JP2019124274A - 減速ホイール、減速機構付モータ、及び、ワイパモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】汎用性が高いだけでなく軸間距離が安定した精度の高い減速ホイール、又は、該減速ホイールを備える減速機構付モータ若しくはワイパモータを提供すること。【解決手段】略円筒状で外周にギヤ歯を有すると共に一方の端面に有底状の取付部を有するホイール部材と、前記取付部に挿入される取付部材と、を有し、前記ギヤ歯に噛合して入力される回転を減速して運動変換機構に伝達する減速ホイールであって、前記ホイール部材の中央であって前記取付部の底面には回転軸が貫通する貫通孔を有し、前記取付部材は、前記回転軸が挿通される挿通孔と、前記運動変換機構との接続部とを一体的に有しており、前記取付部材は、前記取付部に対して、円周方向で2以上の向きに取り付けられることが可能であることを特徴とする。【選択図】図14

Description

本発明は、減速ホイール、減速機構付モータ、及び、ワイパモータに関する。
車両に搭載されるワイパ装置等の駆動源として用いられるモータには小型化、高出力化の要請があるために、このようなモータには減速機が備えられている。
特許文献1には、ウォーム、ウォームホイール及びセクタギアを備える減速機付モータが開示されている。この減速機付モータのウォームホイールには、径方向外側に向けて放射状に複数の凹部を備える4個の取り付け溝が設けられ、該取り付け溝の中の1個には、複数の凹部の1つに位置決めして連結部材が取り付けられている。そして、連結部材を介してセクタギアが形成された動力伝達部材が連結されることにより、当該減速機付モータはモータの回転を往復揺動運動に変換して出力することができる。
特開2010−213464号公報
ワイパ装置の駆動源として用いられる減速機付モータにおいては、ウォームホイールの底面にリレープレートが設けられており、該リレープレートの位置に応じて、ワイパアームの停止位置が制御される。特許文献1では、4個の取り付け溝の中のどれに連結部材を取り付けるかによって、ワイパアームの停止位置を変更できる。また、ウォームホイールにおける連結部材の径方向位置を複数の凹部の中から選択することによって、ワイパアームの揺動角度を調整することができる。
しかしながら、ウォームホイール軸が挿通される挿通孔がウォームホイールに設けられ、動力伝達部材が連結される挿通孔が別部材である連結部材に設けられているため、両挿通孔の軸間距離は両部材をそれぞれ高精度に製造する必要があり、しかも組付け精度にも影響されてしまいバラツキが生じてしまう。
そこで、本発明の目的は、汎用性が高いだけでなく軸間距離が安定した精度の高い減速ホイール、又は、該減速ホイールを備える減速機構付モータ若しくはワイパモータを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成できる。すなわち、本発明の第1の態様の減速ホイールは、略円筒状で外周にギヤ歯を有すると共に一方の端面に有底状の取付部を有するホイール部材と、
前記取付部に挿入される取付部材と、
を有し、前記ギヤ歯に噛合して入力される回転を減速して運動変換機構に伝達する減速ホイールであって、
前記ホイール部材の中央であって前記取付部の底面には回転軸が貫通する貫通孔を有し、
前記取付部材は、前記回転軸が挿通される挿通孔と、前記運動変換機構との接続部とを一体的に有しており、
前記取付部材は、前記取付部に対して、円周方向で2以上の向きに取り付けられることが可能であることを特徴とする。
本発明の第2の態様の減速ホイールは、第1の態様の減速ホイールにおいて、前記取付部材は、前記挿通孔を有する中央部と、前記中央部から外周側に突設されている少なくとも1つの連結部とを有し、
前記連結部は、前記運動変換機構との前記接続部を有し、
前記取付部は、前記連結部の形状に対応する連結部挿入部を2つ以上かつ前記連結部の数以上有することを特徴とする。
本発明の第3の態様の減速ホイールは、第2の態様の減速ホイールにおいて、前記取付部材は、前記連結部を2つ以上有することを特徴とする。
本発明の第4の態様の減速ホイールは、第3の態様の減速ホイールにおいて、前記取付部材は、前記連結部のそれぞれの前記接続部と前記挿通孔との軸間距離がそれぞれ異なることを特徴とする。
本発明の第5の態様の減速ホイールは、第2〜第4のいずれかの態様の減速ホイールにおいて、前記取付部は、前記連結部挿入部を略90°間隔に有することを特徴とする。
本発明の第6の態様の減速ホイールは、第2〜第5のいずれかの態様の減速ホイールにおいて、前記取付部材は、略180°間隔に連結部を有することを特徴とする。
本発明の第7の態様の減速ホイールは、第1〜第6のいずれかの態様の減速ホイールにおいて、前記取付部材には、少なくとも2以上の前記接続部を有することを特徴とする。
本発明の第8の態様の減速ホイールは、第1〜第7のいずれかの態様の減速ホイールにおいて、前記ホイール部材と前記取付部材とは、材質が異なることを特徴とする。
本発明の第9の態様の減速ホイールは、第1〜第8のいずれかの態様の減速ホイールにおいて、前記取付部材として前記接続部から前記挿通孔までの軸間距離が異なる複数種類のものが用意されており、複数種類のものの中から選択された前記取付部材が前記取付部に取り付けられることを特徴とする。
本発明の第10の態様の減速機構付モータは、第1〜第9のいずれかの態様の減速ホイールに対して、ウォームを介して回転が伝達され、前記ウォームはモータ部により回転駆動されることを特徴とする。
本発明の第11の態様のワイパモータは、第10の態様の減速機構付モータの回転が伝達される前記運動変換機構が、回転運動を往復運動に変換して出力軸に伝達するものであり、前記出力軸にワイパ装置が接続されていることを特徴とする。
本発明の第1の態様の減速ホイールによれば、ホイール部材の取付部に取付部材が挿入されているため、取付部材を交換することにより、挿通孔と接続部との軸間距離を調整することができるため、当該減速ホイールをワイパモータに用いた場合には、ワイパアームの揺動範囲を自由に設定することができ、ホイール部材の汎用性を高めることができる。また、取付部材に挿通孔と接続部とが設けられているため、挿通孔と接続部との軸間距離の設定を単一の部材において高精度に行うことができる。さらに、取付部材は取付部に対して、円周方向で2以上の向きに取り付けられることが可能であるため、取付部材の取付部における取付位置を変更することにより、ワイパアームの停止位置を変更でき、さらにホイール部材の汎用性を高めることができる。
本発明の第2の態様の減速ホイールによれば、取付部において連結部を挿入する連結部挿入部の位置を選択することにより、ワイパアームの停止位置を変更できる。
本発明の第3の態様の減速ホイールによれば、取付部材は連結部を2つ以上有するため、各連結部に設ける接続部と挿通孔との軸間距離を異ならせておくことによって、共通の取付部材によって接続部の位置を複数に設定することができる。
本発明の第4の態様の減速ホイールによれば、連結部のそれぞれの接続部と挿通孔との軸間距離を、それぞれ異ならせることにより、接続部の位置を適切に設定することができる。
本発明の第5の態様の減速ホイールによれば、取付部は連結部挿入部を略90°間隔に有することにより、90°毎の4箇所について、運動変換機構との接続部がどの連結部挿入部に挿入されるかによって、ワイパアームの停止位置の変更することができる。
本発明の第6の態様の減速ホイールによれば、取付部材は略180°間隔に連結部を有することにより、取付部材の外郭形状を挿通孔周りに略点対称な形状とすることができるために製造や設計がしやすい。
本発明の第7の態様の減速ホイールによれば、取付部材には少なくとも2以上の接続部を設けることにより、接続部と挿通孔との各軸線の距離を異ならせることができ、これにより、共通の取付部材によってワイパアームの揺動範囲を複数通りに設定することができる。
本発明の第8の態様の減速ホイールによれば、ホイール部材と取付部材とは材質を異ならせることができる。例えば、ホイール部材を樹脂製とし、取付部材を金属製とすることができる。取付部材を金属製とすると、反転位置において最も応力がかかる際にも金属製の取付部材により強度を保つことができる。また、含油焼結金属とすることで、運動変換機構に軸を設けた場合の接続部に対して取付部材を滑らかに摺動させることができる。
本発明の第9の態様の減速ホイールによれば、取付部材として接続部から挿通孔までの軸間距離が異なる複数種類のものを用意しておき、ワイパモータの仕様に応じて、複数種類のものの中から所望の寸法が設定された取付部材を取付部に取り付けることができる。これにより、共通のホイール部材を利用した上で、ワイパモータの仕様に応じた所望の減速ホイールを提供することができる。
本発明の第10の態様の減速機構付モータによれば、上記減速ホイールの効果を奏する減速機構付モータを提供することができる。
本発明の第11の態様のワイパモータによれば、上記減速ホイールの効果を奏するワイパモータを提供することができる。
本発明の実施形態1に係るワイパモータの構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態1に係るワイパモータの構成を示す一部を透視した斜視図である。 本発明の実施形態1に係るワイパモータの構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係るワイパモータの構成を示す平断面図である。 本発明の実施形態1に係るワイパモータの構成を示す図4の5−5線に沿った断面図である。 本発明の実施形態1に係るワイパモータの構成を示す平断面図である。 本発明の実施形態1に係るワイパモータの構成を示す図6の7−7線に沿った断面図である。 本発明の実施形態1に係るワイパモータの構成を示し、クラッチ解除状態における図7に対応した図面である。 本発明の実施形態1に係るワイパモータの構成部材であるクラッチ装置の構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係るワイパモータの構成部材であるクラッチ装置の構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係るワイパモータの構成部材である揺動機構及びクラッチ装置の部分的な構成を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係るワイパモータの構成部材であるクラッチ装置のクラッチディスクに設けられた係合凹部の形状及び配置状態を示すクラッチディスクの裏面図である。 比較例に係る減速ホイールの斜視図である。 本発明の実施形態1に係る減速ホイールの斜視図である。図14Aは取付部材をホイール部材に組み付ける前の状態の斜視図であり、図14Bは取付部材をホイール部材に組み付けた際の斜視図である。 本発明の実施形態2に係る減速ホイールの平面図である。 本発明の実施形態3に係る減速ホイールの平面図である。 本発明の実施形態4に係る減速ホイールの平面図である。
以下、本発明に係る減速ホイール、減速機構付モータ、及び、ワイパモータについて、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、但し、以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するための減速ホイール、減速機構付モータ、及び、ワイパモータを例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。そして、ワイパモータを例に挙げて説明するが、本発明はワイパモータに限定されるものではなく、減速ホイールを有する任意の装置に適用し得るものである。
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係るワイパモータ90について、図1〜図5を参照して説明する。なお、図1及び図2には、本発明の実施の形態に係るワイパモータ90の全体構成が斜視図にて示されており、図3には、このワイパモータ90の構成が分解斜視図にて示されている。さらに、図4〜図8には、ワイパモータ90の構成が断面図にて示されている。
ワイパモータ90は、車両のワイパ装置を駆動するためのワイパ駆動用モータとされており、モータ本体92、減速機構93、「運動変換機構」としての揺動機構94、及びクラッチ装置10を備えている。
図4及び図6に示す如く、モータ本体92は、ヨークハウジング98を備えている。ヨークハウジング98は、軸線方向一端部が絞り加工された有底でしかも回転軸110の直交方向断面が出力軸12の軸線方向を短手方向とする偏平形状の筒状に形成されており、開口側がハウジング96に一体的に取り付けられている。ヨークハウジング98の底壁100には、軸受102が配置されている。一方、ヨークハウジング98の他端部には、絶縁樹脂製のエンドハウジング104が固定されている。
また、エンドハウジング104の中央部分には軸受106が配置されている。この軸受106及びヨークハウジング98の軸受102によってアーマチャ108の回転軸110が支持されアーマチャ108がヨークハウジング98内に収容されている。アーマチャ108に対向するヨークハウジング98の内周壁にはマグネット112が固着されている。
エンドハウジング104には、ブラシケースを介してブラシ114が保持されている。ブラシ114は角柱状に形成されており、アーマチャ108のコンミテータ116に圧接されている。また、ブラシ114からは連結用ピッグテール118が引き出されており、ピッグテール118の先端部は、給電用の接続線に接続されている。
モータ本体92(アーマチャ108)の回転軸110は、カップリング120によって減速機構93のウォームギヤ122に連結されている。
ウォームギヤ122は、その一端部が軸受124を介してハウジング96に回転自在に支持されると共に、他端部は軸受126を介してハウジング96に回転自在に支持されている。このウォームギヤ122は、「減速ホイール」としてのウォームホイール128に噛み合っている。
ウォームホイール128は、ウォームギヤ122の軸線に対し一側側に配置され、ウォームギヤ122の外周に設けられたギヤ歯155に噛合した状態でハウジング96内に収容されており、ウォームギヤ122(回転軸110)の軸線と垂直な回転軸130回りに回転する。
また、ウォームホイール128には、揺動部材を構成するセクタギヤ132が連結されている。セクタギヤ132は、ウォームホイール128の回転軸130と異なる位置(径方向に変位した位置)に設けられた支軸(クランクピン)134によって一端が回転自在に連結されると共に、他端には噛合部としての歯部136が形成されている。この歯部136は、後述するクラッチ装置10の入力ディスク28に係合(噛合)している。
またさらに、セクタギヤ132の厚さ方向一方側(ウォームホイール128と反対側)には、保持レバー138が配置されている。この保持レバー138は、その一端がセクタギヤ132の歯部136における揺動中心軸140(歯部136のピッチ円の中心に設けられた支軸)に連結されており、その他端がハウジング96に回転自在に支持された出力軸12に回転自在に連結されている。これにより、揺動中心軸140と出力軸12との軸間距離(軸間ピッチ)が維持され、セクタギヤ132と入力ディスク28との出力軸12径方向に沿った噛合い状態が維持される。こうして、ウォームホイール128が回転することによってセクタギヤ132が往復揺動され、このセクタギヤ132の往復揺動動作によって、後述する入力ディスク28が往復回転駆動される構成である。
なお、保持レバー138のセクタギヤ132とは反対側には、樹脂材料等からなる摺動部材147が取り付けられており、この摺動部材147は、ハウジング96の裏側を閉塞するカバー148に摺動可能に当接している。これにより、保持レバー138の厚さ方向(出力軸12の軸線方向)に沿った移動が制限されている。また、出力軸12はウォームギヤ122の軸線に対しウォームホイール128と反対側に配置されているため、ウォームホイール128に一端が連結されたセクタギヤ132はウォームギヤ122の軸線と交差状態(ねじれの位置の状態)で配置され他端の歯部136が入力ディスク28に噛合している。
一方、図9及び図10に示す如く、出力軸12は、先端側(図9及び図10では上側)
が断面円形に形成されて円柱部13とされ、基端側(図9及び図10では下側)が断面略矩形(周方向において互いに180度反対側に形成された一対の平面と、これらの平面に連続する一対の円周面とを備えた所謂「断面ダブルDカット形状」)に形成されて相対回転規制部14とされている。
出力軸12の円柱部13は、図5及び図7に示す如く、ハウジング96に固定された軸受部材50によって回転自在に支持されている。一方、相対回転規制部14の先端側(円柱部13側)には、前記円周面とされた部分に軸線方向に沿った複数の突条が形成されて回止部16が設けられており、基端部突端には抜止部18が設けられている。
相対回転規制部14の回止部16には、出力軸12の径方向に大径とされた大径部としての係合ベース20が出力軸12と同軸的に固着されている。係合ベース20は、中央部分に出力軸12の相対回転規制部14に対応する断面略矩形(断面ダブルDカット形状)の支持孔22が形成された円盤状に形成されており、支持孔22が回止部16に固着されることで常に出力軸12と一体回転する(出力軸12に対して軸線方向移動不能とされる)。また、係合ベース20の周縁には、径方向(出力軸12の径方向)に突出するストッパ部26が設けられている。このストッパ部26は、ハウジング96に形成された後述するストッパ突起142に対応している。
なお、前述の如く出力軸12と係合ベース20とを別体に形成して固着する構成に限らず、例えば、冷間鍛造等により出力軸12と係合ベース20とを一体に形成する構成(出力軸にツバ状の大径部を一体に形成する構成)としてもよい。
一方、相対回転規制部14の抜止部18には、前述した入力ディスク28が出力軸12と同軸的に取り付けられている。入力ディスク28は、中央部分に断面円形の軸孔30が形成された円筒状に形成されており、軸孔30に出力軸12の抜止部18が挿通すると共に抜止部18の突端に取り付けられた抜止めクリップ32によって抜け止めされることで、出力軸12に対して軸線方向一側(係合ベース20と反対側)へ抜止め状態でかつ回転自在に支持されている。この入力ディスク28は、本実施の形態では、粉末合金を成型金型に入れ、圧縮成形し、加熱焼結する所謂「粉末冶金法」により製造された焼結金属であり、該焼結金属内に潤滑油が含油されている。
入力ディスク28の軸線方向一端側(係合ベース20とは反対側)の外周には、ギヤ歯34が形成されている。このギヤ歯34は、前述した揺動機構94のセクタギヤ132の歯部136に噛合しており、セクタギヤ132から駆動力が入力されると、入力ディスク28が出力軸12周りに回転するようになっている。
また、図10に示す如く、入力ディスク28には、ギヤ歯34の軸線方向他端側(係合ベース20側、前述した保持レバー138とは反対側)において、ギヤ歯34の端部を連結する連結壁35が形成されている。この連結壁35は、図11に示す如く、保持レバー138と共にセクタギヤ132の歯部136を厚さ方向両側で挟み込んでいる(連結壁35が、歯部136厚さ方向一方側の端面に対向すると共に、保持レバー138が歯部136の厚さ方向他方側の端面に対向することで、セクタギヤ132の歯部136における厚さ方向の移動が制限されている)。
さらに、入力ディスク28は、連結壁35を介してギヤ歯34とは反対側の外周が、出力軸12と同心の円周面36とされており、この円周面36は、図5及び図7に示す如く、ハウジング96に固定された軸受部材52によって回転可能に保持(支持)されている。すなわち、入力ディスク28は、ギヤ歯34の軸線方向他端側に出力軸12と同軸的な円盤状のツバ部を備えており、このツバ部の外周面(円周面36)が、軸受部材52に支持されている。
またさらに、入力ディスク28の軸線方向他端側(係合ベース20の側、出力軸12の軸線方向他側)の端面には、その周縁部に係合ベース20側へ向けて突出する4つの係合凸部37が設けられている。これら4つの係合凸部37は、入力ディスク28に対して同心状に配置されると共に、入力ディスク28の周方向に沿って互いに等間隔にならないように(周方向に沿って隣接する間隔がそれぞれ異なるように)配置されている。これらの係合凸部37は、後述するクラッチディスク38の係合凹部42に対応している。
一方、出力軸12の相対回転規制部14には、前述した係合ベース20と入力ディスク28との間において、クラッチディスク38が出力軸12と同軸的に支持されている。クラッチディスク38は、相対回転規制部14に対応する断面略矩形(断面ダブルDカット形状)の軸孔40が中央部分に形成された円盤状に形成されており、軸孔40に出力軸12(相対回転規制部18)が挿通することで、入力ディスク28に対し出力軸12の軸線方向他側(後述するコイルスプリング44の側)に位置すると共に、出力軸12に対して軸線周りに回転不能でかつ軸線方向に沿って移動可能に支持されている。これにより、クラッチディスク38は、常に出力軸12と一体的に回転すると共に、入力ディスク28に対して出力軸12の軸線方向に沿って相対移動可能となっている。このクラッチディスク38は、本実施の形態では、前述した所謂「粉末冶金法」により製造された焼結金属であり、該焼結金属内に潤滑油が含油されている。
クラッチディスク38の裏面側(入力ディスク28の側、出力軸12の軸線方向一側)には、その周縁部において4つの係合凹部42が凹設して(窪んで)設けられている。これらの係合凹部42は、入力ディスク28の前述した4つの係合凸部37に対応しており、クラッチディスク38に対して同心状に配置されると共に、クラッチディスク38の周方向に沿って互いに等間隔にならないように(周方向に沿って隣接する間隔がそれぞれ異なるように)配置されている。
これら4つの係合凹部42には、入力ディスク28の4つの係合凸部37がそれぞれ嵌入可能となっている(すなわち、クラッチディスク38は、入力ディスク28に噛合係合可能となっている)。これにより、通常の使用状態(回転状態)では、入力ディスク28が回転した場合にこの入力ディスク28の回転力がクラッチディスク38へ伝達されてクラッチディスク38が供に回転される構成である。
但し、前述した如く、各係合凸部37と各係合凹部42とは、それぞれ入力ディスク28及びクラッチディスク38の周方向に沿って等間隔にならないように(隣接する間隔がそれぞれ異なるように)設けられているため、クラッチディスク38(出力軸12及びワイパ)と入力ディスク28とは、周方向に沿った相対関係位置が所定の一位置にあるときにのみ噛合係合するようになっている。すなわち、上記所定の一位置以外の位置では、1個の係合凸部37が係合凹部42に対応しても、他の3個の係合凸部37は係合凹部42に対応しないようになっている。したがって、係合凸部37が係合凹部42から抜け出した状態では、クラッチディスク38は、少なくとも3個の係合凸部37を介して入力ディスク28と接触するようになっている(3点支持状態となる構成である)。
またここで、図12に示す如く、入力ディスク28の係合凸部37と、クラッチディスク38の係合凹部42とは、それぞれ周方向端縁(側壁部分)が、各部材軸線CL(出力軸12の軸線)を通る径方向直線K上に一致した形状(すなわち、扇状に径方向外側へ開いた形状)に形成されている。これにより、係合凸部37と係合凹部42との接触部分のうち径方向内側と径方向外側とで一様な面圧となる(摺動によるヘルツ接触面圧が軽減する)ように構成されている。
さらにここで、入力ディスク28の係合凸部37とクラッチディスク38の係合凹部42とはそれぞれ断面形状が所謂略台形に形成されているが、本実施の形態においては、入力ディスク28の係合凸部37は、その台形状左右両側にそれぞれ倣い面51を有しており、また、クラッチディスク38の係合凹部42は、その台形状左右両側にそれぞれ湾曲制御面53を有している。そして、倣い面を有する側よりも、湾曲制御面を有する側のほうが高い硬度に設定された構成とする。
また一方、クラッチディスク38と係合ベース20との間には、出力軸12回りに巻き回されて出力軸12の軸線方向に圧縮可能とされた弾性部材としてのコイルスプリング44が配置されている。このコイルスプリング44は、入力ディスク28の係合凸部37と、クラッチディスク38の係合凹部42との係合状態からのクラッチディスク38の出力軸12軸線方向他側(コイルスプリング44の側)へ向けた軸線方向移動に対して、所定の抗力(クラッチディスク38の軸線方向移動によって弾性変形された際の復元力)を付与するようになっている。
換言すれば、通常は、入力ディスク28の係合凸部37が、クラッチディスク38の係合凹部42に入り込むと共に、コイルスプリング44はこの嵌入状態を維持しており、入力ディスク28の係合凸部37が、クラッチディスク38の係合凹部42から抜け出そうとしてクラッチディスク38がコイルスプリング44を圧縮する方向へ向けて軸線方向移動しようとすると、これに抗する付勢力(復元力)を発揮するように構成されている。
コイルスプリング44の断面形状は、略円形または略矩形とすることができる。コイルスプリング44の断面形状を略矩形とした場合には、コイルスプリングの長手方向長さを短縮することができるため、出力軸12の軸線方向の寸法を薄型化することができる。例えば、出力軸12の軸線に沿う方向に短辺を、出力軸12の軸線に対して垂直な方向に長辺を有する矩形断面のコイルスプリングを用いることができる。
また、前述した如く、入力ディスク28の係合凸部37が、クラッチディスク38の係合凹部42にそれぞれ入り込むことで、入力ディスク28からクラッチディスク38へ回転力が伝達されるが、入力ディスク28の係合凸部37が、クラッチディスク38の係合凹部42から抜け出した状態でも(クラッチディスク38が係合ベース20の側へ向けて移動した状態でも)、前記コイルスプリング44が発揮する付勢力(復元力)によって、入力ディスク28の係合凸部37と、クラッチディスク38の裏面との間に所定の摩擦力が生じ、これにより、入力ディスク28とクラッチディスク38とが供回りするようにコイルスプリング44の付勢力等が設定されている。
一方、図4及び図6に示す如く、ハウジング96には、前述した係合ベース20のストッパ部26に対応して、ストッパ突起142が形成されている。
ストッパ突起142は円弧状に形成されており、ストッパ部26の回転軌跡内に位置している。ストッパ突起142の周方向一端部及び周方向他端部は、それぞれ回転制限部144、回転制限部146とされている。すなわち、ストッパ突起142の回転制限部144及び回転制限部146は、それぞれストッパ部26に当接可能となっており、ストッパ部26がストッパ突起142の回転制限部144あるいは回転制限部146に当接した状態では、それ以上の係合ベース20(出力軸12)の回転が阻止される構成である。したがって、入力ディスク28の回転駆動力によって、係合ベース20(出力軸12)がクラッチディスク38と共に回転し、ストッパ部26がストッパ突起142の回転制限部144あるいは回転制限部146に当接した後には、それ以後の係合ベース20(出力軸12)の回転が強制的に阻止されるため、入力ディスク28が相対回転(空回り)する構成となっている。
さらに、入力ディスク28によって往復回転駆動される出力軸12には、ワイパ(図示省略)が直接的に連結されており、またはリンクやロッド等を介して間接的に連結されており、当該ワイパが出力軸12の往復回転に伴って往復駆動する構成である。
図示されないコネクタから給電された電力はピッグテール118を介してブラシ114に供給され、さらに、ブラシ114が摺接されているコミテータ116に供給される。コミテータ116に電力が供給されると、アーマチャ108に巻回された巻線に通電され、アーマチャ108の磁極に磁力が発生する。アーマチャ108の磁極に発生した磁力とマグネット112による界磁との吸引・反発力により、アーマチャ108が回転駆動される。
アーマチャ108と共に、回転軸110が回転し、この回転はカップリング120を介してウォームギヤ122に伝達される。ウォームギヤ122の回転は、ウォームギヤ122と噛み合っているウォームホイール128に伝達される。ウォームホイール128の底面側(ハウジング96側)とは反対側には支軸(クランクピン)134によりセクタギヤ132の一端が固定されている。また、セクタギヤ132の他端に形成されている歯部136の近傍には揺動中心軸140が設けられており、この揺動中心軸140と出力軸12とは保持レバー138により軸間距離(軸間ピッチ)が維持されている。これにより、ウォームホイール128の回転に応じてセクタギヤ132が往復揺動される。
入力ディスク28のギヤ歯34は、セクタギヤ132の歯部136と噛み合っているため、セクタギヤ132が往復揺動することにより、入力ディスク28は往復回転運動する。クラッチ装置10が係合している場合には、入力ディスク28の係合凸部37がクラッチディスク38の係合凹部42に噛み合っているため、入力ディスク28の回転はクラッチディスク38に伝達される。クラッチディスク38の回転は出力軸12に伝達され、出力軸12が往復回転される。なお、出力軸12に過大な負荷がかかると入力ディスク28に対してクラッチディスク38が空回りし、クラッチ装置10の係合が解除されることにより、ワイパモータ90に過大な負荷が伝達されることを防ぐことができる。
出力軸12にはワイパアーム(図示省略)が直接的に連結されており、またはリンクやロッド等を介して間接的に連結されている。ワイパアームにはワイパブレードが接続されており、当該ワイパアームが出力軸12の所定の角度範囲の往復回転に伴ってワイパアームが下反転位置と上反転位置との間で揺動運動する。このワイパアームの揺動運動に伴って、ワイパブレードはウインドウを払拭する。
ワイパアームが下反転位置と上反転位置との間で揺動運動する角度範囲は、ウォームホイール128においてセクタギヤ132を固定する支軸134と回転軸130との軸間距離、すなわち、接続部と回転軸130との軸間距離により調整される。以下、減速ホイールとしてのウォームホイール128の構造について詳細に説明する。
図13は比較例に係る減速ホイールとしてのウォームホイール128の斜視図である。ウォームホイール128は略円筒形であり、外周にはウォームギヤ122と噛み合うギヤ歯155が設けられている。ウォームホイール128の材質は例えば樹脂製であり、例えば樹脂成型により製造される。ウォームホイール128の中央には挿通孔162が設けられており、貫通孔162には、回転軸130(図3、図5を参照。)が貫通され、ウォームホイール128は回転軸130の周りを回転する。
貫通孔162を挟んで両側には支軸134(図3、図5を参照。)が挿入される支軸挿入孔164が設けられている。挿通孔162から両支軸挿入孔164までの軸間距離は同一である。挿通孔162から両支軸挿入孔164までの軸間距離を変更できないため、ワイパアームの揺動範囲を調整するためには、その揺動範囲に対応した、挿通孔162から支軸挿入孔164までの軸間距離が設定されたウォームホイール128を用意する必要がある。この場合には、必要となるワイパアームの揺動範囲毎に、異なる設定のウォームホイール128が必要となるため、その数分だけウォームホイール128の成形用の型が必要となり、型を作成する手数及び費用が発生し、また、型の管理や保管の手間がかかる。
これに対して、図14は本発明の実施形態1に係る減速ホイールとしてのウォームホイール128の斜視図であり、図14Aは取付部材160をホイール部材150に組み付ける前の状態の斜視図であり、図14Bは取付部材160をホイール部材150に組み付けた際の斜視図である。
ウォームホイール128は、略円筒状であり、外周にギヤ歯155を有し、さらに、取付部151を有するホイール部材150と、取付部151に取り付けられる取付部材160とからなる。取付部151は有底であり、その底には底面152を有し、底面152には、ホイール部材150の中央部にあたる位置に貫通孔153が設けられている。貫通孔153には回転軸130(図3、図5を参照。)が貫通されている。回転軸130はギヤハウジング96に植設されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ホイール部材150に一体に固定されギヤハウジング96に対して回転自在に支持されるものとすることもできる。
一方、取付部材160は挿通孔162を有する中空円筒状の中央部161と、中央部161を挟んで半径方向の両側に略180°の間隔をあけて、「接続部」としての支軸挿入孔164を有する連結部163が一対設けられている。挿通孔162には回転軸130が挿入され、挿通孔162の内周は回転軸130の外周に摺接するように両者の径が設定されている。
支軸挿入孔164には、支軸134が回転可能に挿入され、これによりセクタギヤ132の一方の端部が支軸挿入孔164に対して接続されるため、支軸挿入孔164は接続部として機能する。なお、ここでは、セクタギヤ132側から支軸挿入孔164に向けて支軸134を挿入しているが、接続部の構成はこれに限定されるもではなく、例えば支軸挿入孔164の側からピン状の部材を突出させ、セクタギヤの一端に設けられた孔に向けて挿入するようにしても構わない。
挿通孔162から一方の支軸挿入孔164までの軸間距離は、挿通孔162から他方の支軸挿入孔164までの軸間距離と異なるように設定されている。これにより、挿通孔162の軸線から一方の支軸挿入孔164までの軸間距離を2種類設定可能であるため、同一の取付部材160を用いてワイパアームの揺動角度範囲を2種類設定できることになる。
ホイール部材150に設けられた取付部151は貫通孔153から放射状に互いに略90°の間隔をあけて、取付部材160の連結部163の形状に対応した、連結部挿入部154が4個設けられている。
図14Bに示されるように、取付部材160は、ホイール部材150に設けられた取付部151に取り付け可能である。4個の連結部挿入部154の中、対向する2つの連結部挿入部154に対して、取付部材160の一対の連結部163が挿入される。この時、取付部151に取付部材160を取り付ける組み合わせは、連結部挿入部154の数である4個と、挿通孔162と支軸挿入孔164との軸間距離の種類である2種類との積である、8種類となる。
ここで、4個の連結部挿入部154に対して、選択的に接続部としての支軸挿入孔164を位置させることができることによる作用を説明する。ホイール部材150の取付部151とは反対側の面には、ワイパモータ90側から突出している例えば3本の導電性のコンタクタプレート(不図示)が摺接する導電プレート(不図示)が設けられている。そして、この導電プレートの導電パターンにより、ワイパアームが下反転位置で停止するように設定されている。
一方、ワイパアームの下反転位置は、減速機構93及び揺動機構94の各部の配置に応じてウォームホイール128の360°の回転位置のいずれかに決定される。したがって、ワイパモータ90の仕様に応じて減速機構93及び揺動機構94のレイアウトが変更されると、ウォームホイール128の360°の回転位置のいずれかに決定される下反転位置が変更される。
この時、4個の連結部挿入部154に対して、選択的に接続部としての支軸挿入孔164を位置させることができる場合には、4通りの異なるレイアウトに対して下反転位置でのワイパアームの停止位置を設定することができる。さらに、上述のとおり、ワイパアームの揺動範囲は挿通孔162と支軸挿入孔164との軸間距離の組み合わせである2通りの中から選択することができる。なお、ワイパアームが上反転位置で停止するように設定することも可能である。
取付部材160は挿通孔162と支軸挿入孔164の両方が設けられた単一の部材であるため、挿通孔162と支軸挿入孔164との軸間距離の設定を単一の部材において高精度に行うことができる。また、取付部材160は単一の部材であってもワイパアームの揺動範囲を挿通孔162と支軸挿入孔164との軸間距離の組み合わせである2通りの中から選択することができる。さらに複数種類の取付部材160を用意しておくことによって、様々な仕様のワイパモータ90において、複数種類のワイパアームの揺動範囲をきめ細かく設定することが可能である。すなわち、ホイール部材150は共通のまま、取付部材160を予め用意された複数のものの中から選択することにより、ウォームホイール128の汎用性を高めることが可能である。これにより、ウォームホイール128を成形するために型の種類を大幅に減らすことができ、型の設計や製造、型の保管や管理の手間が省けるため、製造工数を低減することができる。
取付部材160は、ホイール部材150と同様に樹脂製として樹脂成型により製造することもできるが、ホイール部材150とは別部材であるため、材質を異ならせることも可能であり、例えば、金属製とすることも可能である。取付部材160を金属製とすると、ウォームホイール128に作用する応力に対する機械的強度を格段に向上することができる。また、金属製の取付部材160は、焼結やプレスによって簡単に、かつ、精度よく製造することができる。例えば、取付部材160を含油焼結金属で成形した場合には、摺動性をも向上することができる。
図14Bに示すように取付部151に対して取付部材160が組み付けられたウォームホイール128においては、強い応力が作用しやすい下反転位置及び上反転位置においては、取付部材160の両支軸挿入孔164間を結ぶ直線上に沿って応力が作用するため、取付部材160を取付部151に取り付けることにより、取付部材160によりこの時の応力に対する強度を十分に確保することが可能である。このため、取付部が取付部材160の両支軸挿入孔164間を結ぶ直線と直交する方向に一対の連結部挿入部154を有することによりホイール部材150が薄肉になっていたとしても、ウォームホイール128に作用する応力によるウォームホイール128の強度を容易に確保できる。
取付部材160においては、挿通孔162を有する中央部161と支軸挿入孔164を有する連結部163とが一体に形成されているため、挿通孔162と支軸挿入孔164との間の軸間距離を精度よく設定することができる。ワイパアームの揺動範囲を決定する際に、挿通孔162と支軸挿入孔164との間隔の設定には、高い精度が求められるが、この精度の面でも本実施例は有利である。
また、連結部挿入部154に対して連結部163を対応させて、取付部材160を取付部151に組み付ける作業は容易である。さらに、各連結部163は、形状が対応している連結部挿入部154に挿入されて固定されるため、組み付け強度が高く、周方向及び径方向のいずれにおいても、強固に固定される。また、回転軸130の軸線方向については、セクタギヤ132及び支軸134によって保持される。
[実施形態2]
図15を参照して本発明の実施形態2に係るワイパモータ90を説明する。なお、図15は、本発明の実施形態2に係る減速ホイールとしてのウォームホイール128Aの平面図である。図1〜図14に共通の構成については同一の符号を用い、その説明は省略する。実施形態2では、取付部材160Aの連結部163Aの個数が1個である点で、実施形態1と異なる。
取付部材160Aは、単一の部材に挿通孔162Aと支軸挿入孔164Aとを設けており、挿通孔162Aを有する中央部161Aと、中央部161Aの周方向の一箇所に設けられ、接続部としての支軸挿入孔164Aを有する連結部163Aとからなる。取付部材160Aは、ホイール部材150の取付部151に取り付けられる。この際、連結部163Aの形状は連結部挿入部154の形状と対応しており、また、中央部161Aの連結部163Aとは反対側の2箇所では、連結部163Aとは反対方向に設けられた連結部挿入部154の取付部151内の開口側において線接触状に当接している。これにより、取付部材160Aは、取付部151に対して、周方向及び径方向に強固に固着されている。なお、回転軸130の軸線方向については、セクタギヤ132及び支軸134により支持されている。
連結部挿入部154に対して形状が対応している連結部163Aを挿入する、取付部材160Aの取付部151への組み付けは簡単に行うことができる。ウォームホイール128Aにはワイパアームの下反転位置及び上反転位置において挿通孔162Aと支軸挿入孔164Aとを結ぶ直線方向に応力が加わる。この方向の応力に対しては、取付部材160Aの連結部163Aと中央部161Aとによって、及び、中央部161Aの連結部163Aとは反対側の2箇所において、連結部163Aとは反対方向に設けられた連結部挿入部154の取付部151内の開口側において線接触状に当接している部分を介して、ホイール部材150の肉厚部によって、強度が確保されている。
また、4個の連結部挿入部154に対して、選択的に接続部としての支軸挿入孔164Aを位置させることができるので、4通りの異なるレイアウトに対して下反転位置でのワイパアームの停止位置を設定することができる。なお、ワイパアームを上反転位置で停止するように設定することも可能である。
複数種類の取付部材160Aを用意しておくことによって、様々な仕様のワイパモータ90において、複数種類のワイパアームの揺動範囲をきめ細かく設定することが可能である。すなわち、ホイール部材150は共通のまま、取付部材160Aを予め用意された複数のものの中から選択することにより、ウォームホイール128Aの汎用性を高めることが可能である。これにより、ウォームホイール128Aを成形するために型の種類を大幅に減らすことができ、型の設計や製造、型の保管や管理の手間が省けるため、製造工数を低減することができる。
実施形態2では、連結部163Aの数を1個、連結部挿入部154の数を4個としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、連結部挿入部154の数を1個、2個、3個、あるいは、4個以上とすることも可能であるが、より汎用性を確保する上では、連結部挿入部154の数は2個以上とすることが望ましい。
[実施形態3]
図16を参照して本発明の実施形態3に係るワイパモータ90を説明する。なお、図16は、本発明の実施形態3に係る減速ホイールとしてのウォームホイール128Bの平面図である。図1〜図15に共通の構成については同一の符号を用い、その説明は省略する。実施形態3では、取付部材160Bの連結部163Bの個数が3個であり、ホイール部材150Bの連結部挿入部154Bの数が6個である点で、実施形態1及び2と異なる。
取付部材160Bは、単一の部材に挿通孔162Bと支軸挿入孔164Bとを設けており、挿通孔162Bを有する中央部161Bと、中央部161Bの周方向の3箇所に略120°間隔で設けられ、接続部としての支軸挿入孔164Bを有する連結部163Bとからなる。取付部材160Bは、ホイール部材150Bの取付部151Bに取り付けられる。この際、連結部163Bの形状は連結部挿入部154Bの形状と対応しておいる。これにより、取付部材160Bは、取付部151Bに対して、周方向及び径方向に強固に固着されている。なお、回転軸130の軸線方向については、セクタギヤ132及び支軸134により支持されている。
連結部挿入部154Bに対して形状が対応している連結部163Bを挿入する、取付部材160Bの取付部151Bへの組み付けは簡単に行うことができる。ウォームホイール128Bにはワイパアームの下反転位置及び上反転位置において、支軸134が挿入されてセクタギヤ132と連結されている1つの支軸挿入孔164Bと、挿通孔162Bとを結ぶ直線方向に応力が加わる。この方向の応力に対しては、取付部材160Bの当該1つの支軸挿入孔164Bを有する連結部163Bと、中央部161Bと、当該1つの支軸挿入孔164Bを有する連結部163Bとは反対側にある他の2つの連結部163Bとによって受け止められて、強度が確保されている。
また、6個の連結部挿入部154Bに対して、選択的に接続部としての支軸挿入孔164Bを位置させることができるので、6通りの異なるレイアウトに対して下反転位置でのワイパアームの停止位置を設定することができる。なお、ワイパアームを上反転位置で停止するように設定することも可能である。
取付部材160Bの各支軸挿入孔164Bと挿通孔162Bとの軸間距離を異ならせることにより、単一の取付部材160Bによって、3種類のワイパアームの揺動角度範囲に対応させることが可能である。さらに、複数種類の取付部材160Bを用意しておくことによって、様々の仕様のワイパモータ90において、複数種類のワイパアームの揺動範囲をきめ細かく設定することが可能である。すなわち、ホイール部材150Bは共通のまま、取付部材160Bを予め用意された複数のものの中から選択することにより、ウォームホイール128Bの汎用性を高めることが可能である。これにより、ウォームホイール128Bを成形するために型の種類を大幅に減らすことができ、型の設計や製造、型の保管や管理の手間が省けるため、製造工数を低減することができる。
実施形態3では、連結部163Bの数を3個、連結部挿入部154Bの数を6個としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、連結部163Bの数を2個、連結部挿入部154Bの数を6個としてもよいし、連結部163Bの数を4個、連結部挿入部154Bの数を8個としてもよいし、多様な組み合わせが可能である。
[実施形態4]
図17を参照して本発明の実施形態4に係るワイパモータ90を説明する。なお、図17は、本発明の実施形態4に係る減速ホイールとしてのウォームホイール128Cの平面図である。図1〜図16に共通の構成については同一の符号を用い、その説明は省略する。実施形態4では、取付部材160Cの形状が略円筒状である点で、実施形態1乃至3と異なる。
取付部材160Cは、略円筒形状の単一の部材に挿通孔162Cと支軸挿入孔164Cとを設けており、中央に挿通孔162Cを有している。また、取付部材160Cは、周方向に並んで複数の支軸挿入孔164Cが設けられている。各支軸挿入孔164Cと挿通孔162Cとの軸間距離は異なるように設定されている。なお、支軸挿入孔164Cの孔の数については特に限定されるものではなく、1個でも複数個でもよいが、汎用性の観点からは2個以上が望ましい。
取付部材160Cの形状は略円筒形状であるが、この円周の周囲に適宜の凹凸を設けることもでき、また、取付部151C側にもこの凹凸と対応する形状の凹凸が設けられる。取付部材160Cは、取付部151Cに対して径方向には強固に固着されており、また適宜の凹凸を設けることにより、周方向についても強固に固定される。なお、回転軸130の軸線方向については、セクタギヤ132及び支軸134により支持されている。
取付部材160Cの各支軸挿入孔164Cと挿通孔162Cとの軸間距離を異ならせることにより、単一の取付部材160Cによって、複数種類のワイパアームの揺動角度範囲に対応させることが可能である。さらに、複数種類の取付部材160Cを用意しておくことによって、様々の仕様のワイパモータ90において、複数種類のワイパアームの揺動範囲をきめ細かく設定することが可能である。
ワイパアームの下反転位置において停止位置を設定する際においても、取付部材160Cが円筒状であるので、円周方向の任意の方向で取付部151Cに対して取り付けることができるので、きわめて汎用性が高いウォームホイール128Cを提供することができる。なお、ワイパアームを上反転位置で停止するように設定することも可能である。また、ホイール部材150Cは共通のまま、取付部材160Cを予め用意された複数のものの中から選択することにより、ウォームホイール128Cのさらに汎用性を高めることが可能である。これにより、ウォームホイール128Cを成形するために型の種類を大幅に減らすことができ、型の設計や製造、型の保管や管理の手間が省けるため、製造工数を低減することができる。
以上の実施形態では、減速ホイールとしてウォームホイール128を例示して説明したが、本発明の減速ホイールはウォームホイール128だけに限定されるものではなく、例えば、他の減速ギヤと噛み合うギヤ歯155を有する任意の減速ホイールに適用することが可能である。また、以上の実施形態では、ワイパモータを例示して説明したが、本発明はワイパモータに限定されるものではなく、例えば運動変換機構及び減速機構を備える任意のアクチュエータに対して適用可能である。
10…クラッチ装置 12…出力軸 28…入力ディスク
34…ギヤ歯 38…クラッチディスク 90…ワイパモータ
92…モータ本体 93…減速機構 94…揺動機構
122…ウォームギヤ 128…ウォームホイール 130…回転軸
132…セクタギヤ 134…支軸 138…保持レバー
150…ホイール部材 151…取付部 152…底面
153…貫通孔 154…連結部挿入部 155…ギヤ歯
160…取付部材 161…中央部 162…挿通孔
163…連結部 164…支軸挿入孔

Claims (11)

  1. 略円筒状で外周にギヤ歯を有すると共に一方の端面に有底状の取付部を有するホイール部材と、
    前記取付部に挿入される取付部材と、
    を有し、前記ギヤ歯に噛合して入力される回転を減速して運動変換機構に伝達する減速ホイールであって、
    前記ホイール部材の中央であって前記取付部の底面には回転軸が貫通する貫通孔を有し、
    前記取付部材は、前記回転軸が挿通される挿通孔と、前記運動変換機構との接続部とを一体的に有しており、
    前記取付部材は、前記取付部に対して、円周方向で2以上の向きに取り付けられることが可能であることを特徴とする減速ホイール。
  2. 前記取付部材は、前記挿通孔を有する中央部と、前記中央部から外周側に突設されている少なくとも1つの連結部とを有し、
    前記連結部は、前記運動変換機構との前記接続部を有し、
    前記取付部は、前記連結部の形状に対応する連結部挿入部を2つ以上かつ前記連結部の数以上有することを特徴とする請求項1に記載の減速ホイール。
  3. 前記取付部材は、前記連結部を2つ以上有することを特徴とする請求項2に記載の減速ホイール。
  4. 前記取付部材は、前記連結部のそれぞれの前記接続部と前記挿通孔との軸間距離がそれぞれ異なることを特徴とする請求項3に記載の減速ホイール。
  5. 前記取付部は、前記連結部挿入部を略90°間隔に有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の減速ホイール。
  6. 前記取付部材は、略180°間隔に連結部を有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の減速ホイール。
  7. 前記取付部材には、少なくとも2以上の前記接続部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の減速ホイール。
  8. 前記ホイール部材と前記取付部材とは、材質が異なることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の減速ホイール。
  9. 前記取付部材として前記接続部から前記挿通孔までの軸間距離が異なる複数種類のものが用意されており、複数種類のものの中から選択された前記取付部材が前記取付部に取り付けられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の減速ホイール。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の減速ホイールに対して、ウォームを介して回転が伝達され、前記ウォームはモータ部により回転駆動されることを特徴とする減速機構付モータ。
  11. 請求項10に記載の減速機構付モータの回転が伝達される前記運動変換機構が、回転運動を往復運動に変換して出力軸に伝達するものであり、前記出力軸にワイパ装置が接続されていることを特徴とするワイパモータ。
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