数比の異なる潜在捲縮複合ポリエステル繊維を混綿してなるものであることを特徴とする乾式清掃用シートである。
本発明の乾式清掃用シートの好ましい態様によれば、前記の混綿されるポリエステル繊維は、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン2〜7モル%とイソフタル酸5〜13モル%とを共重合したエチレンテレフタレート単位主体の共重合ポリエステルと、実質的にエチレンテレフタレート単位よりなるホモポリエステルとがサイドバイサイドに接合した複合ポリエステル繊維である。
また、本発明の乾式清掃用シートの好ましい態様によれば、前記の混綿されるポリエステル繊維は、平均単繊維繊度が1〜4dtex、捲縮度数比が1.2〜1.8の複合ポリエステル繊維(I)と、平均単繊維繊度が4〜15dtex、捲縮度数比が2.0〜6.0の潜在捲縮複合繊維(II)からなることである。
また、本発明の乾式清掃用シートの好ましい態様によれば、前記の潜在捲縮複合ポリエステル繊維の乾熱160℃×2分における発現捲縮数が15コ/25mm以上である。
繊度、捲縮発現力、捲縮度数比のいずれもが異なる2種以上の潜在捲縮複合ポリエステルを組み合わせて、伸縮性や耐久性に優れたニードルパンチ不織布とすることにより、乾いた床面等に付着している毛髪や埃等の捕集性に優れた乾式清掃用シートが得られる。
図1は、捲縮が発現した複合ポリエステル繊維を例示する側面図である。
以下、本発明の乾式清掃用シートについて詳細に説明する。
本発明の乾式清掃用シートは、潜在捲縮複合ポリエステル繊維のみで構成される不織布からなる清掃用シートであって、前記不織布は、単繊維繊度が1〜15dtexの少なくとも2種類の繊度、捲縮発現力および捲縮度数比の異なる潜在捲縮複合ポリエステル繊維を混綿してなる乾式清掃用シートである。
本発明で用いられる潜在捲縮ポリエステル繊維としては、好適には、繊維に対して熱処理を施すことにより捲縮発現(顕在化)させることのできる複合ポリエステル繊維である。
本発明で用いられる潜在捲縮複合ポリエステル繊維としては、エチレンテレフタレート単位主体の共重合ポリエステルと、実質的にエチレンテレフタレート単位よりなるホモポリエステルとがサイドバイサイドに接合した複合ポリエステル繊維が挙げられ、この複合ポリエステル繊維は、弛緩熱処理によって立体捲縮を発現する潜在捲縮複合ポリエステル繊維である。
本発明で用いられる潜在捲縮性複合ポリエステル繊維を構成する共重合ポリエステルとしては、エチレンテレフタレート単位を主たる構成成分とする共重合ポリエステルであり、共重合成分として、好ましくは2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンまたはそのエステル形成誘導体(以下、エステル形成誘導体も含めてBHPPと略することがある。)とイソフタル酸(以下、IPAと略すことがある。)を用いて改質されたポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが挙げられる。ここで言うエチレンテレフタラート単位とは、テレフタル酸とエチレングリコールの一等量同士が脱水縮合反応したものである。
本発明においては、共重合ポリエステル中のBHPPの共重合割合は、好ましくは2〜7モル%とするものであり、中でも4〜6モル%とすることがより好ましい態様である。BHPPの共重合割合が2モル%未満では、収縮特性が不十分となり、不織布にした場合その伸長率と伸長回復率が小さく十分な伸縮機能が得られないという傾向がある。一方、BHPPの共重合割合が7モル%を超えると、ポリマーの融点が低下し、繊維の強度低下が著しいため、不織布用途には適さなくなることがある。
また、本発明においては、共重合ポリエステル中のIPAの共重合割合は、好ましくは5〜13モル%とするものであり、中でも7〜11モル%とすることがより好ましい態様である。IPAの共重合割合が5モル%未満では、実質的に大きな捲縮が得られず、一方、IPAの共重合割合が13モル%を超えると、ポリマーの融点が低下するため、熱安定性が損なわれる傾向がある。
本発明で用いられる潜在捲縮複合ポリエステル繊維を構成するホモポリエステルは、実質的にエチレンテレフタレート単位よりなるホモポリエステルである。実質的にエチレンテレフタレート単位よりなるホモポリエステルとは、上述の共重合ポリエステルより熱収縮性が低くなるようにするため、結晶性を大きく阻害する成分が含まれたものや、BHPP、IPA、およびスルホン酸塩基化合物等は含有しないエチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルであり、エチレンテレフタレート単位が85モル%以上であることが好ましい。
本発明で用いられる潜在捲縮複合ポリエステル繊維において、上記の共重合ポリエステルおよび上記のホモポリエステルの固有粘度は、溶融紡糸を円滑に行う観点からは、好ましくは夫々0.55〜0.70および0.45〜0.60程度であればよい。
また、捲縮発現を十分なものとし、しかも紡糸安定性を損なわないようにする観点からは、ホモポリエステルよりも共重合ポリエステルの固有粘度が高い方が好ましく、共重合ポリエステルとホモポリエステルのポリマー固有粘度の差は0.25以下、0.02以上とすることが好ましい。
また、上記の共重合ポリエステルおよびホモポリエステルには、本発明の効果を損なわない範囲内で、他の共重合成分を含んでいてもよい。共重合可能な成分としては、例えば、コハク酸、シクロヘキサジカルボン酸等のジカルボン酸類、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、およびポリエチレングリコールなどのジオール類を挙げることができる。上記の共重合ポリエステルにおいて、BHPP、IPA以外の共重合割合は、15モル%以下とすることが好ましく、より好ましくは10モル%以下である。ただし、ホモポリエステルはBHPP、IPA、およびスルホン酸塩基化合物等は含有しないエチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルであり、エチレンテレフタレート単位が85モル%以上であることが好ましい。
さらに、本発明で用いられる潜在捲縮複合ポリエステル繊維においては、上記の共重合ポリエステルおよび/またはホモポリエステルに、難燃剤、抗菌剤、芳香剤、顔料およびセラミックス等種々の特性付与剤や添加物を任意に配合することができる。その他の紡糸条件は、従来のポリエステル複合繊維の紡糸条件を採用することができる。
本発明で用いられる潜在捲縮複合ポリエステル繊維の構造はサイドバイサイド型のであることが好ましく、上記の共重合ポリエステルとホモポリエステルを用いて、質量比を好ましくは共重合ポリエステル/ホモポリエステル=20/80〜50/50とし、複合溶融紡糸装置によって丸断面口金孔から好ましくは295〜305℃の温度で溶融紡糸することにより、サイドバイサイド型の潜在捲縮複合ポリエステル繊維とすることができる。共重合ポリエステル/ホモポリエステル=20/80以下では捲縮発現力が低く、目的の捲縮発現を得ることができず、共重合ポリエステル/ホモポリエステル=50/50以上では、製糸性不良となり、適さない。
本発明における不織布は、単繊維繊度が1〜15dtexの中から選ばれた少なくとも2種類の繊度、捲縮発現力および捲縮度数比の異なるポリエステル繊維を混綿してなる不織布であり、この2種類のポリエステル繊維は潜在捲縮複合ポリエステル繊維(I)および潜在捲縮複合ポリエステル繊維(II)であることが好ましい。
本発明で用いられる潜在捲縮複合ポリエステル繊維(I)の平均単繊維繊度は、1〜4dtexであることが好ましく、より好ましくは1.3dtex〜3dtexである。平均単繊維繊度が1dtex未満では製糸性不良となったり、カード通過性不良となったり、地合の悪い不織布となることがある。また、平均単繊維繊度が4dtexを超えると、細い毛髪や細かなダストを捕集できなくなり、捕集能力が低下することがある。
本発明で用いられる潜在捲縮複合ポリエステル繊維(I)の捲縮度数比は、1.2〜1.8であることが好ましく、より好ましくは1.3〜1.7である。1.2以下では、カードで繊維ウェブ化した際に、不織布の嵩高が不十分であり、且つシート内部の空隙が少なくなり、ダスト捕集能力が低下する。また、1.8以上では、潜在捲縮複合ポリエステル繊維(II)と同程度の捲縮度数比になるため、シート内部に適度な空隙を作れず、捕集能力が低下する。
本発明で用いられる潜在捲縮複合ポリエステル繊維(II)の平均単繊維繊度は、4〜15dtexであることが好ましく、より好ましくは5.8〜14.4dtexである。平均単繊維繊度が4dtex未満では繊維の剛性が低く、不織布の嵩高が不十分であり、且つシート内部の空隙が少なくなり、ダスト捕集能力が低下する。単繊維繊度が15dtexを超えると、繊維間の空隙が大きくなりすぎることから、一旦ダストを捕集しても抜け抜け落ちやすくなってしまうことがある。
本発明で用いられる潜在捲縮複合ポリエステル繊維(II)の捲縮度数比は、2.0〜6.0であることが好ましく、より好ましくは3.0〜5.0である。2.0以下では、捲縮数に対して、捲縮度が低いため、不織布の嵩高が不十分であり、且つシート内部の空隙が少なくなり、ダスト捕集能力が低下するため、好ましくない。6.0以上では、捲縮度に対する捲縮数が圧倒的に低いため、カードで繊維ウェブ化する際に、繊維間の絡み合いが弱く、ウェブ切れが発生し、不織布の地合が悪化する。これを改善するため、カードの運転速度を落とすことで対応できるが、生産効率が著しく悪化し、好ましくない。
本発明における捲縮発現力は、乾熱160℃(×2分)の温度における無荷重熱処理時の発現捲縮数で表される。本発明で用いられる潜在捲縮複合ポリエステル繊維は、乾熱160℃(×2分)の温度における無荷重熱処理時の発現捲縮数が15コ/25mm以上であることが好ましい。発現捲縮数が15コ/25mm未満では、シートの伸縮能力が低く、ダストの捕集性が低下することがある。発現捲縮数の上限は規定できないが、好ましくは50コ/25mm程度である。本発明においては、潜在捲縮複合ポリエステル繊維(I)と潜在捲縮複合ポリエステル繊維(II)とでは、乾熱160℃(×2分)の温度における無荷重熱処理時の発現捲縮数が異なる必要があり、発現捲縮数が10コ/25mm以上違いがあることが望ましい。
なお、本発明で用いられる潜在捲縮複合ポリエステル繊維とは、図1に示すように乾熱処理(160℃×2分)することによりスパイラル状の捲縮を発現する繊維をいい、捲縮を発現させた後の繊維も含まれる。このような繊維を使用することにより伸縮性のある不織布を形成することが可能となる。
本発明における不織布は、本発明の効果を損なわない範囲で、潜在捲縮複合ポリエステル繊維(I)及び(II)以外の潜在捲縮複合ポリエステル繊維を含んでいてもよい。
次に、本発明の乾式清掃用シートを構成する不織布の製造方法の一例について説明する。
上記した潜在捲縮複合ポリエステル繊維(I)と潜在捲縮複合ポリエステル繊維(II)をカードで繊維ウェブ化する。潜在捲縮性複合ポリエステル繊維(I)と潜在捲縮複合ポリエステル繊維(II)の混率(質量比)は、好ましくは潜在捲縮複合ポリエステル繊維(I)/潜在捲縮複合ポリエステル繊維(II)=30/70〜70/30であり、更に好ましくは、潜在捲縮複合ポリエステル繊維(I)/潜在捲縮複合ポリエステル繊維(II)=40/60〜60/40である。潜在捲縮複合ポリエステル繊維(I)の混率が30質量%未満、潜在捲縮複合ポリエステル繊維(II)70質量%以上では、シート内の空隙が大きくなりすぎて、一旦ダストを捕集しても、抜け落ちやすくなってしまうことがある。また、潜在捲縮複合ポリエステル繊維(I)の混率が70質量%以上、潜在捲縮複合ポリエステル繊維(II)30%質量以下では、繊維間の空隙が緻密になりすぎて、ゴミの捕集効果が損なわれることがある。
本発明における不織布は、上記のようにカードで形成された繊維ウェブがフィードラチスによりニードルパンチ工程に送られ、ニードルパンチ処理されてシート状に加工される。ニードルパンチ処理後のシートは、ベルトコンベアで熱処理工程へ送られ、好ましくは160℃〜200℃の熱処理により潜在捲縮性ポリエステル繊維にスパイラル状の捲縮を発現させると、3次元的交絡が完了し、伸縮性のある不織布が得られる。
このように製造された不織布は、繊度と捲縮発現性と捲縮度数比とのいずれもが異なる立体捲縮繊維のみから得られ、特に乾式清掃用シートに最適である。すなわち、このように製造された不織布から得られる乾式清掃用シートは、乾いた床面に対して優れたゴミ捕集性能を有するため、毛髪、獣毛や埃等をしっかりと絡め取ることができる。更に、シート表面の空隙が緻密でないため、床面との摩擦抵抗も小さくなり、清掃作業がし易くなる。また、伸縮性に優れることから床面に押しつけて拭く際に、シート上部からの圧力により、シート表面が伸縮することにより、ダストを繊維間に挟み巻き込み、高い捕集効果を発揮する。
次に、実施例によって本発明の乾式清掃用シートを詳しく説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。実施例における繊維及び不織布の特性値等の測定法は、次のとおりである。
(測定項目及び測定方法)
<平均単繊維繊度>
JIS L 1015−8−5−1A2010年改正版)の方法に準じた。
<単繊維の捲縮数、捲縮度>
JIS L 1015−8−12−1,2(2010年改正版)の方法に準じた。
<捲縮度数比>
上記で求めた捲縮数及び捲縮度を用いて、下式
捲縮度数比=(捲縮度)/(捲縮数)
にて求めた。
<捲縮発現数>
繊維の熱処理(160分×2)前後の捲縮数をJIS L 1015−8−12−1(2010年改正版)の方法に準じて求め、下式
捲縮発現数=(熱処理後捲縮数)−(熱処理前捲縮数)
にて算出した。
<繊維長>
JIS L 1015−8−4−1(2010年改正版)の方法に準じた。
<使用初期時の毛髪捕集性>
横400cm×縦25cmのフローリング材中央に横350cm×縦15cmの範囲を設け、長さ10cmの毛髪10本を縦方向に平行になるように、この範囲内に10本等間隔に並べた。20cm×20cmに切り出した清掃用シートの試験片を市販のフローリング清掃用治具に取り付けた。試験片を取り付けた清掃用治具をフローリング材の上に置き、フローリング材の端から端まで、設けた範囲内すべて通るように、フローリング清掃用治具を横方向(長手方向)へ一直線に1往復させた。1往復後に、フローリング清掃用治具を持ち上げたときに付着している毛髪の本数を測定した。該試験を3回実施し、平均を求め、7本以上を合格とした。
○:7本〜10本
△:3本〜6本
×:0本〜2本。
<使用初期時の獣毛捕集性>
横400cm×縦25cmのフローリング材中央に横350cm×縦15cmの範囲を設け、長さ3cmの獣毛(犬)0.1gを、この範囲内に10箇所、等間隔で並べた(合計1g)。20cm×20cmに切り出した清掃用シートの試験片を市販のフローリング清掃用治具に取り付けた。試験片を取り付けた清掃用治具をフローリング材の上に置き、フローリング材の端から端まで、設けた範囲内すべて通るように、フローリング清掃用治具を横方向(長手方向)へ一直線に1往復させた。1往復後に、フローリング清掃用治具を持ち上げたときに付着している獣毛(犬)の量を測定した。該試験を3回実施し、平均を求め、0.5g以上を合格とした。
○:0.5g以上
×:0.5g以下。
<使用初期時の埃捕集性>
横400cm×縦25cmのフローリング材中央に横350cm×縦15cmの範囲を設け、繊度0.8dtex、長さ10mmのポリエステル繊維0.1gを、この範囲内に10箇所、等間隔で並べた(合計1g)。試験片を取り付けた清掃用治具をフローリング材の上に置き、フローリング材の端から端まで、設けた範囲内すべて通るように、フローリング清掃用治具を横方向(長手方向)へ一直線に1往復させた。1往復後に、フローリング清掃用治具を持ち上げたときに付着している繊維量を測定した。該試験を3回実施し、平均を求め、0.5g以上を合格とした。
○:0.5g以上
×:0.5g以下。
<使用初期時の滑り性>
20cm×20cmに切り出した清掃用シートの試験片を市販のフローリング清掃用治具に取り付け、横400cm×縦25cmのフローリング材の上に置き、フローリング材の端から端まで、清掃用治具の操作棒を持って床面を擦る感触で操作して、横方向(長手方向)へ一直線に1往復させ、滑り性を評価した。各試料の床面の滑り性については、次の基準で評価し、滑らかに滑るものを合格とした。
○:滑らかに滑る
×:明らかに抵抗を感じる
△:その中間。
<使用初期時の伸長回復率>
JIS L1096−2010に記載される、8.16.2A法(繰り返し定速定伸長法)に準じて測定した。ただし、清掃用シートの試験片の幅は5cm、長さ20cm、つかみ間隔10cm、引張速度20cm/分とした。また、30%伸ばした後、同じ速度で元の位置まで戻し、繰り返し回数は1回のみとして、試験片3枚の平均値を用いて、30%伸長回復率とし、90%以上を合格とした。
◎:90%以上
○:80〜89%
△:70〜79%
×:70%未満。
<使用初期時の風合い>
10人のパネラーが手で触れた時の触感(風合い;ソフト性)をランクづけで、非常にソフト(10点)、ソフト(8点)、普通(5点)、ハード(0点)として評価し、その平均点が8点を超える場合を不織布としての風合いとして、非常に良好(◎)とし、7点以上8点以下良好(○)、4点〜7点未満を普通(△)、4点未満を不良(×)として評価した。本発明においては、◎および○を合格とした。
<繰り返し使用時の毛髪捕集性>
横400cm×縦25cmのフローリング材中央に横350cm×縦15cmの範囲を設け、長さ10cmの毛髪10本を縦方向に平行になるように、この範囲内に10本等間隔に並べた。20cm×20cmに切り出した清掃用シートの試験片を市販のフローリング清掃用治具に取り付けた。試験片を取り付けた清掃用治具をフローリング材の上に置き、フローリング材の端から端まで、設けた範囲内すべて通るように、フローリング清掃用治具を横方向(長手方向)へ一直線に1往復させ、持ち上げたときに付着している毛髪本数を測定する作業を同じ試験片で20回繰り返し、20回目の試験時に捕集した毛髪本数を測定した。試験片を変更して、該試験を3回行い、20回目に捕集した毛髪本数の平均が7本以上を合格とした。
○:7本〜10本
△:3本〜6本
×:0本〜2本。
<繰り返し使用時の獣毛捕集性>
横400cm×縦25cmのフローリング材中央に横350cm×縦15cmの範囲を設け、長さ3cmの獣毛(犬)0.1gを、この範囲内に10箇所、等間隔で並べた(合計1g)。20cm×20cmに切り出した清掃用シートの試験片を市販のフローリング清掃用治具に取り付けた。試験片を取り付けた清掃用治具をフローリング材の上に置き、フローリング材の端から端まで、設けた範囲内すべて通るように、フローリング清掃用治具を横方向(長手方向)へ一直線に1往復させ、持ち上げたときに付着している獣毛(犬)の量を測定する作業を、同じ試験片で20回繰り返し、20回目の試験時に捕集した獣毛量を求めた。試験片を変更して、該試験を3回行い、平均獣毛量が0.5g以上を合格とした。
○:0.5g以上
×:0.5g以下。
<繰り返し使用時の埃捕集性>
横400cm×縦25cmのフローリング材中央に横350cm×縦15cmの範囲を設け、繊度0.8dtex、長さ10mmのポリエステル繊維0.1gを、この範囲内に10箇所、等間隔で並べた(合計1g)。試験片を取り付けた清掃用治具をフローリング材の上に置き、フローリング材の端から端まで、設けた範囲内すべて通るように、フローリング清掃用治具を横方向(長手方向)へ一直線に1往復させ、持ち上げたときに付着している繊維量を測定する作業を、同じ試験片で20回繰り返し、20回目の試験時に捕集した繊維量を求めた。試験片を変更して、該試験を3回行い、平均繊維量が0.5g以上を合格とした。
○:0.5g以上
×:0.5g以下。
<繰り返し使用時の滑り性>
20cm×20cmに切り出した清掃用シートを市販のフローリング清掃用治具に取り付け、横400cm×縦25cmのフローリング材の上に置き、フローリング材の端から端まで、清掃用治具の操作棒を持って床面を擦る感触で操作して、横方向(長手方向)へ一直線に20往復させ、滑り性を評価した。各試料の床面の滑り性については、次の基準で評価し、滑らかに滑るものを合格とした。
○:滑らかに滑る
×:明らかに抵抗を感じる
△:その中間。
<繰り返し使用時の伸長回復率>
JIS L1096−2010に記載される、8.16.2A法(繰り返し定速定伸長法)に準じて測定した。20cm×20cmに切り出した清掃用シートを市販のフローリング清掃用治具に取り付け、1mのフローリング材全面を20回拭き取った後に、清掃用シートを幅5cm、長さ20cmに切り出したものを試験片とした。試験片のつかみ間隔は10cm、引張速度を20cm/分とした。また、30%伸ばした後、同じ速度で元の位置まで戻し、繰り返し回数は1回のみとして、試験片3枚の平均値を用いて、30%伸長回復率とし、90%以上を合格とした。
◎:90%以上
○:80〜89%
△:70〜79%
×:70%未満。
本実施例及び比較例で使用する繊維は下記の通りである。
<潜在捲縮複合ポリエステル繊維(A)>
潜在捲縮複合ポリエステル繊維(A)として、エチレンテレフタレートを主成分とし、IPA7.1モル%とBHPP4.4モル%とを共重合したポリエステルと、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーを用いて、複合溶融紡糸装置によって丸断面口金孔から300℃の温度で質量比率50/50とし、315g/分の吐出量、1380m/分の速度で巻き取り、サイドバイサイド型未延伸糸を得た。これらの未延伸糸を収束後、延伸倍率3.00倍、延伸温度85℃で延伸し、緊張熱処理温度140℃で熱処理を行い、押し込み式捲縮機で機械捲縮を付与した後、切断して捲縮数13コ/25mm、捲縮度20%(捲縮度数比1.5)繊維長51mm、単繊維繊度1.3dtexの潜在捲縮複合ポリエステル短繊維を得た。得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維は、熱処理(160℃×2分)後の発現捲縮数が50コ/25mmとなった。
<潜在捲縮複合ポリエステル繊維(B)>
潜在捲縮複合ポリエステル繊維(B)として、エチレンテレフタレートを主成分とし、IPA7.1モル%とBHPP4.4モル%とを共重合したポリエステルと、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーを用いて、複合溶融紡糸装置によって丸断面口金孔から300℃の温度で質量比率50/50とし、304g/分の吐出量、1200m/分の速度で巻き取り、サイドバイサイド型未延伸糸を得た。これらの未延伸糸を収束後、延伸倍率3.50倍、延伸温度85℃で延伸し、緊張熱処理温度140℃で熱処理を行い、押し込み式捲縮機で機械捲縮を付与した後、切断して捲縮数15コ/25mm、捲縮度25%(捲縮度数比1.5)捲縮度繊維長51mm、単繊維繊度2.2dtexの潜在捲縮複合ポリエステル短繊維を得た。得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維は、熱処理(160℃×2分)後の発現捲縮数が40コ/25mmとなった。
<潜在捲縮複合ポリエステル繊維(C)>
潜在捲縮複合ポリエステル繊維(C)として、エチレンテレフタレートを主成分とし、IPA7.1モル%とBHPP4.4モル%とを共重合したポリエステルと、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーを用いて、複合溶融紡糸装置によって丸断面口金孔から300℃の温度で質量比率50/50とし、485g/分の吐出量、1100m/分の速度で巻き取り、サイドバイサイド型未延伸糸を得た。これらの未延伸糸を収束後、延伸倍率3.80倍、延伸温度85℃で延伸し、緊張熱処理温度140℃で熱処理を行い、押し込み式捲縮機で機械捲縮を付与した後、切断して捲縮数8コ/25mm、捲縮度25%(捲縮度数比3.0)繊維長51mm、単繊維繊度6.6dtexの潜在捲縮複合ポリエステル短繊維を得た。得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維は、熱処理(160℃×2分)後の発現捲縮数が25コ/25mmとなった。
<潜在捲縮複合ポリエステル繊維(D)>
潜在捲縮複合ポリエステル繊維(D)として、エチレンテレフタレートを主成分とし、IPA7.1モル%とBHPP4.4モル%とを共重合したポリエステルと、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーを用いて、複合溶融紡糸装置によって丸断面口金孔から300℃の温度で質量比率50/50とし、800g/分の吐出量、800m/分の速度で巻き取り、サイドバイサイド型未延伸糸を得た。これらの未延伸糸を収束後、延伸倍率3.00倍、延伸温度85℃で延伸し、緊張熱処理温度140℃で熱処理を行い、押し込み式捲縮機で機械捲縮を付与した後、切断して捲縮数5コ/25mm、捲縮度30%(捲縮度数比6.0)繊維長51mm、単繊維繊度14.4dtexの潜在捲縮複合ポリエステル短繊維を得た。得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維は、熱処理(160℃×2分)後の発現捲縮数が15コ/25mmとなった。
<潜在捲縮複合ポリエステル繊維(E)>
潜在捲縮複合ポリエステル繊維(E)として、エチレンテレフタレートを主成分とし、IPA7.1モル%とBHPP4.4モル%とを共重合したポリエステルと、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーを用いて、複合溶融紡糸装置によって丸断面口金孔から300℃の温度で質量比率50/50とし、304g/分の吐出量、1200m/分の速度で巻き取り、サイドバイサイド型未延伸糸を得た。これらの未延伸糸を収束後、延伸倍率3.50倍、延伸温度85℃で延伸し、緊張熱処理温度140℃で熱処理を行い、押し込み式捲縮機で機械捲縮を付与した後、切断して捲縮数13コ/25mm、捲縮度14%(捲縮度数比1.1)捲縮度繊維長51mm、単繊維繊度2.2dtexの潜在捲縮複合ポリエステル短繊維を得た。得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維は、熱処理(160℃×2分)後の発現捲縮数が40コ/25mmとなった。
<潜在捲縮複合ポリエステル繊維(F)>
潜在捲縮複合ポリエステル繊維(F)として、エチレンテレフタレートを主成分とし、IPA7.1モル%とBHPP4.4モル%とを共重合したポリエステルと、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーを用いて、複合溶融紡糸装置によって丸断面口金孔から300℃の温度で質量比率50/50とし、304g/分の吐出量、1200m/分の速度で巻き取り、サイドバイサイド型未延伸糸を得た。これらの未延伸糸を収束後、延伸倍率3.50倍、延伸温度85℃で延伸し、緊張熱処理温度140℃で熱処理を行い、押し込み式捲縮機で機械捲縮を付与した後、切断して捲縮数13コ/25mm、捲縮度26%(捲縮度数比2.0)捲縮度繊維長51mm、単繊維繊度2.2dtexの潜在捲縮複合ポリエステル短繊維を得た。得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維は、熱処理(160℃×2分)後の発現捲縮数が40コ/25mmとなった。
<潜在捲縮複合ポリエステル繊維(G)>
潜在捲縮複合ポリエステル繊維(G)として、エチレンテレフタレートを主成分とし、IPA7.1モル%とBHPP4.4モル%とを共重合したポリエステルと、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーを用いて、複合溶融紡糸装置によって丸断面口金孔から300℃の温度で質量比率50/50とし、485g/分の吐出量、1100m/分の速度で巻き取り、サイドバイサイド型未延伸糸を得た。これらの未延伸糸を収束後、延伸倍率3.80倍、延伸温度85℃で延伸し、緊張熱処理温度140℃で熱処理を行い、押し込み式捲縮機で機械捲縮を付与した後、切断して捲縮数14コ/25mm、捲縮度25%(捲縮度数比1.8)繊維長51mm、単繊維繊度6.6dtexの潜在捲縮複合ポリエステル短繊維を得た。得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維は、熱処理(160℃×2分)後の発現捲縮数が25コ/25mmとなった。
<潜在捲縮複合ポリエステル繊維(H)>
潜在捲縮複合ポリエステル繊維(H)として、エチレンテレフタレートを主成分とし、IPA7.1モル%とBHPP4.4モル%とを共重合したポリエステルと、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーを用いて、複合溶融紡糸装置によって丸断面口金孔から300℃の温度で質量比率50/50とし、485g/分の吐出量、1100m/分の速度で巻き取り、サイドバイサイド型未延伸糸を得た。これらの未延伸糸を収束後、延伸倍率3.80倍、延伸温度85℃で延伸し、緊張熱処理温度140℃で熱処理を行い、押し込み式捲縮機で機械捲縮を付与した後、切断して捲縮数3コ/25mm、捲縮度25%(捲縮度数比8.3)繊維長51mm、単繊維繊度6.6dtexの潜在捲縮複合ポリエステル短繊維を得た。得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維は、熱処理(160℃×2分)後の発現捲縮数が25コ/25mmとなった。
<機械捲縮ポリエステル繊維(I)>
機械捲縮ポリエステル繊維(I)として、溶融ポリマー密度が1.18g/ccとなるポリエチレンテレフタレートホモポリマーを用いて、丸断面口金孔から300℃の温度で、485g/分の吐出量、1150m/分の速度で巻き取り、中空の未延伸糸を得た。これらの未延伸糸を集束後、延伸倍率3.8倍、延伸温度90℃で延伸し、押し込み式捲縮機で捲縮付与した後、切断して、捲縮数9コ/25mm、捲縮率27%(捲縮度数比が4.5)、繊維長64mm、単繊維繊度6.6dtexのポリエステル短繊維を得た。
<立体捲縮ポリエステル繊維(J)>
立体捲縮ポリエステル繊維(J)として、溶融ポリマー密度が1.18g/ccとなるポリエチレンテレフタレートホモポリマーを用いて、溶融紡糸装置によって3以上のスリットを持つ丸断面口金孔から300℃の温度で、480g/分の吐出量、1680m/分の速度で巻き取り、中空の未延伸糸を得た。これらの未延伸糸を集束後、延伸倍率2.6倍、延伸温度90℃で延伸し、押し込み式捲縮機で捲縮付与した後、切断して165℃の熱処理により構造差捲縮を発現させ、捲縮数7コ/25mm、捲縮度26%(捲縮度数比が4.3)繊維長64mm、単繊維繊度12.4dtexの構造差捲縮中空ポリエステル短繊維を得た。
上記のポリエステル繊維(A)〜(J)を用いて、目標目付50g/m、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
上記の繊維A〜Jの特性を、表1に取り纏めた。
(実施例1)
上記で得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維(A)と潜在捲縮複合ポリエステル繊維(D)を、それぞれ(A)/(D)=50質量%/50質量%の混率で混綿し、目標目付50g/m(実目付け55g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(実施例2)
上記で得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維(B)と潜在捲縮複合ポリエステル繊維(C)を、それぞれ(B)/(C)=50質量%/50質量%の混率で混綿し、目標目付50g/m(実目付け51g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(実施例3)
潜在捲縮複合ポリエステル繊維(A)と潜在捲縮複合ポリエステル繊維(D)を、それぞれ(A)/(D)=70質量%/30質量%の混率で混綿し、目標目付50g/m(実目付け47g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(実施例4)
潜在捲縮複合ポリエステル繊維(B)と潜在捲縮複合ポリエステル繊維(C)を、それぞれ(B)/(C)=30質量%/70質量%の混率で混綿し、目標目付50g/m(実目付け51g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(実施例5)
上記で得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維(A)、潜在捲縮複合ポリエステル繊維(B)、潜在捲縮複合ポリエステル繊維(C)および潜在捲縮複合ポリエステル繊維(D)を、それぞれ(A)/(B)/(C)/(D)=25質量%/25質量%/25質量%/25質量%の混率で混綿し、目標目付50g/m(実目付け50g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(実施例6)
上記で得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維(C)と潜在捲縮複合ポリエステル繊維(D)を、それぞれ(C)/(D)=50質量%/50質量%の混率で混綿し、目標目付50g/m(実目付け56g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(実施例7)
上記で得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維(C)と潜在捲縮複合ポリエステル繊維(E)を、それぞれ(C)/(E)=50質量%/50質量%の混率で混綿し、目標目付50g/m(実目付け48g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(実施例8)
上記で得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維(C)と潜在捲縮複合ポリエステル繊維(F)を、それぞれ(C)/(F)=50質量%/50質量%の混率で混綿し、目標目付50g/m(実目付け47g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(実施例9)
上記で得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維(B)と潜在捲縮複合ポリエステル繊維(G)を、それぞれ(B)/(G)=50質量%/50質量%の混率で混綿し、目標目付50g/m(実目付け47g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(実施例10)
上記で得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維(B)と潜在捲縮複合ポリエステル繊維(H)を、それぞれ(B)/(H)=50質量%/50質量%の混率で混綿し、目標目付50g/m(実目付け57g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(比較例1)
上記で得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維(A)100質量%を用いて、目標目付50g/m(実目付け46g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(比較例2)
上記で得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維(C)100質量%を用いて、目標目付50g/m(実目付け55g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(比較例3)
上記で得られた潜在捲縮複合ポリエステル繊維(A)と潜在捲縮複合ポリエステル繊維(B)を、それぞれ(A)/(B)=50質量%/50質量%の混率で混綿し、目標目付50g/m(実目付け44g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(比較例4)
上記で得られた立体捲縮のポリエステル繊維(A)と機械捲縮ポリエステル繊維(I)を、それぞれ(A)/(I)=50質量%/50質量%の混率で混綿し、目標目付50g/m(実目付け46g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮と機械捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
(比較例5)
上記で得られた立体捲縮のポリエステル繊維(A)と立体捲縮ポリエステル繊維(J)を、それぞれ(A)/(J)=50質量%/50質量%の混率で混綿し、目標目付50g/m(実目付け50g/m)、ニードルパンチ(40本/cm、針深度10mm)加工後、160℃×2分の熱処理条件により、潜在捲縮複合ポリエステル繊維の捲縮を発現させることにより、立体捲縮のポリエステル繊維からなる不織布を作成した。
上記の実施例1〜10と比較例1〜5の結果(シート特性)を、次の表2に示す。
Figure 2019127659
Figure 2019127659
Figure 2019127659

Claims (4)

  1. 潜在捲縮複合ポリエステル繊維のみで構成される不織布からなる清掃用シートであって、前記不織布は、単繊維繊度が1〜15dtexの少なくとも2種類の繊度、捲縮発現力および捲縮度数比の異なる潜在捲縮複合ポリエステル繊維を混綿してなるものであることを特徴とする乾式清掃用シート。
  2. 潜在捲縮複合ポリエステル繊維は、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン2〜7モル%とイソフタル酸5〜13モル%とを共重合したエチレンテレフタレート単位主体の共重合ポリエステルと、実質的にエチレンテレフタレート単位よりなるホモポリエステルとがサイドバイサイドに接合した潜在捲縮複合ポリエステル繊維である特徴とする請求項1に記載の乾式清掃用シート。
  3. 少なくとも2種類の潜在捲縮複合ポリエステル繊維は、平均単繊維繊度が1〜4dtex、捲縮度数比が1.2〜1.8の潜在捲縮複合ポリエステル繊維(I)と、平均単繊維繊度が4〜15dtex、捲縮度数比が2.0〜6.0の潜在捲縮複合ポリエステル繊維(II)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾式清掃用シート。
  4. 潜在捲縮複合ポリエステル繊維(I)および(II)は乾熱160℃×2分における発現捲縮数が15コ/25mm以上であることを特徴とした繊維であることを特徴とする請求項3に記載の乾式清掃用シート。
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