JP2019124441A - 調理器 - Google Patents

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敏郎 明時
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Abstract

【課題】ユーザの意図とは無関係に調理器の開閉扉が開放しない開閉扉付きの調理器を実現すること。【解決手段】本発明の加熱調理器(101)は、近接センサ(5)からのローレベルの検知信号を所定時間内に複数回受信した場合、ドア(2)を開放する。【選択図】図1

Description

本発明は、調理器に関し、特に開閉扉付きの調理器に関する。
一般的に、キッチンに備え付けられたオーブン等の調理器において、調理対象物の出し入れを行なうための開口に開閉扉が設けられている。この種の調理器では、ユーザが手動で開閉扉を開閉するか、開閉用のボタン等を操作することで開閉扉を開閉する必要があるため、ユーザの利便性が悪いという問題が生じる。
例えば特許文献1には、ユーザが加熱容器を持って調理器に近づくことで、開閉扉を自動的に開放することでユーザの利便性を向上させる加熱調理器が開示されている。
特許第5345166号公報(2013年8月23日登録)
しかしながら、特許文献1に開示された加熱調理器では、加熱容器と加熱調理器との間で非接触通信を行なうことで、当該加熱容器を持ったユーザが加熱調理器に近づいたときに開閉扉を自動的に開放するようになっているため、ユーザが非接触通信を行なう加熱容器を持たなければ、ユーザが加熱調理器に近づいても開閉扉は開放されない。また、ユーザが非接触通信を行なう加熱容器を持っていれば、加熱調理器に加熱容器を入れる意図がなくても、加熱調理器に近づくだけでユーザの意図とは無関係に開閉扉が開放されてしまう。
本発明の一態様は、ユーザの意図とは無関係に調理器の開閉扉が開放しない開閉扉付きの調理器を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る調理器は、開閉扉付きの調理器であって、当該調理器に近接する物体の有無を検知する近接センサと、上記近接センサからの検知信号に基づいて上記開閉扉の開閉を制御する扉開放制御部と、を備え、上記扉開放制御部は、上記近接センサからの検知信号を所定時間内に複数回受信した場合のみ、上記開閉扉を開放することを特徴としている。
本発明の一態様によれば、ユーザの意図とは無関係に調理器の開閉扉を開放しない調理器を提供できる。
本発明の実施形態1に係る調理器の機能ブロック図である。 図1に示す調理器の外観を示す斜視図であり、(a)は開閉ドアが閉じた状態を示し、(b)は開閉ドアが開いた状態を示す図である。 図2の(a)のAA線矢視断面図である。 図1に示す調理器の開閉ドアの開閉制御を行なうための近接センサの検知信号の出力波形図である。 図1に示す調理器の開閉ドアの開閉制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る調理器の開閉ドアの開閉制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態3に係る調理器の開閉ドアの開閉制御の流れを示すフローチャートである。
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態では、本発明の調理器を加熱調理器に適用した例について説明する。
(加熱調理器の概要)
図2は、本実施形態の加熱調理器101の斜視図である。図2の(a)はドア(開閉扉)2を閉めた状態を、図2の(b)はドア2を開けた状態を示す。加熱調理器101は、マイクロ波を発生するマグネトロン11(図1)を備え、加熱調理として電子レンジ調理を行う加熱調理器である。加熱調理器101には、電子レンジ調理機能に加えてオーブン調理機能等を有していてもよい。
図2に示すように、加熱調理器101は、直方体形状のケーシング1と、ドア2と、操作パネル3とを備え、ケーシング1で囲まれる空間が、被加熱物を収容するための加熱庫4となっている。なお、マグネトロン11(図1)はケーシング1内部(例えば、加熱庫4を挟んでドア2と反対側)に備えられている。
ドア2は、図2の(b)に示すように、ケーシング1から引き出すことで、加熱庫4を開放する引き出し方式のドアである。ドア2は、後述するドロワーモータ9(図1)によってよって駆動され、加熱庫4の開口部の開閉を行なうようになっている。
操作パネル3の近傍には、加熱調理器101の前方において、当該加熱調理器101に近づく物体を検知する近接センサ5が設けられている。なお、近接センサ5は、加熱調理器101の前面であれば、どこに設けてもよいが、近接センサ5としての機能を適切に実現するために、可動するドア2ではなく、加熱調理器101に固定された操作パネル3の近傍に設けるのが好ましい。
(機能ブロック)
図1は、加熱調理器101の機能ブロック図を示す。
加熱調理器101は、図1に示すように、制御部(扉開放制御部)13を中心として、当該制御部13への信号入力側に、操作パネル3の近接センサ5およびキー7、ドア開閉検知スイッチ8を備え、当該制御部13からの信号出力側に、操作パネル3の表示パネル6、ドロワーモータ9、冷却ファン10、マグネトロン11、庫内灯12を備えている。なお、制御部13は、CPUからなり内蔵のタイマにて後述するドア2の開放制御時の時間計測(タイマ計測)をなうようになっている。
表示パネル6は、液晶パネルからなり、ユーザが選択する各項目を表示する。表示する項目としては、メニュー、設定、再加熱等が挙げられる。表示パネル6には、複数の項目が1つの画面に表示されている。当該画面においては、複数の項目のうちの1つが選択されていることを示すように、例えば文字と背景とが他の項目と反転した状態で表示されている(反転表示)。また、表示パネル6は、複数の項目が1つの画面で表示しきれない場合は、複数の画面を切り替えて表示するようになっている。表示パネル6への表示情報は、制御部13から送られる。
キー7は、ユーザの操作を受付けるキーである。具体的には、キー7は、調理の開始指示や停止指示を受付けるキー、表示パネル6に表示されている、ユーザの決定が必要な事項を決定するための指示を受付けるキーとして機能する。キー7は、それぞれの機能に対応付けられた物理的ボタンを複数個備えていてもよい。また、表示パネル6がタッチパネルで構成されている場合には、キー7は、それぞれの機能に対応付けられた物理的ボタンを複数個タッチパネルに表示してもよい。キー7によって受付けたキー操作の信号は、制御部13に送られる。
ドア開閉検知スイッチ8は、ドア2の開閉を検知するスイッチである。ドア開閉検知スイッチ8によって検知された信号は、制御部13に送られる。
ドロワーモータ9は、ドア2の開閉動作を行なわせるための駆動モータである。ドロワーモータ9は、制御部13から駆動指示に基づいて駆動制御される。
冷却ファン10は、加熱調理器101が備える回路基板等の熱の影響を受けやすい部材を冷却する冷却ファンである。冷却ファン10は、制御部13からの駆動指示に基づいて駆動制御される。
マグネトロン11は、高周波を発生させる装置である。マグネトロン11にて発生した高周波は導波管(図示せず)を通って、加熱庫4内に導かれ、被加熱物を加熱するようになっている。マグネトロン11は、制御部13からの駆動信号に基づいて駆動制御される。
庫内灯12は、加熱庫4内を照らす照明である。庫内灯12は、制御部13からの駆動信号に基づいて駆動される。
以上のように、表示パネル6、ドロワーモータ9、冷却ファン10、マグネトロン11、庫内灯12の駆動制御は、制御部13によって行なわれる。
すなわち、制御部13は、キー7が受付けた操作に基づいた内容を、表示パネル6に表示させる。
制御部13は、ドア開閉検知スイッチ8からの検知信号(ON/OFF信号)に基づいて庫内灯12の点灯・消灯を制御する。具体的には、制御部13は、ドア開閉検知スイッチ8からの検知信号がON信号(ドア2が開放されたことを示す信号)を受信すると、庫内灯12に点灯指示する信号を出力する。また、制御部13は、ドア開閉検知スイッチ8からの検知信号がOFF信号(ドア2が閉塞されたことを示す信号)を受信すると、庫内灯12に消灯指示する信号を出力する。つまり、庫内灯12は、ドア2が開放されると点灯し、ドア2が閉じると消灯する。
制御部13は、近接センサ5の検知信号に基づいてドロワーモータ9の駆動を制御している。つまり、制御部13は、近接センサ5の検知信号に基づいてドア2の開放を制御している。ドア2の開放制御についての詳細は後述する。
制御部13は、加熱調理器101が駆動されると、冷却ファン10を駆動させる。これにより、加熱調理器101に備えられた回路基板等の熱の影響を受けやすい部材を冷却ファン10によって冷却することができる。
なお、加熱調理器101の駆動中、常に冷却ファン10を駆動させる必要はなく、加熱庫4内に設けられた温度センサ(図示せず)によって検知された温度が、予め設定した温度以上になると、冷却ファン10を駆動させるようにしてもよい。
制御部13は、キー7が受付けた調理開始の指示に基づき、マグネトロン11を駆動させる。
ドア2は、操作パネル3上のキー7として開閉ボタンを操作(例えば押下またはタッチ)すると開閉される。具体的には、ドア2が閉じた状態で、上記開閉ボタンが操作されると、操作信号を受付けた制御部13がドア2を開放させるようにドロワーモータ9を駆動させる。一方、ドア2が開いた状態で、上記開閉ボタンが操作されると、操作信号を受付けた制御部13がドアを閉塞させるようにドロワーモータ9を駆動させる。このように、通常は、上記開閉ボタンを操作してドア2の開閉を行なう。
ところで、ユーザの手が汚れている場合等、開閉ボタンに触れたくない(開閉ボタンを操作しにくい)場合がある。このように、開閉ボタンをユーザ自身が操作してドア2の開放を適切に行なうことができない場合にも対応するため、本実施形態に係る加熱調理器101は、開閉ボタンをユーザ自身が操作することなく、ドア2を開放させる機能を備えている。以下に、開閉ボタンを操作しないでドア2を開放させる機能を説明する。
(ドア2の開放制御)
本実施形態に係る加熱調理器101では、ユーザが加熱調理器101の前(近接センサ5の検知範囲内)で、近接センサ5が、所定時間以内に、複数回手を振る等のユーザの動作を検知した場合に、ドア2を開放するようになっている。ここでは、所定時間を2秒、ユーザの動作として2回手を振る場合について説明する。なお、所定時間については2秒に限定されるものではなく、また、ユーザの動作としては手を振ることに限定されるものではく、また、動作回数も2回に限定されるものではない。
図3は、図2の(a)のAA線矢視断面図である。図4は、近接センサ5の検知信号の出力波形を示す図である。図5は、ドア2の開放制御の流れを示すフローチャートである。
近接センサ5は、図3に示すように、操作パネル3とドア2との間に形成された空間(凹部)20のケーシング1側に設けられている。これにより、近接センサ5は、加熱調理器101の前面から露出しないので、当該加熱調理器101の外部からの衝撃を受けにくくなり、外部からの衝撃を受けることに起因する故障等の不具合を軽減することができる。また、近接センサ5に汚れが付着しにくくなり、汚れの付着に起因する誤検知等の不具合を軽減することができる。しかも、近接センサ105は、加熱調理器101から露出しないことで、当該加熱調理器101のデザインを損なうことがない。
近接センサ5は、ドア2の引き出し方向(前方)に向かって赤外線を照射するセンサである。近接センサ5は、赤外線を照射している間、ハイレベルの信号を出力し、検知対象物によって照射している赤外線が反射されたとき、ローレベルの信号を出力するようになっている。つまり、近接センサ5は、赤外線の照射範囲内で、ユーザの手によって赤外線が反射されたとき、ハイレベルの信号からローレベルの信号を出力するようになっている。すなわち、近接センサ5が、ユーザが2回手を振ったことを検知した場合、出力信号の波形は、図4に示すような波形となる。
ここで、図4に示す(a)の出力信号のローレベルの期間(OFF期間)は、1回目の検知信号の受信開始から受信終了までの時間(受信継続時間)、すなわち1回目の手の振りを検知した期間を示し、(b)の出力信号のハイレベルの期間(ON期間)は、1回目の検知信号の受信終了から2回目の検知信号の受信開始までの時間、すなわち1回目の手の振りが終わって、次の手の振りが始まるまでの期間を示し、(c)の出力信号のローレベルの期間(OFF期間)は、2回目の検知信号の受信開始から受信終了までの時間(受信継続時間)、すなわち2回目の手の振りを検知した期間を示す。
制御部13は、近接センサ5から得られる図4の(a)(b)(c)の期間に応じて、ドロワーモータ9を駆動制御して、ドア2の開放制御を行なっている。
ドア2の開放制御は、図5に示すフローチャートに従って行なわれる。ここでは、図4に示す(a)(b)(c)の期間のトータル期間が2秒以内である場合に、ドア2を開放する制御について説明する。なお、ドア2の開放制御は、制御部13が行なう。
まず、最初に、ローレベルの検知信号の受信回数をリセットする(ステップS1)。ここでは、制御部13内に記録されている近接センサ5のローレベルの検知信号の受信回数をリセットする。
次に、近接センサ5からのローレベルの検知信号を受信する(ステップS2)。ここで、ローレベルの検知信号を受信したと判断すれば、ステップS3に移行し、タイマ計測を行ない、ステップS4に移行する。一方、ローレベルの検知信号を受信していないと判断すれば、再びステップS2に移行する。
ステップS4では、近接センサ5からのハイレベルの検知信号の受信を検出する。
続いて、ローレベルの検知信号の受信回数をカウントする(ステップS5)。ここでは、近接センサ5からのローレベルの検知信号の受信からハイレベルの信号の受信までを、ローレベルの検知信号を1回受信したとカウントする。
ステップS6では、タイマ計測による計測時間が所定時間以内か否かを判断する。ここでは、計測時間は、ステップS3においてタイマ計測を開始してからの継続時間である。そして、所定時間は、2秒とする。よって、ステップS6において、計測時間が2秒以内である(Yes)と判断すれば、ステップS7に移行する。一方、ステップ6において、計測時間が2秒以内でない(No)と判断すれば、ステップ1に移行する。
そして、カウント数が所定数以上か否かを判断する(ステップS7)。ここでは、手の振りが2回のときにドア2を開放する制御の説明であるため、カウント数が2回以上であるか否かを判断する。ここで、カウント数が2回未満(S7のNo)と判断した場合、再びステップS2に移行する。一方、カウント数が2回以上(S7のYes)と判断した場合、ステップS8に移行してドア開放を行なう。
以上の制御によれば、所定時間である2秒間に、ユーザが手を2回振ることで、ドア2を開放させることができる。つまり、2秒間に、手を2回振らなければ、ドア2は開放されない。
なお、開放されたドア2は、操作パネル3のキー7として操作ボタンを操作することで閉じる。しかしながら、開放されたドア2を閉じるときに、ドア2の開放を行なうときの動作と同じ動作、すなわち所定時間(例えば2秒)以内に、2回手を振ってもよい。
(効果)
上記構成の加熱調理器101によれば、近接センサ5からのローレベルの検知信号を所定時間(2秒)内に2回以上受信した場合のみ、ドア2を開放している。従って、近接センサ5からのローレベルの検知信号を2秒以内に2回以上受信しなければ、ドア2は開放されない。このように、ドア2を開放するための条件の要素を多くすれば、ドア2が不要に開放されるという事態を回避することが可能となる。
つまり、加熱調理器101のドア2を開放するためには、近接センサ5の検知範囲内で、2秒以内にユーザが手を2回以上振る必要がある。この条件を満たさなければ、ドア2は開放しない。しかも、この手を2回以上振るという動作は、ユーザがドア2を開放しようとする意図を示すものであるため、ユーザの意図によって加熱調理器101のドア2を開放することになる。従って、ユーザの意図とは無関係に加熱調理器101のドア2が開放されるのを防止することができる。
このように、加熱調理器101のドア2を、ユーザの意図で開放させることができるので、ユーザの利便性が向上する。しかも、加熱調理器101のドア2は、不用意に開放されることがないため、誤検知によるドア2の開放(ユーザの意図に反してドア2が開放すること)を防止することができる。
なお、本実施形態では、ドア2の開放制御の条件として、所定時間(本実施形態では2秒)に、2回手を振ることであり、2秒以内に2回手を振ることができなければ、ドア2の開放は行なわない制御について説明した。ドア2の開放制御の条件をさらに追加することで、誤検知によるドア2が開放される確率をさらに下げるようにしてもよい。この点について、以下の実施形態2,3で説明する。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
本実施形態では、基本的なドア2の開放制御は前記実施形態1と同じ制御を行なうが、近接センサ5からのローレベルの検知信号の受信継続時間が所定時間以上の場合、ドア2を開放しないという条件を追加した例について説明する。ここで、ローレベルの検知信号の受信継続時間は、近接センサ5からのローレベルの検知信号の受信開始から受信終了までの時間(ローレベルの期間)を示す。本実施形態において追加する条件は、例えば加熱調理器101の前を人が通り過ぎる際に、当該加熱調理器101のドアが開放するのを防ぐための条件である。
図4に示す(a)(c)のそれぞれのOFF期間(ローレベルの期間)を受信継続時間とする。一般的に、近接センサ5の検知範囲を人が通り過ぎた場合、OFF期間が300ms以上となる。そこで、本実施形態では、受信継続時間が250ms以上の場合、近接センサ5の検知範囲を人が通り過ぎた場合であると想定し、ドア2を開放しないようにする。
(ドア2の開放制御)
図6は、本実施形態に係る加熱調理器101におけるドア2の開放制御の流れを示すフローチャートである。ここで、ステップS1〜S8までは、前記実施形態1の図5に示すステップS1〜S8と同じであるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態では、図6に示すように、ステップS4とS5との間に、ステップS21を追加している。
ステップS21において、制御部13は、ローレベルの期間が所定時間以上か否かを判断する。ここでローレベルの期間は、近接センサ5からのローレベルの検知信号の受信継続時間(ステップS2からS4までの時間)である。すなわち、ユーザが手を振る場合には、手の振りの1回の時間をローレベルの期間とする。
ステップS21において、ローレベルの期間が所定時間(ここでは、250ms)以上であると判断した場合(Yes)、ステップS1に移行し、ドア2の開放制御を最初からやり直す。
一方、ステップS21において、ローレベルの期間が所定時間以上でないと判断した場合(No)、ステップS6に移行し、ドア2の開放制御を継続する。
なお、開放されたドア2は、操作パネル3のキー7として操作ボタンを操作することで閉じる。しかしながら、開放されたドア2を閉じるときに、ドア2の開放を行なうときの動作と同じ動作、すなわち所定時間(例えば2秒)以内に、2回手を振ってもよい。
(効果)
以上のように、ステップS21を追加することで、近接センサ5からのローレベルの検知信号の受信継続時間(OFF期間)が所定時間以上の場合、ドア2を開放しないようにできる。これにより、加熱調理器101の前を人が通るとき等のように、加熱調理器101の近くでゆっくりとした動作を検出した場合に、加熱調理器101のドア2を開放しないようにできる。なお、本実施形態ではステップS21における判断基準である所定時間を250msとしたが、これに限定されるものではない。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
本実施形態では、基本的なドア2の開放制御は前記実施形態1と同じ制御を行なうが、近接センサ5からの1回目のローレベルの検知信号の受信終了から2回目のローレベルの検知信号の受信開始までの時間(図4に示す(b)のハイレベルの期間(ON期間))が所定時間(100ms)未満の場合、ドア2を開放しない例について説明する。例えば1回目の動作終了から2回目の動作の開始までの時間であるハイレベルの期間が想定している時間より短い場合には、所定時間(2秒)内であってもドア2を開放しないようにする。
本実施形態では、ハイレベルの期間(ON期間)が短い例として、ユーザが指を拡げて手を振った場合を想定している。この場合、指と指との間が短いため、ローレベルの検知信号の受信が終了してから次のローレベルの検知信号の受信の開始までの時間(ON期間)が100ms以下と短い。
(ドア2の開放制御)
図7は、本実施形態に係る加熱調理器101におけるドア2の開放制御の流れを示すフローチャートである。ここで、ステップS1〜S8までは、前記実施形態1の図5に示すステップS1〜S8と同じであるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態では、図7に示すように、ステップS3とS4との間に、ステップS31を追加している。
ステップS31において、制御部13は、ハイレベルの期間が所定時間以内か否かを判断する。ここでハイレベルの期間は、近接センサ5からの1回目のローレベルの検知信号の受信終了から2回目のローレベルの検知信号の受信開始までの時間(ON期間)である。すなわち、ユーザが手を振る場合には、1回目の手の振りと2回目の手の振りとの間の時間をハイレベルの期間とする。
ステップS31において、ハイレベルの期間が所定時間(ここでは、100ms)以内であると判断した場合(Yes)、ステップS1に移行し、ドア2の開放制御を最初からやり直す。
一方、ステップS31において、ハイレベルの期間が所定時間以内でないと判断した場合(No)、ステップS5に移行し、ドア2の開放制御を継続する。
なお、開放されたドア2は、操作パネル3のキー7として操作ボタンを操作することで閉じる。しかしながら、開放されたドア2を閉じるときに、ドア2の開放を行なうときの動作と同じ動作、すなわち所定時間(例えば2秒)以内に、2回手を振ってもよい。
(効果)
以上のように、ステップS31を追加することで、近接センサ5からのローレベルの知信号の受信終了から次のローレベルの検知信号の受信開始までの時間(ON期間)が所定時間以内の場合、ドア2を開放しないようにできる。これにより、加熱調理器101の前で人が指を拡げて手を振る場合のように、ON期間が極端に短い動作を検出した場合に、加熱調理器101のドア2を開放しないようにできる。なお、本実施形態ではステップS31における判断基準である所定時間を100msとしたが、これに限定されるものではない。
以上の前記実施形態1〜3では、本発明の開閉扉付きの調理器として、加熱調理器の例について説明したが、これに限定されるものではなく、開閉扉付きの調理器であれば、開閉扉付きの保温装置であってもよく、他の開閉扉付きの調理器であってもよい。
〔変形例〕
前記実施形態1〜3では、近接センサ5として赤外線を照射し、加熱調理器101から所定距離内に検知対象物が居る場合、検知信号がOFF、検知対象物が居ない場合、検知信号がONとなるセンサを用いたが、本発明はこのような近接センサ5に限定されるものではない。
例えば、加熱調理器101に近づく物体の、当該加熱調理器101までの距離を検出するセンサを用いてもよい。この場合、センサの検出範囲内であっても、加熱調理器101から検知対象物までの距離が所定距離以内でないと、上述したような加熱調理器101のドア2の開放制御をしないように設定することができる。これにより、例えば近接センサ5の検知範囲内であっても、加熱調理器101から離れた位置(所定距離以上離れた位置)では、ユーザによって手が2回振られたとしてもドア2を開放しないようにできる。従って、ユーザが加熱調理器101から必要以上に離れた位置にいる場合には、例えば前記実施形態1〜3で説明した各種条件を満たしても、ドア2を開放しないようにできる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
加熱調理器101の制御ブロック(特に制御部13)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、加熱調理器101は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る調理器は、開閉扉(ドア2)付きの調理器(加熱調理器101)であって、当該調理器(加熱調理器101)に近接する物体の有無を検知する近接センサ5と、上記近接センサ5からの物体有りを示す検知信号(ローレベルの検知信号)に基づいて上記開閉扉(ドア2)の開放を制御する扉開放制御部(制御部13)と、を備え、上記扉開放制御部(制御部13)は、上記近接センサ5からの物体有りを示す検知信号(ローレベルの検知信号)を所定時間内に複数回受信した場合、上記開閉扉(ドア2)を開放することを特徴としている。
上記構成によれば、近接センサからの物体有りを示す検知信号を所定時間内に複数回受信した場合、開閉扉を開放することで、当該近接センサからの物体有りを示す検知信号を所定時間内に複数回受信するという条件を満たさない場合には、開閉扉は開放しないことになる。
このように、開閉扉を開放するための条件の要素を多くすれば、開閉扉が不要に開放されるという事態を回避することが可能となる。例えば、近接センサの検知範囲内で、ユーザが手を振る動作を行なって開閉扉を開放する場合、所定時間内にユーザが手を複数回振ることで、開閉扉を開放することができる。つまり、所定時間内にユーザが手を複数回振らなければ、開閉扉は開放しない。
従って、ユーザの意図とは無関係に調理器の開閉扉を開放しない調理器を提供できるという効果を奏する。
本発明の態様2に係る調理器は、上記態様1において、上記扉開放制御部(制御部13)は、上記近接センサ5からの物体有りを示す検知信号(ローレベルの検知信号)の受信継続時間が所定時間以上の場合、上記開閉扉(ドア2)を開放しないことが好ましい。
上記構成によれば、扉開放制御部は、近接センサからの物体有りを示す検知信号の受信継続時間が所定時間以上の場合、開閉扉を開放しないことで、調理器の前を人が通るとき等のように、調理器の近くでゆっくりとした動作を検出した場合に、調理器の開閉扉を開放しないようにできる。
本発明の態様3に係る調理器は、上記態様1または2において、上記扉開放制御部(制御部13)は、上記近接センサ5からの物体有りを示す検知信号(ローレベルの検知信号)の受信終了から次の物体有りを示す検知信号(ローレベルの検知信号)の受信開始までの時間が所定時間以内の場合、上記開閉扉(ドア2)を開放しないことが好ましい。
上記構成によれば、扉開放制御部は、近接センサからの物体有りを示す検知信号の受信終了から次の物体有りを示す検知信号の受信開始までの時間が所定時間以内の場合、開閉扉を開放しないことで、調理器の前で人が指を拡げて手を振る場合のように、調理器の近くで速い動作を検出した場合に、調理器の開閉扉を開放しないようにできる。
本発明の態様4に係る調理器は、上記態様1〜3の何れか1態様において、上記近接センサ5は、上記調理器(加熱調理器101)の前面に形成された、当該近接センサ5の検知方向が開放している凹部(空間20)に形成されているのが好ましい。
上記構成によれば、近接センサは、上記調理器の前面に形成され、当該近接センサの検知方向が開放している凹部に形成されていることで、近接センサが調理器の前面から露出しない。これにより、近接センサは、外部からの衝撃を受けにくくなり、外部からの衝撃を受けることに起因する故障等の不具合を軽減することができる。また、近接センサに汚れが付着しにくくなり、汚れの付着に起因する誤検知等の不具合を軽減することができる。しかも、近接センサが調理器から露出しないことで、当該調理器のデザインを損なうことがない。
本発明の態様5に係る調理器は、上記態様1〜4の何れか1態様において、調理室内の被調理対象物を加熱する加熱装置をさらに備えていてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 ケーシング
2 ドア(開閉扉)
3 操作パネル
4 加熱庫
5 近接センサ
6 表示パネル
7 キー
8 ドア開閉検知スイッチ
9 ドロワーモータ
10 冷却ファン
11 マグネトロン(加熱装置)
12 庫内灯
13 制御部(扉開放制御部)
20 空間(凹部)
101 加熱調理器(調理器)

Claims (5)

  1. 開閉扉付きの調理器であって、
    当該調理器に近接する物体の有無を検知する近接センサと、
    上記近接センサからの検知信号に基づいて上記開閉扉の開閉を制御する扉開放制御部と、を備え、
    上記扉開放制御部は、
    上記近接センサからの物体有りを示す検知信号を所定時間内に複数回受信した場合、上記開閉扉を開放することを特徴とする調理器。
  2. 上記扉開放制御部は、
    上記近接センサからの物体有りを示す検知信号の受信継続時間が所定時間以上の場合、上記開閉扉を開放しないことを特徴とする請求項1に記載の調理器。
  3. 上記扉開放制御部は、
    上記近接センサからの物体有りを示す検知信号の受信終了から次の物体有りを示す検知信号の受信開始までの時間が所定時間以内の場合、上記開閉扉を開放しないことを特徴とする請求項1または2に記載の調理器。
  4. 上記近接センサは、上記調理器の前面に形成された、当該近接センサの検知方向が開放している凹部に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の調理器。
  5. 調理室内の被調理対象物を加熱する加熱装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の調理器。
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