JP2019125730A - 半導体装置 - Google Patents

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弘行 芳原
Hiroyuki Yoshihara
弘行 芳原
中島 泰
Yasushi Nakajima
泰 中島
林 建一
Kenichi Hayashi
建一 林
俊二 増森
Shunji Masumori
俊二 増森
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Abstract

【課題】半導体モジュールが反ることで半導体モジュールがヒートシンクに押し付けられることにより半導体モジュールが破損することを抑制することができる半導体装置を提供する。【解決手段】半導体装置100は、半導体モジュール1と、ヒートシンク2と、螺合部材3とを備えている。半導体モジュール1は、半導体素子7と、配線部材8と、モールド樹脂4とを含む。ヒートシンク2は、本体部2aと、突起部10とを含む。螺合部材3は、半導体モジュール1とヒートシンク2とを固定する。螺合部材3は、モールド樹脂4に設けられた貫通孔12に挿入されかつ突起部10に螺合されている。突起部10が本体部2aから半導体モジュール1に向けて突き出す突出方向D1において、突起部10から半導体モジュール1までの距離よりも本体部2aから半導体モジュール1までの距離が大きい。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置に関するものである。
従来、ヒートシンクと、そのヒートシンクに固定された半導体モジュールとを有する半導体装置が提案されている。この半導体装置は、例えば、特開2011−159743号公報(特許文献1)に記載されている。この公報に記載された半導体装置は、半導体素子、リードフレーム、ヒートシンクおよびモールド樹脂などを含んでいる。半導体素子、リードフレームおよびヒートシンクはモールド樹脂により封止されている。
特開2011−159743号公報
上記公報に記載された半導体装置において、温度変化が大きい場合に、半導体素子、リードフレームおよびモールド樹脂などからなる半導体モジュールでは、各部材の線膨張係数が異なるため半導体モジュールが反ることがある。この場合に、半導体モジュールがヒートシンクに押し付けられることにより半導体モジュールが破損することがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体モジュールが反ることで半導体モジュールがヒートシンクに押し付けられることにより半導体モジュールが破損することを抑制することができる半導体装置を提供することである。
本発明の半導体装置は、半導体モジュールと、ヒートシンクと、螺合部材とを備えている。半導体モジュールは、半導体素子と、半導体素子に電気的に接続された配線部材と、半導体素子および配線部材を封止しかつ貫通孔が設けられたモールド樹脂とを含む。ヒートシンクは、本体部と、本体部から半導体モジュールに向けて突き出した突起部とを含む。螺合部材は、半導体モジュールとヒートシンクとを固定する。螺合部材は、モールド樹脂に設けられた貫通孔に挿入されかつ突起部に螺合されている。突起部が本体部から半導体モジュールに向けて突き出す突出方向において、突起部から半導体モジュールまでの距離よりも本体部から半導体モジュールまでの距離が大きい。
本発明の半導体装置によれば、ヒートシンクの突起部が本体部から半導体モジュールに向けて突き出す突出方向において突起部から半導体モジュールまでの距離よりも本体部から半導体モジュールまでの距離が大きい。このため、温度変化により半導体モジュールが反ったときに半導体モジュールの可動域が大きくなる。つまり、本体部から半導体モジュールまでの間では半導体モジュールはヒートシンクに押し付けられずに反ることが可能となる。したがって、半導体モジュールが反ったときに、半導体モジュールのヒートシンクへの押し付け量を低減することができる。これにより、半導体モジュールが反ることで半導体モジュールがヒートシンクに押し付けられることにより半導体モジュールが破損することを抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る半導体装置の構成を概略的に示す平面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図2に示す半導体装置の半導体モジュールが反った状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の絶縁層が変形した状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体装置の配線部材の構成を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1の変形例に係る半導体装置の構成を概略的に示す平面図である。 図6のVII−VII線に沿う断面図である。 図7に示す半導体装置の半導体モジュールが反った状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の構成を概略的に示す平面図である。 図9のX−X線に沿う断面図である。 本発明の実施の形態3に係る半導体装置の構成を概略的に示す平面図である。 図11のXII−XII線に沿う断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。なお、各図において同一または相当部分には同一符号が付されている。
実施の形態1.
図1および図2を参照して、本発明の実施の形態1に係る半導体装置100の構成について説明する。本実施の形態に係る半導体装置100は、例えばインバータ装置に用いられてもよい。このインバータ装置は、半導体モジュール、ヒートシンク、主回路基板、ケースおよびスイッチ装置などから構成される。この主回路基板には、平滑コンデンサ、突入抵抗および電源などが配置される。
本実施の形態に係る半導体装置100は、半導体モジュール1と、ヒートシンク2と、螺合部材3とを主に備えている。半導体モジュール1は、ヒートシンク2に螺合部材3で締結されることにより固定されている。半導体モジュール1は、例えばパワー半導体モジュールであってもよい。半導体モジュール1は、モールド樹脂4と、金属層5と、絶縁層6と、半導体素子7と、配線部材8とを主に備えている。半導体素子7は、パワー半導体素子であってもよい。具体的には、半導体素子7は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などであってもよい。
半導体モジュール1においては、モールド樹脂4は、金属層5、絶縁層6、半導体素子7および配線部材8を封止している。金属層5および配線部材8の各々の一部はモールド樹脂4から露出している。半導体モジュール1の放熱面には金属層5が配置されている。金属層5は、金属箔からなっていてもよい。具体的には、金属層5は、例えば厚さが100μmの銅(Cu)箔であってもよい。半導体モジュール1の最表面に配置された金属層5の上に絶縁層6が積層されている。絶縁層6の上に配線部材8が配置されている。配線部材8の上に半導体素子7が接合材11を介して固着されている。接合材11は導電性を有している。接合材11は例えばはんだである。配線部材8は半導体素子7に電気的に接続されている。
半導体モジュール1の底面は、半導体素子7で発生する熱をヒートシンク2に伝導させて、半導体素子7の温度を、例えばインバータ装置としての動作時に許容温度以下に保つ機能を有している。このとき、インバータ装置の動作のために複数の半導体素子7は異なる電位となる場合があるため、互いの半導体素子7間の電位はヒートシンク2に対して絶縁されている必要がある。このため、半導体素子7に電気的に接続された配線部材8は複数に分割されている。アルミニウム(Al)ワイヤ、はんだ付けなどで、半導体素子7と、電極および配線部材8とは電気的に接続されている。
ヒートシンク2に対して絶縁性を有するように半導体モジュール1は構成されている。半導体モジュール1では、絶縁層6が配線部材8と放熱面との間に配置された構造が用いられている。絶縁層6では、例えば、窒化ホウ素(BN)、酸化アルミニウム(Al)窒化アルミニウム(AlN)などの高熱伝導性かつ絶縁性のフィラーが絶縁性の熱硬化性樹脂に配合されている。絶縁層6としては、例えば、サイズが数μm以上数十μm以下の窒化ホウ素(BN)のフィラーを熱硬化性のエポキシ樹脂に混合した材料が用いられてもよい。
配線部材8としては、例えば0.3mm以上1mm以下程度の厚みの銅板をプレス加工、エッチング加工などによりパターン分割して作製するリードフレームが用いられてもよい。このような構成により配線部材8と半導体モジュール1の底面に配置された金属層5とは絶縁分離される。
このような構成以外に、半導体モジュール1には、例えば厚みが0.3mm以上1mm以下程度のセラミックの板の表裏に厚みが0.2mm以上1mm以下程度の銅箔、アルミニウム箔などの金属導体が固着された絶縁基板が用いられてもよい。この場合、半導体素子7が固着される側の金属導体は、エッチング加工などによりパターン分割されており、例えばインバータ装置の駆動に必要な電気回路を構成している。半導体素子搭載面の電気回路を構成する第一の金属導体と底面側の第二の金属導体とはセラミック板により電気的に絶縁分離されている。
前述した金属層5および絶縁層6を備えた構造または絶縁基板を備えた構造のいずれの半導体モジュール1も、複数の半導体素子7が電気回路を構成するように構造化されている。この電気回路と半導体モジュール1の放熱面とは絶縁分離されている。そして半導体モジュール1の全体がモールド樹脂4で封止されている。モールド樹脂4は、例えばエポキシなどの熱硬化型の樹脂であり、シリカなどの絶縁性のフィラーを含んだ絶縁性の樹脂であってもよい。モールド樹脂4は電気回路を固体で封止し、外界からの異物、湿気などに対して半導体素子7を保護すると共に、半導体モジュール1のヒートシンク2への取り付けの際の強度メンバーとしての機能を有する。
モールド樹脂4には貫通孔12が設けられている。貫通孔12は、半導体モジュール1の内部の電気回路と絶縁分離されている。貫通孔12は、半導体モジュール1の放熱面である第1の主面と、放熱面と対向する第2の主面との間を貫通するように設けられている。
ヒートシンク2は、本体部2aと、突起部10とを有している。突起部10は、本体部2aから半導体モジュール1に向けて突き出している。突起部10は円柱形状を有していてもよい。例えば、突起部10の直径は9mmであり、突起部10の高さは50μmであってもよい。突起部10は、モールド樹脂4に設けられた貫通孔12と重なるように配置されている。突起部10には貫通孔12に重なるようにネジ孔10aが設けられている。ネジ孔10aは、突起部10から本体部2aに亘って設けられていてよい。平面視において、ヒートシンク2は半導体モジュール1よりも大きくなるように構成されていてもよい。
突起部10が本体部2aから半導体モジュール1に向けて突き出す突出方向D1において、突起部10から半導体モジュール1までの距離よりも本体部2aから半導体モジュール1までの距離が大きい。本実施の形態では、突起部10は金属層5に接触している。そのため、突出方向D1において突起部10から半導体モジュール1までの距離はゼロである。なお、突起部10と金属層5との間に隙間があってもよい。
突出方向D1に交差する断面において、突出方向D1に交差する交差方向D2での突起部10の長さL1よりも本体部2aの長さL2が大きくてもよい。例えば、突出方向D1に交差する交差方向D2において、本体部2aの長さL2は、突起部10の長さL1の倍以上の大きさであってもよい。また、突出方向D1に交差する断面において、突起部10は、交差方向D2に半導体素子7とずれて配置されている。つまり、交差方向D2に沿う断面において、突起部10は半導体素子7とずれて配置されている。突起部10は、交差方向D2において半導体素子7と重ならないように配置されている。図2において、突起部10が配置された領域R1と半導体素子7が配置された領域R2とは互いに重ならず、隙間をあけて配置されている。
螺合部材3は、半導体モジュール1とヒートシンク2とを固定するように構成されている。半導体モジュール1とヒートシンク2とは螺合部材3により固定されているため、互いにしっかりと固定することが可能となる。螺合部材3は、モールド樹脂4に設けられた貫通孔12に挿入されている。螺合部材3は、突起部10に螺合されている。具体的には、突起部10に設けられたネジ孔10aに螺合されている。螺合部材3は例えばネジである。螺合部材3は、頭部3aと、軸部3bとを主に有している。頭部3aの直径は、軸部3bの直径および貫通孔12の孔径よりも大きい。軸部3bの直径は、貫通孔12の孔径よりも小さい。半導体モジュール1の第2の主面を構成するモールド樹脂4と頭部3aとの間にワッシャ13が配置されていてもよい。ワッシャ13の孔に軸部3bが挿入されている。ワッシャ13の外径は貫通孔12の孔径よりも大きい。ワッシャ13の内径は貫通孔12の孔径および頭部3aの直径よりも小さく、軸部3bの直径よりも大きい。
半導体モジュール1の第2の主面側から貫通孔12に挿入された螺合部材3によってヒートシンク2に設けられたネジ孔10aを用いて半導体モジュール1が固着される。半導体モジュール1とヒートシンク2との間には、熱伝導グリス9が配置されてもよい。熱伝導グリス9は、半導体モジュール1とヒートシンク2の本体部2aとの間に配置されていればよい。なお、熱伝導グリス9に限定されず、放熱シート、カーボンシートなどが配置されてもよい。これらの熱伝導グリス、放熱シート、カーボンシードなどには、熱伝導率が数W/mK以上数十W/mK以下で、可撓性を有する材料が用いられてもよい。
半導体モジュール1は、半導体素子7、配線部材8、モールド樹脂4などによる複合体である。例えばインバータ装置を駆動した時に、半導体素子7が発生する熱によって半導体モジュール1の温度が変化する。このとき、半導体モジュール1が内包する各部材の熱膨張係数が同一ではないため、半導体モジュール1に反りが発生する。
このような半導体モジュール1の反りで発生する平面間のギャップ(隙間)を埋め、半導体モジュール1の温度変化による反り変化を吸収する素材として、例えばシリコーン樹脂に高熱伝導性のフィラーを含浸させた熱伝導グリス9が用いられてもよい。このフィラーは、例えば酸化アルミニウムなどのセラミックフィラーであってもよい。熱伝導グリス9は、印刷、ディスペンスなどによってヒートシンク2の半導体モジュール1への取り付け面または半導体モジュール1の放熱面に供給されてもよい。半導体モジュール1がヒートシンク2に取り付けられて螺合部材3がネジ締めされると、熱伝導グリス9が粘土のように変形する。これにより、ヒートシンク2の半導体モジュール1への取り付け面と半導体モジュール1の放熱面との間のギャップ(隙間)が熱伝導グリス9で埋められる。熱伝導グリス9は、フィラーが含浸されているために高粘度である。熱伝導グリス9は、半導体装置100が様々な姿勢で用いられても流れ出さない状態を維持することが好ましい。
突起部10は、ヒートシンク2の半導体モジュール搭載面のうち、ネジ締結部の周囲に配置されている。本実施の形態では、ヒートシンク2の半導体モジュール搭載面の中央1点に突起部10が配置されている。半導体装置100は、半導体モジュール1の端部とヒートシンク2とが接触しない構造となっている。冷熱サイクル環境下では、半導体モジュール1の端部が拘束されていないため、半導体モジュール1の端部が温度変化により変形して、ヒートシンク2に近づくことがある。半導体モジュール1の端部の変形量は温度と部材の物性とにより決定される。また、半導体モジュール1の反りの方向はモールド樹脂4の物性、モールド樹脂4の厚みなどにより決定される。
突起部10の高さは、半導体モジュール1の端部が温度変化によってヒートシンク2に近づくように変形するため、この端部の変形量よりも大きくなるように設定される。例えば、半導体モジュール1の温度が100℃上昇したときに半導体モジュール1の反りが0.7mmである場合、突起部10の高さは0.7mmよりも大きくなるように設定される。これによって半導体モジュール1が自身および周囲からの発熱および伝熱により反るように変化しても、半導体モジュール1の放熱面の一部がヒートシンク2に押し付けられることを抑制することができる。このため、大きな応力が半導体モジュール1の内部に発生することにより絶縁層6がダメージを受けて絶縁性が低下することを抑制することができる。
また、突起部10は、螺合部材3及びワッシャ13と同じ円柱形状である。突起部10の直径は、ネジ締め時の応力が伝わる螺合部材3およびワッシャ13の直径よりも大きい。突起部10が螺合部材3およびワッシャ13と同じ円柱形状であるため、ネジ締め時の軸力を均等に半導体モジュール1に伝えることができる。また、突起部10の直径の大きさを螺合部材3およびワッシャ13の直径よりも大きいため、ネジ締め時の面圧を突起部10に効果的に伝えることができる。
次に、本実施の形態の半導体装置100における半導体モジュール1の反りについてさらに詳しく説明する。
一般的な半導体モジュールにおいては、温度変化は常温から100℃程度であるが、低コスト化を目的として半導体素子の面積を小さくすると相対的に発熱量が増大するため温度変化が大きくなる。また、炭化ケイ素(SiC)に代表される化合物半導体は耐熱温度が高いことが特徴である。この化合物半導体を搭載した半導体モジュールは、200℃以上の高温になる場合があるため、半導体モジュールが考慮すべき温度範囲が広がる。また、例えばハイブリッド自動車および電気自動車のように自動車の電動化が進んでいる。これらの自動車に搭載され、屋外に配置されるインバータ装置では考慮すべき温度範囲が、寒冷地域においては低温側に広がる。同じく寒冷地域でビルの屋上など屋外に設置される空気調和用のインバータ装置では夜、間に零下数十度になっているにもかかわらず日中は全力運転するケースなどもあり、考慮すべき温度範囲が非常に広い。
ところでゲル封止タイプの半導体モジュールでは、構造体として、ベース板を用いてセラミック絶縁基板をはんだ付けするベース板つきケース構造、セラミック絶縁基板と樹脂ケースを接着したタイプのベースレスケース構造などがある。このベース板つきケース構造では、構造体のほとんどがベース板の大きな剛性に支配されているため、温度変化による反り変化はほとんどない事が知られている。これはベース板に接着されるものがシリコーンゲルと変形しやすい樹脂とであるため、温度変化による熱応力が発生しないためである。また、ベースレスケース構造では、構造体は導体つきのセラミック板からなる絶縁基板をゲルで封止したものであるため、こちらも温度変化による反り変化は少ない。具体的には、反りは10μm以下である。
これに対して、本実施の形態のモールド樹脂封止型の半導体モジュール1においては、モールド樹脂4の弾性率が金属に対して10倍以内程度と剛性が高い事が一つの特徴として挙げられる。金属導体とモールド樹脂4の線膨張係数は同じではなく、またそれぞれの弾性率が近い事から熱応力の発生が避けられない。例えば、配線部材8が銅(Cu)リードフレームの場合、弾性率は120GPaであり、線膨張係数は17ppm/Kである。これに対して、例えばモールド樹脂4の弾性率は15GPaであり、線膨張係数は15ppm/Kである。モールド樹脂4は、成形途中に一旦液状化した後、硬化するプロセスを経て成形される。また、線膨張係数が17ppm/Kの銅(Cu)リードフレームと、線膨張係数が15ppm/Kのモールド樹脂4とで、線膨張係数差を小さくすることで熱収縮時の応力を低減させ、密着性を確保している。
また、半導体素子7を従来よりも高温で使用するとともに、半導体サイズを大きくすることなく使用すると、半導体素子7のコストを低減することができる。一方、半導体素子7を高温で使用することで、半導体モジュール1の反り変形が増加し、半導体モジュール1がヒートシンク2に押し付ける応力が増大することが懸念される。
例えば最高200℃などでの使用を考えるとガラス転移温度は190℃程度にしておかないと、使用時に大きな物性の変化が起こり、大きく変形してしまう危険がある。そのため、高温での使用について、樹脂が局部的に高温となる場合および樹脂全体が高温となる場合を想定して、ガラス転移温度を考慮した材料設計をしておく必要がある。具体的には、半導体素子7の温度が例えば200℃に達した場合には、配線部材8であるリードフレームの温度は150℃程度になることが想定されるため、モールド樹脂4とリードフレームとの密着性は高い温度での使用に対する配慮が必要となる。そのような場合ではガラス転移温度が150℃より高く好ましくは170℃よりも高いようなモールド樹脂4の選定が必要となる。
一方、半導体モジュール1の反り変形を小さくするには、モールド樹脂4の線膨張係数を小さくすることが考えられる。例えば、線膨張係数が10ppm程度の場合、反り量がほぼ0になる実験結果が得られた。しかし、このような低線膨張係数のモールド樹脂4が用いられた場合、半導体モジュール1の使用時の温度変化による反り変化も大きくなる。例えば線膨張係数が15ppmの樹脂では常温から100℃までの温度変化による反り変化が10μm程度などに小さくすることが可能であるが、線膨張係数が10ppmでは単純に3倍以上の反り変化が発生する。つまり、例えば反りが10μmから30μmに変化する。このような反り変化がある事で反り変化の方向によっては半導体モジュール1がヒートシンク2に押し付けられる。
図3を参照して、本実施の形態の半導体装置100によれば、半導体モジュール1が反ったとしても半導体モジュール1の底面がヒートシンク2に押し付けられる事が抑制される。また、熱伝導グリス9が流動して反り変化が吸収される。
この場合、段差量として、30μmの反りを吸収するためには50μmの段差を設ける事が適当である。このように段差量が設定された場合、信頼性試験において、熱伝導グリス9の排出および熱抵抗の増大は問題にならなかった。
図4および図5を参照して、配線部材8は面一ではなく、インバータ用の回路を構成するために半導体素子7を実装したフレーム間では空間が形成されている。半導体モジュール1がヒートシンク2に押し当てられるように変形した場合、配線部材8の溝の部分において絶縁層6が局所的に変形する。このときに絶縁層6の強度を超える応力が働くと絶縁層6に割れが生じることで絶縁性が損なわれる。
また、図示しないセラミックによる絶縁基板が用いられた場合も、絶縁基板がヒートシンクに押し付けられると、絶縁基板が割れることで絶縁性が損なわれる懸念がある。
次に、本実施の形態に係る半導体装置100の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る半導体装置100によれば、ヒートシンク2の突起部10が本体部2aから半導体モジュール1に向けて突き出す突出方向において突起部10から半導体モジュール1までの距離よりも本体部2aから半導体モジュール1までの距離が大きい。このため、温度変化により半導体モジュール1が反ったときに半導体モジュール1の可動域が大きくなる。つまり、本体部2aから半導体モジュール1までの間では半導体モジュール1はヒートシンク2に押し付けられずに反ることが可能となる。したがって、半導体モジュール1が反ったときに、半導体モジュール1のヒートシンク2への押し付け量を低減することができる。これにより、半導体モジュール1が反ることで半導体モジュール1がヒートシンク2に押し付けられることにより半導体モジュール1が破損することを抑制することができる。
また、ヒートシンク2の突起部10で半導体モジュール1を浮かせることで、反り変形による半導体モジュール1がヒートシンク2への押し付け量を低減できる。これにより、半導体素子7を大きくすることなく、従来よりも高温で使用できるため、半導体素子7のコストを低減することができる。
また、本実施の形態に係る半導体装置100によれば、突出方向D1に交差する断面において、突出方向D1に交差する交差方向D2での突起部10の長さよりも本体部2aの長さが大きい。このため、半導体モジュール1に反りが生じたときに、半導体モジュール1がヒートシンク2に当たり難くすることができる。したがって、半導体モジュールに反りが生じたときに、半導体モジュール1がヒートシンク2を押し付けることを抑制することができる。また、本体部2aを大きくすること可能であるため、ヒートシンク2の熱伝導グリス9を配置する領域を大きくすることができる。
また、本実施の形態に係る半導体装置100によれば、突出方向D1に交差する断面において、突起部10は、交差方向D2に半導体素子7とずれて配置されている。このため、半導体素子7が発生する熱により半導体モジュール1に反りが生じたときに、半導体モジュール1が突起部10に押し付けられることを抑制することができる。したがって、半導体モジュール1に反りが生じたときに、半導体モジュール1がヒートシンク2に押し付けられることを抑制することができる。
次に、図6〜図8を参照して、本実施の形態の変形例に係る半導体装置100について説明する。本実施の形態の変形例に係る半導体装置100においては、半導体モジュール1の両端部に貫通孔12が配置されている。半導体モジュール1の両端部において螺合部材3により半導体モジュール1がヒートシンク2に固定されている。本実施の形態の変形例に係る半導体装置100では、2本の螺合部材3により半導体モジュール1がヒートシンク2に固定されているが、半導体モジュール1の中央部を突起部10によりヒートシンク2から浮かせることができれば、螺合部材3の本数に制限はない。
本実施の形態の変形例に係る半導体装置100によっても、温度変化による反り変化により半導体モジュール1がヒートシンク2に押し付けられる事を抑制することができる。なお、突起部10の外側の厚みを突起部10と同じにした場合でも同様の作用効果が得られる。
実施の形態2.
図9および図10を参照して、本発明の実施の形態2に係る半導体装置100の構成について説明する。実施の形態2では、実施の形態1に比べて、半導体装置100が閉塞部材20を備えている点で主に異なっている。以下、特に説明しない限り、実施の形態2では、実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
本実施の形態に係る半導体装置100は、熱伝導グリス9と、閉塞部材20とをさらに備えている。熱伝導グリス9は、半導体モジュール1とヒートシンク2の本体部2aとの間に配置されている。閉塞部材20は、熱伝導グリス9の外縁よりも外側に配置されている。閉塞部材20は、半導体モジュール1とヒートシンク2の本体部2aとの間の隙間を塞ぐように構成されている。
閉塞部材20は、ヒートシンク2と半導体モジュール1表面とを接着している。つまり、閉塞部材20は、半導体モジュール1とヒートシンク2との間を接着している。閉塞部材20は、樹脂からなっていてもよい。閉塞部材20は、収縮性を有している。閉塞部材20は、例えば硬化型のゴム状の樹脂であってもよい。具体的には、閉塞部材20は、二液性の樹脂を混合して塗布ロボットを用いて半導体モジュール1のヒートシンク2への取り付け面の外周に塗布し硬化させることなどにより形成可能である。
また、例えば、熱伝導グリス9そのものが例えば空気中の湿気で硬化するタイプの樹脂で構成されていてもよい。この場合、ヒートシンク2に熱伝導グリス9が塗布された状態で半導体モジュール1が組み付けられ、その後、熱伝導グリス9の表面の外気に露出している領域がゴム状に硬化することで、熱伝導グリス9の表面に皮膜が形成されてもよい。この場合、この皮膜が閉塞部材20を構成する。
半導体モジュール1とヒートシンク2の相対する面間に挟まれた領域の熱伝導グリス9と外気とが確実に遮断されるように、硬化型の熱伝導グリス9の最表面の領域が配置されることが望ましい。半導体モジュール1がヒートシンク2に組み付けられた後に、半導体モジュール1の外縁に熱伝導グリス9が供給されてもよい。
熱伝導グリス9は半導体モジュール1の大きな反り変化にさらされるため、平面追従性のよい材料の選択が必要となる。汎用的な熱伝導グリス9を用いて熱伝導グリス9の排出を抑制するためにはこの熱伝導グリス9の排出防止が課題である。
本実施の形態に係る半導体装置100によれば、閉塞部材20は、熱伝導グリス9の外縁よりも外側に配置されており、半導体モジュール1とヒートシンク2の本体部2aとの間の隙間を塞ぐように構成されている。このため、半導体モジュール1が反ったときに、閉塞部材20により熱伝導グリス9が半導体モジュール1と本体部2aとの間から外側に流出することを抑制することができる。
また、本実施の形態に係る半導体装置100によれば、閉塞部材20は、樹脂からなる。このため、閉塞部材20に収縮性を持たせることが容易である。また、半導体モジュール1の内部のモールド樹脂4と、閉塞部材20の樹脂とで物性値が異なった構成を実現できるため、半導体装置100の長期信頼性を高めることができる。
実施の形態3.
図11および図12を参照して、本発明の実施の形態3に係る半導体装置100の構成について説明する。実施の形態3では、実施の形態2に比べて、閉塞部材20がOリングである点で主に異なっている。以下、特に説明しない限り、実施の形態3では、実施の形態1および2と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
本実施の形態に係る半導体装置100では、閉塞部材20は、Oリング20aからなる。Oリング20aは可撓性を有している。Oリング20aは、熱伝導グリス9の半導体モジュール1とヒートシンク2との間の領域からの流出を抑制する。
Oリング20aの材質は、高耐熱性、低弾性などを有しているものである。Oリング20aの材質は、例えば耐熱ゴムなどである。また、Oリング20aの材質は、例えばシリコーンなどであってもよい。また、Oリング20aはゴム状であってもよい。この場合、Oリング20aは変形しやすいため、半導体モジュール1の押し付けに対して、過度な応力が発生しない。Oリング20aは、例えば直径が100μm以上300μm以下であってもよい。
Oリング20aは、半導体モジュール1の外縁に沿って配置されている。Oリング20aは半導体モジュール1の外縁の全周に亘って配置されている。Oリング20aが適切に密着できるような段差がヒートシンク2または半導体モジュール1の少なくともいずれかに設けられていてもよい。
本実施の形態に係る半導体装置100によれば、閉塞部材20は、Oリング20aからなる。このため、半導体モジュール1が反ったときに、Oリング20aにより熱伝導グリス9が半導体モジュール1と本体部2aとの間から外側に流出することを抑制することができる。
なお、上記の各実施の形態は適宜組み合わせることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 半導体モジュール、2 ヒートシンク、2a 本体部、3 螺合部材、3a 頭部、3b 軸部、4 モールド樹脂、5 金属層、6 絶縁層、7 半導体素子、8 配線部材、9 熱伝導グリス、10 突起部、10a ネジ孔、11 接合材、12 貫通孔、13 ワッシャ、20 閉塞部材、20a リング、100 半導体装置、D1 突出方向、D2 交差方向。

Claims (6)

  1. 半導体素子と、前記半導体素子に電気的に接続された配線部材と、前記半導体素子および前記配線部材を封止しかつ貫通孔が設けられたモールド樹脂とを含む半導体モジュールと、
    本体部と、前記本体部から前記半導体モジュールに向けて突き出した突起部とを含むヒートシンクと、
    前記半導体モジュールと前記ヒートシンクとを固定する螺合部材とを備え、
    前記螺合部材は、前記モールド樹脂に設けられた前記貫通孔に挿入されかつ前記突起部に螺合され、
    前記突起部が前記本体部から前記半導体モジュールに向けて突き出す突出方向において、前記突起部から前記半導体モジュールまでの距離よりも前記本体部から前記半導体モジュールまでの距離が大きい、半導体装置。
  2. 前記半導体モジュールと前記本体部との間に配置された熱伝導グリスと、
    前記熱伝導グリスの外縁よりも外側に配置された閉塞部材とをさらに備え、
    前記閉塞部材は、前記半導体モジュールと前記本体部との間の隙間を塞ぐように構成されている、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記閉塞部材は、樹脂からなる、請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記閉塞部材は、Oリングからなる、請求項2に記載の半導体装置。
  5. 前記突出方向に交差する断面において、前記突出方向に交差する交差方向での前記突起部の長さよりも前記本体部の長さが大きい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記断面において、前記突起部は、前記交差方向に前記半導体素子とずれて配置されている、請求項5に記載の半導体装置。
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