JP6009919B2 - リニアアクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、回転運動を直線運動に変換するリニアアクチュエータに関し、特にボールネジ構造を有したリニアアクチュエータに関する。
ロータの回転運動を出力軸の直線運動に変換して出力するリニアアクチュエータが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のようなリニアアクチュエータは、出力軸に雄ネジを設け、受け側に雌ネジを設け、その噛み合わせによって回転運動を軸方向の直線運動に変換している。この構造では、ネジ部の摩擦抵抗が大きいため、効率が悪く、モータのトルクが出力軸に効果的に伝わらない。
この問題に対処する構造として、シャフトにボールネジを切り、また受け側にあたる部分にもボール溝を形成し、ボール溝にボールを保持させることで、小さなトルクでも大きな推力が発生するボールネジ方式のリニアアクチュエータが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−122203号公報 特開2012−175829号公報
しかしながら、特許文献2に記載のリニアアクチュエータにおいては、部品精度のばらつきや組立精度が悪い場合、軸方向でのがたつきが生じ、出力軸の往復移動でのヒステリシス差が生じ、安定した位置決め精度が得られない虞がある。また、このがたつきにより騒音発生の要因となる虞がある。
このような背景において、本発明は、軸方向でのがたつきがなく、出力軸の往復移動でのヒステリシス差がない安定した位置決め精度を得ることができ、さらに出力軸の移動時の騒音を低減することができる、簡素な構造のボールネジ構造を有したリニアアクチュエータを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、螺旋溝を有する出力軸と、ステータと、前記ステータの内側に配置されロータと、前記ロータを軸方向で挟む一対の軸受と、前記ステータの一方側に配置されたフロントハウジングと、前記ステータの他方側に配置されたエンドハウジングと、前記エンドハウジングにより前記一対の軸受の一方を軸方向に付勢するための付勢手段とを備え、前記ロータは、一対のスリーブと、前記出力軸が通された筒状の構造を有するリテーナと、を備え、互いに向き合う側における一対のスリーブそれぞれには、凹部が設けられており、前記リテーナの外周には、対向する一対の前記凹部で形成される隙間に嵌る突起部を備え、前記リテーナの内周面には、前記出力軸に沿って複数の凹部が配置され、前記複数の凹部と前記出力軸の間には、前記出力軸の螺旋溝に沿って移動するボールが複数配置されていることを特徴とするリニアアクチュエータである。
請求項1に記載の発明によれば、複数の部品で構成されたロータが軸方向の両側から付勢され挟まれた状態となるので、簡素な構造でありながら、ロータの構造を強固なものとできる、このため、軸方向でのがたつきがなく、出力軸の往復移動でのヒステリシス差がない安定した位置決め精度を得ることができ、さらに出力軸の移動時の騒音を低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記エンドハウジングは、前記ステータに接合するベース部と前記付勢手段を備えるボス部から構成され、前記ベース部と前記ボス部が互いにねじ構造により螺合し、前記ボス部が前記一対の軸受の一方に軸方向から接触して付勢していることを特徴とする。請求項2に記載の発明によれば、ねじ構造を締め付けることで、ロータが軸方向で付勢される状態が発生する。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記付勢手段は、前記エンドハウジングと前記一対の軸受の一方との間に配置されたばね部材であることを特徴とする。請求項3に記載の発明によれば、ばね部材によりロータが軸方向で付勢される状態が発生する。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記リテーナは、周方向において複数に分割可能な構造を有することを特徴とする。請求項4に記載の発明によれば、樹脂を原料としてリテーナを成形することができ、コストダウンを図ることができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記一対のスリーブの一方が前記一対の軸受の一方に軸方向において接触し、且つ、前記一対のスリーブの他方が前記一対の軸受の他方に軸方向において接触することで、前記リテーナと該リテーナの外周に装着された前記一対のスリーブとにより構成される部材が前記一対の軸受によって軸方向において付勢された状態で挟まれていることを特徴とする。請求項に記載の発明によれば、簡素な構造でありながら、一対のスリーブとリテーナとが結合した構造をガタが生じ難い強固なものとできる。
請求項に記載の発明は、請求項またはに記載の発明において、前記一対のスリーブそれぞれの端の縁の部分には、該スリーブの前記凹部と凸部とによって構成された凹凸構造が設けられ、一対の前記凹凸構造が対向した状態で前記リテーナに接着剤を用いて固定され、前記隙間が前記接着剤の接着剤溜りとして機能することを特徴とする。請求項に記載の発明によれば、簡素な構造でありながら強固な構造が得られる。
請求項に記載の発明は、請求項1、5、6のいずれか一項に記載の発明において、前記リテーナは、周方向に分割された第1のリテーナ片、第2のリテーナ片および第3のリテーナ片により構成され、前記第1のリテーナ片と前記第2のリテーナ片とは同じ部材であり、前記第3のリテーナ片には、前記一対のスリーブそれぞれにおける対向する凹凸構造に接触し、前記対向する凹凸構造同士の位置合わせ、および前記一対のスリーブの回転止めとして機能する前記突起部が設けられていることを特徴とする。請求項に記載の発明によれば、一対のスリーブに対するリテーナの回り止めの構造が得られる。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか一項に記載の発明において、前記出力軸から半径方向に突出するピンと、前記フロントハウジングの内周に設けられ、前記ピンを収容する軸方向に延在するピン収容部と、前記ピンが接触可能なストッパーとを備え、前記ピンが前記ピン収容部の内部において軸方向に往復移動し、前記ストッパーに当接することで、前記出力軸の軸方向の移動が規制されていることを特徴とする。請求項に記載の発明によれば、ストッパーがあることで、出力軸の急激な後進による軸受の不具合が防止される。
本発明によれば、軸方向でのがたつきがなく、出力軸の往復移動でのヒステリシス差がない安定した位置決め精度を得ることができ、さらに出力軸の移動時の騒音を低減することができる、簡素な構造のボールネジ構造を有したリニアアクチュエータが得られる。
実施形態のリニアアクチュエータの分解斜視図である。 実施形態のリニアアクチュエータの断面図である。 スリーブとリテーナを分離した状態を示す斜視図である。 リテーナを分解した状態を示す斜視図である。 他の実施形態のリニアアクチュエータの断面図である。
1.第1の実施形態
(構造)
図1および図2には、実施形態のリニアアクチュエータ100が示されている。リニアアクチュエータ100は、フロントハウジング101、エンドハウジング102、ステータ103、ステータ104、および出力軸150を備えている。出力軸150には、ボールネジを構成する螺旋溝150aが形成されている。出力軸150は、後述する仕組みで駆動され、フロントハウジング101に対して軸方向に移動する。出力軸150が軸方向に動くことで、リニアアクチュエータとしての機能が得られる。図1には、駆動コイル(ステータコイル)105と106、更に駆動コイル105および106を構成する巻線の端部が接続された4本の端子ピン107が示されている。端子ピン107に外部から駆動電流を供給するための配線が接続される。
ステータ103(カップ形ステータヨーク)と104(カップ形ステータヨーク)は、クローポール型のステッピングモータのステータヨークを構成するもので、磁性材料(電磁軟鉄あるいは圧延鋼板など)により構成され、軸方向に延在する極歯103a,104aを備えた筒形状を有している。ステータ103には、極歯103aと隙間を有した状態で噛み合う極歯122aを備えた内側ステータヨーク122が組み合わされている。ステータ103と内側ステータヨーク122との間の空間に、駆動コイル105が巻回された樹脂製のボビン108が収納されている。ステータ104には、極歯104aと隙間を有した状態で噛み合う極歯123aを備えた内側ステータヨーク123が組み合わされている。ステータ104と内側ステータヨーク123との間の空間に、駆動コイル106が巻回された樹脂製のボビン109が収納されている。ボビン108,109は、端子ピン107を立設するための端子基台部108a,109aを備えている。ステータ103と104は、内側に内側ステータヨーク122,123を納めた状態で軸方向において結合されている。
ステータ103は、フロントハウジング101と結合し、ステータ104は、エンドハウジング102と結合している。エンドハウジング102は、一端が閉じた略円筒形状のボス部102aと、略円盤形状のベース部102bの2つの部材により構成されている。ボス部102aの外周におけるベース部102bに接触する部分には、雄ねじ部102cが形成されている。また、ボス部102の内周におけるベース部102に接触する部分には、雌ねじ部102dが形成されている。雄ねじ部102cと雌ねじ部102dとは、互いに噛み合う構造を有し、両者が噛み合い螺合することで、ボス部102aとベース部102bとがねじ構造により結合し、エンドハウジング102が構成されている。
ステータ103の内側(軸中心の側)には、軸受110が嵌め込まれることで取り付けられ、ステータ104の内側には、軸受111が嵌め込まれることで取り付けられている。上述したように、ボス部102aとベース部102bとがねじ構造により結合することで、エンドハウジング102が構成されているが、ボス部102aがベース部102bにねじ込まれることで、ボス部102aの端面(図2の左側の端面)が軸受111の外輪111aに接触し、軸受111が軸方向(図の左の方向)に所定圧で付勢される。
軸受110は、円筒状のスリーブ112を回転自在な状態で保持し、その外輪110aが後述する円盤状のストッパー160に軸方向で接触し、その内輪110bがスリーブ112の段差部112dに軸方向で接触している。軸受111は、円筒状のスリーブ113を回転自在な状態で保持し、その外輪111aがボス部102aに軸方向で接触し、その内輪111bがスリーブ113の段差部113dに軸方向で接触している。
スリーブ112と113の内側には、略円筒形状のリテーナ114が保持されている。スリーブ112,113の外側に永久磁石により構成される略円筒形状のロータマグネット115,116が固定されている。ロータマグネット115,116は、周方向に沿ってNSNS・・と着磁がされた磁極構造を有している。スリーブ112,113は、磁性材料であり、ロータマグネット115,116のバックヨークとしても機能する。また、ロータマグネット115の外側は、隙間を有した状態で、極歯103a,122aに対向し、ロータマグネット116の外側は、隙間を有した状態で、極歯104a,123aに対向している。
スリーブ112,113、リテーナ114、ロータマグネット115,116によりロータ130が構成されている。このロータ130は、軸受110と111により、ステータ103および104の内側で、回転自在な状態で保持されている。
図3および図4に示すように、中空円筒状のリテーナ114は、周方向に3分割された第1のリテーナ片114a、第2のリテーナ片114および第3のリテーナ片114cにより構成されている。第1のリテーナ片114aと第2のリテーナ片114bは同じ形状の部材であり、引用符号118,119で示される噛み合い形状が設けられており、第3のリテーナ片114cの外周には、軸中心から離れる方向に突出した突起部である位置決め部材117が設けられている。そして、一対の中空円筒状のスリーブ112,113をリテーナ114の軸方向の両端からそれぞれ被せることでスリーブ112,113とリテーナ114とが一体化されている。
スリーブ112のスリーブ113に向き合う側の端部には、凹部112aと凸部112bによって構成される凹凸構造112cが設けられている。また、スリーブ113のスリーブ112に向き合う側の端部には、凹部113aと凸部113bによって構成される凹凸構造113cが設けられている。スリーブ112の端部とスリーブ113の端部が互いに合わさるように対向した状態において、軸方向において凹部112aと凹部113aが互いに対向し、凸部112bと凸部113bが互いに対向する。
スリーブ112には、周方向に延在する環状の段差部112dが設けられ、この段差部112dは、図2に示すように、軸受110の内輪110bに接触する。スリーブ113には、周方向に延在する環状の段差部113dが設けられ、この段差部113dは、図2に示すように軸受111の内輪111bに接触する。
リテーナ114cの外周には、突起部である位置決め部材117が設けられている。組み立てられた状態において、位置決め部材117は、上記凹部112aと凹部113aとが対向した部分に形成される隙間の部分に嵌り、位置決め部材117が凹凸構造112cと113cに嵌った状態となる。位置決め部材117により、スリーブ112とスリーブ113との軸回り方向における位置関係が決まり、またスリーブ112,113とリテーナ114との位置関係が決まる。また、位置決め部材117により、スリーブ112,113がリテーナ114に対して回転しない回転止めの構造が得られている。凹部112aと凹部113aとが対向した部分に形成される隙間は、複数形成されるが、位置決め部材117が嵌るのは、その一箇所であり、他の隙間の部分は、スリーブ112,113とリテーナ114とを固定するための接着剤の接着剤溜りとして機能する。
リテーナ114の内周面には、螺旋方向に沿って配置された略半球形状の複数の凹部120が設けられている。凹部120は、出力軸150に形成された螺旋溝150aが延在する螺旋状の方向に沿って、間隔をおいて点々と複数が点状に配置されている。凹部120のそれぞれには、ボール121が接触した状態で保持される。ここで、ボール121は、凹部120の内側に固定されておらず、グリスを介して単に接触した状態で保持されている。ボール121は、凹部120の凹面に接触した状態で、凹部120の内側に拘束された状態で保持される。この例において、複数の凹部120は、螺旋が1回転する周上に沿って並んで配置されている。複数の凹部120が配列された螺旋の形状は、出力軸150(図1,図2参照)に設けられた螺旋溝150aのピッチに合わせた状態を有している。ここで、複数の凹部120のそれぞれに保持されたボール121は、他方で出力軸150の螺旋溝150aに転がることが可能な状態で接触している。
この例において、凹部120の内面は、ボール121が納まる半球形状の凹面を有しているが、凹部120の内面形状としては、ボール121を受けることができる凹型の曲面であれば、半球形状に限定されない。
図2に示すように、リテーナ114の内側にボール121を介して、出力軸150を組み付けた状態において、リテーナ114の内側と出力軸150の外側とは、間にボール121を介した状態で間接的に噛みあっている。すなわち、リテーナ114の内側には、複数の凹部120が設けられ(図4参照)、この複数の凹部120のそれぞれには、ボール121が接触した状態で保持され、更にボール121は出力軸150の螺旋溝150a(図2参照)に転がることが可能な状態で接触している。
出力軸150を固定して、リテーナ114を軸周りに回転させると、ボール121が凹部120の内側に保持された状態で、螺旋溝150aの内部をその螺旋方向に沿って転がり、リテーナ114が出力軸150に対して回転しつつ軸方向に移動する。逆に、リテーナ114が軸方向に動かず、且つ、回転が可能な状態で、更に出力軸150が回転できない状態とした場合において、リテーナ114を軸周りに回転させると、ボール121が螺旋溝150a内部を転がり、リテーナ114に対して、出力軸150が軸方向に移動する。つまり、リテーナ114の回転運動が、出力軸150の直進運動に変換される。
出力軸150には、その軸方向に直交する方向(図の上下の方向)に延在したピン151が設けられている。ピン151は、出力軸150のフロントハウジング101(ステータ103,104)に対する軸回りの回転を防止する回転防止部材として機能する。151は、フロントハウジング101の内周面に設けられたピン収容室152に軸方向への移動が可能な状態で収容される。ピン収容室152は、軸方向に延在した溝状の空間である。出力軸150が回転しようとすると、ピン151がピン収容室152の側壁に接触し、出力軸150の回転が規制される。他方において、ピン151は、ピン収容室152に収容された状態において、軸方向に移動が可能であり、これにより、フロントハウジング101に対する出力軸150の軸方向への移動が許容されている。また、図2に示すように、出力軸150は、軸受153によって、軸方向に移動可能な状態でフロントハウジング101の内側に保持されている。
フロントハウジング101の内側には、ストッパー160が配置されている。ストッパー160は、中央に出力軸150が挿通するための孔が設けられた略環形状を有している。ストッパー160にピン151が接触することで、出力軸150のそれ以上の図2の右方向への移動が規制される。ストッパー160の一方の側(図2の右側)は、軸受110の外輪110aに接触し、他方の側(図2の左側)は、ハウジング101内側の段差部101aに接触している。また、ストッパー160は、内輪110bに接触しないように、内輪110bに対向する部分が凹面に加工されている。
(動作の一例)
端子ピン107を介して、駆動コイル105,106に極性が交互に変化する駆動電流を流す。すると、クローポール型のステッピングモータの原理により、駆動コイル105,106とロータマグネット115,116との間に周方向における反発力と吸引力が作用し、それが交互に切り替わることで、スリーブ112,113、リテーナ114、ロータマグネット115,116により構成されるロータ130が回転する。
この際、ボール121は凹部120に拘束され、且つ、出力軸150の螺旋溝150aに拘束されており、更にピン151の機能により、出力軸150は回転できないので、ネジの原理により出力軸150が軸方向に移動する。この出力軸150の移動の方向は、リテーナ114の回転の方向を反転させると、逆向きとなる。こうして、リテーナ114を回転させることによる出力軸150の直進動作が行われる。
(優位性1)
以上述べたように、リニアアクチュエータ100は、ステータ103,104、回転可能に配置されるロータ130、螺旋溝が形成された出力軸150、出力軸150を内側に納め、前記螺旋溝に沿った位置に点状に配置された複数の凹部を備えたリテーナ114、ロータ130を回転可能に支持する一対の軸受110,111、フロントハウジング101、エンドハウジング102を備え、エンドハウジング102が軸受111を軸方向で付勢しており、軸受110,111に挟まれた状態でロータ130が軸方向で圧力を受けた構造を有している。
この構造では、ねじが締め付けられる原理により、ボス部102aが一方の軸受111の外輪111aを軸方向に押し付勢している。この付勢力は、内輪111bから段差部113dを介して、スリーブ113に加わる。そしてスリーブ113からリテーナ114を介してスリーブ112に加わり、スリーブ112は段差部112dの部分が軸受110の内輪110bに接触しているため、軸受110に付勢力が加わる。
したがって、リテーナ114とその外周に装着された一対のスリーブ112,113とにより構成される図3に示す部材が、軸方向において付勢された状態で一対の軸受111,110によって挟まれる。すなわち、ボス部102aから外輪111aに作用する軸方向の付勢力により、スリーブ112と113がリテーナ114を軸方向で圧力を有した状態で挟みつける状態が得られる。この構造によれば、図3に示す部品の結合構造がより強固でがたつきの無いものとなり、図3に示す構造における部品精度や組立精度に起因する軸方向におけるがたつきが抑えられる。そして、この軸方向におけるがたつきが抑えられることで、出力軸150の往復移動でのヒステリシス差が生じる問題の発生や、安定した位置決め精度が得られない問題の発生が抑えられる。また、がたつきによる騒音の発生が抑えられる。
特にリテーナ114を周方向で分割した構造とした場合、後述する(優位性2)で述べるように、リテーナ114を、樹脂を原料として成形し易くなるというメリットが得られるが、他方で、周方向に分割された構造を結合したものであるので、部品精度や組立精度に起因するガタの発生の点で不利となる傾向が生じる。しかしながら、軸方向の両側から軸受111,110によって付勢されてスリーブ113と114が押されることで、図3に示す構造の一体性が強化され、上記のガタの発生が抑えられる。
(優位性2)
スリーブ112の凹部112aとスリーブ113の凹部113aの間には隙間が形成され、この隙間にリテーナ片114cの位置決め部材117を嵌合させることで、スリーブ112,113とリテーナ114の位置関係が決まり、この位置決め部材117がリテーナ114の回転止めとして機能する。また、他の凹部112aと凹部113aの間に形成された隙間は、スリーブ112,113とリテーナ114を互いに接着するための接着剤が充填され、接着剤溜まりとして機能する。
このようにボール121を保持するリテーナ114を複数のリテーナ片114a〜114cに分割することにより、樹脂成形を容易にし、コストダウンができる。また、リテーナ片114cに突起物である位置決め部材117を設け、これを一対のスリーブ112,113の間に形成した隙間に嵌合させることで、リテーナ114とスリーブ112,113の位置合わせができると共に、リテーナ114の回転止めの構造が容易に得られる。
(優位性3)
また、ストッパー160を配置することで、軸受110に不具合が生じる可能性が抑えられる。すなわち、仮にストッパー160が無い場合において、何らかの理由によりシャフト150が勢いよく後進すると、ピン151が軸受110に直接衝撃を持って接触する。この結果、外輪110aと内輪110bの位置ずれ、歪み、ベアリングボールの位置ずれといった問題が発生する虞がある。これに対して、ストッパー160を配置することで、ピン151が軸受110に直接衝突することがなくなり、また仮にピン151が勢いよく後進し、ストッパー160に衝突しても、その衝撃がストッパー160によって緩和されるので、上述した不具合の発生が抑えられる。
2.第2の実施形態
図5に図1に示すリニアアクチュエータ100の一部を変形した構造の例が示されている。図5の構造は、エンドハウジング102の構造およびばね部材161がある点で図1の構造と異なっており、他は図1の構造と同じである。
図5の構造では、エンドハウジング102は、図1の場合と異なり分割されていない。そして、エンドハウジング102の軸受111に対向する面にばね部材161を配置している。ばね部材161は、皿ばねであり、軸方向において、エンドハウジング102と軸受111の外輪111aに接触している。ばね部材161は、軸方向で圧縮されており、軸受111の外輪111aを軸方向(図5の左方向)に所定圧で付勢している。
この場合も図1の第1の実施形態の場合と同様に、スリーブ112と113がリテーナ114を軸方向で挟みつける圧力を受け、図3の構造がより強固でがたつきの無いものとなる。なお、ばね部材161は、皿ばね以外に波ワッシャーを用いることができる。
3.その他
本発明の態様は、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
本発明は、リニアアクチュエータに利用することができる。
100…リニアアクチュエータ、101…フロントハウジング、101a…段差部、102…エンドハウジング、102a…ボス部、102b…ベース部1、102c…雄ねじ部、102d…雌ねじ部、103…ステータ(カップ形ステータヨーク)、103a…極歯、104…ステータ(カップ形ステータヨーク)、104a…極歯、105…駆動コイル、106…駆動コイル、107…端子ピン、108…ボビン、109…ボビン、109a…端子基台部、110…軸受、110a…外輪、110b…内輪、111…軸受、111a…外輪、111b…内輪、112…スリーブ、112a…凹部、112b…凸部、112c…凹凸構造、112d…段差部、113…スリーブ、113a…凹部、113b…凸部、113c…凹凸構造、113d…段差部、114…リテーナ、114a…リテーナ分割片、114b…リテーナ分割片、114c…リテーナ分割片、115…ロータマグネット、116…ロータマグネット、117…位置決め部材、118…噛み合い形状、119…噛み合い形状、120…凹部、121…ボール、122…内側ステータヨーク、122a…極歯、123…内側ステータヨーク、123a…極歯、130…ロータ、150…出力軸、150a…螺旋溝、151…ピン、152…ピン収容部、153…軸受、160…ストッパー、161…ばね部材。

Claims (8)

  1. 螺旋溝を有する出力軸と、
    ステータと、
    前記ステータの内側に配置されロータと、
    前記ロータを軸方向で挟む一対の軸受と、
    前記ステータの一方側に配置されたフロントハウジングと、
    前記ステータの他方側に配置されたエンドハウジングと、
    前記エンドハウジングにより前記一対の軸受の一方を軸方向に付勢するための付勢手段

    を備え、
    前記ロータは、一対のスリーブと、前記出力軸が通された筒状の構造を有するリテーナと、を備え、
    互いに向き合う側における一対のスリーブそれぞれには、凹部が設けられており、
    前記リテーナの外周には、対向する一対の前記凹部で形成される隙間に嵌る突起部を備え、
    前記リテーナの内周面には、前記出力軸に沿って複数の凹部が配置され、
    前記複数の凹部と前記出力軸の間には、前記出力軸の螺旋溝に沿って移動するボールが複数配置されていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. 前記エンドハウジングは、前記ステータに接合するベース部と前記付勢手段を備えるボス部から構成され、前記ベース部と前記ボス部が互いにねじ構造により螺合し、前記ボス部が前記一対の軸受の一方に軸方向から接触して付勢していることを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
  3. 前記付勢手段は、前記エンドハウジングと前記一対の軸受の一方との間に配置されたばね部材であることを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
  4. 前記リテーナは、周方向において複数に分割可能な構造を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリニアアクチュエータ。
  5. 前記一対のスリーブの一方が前記一対の軸受の一方に軸方向において接触し、且つ、前記一対のスリーブの他方が前記一対の軸受の他方に軸方向において接触することで、前記リテーナと該リテーナの外周に装着された前記一対のスリーブとにより構成される部材が前記一対の軸受によって軸方向において付勢された状態で挟まれていることを特徴とする請求項に記載のリニアアクチュエータ。
  6. 前記一対のスリーブそれぞれの端の縁の部分には、該スリーブの前記凹部と凸部とによって構成された凹凸構造が設けられ、
    一対の前記凹凸構造が対向した状態で前記リテーナに接着剤を用いて固定され、
    前記隙間が前記接着剤の接着剤溜りとして機能することを特徴とする請求項またはに記載のリニアアクチュエータ。
  7. 前記リテーナは、周方向に分割された第1のリテーナ片、第2のリテーナ片および第3のリテーナ片により構成され、
    前記第1のリテーナ片と前記第2のリテーナ片とは同じ部材であり、
    前記第3のリテーナ片には、前記一対のスリーブそれぞれにおける対向する凹凸構造に接触し、前記対向する凹凸構造同士の位置合わせ、および前記一対のスリーブの回転止めとして機能する前記突起部が設けられていることを特徴とする請求項1、5、6のいずれか一項に記載のリニアアクチュエータ。
  8. 前記出力軸から半径方向に突出するピンと、
    前記フロントハウジングの内周に設けられ、前記ピンを収容する軸方向に延在するピン収容部と、
    前記ピンが接触可能なストッパーと
    を備え、
    前記ピンが前記ピン収容部の内部において軸方向に往復移動し、前記ストッパーに当接することで、前記出力軸の軸方向の移動が規制されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のリニアアクチュエータ。
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